JP4987284B2 - 液中用カンチレバーホルダ及び走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

液中用カンチレバーホルダ及び走査型プローブ顕微鏡 Download PDF

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Description

本発明は、液中で使用するカンチレバーを固定する液中用カンチレバーホルダ、該液中用カンチレバーホルダを有する走査型プローブ顕微鏡に関するものである。
周知のように、金属、半導体、セラミック、樹脂、高分子、生体材料、絶縁物等の試料を微小領域にて測定し、試料の粘弾性等の物性情報や試料の表面形状の測定や観察等を行う装置として、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)が知られている。この走査型プローブ顕微鏡は、測定察対象物である試料に応じて様々なモードの測定方法を選択することが可能であり、その1つとして培養液等の液中内で試料を観察する液中測定モードがある。
また、この液中測定は、各種の方法が知られているが、一般的にはカンチレバー及び試料を共に液中内に完全に浸した状態で測定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この方法で測定を行う走査型プローブ顕微鏡は、例えば、図14に示すように、溶液Wを保持すると共に該溶液W内に沈められた試料Sを載置する溶液セル50と、溶液W内に完全に浸された状態で試料Sに対向配置されたカンチレバー51と、該カンチレバー51を着脱自在に固定するカンチレバーホルダ52とを備えている。
なお、カンチレバーホルダ52は、試料Sに対してカンチレバー51を所定の取付角度に傾ける斜面ブロック53と、該斜面ブロック53を介してカンチレバー51を所定の周波数及び振幅で振動させる加振源54と、該加振源54及び斜面ブロック53を固定するホルダ本体55とを備えている。
そして、この走査型プローブ顕微鏡により液中測定を行う場合には、加振源54によりカンチレバー51を振動させた状態で、カンチレバー51先端の探針51aを試料Sに近接又は接触させたり、試料S上を走査したりすることで、試料Sの各種物性情報や表面形状等の測定を液中内で行うことができる。
ところが、図14に示す走査型プローブ顕微鏡は、以下の不都合があった。
即ち、溶液Wが満たされた溶液セル50の底面に試料Sが載置されているので、比重の軽い試料Sを用いた場合には、試料Sが溶液W上に浮いてしまう可能性があった。そのため、試料Sの種類が限定されてしまい、使い難いものであった。
また、溶液セル50内を満たすほどの大量の溶液Wが必要であるので、試薬等の高価な溶液Wを利用する場合には、コストがかかってしまい、安易に測定を行うことができなかった。更に、極微量でしか入手し難いタンパク質やDNA等を測定する場合には、大量の溶液Wによって濃度が薄くなってしまい、正確な測定を行うことができなかった。
このように、カンチレバー51及び試料Sを溶液W内に完全に浸した状態で液中観察を行う走査型プローブ顕微鏡では、大量の溶液Wに起因する上記各種の不都合が生じているため、できるだけ少量の溶液W液中測定を行いたいというニーズがあった。
そこで、液中測定の別の方法の1つとして、図15に示すように、カンチレバー支持部60と基板61との間に表面張力を利用して溶液Wを保持し、カンチレバー62の近傍及び試料Sの限られた領域のみを溶液W内に浸した状態で測定を行う走査型プローブ顕微鏡が知られている。
この走査型プローブ顕微鏡によれば、上記特許文献1等に記載されているものと比べて、より少量の溶液Wで液中測定を行うことができるので、上述した不都合を極力回避することができる。
特開2004−156958号公報
しかしながら、図15に示す走査型プローブ顕微鏡においても、以下の課題がまだ残されていた。
即ち、溶液Wを、表面張力を利用して保持しているカンチレバー支持部60及び基板61は、共に平板状であるので、基板Sの表面に直交する方向には溶液Wが移動することはないが、基板Sの表面に平行な方向には溶液Wが移動する恐れがあった。即ち、溶液Wが横に広がってしまう恐れがあった。そのため、溶液Wをカンチレバー62の近傍等、狙った位置に留めておくことが難しく、使い難いものであった。
また、この溶液Wの移動を考慮して、予め溶液Wの量を多くする必要があり、ある程度の量の溶液Wが必要となるものであった。そのため、やはり高価な試薬等を利用した場合にはコストが高くなる等の不都合があった。
また、平板状のカンチレバー支持部60と基板61との間に表面張力を利用して溶液Wを保持しているので、カンチレバー支持部60と基板61との間を離間させた場合には、表面張力が解かれて溶液Wを保持できなくなってしまう。そのため、カンチレバー支持部60と基板61との間を近接状態にする必要があり、必然的に溶液Wの厚みが薄くならざるを得なかった。
ここで、液中測定を行う際に、溶液Wに電気を流して試料の電気化学反応を測定する場合があるが、溶液Wの厚さが薄いと電気抵抗が高くなってしまうので、所望する電位になり難く、電気的反応が不安定になる恐れがあった。そのため、従来の表面張力を利用したものでは、電気化学反応の測定には適さないものであった。
