JP2011229671A - ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール - Google Patents

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Abstract

【課題】反発性および流動性に優れ、硬度および耐久性の高いゴルフボール用樹脂組成物を提供する。さらに、飛距離に優れたアイオノマーカバーを有するゴルボールを提供する。
【解決手段】本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、(A)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂と、(B)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体と、(C)亜鉛化合物とを含有し、(A)成分と(B)成分との含有比率が、質量比で(A)/(B)=50/50〜80/20であり、(C)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1質量部〜20質量部であり、メルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が15g/10min以上。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボールに関するものであり、より詳細には、アイオノマー樹脂組成物の反発性および流動性の改良技術に関するものである。
ゴルフボールを構成する材料として、アイオノマー樹脂やポリウレタンが使用されている。アイオノマー樹脂は、高剛性であり、ゴルフボールの構成部材として使用すると、飛距離の大きいゴルフボールが得られる。そのため、アイオノマー樹脂は、ゴルフボールを構成する中間層やカバーの材料として広く使用されている。しかし、アイオノマー樹脂の剛性や流動性には改善の余地があり、これらの特性を改善するための提案がなされている。
例えば、特許文献1には、アイオノマー樹脂成分として(a)酸含量12重量%以下のオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体の金属イオン中和物からなる3元アイオノマー樹脂と(b)酸含量15重量%以下のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体の金属イオン中和物からなる2元アイオノマー樹脂とを重量比40:60〜100:0の割合で含むアイオノマー樹脂成分と、(c)オレフィン及び不飽和カルボン酸をモノマーとする未中和のランダム共重合体とを重量比75:25〜100:0の割合で含有するベース樹脂に、(d)炭素原子数が29以下の有機酸を1〜3価金属イオンで中和した金属せっけんを重量比95:5〜80:20の割合で配合した混合物を主成分とし、かつメルトインデックス(MI)が1dg/秒以上であることを特徴とするゴルフボールカバー材が開示されている。
特許文献2には、コアとカバーとを有し、前記カバーは、実質的に少なくとも一種のアイオノマー樹脂100質量部と、25質量部超、約100質量部までのステアリン酸金属塩を含み、前記アイオノマー樹脂は、炭素数が2〜8のオレフィンと、炭素数が3〜8の不飽和モノカルボン酸との反応生成物からなることを特徴とするゴルフボールが開示されている。
特許文献3には、コアとカバーとを有し、前記カバーは、実質的に少なくとも一種のアイオノマー樹脂100質量部と、25質量部超、約100質量部までの脂肪酸金属塩を含み、前記アイオノマー樹脂は、炭素数が2〜8のオレフィンと、炭素数が3〜8の不飽和モノカルボン酸との反応生成物からなることを特徴とするゴルフボールが開示されている。
特許文献4には、不飽和カルボン酸含有量が10〜30重量%のエチレン・不飽和カルボン酸二元共重合体の中和度が25モル%以上の金属塩(A)15〜90重量部及び(メタ)アクリル酸エステル含有量が12〜45重量%、不飽和カルボン酸含有量が0.5〜5重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸エステル・不飽和カルボン酸三元共重合体(B)85〜10重量部を配合してなるゴルフボール表皮材用組成物が開示されている。
特許文献5には、ソリッドコアと、該ソリッドコアに被覆形成される中間層と、該中間層に被覆形成されるカバーとを具備してなるマルチピースゴルフボールにおいて、上記中間層及び/又はカバーが(a)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体 100質量部、(b)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体 5〜80質量部、(c)上記(a)、(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物 0.1〜10質量部を含有してなり、メルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物にて形成されると共に、上記中間層のショアD硬度が40〜63であり、上記カバーのショアD硬度が45〜68であると共に、上記ソリッドコアの中心、中間層及びカバーの各ショアD硬度がソリッドコア中心の硬度≦中間層の硬度≦カバーの硬度の関係を満たすことを特徴とするマルチピースゴルフボールが開示されている。
特許文献6には、(a)オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、(b)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で100:0〜25:75になるように配合したベース樹脂と、(e)非アイオノマー熱可塑性エラストマーとを質量比で100:0〜50:50になるように配合した樹脂成分100質量部に対して、(c)分子量が280〜1500の脂肪酸及び/又はその誘導体5〜80質量部と、(d)上記ベース樹脂及び(c)成分中の未中和の酸基を中和できる塩基性無機金属化合物 0.1〜10質量部とを必須成分として配合してなる混合物であることを特徴とするゴルフボール用材料が開示されている。
特開2000−157646号公報 米国特許第5306760号公報 米国特許第5312857号公報 特開平6−292740号公報 特開2001−218873号公報 特開2002−219195号公報
カバー材料として、アイオノマー樹脂を使用したゴルフボールの高飛距離化が検討されている。高飛距離化するための一つの方法は、反発性の高いコア部分を大径化することである。コアを大径化するためには、より薄いアイオノマーカバーを成形する必要がある。しかし、薄いアイオノマーカバーを射出成形法で成形するのは難しい。また、薄いアイオノマーカバーは、耐久性が低下しやすい。高飛距離化するための別の方法として、反発性の高い高中和度のアイオノマー樹脂を使用する方法がある。しかし、高中和度のアイオノマー樹脂は、流動性が低く、薄いカバーを射出成形することは、極めて困難である。そこで、高中和度のアイオノマー樹脂の流動性を向上させる方法として、例えば、脂肪酸またはその金属塩などの低分子材料を添加する方法がある。しかしながら、流動性を向上させるためには、低分子材料を相当量添加する必要があり、ゴルフボール本体表面にブリードアウトしやすくなる。その結果、ゴルフボール本体表面を塗装する際に、塗膜の密着性が低下するという問題が生じる。アイオノマー樹脂の流動性を改良する方法として、アイオノマー樹脂にエチレン・(メタ)アクリル酸二元共重合体若しくはエチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体を配合する方法がある。しかし、得られる配合物の硬度が低下する。その結果、ドライバーショット時のスピン量が増加して、飛距離が低下する。
以上の如く、カバー材料として、アイオノマー樹脂を使用したゴルフボールの高飛距離化をするためには、反発性の高いカバー材料を用いて、カバーを薄く成形するとともに、カバー硬度を高めることが考えられる。しかし、高中和度のアイオノマー樹脂は、流動性が低く、薄いカバーに成形することが困難であった。さらに、高硬度のカバーは、耐久性が低下しやすいという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、反発性および流動性に優れるゴルフボール用樹脂組成物を提供することを目的とする。さらに本発明は、硬度および耐久性の高いゴルフボール用樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明は、飛距離に優れたアイオノマーカバーを有するゴルボールを提供することをさらなる目的とする。
上記課題を解決することのできた本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、
(A)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂と、
