JP4999073B2 - 樹脂発泡構造体、光反射板および樹脂発泡構造体の製造方法 - Google Patents

樹脂発泡構造体、光反射板および樹脂発泡構造体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4999073B2
JP4999073B2 JP2007075273A JP2007075273A JP4999073B2 JP 4999073 B2 JP4999073 B2 JP 4999073B2 JP 2007075273 A JP2007075273 A JP 2007075273A JP 2007075273 A JP2007075273 A JP 2007075273A JP 4999073 B2 JP4999073 B2 JP 4999073B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin
foam structure
resin foam
foam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007075273A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008230138A (ja
Inventor
功 友松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2007075273A priority Critical patent/JP4999073B2/ja
Publication of JP2008230138A publication Critical patent/JP2008230138A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4999073B2 publication Critical patent/JP4999073B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、微細な気泡を有し、かつ表面硬度に優れる樹脂発泡構造体に関する。本発明の樹脂発泡構造体は、光反射板、外装材、筐体材料などに好適に使用される。
従来、微細な気泡を有する種々の樹脂発泡体製品あるいはその製造方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1は、熱可塑性ポリエステル樹脂シートとセパレータとを重ねて巻くことによりロールを形成し、該ロールを加圧不活性ガス雰囲気中に保持して熱可塑性ポリエステル樹脂シートに不活性ガスを含有させて結晶化度を30%以上にする工程と、不活性ガスを含有させた熱可塑性ポリエステル樹脂シートを常圧下で加熱して発泡させる工程とを具備する熱可塑性ポリエステル樹脂発泡シートの製造方法を開示している。特許文献2は、平均気泡径50μm以下の微細気泡を含有し、厚さが200μm以上、比重が0.7以下の熱可塑性ポリエステル発泡体からなる光反射板を開示している。
特許第2713556号公報 特許第2925745号公報
しかし、特許文献1の製造方法により得られる樹脂発泡体は、表面が傷付きやすく、表面硬度が十分とは言えない。そこで、樹脂発泡体の表面硬度を高めるために、樹脂発泡体表面への塗料塗布、樹脂発泡体表面への未発泡樹脂シートの接着あるいはラミネートなどの対策が採られているが、それらは全て樹脂発泡体への後加工であることから、コスト増の原因となり、また、樹脂発泡体と表面硬度向上用材料との密着性が十分ではないため、その密着界面から表面硬度向上用材料が剥離する問題がある。
また、特許文献2の光反射板は、気泡径が小さく、光反射率が高いため、液晶テレビや電飾看板の光反射板として多く利用されているが、ポリエステル系樹脂の共通の欠点である紫外線劣化により、長期間が経過すると光反射板が茶色に変色することがあり、そのため樹脂に紫外線吸収剤を練り込んだり、紫外線吸収剤を混合した塗料を光反射板表面に塗布したりする対策が採られているが、この対策によるコスト増は免れない。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、微細な気泡を有し、かつ表面硬度に優れ、光反射板、外装材、筐体材料などに好適に使用される樹脂発泡構造体を安価に提供することを第1の目的とする。また、本発明は、微細な気泡を有し、かつ表面硬度に優れるとともに、紫外線により劣化しにくく、光反射板、外装材、筐体材料などに好適に使用される樹脂発泡構造体を安価に提供することを第2の目的とする。
