JP4994652B2 - チャージポンプ回路、lcdドライバic、電子機器 - Google Patents

チャージポンプ回路、lcdドライバic、電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、入力電圧を昇圧することで所望の出力電圧を生成するチャージポンプ回路、並びに、これを備えたLCDドライバIC及び電子機器に関するものである。
図7は、チャージポンプ回路の一従来例を示す回路図である。なお、本図(a)は、正昇圧型(2倍昇圧)のチャージポンプ回路を示しており、本図(b)は、負昇圧型(−1倍昇圧)のチャージポンプ回路を示している。
図7(a)、(b)に示したチャージポンプ回路100、200は、いずれも、スイッチ101〜104、201〜204を所定のタイミングで周期的にオン/オフすることにより、入力電圧Vinから所望の出力電圧Voutを生成する構成とされている。
チャージポンプ回路100の正昇圧動作について、より具体的に説明する。
まず、スイッチ101、104がオンとされ、スイッチ102、103がオフとされると、第1コンデンサ105の一端(A点)には入力電圧Vinが印加され、他端(B点)には接地電圧GNDが印加される。従って、第1コンデンサ105は、両端電位差がほぼ入力電圧Vinになるまで充電される。
第1コンデンサ105の充電が完了された後、今度はトランジスタ101、104がオフとされ、スイッチ102、103がオンとされる。このようなスイッチ制御により、B点は、接地電圧GNDから入力電圧Vinに引き上げられる。ここで、第1コンデンサ105の両端間には、先の充電によって入力電圧Vinに等しい電位差が与えられているため、B点の電位が入力電圧Vinまで引き上げられると、それに伴って、A点の電位も2Vin(入力電圧Vin+充電電圧Vin)まで引き上げられる。
このとき、A点は、スイッチ102及び第2コンデンサ106を介して、接地端子に接続されるため、第2コンデンサ106は、その両端電位差がほぼ2Vinになるまで充電される。その結果、出力電圧Voutとしては、入力電圧Vinを2倍に正昇圧した正昇圧電圧2Vinが引き出される。
次に、チャージポンプ回路200の負昇圧動作について、より具体的に説明する。
まず、スイッチ201、203がオンとされ、スイッチ202、204がオフとされると、第1コンデンサ205の一端(C点)には入力電圧Vinが印加され、他端(D点)には接地電圧GNDが印加される。従って、第1コンデンサ205は、両端電位差がほぼ入力電圧Vinになるまで充電される。
第1コンデンサ205の充電が完了された後、今度はトランジスタ201、203がオフとされ、スイッチ202、204がオンとされる。このようなスイッチ制御により、C点は、入力電圧Vinから接地電圧GNDに引き下げられる。ここで、第1コンデンサ205の両端間には、先の充電によって入力電圧Vinに等しい電位差が与えられているため、C点の電位が接地電圧GNDまで引き下げられると、それに伴って、D点の電位も−Vin(接地電圧GND−充電電圧Vin)まで引き下げられる。
このとき、D点は、スイッチ202を介して出力端子と導通状態にあるので、第2コンデンサ206の電荷が第1コンデンサ205へと移動する。その結果、出力電圧Voutとしては、入力電圧Vinを等倍に負昇圧した負昇圧電圧−Vinが引き出される。
なお、従来より、その駆動に際して正負の内部電圧を必要とするアプリケーション(例えば、液晶ディスプレイドライバやフラッシュメモリ)の多くは、正負の内部電圧を生成する手段として、上記のような正昇圧型チャージポンプ回路と負昇圧型チャージポンプ回路の双方を備えて成る構成とされていた(例えば、特許文献1を参照)。
また、本願発明に関連するその他の従来技術としては、寄生トランジスタのラッチアップを防止する半導体集積回路装置(特許文献2を参照)や、ポンプセルを構成するトランジスタのバックゲートと入力ノードとの間に補助容量を接続することで、バックゲート効果によるポンプ効率の低下をなくすとともに、ラッチアップやチャージ漏れを防止するチャージポンプ回路(特許文献3を参照)が開示・提案されている。
また、例えば、特許文献4〜5では、チャージポンプ回路の立上がり特性を改善する技術に関して、種々の開示・提案がなされている。
特開平7−231647号公報 特開平6−216323号公報 特開2000−173288号公報 特開2004−208142号公報 特開平7−322606号公報