(B)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体と、
(C)亜鉛化合物とを含有し、
(A)成分と(B)成分との含有比率が、質量比で、(A)/(B)=50/50〜80/20であり、(C)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1質量部〜20質量部であり、メルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が15g/10min以上であることを特徴とする。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物が、主成分として含有する(A)二元系アイオノマー樹脂は、得られるゴルフボールの反発性を向上させる。さらに、(B)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体は、ゴルフボール用樹脂組成物の流動性を向上させる。また、本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、(C)亜鉛化合物を用いる点に特徴がある。(C)亜鉛化合物は、(A)成分と(B)成分中に存在する未中和のカルボキシル基を中和して、樹脂組成物の反発性を向上するために用いられる。中和反応が比較的遅い(C)亜鉛化合物を用いれば、ゴルフボール用樹脂組成物を溶融混合する過程、あるいは、押出する過程では中和反応が進行せずに良好な流動性を維持しつつ、金型内で成形する過程において中和反応が進行して、高中和度のアイオノマー樹脂を用いたのと同程度の反発性を有するゴルフボール用樹脂組成物が得られる。その結果、本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、流動性と反発性とを両立することができる。また本発明によれば、(A)成分と(B)成分中に存在する未中和のカルボキシル基を(C)亜鉛化合物を用いて中和することにより、得られるカバー硬度が高くなるにも拘わらず、耐久性が良好なゴルフボールが得られる。さらに、本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、ゴルフボール本体表面にブリードアウトする脂肪酸またはその金属塩などの低分子材料を含有しないので、塗膜の密着性に優れる。
前記(A)アイオノマー樹脂のα,β−不飽和カルボン酸成分の含有率は、15質量%以上が好ましい。前記(A)アイオノマー樹脂は、Znで中和されていることが好ましい。前記(B)二元共重合体のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)は、100g/10min以上であることが好ましい。前記(C)亜鉛化合物としては、例えば、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、または、炭酸亜鉛を挙げることができる。本発明のゴルフボール用樹脂組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で、55〜70であることが好ましい。
本発明には、(A)成分と(B)成分中に存在するカルボキシル基を(C)亜鉛化合物によって中和する前のゴルフボール用樹脂組成物、および、中和が進行したゴルフボール用樹脂組成物が含まれる。なお、中和が進行したゴルフボール用樹脂組成物には、中和が一部進行したものも含まれる。また、本発明において、中和をする前のゴルフボール用樹脂組成物を「ゴルフボール用未中和樹脂組成物」、中和が進行したゴルフボール用樹脂組成物について「ゴルフボール用中和樹脂組成物」と称する場合があり、単に「ゴルフボール用樹脂組成物」と称する場合には、特に断りのない限り、いずれの態様を含むものとする。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、射出成形前にFT−IRで測定した1600cm−1付近のピーク面積をA1、1700cm−1付近のピーク面積をB1とし、射出成形後にFT−IRで測定したときの1600cm−1付近のピーク面積をA2、1700cm−1付近のピーク面積をB2としたときに、A1,B1,A2およびB2が,下記式を満足することが好ましい。下記式を満足することにより、得られるゴルフボールの反発性が良好になる。
P1=A1/(A1+B1)
P2=A2/(A2+B2)
0.2≦P1≦1.0
0.3≦P2≦1.0
1.5≦P2/P1≦2.5
A1、A2は、中和されているカルボキシル基に帰属するピークの面積であり、B1、B2は、未中和のカルボキシル基に帰属するピークの面積である。P1,P2は、樹脂成分のカルボキシル基の中和度を指標する。本発明では、P2/P1が、上記範囲内であることが好ましい。下限以上の場合、亜鉛化合物による中和による反発性向上効果が大きくなり、上限以下の場合、中和反応が進行し過ぎず、流動性を維持することができ、射出成形が容易になるからである。
本発明には、前記ゴルフボール用樹脂組成物を射出成形してなる構成部材を有するゴルフボールが含まれる。前記構成部材としては、カバーが好ましい。この場合、カバーの厚みは、0.5mm〜1.5mmであることが好ましい。
本発明によれば、アイオノマー樹脂を含有し、反発性および流動性に優れたゴルフボール用樹脂組成物が得られる。さらに、本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、硬度が高く、耐久性に優れる。本発明によれば、飛距離に優れるアイオノマーカバーを有するゴルボールが得られる。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物の一態様のFT−IRの測定チャート
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、(A)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂と、(B)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体と、(C)亜鉛化合物とを含有し、(A)成分と(B)成分との含有比率が、質量比で、(A)/(B)=50/50〜80/20であり、(C)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1質量部〜20質量部であり、メルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が15g/10min以上であることを特徴とする。
まず、本発明で使用する(A)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂(以下、単に「二元系アイオノマー樹脂」と称する場合がある)について説明する。(A)前記アイオノマー樹脂としては、例えば、オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したものを挙げることができる。前記オレフィンとしては、炭素数が2〜8個のオレフィンが好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等を挙げることができ、特にエチレンであることが好ましい。前記炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。これらのなかでも、(A)前記二元系アイオノマー樹脂としては、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属イオン中和物が好ましい。
(A)前記二元系アイオノマー樹脂中の炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸成分の含有率は、15質量%以上が好ましく、16質量%以上が好ましく、17質量%以上がより好ましく、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸成分の含有率が、15質量%以上であれば、得られる構成部材を所望の硬度にしやすくなるからである。また、炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸成分の含有率が、30質量%以下であれば、得られる構成部材の硬度が高くなり過ぎず、耐久性と打球感が良好になるからである。
(A)前記二元系アイオノマー樹脂のカルボキシル基の中和度は、15モル%以上が好ましく、20モル%以上が好ましく、90モル%以下が好ましく、85モル%以下がより好ましい。中和度が15モル%以上であれば、得られるゴルフボールの反発性および耐久性が良好になる。一方、中和度が90モル%以下であれば、ゴルフボール用樹脂組成物の流動性が良好になる(成形性が良い)。なお、(A)前記二元系アイオノマー樹脂のカルボキシル基の中和度は、下記式で求めることができる。
二元系アイオノマー樹脂の中和度=100×二元系アイオノマー樹脂中の中和されているカルボキシル基のモル数/二元系アイオノマー樹脂中のカルボキシル基の総モル数