本発明者は、前記目的を達成するために種々検討を行った結果、微細発泡体の両面に非晶性樹脂層を積層して樹脂発泡構造体を形成した場合、この樹脂発泡構造体の表面硬度が高くなることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、下記(1)〜(6)に示す樹脂発泡構造体、光反射板および樹脂発泡構造体の製造方法を提供する。
(1)平均気泡径が30μm以下である微細発泡体の両面に、厚さが100〜130μmの未発泡層と厚さが30〜70μmの発泡層とからなる2層構造を有する非晶性樹脂層を、前記微細発泡体側に前記発泡層を配置して積層してなることを特徴とする樹脂発泡構造体。
(2)前記非晶性樹脂層の発泡層の平均気泡径は0.5μm以上50μm以下であることを特徴とする(1)の樹脂発泡構造体。
(3)前記非晶性樹脂層はポリアリレート樹脂を含むことを特徴とする(1)または(2)の樹脂発泡構造体。
(4)前記非晶性樹脂層は耐紫外線剤を含むことを特徴とする(1)〜(3)の樹脂発泡構造体。
(5)(1)〜(4)の樹脂発泡構造体からなることを特徴とする光反射板。
(6)(1)〜(4)の樹脂発泡構造体の製造方法であって、微細発泡体の原反シートの両面に非晶性樹脂層の原反シートを積層してなる多層シートにガス発泡剤を浸透させ、次いで前記多層シートにおける非晶性樹脂層の原反シートの外側部分のガス抜きを行った後、前記微細発泡体の原反シートの軟化温度以上に加熱して前記多層シートを発泡させることを特徴とする樹脂発泡構造体の製造方法。
本発明の樹脂発泡構造体は、微細な気泡を有し、かつ表面硬度に優れている。また、本発明の樹脂発泡構造体は、(6)の製造方法により容易に製造することができ、この製造方法によれば、複合構造体でありながら微細発泡体と非晶性樹脂層との接合界面での剥離が生じにくく、光反射板として好適に使用することができる樹脂発泡構造体を得ることができる。さらに、耐紫外線剤を含む非晶性樹脂層を用いれば、紫外線に対して強い樹脂発泡構造体を得ることができる。
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。本発明の樹脂発泡構造体は、樹脂からなる微細発泡体の両面に非晶性樹脂層を積層したものである。この場合、樹脂発泡構造体の中心層である微細発泡体は、その断面の平均気泡径が30μm以下である必要がある。30μmより大きい気泡径を持つ発泡体では、それ自体の強度があまりにも低いため、表面硬度を高めるために配置した非晶性樹脂層をよほど厚くしない限り、鋭利な物体で傷つけられたときに発泡体が非晶性樹脂層ごと破けてしまうからである。
また、樹脂発泡体を光反射板として用いる場合、発泡体の平均気泡径が10μm以下、より好ましくは3μm以下である場合に光反射率が高くなることが知られている。したがって、本発明においても、樹脂発泡構造体を光反射板として用いる場合、微細発泡体の断面の平均気泡径は10μm以下、特に3μm以下であることが好ましい。
微細発泡体に用いる樹脂材料としては、特に制限はないが、微細な気泡を得やすいことなどから、熱可塑性飽和ポリエステルであるポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチルテレフタレートや、汎用エンジニアリングプラスチックであるポリカーボネート、ポリアリレート、また、スーパーエンジニアリングプラスチックであるポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、さらには、アクリル樹脂やポリスチレンなどを好適に用いることができる。
本発明においては、微細発泡体の特性に影響を及ぼさない範囲で、微細発泡体の発泡前の樹脂に、結晶化核剤、結晶化促進剤、気泡化核剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、顔料、染料、相溶化剤、滑剤、強化剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、可塑剤、増粘剤、減粘剤などの各種添加剤を配合してもよい。
