JP4994212B2 - 駆動力分配伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入力された駆動力を分配して出力可能な自動車等の駆動力分配伝達装置に関する。
従来、入力された駆動力を分配して出力可能な自動車等の駆動力分配伝達装置として、例えば、特許文献1,2に記載されたように二つの調節クラッチを備えた差動装置が知られている。
この差動装置は、入力された駆動力を異なる軸線上に配置された2つのギヤの一例であるハイポイド・ギヤの噛み合いによりギヤ出力部材に伝達し、このギヤ出力部材から二つの調節クラッチの締結調節により駆動力を分配出力する構造となっている。
この差動装置が、例えば4輪駆動車の2次駆動ラインに取り付けられ、二つの調節クラッチによる駆動力の出力調整によりエンジンからの駆動力を左右車輪へ分配出力できるようになっている。
さらに、特許文献1に記載の構造では、一対のギヤに入力された駆動力が筒状駆動部材の両端部から出力軸を介して左右の車輪にクラッチの調整によってそれぞれ伝達出力される。また、クラッチへの潤滑は、キャリヤ(中央ハウジング及び一対のベル状ハウジングからなる)内に封入されたオイルを、スクープですくい上げ、筒状駆動部材の中央室から出力軸の内部に形成された通路を介して供給循環させるようにして行っている。
特許文献2に記載の構造では、一対のクラッチが、一対のギヤが収容されたギヤ・キャリヤ空間と異なるクラッチ・キャリヤ空間に収容され、クラッチへの潤滑は、出力軸に取付けられたスクープから内部に形成された通路などを介して循環供給させるようにして行っている。
しかし、特許文献1,2の駆動力分配伝達装置は、以下の課題を有する。
左右一対のクラッチへの潤滑オイルの供給は、キャリヤ内に封入されたオイルをスクープなどの取り込み手段によってすくい上げた後、通路を介して行われるものであり、車両が走行状態のときは、オイルがキャリヤ内で流動するため、左右均等にかつ十分に取り込むことが困難となる。
このように左右に常時均等なオイルを供給できない場合には、左右のクラッチの締結状態が不安定となり、所望の駆動力伝達特性が得られなくなる。
また、これらの構造において、重要な課題がさらに2点ある。
1点目は、オイルの取り込み手段の機能を向上させてクラッチの潤滑(及び冷却)状態を向上させるには、オイル量を増大させるか、取り込み手段自体の形状及び取り込み手段周辺の形状をオイルの取り込みに効果的な形状に設定する必要がある。
しかし、オイル量を増大させた場合には、装置の重量が増大すると共に、オイルの粘性による回転部材の回転抵抗が増大して、最終的には燃費の悪化を招くことになる。また、オイルの取り込みに効果的な形状に設定する場合には、装置の複雑化とコスト上昇を招くことになる。
2点目は、装置に組み付けられた左右のクラッチの潤滑状態が異なると、締結特性が組付け時に対して変化してしまうので、制御ユニットによるクラッチの締結調整指令に対して、駆動力出力特性が大幅に異なることになる。そして、左右輪に接続される装置に所望の駆動力出力特性が得られないと、車両の旋回特性に悪影響を与えてしまうことになる。
特開平9−328021号公報 特開平10−281267号公報
解決しようとする問題点は、車両が走行状態のときは、潤滑オイルがキャリヤ内で流動するために、左右均等にかつ十分に取り込むことが困難となり、且つ重量の増大及びコスト上昇を招き、さらに制御特性に応じた左右への駆動力出力特性が得られない点である。
本発明は、オイルを左右均等にかつ十分に取り込むことが可能となり、且つ重量の軽減及びコスト低減を可能とし、さらに制御特性に応じた左右への駆動力出力特性を得るため、駆動力が入力されると共に入力ギヤが設けられたギヤ入力回転部材と、前記入力ギヤと噛合う出力ギヤが設けられ駆動力を出力するギヤ出力回転部材と、前記ギヤ入力回転部材及び前記ギヤ出力回転部材を収容支持するキャリヤと、前記ギヤ出力回転部材の両端側に各々連結され左右の車軸に駆動力を分配して伝達可能な一対のクラッチ出力調整機構部とを備えた駆動力分配伝達装置において、前記一対のクラッチ出力調整機構部は、前記ギヤ出力回転部材と一体回転可能に連結するクラッチ入力回転部材と、該クラッチ入力回転部材に同心的に回転自在に第1と第2の支持部材)を介して支持されると共に中空状に形成され前記車軸が一体回転可能に連結されるクラッチ出力回転部材と、前記クラッチ入出力回転部材間に配置される摩擦多板クラッチと、該摩擦多板クラッチの締結力を操作するアクチュエータと、前記クラッチ入出力回転部材によって区画され前記摩擦多板クラッチが収容されるクラッチ収容空間を封止するシール部材と、前記クラッチ収容空間に収容され前記摩擦多板クラッチを潤滑する潤滑オイルとからな前記ギヤ出力回転部材は、両端部を各々のベアリングによって前記キャリヤに回転自在に支持されると共に、内周側にインナー・スプラインを備えた中空状に形成され、前記クラッチ入力部材は、結合シャフト部と、該結合シャフト部に一体に結合されたクラッチ・ハウジング部を備え、前記クラッチ・ハウジング部は、前記ベアリングより軸方向外側に位置して、一端及び他端の両隔壁部と、該一端及び他端の両隔壁部に連結して前記摩擦クラッチを内周側に収容する円筒部を備え、前記結合シャフト部は、前記一端の隔壁部に前記摩擦多板クラッチに対して軸方向反対側に延設され、外周に前記インナー・スプラインと連結するスプラインが形成され、前記第1の支持部材は、前記ギヤ出力回転部材の端部より軸方向外側に位置して前記一端の隔壁部の内周側に配置され、前記第2の支持部材は、前記摩擦多板クラッチより軸方向外側に位置して前記車軸が挿入される前記クラッチ出力回転部材に形成された中空状のクラッチ出力中空軸部の外周に配置されたことを最も主要な特徴とする。