更に、単なる平板状のカンチレバー支持部60と基板61との間に表面張力を利用して溶液Wを保持しているだけであるので、溶液Wを安定に保持することができず、例えば、カンチレバー62をセットするために基板61等を傾けたときに、溶液Wが流れたり垂れたりする可能性があった。そのため、取り扱い難いが難しいものであった。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、カンチレバー先端の探針の周辺のみに安定した状態で微量の溶液を保持すると共に、電気化学反応の測定にも対応可能に溶液を保持した状態で、カンチレバーを固定する液中用カンチレバーホルダ、該液中用カンチレバーホルダを有する走査型プローブ顕微鏡を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の液中用カンチレバーホルダは、先端に探針を有すると共に基端側が本体部に片持ち状態に支持された液中測定用のカンチレバーを固定する液中用カンチレバーホルダであって、前記カンチレバーを試料に対向させた状態で、前記本体部を着脱自在に固定するホルダ本体と、該ホルダ本体に、前記本体部とホルダ本体との取付面よりも前記試料側に突出した状態で前記探針の周囲を囲むように設けられ、少なくとも探針を内部に包む液滴状の溶液を試料との間に保持する溶液保持部とを備え、該溶液保持部が、前記試料表面から一定距離離間した状態で設けられていることを特徴とするものである。
この発明に係る液中用カンチレバーホルダにおいては、ホルダ本体に本体部を固定することで、試料に対向させた状態でカンチレバーを固定することができる。また、この際、ホルダ本体には、取付面よりも試料側に突出した状態で探針の周囲を囲む溶液保持部が設けられているので、該溶液保持部を利用して、少なくとも探針を内部に包む液滴状の溶液を試料との間に保持することができる。即ち、溶液保持部内で表面張力を利用して液滴状の溶液を保持することができる。
特に、従来のものとは異なり、取付面から試料側に突出した溶液保持部で積極的に液滴状の溶液を保持するので、該溶液を不意に移動させることなく、少なくとも探針を内部に包んだ状態で安定的に保持して同一位置に留めておくことができる。よって、無駄に溶液を使用する必要がなく微小量の溶液で済む。従って、高価な試薬等を溶液として利用したとしても、高コスト化を防ぐことができる。
また、溶液は、溶液保持部で安定的に保持されているので、従来のものとは異なり溶液が垂れたり流れたりし難い。そのため、扱いが容易になり、使い易さが向上する。また、貴重なタンパク質やDNA等を測定する場合であっても、溶液が液滴状の微量であるので、濃度が薄まる恐れもない。よって、高精度な測定を行うことができる。
また、液滴状の溶液を保持するので、溶液の厚みを従来のものに比べて厚くすることができる。そのため、溶液の電気抵抗を極力小さくすることができる。よって、電気的反応を安定させることができ、従来困難であった電気化学反応の測定も行うことができる。よって、より多角的に試料を測定することができる。
更に、溶液保持部は、試料表面から一定距離離間した状態、即ち、機械的に非接触状態となっているので、カンチレバーと試料とを相対的に移動させて走査を行ったとしても、溶液保持部が試料表面に接触することはなく、走査に何ら影響を与えることはない。
上述したように、本発明に係る液中用カンチレバーホルダによれば、カンチレバー先端の探針の周辺のみに安定した状態で微量の溶液(液滴状の溶液)を保持すると共に、電気化学反応の測定にも対応可能に溶液を保持した状態でカンチレバーを固定することができる。
また、本発明の液中用カンチレバーホルダは、上記本発明の液中用カンチレバーホルダにおいて、前記ホルダ本体には、前記溶液保持部で囲まれた領域に開口を有すると共に、前記溶液を流動させる流路が形成されていることを特徴とするものである。
この発明に係る液中用カンチレバーホルダにおいては、溶液保持部で囲まれた領域に開口を有する流路がホルダ本体に形成されているので、カンチレバーをセットした後、流路を介して溶液を供給して溶液保持部で液滴状の溶液を保持させたり、測定終了後に液滴状の溶液を吸引したり、測定途中で溶液を補充したりすることができる。
このように、人手を煩わせることなく流路を利用して溶液を容易に取り扱えるので、利便性を向上することができる。特に、測定途中において、蒸発等の影響によって液滴状の溶液の液量が減ったとしても、流路を介して溶液を補うことも可能であるので、支障をきたすことなく確実な測定を行うことができる。
また、本発明の液中用カンチレバーホルダは、上記本発明の液中用カンチレバーホルダにおいて、前記流路が、それぞれ別々に2つ以上形成されていることを特徴とするものである。
この発明に係る液中用カンチレバーホルダにおいては、流路が2つ以上形成されているので、例えば、一方の流路を介して溶液を供給すると共に他方の流路を介して溶液を排出することができる。つまり、液滴状態を維持したまま、溶液を循環させることができる。よって、溶液の蒸発を確実に防ぐことができる。
