JP4998874B2 - 炎症性疾患の判定方法 - Google Patents

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本発明は、MIAT遺伝子に存在する遺伝子多型を検出することを含む炎症性疾患の判定方法、該方法に使用されるオリゴヌクレオチド、該オリゴヌクレオチドを含む炎症性疾患診断用キット、並びにそれらの利用に関する。本発明はさらに、MIAT遺伝子を利用した炎症性疾患の治療薬のスクリーニング方法にも関する。
欧米型ライフスタイルの多くの先進国において、心筋梗塞を含む冠動脈疾患は、遅発性疾患の中で死亡率および罹病率の主因となっている(非特許文献1及び2)。心筋梗塞の発症は、臨床徴候が先行することなく重度の合併症(特に、突然死の原因となり得る心室細動及び心破裂突)が続発する場合が多い。心筋梗塞の診断及び治療における最近の進展により、心筋梗塞の治療及び診断の質は大幅に向上したが、心筋梗塞の罹病率は依然として高い。
一般的な遺伝子変異体は一般的な疾患の遺伝的リスクに有意に寄与すると考えられている(非特許文献3から5)。疫学的研究により、冠動脈の様々な危険因子(2型糖尿病、高コレステロール血症、高血圧、および肥満など)が明らかにされている。心筋梗塞の遺伝的要因についての報告もある。例えば、55歳未満で急性心筋梗塞を発症した患者の一親等の親族では心筋梗塞のリスクが2〜7倍高いことが報告されている(非特許文献6)。また、双生児の研究では、双生児の一方が55歳未満で心筋梗塞により死亡すると、他方も心筋梗塞で死亡するリスクが8倍増加することが示されている(非特許文献7)。
また、これまでに、連鎖解析または一塩基多型(SNP)の相関性を検討する症例対照研究により、心筋梗塞感受性を高める幾つかの遺伝子変異体が複数の遺伝子座で同定されている(非特許文献8から14)。
Breslow J.W. (1997) Nat.Med. 3; 600-601 Braunwald E (1997) N. Engl.J.Med. 337:1360-136 Lander ES (1996) Science 274: 536-539 Risch N et al (1996) Science 273: 1516-1517 Collins FS et al (1997) Science 278: 1580-1581e Lusis AJ et al. (2004) Hum.Genet 5:189-218 Marenberg ME et al. (1994) N Engl J Med 330: 1041-1046 Topol EJ et al. (2001) Circulation 104:2641-2644 Yamada Y et al. (2002) N. Engl.J.Med. 347: 1916-1923 Ozaki K et al. (2002) Nat.Genet. 32: 650-654 Ozaki K et al. (2004) Nature 429: 72-75 Ozaki K et al. (2006) Nat. Genet. (Wpub ahead of print) Stenina OI et al. (2003) Circulation 108 (12): 1514-1519 Helgadottir A et al (2004) Nat.Genet. 36:233-239
本発明の課題は、心筋梗塞と関連性のある遺伝子多型を同定し、その遺伝子多型を利用して心筋梗塞をはじめとする炎症性疾患を判定する方法、該方法に用いることのできるオリゴヌクレオチド、炎症性疾患診断用キット、並びに炎症性疾患の治療薬などを提供することにある。
本発明者らは、広範囲のSNP相関解析によって心筋梗塞と相関するSNPとして、mRNA様の非コードRNAをコードすると考えられる新規遺伝子MIAT内に6個のSNPを同定し、さらにこの遺伝子多型がMIAT遺伝子の発現量に影響を及ぼすことを見出した。本発明はかかる知見により完成されたものである。
すなわち、本発明によれば、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子に存在する少なくとも一種の遺伝子多型を検出することを含む、炎症性疾患の判定方法が提供される。
本発明によればまた、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子に存在する少なくとも一種の一塩基多型を検出することを含む、炎症性疾患の判定方法が提供される。
本発明によればまた、下記の(1)から(7)よりなる群から選ばれる少なくとも一種の一塩基多型を検出することを含む、炎症性疾患の判定方法が提供される。
(1)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の5338番目の塩基におけるC/Tの多型、
(2)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の8813番目の塩基におけるG/Aの多型、
(3)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の9186番目の塩基におけるG/Aの多型、
(4)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11093番目の塩基におけるG/Aの多型、
(5)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの多型、
(6)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の12311番目の塩基におけるC/Tの多型、及び
(7)上記(1)から(6)に記載の多型と連鎖不平衡係数D’が0.8以上の連鎖不平衡状態にある多型。
好ましくは、炎症性疾患は心筋梗塞である。
本発明によればまた、下記の(1)から(7)よりなる群から選ばれる少なくとも1つの部位を含む連続する少なくとも10塩基の配列、又はその相補配列にハイブリダイズすることができ、上記した本発明の方法においてプローブとして用いるオリゴヌクレオチドが提供される。
(1)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の5338番目の塩基におけるC/Tの多型、
(2)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の8813番目の塩基におけるG/Aの多型、
(3)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の9186番目の塩基におけるG/Aの多型、
(4)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11093番目の塩基におけるG/Aの多型、
(5)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの多型、
(6)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の12311番目の塩基におけるC/Tの多型、及び
(7)上記(1)から(6)に記載の多型と連鎖不平衡係数D’が0.8以上の連鎖不平衡状態にある多型。