本発明は、駆動力が入力されると共に入力ギヤが設けられたギヤ入力回転部材と、前記入力ギヤと噛合う出力ギヤが設けられ駆動力を出力するギヤ出力回転部材と、前記ギヤ入力回転部材及び前記ギヤ出力回転部材を収容支持するキャリヤと、前記ギヤ出力回転部材の両端側に各々連結され左右の車軸に駆動力を分配して伝達可能な一対のクラッチ出力調整機構部とを備えた駆動力分配伝達装置において、前記一対のクラッチ出力調整機構部は、前記ギヤ出力回転部材と一体回転可能に連結するクラッチ入力回転部材と、該クラッチ入力回転部材に同心的に回転自在に第1と第2の支持部材を介して支持されると共に中空状に形成され前記車軸が一体回転可能に連結されるクラッチ出力回転部材と、前記クラッチ入出力回転部材間に配置される摩擦多板クラッチと、該摩擦多板クラッチの締結力を操作するアクチュエータと、前記クラッチ入出力回転部材によって区画され前記摩擦多板クラッチが収容されるクラッチ収容空間を封止するシール部材と、前記クラッチ収容空間に収容され前記摩擦多板クラッチを潤滑する潤滑オイルとからな前記ギヤ出力回転部材は、両端部を各々のベアリングによって前記キャリヤに回転自在に支持されると共に、内周側にインナー・スプラインを備えた中空状に形成され、前記クラッチ入力部材は、結合シャフト部と、該結合シャフト部に一体に結合されたクラッチ・ハウジング部を備え、前記クラッチ・ハウジング部は、前記ベアリングより軸方向外側に位置して、一端及び他端の両隔壁部と、該一端及び他端の両隔壁部に連結して前記摩擦クラッチを内周側に収容する円筒部を備え、前記結合シャフト部は、前記一端の隔壁部に前記摩擦多板クラッチに対して軸方向反対側に延設され、外周に前記インナー・スプラインと連結するスプラインが形成され、前記第1の支持部材は、前記ギヤ出力回転部材の端部より軸方向外側に位置して前記一端の隔壁部の内周側に配置され、前記第2の支持部材は、前記摩擦多板クラッチより軸方向外側に位置して前記車軸が挿入される前記クラッチ出力回転部材に形成された中空状のクラッチ出力中空軸部の外周に配置された
従って、クラッチ出力調整機構部をキャリヤ内に封入されたオイルにて潤滑することがないので、キャリヤの形状が複雑化することがなく、また従来技術のような複雑な取り込み手段を設けることがなく、左右のクラッチを同等且つ適切に潤滑することができる。
また、それぞれのクラッチ出力調整機構部において必要なオイル量が少量で済むので、装置重量を低減することができる。
さらに、両クラッチ調整機構部の潤滑(及び冷却)機能がいずれも同等に安定して行われることにより、摩擦多板クラッチの締結特性が組付け時と変わることがないか少ないので、左右の車輪の駆動力分配制御が適切に行われ易く、車両の旋回姿勢制御を的確に行うことが容易となる。
その上、装置全体を組付ける前に、一対のクラッチ出力調整機構部は各々を単体のサブアッセンブリィ状態で組み立てて性能測定することができるので、個々のクラッチ出力調整機構部の特性を測定した結果において、同等のクラッチ特性を持つ2つのクラッチ出力調整機構部を一対として組合せて全体装置に組付けることもでき、製品歩留まりを向上させることができる。
オイルを左右均等にかつ十分に取り込むことが可能となり、且つ重量の軽減及びコスト低減を可能とし、さらに制御特性に応じた左右への駆動力出力特性を得るという目的を、一対のクラッチ出力調整機構部の潤滑オイル封入構造により実現した。
[4輪駆動車]
図1は、本発明の実施例1に係り、駆動力分配伝達装置の配置を示し、横置きフロントエンジン、フロントドライブベース(FFベース)の四輪駆動車のスケルトン平面図である。
図1のように、駆動力分配伝達装置1は、後輪車軸3,5間に介設されている。駆動力分配伝達装置1の入力側には、ユニバーサル・ジョイント7を介してプロペラ・シャフト9が連動結合され、前記後輪車軸3,5は、駆動力分配伝達装置1の出力側に連動結合されている。
後輪車軸3,5には、左右の後輪11,13が連動結合され、プロペラ・シャフト9には、ユニバーサル・ジョイント15を介して、トランスファ17の出力軸19が結合されている。
出力軸19の直交ギヤ21は、伝動軸23の直交ギヤ25に噛み合っている。伝動軸23のヘリカル・ギヤ27は、ヘリカル・ギヤ29に噛み合っている。ヘリカル・ギヤ29は、中空伝動軸35に設けられ、この中空伝動軸35は、フロント・デファレンシャル装置31のデフ・ケース33に一体回転するように連結して設けられている。
フロント・デファレンシャル装置31のリング・ギヤ36には、エンジン37から電動モータ39、トランスミッション41を介して駆動力が入力されるようになっている。フロント・デファレンシャル装置31には、左右の前輪車軸45,47を介して、左右の前輪49,51が連動結合されている。
従って、エンジン37から電動モータ39、トランスミッション41を介してフロント・デファレンシャル装置31のリング・ギヤ36に駆動力が入力される。リング・ギヤ36から、一方では、前輪車軸45,47を介して左右の前輪49,51へ駆動力伝達が行われ、他方では、デフ・ケース33、中空伝動軸35、ヘリカル・ギヤ29,27、伝動軸23、直交ギヤ25,21を介して出力軸19へ駆動力伝達が行われる。
出力軸19からは、ユニバーサル・ジョイント15、プロペラ・シャフト9、ユニバーサル・ジョイント7を介して駆動力分配伝達装置1へ駆動力が入力される。
従って、駆動力分配伝達装置1が駆動力調整伝達状態であるとき、駆動力分配伝達装置1へ入力された駆動力が駆動力出力調整により左右の後輪車軸3,5を介して左右の後輪11,13へ伝達され、前輪49,51、後輪11,13によって、4輪駆動状態で走行することができる。駆動力分配伝達装置1が、駆動力調整伝達状態にないときには、前輪49,51による2輪駆動状態で走行することができる。
なお、駆動力伝達装置1は、エンジン37や電動モータ39からの駆動力をプロペラシャフト9を介して伝動されるが、エンジン37や電動モータ39とは別の電動モータなどの単独の駆動源と変速機構とを用いてプロペラシャフと9を介さずに駆動させるようにしても良い。
[駆動力分配伝達装置]
駆動力分配伝達装置1の詳細は図2のようになっている。図2は、駆動力分配伝達装置1の横断面図である。
図2のように、駆動力分配伝達装置1は、ギヤ入力回転部材53及びギヤ出力回転部材55と、左右一対のクラッチ出力調整機構部57,59とを備えている。
[ギヤ入出力回転部材]
駆動力が入力されるギヤ入力回転部材53及び駆動力を出力するギヤ出力回転部材55は、キャリヤとしてのギヤ・キャリヤ61に回転自在に支持されている。クラッチ出力調整機構部57,59は、クラッチ・キャリヤ63に支持され、このクラッチ・キャリヤ63は、ギヤ・キャリヤ61に取り付けられている。一対のクラッチ出力調整機構部57,59は、前記ギヤ出力回転部材55の両端側に各々連結され左右の後輪車軸3,5に駆動力を分配して伝達可能とする。
ギヤ・キャリヤ61は、ギヤ・キャリヤ本体62とギヤ・キャリヤカバー64とからなっている。このギヤ・キャリヤ61は、ギヤ入力回転部材53及びギヤ出力回転部材55を収容し回転自在に支持すると共にギヤ室56を形成するものであり、入力側支持筒65及び出力側支持壁67,69を備えている。出力側支持壁67,69は、内周が段付き状に形成され、一方の出力側支持壁67は、ギヤ・キャリヤカバー64に形成され、締結フランジ71及び取付嵌合部73を備えてギヤ・キャリヤ本体62に対し着脱可能に分割構成されている。
取付嵌合部73は、ギヤ・キャリヤ61の取付嵌合口75に嵌合して取り付けられ、締結フランジ71が、ボルト77によりギヤ・キャリヤ本体62の締結結合部79に着脱自在に締結固定されている。取付嵌合部73及び取付嵌合口75間には、オー・リングなどのシール部材81が介設されている。