また、本発明の液中用カンチレバーホルダは、上記本発明のいずれかの液中用カンチレバーホルダにおいて、前記溶液保持部には、前記溶液と接触する領域に、溶液との親和力が強い親水性膜が形成されていることを特徴とするものである。
この発明に係る液中用カンチレバーホルダにおいては、溶液と接触する領域に親水性膜が形成された溶液保持部を利用するので、液滴状の溶液を、表面張力を利用して溶液保持部に保持させる際に、溶液が積極的に溶液保持部に集まり易い。また、集まった溶液は、より安定した状態で溶液保持部に保持される。従って、液滴状の溶液をより確実に溶液保持部内に留めておくことができ、液中測定の信頼性を向上することができる。
また、本発明の液中用カンチレバーホルダは、上記本発明のいずれかの液中用カンチレバーホルダにおいて、前記溶液保持部には、前記溶液と接触する以外の領域に、溶液を弾く疎水性膜が形成されていることを特徴とするものである。
この発明に係る液中用カンチレバーホルダによれば、溶液に対して接触する以外の領域に疎水性膜が形成されている溶液保持部を利用するので、液滴状の溶液を、表面張力を利用して溶液保持部に保持させる際に、溶液保持部の周囲に飛沫や流れ込んだ溶液が疎水性膜に弾かれて、溶液保持部に集まり易い。また、集まった溶液は、周囲に疎水性膜が形成されているので、移動したとしても再度溶液保持部側に戻る。従って、液滴状の溶液をより確実に溶液保持部に留めておくことができ、液中測定の信頼性を向上することができる。
また、本発明の液中用カンチレバーホルダは、上記本発明のいずれかの液中用カンチレバーホルダにおいて、前記ホルダ本体には、前記溶液保持部で囲まれた領域内に、溶液との親和力が強い親水性膜が形成されていることを特徴とするものである。
この発明に係る液中用カンチレバーホルダにおいては、溶液保持部で囲まれた領域内に親水性膜が形成されたホルダ本体を利用するので、液滴状の溶液を、表面張力を利用して溶液保持部に保持させる際に、溶液が積極的に溶液保持部内に集まり易い。また、集まった溶液は、より安定した状態で溶液保持部に保持される。従って、液滴状の溶液をより確実に溶液保持部内で留めておくことができ、液中測定の信頼性を向上することができる。
また、本発明の液中用カンチレバーホルダは、上記本発明のいずれかの液中用カンチレバーホルダにおいて、前記ホルダ本体には、前記溶液保持部で囲まれる領域以外の領域に、溶液を弾く疎水性膜が形成されていることを特徴とするものである。
この発明に係る液中用カンチレバーホルダによれば、溶液保持部により囲まれる領域以外の領域に疎水性膜が形成されているホルダ本体を利用するので、液滴状の溶液を、表面張力を利用して溶液保持部に保持させる際に、周囲に飛沫や流れ込んだ溶液が疎水性膜に弾かれて、溶液保持部に集まり易い。また、集まった溶液は、周囲に疎水性膜が形成されているので、移動したとしても再度溶液保持部側に戻る。従って、液滴状の溶液をより確実に溶液保持部に留めておくことができ、液中測定の信頼性を向上することができる。
また、本発明の液中用カンチレバーホルダは、上記本発明のいずれかの液中用カンチレバーホルダにおいて、前記探針を前記試料表面に垂直な方向に向けて、所定の周波数及び振幅で振動させる加振手段を備えていることを特徴とするものである。
この発明に係る液中用カンチレバーホルダにおいては、加振手段によって探針を所定の周波数及び振幅で振動(共振)させることができるので、液中測定を、探針を振動させた振動モードで行うこともできる。よって、測定のバリエーションが増えて、より多角的な測定を行うことができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、前記探針と前記試料とを、試料表面に平行な方向に相対的に走査させると共に、試料表面に垂直な方向に相対的に移動させる移動手段と、前記カンチレバーの振動状態の変位を測定する測定手段と、該測定手段による測定結果に基づいて、前記走査時に前記探針と前記試料表面との距離を、前記カンチレバーの振動状態が一定となるように前記移動手段を制御すると共に、観測データを採取する制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡においては、まず、試料に応じた液中測定用のカンチレバーを選択し、本体部を介して液中用カンチレバーホルダに固定する。次いで、溶液保持部により試料との間に液滴状の溶液を保持する。これにより、カンチレバーの少なくなくとも探針は、液滴状の溶液に包まれた状態となる。次いで、試料の液中測定を行う。即ち、移動手段により探針と試料とを相対的に移動させて走査を行う。この際、制御手段は、測定手段による測定結果に基づいて、カンチレバーの振動状態、例えば、振動振幅(又は自励発振時の周波数)が一定となるように、カンチレバーと試料間との距離(高さ)を移動手段により調整することで、観測データ、例えば、高さ情報を検出したり、位相の変化を検出して各種の物性情報(磁気力、電位等)を計測したりすることができる。
