以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、パチンコ機10の外観を示した斜視図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わされて外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持される内枠12とを有して構成されている。
パチンコ機10の正面視(図1の矢印A方向視)左側の上下2カ所には、外枠11に対して内枠12を開閉可能に支持するヒンジ13が設けられており、そのヒンジ13が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開放される。
内枠12の前面(正面)側には、その前面を覆う前面枠14が設けられ、内枠12の裏面側には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤16(図8参照)が着脱可能に装着される。前面枠14は、パチンコ機10の正面視左側の上下2カ所に設けられたヒンジ15により、内枠12に対して開閉可能に支持され、ヒンジ15が設けられた側を開閉の軸として正面手前側へ開放される。
なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠62の鍵穴(図示せず)に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことによりそれぞれ解除される。具体的には、シリンダ錠62に対して専用鍵による所定の解錠操作(本実施形態では右回転操作)が行われることにより内枠12の施錠状態が解錠され、シリンダ錠62に対して専用鍵による所定の解錠操作(本実施形態では左回転操作)が行われることにより前面枠14の施錠状態が解錠される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット17が配設され、そのガラスユニット17を介して遊技盤16がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿18が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿18に賞球や貸出球などが排出される。上皿18の底面は正面視右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿18に投入された球が、遊技盤16の前面領域に球を発射する球発射ユニット112a(図9参照)へと案内される。
また、上皿18の下方には、枠ボタン19が設けられている。この枠ボタン19は、例えば、第3図柄表示装置81(図9参照)で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作されるボタンである。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、発光ダイオード(LED)等の発光手段を内蔵した電飾部29〜31が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜31が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜31が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視右中段部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ32が設けられている。
なお、本実施形態では、電飾部29〜31及び表示ランプ32に使用される発光手段として、複数の3色LEDやフルカラーLEDを採用し、電飾部29〜31及び表示ランプ32がフルカラーでの発色(発光)が可能に構成されている。
また、電飾部30と電飾部31との間には、発光手段である複数のLED37a(図示せず)が設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110(図9参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
ここで、上述したパチンコ機10が確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。さらに、本実施形態における確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64(図8参照)へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット、図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。
具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿18に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
上皿18の下側には、その中央部に上皿18に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿21が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿21の右側には、球を遊技盤16の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル22が配設され、かかる操作ハンドル22の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、操作ハンドル22の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル22が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル22の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤16の前面へ球が打ち込まれる。
下皿21の正面下方部には、下皿21に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー23が設けられている。この球抜きレバー23は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿21の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー23の操作は、通常、下皿21の下方に下皿21から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
次に、図2を参照して、外枠11、内枠12及び前面枠14について説明する。図2は、外枠11に対して内枠12が開放された状態、及び、内枠12に対して前面枠14が開放された状態を示した斜視図である。
図2に示すように、内枠12は、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース40を主体に構成されており、内枠ベース40の中央部には、略円形状の中央窓40aが形成されている。内枠ベース40の裏面側には、遊技盤16(図8参照)の取付部が設けられ、遊技盤16が着脱可能に装着される。
内枠12は、前述した上ヒンジ13,13により、外枠11に対して回動可能に支持された扉状の部材である。内枠12の開閉軸線は、ヒンジ13,13が設けられるパチンコ機10の正面視左側に上下に延設され、この開閉軸線を軸心にして内枠12はパチンコ機10の正面手前側に開放される。
内枠12の外周には、前面側へ突設された外周壁40bが形成されており、その外周壁40bの内側に前面枠14が配設される。即ち、内枠12に前面枠14が取り付けられた状態では、前面枠14の各側面の外周は、内枠12の外周壁40bにより囲繞される。このため、前面枠14と内枠12との間へ針金や薄板状の工具等を挿入する行為が困難となり、不正行為を抑制することができる。
内枠12の正面視左上には、配線口40cが内枠ベース40を貫通して設けられている。配線口40cには、前面枠14の電飾等に使用する部品の配線が内枠12の裏面側に挿通され、遊技盤16の裏面に接続される。
なお、図示しないが、内枠12には、パチンコ機10の前面側に円柱状に突出した押しボタン型の開閉スイッチが設けられ、前面枠14の開閉状態が検出される。この開閉スイッチは、主制御装置110(図9参照)に接続され、前面枠14の開閉状態に応じて処理が行われる。例えば、前面枠14が開放された場合に、電飾部29〜31を点灯させる処理などである。
内枠ベース40の中央窓40aの下側には、平面状の取付面40dが形成されており、この取付面40dに、球を遊技盤16の前面に発射するための球発射ユニット112a(図9参照)等が取り付けられる。また、内枠ベース40の中央窓40aの左側下方には、払出ユニット93(図3参照)から払い出された球を上皿18へ供給するための供給路40eが形成されている。
内枠ベース40の正面視右側部には、後述する前面枠鉤部14aが挿通する内枠貫通口40fが上下方向に3つ形成されている。また、下方の内枠貫通口40fと中段の内枠貫通口40fとの間には、施錠ユニット60のシリンダ錠62を正面側に突出させる開口40gが形成されている。
