以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、パチンコ機10の外観を示した斜視図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わされて外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持される内枠12とを有して構成されている。
パチンコ機10の正面視(図1の矢印A方向視)左側の上下2カ所には、外枠11に対して内枠12を開閉可能に支持するヒンジ13が設けられており、そのヒンジ13が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開放される。
内枠12の前面(正面)側には、その前面を覆う前面枠14が設けられ、内枠12の裏面側には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤16(図10参照)が着脱可能に装着される。前面枠14は、パチンコ機10の正面視左側の上下2カ所に設けられたヒンジ15により、内枠12に対して開閉可能に支持され、ヒンジ15が設けられた側を開閉の軸として正面手前側へ開放される。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠62の鍵穴(図示せず)に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことによりそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット17が配設され、そのガラスユニット17を介して遊技盤16がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿18が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿18に賞球や貸出球などが排出される。上皿18の底面は正面視右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿18に投入された球が、遊技盤16の前面領域に球を発射する球発射ユニット112a(図11参照)へと案内される。
また、上皿18の下方には、枠ボタン19が設けられている。この枠ボタン19は、例えば、第3図柄表示装置81(図11参照)で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作されるボタンである。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、発光ダイオード(LED)等の発光手段を内蔵した電飾部29〜31が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜31が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜31が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視右中段部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ32が設けられている。
なお、本実施形態では、電飾部29〜31及び表示ランプ32に使用される発光手段として、複数の3色LEDやフルカラーLEDを採用し、電飾部29〜31及び表示ランプ32がフルカラーでの発色(発光)が可能に構成されている。
また、電飾部30と電飾部31との間には、発光手段である複数のLED37a(図示せず)が設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110(図11参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
ここで、上述したパチンコ機10が確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。さらに、本実施形態における確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64(図10参照)へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット、図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。
具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿18に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
上皿18の下側には、その中央部に上皿18に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿21が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿21の右側には、球を遊技盤16の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル22が配設され、かかる操作ハンドル22の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、操作ハンドル22の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル22が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル22の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤16の前面へ球が打ち込まれる。
下皿21の正面下方部には、下皿21に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー23が設けられている。この球抜きレバー23は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿21の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー23の操作は、通常、下皿21の下方に下皿21から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
次に、図2から図4を参照して、外枠11、内枠12及び前面枠14について詳細に説明する。図2は、外枠11に対して内枠12が開放された状態、及び、内枠12に対して前面枠14が開放された状態を示した斜視図である。図3は、施錠ユニット60を示した斜視図である。図3は、外枠11の斜視図である。
