JP3256906B2 - 樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents
樹脂発泡体の製造方法Info
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Description
樹脂発泡体の製造方法に関する。
リプロピレンなどの発泡体が、その柔軟性、軽量性、断
熱性などの特徴を生かして、建材、包装材などに広く用
いられている。しかし、これらの発泡体は、機械的強
度、弾性回復性、耐熱性などの点で不十分である。
して、例えば樹脂に発泡剤を添加したものを成形と同時
にまたは一旦成形した後、加熱発泡させたものが知られ
ている。しかし、このような発泡体は、不均質な気泡か
らなり、気泡径が大きく、気泡密度も小さいので、目的
とする用途に対して性能が未だ不満足である。
て、米国特許第4,473,665号明細書に開示され
ているように、一様に分布した極めて小さな気泡を有す
るプラスチックすなわちMicrocellular
Plastic Foamの製造方法が知られている。
この方法では、予め成形したまたは成形しつつある樹脂
成形体に、まず気泡の核を形成させる目的で不活性ガス
を加圧して溶解させる。この際、予め成形した成形体を
加圧容器中に導いて不活性ガスにより加圧するか、また
は樹脂を成形体例えばシートなどに押出成形しながら得
られたシートを加圧容器に導いて不活性ガスを加圧して
溶解させる。この後、圧力を解放して高温の熱媒体中に
浸漬して加熱発泡させ、冷却することにより所望の発泡
体を得る。
ては、表面の無発泡層の厚みは数十μmであり、発泡体
の全厚みに占める無発泡層の厚みの割合は数%から数十
%程度である。その単位面積当たりの機械的強度は、平
均気泡径が数百μmから数千μmの気泡径を有する従来
の発泡体と比較すると向上しているが、発泡前の樹脂シ
ートと比較すると1/3〜1/2程度になってしまう。
近年、製品の軽薄短小化に対応して、例えば強度と軽量
化というような相反する特性を持つ材料が要望されてい
るが、前記の方法で製造された発泡体はこのような要望
に応じることができない。
する場合、樹脂発泡体の特性に対してガス拡散係数およ
びガス溶解度が大きく寄与している。例えばテトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体(PFA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピ
レン(PP)などは高圧容器中でガスを浸透させても十
分な浸透量が得られず、微細発泡体の作製が困難であっ
た。
泡しているため、これを2次成形する際に平面方向の寸
法安定性が要求される場合には不都合であった。
解決するためになされたものであり、微細な気泡を無数
に有し、かつ未発泡体と遜色のない機械的強度を有する
樹脂発泡体およびその製造方法を提供することを目的と
する。
造方法は、高浸透性樹脂層の両側に低浸透性樹脂層を有
する樹脂成形体にガス発泡剤を浸透させた後、加熱して
発泡させることを特徴とする。
樹脂成形体は、ガス発泡剤の浸透性が低い樹脂層(以
下、低浸透性樹脂層という)とガス発泡剤の浸透性が高
い樹脂層(以下、高浸透性樹脂層という)とを有する。
低浸透性樹脂層および高浸透性樹脂層を構成する樹脂
は、本発明の目的を達成することができれば、同種の樹
脂でも異種の樹脂でもよい。
種の樹脂からなる場合には、ガス浸透性の違いを持たせ
るために、結晶性樹脂を用いることが好ましい。このよ
うな結晶性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリエチレンナフタレート(PEN)などの飽和ポリエ
ステル樹脂;ポリフェニレンサルファイド(PPS)、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの特殊エ
ンジニアリングプラスチック;フッ素樹脂などが好適に
用いられる。これらのうちでも、耐熱性、耐衝撃性など
が良好であることから、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)が
好ましい。
や、ガラス繊維、炭素繊維などの強化剤などを添加して
もよい。
なる樹脂からなる場合には、ガス浸透性の違いを持たせ
るために、低浸透性樹脂層を構成する樹脂としてはP
E、PP、PPS、PFAなどの結晶性樹脂が、高浸透
性樹脂層を構成する樹脂としてはPET、PBT、CT
FEなどの結晶性樹脂が好ましい。非晶性樹脂であれば
一般にガス浸透性が良好であるため、高浸透性樹脂層を
構成する樹脂としては前記のほかに、ポリカーボネート
(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエ
ーテルサルフォン(PES)、ポリサルフォン(PS
F)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミドイミ
ド(PAI)などを用いることもできる。
Cにより測定した結晶化度の差は、10%以上であるこ
とが好ましく、30%以上であることがより好ましい。
また、高浸透性樹脂層として非晶性樹脂を用いる場合、
低浸透性樹脂層の結晶化度は10%以上であることが好
ましく、30%以上であることがより好ましい。これ
は、低浸透性樹脂層と高浸透性樹脂層との結晶化度の差
が10%未満では、低浸透性樹脂層も発泡するため無発
泡層が少なくなり、かつ高浸透性樹脂層の気泡径が大き
くなるなどの不都合が生じる場合と、発泡が不完全にな
ったり発泡しなくなる場合とがあり、いずれの場合でも
目的とする発泡体を得ることができない。
を用いて測定した熱分析結果に基づいて、以下の式によ
り決定する。 χc={(ΔHm−ΔHc)/ΔH0}×100 ここで、χc:結晶化度[%] ΔHm:結晶融解ピークの熱量[J/g] ΔHc:結晶成長時の発熱ピーク[J/g] ΔH0:100%結晶の融解吸熱ピークの熱量[J/
g](例えば、 PETの場合117.8[J/g]、PPSの場合14
6.2[J/g]。)発泡前の未発泡樹脂成形体の構成は、例えば図1に示さ
れる。図1は、高浸透性樹脂層2の両側に2層の低浸透
性樹脂層1を設けた3層構造をなすものである。 このよ