(A)前記二元系アイオノマー樹脂のカルボキシル基の少なくとも一部を中和する金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの1価の金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの2価の金属イオン;アルミニウムなどの3価の金属イオン;錫、ジルコニウムなどのその他のイオンが挙げられる。本発明で使用する(A)二元系アイオノマー樹脂は、亜鉛で中和されていることが好ましい。亜鉛で中和された(A)二元系アイオノマー樹脂を使用することにより、ゴルフボールの耐久性及び低温耐久性が良好となるからである。
(A)前記二元系アイオノマー樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井・デュポンポリケミカル(株)から市販されている「ハイミラン(Himilan)(登録商標)(例えば、ハイミラン1555(Na)、ハイミラン1557(Zn)、ハイミラン1605(Na)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7311(Mg)、ハイミランAM7329(Zn)など」が挙げられる。
さらにデュポン社から市販されている「サーリン(Surlyn)(登録商標)(例えば、サーリン8945(Na)、サーリン9945(Zn)、サーリン8140(Na)、サーリン8150(Na)、サーリン9120(Zn)、サーリン9150(Zn)、サーリン6910(Mg)、サーリン6120(Mg)、サーリン7930(Li)、サーリン7940(Li)、サーリンAD8546(Li))」などが挙げられる。
またエクソンモービル化学(株)から市販されているアイオノマー樹脂としては、「アイオテック(Iotek)(登録商標)(例えば、アイオテック8000(Na)、アイオテック8030(Na)、アイオテック7010(Zn)、アイオテック7030(Zn))」などが挙げられる。
(A)前記二元系アイオノマー樹脂は、例示のものをそれぞれ単独または2種以上の混合物として用いてもよい。前記商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、Li、Mgなどは、これらの中和金属イオンの金属種を示している。
前記(A)二元系アイオノマー樹脂の曲げ剛性率は、140MPa以上が好ましく、より好ましくは150MPa以上、さらに好ましくは160MPa以上であり、550MPa以下が好ましく、より好ましくは500MPa以下、さらに好ましくは450MPa以下である。前記(A)二元系アイオノマー樹脂の曲げ剛性率が低すぎると、ドライバーショット時のスピン量が増加して飛距離が低下する傾向があり、曲げ剛性率が高すぎると、ゴルフボールの耐久性が低下する場合がある。
前記(A)二元系アイオノマー樹脂のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)は、0.1g/10min以上、好ましくは0.5g/10min以上、より好ましくは1.0g/10min以上であり、30g/10min以下が好ましく、より好ましくは20g/10min以下、さらに好ましくは15g/10min以下である。前記(A)二元系アイオノマー樹脂のメルトフローレイト(1900℃、2.16kg荷重)が0.1g/10min以上であれば、ゴルフボール用樹脂組成物の流動性が良好となり、例えば、カバーの薄肉化が可能となる。また、前記(A)二元系アイオノマー樹脂のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が30g/10min以下であれば、得られるゴルフボールの耐久性がより良好となる。
前記(A)二元系アイオノマー樹脂のスラブ硬度は、ショアD硬度で50以上が好ましく、より好ましくは55以上、さらに好ましくは60以上であり、75以下が好ましく、より好ましくは73以下、さらに好ましくは70以下である。前記スラブ硬度が、ショアD硬度で50以上であれば、得られる構成部材が高硬度となる。また、前記スラブ硬度が、ショアD硬度で75以下であれば、得られる構成部材が硬くなりすぎず、ゴルフボールの耐久性がより良好となる。
次に、(B)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体(以下、単に「二元系共重合体」と称する場合がある)について説明する。前記二元共重合体は、ゴルフボール用樹脂組成物の流動性を高める。
前記(B)二元系共重合体は、オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体であって、そのカルボキシル基が中和されていない非イオン性のものである。前記オレフィン、および、炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸としては、「(A)二元系アイオノマー樹脂」を構成するものとして例示したものと同一のもの使用することができる。本発明で使用する(B)二元系共重合体としては、エチレンと(メタ)アクリル酸との二元共重合体を使用することが好ましい。
前記(B)二元共重合体のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)は、100g/10min以上、好ましくは150g/10min以上、より好ましくは200g/10min以上であり、1500g/10min以下が好ましく、より好ましくは1000g/10min以下、さらに好ましくは800g/10min以下である。前記(B)二元系共重合体のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が100g/10min以上であれば、ゴルフボール用樹脂組成物の流動性が良好となり、薄いカバーを成形しやすくなる。また、前記(B)二元共重合体のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が1500g/10min以下であれば、得られるゴルフボールの耐久性がより良好となる。
前記(B)二元共重合体の具体例を商品名で例示すると、例えば、三井デュポンポリケミカル社から商品名「ニュクレル(NUCREL)(登録商標)(例えば、「ニュクレルN1050H」、「ニュクレルN2050H」、「ニュクレルAN4318」「ニュクレルN1110H」、「ニュクレルN0200H」)」で市販されているエチレン−メタクリル酸共重合体、ダウケミカル社から商品名「PRIMACOR(登録商標)5980I」で市販されているエチレン−アクリル酸共重合体などを挙げることができる。
次に、(C)亜鉛化合物について説明する。(C)亜鉛化合物は、(A)成分と(B)成分中に存在する未中和のカルボキシル基を中和して、樹脂組成物の反発性を向上するために用いられる。中和反応が比較的遅い(C)亜鉛化合物を用いることにより、ゴルフボール用樹脂組成物を溶融混合する過程、あるいは、押出する過程では中和反応が進行せずに良好な流動性を維持しつつ、金型内で成形する過程において中和反応が進行して、高中和度のアイオノマー樹脂を用いたのと同程度の反発性を有するゴルフボール用樹脂組成物を得ることができる。(C)亜鉛化合物としては、例えば、亜鉛粉末のほか、酸化物(酸化亜鉛)、水酸化物(水酸化亜鉛)、硫化物(硫化亜鉛)、リン化物、ハロゲン化物(フッ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛)、オキソ酸塩(硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、リン酸亜鉛など)、有機亜鉛化合物(ジメチル亜鉛、ジフェニル亜鉛など)、錯化合物などを挙げることができる。これらのなかでも、(C)亜鉛化合物としては、酸化亜鉛(ZnO)、水酸化亜鉛(Zn(OH))、または、炭酸亜鉛(ZnCO)が好ましい。適度な中和能力を有し、流動性と反発性とを両立できるからである。前記亜鉛化合物の粒子の形状は、特に限定されず、粒状、板状、針状、テトラポット状(例えば、株式会社アムテック製「パナテトラ」)などを挙げることができる。なお、酸化亜鉛は、カバーに比重調整剤や顔料として使用されることがあるが、顔料や比重調整剤として使用される酸化亜鉛は、カバー材料への分散性を高めるために表面処理が施されている場合が多い。これに対して、本発明で好適に使用し得る酸化亜鉛は、中和能力を高めるために、表面処理されていないか、あるいは、軽度に表面処理されていることが好ましい。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、射出成形前にFT−IRで測定した1600cm−1付近のピーク面積をA1、1700cm−1付近のピーク面積をB1とし、P1を下記式により算出したときに、P1は、0.20以上が好ましく、0.21以上がより好ましく、0.25以上が好ましく、1.0以下が好ましく、0.99以下がより好ましく、0.5以下がさらに好ましい。P1が、上記範囲内であれば、射出成形時の樹脂組成物の流動性が良好である。
P1=A1/(A1+B1)