まず、図2を参照して、内枠12及び前面枠14について説明する。図2に示すように、内枠12は、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース40を主体に構成されており、内枠ベース40の中央部には、略円形状の中央窓40aが形成されている。内枠ベース40の裏面側には、遊技盤16(図10参照)の取付部が設けられ、遊技盤16が着脱可能に装着される。
内枠12は、前述した上ヒンジ13,13により、外枠11に対して回動可能に支持された扉状の部材である。内枠12の開閉軸線は、ヒンジ13,13が設けられるパチンコ機10の正面視左側に上下に延設され、この開閉軸線を軸心にして内枠12はパチンコ機10の正面手前側に開放される。
内枠12の外周には、前面側へ突設された外周壁40bが形成されており、その外周壁40bの内側に前面枠14が配設される。即ち、内枠12に前面枠14が取り付けられた状態では、前面枠14の各側面の外周は、内枠12の外周壁40bにより囲繞される。このため、前面枠14と内枠12との間へ針金や薄板状の工具等を挿入する行為が困難となり、不正行為を抑制することができる。
内枠12の正面視左上には、配線口40cが内枠ベース40を貫通して設けられている。配線口40cには、前面枠14の電飾等に使用する部品の配線が内枠12の裏面側に挿通され、遊技盤16の裏面に接続される。
なお、図示しないが、内枠12には、パチンコ機10の前面側に円柱状に突出した押しボタン型の開閉スイッチが設けられ、前面枠14の開閉状態が検出される。この開閉スイッチは、主制御装置110(図11参照)に接続され、前面枠14の開閉状態に応じて処理が行われる。例えば、前面枠14が開放された場合に、電飾部29〜31を点灯させる処理などである。
内枠ベース40の中央窓40aの下側には、平面状の取付面40dが形成されており、この取付面40dに、球を遊技盤16の前面に発射するための球発射ユニット112a(図11参照)等が取り付けられる。また、内枠ベース40の中央窓40aの左側下方には、払出ユニット93(図5参照)から払い出された球を上皿18へ供給するための供給路40eが形成されている。
内枠ベース40の正面視右側部には、後述する前面枠鉤部14aが挿通する内枠貫通口40fが上下方向に3つ形成されている。また、下方の内枠貫通口40fと中段の内枠貫通口40fとの間には、施錠ユニット60のシリンダ錠62を正面側に突出させる開口40gが形成されている。
前面枠14は、矩形状に形成されたABS樹脂製の前面枠ベース50を主体に構成されており、前面枠ベース50の中央部には遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。
前面枠14の裏面側の上部左右には、音声出力装置226の1つであるスピーカ51が取り付けられている。このスピーカ51は、音声ランプ制御装置113(図11参照)により制御され、遊技状態の応じた音声出力を行ったり、エラーの報知等を行うものである。
前面枠14の裏面側の窓部14cの右下側には、内枠ベース40に設けられた供給路40eから払い出された球を、上皿18に導くための受け皿52が形成されている。この受け皿52を介して、払出ユニット93から払い出された球が上皿18に供給される。
受け皿52の隣には、上皿18および下皿21に球を排出する通路を形成する通路形成部材53が設けられている。通路形成部材53は、上皿18が満タンのときに球を下皿21へ排出するための下皿排出通路(図示せず)と、ファール球を下皿21へ排出するためのファール球通路(図示せず)とを形成するための部材である。ここで、ファール球とは、発射時の打ち出し力(発射力)が弱くて戻り球防止部材68(図10参照)が位置する遊技領域の入口に到達せずに発射レール61,62(図10参照)側へ戻った球を意味している。
排出通路の途中には、各スイッチ208の1つとして、下皿21が球で満タンとなっていることを検出するための満タンセンサ(図示せず)が設けられている。なお、排出通路の満タンが満タンセンサにより検出されると、「球を抜いて下さい」等のエラーメッセージが第3図柄表示装置81(図11参照)に表示されたり、スピーカ51から音声出力される。
前面枠14の裏面側の左側には、前面枠14の背面側に突出して鉤状に形成された3つの前面枠鉤部14aが一体的に形成されている。この前面枠鉤部14aが内枠12の内枠貫通口40fを挿通し、内枠12の裏面側に設けられる施錠ユニット60により施錠されて、前面枠14が内枠12に対して閉鎖される。また、下方の前面枠鉤部14aと中段の前面枠鉤部14aとの間には、シリンダ錠62を前面枠14の前面に露出させる開口14bが形成されている。
前面枠14の裏面側の窓部14cの左側下方には、球出口54が設けられている。この球出口54は、上皿18の最下流部に設けられ、前面枠14の閉鎖時に上皿18の球を球発射ユニット112aに導く導入口である。
ここで、図3を参照して、前面枠14を内枠12に施錠すると共に、内枠12を外枠11に施錠する施錠ユニット60について説明する。なお、施錠状態の内枠12は、シリンダ錠62に対して専用鍵による所定の解錠操作(本実施形態では右回転操作)が行われることにより解錠され、開放可能な状態となる。また、施錠状態の前面枠14は、シリンダ錠62に対して専用鍵による所定の解錠操作(本実施形態では左回転操作)が行われることにより解錠され、開放可能な状態となる。
図3に示すように、施錠ユニット60は、内枠12の裏面側に取り付けられる基体61と、その基体61の下方に取り付けられるシリンダ錠62と、そのシリンダ錠62に対する施錠または解錠操作に連動して回転動作する可動片62aと、その可動片62aの回転動作に連動して基体61に対して上下方向にスライド動作するスライド板63と、そのスライド板63に対して個別に上下方向にスライド動作する一対の突出片64と、スライド板63及び基体61のそれぞれに対して上下方向にスライド動作し前面枠14を開放する3つの開放部材65と、スライド板63及び突出片64を共に下方に付勢するバネ66と、開放部材65を上方へ付勢するバネ67と、可動片62aを覆う施錠カバー68とを有して構成されている。
基体61は、内枠12への取り付け面となる取付板61aと、その取付板61aに対して略直角に連接される側板61bとにより断面視略L字状に形成されている。基体61の取付板61aには、前面枠鉤部14a(図2参照)が侵入する3つの施錠貫通口61c(図示せず)が形成されている。
開放部材65は、基体61の取付板61a及び側板61bに対して上下方向へのスライド動作可能に断面視略L字状に形成され、そのL字状の各板状部材が取付板61a及び側板61bにそれぞれ対向するように配設される。開放部材65には、施錠貫通口61aに対応した大きさで且つ対応した位置に開放部材貫通口65aが形成されている。なお、開放部材65は、施錠貫通口61aに対して上方へ若干移動した位置に開放部材貫通口65aが位置するようにスライド板63に配設される。
