JP4995385B2 - 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過光線を拡散させる機能を有し、特に液晶表示装置のバックライトユニットに好適な光拡散シート及びこの光拡散シートを用いたバックライトユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にエッジライト型、直下型等のバックライトユニットが装備されている。かかるエッジライト型のバックライトユニット20は、基本的には図3(a)に示すように、光源としての線状のランプ21と、ランプ21に端部が沿うように配置される方形板状の導光板22と、導光板22の表面側に配設される光拡散シート23と、光拡散シート23の表面側に配設されるプリズムシート24とを備えている。
【0003】
このバックライトユニット20の機能を説明すると、まずランプ21より導光板22に入射した光線は、導光板22裏面の反射ドット又は反射シート(図示していない)で反射され、導光板22表面から出射される。導光板22から出射した光線は光拡散シート23に入射し、光拡散シート23で拡散され、光拡散シート23表面より出射される。その後、光拡散シート23から出射された光線は、プリズムシート24に入射し、プリズムシート24表面に形成されたプリズム部24aによって略法線方向にピークを示す分布の光線として出射される。
【0004】
このように、ランプ21から出射された光線が、光拡散シート23によって拡散され、またプリズムシート24によって略法線方向にピークを示すように屈折され、さらに表面側の液晶層(図示していない)全面を照明するものである。なお、図示していないが、上述のプリズムシート24の集光特性の緩和やプリズム部24aの保護又は偏光板等の液晶パネルとプリズムシート24とのスティッキングの防止を目的として、プリズムシート24の表面側にさらに光拡散シートが配設されている。
【0005】
上記バックライトユニット20に備える光拡散シート23は、一般的には図3(b)に示すように、合成樹脂製の透明な基材層26と、この基材層26の表面に積層された光拡散層27と、基材層26の裏面に積層されたスティッキング防止層28とを備えている。この光拡散層27は、一般的には、バインダー29中に光拡散剤30が分散した構造を有し、光拡散剤30により透過光線を拡散させる機能が奏される。また、スティッキング防止層28は、バインダー31中に少量のビーズ32が離間して分散し、このビーズ32の下部がバインダー31の裏面から突出した構造を有しており、光拡散シート23裏面が導光板22表面と密着して干渉縞が生じてしまう不都合を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の光拡散シート23は、光拡散層27における光拡散剤30とバインダー31との界面で反射が生じるため、裏面側への反射により光線透過率が低下し、バックライトユニット20の輝度の低下を招来するおそれがある。
【0007】
また、光拡散層27の光拡散剤30やスティッキング防止層28のビーズ32は粒子径が非常に小さいため、凝集等が生じやすく、光拡散層27やスティッキング防止層28内において均一な分散状態を確保することが困難である。また、光拡散剤30やビーズ32が脱落してしまうことがある。そのため、光拡散剤30やビーズ32の不均一な分散状態や脱落により、光拡散層27の光拡散性能やスティッキング防止層28のスティッキング防止性能にバラツキが生じるおそれがある。
【0008】
さらに、光拡散シート23のような光学シート類は、製造、保存、搬送などの際に複数枚重ねられることが多いが、光拡散剤30及びビーズ32としては従来比較的硬質のアクリルビーズやガラスビーズが一般的に用いられており、硬質の光拡散剤30又はビーズ32が突出しているため、互いの当接面、つまり光拡散シート23の表面及び裏面に傷が付きやすく、取り扱いが容易ではない。また、上記光拡散シート23が組み込まれたバックライトユニット20において、光拡散シート23の裏面に突出するビーズ32により、重ねて配設される導光板22の表面に傷を付けてしまうおそれがある。特に、軟質の材料である非晶性オレフィン系樹脂製の導光板(例;日本ゼオン(株)社製「ゼオノア導光板」)22と組合わせることは事実上不可能である。
【0009】
本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、光線透過率が高く、光拡散性能やスティッキング防止性能の均一化が促進され、さらに保存、搬送等の際やバックライトユニットにおいて積層面への傷付きを防止できる光拡散シート及び輝度低下や輝度ムラの発生を防止できるバックライトユニットの提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた発明は、透明な基材層と、この基材層の表面側に積層される光拡散層とを備えており、この光拡散層が紫外線硬化型樹脂組成物を収縮及び硬化させることで形成されている光拡散シートである。
