しかしながら、配線基板は、側面に電極パッドが形成された上層及び下層を中間層に積層することにより形成するため、中間層と上層と下層とのそれぞれに積層ずれを発生することがある。中間層が上層および下層の側面よりも大きく突出して積層ずれが発生すると、中間層の側面に搭載される電子部品と、上層と下層とに形成された電極パッドとの距離が大きく離れて、電子部品は電極パッドから大きく浮いた状態となり、導電性接着剤により接合される電子部品と電極パッドとの接合強度にばらつきが発生し、電極パッドと電子部品とを強固に接合させることができないという問題点を有していた。
また、配線基板の上層と下層とに積層ずれが発生すると、配線基板の側面に対する一対の電極パッドと電子部品の一対の電極との位置が上下でずれてしまうので、電子部品と電極パッドとの距離がばらつき、導電性接着剤により接合される電子部品と電極パッドとの接合強度がばらつくことや、電子部品が配線基板の側面に傾いて搭載されてしまい、電極パッドと電子部品とを強固に接合できないことがあった。
本発明は、上記問題点に鑑み案出されたもので、その目的は、電子部品を側面に強固に接合させることができる積層基板および積層基板の製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、信頼性の高い電子装置および電子装置の製造方法を提供することにある。
本発明の積層基板は、第1の絶縁層と、該第1の絶縁層の一方主面及び他方主面で且つ、平面視で前記第1の絶縁層の端部に位置する領域にそれぞれ被着された一対の導体層と、前記第1の絶縁層の前記一方主面に積層された第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層の前記他方主面に積層された第3の絶縁層とからなり、前記一対の導体層が、前記第1の絶縁
層の端部において前記第2の絶縁層及び第3の絶縁層からそれぞれ露出するように、前記第1の絶縁層の端部が、前記第2の絶縁層の端部および第3の絶縁層の端部よりも平面視で外側に突出しており、外側へ突出した前記第1の絶縁層の側面が電子部品の搭載部であり、前記一対の導体層が前記電子部品の搭載用電極であることを特徴とするものである。
また、好ましくは、本発明の積層基板は、前記一対の導体層の端部の側面と、前記第1の絶縁層の側面とが、平面視で同一の位置にあるか、或いは前記導体層の端部の側面は、前記第1の絶縁層の側面よりも平面視で外側に延在されていることを特徴とするものである。
また、好ましくは、本発明の積層基板は、前記第2の絶縁層は、前記第1の絶縁層が積層される主面とは反対の主面に、第4の絶縁層が積層され、前記第3の絶縁層は、前記第1の絶縁層が積層される主面とは反対の主面に、第5の絶縁層が積層されるとともに、前記第4の絶縁層及び前記第5の絶縁層は、前記一対の導体層に接続される電子部品の外面よりも突出していることを特徴とするものである。
また、本発明の電子装置は、本発明の積層基板の第1の絶縁層の側面に電子部品が搭載され、該電子部品の一対の電極が、前記一対の導体層にそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とするものである。
本発明の積層基板の製造方法は、第1の絶縁層と、該第1の絶縁層の一方主面及び他方主面のそれぞれで、且つ平面視で前記第1の絶縁層の端部に位置する領域に被着される一対の導体層とを備える基層、及び該基層の一方主面に被着される第2の絶縁層、並びに前記基層の他方主面に被着される第3のシート絶縁層をそれぞれ準備する第1の工程と、前記一対の導体層の側面が、前記第2の絶縁層及び第3の絶縁層の側面よりも、平面視で外側に位置するように、前記第2及び第3の絶縁層を前記基層に被着する第2の工程と、を経ることを特徴とするものである。
また、好ましくは、本発明の積層基板の製造方法は、前記一対の導体層の側面と、前記第1の絶縁層の側面とが、平面視で同一の位置にあるか、或いは前記一対の導体層の側面が、前記第1の絶縁層の側面よりも平面視で外側に位置していることを特徴とするものである。
本発明の電子装置の製造方法は、本発明の製造方法により製造された積層基板の前記一対の導体層の側面に、電子部品の一対の電極がそれぞれ接続されることを特徴とするものである。