スライド板63は、略平板状に形成されており、基体61の側板61bに対して上下方向へのスライド動作可能に配設される。そして、略U字状に形成された可動片62aの両先端に嵌合する嵌合穴63aが形成されている。スライド板63は、嵌合穴63aに可動片62aの両先端が嵌合されることで、可動片62aの回転動作に連動して、上下方向へスライド動作する。
突出片64は、スライド板63に対して上下方向へのスライド動作可能に配設されており、基体61の取付板61aから離反する方向へ突出している。また、突出片64には、その突出先端部に、後述する外枠カバー11eの外枠係止部11f(図4参照)に係止される突出片係止部64aが形成されている。
前面枠14が内枠12に対して閉鎖された状態になると、前面枠14の前面枠鉤部14aが、内枠12の内枠貫通口40f、基体61の施錠貫通口61c及び開放部材貫通口65aを挿通し、前面枠鉤部14aの先端が開放部材貫通口65aの下側面に引っ掛かる。この開放部材貫通口65aと前面枠鉤部14aとの係止状態により前面枠14が内枠12に対して閉鎖される。
一方、前面枠14が内枠12に対して閉鎖された状態で、シリンダ錠62に対して専用鍵を左回転操作すると、可動片62aも左回転動作し、スライド板63が基体61に対して下方向へスライド動作する。このスライド板63の下方向へのスライド動作に連動して開放部材65が下方向へ移動する。この際、開放部材貫通口65aの下側面と前面枠鉤部14aとの係止が解除されると共に、開放部材貫通口65aの上側面により前面枠鉤部14aがパチンコ機10の正面側に押し出され、前面枠14が内枠12に対して開放される。
なお、シリンダ錠62に対して専用鍵を左回転操作した場合には、開放部材65は基体61に対して下方向へ移動するが、突出片64はスライド板63に対してスライド動作可能に設けられているので移動しない。よって、シリンダ錠62に対して専用鍵を左回転操作した場合には、内枠12は外枠11に対して開放されずに前面枠14のみが内枠12に対して開放される。
また、内枠12が外枠11に対して閉鎖された状態になると、突出片64の突出片係止部64aと、外枠カバー11eの外枠係止部11fとが係止される。突出片64は、バネ67により下方向へ付勢されているので、外枠係止部11fと係止した状態が保持され、内枠12が外枠11に対して閉鎖される。
一方、内枠12が外枠11に対して閉鎖された状態で、シリンダ錠62に対して専用鍵を右回転操作すると、可動片62aも右回転動作し、スライド板63が基体61に対して上方向へスライド動作する。このスライド板63の上方向へのスライド動作に連動して突出片64が上方向へ移動し、突出片係止部64aと外枠係止部11fとの係止状態が解除され、内枠12が外枠11に対して開放可能な状態となる。操作者は、内枠12をパチンコ機10の正面手前側に引くことで、内枠12を外枠11に対して開放することができる。
なお、シリンダ錠62に対して専用鍵を右回転操作した場合には、突出片64は基体61に対して上方向へ移動するが、開放部材65はスライド板63に対してスライド動作可能に設けられているので移動しない。よって、シリンダ錠62に対して専用鍵を右回転操作した場合には、前面枠14は内枠12に対して開放されずに内枠12のみが外枠11に対して開放される。
次に、図4を参照して、外枠11について説明する。図4に示すように、外枠11は、板材により上下左右の四辺を構成して、全体として矩形状に形成されている。板材は、上述したヒンジ13が取り付けられる天井板11aと、同様にヒンジ13が取り付けられる底板11bと、その底板11bと天井板11aとを連結する側板11c,11dとで構成されている。側板11c、11dは、パチンコ機10の正面視において、左側が側板11cであり、右側が側板11dである。
また、本実施形態では、天井板11a及び底板11bが木製であり、側板11c,11dがアルミ製である。よって、側板11c,右側板11dをアルミ製にすることで、外枠11の強度を高めることができる。また、側板11c、11dが不正に破壊させることを抑制できるので、外枠11を破壊して内枠12を開放するなどの不正行為の発生を抑制することができる。なお、天井板11a、底板11b及び側板11c、11dの材質は、特に限定せずに、如何なる材質で構成しても良い。
側板11dは、内枠12が外枠11に対して閉鎖された状態で、施錠ユニット60が設けられた側に位置する側板であり、その側板の正面側には、外枠カバー11eが設けられている。外枠カバー11eは、側板11dから外枠11の内側方向に突出すると共に、側板11dの上下方向の全域に亘って形成されている。また、外枠カバー11eの内側(施錠ユニット60に対向する面側)には、施錠ユニット60の突出片64の突出片係止部64aと係止する外枠係止部11fが設けられている。外枠係止部11fは、施錠ユニット60に対向する面に、突出片係止部64aが侵入する開口を有する略箱形状に形成されている。
ここで、パチンコ機に対しては、薄板状の工具等を部材間の隙間から差し入れて行う不正行為が報告されているが、本実施形態のパチンコ機10においては、外枠11の外側から工具等を差し入れて突出片係止部64aと外枠係止部11fとの係止状態を不正に解除する行為を、外枠カバー11eと略箱状に形成された外枠係止部11fとにより阻止できるので、不正行為の発生を抑制することができる。
次に、図5及び図6を参照して、パチンコ機10の背面側について説明する。図5は、パチンコ機10の背面側を示した図であり、図6は、制御基板ユニット90,91及び裏パックユニット94を分解した状態の斜視図である。
図5に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に配設されている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116が搭載されてユニット化されている。裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。
また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111、発射制御装置112及び電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
図5に示すように、基板ボックス100,101は、裏パック92により覆われた状態となっている。基板ボックス101は、その全体が裏パック92により覆われており、基板ボックス100は、裏面視において左側端部と上部とが裏パック92により覆われている。基板ボックス100のパチンコ機10の背面側への固着は、その裏パック92により覆われた左側端部と上部とによってなされているので、基板ボックス100の一部が露出した状態であっても、基板ボックス100の取り外しはできないように構成されている。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
