JP4992956B2 - カップホルダ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の室内などに設けられるカップホルダに関し、詳しくは収容空間に収容された飲料容器の側面を保持可能な保持爪を備えたカップホルダに関するものである。
自動車の室内には、飲料容器を安定して保持するためのカップホルダが装備されている。カップホルダの多くは、様々な寸法の飲料容器を自動車の加速や振動に対して安定に保持するための保持爪を備えている。
このようなカップホルダは、収容空間に突出するように付勢されている保持爪が、飲料容器を収容空間に収容することによって、後退する構造とされるのが一般的である。保持爪の機構としては、例えば、保持爪の上部に揺動軸を有し下部で飲料容器を保持するもの(例えば、特許文献1)、保持爪の下部に揺動軸を有し上部で飲料容器を保持するもの(例えば、特許文献2)、保持爪が鉛直方向の揺動軸周りに揺動するもの(例えば、特許文献3)がある。
図10に特許文献2に記載のカップホルダの構造を説明する断面図を示す。カップホルダ60は、飲料容器Cを収容する収容空間61が形成された有底筒状のホルダ本体62と、下部のヒンジ部63を揺動軸として揺動可能であると共に、上部の当接凸部64aが収容空間61に進退する保持爪64と、保持爪64が進出する方向に保持爪64を付勢する環状のゴム部材65とを備えている。
収容空間61に収容された飲料容器Cを周方向から取り囲むように3個の保持爪64が均等間隔で設けられており(1個の保持爪64のみを図示)、収容空間61に飲料容器Cが収容されると、飲料容器Cの側面で当接凸部64aが押されて保持爪64が後退し、飲料容器Cの側面が当接凸部64aで保持される。
このカップホルダ60は、保持爪64の下部に揺動軸を有していることから、保持爪の上部に揺動軸を有するカップホルダと比較すると、飲料容器Cの側面のより高い位置で飲料容器Cを保持できる。飲料容器Cを保持する位置が高いほど、飲料容器をより安定して保持することが可能となる。
このような保持爪を備えたカップホルダには、様々な寸法の飲料容器を安定して保持可能な保持性能に加えて、飲料容器の挿入時及び取り出し時の抵抗を極力抑えることによる使用感の確保も要求される。保持性能と使用感とを両立させるために、通常、保持爪が飲料容器の側面を保持する押圧力(例えば、図10におけるR60)は1〜5N、保持高さ(例えば、図10におけるY60)は35〜40mmとされている。
特許第3991045号 特開2007−161086号公報 特開2006−224961号公報
このカップホルダ60においては、保持爪64が収容空間61に最も進出した進出基準位置で、保持爪64を傾倒させることなく小径の飲料容器Cを収容する場合、及び保持爪64を最大に傾倒させてホルダ本体62の内面で大径の飲料容器Cを収容する場合には、自動車の加速や振動に対して飲料容器Cを安定に保持することが可能である。ところが、保持爪64が進出基準位置から若干後退した状態で中径の飲料容器Cを収容する場合には保持性能に問題がある。この問題を具体的に説明すると以下のとおりである。
図10において、飲料容器Cに自動車の加速や振動に伴う水平方向加速度が右向きに作用した場合、飲料容器Cの重心G60には、水平方向右向きに慣性力F60が作用して、飲料容器Cが転倒しようとする。一方、飲料容器Cの側面には、保持爪64の当接凸部64aから水平方向左向きに押圧力R60が作用して、飲料容器Cの転倒を防止しようとする。飲料容器Cの底面から重心G60までの鉛直距離をX60、飲料容器Cの底面から押圧力R60の作用点までの鉛直距離をY60とした場合、転倒モーメント(F60×X60)<抵抗モーメント(R60×Y60)という釣り合い式を満足していれば、飲料容器Cの安定が保たれる。ここで、自動車の加速や振動に伴う水平方向加速度は、重力加速度の0.7倍程度(0.7G)となる場合があり、このとき慣性力F60=0.7×W60(W60:飲料容器Cの重量)である。なお、飲料容器Cの重量W60による復元モーメントが転倒モーメントを減ずる方向に作用するが、危険側の検討として復元モーメントは考慮しないものとする。
小径の飲料容器Cとして規格サイズの250ml缶を想定した場合、W60=2.7N、X60=66.5mmである。また、保持爪64の保持条件として、従来条件の範囲内で最も保持性能が高くなる条件を想定すると、R60=5N、Y60=40mmである。これらの条件より、転倒モーメント=F60×X60=0.7×2.7N×66.5mm=125.69N・mm、抵抗モーメント=R60×Y60=5N×40mm=200N・mmとなる。したがって、転倒モーメントは抵抗モーメントよりも小さいため、飲料容器Cの安定は十分に保たれている。
これに対して、中径の飲料容器Cとして規格サイズの500mlペットボトルを想定した場合、W60=5N、X60=92.5mmである。また、保持爪64の保持条件として、前述のとおり、従来条件の範囲内で最も保持性能が高くなる条件を想定すると、転倒モーメント=F60×X60=0.7×5N×92.5mm=323.75N・mm、抵抗モーメント=R60×Y60=5N×40mm=200N・mmとなる。したがって、転倒モーメントは抵抗モーメントよりも大きいため、飲料容器Cの安定は保たれていない。
このように、従来のカップホルダ60においては、従来条件の範囲内で最も保持性能が高くなる条件を考慮したとしても、自動車の加速や振動に伴う水平方向加速度0.7Gに対して、中径の飲料容器Cを安定に保持することはできないという問題がある。
そして、カップホルダ60の保持性能を向上させるために、保持爪64の押圧力R60を高めれば、飲料容器Cの挿入時及び取り出し時の抵抗が増加することとなり、良好な使用感を得ることができなくなる。このような問題は、特許文献2に記載のカップホルダ60に限った問題ではなく、特許文献1及び3においても共通する問題である。
また、特許文献1のように保持爪の上部に揺動軸を有し下部で飲料容器を保持するカップホルダにおいて、保持爪の押圧力を高めれば、保持爪が飲料容器を上方に跳ね上げる力も強くなる。このとき、飲料容器内の飲料が少なくて飲料容器が軽い場合には、飲料容器がカップホルダから飛び出してしまう可能性もある。このように、保持爪を備えた従来のカップホルダにおいては、保持性能と使用感とが十分に両立できてはいなかった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、飲料容器の挿入抵抗及び取り出し抵抗の増加を招くことなく、自動車の加速や振動に対して安定して飲料容器を保持することが可能なカップホルダを提供することを解決すべき課題とする。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
(1)本発明のカップホルダは、飲料容器を収容する収容空間が形成された有底筒状のホルダ本体と、下部のヒンジ部を揺動軸として揺動可能であると共に、上部が前記収容空間に進退する保持爪と、前記保持爪が進出する方向に前記保持爪を付勢する第一付勢部材と、前記収容空間の下方に昇降自在に配設された底板と、前記底板が上昇する方向に該底板を付勢する第二付勢部材と、前記保持爪の後退側に形成された被規制斜面に離接すると共に、該被規制斜面に当接したときには該保持爪の後退を規制するロック部材と、前記底板の昇降動作を前記ロック部材に伝達する連結部材と、を備え、前記被規制斜面は、前記保持爪の後退側下方に向かって傾斜しており、