本発明によればまた、下記の(1)から(7)よりなる群から選ばれる少なくとも1つの部位を含む連続する少なくとも10塩基の配列、及び/又はその相補配列を増幅することができ、上記した本発明の方法においてプライマーとして用いるオリゴヌクレオチドが提供される。
(1)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の5338番目の塩基におけるC/Tの多型、
(2)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の8813番目の塩基におけるG/Aの多型、
(3)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の9186番目の塩基におけるG/Aの多型、
(4)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11093番目の塩基におけるG/Aの多型、
(5)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの多型、
(6)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の12311番目の塩基におけるC/Tの多型、及び
(7)上記(1)から(6)に記載の多型と連鎖不平衡係数D’が0.8以上の連鎖不平衡状態にある多型。
好ましくは、プライマーはフォワードプライマー及び/又はリバースプライマーである。
本発明によればまた、上記のいずれかに記載のオリゴヌクレチドの1種以上を含む、炎症性疾患診断用キットが提供される。
好ましくは、炎症性疾患は心筋梗塞である。
本発明によればまた、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの一塩基多型を検出することを含む、MIAT遺伝子の発現状態の分析方法が提供される。
本発明によればまた、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの一塩基多型を含むMIAT遺伝子断片を細胞に導入し、該細胞を培養し、該遺伝子の発現を分析することを含む、MIAT遺伝子の転写活性の測定方法が提供される。
本発明によればまた、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの一塩基多型を含むMIAT遺伝子断片を細胞に導入し、MIAT遺伝子の転写活性を促進する候補物質の存在下で該細胞を培養し、該遺伝子の発現を分析することを含む、MIAT遺伝子の転写活性促進物質のスクリーニング方法が提供される。
本発明によればまた、上記したスクリーニング方法により得られるMIAT遺伝子の転写活性促進物質が提供される。
好ましくは、前記MIAT遺伝子子断片の下流にリポーター遺伝子を結合させた転写ユニットを細胞に導入し、該細胞を培養し、リポーター活性を測定することによって該遺伝子の発現を分析する。
好ましくは、前記リポーター遺伝子はルシフェラーゼ遺伝子である。
本発明によればまた、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの一塩基多型を含む遺伝子断片とMIAT遺伝子の転写制御因子の存在が予想される試料を接触させ、上記断片と転写制御因子との結合を検出することを含む、MIAT遺伝子の転写制御因子のスクリーニング方法が提供される。
好ましくは、検出はゲルシフトアッセイにより行われる。
本発明によればまた、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の発現又は活性を促進する物質を有効成分として含む、炎症性疾患の治療薬が提供される。
本発明によればまた、細胞と候補物質とを接触させる工程、細胞内における配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の発現量を分析する工程、及び候補物質の非存在下の条件と比較して当該遺伝子の発現量を増加させる候補物質を炎症性疾患の治療薬として選択する工程を含む、炎症性疾患の治療薬のスクリーニング方法が提供される。
本発明によればまた、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の発現状態を、炎症性疾患治療薬の存在下及び非存在下で比較観察する工程を含む、炎症性疾患治療薬の作用機序の確認方法が提供される。
本発明によればまた、配列番号1に記載の塩基配列からなる遺伝子が提供される。
本発明によればまた、配列番号2から5の何れかに記載の塩基配列からなる遺伝子が提供される。
本発明の方法によれば、心筋梗塞を初めとする炎症性疾患の発症の有無の判断、疾患発症の可能性の判断を正確にかつ迅速に行うことができる。本発明の知見を利用することによって、心筋梗塞などの炎症性疾患の診断、治療及び予防を向上させることが可能である。
[1] 炎症性疾患の判定方法
本発明の方法は、炎症性疾患と関連性を示す特定遺伝子に存在する遺伝子多型、特には一塩基多型(SNPs)を検出することによって、炎症性疾患の発症の有無、あるいは炎症性疾患の発症の可能性を判定する方法である。
上記の特定遺伝子とは、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子であって、遺伝子多型は、この遺伝子を含むゲノムDNAのエクソン又はイントロンに存在する。
本発明において「配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子に存在する少なくとも一種の遺伝子多型(一塩基多型など)を検出する」とは、(i)当該遺伝子多型(遺伝子側多型と称する)を直接検出すること、及び(ii)前記遺伝子の相補配列側に存在する遺伝子多型(相補側多型と称する)を検出し、その検出結果から遺伝子側多型を推定することの双方を指すものとする。ただし、遺伝子側の塩基と相補配列側の塩基とが完全に相補的な関係にあるとは限らないという理由から、遺伝子側多型を直接検出することがより好ましい。
なお、本発明において検出対象となる一塩基多型としては、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子に存在する遺伝子多型が挙げられ、より具体的には、下記の(1)から(7)よりなる群から選ばれる少なくとも一種の一塩基多型が挙げられる。
(1)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の5338番目の塩基におけるC/Tの多型、
(2)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の8813番目の塩基におけるG/Aの多型、
(3)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の9186番目の塩基におけるG/Aの多型、
(4)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11093番目の塩基におけるG/Aの多型、
(5)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの多型、
