JP4989815B2 - 液晶媒体およびこれを含有する液晶ディスプレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶媒体、その電気光学用途における使用、この媒体を含有する電気光学表示素子および電気光学液晶ディスプレイ、特に低いアドレス電圧(addressing voltage)を有する液晶ディスプレイに関する。これらの液晶ディスプレイは、TN(ねじれネマティック)またはSTNモードで動作する。アドレスは、直接に、または低時分割比で時分割駆動により生起する。TNディスプレイは、グーチおよびテリー(Gooch and Tarry)の光透過率の第一極小値で動作させると好ましい。TNおよびSTNディスプレイは、中でも、野外用途に適しており、また一般用途に適していることから、「一般用−ディスプレイ」(common−use display)としても知られている。
【0002】
【従来の技術】
液晶は、本質的に表示デバイスの誘電体として使用される。この理由は、これらの物質の光学的性質は、電場の作用により目標を定めた様相で変更することができるからである。
液晶に基づく電気光学デバイスは、当業者に充分に周知であり、各種効果に基づくことができる。このようなデバイスの例には、動的散乱を有するセル、DAPまたはECBセル(DAP=整列相の変形;ECB=電圧制御複屈折)、ゲスト/ホストセル、ねじれネマティック構造を有するTNセル、STN(スーパーツィストネマティック)セル、SPE(超複屈折効果)セル、OMI(光学モード干渉)セル、IPS(イン−プレーンスイッチング)セルあるいはコレステリック−ネマティック相変換を有するセルがある。
【0003】
大部分の慣用の表示デバイスは、TNセルである。これらは、シャット−ヘルフリッヒ(Schadt-Helfrich)効果に基づいており、ねじれネマティック構造を有する。このようなTN液晶ディスプレイを工業的に使用するには、多くの条件を満たす液晶材料が必要である。
長い作業寿命を達成するためには、液晶材料は、例えば良好な化学的安定性および熱に対する安定性を有し、かつまた良好な電場および電磁波照射線に対する安定性を有していなければならない。
さらにまた、液晶材料は、通常の動作温度で、すなわち室温(20℃)以上および以下のできるだけ広い範囲において、適当な中間相(mesophase)を有していなければならない。これらを野外用途、例えば自動車または航空機に適するものにしようとする場合、これらは、特に良好な低温挙動を有するべきであり、これは、例えば結晶化が−20℃の低温で生じないものであるべきことを意味する。さらに、この混合物は、55℃以上の透明点TN,I を有していなければならない。
【0004】
グーチおよびテリーの光透過率の第一極小値におけるTN液晶ディスプレイの動作は、ディスプレイを見ることができる視野角の大きさに好ましく影響する (米国特許No.4,398,803)。この場合、液晶混合物の光学異方性△nは、光路差(=TN液晶ディスプレイのセル厚さdと液晶混合物の光学異方性△nとの積)は、約0.5μmであるように選択する。このような用途に対しては、約0.06〜0.12の光学異方性値△nが好適である。
しかしながら、TN液晶ディスプレイはまた、さらに高次のグーチおよびテリーの光透過率の極小値で動作させることもできる。一例として、これらを光透過率の第二極小値で動作させる場合、その光路差は、約1.0μm〜1.1μmである。このような用途では、約0.10〜0.21の光学異方性値△nを有する液晶混合物が好適である。一般に、光透過率の第二極小値または第三以上の極小値で動作する液晶ディスプレイは、光透過率の第一極小値で動作するTN液晶ディスプレイに比較して、大きい視野角依存性を有する。他方で、これらは通常、生産が容易であり、従って良好な生産率を有することを特徴としている。
【0005】
さらに、液晶材料は、できるだけ低い回転粘度および流動粘度を有していなければならない。低い回転粘度γ1 は、特に短い応答時間に好ましい。これに対して、低い流動粘度μ20は、TN液晶ディスプレイの充填を簡単にする。
TN液晶ディスプレイは、例えばバッテリイにより得ることができる低い動作電圧VOPで動作させることができることから、液晶材料は、できるだけ低いしきい値電圧(V(10,0,20) [これはまた、V10(0゜,20℃)としても知られている])を有するべきである。しきい値電圧V(10,0,20) にかかわる3種の指数は、相対コントラスト(この場合、10%)、視野角(この場合、φ=0度においてθ=0度)および温度(この場合、20℃)に関するものである。液晶混合物のしきい値電圧V(10,0,20) は、誘電異方性△εの大きさにより本質的に影響される。すなわち、混合物の誘電異方性が大きいほど、しきい値電圧は低くなる。一例として、正の誘電異方性△εを有する混合物は、一般用用途に使用される。これらの混合物は好ましくは、1.5〜39の誘電異方性値△εを有する。
【0006】
液晶材料は、大きいコントラストを付与するものであるべきである。TN液晶ディスプレイが種々の視野角でさえも容易に読むことができるためには、コントラストの視野角依存性は、できるだけ小さくなければならない。
液晶材料それら自体、すなわちいずれの二色性染料も添加されていない液晶材料は、可視光線スペクトル範囲を吸収してはならない。すなわち、TN液晶ディスプレイが、黒/白画像にかかわり良好なコントラストを有し、またできるだけ長い作業寿命を得るためには、これらは無色でなければならない。
液晶材料は、別段では、そのアドレス電圧のほとんどの部分が導電プロセスにより失われるので、小さい導電率を有するべきである。
高度情報TN液晶ディスプレイは、弾性定数K33(ベンド)およびK11(スプレイ)の大きい比K33/K11を有することを特徴とする急峻な電気光学特性曲線を有する液晶物質を必要とする。特にここでは、STNディスプレイが使用される。これに対して、このような要件は、低時分割比でアドレスされるTN液晶ディスプレイで使用しようとする液晶材料には要求されない。これに対して、平らな電気光学特性曲線を有する物質の使用は、中間調のディスプレイに好ましい。
【0007】
要求の全部を同時に満たす液晶物質は、従来知られていないことから、適当な性質を有する材料を得るためには、5〜30種の化合物の液晶混合物が一般に製造される。これらの液晶材料は、相互に容易に混和されるものでなければならない。
従来技術の液晶ディスプレイの主要問題は、固有電圧、例えばしきい値電圧、従って動作電圧の温度依存性にある。液晶材料は、しきい値電圧d[V(10,0,T)/V(10,0,20) ]/dT(または誘電異方性d△ε(T)/dT)のできるだけ小さい温度依存性を有するべきである。これは、アドレス電圧の温度補償が、完全に、または少なくとも部分的に排除されるという利点を有する。
一般用途用のTN液晶ディスプレイで使用することができる従来技術からの公知の液晶混合物には、例えばE7(Merck Ltd,Poole,英国)がある。この混合物は、シアノビフェニル化合物およびシアノ−ターフェニル化合物を含有し、そして下記の性質を有する:
【0008】
透明点TN,I : 60.5℃
光学異方性△n: 0.225
粘度: 39cSt
しきい値電圧V(10,0,20) :1.5V
許容できる透明点TN,I および比較的良好な粘度にもかかわらず、この種の混合物は、例えばそれらの過度に大きい光学異方性△nおよび/または過度に高いしきい値電圧V(10,0,20) により、かなり多くの用途に適していない。
一例として、しきい値電圧V(10,0,20) を低下させるためには、末端シアノ基を有する高度に極性のネマティック化合物が、従来公知の液晶混合物に添加される。しかしながら、これらの化合物の有効双極子モーメントは、これらの分子の種々の程度の逆平行会合によって相当な程度にまで減少される。このことは、比較的多量の極性化合物を添加しなければならないことを意味する。これは次いで、種々の欠点、例えば液晶相の好ましくない弾性物性および高い粘度をもたらす。
【0009】
ZLI−1957/5(これは、Merck KGaA,Darmstadtから市販されている混合物であり、フェニルシクロヘキサン、シクロヘキシルビフェニルおよびビスシクロヘキシルビフェニル化合物およびフェニル4−シクロヘキシルベンゾエート化合物を含有する)に、高極性成分として、4−シアノ−3−フルオロフェニル 4−アルキルベンゾエート化合物を添加すると、しきい値電圧V(10,0,20) を低下させることができる(H.Schadt、S.M.KellyによるJ.Chem.Phys.,81(3),1514〜15(1984))。これは、添加された化合物の会合程度が低いことにより説明される。しかしながら、これらの液晶媒体はまた、前記要件の全部を満していない。例えば、得られるしきい値電圧V(10,0,20) は依然として、かなりの用途に対しては好ましくなく、そして/または粘度値および/または複屈折値は、大き過ぎる。
【0010】
液晶混合物の種々の成分は、好ましくない効果をまた有することができ、これは時には、予想外の様相で現れるから、各種要件を同時に満たすのに必要な液晶混合物の製造は今日まで、当業者にとって困難な仕事であった。
この理由で、従来公知の液晶混合物は、多くの場合、下記の欠点の1つまたは2つ以上を有する:過度に高いしきい値電圧V(10,0,20) 、しきい値電圧の大きい温度依存性、過度に高い粘度、好ましくないほど大きい光学異方性値△nおよびコントラストの大きい視野角依存性。