特に、溶液保持部によって液滴状の溶液を安定的に保持する液中用カンチレバーホルダを有しているので、液量が微小量であっても位置ずれを生じさせることなく確実に走査に追従させた状態で液中測定を行うことができる。よって、測定結果の信頼性を向上することができる。また、溶液保持部は、試料に対して非接触状態であるので、走査に何ら影響を与えない。このことからも、測定結果の信頼性の向上に繋がる。
本発明に係る液中用カンチレバーホルダによれば、カンチレバー先端の探針の周辺のみに安定した状態で微量の溶液(液滴状の溶液)を保持すると共に、電気化学反応の測定にも対応可能に溶液を保持した状態でカンチレバーを固定することができる。
また、本発明に係る走査型プローブ顕微鏡によれば、溶液保持部によって液滴状の溶液を安定的に保持する液中用カンチレバーホルダを有しているので、液量が微小量であっても位置ずれを生じさせることなく走査に確実に追従させて液中測定を行うことができ、測定結果の信頼性を向上することができる。
以下、本発明に係る液中用カンチレバーホルダ及び走査型プローブ顕微鏡の一実施形態について、図1から図3を参照して説明する。なお、本実施形態においては、試料側を3次元方向に移動させる試料スキャン方式を例にして説明する。
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡1は、図1に示すように、液中用カンチレバーホルダ2と、液中測定に使用され、先端に探針3aを有すると共に基端側が本体部3bに片持ち状態に支持され、該本体部3bを介して液中用カンチレバーホルダ2に着脱自在に固定されるカンチレバー3と、探針3aに対向配置された試料Sを載置するステージ4と、探針3aと試料Sとを、試料表面S1に平行なXY方向に相対的に走査させると共に、試料表面S1垂直なZ方向に相対的に移動させる移動手段5と、カンチレバー3の振動状態の変位を測定する測定手段6と、該測定手段6による測定結果に基づいて、走査時に探針3aと試料表面S1とを、カンチレバー3の振動状態が一定となるように移動手段5を制御すると共に、観測データを採取する制御手段7とを備えている。
なお、本実施形態では、カンチレバー3を所定の周波数及び振幅で振動させながら走査を行うと共に、振動振幅が一定となるように移動手段5を制御する場合を例にして説明する。
上記液中用カンチレバーホルダ2は、図2及び図3に示すように、カンチレバー3を試料Sに対向させた状態で、カンチレバー3の本体部3bを着脱自在に固定するホルダ本体10と、該ホルダ本体10に、本体部3bとホルダ本体10との取付面11よりも試料S側に突出した状態で探針3aの周囲を囲むよう設けられ、少なくとも探針3aを内部に包む液滴状の溶液Wを試料Sとの間に保持する溶液保持部12と、探針3aを試料表面S1に垂直なZ方向に向けて、所定の周波数及び振幅で振動させる加振源(加振手段)13とを備えている。
上記ホルダ本体10は、光学的に透明な材料により形成されており、上面視四角状に形成された平板状の土台部10aと、該土台部10aから試料S側に突出した突出部10bとにより一体的成型されている。なお、突出部10bは、取付面11と略同じ高さになるように形成されている。
また、土台部10aの下面には、図1に示す加振電源14から所定の電圧が印加されたときに探針3aを共振若しくは強制振動させるバイモルフ等の上記加振源13が取り付けられている。なお、加振源13の振動用周波数は、例えば、100kHzであり、この振動用周波数で探針3aを振動させるようになっている。
また、この加振源13の下面には、試料表面S1に対してカンチレバー3を所定角度に傾ける斜面ブロック15が固定されている。そして、この斜面ブロック15にカンチレバー3の本体部3bが載置され、図示しないワイヤ等を利用して固定されるようになっている。つまり、斜面ブロック15の下面が上記取付面11となっている。
溶液保持部12は、突出部10bの下面に固定されており、カンチレバー3に対して非接触状態となるように断面C型状に形成されている。これにより、上述したように探針3aの周囲を囲んでいる状態となっている。また、溶液保持部12は、取付面11から試料S側に突出すると共に、最下面が試料表面S1から一定距離H離間するように高さが調整されている。つまり、溶液保持部12は、試料表面S1に対して機械的に非接触状態となっている。
また、ホルダ本体10には、溶液保持部12で囲まれた領域に開口16aを有すると共に、溶液Wを流動させる流路16が形成されている。この流路16は、後述するレーザ光Lの光路を妨げない位置に形成されている。
なお、本実施形態では、流路16内にチューブ17を挿通し、該チューブ17内で溶液Wを流動させる例を示している。但し、チューブ17を用いずに、直接流路16内に溶液Wを流動させても構わない。このチューブ17は、後述する溶液供給部33に接続されており、該溶液供給部33の作動によって溶液保持部12に向けて溶液Wが供給されたり、溶液保持部12から溶液Wが吸引されたりするようになっている。
このように構成された液中用カンチレバーホルダ2は、図1に示すように、図示しない架台により試料Sの上方に固定されている。また、上記ステージ4は、XYスキャナ20上に載置されており、該XYスキャナ20はZスキャナ21上に載置されている。また、このZスキャナ21は、図示しない防振台上に載置されている。