(6)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の12311番目の塩基におけるC/Tの多型、及び
(7)上記(1)から(6)に記載の多型と連鎖不平衡係数D’が0.8以上の連鎖不平衡状態にある多型。
本明細書において、塩基配列におけるX番目の塩基を、その位置を示す数字Xと、塩基を表す記号との組み合わせで示す場合がある。例えば、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の5338番目の塩基におけるC/Tの多型は、MIAT遺伝子の5338番目の位置にあるC又はTを示す。
配列番号1における5338番目の塩基であるYはC又はTを示し、8813番目の塩基であるRはG又はAを示し、9186番目の塩基であるRはG又はAを示し、11093番目の塩基であるRはG又はAを示し、11741番目の塩基であるRはG又はAを示し、12311番目の塩基におけるYはC又はTを示す。
本発明においては、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の5338番目の塩基がTである場合、8813番目の塩基がAである場合、9186番目の塩基がAである場合、11093番目の塩基がAである場合、11741番目の塩基がAである場合、又は12311番目の塩基がTである場合は、炎症性疾患が発症している、あるいは発症の可能性が高いと判定できる。これに対し、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の5338番目の塩基におけるCである場合、8813番目の塩基におけるGである場合、9186番目の塩基がGである場合、11093番目の塩基がGである場合、11741番目の塩基がGである場合、又は12311番目の塩基がCである場合は、炎症性疾患が発症していない、あるいは発症の可能性が低いと判定できる。
さらに本発明においては、上記(1)から(6)に記載の多型と連鎖不平衡係数D’が0.8以上の連鎖不平衡状態にある多型を用いることもできる。連鎖不平衡とは、2つの対立遺伝子がそれぞれ独立に遺伝する場合よりも大きな頻度で互いに連鎖して遺伝することをいう。SNPsマーカーは、日本人を含むアジア人とヨーロッパ人では平均22kb以内で連鎖不平衡が保たれている。また、アフリカ人では平均11kb以内で連鎖不平衡が保たれていることが報告されている。さらに、このような連鎖不平衡を示す一群の対立遺伝子のことをハプロタイプと称する。MIAT遺伝子座において複数のSNPsがある場合、その多型の組み合わせは個人によって異なる。この組み合わせがいわゆるハプロタイプマーカーであり、個人の多様性を表している。このようなハプロタイプマーカーを利用して被験者の遺伝情報と炎症性疾患に対する素因を関連付けることができる。連鎖不平衡係数D'は、2つのSNPについて第一のSNPの各アレルを(A,a)、第二のSNPの各アレルを(B,b)とし、4つのハプロタイプ(AB,Ab,aB,ab)の各頻度をPAB,PAb,PaB,Pabとすると、下記式により得られる。
D'=(PABPab-PAbPaB)/Min[(PAB+PaB)(PaB+Pab),(PAB+PAb)(PAb+Pab)]
[式中、Min[(PAB+PaB)(PaB+Pab),(PAB+PAb)(PAb+Pab)]は、(PAB+PaB)(PaB+Pab)と(PAB+PAb)(PAb+Pab)とのうち、値の小さい方をとることを意味する。]
本発明では、好ましくは、連鎖不平衡係数D'が0.8以上、より好ましくは0.95以上、さらに好ましくは0.99以上、最も好ましくは1である多型を用いることができる。
本明細書において、疾患の「判定」とは疾患発症の有無の判断、疾患発症の可能性の判断(罹患危険性の予想)、疾患の遺伝的要因の解明などをいう。
また、疾患の「判定」は、上記の一塩基多型の検出法による結果と、所望により他の多型分析(VNTRやRFLP)及び/又は他の検査結果と合わせて行うこともできる。
また、本明細書において、「炎症性疾患」とは、炎症性病態との相関が知られている細胞接着因子やサイトカインの誘導が認められる疾患であれば特に限定はされないが、例えば慢性関節リウマチ、全身性エリマトーデス、炎症性腸炎、種々のアレルギー反応、細菌性ショック、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患などが挙げられ、特には心筋梗塞が挙げられる。
(検出対象)
遺伝子多型の検出の対象は、ゲノムDNAが好ましいが、場合によっては(つまり多型部位及びその隣接領域の配列がゲノムと同一または完全相補的になっている場合)cDNA、又はmRNAを使用することもできる。また、上記対象を採取する試料としては、任意の生物学的試料、例えば血液、骨髄液、精液、腹腔液、尿等の体液;肝臓等の組織細胞;毛髪等の体毛等が挙げられる。ゲノムDNA等は、これらの試料より常法に従い抽出、精製し、調製することができる。
(増幅)
遺伝子多型を検出するにあたっては、まず遺伝子多型を含む部分を増幅する。増幅は、例えばPCR法によって行われるが、他の公知の増幅方法、例えばNASBA法、LCR法、SDA法、LAMP法等で行ってもよい。
プライマーの選択は、例えば、配列番号1又は2で示す塩基配列における、前記の一塩基多型部位を含む連続する少なくとも10塩基以上、好ましくは10〜100塩基、より好ましくは10〜50塩基の配列、及び/又はその相補配列を増幅するように行う。
プライマーは、前記の一塩基多型部位を含む所定塩基数の配列を増幅するためのプライマーとして機能し得る限り、その配列において1又はそれ以上の置換、欠失、付加を含んでいてもよい。
増幅のために用いるプライマーは、試料が一の対立遺伝子型の場合にのみ増幅されるようにフォワードプライマー又はリバースプライマーの一方が一塩基多型部位にハイブリダイズするように選択してもよい。プライマーは必要に応じて蛍光物質や放射性物質等により標識することができる。
(遺伝子多型の検出)
遺伝子多型の検出は、一の対立遺伝子型に特異的なプローブとのハイブリダイゼーションにより行うことができる。プローブは、必要に応じて、蛍光物質や放射性物質等の適当な手段により標識してもよい。プローブは、前記の一塩基多型部位を含み、被検試料とハイブリダイズし、採用する検出条件下に検出可能な程度の特異性を与えるものである限り何等限定はない。プローブとしては、例えば配列番号1又は2に示す配列における、前記の一塩基多型部位を含む連続する少なくとも10塩基以上、好ましくは10〜100塩基の配列、より好ましくは10〜50塩基の配列、又はそれらの相補配列にハイブリダイズすることのできるオリゴヌクレオチドを用いることができる。また、一塩基多型部位がプローブのほぼ中心部に存在するようにオリゴヌクレオチドを選択するのが好ましい。該オリゴヌクレオチドは、プローブとして機能し得る限り、即ち、目的の対立遺伝子型の配列とハイブリダイズするが、他の対立遺伝子型の配列とはハイブリダイズしない条件下でハイブリダイズする限り、その配列において1又はそれ以上の置換、欠失、付加を含んでいてもよい。また、プローブには、RCA(rolling circle amplification)法による増幅に用いられる一本鎖プローブ(パドロックプローブ)のように、ゲノムDNAとアニールし、環状になることによって上記のブロープの条件を満たすプローブが含まれる。