出力側支持壁67,69の軸方向左右外側には、凹部80,82が設けられている。凹部80,82は、ギヤ室56側へ凹むように形成されている。凹部80,82の外周側には、キャリヤ結合部83,84が出力側支持壁67,69に対し一体に設けられている。キャリヤ結合部83,84は、キャリヤ取付嵌合口86,88を備えている。キャリヤ結合部83,84の内周面90,92は、テーパー状に傾斜形成されている。
入力側支持筒65及び出力側支持壁67,69間には、前記ギヤ室56が密閉状に区画形成され、後述するハイポイド・ギヤ組や支持ベアリングなどを潤滑冷却するオイルが封入されており、ギヤ室56に連通する図示しないドレン孔に、ドレン・プラグが取り付けられ、フィラー・プラグ孔にフィラー・プラグが取り付けられている。
本実施例では、ギヤ入力回転部材53及びギヤ出力回転部材55は、入力ギヤとしてのドライブ・ピニオン・ギヤ91及び出力ギヤとしてのリング・ギヤ93の噛み合いを介して駆動力伝達可能に連動構成されている。ドライブ・ピニオン・ギヤ91及びリング・ギヤ93は、異なる軸線上に配置された2つのギヤであるハイポイド・ギヤ組で構成されている。
なお、異なる軸線上に配置された2つのギヤの例としては、ベベル・ギヤ組、平行ギヤ組、ウォーム・ギヤ組なども含まれ、各ギヤのねじれ角の有無又は度合いは、必要により適宜決定されるものである。
ギヤ入力回転部材53は、中実のドライブ・ピニオン・シャフトであり、前記ドライブ・ピニオン・ギヤ91を一体に備えてギヤ・キャリヤ61の入力側支持筒65に、テーパー・ローラー・ベアリング95,97を介して回転自在に支持されている。ギヤ入力回転部材53には、前記ユニバーサル・ジョイント7への結合フランジ部材99が取り付けられている。結合フランジ部材99の外周面と入力側支持筒65の端部内周面との間には、シール部材101が介設されている。結合フランジ部材99には、シール部材101の外側でダスト・カバー103が取り付けられている。
ギヤ出力回転部材55は、中空軸であり、外周部の中間部に、ギヤ取付フランジ105が設けられ、同両端部に軸支持用の段付き状のセンタリング部107,109が設けられている。ギヤ出力回転部材55には、前記センタリング部107,109の内周側において出力インナー・スプライン111,113を備えた中空状のギヤ出力結合部114,116が設けられている。
ギヤ出力回転部材55は、ギヤ取付フランジ105に前記リング・ギヤ93がボルト115により締結固定され、センタリング部107,109が、ギヤ・キャリヤ61の出力側支持壁67,69にテーパー・ローラー・ベアリング117,119により回転自在に支持されている。
テーパー・ローラー・ベアリング117,119は、出力側支持壁67,69にシム120,122を介してがたつき無く位置決められている。
テーパー・ローラー・ベアリング117,119の軸方向外側において出力側支持壁67,69とギヤ出力回転部材55の両端部との間に、シール部材121,123が介設されている。シール部材121,123は、前記凹部80,82の内周側に位置している。
ギヤ室56は、シール部材81,101,121,123によりギヤ・キャリヤ61内に密閉状に区画され、内部に潤滑オイルとしてギヤ・オイルが封入されている。ギヤ・オイルは、クラッチ出力調整機構部57,59の潤滑オイルとは種類が異なっており、相対的に粘度の高いものが使用されている。
[クラッチ出力調整機構部]
左右一対のクラッチ出力調整機構部57,59は、左右対称構造に形成されている。このクラッチ出力調整機構部57,59は、前記ギヤ出力回転部材55の両端部に結合され摩擦多板クラッチの締結により駆動力出力調整を行う。
図3は、クラッチ出力調整機構部59の拡大断面図である。
以下、図3によりクラッチ出力調整機構部59について説明し、クラッチ出力調整機構部57については対応する構成部分に同符号を付し、重複説明を省略する。
クラッチ出力調整機構部59は、クラッチ・キャリヤ63に内包され、クラッチ入出力回転部材135,137とクラッチ収容空間125内に収容された摩擦多板クラッチであるメイン・クラッチ139とアクチュエータである電磁石207とシール部材である閉止プラグ167及びシール部材251,255とクラッチ収容空間125内に収容された潤滑オイルとを備えている。
クラッチ出力調整機構部59が内包されているクラッチ・キャリヤ63は、ギヤ・キャリヤ61に取り付けられ、前記クラッチ収容空間125の周囲に、前記ギヤ・キャリヤ61とギヤ出力回転部材55とクラッチ・キャリヤ63とクラッチ出力回転部材137との間で密閉状に区画形成された包囲空間243が設けられている。
前記包囲空間243には、前記クラッチ収容空間125を冷却するための冷媒、例えば一般的なクーラント液、オイル、空気などの冷却用気体等が収容されている。
クラッチ・キャリヤ63は、軸方向の内端部(図3左端部)にキャリヤ取付嵌合部127とキャリヤ締結フランジ129とを備え、外端部(図3右端部)に内径側に突出した軸支持部130を備えている。
クラッチ・キャリヤ63の内周面132は、軸方向外端側へテーパー状に傾斜形成され、跳ね上げられた潤滑オイルを軸方向外端側方向へ移動ガイドするようになっている。
キャリヤ取付嵌合部127は、ギヤ・キャリヤ61のキャリヤ取付嵌合口88(86)に嵌合して取り付けられ、キャリヤ締結フランジ129が、ボルト131によりギヤ・キャリヤ61のキャリヤ結合部84(83)に着脱自在に締結固定されている。キャリヤ取付嵌合部127及びキャリヤ取付嵌合口88(86)間には、オー・リングなどのシール部材133が介設されている。
前記クラッチ収容空間125は、クラッチ入出力回転部材135,137によって区画され前記閉止プラグ167及びシール部材251,255により閉止されている。
このクラッチ収容空間125には、前記ギヤ室56のギヤ・オイルよりも粘度が低く、且つ冬場など低温時でも柔らかい異なる種類の前記潤滑オイルとしてクラッチ・オイルが封入されている。但し、クラッチ収容空間125にもギヤ・オイルと同様な潤滑オイルを封入することもできる。
前記クラッチ出力調整機構部59は、前記クラッチ入力回転部材135及びクラッチ出力回転部材137間に前記メイン・クラッチ139が配置されたものである。
前記クラッチ入力回転部材135は、ギヤ出力回転部材55へ一体回転可能に連結されるものであり、結合シャフト部141の端部にクラッチ・ハウジング部143が一体に結合されたものである。
