JPH1192762A - ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置

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JPH1192762A
JPH1192762A JP9256686A JP25668697A JPH1192762A JP H1192762 A JPH1192762 A JP H1192762A JP 9256686 A JP9256686 A JP 9256686A JP 25668697 A JP25668697 A JP 25668697A JP H1192762 A JPH1192762 A JP H1192762A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal composition
nematic
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frequency
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Application number
JP9256686A
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English (en)
Inventor
Kunihiko Kotani
邦彦 小谷
Kiyobumi Takeuchi
清文 竹内
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RODEIKKU KK
DIC Corp
Original Assignee
RODEIKKU KK
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
Application filed by RODEIKKU KK, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical RODEIKKU KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 TN-LCD、STN-LCD、TFT-LCDの電気光学特性を
改善し、特に駆動電圧が広い温度範囲で一定値を保持
し、種々の時分割に対応した周波数範囲で駆動電圧が変
動せず、時分割数(デューティー数)の増大による低温
域での駆動電圧の急増を改善したネマチック液晶組成物
及びこれを用いた液晶表示装置を提供すること。 【解決手段】 6〜40種の化合物からなる液晶組成物
の△εが正、TN-Iが60℃〜150℃、T-Nが−10
0℃〜0℃、液晶構成因子S=(η×<a>3-1{ηは
液晶組成物の粘度(c.p.)、<a>は平均分子長
(Å)}を用いて定義する緩和周波数をωd=2×10
12×S-1.40とし、表示用駆動のフレーム周波数及び又
はデューティー数で定められ液晶層に印加される実行周
波数をFとして、駆動温度範囲内で1.0×102≧ω
d/F≧5.0×10-1であるネマチック液晶組成物及
びこれを用いた液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気光学的表示材
料として有用なネマチック液晶組成物及びこれを用いた
液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子の代表的なものにTN-LCD
(ツイスティッド・ネマチック液晶表示素子)があり、
時計、電卓、電子手帳、ポケットコンピュータ、ワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータなどに使用されて
いる。一方、OA機器の処理情報の増加に伴い、一画面
に表示される情報量が増大しており、シェファー(Sche
ffer)等[SID '85 Digest, 120頁(1985年)]、ある
いは衣川等[SID '86 Digest, 122頁(1986年)]によ
って、STN(スーパー・ツイスティッド・ネマチック)
−LCDが開発され、ワードプロセッサ、パーソナルコン
ピュータなどの高情報処理用の表示に広く普及しはじめ
ている。
【0003】最近、STN-LCDでの応答特性を改善する目
的でアクティブアドレッシング駆動方式が提案されてい
る。(Proc.12th International Display Research
Conference p.503 1992年)また、携帯用端末表示
(Personal Digital Assistance)ではより広い温度
域で良好な表示特性が要求されている。この様な液晶材
料として、弾性定数比K33/K11が1.5前後、複
屈折率△nが0.11〜0.24の範囲で、誘電率異方
性△εの大きささに比較的してより小さい粘性が要求さ
れている。特に、駆動電圧が広い温度範囲に対して一定