本発明において、非晶性樹脂層に用いる樹脂材料の種類に特に制限はなく、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよいが、扱い易さの点で熱可塑性非晶性樹脂が好ましい。熱可塑性非晶性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、非晶性ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、シクロポリオレフィンなどを挙げることができるが、中でも非晶性ポリアリレートが最も好ましい。非晶性ポリアリレート樹脂は、紫外線が照射された際に転移を起こし、ポリマー表面に紫外線吸収骨格を形成するため、非晶性ポリアリレート自身の内部および微細発泡体を紫外線劣化から守ることができるからである。さらに、非晶性樹脂層に非晶性ポリアリレートを用いた場合、難燃剤の配合なしでもUL94難燃試験においてV−2を示す難燃効果を持つので、樹脂発泡構造体の難燃効果を上げることができるからである。
なお、非晶性樹脂か否かの判別は、一般的な手法でかまわない。例えば、示差走査熱量測定装置(DSC)で樹脂を昇温してゆき、ガラス転移温度変曲点より高い温度領域で結晶溶融を示す吸熱ピークが存在しないことで確認してもよいし、溶融後に10℃/分以上のゆっくりとした速度で降温していき、融点とガラス点移転温度との間に結晶化による発熱ピークがないことで確認してもよい。
本発明における重要な点は、好ましくは、非晶性樹脂層の構造は、未発泡層と発泡層とが重なった2層構造となっており、発泡層が微細発泡体側に配置され、未発泡層が樹脂発泡構造体の外側に配置されることである。当初、本発明者は、微細発泡体の原反の両面に非晶性樹脂層を設け、非晶性樹脂を発泡させることなく、微細発泡体を得ようと努力を重ねた。しかしながら、非晶性樹脂層を全て未発泡状態にすると、非晶性樹脂層と微細発泡体との界面で剥離が生じ、良好な樹脂発泡構造体を得ることができなかった。その後、本発明者は、非晶性樹脂層が上記2層構造を有し、発泡層を微細発泡体側に配置した場合、非晶性樹脂層と微細発泡体との界面で剥離が生じにくいことを見出した。これは、本発明者は、非晶性樹脂層と微細発泡体との接面近傍に気泡が存在することによって、ひずみが緩和され、良好な樹脂発泡構造体が形成されるのではないかと推測している。そのため、非晶性樹脂層の気泡は、面内方向において均一に分散されていることが好ましい。なお、樹脂発泡構造体の外側に非晶性樹脂層の発泡層があると、本発明の目的である表面硬度の高い樹脂発泡構造体を得ることができない。
非晶性樹脂層に存在する気泡の気泡径は、0.5μm以上50μm以下であることが好ましい。気泡径が50μmを超える大きな気泡では、樹脂発泡構造体の表面の平滑さを阻害する上、気泡のひずみが大きすぎて、非晶性樹脂層と微細発泡体との間の界面剥離を生じかねないからである。また、気泡径が0.5μmより小さな気泡の場合も、非晶性樹脂層と微細発泡体との間の界面剥離が生じやすくなる。これは、本発明者は、気泡が小さすぎることで、ひずみの緩衝になりにくくなるためではないかと推測している。
本発明における非晶性樹脂層には、紫外線吸収剤、紫外線反射剤などの耐紫外線剤を練りこんでおくことで、樹脂発泡構造体の耐紫外線性を向上させることができる。また、本発明における非晶性樹脂層には、非晶性樹脂層の特性に影響を及ぼさない範囲で、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、顔料、染料、相溶化剤、滑剤、強化剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、可塑剤、増粘剤、減粘剤などの各種添加剤を配合してもよい。
本発明の樹脂発泡構造体を製造する方法は特に限定されないが、量産性を考慮すると、例えば以下のような方法を用いることが好ましい。すなわち、微細発泡体用の樹脂原反を中心層とし、非晶性樹脂層用の樹脂原反を上下層とした三層押出しで多層シートを作製し、この多層シートとセパレータとを重ねて巻くことによりロールを形成し、このロールを加圧不活性ガス雰囲気中に保持して多層シートに不活性ガスを含有させ、さらに不活性ガスを含有させた多層シートを常圧下で放置することにより、非晶性樹脂層用の樹脂原反の外側部分に含まれる高濃度不活性ガスを抜いた後、多層シートを微細発泡体用樹脂の軟化温度以上に加熱して発泡させる、という方法を好適に用いることができる。この場合、非晶性樹脂は、浸透させた不活性ガスの脱離速度が速いので、常圧下放置で容易にガス抜けが発生し、樹脂発泡構造体の表面部分となる未発泡非晶性樹脂層を得ることができる。
