JP4988696B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、コア及びカバーを備えたゴルフボールに関する。
一般的なゴルフボールは、コアとカバーとを備えている。カバーには、アイオノマー樹脂又はポリウレタンをその主成分とする樹脂組成物が用いられる。アイオノマー樹脂からなるカバーは、反発性能に優れる。一方、ポリウレタンからなるカバーは、打球感、コントロール性及び耐擦傷性に優れる。
カバーの成形方法としては、圧縮成形法及び射出成形法が挙げられる。圧縮成形法では、予め準備しておいた碗状のハーフシェルでコアを覆い、これを圧縮成形してカバーが成形される。射出成形法では、射出成形機を用いて溶融した樹脂を直接コアの周りに射出してカバーが成形される。生産性の観点において、射出成形法が圧縮成形法よりも優れている。
特開平11−151323号公報に、射出成形にて形成された均一な厚さの球殻薄層(カバーに相当)を備えたゴルフボールが開示されている。この球殻薄層は、射出成形時の充填速度を適正化して形成されている。
特許3751824号公報に、カバー形成のための射出成形用の成形型が開示されている。この成形型は、リングゲートを備えている。このリングゲートにより、バランスのとれた溶融樹脂の流動が実現され、ゴルフボールの耐久性向上が図られている。
特開平11−151323号公報 特許3751824号公報
大きな飛行距離の達成の観点から、コアを大径化し速い速度でゴルフボールを飛行させることについて検討がなされている。コアの大径化の達成には、カバーをさらに薄くする必要がある。
薄いカバーの成形に際し、射出成形機の射出率が不十分であれば、注入された樹脂組成物の冷却速度が速まり、樹脂組成物がコア全体を覆うことができない場合がある。コア全体を樹脂組成物で覆うことができても、ウェルドラインの部分の強度が不十分であるために、ゴルフボールの打撃耐久性が低下してしまう場合もある。温度、圧力等のような成形条件の制御だけでは、十分な特性を有するカバーを得ることができないだけでなく、成形型の寿命低下を招来してしまう。
樹脂組成物の流動性を改善するために、この樹脂組成物にオイル等の流動性向上剤を添加すると、反発性能、耐久性、外観等の特性が低下してしまうという問題がある。生産性に優れる射出成形法において、カバーの特性を損なうことなく、カバーの薄層化を達成するのは困難である。
本発明の目的は、射出成形法によって製造され、耐久性に優れかつ大きな飛行距離を達成しうるゴルフボールの提供にある。
本発明に係るゴルフボールは、コアと、このコアの外側に位置するカバーとを備えている。このカバーの厚みは、0.2mm以上1.0mm以下である。このカバーは、射出成形機から樹脂組成物を成形型に射出することにより形成されている。温度が190℃とされた条件で測定された上記樹脂組成物の溶融流動度M(g/10min)と、この射出成形機の射出率V(cm/sec)と、射出時間T(sec)との積(M×V×T)は、500以上1000以下である。
好ましくは、このゴルフボールでは、上記樹脂組成物の溶融流動度Mは15g/10min以上100g/10min以下である。
好ましくは、このゴルフボールでは、上記樹脂組成物は基材ポリマーを含んでいる。この基材ポリマーは、アイオノマー樹脂と、カルボキシル基を含有する樹脂とを含んでいる。このアイオノマー樹脂は、この基材ポリマーの主成分である。温度が190℃とされた条件で測定された上記カルボキシル基を含有する樹脂の溶融流動度は、100g/10min以上である。
好ましくは、このゴルフボールでは、上記アイオノマー樹脂は二価の金属イオンを含んでいる。上記基材ポリマー100gに含まれる二価の金属イオンの含有量は、0.020mol以上である。
好ましくは、このゴルフボールでは、上記射出率Vは250cm/sec以上である。
好ましくは、このゴルフボールでは、上記成形型は一対の半型からなる。この成形型は、これら半型の組み合わせにより形成されるランナー、ゲート及びキャビティを備えている。この成形型は、上記射出成形機から射出された上記樹脂組成物が、上記ランナーを通じて上記ゲートに誘導され、このゲートから上記キャビティに注入されるように構成されている。このランナーの直径は、1mm以上15mm以下である。このゲートの直径は、0.2mm以上5mm以下である。
好ましくは、このゴルフボールでは、上記成形型はメルトフリッパーをさらに備えている。このメルトフリッパーは、この成形型を構成する一対の半型のうちの一方の半型の側に設けられている。上記ランナーは、このメルトフリッパーにより2のパスに分断されている。このメルトフリッパーは、これらパスを連結している。上記キャビティ1個あたりに、奇数個のメルトフリッパーが設けられている。
好ましくは、このゴルフボールの製造方法は、
(1)コアが得られる工程と、
(2)キャビティを有する成形型が準備され、このキャビティに上記コアが投入される工程と、
(3)樹脂組成物が、射出成形機で射出される工程と、
(4)射出された樹脂組成物が上記キャビティと上記コアとの間に注入され、0.2mm以上1.0mm以下の厚みを有するカバーが形成される工程とを含んでおり、
温度が190℃とされた条件で測定された上記樹脂組成物の溶融流動度M(g/10min)と、この射出成形機の射出率V(cm/sec)と、射出時間T(sec)との積(M×V×T)が、500以上1000以下である。
本発明に係るゴルフボールでは、カバーは射出成形法により形成される。このゴルフボールは、生産性に優れる。温度が190℃とされた条件で測定された上記樹脂組成物の溶融流動度M(g/10min)と、この射出成形機の射出率V(cm/sec)と、射出時間T(sec)との積(M×V×T)が適正な範囲に制御されて、このカバーは形成される。このゴルフボールでは、カバーの厚みは均一であり、しかも薄い。このカバーは、コアの大径化に寄与しうる。このゴルフボールは、反発性能に優れる。このゴルフボールは、大きな飛行距離を達成しうる。このゴルフボールでは、ウェルドラインの部分が十分な強度を有する。十分な特性を有するカバーが得られるので、このゴルフボールは耐久性に優れる。このゴルフボールは、射出成形法によって製造され、耐久性に優れかつ大きな飛行距離を達成しうる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール2が示された模式的断面図である。このゴルフボール2は、球状のコア4と、このコア4を覆うカバー6とを備えている。このゴルフボール2は、その表面に多数のディンプル8を備えている。ゴルフボール2の表面のうちディンプル8以外の部分は、ランド10である。このゴルフボール2が、コア4とカバー6との間に中間層をさらに備えてもよい。このゴルフボール2が、このカバー6を覆うペイント層をさらに備えてもよい。
このゴルフボール2の直径は、40mm以上45mm以下である。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上がより好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下がより好ましく、42.80mm以下が特に好ましい。このゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下である。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上がより好ましく、45.00g以上が特に好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下がより好ましい。