前記クラッチ・ハウジング部143は、一端及び他端の両隔壁部であるハウジング縦壁部151及びロータ205と、該ハウジング縦壁部151及びロータ205を連結して前駆メイン・クラッチ139を内周側に収容する円筒部としてのハウジング周壁部150とを備えている。ハウジング縦壁部151には、段付き状の軸連繋支持部147が設けられている。
前記結合シャフト部141は、クラッチ入力回転部材135の一端の隔壁部であるハウジング縦壁部151に、前記メイン・クラッチ139に対し軸方向反対側に延設されている。この結合シャフト部141の一端部外周には、クラッチ入力スプライン145が設けられている。結合シャフト部141は、前記ギヤ出力回転部材55のギヤ出力結合部116(114)に軸方向に挿入され、クラッチ入力スプライン145がギヤ出力結合部116(114)の出力インナー・スプライン111,113にスプライン連結されている。
従って、ギヤ出力回転部材55及びクラッチ入力回転部材135の結合を行う出力インナー・スプライン113(111)及びクラッチ入力スプライン145をテーパー・ローラー・ベアリング119(117)の内周側に配置することができ、径方向のスペースを有効に活用し、軸方向のコンパクト化を図ることができる。
軸連繋支持部147の内周側には、ボール・ベアリング161の外周で軸方向に貫通する油溝147aが設けられている。また、ハウジング縦壁部151には、オイル注入孔245が形成され、スチール・ボール247で閉止されている。クラッチ収容空間125内への潤滑オイルの注入は、オイル注入孔245から行われている。
クラッチ・ハウジング部143のハウジング周壁部150には、クラッチ・インナー・スプライン149が形成され、他端に前記ロータ205が螺合結合され、ナット249により緩み止めが行われている。クラッチ・ハウジング部143とロータ205との間には、クラッチ収容空間125を密閉状とするための前記シール部材251が介設されている。しかし、クラッチ・ハウジング部143とロータ205との間には、熔接や接着などの他の固定手段を用いることもできる。
前記クラッチ入力回転部材135の一端である結合シャフト部141は、前記ギヤ出力回転部材55及びテーパー・ローラー・ベアリング119を介してギヤ・キャリヤ61の出力側支持壁69に支持されると共に他端であるロータ205は、ボール・ベアリング179及び電磁石207のコア221を介して前記クラッチ・キャリヤ63の支持部130に支持されている。電磁石207のコア221とクラッチ・キャリヤ63の支持部130との軸方向間には、隙間調整部材であるシム182が介設されている。
前記クラッチ出力回転部材137は、クラッチ入力回転部材135に軸方向移動が規制され且つクラッチ入力回転部材135に同心的に回転自在に支持されて前記後輪車軸5(3)が一体回転可能に連結されるものである。
このクラッチ出力回転部材137は、前記クラッチ入力回転部材135のハウジング縦壁部151及びロータ205のそれぞれの内周側で前記クラッチ収容空間125内に配置された後述する支持部材を介して支持されると共に前記クラッチ収容空間125外に設けられて前記後輪車軸5(3)を挿入連結する中空状のクラッチ出力結合部166が形成されたものである。
クラッチ出力回転部材137は、中空状に形成され、クラッチ出力中空軸部155及びクラッチ・ハブ157が一体に形成されたものであり、軸方向の両側にセンタリング部161,163が段付き状に備えられている。
クラッチ出力中空軸部155側のセンタリング部163側内周には、クラッチ出力結合部166の車軸結合インナー・スプライン165が形成されている。このクラッチ出力結合部166側の外端から後輪車軸5(3)を挿入して車軸結合インナー・スプライン165に連動結合させるものである。
クラッチ出力回転部材137のクラッチ・ハブ157には、外周にクラッチ・スプライン169が形成されている。クラッチ出力回転部材137のセンタリング部16側内周には、シール部材である前記閉止プラグ167が取り付けられ、クラッチ収容空間125の密閉状態を維持させる構成となっている。なお、クラッチ・ハブ157における密閉手段としては、別部材の閉止プラグ167に代えて、クラッチ・ハブ157の内周に設ける一体の隔壁にすることもできる。
クラッチ出力回転部材137の一方のセンタリング部161は、支持部材であるボール・ベアリング177を介し、クラッチ入力回転部材135の軸連繋支持部147に回転自在に連繋支持されている。ボール・ベアリング177は、シム178及びスナップ・リング(或いはワッシャ)180により軸連繋支持部147及びセンタリング部161にがたつき無く位置決められている。
かかるクラッチ出力回転部材137の連繋支持により、クラッチ出力回転部材137は、クラッチ入力回転部材135に対し軸方向移動が規制される構成となっている。この軸方向移動の規制を担うセンタリング部161の段付き構造は、外周側に延設される一体形成または別体部材の取り付けによる環状や周上複数形成される突起などにより構成することもできる。
このクラッチ入力回転部材135とクラッチ出力回転部材137とのボール・ベアリング177による連繋支持は、クラッチ・ハウジング部143のハウジング周壁部150内周側で行われる。このため、周方向のスペースを有効に活用して軸方向のコンパクト化を図ることができる。これにより、クラッチ出力回転部材137に結合する後輪車軸3,5の取付角度を減少させることができ、左右車軸のジョイント部の駆動ロス減による発熱抑制やジョイント部の耐久性低下抑制或いは向上を可能とする。
クラッチ出力回転部材137の他方のセンタリング部163は、支持部材であるニードル・ベアリング253を介し、ロータ205の内周に相対回転自在に支持されている。
従って、クラッチ出力回転部材137は、前記クラッチ入力回転部材135のハウジング縦壁部151及びロータ205のそれぞれの内周側で前記クラッチ収容空間125内に配置された支持部材としてのボール・ベアリング177及びニードル・ベアリング253を介して支持された構成となっている。このクラッチ収容空間125内に配置された支持部材としては、銅材や樹脂材等の摺動ブッシュ等を用いることもできる。
前記ニードル・ベアリング253の軸方向外側位置でロータ205及びクラッチ出力中空軸155間に、クラッチ収容空間125を密閉状とするためのXリングなどのシール部材255が介設されている。
従って、前記のように左右一対のクラッチ収容空間125が、クラッチ入力回転部材135とクラッチ出力回転部材137との間にシール部材251,255、閉止プラグ167を介して密閉状に区画形成されている。この密閉状の区画形成には、Xリング、Oリングの他に、リップ・シール、プラグ、ガスケット等を適宜用いることができる。
ボール・ベアリング179の軸方向外側においてクラッチ・キャリヤ63とクラッチ出力回転部材137のクラッチ出力中空軸155との間にシール部材181が介設されている。