値を保持することや、あるいは種々の時分割に対応した
周波数範囲で駆動電圧が変動しないことが要求されてい
る。従って、現在も新しい液晶化合物あるいは液晶組成
物の提案がなされている。
【0004】更に、その表示品質が優れていることか
ら、アクティブ・マトリクス形液晶表示装置が携帯端
末、液晶テレビ、プロジェクター、コンピューター等の
市場に出されている。アクティブ・マトリクス表示方式
は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)あるいはMIM(メ
タル・インシュレータ・メタル)等が使われており、こ
の方式には高電圧保持率であることが重要視されてい
る。また、更に広い視角特性得るためにIPSモードと組
み合わせたスーパーTFT[Asia Display '95 Dige
st, p.707 1995年]が近藤等によって提案されてい
る。(以下、これらアクティブ・マトリクス表示方式の
液晶表示素子を総称してTFT-LCDと呼称する)この様な
表示素子に対応するために、現在も新しい液晶化合物あ
るいは液晶組成物、例えば特開平6ー312949号公
報、特公表5−501735号公報等の提案がなされて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
なTN-LCD、STN-LCD、TFT-LCDの電気光学特性を改善する
ことを目的とするものであり、特に、駆動電圧が広い温
度範囲に対して一定値を保持することや、あるいは種々
の時分割に対応した周波数範囲で駆動電圧が変動しない
ことに関するものである。より詳しくは、時分割数(デ
ューティー数)の増大により、低温域において駆動電圧
が急激に増加することを改善するものである。
【0006】本発明は、上記の課題の解決策として、液
晶組成物の構成を最適化することにより改善させること
ができる因子を見いだしたものである。これにより、所
望の時分割駆動に応じたネマチック液晶組成物を提供す
ることができ、特に低温で安定な駆動、従ってより改善
されたコントラストを有する液晶表示装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、 1.6種〜40種の化合物からなる液晶組成物であっ
て、該液晶組成物の誘電異方性△εが正であり、ネマチ
ック相−等法性液体相転移温度が60℃〜150℃の範
囲であり、ネマチック相−結晶相又はスメクチック相転
移温度が−100℃〜0℃の範囲であり、該液晶組成物
の液晶構成因子S=(η×<a>3-1{式中、ηは液晶
組成物の粘度(単位c.p.)を表し、<a>は液晶組成物
の平均分子長(単位Å)を表す}を用いて定義する緩和
周波数をωd=2×1012×S-1.40とし、該液晶組成
物を表示として駆動させることに関わるフレーム周波数
及び又はデューティー数で定められる実際に液晶層に印
加される実行周波数をFとした場合、駆動温度範囲内で
1.0×102≧ωd/F≧5.0×10-1であること
を特徴とするネマチック液晶組成物。 2.前記液晶組成物の平均分子長<a>が、13〜23
Åの範囲であることを特徴とする上記1記載のネマチッ
ク液晶組成物。 3.前記液晶組成物の粘度ηが、−10℃〜0℃の温度
域で15〜400c.p.の範囲であることを特徴とする上
記1又は2記載のネマチック液晶組成物。 4.前記緩和周波数ωdが、500Hz〜10MHzの
範囲であることを特徴とする上記1、2又は3記載のネ
マチック液晶組成物。 5.前記ωd/Fが、1.0×102≧ωd/F≧8.0
×10-1の範囲であることを特徴とする上記1、2、3
又は4記載のネマチック液晶組成物。 6.前記ネマチック液晶組成物が、式(I-1a)〜(I-4
b)
【0008】
【化11】
【0009】
【化12】
【0010】
【化13】
【0011】
【化14】
【0012】で表される少なくとも1種又は2種以上の
化合物を含有したことを特徴とする上記1、2、3、4
又は5記載のネマチック液晶組成物。 7.前記ネマチック液晶組成物が、式(II-1a)〜(II-
6d)
【0013】
【化15】
【0014】
【化16】
【0015】
【化17】
【0016】
【化18】
【0017】
【化19】
【0018】
【化20】
【0019】で表される少なくとも1種又は2種以上の
化合物を含有したことを特徴とする上記1乃至6記載の
ネマチック液晶組成物。 8.前記液晶組成物の誘電異方性△εが3〜35の範
囲、及び又はネマチック相−等法性液体相転移温度が7
0℃〜120℃の範囲、及び又はネマチック相−結晶相
又はスメクチック相転移温度が−10℃〜−100℃の
範囲であることを特徴とする上記1乃至7記載のネマチ
ック液晶組成物。 9.前記液晶組成物のしきい値電圧が0.7V〜2.2Vの範囲
であることを特徴とする上記1乃至8記載のネマチック
液晶組成物。 10.上記1乃至9記載のネマチック液晶組成物を用い
たツイスティッド・ネマチック、スーパー・ツイスティ
ッド・ネマチック又はアクティブ・マトリクス液晶表示