【0011】
当該光拡散シートによれば、光拡散層が紫外線硬化型樹脂組成物を収縮及び硬化させてなることから、紫外線硬化型樹脂組成物の収縮によって光拡散層の表面に微細凹凸が略均一に形成され、かかる微細凹凸によって高い光拡散性を奏することができる。そのため、上記従来のいわゆるビーズタイプの光拡散シートのような光拡散剤の界面での反射による光線透過率の低下、ビーズの不均一分散や脱落による光拡散性のバラツキ、アクリルビーズ等の光拡散剤による積層面への傷付き等の不都合を防止することができる。
【0012】
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、透明な基材層と、この基材層の表面側に積層される光拡散層と、基材層の裏面側に積層されるスティッキング防止層とを備えており、このスティッキング防止層が紫外線硬化型樹脂組成物を収縮及び硬化させることで形成されている光拡散シートである。
【0013】
当該光拡散シートによれば、スティッキング防止層が紫外線硬化型樹脂組成物を収縮及び硬化させてなることから、紫外線硬化型樹脂組成物の収縮によってスティッキング防止層の裏面に微細凹凸が略均一に形成され、かかる微細凹凸によってスティッキング防止性を奏することができる。そのため、上記従来のいわゆるビーズタイプのスティッキング防止層が有する、アクリルビーズ等による積層面への傷付き、ビーズの不均一分散及び脱落によるスティッキング防止性のバラツキ等の不都合を防止することができる。従って、当該光拡散シートは、軟質材料である非晶性オレフィン系樹脂製の上記導光板と組合わせても導光板表面への傷付きを防止することができる。また、上述のように紫外線硬化型樹脂組成物の収縮によってスティッキング防止層の裏面に微細凹凸が略均一に形成され、上記従来のスティッキング防止層のようなビーズが存在しないフラット部分が低減されることから、スティッキング防止層のフラット部分による光の干渉模様の発生を防止することができる。
【0014】
さらに、上記課題を解決するためになされた別の発明は、透明な基材層と、この基材層の表面側に積層される光拡散層と、基材層の裏面側に積層されるスティッキング防止層とを備えており、この光拡散層及びスティッキング防止層が紫外線硬化型樹脂組成物を収縮及び硬化させることで形成されている光拡散シートである。
【0015】
当該光拡散シートによれば、光拡散層とスティッキング防止性とが共に紫外線硬化型樹脂組成物の収縮及び硬化により形成されていることから、上記二発明の作用を共奏することができる。つまり、光拡散層及びスティッキング防止層がともに積層面への傷付き防止作用、各層の機能の均一性促進作用及び光線透過率の向上作用を奏することができる。
【0016】
上記紫外線硬化型樹脂組成物としては、ウレタンアクリレートと、アクリレート系反応性希釈剤と、400nm以上の波長光に対するモル吸光係数が100(l・mol−1・cm−1)未満の光開始剤とを含んでおり、このウレタンアクリレートが、脂環族イソシアネート化合物と、エステル系ポリオールと、水酸基を有するアクリレート化合物とを必須成分として製造されているものが好ましい。この紫外線硬化型樹脂組成物によれば、硬化反応時の高く安定した収縮により、光拡散層表面及びスティッキング防止層裏面の凹凸を微細かつ均一に形成することができ、その結果、上記光拡散性及びスティッキング防止性の均一化を促進することができる。
【0017】
上記エステル系ポリオールとしては微細凹凸の発生の安定性の観点からは水酸基数が3官能以上のポリカプロラクトンが好ましく、上記アクリレート系反応性希釈剤としては微細凹凸の再現性、硬化性、基材層との密着性等の観点からテトラヒドロフルフリル基を有するものが好ましい。
【0018】
また、上記紫外線硬化型樹脂組成物を収縮及び硬化させる手段として、300nm以下の波長に最大発光強度を有する短波長紫外線の照射を行うとよい。かかる短波長紫外線の照射によれば、塗布した紫外線硬化型樹脂組成物の表面側と内部との硬化性、硬化収縮率の不均一が生じ、これによって光拡散層又はスティッキング防止層表面に凹凸を微細かつ均一に形成することができる。
【0019】
上記短波長紫外線の照射後、300nmより大きい波長に最大発光強度を有する長波長紫外線の照射を行うとよい。かかる長波長紫外線の照射により、紫外線硬化型樹脂組成物内部の硬化を促進し、光拡散層又はスティッキング防止層の基材層への密着性、物性及び耐久性を向上させることができる。
【0020】