前記収容空間に前記飲料容器が収容されていない非使用時おいて、前記保持爪は該保持爪が該収容空間に最も進出した進出基準位置に前記第一付勢部材により付勢されていると共に、前記底板は該底板が最も上昇した上昇基準位置に前記第二付勢部材により付勢されており、前記ロック部材は、前記被規制斜面の上方に該被規制斜面から離間した位置にあり、前記収容空間に前記飲料容器が収容されることによって、該飲料容器の側面で前記保持爪が押されて前記第一付勢部材の付勢力に抗して該保持爪が後退すると共に、前記底板に該飲料容器の重量が付与されることにより前記第二付勢部材の付勢力に抗して該底板が下降し、該底板の下降動作と連動して前記ロック部材が下降することにより前記被規制斜面と前記ロック部材とが当接し、該飲料容器の重量が該ロック部材から該被規制斜面に伝達されることによって、前記保持爪の後退が規制されることを特徴とする。
被規制斜面は、保持爪の後退側下方に向かって傾斜しているため、被規制斜面におけるロック部材との当接位置には、飲料容器の重量が下方に向かって作用する。これと同時に、飲料容器の重量が被規制斜面の傾斜角度に応じてベクトル変換されることによって、被規制斜面におけるロック部材との当接位置を保持爪の進出方向に向かって水平に押し込む押込力が生まれる。この押込力によって、保持爪の後退が規制される。
なお、被規制斜面の傾斜角度は、一定の角度に限定されず、上方から下方に向かって異なる傾斜角度としても良い。例えば、被規制斜面を上方に膨らんだ凸面、又は下方に凹んだ凹面とすることができる。
このような構成によると、第一付勢部材の付勢力によって保持爪の後退が規制されるのに加えて、飲料容器の重量がロック部材から被規制斜面に伝達されることによっても保持爪の後退が規制される。したがって、第一付勢部材の付勢力を従来のカップホルダに備わる付勢部材の付勢力以上に高めることなく、自動車の加速や振動に対して安定して飲料容器を保持することが可能となる。
また、飲料容器内の飲料が少なくなって飲料容器が軽くなった場合には、ロック部材から被規制斜面に伝達される荷重も小さくなる。この状態においては、飲料容器の重心位置が下がると共に、飲料容器の重量に見合って飲料容器に作用する慣性力も小さくなるため、飲料容器に作用する転倒モーメントも小さくなる。したがって、従来のカップホルダと同様に、第一付勢部材の付勢力のみでも保持爪の後退を規制することが可能である。
このように本発明のカップホルダによれば、飲料容器が空の場合には、第一付勢部材の付勢力により飲料容器を保持し、飲料容器の重量が増した場合には、飲料容器の重量により保持爪の押圧力を増加させることが可能となる。したがって、飲料容器の挿入抵抗及び取り出し抵抗の増加を招くことなく、様々な寸法の飲料容器を収容可能であると共に、飲料容器の重量に関係なく自動車の加速や振動に対して安定して飲料容器を保持することが可能となる。
(2)本発明のカップホルダにおいて、好ましくは、前記被規制斜面は、複数の急勾配斜面と複数の緩勾配斜面とを交互に繋げた階段状を呈し、前記ロック部材が該急勾配斜面に当接することにより前記保持爪の後退が規制されることを特徴とする。
前述のとおり、飲料容器の重量が被規制斜面の傾斜角度に応じてベクトル変換されることによって、被規制斜面におけるロック部材との当接位置を保持爪の進出方向に向かって水平に押し込む押込力が生まれる。そして、被規制斜面の鉛直に対する傾斜角度が小さいほど、すなわち、被規制斜面の傾斜が鉛直に近づいて急勾配になるほど押込力が大きくなる。したがって、被規制斜面を、複数の急勾配斜面と複数の緩勾配斜面とを交互に繋げた階段状とし、ロック部材が急勾配斜面に当接することにより保持爪の後退を規制すれば、保持爪の後退を規制する効果が高い。
(3)本発明のカップホルダにおいて、好ましくは、前記被規制斜面の後退側下方には、鉛直又は略鉛直の被規制鉛直面が形成されており、前記ロック部材が最も下降した状態において、該ロック部材の当接内面は、前記進出基準位置に付勢されている前記保持爪の前記被規制鉛直面に当接可能な高さとなることを特徴とする。
このような構成によると、進出基準位置に付勢されている保持爪が後退すれば、被規制鉛直面とロック部材の当接内面とが当接する。被規制鉛直面は、鉛直又は略鉛直の面であるため、保持爪のこれ以上の後退は完全に規制される。なお、被規制鉛直面の鉛直方向の長さは特に限定しない。また、被規制斜面の下端から繋がる曲面の一部に被規制鉛直面を形成しても良い。
(4)本発明のカップホルダにおいて、好ましくは、前記第一付勢部材は、鋼線をC字状に曲げ加工したリングばねであり、前記保持爪を、前記収容空間に収容された前記飲料容器を周方向から取り囲むように複数個設けると共に、前記リングばねが、複数個の前記保持爪の全てを該保持爪の後退側から取り囲むように全該保持爪に組み付けられていることを特徴とする。
このような構成によると、複数個の保持爪の全てを一本のリングばねで取り囲むことによって、保持爪は進出方向(すなわち収容空間の径方向内側)に付勢される。したがって、リングばねが他のばねに比べて安価なことによって、カップホルダの製造コストが縮減されると共に、複数個の保持爪のそれぞれに第一付勢部材を組み付ける場合と比べて、第一付勢部材の組み付け手間が低減されて生産性が向上する。
なお、複数個の保持爪のそれぞれに第一付勢部材を組み付ける方法としては、例えば、保持爪の上部にコイルばねを組み付けたり、保持爪の下部のヒンジ部にねじりコイルばねを組み付けたり、保持爪の下部に板バネを組み付けたりする方法がある。
(5)本発明のカップホルダにおいて、好ましくは、前記第一付勢部材は、伸縮性を有する環状のゴムリングであり、前記保持爪を、前記収容空間に収容された前記飲料容器を周方向から取り囲むように複数個設けると共に、前記ゴムリングが、複数個の前記保持爪の全てを該保持爪の後退側から取り囲むように全該保持爪に組み付けられていることを特徴とする。
このような構成によると、複数個の保持爪の全てを一本のゴムリングで取り囲むことによって、保持爪は進出方向に付勢される。ゴムリングは前述のリングばねに比べてさらに安価であると共に組み付けが容易である。したがって、製造コストの縮減と生産性の向上に寄与する。
上記(4)に記載のリングばねを第一付勢部材として用いる場合には、隣り合う保持爪間のリングばねが収容空間の径方向外側に円形状に張り出すため、このリングばねの張り出し部分が、狭隘な空間にカップホルダを配置する際の障害となる場合がある。これに対して、ゴムリングを第一付勢部材として用いる場合には、隣り合う保持爪間がゴムリングにより直線状に最短距離で結ばれるため、保持爪間のゴムリングが収容空間の径方向外側に張り出すことはなく、狭隘な空間にカップホルダを配置しやすくなる。
(6)本発明のカップホルダにおいて、好ましくは、前記保持爪は、前記収容空間に収容された前記飲料容器を周方向から取り囲むように複数個設けられており、前記第一付勢部材は、鋼線を多角形に曲げ加工することによって全前記保持爪と同数のねじりバネ部が形成された多角形リングであり、前記ねじりバネ部は、前記ヒンジ部と略同一高さでかつ該ヒンジ部を挟んだ両側に配置された2箇所の屈曲部と、各該屈曲部からそれぞれ上方に延びる2本の腕部と、各該腕部の先端同士を繋ぐ頂部と、からなり、前記多角形リングは、平面矢視で、全前記頂部と、隣り合う各該頂部の端部同士を最短距離で繋ぐ線と、により囲まれた平面領域に収まる形状を呈していると共に、各該頂部が各前記保持爪のそれぞれの後退側に当接するように全該保持爪に組み付けられており、前記頂部が前記保持爪の後退側に押されることによって、各前記腕部が該保持爪の揺動方向に揺動し、各該腕部及び/又は各前記屈曲部が捩られて、各該腕部及び/又は各該屈曲部に該頂部を該保持爪の進出側に復元する弾発力が発生することを特徴とする。
このような構成によると、複数個の保持爪の全てを一本の多角形リングで取り囲むことによって、保持爪は進出方向に付勢される。したがって、多角形リングが他のばねに比べて安価なことによって、カップホルダの製造コストが縮減されると共に、複数個の保持爪のそれぞれに第一付勢部材を組み付ける場合と比べて、第一付勢部材の組み付け手間が低減されて生産性が向上する。