装置。を前記課題の解決手段として見出した。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一例について説明
する。本発明は、上記課題を解決するために、6種〜4
0種の化合物からなる液晶組成物であって、該液晶組成
物の誘電異方性△εが正であり、ネマチック相−等法性
液体相転移温度が60℃〜150℃の範囲であり、ネマ
チック相−結晶相又はスメクチック相転移温度が−10
0℃〜0℃の範囲であり、該液晶組成物の液晶構成因子
S=(η×<a>3-1{式中、ηは液晶組成物の粘度
(単位c.p.)を表し、<a>は液晶組成物の平均分子長
(単位Å)を表す}を用いて定義する緩和周波数をωd
=2×1012×S-1.40とし、該液晶組成物を表示とし
て駆動させることに関わるフレーム周波数及び又はデュ
ーティー数で定められる実際に液晶層に印加される実行
周波数をFとした場合、駆動温度範囲内で1.0×10
2≧ωd/F≧5.0×10-1であることを特徴とする
ネマチック液晶組成物を提供する。
【0021】本発明の液晶組成物は、本発明の効果をよ
り優れたものとするために、低温での粘度特性に優れ、
分子長が短いことを特徴とする前記の式(I-1a)〜(I-
4b)で表される少なくとも1種又は2種以上の化合物を
含有したネマチック液晶組成物を提供する。
【0022】また、所望の駆動電圧を得るために、分子
長が短いことを特徴とする前記の式(II-1a)〜(II-6
d)で表される少なくとも1種又は2種以上の化合物を
含有したネマチック液晶組成物を提供する。
【0023】また、本発明は上記のネマチック液晶組成
物を用いたツイスティッド・ネマチックあるいはスーパ
ー・ツイスティッド・ネマチック液晶表示装置を提供す
る。本発明の液晶組成物は、6種〜40種の化合物から
なる液晶組成物であり、これによって、所望の特性を有
することができ、特により広い範囲で動作できる液晶組
成物、あるいは所定の正の誘電異方性△εを得ることが
できる。この場合、ネマチック相−等法性液体相転移温
度が60℃〜150℃の範囲が好ましく、70℃〜12
0℃の範囲がより好ましい。ネマチック相−結晶相又は
スメクチック相転移温度については、−100℃〜0℃
の範囲が好ましく、−100℃〜−10℃の範囲より好
ましい。また、液晶組成物の誘電異方性△εは、3〜3
5の範囲が好ましく、6〜35の範囲がより好ましく、
10〜30の範囲が更に好ましく、15〜25の範囲が
特に好ましい。これにより、液晶組成物のしきい値電圧
を0.7V〜2.2Vの範囲で設計することができる。本発明を
携帯用の液晶表示装置に用いる場合は、しきい値電圧が
0.7V〜1.8Vの範囲あることが好ましく、より時分割数が
大きい場合は0.7V〜1.4Vの範囲あることがより好まし
い。
【0024】本発明は、種々の時分割に対応した周波数
範囲で駆動電圧が変動すること、特に低温域において駆
動電圧が急激に増加する要因が液晶組成物の構成にある
ことを見いだした。鋭意検討した結果、その素となる因
子が液晶組成物の粘度η(単位c.p.)と液晶組成物の平
均分子長<a>(単位Å)であり、(η×<a>3-1
表される液晶構成因子Sを見いだし、これを指標にして
液晶組成物の構成を最適化することで改善できることを
見いだしたものである。
【0025】本発明における液晶組成物の粘度ηは、駆
動温度範囲内で考察評価することが妥当である。意図的
に高い温度、あるいは改善すべき温度範囲外の結果を適
応することは発明の趣旨に適合しない。
【0026】本発明は、液晶組成物の液晶構成因子S=
(η×<a>3-1を用いて、緩和周波数をωd=2×1
12×S-1.40を定義する。この定義は、多数の液晶組
成物を評価した結果得られた経験式であり、指数−1.
40には±約7%の誤差が含まれている。この緩和周波
数ωdが小さいと、印加電圧のより低い周波数に対して
液晶分子が追従できなくなる。このため、動作させるの
に必要なしきい値電圧を増大させることになる。緩和周
波数ωdが大きいと、より変化が少ないしきい値電圧と
なり、安定したコントラストの表示特性が得られること
となる。
【0027】本発明の液晶組成物の緩和周波数をωd
は、表示として駆動させることに関わるフレーム周波数
及び又はデューティー数で定められる周波数、即ち実際
に液晶層に印加される実行周波数をFに対して、駆動温
度範囲内で1.0×102≧ωd/F≧5.0×10-1
を満たすように最適化されることを必須としている。通
常、フレーム周波数は32〜200Hzであり、デュー
ティー数は8〜500が使用されている。駆動波形は、
1フレームで交流化を行うものと、2フレーム間で交流
化を行うものがある。従って、F1=(1フレーム周波
数)×(デューティー数)とF2=(2フレーム周波
数)×(デューティー数)として求められ、(フレーム
周波数)×(デューティー数)として実行周波数Fを定
義すると、(1フレーム)×(デューティー数)の0.