コア4は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。好ましい基材ゴムとして、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体及び天然ゴムが例示される。反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましい。ポリブタジエンと他のゴムとが併用される場合は、ポリブタジエンが主成分とされるのが好ましい。具体的には、全基材ゴムに占めるポリブタジエンの比率が50質量%以上、特には80質量%以上とされるのが好ましい。シス−1,4結合の比率が40%以上、特には80%以上であるポリブタジエンが好ましい。
コア4の架橋には、好ましくは、共架橋剤が用いられる。反発性能の観点から好ましい共架橋剤は、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸の、一価又は二価の金属塩である。好ましい共架橋剤の具体例としては、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムが挙げられる。高い反発性能が得られるという理由から、アクリル酸亜鉛及びメタクリル酸亜鉛が特に好ましい。
共架橋剤として、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸と酸化金属とが配合されてもよい。両者はゴム組成物中で反応し、塩が得られる。この塩が、架橋反応に寄与する。好ましいα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。好ましい酸化金属としては、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムが挙げられる。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、共架橋剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましい。ソフトな打球感の観点から、共架橋剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましい。
好ましくは、コア4のゴム組成物は、共架橋剤と共に有機過酸化物を含む。有機過酸化物は、架橋開始剤として機能する。有機過酸化物は、ゴルフボール2の反発性能に寄与する。好適な有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。特に汎用性の高い有機過酸化物は、ジクミルパーオキサイドである。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。ソフトな打球感の観点から、有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して3.0質量部以下が好ましく、2.8質量部以下がより好ましく、2.5質量部以下が特に好ましい。
好ましくは、コア4のゴム組成物は、有機硫黄化合物を含む。好ましい有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド、ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィド等のモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド等のジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィド等のトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィド等のテトラ置換体;及びビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィド等のペンタ置換体が例示される。有機硫黄化合物は、反発性能に寄与する。特に好ましい有機硫黄化合物は、ジフェニルジスルフィド及びビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドである。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましい。ソフトな打球感の観点から、有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して1.5質量部以下が好ましく、1.0質量部以下がより好ましく、0.8質量部以下が特に好ましい。
コア4に、比重調整等の目的で充填剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。充填剤として、高比重金属からなる粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。充填剤の配合量は、コア4の意図した比重が達成されるように適宜決定される。特に好ましい充填剤は、酸化亜鉛である。酸化亜鉛は、比重調整の役割のみならず、架橋助剤としても機能する。コア4には、硫黄、硫黄化合物、老化防止剤、着色剤、可塑剤、分散剤等の各種添加剤が、必要に応じて適量配合される。コア4に、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。
コア4の圧縮変形量は、2.4mm以上3.8mm以下が好ましい。圧縮変形量が2.4mm以上であるコア4は、ソフトな打球感に寄与する。この観点から、圧縮変形量は2.6mm以上がより好ましく、2.8mm以上が特に好ましい。圧縮変形量が3.8mm以下であるコア4は、ゴルフボール2の反発性能及び耐久性に寄与する。この観点から、圧縮変形量は3.6mm以下がより好ましく、3.4mm以下が特に好ましい。
圧縮変形量の測定では、まず球体(すなわちコア4又はゴルフボール2)が金属製の剛板の上に置かれる。次に、球体に向かって金属製の円柱が徐々に降下する。この円柱の底面と剛板との間に挟まれた球体は、変形する。球体に98Nの初荷重がかかった状態から1274Nの終荷重がかかった状態までの円柱の移動距離が、圧縮変形量である。
コア4の表面の硬度は、40以上60以下が好ましい。硬度が40以上であるコア4は、反発性能に寄与する。この観点から、硬度は45以上がより好ましい。硬度が60以下であるコア4は、打球感に寄与する。この観点から、硬度は55以下がより好ましい。硬度は、自動ゴム硬度測定装置(高分子計器社の商品名「P1」)に取り付けられたショアD型スプリング式硬度計がコア4の表面に押しつけられることで測定される。
コア4の架橋温度は、通常は140℃以上180℃以下である。コア4の架橋時間は、通常は10min以上60min以下である。コア4が2以上の層から形成されてもよい。コア4が、その表面にリブを備えてもよい。コア4の直径は、後述されるカバー6の厚みが達成されうるように決定される。
カバー6は、上記コア4の外側に位置している。このカバー6の厚みは、0.2mm以上1.0mm以下である。このカバー6の厚みは薄い。このカバー6は、コア4の大径化に寄与しうる。このゴルフボール2は、反発性能に優れる。このゴルフボール2は、速い速度で飛行する。このゴルフボール2は、大きな飛行距離を達成しうる。
カバー6は、樹脂組成物から成形されている。樹脂組成物は、基材ポリマーを含む。この基材ポリマーとしては、アイオノマー樹脂、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー及び熱可塑性ポリオレフィンエラストマーが例示される。