従来技術の液晶ディスプレイのもう一つの主要問題は、誘電物性の周波数依存性(frequency dependence)および従って、アドレス電圧の周波数依存性にある。ここでの特別の問題点は、低温(例えば、−20℃)で非常に際立つ、この効果の温度依存性にある。
アドレス電圧の周波数依存性は、大きい時分割比においてさえも、良好な時分割駆動を可能にする。周波数依存性の温度依存性の低下は、特にディスプレイを低温で動作させることを可能にする。
【0011】
2〜3V[マックス(mux.)1:3,バイアス(bias)1:3;マックス1:8,バイアス1:4またはマックス1:6,バイアス1:5)の範囲の低いアドレス電圧を有する液晶ディスプレイ用の液晶媒体において、大きい誘電異方性値(△ε=ε‖−ε⊥、ここでε‖ は、ディレクターに対して平行の誘電定数であり、そしてε⊥は、ディレクターに対して垂直の誘電定数である)を有する液晶またはメソゲン化合物が用いられる。
このような化合物およびこれらの化合物を含有する媒体は典型的に、高い粘度値および従って、長い応答時間を有する、すなわち切換えは、比較的遅い。
低温挙動にかかわるもう一つの問題点は、低温における液晶媒体の粘度の劇的増加にある。これは特に、低いアドレス電圧において高極性の媒体に見出される。TNおよびSTNディスプレイにおける切換えにとって必要不可欠である、粘度、特に回転粘度(γl )の増加は、かなりの用途で許容されない応答時間の増大をもたらす。
【0012】
指定温度において、(△ε=ε‖−ε⊥)は、印加(直交)電圧の周波数に依存する。これはまた、アドレス電圧の周波数またはVアドレス周波数の短縮化に関連する。代表的液晶ディスプレイで生じる典型的アドレス周波数を包含する100Hz〜1000kHzの範囲において、△εは初期に、周波数が増加しても一定のまま止まる。より大きい周波数において、△εは次いで、減少する。
典型的挙動は、図3をまた、参照できる。僅かな初期減少は、周波数の増加に従い、さらに際立つようになる。d△ε/dfの負の傾斜値は、変曲点(inflection point)で最高値に達するまで増加し、次いで再び、減少する。周波数がさらに増加すると、△εは次いで、代表的に負の絶対値の領域で、最低値を通過する。
一定の挙動からの偏差は、実験的測定が困難であり、また若干の誤差許容度をもって測定することができるのみであることから(例えば、図3参照)、周波数依存性の特色である周波数、すなわち(負の傾斜における)変曲点(inflection point)の周波数(f(△ε max))および最低値の周波数(f(△ε min))を使用すると好ましい。
【0013】
この場合、良好な測定可能性および問題の範囲の中央領域の位置の観点に基づいて、屈曲点の周波数が使用される。
特に時分割駆動式ディスプレイの場合、および特に比較的大きい時分割比(例えば、1:16)を有するこのようなディスプレイの場合、より大きい周波数が使用されるばかりでなく、またそれらの倍増が生じることから、△εの周波数依存性は、液晶ディスプレイのアドレスに問題を生じさせる。しかしながら、液晶媒体が、発生するさらに大きい周波数において小さい△ε値を示す場合、固有電圧、例えばしきい値電圧V10が△εに依存することから、コントラストは低下する。従って、周波数−独立性であって、大きい周波数まで可能である媒体が望ましい。
【0014】
温度が降下すると、小さい周波数において、△εは増大する。しかしながら、固有周波数(characteristic frequencies)は、温度の降下に従い同時に格別に減少することから、この効果は、大きい周波数では過剰補償になる。従って、2種の相違する温度T1 およびT2 にかかわる△ε (fq Tu )曲線は、或る周波数fx (T1 ,T2 )で典型的に交差する。従って、この交差点の周波数は、このような媒体の周波数依存性および特に、その温度依存性の両方に固有である。
温度降下に従う△εの増加の作用は、使用されるアドレス電圧を変更することによって比較的簡単に補償することができる。
低温における格別に大きい周波数依存性、特に△εが減少する周波数範囲の移動は、格別に妨害的であり、またかなりの用途では禁止されることである。
【0015】
従って、高い透明点、低い融点、低いしきい値電圧V(10,0,20) 、しきい値電圧の小さい温度依存性および/または誘電異方性およびしきい値電圧の小さい周波数依存性(従って、短い応答時間)を有すると同時に、TNおよび/またはSTN液晶セルで使用するのに適する光学異方性△nおよび良好な低温挙動を伴うコントラストの非常に小さい視野角依存性の組合わせを有する、液晶混合物に対する多大の要望が継続して存在している。
【0016】
【発明が解消しようとする課題】
本発明の課題は、上記欠点を有していないか、または有していても少ない程度のみであり、特に低い回転粘度γ1 または短い応答時間、低いしきい値電圧V(10,0,20) およびしきい値電圧V(10,0,20) の小さい温度依存性d[V(10,0,T)/V(10,0,20) /dTおよび/または特に低温における、しきい値電圧(または誘電異方性)の小さい周波数依存性を有するTN液晶ディスプレイおよびこのディスプレイで使用するための液晶媒体を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
ここに、本発明による新規媒体をディスプレイで使用すると、この課題が達成されることが見出された。
本発明の目的の一つは、特に低温における、小さい周波数依存性を有する媒体を提供することにある。
ここに、T=0℃において、周波数f(△ε max,T)の関数として△εの変曲点が80kHzまたはそれ以上である液晶媒体が、この形式のディスプレイ用に非常に特に適することが見出された。
さらにまた、0℃および−20℃における周波数依存性曲線が、4kHzまたはそれ以上の周波数で交差する媒体は、この形式のディスプレイ用に格別に適することが見出された。
【0018】
さらにまた、この種の液晶媒体は、1種または2種以上の下記式Iで表わされる化合物:
【化13】
式中、
R1 は、炭素原子1〜12個、好ましくは1〜7個、特に好ましくは3〜7個を有するアルキルまたはアルコキシであるか、あるいは炭素原子2〜12個、好ましくは2〜7個、特に好ましくは2〜5個を有するアルケニル、アルコキシアルキルまたはアルケニルオキシ基であり、そして
Lは、HまたはF、好ましくはFである;
【0019】
および1種または2種以上の下記式IIで表わされる化合物:
【化14】
式中、
R21は、炭素原子1〜7個、好ましくは1〜5個を有するアルキルまたはアルコキシであるか、あるいは炭素原子2〜7個を有するアルケニル、アルコキシアルキルまたはアルケニルオキシ基であるか、あるいはF、Cl、OCF3 またはOCF2 Hであり、
R22は、Hであるか、あるいは炭素原子1〜10個、好ましくは1〜5個を有するアルキルであり、特に好ましくはHであり、
Y21およびY22は、それぞれ相互に独立して、HまたはFであり、
nは、0〜5、好ましくは0〜3であり、そして
mは、0または1である;
【0020】
を含有し、慣用の媒体に比較して、上記欠点を有していないか、または有していても際立って少ない程度のみである媒体として得られることが見出された。
「アルキル」および「アルコキシ」の用語は、炭素原子1〜12個を有する直鎖状および分枝鎖状のアルキル基およびアルコキシ基、特に直鎖状基を包含する。特に好適なアルキル基およびアルコキシ基は、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシまたはヘプトキシであり、さらにまたメチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、メトキシ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシまたはドデコキシであることができる。
本明細書において、アルキルは好ましくは、n−アルキルを表わし、アルケニルは好ましくは、n−1−E−アルケニルを表わし、アルコキシアルキルは好ましくは、アルキルオキシメチルを表わし、そしてアルコキシは好ましくは、n−アルコキシを表わす。
【0021】
「アルケニル」の用語は、炭素原子2〜12個を有する直鎖状および分枝鎖状のアルケニル基、特に直鎖状基を包含する。特に好適なアルケニル基は、C2〜C7−1E−アルケニル、C4〜C7−3E−アルケニル、C5〜C7−4−アルケニル、C6〜C7−5−アルケニルおよびC7−6−アルケニル、特にC2〜C7−1E−アルケニル、C4〜C7−3E−アルケニルおよびC5〜C7−4−アルケニルである。好適アルケニル基の例には、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどがある。アルケニル基の中で、炭素原子2〜5個を有する基は、特に好適である。
【0022】