5〜1.0の範囲をとっている。
【0028】従って、液晶組成物の緩和周波数ωdを、
実行周波数Fに比べて、必要な大きさに選択させること
により、本発明の課題を達成することができる。本発明
に因れば、液晶組成物として達成することが示されてい
る。
【0029】本発明の液晶組成物の平均分子長<a>
は、13〜30Åの範囲であることができるが、13〜
23Åの範囲がより好ましい。粘度ηについては、より
低くすることが好ましく、本発明の課題である問題はよ
り低い温度域で生じることから、低温での粘度がより低
いことが更に好ましく、−10℃〜0℃の温度域で15
〜400c.p.の範囲であることが特に好ましく、250
c.p.以下が最も好ましい。緩和周波数ωdは、500H
z〜10MHzの範囲とすることで、適用範囲を優位に
保つことができるが、より大きいデューティー数の場合
には1KHz以上が好ましい。上述したωd/Fは、ω
d/F≧7.0×10-1の範囲で対応することができる
が、より大きいデューティー数の場合にはωd/F≧
1.0あることがより好ましい。
【0030】本発明のネマチック液晶組成物は、上記の
目的を達成するために、式(I-1a)〜(I-4b)で表され
る少なくとも1種又は2種以上の化合物を含有すること
が好ましい。この中で、式(I-1a)、(I-1f)〜(I-1
j)、(I-2d)〜(I-2f)、(I-3d)〜(I-3i)、(I-3
m)、(I-3n)の化合物はより好ましく、多用すること
ができる。これらの化合物は、1〜40%の範囲で含有
させることができるが、3〜30%の範囲が好ましい。
総量では、5〜80%の範囲で含有することができる
が、5〜65%の範囲が好ましい。
【0031】また、駆動電圧を所望のものにするため
に、式(II-1a)〜(II-6d)で表される少なくとも1種
又は2種以上の化合物を含有することが好ましい。この
中で、式(II-1b)〜(II-1g)、(II-2b)、(II-2
j)、(II-2m)は本発明の課題を達成するのに好ましい
化合物であり、(II-4e)〜(II-4h)、(II-4l)、(I
I-4s)、(II-4t)はより低い駆動電圧を得るのに好ま
しい化合物であり、多用することができる。これらの化
合物は、1〜40%の範囲で含有させることができる
が、2〜30%の範囲が好ましい。総量では、5〜95
%の範囲で含有することができるが、15〜90%の範
囲が好ましい。
【0032】上記式(I-1a)〜(II-6d)で表される化
合物は、総量での40〜100%の範囲で含有すること
ができるが、60〜100%の範囲が好ましい。本発明
の液晶組成物は、上記式(I-1a)〜(II-6d)で表され
る化合物以外にも、液晶組成物の特性を改善するため
に、液晶化合物として認識される通常のネマチック液
晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶などを含有
していてもよい。しかしながら、これらの化合物を多量
に用いることはネマチック液晶組成物の特性が低減する
ことになるので、添加量は得られるネマチック液晶組成
物の要求特性に応じて制限されるものである。
【0033】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に記述する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。また、以下の実施例の組成物における「%」は『重
量%』を意味する。実施例中、測定した特性は以下の通
りである。
【0034】TN-I:ネマチック相―等方性液体相転移
温度(℃) T-N :固体相又はスメクチック相―ネマチック相転移
温度(℃) △n :複屈折率 Vth :セル厚8μmのTN-LCDを構成した時のしきい値
電圧(V) η :E型粘度計で測定した粘度(c.p.) △ε :誘電異方性 (実施例1)
【0035】
【化21】
【0036】からなるネマチック液晶組成物(1−1)
を調合し、この液晶組成物の諸特性を測定した。結果は
以下の通りであった。 TN-I: 95.2℃ T-N :−32 ℃ △n : 0.132 Vth : 1.40V η : 18.8c.p. △ε : 17.0 更に、このネマチック液晶組成物(1−1)の粘度ηを
温度を変えて測定した。結果を以下に示す。
【0037】 25℃ 18.8c.p. 15℃ 29.0c.p. 5℃ 49.7c.p. −15℃ 241.3c.p. このネマチック液晶組成物(1−1)を構成している各