特に好ましい基材ポリマーは、アイオノマー樹脂である。アイオノマー樹脂は、高弾性である。カバー6にアイオノマー樹脂が用いられたゴルフボール2は、反発性能に優れる。アイオノマー樹脂と他の樹脂とが、併用されてもよい。併用される場合、反発性能の観点から、基材ポリマーの主成分はアイオノマー樹脂であるのが好ましい。基材ポリマーの全量に対するアイオノマー樹脂の量の比率は30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、45質量%以上が特に好ましい。
好ましいアイオノマー樹脂としては、エチレンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体が挙げられる。この二元共重合体は、反発性能に優れる。好ましい他のアイオノマー樹脂としては、エチレンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸と炭素数が2以上22以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体が挙げられる。この三元共重合体は、反発性能に優れる。上記二元共重合体と上記三元共重合体とが併用されてもよい。
上記アイオノマー樹脂において、好ましいα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸及びクロトン酸が例示される。反発性能の観点から、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
上記アイオノマー樹脂に含まれるα,β−不飽和カルボン酸の含有率は、2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましい。この含有率は30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。
上記アイオノマー樹脂において、α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸及びマレイン酸の、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、n−ブチルエステル及びイソブチルエステルが例示される。反発性能の観点から、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルが好ましい。
上記二元共重合体及び三元共重合体のそれぞれにおいて、カルボキシル基の一部は金属イオンで中和されている。中和のための金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びリチウムイオンのような一価の金属イオン;マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、バリウムイオン及びカドミウムイオンのような二価の金属イオン;アルミニウムイオンのような三価の金属イオン並びにジルコニウムイオンのような他の金属イオンが例示される。反発性能の観点から、好ましい金属イオンとしては、ナトリウムイオン、亜鉛イオン、リチウムイオン及びマグネシウムイオンが例示される。
上記アイオノマー樹脂における金属イオンによるカルボキシル基の中和度は、10mol%以上が好ましく、15mol%以上がより好ましく、20mol%以上が特に好ましい。この中和度は、90mol%以下が好ましく、85mol%以下が特に好ましい。なお、本明細書では、中和度は、カルボキシル基の総モル数に対する、中和されているカルボキシル基のモル数の比率である。
上記樹脂組成物の流動性並びにカバー6の剛性及び反発性能のバランスが良いとの観点から、上記アイオノマー樹脂における一価の金属イオンによるカルボキシル基の中和度は、10mol%以上が好ましく、15mol%以上がより好ましく、20mol%以上が特に好ましい。この中和度は、60mol%以下が好ましく、50mol%以下がより好ましい。
反発性能の観点から、中和は2種以上の金属イオンでなされるのが好ましい。上記アイオノマー樹脂において、その分子鎖に存在するカルボキシル基の一部が2種以上の金属イオンで中和されたものはデュアルイオンアイオノマー樹脂と称される。中和が2種以上の金属イオンでなされる場合においては、反発性能の観点から、一価の金属イオンと二価の金属イオンとが組み合わされるのが好ましい。この場合、好ましい一価の金属イオンとしては、ナトリウムイオン及びリチウムイオンが例示される。両者が併用されてもよい。好ましい二価金属イオンとしては、マグネシウムイオン及び亜鉛イオンが例示される。両者が併用されてもよい。
一価金属イオンと二価金属イオンとの併用で上記アイオノマー樹脂のカルボキシル基が中和される場合、上記樹脂組成物の流動性並びにカバー6の剛性及び反発性能のバランスが良いとの観点から、一価の金属イオンの含有量M1(mol)の二価の金属イオンの含有量M2(mol)に対する比(M1/M2)は、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましい。この比(M1/M2)は60以下が好ましく、50以下がより好ましく、40以下がさらに好ましい。
上記樹脂組成物の流動性並びにカバー6の剛性及び反発性能のバランスが良いとの観点から、一価の金属イオンによる上記中和度が10mol%以上60mol%以下であって、上記比(M1/M2)が0.1以上60以下であるアイオノマー樹脂が好ましい。このようなアイオノマー樹脂は、一価の金属イオンによる中和度が10mol%以上60mol%以下であるように調整されたアイオノマー樹脂を出発原料とし、このアイオノマー樹脂に塩基性炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、水酸化マグネシウムを溶融条件下で混合することにより得られるのが好ましい。
ゴルフボール2の大きな飛行距離の達成に寄与しうるカバー6が得られるという観点から、高い溶融粘度を有するアイオノマー樹脂が好ましい。このアイオノマー樹脂のフローテスターによる溶融粘度は、500Pa・sec以上100000Pa・sec以下であるのが好ましい。溶融粘度が500Pa・sec以上に設定されたアイオノマー樹脂を含む樹脂組成物から形成されたカバー6は、ゴルフボール2の耐久性に寄与しうる。この観点から、この溶融粘度は1000Pa・sec以上がより好ましく、1500Pa・sec以上が特に好ましい。溶融粘度が100000Pa・sec以下に設定されたアイオノマー樹脂は、カバー6の成形性に寄与しうる。この観点から、この溶融粘度は95000Pa・sec以下がより好ましく、92000Pa・sec以下が特に好ましい。
本発明では、フローテスターによる溶融粘度は、流動特性評価装置(島津製作所製、フローテスターCFT−500D)を用いて、ペレット状の試料について、下記条件で測定される。
測定条件
DIE LENGTH:1mm
DIE DIA:1mm
荷重:294N
温度:190℃