式中、A1は、中和されているカルボキシル基に帰属するピークの面積に相当し、B1は、未中和のカルボキシル基に帰属するピークの面積に相当する。P1は、カルボキシル基全体に占める中和されているカルボキシル基の比率であり、樹脂成分の中和度を指標する。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、射出成形後にFT−IRで測定したときの1600cm−1付近のピーク面積をA2、1700cm−1付近のピーク面積をB2とし、P2を下記式により算出したときに、P2は、0.3以上が好ましく、0.31以上がより好ましく、1.0以下が好ましく、0.99以下がより好ましい。P2が、上記範囲内であれば、得られるゴルフボールの反発性が良好である。
P2=A2/(A2+B2)
式中、A2は、中和されているカルボキシル基に帰属するピークの面積であり、B2は、未中和のカルボキシル基に帰属するピークの面積である。P2は、カルボキシル基全体に占める中和されているカルボキシル基の比率であり、樹脂成分の中和度を指標する。
また、P2/P1は、1.5以上が好ましく、1.6以上がより好ましく、1.7以上がさらに好ましく、2.5以下が好ましく、2.4以下がより好ましく、2.3以下がさらに好ましい。P2/P1は、射出成形前後でのゴルフボールの中和度の変化を示す。P2/P1が前記下限以上であれば、亜鉛化合物による中和による反発性向上効果が大きくなり、前記上限以下であれば、中和反応が進行し過ぎることがなく、流動性を維持することができ、射出成形が容易になるからである。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、(A)二元系アイオノマー樹脂と(B)二元共重合体との含有比率が、質量比で、(A)成分/(B)成分=50/50〜80/20が好ましく、55/45〜75/25がより好ましく、60/40〜70/30がさらに好ましい。(A)成分と(B)成分との含有量比率を上記範囲内とすることにより、高硬度と高流動性とを両立しやすくなるからである。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物中の(C)亜鉛化合物の含有量は、前記(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、20質量部以下が好ましく、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。前記(C)亜鉛化合物の含有量が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して0.1質量部以上であれば、得られるゴルフボールの耐久性が向上するからである。また、前記(C)亜鉛化合物の含有量が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して20質量部以下であれば、ゴルフボール用樹脂組成物の流動性を確保できるからである。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、さらに、白色顔料(酸化チタン)、青色顔料などの顔料成分、比重調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、ゴルフボールの性能を損なわない範囲で含有してもよい。また、本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、流動性改質剤として脂肪酸および/またはその金属塩などを併用しても良いが、塗膜密着性および機械的物性などを低下させる原因となるため、脂肪酸および/またはその金属塩などの低分子材料は併用しないことが好ましい。
前記白色顔料(酸化チタン)の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。白色顔料の含有量を0.5質量部以上とすることによって、ゴルフボール構成部材に隠蔽性を付与することができる。また、白色顔料の含有量が10質量部超になると、得られるゴルフボール構成部材の耐久性が低下する場合があるからである。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、樹脂成分として、(A)二元系アイオノマー樹脂と(B)二元系共重合体のみを含有することが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性エラストマーや熱可塑性樹脂を含有しても良い。この場合、ゴルフボール用樹脂組成物が含有する樹脂成分中の(A)二元系アイオノマー樹脂と(B)二元系共重合体の合計含有率は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
前記他の熱可塑性エラストマーの具体例としては、例えばアルケマ(株)から商品名「ペバックス(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、BASFジャパン(株)から商品名「エラストラン(例えば、「エラストランXNY85A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(例えば、「ラバロンT3221C」)」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマー等が挙げられる。前記他の熱可塑性樹脂としては、オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステルとからなる三元共重合体系のアイオノマー樹脂を挙げることができる。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物は、例えば、(A)二元系アイオノマー樹脂と(B)二元共重合体と(C)亜鉛化合物とをドライブレンドすることにより得られる。また、ドライブレンドした混合物を、押出してペレット化してもよい。ドライブレンドには、例えば、ペレット状の原料を配合できる混合機を用いるのが好ましく、より好ましくはタンブラー型混合機を用いる。押出は、一軸押出機、二軸押出機、二軸一軸押出機など公知の押出機を使用することができる。押出条件としては、二軸押出機を使用する場合、例えば、スクリュー径45mm、スクリュー回転数50rpm〜400rpm、スクリューL/D=35、シリンダー温度140℃以上、200℃以下の条件を挙げることができる。200℃超にすると中和反応が進行して流動性が低下する場合がある。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物のメルトフローレイト(190℃×2.16kg)は、15g/10min以上が好ましく、16g/10min以上がより好ましく、18g/10min以上がさらに好ましく、100g/10min以下が好ましく、70g/10min以下がより好ましく、40g/10min以下がさらに好ましい。ゴルフボール用樹脂組成物のメルトフローレイトが、上記範囲内であれば、成形性が良好である。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で55以上が好ましく、57以上がより好ましく、60以上がさらに好ましく、75以下が好ましく、73以下がより好ましく、70以下がさらに好ましい。スラブ硬度がショアD硬度で55以上のゴルフボール用樹脂組成物を用いることにより、得られるゴルフボールのドライバーショットのスピン量が低下する。その結果、高飛距離のゴルフボールが得られる。一方、スラブ硬度がショアD硬度で75以下のゴルフボール用樹脂組成物を用いることにより、耐久性に優れるゴルフボールが得られる。ここで、ゴルフボール用樹脂組成物のスラブ硬度とは、ゴルフボール用樹脂組成物をシート状に成形して測定した硬度であり、後述する測定方法により測定する。
本発明のゴルフボールは、本発明のゴルフボール用樹脂組成物を射出成形してなる構成部材を有するゴルフボールであれば、特に限定されない。例えば、単層コアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するツーピースゴルフボール;センターと前記センターを被覆するように配設された単層の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するスリーピースゴルフボール;または、センターと前記センターを被覆するように配設された一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーを有するマルチピースゴルフボール(前記スリーピースゴルフボールを含む)を構成するいずれかの構成部材が前記ゴルフボール用樹脂組成物から形成されているゴルフボールを挙げることができる。これらの中でも、本発明のゴルフボール用樹脂組成物を射出成形してなるカバーを有するゴルフボールが好ましい。以下、本発明のゴルフボール用樹脂組成物をカバー用組成物として用いた態様に基づいて説明するが、本発明は、斯かる態様に限定されるものではない。