これらXYスキャナ20及びZスキャナ21は、例えば、ピエゾ素子であり、それぞれXY駆動部22及びZ駆動部23から電圧を印加されて、それぞれの方向に微小移動するようになっている。即ち、これらXYスキャナ20、Zスキャナ21、XY駆動部22及びZ駆動部23は、上記移動手段5を構成している。
また、液中用カンチレバーホルダ2の上方には、ミラー25を利用して、カンチレバー3の裏面に形成された図示しない反射面に向けてレーザ光Lを照射する光照射部26と、ミラー27を利用して、反射面で反射されたレーザ光Lを受光する光検出部28とが設けられている。また、光検出部28は、例えば、フォトディテクタであり、レーザ光Lの入射位置からカンチレバー3の振動状態(振幅)を検出する。そして、光検出部28は、検出したカンチレバー3の振動状態の変位をDIF信号としてプリアンプ29に出力している。即ち、これら光照射部26、ミラー25、27及び光検出部28は、上記測定手段6を構成している。
また、光検出部28から出力されたDIF信号は、プリアンプ29によって増幅された後、交流−直流変換回路30に送られて直流変換され、Z電圧フィードバック回路31に送られる。Z電圧フィードバック回路31は、直流変換されたDIF信号が常に一定となるように、Z駆動部23をフィードバック制御する。これにより、移動手段5により走査を行ったときに、探針3aと試料表面S1との距離を、カンチレバー3の振動状態が一定になるように、即ち、振幅が一定となるように制御することができる。
また、このZ電圧フィードバック回路31には、制御部32が接続されており、該制御部32が直流変換されたDIF信号に基づいて試料Sの表面形状を測定したり、位相の変化を検出して各種の物性情報(例えば、磁気力や電位等)を測定したりすることができるようになっている。即ち、これらZ電圧フィードバック回路31、制御部32は、上記制御手段7を構成している。
また、この制御手段7は、上記各構成品を総合的に制御する機能を有している。例えば、制御手段7は、上記チューブ17内に溶液Wを供給、又は、チューブ17から溶液Wを吸引する溶液供給部33の作動も制御している。そして、液中用カンチレバーホルダ2は、溶液供給部33から溶液Wが供給されると、該溶液Wを、表面張力を利用して液滴状の溶液Wとして保持する。これについては、後に詳細に説明する。
このように構成された液中用カンチレバーホルダ2及び走査型プローブ顕微鏡1により、試料Sを液中観察する場合について、以下に説明する。
まず始めに、測定を行うための初期設定を行う。即ち、測定対象物である試料Sに応じて最適な液中観察用のカンチレバー3を選択し、該カンチレバー3を液中用カンチレバーホルダ2に固定する。
次いで、ステージ4上に試料Sを載置すると共に、溶液供給部33からチューブ17内に所定量の溶液Wを供給する。供給された溶液Wは、チューブ17内を流れながらホルダ本体10内を通過し、溶液保持部12内に吐出される。吐出された溶液Wは、突出部10bの下面や、溶液保持部12の内周面や、試料表面S1や、探針3a等に触れて表面張力によって膨らみ、最終的には、図2に示すように、内部に少なくとも探針3aを包んだ液滴状の溶液Wとなって溶液保持部12に保持される。
特に、従来のものとは異なり、取付面11から試料S側に突出した溶液保持部12で積極的に液滴状の溶液Wを保持するので、該溶液Wを不意に移動させることなく、少なくとも探針3aを内部に包んだ状態で安定的に保持して同一位置に留めておくことができる。
なお、溶液供給部33は、突出部10bの下面とカンチレバー3の反射面との間に空気層が介在しないように、溶液保持部12内を満たすように溶液Wを供給する。これにより、光照射部26から照射されたレーザ光Lは、空気層を通ることなく反射面に達するので、過度の屈折を防止でき、光検出部28でレーザ光Lを高精度に検出することができる。
次いで、カンチレバー3の反射面に確実にレーザ光Lが入射するように、また、反射したレーザ光Lが光検出部28に確実に入射するように、光照射部26及び光検出部28の位置や、カンチレバー3の取付状態等を調整する。
なお、照射されたレーザ光Lは、ホルダ本体10及び溶液Wを順に通過した後、カンチレバー3の反射面に入射すると共に、反射面で反射した後、再度溶液W及びホルダ本体10を順に通過して光検出部28に入射する。
その後、加振電源14から加振源13に所定の電圧を印加してカンチレバー3を振動させ、Qカーブの測定を行うと共に動作点(加振周波数の最適値)の設定を行う。これにより、初期設定が終了する。
上述した初期設定が終了した後、試料Sの測定を行う。
即ち、カンチレバー3を加振源13で振動させた後、試料Sの測定表面と探針3aとの距離を、振幅が一定になるように制御した状態で、XY駆動部22よりXYスキャナ20を移動させて、試料Sの走査を行う。この際、試料表面S1の凹凸に応じてカンチレバー3の振幅が増減しようとするので、光検出部28に入射するレーザ光L(反射面で反射したレーザ光)の振幅が異なる。光検出部28は、この振幅に応じたDIF信号をプリアンプ29に出力する。出力されたDIF信号は、プリアンプ29によって増幅されると共に、交流−直流変換回路30によって直流変換された後、Z電圧フィードバック回路31に送られる。