多角形リングは、鋼線を材料としているため、経時劣化が生じる上記(5)に記載のゴムリングよりも耐久性に優れている。また、多角形リングは、平面矢視における形状が円形ではなく張り出しを抑えた多角形とされているため、上記(5)に記載のゴムリングと同様に省スペース化に有効である。また、多角形リングは、保持爪と同数の独立したねじりバネ部を備えているため、周方向の部位ごとに拡径し易さが異なる上記(4)に記載のリングばねとは異なり各保持爪に作用する付勢力を均一化することが可能である。
(7)本発明のカップホルダにおいて、好ましくは、前記保持爪が樹脂製であり、該保持爪の前記ヒンジ部がインテグラルヒンジであることを特徴とする。
保持爪が樹脂製であり、保持爪のヒンジ部を保持爪の射出成形と同時にインテグラルヒンジとして形成すれば、カップホルダの製造コストの縮減と生産性の向上に大きく寄与する。
また、カップホルダに複数個の保持爪が配置される場合には、例えば、樹脂製の基部から複数個の保持爪がインテグラルヒンジを介して立ち上がる構成とすることにより、基部、保持爪、及びインテグラルヒンジを一体成形することが可能となる。この場合には、カップホルダの製造コストの縮減と生産性の向上にさらに大きく寄与するものとなる。
本発明のカップホルダによれば、飲料容器の挿入抵抗及び取り出し抵抗の増加を招くことなく、様々な寸法の飲料容器を収容可能であると共に、飲料容器の重量に関係なく自動車の加速や振動に対して安定して飲料容器を保持することが可能となる。
第1実施形態におけるカップホルダの構造図であって、(a)は(b)におけるB−B線で切断した断面図、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図を示している。 第1実施形態におけるカップホルダに小径飲料容器が収容されている状況を説明する断面図である。 第1実施形態におけるカップホルダに大径飲料容器が収容されている状況を説明する断面図である。 第1実施形態におけるカップホルダに中径飲料容器が収容されている状況を説明する断面図である。 第1実施形態におけるカップホルダに異径飲料容器が収容されている状況を説明する断面図である。 第2実施形態におけるカップホルダに中径飲料容器が収容されている状況を説明する半断面図である。 第3実施形態におけるカップホルダの構造を説明する平面図である。 第4実施形態におけるカップホルダの構造図であって、(a)は(b)におけるB−B線で切断した断面図、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図を示している。 第5実施形態におけるカップホルダの構造図であって、(a)は(b)におけるB−B線で切断した断面図、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図を示している。 従来のカップホルダに飲料容器が収容されている状況を説明する断面図である。
以下、本発明のカップホルダの実施形態について図面を参照しつつ詳しく説明する。
<第1実施形態>
(1)カップホルダ1の構成
図1に本実施形態におけるカップホルダの構造図を示す。図1(a)は図1(b)におけるB−B線で切断した断面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A線で切断した断面図を示している。なお、図1における点線は、カップホルダ1を構成する各部品の最大可動範囲を示している。
本実施形態のカップホルダ1は、飲料容器を収容する収容空間2が形成された有底筒状のホルダ本体3と、下部のインテグラルヒンジ4(ヒンジ部)を揺動軸として揺動可能であると共に、上部が収容空間2に進退する保持爪5と、保持爪5が進出する方向に保持爪5を付勢するリングばね7(第一付勢部材)とを備えている。
また、カップホルダ1は、収容空間2の下方に昇降自在に配設された底板8と、底板8が上昇する方向に底板8を付勢するコイルばね9(第二付勢部材)と、保持爪5の後退側に形成された被規制斜面5bに離接すると共に、該被規制斜面に当接したときには保持爪5の後退を規制するロック部材10と、底板8の昇降動作をロック部材10に伝達する連結部材11とを備えている。
ホルダ本体3は、樹脂製であり射出成形により形成されている。ホルダ本体3は、筒状の側壁3aと、側壁3aの下端を塞ぐ底壁3bとを備える有底筒状を呈している。側壁3aと底壁3bとにより囲まれた空間が飲料容器を収容する収容空間2である。飲料容器は収容空間2の上方から挿入される。
側壁3aの内径は、収容空間2に収容される最大径の飲料容器の外径よりも若干大きな内径となっており、収容空間2の上方から下方に向かって、側壁3aの内径が徐々に小さくなっている。また、側壁3aの上方には、収容空間2に収容された飲料容器を周方向から取り囲むように4箇所の開口部3cが均等間隔で形成されており、これらの開口部3cに保持爪5の後述する当接凸部5aが配置されている。
底壁3bの中央には、底板8に形成された後述する摺動軸8aを摺動可能に保持する摺動孔3dが形成されており、摺動孔3dを取り囲むように、コイルばね9を装着するための溝部3eが形成されている。また、底壁3bの下面には、保持爪5と一体に形成された後述する基部6をホルダ本体3に取り付けるための係合爪3fが突設している。
保持爪5は、収容空間2に収容された飲料容器を周方向から取り囲むように均等間隔で4個配置され、ホルダ本体3の開口部3cから収容空間2を臨むように取り付けられている。保持爪5は樹脂製であり、基部6の端部からインテグラルヒンジ4を介して立ち上がっている。基部6、保持爪5、及びインテグラルヒンジ4は射出成形により一体成形されている。
インテグラルヒンジ4は、基部6に対して保持爪5を揺動自在に接続する薄肉部であり、樹脂の肉厚が薄いことによって、容易に屈曲することができる。
保持爪5は、下端がインテグラルヒンジ4に接続されており、インテグラルヒンジ4を揺動軸として揺動することによって、上部に形成された当接凸部5aが収容空間2に進出したり、収容空間2から後退したりする。保持爪5の上下方向の中間部の後退側には、ロック部材10と当接することにより、保持爪5の後退を規制する被規制斜面5b及び被規制鉛直面5cが形成されている。また、保持爪5の上部の後退側には、リングばね7を装着するための装着溝5dが形成されている。
当接凸部5aは、飲料容器の側面を保持する部位であり、進出側に膨らんだ形状を呈している。当接凸部5aは、ホルダ本体3の開口部3cにホルダ本体3の外側から挿入されている。当接凸部5aの側面形状は、進出側に最も膨らんだ頂点5eよりも上側の斜面は僅かに膨らんだ凸面5fとなっており、頂点5eよりも下側の斜面は僅かに凹んだ凹面5gとなっている。保持爪5が収容空間2に最も進出した進出基準位置に付勢されている状態において、カップホルダ1の中心軸を挟んで対向する当接凸部5aの頂点5e同士の間隔は、収容空間2に収容される最小径の飲料容器の外径よりも若干大きな間隔となっている。
被規制斜面5b及び被規制鉛直面5cは、後退側に膨らんだカム状の凸部の側面の一部として形成されている。被規制斜面5bは、保持爪5の後退側下方に向かって傾斜した斜面である。被規制鉛直面5cは、被規制斜面5bの下端から繋がる曲面の一部に形成された鉛直面であり、保持爪5の最も後退側に位置する部位である。
基部6は樹脂製であり、中抜き円形の平面形状を呈している。基部6には、ホルダ本体3の底壁3bの下面に突設された係合爪3fと係合する被係合孔6aが形成されており、この係合爪3fと被係合孔6aとが係合することによって、ねじや接着剤を用いることなく、底壁3bの下面に、基部6が取り付けられている。
リングばね7は、ピアノ線をC字状に曲げ加工した部材である。リングばね7は、保持爪5の上部の後退側に形成されたリングばね取り付け用の装着溝5dに装着されて、4個の保持爪5の全てを保持爪5の後退側から取り囲むように全保持爪5に組み付けられている。収容空間2に飲料容器が収容されていない非使用時おいて、保持爪5は、保持爪5が収容空間2に最も進出した進出基準位置にリングばね7により付勢されている。収容空間2に飲料容器が収容されることによって、飲料容器の側面で保持爪5が収容空間2の径方向外側に向かって押されて、リングばね7の付勢力に抗して保持爪5が後退し、リングばね7の付勢力によって、飲料容器の側面に保持爪5を介して5Nの押圧力が作用する。