本発明のゴルフボールのカバーは、カバー用組成物から形成される。カバーを成形する方法としては、例えば、カバー用組成物から中空のシェルを成形し、コアを複数のシェルで被覆して圧縮成形する方法(好ましくは、カバー用組成物から中空のハーフシェルを成形し、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法)、カバー用組成物をコア上に直接射出成形する方法を挙げることができる。本発明のゴルフボールのカバーは、射出成形により成形されることが好ましい。射出成形により、カバーをより容易に生産できるからである。
カバー用組成物をコア上に直接射出成形してカバーを成形する場合、カバー成形用上下金型としては、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねているものを使用することが好ましい。射出成形によるカバーの成形は、上記ホールドピンを突き出し、コアを投入してホールドさせた後、カバー用組成物を注入して、冷却することによりカバーを成形することができる。
射出装置および成形用金型を有する射出成形機を用いてカバーを成形する場合、射出装置のシリンダー(バレル)部分での温度(装置の設定温度)は、200℃以上が好ましく、210℃以上がより好ましく、270℃以下が好ましく、260℃以下が好ましい。シリンダー(バレル)部分での温度を上記範囲にすることにより、ゴルフボール用樹脂組成物の流動性を維持することができ、(A)成分と(B)成分の未中和のカルボキシル基と(C)亜鉛化合物との中和反応が進行する。
また、カバーを成形する際には、通常、表面にディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。さらに、カバーが成形されたゴルフボール本体は、金型から取り出し、必要に応じて、バリ取り、洗浄、サンドブラストなどの表面処理を行うことが好ましい。また、所望により、塗膜やマークを形成することもできる。前記塗膜の膜厚は、特に限定されないが5μm以上、より好ましくは7μm以上、25μm以下、より好ましくは18μm以下であることが望ましい。膜厚が5μm未満になると継続的な使用により塗膜が摩耗消失しやすくなり、膜厚が25μmを超えるとディンプルの効果が低下してゴルフボールの飛行性能が低下するからである。
本発明において、ゴルフボールのカバーの厚みは、1.5mm以下が好ましく、1.3mm以下がより好ましく、1.0mm以下がさらに好ましい。1.5mm以下とすることによって、コアの外径を大きくできるため、反発性を向上させることができる。カバーの厚みの下限は、特に限定されるものではないが、例えば、0.5mmが好ましく、0.6mmがより好ましく、0.7mmがさらに好ましい。0.5mm未満では、カバーの成形が困難になるおそれがある。
また、カバーのスラブ硬度は、ショアD硬度で、55以上が好ましく、57以上がより好ましく、60以上がさらに好ましく、75以下が好ましく、73以下がより好ましく、70以下がさらに好ましい。カバーのスラブ硬度が55未満では、ドライバーショットのスピン量が多くなり、飛距離が低下するからである。一方、カバーのスラブ硬度が75超では、得られるゴルフボールの耐久性が低下する場合がある。前記カバーのスラブ硬度は、カバー用組成物をシート状に成形して測定したスラブ硬度であり、後述する測定方法により測定することができる。
次に、本発明のゴルフボールに用いられるコアについて説明する。前記コアの構造としては、例えば、単層コア、センターと前記センターを被覆する1以上の中間層を有するコアを挙げることができる。センターと前記センターを被覆する1以上の中間層を有するコアとしては、例えば、センターと前記センターを被覆する単層の中間層とからなるコア、センターと前記センターを被覆する複数もしくは複層の中間層とからなるコアなどがある。また、コアの形状としては、球状であることが好ましい。コアの形状が球状でない場合には、カバーの厚みが不均一になる。その結果、部分的にカバー性能が低下する場合があるからである。一方、センターの形状としては、球状が一般的であるが、球状センターの表面を分割するように突条が設けられていても良く、例えば、球状センターの表面を均等に分割するように突条が設けられていても良い。前記突条を設ける態様としては、例えば、球状センターの表面にセンターと一体的に突条を設ける態様、あるいは、球状センターの表面に突条の中間層を設ける態様などを挙げることができる。
前記突条は、例えば、球状センターを地球とみなした場合に、赤道と球状センター表面を均等に分割する任意の子午線とに沿って設けられることが好ましい。例えば、球状センター表面を8分割する場合には、赤道と、任意の子午線(経度0度)、および、斯かる経度0度の子午線を基準として、東経90度、西経90度、東経(西経)180度の子午線に沿って設けるようにすれば良い。突条を設ける場合には、突条によって仕切られる凹部を、複数の中間層、あるいは、それぞれの凹部を被覆するような単層の中間層によって充填するようにして、コアの形状を球状とするようにすることが好ましい。前記突条の断面形状は、特に限定されることなく、例えば、円弧状、あるいは、略円弧状(例えば、互いに交差あるいは直交する部分において切欠部を設けた形状)などを挙げることができる。
本発明のゴルフボールのコアまたはセンターは、例えば、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤、および必要に応じて充填剤を含むゴム組成物(以下、単に「コア用ゴム組成物」と称する場合がある)を加熱プレスして成形することにより得られる。
前記基材ゴムとしては、天然ゴムまたは合成ゴムを使用することができ、例えば、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを使用できる。これらの中でも、特に、反発に有利なシス結合が40質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。
前記架橋開始剤は、基材ゴム成分を架橋するために配合されるものである。前記架橋開始剤としては、有機過酸化物が好適である。具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。架橋開始剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、3質量部以下が好ましく、より好ましくは2質量部以下である。0.2質量部未満では、コアが柔らかくなりすぎて、反発性が低下する傾向があり、3質量部を超えると、適切な硬さにするために、共架橋剤の使用量を増加する必要があり、反発性が不足気味になる。
前記共架橋剤としては、基材ゴム分子鎖にグラフト重合することによって、ゴム分子を架橋する作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸またはその金属塩を使用することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、または、これらの金属塩を挙げることができる。前記金属塩を構成する金属としては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムを挙げることができ、反発性が高くなるということから、亜鉛を使用することが好ましい。
共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、10質量部以上、より好ましくは20質量部以上であって、50質量部以下、より好ましくは40質量部以下であることが望ましい。共架橋剤の使用量が10質量部未満では、適当な硬さとするために有機過酸化物の量を増加しなければならず、反発性が低下する傾向がある。一方、共架橋剤の使用量が50質量部を超えると、コアが硬くなりすぎて、打球感が低下する虞がある。
コア用ゴム組成物に含有される充填剤は、主として最終製品として得られるゴルフボールの比重を1.0〜1.5の範囲に調整するための比重調整剤として配合されるものであり、必要に応じて配合すれば良い。前記充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン粉末、モリブデン粉末などの無機充填剤を挙げることができる。前記充填剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、2質量部以上、より好ましくは3質量部以上であって、50質量部以下、より好ましくは35質量部以下であることが望ましい。充填剤の配合量が2質量部未満では、重量調整が難しくなり、50質量部を超えるとゴム成分の重量分率が小さくなり反発性が低下する傾向があるからである。
前記コア用ゴム組成物には、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤および充填剤に加えて、さらに、有機硫黄化合物、老化防止剤、しゃく解剤などを適宜配合することができる。