Z電圧フィードバック回路31は、直流変換されたDIF信号が常に一定になるように(つまり、レバーの振幅が一定になるように)、Z駆動部23によりZスキャナ21をZ方向に微小移動させて、フィードバック制御を行う。これにより、試料Sの測定表面と、探針3aとの距離を、振幅が一定になるように制御した状態で走査を行うことができる。また、制御部32は、Z電圧フィードバック回路31により上下させる信号に基づいて、試料Sの表面形状を液中測定することができる。
特に、本実施形態の液中用カンチレバーホルダ2は、上述したように、少なくとも探針3aを内部に包んだ状態で、液滴状の溶液Wを安定的に保持して同一位置に留めておくことができるので、無駄に溶液Wを使用する必要がなく微少量の液量で済む。従って、高価な試薬等を溶液Wとして利用したとしても、高コスト化を防ぐことができる。
また、溶液Wは、溶液保持部12で安定的に保持されているので、従来のものとは異なり溶液が垂れたり流れたりし難い。そのため、扱いが容易になり、使い易さが向上する。また、貴重なタンパク質やDNA等を測定する場合であっても、溶液Wが微少量であるので濃度が薄まる恐れもない。よって、高精度な測定を行うことができる。
また、液滴状の溶液Wを保持するので、溶液Wの厚みを従来のものに比べて厚くすることができる。そのため、溶液Wの電気抵抗を極力小さくすることができる。よって、電気的反応を安定させることができ、従来困難であった電気化学反応の測定も行うことが可能である。従って、より多角的に試料Sを測定することができる。
更に、溶液保持部12は、試料表面S1から一定距離H離間した状態に配されて、機械的に非接触状態となっているので、走査を行っている際に溶液保持部12が試料表面S1に接触することはなく、走査に何ら影響を与えることはない。
このように本実施形態の液中用カンチレバーホルダ2によれば、カンチレバー3先端の探針3aの周囲のみに、安定した状態で微少量の溶液W(液滴状の溶液W)を保持すると共に、電気化化学反応の測定にも対応可能に溶液Wを保持した状態でカンチレバー3を固定することができる。
また、溶液保持部12で囲まれた領域に開口16aを有する流路16がホルダ本体10に形成されているので、カンチレバー3をセットした後、溶液供給部33から流路16を介して溶液Wを供給して溶液保持部12で液滴状の溶液Wを保持させたり、測定終了後に液滴状の溶液Wを吸引したり、測定途中で溶液Wを補充したりすることができる。
このように流路16を利用して、人手を煩わせることなく溶液Wを容易に取り扱えるので、利便性を向上することができる。特に、測定途中において蒸発等の影響によって液滴状の溶液Wの液量が減ったとしても、流路16を介して溶液Wを容易に補うことも可能であるので、支障をきたすことなく確実な測定を行うことができる。
また、本実施形態の走査型プローブ顕微鏡1によれば、溶液保持部12によって液滴状の溶液Wを安定的に保持する液中用カンチレバーホルダ2を有しているので、液量が微少量であっても位置ずれを生じさせることなく、確実に走査に追従させた状態で液中測定を行うことができる。よって、測定結果の信頼性を向上することができる。また、上述したように、溶液保持部12は走査に対して何ら影響を与えないので、このことからも測定結果の信頼性を向上することができる。
また、溶液保持部12によって液滴状の溶液Wを探針3aの周辺のみに安定的に保持しているので、カンチレバー3を振動させる加振源13が溶液Wに触れることはない。従って、劣化を防止でき、信頼性や耐久性を向上することができる。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、溶液保持部12を断面C型状に形成したが、この形状に限定されるものではなく、取付面11よりも試料S側に突出した状態で探針3aの周囲を囲むように形成すれば構わない。
例えば、図4及び図5に示すように、探針3aを挟んで断面円弧状の2つの突起30を対向配置させて溶液保持部31を形成しても構わない。
更には、図6及び図7に示すように、探針3aの周囲に該探針3aを囲むように複数の円柱状の突起35を配して溶液保持部36を形成しても構わない。
いずれの場合においても、上記実施形態と同様に表面張力を利用して液滴状の溶液Wを安定的に保持することができる。
また、上記実施形態において、図8に示すように、溶液保持部12の内周面、即ち、溶液Wと接触する領域に、溶液Wとの親和力が強い親水性膜40を形成しても構わない。こうすることで、溶液Wを保持する際に、溶液Wが積極的に溶液保持部12に集まり易い。また、集まった溶液Wは、より安定した状態で溶液保持部12に保持される。従って、液滴状の溶液Wをより確実に溶液保持部12内に留めておくことができ、液中測定の信頼性を向上することができる。
更に、上記実施形態において、図9に示すように、溶液保持部12の外周面、即ち、溶液Wに対して接触する以外の領域に、疎水性膜41を形成しても構わない。こうすることで、溶液Wを保持する際に、溶液保持部12の外周面に飛沫や、流れ込んだ溶液Wが疎水性膜41に弾かれて溶液保持部12の内周面側に集まり易い。また、集まった溶液Wは、周囲に疎水性膜41が形成されているので、移動したとしても再度内周面側に戻る。従って、液滴状の溶液Wをより確実に溶液保持部12の内周面側に留めておくことができ、液中測定の信頼性を向上することができる。