本発明に用いるハイブリダイゼーション条件は、対立遺伝子型を区別するのに十分な条件である。例えば、試料が一の対立遺伝子型の場合にはハイブリダイズするが、他の対立遺伝子型の場合にはハイブリダイズしないような条件、例えばストリンジェントな条件である。ここで、「ストリンジェントな条件」としては、例えば、モレキュラークローニング・ア・ラボラトリーマニュアル第2版(Sambrook et al., 1989)に記載の条件等が挙げられる。具体的には、例えば、6×SSC(1×SSCの組成:0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7.0)、0.5%SDS、5×デンハート及び100mg/mlニシン精子DNAを含む溶液中プローブとともに65℃で一晩保温するという条件等が挙げられる。
プローブは、一端を基板に固定してDNAチップとして用いることもできる。この場合、DNAチップには、一の対立遺伝子型に対応するプローブのみが固定されていても、両方の対立遺伝子型に対応するプローブが固定されていてもよい。
遺伝子多型の検出は、制限酵素断片長多型分析法(RFLP:Restriction fragment length polymorphism)により行うこともできる。この方法では、一塩基多型部位がいずれの遺伝子型をとるかによって制限酵素により切断されるか否かが異なってくる制限酵素で試料核酸を消化し、消化物の断片の大きさを調べることにより、該制限酵素で試料核酸が切断されたか否かを調べ、それによって試料の多型を分析する。
遺伝子多型の検出は、増幅産物を直接配列決定することによって行ってもよい(ダイレクトシークエンシング法)。配列決定は、例えばジデオキシ法、Maxam-Gilbert法等の公知の方法により行うことができる。
遺伝子多型の検出は、インベーダーアッセイにより行ってもよい。この方法では、SNPがあるかどうかテストするDNAターゲットフラグメントに対して相補的配列を持つインベーダーオリゴと5’のフラップ構造を持ち、SNPを検出するための相補的オリゴ(シグナルプローブ)を使用する。まずターゲットDNAに対してインベーダーオリゴとシグナルプローブをハイブリダイズさせる。この時、インベーダーオリゴとプローブは1塩基がオーバーラップする構造(invasive structure)を持つ。この部分にCleavase(Archaeoglobus fulgidusから分離されたフラップ・エンドヌクレアーゼ)が作用し、SNP部位のシグナルプローブの塩基とターゲットの塩基が相補的(SNPなし)の場合にはシグナルプローブの5'フリップが切断される。切断された5’フリップはFRET Probe (Fluorescence resonance energy transfer probe)にハイブリダイズする。FRET プローブ上には蛍光色素とクエンチャー(Quencher)が近接しており、蛍光が抑制されるが、5’フリップDNAが結合することによりCleavaseによって蛍光色素の部分が切断され、蛍光シグナルが検出できる。
遺伝子多型の検出はまた、変性勾配ゲル電気泳動法(DGGE:denaturing gradient gel electrophoresis)、一本鎖コンフォメーション多型解析(SSCP:single strand conformation polymorphism)、対立遺伝子特異的PCR(allele- specific PCR)、ASO(allele-specific oligonucleotide)によるハイブリダイーゼーション法、ミスマッチ部位の化学的切断(CCM:chemical cleavage of mismatches)、HET(heteroduplex method)法、PEX(primer extension)法、RCA(rolling circle amplification)法等を用いることができる。
[2] 炎症性疾患診断用キット
前記のプライマー又はプローブとしてのオリゴヌクレオチドは、これを含む炎症疾患診断用キットとして提供できる、キットは、上記遺伝子多型の分析法に使用される制限酵素、ポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸、標識、緩衝液等を含んでいてもよい。
[3] MIAT遺伝子の発現状態の分析方法
本発明によればまた、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの一塩基多型を検出することによって、MIAT遺伝子の発現状態を分析することができる。即ち、MIAT遺伝子の11741番目の塩基がGである場合は、MIAT遺伝子の発現量が多いと判断でき、MIAT遺伝子の11741番目の塩基がAである場合は、MIAT遺伝子の発現量が少ないと判断できる。
[4] MIAT遺伝子の転写活性の測定方法
本発明によればまた、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの一塩基多型を含むMIAT遺伝子断片を細胞に導入し、該細胞を培養し、該遺伝子の発現を分析することによってMIAT遺伝子の転写活性を測定することができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記MIAT遺伝子断片の下流にリポーター遺伝子を結合させた転写ユニットを細胞に導入し、該細胞を培養し、リポーター活性を測定することによって該遺伝子の発現を分析する。
一塩基多型がプロモーター部位に存在する場合は、その一塩基多型を含む遺伝子の下流にレポーター遺伝子を挿入した系を導入した細胞を培養し、レポーター活性を測定すれば、一塩基多型による転写効率に違いを測定することができる。
ここでリポーター遺伝子としては、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコール、アセチルトランスフェラーゼ、ガラクトシダーゼなどの遺伝子が用いられる。
[5] MIAT遺伝子の転写活性促進物質のスクリーニング方法
本発明においては、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの一塩基多型を含むMIAT遺伝子断片を細胞に導入し、MIAT遺伝子の転写活性を促進する候補物質の存在下で該細胞を培養し、該遺伝子の発現を分析することによって、MIAT遺伝子の転写活性促進物質をスクリーニング方法することができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記MIAT遺伝子断片の下流にリポーター遺伝子を結合させた転写ユニットを細胞に導入し、該細胞を培養し、リポーター活性を測定することによって該遺伝子の発現を分析する。
例えば、MIAT遺伝子の発現量が有意に低いことが認められる一塩基多型(例えば、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基がAである場合)を有する遺伝子の下流にレポーター遺伝子を挿入した系を導入した細胞を候補物質の存在下又は非存在下の両方の場合について培養し、候補物質の存在下で培養を行った場合にレポーター活性が上昇すれば、その候補物質は、MIAT遺伝子の転写活性促進物質として選択することができる。