また、裏パック92により覆われた基板ボックス100は、遊技盤16の裏面側に取り付けられた状態で、その上部に、他の制御装置やセンサ、ソレノイドなどとの間を電気的に接続するコネクタの接続部が設けられている。この接続部が裏パック92により覆われているので、裏パック92を遊技盤16の裏面側に対して開放しないと、接続部のコネクタを外して基板ボックス100(主制御装置110)を取り外すことができないように構成されている。
また、裏パック92により覆われた基板ボックス100は、遊技盤16の裏面側に取り付けられた状態で、裏面視左側部に、前述したかしめ構造により基板ボックス100を開封不能に連結する連結部が設けられている。この連結部が裏パック92により覆われているので、裏パック92を遊技盤16の裏面側に対して開放しないと、連結部の連結を解除できないように構成されている。
なお、裏パック92により覆われた基板ボックス100は、遊技盤16の裏面側に取り付けられた状態で、裏面視右側部に識別シール100aが貼着されている。この識別シール100aは、裏パック92により覆われておらず、遊技盤16の裏面に露出している。識別シール100aは、固有の情報を有するICチップが埋め込まれており、そのICチップは、図示しない読取装置から電波が送信されると、ICチップが有する固有の情報を読取装置に対して送信するように構成されている。そのため、識別シール100aは、遊技盤16の裏面側に露出して貼着されている。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図11参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
図6に示すように、裏パックユニット94は、制御ユニット90(図5参照)を覆う裏パック92の裏面視(図6矢印B方向視)において上部および右側部に、略L字状の外形状となる払出ユニット93が取り付けられる。裏パック92の下方には、裏面視における左右方向に延びる裏パック支持棒92aが設けられており、裏面視における左下端部には、さらに下方へ突出する裏パック突出部92bが設けられている。また、裏パック92の裏面視の左上端部には、後述する固定金具70により係止される裏パック係止部92cが設けられている。
制御ユニット91は、取付ベース91aに取り付けられた状態で、遊技盤16(図10参照)の裏面側に配設される。そして、取付ベース91aの裏面視における上部には、裏パック支持棒92aに支持されるベース支持部91bが設けられている。また、取付ベース91aは、裏面視における右側端部が図示しないヒンジによって遊技盤16の裏面側に対して開閉可能に構成されている。よって、取付ベース91aに制御ユニット91が取り付けられた状態で、制御ユニット91が遊技盤16の裏面側(パチンコ機10の背面側)に対して開閉動作する。
また、制御ユニット91には、裏面視における左上端部に、取付ベース91aを遊技盤16の裏面側に対して閉鎖した状態で、裏パック92の裏パック突出部92bを覆うユニットカバー部91cが形成されている。よって、図5に示すように、制御ユニット90,91及び裏パックユニット94が遊技盤16の裏面側に配設された状態では、裏パック92の裏パック突出部92bが制御ユニット91のユニットカバー部91cにより覆われた状態となる。
ここで、不正行為者が、正規の基板ボックス100(又は主制御装置110)を不正な基板ボックス(又は主制御装置)に交換する不正行為を行う場合には、不正な基板ボックス(又は主制御装置)に交換したことをホール関係者に知られないために、不正な基板ボックス(又は主制御装置)に交換する作業を早期に終了させる。そのため、不正な基板ボックス(又は主制御装置)に交換する作業が多い又は困難なほど、不正行為者による不正行為を抑制することができる。
本実施形態では、修理や点検などのために基板ボックス100を取り外す場合には、制御ユニット91を遊技盤16の裏面側に対して開放し、その後、裏パック92を遊技盤16の裏面側に対して開放した後でないと不可能となる。よって、主制御装置110が被包された基板ボックス100を取り外し作業行程が多くなるので、不正行為者による不正行為の発生を抑制することができる。
次に、図7から図9を参照して、裏パック92と固定金具70とについて説明する。図7は、固定金具70の動作変化を示した斜視図であり、図7(a)は、固定金具70が開放された状態を示しており、図7(b)は、固定金具70が閉鎖された状態を示している。図8は、裏パック92の裏パック係止部92cを拡大して示した斜視図である。図9は、裏パック92が固定金具70により係止された状態を示した斜視図である。
図7(a)に示すように、内枠12の裏面視の左上部には、裏パック92を遊技盤16の裏面側に固定(係止)する固定金具70が取り付けられている。この固定金具70は、内枠12から裏パック92側に突出し外周にネジ溝が形成されたネジ71に緩挿され、バネ72により内枠12側に付勢されており、ネジ71の突出先端にナット73が螺着されている。よって、固定金具70は、内枠12側に付勢された状態で旋回可能に構成され、ネジ71から抜け落ちることが防止されている。なお、内枠12の裏面側には、裏パック92の位置決めを行う凹部12aが形成されている。
固定金具70は、操作者が操作する操作部70aと、その操作部70aに対して直角に連接された連接部70bと、その連接部70bに連接されバネ82の付勢力を受け止める受け部70cと、連接部70bから反操作部70a方向に突出し裏パック92を係止する固定係止部70dと、操作部70aの表裏を貫通する固定貫通口70eとを有して構成されている。
図7(a)に示した状態が、固定金具70の開放姿勢であり、固定係止部70dの先端が内枠12の裏面の縁面12bより外方向に位置している。一方、図7(b)に示した状態が、固定金具70の係止姿勢であり、固定係止部70dが内枠12の裏面の縁面12bより内側に位置している。なお、固定金具70が係止姿勢にあると、その固定金具70の操作部70aは、内枠12の縁面12bに略並行しており、固定金具70を内枠12の縁面12bから離反する方向へ旋回することで、固定金具70が開放姿勢となる。
また、図7(a)に示すように、固定金具70が開放姿勢にあると、その固定金具70のネジ71から離反した端部は、内枠12の外周壁40bより外方へ突出している。即ち、内枠12が外枠11に対して閉鎖された状態では、その内枠12の外周壁40bに外枠11の側壁11d(図4参照)が隣接するので、固定金具70を開放姿勢に旋回することができない。よって、内枠12が外枠11に対して閉鎖された状態で、内枠12と外枠11との隙間から薄板状の部材を差し込まれたとしても、その薄板状の部材により固定金具70が開放姿勢に旋回させることを防止できる。
