JP4993453B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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2成分現像方式は、高速現像に非常に適しており、現在の中速や高速出力機の主流方式である。高画質を狙うためには、静電潜像との接触部における現像剤の状態を非常に緻密にする必要がある。そのために、現在はキャリア粒子の小径化が進んでおり、商用レベルでは30μm程度のキャリアも使われ始めている。しかし、高画質化に対する要求は益々高まっており、必要とされる画素のドットサイズ自身が現状のキャリア粒子径と同等もしくはそれよりも小さいことが必要であるために、孤立ドットの再現性という意味では更にキャリア粒子を小さくする必要がある。しかしキャリア径を小さくしていくと、キャリア粒子の透磁率が低下するために、現像ローラからのキャリア離脱が生じやすくなり、離脱したキャリア粒子が潜像担持体に付着した場合には、キャリア付着そのものによる画像欠陥が生じるだけでなく、それを起点として潜像担持体に傷をつけてしまうなど、いろいろな副作用が生じる。このキャリア離脱を防止するために、材料面からキャリア粒子の透磁率を上げる試みや、現像ローラに内包されるマグネットの磁力を強くする試みが進められているが、低コスト化及び高画質化との兼ね合いの中で開発は困難を極めている。また、小型化の煽りを受けて、現像ローラは益々小径化の一途をたどっていることからも、キャリア離脱を完全に抑止できるような強力な磁場構成を有した現像ローラ設計が困難となっている。
また、そもそも2成分現像方式は、磁気ブラシと呼ばれる2成分現像剤の穂を静電潜像に対して擦り付けるようにしてトナー像を形成するプロセスであるために、どうしても穂の不均一性によって、孤立ドットの現像性にムラが生じやすい。
現像ローラと潜像担持体との間に交番電界を形成することで画質の向上は可能であるが、現像剤の穂のムラといった根本的な画像ムラを完全に消滅させることは困難である。
また、潜像担持体に現像されたトナー像を転写する工程や、転写後に潜像担持体上に残存するトナーをクリーニングする工程において、転写効率やクリーニング効率を向上させるためには潜像担持体とトナーとの非静電的付着力を極力下げる必要がある。潜像担持体とトナーとの非静電的付着力を下げる方法としては、潜像担持体表面の摩擦係数を下げるのが効果的であることが知られているが、この場合、2成分現像剤の穂が滑らかに現像部をすり抜けてしまうために現像効率やドット再現性が非常に悪くなってしまう。
そこで、高解像度の微小均一ドットを現像する方法として、例えば特許文献2の方法がある。これは上記ハイブリッド構成に対して、現像部に高周波バイアスを印加したワイヤを設置することにより、現像部でのトナークラウド化を行い、高解像度のドット現像性を実現するものである。この方式により、現像装置の構成こそ複雑にはなったが、高安定かつ高画質な現像が実現できているものと考えられる。
また、最も効率良く、且つ安定なトナークラウドを形成するために、特許文献3及びそこで引用されている公知例においては、回転ローラ上に電界カーテンを形成する方法が提案されている。この方法は、小型かつ高画質の現像を得るには非常に優れたものと解釈できるが、理想的な高画質を得るためには、形成する電界カーテンや現像などの条件を限定しなくてはならない。すなわち、適正な条件から外れた条件で作像を行ってしまうと、全く効果が得られないばかりか、返って粗悪な画質を提供してしまうことになる。
そこで、トナークラウドを形成する現像方式としては、特許文献4などのように、トナー担持体の機械的な駆動をなくし、3相以上の交互電場によってトナーを静電的に搬送し現像する方法が開示されている。搬送基板へ供給するトナーの帯電量を一定にするために、特許文献5では、現像領域手前にトナーを貯める領域を設けてその領域で電圧を印加しトナーの帯電を行っている。
しかしながら、上記方法では、局所的にトナーの帯電を高めることはできても、トナーの帯電を均一にすることは非常に困難であり、高画質を得るためにより均一な帯電が望まれていた。