確かに、上記の従来構成から成るチャージポンプ回路100、200であれば、入力電圧Vinを正昇圧或いは負昇圧することで所望の出力電圧Vout(2Vin或いは−Vin)を生成することが可能である。
しかしながら、上記の従来構成から成るチャージポンプ回路100、200では、1つの回路で正負一方の昇圧電圧しか得ることができないため、正負両方の昇圧電圧が必要な場合には、先述した特許文献1の従来技術のように、正昇圧型チャージポンプ回路と負昇圧型チャージポンプ回路の双方を備えなければならず、外付けのコンデンサ数の増加などに伴い、装置規模の縮小が阻害されるとともに、コストの上昇が招かれていた。
また、上記の従来構成から成る負昇圧型のチャージポンプ回路200では、そのスイッチ201〜204として電界効果トランジスタを用いた場合、負電圧が印加されるトランジスタの寄生ダイオードが誤動作を生じて、各トランジスタのバックゲート電圧(基板電圧)を十分に引き下げることができなくなり、延いては、所望の出力電圧Voutを生成することができなくなる、というおそれがあった。
また、上記の従来構成から成るチャージポンプ回路100、200では、スイッチ101〜104、201〜204として用いられる電界効果トランジスタの電流供給能力を適宜調整することで、その立上げ特性(立上げ時間)が決定されていた。そのため、ユーザが任意にその立上げ特性を調整することはできなかった。
本発明は、上記の問題点に鑑み、出力電圧を所望値まで確実に負昇圧することが可能なチャージポンプ回路、並びに、これを備えたLCDドライバIC及び電子機器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成すべく、本発明に係るチャージポンプ回路は、周期的にその充電と放電が繰り返される昇圧コンデンサと;前記昇圧コンデンサを充電する際、前記昇圧コンデンサの一端を入力電圧印加端に導通させ、他端を接地端に導通させる充電手段と;負電圧を出力する際、前記昇圧コンデンサの一端を前記接地端に導通させ、他端を負電圧出力端に導通させる放電手段と;前記負電圧出力端に接続された出力コンデンサと;を有して成り、前記負電圧出力端から負の電圧出力を行うチャージポンプ回路であって、前記充電手段の一要素として前記昇圧コンデンサの他端と前記接地端との接続線路をオン/オフする電界効果トランジスタを有して成り、かつ、前記電界効果トランジスタのバックゲートと前記接地端との間には、前記昇圧コンデンサを充電する際、当該接続線路をオンとし、それ以外のときには、当該接続線路をオフとする第1スイッチが接続されて成る構成(第1の構成)とされている。
なお、上記第1の構成から成るチャージポンプ回路は、前記電界効果トランジスタのソース及びドレインのうち、前記昇圧コンデンサ側の一端には、前記負電圧出力端から負電圧出力を行う際、当該一端への接続線路をオフとし、それ以外のときには、当該一端への接続線路をオンとする第2スイッチが接続されて成る構成(第2の構成)にするとよい。
また、本発明に係るLCDドライバICは、液晶ディスプレイの駆動制御を行うLCDドライバICであって、前記液晶ディスプレイの駆動電圧を生成する手段として、上記第1または第2の構成から成るチャージポンプ回路を備えて成る構成(第3の構成)とされている。
また、本発明に係る電子機器は、機器の表示手段である液晶ディスプレイと、前記液晶ディスプレイの駆動制御を行うLCDドライバICと、を有して成る電子機器であって、前記LCDドライバICとして、上記第3の構成から成るLCDドライバICを備えて成る構成(第4の構成)とされている。
本発明に係るチャージポンプ回路であれば、出力電圧を所望値まで確実に負昇圧することが可能となり、延いては、これを備えたLCDドライバICや電子機器を正常に駆動させることが可能となる。
以下では、ディジタル(スチル/ビデオ)カメラのLCD[Liquid Crystal Display]ドライバICに搭載され、直流入力電圧を変換して、ゲート制御部やソース制御部の駆動電圧を生成するDC/DCコンバータに本発明を適用した場合を例に挙げて説明を行う。
図1は、本発明に係るディジタルカメラの一実施形態(特にLCDドライバICの電源系部分)を示すブロック図である。本図に示す通り、本実施形態のディジタルカメラは、機器電源である直流電源10と、機器の表示手段であるTFT[Thin Film Transistor]液晶ディスプレイ20(以下、LCD20と呼ぶ)と、LCD20の駆動制御を行うLCDドライバIC30と、を有して成る。