ここでリポーター遺伝子としては、上記に挙げた遺伝子が用いられる。
候補物質としては任意の物質を使用することができる。候補物質の種類は特に限定されず、個々の低分子合成化合物でもよいし、天然物抽出物中に存在する化合物でもよく、あるいは化合物ライブラリー、ファージディスプレーライブラリー、コンビナトリアルライブラリーでもよい。候補物質は、好ましくは低分子化合物であり、低分子化合物の化合物ライブラリーが好ましい。化合物ライブラリーの構築は当業者に公知であり、また市販の化合物ライブラリーを使用することもできる。
上記のスクリーニング法により得られるMIAT遺伝子の転写活性促進物質もまた本発明の範囲内である。このようなMIAT遺伝子の転写活性促進物質は、心筋梗塞治療剤、抗炎症剤、免疫抑制剤などの各種薬剤の候補物質として有用である。
[6] MIAT遺伝子の転写制御因子のスクリーニング方法
本発明においてはまた、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの一塩基多型を含む遺伝子断片とMIAT遺伝子の転写制御因子の存在が予想される試料を接触させ、上記断片と転写制御因子との結合を検出することによって、MIAT遺伝子の転写制御因子をスクリーニングすることができる。前記の一塩基多型を含む遺伝子断片とMIAT遺伝子の転写制御因子の存在が予想される物質との結合の検出は、ゲルシフト法(電気泳動移動度シフト解析: electrophoretic mobility shift assay, EMSA)、DNase I フットプリント法等によって行うことがきるが、ゲルシフト法が好ましい。ゲルシフト法では、タンパク質(転写制御因子)が結合すると、分子サイズが大きくなり電気泳動におけるDNAの移動度が低下するので、32Pで標識した遺伝子断片と転写制御因子を混ぜ、ゲル電気泳動にかける。オートラジオグラフィーでDNAの位置を見ると、因子の結合したDNAはゆっくり動くので、通常のバンドよりも遅れて移動するバンドとして検出される。
[7] 炎症性疾患の炎症性疾患の治療薬
本発明においては、以下の実施例で示す通り、心筋梗塞患者では、配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基がAとなる確率が高く、これによりMIAT遺伝子の発現が抑制されていることが示された。この結果は、MIAT遺伝子が、心筋梗塞等の炎症性疾患の発症、進展に関与していることを示していると共に、MIAT遺伝子の発現や活性を抑制することによる心筋梗塞等の炎症性疾患の治療が期待できる。また、MIAT遺伝子の活性を促進するための手段としては、例えば、MIAT遺伝子の発現を促進する物質などを用いることができる。
また、MIAT遺伝子の発現又は活性を促進する物質を有効成分として含む、炎症性疾患の治療薬も本発明の範囲内に含まれる。ここで用いるMIAT遺伝子の発現又は活性を促進する物質としては、低分子化合物でもよい。
[8]炎症性疾患の治療薬のスクリーニング方法
本発明では、炎症性疾患では、MIAT遺伝子の発現又は活性の抑制が関与していることが示されたことにより、MIAT遺伝子の発現又は活性を促進させる物質は、炎症性疾患の治療薬として有用であることが判明した。本発明によればさらに、MIAT遺伝子の発現又は活性を低下させる物質をスクリーニングする方法が提供される。上記スクリーニングの一例としては、細胞と候補物質とを接触させる工程、細胞内におけるMIAT遺伝子の発現量を分析する工程、及び候補物質の非存在下の条件と比較して当該遺伝子の発現量を促進させる候補物質を炎症性疾患の治療薬として選択する工程により行うことができる。また、上記スクリーニングの別の例としては、MIAT遺伝子と候補物質とを接触させる工程、MIATの活性を測定する工程、及び候補物質の非存在下の条件と比較してMIATの活性を低下させる候補物質を炎症性疾患の治療薬として選択する工程により行うことができる。
候補物質としては任意の物質を使用することができる。候補物質の種類は特に限定されず、例えば、本明細書中上記[5]に記載した各種のライブラリー等を使用することができる。
[9]炎症性疾患治療薬の作用機序の確認方法
炎症性疾患治療薬にはその作用機序が完全には明らかになっていないものも多い。本発明は、MIAT遺伝子が炎症性疾患の原因遺伝子の一つである可能性を示唆するが、現在市販されている炎症性疾患治療薬の中にはMIAT遺伝子(以下「当該遺伝子」)に直接あるいは間接的に作用するものも、全く作用しないものも含まれていると考えられる。
従って、炎症性疾患治療薬の存在下及び非存在下で当該遺伝子の発現量を比較観察し、当該遺伝子の発現を抑制するもの/変化が見られないもの/(場合によっては)発現を上昇させるもの、を分類することは、炎症性疾患の患者個々人に最適な治療薬を選択する一助になるという観点からも非常に有効である。
[10]MIAT遺伝子
配列番号1に記載の塩基配列からなる遺伝子(本明細書においてはMIAT遺伝子と称するる)も本発明の範囲内である。また、配列番号1に記載の塩基配列からなるMIAT遺伝子の4種のスプライシングバリアントである配列番号2から5の何れかに記載の塩基配列からなる遺伝子も本発明の範囲内である。配列番号1から5に記載の塩基配列からなる遺伝子は、生体中の該遺伝子を増幅し、本明細書に記載した遺伝子多型を検出することにより、炎症性疾患の判定や診断を行うのに有用である。また、配列番号1から5に記載の塩基配列からなる遺伝子は、本発明による炎症性疾患の判定方法においてプローブ又はプライマーとして用いるオリゴヌクレオチドの設計や製造のためにも有用である。また、本明細書中に上記した通り、配列番号1から5に記載の塩基配列からなる遺伝子は、MIAT遺伝子の転写活性促進物質のスクリーニング又は炎症性疾患の治療薬のスクリーニングを行う場合の標的遺伝子としても有用である。
以下の実施例における結果から、MIAT遺伝子は、mRNA様の非コードRNAであることが示された。mRNA様の非コードRNAについては、これまでに幾つかの研究がなされている。例えば、H19は刷り込みに関与している(Pfeifer et al. (1996) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93 (24):13876-13883)。XistはX染色体の不活性化を調節しており(Brown et al. (1991) Nature 349 (6304): 38-44)、Hoxa11sは、Hoxa11のアンチセンスRNAである(Hsieh-Li et al. (1995) Developemnt 121 (5): 1373-1385)。また、Willingham et al (2005)Science 309: 1570-1573においては、NFAT(nuclear factor of activated T cell)のリプレッサーとして機能する機能性の長い非コードRNA(NRONと呼ばれる)を同定し、特定のncRNA(非コードRNA)はNRONとして細胞内輸送の複雑さを調節する役割を担っている可能性があることが報告されている。上記の通り、mRNA様の非コードRNAは、様々な領域で重要な役割を担っている。本発明のMIAT遺伝子も、上記の通り生体内で機能を担っている可能性がある。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1:相関性を検討する大規模SNP研究