図8に示すように、裏パック92の裏パック係止部92cは、その裏パック92が内枠12の裏面側に閉鎖された状態で内枠12の凹部12aに嵌合される凸部92dが形成されている。この凸部92dと凹部12aにより、裏パック92の内枠12に対する位置決めを容易に行うことができる。
また、裏パック係止部92cには、固定金具70を旋回可能に取り付けるネジ71及びナット73を覆う空間を形成する裏パックカバー部92eが形成されている。この裏パックカバー部92eにより形成される空間内に、ネジ71及びナット73が位置し、遊技盤16の裏面側に露出していないので、裏パック92が遊技盤16(図10参照)の裏側面に対して閉鎖された状態で、ナット73が緩められることを抑制することができる。
裏パック係止部92cには、固定金具70が係止姿勢となった場合に、その固定金具70の固定係止部70dと当接する裏パック当接部92fが形成されている。この裏パック当接部92fは、固定係止部70dにより遊技盤16方向へ押圧されるので、裏パック92が固定金具70により固定された状態での「がたつき」を抑制することができる。
裏パックカバー部92eの下側には、その裏パックカバー部92eと裏パック92の側面とを連接する裏パック連接部92gが形成されており、その裏パック連接部92gの遊技盤16側には裏パック凸部92hが形成されている。裏パック凸部92hには、その側面に形成される開口と連接部92gに形成される開口とを貫通する裏パック貫通口92iが形成されている。
図9に示すように、裏パック92が固定金具70により遊技盤16の裏面側に固定された状態では、固定金具70の固定貫通口70eと裏パック92の裏パック貫通口92iとが並んで配置される。本実施形態では、固定貫通口70eと裏パック貫通口92iにバンド(又は紐などの結束手段)99を挿通させて、裏パック92と固定金具70とを結束している。
よって、裏パック92が固定金具70により遊技盤16の裏面側に固定された状態では、裏パック92と固定金具70とがバンド99により結束されているので、裏パック92と固定金具70との係止状態を解除するためには、バンド99を切断する作業が必要となる。その結果、裏パック92を開放して、主制御装置110の点検や修理を行う場合の作業が増加するので、不正行為者によって主制御装置110を不正な主制御装置に交換されるなどの不正行為を抑制することができる。
また、図9に示すように、内枠12が外枠11に対して閉鎖された状態になると、外枠11の外枠カバー11eが裏パック92と固定金具70との係止部分近傍まで突出している。そのため、内枠12が外枠11に対して閉鎖された状態では、バンド99を切断する作業が困難となる。よって、内枠12が外枠11に対して閉鎖された状態で、不正行為者によってバンド99が切断される等の不正行為の発生を抑制することができる。
次に、図10を参照して、パチンコ機10の遊技盤16について説明する。図10は、パチンコ機10の遊技盤16の正面図である。
図10に示すように、遊技盤16は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が前述した内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤16の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤16の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤16の構成について説明する。
遊技盤16の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤16の前面外周が囲まれ、遊技盤16とガラスユニット17(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤16の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤16の前面であって2本のレール61,62と可変表示ユニット80とにより区画して形成される領域である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図11参照)から発射された球を遊技盤16上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図10の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤16の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(LED)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114(図11参照)によって表示内容が制御され、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図11参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37(図11参照)で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37にて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に配設されている。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
また、センターフレーム86には、その上部分に針が回転動作する第1役物87a(コンパス)と、右部分に左右方向に揺動する第2役物87b(船)と、その第2役物87bに取り付けられ伸縮動作する第3役物87c(大砲)とが配設されている。これら第1〜第3役物87a〜87cは、後述する主制御装置110によって遊技状態に応じて稼働される。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤16の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(ソレノイド209(図4参照)の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤16の下側における右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤16には、アウト口66と第2入球口(スルーゲート)67とが設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤16には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