なお、本図には明示されていないが、本実施形態のディジタルカメラは、上記した構成要素のほか、その本質的機能(撮像機能など)を実現する手段として、CCD[Charge Coupled Devices]型やCMOS[Complementary Metal Oxide Semiconductor]型の撮像素子、光学レンズなどの結像部、操作部、メモリ部など、を当然に有して成る。
直流電源10は、装置各部への電力供給手段であり、リチウムイオンバッテリなどの2次電池であってもよいし、商用交流電圧から直流電圧を生成するAC/DCコンバータであってもよい。
LCD20は、垂直方向と水平方向にソース信号線とゲート信号線を複数張り巡らし、両信号線の交点毎に設けられた液晶画素を各々に対応したアクティブ素子(電界効果トランジスタ)のオン/オフに応じて駆動する構成とされている。
LCDドライバIC30は、DC/DCコンバータ31と、ゲート制御部32と、ソース制御部33と、を有して成る。
DC/DCコンバータ31は、直流電源10からの電源電圧VDD(+3[V])を変換することで、様々な内部電圧(VDD2、Vref、VR、VS、VGH、VGL)を生成する手段である。なお、内部電圧VDD2は、電源電圧VDDを2倍昇圧して得られる電圧(+6[V])であり、リファレンス電圧Vrefは、周囲温度に依らないバンドギャップ補償電圧である。また、内部電圧VR、VSは、リファレンス電圧Vrefに基づいて生成される一定電圧(+3.36[V]、+5[V])であり、前者は、ゲート制御部32の駆動電圧VGH、VGLを生成する際に基準電圧として用いられ、後者は、ソース制御部33の駆動電圧VSとしてソース制御部33に供給される。
ゲート制御部32及びソース制御部33は、IC外部からの映像信号に基づいて、LCD30のゲート信号及びソース信号を各々生成し、LCD30に対して各信号を供給する手段である。
なお、ゲート制御部32では、LCD30のゲート信号を生成するに際して、正の駆動電圧VGH(例えば+9[V])と負の駆動電圧VGL(例えば−6[V])を必要とする。そのため、本実施形態のDC/DCコンバータ31では、ゲート制御部32の駆動電圧VGH、VGLを生成する手段として、単一の入力電圧VDDから正負の出力電圧VGH、VGLを生成することが可能な正負昇圧型のチャージポンプ回路が用いられている。
図2は、DC/DCコンバータ31に搭載されるチャージポンプ回路31aの一構成例を示す回路図である。
本図に示す通り、本実施形態のチャージポンプ回路31aは、スイッチSW1a〜SW1bと、スイッチSW2a〜SW2cと、スイッチSW3a〜SW3bと、スイッチSW4a〜SW4bと、スイッチSW5a〜SW5bと、昇圧コンデンサCc1〜Cc2と、出力コンデンサCo1〜Co2と、を有して成り、上記の各スイッチを所定のタイミングで周期的にオン/オフすることにより、内部電圧VRから所望の出力電圧VGH、VGLを生成する構成とされている。
なお、本実施形態のチャージポンプ回路31aにおいて、スイッチSW1a、スイッチSW2a〜2b、及び、スイッチSW3a〜SW3bとしては、Pチャネル型電界効果トランジスタが用いられており、スイッチSW1b、スイッチSW2c、スイッチSW4a〜SW4b、スイッチSW5a〜SW5bとしては、Nチャネル型電界効果トランジスタが用いられている。
そこで、チャージポンプ回路31aの内部構成について、回路要素間の接続関係を説明するに際しては、スイッチSW1a〜SW1c、スイッチSW2a〜SW2c、スイッチSW3a〜SW3b、スイッチSW4a〜SW4b、及び、スイッチSW5a〜SW5bのことを、それぞれ、トランジスタSW1a〜SW1c、トランジスタSW2a〜SW2c、トランジスタSW3a〜SW3b、トランジスタSW4a〜SW4b、及び、トランジスタSW5a〜SW5bと呼ぶことにする。
トランジスタSW1aのドレインは、内部電圧VRの印加端に接続されている。トランジスタSW1aのソースは、外部端子T1aに接続されている。トランジスタSW1aのバックゲートは、自身のソースに接続されている。
トランジスタSW1bのドレインは、外部端子T1bに接続されている。トランジスタSW1bのソースは接地されている。トランジスタSW1bのバックゲートは、自身のソースに接続されている。
トランジスタSW2aのドレインは、外部端子T1aに接続されている。トランジスタSW2aのソースは、外部端子T2aに接続されている。トランジスタSW2aのバックゲートは、自身のソースに接続されている。なお、トランジスタSW2aは、高耐圧仕様とされている。