(1)材料および方法
(1−1)DNA試料
本試験には、大阪急性冠動脈症候群研究会(OACIS、大阪の心臓救急病院25施設が参加)に紹介された日本人心筋梗塞患者3,464名が含まれる。心筋梗塞の確定診断は既報の通りである(Ohnishi Y et al. (2000) Hum.Genet. 106(3): 288-292、及びOzaki K et al. (2002) Nat.Genet. 32: 650-654)。対照とした被験者は、日本国内の医療施設数カ所で募集した一般集団3,819名から構成された。標準プロトコールに従い、これらの試料からDNAを調製した。被験者はすべて日本人であり、横浜の独立行政法人理化学研究所(理研)遺伝子多型研究センターの当該倫理委員会によって承認された手順に従い、被験者本人または被験者の親(被験者が20歳未満の場合)が本試験に参加するための同意文書を提出した。
(1−2)SNPの発見および遺伝子型解析
PCRプライマー、PCR実験、DNA抽出、DNA配列決定、およびSNPの遺伝子型解析は既報の方法で行った(Iida A. (2001) J Hum Genet 46: 668-683)。SNPの発見には日本人集団24名のゲノムDNAを用い、実験はアプライドバイオシステムズ社(米国、カリフォルニア州、フォスターシティ)製ABI3700型キャピラリーシーケンサーを用いてダイレクトシーケンス法により行った。
(1−3)統計解析
相関性とハーディ・ワインベルグ平衡はχ2検定により評価した(Yamada Y et al. (2001) Am. J. Hum. Genet. 68(3): 674-685; 及びOzaki K et al. (2002) Nat.Genet. 32: 650-654)。ダイナコム社(日本、千葉)製SNPAlyzeおよびHaploview v3.2を用いて、ハプロタイプブロックおよびハプロタイプ頻度を推定した。
(2)結果
既報のハプロタイプブロックの構造(Haga H. et al (2002) J.Hum.Genet. 47: 605-610;及びTsunoda T et al. (2004) Hum.Mol.Genet. 13: 1623-1632)に基づいてJSNPデータベースから選択した52,608遺伝子に存在するSNPについて、高速大量処理マルチPCRインベーダーアッセイ法(Ohnishi Y et al. (2001) J.Hum.Genet. 46: 471-477)により、心筋梗塞患者188名および日本人一般集団752名を対象に相関性を検討する大規模症例対照研究を行った。この一次スクリーニングにより、22番染色体(22q12.1)に位置するFLJ25967(GenBankアクセッション番号、AK098833)で1個のSNP(rs2301523)を同定した。このSNPは心筋梗塞と相関性があることが明らかになった(P = 0.0006)。心筋梗塞患者3,464名および一般集団3,819名を対象にこのSNPについてさらに詳細に検討したところ高い相関性が認められ、χ2値は22.71(P = 0.0000019;アレル頻度の比較)、オッズ比は1.36(95%信頼区間(CI);1.32〜2.15、表2)であった。
実施例2:完全長の遺伝子の同定
(1)方法
(1−1)ノーザンブロット解析
クロンテック社(米国、カリフォルニア州、パロアルト)製ヒトMTN多組織ノーザンブロットをプレハイブリダイズした後、α-[32P]-dCTPで標識したcDNAフラグメント(表5のプライマー対を用いてPCRで調製したもの)をプローブとしてハイブリダイズさせた。洗浄したメンブレンのオートラジオグラフィーを-80℃で7日間実施した。
(1−2)完全長cDNAの単離
遺伝子特異的なリンカープライマー、ランダムヘキサマーリンカープライマー、市販のオリゴ(dT)リンカープライマー、およびストラタジーン社(米国、カリフォルニア州、ラ・ホーヤ)製ZAP cDNA synthesis kitを用いて、メーカーのプロトコールに従ってヒト胎児脳cDNAライブラリーを作製した。このライブラリーをノーザン実験と同一のプローブでスクリーニングした。陽性クローンを選択し、メーカーのプロトコールに従って、それらのインサートcDNAをin vivoでpBluescript II SK (-)(ストラタジーン社製)に組み込んだ。欠失している5'末端領域または3'末端領域を得るため、メーカーのプロトコールに従って、Marathon cDNA増幅キット及びBD SMARTTM RACE cDNA増幅キット(クロンテック社製)の組み合わせを用いてcDNA末端の迅速増幅(RACE)を行った。完全長cDNAを得るためのプライマーは表5に示した。配列決定はアプライドバイオシステムズ社製ABI3700型キャピラリーシーケンサーを用いて行った。
(2)結果
FLJ25967(1713塩基対)には長いオープンリーディングフレーム(ORF)は含まれないと考えられたので、まず、胎児4検体およびヒト成人組織16検体でのFLJ25967の発現をノーザンブロット解析により検討した。図1に示すように、長さが約10 kbの転写産物のシグナルは胎児脳および脳で顕著に検出されたが、脾臓、末梢血白血球、肺、肝臓、胸腺、結腸および小腸でもこのシグナルは検出された。FLJ25967には完全長の遺伝子が含まれないことは明らかであったので、胎児脳cDNAライブラリーのスクリーニングを行い、5'- and 3'-RACE法も数回行った。最終的に、完全長の遺伝子を同定することができ、この遺伝子をMIATと命名した。MIATには4つのスプライシングバリアント(配列番号2から5、各スプライシングバリアントの長さは10142、10016、10068および9942ヌクレオチド)が存在する。各バリアントはポリアデニル化シグナルを有し、その下流の3'末端にはポリA配列が続く。しかし、この遺伝子にも長いORFは含まれていないと考えられた。最も長いORFでも149アミノ酸をコードする447塩基であった(図2b)。BLASTプログラムを用い、公開されているデータベースの既知の遺伝子とこのORFとを比較したが、類似性を見出すことはできなかった。転写産物が実際にタンパク質に翻訳されているのか否かを検討するため、4つのバリアントそれぞれについて、in vitro翻訳アッセイを実施したが、翻訳産物を検出することはできなかった。この結果は、MIATがmRNA様の非コードRNAであることを示している。
GenBankデータベースのゲノムDNA配列および各cDNA配列を用いてMIATのゲノム構造を検討した。MIATの遺伝子は5つのエクソンから構成されており(図2a)、スプライス部位すべてが基本的なGT/AG則(Mount SM (1982) Nucleic Acids Res 10: 459-472;及びShapiro MB et al. (1987) Encleic Acids Res 15: 7155-7174)に従っていた。
実施例3:連鎖不平衡およびハプロタイプ解析