次に、図11を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図11は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラム(例えば、遊技者に対して多くの賞球を付与する大当たりの抽選処理など)や固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、主制御装置110へ電源を供給する電源装置115を始め、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置82や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを備えている。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、払出制御装置111へ電源を供給する電源装置115を始め、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、電飾部29〜31や表示ランプ32などのランプ表示装置227における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを備えている。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、音声ランプ制御装置113へ電源を供給する電源装置115を始め、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226やランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを備えている。
入力ポート237の入力側には、表示制御装置114へ電源を供給する電源装置115、及び、音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。
画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232には、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データが記憶されている。
また、ワークRAM233は、図示されないフラグとして、演出許可がされているか否かを示す演出許可フラグや、変動表示を開始すべきか否かを示す変動開始フラグを有している。なお、演出許可フラグ(図示せず)は、主制御装置110の初期設定の処理後に送信される演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113を介して受信するとオンされ、電源断の発生によりオフされる。また、変動開始フラグ(図示せず)は、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに対応するコマンドを音声ランプ制御装置113から受信した場合にオンされ、第3図柄表示装置81において変動表示が開始されるとオフされる。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)などのキャラクタ情報が記憶されたキャラクタ情報メモリを備えている。このキャラクタ情報メモリに記憶されているキャラクタ情報としては、変動表示される第3図柄の数字データ(例えば、0〜9)や、数字データ以外の図柄データ(例えば、魚やエビの図柄、背景図柄、予告キャラクタ図柄やキャラクタ図柄(例えば、女の子や男の子)などが記憶されている。
このキャラクタ情報メモリは、記憶するデータ量を少なくするために、上記のようなキャラクタ情報を圧縮形式のデータで記憶している。なお、本実施形態では、キャラクタ情報は約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのキャラクタ情報が、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタ情報メモリに記憶されている。キャラクタ情報メモリに圧縮形式のデータとして記憶されているキャラクタ情報は、読み出されると、解凍された後に、ビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域に書き込まれる。
ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される表示内容(変動表示の演出パターンや、リーチ演出時の演出内容など)に対応する演出データが記憶される表示用記憶領域と、キャラクタROM235のキャラクタ情報メモリに記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を解凍したデータが記憶されるキャラクタ情報記憶領域とを備えている。
表示用記憶領域は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、その表示用記憶領域の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。キャラクタ情報記憶領域には、背景図柄や装飾図柄などの素材となるキャラクタデータが記憶され、このキャラクタ情報記憶領域から第3図柄表示装置81に表示するための必要なデータが読み出されて表示用記憶領域に書き込まれる。
なお、キャラクタ情報をビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域に記憶させるのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためであり、キャラクタ情報をキャラクタROM235から直接、表示用記憶領域に直接書き込む場合、読み出すデータ量が大きいと読み出しに時間を有しスムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができないからである。更に、RAMにおいて表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるためである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図5参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。
電源部251は、入出力ポート205,215,225,237に接続された電源経路を通じて、制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図示せず)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し、電源断の発生情報がRAM203及びRAM213に記憶して完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