前面枠14は、矩形状に形成されたABS樹脂製の前面枠ベース50を主体に構成されており、前面枠ベース50の中央部には遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。
前面枠14の裏面側の上部左右には、音声出力装置226の1つであるスピーカ51が取り付けられている。このスピーカ51は、音声ランプ制御装置113(図9参照)により制御され、遊技状態の応じた音声出力を行ったり、エラーの報知等を行うものである。
前面枠14の裏面側の窓部14cの右下側には、内枠ベース40に設けられた供給路40eから払い出された球を、上皿18に導くための受け皿52が形成されている。この受け皿52を介して、払出ユニット93から払い出された球が上皿18に供給される。
受け皿52の隣には、上皿18および下皿21に球を排出する通路を形成する通路形成部材53が設けられている。通路形成部材53は、上皿18が満タンのときに球を下皿21へ排出するための下皿排出通路(図示せず)と、ファール球を下皿21へ排出するためのファール球通路(図示せず)とを形成するための部材である。ここで、ファール球とは、発射時の打ち出し力(発射力)が弱くて戻り球防止部材68(図8参照)が位置する遊技領域の入口に到達せずに発射レール61,62(図8参照)側へ戻った球を意味している。
排出通路の途中には、各スイッチ208の1つとして、下皿21が球で満タンとなっていることを検出するための満タンセンサ(図示せず)が設けられている。なお、排出通路の満タンが満タンセンサにより検出されると、「球を抜いて下さい」等のエラーメッセージが第3図柄表示装置81(図9参照)に表示されたり、スピーカ51から音声出力される。
前面枠14の裏面側の左側には、前面枠14の背面側に突出して鉤状に形成された3つの前面枠鉤部14aが一体的に形成されている。この前面枠鉤部14aが内枠12の内枠貫通口40fを挿通し、内枠12の裏面側に設けられる施錠ユニット60により施錠されて、前面枠14が内枠12に対して閉鎖される。また、下方の前面枠鉤部14aと中段の前面枠鉤部14aとの間には、シリンダ錠62を前面枠14の前面に露出させる開口14bが形成されている。
前面枠14の裏面側の窓部14cの左側下方には、球出口54が設けられている。この球出口54は、上皿18の最下流部に設けられ、前面枠14の閉鎖時に上皿18の球を球発射ユニット112aに導く導入口である。
外枠11は、板材により上下左右の四辺を構成して、全体として矩形状に形成されている。板材は、上述したヒンジ13が取り付けられる天井板11aと、同様にヒンジ13が取り付けられる底板11bと、その底板11bと天井板11aとを連結する側板11c,11d(図2において側板11cは視認不可)とで構成されている。側板11c、11dは、パチンコ機10の正面視において、左側が側板11cであり、右側が側板11dである。
また、本実施形態では、天井板11a及び底板11bが木製であり、側板11c,11dがアルミ製である。よって、側板11c,右側板11dをアルミ製にすることで、外枠11の強度を高めることができる。また、側板11c、11dが不正に破壊させることを抑制できるので、外枠11を破壊して内枠12を開放するなどの不正行為の発生を抑制することができる。なお、天井板11a、底板11b及び側板11c、11dの材質は、特に限定せずに、如何なる材質で構成しても良い。
側板11dは、内枠12が外枠11に対して閉鎖された状態で、施錠ユニット60が設けられた側に位置する側板であり、その側板の正面側には、外枠カバー11eが設けられている。外枠カバー11eは、側板11dから外枠11の内側方向に突出すると共に、側板11dの上下方向の全域に亘って形成されている。
ここで、パチンコ機に対しては、薄板状の工具等を部材間の隙間から差し入れて行う不正行為が報告されているが、本実施形態のパチンコ機10においては、外枠11の外側から工具等を差し入れて内枠12を不正に開放する行為を、外枠カバー11eにより阻止できるので、不正行為の発生を抑制することができる。
次に、図3及び図4を参照して、パチンコ機10の背面側について説明する。図3は、パチンコ機10の背面側を示した図であり、図4は、制御基板ユニット90,91及び裏パックユニット94を分解した状態の斜視図である。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に配設されている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116が搭載されてユニット化されている。裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。
また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111、発射制御装置112及び電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
図3に示すように、基板ボックス100,101は、裏パック92により覆われた状態となっている。基板ボックス101は、その全体が裏パック92により覆われており、基板ボックス100は、裏面視において左側端部と上部とが裏パック92により覆われている。基板ボックス100のパチンコ機10の背面側への固着は、その裏パック92により覆われた左側端部と上部とによってなされているので、基板ボックス100の一部が露出した状態であっても、基板ボックス100の取り外しはできないように構成されている。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
また、裏パック92により覆われた基板ボックス100は、遊技盤16の裏面側に取り付けられた状態で、その上部に、他の制御装置やセンサ、ソレノイドなどとの間を電気的に接続するコネクタの接続部が設けられている。この接続部が裏パック92により覆われているので、裏パック92を遊技盤16の裏面側に対して開放しないと、接続部のコネクタを外して基板ボックス100(主制御装置110)を取り外すことができないように構成されている。
また、裏パック92により覆われた基板ボックス100は、遊技盤16の裏面側に取り付けられた状態で、裏面視左側部に、前述したかしめ構造により基板ボックス100を開封不能に連結する連結部が設けられている。この連結部が裏パック92により覆われているので、裏パック92を遊技盤16の裏面側に対して開放しないと、連結部の連結を解除できないように構成されている。
なお、裏パック92により覆われた基板ボックス100は、遊技盤16の裏面側に取り付けられた状態で、裏面視右側部に識別シール100aが貼着されている。この識別シール100aは、裏パック92により覆われておらず、遊技盤16の裏面に露出している。識別シール100aは、固有の情報を有するICチップが埋め込まれており、そのICチップは、図示しない読取装置から電波が送信されると、ICチップが有する固有の情報を読取装置に対して送信するように構成されている。そのため、識別シール100aは、遊技盤16の裏面側に露出して貼着されている。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図9参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
図4に示すように、裏パックユニット94は、制御ユニット90(図3参照)を覆う裏パック92の裏面視(図4矢印B方向視)において上部および右側部に、略L字状の外形状となる払出ユニット93が取り付けられる。裏パック92の下方には、裏面視における左右方向に延びる裏パック支持棒92aが設けられており、裏面視における左下端部には、さらに下方へ突出する裏パック突出部92bが設けられている。また、裏パック92の裏面視の左上端部には、後述する固定金具70により係止される裏パック係止部92cが設けられている。
制御ユニット91は、取付ベース91aに取り付けられた状態で、遊技盤16(図8参照)の裏面側に配設される。そして、取付ベース91aの裏面視における上部には、裏パック支持棒92aに支持されるベース支持部91bが設けられている。また、取付ベース91aは、裏面視における右側端部が図示しないヒンジによって遊技盤16の裏面側に対して開閉可能に構成されている。よって、取付ベース91aに制御ユニット91が取り付けられた状態で、制御ユニット91が遊技盤16の裏面側(パチンコ機10の背面側)に対して開閉動作する。
また、制御ユニット91には、裏面視における左上端部に、取付ベース91aを遊技盤16の裏面側に対して閉鎖した状態で、裏パック92の裏パック突出部92bを覆うユニットカバー部91cが形成されている。よって、図3に示すように、制御ユニット90,91及び裏パックユニット94が遊技盤16の裏面側に配設された状態では、裏パック92の裏パック突出部92bが制御ユニット91のユニットカバー部91cにより覆われた状態となる。
ここで、不正行為者が、正規の基板ボックス100(又は主制御装置110)を不正な基板ボックス(又は主制御装置)に交換する不正行為を行う場合には、不正な基板ボックス(又は主制御装置)に交換したことをホール関係者に知られないために、不正な基板ボックス(又は主制御装置)に交換する作業を早期に終了させる。そのため、不正な基板ボックス(又は主制御装置)に交換する作業が多い又は困難なほど、不正行為者による不正行為を抑制することができる。