トランジスタSW2bのソースは、内部電圧VRの印加端に接続されている。トランジスタSW2bのドレインは、外部端子T1bに接続されている。トランジスタSW2bのバックゲートは、自身のソースに接続されている。
トランジスタSW2cのドレインは、トランジスタSW3bのドレインとトランジスタSW5bのソースに接続されている。トランジスタSW2cのソースは接地されている。トランジスタSW2cのバックゲートは、トランジスタSW5aを介して、自身のソースに接続されている。
トランジスタSW3aのドレインは、外部端子T2aに接続されている。トランジスタSW3aのソースは、外部端子T3に接続されている。トランジスタSW3aのバックゲートは、自身のソースに接続されている。なお、トランジスタSW3aは、高耐圧仕様とされている。
トランジスタSW3bのソースは、内部電圧VRの印加端に接続されている。トランジスタSW3bのバックゲートは、自身のソースに接続されている。
トランジスタSW4aのドレインは、外部端子T2bに接続されている。トランジスタSW4aのソースは、外部端子T4に接続されている。トランジスタSW4aのバックゲートは、自身のソースに接続されている。なお、トランジスタSW4aは、高耐圧仕様とされている。
トランジスタSW4bのドレインは、外部端子T2aに接続されている。トランジスタSW4bのソースは接地されている。トランジスタSW4bのバックゲートは、外部端子T4に接続されている。なお、トランジスタSW4bは、高耐圧仕様とされている。
トランジスタSW5aのソースは、トランジスタSW2cのバックゲートに接続されており、トランジスタSW5aのドレインは、トランジスタSW2cのソースに接続されている。トランジスタSW5aのバックゲートは、自身のソースに接続されている。
トランジスタSW5bのドレインは、外部端子T2bに接続されている。トランジスタSW5bのバックゲートは、外部端子T4に接続されている。なお、トランジスタSW5bは、高耐圧仕様とされている。
外部端子T1aと外部端子T1bとの間には、昇圧コンデンサCc1が外部接続されている。
外部端子T2aと外部端子T2bとの間には、昇圧コンデンサCc2が外部接続されている。
外部端子T3は、正昇圧電圧VGHの出力端に相当し、出力コンデンサCo1を介して接地される一方、ゲート制御部32の正電圧入力端(不図示)にも接続されている。
外部端子T4は、負昇圧電圧VGLの出力端に相当し、出力コンデンサCo2を介して接地される一方、ゲート制御部32の負電圧入力端(不図示)にも接続されている。
なお、上記の各トランジスタには、各々寄生ダイオードが付随する。特に、トランジスタSW2cには、バックゲートがアノードとなり、ソースがカソードとなる寄生ダイオードD1が付随している。
上記から分かるように、トランジスタSW1aは、内部電圧VRの印加端とコンデンサCc1の一端との接続線路をオン/オフするスイッチである。トランジスタSW1bは、コンデンサCc1の他端と接地端との接続線路をオン/オフするスイッチである。
トランジスタSW2aは、コンデンサCc1の一端とコンデンサCc2の一端との接続線路をオン/オフするスイッチである。トランジスタSW2bは、コンデンサCc1の他端と内部電圧VRの印加端との接続線路をオン/オフするスイッチである。また、トランジスタSW2cは、コンデンサCc2の他端と接地端との接続線路をオン/オフするスイッチである。
トランジスタSW3aは、コンデンサCc2の一端と外部端子T3(正電圧出力端子)との接続線路をオン/オフするスイッチである。トランジスタSW3bは、コンデンサCc2の他端と内部電圧VRの印加端との接続線路をオン/オフするスイッチである。
トランジスタSW4aは、コンデンサCc2の他端と外部端子T4(負電圧出力端子)との接続線路をオン/オフするスイッチである。トランジスタSW4bは、コンデンサCc2の一端と接地端との接続線路をオン/オフするスイッチである。
トランジスタSW5aは、トランジスタ2cのバックゲートとソースとの接続線路をオン/オフするスイッチである。トランジスタSW5bは、トランジスタSW2cのドレインと、コンデンサCc2の他端及びトランジスタSW4aのドレインとの接続線路をオン/オフするスイッチである。
なお、上記したトランジスタSW1a〜SW1b、トランジスタSW2a〜2c、トランジスタSW3a〜SW3b、トランジスタSW4a〜SW4b、及び、トランジスタSW5a〜SW5bの各ゲートには、それぞれ、不図示の制御回路からゲート制御信号が印加されている。
上記構成から成るチャージポンプ回路31aの正負電圧出力動作について、図3を参照しながら具体的に説明する。