底板8は、樹脂製であり射出成形により形成されている。底板8は円板状を呈しており、外周縁に立ち上がり部が設けられている。底板8の外径は、ホルダ本体3の側壁3aの内径よりも若干小さな外径となっており、収容空間2の下方に昇降自在に配設されている。底板8の昇降距離は8mmであり、底板8が最も上昇した上昇基準位置に付勢されている状態において、保持高さ(底板8の上面から保持爪5の当接凸部5aの頂点5e(保持点)までの鉛直距離)は40mmである。底板8が最も下降した状態における保持高さは48mmである。
底板8の下面中央には下方へ延びる摺動軸8aが一体成形されており、この摺動軸8aがホルダ本体3の底壁3bに形成された摺動孔3dに摺動可能に保持されている。摺動軸8aの下端には、連結部材11の後述する水平連結部11bに形成された被係合孔11cと係合する係合爪8bが形成されている。
コイルばね9は、ホルダ本体3の底壁3bの中央に形成された溝部3eと、底板8の下面との間に装着されている。収容空間2に飲料容器が収容されていない非使用時おいて、底板8は、底板8が最も上昇した上昇基準位置にコイルばね9により付勢されている。コイルばね9の付勢力は1Nとされている。
ロック部材10は、収容空間2に収容された飲料容器を周方向から取り囲むように均等間隔で保持爪5と対応した位置に4個配置されている。ロック部材10は樹脂製であり、連結部材11と共に射出成形により一体成形されている。
ロック部材10の断面形状は、水平面及び鉛直面を有する略矩形を呈しており、保持爪5と対向する側の下端は、被規制斜面5bと当接可能な当接角部10a、当接角部10aの上方の鉛直面は、被規制鉛直面5cと当接可能な当接内面10bとなっている。
連結部材11は、底板8の昇降動作をロック部材10に伝達する部材であり、矩形筒状の鉛直連結部11aと、鉛直連結部11aの下端を塞ぐ板状の水平連結部11bとからなる。鉛直連結部11aの偶各部の上端にロック部材10の下面が連結されている。また、水平連結部11bの中央に形成された被係合孔11cと、底板8の摺動軸8aの下端に形成された係合爪8bとが係合することによって、底板8の摺動軸8aと連結部材11とが連結されている。
このように、ロック部材10と底板8とが連結部材11を介して一体化されていることにより、ロック部材10は底板8の昇降動作と連動して昇降する。収容空間2に飲料容器が収容されていない非使用時おいて、底板8は、コイルばね9により上昇基準位置に付勢されているため、ロック部材10も最も上昇した位置に配置されている。この状態において、ロック部材10は、被規制斜面5bの上方に被規制斜面5bから離間した位置に配置されている。
(2)カップホルダ1の動作及び効果
次に、収容空間2に飲料容器が収容される際のカップホルダ1の動作及び効果について説明する。図1における点線は、カップホルダ1を構成する各部品の最大可動範囲を示している。保持爪5は、実線で示している進出基準位置から、揺動することによって点線で示している位置まで後退することができる。保持爪5の後退に伴って、リングばね7が点線で示している径まで拡径する。底板8は、実線で示している上昇基準位置から、点線で示している位置まで下降することができる。底板8の下降に伴って、ロック部材10及び連結部材11が点線で示している位置まで下降する。
収容空間2に様々な寸法の飲料容器が収容される際のカップホルダ1の動作について、図2〜5の断面図を用いて説明する。図2は小径飲料容器CSが収容されている状況、図3は大径飲料容器CLが収容されている状況、図4は中径飲料容器CMが収容されている状況、図5は異径飲料容器CTが収容されている状況を示している。図2〜5において、左側の半断面は、飲料容器内に飲料が最大に入っている未開封容器を収容している状況、右側の半断面は、飲料容器内に飲料が入っていない空容器を収容している状況を示している。
(小径飲料容器CSが収容される場合)
図2において、小径飲料容器CSは、外径約53mm、高さ約133mmの規格サイズの250ml缶である。カップホルダ1の中心軸を挟んで対向する当接凸部5aの頂点5e同士の間隔が小径飲料容器CSの外径よりも若干大きいため、収容空間2に小径飲料容器CSを収容することによって保持爪5が進出基準位置から後退することはない。したがって、小径飲料容器CSを収容空間2に挿入する際の挿入抵抗、及び小径飲料容器CSを収容空間2から取り出す際の取り出し抵抗は発生しない。
図2の左側の半断面に示しているように、小径飲料容器CSが未開封容器の場合には、小径飲料容器CSの重量(2.7N)がコイルばね9の付勢力(1N)を上回るため、底板8が上昇基準位置から最も下降する。この状態において、ロック部材10の当接内面10bは、保持爪5の被規制鉛直面5cに当接可能な高さとなっている。
また、図2の右側の半断面に示しているように、小径飲料容器CS内の飲料がなくなり空容器となった場合には、コイルばね9の付勢力が小径飲料容器CSの重量を上回るため、底板8が上昇基準位置付近まで上昇する。
前述の従来のカップホルダと同様に、自動車の加速や振動に伴う水平方向加速度が小径飲料容器CSに作用した場合であっても、保持爪5の押圧力(5N)のみによって、小径飲料容器CSを安定して保持することが可能である。また、小径飲料容器CSが未開封容器の場合には、小径飲料容器CSが転倒しようとして、保持爪5が進出基準位置から僅かに後退すれば、被規制鉛直面5cとロック部材10の当接内面10bとが当接して、保持爪5のこれ以上の後退は完全に規制される。したがって、仮に小径飲料容器CSへ乗員の手等が接触した場合であっても、小径飲料容器CSの転倒を防止することが可能となる。
(大径飲料容器CLが収容される場合)
図3において、大径飲料容器CLは、底面の外径約72mm、高さ約178mmの32oz(947ml)紙カップである。大径飲料容器CLの下部の外径は、ホルダ本体3の側壁3aの内径よりも若干小さな外径となっている。ここで、保持爪5の当接凸部5aの頂点5eよりも上側の斜面は僅かに膨らんだ凸面5fとなっているため、収容空間2に大径飲料容器CLを挿入する際には、大径飲料容器CLの底面の外周縁が当接凸部5aに引っ掛かることはなく、収容空間2にスムーズに大径飲料容器CLを挿入することが可能となっている。収容空間2に大径飲料容器CLを収容することによって保持爪5が進出基準位置から後退する。大径飲料容器CLを収容空間2に挿入する際、及び大径飲料容器CLを収容空間2から取り出す際には、従来のカップホルダと同様に保持爪5の押圧力(5N)のみが抵抗となることから、従来のカップホルダと同等の使用感が確保されている。
図3の左側の半断面に示しているように、大径飲料容器CLが未開封容器の場合には、大径飲料容器CLの重量(5N)がコイルばね9の付勢力(1N)を上回るため、底板8が上昇基準位置から下降する。ここで、保持爪5が大きく後退しているため、底板8が僅かに下降しただけで、保持爪5の被規制斜面5bとロック部材10の当接角部10aとが当接する。そして、保持爪5は、それ以上後退できなくなり、ロック部材10と連結されている底板8は、それ以上下降できなくなる。また、大径飲料容器CLを収容空間2から取り出す際には、底板8が上昇することにより、被規制斜面5bと当接角部10aとの当接が解除される。
また、図3の右側の半断面に示しているように、大径飲料容器CL内の飲料がなくなり空容器となった場合には、コイルばね9の付勢力が大径飲料容器CLの重量を上回るため、底板8が上昇基準位置付近まで上昇する。この状態において、自動車の加速や振動に伴う水平方向加速度が大径飲料容器CLに作用して、仮に保持爪5がさらに後退した場合であっても、大径飲料容器CLは、ホルダ本体3の側壁3aの内面により保持されるため、大径飲料容器CLが転倒する虞はない。