化合物の分子長は、CAMBRIDESOFT CORPORATION社のCHE
M3Dを用いて計算して得た。ネマチック液晶組成物の平
均分子長<a>は、この計算で得られた化合物の分子長
を用いて、組成物のモル比で計算した。ネマチック液晶
組成物(1−1)の平均分子長<a>は17.9Åであ
った。
【0038】誘電異方性△εは、測定周波数に依存する
値であり、高い周波数になると交流電界に液晶分子が追
従できなくなる緩和現象により、低い周波数領域で一定
の値を示していたのが、高い周波数で減少してくる。こ
の緩和現象が起こる周波数を緩和周波数とする。緩和周
波数は、液晶組成物の固有の物性値であり、組成の構成
により変化する。以下、緩和現象が観測される周波数
を、測定周波数が100Hzにおける誘電異方性△εに
対し、この値が10%減少させる周波数として定義し、
これをf10%として表す。緩和現象は、ネマチック液
晶組成物の誘電異方性△εが減少することであるから、
動作電圧の上昇が起こり、駆動電圧を一定とした液晶表
示装置に場合コントラストが低下してしまうこととな
る。
【0039】ネマチック液晶組成物(1−1)の誘電異
方性△εについて、温度と周波数を変化させて測定し
た。結果を図1に示す。この測定結果から、緩和現象が
観測された周波数f10%は、下記の通りであった。
【0040】 25℃ 2.0×105 Hz 15℃ 1.0×105 Hz 5℃ 4.3×104 Hz −15℃ 5.4×103 Hz
【0041】上記で得られた粘度η及び平均分子長<a
>から、液晶構成因子S=(η×<a>3ー1を求めた。
この液晶構成因子Sの値と上記で得られた周波数f10
%の値を両対数グラフ上にプロットした結果を図2に示
す。この図から明らかなように、両者の関係は線形関係
であった。このことから、両者が直線関係にあるとし
て、最小自乗法により経験式を求めた。上記で定義した
周波数f10%は、液晶構成因子Sを変数として関数化
すると、緩和周波数ωd=2×1012×Sー1.40であっ
た。このような関係式は、今まで計算されたことはな
く、本発明者らによって初めて得られた知見である。
【0042】実際に液晶層に印加される実行周波数F
は、フレーム周波数や時分割数等によって決められる。
従って、所定の時分割数で駆動する場合、緩和周波数ω
dを実行周波数Fより高くすることで良好な表示特性が
得られる。本発明によれば、駆動する時分割数等によっ
て決まる実行周波数よりも高い周波数域に液晶組成物の
緩和周波数を設定することができ、これにより、良好な
表示特性を得られる。実際に、ネマチック液晶組成物
(1−1)を用いたSTN表示装置を以下で示す方法で
作製し、その特性を測定した。対向する平面透明電極上
に「サンエバー150」(日産化学社製)の有機膜をラ
ビングして配硬膜を形成し、ツイスト角240度のSTN-
LCD表示用セルを作製した。セル厚(d)は、△n×d
=0.9になるようにした。尚、ネマチック液晶組成物
(1−1)にカイラル物質「S−811」(メルク社
製)を混合し、らせんピッチPがd/p=0.5になる
ようにを調合した。得られた液晶表示装置の表示特性
は、温度、駆動周波数を変えて測定した。結果を図3に
示す。
【0043】図3から明らかなように、駆動周波数を3
KHzまで上げても、−15℃から25℃までVthの
変動がないことが確認された。 (比較例1)本発明の優位性を示すために、比較液晶
(a−1)を調合した。
【0044】
【化22】
【0045】この比較液晶の諸特性を測定した。結果は
以下の通りであった。 TN-I: 93.3℃ T-N :−49 ℃ △n : 0.132 Vth : 1.42V η : 19.1c.p. △ε : 15.7 実施例1と同様にして、粘度ηを測定した。
【0046】 25℃ 19.1c.p. 15℃ 31.4c.p. 5℃ 57.3c.p. −15℃ 303.2c.p. また、実施例1と同様にして求めた平均分子長<a>
は、18.1Åであった。
【0047】更に、実施例1と同様にして求めたf10
%は下記の通りであった。 25℃ 3.6×104 Hz 15℃ 1.5×104 Hz 5℃ 6.0×103 Hz −15℃ 5.5×102 Hz 上記で得られた粘度η及び平均分子長<a>から、実施
例1と同様にして、緩和周波数ωdを求めた。結果はω
d=1×1012×Sー1.50であった。液晶構成因子Sの