高い溶融粘度を有するアイオノマー樹脂(A)の具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1555」、「ハイミラン1557」、「ハイミラン1605」、「ハイミラン1706」、「ハイミラン1707」、「ハイミラン1856」、「ハイミラン1855」、「ハイミランAM7311」、「ハイミランAM7315」、「ハイミランAM7317」、「ハイミランAM7318」、「ハイミランAM7329」、「ハイミランMK7320」及び「ハイミランMK7329」;デュポン社の商品名「サーリン6120」、「サーリン6910」、「サーリン7930」、「サーリン7940」、「サーリン8140」、「サーリン8150」、「サーリン8940」、「サーリン8945」、「サーリン9120」、「サーリン9150」、「サーリン9910」、「サーリン9945」、「サーリンAD8546」、「HPF1000」及び「HPF2000」;並びにエクソンモービル化学社の商品名「IOTEK7010」、「IOTEK7030」、「IOTEK7510」、「IOTEK7520」、「IOTEK8000」及び「IOTEK8030」が挙げられる。
前述したように、上記樹脂組成物の基材ポリマーはさらに他の樹脂を含むことができる。基材ポリマーの主成分が上記アイオノマー樹脂(A)である場合、このアイオノマー樹脂(A)とのブレンドが容易であるとの観点から、この他の樹脂としてはカルボキシル基を含有する樹脂が好ましい。さらに樹脂組成物の流動性向上の観点から、このカルボキシル基を含有する樹脂は高い流動性を有するのがより好ましい。
樹脂組成物の流動性向上に効果的に寄与しうるという観点から、上記カルボキシル基を含有する樹脂の溶融流動度は、100g/10min以上が好ましく、150g/10min以上がより好ましく、180g/10min以上が特に好ましい。このカルボキシル基を含有する樹脂の溶融流動度は、1500g/10min以下が好ましく、1200g/10min以下がより好ましく、1000g/10min以下が特に好ましい。
本発明では、溶融流動度は、島津製作所社製の商品名「島津フローテスターCFT−100C」を用いて、JIS K 7210に準拠して下記条件で測定される。なお、この溶融流動度はメルトフローレイト(MFR)とも称される。
測定条件
測定温度:190℃
荷重:2.16kg
上記カルボキシル基を含有する樹脂としては、低い溶融粘度を有するアイオノマー樹脂(B)が挙げられる。好ましいこのアイオノマー樹脂(B)としては、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体が挙げられる。この二元共重合体は、反発性能に優れる。好ましい他のアイオノマー樹脂(B)としては、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体が挙げられる。この三元共重合体は、反発性能に優れる。なお、両者が併用されてもよい。
上記アイオノマー樹脂(B)に含まれるα,β−不飽和カルボン酸の含有率は、2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましい。この含有率は30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。なお、このアイオノマー樹脂(B)に含まれるα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸及びクロトン酸が好ましい。反発性能の観点から、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
上記アイオノマー樹脂(B)では、上記二元共重合体及び三元共重合体のそれぞれにおいて、カルボキシル基の一部は金属イオンで中和されている。この中和のための金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びリチウムイオンのような一価の金属イオン;マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、バリウムイオン及びカドミウムイオンのような二価の金属イオン;アルミニウムイオンのような三価の金属イオン並びにジルコニウムイオンのような他の金属イオンが例示される。樹脂組成物の流動性に寄与しうるという観点から、好ましい金属イオンとしては、二価の金属イオンが好ましい。
樹脂組成物の流動性が効果的に向上しうるという観点から、上記アイオノマー樹脂(B)のカルボキシル基の金属イオンによる中和度は、10mol%以上が好ましく、15mol%以上がより好ましく、20mol%以上が特に好ましい。最も好ましくは、この中和度は100mol%以下である。
上記アイオノマー樹脂(B)のブルックフィールド型粘度計による溶融粘度は1Pa・sec以上10Pa・sec以下であるのが好ましい。この溶融粘度が1Pa・sec以上に設定されることにより、このアイオノマー樹脂(B)と上記アイオノマー樹脂(A)とが容易にブレンドされうる。このアイオノマー樹脂(B)を含む樹脂組成物から形成されたカバー6は、ゴルフボール2の耐久性向上に寄与しうる。この観点から、この溶融粘度は2Pa・sec以上がより好ましく、3Pa・sec以上が特に好ましい。この溶融粘度が10Pa・sec以下に設定されることにより、この樹脂組成物の流動性が効果的に向上される。この観点から、この溶融粘度は、9Pa・sec以下がより好ましく、8Pa・sec以下が特に好ましい。
本発明では、ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度は、ブルックフィールド型粘度計(東京計器社製、BL形粘度計)を用いて、上記アイオノマー樹脂(B)を190℃に加温して測定される。なお、測定には、ローターNo.4が使用される。回転速度は6rpmである。
上記アイオノマー樹脂(B)が上記アイオノマー樹脂(A)に併用される場合、流動性に優れ、薄いカバー6の形成に寄与しうるという観点から、アイオノマー樹脂(B)に対するアイオノマー樹脂(A)の質量比は55/45以上99/1以下が好ましい。この質量比は、58/42以上がより好ましく、60/40以上が特に好ましい。この質量比は90/10以下がより好ましく、85/15以下が特に好ましい。
上記アイオノマー樹脂(B)の具体例としては、ハネウェル社の商品名「Aclyn201(Ca)」、「Aclyn246(Mg)」及び「Aclyn295(Zn)」が挙げられる。
このゴルフボール2では、樹脂組成物の流動性向上の観点から、上記カルボキシル基を含有する樹脂として、高い流動性を有しておりカルボキシル基等の酸成分が金属イオンで中和されていない熱可塑性樹脂(C)が用いられてもよい。なお、この熱可塑性樹脂(C)のフローテスターによる溶融粘度は、5Pa・sec以上3000Pa・sec以下であるのが好ましい。
上記熱可塑性樹脂(C)のブルックフィールド型粘度計による溶融粘度は、5Pa・sec以上が好ましく、3000Pa・sec以下が好ましい。この溶融粘度が5Pa・sec以上に設定されることにより、耐久性に優れるゴルフボール2が得られる。この観点から、この溶融粘度は10Pa・sec以上がより好ましく、15Pa・sec以上が特に好ましい。この溶融粘度が3000Pa・sec以下に設定されることにより、熱可塑性樹脂(C)が樹脂組成物の流動性に寄与しうる。この観点から、この溶融粘度は2800Pa・sec以下がより好ましく、2600Pa・sec以下が特に好ましい。