本発明の積層基板は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層の一方主面及び他方主面で且つ、平面視で第1の絶縁層の端部に位置する領域にそれぞれ被着される一対の導体層と、第1の絶縁層の一方主面及び他方主面にそれぞれ積層される第2の絶縁層及び第3の絶縁層とからなり、導体層が、第1の絶縁層の端部において第2の絶縁層及び第3の絶縁層からそれぞれ露出するように、第1の絶縁層の端部が、第2の絶縁層の端部および第3の絶縁層の端部よりも平面視で突出していることから、電子部品を、第2の絶縁層及び第3の絶縁層とは独立して、第1の絶縁層の側面に搭載して、電子部品の電極と第1の絶縁層に形成された導体層とを接合することができるので、電子部品と導体層との接合強度のばらつきを低減させることができるとともに、電子部品を積層基板の側面に搭載した場合に、電子部品を傾きにくくなすことができ、電子部品と積層基板とを強固に接合させることができる。
また、好ましくは、本発明の積層基板は、一対の導体層の端部の側面と、第1の絶縁層の側面とが、平面視で同一の位置にあるか、或いは導体層の端部の側面は、第1の絶縁層の側面よりも平面視で外側に延在されていることから、電子部品と第1の絶縁層に形成された導体層とに直接当接させて接合させることができるので、第1の絶縁層の側面と導体層との距離のばらつきを少なくなして、電子部品と導体層との接合強度のばらつきをより良好に低減させて、電子部品と積層基板とをより強固に接合させることができる。
また、好ましくは、本発明の積層基板は、第2の絶縁層の第1の絶縁層が積層される主面とは反対の主面に、第4の絶縁層が積層され、第3の絶縁層の第1の絶縁層が積層される主面とは反対の主面に、第5の絶縁層が積層されるとともに、第4の絶縁層及び第5の絶縁層は、一対の導体層に接続される電子部品の外面よりも突出している。これにより積層基板の側面に凹部が形成され、電子部品をその内部に収容させることができ、信頼性に優れた電子装置とすることができる。
また、本発明の電子装置は、本発明の積層基板の第1の絶縁層の側面に電子部品が搭載され、電子部品の一対の電極が、一対の導体層にそれぞれ電気的に接続されていることから、電子部品と導体層とが強固に接合されるので、信頼性に優れた電子装置となる。
本発明の積層基板の製造方法は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層の一方主面及び他方主面のそれぞれで、且つ平面視で前記第1の絶縁層の端部に位置する領域に被着される一対の導体層とを備える基層、及び該基層の上面に被着される第2の絶縁層、並びに基層の下面に被着される第3のシート絶縁層をそれぞれ準備する第1の工程と、一対の導体層の側面が、第2の絶縁層及び第3の絶縁層の側面よりも、平面視で外側に位置するように、第2及び第3の絶縁層を基層に被着する第2の工程とを経ることから、電子部品を第1の絶縁層の側面に搭載して、電子部品の電極と第1の絶縁層に形成された導体層とを接合することができようになるので、第1の絶縁層の側面と導体層の端部の側面との距離のばらつきを低減し、電子部品と導体層との接合強度のばらつきを低減させることができるとともに、電子部品を積層基板の側面に傾きなく搭載させることができ、電子部品と積層基板とを強固に接合させることができる。
また、好ましくは、本発明の積層基板の製造方法は、一対の導体層の側面と、第1の絶縁層の側面とが、平面視で同一の位置にあるか、或いは一対の導体層の側面が、第1の絶縁層の側面よりも平面視で外側に位置していることから、電子部品と第1の絶縁層に形成された導体層とに直接当接させて接合させることができ、第1の絶縁層の側面と導体層との距離のばらつきがなく、電子部品と導体層との接合強度のばらつきをより良好に低減させて、電子部品と積層基板とをより強固に接合させることができる。
本発明の電子装置の製造方法は、本発明の製造方法により製造された積層基板の一対の導体層の側面に、電子部品の一対の電極がそれぞれ接続されることから、電子部品と導体層とを強固に接合されるので、信頼性に優れた電子装置となる。