本実施形態では、修理や点検などのために基板ボックス100を取り外す場合には、制御ユニット91を遊技盤16の裏面側に対して開放し、その後、裏パック92を遊技盤16の裏面側に対して開放した後でないと不可能となる。よって、主制御装置110が被包された基板ボックス100を取り外し作業行程が多くなるので、不正行為者による不正行為の発生を抑制することができる。
次に、図5〜図7を参照して、基板ボックス100の構造について説明する。図5は、基板ボックス100の外観を示した斜視図であり、図6は、基板ボックス100をベース150及びカバー170に分解した状態の斜視図であり、図7は、基板ボックス100の開封手順を示した図である。
図5に示すように、基板ボックス100は、遊技盤16(図8参照)の裏面側に取り付けられると共に基板ボックス100の底部を形成するベース150と、そのベース150を覆って基板ボックス100の側部および天井部を形成するカバー170と、そのカバー170とベース150とが組み付けられた状態で形成される内部空間内に内包される主制御装置110とを有して構成されている。
なお、主制御装置110は、後述するMPU201などの複数の電子部品(図示せず)と、その電子部品が搭載される制御基板110aと、外部装置(例えば、払出制御装置111や発射制御装置112、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114、各種入力機器、各種出力機器など)との間を電気的に接続するコネクタ端子(図示せず)などを有して構成されている。
ここで、図6を参照して、ベース150及びカバー170について詳細に説明する。図6に示すように、ベース150は、略四角形の板状に形成されており、主に、基板ボックス100の底壁を形成する底板部151と、その底板部151から立設される側壁152と、その側壁152の両側に底板部151から立設される側壁部153,153と、その側壁部153,153の外側に設けられ底板部151から立設される複数の突起154と、側壁152に対向する位置に設けられるベース固着部155とを有して構成されている。
なお、側壁部152,153,153は、底板部151から立設されるているので、カバー170が取り付けられた状態で、ベース150とカバー170との隙間から細板状の部材などを差し込もうとしても、その側壁部152,153,153により細板状の部材の侵入を阻止することができる。
側板152は、底板部151から立設される立壁152aと、その立壁152aの先端からベース150の内側方向に延設された延設壁152bとで構成されている。よって、底板部151と延設壁152aとの間に、所定の空間が形成される。その所定の空間内に、ベース150にカバー170が取り付けられた状態で、後述するカバー170の端部172が嵌り込むので、カバー170の反ベース150方向またはベース150の反カバー170方向への強制的な取り外しを抑制することができる。
複数の突起154は、底板部151から立設される立設部154aと、その立設部154aの先端部からベース固着部155方向に延設される延設部154bとにより略L字状に形成されている。この突起154は、後述するカバー170の挿通口173aに挿通され、延設部154bが閉鎖壁173cに当接または重なった状態で係止されるので、カバー170の反ベース150方向またはベース150の反カバー170方向への強制的な取り外しを抑制することができる。
また、複数の突起154は、所定間隔毎に設けられているので、ベース150にカバー170が取り付けられた状態で、ベース150とカバー170との隙間から細板状の部材などを差し込もうとした場合、側壁部153,153だけでなく、その突起154によっても細板状の部材の侵入を阻止することができる。
ベース固着部155には、側壁部153,153を結ぶ方向において、その中央に、ネジ溝が形成された2つのネジ溝部156aを有するベース連結部156が形成され、そのベース連結部156の両側に、ベース封印部157が形成されている。ベース封印部157には、更に、底板部151の外縁から外側(図6の反矢印B1方向)に向かって突出した複数のベース突出部158が設けられており、その複数のベース突出部158と底板部151との間には、2つの貫通口159が形成されている。
なお、ベース突出部158は、底板部151の外縁から外側に向かって突出しているので、凸状に形成された第1凹凸部に相当し、そのベース突出部158の間に形成された部分は凹状に形成されているので、凹状に形成された第1凹凸部に相当する。
貫通口159は、ベース突出部158の並設方向(側壁部153,153を結ぶ方向)に二つ並んで形成されており、その並設方向の両端部が、複数のベース突出部158の両端より外方に延びる範囲に形成されている。これは、後述するが、ニッパなどの工具によりベース突出部158を切断する際に、そのベース突出部158全体を切断するためである。
カバー170は、主制御装置110を収納するために、ベース150側に開口が形成された略箱状に形成されており、主に、カバー170の側壁および天井壁を構成する蓋部171と、カバー170をベース150に取り付けた状態で、底板部151と延設壁152bとにより形成される空間内に嵌り込む端部172と、その端部172の両側に設けられベース150の複数の突起154が挿入される挿入部173と、端部172に対向する位置に設けられるカバー固着部174とを有して構成されている。
蓋部171には、主制御装置110に設けられたコネクタを露出させるためのコネクタ露出部171a,171bが形成されている。各コネクタ露出部171a,171bは、コネクタの形状とほぼ同形状の切り欠きが形成されており、そのコネクタと切り欠きの間から針金などの侵入を防止するように構成されている。なお、コネクタ露出部171aにおいては、コネクタおよび切り欠きの図示は省略している。
また、蓋部171には、略四隅のそれぞれに、4つの貫通口171cと、その4つの貫通口171cに囲まれた中心部からベース150側に突出する取付部171dとが形成されている。この取付部171dの突出先端に主制御装置110の制御基板110aが特殊なネジ180により螺着される。
なお、本実施形態では、主制御装置110の制御基板110aの取付部171dへの取り付けは、制御基板110aを取り付けた後に所定値以上のトルクを加える(更に締め付ける方向に回転する)ことで、頭部が折れるネジ(以下「首切りネジ」と称す)180を使用している。そのため、制御基板110aをカバー170に取り付けると、その後、ネジを緩めて制御基板110aを取り外すことができない構成になっている。
また、貫通口171cは、取付部171dの蓋部171との連結部分を囲むように形成されているので、その貫通口171cで囲まれた部分の強度が弱くなっている。そのため、取付部171dを所定の方向に傾けたり、引っ張ることで、取付部171dとカバー170とを分離することができる。
よって、主制御装置110のチェックなどのために制御基板110aをカバー170から取り外す場合には、制御基板110aと共に取付部171dをカバー170から取り外すことになる。その結果、カバー170の四隅には破損痕が残るので、主制御装置110が取り外されたか否かを、ホール関係者などに簡単に認識させることができる。
また、蓋部171には、主制御装置110が発する熱を放出する目的として、複数の放出孔171eが設けられていると共に、主制御装置110の仕様などを記したシールなどが貼付されるスペース171fが設けられている。
挿通部173は、複数の挿通口173aと、複数の挿通口173aの間に設けられたリブ173bと、カバー固着部174側のリブ173bから端部172側に延びると共に挿通口173aのベース150側の開口の一部を閉鎖する閉鎖壁173cとを有して構成されている。
カバー固着部174には、挿通部173を結ぶ方向において、その中央に、ネジが挿通される2つの挿通孔175aを有するカバー連結部175が形成され、そのカバー連結部175の両側に、カバー封印部176が形成されている。カバー封印部176には、更に、ベース150側に向かって突出した複数のカバー突出部177が設けられており、その複数のカバー突出部177と蓋部171との間には、2つの貫通孔178が形成されている。
なお、カバー突出部177は、蓋部171の外縁からベース150側に向かって突出しているので、凸状に形成された第2凸凹部に相当し、そのカバー突出部177の間に形成された部分は凹状に形成されているので、凹状に形成された第2凸凹部に相当する。
貫通口178は、カバー突出部177の並設方向(挿通部173,173を結ぶ方向)に二つ並んで形成されており、その並設方向の両端部が、複数のカバー突出部177の両端より外方に延びる範囲に形成されている。これは、後述するが、ニッパなどの工具によりカバー突出部177を切断する際に、そのカバー突出部177全体を切断するためである。
ここで、カバー170のベース150への取り付け方法について説明する。まず、カバー170の取付部171dに主制御装置110の制御基板110aを首切りネジ180によって螺着する。この際、制御基板110aの取付部171dへの螺着後、所定値以上のトルクで首切りネジ180を締め付け、その首切りネジ180の頭部を折った状態にする。