「アルケニルオキシ」の用語は、炭素原子2〜12個を有する直鎖状および分枝鎖状のアルケニルキオキシ基、特に直鎖状基を包含する。この基は特に、ビニルオキシ、プロペ−1−または−2−エニルオキシ(prop−1− or −2−enyloxy)、ブテ−1−、−2−または−3−エニルオキシ(but−1−,−2− or −3−enyloxy)、ペンテ−1−、−2−、−3−または−4−エニルオキシ(pent−1−,−2−,−3− or −4−enyloxy)、ヘキセ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−エニルオキシ(hex−1−,−2−,−3−,−4− or −5−enyloxy)あるいはヘプテ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−エニルオキシ(hept−1−,−2−,−3−,−4−,−5− or −6−enyloxy)であり、さらにまたオクテ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−または−7−エニルオキシ(oct−1−,−2−,−3−,−4−,−5−,−6− or −7−enyloxy)、ノネ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−エニルオキシ(non−1−,−2−,−3−,−4−,−5−,−6−,−7− or −8−enyloxy)、デセ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、−8−または−9−エニルオキシ(dec−1−,−2−,−3−,−4−,−5−,−6−,−7−,−8− or −9−enyloxy)、ウンデセ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、−8−、−9−または−10−エニルオキシ(undec−1−,−2−,−3−,−4−,−5−,−6−,−7−,−8−,−9− or −10−enyloxy)あるいはドデセ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、−8−、−9−、−10−または−11−エニルオキシ(dodec−1−,−2−,−3−,−4−,−5−,−6−,−7−,−8−,−9−,−10− or −11−enyloxy)であることができる。
【0023】
式Iおよび式IIで表わされる化合物は、刊行物(例えばHouben- WeylによるMethoden der Organischen Chemie[有機化学の方法],Georg- Thieme出版社、Stuttgartなどの標準的学術書)に記載されているようなそれ自体公知の方法により、正確には当該反応に適する、公知の反応条件の下に、製造することができる。それ自体は公知であるが、本明細書には詳細に記載されていない変法を使用することもできる。
第一の好適態様において、本発明による媒体は、誘電異方性およびしきい値電圧の周波数依存性の改良に特に適している。一般に好適であって、また特にこの好適態様において、液晶媒体は、下記の成分を含有する。
【0024】
媒体は好ましくは、式Iにおいて、
R1が、アルキルまたはアルケニルであり、そして
Lが、Fである、
1種または2種以上の化合物、特に
R1が、アルキルである、
化合物を含有する。
本発明による媒体中に存在する式Iで表わされる化合物において、R1は好ましくは、炭素原子3〜7個、特に好ましくは炭素原子5〜7個を有するアルキルである。
【0025】
この好適態様において、液晶媒体は好ましくは、1種または2種以上の下記式IIaで表わされる化合物を含有する:
【化15】
式中、R21およびR22は、式IIについて定義されているとおりであり、好ましくは、
R21は、アルキルまたはアルケニルであり、
R22は、Hであるか、あるいは炭素原子1〜3個を有するアルキルであり、そして
nは、0である。
【0026】
液晶媒体は、特に好ましくは、2種または3種以上の式Iで表わされる化合物および1種または2種以上の式IIで表わされる化合物、好ましくは式IIaで表わされる化合物を含有する。
液晶媒体は、特に好ましくは、式Iにおいて、
R1が、炭素原子3〜7個を有するアルケニルであり、そして
Lが、Fである、
1種または2種以上の化合物を含有する。
もう一つの態様において、液晶媒体は、式Iにおいて、
R1が、炭素原子3〜7個を有するアルキルであり、そして
Lが、HまたはF、好ましくはFである、
1種または2種以上の化合物を含有する。
【0027】
式IIaにおいて、
R21が、アルキルであり、そして
R22が、Hである、
1種または2種以上の化合物を含有する液晶媒体は、好ましいものとしてまた挙げられる。
さらにまた、式IIaにおいて、
R21が、アルケニルであり、そして
R22は、Hである、
1種または2種以上の化合物を含有する液晶媒体は、好ましいものとして挙げられる。
【0028】
式Iおよび式II、好ましくは式IIaで表わされる化合物以外に、本発明による液晶媒体は、追加の液晶またはメソゲン化合物を含有する。
液晶媒体は、好ましくは1種または2種以上の下記式IIIで表わされる化合物を含有する:
【化16】
【0029】
式中、
R31およびR32はそれぞれ相互に独立して、Hであるか、または炭素原子1〜15個を有するアルキル基またはアルケニル基であり、この基は未置換であるか、あるいは置換基として1個のCNまたはCF3を有するか、あるいは置換基として少なくとも1個のハロゲンを有しており、これらの基中に存在する1個または2個以上のCH2基はまた相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、−S−、
【化17】
−CO−、−CO−O−、−O−CO−または−O−CO−O−により置き換えられていてもよく、
【0030】
A31およびA32はそれぞれ相互に独立して、
a)トランス−1,4−シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2 基または隣接していない2個以上のCH2 基はまた、−O−および/または−S−により置き換えられていてもよく、
b)1,4−フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、
c)1,4−シクロヘキセニレン、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン、ピペリジン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイルおよび1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルからなる群からの基、
であり、上記基a)およびb)は、1個または2個以上のフッ素原子により置換されていてもよく、そして
【0031】
Z3は、−CO−O−、−O−CO−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり、あるいは−(CH2)4−または−CH=CH−CH2CH2−であることができ、
そして好ましくは、
R31およびR32はそれぞれ相互に独立して、炭素原子1〜7個を有するアルキル基またはアルコキシ基であるか、あるいは炭素原子2〜7個を有するアルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキルであり、
A31およびA32は、相互に独立して、1,4−トランス−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基または2,3−ジフルオロフェニレン基であり、
Z3 は、−CO−O−、−CH2 CH2 −、−CH=CH−、−C≡C−または単結合である。
【0032】
液晶媒体は、特に好ましくは下記式IIIa〜IIIcからなる群から選択される1種または2種以上の化合物を含有する:
【化18】
【0033】
各式中、
R31およびR32は、相互に独立して、炭素原子1〜7個を有するアルキルまたはアルコキシであるか、あるいは炭素原子2〜7個を有するアルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキルである。
本発明による液晶媒体は、特に好ましくは式IIIa〜IIIcにおいて、
R31が、アルキルまたはアルケニルであり、そして
R32が、アルキル、アルコキシまたはアルケニルである、
1種または2種以上の化合物を含有する。
本発明による液晶媒体は、好ましくは1種または2種以上の下記式IVで表わされる化合物を含有する:
【0034】
【化19】
式中、R41、R42、A41、A42、A43、Z41およびZ42はそれぞれ相互に独立して、式IIIにおけるR31、R32、A31、A32およびZ3 にかかわる上記定義のとおりである。
本発明による液晶媒体は、好ましくはこの種の追加の化合物として、下記式IVaおよび式IVbで表わされる化合物からなる群から選択される1種または2種以上の化合物を含有する:
【0035】
【化20】
【0036】
各式中、
R41およびR42は、相互に独立して、炭素原子1〜7個を有するアルキルまたはアルコキシであるか、あるいは炭素原子2〜7個を有するアルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキルであり、そして
L41は、HまたはFである。
さらにまた、本発明による媒体は、1種または2種以上の下記式Vで表わされる化合物を含有する:
【0037】
【化21】
式中、R51、R52、A51、A52、A53、A54、Z51、Z52およびZ53はそれぞれ相互に独立して、式IIIにおけるR31、R32、A31、A32およびZ3 にかかわる上記定義のとおりである。
これらの化合物は、下記式Vaおよび式Vbで表わされる化合物からなる群から選択すると好ましい:
【0038】
【化22】
【0039】
式中、