上記不活性ガスとしては、ヘリウム、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどが挙げられる。樹脂へのガス浸透性(速度、溶解度)を考慮すると、二酸化炭素がより好ましい。また、多層シートが不活性ガス飽和状態になるまでの不活性ガス浸透時間および不活性ガス浸透量は、発泡させる樹脂の種類、不活性ガスの種類、浸透圧力およびシートの厚さによって異なる。
なお、上述した樹脂発泡構造体の製造方法では、多層シートとセパレータとからなるロールを、加圧不活性ガス雰囲気中に保持して多層シートに不活性ガスを含有させる前に、多層シートにエタノールなどの有機溶剤を含有させてもよい。
次に、実施例によって本発明をさらに具体的に示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、得られた樹脂発泡構造体の各種特性の測定および評価は以下の通りとした。
(平均気泡径)
ASTM D3576−77に準じて求めた。すなわち、シートの断面のSEM写真を撮影し、SEM写真上に水平方向と垂直方向に直線を引き、直線が横切る気泡の弦の長さtを平均した。写真の倍率をMとして、下記式に代入して平均気泡径dを求めた。
d=t/(0.616×M)
(表面硬度)
JIS K 5600−5−4に従い、鉛筆引っかき試験を行なった。
(剥離試験)
発泡構造体シートを20mmRに曲げた後、微細発泡体と非晶性樹脂層との間に剥離が生じているかどうかをルーペで観察した。
(光反射率)
分光光度計(UV−3101PC:島津製作所社製)を用いて、550nmの波長における反射率を測定した。なお、本実施例では、硫酸バリウムの微粉末を固めた白板の全反射率を100%として、各々の樹脂発泡構造体の全反射率を相対値で示している。
(紫外線劣化試験)
スーパーUV(アイスーパーUVテスター SUV−W151:岩崎電気社製)にて、80℃、100mW、サンプル表面までの照射距離235mmで、紫外線照射を行ない、照射後の色調を目視観察した。また、紫外線照射後のサンプルを2つ折りにし、折り目にクラックが生じているかどうかを目視観察した。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(グレード=SA−1206:ユニチカ社製)に、官能基を有するスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS、ダイナロン8630P:JSR社製)を1質量部添加して混練した樹脂を中心層とし、ポリアリレート(グレード=U−100:ユニチカ社製)を上下層とする三層押出しを行ない、0.8mm厚×300mm幅×60m長さの多層シートを成形した。ポリエチレンテレフタレート層は0.5mm厚、上下のポリアリレート層はそれぞれ0.15mm厚であった。この多層シートと、160μm厚さ×290mm幅×60m長さ、目付量55g/mのオレフィン系不織布のセパレータ(グレード=FT300:日本バイリーン製)を重ねて、多層シートの表面同士が接触する部分がないように巻いてロール状にした。
その後、上記ロールを圧力容器に入れ、炭酸ガスで6MPaに加圧し、多層シートに炭酸ガスを浸透させた。多層シートへの炭酸ガスの浸透時間は72時間とした。次に、圧力容器からロールを取り出し、20分放置することで多層シート表面のガス抜きを行なった。さらに、セパレータを取り除きながら多層シートだけを引き出し、図1に示すように、時間にして20分間の多層シート表面のガス抜き工程を経た後、200℃に設定した熱風循環式発泡炉に発泡時間が1分となるように多層シートを連続的に供給して発泡させた。
得られた樹脂発泡構造体の中心層であるポリエチレンテレフタレート層は均一に発泡しており、平均気泡径が1.5μmと非常に微細であった。また、上下層であるポリアリレート層は、樹脂発泡構造体表面から120μmまでは気泡が確認されず、ポリエチレンテレフタレート層との接面側50μm厚さが発泡層となっていた。気泡はポリエチレンテレフタレート層接面近傍で5μm、ポリアリレート未発泡層近傍で25μmと、厚さ方向に関しては傾斜傾向にあったが、面内方向には均一に気泡が分散されていた。ポリアリレート発泡層の平均気泡径は18μmであった。樹脂発泡構造体の厚さは1.14mmであり、鉛筆硬度はHであった。剥離試験で、剥離は観測されなかった。また、光反射率は99.7%と非常に高い値を示した。さらに、紫外線劣化試験後のサンプルは薄い黄色であり、2つ折りにしてもクラックは観察されなかった。
(実施例2)