本発明のセラミックグリーンシート積層体について説明する。図1は本発明のセラミックグリーンシート積層体の実施の形態の一例を示す断面図である。図1において、1は第1の絶縁層、2は第2の絶縁層、3は第3の絶縁層、4a,4bは導体層、5は配線導体であり、これらにより積層基板が形成される。
本発明における積層基板は、第1の絶縁層1と、第1の絶縁層1の一方主面及び他方主面で且つ、平面視で第1の絶縁層1の端部に位置する領域にそれぞれ被着される一対の導体層4a,4bと、第1の絶縁層1の一方主面及び他方主面にそれぞれ積層される第2の絶縁層2及び第3の絶縁層3とからなる。
第1乃至第3の絶縁層1,2,3は、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミックス質焼結体等のセラミックスからなる板状のものである。
第1乃至第3の絶縁層1,2,3は、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる場合、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダーおよび溶剤、可塑剤、分散剤等を添加混合して得たセラミックスラリーを従来周知のドクターブレード法等のシート成形方法を採用してシート状に成形してセラミックグリーンシートを得、しかる後、セラミックグリーンシートに適当な打抜き加工を施し、高温(約1500〜1800℃)で焼成することによって製作される。
第1の絶縁層1の一方主面及び他方主面の平面視で第1の絶縁層1の端部1aに位置する領域に、導体層4a,4bが被着形成されている。導体層4a,4bは、積層基板の側面に搭載される電子部品9を外部回路基板等に電気的に接続するための導電路として機能し、後述する配線導体5のいくつかに電気的に接続される。導体層4a,4bは、タングステンやモリブデン、銅、銀等の金属粉末メタライズからなり、スクリーン印刷法等の印刷手段を用いて、第1の絶縁層1用のセラミックグリーンシートの一方主面と他方主面との所定の位置に導体層4用のメタライズペーストを印刷塗布し、第1の絶縁層1とともに焼成することによって第1の絶縁層1の端部に位置する領域に形成することができる。メタライズペーストは、主成分の金属粉末に有機バインダー、有機溶剤、必要に応じて分散剤等を加えてボールミル、三本ロールミル、プラネタリーミキサー等の混練手段により混合および混練することで製作される。セラミックグリーンシートの焼結挙動に合わせたり、焼結後の積層基板との接合強度を高めたりするためにガラスやセラミックスの粉末を添加しても良い。
なお、導体層4a,4bは、平面視で重畳するように第1の絶縁層1の一方主面と他方主面とに配設されており、導体層4a,4bの幅や厚みは、接合する電子部品の形状に合わせて適宜選択すれば良い。また、後述する電子部品9を良好に接合するために、電子部品9に接合する部分の導体層4aと導体層4bとは同形状の幅、長さ、厚みに形成しておくことが好ましい。
また、導体層4a,4bは、第2の絶縁層2および第3の絶縁層3の側面に延出して形成していても構わない。この場合、第2の絶縁層2用のセラミックグリーンシートおよび第3の絶縁層3用のセラミックグリーンシートの側面となる位置にそれぞれ導体層4a,4b用のメタライズペーストを印刷塗布しておくことによって形成することができる。
また、積層基板には、配線導体5が被着形成されている。配線導体5は、積層基板に搭載される電子部品9や第2の電子部品を外部回路基板に電気的に接続するための導電路として機能し、タングステンやモリブデン、銅、銀等の金属粉末メタライズからなり、スクリーン印刷法等の印刷手段を用いて、第1乃至第3の絶縁層1,2,3のセラミックグリーンシートの所定の位置に配線導体5用のメタライズペーストを印刷塗布し、第1乃至第3の絶縁層1,2,3用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって積層基板の所定の位置に形成することができる。配線導体5用のメタライズペーストは、導体層4a,4bのメタライズペーストと同様にして作製されるが、有機バインダーや有機溶剤の量により印刷に適した粘度に調製される。
