図1は、本発明に係る電子カメラの一実施例であるデジタルカメラの外観を示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は背面図である。
デジタルカメラ1は図1(a)に示すように正面側に撮像レンズ2を有している。また、デジタルカメラ1の背面には図1(b)に示すように、液晶モニタ画面4、モードダイアル6、グリップボタン7、メニューキー8、および図示していない各種操作キー(例えば、ズームキー、カーソルキー等)が設けられている。また、上面には電源ボタン3およびシャッターキー5が設けられ、図示されていないが側部にはパーソナルコンピュータ(以下、パソコン)やモデム等の外部装置とUSBケーブルに接続する場合に用いるUSB端子接続部が設けられている。
図2は、図1に示したデジタルカメラの電子回路構成の一実施例を示す図である。図2で、デジタルカメラ1は、基本モードである撮影モードにおいて、ズームレンズ12−1を移動させて光学ズーム動作を行わせるズーム駆動部11−1、フォーカスレンズ12−2を移動させて合焦動作を行わせるAF駆動部11−2、ズームレンズ12−1及びフォーカスレンズ12−2を含む撮像レンズ2を構成するレンズ光学系12、撮像素子であるCCD13、タイミング発生器(TG)14、垂直ドライバ15、サンプルホールド回路(S/H)16、A/D変換器17、カラープロセス回路18、DMA(Direct Memory Access)コントローラ19、DRAMインターフェイス(I/F)20、DRAM21、制御部22、VRAMコントローラ23、VRAM24、デジタルビデオエンコーダ25、表示部26、JPEG回路27、保存メモリ28、キー入力部30、グリップ動作検出部31を備えている。また、実施形態2および実施形態3ではデジタルカメラ1は色彩比較部32を備えているものとする。
撮影モードでのモニタリング状態においては、ズーム駆動部11−1は光学ズーム指示があると図示しないズームレンズ駆動モータを駆動してズームレンズ12−1を移動させる。また、AF駆動部11−2は図示しないフォーカスレンズ駆動モータを駆動してフォーカスレンズ12−2を移動させる。上記撮像レンズ2を構成する光学系12の撮影光軸後方に配置された撮像素子であるCCD13が、タイミング発生器(TG)14、垂直ドライバ15によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1画面分出力する。
CCD13は被写体の二次元画像を撮像する固体撮像デバイスであり、典型的には毎秒数十フレームの画像を撮像する。なお、撮像素子はCCDに限定されずCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像デバイスでもよい。
この光電変換出力は、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路(S/H)16でサンプルホールドされ、A/D変換器17でデジタルデータ(画素)に変換され、カラープロセス回路18で画像補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理が行われて、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb、Crが生成され、DMA(Direct Memory Access)コントローラ19に出力される。
DMAコントローラ19は、カラープロセス回路18の出力する輝度信号Y及び色差信号Cb、Crを、同じくカラープロセス回路18からの複合(composite)同期信号、メモリ書き込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いてDRAMインターフェイス(I/F)20を介してバッファメモリとして使用されるDRAM21にDMA転送する。
制御部22は、このデジタルカメラ1全体の制御動作を司るものであり、CPU若しくはMPU(以下、CPU)と、フラッシュメモリ等のプログラム格納メモリ、及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成され、上記輝度及び色差信号のDRAM21へのDMA転送終了後に、この輝度及び色差信号をDRAMインターフェイス20を介してDRAM21から読出し、VRAMコントローラ23を介してVRAM24に書込む。
制御部22は、また、キー入力部30からの状態信号に対応してフラッシュメモリ等のプログラム格納用メモリに格納されている各モードに対応の処理プログラムやメニューデータを取り出して、デジタルカメラ1の各機能の実行制御、例えば、本発明に基づく合焦位置の指定制御の他、光学ズーム動作やデジタルズーム指示によるデジタルズーム処理、スルー表示、自動合焦、撮影、記録、及び記録した画像の再生・表示等の実行制御等や機能選択時の機能選択メニューの表示制御、設定画面の表示制御、等を行う。
デジタルビデオエンコーダ25は、上記輝度及び色差信号をVRAMコントローラ23を介してVRAM24から定期的に読み出し、これらのデータを基にビデオ信号を生成して上記表示部26に出力する。
表示部26は、上述したように撮影モード時にはモニタ表示部(電子ファインダ)として機能するもので、デジタルビデオエンコーダ25からのビデオ信号に基づいた表示を行うことで、その時点でVRAMコントローラ23から取込んでいる画像情報に基づく画像をリアルタイムに液晶モニタ画面4に表示(スルー表示)することになる。
制御部22は合焦指示に応じてその時点でCCD13から取込んでいる1画面分の輝度及び色差信号のDRAM21へのDMA転送の終了後、直ちにCCD13からのDRAM21への経路を停止し、記録保存の状態に遷移する。
この保存記録の状態では、制御部22がDRAM21に書込まれている1フレーム分の輝度及び色差信号をDRAMインターフェイス20を介してY、Cb、Crの各コンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読み出してJPEG(Joint Photograph cording Experts Group)回路27に書込み、このJPEG回路27でADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピー符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮する。
そして得た符号データを1画像のデータファイルとしてJPEG回路27から読出し、デジタルカメラ1の記録媒体として着脱自在に装着される保存メモリ28に記録する。また、1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及びメモリカード28または内蔵メモリ29への全圧縮データの書込み終了に伴って、制御部22はCCD13からDRAM21への経路を再び起動する。
基本モードである再生モード時には、制御部22が保存メモリ28に記録されている画像データを選択的に読出し、JPEG回路27で画像撮影モード時にデータ圧縮した手順とまったく逆の手順で圧縮されている画像データを伸張し、伸張した画像データをVRAMコントローラ23を介してVRAM24に展開して記憶させた上で、このVRAM24から定期的に読出し、これらの画像データを元にビデオ信号を生成して表示部26で再生出力させる。
上記JPEG回路27は複数の圧縮率に対応しており、圧縮率に対応させて記憶するモードには圧縮率の低い高解像度(一般に、高精細、ファイン、ノーマルなどと呼ばれる)に対応するモードと圧縮率の高い低解像度(一般にエコノミーなどと呼ばれる)モードがある。