図3は、各トランジスタに印加されるゲート制御信号(各スイッチのオン/オフ信号)の一波形例を示すタイミングチャートである。なお、各ゲート信号のハイレベル電位及びローレベル電位は、本図の右端に各々示した通りである。
チャージポンプ回路31aの起動後、まず期間t1では、スイッチSW1a〜SW1bがオンとされ、スイッチSW2a〜SW2cがオフとされる。このようなスイッチ制御によって、コンデンサCc1の一端(外部端子T1a)には内部電圧VRが印加され、他端(外部端子T1b)には接地電圧GNDが印加される。従って、コンデンサCc1は、両端電位差がほぼ内部電圧VRになるまで充電される。すなわち、期間t1は、コンデンサCc1のチャージ期間に相当する。
なお、期間t1において、上記以外のスイッチSW3a〜SW3b、スイッチSW4a〜SW4b、及び、スイッチSW5a〜SW5bは、それぞれ、外部端子T4から負の出力電圧VGLを出力する際のオン/オフ状態(図3で各々示されているオン/オフ状態)とされる。ただし、チャージポンプ回路31aの起動直後には、コンデンサCc2に電荷が蓄積されていないため、負電圧VGLが出力されることはない。
コンデンサCc1の充電が完了された後、期間t2では、スイッチSW1a〜SW1bがオフとされ、スイッチSW2a〜SW2c、及び、スイッチSW5a〜5bがオンとされる。一方、スイッチSW3a〜SW3b、及び、スイッチSW4a〜SW4bはオフとされる。
このスイッチ制御により、コンデンサCc1の他端(外部端子T1b)は、スイッチSW2bを介して内部電圧VRの印加端に接続される形となり、その電位は、接地電圧GNDから内部電圧VRに引き上げられる。ここで、コンデンサCc1の両端間には、先の充電によって内部電圧VRに等しい電位差が与えられているため、外部端子T1bの電位が内部電圧VRまで引き上げられると、それに伴って外部端子T1aの電位も2VR(内部電圧VR+充電電圧VR)まで引き上げられる。このとき、外部端子T1aは、スイッチSW2a、コンデンサCc2、スイッチSW5b、及び、スイッチSW2cを介して、接地端に接続される形となるため、コンデンサCc2は、その両端電位差がほぼ2VRになるまで充電される。すなわち、期間t2はコンデンサCc2のチャージ期間に相当する。
コンデンサCc2の充電が完了された後、期間t3では、再びスイッチSW1a〜SW1bがオンとされ、スイッチSW2a〜SW2cがオフとされる。このようなスイッチ制御により、コンデンサCc1は、先述の期間t1と同様、両端電位差がほぼ内部電圧VRになるまで充電される。
また、期間t3では、スイッチSW3a〜SW3b、及び、スイッチSW5bがオンとされ、スイッチSW4a〜SW4b、及び、スイッチSW5aがオフとされる。このようなスイッチ制御により、コンデンサCc2の他端(外部端子T2b)は、スイッチSW5b及びスイッチSW3bを介して内部電圧VRの印加端に接続される形となり、その電位は、接地電圧GNDから内部電圧VRに引き上げられる。ここで、コンデンサCc2の両端間には、先の充電によって電位差2VRが与えられているため、外部端子T2bの電位が内部電圧VRまで引き上げられると、それに伴って外部端子T2aの電位は3VR(内部電圧VR+充電電圧2VR)まで引き上げられる。このとき、外部端子T2aは、スイッチSW3a及びコンデンサCo1を介して接地端に接続されているため、コンデンサCo1は、その両端電位差がほぼ3Vinになるまで充電される。その結果、外部端子T3からは、出力電圧VGHとして、内部電圧VRを3倍に正昇圧した正昇圧電圧3VRが引き出されることになる。
すなわち、期間t3は、コンデンサCc1のチャージ期間に相当するとともに、出力電圧VGH(正昇圧電圧3VR)の出力期間にも相当する。
期間t3に亘って出力電圧VGHが引き出された後、期間t4では、再びスイッチSW1a〜SW1bがオフとされ、スイッチSW2a〜SW2c、及び、スイッチSW5a〜SW5bがオンとされる。一方、スイッチSW3a〜SW3b、及び、スイッチSW4a〜SW4bはオフとされる。従って、コンデンサCc2は、先述の期間t2と同様、その両端電位差がほぼ2VRになるまで充電される。すなわち、期間t4は、コンデンサCc2のチャージ期間に相当する。
コンデンサCc2の充電が完了された後、期間t5では、再びスイッチSW1a〜SW1bがオンとされ、スイッチSW2a〜SW2cがオフとされる。このようなスイッチ制御により、コンデンサCc1は、先述の期間t1と同様、両端電位差がほぼ内部電圧VRになるまで充電される。