(中径飲料容器CMが収容される場合)
図4において、中径飲料容器CMは、外径約70mm、高さ約185mm(キャップ部分を除く高さ)の規格サイズの500mlペットボトルである。収容空間2に中径飲料容器CMを収容することによって保持爪5が進出基準位置から後退する。中径飲料容器CMを収容空間2に挿入する際、及び中径飲料容器CMを収容空間2から取り出す際には、従来のカップホルダと同様に保持爪5の押圧力(5N)のみが抵抗となることから、従来のカップホルダと同等の使用感が確保されている。
図4の左側の半断面に示しているように、中径飲料容器CMが未開封容器の場合には、中径飲料容器CMの重量(5N)がコイルばね9の付勢力(1N)を上回るため、底板8が上昇基準位置から下降する。ここで、保持爪5が後退しているため、底板8が下降すると、保持爪5の被規制斜面5bとロック部材10の当接角部10aとが当接する。また、中径飲料容器CMを収容空間2から取り出す際には、底板8が上昇することにより、被規制斜面5bと当接角部10aとの当接が解除される。
また、図4の右側の半断面に示しているように、中径飲料容器CM内の飲料がなくなり空容器となった場合には、コイルばね9の付勢力が中径飲料容器CMの重量を上回るため、底板8が上昇基準位置付近まで上昇する。
図4の右側の半断面に示しているように、中径飲料容器CMが空容器の場合には、中径飲料容器CMに作用する慣性力も小さいため、自動車の加速や振動に伴う水平方向加速度が中径飲料容器CMに作用した場合であっても、保持爪5の押圧力(5N)のみによって、中径飲料容器CMを安定して保持できる。
図4の左側の半断面に示しているように、中径飲料容器CMが未開封容器の場合には、保持爪5の押圧力(5N)によって保持爪の後退が規制されるのに加えて、中径飲料容器CMの重量がロック部材10の当接角部10aから保持爪5の被規制斜面5bに伝達されることによっても保持爪5の後退が規制される。保持爪5の後退が規制されることによって、自動車の加速や振動に伴う水平方向加速度が中径飲料容器CMに作用した場合であっても、中径飲料容器CMを安定して保持することが可能となる。
図4の左側の半断面に示している状態において、重力加速度の0.7倍(0.7G)の水平方向加速度が左向きに中径飲料容器CMに作用した場合、中径飲料容器CMを転倒させようとする転倒モーメント、及び中径飲料容器CMの転倒を防止しようとする抵抗モーメントは以下に説明するとおりである。なお、中径飲料容器CMの重量Wによる復元モーメントが転倒モーメントを減ずる方向に作用するが、危険側の検討として復元モーメントは考慮しないものとする。
中径飲料容器CMの重心Gには、水平方向左向きに慣性力Fが作用し、鉛直方向下向きに中径飲料容器CMの重量Wが作用している。重量W=5N、慣性力F=0.7×Wである。底板8の上面から重心Gまでの鉛直距離X=92.5mmである。したがって、転倒モーメント=F×X=0.7×5N×92.5mm=323.75N・mmである。
中径飲料容器CMの側面には、水平方向右向きに保持爪5の押圧力R=5Nが作用している。また、底板8の上面から保持爪5の当接凸部5aの頂点5e(保持点)までの鉛直距離Y=45mmである。したがって、保持爪5の押圧力Rによる抵抗モーメント=R×Y=5N×45mm=225N・mmである。
したがって、転倒モーメントは、保持爪5の押圧力Rによる抵抗モーメントよりも大きいため、保持爪5の押圧力Rのみによって中径飲料容器CMを安定に保持することはできない。保持爪5の押圧力Rによる抵抗モーメントに対して、後述する押込力Hによる抵抗モーメントが付加されることによって、中径飲料容器CMを安定に保持することが可能となる。
図4の左側の円内に示すように、被規制斜面5bにおけるロック部材10の当接角部10aとの当接位置には、中径飲料容器CMの重量W=5Nからコイルばね9の付勢力Q=1Nを差し引いた鉛直荷重V=W−Q=5N−1N=4Nが下方に向かって作用している。
鉛直荷重Vが被規制斜面5bの鉛直に対する傾斜角度θに応じてベクトル変換されることによって、被規制斜面5bにおける当接角部10aとの当接位置を保持爪5の進出方向に向かって水平方向右向きに押し込む押込力H(=V/tanθ)が生まれる。
鉛直に対する被規制斜面5bの傾斜角度θ=45°のとき、H=V=4Nである。また、底板8の上面から押込力Hの作用点までの鉛直距離Z=25mmである。したがって、押込力Hによる抵抗モーメント=H×Z=4N×25mm=100N・mmである。
以上より、中径飲料容器CMを転倒させようとする転倒モーメント=323.75N・mm、中径飲料容器CMの転倒を防止しようとする抵抗モーメント=225N・mm+100N・mm=325N・mmであり、転倒モーメントは抵抗モーメントよりも小さいため、中径飲料容器CMの安定は保たれている。
(異径飲料容器CTが収容される場合)
図5において、異径飲料容器CTは、下方にくびれ部が形成されており、最大外径約70mm、くびれ部の外径約55mm、高さ約200mm(キャップ部分を除く高さ)の特殊な側面形状の500mlペットボトルである。収容空間2に異径飲料容器CTを挿入する際には、異径飲料容器CTの最大外径部分が保持爪5の当接凸部5aの頂点5eを下方に通過するときに、保持爪5が進出基準位置から最も後退する。そして、最大外径部分が当接凸部5aの頂点5eを下方に通過すると、保持爪5が収容空間2に徐々に進出して、保持爪5が進出基準位置から若干後退した位置で、保持爪5の当接凸部5aが異径飲料容器CTのくびれ部分を保持する。
図5の左側の半断面に示しているように、当接凸部5aの頂点5eよりも下側の凹面5gは、異径飲料容器CTの側面形状に対応した曲面形状となっており、特殊な側面形状の異径飲料容器CTを当接凸部5aでガタツキなく保持することが可能となっている。
異径飲料容器CTを収容空間2に挿入する際、及び異径飲料容器CTを収容空間2から取り出す際には、従来のカップホルダと同様に保持爪5の押圧力(5N)のみが抵抗となることから、従来のカップホルダと同等の使用感が確保されている。
図5の左側の半断面に示しているように、異径飲料容器CTが未開封容器の場合には、異径飲料容器CTの重量(5N)がコイルばね9の付勢力(1N)を上回るため、底板8が上昇基準位置から下降する。ここで、保持爪5の進出基準位置からの後退は僅かであるため、底板8が上昇基準位置から最下方まで下降することが可能であり、この状態において、ロック部材10の当接内面10bは、保持爪5の被規制鉛直面5cに当接可能な高さとなっている。また、異径飲料容器CTを収容空間2から取り出す際には、底板8の上昇に伴ってロック部材10が上昇するため、ロック部材10が保持爪5の後退を阻害することはない。
また、図5の右側の半断面に示しているように、異径飲料容器CT内の飲料がなくなり空容器となった場合には、コイルばね9の付勢力が異径飲料容器CTの重量を上回るため、底板8が上昇する。ここで、異径飲料容器CTには、当接凸部5aの頂点5eよりも下側の凹面5gにより下方への付勢力が付与されているため、底板8が上昇基準位置付近まで上昇することはない。
図5の右側の半断面に示しているように、異径飲料容器CTが空容器の場合には、異径飲料容器CTに作用する慣性力も小さいため、自動車の加速や振動に伴う水平方向加速度が異径飲料容器CTに作用した場合であっても、保持爪5の押圧力(5N)のみによって、異径飲料容器CTを安定して保持できる。
図5の左側の半断面に示しているように、異径飲料容器CTが未開封容器の場合には、異径飲料容器CTが転倒しようとして、保持爪5が僅かに後退すれば、被規制鉛直面5cとロック部材10の当接内面10bとが当接して、保持爪5のこれ以上の後退は完全に規制される。したがって、本実施形態のカップホルダ1によれば、特殊な側面形状であることによって保持しにくく、かつ重心位置が高いことによって転倒しやすい異径飲料容器CTを安定して保持することが可能となっている。