上記光拡散層をバインダーとこのバインダー中に分散する光拡散剤とを有するものとし、スティッキング防止層を上記紫外線硬化型樹脂組成物の収縮及び硬化により形成することも可能である。この手段によれば、光拡散層が従来と同様の光拡散剤により容易かつ確実に光拡散性を発現でき、スティッキング防止層が上記積層面への傷付き防止作用を奏することができる。
【0021】
従って、ランプから発せられる光線を分散させて表面側に導く液晶表示装置用のバックライトユニットにおいて、当該光拡散シートを備えると、当該光拡散シートと重ねて配設される導光板等の積層面への傷付きを低減できるため、製造、運搬、保存等の際の取扱いが容易になり、傷付きによる輝度ムラの発生を防止することができる。また、当該光拡散シートは上記従来のビーズタイプの光拡散シートが有する光拡散剤の界面での反射やスティッキング防止層による光の干渉模様が防止されるため、当該バックライトユニットの輝度や品質の向上を図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。図1は本発明の一実施形態に係る光拡散シートを示す模式的断面図で、図2は図1の光拡散シートとは異なる形態の光拡散シートを示す模式的断面図である。
【0023】
図1の光拡散シート1は、基材層2と、この基材層2の表面に積層される光拡散層3と、基材層2の裏面に積層されるスティッキング防止層4とから構成されている。
【0024】
基材層2は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂から形成されている。かかる基材層2に用いられる合成樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等が挙げられる。中でも、耐熱性が高いポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネートが好ましい。なお、耐熱性、寸法安定性等の向上のために、基材層2の内部にコロイダルシリカ、コロイダル酸化アルミニウム、コロイダル炭酸カルシウム、スメクタイト、マイカ、酸化チタン、酸化ジルコン、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、タルク、アルミナ、硫酸バリウム、アスベストなどの無機超微粒子を分散含有させてもよい。
【0025】
基材層2の厚み(平均厚み)は、特には限定されないが、例えば10μm以上500μm以下、好ましくは35μm以上250μm以下とされる。基材層2の厚みが上記範囲未満であると、光拡散層3を形成するための樹脂組成物を塗工した際にカールが発生しやすくなってしまう、取扱いが困難になる等の不都合が発生する。逆に、基材層2の厚みが上記範囲を超えると、液晶表示装置の輝度が低下してしまうことがあり、またバックライトユニットの厚みが大きくなって液晶表示装置の薄型化の要求に反することにもなる。
【0026】
光拡散層3は、基材層2の表面に紫外線硬化型樹脂組成物を塗工し、この紫外線硬化型樹脂組成物を紫外線の照射によって収縮及び硬化させることで形成される。このように紫外線硬化型樹脂組成物の硬化反応とともに収縮を生じさせているため、この光拡散層3の表面には均一に微細凹凸5が形成されており、この微細凹凸5によって当該光拡散シート1は透過光線を均一に拡散させる機能(光拡散性)を発揮することができる。
【0027】
上記紫外線硬化型樹脂組成物の主剤(紫外線硬化型樹脂)としては、特に限定されるものではなく公知の材料を用いることができ、具体的には、a)エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、メラミンアクリレートなどのラジカル重合系樹脂、b)光付加重合型のポリチオール・ポリエン系樹脂、c)光カチオン重合型樹脂等が挙げられる。この紫外線硬化型樹脂組成物には、光開始剤及び希釈剤が配合されており、その他、粘度調整のための各種の溶剤、帯電防止剤、スリップ剤、光増感剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、無機充填剤、無機顔料、有機顔料、有機染料、光安定剤、光吸収剤、レベリング剤、消泡剤、防錆剤等が適宜配合される。
【0028】
この紫外線硬化型樹脂組成物としては、特に、(a)脂環族イソシアネート化合物、エステル系ポリオール及び水酸基含有アクリレート化合物を必須成分として製造されたウレタンアクリレートと、(b)アクリレート系反応性希釈剤と、(c)400nm以上の波長光に対するモル吸光係数が100(l・mol−1・cm−1)未満の吸収特性を有する光開始剤とを含むもの(特許第3004897号公報参照)が好ましい。この紫外線硬化型樹脂組成物によれば、紫外線による硬化反応時の収縮により、光拡散層表面に微細凹凸5を均一にかつ再現性良く形成することができる。
【0029】