上記熱可塑性樹脂(C)の具体例としては、熱可塑性ポリアミド系エラストマー、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリスチレン系エラストマー、熱可塑性ポリエステル系エラストマー及び熱可塑性ポリウレタンエラストマーが挙げられる。上記熱可塑性ポリアミド系エラストマーとしては、アルケマ株式会社製の商品名「ペバックス(PEBAX)2533」)」が例示される。上記エチレン−メタクリル酸共重合体としては、三井デュポンポリケミカル社製の商品名「ニュクレル(NUCREL)N1050H」、「ニュクレルN2050H」、「ニュクレルN1110H」及び「ニュクレルN0200H」が例示される。上記エチレン−アクリル酸共重合体としては、三井デュポンポリケミカル社製の商品名「PRIMACOR5990I」が例示される。熱可塑性ポリエステルエラストマーとしては、東レ・デュポン株式会社の商品名「ハイトレル3548」及び「ハイトレル4047」が例示される。上記熱可塑性ポリスチレン系エラストマーとしては、三菱化学株式会社の商品名「ラバロン」が例示される。熱可塑性ポリエステル系エラストマーとしては、三菱化学株式会社の商品名「プリマロイ」が例示される。上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーとしては、BASFポリウレタンエラストマーズ社の商品名「エラストランET880」が例示される。
このゴルフボール2では、上記樹脂組成物の基材ポリマーは上記アイオノマー樹脂(A)及び上記アイオノマー樹脂(B)から構成されてもよい。この基材ポリマーが、上記アイオノマー樹脂(A)及び上記熱可塑性樹脂(C)から構成されてもよい。この基材ポリマーが、上記アイオノマー樹脂(A)、上記アイオノマー樹脂(B)及び非イオン性熱可塑性樹脂(C)から構成されてもよい。この基材ポリマーの構成は、ゴルフボール2の仕様等が考慮されて適宜決められる。
樹脂組成物の基材ポリマーが、上記アイオノマー樹脂(A)、上記アイオノマー樹脂(B)及び非イオン性熱可塑性樹脂(C)から構成される場合、基材ポリマーに対するこのアイオノマー樹脂(A)の比率は55質量%以上が好ましく70質量%以下が好ましい。この基材ポリマーに対する上記アイオノマー樹脂(B)の比率は5質量%以上が好ましく10質量%以下が好ましい。この基材ポリマーに対する上記非イオン性熱可塑性樹脂(C)の比率は10質量%以上が好ましく40質量%以下が好ましい。このゴルフボール2では、より好ましくは基材ポリマーに対するこのアイオノマー樹脂(A)の比率は52質量%以上68質量%以下である。より好ましくはこの基材ポリマーに対する上記アイオノマー樹脂(B)の比率は6質量%以上18質量%以下である。より好ましくはこの基材ポリマーに対する上記非イオン性熱可塑性樹脂(C)の比率は11質量%以上が好ましく35質量%以下が好ましい。
このゴルフボール2では、上記樹脂組成物には、基材ポリマー以外に、必要に応じ、二酸化チタンのような着色剤、硫酸バリウムのような充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が適量配合される。
得られるゴルフボール2が外剛内柔構造になり、飛距離が大きくなるという観点から、カバー6の曲げ剛性率は、100MPa以上が好ましく、より好ましくは110MPa以上、さらに好ましくは120MPa以上である。カバー6が適度に柔らかくなって得られるゴルフボール2の打球感が良好となるという観点から、この曲げ剛性率は、450MPa以下が好ましく、より好ましくは420MPa以下、さらに好ましくは400MPa以下である。
カバー6の曲げ剛性率は、「JIS K 7106」の規定に準拠して測定される。測定には、熱プレスで成形された、厚みが約2mmであるスラブが用いられる。23℃の温度下に2週間保管されたスラブが、測定に用いられる。測定は、温度23℃、湿度50%RHの条件下で実施される。
得られるゴルフボール2の飛距離が大きくなるという観点から、カバー6の反発弾性率は、40%以上が好ましく、より好ましくは41%以上、さらに好ましくは42%以上である。
カバー6の反発弾性率は、「JIS K 6255」の規定に準拠して、リュプケ式反発弾性試験(試験温湿度23℃、50RH%)により得られる。測定には、熱プレスで成形された、厚みが約2mmであり直径28mmの円盤状のスラブが用いられる。23℃の温度下に2週間保管された円盤状のスラブが、測定に用いられる。測定時には、6枚のスラブが重ね合わされる。カバー6の樹脂組成物と同一の樹脂組成物からなるスラブが、測定に用いられる。
得られるカバー6の剛性が高まり、反発性(飛距離)に優れるゴルフボール2が得られるという観点から、カバー6の硬度は、40以上が好ましく、より好ましくは45以上、さらに好ましくは50以上である。耐久性が一層向上するという観点から、このカバー6の硬度は、70以下が好ましく、より好ましくは68以下、さらに好ましくは65以下である。
カバー6の硬度は、「ASTM−D 2240−68」の規定に準拠して、自動ゴム硬度測定装置(高分子計器社の商品名「P1」)に取り付けられたショアD型のスプリング式硬度計によって測定される。測定には、熱プレスで成形された、厚みが約2mmであるスラブが用いられる。23℃の温度下に2週間保管されたスラブが、測定に用いられる。測定時には、3枚のスラブが重ね合わされる。カバー6の樹脂組成物と同一の樹脂組成物からなるスラブが、測定に用いられる。
このゴルフボール2では、耐久性及び低温耐久性の向上の観点から、カバー6はカルシウムイオン、マグネシウムイオン及び亜鉛イオンのような二価の金属イオンを含むのが好ましい。特に好ましい金属イオンは、亜鉛イオンである。
このゴルフボール2では、基材ポリマー100gに含まれる二価の金属イオンの含有量は、0.020mol以上であるのが好ましい。この含有量は0.025mol以上がより好ましく、0.030mol以上がさらに好ましく、0.033mol以上が特に好ましい。樹脂組成物の流動性及びカバー6の反発性能が適切に維持されうるという観点から、この含有量は0.16mol以下が好ましく、0.15mol以下がより好ましく、0.12mol以下が特に好ましい。
二価の金属イオンの含有量は、ICP発光分析装置(日立製作所製、「P−4010」)を用いて定量される。具体的には、ゴルフボール2からカバー6が、サンプリングされる。このサンプリングされた100mgのカバー6が試料とされ、この試料に6mlの濃硫酸が加えられる。マイクロウェーブ分解装置(マイクロストーン社製、ETHOS)を用いて抽出(酸分解)して得られた溶液に、水が添加され250mlにしたものが、ICP分析の測定試料とされる。得られた測定値を基材ポリマー100gに含まれる二価の金属の含有量Xに換算し、この含有量Xをその二価の金属の原子量で除することにより、基材ポリマー100gに含まれる二価の金属イオンの含有量が得られる。なお、測定には、熱プレスで成形された、厚みが約2mmであるスラブが用いられてもよい。この場合、カバー6の樹脂組成物と同一の樹脂組成物からなるスラブが、測定に用いられる。
このゴルフボール2では、上記カバー6の成形には射出成形法が採用される。このカバー6は、射出成形機から上記樹脂組成物を成形型に射出することにより形成される。
図2は、図1のゴルフボール2の製造に使用される成形型12の一部が示された拡大断面図である。この成形型12は、射出成形用である。
上記成形型12は、一対の半型14からなる。これら半型14のそれぞれは、対向する半型14と合わせられる面に、深溝16、浅溝18及びキャビティ面20を有している。なお、本明細書では、図2の上側に位置する半型14aは上型と称される。その下側に位置する半型14bは、下型と称される。この上型14aと下型14bとが接触している部分が、パーティングライン22である。図示されていないが、射出成形機から射出された樹脂組成物は、スプルーを通じて成形型12の内部に注入される。