また、高画素数から低画素数にも対応している。例えば、QXGA(Quad eXtended Graphics Array(2048×1536))、UXGA(Ultra eXtended Graphics Array(1600×1200))、SXGA+(SXGA Plus(1400×1050))、SXGA(Super eXtended Graphics Array(1280×1024))、XGA(eXtended Graphics Array(1024×786))、SVGA(Super Video Graphics Array(800×600))、VGA(Video Graphics Array(640×480))、QVGA(Quarter VGA(320×240))、等と呼ばれる画素サイズがある。
保存メモリ28は、内蔵メモリ(フラッシュメモリ)やハードディスク、あるいは着脱可能なメモリカード等の記録媒体からなり画像データや撮影情報等を保存記録する。
キー入力部30は上述した、電源ボタン3、シャッターキー5、モードダイアル6、グリップボタン7、メニューキー8のほか、図示されていないズームボタン、カーソルキー、SETキー等の各種操作キーから構成され、それらのキー操作に伴う信号は制御部22に送出される。
シャッターキー5は、撮影時にレリーズ操作を行うもので、2段階のストロークを有しており、1段目の操作(半押し状態)でオートフォーカス(AF)と自動露出(AE)を行わせるための合焦指示信号を発生し、2段目の操作(全押し状態)で撮影処理を行うための撮影指示信号を発生する。後述するようにグリップ操作が行われない場合はシャッターキー5の半押し操作、全押し操作はともに可能であるが、グリップ操作に基づく合焦位置の指定があるとシャッターキー5の半押し操作はロックされ、全押し操作だけが可能となる。
モードダイアル6は撮影モードや再生モードを選択・設定することができる。ユーザはモードダイアル6を操作して、(静止画)通常撮影モード、マクロ撮影モード、連写モード、速写モード、・・、動画撮影モード、・・・等の撮影モードを選択することができ、再生モードを選択すると撮影画像を再生することができる。
メニューキー8はメニュー表示をしたい場合にユーザが操作するキーであり、メニューキー8が押されるとその時点で必要な操作や設定値等の選択メニューが表示される。また、後述する変形例1において、メニューキー8を合焦部分の画像を拡大してウインドウ表示させる際の合焦部分拡大表示指示手段および合焦部分の色彩を抽出してウインドウ表示する際の色彩表示指示手段として用いることができるものとする。また、実施形態3においては色見本表示指示手段としても用いられるものとする。
グリップボタン7はユーザのグリップ操作によりカーソルを所望の方向に移動させるために用いられるキーであり、グリップ操作とは親指の腹などでグリップボタン7の押圧部を押圧することによりグリップボタン7を所望の方向に傾ける操作をいうものとする。
入力部30はグリップ操作があると、グリップ操作の期間中、グリップボタン7が押圧された位置に対応する信号を出力する。グリップ操作が行われるとグリップボタン7の傾きの方向にカーソルが移動し、グリップボタン7から指を離すとカーソルは停止し、デジタルカメラ1はカーソルを中心としたAF枠に合焦するようAF動作(自動合焦動作)を開始する。グリップ操作により、ユーザは液晶モニタ画面4に表示されるスルー画像のうちの所望の部分を合焦位置として指定してAF動作を行わせ、指定した合焦位置に合焦させることができる。
グリップボタン7は、撮影モードにおいてスルー画像表示時は合焦位置指定手段および自動合焦開始指示手段として機能するが、所定のキーが操作された場合にはカーソルキーと同様に機能させるようにしてもよい。例えば、図示されていないメニューキーが押されたことにより選択メニューを表示した場合はグリップボタン7をメニュー選択手段として機能させるようにしてもよい。
グリップ動作検出部31は、入力部30からグリップ操作によるグリップ信号を受け取ってグリップの方向を検出して方向信号を制御部22に送出する。また、グリップボタン7から指を離すなどして押圧が解除されるとグリップ操作停止信号を制御部22に送出する。
また、色彩比較部32は、後述する実施形態2において、液晶モニタ画面4に表示されるスルー画像中の指定された位置の色を抽出し、抽出した色と液晶モニタ画面4に表示されているスルー画像の色彩を比較し、所定サイズ以上の矩形のなかで最も一致率の高い部分の座標値を取得して制御部22に送出する。なお、所定サイズ以上の矩形のなかで一致率が所定値以上の部分の座標値を取得して制御部22に送出するようにしてもよい。
色彩比較部32は、後述する実施形態2および実施形態3において、表示される色見本の中から選択(若しくは指定)された色彩と液晶モニタ画面4に表示されているスルー画像中の色彩を比較し、所定サイズ以上の矩形のなかで最も一致率の高い部分の座標値を取得して制御部22に送出する。なお、所定サイズ以上の矩形のなかで所定の割合以上の一致率の部分の座標値を取得して制御部22に送出するようにしてもよい。
図3はグリップボタンの一実施例を示す図であり、符号71はグリップボタン7の押圧部、符号72はグリップボタン7をデジタルカメラ1の裏面(以下、台部)に固定する軸、符号73は押圧部71と台部100の間に設けられている間隙、符号74はグリップボタン7に設けられている感圧素子、符号100はデジタルカメラ1の台部を示す。
グリップボタン7の押圧部71は弾性を備えた部材(例えば、合成樹脂製若しくはゴム製等)から構成され、図3(a)に示すように軸72によって台部100に固定されている。軸72は弾性を備えた部材(例えば、合成樹脂製)からなり、押圧部71が押圧されると押された方向に傾くように構成されている。また、図3(b)に示すように軸72を8方向に分割する分割線上の周辺(または周辺内部)には感圧素子74がそれぞれ設けられており、各感圧素子に接続する各ラインは軸72の内部に配線され、グリップ動作検出部31に接続する。なお、図示の例では各感圧素子74を8方向に配列したが、8方向に限定されない。例えば、4方向でもよく16方向でもよい。
感圧素子74として、外力より生ずる歪みの大きさに比例して電圧を発生する圧電素子ピエゾ素子等を用いることができる。ユーザがグリップボタン7の押圧部71の任意の部分を指等で押圧すると軸72が押された方向に傾くがその際押圧された部分が歪み、押圧された部分に近い感圧素子72から生ずる電圧(信号)が入力部30を介してグリップ動作検出部31に送出される。
図3でユーザが押圧部71の上方向部分を押すと、図3(b)に示したように軸72の断面図上で上方向部分に設けられている感圧素子74で生じる電圧と近隣の左上方向部分および右上方向部分等に設けられている感圧素子74で生じる電圧がグリップ動作検出部31に送られ、グリップ動作検出部31は、受け取った各電圧の大きさ等から押された方向を検出し、方向信号を制御部22に送出する。また、ユーザが押圧部71から指を離すと軸72が元の形状に復帰して傾きが0(ゼロ)になるので各感圧素子74らの出力も0(ゼロ)となり、電圧0を検出するとグリップ動作検出部31はグリップ操作停止信号を制御部22に送出する。
これにより、ユーザがグリップボタン7の押圧部71を押す際どの部分が押されても方向を検出することができる。たとえば、ユーザが押圧部71の上方向と右上方向の間(中間とは限らない)を押した場合、軸72が押されたほうに傾き、図3(b)の断面図での上方向に設けられている感圧素子74で生じる電圧とみ右上方向に設けられている感圧素子74で生じる電圧のほか、右方向に設けられている感圧素子74で生じる電圧および左上方向に設けられている感圧素子74で生じる電圧が入力部30を介してグリップ動作検出部31に送られるので、グリップ動作検出部31は受け取った各電圧の大きさ等から押された方向を検出し、方向信号を制御部22に送出する。