R51およびR52は、相互に独立して、炭素原子1〜7個を有するアルキルまたはアルコキシであるか、あるいは炭素原子2〜7個を有するアルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキルであり、そして
L51は、HまたはFである。
本発明による媒体は、非常に特に好ましくは、1種または2種以上の下記式VIで表わされる化合物を含有する:
【0040】
【化23】
【0041】
式中、
R6は、炭素原子1〜7個、好ましくは炭素原子2〜5個、特に好ましくは炭素原子3個を有するアルキルであり、
Xは、F、ClまたはOCF3であり、好ましくはFであり、そして
Y61およびY62は、相互に独立して、HまたはFであり、好ましくは一方はFであり、特に好ましくは両方ともにFである。
この媒体は任意に、1種または2種以上の下記式VIIで表わされる化合物を含有することができる:
【0042】
【化24】
【0043】
式中、
R7は、炭素原子2〜7個を有するn−アルキルまたは炭素原子2〜7個を有するアルケニルであり、
X7は、CN、F、Cl、−CF3、−CF2Cl、−CFHCl、−CF2H、−OCF3、−OCF2Cl、−OCFHClまたは−OCHF2であり、好ましくはCN、F、−OCF3または−OCHF2であり、
l は、0または1であり、そして
Y71およびY72はそれぞれ相互に独立して、HまたはFであり、そして
A71、A72、Z71およびZ72はそれぞれ相互に独立して、式IIIにおける、A31、A32、Z31およびZ32にかかわる上記定義のとおりであり、
ただし、式VIIで表わされる化合物から式VIで表わされる化合物は一般に除かれる。
これらの化合物は好ましくは、下記式VIIa〜VIIcで表わされる化合物からなる群から選択する:
【0044】
【化25】
【0045】
各式中、
R7は、炭素原子2〜7個を有するn−アルキルまたは炭素原子2〜7個を有するアルケニルであり、
X7は、FまたはCNであり、そして
Y71は、HまたはFである。
式VIIaにおいて、X 7 =CNである化合物は、好ましい化合物として挙げられる。
混合物中の式Iで表わされる化合物の濃度は、全体として、10〜50%、好ましくは20〜40%、特に好ましくは25〜35%である。
【0046】
混合物中の式IIで表わされる化合物、特に式IIaで表わされる化合物の濃度は、全体として、5〜40%、好ましくは7〜30%、特に好ましくは9〜25%である。
式IIIで表わされる化合物、特に式IIIa〜IIIcで表わされる化合物の群からの化合物の濃度は、0〜25%、好ましくは1〜20%、特に好ましくは4〜16%である。
式IVで表わされる化合物、好ましくは式IVa〜IVbで表わされる化合物は、合わせて0〜30%、好ましくは5〜25%、特に好ましくは7〜20%の量で使用される。
式Vで表わされる化合物、好ましくは式Vaおよび式Vbで表わされる化合物は、合わせて0〜30%、好ましくは3〜20%、特に好ましくは5〜15%の濃度で使用される。
【0047】
式VIで表わされる化合物を使用する場合、それらの濃度は、5〜25%、好ましくは10〜20%である。
式VIIで表わされる化合物、好ましくは式VIIa〜VIIcで表わされる化合物は、0〜20%、好ましくは5〜15%の量で使用される。
一般に、そして小さい温度依存性を達成するのに特に適する追加の好適態様において、この媒体は、下記の組成および性質を有する。
正の誘電異方性(△ε≧1.5)を有するネマティック液晶媒体は好ましくは、1種または2種以上の下記式Iaで表わされる化合物:
【0048】
【化26】
式中、
R1は、式Iにかかわる上記定義のとおりである、
および1種または2種以上の下記式IIbで表わされる化合物:
【0049】
【化27】
式中、
R22とnは、式IIにかかわる上記定義のとおりであり、そして
Y21およびY22はそれぞれ相互に独立して、HまたはFであり、好ましくはY21およびY22の少なくとも一方、特に好ましくはY21およびY22の一方のみはFである、
を含有する。
【0050】
式Iaで表わされる好適化合物は、Rが直鎖状アルキル基である化合物である。
式IIbで表わされる好適化合物は、R22がビニルまたは炭素原子3〜12個、好ましくは炭素原子3〜5個を有する直鎖状1E−または3E−アルケニル基である化合物である。これらの化合物の中で、R22がビニルまたは1E−プロペニルである化合物は、非常に特に好ましい。
本発明によるTN液晶ディスプレイ用の混合物中に式Iaで表わされる化合物および式IIbで表わされる化合物を使用すると、特に低い回転粘度γ1 または短い応答時間と同時に、低いしきい値電圧V(10,0,20) およびしきい値電圧の小さい温度依存性d[V(10,0,T)/V(10,0,20) ]dTが生じる。
特に、厚い層厚さを有するTN液晶ディスプレイで使用する場合、本発明による混合物は、短い総合応答時間(t(overall) =ton+toff )の点で際立っている。
【0051】
本発明による液晶混合物はさらにまた、高い安定性および電気抵抗値およびしきい値電圧の周波数依存性にかかわり好ましい数値を有する点で際立っている。本発明によるTN液晶ディスプレイはまた、広い動作温度範囲を有する。特に、本発明によるTN液晶ディスプレイを、光透過率の第一次極小値で動作させる場合、これらは、コントラストの良好な角度依存性を有する点でさらに際立っている。
好適態様において、本発明による液晶混合物は、3種、4種、5種または6種の式Iaおよび式IIbで表わされる化合物を含有する。これらの化合物の含有量は、全体として、混合物に基づき、一般に20〜70重量%、好ましくは40〜70重量%である。
【0052】
式Iaで表わされる化合物の含有量は、全体として、混合物に基づき、好ましくは5〜45重量%、特に好ましくは15〜40重量%、特別に好ましくは20〜40重量%である。
式IIbで表わされる化合物の含有量は、全体として、混合物に基づき、好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは5〜25重量%、特別に好ましくは10〜25重量%である。
本発明による液晶混合物は、式Iaで表わされる化合物および式IIbで表わされる化合物に加えて、好ましくは上記式VIおよび式VIIを包含する群から選択される1種または2種以上の誘電的に正である化合物(△ε>+1.5)を含有する:
【0053】
【化28】
式中、パラメーターは、式VIIにかかわる上記定義のとおりであり、好ましくは、
R7は、炭素原子2〜7個を有するn−アルキルまたは炭素原子2〜7個を有するアルケニルであり、
X7は、CN、F、−OCF3または−OCHF2であり、
l は、0または1であり、そして
【0054】
Y71およびY 72 はそれぞれ相互に独立して、HまたはFであり、そして
A71、A72、Z71およびZ72はそれぞれ相互に独立して、式IIIにおける、A31、A32、Z31およびZ32にかかわる上記定義のとおりであり、
そして好ましくは、
Z71は、−COO−、−CH2CH2−または単結合であり、そして
Z72は、−CH2CH2−、−COO−、−C≡C−または単結合である、
ただし、式VIIで表わされる化合物は、式I、式IIおよび式VIで表わされる化合物とは相違している。
下記式VI、式VIIa〜VIIcおよび式VIId〜VIIjで表わされる化合物からなる群から選択される化合物は好適化合物として挙げられる:
【0055】
【化29】
【0056】
各式中、R7は、式VIIにかかわる上記定義のとおりであり、そしてY71、Y7 2およびL5はそれぞれ相互に独立して、HまたはFである。
式VIおよび式VIIa〜VIIjで表わされる化合物の中で、式VI、式VIIaおよび式VIIfで表わされる化合物、特に式VIIaで表わされる化合物および式VIIfにおいて、基Y71およびY7 2の一方がFであり、そしてこれらの基の他方がHである化合物は、好適化合物として挙げられる。
さらにまた、下記付属式VIIk〜VIInを包含する式VIIで表わされる三環化合物は、好適化合物として挙げられる:
【0057】
【化30】
【0058】
各式中、R7は、式VIIにかかわる上記定義のとおりであり、X7は、F、Cl、CF3、OCF3またはOCHF2であり、Y71、Y72およびL5はそれぞれ相互に独立して、HまたはFであり、そして式VIIkで表わされる化合物は、式IIbおよび式VIIbで表わされる化合物とは異なる。
1種または2種以上の式VIで表わされる化合物を含有する混合物は、特に好適なものとして挙げられる。
式VIIk〜VIInで表わされる化合物の中で、Y71がFである化合物、さらにY71およびY72がFである化合物は、好適化合物として挙げられる。
式VIで表わされる化合物の中で、Y61およびY62がFである化合物は、好適化合物として挙げられる。
式VI、式VIIaおよび式VIId〜VIIjで表わされる化合物の全部の含有量は、全体として、混合物に基づき、好ましくは5〜35重量%、特に好ましくは5〜25重量%である。
【0059】
式VIIk〜VIIlで表わされる化合物の全部の含有量は、全体として、混合物に基づき、好ましくは5〜35重量%、特に好ましくは5〜25重量%である。
末端フッ素化化合物または末端にフッ素基を有する化合物の全部の含有量は、全体として、混合物に基づき、好ましくは5〜65重量%、特に好ましくは15〜40重量%である。