ポリカーボネート(グレード=L1250:帝人化成社製)100質量部に、官能基を有するSEBS(ダイナロン8630P:JSR社製)を1質量部添加して混練した樹脂を中心層としたこと以外は、実施例1と同様に多層シートを作製し、樹脂発泡構造体を得た。
得られた樹脂発泡構造体の中心層であるポリカーボネート層は均一に発泡しており、平均気泡径が5μmと微細であった。また、上下層であるポリアリレート層は、樹脂発泡構造体表面から100μmまでは気泡が確認されず、ポリカーボネート層との接面側70μm厚さが発泡層となっていた。気泡はポリカーボネート層接面近傍で8μm、ポリアリレート未発泡層近傍で33μmと、厚さ方向に関しては傾斜傾向にあったが、面内方向には均一に気泡が分散されていた。ポリアリレート発泡層の平均気泡径は21μmであった。樹脂発泡構造体の厚さは1.2mmであり、鉛筆硬度はHであった。剥離試験で、剥離は観測されなかった。また、光反射率は86.7%と高い値を示した。さらに、紫外線劣化試験後のサンプルは薄い黄色であり、2つ折りにしてもクラックは観察されなかった。
(実施例3)
ポリカーボネート(グレード=L1250:帝人化成社製)に紫外線吸収剤(グレード=チヌビン1577:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.5質量%添加したものを非晶性樹脂に用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂発泡構造体を得た。
得られた樹脂発泡構造体の中心層であるポリエチレンテレフタレート層は均一に発泡しており、平均気泡径が1.5μmと微細であった。また、上下層であるポリカーボネート層は、樹脂発泡構造体表面から130μmまでは気泡が確認されず、ポリエチレンテレフタレート層との接面側30μm厚さが発泡層となっていた。気泡はポリエチレンテレフタレート層接面近傍で4μm、ポリカーボネート未発泡層近傍で18μmと、厚さ方向に関しては傾斜傾向にあったが、面内方向には均一に気泡が分散されていた。ポリアリレート発泡層の平均気泡径は13μmであった。樹脂発泡構造体の厚さは1.12mmであり、鉛筆硬度はHであった。剥離試験で、剥離は観測されなかった。また、光反射率は99.8%と非常に高い値を示した。さらに、紫外線劣化試験後のサンプルは薄い黄色であり、2つ折りにしてもクラックは観察されなかった。
(比較例1)
実施例1と同一の多層シートを作製し、発泡させた。ただし、多層シート表面のガス抜き工程を限りなく短くし、圧力容器からロールを取り出してから発泡完了まで15分以内に収まるようにした。
得られた樹脂発泡構造体の表面スキン層約30μm厚さを除き、全て発泡していた。中心層であるポリエチレンテレフタレート層の平均気泡径が1.5μm、ポリアリレート層の平均気泡径が5μmであり、面内方向には均一に気泡が分散されていた。樹脂発泡構造体の厚さは1.3mmであり、鉛筆硬度は6B以下であった。剥離試験で、剥離は観測されなかった。また、光反射率は99.7%と非常に高い値を示した。さらに、紫外線劣化試験後のサンプルは薄い黄色であり、2つ折りにしてもクラックは観察されなかった。
(比較例2)
実施例1と同一の多層シートを作製し、発泡させた。ただし、多層シート表面のガス抜き工程に2倍の時間をかけ、完全に非晶性樹脂層からガスを抜いた状態で発泡を行なった。
得られた樹脂発泡構造体のポリアリレート層は未発泡であった。中心層であるポリエチレンテレフタレート層は平均気泡径が2μmと微細であり、面内方向には均一に気泡が分散されていた。樹脂発泡構造体の厚さは1.10mmであり、鉛筆硬度はHであったが、剥離試験で、ポリエチレンテレフタレートとポリアリレート層の界面に剥離が観測された。また、光反射率は99.7%と非常に高い値を示した。さらに、紫外線劣化試験後のサンプルは薄い黄色であり、2つ折にしてもクラックは観察されなかった。
(比較例3)
実施例1のポリエチレンテレフタレート層のみで発泡体を作製した。得られた発泡体は平均気泡径が1.5μmと微細であり、面内方向には均一に気泡が分散されていた。発泡体の厚さは0.8mmであり、鉛筆硬度は6B以下であった。また、光反射率は99.7%と非常に高い値を示したが、紫外線劣化試験後のサンプルは茶色であり、2つ折にするとクラックを生じ、2つに割れてしまった。
(比較例4)
高圧法ポリエチレン(密度0.920g/cm、MI=0.8)100重量部に対して、アゾジカーボンアミド17重量部、ジクミルパーオキサイド0.8重量部を配合し、均一に混合し、この混合物を用いて押出機により幅350mm、厚さ2.5mmの発泡用母板シートを製造した。