(カップホルダ1の効果)
以上のように、本実施形態においては、リングばね7の付勢力によって保持爪5の後退が規制されるのに加えて、飲料容器の重量がロック部材10から被規制斜面5bに伝達されることによっても保持爪5の後退が規制される。したがって、リングばね7の付勢力を従来のカップホルダに備わる付勢部材の付勢力以上に高めることなく、自動車の加速や振動に対して安定して飲料容器を保持することが可能となる。
また、飲料容器内の飲料が少なくなって飲料容器が軽くなった場合には、ロック部材10から被規制斜面5aに伝達される荷重も小さくなる。この状態においては、飲料容器の重心位置が下がると共に、飲料容器の重量に見合って飲料容器に作用する慣性力も小さくなるため、飲料容器に作用する転倒モーメントも小さくなる。したがって、従来のカップホルダと同様に、リングばね7の付勢力のみでも保持爪5の後退を規制することが可能である。
このように本実施形態のカップホルダ1によれば、飲料容器が空の場合には、リングばね7の付勢力により飲料容器を保持し、飲料容器の重量が増した場合には、飲料容器の重量により保持爪5の押圧力を増加させることが可能となる。したがって、飲料容器の挿入抵抗及び取り出し抵抗の増加を招くことなく、様々な寸法の飲料容器を収容可能であると共に、飲料容器の重量に関係なく自動車の加速や振動に対して安定して飲料容器を保持することが可能となる。
また、保持爪5が進出基準位置にある状態、又は保持爪5が進出基準位置から僅かに後退した状態で、飲料が詰まった飲料容器を保持爪5で保持する場合には、保持爪5が僅かに後退すれば、被規制鉛直面5cとロック部材10の当接内面10bとが当接して、保持爪5のこれ以上の後退は完全に規制される。
また、本実施形態においては、第一付勢部材として一本のリングばね7を用いており、4個の保持爪5の全てを一本のリングばね7で取り囲むことによって、保持爪5は進出方向(すなわち収容空間2の径方向内側)に付勢される。したがって、リングばね7が他のばねに比べて安価なことによって、カップホルダ1の製造コストが縮減されると共に、複数個の保持爪5のそれぞれに第一付勢部材を組み付ける場合と比べて、第一付勢部材の組み付け手間が低減されて生産性が向上する。
また、本実施形態においては、樹脂製の基部6から4個の保持爪5がインテグラルヒンジ4を介して立ち上がる構造となっており、基部6、保持爪5、及びインテグラルヒンジ4を射出成形により一体成形している。構造が簡素でかつ製造が容易であることによってカップホルダ1の製造コストが縮減されると共に、保持爪5、及びインテグラルヒンジ4の組み付け手間が低減されて生産性が向上する。
また、本実施形態においては、保持爪5が下部のインテグラルヒンジ4を揺動軸として揺動可能であると共に、保持爪5の当接凸部5aの頂点5eと、インテグラルヒンジ4とが十分に離間している。したがって、頂点5eの揺動半径が大きいことにより、頂点5eから飲料容器の側面に伝わる押圧力がほぼ水平方向に作用する。これにより、押圧力によって飲料容器が上方に跳ね上げられる虞はなく、また、押圧力が斜め方向に作用する場合と比較して、飲料容器の転倒を防止する抵抗モーメントが大きくなるため、飲料容器を安定して保持することが可能となる。
<第2実施形態>
本実施形態は、第1実施形態における保持爪5の構造を変更した実施形態である。その他の構成部品は第1実施形態と同一であるため説明を省略する。本実施形態におけるカップホルダ20に中径飲料容器CMが収容されている状況を説明する半断面図を図6に示す。
保持爪25は樹脂製であり、上部に形成された当接凸部25aが収容空間2に進出したり、収容空間2から後退したりする。保持爪25の上下方向の中間部の後退側には、ロック部材10と当接することにより、保持爪25の後退を規制する被規制斜面25b及び被規制鉛直面25cが形成されている。また、保持爪25の上部の後退側には、リングばね7を装着するための装着溝25dが形成されている。
当接凸部25a及び被規制鉛直面25cの構造及び機能は、第1実施形態における当接凸部5a及び被規制鉛直面5cと同様であるため説明を省略し、第1実施形態における被規制斜面5bと異なる構造及び機能を有する被規制斜面25bについてのみ説明する。
被規制斜面25bは、複数の急勾配斜面25hと複数の緩勾配斜面25iとを交互に繋げた階段状を呈している。急勾配斜面25hの鉛直に対する傾斜角度θは、第1実施形態における被規制斜面5bの傾斜角度θよりも小さく、緩勾配斜面25iの鉛直に対する傾斜角度θは、第1実施形態における被規制斜面5bの傾斜角度θよりも大きい。急勾配斜面25hの傾斜角度θと、緩勾配斜面25iの傾斜角度θとの平均角度が、第1実施形態における被規制斜面5bの傾斜角度θにほぼ相当している。
本実施形態においては、ロック部材10が急勾配斜面25hに当接することにより保持爪25の後退が規制される。第1実施形態において、押込力HがH=V/tanθの関係となっていることを参考にすると、急勾配斜面25hの傾斜角度θが小さいほど、急勾配斜面25hにおけるロック部材10の当接角部10aとの当接位置を保持爪25の進出方向に向かって水平方向に押し込む押込力が大きくなる。
急勾配斜面25hの鉛直に対する傾斜角度θは、第1実施形態における被規制斜面5bの傾斜角度θよりも小さいことから、本実施形態は、第1実施形態よりも保持爪25の後退を規制する効果が高い。その他の効果については、第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
本実施形態は、第1実施形態における第一付勢部材であるリングばね7を、ゴムリング37に変更した実施形態である。第一付勢部材の変更に伴って、保持爪の構造も若干変更されている。その他の構成部品は第1実施形態と同一であるため説明を省略する。本実施形態におけるカップホルダ30の構造を説明する平面図を図7に示す。
ゴムリング37は、伸縮性を有する帯状のゴムを環状に繋げた部材である。ゴムリング37は、保持爪35の上部の後退側に形成されたゴムリング取り付け用の装着溝35dに装着されて、4個の保持爪35の全てを保持爪35の後退側から取り囲むように全保持爪35に組み付けられている。ここで、保持爪35の装着溝35dはゴムリング37の形状に合わせて矩形の凹部となっている。収容空間2に飲料容器が収容されていない非使用時おいて、保持爪35は、保持爪35が収容空間2に最も進出した進出基準位置にゴムリング37により付勢されている。収容空間2に飲料容器が収容されることによって、飲料容器の側面で保持爪35が収容空間2の径方向外側に向かって押されて、ゴムリング37の付勢力に抗して保持爪35が後退し、ゴムリング37の付勢力によって、飲料容器の側面に保持爪35を介して5Nの押圧力が作用する。
収容空間2に最大径の飲料容器が収容されると、保持爪35は、実線で示している進出基準位置から、揺動することによって点線で示している位置まで後退する。保持爪35の後退に伴って、ゴムリング37が点線で示しているゴムリング37’の形状になるまで引き伸ばされる。
このような本実施形態の構成によると、4個の保持爪35の全てを一本のゴムリング37で取り囲むことによって、保持爪35は進出方向に付勢される。ゴムリング37は前述の第1実施形態におけるリングばね7に比べてさらに安価であると共に組み付けが容易である。したがって、製造コストの縮減と生産性の向上に寄与する。
また、第1実施形態のようにリングばね7を第一付勢部材として用いる場合には、隣り合う保持爪5間のリングばね7が収容空間2の径方向外側に円形状に張り出すため、このリングばね7の張り出し部分が、狭隘な空間にカップホルダ1を配置する際の障害となる場合がある。これに対して、本実施形態のように、ゴムリング37を第一付勢部材として用いる場合には、隣り合う保持爪35間がゴムリング37により直線状に最短距離で結ばれるため、保持爪35間のゴムリング37が収容空間2の径方向外側に張り出すことはなく、狭隘な空間にカップホルダ30を配置しやすくなる。その他の効果については、第1実施形態と同様である。