式VIおよび式VIIで表わされる化合物、好ましくは式VIおよび式VIIa〜VIInで表わされる化合物の全部の含有量は、全体として、混合物に基づき、好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは10〜35重量%である。
式I、式II、式VIおよび式VIIで表わされる化合物、好ましくは式Ia、式IIa、式VIおよび式VIIa〜VIInで表わされる化合物の全部の含有量は、全体として、混合物に基づき、好ましくは40〜90重量%、特に好ましくは50〜80重量%、特別に好ましくは60〜80重量%である。
【0060】
式Iaおよび式IIbから選択される1種または2種以上の化合物以外に、好適混合物は、式VIIa、式VIIe、式VIIfおよび式VIから選択される1種、2種、3種または4種以上の化合物を含有する。これらの混合物は好ましくは、式Iaで表わされる化合物および式IIbで表わされる化合物の群から選択される2〜4種の化合物、式VIIaおよび式VIIfにおいて、基Y71またはY72の一方がFであり、そしてこれらの基の他方がHである化合物からなる群から選択される1種または2種以上の化合物、および式VIにおいて、基Y61およびY62の一方がFであり、そしてこれらの基の他方がHである化合物からなる群から選択される1〜4種の化合物を含有する。
本明細書中に、式III、式IV、式V、式VIおよび式VIIに相当する付属式で表わされている好適化合物において、基R31、R32、R41、R42、R51、R52、R6およびR7は、別段の記載がないかぎり、好ましくは直鎖状アルキル、アルケニルまたはアルコキシ、特に炭素原子1〜12個を有するアルキルまたは炭素原子2〜7個を有する1E−アルケニル、特にそれぞれ炭素原子1〜7個および炭素原子2〜7個を有する基である。s
【0061】
本発明による液晶混合物は、好ましくは式III〜Vで表わされる化合物からなる群から選択される1種または2種以上の化合物を含有する。
式III〜Vで表わされる化合物は、主として誘電的に中性(−1.5≦△ε≦+1.5)である。これらの化合物は、特にそれらの回転粘度γ1 にかかわる数値が小さい点で際立っている。
好適液晶混合物は、式III〜Vで表わされる化合物からなる群から選択される1種または2種以上の化合物を、好ましくは10〜50重量%の量で含有する。 本発明による液晶混合物は、好ましくは式IIIa、式IIIbおよび式IIId〜IIIjで表わされる化合物からなる群から選択される1種または2種以上の化合物を含有する:
【0062】
【化31】
【0063】
各式中、R31およびR32はそれぞれ相互に独立して、式IIIにかかわり上記定義のとおりである。
本発明による液晶混合物は、特に好ましくは式IVa、式IVbおよび式IVc〜IVoで表わされる化合物からなる群から選択される1種または2種以上の化合物をさらに含有する:
【0064】
【化32】
【0065】
【化33】
【0066】
各式中、R41およびR42はそれぞれ、式IVにかかわる上記定義のとおりである。式IVc〜IVj、式IVnおよび式IVoで表わされる化合物中に存在する1,4−フェニレン基はそれぞれ相互に独立して、置換基として1個または2個以上のフッ素を有することができる。
本発明による液晶混合物は、特に好ましくは式Va、式Vbおよび下記式Vc〜Vgで表わされる化合物からなる群から選択される1種または2種以上の化合物をさらに含有する:
【0067】
【化34】
【0068】
各式中、R51およびR52はそれぞれ、式Vにかかわる上記定義のとおりであり、そしてL51は、FまたはHである。式Va〜Vgで表わされる化合物中に存在する1,4−フェニレン基はそれぞれ相互に独立して、置換基として1個または2個以上のフッ素を有することができる。
式IVa〜IVoおよび式Va〜Vgで表わされる化合物中に存在するR41、R42、R51およびR52は、好ましくはそれぞれ相互に独立して、炭素原子1〜12個を有する直鎖状アルキルまたはアルコキシである。式IVa〜IVoおよび式Va〜Vgにおいて、R41およびR51が炭素原子1〜7個を有するアルキルであり、そしてR42およびR52が炭素原子1〜7個を有するアルキルまたはアルコキシである化合物は、特に好適な化合物として挙げられる。
しかしながら、式IVa〜IVoで表わされる化合物の中で、R41および/またはR42がそれぞれ相互に独立して、炭素原子2〜12個、特に炭素原子2〜7個を有する直鎖状アルケニルである化合物はまた、好適化合物として挙げられる
。
【0069】
式Vaおよび式Vgにおいて、LがFである化合物は、好適化合物として挙げられる。
特に好適な態様において、本発明による混合物は、式IIIb、式IVbおよび式Vbで表わされる化合物からなる群から選択される1種または2種以上の化合物を含有する。
さらに特に好適な態様において、例えば本発明による液晶ディスプレイを、光透過率の第二次または第三次以上の極小値で動作させる場合、本発明による混合物は、液晶トラン化合物を、約5〜50重量%、好ましくは5〜35重量%、特に5〜25重量%の量で含有する。これにより、使用される層厚さは薄くすることができ、そして応答時間を相当に短縮することができる。これらの液晶混合物中に存在させるトラン化合物は、好ましくは下記式IIIk、式VIIo、式IVpおよび式IVqで表わされる化合物からなる群から選択する:
【0070】
【化35】
【0071】
各式中、R31、R32、R41、R42およびR7 はそれぞれ相互に独立して、式III、式IVおよび式VIIにかかわる上記定義のとおりであり、bは0または1であり、X7はF、ClまたはOCF3であり、Z41は−CH2CH2−、−COO−または単結合、特に単結合であり、そしてLC〜Lh、L5およびL6はそれぞれ相互に独立して、HまたはFであるが、3つの置換基対LCとLdまたはLeとLfまたはLgとLhのいずれにおいても、各対の両方の置換基は同時に、Fではない。
もう一つの好適態様において、本発明による混合物は、好ましくは1種または2種以上の誘電的に負である化合物(△ε<−1.5)を、約5〜20重量%の量で含有する。
これらの化合物は好ましくは、例えばDE−A−3807801、同3807861、同3807863、同3807864または同3807908に記載されているような構造要素、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンを含有する。国際特許出願PCT/DE88/00133に記載されている、この構造要素を含有するトラン化合物、特に下記式IIImおよび式IVrで表わされる化合物は、好適化合物として挙げられる:
【0072】
【化36】
【0073】
各式中、R31、R32、R41およびR42はそれぞれ相互に独立して、式IIIおよび式IVにかかわり定義されているとおりであり、そしてZ41は−CH2CH2−、−COO−または単結合である。
追加の公知の誘電的に負である化合物は、例えばDE−A−3231707またはDE−A−3407031に記載されているような、下記構造単位を含有するシクロヘキサン誘導体または2,3−ジシアノハイドロキノンの誘導体である:
【化37】
【0074】
式III〜VIIおよびそれらの付属式で表わされる化合物およびまたその他の本発明によるディスプレイで使用することができる化合物は、公知であるか、あるいは公知化合物と同様に製造することができるかのどちらかである。
追加の好適態様において、混合物は、下記成分を含有する:
−式VIIdにおいて、Y71、Y72およびL5 がHである化合物、式VIIeにおいて、Y71がHである化合物、および式VIIfにおいて、基Y71およびY72のうちの1個または2個がFであり、これらの基の残りがHである化合物から選択される1種、2種または3種以上の化合物。これらの化合物中に存在する基R7は式VIIにかかわる上記定義のとおりであり、そして好ましくは、特に炭素原子2個、3個、4個または5個を有する直鎖状アルキルである。これらの化合物の含有量は、全体として、混合物に基づき、好ましくは0〜60重量%、特に10〜45重量%である;
【0075】
−式VIIkにおいて、X7がOCF3またはOCHF2であり、そしてY71およびY72がそれぞれ相互に独立して、HまたはFである化合物、式VIIdにおいて、Y71、Y72およびL5 がそれぞれ相互に独立して、HまたはFである、特にL5がHであり、そしてY71およびY72がそれぞれ相互に独立して、HまたはFである化合物、および式VIImにおいて、X7およびY71がFであり、そしてY72がHまたはFであるか、あるいはX7がOCF3であり、そしてY71およびY72がそれぞれ相互に独立して、HまたはFである化合物から選択される1種または2種以上、特に1種、2種、3種または4種の化合物。これらの化合物中に存在する基R7は式VIIにかかわる上記定義のとおりであり、そして好ましくは、特に炭素原子2個、3個、4個または5個を有する直鎖状アルキル、あるいは直鎖状アルケニル、特にビニルまたは炭素原子3個、4個または5個を有する1E−アルケニルである。式VIIkで表わされる化合物と式IIbで表わされる化合物とは相違している。これらの化合物の含有量は、全体として、混合物に基づき、好ましくは0〜30重量%、特に5〜25重量%である;
−下記式で表わされる化合物から選択される1種または2種以上の化合物:
【0076】
【化38】
【0077】