なお、ユーザがグリップボタン7の押圧部71を押すと上述したように押した方向に軸72が傾き、傾きの最も大きい部分に最も近い感圧素子74と近隣に設けられている他の感圧素子74からの電圧がグリップ動作検出部31に送られるが、グリップ動作検出部31には所定の電圧値(閾値)より小さな電圧をカットする手段を設けることが望ましい。これにより、例えば、ユーザが押圧部71の上方向部分を押した場合、上方向部分に対応して設けられている感圧素子74で生じる電圧と近隣の左上方向や右上方向に対応して設けられている感圧素子74で生じる電圧および電圧以外の感圧素子74にも電圧が生じ、グリップ動作検出部31に送られるがグリップ動作検出部31これらの電圧を除外してグリップ方向を検出することができる。
上記図3に示したグリップ部では押圧部71の押圧によって生ずる軸72の傾きを検出してグリップ方向を検出したが、軸の傾きではなく押圧部71の押圧からグリップ方向を検出することもできる。
図4はグリップボタンの他の実施例を示す図であり、符号76はグリップボタン7の押圧部、符号77はグリップボタン7をデジタルカメラ1の裏面(以下、台部)に固定する固定軸、符号73はグリップボタン7に設けられている感圧素子、符号100はデジタルカメラ1の台部を示す。
グリップボタン7の押圧部76は弾性を備えた部材(例えば、合成樹脂製若しくはゴム製等)の部材から構成され、図4(a)に示すように固定軸77によって台部100に固定されている。また、押圧部76の裏面(あるいは内部)には感圧素子78−78が8方向に向かう線分上に配列されており、各感圧素子78は図示しないラインを介してデジタルカメラ1の内部に設けられているグリップ動作検出部31に接続している。固定軸77の内部は中空に構成されており各感圧素子78−78に接続する各ラインは固定軸77の中空部を導通してグリップ動作検出部31に接続する。なお、図示の例では各感圧素子78−78を8方向に配列したが、8方向に限定されない。例えば、4方向でもよく16方向でもよい。
感圧素子78として、感圧素子74と同様、外力により生ずる歪みの大きさに比例して電圧を発生するピエゾ素子等を用いることができる。ユーザがグリップボタン7の押圧部76の任意の部分を指等で押圧すると押圧された部分が歪み、押圧された部分に近い感圧素子78から生ずる電圧(信号)がグリップ動作検出部31に送出される。
例えば、図4でユーザが押圧部76の上方向部分を押すと上方向線分上に設けられている感圧素子78−78で生じる電圧と近隣の右上方向線分上および左上方向部分上に設けられている感圧素子78−78で生じる電圧が入力部30を介してグリップ動作検出部31に送られ、グリップ動作検出部31は、受け取った各電圧の大きさ等から押された方向を検出し、方向信号を制御部22に送出する。また、ユーザが押圧部76から指を離すと各感圧素子78−78からの電圧出力が0(ゼロ)になるのでグリップ動作検出部31はグリップ操作停止信号を制御部22に送出する。
これにより、ユーザがグリップボタン7の押圧部76を押す際どの部分が押されても方向を検出することができる。つまり、ユーザは8方向に設けた感圧素子上を押すとは限らないが、グリップ動作検出部31は押圧部71のどの部分が押されても方向を検出することができる。例えば、図4(b)でユーザが上方向と右上方向の間(中間とは限らない)を押した場合、上方向線分上に設けられている感圧素子78−78で生じる電圧と右上線分方向上に設けられている感圧素子78−78で生じる電圧のほか、右方向に設けられている感圧素子78−78で生じる電圧2および左上方向に設けられている感圧素子78−78で生じる電圧が入力部30を介してグリップ動作検出部31に送られるので、グリップ動作検出部31は受け取った各電圧の大きさ等から押された方向を検出し、方向信号を制御部22に送出できる。
なお、ユーザがグリップボタン7の押圧部76を押すと上述したように押した部分に最も近い感圧素子78と近隣に設けられている他の感圧素子78からの電圧がグリップ動作検出部31に送られるが、グリップ動作検出部31は所定の電圧値(閾値)より小さな電圧をカットする手段を設けることが望ましい。これにより、例えば、ユーザが押圧部71の上方向部分を押した場合、前述した上方向部分に設けられている感圧素子78−78で生じる電圧V1と近隣の左上方向線分上および右上方向線分上に設けられている感圧素子78−78で生じる電圧以外の感圧素子78−78にも電圧が生じ、グリップ動作検出部31に送られるがグリップ動作検出部31これらの電圧を除外してグリップ方向を検出することができる。
上記図3および図4ではデジタルカメラ1の裏面に設けられたグリップボタン7について説明したが、デジタルカメラ1をユーザが手に持たずに撮影する場合、例えば、台の上において撮影したり小型三脚等に固定して撮影するような場合には、グリップボタン7を押圧するとカメラが動いて構図がずれたりするような場合がある。このような場合に、外付けのグリップボタンを用いて操作をすると便利である。
図5は外付けグリップボタンの一実施例を示す図であり、符号1はデジタルカメラ、符号7はデジタルカメラ1の裏面に設けられたグリップボタン、符号9は外付けグリップボタン、符号9−4はデジタルカメラ1の図示されていないUSB端子部と外付けグリップボタン9とを接続するケーブルであり、ケーブル9−4の端部にはUSB端子部に接続する接続端子(図示せず)が設けられている。また、符号10はデジタルカメラ1固定用の小型三脚である。
外付けグリップボタン9は押圧部9−1、軸9−2、台部9−3からなり、押圧部9−1および軸9−2の構造は、図3に示したグリップボタン7の押圧部71および軸72若しくは図4に示したグリップボタン7の押圧部76および固定軸77と同様であり、操作方法および機能も図3若しくは図4に示したグリップボタン7の操作方法および機能と同様である。
ユーザがデジタルカメラ1を手に持って撮影する場合は、デジタルカメラ1に設けられているグリップボタン7を用いてグリップ操作を行い、画面内の所望の位置を合焦位置として指定し、自動合焦を行わせる。またユーザがデジタルカメラ1を手に持たずに撮影しようとする場合は、デジタルカメラ1のUSB端子部に外付けグリップボタン9に接続しているケーブル9−4の接続端子を挿入してデジタルカメラ1と外付けグリップボタン9を接続した後、外付けグリップボタン9を用いてグリップ操作を行い、画面内の所望の位置を合焦位置として指定し、自動合焦を行わせることができる。
外付けグリップボタン9を用いることにより、デジタルカメラ1を台の上において撮影したり小型三脚10等に固定して撮影するような場合にグリップ操作によりカメラが動いて構図がずれたりすることが生じない。
図6はグリップ操作による合焦位置指定および自動合焦の際の画面表示例を示す図である。以下、図3に示したグリップボタン7を操作したものとして説明するが、図4に示したグリップボタン7や図5に示した外付けグリップボタン9を用いる場合も同様である。
図6(a)はグリップ操作が全くなされていない状態(以下、通常状態)のスルー画像50を示し、画面中央部には合焦範囲を示すAF枠51が表示される。グリップ操作なしでシャッターキー5を全押し操作するとAF枠51に合焦するように自動合焦が開始される。
図6(b)はグリップ操作による合焦位置指定の例であり、ユーザが図6(a)の通常状態でグリップボタン7の押圧部71の左上部分を押すと、AF枠51が消えてカーソル(図示の例では十文字形のカーソル)52が左上方向に移動する。図示の例は女性の顔にカーソル52を移動させた例であり、合焦位置指定時(つまり、カーソル移動時)にはカーソル52は所定の色彩(実施例では赤色)で表示される。
図6(c)は図6(b)のカーソル位置でグリップ操作を解除した例であり、グリップ操作の解除、つまり、グリップボタン7の押圧部71から押圧している指を離すと、指を離した時点のカーソル52の位置が合焦指定位置とされ、その位置に合焦するように自動合焦が開始される。なお、合焦処理中にグリップ操作が行われると図6(e)に示すような表示となる。