深溝16は、合わせ面24に沿って延在している。この成形型12では、上型14a及び下型14bが合わされ、両方の深溝16a、16bが組み合わされることにより、ランナー26が形成される。この成形型12は、ランナー26を備えている。図2に示されているように、このランナー26の断面形状は円である。
浅溝18は、上記深溝16とキャビティ面20との間に位置している。この成形型12では、上型14a及び下型14bが合わされ、両方の浅溝18a、18bが組み合わされることにより、ゲート28が形成される。この成形型12は、ゲート28を備えている。図2に示されているように、このゲート28の断面形状は円である。このゲート28は、上記ランナー26よりも細い。
キャビティ面20は、碗状である。このキャビティ面20は、多数のピンプル30を備えている。これらピンプル30のそれぞれは、突出している。この成形型12では、上型14a及び下型14bが合わされ、両方のキャビティ面20a、20bが組み合わされることにより、球状のキャビティが形成される。この成形型12は、キャビティを備えている。
図示されていないが、この成形型12では、上記ランナー26はパーティングライン22に沿って上記スプルーからキャビティに向かって延在している。スプルーを通じて注入された樹脂組成物は、このランナー26を通じてキャビティに向かって移動していく。
上記ゲート28は、ランナー26とキャビティの間に位置している。樹脂組成物は、上記ランナー26を通じてこのゲート28に誘導される。この樹脂組成物は、このゲート28を通じてキャビティに注入される。
上記キャビティには、上記コア4が投入される。図2中、二点鎖線で示されているのがコア4である。コア4が投入されると、このコア4とキャビティ面20との間には隙間が形成される。この隙間に、上記ゲート28を通じて樹脂組成物が注入される。注入された樹脂に上記ピンプル30が転写され、ディンプル8が形成される。
図2において、矢印φ1はランナー26の直径を表している。矢印φ2はゲート28の直径を表している。良好な流動性を保持しつつ樹脂組成物をキャビティに注入できるという観点から、直径φ1は1mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましく、2mm以上が特に好ましい。この直径φ1は15mm以下が好ましく、12mm以下がより好ましく、10mm以下が特に好ましい。
良好な流動性を保持しつつ樹脂組成物をキャビティに注入できるという観点から、直径φ2は0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましく、0.5mm以上が特に好ましい。この直径φ2は5mm以下が好ましく、4.5mm以下がより好ましく、4.0mm以下が特に好ましい。
図3は、図2の成形型12の一部が示された拡大断面図である。この図3には、図2で示された成形型12の部分とは別の部分が示されている。
下型14bは、さらに窪み32を備えている。合わせ面24bからこの窪み32の底までの距離は、この合わせ面24bから深溝16bの底までの距離よりも大きい。この窪み32は、深溝16よりも深い。
図3に示されているように、上記窪み32に対向する上型14aの部分では、上記深溝16aが2つに分断されている。この金型では、上型14a及び下型14bが合わされることにより、この窪み32の部分に、ランナー26を2つに分断するメルトフリッパー34が形成される。換言すれば、この成形型12は、上記ランナー26、ゲート28及びキャビティ以外にメルトフリッパー34を備えている。このメルトフリッパー34は、上記スプルーと上記ゲート28との間に設けられている。
図示されているように、メルトフリッパー34はランナー26の途中に設けられている。このメルトフリッパー34は、ランナー26を2つのパス36に分断している。このメルトフリッパー34は、これらパス36を連結している。
図3において、右側が上流側である。スプルーを通じて注入された樹脂組成物は、右側から左側に向かって移動していく。この成形型12では、上流側のパス36aを通過した樹脂組成物はメルトフリッパー34に移動していく。この移動において、樹脂組成物は下向きに流動していく。このメルトフリッパー34を通過した樹脂組成物は、下流側のパス36bに移動していく。この移動において、樹脂組成物は上向きに流動していく。このメルトフリッパー34は、樹脂組成物の流れを上下に蛇行させる。
この図3に示されている成形型12の部分では、上流側のパスの上型14aの側を流動する樹脂組成物は、その下型14bの側を流動する樹脂組成物の流量より大きい流量を有している。この成形型12の部分では、上流側のパス36aを流動する樹脂組成物の流れに乱れが発生している。
図示されているように、メルトフリッパー34は下型14bの側に設けられている。このメルトフリッパー34の通過により、下流側のパス36bの上型14aの側を流動する樹脂組成物の流量と、その下型14bの側を流動する樹脂組成物のそれとが同等とされる。このメルトフリッパー34は、ランナー26を通過する樹脂組成物の流量の均整化に寄与しうる。上流側のパス36aの下型14bの側を流動する樹脂組成物が、その上型14aの側を流動する樹脂組成物の流量より大きい流量を有している場合は、このメルトフリッパー34は上型14aの側に設けられる。この場合、上型14aに窪みが形成され、下型14bのこの窪みに対向する部分において深溝16bが2つに分断される。この成形型12では、流量のバランス調整が効果的になされるという観点から、メルトフリッパー34はキャビティ1個あたりに奇数個設けられるのが好ましい。
図示されていないが、このカバー6の成形に使用される製造装置は、射出成形機と成形型12及び冷却装置を備えている。この射出成形機は、加熱装置及び射出装置を備えている。加熱装置は、樹脂組成物を加熱する。この加熱により、樹脂組成物は溶融される。射出装置は、ピストン及びノズルを備えている。この射出装置では、ピストンの外周に溝が切られている。この射出装置は、スクリュータイプである。なお、この射出装置が、ピストンの外周に溝が設けられていないプランジャータイプとされてもよい。この射出装置は、ピストンを前進させて溶融状態にある樹脂組成物を加圧しノズルを通じて急速に成形型12に注入しうる。冷却装置は、成形型12に注入された樹脂組成物を冷却する。この射出成形機としては、樹脂組成物を水平方向に射出する横型の射出成形機及び樹脂組成物を鉛直方向に射出する縦型の射出成形機が例示される。
上記射出成形機では、単位時間あたりの樹脂組成物の射出容積及び射出に要する時間の調整により、1回の射出(1ショットとも称される)において射出される樹脂組成物の体積が制御される。上記単位時間あたりの樹脂組成物の射出容積が、射出率V(cm/sec)と称される。本発明では、射出成形時のピストンの移動速度(cm/sec)と、射出成形機内に樹脂組成物が充填されているシリンダーの断面積(cm)との積が射出率Vとされる。射出時間T(sec)は、上記射出に要する時間である。本発明では、射出が開始されてから、保圧制御に切り替わるまでの時間が射出時間Tとされる。上記射出率Vと上記射出時間Tとの積が、1ショットあたりの射出容量である。