前記有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド類を好適に使用することができる。前記ジフェニルジスルフィド類としては、例えば、ジフェニルジスルフィド;ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド,ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィドなどのモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィドなどのジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィドなどのトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィドなどのテトラ置換体;ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィドなどのペンタ置換体などが挙げられる。これらのジフェニルジスルフィド類はゴム加硫体の加硫状態に何らかの影響を与えて、反発性を高めることができる。これらの中でも、特に高反発性のゴルフボールが得られるという点から、ジフェニルジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドを用いることが好ましい。前記有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.0質量部以下である。
前記老化防止剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、1質量部以下であることが好ましい。また、しゃく解剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部以下であることが好ましい。
前記コア用ゴム組成物の加熱プレス成形条件は、ゴム組成に応じて適宜設定すればよいが、通常、130〜200℃で10〜60分間加熱するか、あるいは130〜150℃で20〜40分間加熱した後、160〜180℃で5〜15分間の2段階で加熱することが好ましい。
本発明のゴルフボールのコアの構造が、センターと前記センターを被覆する一以上の中間層とからなるコアの場合、前記センターの材料としては、前記コア用ゴム組成物を用いることができる。前記センターの直径は、34.8mm以上が好ましく、より好ましくは35.0mm以上であり、41.2mm以下が好ましく、より好ましくは41.0mm以下である。前記センターの直径が34.8mmよりも小さいと、中間層またはカバーを所望の厚さより厚くする必要があり、その結果反発性が低下する場合がある。一方、センターの直径が41.2mmを超える場合は、中間層またはカバーを所望の厚さより薄くする必要があり、中間層またはカバー層の機能が十分発揮されない。
前記センターは、直径34.8mm〜41.2mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にセンターが縮む量)が、1.90mm以上が好ましく、より好ましくは2.00mm以上、さらに好ましくは2.10mm以上であり、5.00mm以下が好ましく、より好ましくは4.90mm以下、さらに好ましくは4.80mm以下である。前記圧縮変形量が、1.90mm以上であれば打球感がより良好となり、5.00mm以下であれば、反発性がより良好となる。
前記センターの表面硬度は、ショアD硬度で45以上が好ましく、より好ましくは50以上、さらに好ましくは55以上であり、65以下が好ましく、より好ましくは62以下、さらに好ましくは60以下である。前記センターの表面硬度を、ショアD硬度で45以上とすることにより、コアが軟らかくなり過ぎることがなく、良好な反発性が得られる。また、前記センターの表面硬度をショアD硬度で65以下とすることにより、コアが硬くなり過ぎず、良好な打球感が得られる。
前記中間層の材料としては、例えば、ゴム組成物の硬化物、アイオノマー樹脂、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、BASFジャパン社から商品名「エラストラン(登録商標)(例えば、「エラストランXNY97A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマーなどが挙げられる。前記中間層の材料は、単独または複数を混合して使用することができる。
前記アイオノマー樹脂としては、特にエチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したアイオノマー樹脂、エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの、または、これらの混合物を挙げることができる。
前記アイオノマー樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されている「ハイミラン(Himilan)(登録商標)(例えば、ハイミラン1555(Na)、ハイミラン1557(Zn)、ハイミラン1605(Na)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM3711(Mg)などが挙げられ、三元共重合体アイオノマー樹脂としては、ハイミラン1856(Na)、ハイミラン1855(Zn)など)」が挙げられる。
さらにデュポン社から市販されているアイオノマー樹脂としては、「サーリン(Surlyn)(登録商標)(例えば、サーリン8945(Na)、サーリン9945(Zn)、サーリン8140(Na)、サーリン8150(Na)、サーリン9120(Zn)、サーリン9150(Zn)、サーリン6910(Mg)、サーリン6120(Mg)、サーリン7930(Li)、サーリン7940(Li)、サーリンAD8546(Li)などが挙げられ、三元共重合体アイオノマー樹脂としては、サーリン8120(Na)、サーリン8320(Na)、サーリン9320(Zn)、サーリン6320(Mg)など)」が挙げられる。
またエクソンモービル化学(株)から市販されているアイオノマー樹脂としては、「アイオテック(Iotek)(登録商標)(例えば、アイオテック8000(Na)、アイオテック8030(Na)、アイオテック7010(Zn)、アイオテック7030(Zn)などが挙げられ、三元共重合体アイオノマー樹脂としては、アイオテック7510(Zn)、アイオテック7520(Zn)など)」が挙げられる。
なお、前記アイオノマー樹脂の商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、Li、Mgなどは、これらの中和金属イオンの金属種を示している。前記中間層には、さらに、硫酸バリウム、タングステンなどの比重調整剤、老化防止剤、顔料などが配合されていてもよい。
中間層を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、中間層用組成物を予めハーフシェルに形成し、それを2枚用いてセンターを包み、加圧成形する方法、または、前記中間層用組成物を直接センター上に射出成形してコアを包み込む方法などを採用できる。
ゴム組成物を主成分(50質量%以上)とする中間層用組成物を使用する場合には、中間層の厚みは、1.2mm以上が好ましく、より好ましくは1.8mm以上、さらに好ましくは2.4mm以上であり、6.0mm以下が好ましく、より好ましくは5.2mm以下、さらに好ましくは4.4mm以下である。
また、樹脂を主成分(50質量%以上)とする中間層用組成物を使用する場合には、中間層の厚みは、0.3mm以上が好ましく、より好ましくは0.4mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上であり、2.5mm以下が好ましく、より好ましくは2.4mm以下、さらに好ましくは2.3mm以下である。中間層の厚みが2.5mmを超えると、得られるゴルフボールの反発性能が低下するおそれがある。また、0.3mm未満では、ドライバーショット時の過剰なスピン量を抑えることができなくなるおそれがある。
本発明のゴルフボールの中間層の硬度は、ショアD硬度で30以上が好ましく、34以上がより好ましく、37以上がさらに好ましく、65以下が好ましく、62以下がより好ましく、60以下がさらに好ましい。中間層の硬度をショアD硬度で30以上とすることによって、コアの外剛内柔度合いを大きくすることに寄与するため、高打出角、低スピンとなり高飛距離化が達成される。一方、中間層の硬度をショアD硬度で65以下とすることによって優れた打球感が得られると共に、スピン性能を向上させ、コントロール性を向上させることができる。ここで、中間層の硬度は、中間層用組成物をシート状に成形して測定したスラブ硬度であり、後述する測定方法により測定する。また、前記中間層の硬度は、上述した樹脂成分またはゴム組成物の組合せ、添加剤の含有量などを適宜選択することによって、調整することができる。
本発明のゴルフボールに使用するコアの直径は、40.4mm以上が好ましく、40.6mm以上がより好ましく、40.8mm以上がさらに好ましく、42.4mm以下が好ましく、42.3mm以下がより好ましく、42.2mm以下がさらに好ましい。コアの直径が上記下限に満たない場合には、カバーが厚くなり過ぎて反発性が低下し、一方、コアの直径が上記上限を超える場合には、カバーが薄くなりすぎるため、カバーの成形が困難になるからである。