前記メイン・クラッチ139は、クラッチ入出力回転部材135,137間に配置されている。このメイン・クラッチ139は、アウター・プレート183及びインナー・プレート185のそれぞれ複数枚からなり、アウター・プレート183にペーパー材を有しないスチールの厚板を用い、インナー・プレート185にペーパー材やカーボン・シートを貼り付けた薄板、カーボン・コーティングの薄板等を用いている。
メイン・クラッチ139の端部は、アウター・プレート183がクラッチ・ハウジング部143のハウジング縦壁部151に当接して受けられる構成となっている。
クラッチ出力調整機構部59は、前記メイン・クラッチ139の他、パイロット・クラッチ193、ボール・カム195、カム・リング197、プレッシャー・プレート199、アーマチャ203、前記ロータ205、パイロット・クラッチ193の操作源である前記電磁石207を備えている。
パイロット・クラッチ193は、クラッチ・ハウジング部143とカム・リング197との間に配置されている。パイロット・クラッチ193のアウター・プレートは、クラッチ・ハウジング部143のクラッチ・インナー・スプライン149にスプライン係合し、同インナー・プレートは、カム・リング197のリング・スプライン209にスプライン係合している。パイロット・クラッチ193のアウター・プレート及びインナー・プレートには、非磁性部となる孔210が形成されている。
カム・リング197は、クラッチ出力中空軸155の外周に相対回転可能に支持され、カム機構であるボール・カム195は、プレッシャー・プレート199とカム・リング197との間に形成されている。カム・リング197とプレッシャー・プレート199とは、ボール・カム195を介して軸方向に対向配置された構成となっている。
プレッシャー・プレート199は、メイン・クラッチ139に隣接して配置されると共に、クラッチ・ハブ157のクラッチ・スプライン169にスプライン係合し、クラッチ・ハブ157に回転係合しつつ軸方向押圧移動可能に設けられている。このプレッシャー・プレート199は、ボール・カム195のカムスラスト力を受けてメイン・クラッチ139側へ押圧移動する。
このプレッシャー・プレート199に対し、メイン・クラッチ139のペーパー材等を貼り付けた薄板のインナー・プレート185が隣接配置されている。
カム・リング197とロータ205との間には、スラスト・ベアリング213が配置されている。スラスト・ベアリング213は、ボール・カム195のカム反力を受けると共に、カム・リング197とロータ205との間の相対回転を吸収する。
ロータ205は、非磁性部215を備えている。
アーマチャ203はリング状に形成されており、プレッシャー・プレート199とパイロット・クラッチ193との間に配置されパイロット・クラッチ193を挟んでロータ205に対向している。このアーマチャ203は、軸方向移動自在に配置され、クラッチ・ハウジング部143のクラッチ・インナー・スプライン149にスプライン係合している。
電磁石207は、メイン・クラッチ139の締結力を操作するものであり、この電磁石207のコア221とロータ205との間には適度なエアギャップが形成されている。このエアギャップ、ロータ205、パイロット・クラッチ193、アーマチャ203によって電磁石207の磁路が構成される。電磁石207を通電制御すると非磁性部215、非磁性部となる孔210の周囲からアーマチャ203に渡る磁束ループが形成される。
このようなクラッチ出力調整機構部59の一側は、前記ハウジング縦壁部151が前記ギヤ出力回転部材55に当接面160により軸方向へ当接し、ギヤ出力回転部材55がテーパー・ローラー・ベアリング117(119)を介してからギヤ・キャリヤ61に位置決められている。クラッチ出力調整機構部59の他側は、前記ロータ205がボール・ベアリング179、電磁石207、シム182を介して前記クラッチ・キャリヤ63に軸方向へ当接して位置決められている。
すなわち、クラッチ・ハウジング部143が、ギヤ・キャリヤ61に対して位置決められて後輪車軸5(3)方向への移動が規制され、クラッチ・ハウジング部143は、クラッチ出力調整機構部59の移動規制部材を構成している。
駆動力伝達装置1側に向いた車軸5からの移動は、車軸5及びクラッチ出力回転部材137間の当接面158とボール・ベアリング177とクラッチ入力回転部材135及びギヤ出力回転部材55間の当接面160とによって規制される。このため、移動に伴う過大な入力を受けた場合も、テーパー・ローラー・ベアリング117(119)からギヤ・キャリヤ61に力を伝達することで支えることができる。
なお、他の支持形態としては、実施例のようにクラッチ・ハウジング部143(具体的には、ロータ205)をボール・ベアリング179及び電磁石207を介してクラッチ・キャリヤ63に支持させる構成の他に、電磁石207のコア221をクラッチ・キャリヤ63に直接固定してコア221とロータ205との間にエアギャップを形成すると共に、クラッチ・ハブ157をボール・ベアリングとシムとを介してクラッチ・キャリヤ63に支持させる形態もあり得る。この場合、ロータ205の形状が簡易化でき、ベアリングも小径にすることができる。
[3室の潤滑空間]
上記のように、ドライブ・ピニオン・ギヤ91及びリング・ギヤ93を、密閉状に区画されたギヤ室56に収容すると共に、メイン・クラッチ139を含むシールド・カップリングとしてのクラッチ出力調整機構部57,59を、密閉状に区画された左右一対の包囲空間243内にそれぞれ収容し、前記ギヤ室56及び左右一対のクラッチ収容空間125の独立の3室の潤滑空間にそれぞれ潤滑オイルを封入した。
独立の3室には、ギヤ・キャリヤ61及びギヤ出力回転部材55間のシール部材123、クラッチ・ハウジング部143及びロータ205間のシール部材251、クラッチ出力回転部材137及びロータ205間のシール部材255、クラッチ入力回転部材135及びクラッチ出力回転部材137間の閉止プラグ167のように、複数のシール部材が介設され、これらシール部材123,251,255,167の介設により独立の3室が密閉状に区画されている。
[クラッチ出力調整機構部のサブ・アッセンブリ]
ギヤ・キャリヤ61側は、出力側支持壁67,69とギヤ出力回転部材55との間のシール部材123の存在により、ギヤ室56にギヤ・オイルを封入して独立させることができる。
これに対し、クラッチ出力調整機構部57,59は、上記構成であり、シールド・カップリングとして図3のようにサブ・アッセンブリすることができる。
アッセンブリの形態について再度説明すると、クラッチ・キャリヤ63は、軸方向の内端部に前記ギヤ・キャリヤ61に取り付けるためのキャリヤ取付嵌合部127及びキャリヤ締結フランジ129を備えると共に、同外端部に内径側に突出した支持部130を備えている。