このゴルフボール2は、次のようにして製造される。基材ゴムに共架橋剤等の添加剤が混練され、ゴム組成物が得られる。このゴム組成物が、共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる成形型に投入され、加圧及び加熱される。この加圧及び加熱により、球状のコア4が得られる。基材ポリマー等が二軸押出機にて混合され、ペレット状の樹脂組成物が準備される。このペレット状の樹脂組成物が射出成形機に供給され、その一部がこの射出成形機の内部で加熱され溶融状態とされる。図2及び図3で示された成形型12が準備され、所定の温度に調節される。調節後、この成形型12のキャビティに、コア4が投入される。投入後、射出成形機のノズルから溶融状態にある樹脂組成物が所定の射出率及び射出時間で射出され、キャビティとコア4との間にこの樹脂組成物が注入される。樹脂組成物が冷却されて、カバー6が形成される。このカバー6に、クリアー塗料が塗装され、図1で示されたゴルフボール2が完成する。
このゴルフボール2では、上記樹脂組成物の温度が190℃とされた条件で測定された溶融流動度M(g/10min)と、上記射出率V(cm/sec)と、上記射出時間T(sec)との積(M×V×T)に基づいて薄いカバー6を形成するための成形条件が最適化されている。この積(M×V×T)は、小さな溶融流動度M及び小さな射出率Vの採用が射出時間Tの延長を招来することを表す。長い射出時間は、ウェルドラインの部分の強度低下を招来するので、ゴルフボール2の打撃耐久性が低下してしまう。その一方で、この積(M×V×T)は、大きな溶融流動度M及び大きな射出率Vの採用が射出時間Tの短縮を招来することを表す。短い射出時間はウェルドラインの部分の強度向上に寄与するので、ゴルフボール2の耐久性が向上する。成形型12内を流動する樹脂組成物の流動性が保持されるので、カバー6の偏肉が抑制される。所定の数値範囲にある積(M×V×T)を用いることにより、溶融流動度M、射出率V及び射出時間Tのバランスが容易に調整されるので、均一な厚みを有する薄いカバー6が形成される。このようにして得られたゴルフボール2は、耐久性に優れかつ大きな飛行距離を達成しうる。
このゴルフボール2では、この積(M×V×T)は500以上1000以下である。この積(M×V×T)が500以上に設定されることにより、成形型12内を樹脂組成物が良好に流動する。樹脂組成物がコア4とキャビティとの間に過不足無く充填されるので、樹脂組成物がコア4を覆う。このゴルフボール2に形成されたカバー6の厚みは均一であり、しかも薄い。このゴルフボール2は、大きな飛行距離を達成しうる。ウェルドラインの部分の強度が向し、十分な特性を有するカバー6が得られるので、このゴルフボール2は耐久性に優れる。この観点から、この積(M×V×T)は600以上が好ましく、650以上がより好ましい。この積(M×V×T)が1000以下に設定されることにより、樹脂組成物の流動性が適切に保持される。樹脂組成物の過剰な充填が抑制される。このゴルフボール2に形成されたカバー6の厚みは均一であり、しかも薄い。このゴルフボール2は、大きな飛行距離を達成しうる。ウェルドラインの部分の強度が向上し、十分な特性を有するカバー6が得られるので、このゴルフボール2は耐久性に優れる。この観点から、この積(M×V×T)は950以下が好ましく、900以下がより好ましい。
このゴルフボール2では、上記溶融流動度Mは、15g/10min以上100g/10min以下であるのが好ましい。この溶融流動度Mが15g/10min以上に設定されることにより、樹脂組成物が成形型12内を良好に流動しうる。この樹脂組成物により形成されたカバー6の厚みは均一であり、しかも薄い。このゴルフボール2は、大きな飛行距離を達成しうる。ウェルドラインの部分の強度が向上し、十分な特性を有するカバー6が得られるので、このゴルフボール2は耐久性に優れる。この観点から、この溶融流動度Mは18g/10min以上がより好ましく、20g/10min以上が特に好ましい。この溶融流動度Mが100g/10min以下に設定されることにより、溶融状態にある樹脂組成物の弾性が適切に保持される。この樹脂組成物は、加工性に優れる。この樹脂組成物により形成されたカバー6の厚みは均一であり、しかも薄い。このゴルフボール2は、大きな飛行距離を達成しうる。ウェルドラインの部分の強度が向上し、十分な特性を有するカバー6が得られるので、このゴルフボール2は耐久性に優れる。サイズ及び形状が揃ったペレット状の樹脂組成物が得られるので、射出成形機から射出される樹脂組成物の流動性が安定する。この観点から、この溶融流動度Mは45g/10min以下がより好ましく、40g/10min以下が特に好ましい。
射出時間を抑制し耐久性に優れるゴルフボール2が得られるという観点から、上記射出率Vは250cm/sec以上が好ましく、300cm/sec以上がより好ましい。樹脂組成物がコア4とキャビティとの間に過不足無く充填され、均一な厚みを有する薄いカバー6が形成されるという観点から、この射出率Vは500cm/sec以下が好ましく、450cm/sec以下がより好ましい。
樹脂組成物がコア4とキャビティとの間に過不足無く充填され、均一な厚みを有する薄いカバー6が形成されるという観点から、上記射出時間Tは0.05sec以上が好ましく、0.06sec以上がより好ましく、0.07sec以上が特に好ましい。この射出時間Tは、0.15sec以下が好ましく、0.14sec以下がより好ましく、0.13sec以下が特に好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
100質量部のハイシスポリブタジエン(ジェイエスアール社の商品名「BR−730」)、25質量部のアクリル酸亜鉛、10質量部の酸化亜鉛、適量の硫酸バリウム、0.5質量部のジフェニルジスルフィド(住友精化社)及び0.8質量部のジクミルパーオキサイド(日本油脂社)を混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる成形型に投入し、170℃で20分間加熱して、コアを得た。
一方、70質量部のアイオノマー樹脂(A)(三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミランAM7329」)、30質量部の非イオン性の熱可塑性樹脂(C)(三井デュポンポリケミカル社製の商品名「ニュクレル1050H」)及び3質量部の二酸化チタンを二軸混練押出機で混合し樹脂組成物(b)を得た。この二軸混練押出機のスクリュー径は45mmとされ、スクリュー回転数は200rpmとされ、スクリューL/Dは35とされた。この樹脂組成物(b)は、二軸混練機のダイの位置において170℃から230℃の温度を有するように、押し出され、ペレタイザーでペレット状にカットされた。このようにして得られた樹脂組成物(b)の溶融流動度Mは、25g/10minであった。なお、「ハイミランAM7329」の溶融流動度は10g/10minであり、「ニュクレル1050H」の溶融流動度は500g/10minである。上記コアが、図2及び図3に示された成形型のキャビティに投入された。このキャビティとコアとの間に樹脂組成物(b)を射出成形法により注入して、カバーを成形した。射出率Vは、254cm/secとされた。射出時間Tは、0.130secとされた。成形されたカバーの厚みは、1.0mmであった。カバーには、ピンプルの形状が反転した形状のディンプルが多数形成された。基材ポリマー100gに含まれる二価金属イオンの含有量は、0.031molであった。このカバーに、二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料を塗装し、質量が約45.4gである実施例1のゴルフボールを得た。
[実施例2から4及び比較例1から2]
射出率V及び射出時間Tを変えて積[M×T×V]を下記の表2の通りとし、カバーの厚みを変えた他は実施例1と同様にして、実施例2から4及び比較例1のゴルフボールを得た。なお、比較例2では、カバーを成形することができなかった。