以上説明したように、本実施形態では、大当たりの抽選処理などを行う主制御装置110は遊技盤16の裏面側に取り付けられており、その主制御装置110の遊技盤16の裏面側への取付部は裏パック92により覆われている。その裏パック92の裏パック貫通口92iと固定金具70の固定貫通口70eとは、裏パック92が固定金具70によって遊技盤16の裏側面に固定された状態で並んで配置される。その結果、裏パック貫通口92iと固定貫通口70eとにバンド99を挿入し、裏パック92と固定金具70とを結束することができる。よって、裏パック92を開放して主制御装置110の修理や点検を行う場合には、バンド99を切断するという作業が増加する。即ち、不正行為者により主制御装置110を不正な主制御装置に交換する不正行為を行う場合にもバンド99を切断する作業が必要となり作業が増加するので、不正行為者による不正行為を抑制することができる。
また、内枠12が外枠11に対して閉鎖された状態では、外枠11の外枠カバー11eが裏パック92と固定金具70との係止部分近傍まで突出しているので、内枠12が外枠11に対して閉鎖された状態でのバンド99の切断を困難としている。さらに、施錠ユニット60の突出片64は、個別にスライド板63に対して上下方向に動作可能に構成されているので、一対の突出片64を同時に上方向へ移動させないと内枠12を外枠11に対して開放することができない。また、裏パック92は、その裏パック突出部92bが制御ユニット91のユニットカバー部91cに覆われた状態で遊技盤16の裏面側に係止されるので、制御ユニット19を開放した後でないと、遊技盤16に対して開放することができない。また、固定金具70は、内枠12が外枠11に対して閉鎖された状態では、開放姿勢への旋回が不可能に構成されている。また、基板ボックス100は、コネクタの接続部や開封不能に連結する連結部が裏パック92により覆われており、裏パック92を遊技盤16の裏面側に対して開放しないと、コネクタを外したり連結部の連結解除を行えないように構成されている。
その結果、本実施形態では、主制御装置110を覆う裏パック92を開放するまでの作業を増やすと共に開放の作業性を困難とし、又、内枠12が外枠11に対して不正な行為により開放されることを困難とし、更には、裏パック92が閉鎖された状態での不正行為を困難としているので、主制御装置110が不正な主制御装置に交換される等の不正行為の発生を抑制することができる。
以上、一実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、外枠カバー11eを、内枠12が外枠11に対して閉鎖された状態で、裏パック92と固定金具70との係止部分近傍まで突出するように構成したが、裏パック92と固定金具70との係止部分を全て覆うように構成しても良い。また、外枠カバー11eは、外枠11の上下方向全域に亘って形成されるものとしたが、少なくとも裏パック92と固定金具70との係止部分近傍または係止部分の全てを覆う大きさに形成するものとしても良い。
また、上記実施形態では、裏パック貫通口92iの一方の開口を裏パック92の裏面に位置するように構成したが、遊技盤16に対向する面に開口するように構成しても良いし、裏パック92の側面に開口するように構成しても良い。この構成では、バンド99を切断する作業をより困難とすることができる。なお、裏パック貫通口92iと固定貫通口70eとが、裏パック92が固定金具70により遊技盤16の裏側面に固定された状態で並んで配置される形状であれば、その大きさや位置は如何なる形状であっても構わない。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機および変形例を示す。
外枠と、その外枠に対して開閉可能に支持される本体と、その本体の裏面側に取り付けられた本体側部材とを備えた遊技機において、前記本体側部材を覆うと共に、前記本体の裏面側に対して開閉可能に一端側が支持される第1カバー部材と、前記本体の裏面側に取り付けられ、前記第1カバー部材の他端側を係止し、前記本体の裏面側に対して前記第1カバー部材を開閉不能にする係止部材とを備え、前記第1カバー部材の他端側には、その一部を貫通するカバー側貫通口が形成され、前記係止部材には、その一部を貫通する係止側貫通口が形成され、前記本体の裏面側に対して前記第1カバー部材が前記係止部材により開閉不能に係止された状態では、前記カバー側貫通口と前記係止側貫通口とが並んで配置されることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、外枠に対して本体が開閉可能に支持されており、その本体の裏面側に本体側部材が取り付けられ、その本体側部材は、本体の裏面側に対して開閉可能に一端側が支持されたカバー部材により覆われる。カバー部材は、係止部材により他端側が係止されて本体の裏面側に対して開閉不能にされる。そして、本体の裏面側に対して第1カバー部材が係止部材により開閉不能に係止された状態になると、カバー部材の一部を貫通するカバー側貫通口と、係止部材の一部を貫通する係止側貫通口とが並んで配置される。よって、第1カバー部材が係止部材により開閉不能に係止された状態でカバー側貫通口と係止側貫通口とが並んで配置されるので、例えば、紐やバンドなどをカバー側貫通口および係止側貫通口に通して第1カバー部材と係止部材とを結束することできる。
ここで、不正行為者が、正規の本体側部材を不正な本体側部材に交換する不正行為を行う場合には、不正な本体側部材に交換したことをホール関係者に知られないために、不正な本体側部材に交換する作業を早期に終了させる。そのため、不正な本体側部材に交換する作業が多い又は困難なほど、不正行為者による不正行為を抑制することができる。
遊技機1によれば、紐やバンドなどをカバー側貫通口および係止側貫通口に通して第1カバー部材と係止部材とを結束できるので、第1カバー部材と係止部材との係止状態を解除するためには、紐やバンドを切断する作業が必要となる。その結果、本体側部材を交換する場合の作業が増えるので、第1カバー部材により覆われた本体側部材が不正な本体側部材に交換されることを抑制することができる。