また、期間t5では、スイッチSW4a〜SW4bがオンとされ、スイッチSW3a〜SW3b、及び、スイッチSW5a〜SW5bがオフとされる。このようなスイッチ制御により、コンデンサCc2の一端(外部端子T2a)は、スイッチSW4bを介して接地端に接続される形となり、その電位は、接地電圧GNDに引き下げられる。ここで、コンデンサCc2の両端間には、先の充電によって電位差2VRが与えられているため、外部端子T2aの電位が接地電圧GNDまで引き下げられると、それに伴って、外部端子T2bの電位は、−2VR(接地電圧GND−充電電圧2VR)まで引き下げられる。このとき、外部端子T2bは、スイッチSW4aを介して外部端子T4と導通状態にあるため、コンデンサCo2の電荷がコンデンサCc2へと移動する。その結果、外部端子T4からは、出力電圧VGLとして、内部電圧VRを2倍に負昇圧した負昇圧電圧−2VRが引き出されることになる。
すなわち、期間t5は、コンデンサCc1のチャージ期間に相当するとともに、出力電圧VGL(負昇圧電圧−2VR)の出力期間にも相当する。
以後のスイッチ制御も、コンデンサCc2の充電が完了される毎に、出力電圧VGH、VGLの出力期間を交互に繰り返す形となり、出力端子T3、T4からは、正負の出力電圧VGH、VGLが引き出される。
このように、本実施形態のチャージポンプ回路31aは、周期的にその充電と放電が繰り返される昇圧コンデンサ(本実施形態のように、複数の昇圧コンデンサCc1〜Cc2を用いて多段昇圧を行う場合には、特に、最終段の昇圧コンデンサCc2を指す)と;昇圧コンデンサCc2を充電する際に、昇圧コンデンサCc2の一端(T2a)を昇圧コンデンサCc1経由で内部電圧VRの印加端に導通させ、他端(T2b)を接地端に導通させる充電手段(スイッチSW2a〜SW2b)と;正の出力電圧VGHを出力する際に、昇圧コンデンサCc2の一端(T2a)を正電圧出力端(T3)に導通させ、他端(T2b)を内部電圧VRの印加端に導通させる第1放電手段(スイッチSW3a〜SW3b)と;負の出力電圧VGLを出力する際に、昇圧コンデンサCc2の一端(T2a)を接地端に導通させ、他端(T2b)を負電圧出力端T4に導通させる第2放電手段(スイッチSW4a〜SW4b)と;正電圧出力端T3に接続された第1出力コンデンサCo1と;負電圧出力端T4に接続された第2出力コンデンサCo2と;を有して成り、昇圧コンデンサCc2の充電が完了される毎に、第1、第2放電手段による正負電圧VGH、VGLの出力を交互に繰り返す構成とされている。
このような構成とすることにより、正昇圧型チャージポンプ回路と負昇圧型チャージポンプ回路の双方を備えた構成に比べて、装置規模の拡大(外付けコンデンサ数の増大)を抑えつつ、正負両方の出力電圧VGH(3VR)、VGL(−2VR)を生成することが可能となり、延いては、これを備えたLCDドライバIC30やディジタルカメラの小型化、軽薄化に貢献することが可能となる。
なお、本実施形態のチャージポンプ回路31aでは、正負電圧VGH、VGLの出力が交互に繰り返されるため、毎回同一極性の出力電圧を生成する場合に比べると、多少リップルが大きくなるおそれはある。しかしながら、当該正負電圧VGH、VGLは、ゲート制御部32でゲート信号を生成する際に用いられるため、多少リップルが大きくなってもゲート信号の論理(ハイレベル/ローレベル)に影響が及ぶおそれは殆どない。
また、上記では、各ゲート信号の論理変遷タイミングが一致されている場合を例示して説明を行ったが、図3はあくまで説明を容易とするための描写に過ぎず、一般的には、入力電圧印加端や出力電圧引出端のグランドショート等を回避すべく、図4に示すように、各ゲート信号同士は、互いの論理変遷タイミングが不一致とされていることが多い。
次に、スイッチSW5a〜SW5bの機能(負電圧出力時の寄生動作回避機能)について、図1〜図4のほか、図5を参照しながら詳細に説明する。
図5は、チャージポンプ回路31aの縦構造を示す断面図である。なお、図5(a)では、スイッチSW5a〜SW5bを設けた場合を示しており、図5(b)では、スイッチSW5a〜SW5bを設けなかった場合を参考までに示している。
一般に、スイッチSW4a〜SW4bとして、Nチャネル型電界効果トランジスタを用いる場合には、そのバックゲート電位をチャネル電位よりも低電位とする必要がある。そこで、本実施形態のチャージポンプ回路31aでは、図5(a)、(b)に示すように、P型半導体基板が負電圧引出端(外部端子T4)に接続されており、経路i1を介して電流を引き抜くことで、スイッチSW4a〜SW4bのバックゲート電位(すなわち、基板電位)を出力電圧VGL(−2VR)まで引き下げる構成とされている。