[実施例5から11及び比較例3から5]
樹脂組成物を変えて溶融流動度Mを下記の表2及び表3の通りとし、射出率V及び射出時間Tを変えて積[M×T×V]を下記の表2及び表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例5から11並びに比較例3及び5のゴルフボールを得た。カバーの成形に供試した樹脂組成物の配合の詳細が、下記の表1に示されている。それぞれの樹脂組成物に用いられた基材ポリマー成分の詳細は、以下の通りである。なお、比較例4では、カバーを成形することができなかった。
三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1555」(アイオノマー樹脂(A))
溶融流動度:10g/10min
ハネウェル社の商品名「Aclyn295(Zn)」(アイオノマー樹脂(B))
溶融流動度:1200g/10min
ハネウェル社の商品名「Aclyn201(Ca)」(アイオノマー樹脂(B))
溶融流動度:185g/10min
BASF社の商品名「XNY85A−10L」(樹脂(D))
溶融流動度:16g/10min
[耐久性の評価]
ゴルフラボラトリー社のスイングマシンに、メタルヘッドを備えたドライバー(SRIスポーツ社の商品名「XXIO」、シャフト硬度:S、ロフト角:11度)を装着した。ヘッド速度が45m/secとなるようにマシン条件を設定し、ゴルフボールを打撃した。ゴルフボールが破壊されるまでの打撃回数をカウントした。この結果が、指数値として下記の表2及び3に示されている。この数値が大きいほど、耐久性に優れる。
[低温耐久性の評価]
温度が−10℃である恒温槽にゴルフボールを投入し、24時間保持した。このゴルフボールを、エアーガンにて発射し、金属板に衝突させて、ゴルフボールが壊れるかを確認した。ゴルフボールの速度を、45m/sとした。下記の基準に基づいて、格付けを行った。
A:壊れたゴルフボールの個数が、12個中0個
B:壊れたゴルフボールの個数が、12個中1又は2個
C:壊れたゴルフボールの個数が、12個中3個以上
この結果が、下記の表2及び表3に示されている。
[ボール径の計測]
ゴルフボールのポール近傍の直径が1箇所ダイアルゲージで測定され、この測定値がポール径Pとされた。このゴルフボールのシーム近傍の直径が2箇所ダイアルゲージで測定され、これら測定値の平均値がシーム径Sとされた。12個のゴルフボールの平均値が、下記表2及び表3に示されている。
[反発係数の測定]
ゴルフボールに、質量が200gであるアルミニウム製の中空円柱を40m/sの速度で衝突させた。衝突前後における中空円柱の速度及び衝突後のゴルフボールの速度を計測し、ゴルフボールの反発係数を求めた。12回測定されて得られたデータの平均値が、指数として、下記の表2及び3に示されている。
Figure 0004988696
Figure 0004988696
Figure 0004988696
表2及び3に示されるように、各実施例のゴルフボールは、耐久性及び低温耐久性に優れている。ボール径Pとボール径Sとの差(P−S)が小さいので、このゴルフボールには、均一な厚みを有する薄いカバーが形成されている。大きな反発係数が得られていることから、このゴルフボールは反発性能にも優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るゴルフボールは、ゴルフ場でのプレーや、ドライビングレンジにおける練習に用いられうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された模式的断面図である。 図2は、図1のゴルフボールの製造に使用される成形型の一部が示された拡大断面図である。 図3は、図2の成形型の一部が示された拡大断面図である。
符号の説明
2・・・ゴルフボール
4・・・コア
6・・・カバー
12・・・成形型
14・・・半型
16・・・深溝
18・・・浅溝
20・・・キャビティ面
26・・・ランナー
28・・・ゲート
34・・・メルトフリッパー

Claims (8)

  1. コアと、このコアの外側に位置するカバーとを備えており、
    このカバーの厚みが、0.2mm以上1.0mm以下であり、
    このカバーが、射出成形機から樹脂組成物を成形型に射出することにより形成されており、
    温度が190℃とされた条件で測定された上記樹脂組成物の溶融流動度M(g/10min)と、この射出成形機の射出率V(cm/sec)と、射出時間T(sec)との積(M×V×T)が、500以上1000以下であり、
    上記射出時間Tが、0.05sec以上0.15sec以下であるゴルフボール。
  2. 上記樹脂組成物の溶融流動度Mが、15g/10min以上100g/10min以下である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 上記樹脂組成物が、基材ポリマーを含んでおり、
    この基材ポリマーが、アイオノマー樹脂と、カルボキシル基を含有する樹脂とを含んでおり、
    このアイオノマー樹脂が、この基材ポリマーの主成分であり、
    温度が190℃とされた条件で測定された上記カルボキシル基を含有する樹脂の溶融流動度が、100g/10min以上である請求項1又は2に記載のゴルフボール。
  4. 上記アイオノマー樹脂が、二価の金属イオンを含んでおり、
    上記基材ポリマー100gに含まれるこの二価の金属イオンの含有量が、0.020mol以上である請求項3に記載のゴルフボール。
  5. 上記射出率Vが、250cm/sec以上である請求項1から4のいずれかに記載のゴルフボール。
  6. 上記成形型が、一対の半型からなり、
    この成形型が、これら半型の組み合わせにより形成されるランナー、ゲート及びキャビティを備えており、
    この成形型が、上記射出成形機から射出された上記樹脂組成物が、上記ランナーを通じて上記ゲートに誘導され、このゲートから上記キャビティに注入されるように構成されており、
    このランナーの直径が、1mm以上15mm以下であり、
    このゲートの直径が、0.2mm以上5mm以下である請求項1から5に記載のゴルフボール。
  7. 上記成形型が、メルトフリッパーをさらに備えており、
    このメルトフリッパーが、この成形型を構成する一対の半型のうちの一方の半型の側に設けられており、
    上記ランナーが、このメルトフリッパーにより2のパスに分断されており、
    このメルトフリッパーが、これらパスを連結しており、
    上記キャビティ1個あたりに、奇数個のメルトフリッパーが設けられている請求項6に記載のゴルフボール。
  8. コアが得られる工程と、
    キャビティを有する成形型が準備され、このキャビティに上記コアが投入される工程と、
    樹脂組成物が、射出成形機で射出される工程と、
    射出された樹脂組成物が上記キャビティと上記コアとの間に注入され、0.2mm以上1.0mm以下の厚みを有するカバーが形成される工程とを含んでおり、
    温度が190℃とされた条件で測定された上記樹脂組成物の溶融流動度M(g/10min)と、この射出成形機の射出率V(cm/sec)と、射出時間T(sec)との積(M×V×T)が、500以上1000以下であり、この射出時間Tが、0.05sec以上0.15sec以下であるゴルフボールの製造方法。
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