図6(d)は、図6(c)の合焦開始位置で合焦した場合の表示例であり、合焦処理が終了して図6(c)の合焦開始位置(=カーソル52の位置=図示の例では女性の顔)に合焦すると、カーソル52は合焦位置指定時とは異なる所定の色彩(実施例では緑色)で表示される。合焦後にシャッターキー5を全押し操作(撮影指示操作)すると撮影が行われる。図示の例では女性の顔に合焦した画像が撮影される。なお、シャッター操作前にグリップ操作が行われると図6(e)に示すような表示となる。
図6(e)は、図6(c)に示したような合焦処理中若しくは図6(d)に示したような合焦後で且つシャッター操作前に、ユーザがグリップ操作を行ってカーソルを移動してスルー画像の別の部分を合焦位置として指定した例であり、ユーザが図6(c)または図6(d)の状態でグリップボタン7の押圧部71の右上部分を押すと、図6(b)の場合と同じ色のカーソル52(実施例では赤色)が右上方向に移動する。図示の例は右側の木の葉にカーソル52を移動させた例である。
図6(f)は、図6(e)のカーソル位置でグリップ操作を解除した例であり、グリップボタン7の押圧部71から押圧している指を離すと、指を離した時点のカーソル52の位置(木の葉の部分)が合焦指定位置とされ、その位置に合焦するように自動合焦が開始される。
図6(g)は、図6(f)の合焦開始位置で合焦した場合の表示例であり、合焦処理が終了して図6(f)の合焦開始位置(=カーソル52の位置=図示の例では木の葉)に合焦すると、カーソル52は図3(c)と同様、合焦位置指定時とは異なる所定の色彩(実施例では緑色)で表示される。合焦後からシャッターキー5を全押し操作すると撮影が行われる。図示の例では木の葉に合焦した画像が撮影される。
(実施形態1)
図7は本実施形態に係わるデジタルカメラ1の撮影時の動作概要を示すフローチャートであり、このフローチャートはデジタルカメラ1のコンピュータに本発明の合焦位置指定機能を実現させるためのプログラムを説明するためのものである。
以下に示す処理は基本的に制御部22が予めフラッシュメモリ等のプログラム格納メモリに記憶されたプログラムに従って実行する例で説明するが、全ての機能をプログラム格納メモリに格納する必要はなく、必要に応じて、その一部若しくは全部をネットワークを介して受信して実現するようにしてもよい。以下、図1〜図7に基いて説明する。
ユーザが電源ボタン3を操作してデジタルカメラ1の主電源をオンとし、モードダイアル6を操作して撮影モードを選択すると、制御部22は撮影条件等の初期設定を行い(ステップS1)、その時点のズーム値に対応した焦点距離でスルー画像用のAE処理を実行しカラープロセス回路18でCCD13から画像データを得ると共にホワイトバランス(AWB)処理を施した上でDMAコントローラ19及びDRAMインターフェイス(I/F)20を介してDRAM21へのDMA転送を開始し、VRAM24をCCD13からの画像データを間引いたビデオスルー画像データで書き換えて表示部26の液晶モニタ画面4へのスルー画像表示を行うと共に(ステップS2)、図6(a)の例に示すように画面中央に所定サイズのAF枠51を表示する(ステップS3)。
次に、制御部22は、キー入力部30からの信号を調べ、ズーム指示があったか否か(図示されていないズームボタンの操作の有無)を調べ、ズーム指示があった場合はステップS5に進み、ズーム指示がない場合はステップS6に進む(ステップS4)。
ズーム指示がある場合は、ズーム処理を行ってからステップS6に進む(ステップS5)。
制御部22はキー入力部30からの信号を基にシャッターキー5の半押し操作があったか否かを調べ、半押し操作があった場合はステップS17に進み、そうでない場合はステップS7に進む(ステップS6)。
図3および図4の例で述べたように、ユーザがグリップ操作を行うと(つまり、グリップボタン7の押圧部71を押すと)、グリップ操作により生じた電圧が入力部30を解してグリップ動作検出部31に送られる。グリップ動作検出部31は受け取った各電圧の大きさ等から押された方向を検出して方向信号を制御部22に送出し、ユーザが押圧部76から指を離すとグリップ動作検出部31はグリップ操作停止信号を制御部22に送出するので、制御部22はグリップ動作検出部31からの信号の有無を調べ、方向信号を受け取った場合はステップS8に進み、グリップ操作停止信号を受け取った場合はステップS10に進み、グリップ動作検出部31からの信号が無い場合はステップS2に戻る(ステップS7)。
グリップ動作検出部31から方向信号を受け取った場合は、制御部22は現在表示されているカーソル(第1サイクルでは画面中央に表示されているAF枠)を消去すると共に(ステップS8)、現在のカーソル位置(第1サイクルでは画面中央)を起点としてグリップ動作検出部31から受け取った方向信号の示す方向(=カーソルボタンを押した方向)にカーソルを移動させ、ステップS7に戻る。また、この際、カーソルを所定の色彩(実施例では赤色)で表示するようにする(ステップS9)。
グリップ動作検出部31からグリップ操作停止信号を受け取った場合は、制御部22は現在表示されているカーソルをその位置で停止させる。これによりカーソルの停止位置が合焦開始位置となる(ステップS10)。
次に、制御部22は、本撮影用のAF処理(自動合焦処理)を行ってカーソルの停止位置を中心とした所定サイズの矩形部分(第1サイクルではAF枠51)にピントを合わせると共に、シャッターキー5の半押し時に取り込んだスルー画像データに基づく本撮影用のAE処理及び自動ホワイトバランス(AWB)処理を行い、ステップS12に進む。AF処理は、例えば、コントラスト検出方式を備えたものであれば、レンズ光学系12に含まれるフォーカスレンズ12−2を光軸方向に移動させながら、前記カーソル位置(若しくはAF枠の中央部分)に対応した画像のコントラスト(高周波成分)を検出し、最もコントラストが大きくなる位置を決定する処理を行う。なお、この間もシャッターキー5の全押し操作があるまで、VRAM24をCCD13からの画像データを間引いたスルー画像データで書き換えて表示部26の液晶モニタ画面4にスルー画像を表示する(ステップS11)。
ユーザはAF処理中であってもグリップ操作を行って所望の合焦位置を指定できるので、制御部22はグリップ動作検出部31からの信号の有無を調べ、方向信号を受け取った場合はステップS13に進み、グリップ動作検出部31から方向信号を受け取らない場合はステップS15に進む(ステップS12)。
制御部22は現在表示されているカーソルを消去すると共に(ステップS13)、現在のカーソル位置を起点としてグリップ動作検出部31から受け取った方向信号の示す方向にカーソルを移動させ、ステップS7に戻る。また、この際、カーソルはステップS9の場合と同じ色で表示するようにする(ステップS14)。
制御部22はAF処理等が終了したか否かを調べ、AF処理等が終了した場合はステップS16に進み、そうでない場合はステップS11に戻ってAF処理等を続行する(ステップS15)。
制御部22は、カーソルの表示色を他の所定の色(実施例では緑色)に変更して合焦の旨および合焦したことをユーザに告知するとともに(ステップS16)、キー入力部30からの信号を調べてシャッターキー5が全押し操作されたか否かを判定し、シャッターキー5が全押しされた場合はステップS18に進み、そうでない場合はシャッターキー5の全押しを待つ(ステップS17)。
シャッターキー5が全押しされると、制御部22はその時点で直ちにCCD13からのDRAM21への経路を停止してスルー画像取得時とは異なる本撮影時のCCD駆動方式への切換えを実行して取込んだ画像データに画像圧縮処理を施した後、この圧縮画像データ(画像ファイル)を保存メモリ28に記録して1フレーム分の画像の撮影を終了する(ステップS18)。
制御部22はキー入力部30からの信号を調べ、撮影終了操作がなされた場合は撮影処理を終了し、そうでない場合はステップS2に戻る(ステップS19)。