<第4実施形態>
本実施形態は、第1実施形態における第一付勢部材であるリングばね7を、多角形リング47に変更した実施形態である。その他の構成部品は第1実施形態と同一であるため説明を省略する。図8に本実施形態におけるカップホルダの構造図を示す。図8(a)は図8(b)におけるB−B線で切断した断面図、図8(b)は図8(a)におけるA−A線で切断した断面図を示している。なお、図8における点線は、カップホルダ40を構成する各部品の最大可動範囲を示している。
多角形リング47は、一本のピアノ線を三次元多角形状に曲げ加工した後、ピアノ線の端部同士を溶接して無端とした部材である。多角形リング47には4個の保持爪5と同数のねじりバネ部47aが形成されている。
ねじりバネ部47aは、インテグラルヒンジ4と略同一高さでかつインテグラルヒンジ4を挟んだ両側に配置された2箇所の屈曲部47b、47bと、各屈曲部47b、47bからそれぞれ上方に延びる2本の同一長さの腕部47c、47cと、各腕部47c、47cの先端同士を水平方向に繋ぐ頂部47dとからなる略コ字状を呈している。隣り合う各ねじりバネ部47a、47aは、屈曲部47bを共有して繋がっている。すなわち、1箇所の屈曲部47bの両端から、隣り合う各ねじりバネ部47a、47aの各腕部47c、47cがそれぞれ上方にV字状に延びている。
多角形リング47は、平面矢視で、4箇所の頂部47d、47d、47d、47dと、隣り合う各頂部47d、47dの端部同士を最短距離で繋ぐ線と、により囲まれた平面領域に収まる形状を呈している。すなわち、屈曲部47b及び腕部47cは、平面矢視で、この平面領域内に配置されている。多角形リング47は、4個の保持爪5の全てを保持爪5の後退側から取り囲むように全保持爪5に組み付けられている。4箇所の頂部47dは、4個の保持爪5のそれぞれの後退側に形成された装着溝5dに装着されている。
多角形リング47の各屈曲部47bは、4個の保持爪5が一体に形成された基部6の上面によって支持されている。基部6の上面によって、各屈曲部47bの下方への動きは拘束されているが、水平方向への動きは拘束されていない。
ねじりバネ部47aの頂部47dが保持爪5の後退側に押されることによって、各腕部47c、47cが保持爪5の揺動方向に揺動し、各腕部47c、47c及び/又は各屈曲部47b、47bが捩られて、各腕部47c、47c及び/又は各屈曲部47b、47bに頂部47dを保持爪5の進出側に復元する弾発力が発生する。この弾発力が、保持爪5を進出方向に付勢する付勢力となる。
収容空間2に飲料容器が収容されていない非使用時おいて、保持爪5は、保持爪5が収容空間2に最も進出した進出基準位置に多角形リング47のねじりバネ部47aにより付勢されている。収容空間2に飲料容器が収容されることによって、飲料容器の側面で保持爪5が収容空間2の径方向外側に向かって押されて、ねじりバネ部47aの付勢力に抗して保持爪5が後退し、ねじりバネ部47aの付勢力によって、飲料容器の側面に保持爪5を介して5Nの押圧力が作用する。
収容空間2に最大径の飲料容器が収容されると、保持爪5は、実線で示している進出基準位置から、揺動することによって点線で示している位置まで後退する。保持爪5の後退に伴って、多角形リング47のねじりバネ部47aの頂部47dが収容空間2の径方向外側に押されて、多角形リング47が点線で示している多角形リング47’の形状になるまで変形する。
このとき、ねじりバネ部47aの頂部47dが保持爪5の後退側に押されることによって、ねじりバネ部47aの各腕部47c、47cが保持爪5の揺動方向に揺動して、各腕部47c、47cがたわむ。また、各屈曲部47b、47bの屈曲角度が大きくなる。そして、各屈曲部47b、47bとインテグラルヒンジ4の軸線Dとが近接していないことによって、各腕部47c、47cの揺動半径と、保持爪5の装着溝5dの揺動半径とが異なっている。これにより、図8に示されるように、各屈曲部47b、47bが基部6の上面を収容空間2の径方向外側に摺動移動する。なお、図8(a)においては、4箇所のインテグラルヒンジ4の4本の軸線のうちの1本の軸線Dのみを示している。
このような本実施形態の構成によると、第一付勢部材として多角形リング47を用いており、4個の保持爪5の全てを一本の多角形リング47で取り囲むことによって、保持爪5は進出方向に付勢される。したがって、第1実施形態におけるリングばね7と同様に多角形リング47が他のばねに比べて安価なことによって、カップホルダ40の製造コストが縮減されると共に、複数個の保持爪5のそれぞれに第一付勢部材を組み付ける場合と比べて、第一付勢部材の組み付け手間が低減されて生産性が向上する。
また、多角形リング47は、ピアノ線を材料としているため耐久性に優れている。また、多角形リング47は、平面矢視における形状が円形ではなく張り出しを抑えた多角形とされているため、第3実施形態におけるゴムリング37と同様に省スペース化に有効である。また、多角形リング47は、保持爪5と同数の独立したねじりバネ部47aを備えているため、各保持爪5に作用する付勢力を均一化することが可能である。その他の効果については、第1実施形態と同様である。
<第5実施形態>
本実施形態は、第4実施形態における第一付勢部材である多角形リング47の形状を多角形リング57に変更した変更形態である。その他の構成部品は第1実施形態と同一であるため説明を省略する。図9に本実施形態におけるカップホルダの構造図を示す。図9(a)は図9(b)におけるB−B線で切断した断面図、図9(b)は図9(a)におけるA−A線で切断した断面図を示している。なお、図9における点線は、カップホルダ50を構成する各部品の最大可動範囲を示している。
多角形リング57は、一本のピアノ線を三次元多角形状に曲げ加工した後、ピアノ線の端部同士を溶接して無端とした部材である。多角形リング57には4個の保持爪5と同数のねじりバネ部57aが形成されている。
ねじりバネ部57aは、インテグラルヒンジ4と略同一高さでかつインテグラルヒンジ4を挟んだ両側でかつインテグラルヒンジ4の軸線Dの近傍に配置された2箇所の屈曲部57b、57bと、各屈曲部57b、57bからそれぞれ上方に延びる2本の同一長さの腕部57c、57cと、各腕部57c、57cの先端同士を水平方向に繋ぐ頂部57dとからなる略コ字状を呈している。隣り合う各ねじりバネ部57a、57aのそれぞれの屈曲部57b、57bの端部同士は、接続部57eによって接続されている。なお、図9(a)においては、4箇所のインテグラルヒンジ4の4本の軸線のうちの1本の軸線Dのみを示している。
多角形リング57は、平面矢視で、4箇所の頂部57d、57d、57d、57dと、隣り合う各頂部57d、57dの端部同士を最短距離で繋ぐ線と、により囲まれた平面領域に収まる形状を呈している。すなわち、屈曲部57b、腕部57c及び接続部57eは、平面矢視で、この平面領域内に配置されている。多角形リング57は、4個の保持爪5の全てを保持爪5の後退側から取り囲むように全保持爪5に組み付けられている。4箇所の頂部57dは、4個の保持爪5のそれぞれの後退側に形成された装着溝5dに装着されている。
多角形リング57の各屈曲部57bは、4個の保持爪5が一体に形成された基部6の上面によって支持されている。基部6の上面によって、各屈曲部57bの下方への動きは拘束されているが、水平方向への動きは拘束されていない。
ねじりバネ部57aの頂部57dが保持爪5の後退側に押されることによって、第5実施形態と同様に、各腕部57c、57cが保持爪5の揺動方向に揺動し、各腕部57c、57c及び/又は各屈曲部57b、57bが捩られて、各腕部57c、57c及び/又は各屈曲部57b、57bに頂部57dを保持爪5の進出側に復元する弾発力が発生する。この弾発力が、保持爪5を進出方向に付勢する付勢力となる。