そして、図6に示すように、カバー170をベース150に対して矢印A1方向に移動して、ベース150に設けられた複数の突起154を、カバー170に設けられた複数の挿通孔173aに挿入し、ベース150とカバー170とを重ねる。
次に、ベース150とカバー170とが重なった状態で、カバー170をベース150に対して矢印B1方向にスライドさせると、ベース150の底板部151と延設壁152bとの間の空間に、カバー170の端部172が嵌る。この際、ベース150の突起154は、延設部154bの反矢印B1方向先端がリブ173bに当接すると共に、矢印A1方向において閉鎖壁173cと重なった状態になる。更には、ベース150のベース突出部158と、カバー突出部177とが嵌合して、ベース150とカバー170とが位置決めされる。
その後、ベース突出部158とカバー突出部177とが嵌合した状態で、そのベース突出部158とカバー突出部177とが当接または対向する部分を接着剤で接着して、基板ボックスが完成する。本実施形態では、ベース突出部158及びカバー突出部177の表面全体に接着剤を塗布または流し込み、互いの突出部158,177を強固に固着する。なお、ベース突出部158とカバー突出部177との固着は、熱溶融による溶着で行っても良いし、硬化剤樹脂などを流し込んでも良い。
また、ベース突出部158とカバー突出部177との固着は、各突出部158,177の1の面のみに接着剤を塗布して固着しても良いし、両側の2の面に接着剤を塗布して固着しても良いし、3以上の面(全ての面を含む)に接着剤を塗布して固着するものとしても良い。
ベース150に対してカバー170が取り付けられた状態が図5の状態であり、ベース突出部158とカバー突出部177とが、交互に位置してほぼ隙間無く固着されていることが図示されている。ここで、例えば、ベース封印部157とカバー封印部176との固着が平面同士であると、そのベース封印部157とカバー封印部176との固着面をカッターなどにより削り、ベース封印部157とカバー封印部176とを痕跡を残すことなく離脱させることが容易になってしまう。しかし、図5に示すように、ベース突出部158の間にカバー突出部177が嵌合し交互に位置した状態で接着されるので、カッターなどの工具によりベース突出部158とカバー突出部177とを痕跡無く離脱させることを困難にすることができる。
また、ベース突出部158とカバー突出部177とは、複数の突出した形状になっているので、ベース突出部158とカバー突出部177とが平面同士である場合に比べて、ベース突出部158とカバー突出部177とが互いに当接する当接面積が大きくなる。その結果、接着剤が流れ込み接着される面積が大きくなるので、ベース突出部158とカバー突出部177とを強固に固着することができる。
さらに、ベース突出部158及びカバー突出部177とは、略直方体の突起なので、ベース突出部158とカバー突出部177との固着部分は直角となる角を有する。この場合、カッターなどによりベース突出部158とカバー突出部177との固着部分を削り取ろうとしても、直角部分においてカッターの刃先の向きが変えられないので、ベース突出部158とカバー突出部177との固着部分を痕跡なく削りこることを困難にすることができる。
また、ベース突出部158及びカバー突出部177は、略等間隔の間隔で形成されており、その並設方向の幅も略同等に形成されているので、基板ボックス100の外形においてベース封印部157及びカバー封印部176を形成する範囲が大規模化することを抑制しつつ、カバー突出部158とベース突出部177とが当接または対向する部分の面積を大きくすることができる。よって、基板ボックス100の大規模化を抑制しつつ、カバー突出部158とベース突出部177との固着を強固にすることができる。また、カバー突出部158とベース突出部177とが当接または対向する部分の面積を大きく確保しつつ、並設方向において極端に薄くなる部分がなくなるので、ベース150及びカバー170の樹脂成形の為に制作される金型の制作性を向上することもできる。
また、ベース150の底板部151と延設壁152bとの間の空間とカバー170の端部172、ベース150の突起154と挿通部173、及び、ベース突出部158とカバー突出部177の3カ所によって、ベース150に対するカバー170の位置が決められるので、ベース150に対するカバー170の位置決め作業を省くことができ、基板ボックス100の制作の作業性を向上することができる。
次に、図7を参照して、基板ボックス100の開封手順について説明する。なお、図7では、ベース封印部157とカバー封印部176との固着部分の一方のみを図示しているが、他方についても同様の開封手順で行われる。
図7(a)に示すように、基板ボックス100を開封する場合には、ベース突出部158とカバー突出部177との固着部分を、ニッパなどの工具によりc1〜c3の3カ所を切断する。c1とc2は、ベース突出部158とカバー突出部177との固着部分の両側に位置する部分であり、c3は、2つの貫通口159,159間および2つの貫通口178,178間を連結する部分である。
図7(b)に示した状態が、c1〜c3の3カ所をニッパなどの工具により切断した状態であり、ベース突出部158とカバー突出部177とからなる切断物Xのみが基板ボックス100から切断されていることが解る。
その後、図7(c)に示すように、カバー170をベース150に対して矢印A2方向(図6の反A1方向)にスライドして、上述した底板部151と延設壁152bとの間の空間とカバー170の端部172との当接を解除すると共に、突起154の延設部154bと挿通部173の閉鎖壁173cとの当接(重なり)を解除する。その後、カバー170をベース150に対して矢印B2方向(図6の反B1方向)に移動させることで、図7(d)に示すように、基板ボックス100の開封を行うことができる。
ここで、両貫通口159,178を設けない場合には、ベース突出部158とカバー突出部177との固着部分を、ニッパなどの工具によりコ字状に切断しなければならないので、その切断作業が困難になる。しかし、本実施形態では、貫通口159,178を設けているので、ニッパなどの工具の先端を入れて切断物Xを簡単に切断することができ、基板ボックス100の開封時の作業性を向上することができる。
なお、図示していないが、主制御装置110の制御基板110aは、その制御基板110aをカバー170の蓋部171から離反する方向に引っ張ることで薄肉部171cが破壊され、取付部171dと共にカバー170から取り外すことができる。
次に、図8を参照して、パチンコ機10の遊技盤16について説明する。図8は、パチンコ機10の遊技盤16の正面図である。
図8に示すように、遊技盤16は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が前述した内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤16の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤16の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤16の構成について説明する。
遊技盤16の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤16の前面外周が囲まれ、遊技盤16とガラスユニット17(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤16の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤16の前面であって2本のレール61,62と可変表示ユニット80とにより区画して形成される領域である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図9参照)から発射された球を遊技盤16上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図8の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤16の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(LED)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114(図9参照)によって表示内容が制御され、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図9参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37(図9参照)で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37にて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に配設されている。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