上記図7のフローチャートに示した動作により、ユーザは簡単な操作(グリップボタ7の押圧)で画面に表示されているスルー画像のうちの所望の部分を合焦位置として指定し、簡単な操作(押圧の解除)でAF(自動合焦)動作を開始させ、シャッター操作で撮影を行うことができる。また、AF処理中でも簡単な操作で合焦位置を指定し直して、新たにAF動作を開始させることができる。また、合焦位置の指定およびAF動作中と合焦後のカーソルの表示色を替えるので、ユーザは合焦したことを直ちに知ることができ、撮影指示(シャッター操作)のタイミングを逃さずにすむ。
なお、図7のステップS17ではシャッターキー5が全押しされない場合は全押し操作を待つようにしたが、シャッターキー5が全押しされない場合には「グリップ動作検出部31からの信号の有無を調べ、方向信号を受け取った場合は現在表示されているカーソルを消去する」ステップと、「グリップ動作検出部31から方向信号がない場合はステップS17に戻る」ステップをステップS17とステップS18の間に設けるようにしてもよい。このように構成することにより、ユーザは合焦後であってもシャッターキー5の全押し前であれば合焦位置を変更し、新たにAF処理を開始させることができる。
また、上記図7のステップS10ではグリップ動作検出部31からグリップ操作停止信号を受け取った場合は、制御部22は現在表示されているカーソルをその位置で停止させるようにしたが、カーソルに代えてカーソルの停止位置を中心とした所定サイズのAF枠を表示するようにしてもよい。また、このようにした場合はAF処理終了後にステップS16でAF枠の表示色を変えるようにする。
<変形例1>
図7のフローチャートではユーザは緑色でカーソル表示されている部分を合焦位置として認識することができるが、合焦部分を拡大して画面上の指定の位置に表示するようにすれば、実際にピントが合っている領域や色彩を正確に把握しやすくなる。
図8はグリップ操作時の合焦領域拡大表示例の説明図であり、図8(a)は前述した図6(a)と同様、通常状態(グリップ操作が全くなされていない状態)のスルー画像を示し、画面中央部には合焦位置を示すAF枠51が表示される。グリップ操作なしでシャッターキー5を全押し操作するとAF枠51に合焦するように自動合焦が開始される。
図8(b)は前述した図6(b)同様、グリップ操作による合焦位置指定の例であり、女性の顔にカーソル52を移動させた例である。カーソル52は所定の色彩(図示の例では赤色)で表示される。
図8(c)は図8(b)のカーソル位置(女性の顔の部分)でグリップ操作を解除した例であり、グリップボタン7の押圧部71から押圧している指を離すとその位置に合焦するように自動合焦が開始される。また、この際、合焦部分が拡大されて画面上の所定の位置(図示の例では右下)に開く小ウインドウ81に表示され、更に、ピントを合わせているコントラスト色が小ウインドウ82に表示される。
図9は実施形態1に係わる変形例の動作概要を示すフローチャートであり、ステップS1〜S16、S17〜S19は図7のフローチャートのステップS1〜S19と同様である。つまり、図7フローチャートのステップS16とS17の間に図示のステップS16−2〜S16−7を加えればよい。以下、図1〜図9を基に説明する。なお、本変形例では図7フローチャートのステップS16とS17の間において、メニューキー8を合焦部分拡大表示指示手段および色彩表示手段として用いることができるものとする。
AF処理による合焦後、ユーザはメニューキー8を押すことにより合焦部分拡大表示指示を行うことができるので、制御部22は入力部30からの信号を調べ、メニューキー8が操作された場合はステップS16−3に進み、そうでない場合はステップS16−5に進む(ステップS16−2)。
合焦部分拡大表示指示があると、制御部22は、現在表示されているスルー画像50の合焦指示位置(つまり、カーソル52の位置)を中心とした所定サイズの矩形領域に相当する画像(以下、合焦画像と記す)を抽出して図8(c)に示した小ウインドウ81のサイズに拡大し(ステップS16−3)、画面上の所定位置に小ウインドウ81を開き、上記ステップS16−3で拡大した合焦画像を表示する(ステップS16−4)。
次に、ユーザは更にメニューキー8を操作することにより色彩表示指示を行うことができるので、制御部22は入力部30からの信号を調べ、メニューキー8が操作された場合はステップS16−6に進み、そうでない場合は図7のフローチャートのステップS17に進む(ステップS16−5)。
色彩表示指示があると、制御部22は、現在表示されているスルー画像50の合焦指示位置(つまり、カーソル52の位置)の中心部の1ドットの色データをピントが合っている部分の色として抽出し(ステップS16−6)、画面上の所定位置に図8(c)に示したような小ウインドウ82を開き、小ウインドウ82を上記ステップS16−6で抽出した色データに基づく色彩で表示し、図7のフローチャートのステップS17に進む(ステップS16−7)。
上記図9のフローチャートに示した動作により、ユーザがグリップ操作で画面上の所望の部分を合焦位置として指定したあと合焦部分の画像や合焦部分の色彩をウインドウ表示させることができるので、ユーザは被写体のどこの部分にピントを合わせているかをより正確に把握することができる。
また、ピントの合った部分の画像を抽出して拡大しウインドウ表示するので、カメラを移動したり、手ブレ等により合焦位置がずれてもピントを合わせた部分を確認したり、合焦位置を元に戻すことができる。
なお、上記図9のフローチャートでは、ステップS16−2で合焦画像表示指示があった場合に合焦部分の画像表示を行い、ステップS16−5で色彩表示指示があった場合に合焦部分の色彩表示を行うように構成したが、ステップS16−2およびS16−5を省略して、合焦画開始されると自動的に合焦部分の画像表示および合焦部分の色彩表示を行うようにしてもよい。
また、図9のフローチャートのステップS16−7では小ウインドウに合焦部分の色彩表示を行うようにしたが、小ウインドウに代えて合焦部分の色彩の色マークを表示するようにしてもよい。
図10はグリップ動作検出部31の構成例を示すブロック図であり、グリップ動作検出部31は、グリップ操作判定部311、方向決定部31−2、および信号生成部31−3を有している。なお、グリップ動作検出部31を下記に述べる機能を備えたグリップ方向検出プログラムとして構成し、制御部22の制御の下で機能させるようにしてもよい。
グリップ動作検出部31は入力部30から受け取った信号(感圧素子の出力電圧および感圧素子のグリップボタン7上の位置信号)を基に、方向信号またはグリップ操作停止信号を生成して制御部22に送る。
グリップ操作判定部311は、入力部30から受け取った信号を元にグリップ操作の解除の有無を判定する。つまり、グリップ操作によりグリップボタン7の押圧部71が押圧されている間は入力部30から信号が継続的に送られるが、ユーザが押圧部71(または76)から指を離すと押圧が解除され、入力部30からの信号が減衰し、やがては略0になるので、入力部30からの信号の幅を閾値と比較し、閾値より小さい場合はグリップ操作が解除されたものと判定し、その結果を信号生成部313に渡す。また、グリップ操作が解除されない場合は受け取った信号を方向決定部312に渡す。
方向決定部312は、入力部30からの各信号に含まれている感圧素子のグリップボタン7上の位置信号と出力電圧の大きさを比較し、出力電圧が最も大きい感圧素子の位置若しくは出力電圧の大きい順に感圧素子の位置を得てこの位置に対応付けられる方向を算出し、算出した方向をグリップ方向として決定し、その結果を信号生成部313に渡す。
信号生成部313は、方向決定部312からグリップ方向を取得するとそのグリップ方向に対応する方向信号を生成して制御部22に送り、グリップ操作判定部311からグリップ操作解除の判定結果を得るとグリップ操作停止信号を生成して制御部22に送る。