収容空間2に飲料容器が収容されていない非使用時おいて、保持爪5は、保持爪5が収容空間2に最も進出した進出基準位置に多角形リング57のねじりバネ部57aにより付勢されている。収容空間2に飲料容器が収容されることによって、飲料容器の側面で保持爪5が収容空間2の径方向外側に向かって押されて、ねじりバネ部57aの付勢力に抗して保持爪5が後退し、ねじりバネ部57aの付勢力によって、飲料容器の側面に保持爪5を介して5Nの押圧力が作用する。
収容空間2に最大径の飲料容器が収容されると、保持爪5は、実線で示している進出基準位置から、揺動することによって点線で示している位置まで後退する。保持爪5の後退に伴って、多角形リング57のねじりバネ部57aの頂部57dが収容空間2の周方向外側に押されて、多角形リング57が点線で示している多角形リング57’の形状になるまで変形する。
このとき、ねじりバネ部57aの頂部57dが保持爪5の後退側に押されることによって、ねじりバネ部57aの各腕部57c、57cが保持爪5の揺動方向に揺動して、各腕部57c、57cがたわむ。また、各屈曲部57b、57bの屈曲角度が大きくなる。そして、各屈曲部57b、57bがインテグラルヒンジ4の軸線Dの近傍に配置されているため、各腕部57c、57cの揺動半径と、保持爪5の装着溝5dの揺動半径とがほぼ等しい。これにより、各屈曲部57b、57bの動きは、第4実施形態における各屈曲部47b、47bの動きとは異なり、図9に示されるように、各屈曲部57b、57bが基部6の上面を摺動移動する移動量は極めて少ない。
このような本実施形態の構成によると、保持爪5の後退に伴って、ねじりバネ部57aの各腕部57c、57cが揺動する際、各屈曲部57b、57bが基部6の上面を摺動移動する移動量が極めて少ない。したがって、隣り合う各ねじりバネ部57a、57a同士の応力伝達は、接続部57eによって十分に分断されている。これにより、多角形リング57は、第4実施形態における多角形リング47よりも各保持爪5に作用する付勢力を均一化する効果が高い。その他の効果については、第4実施形態と同様である。
なお、本発明のカップホルダは上述した第1〜5の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができることは言うまでもない。
1 … カップホルダ 2 … 収容空間
3 … ホルダ本体 4 … インテグラルヒンジ(ヒンジ部)
5 … 保持爪 5b … 被規制斜面
5c … 被規制鉛直面 7 … リングばね(第一付勢部材)
8 … 底板 9 … コイルばね(第二付勢部材)
10 … ロック部材 10b… 当接内面
11 … 連結部材
20 … カップホルダ 25 … 保持爪
25b… 被規制斜面 25c… 被規制鉛直面
25h… 急勾配斜面 25i… 緩勾配斜面
30 … カップホルダ 35 … 保持爪
37,37’… ゴムリング(第一付勢部材)
40 … カップホルダ 47,47’… 多角形リング(第一付勢部材)
47a… ねじりバネ部 47b… 屈曲部
47c… 腕部 47d… 頂部
50 … カップホルダ 57,57’… 多角形リング(第一付勢部材)
57a… ねじりバネ部 57b… 屈曲部
57c… 腕部 57d… 頂部

Claims (7)

  1. 飲料容器を収容する収容空間が形成された有底筒状のホルダ本体と、
    下部のヒンジ部を揺動軸として揺動可能であると共に、上部が前記収容空間に進退する保持爪と、
    前記保持爪が進出する方向に前記保持爪を付勢する第一付勢部材と、
    前記収容空間の下方に昇降自在に配設された底板と、
    前記底板が上昇する方向に該底板を付勢する第二付勢部材と、
    前記保持爪の後退側に形成された被規制斜面に離接すると共に、該被規制斜面に当接したときには該保持爪の後退を規制するロック部材と、
    前記底板の昇降動作を前記ロック部材に伝達する連結部材と、を備え、
    前記被規制斜面は、前記保持爪の後退側下方に向かって傾斜しており、
    前記収容空間に前記飲料容器が収容されていない非使用時おいて、前記保持爪は該保持爪が該収容空間に最も進出した進出基準位置に前記第一付勢部材により付勢されていると共に、前記底板は該底板が最も上昇した上昇基準位置に前記第二付勢部材により付勢されており、前記ロック部材は、前記被規制斜面の上方に該被規制斜面から離間した位置にあり、
    前記収容空間に前記飲料容器が収容されることによって、該飲料容器の側面で前記保持爪が押されて前記第一付勢部材の付勢力に抗して該保持爪が後退すると共に、前記底板に該飲料容器の重量が付与されることにより前記第二付勢部材の付勢力に抗して該底板が下降し、該底板の下降動作と連動して前記ロック部材が下降することにより前記被規制斜面と前記ロック部材とが当接し、該飲料容器の重量が該ロック部材から該被規制斜面に伝達されることによって、前記保持爪の後退が規制されることを特徴とするカップホルダ。
  2. 前記被規制斜面は、複数の急勾配斜面と複数の緩勾配斜面とを交互に繋げた階段状を呈し、前記ロック部材が該急勾配斜面に当接することにより前記保持爪の後退が規制されることを特徴とする請求項1に記載のカップホルダ。
  3. 前記被規制斜面の後退側下方には、鉛直又は略鉛直の被規制鉛直面が形成されており、
    前記ロック部材が最も下降した状態において、該ロック部材の当接内面は、前記進出基準位置に付勢されている前記保持爪の前記被規制鉛直面に当接可能な高さとなることを特徴とする請求項1又は2に記載のカップホルダ。
  4. 前記第一付勢部材は、鋼線をC字状に曲げ加工したリングばねであり、
    前記保持爪を、前記収容空間に収容された前記飲料容器を周方向から取り囲むように複数個設けると共に、前記リングばねが、複数個の前記保持爪の全てを該保持爪の後退側から取り囲むように組み付けられていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載のカップホルダ。
  5. 前記第一付勢部材は、伸縮性を有する環状のゴムリングであり、
    前記保持爪を、前記収容空間に収容された前記飲料容器を周方向から取り囲むように複数個設けると共に、前記ゴムリングが、複数個の前記保持爪の全てを該保持爪の後退側から取り囲むように組み付けられていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載のカップホルダ。
  6. 前記保持爪は、前記収容空間に収容された前記飲料容器を周方向から取り囲むように複数個設けられており、
    前記第一付勢部材は、鋼線を多角形に曲げ加工することによって全前記保持爪と同数のねじりバネ部が形成された多角形リングであり、
    前記ねじりバネ部は、前記ヒンジ部と略同一高さでかつ該ヒンジ部を挟んだ両側に配置された2箇所の屈曲部と、各該屈曲部からそれぞれ上方に延びる2本の腕部と、各該腕部の先端同士を繋ぐ頂部と、からなり、
    前記多角形リングは、平面矢視で、全前記頂部と、隣り合う各該頂部の端部同士を最短距離で繋ぐ線と、により囲まれた平面領域に収まる形状を呈していると共に、各該頂部が各前記保持爪のそれぞれの後退側に当接するように全該保持爪に組み付けられており、
    前記頂部が前記保持爪の後退側に押されることによって、各前記腕部が該保持爪の揺動方向に揺動し、各該腕部及び/又は各前記屈曲部が捩られて、各該腕部及び/又は各該屈曲部に該頂部を該保持爪の進出側に復元する弾発力が発生することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載のカップホルダ。
  7. 前記保持爪が樹脂製であり、該保持爪の前記ヒンジ部がインテグラルヒンジであることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一つに記載のカップホルダ。
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