(a)のウレタンアクリレートは、脂環族イソシアネート化合物と、エステル系ポリオールと、水酸基を含有するアクリレート化合物とを50〜120℃で、必要に応じてウレタン化触媒の存在下に、ウレタン化反応させることにより、容易に合成される。かかるウレタン化反応は、全成分の一括仕込みによる反応であっても、ポリオール成分とイソシアネート成分を、一度イソシアネート基過剰にてプレポリマーを合成した後、残存するイソシアネート基を水酸基含有アクリレート化合物により、反応せしめることによっても、合成することが可能である。また、水酸基含有アクリレート化合物とイソシアネート化合物を、一度イソシアネート基過剰にてプレポリマーを合成した後、残存するイソシアネート基をポリエステルポリオールと反応させることも可能である。かかる反応により合成されるウレタンアクリレートの分子量としては、700〜20000の範囲内であることが好ましい。
【0030】
上記脂環族イソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が用いられる。また、かかる脂環族イソシアネート化合物のイソシアヌレート化物、ビューレット化合物等、さらに、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物との併用、または、共イソシアヌレート化物等も用いることができる。
【0031】
上記エステル系ポリオールとしては、ポリオール化合物とポリカルボン酸化合物とのエステル化物、環状エステル化合物とポリオールとの開環反応により合成されるもの等が用いられる。このポリオール化合物の代表例としては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジクロロネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、トリシクロデカンジメチロール、水添ビスフェノールA、エチレンオキサイド付加ビスフェノ−ルA、プロピレンオキサイド付加ビスフェノ−ルA、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ペンタエリスリトール、ジペンンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グルコース類などが挙げられる。
【0032】
上記カルボン酸含有化合物としては、公知の各種カルボン酸、これらの酸無水物、これらのカルボン酸化合物と低級アルキルアルコールとのエステル化物などが用いられる。このカルボン酸含有化合物としては、具体的にはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘット酸、ハイミック酸、クロレンディック酸、ダイマー酸、アジピン酸、こはく酸、アルケニルこはく酸、セバチン酸、アゼライン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、またはジメチル−ないしはジエチルエステルの如き、5−ナトリウム−スルホイソフタル酸のジ−低級アルキルエステル類、あるいは、オルソフタル酸、4−スルホフタル酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸、ムコン酸、しゅう酸、マロン酸、グルタン酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラブロムフタル酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸もしくはピロメリット酸、またはこれらの酸無水物、または、これらのメタノール、エタノール等によるアルコールエステル化合物などが挙げられる。
【0033】
上記環状エステル化合物としては、例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、置換ε−カプロラクトン、D−グルコノ−1,4−ラクトン、1,10−フェナントレンカルボラクトン、4−ペンテン−5−オリド、12−ドデカノリド等ラクトン類が挙げられる。この置換ε−カプロラクトンとは、アルキル基が1から12までの炭素原子を有する種々のε−モノアルキルカプロラクトンであって、例えば、ε−メチルカプロラクトン、ε−エチルカプロラクトン、ε−プロピルカプロラクトン、ε−ドデシルカプロラクトンなどの1置換アルキルラクトン類から、2から3のアルキル置換のものが使用できる。
【0034】
上記水酸基含有アクリレート化合物としては、公知のものが使用でき、具体的には2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートまたはグリシジルメタクリレート−(メタ)アクリル酸付加物、上掲された水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とε−カプロラクトン及びその変性物との開環反応物などが挙げられる。