また、センターフレーム86には、その上部分に針が回転動作する第1役物87a(コンパス)と、右部分に左右方向に揺動する第2役物87b(船)と、その第2役物87bに取り付けられ伸縮動作する第3役物87c(大砲)とが配設されている。これら第1〜第3役物87a〜87cは、後述する主制御装置110によって遊技状態に応じて稼働される。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤16の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(ソレノイド209(図4参照)の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤16の下側における右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤16には、アウト口66と第2入球口(スルーゲート)67とが設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤16には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
次に、図9を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラム(例えば、遊技者に対して多くの賞球を付与する大当たりの抽選処理など)や固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、主制御装置110へ電源を供給する電源装置115を始め、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置82や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを備えている。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、払出制御装置111へ電源を供給する電源装置115を始め、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、電飾部29〜31や表示ランプ32などのランプ表示装置227における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを備えている。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、音声ランプ制御装置113へ電源を供給する電源装置115を始め、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226やランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを備えている。
入力ポート237の入力側には、表示制御装置114へ電源を供給する電源装置115、及び、音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。
画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232には、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データが記憶されている。
また、ワークRAM233は、図示されないフラグとして、演出許可がされているか否かを示す演出許可フラグや、変動表示を開始すべきか否かを示す変動開始フラグを有している。なお、演出許可フラグ(図示せず)は、主制御装置110の初期設定の処理後に送信される演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113を介して受信するとオンされ、電源断の発生によりオフされる。また、変動開始フラグ(図示せず)は、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに対応するコマンドを音声ランプ制御装置113から受信した場合にオンされ、第3図柄表示装置81において変動表示が開始されるとオフされる。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)などのキャラクタ情報が記憶されたキャラクタ情報メモリを備えている。このキャラクタ情報メモリに記憶されているキャラクタ情報としては、変動表示される第3図柄の数字データ(例えば、0〜9)や、数字データ以外の図柄データ(例えば、魚やエビの図柄、背景図柄、予告キャラクタ図柄やキャラクタ図柄(例えば、女の子や男の子)などが記憶されている。
このキャラクタ情報メモリは、記憶するデータ量を少なくするために、上記のようなキャラクタ情報を圧縮形式のデータで記憶している。なお、本実施形態では、キャラクタ情報は約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのキャラクタ情報が、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタ情報メモリに記憶されている。キャラクタ情報メモリに圧縮形式のデータとして記憶されているキャラクタ情報は、読み出されると、解凍された後に、ビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域に書き込まれる。
ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される表示内容(変動表示の演出パターンや、リーチ演出時の演出内容など)に対応する演出データが記憶される表示用記憶領域と、キャラクタROM235のキャラクタ情報メモリに記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を解凍したデータが記憶されるキャラクタ情報記憶領域とを備えている。
表示用記憶領域は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、その表示用記憶領域の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。キャラクタ情報記憶領域には、背景図柄や装飾図柄などの素材となるキャラクタデータが記憶され、このキャラクタ情報記憶領域から第3図柄表示装置81に表示するための必要なデータが読み出されて表示用記憶領域に書き込まれる。
なお、キャラクタ情報をビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域に記憶させるのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためであり、キャラクタ情報をキャラクタROM235から直接、表示用記憶領域に直接書き込む場合、読み出すデータ量が大きいと読み出しに時間を有しスムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができないからである。更に、RAMにおいて表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるためである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。
電源部251は、入出力ポート205,215,225,237に接続された電源経路を通じて、制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図示せず)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し、電源断の発生情報がRAM203及びRAM213に記憶して完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
以上説明したように、本実施形態の基板ボックス100は、ベース突出部158が底板部151の外縁から外方に突出して形成され、カバー突出部177が蓋部171の外縁からベース150側に突出して形成されており、そのベース突出部158とカバー突出部177とが嵌合した状態で接着材により接着される。また、ベース突出部158とカバー突出部177とが嵌合して固着された状態では、そのベース突出部158とカバー突出部177とをカッターなどの工具により痕跡を残さず離脱することが困難になる。
例えば、ベース封印部157とカバー封印部176とが平面同士で固着されていたり、従来のように、ベース封印部とカバー封印部とを封印ネジで螺着する構成では、遊技盤16の裏面に取り付けられた状態でその遊技盤16側に位置する一方の封印部のみを破壊可能となるので、その封印部の破壊を外部から簡単に確認することが困難になるという弊害が生じる。しかし、本実施形態によれば、ベース突出部158とカバー突出部177とをカッターなどにより痕跡を残さず離脱させることが困難になるので、基板ボックス100を不正に開封した痕跡が確実に残る。よって、ホール関係者などは、ベース封印部157及びカバー封印部176の破壊状況を確認することで、基板ボックス100が開封されたことを簡単に発見することができ、大当たりなどの抽選を行う主制御装置110に対して不正な行為が行われた可能性があることを発見することができる。また、基板ボックス100が開封されたことを簡単に発見することができる構成なので、基板ボックス100に対して行われる不正な行為の発生自体を抑制することもできる。
