JP4987489B2 - 包材供給装置 - Google Patents
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Description
一方、上述した包材繰出し装置は包材供給装置と組み合わせて使用され、この包材供給装置は包材繰出し装置に向けて包材を供給する。より詳しくは、包材供給装置は包材が巻回された包材リールと、この包材リールを回転させ、包材リールから包材を供給させるリールモータとを備え、図11に示されるようにリールモータは包材繰出し装置の間欠作動に拘わらず連続駆動され、包装機の1包装サイクル、つまり、包材繰出し装置の1繰出しサイクルに要求される包材長さだけ、1繰出しサイクルの全域を使用して包材リールから充填チューブに向けて包材を一定速度で供給させている。ここで、1繰出しサイクルは繰出し期間と繰出し停止期間とからなる。
より詳しくは、図11から明らかなように、包材の繰出しが開始される時点にて、ダンサローラは下限位置に位置付けられ、一方、包材の繰出し作動が停止されたとき、ダンサローラは上限位置に位置付けられ、このようなダンサローラの上下動の範囲は、包材の繰出し速度及び包材の供給速度に関して、これら速度差が大きくなればなる程、また、製造すべき袋の長さが長くなればなる程、大きくなり、包材供給装置の大形化を招く。
ここで、特許文献1の搬送制御は、後段の加工装置からのタイミング信号の出力を受けた時点(位相時点)で、被加工素材供給側のモータ(リールモータに相当)の回転速度を加速又は減速させて、被加工素材における半円状ループの底部位置(ダンサローラの位置に相当)を所定の上下動範囲内に収めるようにしている。
また、特許文献1の搬送制御に従えば、リールモータの回転速度は一定時間だけ加速又は減速されるため、ここでの加速又は減速に基づく包材の供給制御量は包材リールの径によって変化してしまい、ダンサローラの位置を所望の上下動範囲内に収めることは実際上不可能となる。
具体的には、フィードバック制御は、ダンサローラの目標位置と現在位置との間の差に基づく比例動作及びダンサローラの上下動速度に基づく微分動作を含み(請求項2)、そして、好ましくは、制御手段は、ダンサローラが上昇から下降に移行したことを示すダンサローラの検出上限位置と設定上限位置と間の差に基づき、前記比例動作及び前記微分動作のゲインをそれぞれ自動的に調整し(請求項3)。この場合のゲイン調整は、包材リールの径の減少に伴う包材リール1回転あたりの包材の供給長さの変化や包材繰出し装置の速度変化にフィードバック制御を対応させる。
一方、制御手段は、ダンサローラの上下動速度の平均値に基づいて微分動作を行うことが望ましい(請求項5)。この場合、検出手段により検出したダンサローラの現在位置の変化、即ち、上下動速度が制御手段にてデジタル処理されるとしても、ダンサローラの上下動速度の平均値はダンサローラの実際の上下動速度に近似し、リールモータの回転速度に対するフィードバック制御はきめ細かく実施される。
請求項3,4の包材供給装置は、ダンサローラの検出上限位置を所定の上下動範囲の上限に迅速且つ高精度に収束させることができ、そして、請求項5の包材供給装置はダンサローラの実際の上下動速度に則してリールモータの回転速度制御、即ち、ダンサローラの現在位置制御をきめ細かく実施することができる。
包装機は鉛直方向に延びる充填チューブ10を備え、この充填チューブ10はその上部にフォーマ12が取り付けられている。このフォーマ12には後述する包材供給装置14からヒートシール可能なフィルム等の連続した包材Wが供給され、この包材Wはフォーマ12を通過する際、充填チューブ10を囲む円筒状に成形され、その両側縁が所定の形態で互いに重ね合わされる。
包材フィーダ16は間欠的に駆動され、円筒状の包材Wを各サクションベルト18に吸着しながら充填チューブ10に沿って下方に繰出す。ここでの繰出し長さは製造すべき袋Pの長さに相当する。
前述した包材供給装置14は包材Wが巻回された包材リールRを備えており、この包材リールRからは充填チューブ10のフォーマ12を経て包材フィーダ16に至る包材供給経路26が延びている。
ここで、リールモータ28は連続して駆動されるのに対し、包材フィーダ16は間欠的に作動することから、包材供給経路26にはダンサローラ30が配置されており、このダンサローラ30は上下動自在に支持されている。包材フィーダ16の作動が停止しているとき、ダンサローラ30が下降することで、包材リールRから供給される包材Wの余剰分が吸収して蓄えられ、一方、包材フィーダ16の作動中、ダンサローラ30は上昇し、蓄えられた包材Wが包材フィーダ16に向けて供給される。