特に、この疎水性膜41と、上述した図8に示す親水性膜40とを同時に形成することで、より顕著に効果を高めることができる。
また、上記実施形態において、図10に示すように、ホルダ本体10の突出部10bの下面側、即ち、溶液保持部12で囲まれる領域内に、溶液Wとの親和力が強い親水性膜40を形成しても構わない。こうすることで、溶液Wを保持する際に、溶液Wが積極的に溶液保持部12に集まり易い。また、集まった溶液Wは、より安定した状態で溶液保持部12に保持される。従って、液滴状の溶液Wをより確実に溶液保持部12内に留めておくことができ、液中測定の信頼性を向上することができる。
更に、上記実施形態において、図11に示すように、突出部10bの下面を除くホルダ本体10の外面(突出部10bの側面や土台部10aの下面等)、即ち、溶液保持部12で囲まれる領域以外の領域に疎水性膜41を形成しても構わない。こうすることで、溶液Wを保持する際に、溶液保持部12の外周面に飛沫や、流れ込んだ溶液Wが疎水性膜41に弾かれて溶液保持部12の内周面側に集まり易い。また、集まった溶液Wは、周囲に疎水性膜41が形成されているので、移動したとしても再度内周面側に戻る。従って、液滴状の溶液Wをより確実に溶液保持部12の内周面側に留めておくことができ、液中測定の信頼性を向上することができる。
特に、この疎水性膜41と、上述した図10に示す親水性膜40とを同時に形成することで、より顕著に効果を高めることができる。更には、この場合に加え、図8及び図9に示すように、溶液保持部12の内周面及び外周面にそれぞれ親水性膜40、疎水性膜41を形成することで、さらにその効果を高めることができる。
また、上記実施形態では、流路16内にチューブ17を挿通させ、該チューブ17内に溶液Wを流動させたが、チューブ17を使用せずに直接流路16内に溶液Wを流動させても構わない。
また、図12に示すように、流路16をそれぞれ別々に2つ形成しても構わない。こうすることで、一方の流路16を介して溶液Wを供給すると共に、他方の流路16を介して溶液Wを排出することができる。つまり、液滴状態を維持したまま、溶液Wを循環させることができる。よって、測定途中での溶液Wの蒸発を確実に防ぐことができる。また、培養液を溶液Wとして利用したとしても、常に清浄な培養液を試料Sに供給しながら液中測定を行うことができる。
なお、流路16の数は、2つに限られず、2つ以上形成しても構わない。
また、上記実施形態では、走査時において、カンチレバーの振動振幅が一定になるように、探針と試料との距離を制御したが、振動振幅に限られず、カンチレバーの振動状態が一定になるように制御すれば構わない。例えば、カンチレバーの周波数が一定になるように制御しても構わないし、カンチレバーの角度が一定になるように制御しても構わない。
また、上記実施形態では、試料側を3次元方向に移動させる試料スキャン方式を例にして説明したが、この方式に限られず、カンチレバー側を3次元方向に移動させるカンチレバースキャン方式にしても構わない。
例えば、図13に示すように、走査型プローブ顕微鏡45は、液中用カンチレバーホルダ2が図示しない架台を介してXYスキャナ20の下面に固定されている。また、このXYスキャナ20は、Zスキャナ21の下面に固定されている。一方、試料Sは、固定されたステージ4上に載置されている。これにより、XY駆動部22及びZ駆動部23によって、XYスキャナ20及びZスキャナ21を作動させることで、探針3aと試料Sとを、3次元方向に対して相対的に移動させることができるようになっている。
更に、XYスキャナ20の下面には、光照射部26及び光検出部28が液中用カンチレバーホルダ2と共に固定されている。これにより、レーザ光Lを常にカンチレバー3の反射面に入射させることができるようになっている。
このように構成された走査型プローブ顕微鏡45においても、スキャン方式が異なるだけで、第1実施形態の走査型プローブ顕微鏡1と同一の作用効果を奏することができる。
なお、試料S側及びカンチレバー3側を共に、3次元方向に移動できるように構成しても構わない。
また、上記実施形態では、光てこ方式によりカンチレバーの変位検出を行った例を示したが、光てこ方式に限定されるものではない。例えば、カンチレバー自身に変位検出機能(例えば、ピエゾ抵抗素子等)を設けた自己検知方式を採用しても構わない。また、この場合にはレーザ光の屈折の問題がないので、溶液保持部で溶液を保持するときに探針と突出部の間に空気層が介在していても変位検出には何ら影響しない。そのため、溶液の量を若干抑えることができる。
また、上記実施形態では、加振手段によりカンチレバーを振動させた状態で液中測定を行った例を示したが、この場合に限られず、加振手段を設けずに、探針と試料表面とを微小な力で接触させ、カンチレバーの撓み量が一定になるように測定を行うAFM(原子間力顕微鏡)においても同様の作用効果を奏することができる。