(実施形態2)
上記実施形態1ではユーザがグリップ操作により合焦位置を指定したが、スルー画像の一部を指定して指定した部分の色彩と同じ色の画像部分を表示し、表示された画像部分のうちから適当な画像部分を選んでピントを合わすようにしてもよい。以下、グリップ操作によりスルー画像の色彩を指定してピントを合わす例について図1〜図4、および図11を基に説明する。
図11はグリップ操作による色彩指定および自動合焦の際の画面表示例を示す図である。以下、図3に示したグリップボタン7を操作したものとして説明するが、図4に示したグリップボタン7や図5に示した外付けグリップボタン9を用いる場合も同様である。
図11(a)はグリップ操作が全くなされていない状態(以下、通常状態)のスルー画像50を示し、画面中央部には合焦範囲を示すAF枠51が表示される。グリップ操作なしでシャッターキー5を全押し操作するとAF枠51に合焦するように自動合焦が開始される。
図11(b)はグリップ操作による色彩指定の例であり、ユーザが図11(a)の通常状態でグリップボタン7の押圧部71の左下部分を押すと、AF枠51が消えてカーソル(図示の例では十文字形のカーソル)52が左下方向に移動する。図示の例は女性の胸にカーソル52を移動させた例であり、合焦位置指定動作時(つまり、カーソル移動時)にはカーソル52は所定の色彩(実施例では赤色)で表示される。
図11(c)は図11(b)のカーソル位置でグリップ操作を解除した例であり、グリップ操作の解除、つまり、グリップボタン7の押圧部71から押圧している指を離すと、指を離した時点のカーソル52の位置の色彩と所定サイズ枠内の色彩が同じ部分がAF枠で囲まれて表示される。図示の例では、女性の顔、胸、右腕にAF枠51−1、AF枠51−2、AF枠51−3が表示される。なお、各AF枠は所定の色彩(実施例では赤色)で表示される。
図11(d)は、図11(c)に示したように複数のAF枠が表示された場合に、ユーザがグリップ操作を行って所望のAF枠を選択した例であり、ユーザが図11(c)グリップボタン7の押圧部71の上部分を押すと、図11(b)の場合と同じ色のカーソル52(実施例では赤色)が上方向に移動する。図示の例はAF枠51−1に囲まれた画像部分(女性の顔)を合焦位置として選択した例である。
図11(e)は、図11(d)の合焦開始位置で合焦を開始した場合の表示例であり、ユーザが図11(c)の状態でグリップボタン7の押圧部71から指を離すと指を離した時点のAF枠51−1内の画像部分(図示の例では女性の顔)が合焦指定位置とされ、その位置に合焦するように自動合焦が開始される。また、合焦すると、合焦したことがユーザに認識されやすいようにAF枠51−1は異なる所定の色彩(実施例では緑色)のカーソル52に変更されて表示される。
なお、図11の例ではグリップ操作によりスルー画像の色彩を指定し、表示された複数のAF枠のうち所望のAF枠を選択し、グリップ解除により合焦を開始するようにしたが、スルー画像の色彩の指定、選択、および合焦開始指示はグリップ操作に限定されない。例えば、デジタルカメラ1のカーソルキー(図示せず)を用いてスルー画像の色彩を指定し、表示された複数のAF枠のうち所望のAF枠を選択し、SETボタンを押すことにより合焦を開始するようにしてもよい。
図12は本実施形態に係わる色彩指定による合焦位置指定時のデジタルカメラの動作を示すフローチャートであり、このフローチャートはデジタルカメラ1に本発明の色彩指定による合焦位置指定機能を実現させるためのプログラムを説明するためのものである。
以下に示す処理は基本的に制御部22が予めフラッシュメモリ等のプログラム格納メモリに記憶されたプログラムに従って実行する例で説明するが、全ての機能をプログラム格納メモリに格納する必要はなく、必要に応じて、その一部若しくは全部をネットワークを介して受信して実現するようにしてもよい。以下、図7に示したグリップ操作時にスルー画像の色彩を指定して合焦位置指定を行う例について、図1〜図3、図7、図11、および図12を基に説明する。
図12において、カーソルを所望の色彩部分に移動させてからグリップボタン7の押圧部71(または押圧部76)から指を離してカーソルを停止させて色彩の指定を行うまでの動作は図7のフローチャートのステップS1〜S9(グリップ操作によるカーソル移動)、ステップS10(カーソル停止=合焦開始位置指定)の動作と同様である。なお、本実施形態では図7のステップS10によりカーソルが停止すると、カーソル位置の色彩が指定された色彩となる(ステップT1)。
上記ステップT1でスルー画像の色彩が指定されると、制御部22は色彩比較部32に現在表示されているスルー画像50上のカーソル停止位置(つまり、色彩指定位置)の中心部の1ドットの色データをピントが合っている部分の色として抽出させ(ステップT2)、抽出した色と液晶モニタ画面4に表示されているスルー画像の色彩を比較させる(ステップT3)。色彩比較部32は画面上に矩形を設定し、矩形のなかで所定の割合以上の一致率の小矩形部分(複数の場合あり)の座標値(矩形の四隅の座標値)をそれぞれ取得して制御部22に送出する(ステップT4)。
制御部22は色彩比較部32から取得した各矩形の座標値を元にスルー画像上に所定の色彩(実施例では赤色)の矩形枠を表示し、ユーザに選択を促す(ステップT5)。
ユーザがグリップ操作によりカーソルを所望の矩形枠に移動してからグリップボタン7の押圧部71から指を離すとその矩形枠が選択される。グリップ動作検出部31かはグリップ操作停止信号を制御部22に送る。グリップ操作停止信号を受け取った制御部22は現在表示されているカーソルをその位置で停止させ、ステップT7に進み合焦処理等を開始させる(ステップT6)。
次に、制御部22は、図7のフローチャートのステップS11(本撮影用のAF処理、AE処理、及び自動ホワイトバランス(AWB)処理)およびステップS12〜S19(撮影指示、撮影処理、画像記録等)動作と同様の本撮影用のAF処理、AE処理、及び自動ホワイトバランス(AWB)処理)と、撮影指示、撮影処理、画像記録等の実行制御を行う(ステップT7)。
上記図12のフローチャートに示した動作により、ユーザは簡単な操作(グリップボタ7の押圧)で画面に表示されているスルー画像のうちの所望の色彩を指定し、スルー画像上に表示される同色部分を選択し、簡単な操作(押圧の解除)でAF(自動合焦)動作を開始させ、シャッター操作で撮影を行うことができる。また、AF処理中でも簡単な操作で合焦位置を指定し直して、新たにAF動作を開始させることができる。また、合焦位置の指定およびAF動作中と合焦後のカーソルの表示色を替えるので、ユーザは合焦したことを直ちに知ることができ、撮影指示(シャッター操作)のタイミングを逃さずにすむ。
(実施形態3)
上記実施形態2ではユーザがスルー画像の一部を指定して指定した部分の色彩と同じ色の画像部分を表示し、表示された複数の画像部分のうちから適当な画像部分を選んでピントを合わすようにしたが、画面に色見本を表示し、色見本のうちの所望の色を予め若しくはスルー画像表示後に指定して指定した部分の色彩と同じ色の画像部分を合焦位置としたり、表示された複数の画像部分のうちから適当な画像部分を選んでピントを合わすようにしてもよい。以下、表示されている色見本のうちの所望の色彩と同じ色の画像部分若しくは類似する複数の画像部分のうちから適当な画像部分を選んでピントを合わす例について図1〜図4、および図13を基に説明する。
図13はグリップ操作による色彩指定および自動合焦の際の画面表示例を示す図である。以下、図3に示したグリップボタン7を操作したものとして説明するが、図4に示したグリップボタン7や図5に示した外付けグリップボタン9を用いる場合も同様である。
図13(a)は撮影モード開始時にメニュー選択により「色彩による合焦位置指定」メニューを選択した場合に表示される色見本表示ウインドウ130である。ユーザは色見本表示ウインドウ130に表示されている各色のうちの所望の色を指定することができる。