【0035】
上記ポリエステル系ポリオールの中でも、微細凹凸5の均一な形成、基材層2との密着性、光拡散層3自体の物性等の面から、ポリカプロラクトン系ポリオールが特に好ましく、その分子量が300から5000のものが好ましく、また官能基数が3官能以上のものが好ましい。
【0036】
(b)のアクリレート系反応性希釈剤は、紫外線硬化型樹脂組成物の加工性、つまり塗工、印刷等の適性及び種々の物性の改良を目的として用いられ、具体的には(1)メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンサクシネート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、3−アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アッシドホスフェート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能重合性希釈剤、
(2)2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートのジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールのジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(グリシジルオキシフェニル)プロパンの(メタ)アクリル酸付加物等の2官能重合性希釈剤、
(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリメリット酸のトリ(メタ)アクリレートと、トリアリルトリメリット酸、トリアリルイソシアヌレート等の多官能重合性希釈剤などが挙げられる。
【0037】
上記アクリレート系反応性希釈剤の中でも、微細凹凸5の再現性、硬化性、基材層2表面への密着性等が良好なテトラヒドロフルフリル基を有するアクリレート化合物が特に好ましい。かかるアクリレート化合物としては、具体的にはテトラヒドロフルフリルアクリレート、ラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、ダイマーアクリル酸変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、ダイマーアクリル酸変性ラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート等が挙げられる。
【0038】
(c)の光開始剤は、400nm以上の波長光に対するモル吸光係数が100(l・mol−1・cm−1)未満の吸収特性を有するものであり、均一で再現性の良好な微細凹凸5を形成することができる。この光開始剤としては、具体的には2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アルコキシアセトフェノン、ベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、この光開始剤の配合量としては、アクリレート樹脂成分100部に対し、0.2部以上30部以下が好ましく、2部以上20部以下が特に好ましい。
【0039】
次に、上記紫外線硬化型樹脂組成物を用いた光拡散層3の形成方法について説明する。この光拡散層3の形成方法としては、紫外線硬化型樹脂組成物を基材層2の表面に塗工する工程と、紫外線硬化型樹脂組成物に紫外線を照射して収縮及び硬化させる工程とからなる。この塗工方法としては、特に限定されず、公知の種々の方法、例えばスクリーン印刷、ロールコート、カーテンコート、スプレーコート、スピンコート等が採用される。塗工工程における紫外線硬化型樹脂組成物の膜厚としては、微細凹凸5の再現性等の面から、10μm以上1mm以下程度が好ましく、20μm以上500μm以下程度が特に好ましい。
【0040】
紫外線照射工程としては、(a)窒素雰囲気下で紫外線の照射を行う方法と、(b)300nm以下に最大の発光強度を有する短波長紫外線を照射する方法とがあり、双方共に紫外線硬化型樹脂の硬化反応時に同時に収縮を生じさせ、光拡散層3の表面に微細凹凸5を形成させることができる。但し、均一でかつ再現性に優れる微細凹凸5の形成が可能な上記(b)の方法が好ましい。この(b)の方法で用いる短波長紫外線は、300nm〜800nmの光の相対強度が20%以下であることが、微細凹凸5の均一性及び再現性の面で好ましい。なお、上記短波長紫外線を発する紫外線照射ランプとしてはいわゆる低圧水銀灯が用いられる。かかる短波長紫外線の照射により、塗工した紫外線硬化型樹脂組成物の表面側と内部との光吸収能の不均一、ひいては表面側と内部の硬化性、硬化収縮率の不均一性が生じ、これによって光拡散層3表面に微細凹凸5が形成される。