各式中、R31、R32、R41およびR42はそれぞれ相互に独立して、炭素原子1〜12個、好ましくは炭素原子1〜7個を有する直鎖状アルキルまたはアルコキシであるか、あるいは炭素原子2〜12個、好ましくは炭素原子2〜7個を有する直鎖状アルケニルである。上記化合物中に存在する1,4−フェニレン基はまた、フッ素により置換されていてもよい。これらの化合物の含有量は、全体として、混合物に基づき、好ましくは0〜35重量%、特に5〜30重量%である;
−下記式で表わされる化合物から選択される1種または2種以上の化合物:
【0078】
【化39】
【0079】
各式中、R51およびR52はそれぞれ相互に独立して、炭素原子1〜12個、好ましくは炭素原子1〜7個を有する直鎖状アルキルまたはアルコキシであり、そしてL51は、HまたはF、好ましくはFである。これらの化合物の含有量は、全体として、混合物に基づき、好ましくは0〜45重量%、特に4〜30重量%である;
−式VIIo、式IIIk、式IVpおよび式IVqで表わされる化合物から選択される1種または2種以上の化合物、特に式IIIkにおいて、LC〜LfがHである化合物、および式IVpにおいて、LC〜LfがHであり、そしてZ41が単結合である化合物から選択される1種または2種以上の化合物。これらの化合物の含有量は、全体として、混合物に基づき、好ましくは0〜25重量%、特に1〜15重量%である;
【0080】
−R1またはR21が、トランス−アルケニル基またはトランス−アルケニルオキシ基である1種または2種以上の化合物;
−式VIIeにおいて、Y71がHである1種または2種以上、特に1種、2種または3種の化合物、式VIにおいて、Y61およびY62がFである1種または2種以上、特に1種または2種の化合物、1種または2種以上、特に1種または2種の式IIIbで表わされる化合物、1種または2種以上、特に1種または2種の式IVbで表わされる化合物、および1種または2種以上、特に1種、2種または3種の式Vbで表わされる化合物。式VIIeおよび式VI、式IIIb、式IVbおよび式Vbで表わされる化合物中に存在するアルキル基は、好ましくは直鎖状アルキル、特に炭素原子2個、3個、4個または5個を有する直鎖状アルキルであり、あるいは式IIIbで表わされる化合物中に存在する基R32は、好ましくは直鎖状アルコキシ、特に炭素原子2個、3個、4個または5個を有する直鎖状アルコキシである。
【0081】
本発明による液晶混合物は、−20℃まで、好ましくは−30℃まで、特に好ましくは−40℃までの降下温度でネマティック相を保有しながら、≧60℃、好ましくは≧65℃、特に好ましくは≧70℃の透明点TN,I を達成することができる。このネマティック相範囲は、少なくとも85度、特に好ましくは少なくとも95度の幅を有する。この範囲は好ましくは、少なくとも−25℃から+63℃まで拡大している。
−20℃、好ましくは−30℃における試験セルの保存寿命は、500時間よりも長く、好ましくは1000時間よりも長い。
同時に、本発明は、≧4、好ましくは≧5、特に好ましくは≧8、特別に好ましくは≧10、非常に特に好ましくは≧12の誘電異方性値△εを得ることを可能にする。従って、達成されるしきい値電圧V(10,0,20) は、<1.5V、好ましくは<1.3V、特に好ましくは<1.1Vである。従って、この混合物は、低い動作電圧VOPを有することを特徴とするものである。
【0082】
特に、低い周波数依存性の態様において、d・△n=0.5μmにおけるTNセルのしきい値電圧は、1.2Vまたはそれ以下、好ましくは1.5Vまたはそれ以下、特に好ましくは1.05Vまたはそれ以下である。
本発明による液晶混合物のd・△n=0.5μmにおけるTNセルのしきい値電圧の平均温度依存度d[V(10,0,T)/V(10,0,20) ]dTは、0℃〜40℃の範囲において、好ましくは≦0.15%/度、特に好ましくは≦0.08%/度、特別に好ましくは≦0.05%/度である。
本発明による液晶混合物の回転粘度γ1 は、20℃において、200mPa・sよりも低く、好ましくは≦190mPa・s、特に好ましくは≦160mPa・s、非常に特に好ましくは≦145mPa・sまたは140mPa・s、特別に好ましくは≦120mPa・sである。20℃における流動粘度V20は、好ましくは≦60mPa・s、特に好ましくは≦50mPa・sである。
【0083】
本発明による液晶媒体のΔεの周波数依存性は、特に低温において、小さい。周波数の関数としてのΔεの屈曲点の周波数f[Δεmax T]は、
− 20℃において、250kHzまたはそれ以上、好ましくは300kHzまたはそれ以上、特に好ましくは330kHzまたはそれ以上、非常に特に好ましくは380kHzまたはそれ以上であり;
− 0℃において、80kHzまたはそれ以上、好ましくは160kHzまたはそれ以上、特に好ましくは200kHzまたはそれ以上、非常に特に好ましくは220kHzまたはそれ以上であり;そして
− −20℃において、10kHzまたはそれ以上、好ましくは25kHzまたはそれ以上、特に好ましくは40kHzまたはそれ以上、非常に特に好ましくは50kHzまたはそれ以上である。
【0084】
本発明による媒体の場合、周波数依存性曲線が指定温度について交差する周波数fx (T1 ,T2 )は、
− T1=0℃およびT2=20℃において、30kHzまたはそれ以上、好ましくは50kHzまたはそれ以上、特に好ましくは70kHzまたはそれ以上、非常に特に好ましくは80kHzまたはそれ以上であり、
− T1=−20℃およびT2=0℃において、4kHzまたはそれ以上、好ましくは6kHzまたはそれ以上、特に好ましくは8kHzまたはそれ以上、非常に特に好ましくは10kHzまたはそれ以上である。
本発明による媒体の2種の温度の変曲点における周波数間の比、f(Δεmax T2 )/f(Δεmax T1 )は、
− T1 =0℃およびT2 =20℃において、3またはそれ以下、好ましくは2またはそれ以下、特に好ましくは1.7またはそれ以下、非常に特に好ましくは1.6またはそれ以下であり、
− T1=−20℃およびT2=0℃において、10またはそれ以下、好ましくは8またはそれ以下、特に好ましくは6またはそれ以下、非常に特に好ましくは5またはそれ以下である。
【0085】
本発明による液晶混合物は、TN液晶ディスプレイをグーチおよびテリーの光透過率の第一次極小値で動作させる場合に好適である(C.H.Gooch,H.A.TarryによるElectron Lett.,10,2〜4.1974;C.H.Gooch,H.A.TarryによるAppl.Phys.,Vol.8,1575〜1584,1975)。この場合、本発明による液晶混合物の光学異方性値△nは、20℃において、好ましくは0.08〜0.12の範囲、特に好ましくは0.09〜0.11の範囲にある。しかながら、本発明による液晶混合物はまた、TN液晶ディスプレイを光透過率の第二次または第三次以上の極小値で動作させるためにも使用することができる。この場合、本発明による液晶混合物の光学異方性値△nは、20℃において、好ましくは0.10〜0.20の範囲、特に好ましくは0.14〜0.16の範囲にある。
【0086】
当業者は、各成分およびそれらの重量割合を適当に選択することによって、簡単な常習的方法を用いて、TN液晶ディスプレイの指定層厚さdに要する光学異方性値△nを設定することができる。光路差d・△nの数値が特定されている場合、光学異方性値△nは、層厚さdによって決定される。特にd・△n値が大きい場合、例えば本発明によるTN液晶ディスプレイを光透過率の第二次または第三次以上の極小値で動作させる場合、大きい光学異方性値△nを有する本発明による液晶混合物を使用すると一般に好ましい。この理由は、d値が比較的小さくなるように選択することができ、これによりより良好な応答時間値を得ることができるからである。
【0087】
適当な成分を選択することによって、本発明による液晶混合物の光学異方性△n以外の性質を、或る範囲内で変えることができることは言うまでもない。例えば、別種の有利な性質を保有しながら、小さい誘電異方性値、従って低いしきい値電圧V(10,0,20) で、高い透明点TN,I を得ることができ、あるいは大きい誘電異方性値、従って低いしきい値電圧で、低い透明点を得ることができる。対応して僅かに増加した粘度においてさえも、大きい△ε値を有する、従って低いしきい値電圧を有する混合物をまた、得ることができる。
本発明による液晶媒体は好ましくは、5〜25種、特に好ましくは6〜20種、特に8〜15種の化合物を含有する。
本発明はまた、本発明による液晶媒体の電気光学ディスプレイ用の電気光学表示素子における使用に関する。
本発明はさらにまた、本発明による液晶媒体を含有する表示素子を備えた電気光学ディスプレイ、特にTNおよびSTNディスプレイに関する。
【0088】
偏光板、電極基板および表面処理した電極からの本発明によるTNおよびSTNディスプレイの構造は、この方式のディスプレイに慣用の構造に相当する。ここで、「慣用の構造」の用語は、広く解釈されるべきであり、特に「大きいねじれ」および「小さいねじれ」のTNを包含するTNディスプレイの誘導型および修正型の全部、およびOMI、EVA、D−STNおよび補償STN(特に膜−補償型)などのSTNディスプレイの誘導型および修正型の全部、およびまた非常に特に反射型ディスプレイを包含する。
1個または2個以上の偏光板、電極基板および各場合に隣接する液晶分子の好ましい方向(ディレクター)が、通常70゜〜110゜の角度で1方の電極から他方の電極まで相互関係でねじれているように表面処理されている電極からの本発明による液晶表示素子の構築は、この方式の表示素子に慣用の構築に相当する。