図13(b)は撮影モードで表示される通常状態のスルー画像50を示す。
図13(c)は、指定された色見本との色彩の一致率が最も高い部分にAF枠を表示するようにした場合の例であり、図13(a)で色見本ウインドウ130のなかから所望の色を指定した場合にスルー画像50の最適な色彩位置に表示されるAF枠51の例である。AF枠51は所定の色彩(実施例では赤色)で表示される。なお、ここでいう最適な色彩位置とは図13(a)で指定した色見本と所定サイズ以上の面積の色彩の一致率が最も高い矩形の中心位置をいう。図13(a)でユーザがグリップ操作で色見本ウインドウ130のなかから所望の色を指定した場合に指定された色彩と最も一致率が高い色彩位置に表示されるAF枠の例であり、図示の例では女性の顔が合焦指定位置とされ、その位置に合焦するように自動合焦が開始される。また、合焦すると、合焦したことがユーザに認識されやすいようにAF枠51は異なる所定の色彩(実施例では緑色)のAF枠に変更されて表示される。
図13(d)は、指定された色見本との色彩の一致率が所定値以上の部分にそれぞれAF枠を表示するようにした場合の例であり、図13(a)でユーザがグリップ操作で色見本ウインドウ130のなかから所望の色を指定した場合にスルー画像50に表示される複数の色彩位置に表示されるAF枠の例であり、図示の例では、女性の顔、胸、右腕にAF枠51−1、AF枠51−2、AF枠51−3が表示される。なお、各AF枠は所定の色彩(実施例では赤色)で表示される。なお、ここでいう色彩位置とは図13(a)で指定した色見本と所定サイズ以上の面積の色彩の一致率が所定値以上の矩形の中心位置をいう。
図13(e)は、図13(d)で表示されたAF枠51−1、AF枠51−2、AF枠51−3のうちからユーザがAF枠51−1をグリップ操作により選択した例を示し、ユーザがグリップ操作でカーソル52をAF枠51−1に移動させてから押圧部71(または押圧部76)から指を離すと、AF枠51−1内の画像部分(図示の例では女性の顔)が合焦指定位置とされ、その位置に合焦するように自動合焦が開始される。また、合焦すると、合焦したことがユーザに認識されやすいようにAF枠51−1は異なる所定の色彩(実施例では緑色)のAF枠に変更されて表示される。
図14は本実施形態に係わる色彩指定による合焦位置指定時のデジタルカメラの動作を示すフローチャートであり、このフローチャートはデジタルカメラ1に本発明の色彩指定による合焦位置指定機能を実現させるためのプログラムを説明するためのものである。
以下に示す処理は基本的に制御部22が予めフラッシュメモリ等のプログラム格納メモリに記憶されたプログラムに従って実行する例で説明するが、全ての機能をプログラム格納メモリに格納する必要はなく、必要に応じて、その一部若しくは全部をネットワークを介して受信して実現するようにしてもよい。以下、グリップ操作により撮影モード開始時に表示される色見本の色彩を指定して合焦位置指定を行う例について、図1〜図4、図13、および図14を基に説明する。
ユーザが電源ボタン3を操作してデジタルカメラ1の主電源をオンとし、モードダイアル6を操作して撮影モードを選択すると、制御部22は撮影条件等の初期設定を行うと共に選択メニュー(図示せず)を表示してユーザによる選択を促し、ユーザが「色彩による合焦位置指定」メニューを選択するとステップU2に進む(ステップU1)。
制御部22はプログラム格納メモリに格納されている色見本データを表示部26に送って図13(a)に示したような色見本表示ウインドウ130を液晶表示画面4に表示させ、ユーザによる選択を促す(ステップU2)。
ユーザはグリップ操作により所望のメニューや色見本の位置にカーソルを移動させてから、押圧部71から指を離してカーソルを停止させることによりメニューや色見本を指定して選択できるので、制御部22は入力部30からの信号を調べ、グリップ操作停止信号を受信するとその位置の座標を基に色見本中で指定された色彩を特定する(ステップU3)。
制御部22は、その時点のズーム値に対応した焦点距離でスルー画像用のAE処理を実行しカラープロセス回路18でCCD13から画像データを得ると共にホワイトバランス(AWB)処理を施した上でDMAコントローラ19及びDRAMインターフェイス(I/F)20を介してDRAM21へのDMA転送を開始し、VRAM24をCCD13からの画像データを間引いたビデオスルー画像データで書き換えて表示部26の液晶モニタ画面4へのスルー画像表示を行う(ステップU4)。
制御部22は色彩比較部32に上記ステップU3で指定された色彩と液晶モニタ画面4に表示されているスルー画像の色彩を比較させる(ステップU5)。色彩比較部32は画面上に矩形を設定し、矩形のなかで最も一致率の大きな矩形部分の座標値(矩形の四隅の座標値)を取得して制御部22に送出する(ステップU6)。
制御部22は色彩比較部32から取得した矩形の座標値を元にスルー画像上に所定の色彩(実施例では赤色)の矩形枠を表示し、ユーザに合焦指示(シャッターキー5の半押し)を促す(ステップU7)。
制御部22はキー入力部30からの信号を調べ、ユーザがシャッターキー5を半押ししたか否かを調べ、シャッターキー5が半押しされた場合はステップU9に進みAF処理(自動合焦処理)等を開始させ、そうでない場合はステップU4に戻る(ステップU8)。
次に、制御部22は、図7のフローチャートのステップS11(本撮影用のAF処理、AE処理、及び自動ホワイトバランス(AWB)処理)およびステップS12〜S19(撮影指示、撮影処理、画像記録等)に示したと同様の本撮影用のAF処理、AE処理、及び自動ホワイトバランス(AWB)処理)と、撮影指示、撮影処理、画像記録等の実行制御を行う(ステップU9)。
上記図14のフローチャートに示した動作により、ユーザは撮影モード開始時に表示される色見本のうちの所望の色彩を指定すれば、指定した色彩と最も一致率の高いスルー画像の部分が枠で囲まれて表示されるので、ユーザはその部分を合焦位置としてシャッターキー5を半押してAF動作を開始させ、シャッターキー5の全押し操作で撮影を行うことができる。また、また、合焦位置の指定およびAF動作中と合焦後の枠の表示色を替えるので、ユーザは合焦したことを直ちに知ることができ、撮影指示(シャッター操作)のタイミングを逃さずにすむ。
<変形例3−1>
上記図14のフローチャートに示した例では撮影モード開始時に表示される色見本のうちから指定した色彩と最も一致率の高いスルー画像の部分にピントを合わすようにしたが、所定値より高い一致率の画像部分(複数)を表示し、ユーザがその中から適当な画像部分を選んでピントを合わすようにしてもよい。具体的には、上記図14のステップU6を、「色彩比較部32は画面上に矩形を設定し、矩形のなかで一致率が所定値以上の矩形部分の座標値(矩形の四隅の座標値)をそれぞれ取得して制御部22に送出する」ように構成し、ステップU7を「制御部22は色彩比較部32から取得した各矩形の座標値を元にスルー画像上に所定の色彩(実施例では赤色)の矩形枠をそれぞれ表示し、ユーザに選択を促し、ユーザが矩形枠を選択するとその矩形枠内の部分を合焦位置としてユーザに合焦指示(シャッターキー5の半押し)を促す」ように構成すればよい。
このようにすることにより、複数表示される矩形枠のうちから最適な色彩部分の矩形枠を指定してシャッターキー5を半押しして合焦を開始させることができる。
<変形例3−2>
上記実施形態3および変形例3−1ではユーザが予め表示される色見本のうちの所望の色彩と同じ色の画像部分若しくは類似する複数の画像部分のうちから最適な画像部分を自動的に選択してピントを合わすようにしたが、スルー画像表示中に色見本を表示してその色見本のうちの所望の色彩と同じ色の画像部分若しくは類似する複数の画像部分のうちから適当な画像部分を選んでピントを合わすようにしてもよい。