遊技機1において、前記第1カバー部材の他端側は、前記本体の裏面側に開閉不能に係止された状態で前記本体の裏面の縁部に位置すると共に、前記係止部材は、前記本体の裏面の縁部に取り付けられ、前記外枠に対して前記本体が閉鎖された状態で、前記第1カバー部材の他端側および前記係止部材が位置する前記本体の裏面の縁部に対向配置され、前記外枠から内側方向に向かって突出する板状の突出部材を備えることをことを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、第1カバー部材の他端側は、本体の裏面側にカバー部材が開閉不能に係止された状態で本体の裏面の縁部に位置し、係止部材は、本体の裏面の縁部に取り付けられる。また、外枠から内側に向かって突出する板状に形成された突出部材は、外枠に対して本体が閉鎖された状態で第1カバー部材の他端側および係止部材が位置する本体の裏面の縁部に対向配置される。よって、第1カバー部材の他端側および係止部材に対向して突出部材が配置されるので、外枠に対して本体が閉鎖された状態では突出部材を破壊などしないと、本体に対して第1カバー部材を開放することが困難となる。従って、外枠に対して本体が閉鎖された状態での第1カバー部材の開放が困難となるので、第1カバー部材により覆われた本体側部材が不正な本体側部材に交換されることを抑制することができる。
遊技機2において、前記係止部材は、前記本体の裏面の縁に略並行する姿勢であって前記本体の裏面側に対して前記第1カバー部材を開閉不能に係止する係止姿勢から、前記本体の裏面の縁から離反する方向に旋回可能に構成され、前記外枠に対して前記本体が閉鎖された状態では、前記本体の裏面の縁と前記外枠の内側面との距離が、前記係止部材の旋回する半径より短いことを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、係止部材は、第1カバー部材を開閉不能に係止する場合には本体の裏面の縁に略並行する係止姿勢となり、第1カバー部材を開放可能にする場合には本体の裏面側に対して係止姿勢から本体の裏面の縁から離反する方向に旋回される。また、外枠に対して本体が閉鎖された状態では、本体の裏面の縁と外枠の内側面との距離が、係止部材の旋回する半径より短くなるので、外枠に対して本体が閉鎖された状態で、第1カバー部材の係止部材による係止を解除不能にすることができる。
遊技機2又は3において、前記外枠に対して前記本体が閉鎖された状態において前記外枠の突出部材に対向する位置に設けられ、前記本体を前記外枠に対して施錠する施錠手段を備え、前記施錠手段は、基体と、その基体に対してスライド動作するスライド部材と、そのスライド部材の第1方向への動作に連動して動作すると共にそのスライド部材に対して個別に前記第1方向にスライド動作する複数の突出片と、その複数の突出片と共に前記スライド部材を反第1方向へ付勢する付勢手段と、その付勢手段に反して前記スライド部材を前記第1方向へ動作させる動作手段とを有し、前記外枠の突出部材は、前記付勢手段により前記反第1方向に付勢された複数の突出片とそれぞれ係止する複数の係止部を有しており、前記施錠手段の複数の突出片が前記突出部材の係止部に係止した状態で前記外枠に対して前記本体が閉鎖されると共に、前記施錠手段の複数の突出片の全てについて前記突出部材の係止部との係止が解除された状態で前記外枠に対して前記本体が開放可能に構成されることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、外枠に対して本体が閉鎖された状態において外枠の突出部材に対向する位置に施錠手段が設けられ、その施錠手段により本体が外枠に対して施錠される。施錠手段は、基体に対してスライド動作するスライド部材が付勢手段により反第1方向に付勢された状態で、スライド動作に連動して第1方向に動作する突出片と突出部材の係止部とが係止されると、外枠に対して本体を施錠する。一方、動作手段によりスライド部材が反第1方向に動作させられた状態で、複数の突出片と係止部との係止が解除されると、外枠に対する本体の施錠が解除され開放可能になる。また、複数の突出片は、スライド部材に対して個別に第1方向にスライド動作するので、1の突出片を第1方向に動作させたとしても、複数の突出片の全てが第1方向に動作することはない。
例えば、外枠と本体との隙間から細板状の部材などを差し込んで、1の突出片を不正に第1方向へ移動させるなどの不正行為が行われても、複数の突出片の全てを第1方向に移動させないと本体を外枠に対して開放できないので、不正行為によって本体が外枠に対して開放されることを困難にできる。その結果、外枠に対して本体が不正に開放される行為自体を抑制できるので、第1カバー部材により覆われた本体側部材が不正な本体側部材に交換されることを抑制することができる。
遊技機1から4のいずれかにおいて、前記本体の裏面側に前記係止部材により係止された第1カバー部材の一部を覆った状態で、前記本体の裏面側に取り付けられる第2カバー部材を備えていることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、本体の裏面側に係止手段により係止された第1カバー部材の一部を覆った状態で、本体の裏面側に第2カバー部材が取り付けられるので、第1カバー部材を開放するためには、第2カバー部材を開放しなければならない。その結果、第1カバー部材を開放するための作業が増えるので、第1カバー部材により覆われた本体側部材が不正な本体側部材に交換されることを抑制することができる。
遊技機1から5のいずれかにおいて、遊技者に有利な遊技価値を付与する特別遊技状態の抽選制御を行う制御手段と、その制御手段を被包する被包手段とを備え、前記本体側部材の1つは、前記制御手段が被包された被包手段であり、前記第1カバー部材は、前記被包手段の前記本体への取り付け部分を少なくとも覆うように構成されていることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、遊技者に有利な遊技価値を付与する特別遊技状態の抽選制御を行う制御手段が被包手段により被包され、その被包手段が本体の裏面側に取り付けられる。また、本体側部材の1つは、制御手段が被包された被包手段であり、その被包手段の本体への取り付け部分が第1カバー部材により少なくとも覆われる。よって、特別遊技状態の抽選制御を行う制御手段が不正な制御手段に交換されることを抑制することができ、不正に遊技価値が付与されることを抑制することができる。
また、前記第1カバー部材は、前記被包手段の前記本体への取り付け部分を少なくとも覆うように構成したが、被包手段を開封不能に連結する連結部材を少なくとも覆うように構成しても良いし、外部との間を電気的に接続する接続部材(例えばコネクタなど)を少なくとも覆うように構成しても良い。
遊技機1から6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機7。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機8。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機9。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。