【0041】
上記短波長紫外線を照射した後に、300nmより大きい波長に最大発光強度を有する長波長紫外線を照射するとよい。この長波長紫外線の照射により、塗工した紫外線硬化型樹脂組成物内部の硬化を充分に行い、光拡散層3の基材層2への密着性、物性、耐久性等を向上させることができる。なお、上記長波長紫外線を発する紫外線照射ランプとしてはいわゆる高圧水銀灯が用いられる。
【0042】
当該光拡散層3の平均厚さとしては5μm以上150μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下が特に好ましい。これは、光拡散層3の平均厚さが上記範囲より小さいと、表面の微細凹凸5の形成が困難になり、逆に、光拡散層3の平均厚さが上記範囲を超えると、当該光拡散シート1が装備されるバックライトユニット等の薄型化の要請に反することからである。
【0043】
光拡散層3の表面中心線平均粗さ(Ra)としては0.1μm以上20μm以下、特に0.5μm以上10μm以下が好ましく、表面十点平均粗さ(Rz)としては1μm以上100μm以下、特に5μm以上50μm以下が好ましい。上記紫外線硬化型樹脂組成物の収縮及び硬化を制御して光拡散層3の表面粗さを上記範囲とすることで、光拡散シート1のヘイズ値が10%〜95%程度となり、十分な光拡散性を確保することができる。なお、上記表面中心線平均粗さ(Ra)及び表面十点平均粗さ(Rz)は、JIS−B−0601に規定されるものである。
【0044】
スティッキング防止層4は、上記光拡散層3と同様に、基材層2の裏面に紫外線硬化型樹脂組成物を塗工し、この紫外線硬化型樹脂組成物を紫外線の照射によって収縮及び硬化させることで形成される。かかる紫外線硬化型樹脂組成物の収縮及び硬化によりスティッキング防止層4の裏面には均一に微細凹凸6が形成されている。そのため、この光拡散シート1を導光板表面に積層すると、この微細凹凸6の下端が導光板等の表面に当接し、光拡散シート1の裏面の全面が導光板と当接することがない。これにより、光拡散シート1と導光板とのスティッキングが防止され、液晶表示装置の画面の輝度ムラが抑えられる。
【0045】
なお、スティッキング防止層4の平均厚さとしては微細凹凸6の形成が可能な5μm以上50μm以下でよく、表面中心線平均粗さ(Ra)もスティッキング防止効果を奏することができる10μm以下でよい。また、表面中心線平均粗さ(Ra)を10μm以下とすることで、重ねて配設される導光板等への傷付き防止性を促進することができる。
【0046】
当該光拡散シート1によれば、光拡散層3及びスティッキング防止層4が紫外線硬化型樹脂組成物の収縮及び硬化によって形成され、従来のビーズタイプの光拡散シートのようなアクリルビーズ等を使用していないことから、光拡散剤の界面での反射による光線透過率の低下、光拡散剤及びビーズの不均一分散や脱落による光拡散性及びスティッキング防止性のバラツキ、アクリルビーズ等による積層面への傷付け、スティッキング防止層のフラット部による光の干渉模様の発生等の不都合を防止することができる。
【0047】
図2の光拡散シート11は、基材層2と、この基材層2の表側に積層された光拡散層12と、基材層2の裏面に積層されたスティッキング防止層4とから構成されている。この基材層2及びスティッキング防止層4は、図1に示された実施形態のものと同じであるため、同一番号を付して説明を省略する。従って、当該光拡散シート11も、スティッキング防止層4が紫外線硬化型樹脂組成物の収縮及び硬化により形成され、裏面には均一に微細凹凸6が形成されているため、重ねて配設される導光板等とのスティッキングが防止され、かつ、導光板等の表面への傷付きが防止される。
【0048】
光拡散層12は、バインダー13と、このバインダー13中に分散する光拡散剤14とから構成されている。このように分散した光拡散剤14により、この光拡散層12を裏側から表側に透過する光線を略均一に拡散させることができる。また、光拡散剤14の上端をバインダー13から突出させることで、光線をより良く拡散させることができる。なお、光拡散層12の厚み(光拡散剤14を除いたバインダー13部分の厚み)は特には限定されないが、例えば1μm以上50μm以下程度とされている。
【0049】
バインダー13に用いられる合成樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂等が挙げられる。またバインダー13には、上記のポリマーの他、例えば可塑剤、安定化剤、劣化防止剤、分散剤等が配合されてもよい。バインダー13に用いられる合成樹脂は光線を透過させる必要があるので透明とされており、特に無色透明が好ましい。