ここで、ダンサローラ30の上下動の拡大に起因した前述の不具合を解消するため、本実施例の包材供給装置14は、ダンサローラ30の上下動を所望の範囲に収めるべく、ダンサローラ30の現在位置の変化に基づいてリールモータ28の回転速度をフィードバック制御する。
具体的には、リニアポテンショメータ32は、半固定抵抗器であって、ダンサローラ30に連動して上下動すべくダンサローラ30に接続された可動電極32bを有し、この可動電極32bの出力電圧がダンサローラ30の高さ位置、即ち、現在位置を示すように構成されている。なお、図2に示されているようにダンサローラ30は運転開始位置と上限位置との範囲内にて上下動可能となっている。
図3は、コントローラ34にて実施されるフィードバック制御の制御ブロックを具体的に示す。
一方、乗算部44は差Xに基づいてダンサローラ30の上下動速度を演算し、この上下動速度を乗算部48に供給する。この乗算部48では上下動速度に微分ゲインKdを乗算し、この乗算結果である制御量Cdを前記加算部46に供給する。
一方、前述した比例ゲインKp及び微分ゲインKdは、ダンサローラ30における上下動の範囲を所定範囲に収めるべく自動的に調整され、この自動調整はコントローラ34の包材供給制御ルーチン内にて実施される。
包材供給制御ルーチンは図5〜図8に示されており、これら図5〜図8を参照しながら包材供給制御ルーチンについて、以下に説明する。
先ず、コントローラ34はメモリ、比例ゲインKp及び微分ゲインKdを含む設定値及びフラグ等の初期化処理を実施する(ステップS0)。具体的には、ステップS0では、オートチューニングモード、オートチューニング完了信号及びステージの各フラグが初期化され、ここではオートチューニングモードはオフ(OFF)、オートチューニング完了信号はオン(ON)、そして、ステージは1に設定される。
条件1:現在速度×前回速度≦0
条件2:現在位置<前回位置
ここでの現在速度及び前回速度はダンサローラ30の上下動の速度を示す。
条件3:現在位置>設定上限位置+許容範囲
条件4:現在位置<設定上限位置−許容範囲
ここで、設定上限位置は前述した目標位置から上方の所定高さに規定され、許容範囲は設定上限位置に対して許容される許容誤差を示す。
ここで、オートチューニングモードは一旦オンに切り換えられた後、再びにオフに切り換えられない限りオンの状態に維持される。それ故、ステップS5からステップS6が実施される場合は勿論のこと、ステップS3,S4からステップS6が実施される場合でも、オートチューニングモードが既にオンに切り換えられていれば、ステップS6の判別結果は偽となり、図6のフローが実施される。
そして、演算された制御量Cpdに基づく回転速度指令値がリールモータ28に供給され(ステップS8)、このリールモータ28の回転速度が制御される。それ故、この時点からリールモータ28が回転されることで、包材リールRから包材フィーダ16に向けて包材Wが供給され、ダンサローラ30の現在位置は目標位置となるように制御される。
ここで、範囲αは前述した許容範囲よりも小さな値である。
ステップS12の判別結果が真の場合、比例ゲインKpに増分値Iαpが加算される一方、微分ゲインKdに増分値Iαdが加算され、そして、カウンタが0にリセットされる(ステップS13)。
条件6:現在位置<設定上限位置−範囲α
ステップS14の判別結果が真の場合、比例ゲインKpに増分値Iαpが減算される一方、微分ゲインKdに増分値Iαdが減算され、そして、カウンタが0にリセットされる(ステップS15)。
前述のステップS5が実施され、図6のフローが最初に実施されるときには、ステップS17の判別結果は偽となるから、この後、オートチューニング完了信号にオンがセットされているか否かが判別される(ステップS18)。ここで、オートチューニング完了信号には前述のステップS9にてオフがセットされているから、ここでのステップS18の判別結果が偽となり、図5のステップS7以降のステップが繰り返して実施される。
図6のステップS13又はS15が実施された後、図6のフローから図5のフローに復帰すれば、ステップS13又はS15にて変更された比例ゲインKp及び微分ゲインKdに基づいて制御量Cpdが演算され(ステップS7)、そして、ここでの制御量Cpdによってリールモータ28の回転速度が制御され(ステップS8)。