また、上面および下面に形成された配線導体5は、積層基板を貫通する貫通導体により電気的に接続されている。このような貫通導体は、配線導体5を形成するためのメタライズペーストの印刷塗布に先立って第1乃至第3の絶縁層1,2,3用のセラミックグリーンシートに金型やパンチングによる打ち抜き方法またはレーザ加工法等の加工方法により貫通導体用の貫通孔を形成し、この貫通導体用の貫通孔にメタライズペーストをスクリーン印刷法等の印刷手段により充填しておくとともに、これを第1乃至第3の絶縁層1,2,3用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって形成される。貫通導体用のメタライズペーストは、導体層4a,4bや配線導体5と同様にして作製されるが、有機バインダーや有機溶剤の量により充填に適した粘度に調製される。
なお、導体層4a,4bおよび配線導体5の露出する表面には、導体層4a,4bおよび配線導体5が酸化腐食するのを防止するとともに、電子部品9と導体層4a,4bまたは配線導体5との接合、積層基板と外部回路基板との接合を強固なものとするために、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚みが0.1〜3μm程度の金めっき層とが順次被着されていることが好ましい。
積層基板は、第1の絶縁層1の一方主面及び他方主面にそれぞれ第2の絶縁層2と第3の絶縁層3とを積層することにより形成されており、第1の絶縁層1用のセラミックグリーンシートの一方主面および他方主面に第2または第3の絶縁層2,3用のセラミックグリーンシートを積層した後、高温で焼成することにより焼結一体化した積層基板として形成される。
そして、導体層4a,4bが、第1の絶縁層1の端部1aにおいて第2の絶縁層2及び第3の絶縁層3からそれぞれ露出するように、第1の絶縁層1の端部1aが、第2の絶縁層2の端部2aおよび第3の絶縁層3の端部3aよりも平面視で突出している。この構成により、電子部品9を第1の絶縁層1の側面に搭載して、電子部品9の電極と第1の絶縁層1に形成された導体層4a,4bとを接合することができるので、第1の絶縁層1の側面と導体層4a,4bの端部の側面との距離のばらつきを低減し、電子部品9と導体層4a,4bとの接合強度のばらつきを低減させることができるとともに、電子部品9を積層基板の側面に傾きなく搭載させることができ、電子部品9と積層基板とを強固に接合させることができる。
なお、第1の絶縁層の端部1aは、第2の絶縁層2の端部2aおよび第3の絶縁層3の端部3aよりも0.1mm以上突出させるようにして第1乃至第3の絶縁層1,2,3を積層することが好ましい。0.1mm未満にしておくと、第1の絶縁層の一方主面および他方主面に第2の絶縁層2および第3の絶縁層3を積層する際の積層ずれによって、第2の絶縁層2および第3の絶縁層3が導体層4a,4bを被覆してしまい、導体層4a,4bが露出しなくなることがある。
また、一対の導体層4a,4bの端部の側面と、第1の絶縁層1の側面とが、平面視で同一の位置にあるか、あるいは導体層4a,4bの端部の側面は第1の絶縁層1の側面よりも平面視で外側に延在されていることが好ましい。この構成により、電子部品9と第1の絶縁層1に形成された導体層4a,4bとに直接当接させて接合させることができるので、第1の絶縁層1の端部1aの側面と導体層4a,4bの端部の側面との距離のばらつきがなく、電子部品9と導体層4a,4bとの接合強度のばらつきをより良好に低減させて、電子部品9と積層基板とをより強固に接合させることができる。
なお、ここでいう一対の導体層4a,4bの端部の側面とは、第1の絶縁層1に形成された導体層4a,4bの端部における側面のことを示すものである。すなわち、一対の導体層4a,4bの端部と第1の絶縁層1の端部1aとが平面視で同一の位置にあるか、あるいは導体層4a,4bの端部が平面視で第1の絶縁層1の端部1aよりも突出していることを示すものである。