値と上記で得られた周波数f10%の値を図4に示す。
更に、実施例1と同様にして表示特性を測定した。結果
を図5に示す。
【0048】図5の結果から、比較例1では、500H
zでしきい値電圧の上昇が現れ、1KHzにおいては0
℃より高い温度でしきい値電圧の急激な上昇が現れてい
る。コントラスト特性を測定してみると、比較例1で
は、500Hz(デューティー数が16に相当する)に
おいて0℃以下の低い温度域でコントラストの悪化がみ
られ、1KHz(デューティー数が32に相当する)に
おいては5℃付近からすでにコントラストの悪化がみら
れた。これらの結果に比べ、本発明の実施例1では、図
3から明らかなように、比較例1より更に高い周波数で
ある3KHz(デューティー数が48に相当する)にお
いてもしきい値電圧の変動が検出されず、更に大きいデ
ューティー数でも駆動可能であり、低い温度域において
も高いコントラストを有していた。
【0049】上述した差異は、緩和周波数ωdと実行周
波数Fとの比ωd/Fに因るものであり、本発明の優位
性が明らかにされた結果である。 (実施例2)実施例1のNO.4を式(II-1b)に変えたネマチ
ック液晶組成物(1-2)を作製した。 (実施例3)実施例1のNO.4を式(II-1e)に変えたネマチ
ック液晶組成物(1-3)を作製した。 (実施例4)実施例1のNO.4を式(II-1f)に変えたネマチ
ック液晶組成物(1-4)を作製した。 (実施例5)実施例1のNO.4を式(II-4e)に変えたネマチ
ック液晶組成物(1-5)を作製した。 (実施例6)実施例1のNO.4を式(II-4f)に変えたネマチ
ック液晶組成物(1-6)を作製した。 (実施例7)実施例1のNO.4を式(II-4g)に変えたネマチ
ック液晶組成物(1-7)を作製した。 (実施例8)実施例1のNO.4を式(II-4h)に変えたネマチ
ック液晶組成物(1-8)を作製した。 (実施例9)実施例1-1のNO.4を式(II-4l)に変えたネマ
チック液晶組成物(1-9)を作製した。 (実施例10)実施例1のNO.4を式(II-4s)に変えたネマチ
ック液晶組成物(1-10)を作製した。 (実施例11)実施例1のNO.4を式(II-4t)に変えたネマチ
ック液晶組成物(1-11)を作製した。 (実施例12)実施例1のNO.4を式(II-6c)に変えたネマチ
ック液晶組成物(1-12)を作製した。
【0050】実施例2〜実施例12までのネマチック液晶
組成物を用いて、実施例1と同様の液晶表示装置を作製
した。これらの表示特性は、実施例1同様に、良好な結
果が得られた。 (実施例13)実施例1のNO.10を式(II-2b)に変えたネマ
チック液晶組成物(1-13)を作製した。 (実施例14)実施例1のNO.10を式(II-2j)に変えたネマ
チック液晶組成物(1-14)を作製した。 (実施例15)実施例1のNO.10を式(II-2b)に変えたネマ
チック液晶組成物(1-15)を作製した。
【0051】実施例13〜実施例15までのネマチック液晶
組成物を用いて、実施例1と同様の液晶表示装置を作製
した。これらの表示特性は、実施例1同様に、良好な結
果が得られた。
【0052】
【発明の効果】本発明のネマチック液晶組成物は、液晶
組成物の液晶構成因子S=(η×<a>3-1を用いて定
義した緩和周波数が、ωd=2×1012×S-1.40の関
係式として表されることを見いだし、液晶組成物を表示
として駆動させることに関わるフレーム周波数及び又は
デューティー数で定められる実際に液晶層に印加される
実行周波数をFに対して、駆動温度範囲内で1.0×1
2≧ωd/F≧5.0×10-1であることを特徴とす
るネマチック液晶組成物である。これにより、種々の時
分割に対応した周波数範囲で駆動電圧が変動しない、あ
るいは時分割数(デューティー数)の増大により、低温
域において駆動電圧が急激に増加することを改善するこ
とができるものである。従って、本発明の液晶組成物を
用いることにより、表示特性の改善された液晶表示装置
を得ることができる。特に情報量の多いTN-LCD、STN-LC
D形液晶表示装置において良好な駆動特性及び表示特性
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のネマチック液晶組成物における誘電
異方性△εの周波数依存性とその温度変化を示すグラフ
である。
【図2】実施例1のネマチック液晶組成物における液晶