本発明の現像装置は、移動するトナー担持体表層に、絶縁部を介して、前記移動方向に対して交互に電極群を設け、前記交互の電極群の間に時間周期的な電位差が形成される現像装置において、前記トナー担持体が回転ローラ形状であり、回転軸の一方に、電極群が接続され、回転軸のもう一方に、電極群が接続され、複数の磁極を有する磁界発生手段を内蔵した現像剤担持体上に磁性粒子と非磁性トナーとを有する2成分現像剤を担持して、トナー担持体と対向した供給領域へ搬送し、前記供給領域で前記現像剤の磁気ブラシを形成し、前記現像剤担持体に直流電圧を印加してトナーを前記トナー担持体に供給することを特徴とする。ここで、電極群とは、両端から交互に設置されている電極の集合体である。
本発明の現像装置は、さらに、トナー担持体と現像剤担持体の距離をd(mm)、現像剤担持体に形成される単位面積あたりの磁気ブラシの重量をρ(mg/mm2)、トナー担持体と現像剤担持体の移動速度比(現像剤担持体速度/トナー担持体速度)をaとしたとき、
ρ・a/d>4
の関係が成立することを特徴とする。
本発明の現像装置は、さらに、トナー担持体の表面が、トナーとの摩擦においてトナーに対して正規の電荷を与えることができる材料によって被覆されていることを特徴とする。
本発明の現像装置は、さらに、トナー担持体の表面が、体積抵抗率にして109〜1012(Ω・cm)の材料によって被覆されていることを特徴とする。
本発明の現像装置は、さらに、前記交互の電極群に印加される時間周期的電位の各瞬間における電位平均値が、静電潜像担持体に形成されている画像部電位と非画像部電位との間の値であることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、前記現像装置を使用することで、静電潜像担持体上に2種以上のトナー画像を重ね合わせることを特徴とする。
なお、本実施例で用いたのは実際にプリントを繰り返し行った現像装置内のトナーで、トナーの帯電量はおよそ−30μC/g程度であった。図2から、直流バイアスと交流バイアスでは、フレア現像基板上に供給されるトナーの帯電量分布が異なっている。交流バイアスを印加した場合、瞬間的に強い電圧が印加されるために、帯電量の高いトナーや付着力の高いトナーも供給される。それに対して直流バイアスを印加した場合は、現像されやすいトナーのみが選択的に供給される。
フレア現像基板上のトナーの帯電量が高すぎると鏡像力の寄与が大きくなるため、トナーは動きにくくなる。すなわち、フレアを活性化するための最適な帯電量が存在する。2成分現像装置内ではトナーはキャリアとの混合・攪拌および消費・補給が繰り返されることで帯電量は変化している。帯電量が変化してしまうと、フレアの活性度も変化してしまうため、図2で示すように、直流バイアスを印加して常に供給される帯電量分布を一定にしている。
トナー担持体と現像剤担持体の距離d: 0.35mm
現像剤担持体上磁気ブラシ重量ρ: 1mg/mm2
トナー担持体と現像剤担持体速度比a: 2
ρ・a/d=5.7(>4)
この条件は、本発明で規定する範囲内である。図4から、現像剤の劣化にもかかわらず供給される帯電量分布がほぼ同範囲となっている。
これに対して、規定範囲外での帯電量分布についても図4に併せて示す。なお、供給条件は下記に示すとおりである。
トナー担持体と現像剤担持体の距離d: 0.55mm
現像剤担持体上磁気ブラシ重量ρ: 1mg/mm2
トナー担持体と現像剤担持体速度比a: 2
ρ・a/d=3.6(<4)
図4から、上記条件では、現像剤の帯電量分布の変化につられて供給されるトナーの帯電量分布も変化している。これは、付着力の増加に伴って弱帯電トナーが供給できなくなったためである。供給領域においてフレア現像基板極近傍にトナーが多く存在するために、実際にはフレア現像に適さない帯電量分布のトナーも供給されるからである。
図5は、体積抵抗率とフレア活性度の関係を示す図である。この図から、体積抵抗率が109〜1012Ω・cmの範囲にあることが適正である。これは、体積抵抗率が非常に高い表層を用いると、飛翔を繰り返すトナーとの摩擦によってトナー担持体であるトナー担持ローラ19の表面が帯電したままになってしまい、また逆にあまりに導電性が高いと、電極群間で電荷のリーク(ショート)が発生してしまうために、効率的なバイアス効果が得られなくなるからである。基板表面に蓄積した電荷が電極群にうまく逃げられるように、適当な抵抗率として体積抵抗率で109〜1012Ω・cmとなっている必要がある。