また、例えば、1の基板ボックスのベースを破壊すると共に他の基板ボックスのカバーを破壊し、主制御装置110のROMを不正なものに交換したり、主制御装置110に不正な基板を取り付けた後、破壊されていない方のベースとカバーとを組み付けて基板ボックスを制作すると、基板ボックスの破壊状況を確認し辛いので、不正行為の発見が困難になる。しかし、本実施形態では、主制御装置110の制御基板110aをカバー170から取り外すと、取付部171dもカバー170から破損されて取り外されるので、例え、2の基板ボックス100から1の基板ボックスを破壊の痕跡を残さずに制作しようとしても、その制作を不可能にすることができる。
また、本実施形態によれば、ベース封印部157とカバー封印部176とは別に、ベース連結部156とカバー連結部175とを設けているので、主制御装置110のチェックなどのために、開封後の基板ボックス100を輸送する場合であっても、両連結部156,175をネジなどにより螺着することで、輸送中にベース150、カバー170及び主制御装置110とがバラバラになることを防止することができる。なお、両連結部156,175を螺着するネジにワンウェイネジや首切りネジを使用すれば、輸送途中に不正な行為が行われることも防止することができる。
次に、図10を参照して、ベース封印部157及びカバー封印部176の変形例について説明する。図10は、ベース封印部157及びカバー封印部176の変形例を示した図である。図10(a)は、第1変形例のベース封印部157及びカバー封印部176を示した図であり、図10(d)は、第2変形例のベース封印部157及びカバー封印部176を示した図である。
図10(a−1)に示すように、ベース150のベース封印部157には、第1実施形態のベース突出部158に代えて、半円の溝状のベース溝部190が形成され、カバー170のカバー封印部176には、第1実施形態のカバー突出部177に代えて、半円状に突起したカバー突出部191が形成されている。
図10(a−2)に示すように、ベース150にカバー170を取り付けたでは、ベース溝部190とカバー突出部191との固着面は、波状となっているので、カッターなどの工具によってベース溝部190とカバー突出部191とを痕跡を残さず離脱することが困難となる。
図10(b−1)に示すように、ベース150のベース封印部157には、第1実施形態のベース突出部158に代えて、山型の溝状のベース溝部192が形成され、カバー170のカバー封印部176には、第1実施形態のカバー突出部177に代えて、山型に突起したカバー突出部193が形成されている。
図10(b−2)に示すように、ベース150にカバー170を取り付けたでは、ベース溝部192とカバー突出部193との固着面は、刃形となっているので、カッターなどの工具によってベース溝部192とカバー突出部193とを痕跡を残さず離脱することが困難となる。
以上説明したように、第1及び第2変形例では、ベース溝部190,192とカバー突出部191,193とを痕跡を残さず離脱することが困難にすることができるので、ベース溝部190,192及びカバー突出部191,193の状態をホール関係者が確認することで、基板ボックス100が不正に開封されたことを簡単に発見することができる。従って、大当たりなどの抽選を行う主制御装置110に対して不正な行為が行われた可能性があることをホール関係者などに簡単に認識させることができる。また、基板ボックス100が開封されたことを簡単に発見することができる構成なので、基板ボックス100に対して行われる不正な行為の発生自体を抑制することもできる。
なお、第1及び第2変形例では、ベース溝部190,192とカバー突出部191,193との固着面を、波形または刃形としたが、ベース溝部190,192とカバー突出部191,193との固着面が平面同士でなければ、その形状は、如何なる形状であっても良い。例えば、ベース封印部157の一部が凹状または凸状に形成され、カバー封印部176の一部が凸状または凹状に形成されていれば、少なくともベース側とカバー側との固着面は平面同士とはならない。なお、凸状の先端は直角に近い角度を有していることが好ましい。これは、凸状に形成された凸部と凹状に形成された凹部との固着面にカッターなどの刃先が入れられたとしても、そのカッターの刃先の向きが変えられないので、ベース封印部157とカバー封印部176とを痕跡無く離脱できないからである。
以上、一実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、ベース突出部158及びベース溝部190,192と、カバー突出部177,191,193とを接着剤で接着し、基板ボックス100を開封不可能に構成したが、ベース150にカバー170を取り付けた状態で、挿通口173a内に接着剤や硬化剤樹脂などを流し込んで、挿通口173a,リブ173b,閉鎖板173cと突起154とを固着して、基板ボックス100を開封不可能に構成するものとしても良い。
また、ベース突出部158及びベース溝部190,192とカバー突出部177,191,193との固着と、挿通口173a,リブ173b,閉鎖板173cと突起154との固着とを併用しても良い。
さらに、ベース150とカバー170とを固着する部分の固着面が平面同士でなければ良いので、突起154に延設部154bを設けずに立壁部154aのみの突起とし、挿通部173に閉鎖板173を設けない構成とし、立壁部154aと挿通口173aとを固着としても良い。
また、上記実施形態では、ベース150の底板部151の外縁から外方に突出するベース突出部158を設け、カバー170の蓋部171の外縁からベース150側に突出するカバー突出部177を設ける構成としたが、ベース150の底板部151の外縁からカバー170側に突出するカバー突出部を設け、カバー170の蓋部171の外縁から外側に突出するカバー突出部を設ける構成としても良い。同様に、ベース側に、挿通部173に対応する挿通部を設け、カバー側に、突起154に対応する突起を設ける構成としても良い。
また、上記実施形態では、カバー170への主制御装置110の制御基板110aの取り付けは、首切りネジで螺着するものとしたが、一方向のみしか締め付けを行えないワンウェイネジを使用しても良い。なお、一旦取り付けた後に取り外しが不能となる構造であれば、如何なるネジを使用しても良いし、ネジ以外にピンなどを使用しても良い。また、カバー170への主制御装置110の制御基板110aの取り付けは、取付部171dを介さずに、貫通口171cで囲まれた部分に直接行うものとしても良い。
また、上記実施形態では、カバー170の蓋部171に貫通口171cを形成し、その貫通口171cに囲まれた中央部に取付部171dを連結する構成としたが、貫通口171cの代わりに、蓋部171の肉厚より薄い薄肉状に形成された薄肉部を形成し、その薄肉部の中央部に取付部171dを連結する構成としても良い。なお、当然に、貫通口171cの組み合わせは、L字状の貫通口の組み合わせだけでなく、円状の貫通口の組み合わせや、半円状の貫通口の組み合わせなど如何なる形状であっても良い。なお、貫通口171cの大きさは、不正行為の観点から小さい方が好ましく、直径2mm以下にすることが好ましい。
また、上記実施形態では、主制御装置110が内包された基板ボックス100に、ベース封印部157及びカバー封印部176を設ける構成としたが、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114が内包された基板ボックス101や、払出制御装置111が内包された基板ボックス102、発射制御装置112及び電源装置115が内包された基板ボックス103、カードユニット接続基板116が搭載された基板ボックス104に適用しても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機および変形例を示す。
ベース部材およびカバー部材を有し、そのベース部材とカバー部材とを組み付けた状態で形成される内部空間内に、電子部品が搭載された回路基板を内包する基板ボックスを備えた遊技機において、前記ベース部材またはカバー部材の一方の外縁に設けられ、少なくとも一部が凹状または凸状に形成される第1封印部と、前記ベース部材またはカバー部材の他方の外縁に設けられ、前記ベース部材とカバー部材とを組み付けた状態で前記第1封印部に当接すると共に、少なくとも一部が凸状または凹状に形成された第2封印部と、その第2封印部と第1封印部とが当接または対向する部分を、互いに離脱不可能に固着する固着手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、基板ボックスは、ベース部材とカバー部材とを有し、そのベース部材とカバー部材とを組み付けた状態で形成される内部空間内に、電子部品が搭載された回路基板が内包される。また、ベース部材またはカバー部材の一方の外縁には、少なくとも一部が凹状または凸状に形成される第1封印部が設けられ、ベース部材またはカバー部材の他方の外縁には、ベース部材とカバー部材とを組み付けた状態で第1封印部に当接または対向すると共に少なくとも一部が凸状または凹状に形成された第2封印部が設けられている。そして、ベース部材とカバー部材とを組み付けた状態で、第1封印部と第2封印部とが当接または対向する部分が、固着手段により互いに離脱不可能に固着される。