この遺伝子座のその他のSNPが心筋梗塞のリスクをもたらす可能性を検討するため、この領域のSNPについて網羅的に検討した(繰り返し配列に相当するものは除く)。日本人集団24名のゲノムDNAをダイレクトシーケンスすることにより、計60個のSNPを同定した。そのうち14個は新規のSNPであり、dbSNPデータベースに登録されていなかった(Build 126、表1)。次に、この領域の厳密なハプロタイプ構造を検討するため、マイナーアレル頻度が5%を上回るSNPを選択した。また、互いに完全な連鎖不平衡であった一群のSNPからは1個のSNPのみを選択した。心筋梗塞患者96名について、Haploview software(http://hapmap.org)を用いてこれら35個のSNPの遺伝子型を解析し、rs2301523を含むハプロタイプブロック1カ所を同定した(図3)。
さらに、このブロック内で5個のSNP(イントロン1 5338 C>T、エクソン3 8813 G>A、エクソン5 11093 G>A、エクソン5 11741 G>A、エクソン5 12311 C>T)を見出した。これらのSNPは、本発明者らの大規模研究によって最初に同定されたエクソン3 9186 G>A(rs2301523)のSNPと強い連鎖不平衡(LD)を有していた。そこで、心筋梗塞患者約3,400名および対照被験者3,700名の遺伝子型を解析することにより、これら5個のSNPが心筋梗塞感受性と高い相関性を有するか否かについて検討した。表2に示すように、これらのSNPすべてが心筋梗塞と有意な相関性を示した。特に、1個のSNP(イントロン1における5377 C>T;rs2331291)は、心筋梗塞との相関性がより有意であった(χ2 = 25.27、P = 5.0E-07、アレル頻度の比較)。
このブロックのハプロタイプが心筋梗塞のリスクをもたらす可能性について明らかにするため、このブロックのハプロタイプの90%をカバーする5つのタグSNP(エクソン3 の8554 T>C、エクソン3の9186 G>A、エクソン5 の10803 G>A、エクソン5 の14568 A>T、エクソン5の15218 C>A)を選択した。これらのタグSNPを用いて、心筋梗塞患者652名および対照被験者620名のハプロタイプおよび遺伝子型の頻度を比較した。既にrs2301523の遺伝子型は解析されており、心筋梗塞との相関性が有意であることが明らかになっているので、ここではこのSNPの遺伝子型解析は行わなかった。ハプロタイプとその他の4つのタグSNPはいずれも統計的に有意ではなかった(表3及び表4)。この結果は、rs2301523 SNPおよび関連する5つのタグSNPは心筋梗塞と相関性があることを意味する。
実施例4:ルシフェラーゼアッセイおよびゲルシフトアッセイ
(1)方法
(1−1)ルシフェラーゼアッセイ
ゲノムDNAを鋳型として用いてPCRによりC22orf35のSNPを含むDNAフラグメントをPCRにより増幅し、5’−3’の向きでプロメガ社(米国、マディソン)製pGL3-promoter vectorにクローニングした。ルシフェラーゼ構築物のクローニングに使用したプライマーを表5に示す。HEK293細胞(RIKEN Cell Bank、日本、和光市)を、10%ウシ胎児血清を添加したダルベッコ改変イーグル培地で培養した。その後、メーカーのプロトコールに従ってルシフェラーゼアッセイを行った。トランスフェクションから24時間後に細胞をpassive lysis buffer(プロメガ社製)で溶解した後、デュアル−ルシフェラーゼレポーターアッセイシステム(プロメガ社製)でルシフェラーゼ活性を測定した。
(1−2)電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)
既報の方法(Andrews NC et al. (1991) Nucleic Acid Res 19(9):2499)でHEK293細胞から核抽出物を調製し、ロシュ社(ドイツ、マンハイム)製DIGゲルシフトキット、2ndジェネレーションを用いて、ジゴキシゲニン-11-ddUTPで標識した33bpのオリゴヌクレオチドを添加してインキュベートした。反応は1/10量のPoly [d(I-C)]存在下で行った。EMSAに用いたオリゴヌクレオチドを表5に示す。競合実験として、核抽出物を非標識オリゴヌクレオチド(200倍の過剰量)とプレインキュベートした後、ジゴキシゲニンで標識したオリゴヌクレオチドを添加した。6%非変性ポリアクリルアミドゲルを用い、0.5 x TBE(Tris-Borate-EDTA)バッファーで泳動してタンパク質−DNA複合体を分離した。メーカーのプロトコールに従い、ゲルをニトロセルロース膜に転写して、化学発光検出システム(ロシュ社製)でシグナルを検出した。
(2)結果
MIATは非コードRNAであると考えられた。6個のSNPが転写調節に及ぼす影響を検討するため、HEK293細胞を用いてルシフェラーゼアッセイを行った。図4aに示すように、エクソン5における11741 Gアレルを含むクローンでは、Aアレルを含むクローンまたはベクターのみを含むクローンと比べて、転写活性が約1.3倍に増加した。しかし、残りの5個のSNPでは差は認められなかった(図4a)。次に、核内因子がエクソン5における11741のSNP周辺のゲノム配列に結合するか否かを検討するため、この配列内に既知の転写因子の結合モチーフが存在しないかどうかを検討した。結合モチーフであると予想される配列が存在しなかったため、MIATのエクソン5における11741のGアレルおよびAアレルに相当するオリゴヌクレオチドへのHEK293細胞からの核抽出物の結合について検討した。図4bに示すように、HEK293細胞に含まれる転写因子に対してAアレルはより強く結合した。
実施例5:in vitro RNA安定性アッセイ
(1)方法
EBVでトランスフォームしたB細胞(HEV:5個のSNPがヘテロ接合型)のcDNAを用いて、5個のSNP(エクソンに位置する)を含む領域を増幅した。構築したプライマーに相当する2つのフラグメントをpBluescript II SK (+) にクローニングした。使用したプライマーを表5に示す。クローニングしたベクターをQIAGENを用いて精製し、MEGAscript High yield transcription kit(T3 kit)(Ambion社製)のプロトコールに従って転写実験を行った。転写産物3μlおよび全細胞抽出物(蒸留水で20倍に希釈したもの)3μlを用いて、Suzuki S. et al (2003) Nat.Genet.34(4): 395-402;及びYang T (2003) J.Biol.Chem. 278:15291-15296に記載の方法に従ってRNA安定性アッセイを行った。反応時間はそれぞれ、0、10、20、30、および40分間とし、室温で反応させた。
(2)結果
既報の研究では、エクソン内のSNPおよびハプロタイプはmRNAの安定性に関与していた(Suzuki S. et al (2003) Nat.Genet.34(4): 395-402;及びYang T (2003) J.Biol.Chem. 278:15291-15296)。心筋梗塞と有意な相関性を示す6個のSNPのうち5個(エクソン3の8813 G>A、エクソン3の9186 G>A、エクソン5の11093 G>A、エクソン5の11741 G>A、およびエクソン5の12311 C>T)がmRNAの安定性に影響を及ぼす可能性を検討するため、HEK293細胞を用いてRNA安定性アッセイを行った(Suzukiら 2003)。低頻度のハプロタイプに相当する構築物は高頻度のハプロタイプと比較してmRNAの分解が速い傾向があったが、統計的な有意差はなかった(図5)。