構成因子(η×<a>3-1と緩和現象が観測される周波数
f10%との相関関係を示すグラフである。
【図3】実施例1のネマチック液晶組成物のSTN-LCDに
おけるVthの温度変化と周波数依存性を示すグラフで
ある。
【図4】比較例1の比較液晶における液晶構成因子(η
×<a>3-1と緩和現象が観測される周波数f10%との
相関関係を示すグラフである。
【図5】比較例1の比較液晶のSTN-LCDにおけるVth
の温度変化と周波数依存性を示すグラフである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6種〜40種の化合物からなる液晶組成
    物であって、該液晶組成物の誘電異方性△εが正であ
    り、ネマチック相−等法性液体相転移温度が60℃〜1
    50℃の範囲であり、ネマチック相−結晶相又はスメク
    チック相転移温度が−100℃〜0℃の範囲であり、該
    液晶組成物の液晶構成因子S=(η×<a>3-1{式
    中、ηは液晶組成物の粘度(単位c.p.)を表し、<a>
    は液晶組成物の平均分子長(単位Å)を表す}を用いて
    定義する緩和周波数をωd=2×1012×S-1.40
    し、該液晶組成物を表示として駆動させることに関わる
    フレーム周波数及び又はデューティー数で定められる実
    際に液晶層に印加される実行周波数をFとした場合、駆
    動温度範囲内で1.0×102≧ωd/F≧5.0×1
    -1であることを特徴とするネマチック液晶組成物。
  2. 【請求項2】 前記液晶組成物の平均分子長<a>が、
    13〜23Åの範囲であることを特徴とする請求項1記
    載のネマチック液晶組成物。
  3. 【請求項3】 前記液晶組成物の粘度ηが、−10℃〜
    0℃の温度域で15〜400c.p.の範囲であることを特
    徴とする請求項1又は2記載のネマチック液晶組成物。
  4. 【請求項4】 前記緩和周波数ωdが、500Hz〜1
    0MHzの範囲であることを特徴とする請求項1、2又
    は3記載のネマチック液晶組成物。
  5. 【請求項5】 前記ωd/Fが、1.0×102≧ωd
    /F≧8.0×10-1の範囲であることを特徴とする請
    求項1、2、3又は4記載のネマチック液晶組成物。
  6. 【請求項6】 前記ネマチック液晶組成物が、式(I-1
    a)〜(I-4b) 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 で表される少なくとも1種又は2種以上の化合物を含有
    したことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載
    のネマチック液晶組成物。
  7. 【請求項7】 前記ネマチック液晶組成物が、式(II-1
    a)〜(II-6d) 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 で表される少なくとも1種又は2種以上の化合物を含有
    したことを特徴とする請求項1乃至6記載のネマチック
    液晶組成物。
  8. 【請求項8】 前記液晶組成物の誘電異方性△εが3〜
    35の範囲、及び又はネマチック相−等法性液体相転移
    温度が70℃〜120℃の範囲、及び又はネマチック相
    −結晶相又はスメクチック相転移温度が−10℃〜−1
    00℃の範囲であることを特徴とする請求項1乃至7記
    載のネマチック液晶組成物。
  9. 【請求項9】 前記液晶組成物のしきい値電圧が0.7V〜
    2.2Vの範囲であることを特徴とする請求項1乃至8記載
    のネマチック液晶組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9記載のネマチック液晶
    組成物を用いたツイスティッド・ネマチック、スーパー
    ・ツイスティッド・ネマチック又はアクティブ・マトリ
    クス液晶表示装置。
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CN109097067A (zh) * 2017-06-20 2018-12-28 江苏和成显示科技有限公司 液晶组合物及其在液晶显示器件中应用

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