クラッチ入力回転部材135は、前記ギヤ出力回転部材55への軸方向移動によりスプライン係合を介して着脱自在に連動結合させる結合シャフト部141を備えている。
クラッチ入力回転部材135の軸連繋支持部147に、クラッチ出力回転部材137の一端側がボール・ベアリング177を介して回転自在に連繋支持され、クラッチ出力回転部材137の他端側が、ロータ205にニードル・ベアリング253を介して回転自在に支持される。
電磁石207は、ボール・ベアリング179を介してロータ205に結合され、クラッチ・キャリヤ63にシム182を介設して固定支持される。
サブ・アッセンブリされたクラッチ出力調整機構部57,59は、クラッチ入力回転部材135の結合シャフト部141を、ギヤ出力回転部材55のギヤ出力結合部114,116端部から挿入して出力インナー・スプライン111,113にクラッチ入力スプライン145をスプライン係合させる。
同時に、クラッチ・キャリヤ63のキャリヤ取付嵌合部127をギヤ・キャリヤ61のキャリヤ取付嵌合口86,88にシール部材133を介在させて嵌合させる。
次いで、キャリヤ締結フランジ129を、ボルト131によりギヤ・キャリヤ61のキャリヤ結合部83,84に締結固定し、サブ・アッセンブリしたクラッチ出力調整機構部57,59の組み付けを完了させることができる。
このクラッチ出力調整機構部57,59に対して、後輪車軸3,5をクラッチ出力中空軸155のクラッチ出力結合部166外端部から挿入し、車軸結合インナー・スプライン165にスプライン係合させることになる。
[メイン・クラッチの締結制御]
メイン・クラッチ139の締結制御は、電磁石207の通電制御により行われる。
各種センサーによって検知した路面状態、車両の発進、加速、旋回のような走行条件及び操舵条件などに応じて、コントローラが左右の電磁石207の通電制御を統合して行う。この制御により、左右のクラッチ出力調整機構部57,59の出力トルクがそれぞれ調整される。
電磁石207が励磁されると、アーマチャ203が吸引され、ロータ205との間でパイロット・クラッチ193を締結し、パイロット・トルクを発生させる。パイロット・トルクが発生すると、パイロット・クラッチ193によってクラッチ・ハウジング部143に連結されたカム・リング197が共に回転しようとする。
これに対し、プレッシャー・プレート199は、クラッチ・ハブ157を介し後輪車軸3,5側に係合しているため、カム・リング197及びプレッシャー・プレート199間に相対回転が起こると、ボール・カム195の働きによりカム・リング197及びプレッシャー・プレート199が軸方向へ離間するようにスラスト力を受ける。
このスラスト力は、一方においてスラスト・ベアリング213を介してロータ205に入力され、他方においてプレッシャー・プレート199、メイン・クラッチ139を介してハウジング縦壁部151に入力される。
従って、カムスラスト力はクラッチ・ハウジング部143により受けられ、その結果メイン・クラッチ139がプレッシャー・プレート199及びハウジング縦壁部151間で締結調整される。
電磁石207の通電制御が無くなるとボール・カム195のカムスラスト力が無くなり、メイン・クラッチ139の締結制御が解除される。
[駆動力伝達]
クラッチ出力調整機構部57,59が、電磁石207の通電制御により締結調整されると、プロペラ・シャフト9側からギヤ入力回転部材53に入力された駆動力が、ドライブ・ピニオン・ギヤ91、リング・ギヤ93、ギヤ出力回転部材55を介して左右のクラッチ出力調整機構部57,59のクラッチ入力回転部材135へ入力される。
クラッチ入力回転部材135への入力は、クラッチ・ハウジング部143、メイン・クラッチ139、クラッチ・ハブ157へと伝達され、クラッチ出力回転部材137から出力される。
クラッチ出力調整機構部57,59のクラッチ出力回転部材137から出力された駆動力は、左右後輪車軸3,5を介して後輪11,13へ伝達される。
従って、前後輪49,51,11,13の4輪駆動状態で走行することができる。このとき、走行条件及び操舵条件によりメイン・クラッチ139が締結調整され、左右後輪11,13の適度な差動回転調整から差動ロック、さらには左右別々の伝達トルク調整による車両旋回姿勢の始出まで自由に制御することができる。
このような制御により、ヨー・コントロールなどによる操舵性、走行性、悪路走行での走破性等を向上させることができる。
クラッチ出力調整機構部57,59が駆動力出力状態に無ければ前輪49,51による2輪駆動状態で走行することができる。
駆動力伝達時に、後輪車軸3,5側から軸方向に入力される突き上げ力は、クラッチ出力中空軸155に伝達される。クラッチ出力中空軸155からは、センタリング部161、ボール・ベアリング177、軸連繋支持部147を介してクラッチ入力回転部材135へと伝達され、このクラッチ入力回転部材135からギヤ出力回転部材55に入力される。ギヤ出力回転部材55に入力された突き上げ力は、テーパー・ローラー・ベアリング117,119を介して出力側支持壁67,69に入力され、強度のあるギヤ・キャリヤ61により確実に受けることができる。
[潤滑]
潤滑オイルは、ギヤ室56内の下方でリング・ギヤ93の歯幅方向全体が浸るようなレベルまで、及び左右のクラッチ収容空間125に回転軸心を越えるレベルまで充填されている。
ギヤ室56では、リング・ギヤ93の回転によりギヤ・オイルが跳ね上げられ、ドライブ・ピニオン・ギヤ91及びリング・ギヤ93間の噛合部及びテーパー・ローラー・ベアリング95,97の潤滑が行われる。
クラッチ収容空間125では、クラッチ入出力回転部材135,137間に封入されたクラッチ・オイルにより各部が潤滑される。
メイン・クラッチ139の摺動などによりクラッチ出力調整機構部57,59が発熱したときは、クラッチ収容空間125内のオイルの熱がクラッチ・ハウジング部143を介して包囲空間243内のクーラント液、オイル、空気などの冷却用気体等に逃がされる。クーラント液、オイル、空気などの冷却用気体等に逃がされた熱は、クラッチ・キャリヤ63等を介して外部へ放熱される。
従って、クラッチ出力調整機構部57,59の温度上昇を抑制し、適切なクラッチ出力調整を行わせることができる。
なお、クラッチ出力調整機構部57,59の温度は、例えば、包囲空間内に熱電対などの温度センサーを配置することにより上述した潤滑オイル、気体の温度を測定し、或いはギヤ・キャリヤ61Aやクラッチ・キャリヤ63に配置した温度センサーにより温度を測定することで推定センシングすることが可能である。