うな未発泡樹脂成形体は以下のような種々の方法で成形
することができる。
泡樹脂成形体を成形するには以下のような方法が用いら
れる。(a)ダイス出口での冷却速度を遅くして結晶化
を促進させ、低浸透性樹脂層となる結晶化度の高い樹脂
をシート状に成形する。一方、結晶性樹脂を急冷して、
高浸透性樹脂層となる結晶化度の低い樹脂をシート状に
成形するか、または非晶性樹脂をシート状に成形する。
後者のシートを中心層とし、前者のシートを両側に積層
して、これらの3層を接着または熱融着などにより一体
化させて成形する。(b)シート成形時に例えばダイス
出口近傍で結晶化核剤を添加することにより、表面にの
み結晶化核剤を分散させたシートを成形した後、熱処理
などの結晶化処理により表面のみを結晶化させて低浸透
性樹脂層を形成する。
体を発泡させるには、以下のような方法が用いられる。
まず、予め成形された未発泡シートを高圧容器中に封入
し、その容器に気泡核となるガスを注入し、未発泡シー
トにガスを浸透させる。浸透圧力と時間に関しては、例
えば浸透圧力が60kg/cm2 程度であるならば、4
〜24時間程度が好ましい。ガスとしては、窒素、酸
素、炭酸ガス、アルゴン、水素、メタン、フロン系ガス
などが挙げられる。これらのうちでも、発泡前の未発泡
シートへの浸透性および結晶化促進性を考慮して、炭酸
ガスが好ましい。この未発泡シートを加熱することによ
り発泡させ、冷却することにより発泡体を得る。
制できる効果も得られる場合がある。したがって、従来
は微細発泡体を製造することが困難であった樹脂を用い
た場合でも、本発明の方法では微細発泡体を容易に得る
ことができる。
の成形体を用いる場合には、表面に無発泡層が形成され
るため、平面方向には気泡の成長が抑制され、厚み方向
にのみ気泡が成長した発泡体が得られる場合がある。こ
のような発泡体は、2次加工がしやすくなり、しかも剛
性が高くなるという付加的な効果も有する。
樹脂層とを有する未発泡樹脂成形体を発泡させるという
本発明の方法を用いれば、例えば気泡密度が1×1011
個/cm3以上、平均気泡径が50μm以下の均一、高
密度、かつ微細な気泡を有し、無発泡層の体積の発泡体
全体の体積に対する比が0.1以上である樹脂発泡体を
得ることができる。このような本発明の樹脂発泡体は、
従来の方法で製造された微細発泡体と比較して、非常に
機械的強度が高い。
化度はセイコー電子工業株式会社製DSC200を用い
て測定した。
ートを中心層、結晶化度41.3%のポリフェニレンサ
ルファイドのシートを両表面層として、3層構造のシー
トを成形した。このシートを高圧容器に入れ、圧力62
kg/cm2 の炭酸ガス中に8時間静置してガスを浸透
させた。圧力を解放した後、シートを270℃の熱風炉
中に30秒間静置して加熱発泡させてポリフェニレンサ
ルファイド発泡体を得た。
電子顕微鏡)で観察して平均気泡径を求めた。また、発
泡倍率を求めた。さらに、落下衝撃試験を行い、衝撃破
壊エネルギー(落下衝撃エネルギー)を測定した。
た。また、発泡倍率は3.4倍であった。さらに、衝撃
破壊エネルギー7.5Jであった。
常に微細な気泡を無数に含有し、特に耐衝撃性に優れた
樹脂発泡体を提供することができ、その工業的価値は極
めて大きい。
形体の一例を示す断面図。
Claims (2)
- 【請求項1】 高浸透性樹脂層の両側に低浸透性樹脂層
を有する樹脂成形体にガス発泡剤を浸透させた後、加熱
して発泡させることを特徴とする樹脂発泡体の製造方
法。 - 【請求項2】 ガス発泡剤の浸透性が低い樹脂層とガス
発泡剤の浸透性が高い樹脂層とに関して、DSCにより
測定した結晶化度の差が10%以上であることを特徴と
する請求項1記載の樹脂発泡体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31056792A JP3256906B2 (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 樹脂発泡体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31056792A JP3256906B2 (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 樹脂発泡体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06155604A JPH06155604A (ja) | 1994-06-03 |
JP3256906B2 true JP3256906B2 (ja) | 2002-02-18 |
Family
ID=18006800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31056792A Expired - Lifetime JP3256906B2 (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 樹脂発泡体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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---|---|---|---|---|
JP2007197568A (ja) * | 2006-01-26 | 2007-08-09 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 発泡体の製造方法及び発泡体 |
JP4999073B2 (ja) * | 2007-03-22 | 2012-08-15 | 古河電気工業株式会社 | 樹脂発泡構造体、光反射板および樹脂発泡構造体の製造方法 |
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-
1992
- 1992-11-19 JP JP31056792A patent/JP3256906B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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