即ち、ここで、ステップS21の判別結果が真となり、このステップS21以降の図7中2点鎖線で囲まれたステップS22〜S29が実施された後、図6のステップS18が実施される。ここで、ステップS22〜S29は図6中の2点鎖線で囲んだステップS11〜S17,S20にそれぞれ対応するが、ここでは、範囲αが範囲βに変更されているとともに、増分値Iαp,IαdがIβp,Iβdに変更され、そして、ステップS20に対応するステップS29にて、ステージに3に設定される点で異なる
範囲βは範囲αよりも小さな値であり、増分値Iβp,IβdはIαp,Iαdよりもそれぞれ小さい値をとる。
この後にあっても、図5のステップS6の判別結果は偽に維持されているので、図6,図7のフローが実施される。ここではステージに3が設定されているので、図6のステップS10、図7のステップS21の判別結果が偽となり、図8のフローが実施される。図8のフローでは、先ず、ステージが3であるか否か(ステップS30)の判別が実施されるが、ここでの判別結果は真となる。
範囲γは範囲βよりも小さい値であり、増分値Iγp,IγdはIβp,Iβdよりもそれぞれ小さい値をとる。
ここで、オートチューニング完了信号にオンが設定されると、図6のフロー中、ステップS18の判別結果が真となるので、次のステップS19にて、オートチューニングモードはオフに設定される。それ故、この後にあっては、図5のフローにおいて、比例ゲインKp及び微分ゲインKdの変更を伴うことなく、制御量演算ステップ(ステップS7)が実施され、リールモータ28の回転速度制御(ステップS8)が継続される。
また、本発明の包材供給装置14は、包装機の包材フィーダ16側からタイミング信号を受けることなく独立して作動することから、包材供給装置14と包装機側とを電気的に接続する配線や、包装機に応じた制御プログラム等も不要となり、汎用性に優れた包材供給装置14の提供が可能となる。
例えば、比例ゲインKp及び微分ゲインKdの自動調整は図6〜図8に示した3段階に限らず、2段階又は4段階以上にて自動調整するようにしてよいし、比例ゲインKp及び微分ゲインKdの具体的な調整は適宜変更して実施可能である。
また、ダンサローラ30の現在位置はリニアポテンショメータに限らず、他の検出器にて検出するようにしてもよい。
28 リールモータ
30 ダンサローラ
32 リニアポテンショメータ(検出手段)
34 コントローラ(制御手段)
R 包材リール
Claims (5)
- 間欠的に作動する包材繰出し装置に向けて連続した包材を供給可能な包材リールと、
前記包材繰出し装置の間欠作動中、前記包材リールを回転させることで前記包材リールから前記包材を供給させるリールモータと、
前記包材リールから前記包材繰出し装置に延びる包材供給経路に設けられ、前記包材繰出し装置の間欠作動中には前記包材繰出し装置での包材繰出し長さと前記包材リールからの前記包材の供給長さとの差に基づいて上下動するダンサローラと、
前記ダンサローラの上下方向の現在位置を検出する検出手段であって、前記ダンサローラに接続され且つ前記ダンサローラとともに上下動する可動子を含み、この可動子の高さ位置を前記現在位置として常時出力する検出手段と、
前記検出手段により検出した前記ダンサローラの現在位置及び前記ダンサローラの上下動速度に基づき、前記ダンサローラの下限位置を目標位置とし、前記目標位置から上方の所定高さに規定された設定上限位置までの範囲内に前記ダンサローラの上下動を収めるべく前記リールモータの回転速度をフィードバック制御する制御手段と
を具備したことを特徴とする包材供給装置。 - 前記フィードバック制御は、前記ダンサローラの前記目標位置と現在位置との間の差に基づく比例動作及び前記上下動速度に基づく微分動作を含むことを特徴とする請求項1に記載の包材供給装置。
- 前記制御手段は、前記ダンサローラが上昇から下降に移行したことを示す前記ダンサローラの検出上限位置と前記設定上限位置との間の差に基づき、前記比例動作及び前記微分動作のゲインをそれぞれ自動的に調整することを特徴する請求項2に記載の包材供給装置。
- 前記制御手段は前記ゲイン調整を多段階に行い、段階を経る毎にゲインの調整量が減少されることを特徴とする請求項3に記載の包材供給装置。
- 前記制御手段は、前記上下動速度の平均値に基づき前記微分動作を行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の包材供給装置。
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