パイロット・クラッチ193の操作源は、電磁石に限られるものではなく、油圧シリンダ・ピストン、電動モータなども含まれる。これらの操作源は、クラッチ・キャリヤ63に一体的に固定することでクラッチの締結操作を確実に行うことができる。
[実施例1の効果]
本発明の実施例1は、駆動力が入力されると共にドライブ・ピニオン・ギヤ91が設けられたギヤ入力回転部材53と、前記ドライブ・ピニオン・ギヤ91と噛合うリング・ギヤ93が設けられ駆動力を出力するギヤ出力回転部材55と、前記ギヤ入力回転部材53及び前記ギヤ出力回転部材55を収容支持するギヤ・キャリヤ61と、前記ギヤ出力回転部材55の両端側に各々連結され左右の後輪車軸3,5に駆動力を分配して伝達可能な一対のクラッチ出力調整機構部57,59とを備えた駆動力分配伝達装置1において、前記一対のクラッチ出力調整機構部57,59は、前記ギヤ出力回転部材55と一体回転可能に連結するクラッチ入力回転部材135と、該クラッチ入力回転部材135に軸方向移動が規制され且つクラッチ入力回転部材135に同心的に回転自在に支持されて前記後輪車軸3,5が一体回転可能に連結されるクラッチ出力回転部材137と、前記クラッチ入出力回転部材135,137間に配置されるメイン・クラッチ139と、該メイン・クラッチ139の締結力を操作する電磁石207と、前記クラッチ入出力回転部材135,137によって区画され前記メイン・クラッチ139が収容されるクラッチ収容空間125を封止する閉止プラグ167及びシール部材251,255と、前記クラッチ収容空間125に収容され前記メイン・クラッチ139を潤滑するクラッチ・オイルとからなる。
従って、クラッチ出力調整機構部57,59をギヤ・キャリヤ61内に封入されたギヤ・オイルにて潤滑することがないので、ギヤ・キャリヤ61の形状が複雑化することがなく、また従来技術のような複雑な取り込み手段を設けることがなく、左右のクラッチ139を適切に潤滑することができる。
また、それぞれのクラッチ出力調整機構部57,59において必要なオイル量が少量で済むので、装置重量を低減することができる。
さらに、両クラッチ調整機構部57,59の潤滑(及び冷却)機能がいずれも同等に安定して行われることにより、メイン・クラッチ139の締結特性が組付け時と変わることがないか少ないので、左右の後輪の駆動力分配制御が同等且つ適切に行われ、車両の旋回姿勢制御を的確に行うことができる。
その上、装置1全体を組付ける前に、一対のクラッチ出力調整機構部57,59は各々を単体のサブアッセンブリィ状態で組み立てて性能測定することができるので、個々のクラッチ出力調整機構部57,59の特性を測定した結果で、同等のクラッチ特性を持つ2つのクラッチ出力調整機構部57,59を一対として組合せて全体装置1に組付けることもでき、製品歩留まりを向上させることができる。
前記クラッチ入力回転部材135は、一端及び他端のハウジング縦壁部151及びロータ205と、該ハウジング縦壁部151及びロータ205を連結して前メイン・クラッチ139を内周側に収容するハウジング周壁部150と、前記ハウジング縦壁部151に前記メイン・クラッチ139に対し軸方向反対側に延設され前記ギヤ出力回転部材55に形成された中空状のギヤ出力結合部114,116に軸方向に挿入連結される結合シャフト部141とを備え、前記クラッチ出力回転部材137は、前記クラッチ入力回転部材135の前記ハウジング縦壁部151及びロータ205のそれぞれの内周側で前記クラッチ収容空間125内に配置されたボール・ベアリング177及びニードル・ベアリング253を介して支持されると共に前記クラッチ収容空間125外に設けられて前記後輪車軸3,5を挿入連結する中空状のクラッチ出力結合部166が形成された。
このため、ギヤ出力結合部114,116と結合シャフト部141との連結、クラッチ出力結合部166と後輪車軸3,5との連結とが、共にクラッチ収容空間125の確保に干渉することなく行われ、装置の組み付けが容易である。
前記クラッチ出力調整機構部57,59は、前記後輪車軸3,5方向への移動を規制されるように前記ギヤ・キャリヤ61に支持されるクラッチ・ハウジング143を備えた。
このため、クラッチ出力調整機構部57,59の位置を安定させることができる。
図4,図5は、本発明の実施例2に係り、図4は、駆動力分配伝達装置の横断面図、図5は、クラッチ出力調整機構部の拡大断面図である。なお、基本的な構造は、実施例1と同様であり、同一又は対応する構成部分には、同符号又は同符号にAを付し、重複した説明は省略する。必要な場合は実施例1に付記された符号とその構成形状や機能を参酌する。なお、図1の車両スケルトン図についても同様に参酌する。
本実施例の駆動力分配伝達装置1Aは、左右の包囲空間243Aを連通させたものである。
具体的には、ギヤ・キャリヤ61Aの後端に内外壁61Aa、61Abが閉断面状に設けられ、内外壁61Aa、61Ab間に連通路255を設けて左右の包囲空間243Aを連通させている。連通路255は、外壁61Abに沿って上下に渡り形成されている。
ギヤ・キャリヤ61Aに設けられた左右のクラッチ・キャリヤ63Aを結合するためのキャリヤ結合部84(83)は、外壁61Abに渡るように形成されている。このキャリヤ結合部84(83)に結合するために、クラッチ・キャリヤ63Aには、後方へ拡大した傾斜壁257が形成されている。
従って、本実施例においても、実施例2と同様にメイン・クラッチ139Aの摺動などによりクラッチ出力調整機構部57A,59Aが発熱したときは、クラッチ収容空間125A内のクラッチ・オイルの熱がクラッチ・ハウジング部143Aを介して包囲空間243A内のクーラント液、オイル、空気などの冷却用気体等に逃がされる。
しかも、左右の包囲空間243Aを連通路255により連通させたので、包囲空間243Aを拡大することができ、左右何れかのクラッチ収容空間125Aが昇温した場合にも、冷媒を介し左右のクラッチ収容空間125A間で熱の分散を行わせることができる。
特に、冷媒として代替フロンなどを用いると、昇温したクラッチ収容空間125A側周囲の包囲空間243Aで冷媒が蒸発して熱を奪い、この蒸気が他方の低温側の包囲空間243A側へ連通路255を介して移動し、低温側で凝縮して熱を放出するといったヒート・ポンプ・サイクルを行わせることができ、より確実な冷却を行わせることができる。
クラッチ・キャリヤ63Aの傾斜壁257は、包囲空間243Aを拡大し、冷却効果を高めることができる。
図6,図7は、本発明の実施例3に係り、図6は、駆動力分配伝達装置の横断面図、図7は、クラッチ出力調整機構部の拡大断面図である。なお、基本的な構造は、実施例1と同様であり、同一又は対応する構成部分には、同符号又は同符号にBを付し、重複した説明は省略する。