ここで、「慣用の構築」の用語は、広く解釈されるべきであり、TN液晶ディスプレイの誘導型および修正型の全部を包含する。
【0089】
2枚の外側基板の表面チルト角は、同一または相違することができる。同一チルト角が好ましい。好ましいTN液晶ディスプレイは、外側基板の表面の分子の長軸と外側基板の表面との間に、0゜〜7゜、好ましくは0.01゜〜5゜、特に0.1゜〜2゜のプレチルト角を有する。
TN液晶ディスプレイ中の混合物のねじれ角は、22.5゜〜170゜、好ましくは45゜〜130゜、特に好ましくは60゜〜115゜の数値を有する。70゜〜110゜の数値を有するねじれ角は、特に好ましい。
しかしながら、ねじれネマティックセルに基づく、従来技術の慣用のディスプレイと本発明によるディスプレイとの本質的相違点は、液晶層の液晶パラメーターの選択にある。
【0090】
本発明に従い使用することができる液晶混合物は、それ自体公知の方法で製造される。一般に、少ない方の量で使用される成分の所望量を主成分を構成する化合物中に、有利には高められた温度で溶解する。別の慣用の方法、例えば均質混合物などの予備混合物を用いて、あるいはいわゆる「マルチボトルシステム」(“multibottle system”)を用いて、液晶混合物を製造することもできる。
誘電体はまた、当業者に公知であって、刊行物に記載されている添加剤を含有することができる。例えば、0〜15%、好ましくは0〜10%の多色性染料および/またはカイラルドープ剤を添加することができる。添加される各化合物は、0.01〜6%、好ましくは0.1〜3%の濃度で使用する。しかしながら、液晶混合物の残りの成分、すなわち液晶またはメソゲン化合物にかかわる濃度データは、これらの添加剤の濃度を考慮することなく示されている。
【0091】
本明細書に示されている液晶混合物の物理的性質は、別段の記載がないかぎり、“Physical Properties of Liquid Crystals”,M.Becker編集、Merck KGaAで測定されたものとして示されている。
本明細書全体をとおして、別段の記載がないかぎり、全部の温度は、摂氏度で示されており、そして組成物の全部のパーセンテージは、重量%で示されている。応答時間および粘度を包含する全部の物理データは、20℃における数値であり、そして応答時間は、スイッチ−オン時間およびスイッチ−オフ時間の各数値が同等の大きさである動作電圧におけるこれら2種の時間の平均値tave として示されている。容量しきい値V0 は、誘電定数から20℃で決定した。
【0092】
保存寿命は、それぞれの場合、0℃、−10℃、−20℃、−30℃および−40℃の固定温度で5個の結合した試験セルで評価した。両側で交差偏光板と相互に結合させたセルを、24時間の間隔で、目視評価した。各温度において安定のまま保存された時間tstore (T)を、いずれのセルにも変化が見られない最終時間として記録した。
本明細書および下記例において、液晶化合物の構造は、略号を用いて示す。またその化学式への変換は、下記表AおよびBに従い得られる。基CnH2n+1およびCmH2m+1は全部が、n個またはm個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖状アルキル基である。表Bのコードは自明である。表Aには基本構造にかかわる頭文字のみが示されている。各場合、基本構造にかかわる頭文字の後に、ハイフンで分離して、置換基R1、R2、L1およびL2に関するコードが示されている:
【0093】
【表1】
【0094】
好適混合物成分は、表AおよびBに示されている。
本発明による混合物は好ましくは、表Bに示されている式の群から選択される2種の相違する種類の化合物の各少なくとも1種を含有する。
本発明による混合物は、特に好ましくは、表AおよびBに示されている式の群から選択される4種の相違する種類の化合物の各少なくとも1種を含有する。
本発明による媒体は好ましくは、表Aの式で表わされる化合物の群からのそれぞれ1種または2種以上の化合物および表Bの式の群からの1種または2種以上の化合物を含有する。
本発明による媒体は、特に好ましくは、表AおよびBに示されている化合物の群から選択すると好ましい、少なくとも4種、特に5種または6種以上の相違する種類の化合物を含有する。
【0095】
表 A
【化40】
【0096】
表 B
【化41】
【0097】
【化42】
【0098】
下記の略号を使用する:
T(S−N) スメクティック−ネマティック相転移温度
T(N−I) ネマティック−アイソトロピック相転移温度
cl.p. 透明点
visc. mPa・sによる回転粘度γ1 (20℃)
△ε 誘電異方性(1 kHz、20℃)
△n 光学異方性(580nm、20℃)
急峻度 ((V90/V20)−1)×100%
V0 Vによる容量しきい値(20℃)
V10 しきい値(=10%の相対コントラストにおける固有電圧
(これはまた、V(10,0,20) の略号で表わされる)
V90 90%の相対コントラストにおける固有電圧
【0099】
【数1】
Ton スイッチ−オンから最高コントラストの90%が達成されるまでの時間[不動作時間(dead time)または遅延時間(delay time)を包含する]
Toff スイッチ−オフから最高コントラストの10%が達成されるまでの時間
VOP Vによる動作電圧
d μmによる層厚さ
K11 弾性定数(スプレイ)
K13 弾性定数(ベンド)
【0100】
図面の簡単な説明
図1は、各種固定温度における例1からの液晶媒体A−1にかかわる△εの周波数依存性を示している。20℃におけるデータが三角印で示されており、0℃におけるデータが四角印で示されており、そして−20℃におけるデータが菱形印で示されている。
図1と同様に、図2は、例2からの液晶媒体A−2にかかわる△εの周波数依存性を示している。温度にかかわる形印は、次のとおりである:四角:20℃、三角:0℃および菱形:−20℃。
図1と同様に、図3は、比較例1からの液晶媒体C−1にかかわる△εの周波数依存性を示している。温度にかかわる形印は、次のとおりである:四角:20℃、菱形:0℃および三角:−20℃。
【0101】
【実施の形態】
以下の例は、本発明を制限することなく、本発明を説明しようとするものである。温度は全部が、摂氏度で示されている。m.p.は融点を表わし、cl.p.またはT(N,I) は透明点を表わす。△nは光学異方性(589nm、20℃)を表わし、△εは誘電異方性(1 kHz、20℃)を表わし、そして粘度(mm2/秒)は20℃で測定した数値である。
Cは結晶相を表わし、Sはスメクティック相を表わし、SC はスメクティックC相を表わし、SB はスメクティックB相を表わし、Nはネマティック相を表わし、そしてIはアイソトロピック相を表わす。
V10は、10%の相対コントラストにおける電圧を表わす(基板表面に対して垂直の視覚方向)。△nは光学異方性を表わし、そしてno は常光線屈折率を表わす。これは、各場合に、別段の記載がないかぎり、589nmで測定した。
【0102】
△εは誘電異方性を表わす(△ε=ε‖−ε⊥、ここで、ε‖は分子長軸に対して平行の誘電定数を表わし、そしてε⊥は分子長軸に対して垂直の誘電定数を表わす)。別段の記載がないかぎり、△εは、1 kHz、20℃で測定した。γ1 は回転粘度を表わし、ki は弾性定数を表わす。回転粘度は、目盛り付き測定装置を用いて測定した。Merck KGaAからのZLI−4792の20℃における回転粘度値は、133mPa・sであった。別段の記載がないかぎり、電気光学データは、TNセルにおいて、第一次極小値(すなわち、0.5μmのd・△n)で20℃において測定した。別段の記載がないかぎり、全部の物理的性質は、20℃に関するものであり、20℃で測定した。本明細書全体の全部の濃度にかかわるデータは、重量パーセントで示されている。
【0103】
保存時間tstore (T)は、交差偏光板を備え、d・△n=0.5μmを有し、Du Pont,米国からのCU−1511を含有する、シールされたTN試験セルにおいて固定温度で測定した。示されている安定保存時間は、5個の試験セルのいずれにおいても、目で見て変化が見られなかった時間である。
例1
液晶混合物A−1を、常習的方法で製造した。
表1:液晶混合物A−1
組成
【0104】
【表2】
【0105】
物理的性質:
【表3】
【0106】
誘電定数、特に△εの周波数依存性を評価した。ここでは、20℃、0℃および−20℃の3種の温度における誘電定数を、各場合、0.3Vの電圧においてHewlett Packard(米国)からのHP4192ALFインピーダンス分析計を用い、0.1kHz(100Hz)から1000kHzまでのアドレス電圧で測定した。
この結果は、図1にグラフで示されている。指定温度において、△εは初期には、周波数が増加しても一定のままとどまるが、周波数がさらに大きくなると、例えば20℃で約30kHzにおいて、降下を始める(三角印)。
さらに大きい周波数において、dε/dfの負の傾斜は、初期に絶対値で増加するが、変曲点後に、再降下する(20℃で約330kHz)。さらに大きい周波数において、△εは、一般に負の符号を有する最低値を通過する(T=−20℃の場合の数値(菱型)参照)。この場合の最低値は約330kHzである。
【0107】
温度が降下するのに従い、△εは、一方で小さい周波数において増加し、例えば1kHzにおいて、20℃から0℃を経て−20℃の温度で、12.7から15.4を経て18.2まで増加する。