図1は、ヒト組織におけるMIATの発現を示す。矢印は転写産物(長さ約10kb)を示す。対照としてβアクチンcDNAを用いた。 図2は、MIATのゲノム構造およびスプライシングバリアントを示す。図2aは、MIATのゲノムのレイアウトを示す。上部に記した塩基対の数は、GenBank DNAデータベース(NT011520.10)のデータに基づく。図2bはMIATの4種類のスプライシングバリアントを示す。 図3は、MIAT遺伝子座におけるLD(連鎖不平衡)構造を示す。本試験で同定されたSNPを示す。dbSNPデータベース(Build 126)に登録されていなかったSNPには、本発明者独自のID番号を割り付けた。SNP対のすべての組み合わせについて、r2の値を対にして色分けして示した。 図4は、MIATのエクソン5における11741 G>AのSNPの機能を示す。図4aは、エクソン5における11741 G>AのSNPはHEK293細胞の相対的なルシフェラーゼ活性に影響を及ぼすことを示す。*Studentのt-検定。各実験を3回繰り返し、各試料について3回ずつ試験した。図4bは、MIATのエクソン5への未知の核内因子の結合を示す。バンドは、マイナーアレルのオリゴヌクレオチドに未同定の核内因子がより強く結合していることを示している。実験は3回繰り返し、同様の結果が得られた。 図5は、in vitro RNA安定性アッセイの結果を示す。分解速度により測定したMIATのmRNAの安定性を示す。実験を4回繰り返し、Studentのt-検定により解析した。

Claims (7)

  1. 下記の(1)から(6)よりなる群から選ばれる少なくとも一種の一塩基多型を検出することを含む、心筋梗塞の罹患危険性の予想方法。
    (1)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の5338番目の塩基におけるC/Tの多型、
    (2)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の8813番目の塩基におけるG/Aの多型、
    (3)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の9186番目の塩基におけるG/Aの多型、
    (4)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11093番目の塩基におけるG/Aの多型、
    (5)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの多型、
    (6)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の12311番目の塩基におけるC/Tの多型。
  2. 下記の(1)から(6)よりなる群から選ばれる少なくとも1つの部位を含む連続する少なくとも10塩基の配列、又はその相補配列にハイブリダイズすることができ、請求項1に記載の方法においてプローブとして用いるオリゴヌクレオチドの1種以上を含む、心筋梗塞疾患診断用キット。
    (1)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の5338番目の塩基におけるC/Tの多型、
    (2)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の8813番目の塩基におけるG/Aの多型、
    (3)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の9186番目の塩基におけるG/Aの多型、
    (4)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11093番目の塩基におけるG/Aの多型、
    (5)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの多型、
    (6)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の12311番目の塩基におけるC/Tの多型。
  3. 下記の(1)から(6)よりなる群から選ばれる少なくとも1つの部位を含む連続する少なくとも10塩基の配列、及び/又はその相補配列を増幅することができ、請求項1に記載の方法においてプライマーとして用いるオリゴヌクレオチドの1種以上を含む、心筋梗塞疾患診断用キット。
    (1)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の5338番目の塩基におけるC/Tの多型、
    (2)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の8813番目の塩基におけるG/Aの多型、
    (3)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の9186番目の塩基におけるG/Aの多型、
    (4)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11093番目の塩基におけるG/Aの多型、
    (5)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの多型、
    (6)配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の12311番目の塩基におけるC/Tの多型。
  4. 配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの一塩基多型を検出することを含む、MIAT遺伝子の発現状態の分析方法。
  5. 配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の11741番目の塩基におけるG/Aの一塩基多型を含むMIAT遺伝子断片を細胞に導入し、MIAT遺伝子の転写活性を促進する候補物質の存在下で該細胞を培養し、該遺伝子の発現を分析することを含む、MIAT遺伝子の転写活性促進物質のスクリーニング方法。
  6. 細胞と候補物質とを接触させる工程、細胞内における配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の発現量を分析する工程、及び候補物質の非存在下の条件と比較して当該遺伝子の発現量を増加させる候補物質を心筋梗塞の治療薬として選択する工程を含む、心筋梗塞の治療薬のスクリーニング方法。
  7. 配列番号1に記載の塩基配列を有するMIAT遺伝子の発現状態を、心筋梗塞治療薬の存在下及び非存在下で比較観察する工程を含む、心筋梗塞治療薬の作用機序の確認方法。
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