【0050】
光拡散剤14は、光線を拡散させる性質を有する粒子であり、無機フィラーと有機フィラーに大別される。無機フィラーとしては、具体的には、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれらの混合物を用いることができる。有機フィラーの具体的な材料としては、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を用いることができる。
【0051】
光拡散剤14の形状は、特に限定されるものではなく、例えば球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、中でも光拡散性に優れる球状のビーズが好ましい。
【0052】
光拡散剤14の平均粒子径の下限としては1μm、特に3μm、さらに5μmが好ましく、8μmが最も好ましい。一方、上記平均粒子径の上限としては50μm、特に30μm、さらに25μmが好ましい。これは、光拡散剤14の平均粒子径が上記下限より小さいと、光拡散剤14によって形成される光拡散層12表面の凹凸が小さくなり、光拡散シートとして必要な光拡散性を満たさないおそれがあり、逆に、光拡散剤14の平均が上記範囲を越えると、光拡散シート11の厚さが増大し、かつ、均一な拡散が困難になることからである。
【0053】
光拡散剤14の配合量(バインダー13中のポリマー分100部に対する配合量)の下限としては0.1部、特に5部、さらに10部が好ましく、上記配合量の上限としては500部、特に300部、さらに200部が好ましい。これは、光拡散剤14の配合量が上記範囲未満であると、光拡散性が不十分となってしまい、一方、光拡散剤14の配合量が上記範囲を越えると光拡散剤14を固定する効果が低下することからである。
【0054】
当該光拡散層12の形成方法としては、上記構造の光拡散層12が形成できれば特に限定されないが、一般的には、バインダー13を構成する樹脂組成物に光拡散剤14を混合することで光拡散層用塗工液を製造する工程と、この光拡散層用塗工液を基材層2の表面に塗工することで光拡散層12を積層する工程とからなる。
【0055】
当該光拡散シート11によれば、光拡散層12の光拡散剤14によって透過光線を拡散させる機能を奏するため、光拡散剤14の配合量等を調整することで、容易に光拡散性能を制御することができる。また、スティッキング防止層4の微細凹凸6によって裏面側に配設させる導光板等とのスティッキングが防止されることから、導光板等の表面への傷付き、スティッキング防止層のフラット部による光の干渉模様の発生等の不都合を防止することができる。
【0056】
従って、図3(a)に示すようなランプ21、導光板22、光拡散シート23及びプリズムシート24を備え、ランプ21から発せられる光線を分散させて表面側に導く液晶表示装置用のバックライトユニット20において、光拡散シート23として上記光拡散シート1、11を用いると、当該光拡散シート1、11の上記傷付き防止性によって、組立作業が容易になり、導光板22等の傷付きによる輝度ムラの発生を防止することができる。また、当該光拡散シート1、11の高い光線透過率及びムラのない光拡散性によって輝度及び品質を向上させることができる。
【0057】
なお、本発明の光拡散シートは上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、光拡散層のみを紫外線硬化型樹脂組成物の収縮及び硬化により形成し、スティッキング防止層を備えない光拡散シートも可能であり、光拡散剤の界面での反射による光線透過率の低下防止、光拡散剤による傷付き防止等の効果を奏することができる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきものではないことはもちろんである。
【0059】
[実施例1]
厚さ100μmの透明ポリエステル製の基材層の表面に、紫外線硬化型樹脂組成物((株)セイコーアドバンスの「TJNメジュームL」)をスクリーン印刷により塗工し、この紫外線硬化型樹脂組成物に短波長紫外線を照射し、さらに長波長紫外線を照射することで、光拡散層の平均厚さが20μmの実施例1の光拡散シートを得た。
【0060】
[実施例2]
光拡散層の平均厚さを12.5μmとした以外は上記実施例1と同様にして実施例2の光拡散シートを得た。
【0061】
[特性の評価]
上記実施例1及び実施例2の光拡散シートを用い、表面粗さ(Ra)(Rz)及びヘイズ値を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