図15はグリップ操作による色彩指定および自動合焦の際の画面表示例の変形例を示す図であり、図15(a)はグリップ操作が全くなされていない状態(以下、通常状態)のスルー画像50を示し、画面中央部には合焦範囲を示すAF枠51が表示される。グリップ操作なしでシャッターキー5を全押し操作するとAF枠51に合焦するように自動合焦が開始される。
図15(b)はメニューキー8を押すと表示されるメニュー(図示せず)のうち「色彩による合焦位置指定」メニューを選択した場合にスルー画像上に表示される色見本表示ウインドウ150を示す。ユーザはグリップ操作により色見本表示ウインドウ150に表示されている各色のうちの所望の色を指定することができる。
図15(c)は、指定された色見本との色彩の一致率が最も高い部分にAF枠を表示するようにした場合の例であり、図15(b)で色見本ウインドウ150のなかから所望の色を指定した場合にスルー画像50の最適な色彩位置(図示の例では女性の胸)に表示されるAF枠51の例である。AF枠51は所定の色彩(実施例では赤色)で表示される。なお、ここでいう最適な色彩位置とは図15(b)で指定した色見本と所定サイズ以上の面積の色彩の一致率が最も高い矩形の中心位置をいう。図13(a)でユーザがグリップ操作で色見本ウインドウ130のなかから所望の色を指定した場合に指定された色彩と最も一致率が高い色彩位置に表示されるAF枠の例であり、図示の例では女性の顔が合焦指定位置とされ、その位置に合焦するように自動合焦が開始される。また、合焦すると、合焦したことがユーザに認識されやすいようにAF枠51は異なる所定の色彩(実施例では緑色)のAF枠に変更されて表示される。
図15(d)は、指定された色見本との色彩の一致率が所定値以上の部分にそれぞれAF枠を表示するようにした場合の例であり、図15(b)で色見本ウインドウ150のなかから所望の色を指定した場合にスルー画像50に表示される複数の色彩位置に表示されるAF枠の例であり、図示の例では、女性の顔、胸、右腕にAF枠51−1、AF枠51−2、AF枠51−3が表示される。なお、各AF枠は所定の色彩(実施例では赤色)で表示される。なお、ここでいう色彩位置とは図15(b)で指定した色見本と所定サイズ以上の面積の色彩の一致率が所定値以上の矩形の中心位置をいう。
図15(e)は、図15(d)で表示されたAF枠51−1、AF枠51−2、AF枠51−3のうちからユーザがAF枠51−2をグリップ操作により選択した例を示し、ユーザがグリップ操作でカーソル52をAF枠51−2に移動させてから押圧部71から指を離すと、AF枠51−1内の画像部分(図示の例では女性の胸)が合焦指定位置とされ、その位置に合焦するように自動合焦が開始される。また、合焦すると、合焦したことがユーザに認識されやすいようにAF枠51−2は異なる所定の色彩(実施例では緑色)のAF枠に変更されて表示される。
図16は変形例3−2に係わる色彩指定による合焦位置指定時のデジタルカメラの動作を示すフローチャートであり、このフローチャートはデジタルカメラ1に本発明の色彩指定による合焦位置指定機能を実現させるためのプログラムを説明するためのものである。以下、グリップ操作によりスルー画像の色彩を指定して合焦位置指定を行う例について、図1〜図4、図15、および図16を基に説明する。
ユーザが電源ボタン3を操作してデジタルカメラ1の主電源をオンとし、モードダイアル6を操作して撮影モードを選択すると、制御部22は撮影条件等の初期設定を行う(ステップV1)。
次に、制御部22は、その時点のズーム値に対応した焦点距離でスルー画像用のAE処理を実行しカラープロセス回路18でCCD13から画像データを得ると共にホワイトバランス(AWB)処理を施した上でDMAコントローラ19及びDRAMインターフェイス(I/F)20を介してDRAM21へのDMA転送を開始し、VRAM24をCCD13からの画像データを間引いたビデオスルー画像データで書き換えて表示部26の液晶モニタ画面4へのスルー画像表示を行う(ステップV2)。
ユーザがメニューキー8を押すと、制御部22はプログラム格納メモリに格納されている色見本データを表示部26に送って図15(b)に示したような色見本表示ウインドウ150を液晶表示画面4に表示し(ステップV3)、ユーザによる選択を促す。ユーザはグリップ操作により所望のメニューや色見本の位置にカーソルを移動させてから、押圧部71(または押圧部76)から指を離してカーソルを停止させることによりメニューや色見本を指定して選択できる(ステップV4)。
以下、ステップV5〜V8は図14のステップU5〜ステップU9の動作と同様でよい。但し、ステップV7でシャッターキー5が半押しされない場合の戻り先はステップV2となる。
上記図16のフローチャートに示した動作により、ユーザはスルー画像表示中に色見本を表示して所望の色彩を指定すれば、指定した色彩と最も一致率の高いスルー画像の部分が枠で囲まれて表示されるので、ユーザはその部分を合焦位置としてシャッターキー5を半押してAF動作を開始させ、シャッター操作で撮影を行うことができる。また、また、合焦位置の指定およびAF動作中と合焦後の枠の表示色を替えるので、ユーザは合焦したことを直ちに知ることができ、撮影指示(シャッター操作)のタイミングを逃さずにすむ。
<変形例3−3>
なお、上記図16のフローチャートに示した例では色見本のうちから指定した色彩と最も一致率の高いスルー画像の部分にピントを合わすようにしたが、変形例3−1と同様にステップV5で「画面上に矩形を設定し、矩形のなかで一致率が所定値以上の矩形部分の座標値(矩形の四隅の座標値)をそれぞれ取得し」、ステップV6で、「取得した座標値を基に所定値より高い一致率の画像部分を表示し、ユーザがその中から適当な画像部分を選んでピントを合わす」ように構成してもよい。
このようにすることにより、複数表示される矩形枠のうちから色見本とは異なるがユーザが見比べて最も適していると判断した色彩部分の矩形枠を指定してシャッターキー5を半押しして合焦を開始させることができる。
なお、図13および図15の例ではグリップ操作によりスルー画像の色彩を指定し、表示された複数のAF枠のうち所望のAF枠を選択し、グリップ解除により合焦を開始するようにしたが、スルー画像の色彩の指定、選択、および合焦開始指示はグリップ操作に限定されない。例えば、デジタルカメラ1のカーソルキー(図示せず)を用いてスルー画像の色彩を指定し、表示された複数のAF枠のうち所望のAF枠を選択し、SETボタンを押すことにより合焦を開始するようにしてもよい。
また、上記各実施形態および変形例ではデジタルカメラを例として説明したが、本発明の適用範囲はデジタルカメラに限定されるものではなく、例えば、静止画像撮影可能なデジタルムービーカメラやカメラ付の携帯電話機など、画面上にスルー画像を表示しながら撮影可能な機能を備えた電子機器(撮像装置)であれば、その全てに適用可能である。
また、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその主旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示されている全構成要素の中からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また、上記各実施形態において記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば、フラッシュメモリやハードディスク、あるいは着脱可能なメモリカード等の記録媒体に書き込んで各種装置に適用したり、そのプログラム自体をネットワーク等の伝送媒体により伝送して各装置に適用することも可能である。各種装置のコンピュータは記録媒体に記録されたプログラムあるいは伝送媒体を介して提供されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、各処理を実行して本手法を実現する。