ところで、チャージポンプ回路31aを形成するに際し、昇圧コンデンサCc2の他端(外部端子T2b)を接地端と負電圧出力端のいずれか一に接続するだけであれば、図5(b)に示すように、外部端子T2bと接地端との間、並びに、外部端子T2bと負電圧出力端との間に、スイッチSW2c、SW4aをそれぞれ設けるだけで足りる。
しかしながら、図5(b)の構成を採用した場合には、出力電圧VGLの出力に際してスイッチSW2cに付随する寄生ダイオードD1が順バイアス状態となり、経路i2を介して接地端から電流が引き抜かれる形となってしまう。
このように、P型半導体基板からではなく、意図しない接地端から電流が引き抜かれると、スイッチSW4a〜SW4bのバックゲート電位を引き下げることができなくなり、延いては、出力電圧VGLを所望値まで負昇圧することができなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態のチャージポンプ回路31aでは、先述の経路i2を遮断すべく、スイッチSW2cのバックゲートと接地端との間に、スイッチSW5aが接続されるとともに、スイッチSW2cのドレインと昇圧コンデンサCc2の他端及びスイッチSW4aのドレインとの間に、スイッチSW5bが接続されている。
なお、スイッチSW5aは、昇圧コンデンサCc2を充電する際にのみ、スイッチSW2cのバックゲートと接地端との接続線路をオンとし、それ以外のときには、当該接続線路をオフとするように制御される。
一方、スイッチSW5bは、負の出力電圧VGLを出力する際にのみ、スイッチSW2cのドレインに繋がる接続線路をオフとし、それ以外のときには、当該接続線路をオンとするように制御される。
このようなスイッチSW5a、SW5bを設けたことにより、出力電圧VGLの出力に際してスイッチSW2cに付随する寄生ダイオードD1が順バイアス状態になったとしても、経路i2はスイッチSW5a、SW5bにより確実に遮断されるため、接地端から意図しない電流が引き抜かれることはない。
従って、本実施形態のチャージポンプ回路31aであれば、経路i1を介してP型半導体基板から確実に電流を引き抜くことができるので、スイッチSW4a〜SW4bのバックゲート電位(すなわち、基板電位)を十分に引き下げることが可能となり、延いては、出力電圧VGLを所望値(−2VR)まで確実に負昇圧することが可能となる。
次に、チャージポンプ回路31aにおける立上げ特性(立上げ時間)の可変制御について、図6を参照しながら詳細に説明する。
図6は、昇圧コンデンサCc2の充電期間と出力電圧VGH、VGLの各出力期間との相対関係を示す図である。
本図に示すように、本実施形態のチャージポンプ回路31aにおいて、各スイッチのゲート信号を生成する不図示の制御回路は、所定の制御信号に応じて、昇圧コンデンサCc2の充電期間(t2、t4、…)と、出力電圧VGHの出力期間(t3、…)及び出力電圧VGLの出力期間(t1、t5、…)と、の相対比を可変制御する構成とされている。
例えば、本図(a)に示したように、昇圧コンデンサCc2の充電期間と出力電圧VGH、VGLの各出力期間とが一致されている場合に比べて、本図(b)に示したように、前者の期間よりも後者の期間を短くすると、出力電圧VGH、VGLの立ち上がりを緩やかにすることができる。また、本図には明示していないが、出力電圧VGH、VGLの各出力期間相互についても、同様の可変制御を行うことが考えられる。
このような可変制御を行い得る構成とすることにより、各スイッチとして用いられる電界効果トランジスタの電流供給能力を適宜調整して立上げ特性を決定していた構成と異なり、所定の制御信号に応じて、ユーザの任意に立上げ特性を調整することが可能となる。従って、立上げ速度の向上を重視するユーザの要望だけでなく、安定性の向上を重視するユーザの要望にも適切に応えることが可能となる。
特に、本実施形態のチャージポンプ回路31aのように、正負電圧VGH、VGLの出力を交互に繰り返す構成では、立上げ特性の安定性を高めることが重要になるため、昇圧コンデンサCc2の充電期間よりも出力電圧VGH、VGLの各出力期間を短く設定することで、出力電圧VGH、VGLの立ち上がりを緩やかにするとよい。
なお、上記の実施形態では、出力電圧VGH、VGLとして、各々、3VRと−2VRを引き出す構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、昇圧段数の増減や出力電圧引出端の位置変更といった若干の回路変更により、上記の実施形態とは異なる昇圧倍率(2倍の正昇圧と等倍の負昇圧、或いは、4倍の正昇圧と3倍の負昇圧など)のチャージポンプ回路にも広く適用することが可能である。