前記コアは、直径40.4mm〜42.4mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にゴルフボールが縮む量)が、1.9mm以上が好ましく、2.0mm以上がより好ましく、2.1mm以上がさらに好ましく、4.7mm以下が好ましく、4.5mm以下がより好ましい。前記圧縮変形量が、1.9mm未満では打球感が硬くて悪くなり、4.7mmを超えると、反発性が低下する場合がある。
前記コアの中心硬度は、ショアD硬度で30以上であることが好ましく、より好ましくは32以上であり、さらに好ましくは35以上である。コアの中心硬度がショアD硬度で30未満であると、軟らかくなりすぎて反発性が低下する場合がある。また、コアの中心硬度は、ショアD硬度で50以下であることが好ましく、より好ましくは48以下であり、さらに好ましくは45以下である。前記中心硬度がショアD硬度で50を超えると、硬くなり過ぎて、打球感が低下する傾向があるからである。本発明において、コアの中心硬度とは、コアを2等分に切断して、その切断面の中心点についてスプリング式硬度計ショアD型で測定した硬度を意味する。
前記コアの表面硬度は、ショアD硬度で20以上であることが好ましく、より好ましくは25以上であり、さらに好ましくは30以上である。前記表面硬度が20未満では、軟らかくなり過ぎて、反発性が低下する場合がある。また、コアの表面硬度は、ショアD硬度で70以下であることが好ましく、より好ましくは69以下であり、さらに好ましくは68以下である。前記表面硬度がショアD硬度で70を超えると、コアが硬くなりすぎて、打球感が低下する場合があるからである。
また、コアの表面硬度を中心硬度より大きくすることも好ましい。コアの表面硬度と中心硬度との硬度差(表面硬度−中心硬度)は、ショアD硬度で、4以上とすることが好ましく、より好ましくは7以上である。コアの表面硬度を中心硬度より大きくすることによって、打出角が高くなり、スピン量が低くなって、飛距離が向上する。また、この場合、前記硬度差(表面硬度−中心硬度)は、40以下とすることが好ましく、より好ましくは35以下である。硬度差が大きくなりすぎると、耐久性が低下するおそれがあるからである。
本発明のゴルフボールが、糸巻きゴルフボールの場合、コアとして糸巻きコアを用いれば良い。斯かる場合、糸巻きコアとしては、例えば、上述したコア用ゴム組成物を硬化させてなるセンターとそのセンターの周囲に糸ゴムを延伸状態で巻き付けることによって形成した糸ゴム層とから成るものを使用すればよい。また、前記センター上に巻き付ける糸ゴムは、糸巻きゴルフボールの糸巻き層に従来から使用されているものと同様のものを使用することができ、例えば、天然ゴムまたは天然ゴムと合成ポリイソプレンに硫黄、加硫助剤、加硫促進剤、老化防止剤などを配合したゴム組成物を加硫することによって得られたものを用いてもよい。糸ゴムはセンター上に約10倍に引き伸ばして巻きつけて糸巻きコアを作製する。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)コア硬度(ショアD硬度)
ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて、センターまたはコアの表面部において測定したショアD硬度を、センター表面硬度またはコア表面硬度とした。また、コアを半球状に切断し、切断面の中心において測定したショアD硬度をコア中心硬度とした。
(2)スラブ硬度(ショアD硬度)
中間層用組成物、またはカバー用組成物を用いて、熱プレス成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートを、測定基板などの影響が出ないように、3枚以上重ねた状態で、ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて測定した。
(3)圧縮変形量(mm)
センター、コアまたはゴルフボールに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮方向の変形量(圧縮方向にセンター、コアまたはゴルフボールが縮む量)を測定した。
(4)メルトフローレイト(MFR)(g/10min)
MFRは、フローテスター(島津製作所社製、島津フローテスターCFT−100C)を用いて、JIS K7210に準じて測定した。なお、測定は、測定温度190℃、荷重2.16kgの条件で行った。
(5)塗膜密着性
ツルーテンパー社製スイングロボットにドライバー(1W)を取り付け、ヘッドスピード45m/sでゴルフボールを100回繰返し打撃し、塗膜の剥離程度を観察し、下記基準に基づいて評価した。
○:塗膜に剥離がなかったか、塗膜に1mm未満の剥離が発生した。
×:塗膜に1mm以上の剥離が発生した。
(6)飛距離
ツルーテンパー社製のスイングロボットに、チタンヘッドを備えたドライバー(SRIスポーツ社製、商品名「XXIO」、シャフト硬度:S、ロフト角:10.0°)を取り付け、ヘッドスピード45m/秒でゴルフボールを打撃し、飛距離(発射始点から静止地点までの距離)を測定した。測定は、各ゴルフボールについて10回ずつ行って、その平均値をそのゴルフボールの飛距離とした。
(7)耐久性
ゴルフラボラトリー社製のスイングロボットM/Cに、メタルヘッド製W#1ドライバー(SRIスポーツ社製、商品名「XXIO」 シャフト硬度:S ロフト角:11°)を取り付け、各ゴルフボールをヘッドスピード45m/秒で打撃して、ゴルフボールが壊れるまでの繰返し打撃回数を測定した。耐久性は、ゴルフボールNo.11の打撃回数を100として、各ゴルフボールの打撃回数を指数化した値で示した。指数化された値が大きいほど、ゴルフボールが耐久性に優れていることを示す。
(8)FT−IRの測定
パーキンエルマー社製の赤外分光光度計(AutoIMAGE FT−IR)にて、マクロATR法(ゲルマニウムプリズム、観測径約1mm)により、射出成形前のペレット及び射出成形後のカバーを採取し、測定したチャートから、1600cm−1付近のピーク面積A及び1700cm−1付近のピーク面積Bを求めた。図1は、ゴルフボールNo.1のカバーについて、FT−IRを測定したチャートである(縦軸は吸光度である)。1600cm−1付近のピークAおよび1700cm−1付近のピークBのそれぞれに、図1に示したようにベースラインをひいて面積を算出した。なお、1600cm−1付近のピークAは、カルボキシル基を中和している金属の種類によって若干シフトする場合がある。
[ゴルフボールの作製]
(1)センターの作製
表1に示す配合のセンター用ゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で170℃、20分間加熱プレスすることにより球状のセンターを得た。なお、硫酸バリウムは、得られるゴルフボールの質量が、45.4gとなるように適量加えた。
Figure 2011229671
ポリブタジエンゴム:JSR社製、「BR730(ハイシスポリブタジエン)」
アクリル酸亜鉛:日本蒸溜工業社製、「ZNDA−90S」
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺(登録商標)R」
ジクミルパーオキサイド:日油社製、「パークミル(登録商標)D」
ジフェニルジスルフィド:住友精化社製
硫酸バリウム:堺化学社製、「硫酸バリウムBD」
(2)中間層用組成物、カバー用組成物の調製
表2、表3に示した配合材料を、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状の中間層用組成物、カバー用組成物を調製した。カバー用組成物の押出は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35、シリンダー温度140〜200℃で行った。中間層用組成物の押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で160〜230℃に加熱された。
Figure 2011229671
サーリン8945:デュポン社製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ハイミランAM7329:三井デュポンポリケミカル社製、亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ラバロンT3221C:三菱化学社製の熱可塑性ポリスチレンエラストマー
(3)ゴルフボール本体の作製
上記で得た中間層用組成物を、前述のようにして得た球状コア上に射出成形することにより、前記コアを被覆する中間層(厚み1.0mm)を形成した。続いて、前記中間層上にカバー用組成物を射出成形することによりカバーを形成して、ゴルフボールを作製した。成形用上下金型は、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねている。上記ホールドピンを突き出し、コアを投入後ホールドさせた。カバー用組成物は、射出装置のシリンダー部分で200℃〜260℃に加熱され、15MPaの圧力で型締めした金型に射出され、その後、30秒間冷却して型開きしてゴルフボールを取り出した。得られたゴルフボール本体の表面をサンドブラスト処理して、マーキングを施した後、クリアーペイントを塗布し、40℃のオーブンで塗料を乾燥させ、厚み10μmのペイント層を形成し、直径42.8mm、質量45.4gのゴルフボールを得た。クリアーペイントとしては、以下のものを用いた。