図6−1bの(1)のように、アクリル樹脂の円筒に軸穴を設け、(2)のようにステンレス製の電極軸を圧入する。次に、図6−2cの(1)〜(5)の工程によりパターン電極を形成する。図6−2cはトナー担持ローラ19表面を、回転軸に沿った方向に見たときの図である。図6−2c(1)では、図6−1bによって得られたローラの表面を外周旋削によって平滑に仕上げる。(2)では溝のピッチが100μm、溝幅が50μmとなるように溝切削を行う。(3)では無電解ニッケルメッキを施し、(4)では外周を旋削して不要な導体膜を取り除く。この時点で電極が溝部分に形成される。その後、シリコーン系樹脂でコーティングすることでローラ表面を平滑にし、同時に表面保護層(厚み約5μm、体積抵抗率約1010Ω・cm)とした。
現像剤担持体12には−400Vの電圧が印加され、現像剤担持体12の電位−400Vとトナー担持ローラ19の平均電圧−200Vとの差により、マイナス帯電トナーが現像剤担持体12からトナー担持ローラ19へ供給される。
トナー担持ローラ19に供給されたトナーは、トナー担持ローラ19上でフレアを形成しながら潜像担持体13との対向部に搬送され、トナー担持ローラ19表面の平均電位と潜像担持体13電位との差によってトナー像が形成され、現像に寄与しなかった不要なトナーは再び現像剤担持体12に戻ってくる。フレアが形成されているので、トナー担持ローラ19に対するトナーの付着力は非常に低く、トナー担持ローラ19によって現像部から戻ってきたトナーは、現像剤担持体12の回転に追随した2成分現像剤の穂によって容易に掻き取られたり均されたりする。これを繰り返すことによって、トナー担持ローラ19上には常にほぼ一定量のトナーフレアが形成されることになる。
2 樹脂コート
3 アルミ蒸着電極
4 ガラス基板
5 樹脂ローラ
6 電極軸A
6a 電極群
7 電極軸B
7a 電極群
8 樹脂円筒
9 軸
10 2成分現像剤
11 攪拌スクリュ
12 現像剤担持体
13 潜像担持体(感光体)
14 クリーナ
15 帯電器
16 除電器
17 ベルトOPC
18 定着器
19 トナー担持ローラ(トナー担持体)
20 現像装置
21 画像形成装置
22 絶縁部
Claims (6)
- 移動するトナー担持体表層に、絶縁部を介して、前記移動方向に対して交互に電極群を設け、前記交互の電極群の間に時間周期的な電位差が形成される現像装置において、
前記トナー担持体が回転ローラ形状であり、回転軸の一方に、電極群が接続され、回転軸のもう一方に、電極群が接続され、
複数の磁極を有する磁界発生手段を内蔵した現像剤担持体上に磁性粒子と非磁性トナーとを有する2成分現像剤を担持して、トナー担持体と対向した供給領域へ搬送し、前記供給領域で前記現像剤の磁気ブラシを形成し、前記現像剤担持体に直流電圧を印加してトナーを前記トナー担持体に供給する
ことを特徴とする現像装置。 - 請求項1に記載の現像装置において、
トナー担持体と現像剤担持体の距離をd(mm)、現像剤担持体に形成される単位面積あたりの磁気ブラシの重量をρ(mg/mm2)、トナー担持体と現像剤担持体の移動速度比(現像剤担持体速度/トナー担持体速度)をaとしたとき、
ρ・a/d>4
の関係が成立する
ことを特徴とする現像装置。 - 請求項1又は2に記載の現像装置において、
トナー担持体の表面が、トナーとの摩擦においてトナーに対して正規の電荷を与えることができる材料によって被覆されている
ことを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の現像装置において、
トナー担持体の表面が、体積抵抗率にして109〜1012(Ω・cm)の材料によって被覆されている
ことを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の現像装置において、
前記交互の電極群に印加される時間周期的電位の各瞬間における電位平均値が、静電潜像担持体に形成されている画像部電位と非画像部電位との間の値である
ことを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の現像装置を使用することで、静電潜像担持体上に2種以上のトナー画像を重ね合わせる
ことを特徴とする画像形成装置。
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