次に、この発泡用母板シートを金網製コンベアに載せて加熱炉中で220℃ の熱風を5分間送って加熱し発泡させた。得られた架橋ポリエチレン発泡シートの表裏にコロナ放電処理を施し、表面濡れ指数を45dyn/cmとして、さらにその表裏面にNBR系接着剤を40g/m(固形分20質量%)塗工し、赤外線ヒーターで十分に乾燥して接着剤層を設け、厚さ120μmのポリアリレート(グレード=U−100:ユニチカ社製)フィルムを貼付して、発泡構造体を完成した。
この発泡構造体の鉛筆硬度を測定しようとしたが、発泡層の沈み込みが激しく、測定不能であった。また、光反射率は60.6%程度しか得ることができなかった。
本発明に係る樹脂発泡構造体の製造工程の一例を示す概略図である。

Claims (6)

  1. 平均気泡径が30μm以下である微細発泡体の両面に、厚さが100〜130μmの未発泡層と厚さが30〜70μmの発泡層とからなる2層構造を有する非晶性樹脂層を、前記微細発泡体側に前記発泡層を配置して積層してなることを特徴とする樹脂発泡構造体。
  2. 前記非晶性樹脂層の発泡層の平均気泡径は0.5μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項に記載の樹脂発泡構造体。
  3. 前記非晶性樹脂層はポリアリレート樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂発泡構造体。
  4. 前記非晶性樹脂層は耐紫外線剤を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂発泡構造体。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂発泡構造体からなることを特徴とする光反射板。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂発泡構造体の製造方法であって、微細発泡体の原反シートの両面に非晶性樹脂層の原反シートを積層してなる多層シートにガス発泡剤を浸透させ、次いで前記多層シートにおける非晶性樹脂層の原反シートの外側部分のガス抜きを行った後、前記微細発泡体の原反シートの軟化温度以上に加熱して前記多層シートを発泡させることを特徴とする樹脂発泡構造体の製造方法。
JP2007075273A 2007-03-22 2007-03-22 樹脂発泡構造体、光反射板および樹脂発泡構造体の製造方法 Expired - Fee Related JP4999073B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007075273A JP4999073B2 (ja) 2007-03-22 2007-03-22 樹脂発泡構造体、光反射板および樹脂発泡構造体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007075273A JP4999073B2 (ja) 2007-03-22 2007-03-22 樹脂発泡構造体、光反射板および樹脂発泡構造体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008230138A JP2008230138A (ja) 2008-10-02
JP4999073B2 true JP4999073B2 (ja) 2012-08-15

Family

ID=39903486

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007075273A Expired - Fee Related JP4999073B2 (ja) 2007-03-22 2007-03-22 樹脂発泡構造体、光反射板および樹脂発泡構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4999073B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104114365B (zh) * 2012-06-18 2016-01-20 古河电气工业株式会社 发泡片
EP2884313A4 (en) * 2012-08-09 2016-01-20 Furukawa Electric Co Ltd THERMOPLASTIC RESIN MICRO-FOAM REFLECTIVE SHEET, OPTICAL REFLECTION PLATE, BACKLIGHT PANEL, AND PROCESS FOR PRODUCING FOAM REFLECTIVE SHEET