[クリアーペイントの調製]
(1)主剤:ウレタンポリオール
60質量部のPTMG250(BASF社製:ポリオキシテトラメチレングリコール、分子量250)と54質量部の550U(住化バイエルウレタン製:分子量550の分岐ポリオール)とを溶剤120質量部(トルエン及びメチルエチルケトン)に溶解し、これにジブチル錫ジラウリレートを主剤全体に対して0.1質量%となるように添加した。このポリオールを80℃に保持しながら、66質量部のイソホロンジイソシアネートを滴下して、ウレタンポリオール(固形分60質量%、水酸基価75mgKOH/g、重量平均分子量7808)を調製した。
(2)硬化剤:イソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン)
(3)配合比:硬化剤のNCO/主剤のOH=1.2(mol比)
Figure 2011229671
ハイミランAM7329:三井デュポンポリケミカル社製、亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂(酸成分含有率15質量%以上、メルトフローレイト(190℃×2.16kg):5g/10min、曲げ剛性率:221MPa)
サーリン9150:デュポン社製、亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂(酸成分含有率15質量%以上、メルトフローレイト(190℃×2.16kg):4.5g/10min、曲げ剛性率:270MPa)
サーリン9120:デュポン社製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂(酸成分含有率15質量%以上、メルトフローレイト(190℃×2.16kg):1.3g/10min、曲げ剛性率:440MPa)
サーリン8945:デュポン社製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂(酸成分含有率15質量%以上、メルトフローレイト(190℃×2.16kg):4.5g/10min、曲げ剛性率:272MPa)
ハイミラン1557:三井・デュポンポリケミカル社製、亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂(酸成分含有率15質量%未満、メルトフローレイト:5.5g/10min、ショアD硬度:59、曲げ剛性率:215MPa)
ニュクレル1050H:三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン・メタクリル酸共重合体(メルトフローレイト(190℃×2.16kg):500g/10min、曲げ剛性率:79MPa)
ニュクレル2050H:三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン・メタクリル酸共重合体(メルトフローレイト(190℃×2.16kg):500g/10min、曲げ剛性率82MPa)
ニュクレルN1560:三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン・メタクリル酸共重合体(メルトフローレイト(190℃×2.16kg):60g/10min、ショアD硬度:53、曲げ剛性率83:MPa)
PRIMACOR5980I:ダウケミカル社製エチレン・アクリル酸共重合体(メルトフローレイト(190℃×2.16kg):300g/10min、曲げ剛性率:80MPa)
酸化亜鉛:米山薬品工業社製(無表面処理)
水酸化亜鉛:米山薬品工業社製
炭酸亜鉛:米山薬品工業社製
(A)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂と、(B)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体と、(C)亜鉛化合物とを含有し、(A)成分と(B)成分との含有比率が、質量比で(A)/(B)=50/50〜80/20であり、(C)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1質量部〜20質量部であり、メルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が15g/10min以上であるゴルフボール用樹脂組成物は、流動性に優れ、薄いカバーを成形することができた。また、P2/P1がいずれも1.5以上であることから、(C)亜鉛化合物による中和が行われていることが確認できる。これらのゴルフボール用樹脂組成物を用いたゴルフボールNo.1〜No.10、14は、高硬度のカバーを有するにも拘わらず、耐久性および飛距離に優れていた。
ゴルフボールNo.12は、流動性を向上させるために脂肪酸金属塩を使用した場合であるが、脂肪酸金属塩がゴルフボール本体表面へブリードアウトしたために、塗膜の密着性が低下した。ゴルフボールNo.13は、流動性が低下しすぎたために成形できなかった。ゴルフボールNo.15は、(C)亜鉛化合物を含有しない場合であり、耐久性が低下した。ゴルフボールNo.16は、メルトフローレイトが13g/10minと低いために、射出成形温度を300℃に高める必要があった。そのため、カバー用組成物を構成する樹脂成分が熱分解し、耐久性が低下したものと考えられる。ゴルフボールNo.17は、(A)成分の含有比率が高すぎるために、成形することができなかった。ゴルフボールNo.18は、(A)成分の含有比率が低すぎるために、飛距離および耐久性が低下した。
本発明は、アイオノマーカバーを有するゴルフボールに好適である。

Claims (10)

  1. (A)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物からなるアイオノマー樹脂と、
    (B)オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体と、
    (C)亜鉛化合物とを含有し、
    (A)成分と(B)成分との含有比率が、質量比で(A)/(B)=50/50〜80/20であり、(C)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1質量部〜20質量部であり、メルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が15g/10min以上であることを特徴とするゴルフボール用樹脂組成物。
  2. 前記(A)アイオノマー樹脂のα,β−不飽和カルボン酸成分の含有率は、15質量%以上である請求項1に記載のゴルフボール用樹脂組成物。
  3. 前記(A)アイオノマー樹脂は、Znで中和されている請求項1または2に記載のゴルフボール用樹脂組成物。
  4. 前記(B)二元共重合体のメルトフローレイト(190℃、2.16kg荷重)が100g/10min以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフボール用樹脂組成物。
  5. 前記(C)亜鉛化合物は、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、または、炭酸亜鉛である請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴルフボール用樹脂組成物。
  6. スラブ硬度が、ショアD硬度で55〜70である請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴルフボール用樹脂組成物。
  7. 射出成形前にFT−IRで測定した1600cm−1付近のピーク面積をA1、1700cm−1付近のピーク面積をB1とし、射出成形後にFT−IRで測定したときの1600cm−1付近のピーク面積をA2、1700cm−1付近のピーク面積をB2としたときに、A1、A2、B1およびB2が、下記式を満足するものである請求項1〜6のいずれか一項に記載のゴルフボール用樹脂組成物。
    P1=A1/(A1+B1)
    P2=A2/(A2+B2)
    0.2≦P1≦1.0
    0.3≦P2≦1.0
    1.5≦P2/P1≦2.5
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のゴルフボール用樹脂組成物を射出成形してなる構成部材を有するゴルフボール。
  9. 前記構成部材は、カバーである請求項8に記載のゴルフボール。
  10. 前記カバーの厚みは、0.5mm〜1.5mmである請求項9に記載のゴルフボール。
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