また、負電圧出力時の寄生動作を回避するためにスイッチSW5a、SW5bを配設した構成については、負昇圧出力のみを行うチャージポンプ回路にも当然に適用が可能であり、昇圧コンデンサの充電期間と昇圧電圧の出力期間との相対比を可変制御する構成については、正昇圧出力と負昇圧出力のいずれか一方のみを行うチャージポンプ回路にも当然に適用が可能である。
また、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
本発明は、チャージポンプ回路の負昇圧動作の確実性を高める上で有用な技術である。
は、本発明に係るディジタルカメラの一実施形態を示すブロック図である。 は、チャージポンプ回路31aの一構成例を示す回路図である。 は、各トランジスタに印加されるゲート制御信号の一波形例を示すタイミングチャートである。 は、各トランジスタに印加されるゲート制御信号の別の波形例を示すタイミングチャートである。 は、チャージポンプ回路31aの縦構造を示す断面図である。 は、昇圧コンデンサCc2の充電期間と出力電圧VGH、VGLの各出力期間との相対関係を示す図である。 は、チャージポンプ回路の一従来例を示す回路図である。
符号の説明
10 直流電源
30 TFT液晶ディスプレイ(LCD)
30 LCDドライバIC
31 DC/DCコンバータ
31a 正負昇圧型チャージポンプ回路
32 ゲート制御部
33 ソース制御部
SW1a スイッチ(Pチャネル型電界効果トランジスタ)
SW1b スイッチ(Nチャネル型電界効果トランジスタ)
SW2a スイッチ(Pチャネル型電界効果トランジスタ)
SW2b スイッチ(Pチャネル型電界効果トランジスタ)
SW2c スイッチ(Nチャネル型電界効果トランジスタ)
SW3a スイッチ(Pチャネル型電界効果トランジスタ)
SW3b スイッチ(Nチャネル型電界効果トランジスタ)
SW4a スイッチ(Nチャネル型電界効果トランジスタ)
SW4b スイッチ(Nチャネル型電界効果トランジスタ)
SW5a スイッチ(Nチャネル型電界効果トランジスタ)
SW5b スイッチ(Nチャネル型電界効果トランジスタ)
Cc1〜Cc2 昇圧コンデンサ
Co1〜Co2 出力コンデンサ
T1a〜T1b、T2a〜T2b、T3、T4 外部端子

Claims (3)

  1. 周期的にその充電と放電が繰り返される昇圧コンデンサと;
    前記昇圧コンデンサを充電する際、前記昇圧コンデンサの一端を入力電圧印加端に導通させる第1スイッチと;
    前記昇圧コンデンサを充電する際、前記昇圧コンデンサの他端を接地端に導通させる接地手段と;
    負電圧を出力する際、前記昇圧コンデンサの一端を前記接地端に導通させる第2スイッチと;
    前記負電圧を出力する際、前記昇圧コンデンサの他端を負電圧出力端に導通させる第3スイッチと;
    前記負電圧出力端に接続された出力コンデンサと;
    を有して成り、
    前記負電圧出力端から負の電圧出力を行うチャージポンプ回路であって、
    前記接地手段の一要素として前記昇圧コンデンサの他端と前記接地端との接続線路をオン/オフする電界効果トランジスタを有して成り、かつ、
    前記電界効果トランジスタのバックゲートと前記接地端との間には、前記昇圧コンデンサを充電する際、当該接続線路をオンとし、それ以外のときには、当該接続線路をオフとする第スイッチが接続されており、
    前記電界効果トランジスタのソース及びドレインのうち、前記昇圧コンデンサ側の一端には、前記負電圧出力端から負の電圧出力を行う際、当該一端への接続線路をオフとし、それ以外のときには、当該一端への接続線路をオンとする第5スイッチが接続されていることを特徴とするチャージポンプ回路。
  2. 液晶ディスプレイの駆動制御を行うLCDドライバICであって、前記液晶ディスプレイの駆動電圧を生成する手段として、請求項1のチャージポンプ回路を備えて成ることを特徴とするLCDドライバIC。
  3. 機器の表示手段である液晶ディスプレイと、前記液晶ディスプレイの駆動制御を行うLCDドライバICと、を有して成る電子機器であって、前記LCDドライバICとして、請求項2に記載のLCDドライバICを備えて成ることを特徴とする電子機器。
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