よって、第1封印部は、少なくとも一部が凹状または凸状に形成され、第2封印部は、少なくとも一部が凸状または凹状に形成され、その第1封印部と第2封印部とが当接または対向する部分を固着手段により離脱不可能に固着するので、第1封印部と第2封印部とは少なくとも一部が非平面同士で固着される。ここで、第1封印部と第2封印部とが平面同士で固着されていると、カッターなどの工具により第1封印部と第2封印部との当接または対向する面を削り、痕跡を残さずに第1封印部と第2封印部とを離脱可能であるが、第1封印部と第2封印部とは、非平面同士で固着されているので、第1封印部と第2封印部とを痕跡を残さずに離脱することが困難になる。その結果、基板ボックスを正規に開封する場合には、第1封印部と第2封印部とが一緒に切断され、基板ボックスを不正に開封しようとした場合には、その開封の痕跡が残るので、ホール関係者などが第1封印部と第2封印部との状態を確認することで、基板ボックスが開封されたことを簡単に確認することができる。また、基板ボックスが開封されたことを簡単に確認することができる構成なので、基板ボックスに対して行われる不正行為の発生自体を抑制することもできる。
また、例えば、第1封印部または第2封印部の凸状を直方体に近い形状にした場合には、カッターなどの工具により第1封印部と第2封印部との当接または対向する部分の固着を解除しようとしても、面と面とが接する直角部分においてカッターの刃先の向きが変えられないので、第1封印部と第2封印部との当接または対向する部分を痕跡無く解除することをより困難にすることができる。
なお、遊技機1において、固着手段による第1封印部と第2封印部との固着は、その第1封印部と第2封印部との表面同士が固着されることを意味しており、他の部材(例えばネジなど)により第1封印部と第2封印部とを連結することを意味するものではない。また、固着手段による第1封印部と第2封印部との固着としては、溶融による溶着や、接着剤による接着、硬化剤樹脂などを流し込む固着などが例示される。
また、凸状に形成される第1及び第2封印部は、略直方体の凸状であっても良いし、略半球状の凸状であっても良いし、略三角錐または三角柱の凸状であっても良く、その形状は如何なる形状であっても良い。また、凹状に形成される第1及び第2封印部は、略直方体、略半球状、略三角錐または略三角錐の凸部に対応した凹状に形成するものとしても良いし、前記凸部の外形を覆う形状としても良い。
また、第1封印部と第2封印部との当接または対向する部分の固着は、凸状の先端に対応する部分のみを固着しても良いし、凸状の先端を挟む両側に対応する部分のみを固着しても良いし、凸状の先端とその先端を挟む両側とに対応する部分を固着しても良いし、凸状の先端とその凸状の先端を挟む両側と少なくとも他の部分とに対応する部分を固着しても良いし、凸状の全表面に対応する部分を固着しても良い。
また、基板ボックスは、回路基板の一の面を覆うカバー部材と、回路基板の他の面を覆うベース部材とを組み合わせて構成するものとしても良いし、回路基板の全体を覆うカバー部材と、そのカバー部材の開口を閉鎖する蓋部材(ベース部材に対応)とを組み合わせて構成するものとしても良い。さらに、第1封印部と第2封印部とにより開封不可能になる構成であれば、基板ボックスを、ベース部材とカバー部材と他の部材とにより、3以上の部材により構成しても良い。
また、第1封印部と第2封印部とが当接または対向する部分は、凹状または凸状であれば如何なる形状であっても良いが、特に、直方体に近い形状にすることが好ましい。これは、直方体は面と面との接する部分が直角となるので、カッターなどの工具により第1封印部と第2封印部との当接または対向する部分の固着を解除しようとしても、面と面とが接する直角部分においてカッターの刃先の向きが変えられず、第1封印部と第2封印部との当接または対向する部分を痕跡無く解除することが困難になるからである。
また、第1封印部と第2封印部とをそれぞれ複数設ける構成としても良く、この構成では、第1封印部と第2封印部とが当接または対向する部分の面積が大きくなるので、その分、固着手段による第1封印部と第2封印部との固着を強固にすることができる。
遊技機1において、前記第1封印部は、前記ベース部材またはカバー部材の一方から外方に凹状または凸状に形成される複数の第1凹凸部を有して構成され、前記第2封印部は、前記ベース部材またはカバー部材の他方から外方に凸状または凹状に形成される複数の第2凸凹部を有して構成され、前記ベース部材とカバー部材とを組み付けた状態で、前記第1凹凸部と第2凸凹部とが当接または対向する部分が複数並んで配置されることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、第1封印部は、ベース部材またはカバー部材の一方から外方に凹状または凸状に形成される複数の第1凹凸部を有し、第2封印部は、ベース部材またはカバー部材の他方から外方に凸状または凹状に形成される複数の第2凸凹部を有し、ベース部材とカバー部材とを組み付けた状態で、第1凹凸部と第2凸凹部とが当接または対向する部分は、複数並んで配置される。よって、第1凹凸部と第2凸凹部とが固着手段により固着される面積が大きくなるので、第1凹凸部と第2凸凹部との固着を強固に行うことができる。また、第1凹凸部と第2凸凹部との固着面が、平面同士の固着ではなく複雑になるので、第1凹凸部と第2凸凹部とが当接または対向する部分をカッターなどの工具により痕跡なく削りとることを困難にすることができ、第1凹凸部と第2凸凹部とが固着される部分を痕跡を残さずに離脱することを困難にすることができる。
また、例えば、複数の第1凹凸部または第2凸凹部が並設される間隔を、略均等で且つ短い幅とした場合には、基板ボックスの大規模化を抑制しつつ、第1凹凸部と第2凸凹部との当接または対向する部分の面積を大きく確保でき、第1凹凸部と第2凸凹部との固着をより強固に行うことができる。
なお、遊技機2において、複数の第1凹凸部または複数の第2凸凹部が並設される間隔は、短い幅にした方が好ましいと共に略均等にした方が好ましい。これは、複数の第1凹凸部または複数の第2凸凹部が並設される間隔を短くすれば、基板ボックスにおいて固着手段により固着される部分が大きくなることを抑制しつつ、第1凹凸部と第2凸凹部とが当接または対向する部分の面積が大きくなるので、基板ボックスの大規模化を抑制しつつ、第1凹凸部と第2凸凹部との固着を強固に行うことができるからである。また、複数の第1凹凸部または第2凸凹部が並設される間隔を略均等にすれば、第1凹凸部と第2凸凹部との当接または対向する部分の面積を確保しつつ、並設方向において極端に薄くなる部分がなくなるので、ベース部材およびカバー部材を樹脂成形する為に製作される金型などの製作性を向上することができるからである。
遊技機2において、前記ベース部材に対して前記カバー部材を第1方向にスライドさせると、前記ベース部材とカバー部材とを組み付けた状態になり、前記第1凹凸部は、前記ベース部材の外縁から反第1方向に凹状または凸状に形成されると共に、前記第2凸凹部は、前記カバー部材の外縁から前記ベース部材側に凸状または凹状に形成されることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、ベース部材とカバー部材とを組み付ける場合には、ベース部材に対してカバー部材を第1方向にスライドして行われる。また、第1凹凸部は、ベース部材の外縁から反第1方向に凹状または凸状に形成され、第2凸凹部は、カバー部材の外縁からベース部材側に凸状または凹状に形成されるので、カバー部材を第1方向にスライドさせることで、第1凹凸部に対して第2凸凹部を嵌合させることができる。よって、カバー部材とベース部材とを取り付ける際に、第1凹凸部と第2凸凹部とが嵌合して、カバー部材のベース部材に対する組み付け位置が決まるので、基板ボックスの組み立ての作業性を向上できる。
遊技機2又は3において、前記ベース部材またはカバー部材の一方の外縁と前記複数の第1凹凸部との間であって、前記複数の第1凹凸部の並設方向において、その第1凹凸部の両端より両側に延設される範囲に貫通形成される第1貫通口と、前記ベース部材またはカバー部材の他方の外縁と前記複数の第2凸凹部との間であって、前記複数の第2凸凹部の並設方向において、その第2凸凹部の両端より両側に延設される範囲に貫通形成される第2貫通口とを備えていることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、ベース部材またはカバー部材の一方の外縁と複数の第1凹凸部との間には、複数の第1凹凸部の並設方向において、その第1凹凸部の両端より両側に延設される範囲に第1貫通口が貫通形成され、ベース部材またはカバー部材の他方の外縁と複数の第2凸凹部との間には、複数の第2凸凹部の並設方向において、その第2凸凹部の両端より両側に延設される範囲に第2貫通口が貫通形成される。よって、基板ボックスを開封するために第1凹凸部と第2凸凹部とを破壊する場合には、第1貫通口および第2貫通口の両端部分をニッパなどの工具により切断すれば、第1凹凸部および第2凸凹部の全てを一緒に切断することができるので、基板ボックスの開封時の作業性を向上することができる。