上記表1に示すように、実施例1及び実施例2の光拡散シートは、液晶表示装置のバックライトユニットに装備される光学シートとして要求される光拡散性を備えている。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光拡散シートによれば、光拡散層又はスティッキング防止層が積層面への傷付き防止効果、各層の機能の均一性促進効果及び光線透過率の向上効果を奏する。従って、かかる光拡散シートを用いたバックライトユニットは、光拡散シート等の傷付きによる輝度ムラがなく、高品質なものとなり、さらに組立作業が容易になる。
【0065】
また、光拡散層又はスティッキング防止層に用いられる紫外線硬化型樹脂組成物が1液無溶剤タイプであるため、配合、エージング等の工程が省略され、製造工程の簡略化を促進することができる。特に、紫外線硬化型樹脂組成物の塗工に巻き取り多色スクリーン印刷機を用いると、製造工程の簡略化をさらに促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る光拡散シートを示す模式的断面図である。
【図2】図2は、図1とは異なる形態の光拡散シートを示す模式的断面図である。
【図3】図3(a)は一般的なエッジライト型バックライトユニットを示す模式的斜視図、図3(b)は一般的な光拡散シートを示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1・・・光拡散シート
2・・・基材層
3・・・光拡散層
4・・・スティッキング防止層
5・・・微細凹凸
6・・・微細凹凸
11・・・光拡散シート
12・・・光拡散層
13・・・バインダー
14・・・光拡散剤
20・・・バックライトユニット
21・・・ランプ
22・・・導光板
23・・・光拡散シート
24・・・プリズムシート
24a・・・プリズム部
20・・・上記バックライトユニット
26・・・基材層
27・・・光拡散層
28・・・スティッキング防止層
29・・・バインダー
30・・・光拡散剤
31・・・バインダー
32・・・ビーズ
Claims (8)
- 液晶表示装置用バックライトユニットに用いられる光拡散シートであって、
透明な基材層と、この基材層の表面に積層される光拡散層と、基材層の裏面に積層されるスティッキング防止層とを備えており、
この光拡散層及びスティッキング防止層が紫外線硬化型樹脂組成物を収縮及び硬化させることで微細凹凸を有するよう形成され、
光拡散層の表面中心平均粗さ(Ra)が0.5μm以上20μm以下であり、
スティッキング防止層の表面中心平均粗さ(Ra)が10μm以下であり、
ヘイズ値が10%以上95%以下であることを特徴とする光拡散シート。 - 上記紫外線硬化型樹脂組成物が、ウレタンアクリレートと、アクリレート系反応性希釈剤と、400nm以上の波長光に対するモル吸光係数が100(l・mol−1・cm−1)未満の光開始剤とを含み、
このウレタンアクリレートが、脂環族イソシアネート化合物と、エステル系ポリオールと、水酸基を有するアクリレート化合物とを必須成分として製造されている請求項1に記載の光拡散シート。 - 上記エステル系ポリオールとして、水酸基数が3官能以上のポリカプロラクトンが用いられている請求項2に記載の光拡散シート。
- 上記アクリレート系反応性希釈剤として、テトラヒドロフルフリル基を有するものが用いられている請求項2又は3に記載の光拡散シート。
- ランプから発せられる光線を分散させて表面側に導く液晶表示装置用のバックライトユニットにおいて、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光拡散シートを備えていることを特徴とする液晶表示装置用のバックライトユニット。
- 紫外線硬化型樹脂組成物を基材層の表面に塗工する工程と、紫外線硬化型樹脂組成物に紫外線を照射して収縮及び硬化させる工程とから、微細凹凸を有し、表面中心平均粗さ(Ra)が10μm以下のスティッキング防止層を形成し、
紫外線硬化型樹脂組成物を基材層の裏面に塗工する工程と、紫外線硬化型樹脂組成物に紫外線を照射して収縮及び硬化させる工程とから、微細凹凸を有し、表面中心平均粗さ(Ra)が0.1μm以上20μm以下の光拡散層を形成し、
ヘイズ値が10%以上95%以下である液晶表示装置用バックライトユニットに用いられる光拡散シートの製造方法。 - 上記紫外線硬化型樹脂組成物を収縮及び硬化させる手段として、300nm以下の波長に最大発光強度を有する短波長紫外線の照射を行う請求項6に記載の光拡散シートの製造方法。
- 上記紫外線硬化型樹脂組成物を収縮及び硬化させる手段として、上記短波長紫外線の照射を行い、さらに300nmより大きい波長に最大発光強度を有する長波長紫外線の照射を行う請求項7に記載の光拡散シートの製造方法。
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