しかしながら、低温において、△εは、他方で小さい周波数においてさえも降下を開始する。従って、種々の温度にかかわる曲線は交差する。例えば、10kHzの周波数において、0℃にかかわる曲線(四角印)は、−20℃にかかわる曲線(菱形印)を切断する。
この固有周波数および△ε値を、表1および2に示す。
【0108】
表1:媒体の固有周波数
【表4】
【0109】
表2:媒体の固有誘電異方性
【表5】
【0110】
例2
液晶混合物A−2を、例1に記載のとおりに製造した。
表2:液晶混合物A−2
組成
【表6】
【0111】
物理的性質:
【表7】
【0112】
例1と同様に、誘電定数、特に△εの周波数依存性を上記温度で評価した。この結果は、図2に示されている。固有数値は、表1および2に示されている。
例1の混合物A−1と比較して、混合物A−2の場合に、周波数の増加に従う△εの減少は、全温度において、大きい周波数の方に移動する。
これは、図1と図2との直接比較から見ることができ、対応して、固有周波数から証明される。混合物A−2の場合、混合物A−1と比較して、各温度において、△εの減少にかかわる固有の数値は、大きい周波数の方に移動するばかりでなく、またこの移動は、特に高温よりも低温でいっそう際立つ。従って、全部の温度にかかわる曲線は、A−1の場合と比較して、A−2の場合には、一緒に密接している。
すなわち、周波数依存性は、各種温度で、より類似する。
【0113】
比較例1
下記表に示されている組成を有する液晶混合物C−1を製造した。
表3:液晶混合物C−1
組成
【表8】
【0114】
物理的性質:
【表9】
【0115】
例1と同様に、△εの周波数依存性を3種の温度で評価した。この結果は、図3に示されており、そして表1および2に包含されている。
混合物C−1の場合、△εは、−20℃において約0.1kHz(200khz)における一定の数値からすでに移動を始める。
A−1およびA−2の両方と比較して、C−1の場合に、△εの温度依存性は、いっそう際立っている。全温度において、△εの周波数依存性は、A−1およびA−2の場合と比較してC−1の場合にいっそう大きい。すなわち、各場合、△εは小さい周波数ですでに降下を始める。さらにまた、A−1およびA−2の場合との差は、温度が低いほど、いっそう際立つ。
【0116】
例3
例1に記載されているとおりに、液晶混合物A−3を製造した。
表4:液晶混合物A−3
組成および性質
【表10】
【0117】
比較例2
下記表に示されている組成を有する液晶混合物C−2を製造した。
表5:液晶混合物C−2
組成および性質
【表11】
【図面の簡単な説明】
【図1】例1からの液晶媒体A−1にかかわる、各種固定温度における△εの周波数依存性を示すグラフ。
【図2】例2からの液晶媒体A−2にかかわる、各種固定温度における△εの周波数依存性を示すグラフ。
【図3】比較例1からの液晶媒体C−1にかかわる、各種固定温度における△εの周波数依存性を示すグラフ。
Claims (13)
- 正の誘電異方性を有する液晶媒体であって、全体として25〜35重量%の1種または2種以上の下記式Iで表わされる化合物:
R1 は、炭素原子1〜12個を有するアルキルまたはアルコキシであるか、あるいは炭素原子2〜12個を有するアルケニル、アルコキシアルキルまたはアルケニルオキシであり、そして
Lは、Fである;
および、1種または2種以上の下記式IIで表わされる化合物:
R21は、炭素原子1〜7個を有するアルキルまたはアルコキシであるか、あるいは炭素原子2〜7個を有するアルケニル、アルコキシアルキルまたはアルケニルオキシであるか、あるいはF、Cl、OCF3 またはOCF2 Hであり、
R22は、Hであるか、あるいは炭素原子1〜10個を有するアルキルであり、
Y21は、Fであり、
Y22は、Hであり、
nは、0であり、そして
mは、0または1である;
および、全体として5〜25重量%の1種または2種以上の下記式VI’で表される化合物:
R6’は、炭素原子1〜7個を有するアルキルであり、
X’は、Fであり、そして
Y61’およびY62’は、両方ともにFであるを含有する前記液晶媒体(但し、式IIで表わされる化合物の少なくとも1種が、1種または2種以上の下記式IIbで表わされる化合物:
R22、Y21、Y22およびnは、式IIについて定義されているとおりである
である;および/または、該液晶媒体は1種または2種以上の下記式Vbで表わされる化合物:
R51およびR52は、相互に独立して、炭素原子1〜7個を有するアルキルまたはアルコキシであるか、あるいは炭素原子2〜7個を有するアルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキルである
をさらに含有する。) - 1種または2種以上の式Vbで表わされる化合物を含有することを特徴とする、請求項1に記載の液晶媒体。
- 式IIで表わされる化合物の少なくとも1種が、1種または2種以上の式IIbで表わされる化合物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の液晶媒体。
- 式IIにおいて、
R21が、アルキルまたはアルケニル基であり、
R22が、Hであるか、あるいは炭素原子1〜3個を有するアルキルである、
化合物の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶媒体。 - 2種または3種以上の式Iで表される化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶媒体。
- 式Iにおいて、
R1 が、炭素原子3〜5個を有するアルケニル基である、
化合物の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶媒体。 - 式III〜VIIで表される化合物(但し、請求項1の式Vbで表される化合物は除外する)からなる群から選択される1種または2種以上の化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶媒体。
R31およびR32はそれぞれ相互に独立して、Hであるか、または炭素原子1〜15個を有するアルキル基またはアルケニル基であり、この基は未置換であるか、あるいは置換基として1個のCNまたはCF3を有するか、あるいは置換基として少なくとも1個のハロゲンを有しており、これらの基中に存在する1個または2個以上のCH2基はまた相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、−S−、
A31およびA32はそれぞれ相互に独立して、
a)トランス−1,4−シクロヘキシレン基であり、この基中に存在する1個のCH2 基または隣接していない2個以上のCH2 基はまた、−O−および/または−S−により置き換えられていてもよく、
b)1,4−フェニレン基であり、この基中に存在する1個または2個のCH基はまた、Nにより置き換えられていてもよく、
c)1,4−シクロヘキセニレン、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン、ピペリジン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイルおよび1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルからなる群からの基、
であり、上記基a)およびb)は、1個または2個以上のフッ素原子により置換されていてもよく、そして
Z3は、−CO−O−、−O−CO−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり、あるいは−(CH2)4−または−CH=CH−CH2CH2−であることができる。
R6は、炭素原子1〜7個を有するアルキルであり、
Xは、F、ClまたはOCF3であり、そして
Y61およびY62は、相互に独立して、HまたはFである(但し、X、Y61およびY62は同時にFではない)。
R7は、炭素原子2〜7個を有するn−アルキルまたは炭素原子2〜7個を有するアルケニルであり、
X7は、CN、F、Cl、−CF3、−CF2Cl、−CFHCl、−CF2H、−OCF3、−OCF2Cl、−OCFHClまたは−OCHF2であり、
l は、0または1であり、そして
Y71およびY72はそれぞれ相互に独立して、HまたはFであり、そして
A71、A72、Z71およびZ72はそれぞれ相互に独立して、式IIIにおける、A31、A32、Z31およびZ32にかかわる上記定義のとおりである。 - 液晶媒体において、周波数の関数としてのΔεの屈曲点の周波数f[ΔεmaxT]が、20℃において250kHzまたはそれ以上である、請求項1に記載の液晶媒体。
- 液晶媒体において、周波数の関数としてのΔεの屈曲点の周波数f[ΔεmaxT]が、20℃において250kHzまたはそれ以上である、請求項2〜8のいずれか一項に記載の液晶媒体。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の液晶媒体を含有することを特徴とする電気光学表示素子。
- 1個または2個以上の請求項11に記載の電気光学表示素子を備えていることを特徴とする電気光学ディスプレイ。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の液晶媒体の電気光学ディスプレイまたは電気光学表示素子における使用。
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