なお、この場合には、加振源をなくし、斜面ブロックを直接ホルダ本体の下面に取り付けて液中用カンチレバーを構成すれば構わない。
本発明の一実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡の構成図である。 図1に示す走査型プローブ顕微鏡の構成品で本発明に係る液中用カンチレバーホルダを示す断面図である。 図2に示す断面矢視A−A図である。 図2に示す液中用カンチレバーホルダの変形例であって、探針を挟んで対向配置された円弧状の2つの突起により溶液保持部が構成された液中用カンチレバーの側面図である。 図4に示す断面矢視B−B図である。 図2に示す液中用カンチレバーホルダの変形例であって、探針を囲むように配置された複数の円柱状の突起により溶液保持部が構成された液中用カンチレバーの側面図である。 図4に示す断面矢視C−C図である。 図2に示す液中用カンチレバーホルダの変形例であって、内周面に親水性膜が形成された溶液保持部の断面図である。 図2に示す液中用カンチレバーホルダの変形例であって、外周面に疎水性膜が形成された溶液保持部の断面図である。 図2に示す液中用カンチレバーホルダの変形例であって、突出部の下面に親水性膜が形成された液中用カンチレバーホルダの断面図である。 図2に示す液中用カンチレバーホルダの変形例であって、突出部の側面及び土台部の下面に疎水性膜が形成された液中用カンチレバーホルダの断面図である。 図2に示す液中用カンチレバーホルダの変形例であって、ホルダ本体に流路が2つ形成された液中用カンチレバーホルダの断面図である。 図1に示す走査型プローブ顕微鏡の変形例を示す図であって、カンチレバー側を3次元方向に移動させるカンチレバースキャン式の走査型プローブ顕微鏡を示す図である。 従来の液中用カンチレバーホルダの一例を示した図である。 従来の液中用カンチレバーホルダの他の一例を示した図である。
符号の説明
H 一定距離
S 試料
S1 試料表面
W 溶液
1、45 走査型プローブ顕微鏡
2 液中用カンチレバーホルダ
3 カンチレバー
3a 探針
3b 本体部
4 ステージ
5 移動手段
6 測定手段
7 制御手段
10 ホルダ本体
11 取付面
12、31、36 溶液保持部
14 加振源(加振手段)
16 流路
40 親水性膜
41 疎水性膜

Claims (8)

  1. 先端に探針を有すると共に基端側が本体部に片持ち状態に支持された液中測定用のカンチレバーを固定する液中用カンチレバーホルダであって、
    前記カンチレバーを試料に対向させた状態で、前記本体部を着脱自在に固定するホルダ本体と、
    該ホルダ本体は、前記本体部とホルダ本体との取付面よりも前記試料側に突出した状態で、少なくとも探針を内部に包む液滴状の溶液を試料との間に保持する溶液保持部と、当該溶液保持部で囲まれた領域に開口および前記溶液を流動させる流路とを備え、
    該溶液保持部は、前記試料表面上に、その内部において前記溶液が表面張力により液滴状態を保持ることを特徴とする液中用カンチレバーホルダ。
  2. 請求項1に記載の液中用カンチレバーホルダにおいて、前記流路が、それぞれ別々に2つ以上形成されていることを特徴とする液中用カンチレバーホルダ。
  3. 請求項1または2に記載の液中用カンチレバーホルダにおいて、
    前記溶液保持部には、前記溶液と接触する領域に、溶液との親和力が強い親水性膜が形成されていることを特徴とする液中用カンチレバーホルダ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の液中用カンチレバーホルダにおいて、
    前記溶液保持部には、前記溶液と接触する以外の領域に、溶液を弾く疎水性膜が形成されていることを特徴とする液中用カンチレバーホルダ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の液中用カンチレバーホルダにおいて、
    前記ホルダ本体には、前記溶液保持部で囲まれた領域内に、溶液との親和力が強い親水性膜が形成されていることを特徴とする液中用カンチレバーホルダ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の液中用カンチレバーホルダにおいて、
    前記ホルダ本体には、前記溶液保持部で囲まれる領域以外の領域に、溶液を弾く疎水性膜が形成されていることを特徴とする液中用カンチレバーホルダ。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の液中用カンチレバーホルダにおいて、
    前記探針を前記試料表面に垂直な方向に向けて、所定の周波数及び振幅で振動させる加振手段を備えていることを特徴とする液中用カンチレバーホルダ。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の液中用カンチレバーホルダを備えていることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
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