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3256906B2 (ja) * 1992-11-19 2002-02-18 古河電気工業株式会社 樹脂発泡体の製造方法
JP2710753B2 (ja) * 1994-04-15 1998-02-10 三ツ星ベルト株式会社 熱可塑性樹脂ビーズ発泡体及びその表面溶融成形法
JP4178567B2 (ja) * 1997-09-12 2008-11-12 ヤマハ株式会社 樹脂発泡体の製法
JPH11170288A (ja) * 1997-12-10 1999-06-29 Yamaha Corp 樹脂発泡体の製法
JP3989230B2 (ja) * 2001-11-16 2007-10-10 古河電気工業株式会社 樹脂発泡体
JP2005162965A (ja) * 2003-12-05 2005-06-23 Shinseisha:Kk 化粧フィルム
JP4093419B2 (ja) * 2004-07-30 2008-06-04 株式会社デュエラ 発泡シート、その製造方法および製造装置
TW200712568A (en) * 2005-09-02 2007-04-01 Furukawa Electric Co Ltd Light reflection plate

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008230138A (ja) 2008-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017181655A1 (zh) 一种三层结构的共挤型一次成型太阳能电池组件背板
JP2021501238A (ja) 低密度の空隙含有フィルム
JP2015505751A (ja) モノリシック多層体物品
WO2013191031A1 (ja) 発泡シート、並びに、これを用いた光反射板及びバックライトパネル
JP2009262434A (ja) 発泡ポリエステル樹脂シート積層鋼板及びその製造方法
WO2006030640A1 (ja) 熱可塑性樹脂発泡体
JP2019508528A (ja) 外装パネル及び外装パネルの製造方法
JP2007045098A (ja) 自動車内装材用基材
JP4999073B2 (ja) 樹脂発泡構造体、光反射板および樹脂発泡構造体の製造方法
JP2014159733A (ja) 金属屋根用熱可塑性樹脂積層ポリオレフィン系発泡断熱材、金属屋根および建築物
JP5023494B2 (ja) 化粧シート
JP4907102B2 (ja) 意匠性被覆用積層シートおよび積層シート被覆金属板
JP6295092B2 (ja) 化粧板用樹脂フィルム、化粧板の製造方法、及び化粧板
JP5249796B2 (ja) フレキシブルプリント回路基板補強用フィルム、フレキシブルプリント回路基板補強板およびフレキシブルプリント回路基板積層体
JP2004181776A (ja) ポリアミド積層フィルム
JP2011098509A (ja) ポリスチレン系樹脂板状発泡シートとその製造方法及びディスプレイパネル
JP5290655B2 (ja) 車両用外板部材
JP2013133368A (ja) 反射板
JPH0623890A (ja) ラベルの製造方法
KR101363862B1 (ko) 도전성 표피 일체형 발포체의 제조방법
JPS60232948A (ja) 熱収縮性ポリエステル積層フイルム
JP2010234572A (ja) 植物由来化粧シート
JP2006272781A (ja) 壁紙用化粧シート
JP4200797B2 (ja) 積層フィルム
JP2005154519A (ja) 樹脂組成物およびその成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120508

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120511

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150525

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees