JP4993875B2 - 凝集ナノ粒子の分散方法 - Google Patents
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Description
このようなナノメートルサイズの微粒子の大きさは、より大きなバルク粒子や、より小さな分子や原子と異なり、その中間に位置する。したがって、従来予想できなかった新たな特性を引き出しうることが指摘されている。しかも、これを単分散にできれば、その特性を安定化することも可能である。このようなナノ粒子のもつ可能性はさまざまな分野で期待され、生化学、新規材料、電子素子、発光表示素子、印刷、医療などの広い分野で研究が盛んになりつつある。
特に、有機化合物からなる有機ナノ粒子は、有機化合物自体が多様性を有するため、機能性材料としてのそのポテンシャルは高い。
インクジェット用インクの色材については、従来、染料が用いられてきたが、耐水性や耐光性の面で問題があり、それを改良するために顔料が用いられるようになってきた。顔料インクにより得られた画像は、染料系のインクによる画像に較べて耐光性、耐水性に優れるという利点を有する。しかしながら、紙表面の空隙に染み込むことが可能なナノメートルサイズで均一に微細化、単分散化することは難しく、紙への密着性に劣るという問題がある。
また、デジタルカメラの高画素化に伴い、CCDセンサーなどの光学素子や表示素子に用いるカラーフィルターの薄層化が望まれている。カラーフィルターには有機顔料が用いられているが、フィルターの厚さは有機顔料の粒子径に大きく依存するため、ナノメートルサイズレベルで、しかも単分散で安定な微粒子の製造が望まれている。
一方、液相法およびレーザーアブレーション法ついては、微粒子が分散液中で調製されるが、十分な分散状態を維持して得ることは難しい。調製したナノ粒子が凝集状態であるとき、粒子を(例えば、一次粒子まで)分散させる必要が生じる。凝集した状態ではナノ粒子の優れた性質が発揮されないからである。また、調製時には分散状態であっても、凝集が進行してしまう場合や、調製したナノ粒子を濃縮、回収する過程において凝集させる場合があり、再分散させなければならない。せっかく所望のナノ粒子を分散液中で調製できたとしても、一次粒子とすることができない、または分散させるために多大なコストを要するのでは実用化につなげることはできない。
その他の分散方法としては、物理的なエネルギーを加えて凝集状態にある粒子を引き離す方法が挙げられる。例えば、非特許文献1に超音波洗浄器により粒子を分散させることが一般的に記載されている。また、特許文献4にはビヒクル中に機能性微粒子を混合分散後、超音波を印加して微粒子の凝集を抑制し安定化する方法が開示されている。しかし、単に一定の周波数の超音波が照射されているにすぎず、さらなる微細分散化の要求に応えることができない。
この他、過酸化水素水などを溶解した水中で、液中の顔料に異なる周波数の超音波を照射する方法が開示されている(特許文献5および6参照)。しかしながらこの方法でも微細分散化の効果が十分でない。
(1)有機顔料を溶解した溶液とその貧溶媒とを用意し、該貧溶媒に前記顔料溶液を徐々に注入することで平均粒径1〜200nmの有機顔料微粒子を含有する分散液を調製し、
該分散液を濃縮して、前記有機顔料微粒子が凝集した凝集ナノ粒子を含む凝集ナノ粒子液として、
該凝集ナノ粒子液に下記周波数の異なる2つ以上の超音波を印加して該ナノ粒子を微細分散化することを特徴とする凝集ナノ粒子の分散方法。
(前記周波数の異なる2つ以上の超音波として、少なくとも、10〜30kHzの超音波を印加し、次いで30〜60kHzの超音波を印加する。)
(2)周波数において異なる2つ以上の超音波を印加する一連の超音波照射を複数回行うことを特徴とする(1)に記載の凝集ナノ粒子の分散方法。
(3)前記凝集ナノ粒子液の液温を5℃以上60℃以下に維持して超音波を印加することを特徴とする(1)又は(2)に記載の凝集ナノ粒子の分散方法。
(4)前記有機顔料分散液の濃縮を、該分散液に含まれる有機顔料微粒子を抽出溶媒に抽出することで行うことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の凝集ナノ粒子の分散方法。
(5)前記抽出溶媒としてエステル系溶媒を使用する(4)に記載の凝集ナノ粒子の分散方法。
(6)前記濃縮の倍率を100〜1000倍程度とすることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の凝集ナノ粒子の分散方法。
(7)前記分散液中の有機顔料微粒子の、体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)との比で表される単分散度(Mv/Mn)が1.0〜2.0であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の凝集ナノ粒子の分散方法。
(8)前記凝集ナノ粒子の平均粒径が20〜2000nmであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の凝集ナノ粒子の分散方法。
C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントレッド122(C.I.番号73915)、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド202(C.I.番号73907)、C.I.ピグメントレッド207(C.I.番号73900、73906)、もしくはC.I.ピグメントレッド209(C.I.番号73905)のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントレッド206(C.I.番号73900/73920)、C.I.ピグメントオレンジ48(C.I.番号73900/73920)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ49(C.I.番号73900/73920)等のキナクリドンキノン系顔料、C.I.ピグメントイエロー147(C.I.番号60645)等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド168(C.I.番号59300)等のアントアントロン系顔料、C.I.ピグメントブラウン25(C.I.番号12510)、C.I.ピグメントバイオレット32(C.I.番号12517)、
C.I.ピグメントイエロー180(C.I.番号21290)、C.I.ピグメントイエロー181(C.I.番号11777) 、C.I.ピグメントオレンジ62(C.I.番号11775)、もしくはC.I.ピグメントレッド185(C.I.番号12516)等のベンズイミダゾロン系顔料、C.I.ピグメントイエロー93(C.I.番号20710)、C.I.ピグメントイエロー94(C.I.番号20038)、C.I.ピグメントイエロー95(C.I.番号20034)、C.I.ピグメントイエロー128(C.I.番号20037)、
C.I.ピグメントイエロー166(C.I.番号20035)、C.I.ピグメントオレンジ34(C.I.番号21115)、C.I.ピグメントオレンジ13(C.I.番号21110)、C.I.ピグメントオレンジ31(C.I.番号20050)、C.I.ピグメントレッド144(C.I.番号20735)、C.I.ピグメントレッド166(C.I.番号20730)、
C.I.ピグメントレッド220(C.I.番号20055)、C.I.ピグメントレッド221(C.I.番号20065)、C.I.ピグメントレッド242(C.I.番号20067)、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド262、もしくはC.I.ピグメントブラウン23(C.I.番号20060)等のジスアゾ縮合系顔料、C.I.ピグメントイエロー13(C.I.番号21100)、C.I.ピグメントイエロー83(C.I.番号21108)、もしくはC.I.ピグメントイエロー188(C.I.番号21094)
等のジスアゾ系顔料、 C.I.ピグメントレッド187(C.I.番号12486)、C.I.ピグメントレッド170(C.I.番号12475)、C.I.ピグメントイエロー74(C.I.番号11714)、C.I.ピグメントレッド48(C.I.番号15865)、C.I.ピグメントレッド53(C.I.番号15585)、C.I.ピグメントオレンジ64(C.I.番号12760)、もしくはC.I.ピグメントレッド247(C.I.番号15915)等のアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー60(C.I.番号69800)等のインダントロン系顔料、C.I.ピグメントグリーン7(C.I.番号74260)、C.I.ピグメントグリーン36(C.I.番号74265)、ピグメントグリーン37(C.I.番号74255)、ピグメントブルー16(C.I.番号74100)、C.I.ピグメントブルー75(C.I.番号74160:2)、もしくは15(C.I.番号74160)等のフタロシアニン系顔料、C.I.ピグメントブルー56(C.I.番号42800)、もしくはC.I.ピグメントブルー61(C.I.番号42765:1)等のトリアリールカルボニウム系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23(C.I.番号51319)、もしくはC.I.ピグメントバイオレット37(C.I.番号51345)等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントレッド177(C.I.番号65300)等のアミノアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド254(C.I.番号56110)、C.I.ピグメントレッド255(C.I.番号561050)、C.I.ピグメントレッド264
、C.I.ピグメントレッド272(C.I.番号561150)、C.I.ピグメントオレンジ71、もしくはC.I.ピグメントオレンジ73等のジケトピロロピロール系顔料、C.I.ピグメントレッド88(C.I.番号73312)等のチオインジゴ系顔料、C.I.ピグメントイエロー139(C.I.番号56298)、C.I.ピグメントオレンジ66(C.I.番号48210)等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109(C.I.番号56284)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ61(C.I.番号11295)等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ40(C.I.番号59700)、もしくはC.I.ピグメントレッド216(C.I.番号59710)等のピラントロン系顔料、またはC.I.ピグメントバイオレット31(60010)等のイソビオラントロン系顔料が挙げられる。
好ましい有機顔料はキナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料、またはアゾ系顔料である。
本発明の凝集ナノ粒子の分散方法において、2種類以上の有機顔料、有機顔料の固溶体、または有機顔料と無機顔料を組み合わせて用いることもできる。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロピルアルコールなどが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、ヘキサンなどが挙げられる。ニトリル系溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。スルホキシド系溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。イオン性溶媒としては、例えば、1−ブチル―3−メチルイミダゾリウムとPF6 −の塩などが挙げられる。
好ましい分散溶媒としては、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒である。分散溶媒は上記の好ましい溶媒による純溶媒であっても、複数の溶媒による混合溶媒であってもよい。
分散溶媒の量はナノ粒子を分散させることができれば特に制約されないが、分散溶媒1000mlに対してナノ粒子が10〜10000mgの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜7000mgの範囲であり、特に好ましくは50〜5000mgの範囲である。分散溶媒が多すぎると濃縮する工程時間がかかるなどの問題が発生し、少なすぎると粒径が大きくなるなどの問題が発生する。
本発明の凝集ナノ粒子の分散方法に用いられる分散剤は、好ましい分散状態が得られるものであれば、特に制限はない。
この他、液相法やレーザーアブレーション法(例えば、特許文献2、3などに開示の方法)などによっても調製することができ、抽出溶媒などにより濃縮抽出した濃縮ナノ粒子液とすることもできる。
本発明の凝集ナノ粒子の分散方法に用いられる液中の凝集ナノ粒子の大きさ(超音波照射前)は、特に制約はされないが、凝集状態の粒径で20〜2000nmが好ましく、20〜1000nmがより好ましく、20〜500nmが特に好ましい。
この濃縮抽出に用いられる抽出溶媒は特に制約されないが、ナノ粒子分散液の分散溶媒(例えば、水系溶媒)と実質的に混じり合わず(本発明において、実質的に混じり合わずとは、相溶性が低いことをいい、溶解量50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい)、混合後、静置すると界面を形成する溶媒であることが好ましい。また、この抽出溶媒は、ナノ粒子が抽出溶媒中で再分散しうる弱い凝集状態、例えば、ミリングまたは高速攪拌などの高いせん断力を加えなくても再分散が可能な凝集状態、を生ずる溶媒であることが好ましい。このような状態であれば、粒子サイズを変化させる強固な凝集を起こさず、目的のナノ粒子を抽出溶媒で湿潤させる一方、フィルターろ過などにより容易に水などの分散溶媒を除去することができる点で好ましい。抽出溶媒として、例えば、エステル系溶媒(酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸ブチルなど)、n−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、エステル系溶媒(酢酸エチル、乳酸エチル、または酢酸ブチルなど)が好ましく、乳酸エチルまたは2−(1−メトキシ)プロピルアセテートがより好ましく、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートが特に好ましい。また、抽出溶媒は上記の好ましい溶媒による純溶媒であっても、複数の溶媒による混合溶媒であってもよい。
抽出溶媒を添加した後、分散液と十分に接触するように攪拌混合することが好ましい。攪拌混合は通常の方法を用いることができる。抽出溶媒を添加し混合するときの温度に特に制約はないが、1〜100℃であることが好ましく、5〜60℃であることがより好ましい。抽出溶媒の添加、混合はそれぞれの工程を好ましく実施できるものであればどのような装置を用いてもよいが、例えば、分液ロート型の装置を用いて実施できる。
とくに、上述の濃縮抽出したナノ粒子液において、速やかなフィルターろ過を可能とする状態では、ナノ粒子は、通常、濃縮化により凝集を起こしている。そのため、通常の分散化方法による再分散化ではナノ粒子化に不十分であり、さらに微細化効率の高い方法が必要となる。このような凝集ナノ粒子(本発明において、凝集ナノ粒子とは、凝集体などナノ粒子が二次的な力で集まっているものをいう。)においても、本発明の凝集ナノ粒子の分散方法によれば、周波数において異なる超音波を順次印加してナノ粒子を好適に微細分散化することができる。順次印加する超音波は、低い周波数から高い周波数へと周波数を上げることが好ましい。
周波数の範囲は、少なくとも、10〜30kHzの超音波を印加し、次いで30〜60kHzの超音波を印加する。また、一連の異なる周波数の超音波照射を複数回繰り返し行ってもよい。異なる周波数の切り替えは、連続的であっても、不連続であってもよい。
超音波照射を複数回行う場合の回数は、分散が完了するまで何回行ってもよいが、2〜100回が好ましく、2〜10回がより好ましい。周波数ごとの超音波の照射時間に制限はないが、10〜1000分が好ましく、10〜600分がより好ましい。本発明の凝集ナノ粒子の分散方法に用いられる超音波照射装置は、10kHz以上の超音波を印加できる機能を有する装置であることが好ましく、例えば、超音波ホモジナイザー、超音波洗浄機などが挙げられる。超音波照射中に液温が上昇すると、ナノ粒子の熱凝集が起こるため(非特許文献1参照)、液温を1〜100℃とすることが好ましく、5〜60℃がより好ましい。温度の制御方法は、分散液温度の制御、分散液を温度制御する温度調整層の温度制御などによって行うことができる。
本発明の凝集ナノ粒子の分散方法により得られるナノ粒子は一次粒子まで分散化されていることが好ましく、粒径は、1〜200nmである。2〜100nmであることがより好ましく、5〜80nmであることが特に好ましい。また、粒子サイズの均一性(粒子が単分散でサイズが揃っている)ことを表す指標として、本発明においては、特に断りのない限り、体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)の比(Mv/Mn)を用いる。本発明のナノ粒子の濃縮方法に用いられるナノ粒子分散液に含まれる粒子(一次粒子)のMv/Mnは、1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.8であることがより好ましく、1.0〜1.5であることが特に好ましい。
固定周波数の照射で得られる分散状態と比較していうと、平均粒径でいえば、好ましくは10〜90%減少させることができ、より好ましくは20〜90%減少させることができる。さらに、粒径分布の点からいえば、Mv/Mnで、好ましくは10〜90%減少させることができ、より好ましくは20〜90%減少させることができる。
粒子の粒径に関しては、計測法により数値化して集団の平均の大きさを表現する方法があるが、よく使用されるものとして、分布の最大値を示すモード径、積分分布曲線の中央値に相当するメジアン径、各種の平均径(長さ平均、面積平均、重量平均等)などがあり、本発明においては、特に断りのない限り、粒径とは数平均径をいう。
顔料(ピグメントレッド122)410mgを1−メチル−2−ピロリドン120mlに溶解した顔料溶液を調製した。これとは別に、貧溶媒として水1000mlを用意した。
調製したナノ顔料分散液(ナノ顔料濃度約0.04質量%)に200mlの2−(1−メトキシ)プロピルアセテートを加えて25℃で500rpmで10分間攪拌後180分間静置することで、ナノ顔料を2−(1−メトキシ)プロピルアセテート相に抽出し、濃縮抽出液とした。
ナノ顔料を抽出した濃縮抽出液を、住友電工ファインポリマ社製FP−100型フィルタを用いて、ろ過することにより、ぺースト状の濃縮顔料液(ナノ顔料濃度約30質量%)を得た。この状態で顔料は凝集状態にあり、粒径103nmであった。
超音波照射iおよび超音波照射iiを、目視で顔料粒子が分散したことが確認できる程度まで、5回繰り返した。超音波照射の間は、試料顔料液が25℃に維持されるよう、ヤマト科学社製クールニクスCTW400により冷却した。得られた試料液中の顔料微粒子は、粒径22nm、Mv/Mn1.39であった。
顔料(ピグメントレッド122)610mg、1mol/l水酸化ナトリウム水溶液10mlを1−メチル−2−ピロリドン120mlに溶解した顔料溶液を調製した。これとは別に、貧溶媒として、1ml/l塩化水素水溶液8mlを含有した超純水
1000mlを調製した。
ここで、1℃に温度コントロールし、藤沢薬品工業社製GK−0222−10型ラモンドスターラーにより500rpmで攪拌した貧溶媒に、顔料溶液を、日本精密化学社製NP−KX−500型大容量無脈流ポンプを用いて流速50ml/minで注入することにより、ナノ顔料分散液を調製した。
調製したナノ顔料分散液(ナノ顔料濃度約 0.06質量%)に200mlの2−(1−メトキシ)プロピルアセテートを加えて25℃で500rpmで10分間攪拌後180分間静置することで、ナノ顔料を2−(1−メトキシ)プロピルアセテート相に抽出し、濃縮抽出液とした
ナノ顔料を抽出した濃縮抽出液を、住友電工ファインポリマ社製FP100型フィルタを用いて、ろ過することにより、ペースト状の濃縮顔料液(ナノ顔料濃度約
30質量%)を得た。この状態で顔料は凝集状態にあり、粒径120nmであった。
超音波照射iiiおよび超音波照射ivを、目視で顔料粒子が分散したことが確認できる程度まで、5回繰り返した。超音波照射の間は、試料顔料液が25℃に維持されるよう、ヤマト科学社製クールニクスCTW400により冷却した。得られた試料液中の顔料微粒子は、粒径25nm、Mv/Mn1.40であった。
これらの結果より、本発明の凝集ナノ粒子の分散方法によれば、短時間で効率よくペースト状態の分散ナノ顔料液とすることが可能であることが分かった。
実施例2に記載の方法で調製した試料顔料液(II)に、20kHzの超音波を10分間照射し、次に40kHzの超音波を10分間照射した。20kHzの超音波の照射はブランソン社製モデル450型超音波ホモジナイザーを用い、40kHzの超音波の照射はホンダ社製W−121型超音波洗浄器を用いた。このとき、試料顔料液はヤマト科学社製クールニクスCTW400により25℃に維持した。超音波の照射量に対する顔料液の光散乱強度の変化を図1に示した。光散乱強度はアジレント(Agilent)社製8453型分光光度計により測定した。
図1に示した結果のとおり、20kHzの超音波の照射で光散乱強度がほとんど下がらなくなった後、40kHzの超音波を照射することによってさらに散乱強度が下がった。このことから、異なる周波数の超音波を印加することで、より微細に顔料粒子を微細分散化することが可能であることがわかった。
試薬 製造元
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ピグメントレッド122(Lionogen Magenta R) 東洋インキ(株)社製
メタノール 和光純薬(株)社製
シクロヘキサノン 和光純薬(株)社製
1−メチル−2−ピロリドン(脱水) 和光純薬(株)社製
2−(1−メトキシ)プロピルアセテート 和光純薬(株)社製
1mol/L 水酸化ナトリウム水溶液 和光純薬(株)社製
1mol/L 塩酸水溶液 和光純薬(株)社製
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Claims (8)
- 有機顔料を溶解した溶液とその貧溶媒とを用意し、該貧溶媒に前記顔料溶液を徐々に注入することで平均粒径1〜200nmの有機顔料微粒子を含有する分散液を調製し、
該分散液を濃縮して、前記有機顔料微粒子が凝集した凝集ナノ粒子を含む凝集ナノ粒子液として、
該凝集ナノ粒子液に下記周波数の異なる2つ以上の超音波を印加して該ナノ粒子を微細分散化することを特徴とする凝集ナノ粒子の分散方法。
(前記周波数の異なる2つ以上の超音波として、少なくとも、10〜30kHzの超音波を印加し、次いで30〜60kHzの超音波を印加する。) - 周波数において異なる2つ以上の超音波を印加する一連の超音波照射を複数回行うことを特徴とする請求項1に記載の凝集ナノ粒子の分散方法。
- 前記凝集ナノ粒子液の液温を5℃以上60℃以下に維持して超音波を印加することを特徴とする請求項1又は2に記載の凝集ナノ粒子の分散方法。
- 前記有機顔料分散液の濃縮を、該分散液に含まれる有機顔料微粒子を抽出溶媒に抽出することで行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の凝集ナノ粒子の分散方法。
- 前記抽出溶媒としてエステル系溶媒を使用する請求項4に記載の凝集ナノ粒子の分散方法。
- 前記濃縮の倍率を100〜1000倍とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の凝集ナノ粒子の分散方法。
- 前記分散液中の有機顔料微粒子の、体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)との比で表される単分散度(Mv/Mn)が1.0〜2.0であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の凝集ナノ粒子の分散方法。
- 前記凝集ナノ粒子の平均粒径が20〜2000nmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の凝集ナノ粒子の分散方法。
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