遊技機1から4のいずれかにおいて、前記回路基板は、前記カバー部材に取り付けられ、前記回路基板を前記カバー部材に対して取り外し不可能に取り付ける取付手段を備え、前記カバー部材は、前記取付手段により前記回路基板が取り付けられる取付部と、その取付部の周りに形成され薄肉状または所定間隔に貫通口が形成された薄肉部とを有していることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、回路基板は、カバー部材に対して取り外し不可能に取付手段により取付部に取り付けられ、その取付部の周りには、薄肉状または所定間隔に貫通口が形成された薄肉部が設けられている。よって、回路基板をカバー部材に一旦取り付けると、その回路基板の取り外しが不可能になるので、回路基板をカバー部材から取り外す場合には、薄肉部を破壊して取付部と共に取り外さなければならない。従って、回路基板がカバー部材から取り外されると、薄肉部が破壊されているので、ホール関係者に回路基板が取り外されたことを簡単に確認させることができる。
なお、遊技機5において、回路基板をカバー部材に取り付ける取付手段としては、一方向のみ締め付けが可能となるネジ(例えばワンウェイネジ)や、ネジの締め付けが終わった後に所定以上のトルクをかけると頭部が折れるネジ(例えば首切りネジ)などが例示される。
遊技機1から5のいずれかにおいて、前記ベース部材およびカバー部材は、前記第1封印手段および第2封印手段とは別に、前記ベース部材とカバー部材とを連結する連結手段を取り付け可能な連結部をそれぞれ備えていることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、ベース部材およびカバー部材には、第1封印手段および第2封印手段とは別に、ベース部材とカバー部材とを連結する連結手段を取り付け可能な連結部がそれぞれ設けられているので、第1封印手段および第2封印手段を破壊したとしても、連結手段により連結部を連結して、基板ボックスを閉鎖することができる。
ここで、回路基板のチェックなどのために、第1封印手段および第2封印手段を正規に破壊すると、その後、基板ボックスを閉鎖することができないので、例えば、基板ボックスを輸送する場合には、その輸送中に回路基板と基板ボックスとがバラバラになってしまうという不具合が生じる。しかし、ベース部材およびカバー部材に連結部を設けているので、輸送の際に回路基板と基板ボックスとがバラバラになることを抑制できる。
なお、連結手段と連結部とを、一旦連結したら連結解除が不可能となる構成にすれば、一旦開封された基板ボックスを輸送する間に、回路基板に搭載された電子部品が不正なものに交換されたり、不正な基板が取り付けられることを抑制することができる。
遊技機1から6のいずれかにおいて、前記第1封印手段は、前記ベース部材またはカバー部材の一方から、前記ベース部材またはカバー部材の他方側に突出する複数の突出部を有して構成され、前記第2封印手段は、前記ベース部材またはカバー部材の他方に、前記ベース部材とカバー部材とを重ねた状態で、前記突出部が挿通される挿通口を有して構成されること特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、第1封印手段は、ベース部材またはカバー部材の一方から、ベース部材またはカバー部材の他方側に突出する複数の突出部を有し、第2封印手段は、ベース部材またはカバー部材の他方に、ベース部材とカバー部材とを重ねた状態で、突出部が挿通される挿通口を有するので、突出部を挿通口に挿通した状態で固着手段によって固着がなされる。よって、突出部と挿通口とが固着手段により固着される面積が多くなるので、突出部と挿通口との固着を強固に行うことができると共に、突出部と挿通口との固着される面が平面同士の固着ではなく複雑になるので、突出部と挿通口とを痕跡を残さずに離脱することを困難にすることができる。
遊技機7において、前記ベース部材に対して前記カバー部材を第1方向にスライドさせると、前記ベース部材とカバー部材とを組み付けた状態になり、前記突出部は、前記ベース部材またはカバー部材の他方側に立設される立設部と、その立設部から前記反第1方向に延設される延設部とで構成され、前記挿通口は、前記延設部が挿入される開口と、前記反第1方向となる端部から前記第1方向に向かって前記開口の一部を閉鎖する閉鎖部とで構成されていることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、突出部は、ベース部材またはカバー部材の他方側に向かって立設部が立設されると共に、その立設部から反第1方向に延設部が延設され、挿通口は、延設部が挿入される開口の一部を閉鎖する閉鎖部が、反第1方向となる端部から第1方向に向かって形成されている。よって、突出部を挿通口の開口に挿入して、カバー部材をベース部材に対して第1方向にスライドさせると、突出部の延設部と閉鎖部とが当接または重なる位置に配置される。従って、ベース部材をカバー部材に対して撓ませようとしても、複数の突出部の延設部と複数の閉鎖部とによって、ベース部材の撓みを抑えることができるので、ベース部材とカバー部材とが不正に開封されることを抑制することができる。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機9。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機10。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機11。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
<手段>
技術的思想1記載の遊技機は、ベース部材およびカバー部材を有し、そのベース部材とカバー部材とを組み付けた状態で形成される内部空間内に、電子部品が搭載された回路基板を内包する基板ボックスを備えており、前記ベース部材またはカバー部材の一方の外縁に設けられ、少なくとも一部が凹状または凸状に形成される第1封印部と、前記ベース部材またはカバー部材の他方の外縁に設けられ、前記ベース部材とカバー部材とを組み付けた状態で前記第1封印部に当接すると共に、少なくとも一部が凸状または凹状に形成された第2封印部と、その第2封印部と第1封印部とが当接または対向する部分を、互いに離脱不可能に固着する固着手段とを備え、前記第1封印部は、前記ベース部材またはカバー部材の一方から外方に凹状または凸状に形成される複数の第1凹凸部を有して構成され、前記第2封印部は、前記ベース部材またはカバー部材の他方から外方に凸状または凹状に形成される複数の第2凸凹部を有して構成され、前記ベース部材とカバー部材とを組み付けた状態で、前記第1凹凸部と第2凸凹部とが当接または対向し前記固着手段により固着される部分が複数並設され、前記ベース部材またはカバー部材の一方の外縁と前記複数の第1凹凸部との間であって、前記複数の第1凹凸部の並設方向において、その第1凹凸部の両端より両側に延設される範囲に貫通形成される複数の第1貫通口と、前記ベース部材またはカバー部材の他方の外縁と前記複数の第2凸凹部との間であって、前記複数の第2凸凹部の並設方向において、その第2凸凹部の両端より両側に延設される範囲に貫通形成される複数の第2貫通口とを備え、前記第1貫通口および第2貫通口は、前記ベース部材とカバー部材とを組み付けた状態で互いに連通する位置に形成されると共に、前記複数の第1凹凸部および第2凹凸部の並設方向を長手方向とする細長形状に形成されている。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記ベース部材およびカバー部材は、前記第1封印部および第2封印部は別に、前記ベース部材とカバー部材とを連結する連結手段を取り付け可能な連結部をそれぞれ備えている。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記ベース部材に対して前記カバー部材を第1方向にスライドさせると、前記ベース部材とカバー部材とを組み付けた状態になり、前記第1凹凸部は、前記ベース部材の外縁から前記第1方向へ向けて凹状または前記第1方向とは反対側へ向けて凸状に形成されると共に、前記第2凸凹部は、前記カバー部材の外縁から前記ベース部材側へ向けて凸状または前記ベース部材側とは反対側へ向けて凹状に形成される。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記回路基板は、前記カバー部材に取り付けられ、前記回路基板を前記カバー部材に対して取り外し不可能に取り付ける取付手段を備え、前記カバー部材は、前記取付手段により前記回路基板が取り付けられる取付部と、その取付部の周りに形成され薄肉状または所定間隔に貫通口が形成された薄肉部とを有している。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、基板ボックスが開封されたことを簡単に確認することができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、第1封印部および第2封印部を破壊したとしても、連結手段により連結部を連結して、基板ボックスを閉鎖することができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、基板ボックスの組み立ての作業性を向上できるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、ホール関係者に回路基板が取り外されたことを簡単に確認させることができるという効果がある。