本実施例の駆動力分配伝達装置1Bは、左右の包囲空間243Bをギヤ室56に連通させたものである。
具体的には、出力側支持壁67,69に、開口259を設けてクラッチ・キャリヤ63B内をギヤ室56に連通させた。
潤滑オイルは、ギヤ室56及び包囲空間243Bと左右のクラッチ収容空間125Bとに回転軸心のレベルまで充填されている。
従って、ギヤ室56内の潤滑オイルをクラッチ入力回転部材135Bのクラッチ・ハウジング部143Bに接触させることができ、左右一対のクラッチ出力調整機構部57B,59Bの冷却を行い、クラッチ特性を安定させることができる。同時に、ギヤ室56内の潤滑オイル自体の昇温を抑制して、潤滑オイルの劣化を防止し、入出力ギヤの噛合部の表面への潤滑オイルの浸透を適正に行うことができる。
[その他]
前記メイン・クラッチ139の締結力を操作するアクチュエータは、クラッチ断続制御するものであれば良く、既存のアクチュエータを用いることができる。
前記クラッチ出力調整機構部57,59は、実施例のようにギヤ・キャリヤ61及びクラッチ・キャリヤ63間に収容又は位置規制されなくともよく、クラッチ出力調整機構部自体が大気側に露出配置されていてもよい。
アクチュエータである電磁石207,207A,207Bは、クラッチ・キャリヤ63のような位置決め部材を設けて固定せずに、例えばギヤ・キャリヤ61に直接固定されてもよい。この場合、電磁石207,207A,207Bの軸方向配置位置は、ギヤ・キャリヤ61とメイン・クラッチ139との間に設定されるのが最も適切である。
前記ギヤ出力回転部材55にクラッチ・ハブを連結し、車軸にクラッチ・ハウジングを連結しても良い。
車軸と駆動力分配伝達装置1との間に等速ジョイントなどの連結機構を介す場合には、クラッチ出力回転部材137とジョイント機構とを一体(一部材、複数部材を一体化するを問わないが)に形成することで、機能部品の軸方向のコンパクト化が可能である。
実施例においては、車軸はクラッチ出力回転部材137の中空のクラッチ出力結合部166に挿入連結されるが、クラッチ出力回転部材137と車軸とを一体に形成することにより、部品点数を削減し、コンパクト化や重量低減に寄与することにもなる。
横置きフロントエンジン、フロントドライブベース(FFベース)の四輪駆動車のスケルトン平面図である(実施例1)。 駆動力分配伝達装置の横断面図である(実施例1)。 クラッチ出力調整機構部の拡大断面図である(実施例1)。 駆動力分配伝達装置の横断面図である(実施例2)。 クラッチ出力調整機構部の拡大断面図である(実施例2)。 駆動力分配伝達装置の横断面図である(実施例3)。 クラッチ出力調整機構部の拡大断面図である(実施例3)。
符号の説明
1,1A,1B 駆動力分配伝達装置
3,5 後輪車軸(車軸)
53 ギヤ入力回転部材
55 ギヤ出力回転部材
56 ギヤ室
57,57A,57B,59,59A,59B クラッチ出力調整機構部
61,61A,61B ギヤ・キャリヤ(キャリヤ)
91 ドライブ・ピニオン・ギヤ(入力ギヤ)
93 リング・ギヤ(出力ギヤ)
125,125A,125B クラッチ収容空間
135,135A,135B クラッチ入力回転部材
137,137A,137B クラッチ出力回転部材
139,139A,139B メイン・クラッチ(摩擦多板クラッチ)
141,141A,141B 結合シャフト部
151,151A,151B ハウジング縦壁部(隔壁部)
155,155A,155B クラッチ出力中空軸(クラッチ出力回転部材)
157,15A,157B クラッチ・ハブ(クラッチ出力回転部材)
161,161A,161B センタリング部
167 閉止プラグ(シール部材)
175,219 スナップ・リング(止め部材)
177 ボール・ベアリング(支持部材)
178 シム
180 スナップ・リング
205,205A,205B ロータ(隔壁部)
207,207A,207B 電磁石(アクチュエータ)
251,255 シール部材
253 ニードル・ベアリング(支持部材)

Claims (2)

  1. 駆動力が入力されると共に入力ギヤが設けられたギヤ入力回転部材と、
    前記入力ギヤと噛合う出力ギヤが設けられ駆動力を出力するギヤ出力回転部材と、
    前記ギヤ入力回転部材及び前記ギヤ出力回転部材を収容支持するキャリヤと、
    前記ギヤ出力回転部材の両端側に各々連結され左右の車軸に駆動力を分配して伝達可能な一対のクラッチ出力調整機構部とを備えた駆動力分配伝達装置において、
    前記一対のクラッチ出力調整機構部は、前記ギヤ出力回転部材と一体回転可能に連結するクラッチ入力回転部材と、該クラッチ入力回転部材に同心的に回転自在に第1と第2の支持部材を介して支持されると共に中空状に形成され前記車軸が一体回転可能に連結されるクラッチ出力回転部材と、前記クラッチ入出力回転部材間に配置される摩擦多板クラッチと、該摩擦多板クラッチの締結力を操作するアクチュエータと、前記クラッチ入出力回転部材によって区画され前記摩擦多板クラッチが収容されるクラッチ収容空間を封止するシール部材と、前記クラッチ収容空間に収容され前記摩擦多板クラッチを潤滑する潤滑オイルとからな
    前記ギヤ出力回転部材は、両端部を各々のベアリングによって前記キャリヤに回転自在に支持されると共に、内周側にインナー・スプラインを備えた中空状に形成され、
    前記クラッチ入力回転部材は、結合シャフト部と、該結合シャフト部に一体に結合されたクラッチ・ハウジング部を備え、
    前記クラッチ・ハウジング部は、前記ベアリングより軸方向外側に位置して、一端及び他端の両隔壁部と、該一端及び他端の両隔壁部に連結して前記摩擦クラッチを内周側に収容する円筒部を備え、
    前記結合シャフト部は、前記一端の隔壁部に前記摩擦多板クラッチに対して軸方向反対側に延設され、外周に前記インナー・スプラインと連結するスプラインが形成され、
    前記第1の支持部材は、前記ギヤ出力回転部材の端部より軸方向外側に位置して前記一端の隔壁部の内周側に配置され、
    前記第2の支持部材は、前記摩擦多板クラッチより軸方向外側に位置して前記車軸が挿入される前記クラッチ出力回転部材に形成された中空状のクラッチ出力中空軸部の外周に配置された、
    ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。
  2. 請求項1記載の駆動力分配伝達装置であって、
    前記クラッチ出力調整機構部は、前記車軸方向への移動を規制されるように前記キャリヤに支持される移動規制部材を備えた、
    を備えたことを特徴とする駆動力分配伝達装置。
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