以上のような積層基板としては、電子部品9の電極と導体層4a,4bの側面とが当接するように電子部品9の形状に合わせて第1の絶縁層1の厚みと導体層4a,4bの厚みと、導体層4a,4bの側面の位置を設定しておけば良く、例えば、電子部品9を0.6mm(長さ)×0.3mm(幅)×0.3mm(厚み)の矩形状のコンデンサ(片側端部に0.15mm(長さ)×0.3mm(幅)の一対の電極)とし、第1の絶縁層1の厚みを0.4mm、第2の絶縁層2の厚みを0.2mm、第3の絶縁層3の厚みを0.2mm、導体層4a,4bの厚みを0.02mmとし、平面視で第1の絶縁層1の側面と導体層4a,4bの側面とを同一の位置となるように揃えておけば良い。そして、一対の電極がそれぞれ導体層4a,4bの側面に当接するように積層基板の側面に搭載すれば良い。なお、上述において、電子部品9は、積層基板の側面に横向きにして搭載されるので、第1乃至第3の絶縁層1,2,3および導体層4a,4bの厚み方向は、電子部品9の長さ方向と同一方向であるものとして考えれば良い。
なお、このような導体層4a,4bは、次のようにして製作することができる。例えば、第1の絶縁層1用のセラミックグリーンシートの所定の位置に導体層4a,4bのメタライズペーストを印刷塗布した後、第1の絶縁層1用のセラミックグリーンシートを一方主面から他方主面にかけて導体層4a,4b用のメタライズペーストとともに切断することで、一対の導体層4a,4bのメタライズペーストと第1の絶縁層1用のセラミックグリーンシートの側面とは平面視で同一の位置に形成することができるので、これを高温で焼成することによって、一対の導体層4a,4bの側面と第1の絶縁層1の側面とを平面視で同一の位置にすることができる。また、第1の絶縁層1用のセラミックグリーンシートを積層基板の外縁に合わせて所定形状に加工した後、導体層4a,4bのメタライズペーストが第1の絶縁層1用のセラミックグリーンシートの一方主面または他方主面から側面に延出するようにスクリーン印刷法等の印刷手段により印刷した後、高温で焼成することによって導体層4a,4bの側面が第1の絶縁層1の側面よりも平面視で外側に延在されるようにすることができる。また、金属箔等を第1の絶縁層1の側面よりも延出するように貼付しておくことによっても導体層4a,4bの側面が第1の絶縁層1の側面よりも平面視で外側に延在されるようにすることができる。
また、図2に示すように、導体層4a,4bの表面の露出される部位の一部領域に絶縁膜6を被覆しておいても構わない。この構成により、電子部品9と導体層4a,4bとを半田等の導電性接着剤により接合する際、導体層4a,4bの表面を濡れ広がる導電性接着剤のばらつきを調整し、導体層4a,4bと電子部品9との接合をより強固なものとすることができるようになる。
このような絶縁膜6は、第1の絶縁層用のセラミックグリーンシートに導体層4a,4b用のメタライズペーストを印刷塗布した後、導体層4a,4bの一部領域を被覆するように絶縁膜6用のセラミックペーストを印刷塗布し、第1の絶縁層1および導体層4a,4bとともに焼成することによって製作される。セラミックペーストは、第1の絶縁層と基本的に同一成分の材料からなってもよく、主成分のセラミック粉末に有機バインダー、有機溶剤、必要に応じてボールミル、三本ロールミル、プラネタリーミキサー等の混練手段に混合および混練することで製作される。セラミックグリーンシートの焼結挙動に合わせたり、焼結後の積層基板との接合強度を高めたりするためにガラスやセラミックスの粉末を添加しても良い。また、絶縁膜6は、第1の絶縁層1と同様の手段により形成された絶縁膜6用のセラミックグリーンシートを導体層4a,4bの一部領域に積層した後、第1の絶縁層1とともに焼成することによって形成することもできる。
また、図3に示すように、積層基板の側面に切欠き部を形成しておき、切欠き部内に導体層4a,4bが形成された領域を配設しても構わない。この構成により、積層基板の側面方向(長さ方向または幅方向)に沿って凹部を形成することができるので、この凹部内に電子部品9を収容することができるようになる。
このような積層基板は、第1の絶縁層1の導体層4a,4bとなる領域に切欠き部を形成しておくとともに、第2および第3の絶縁層2,3の所定領域に第1の絶縁層1に形成される切欠き部よりも広領域の切欠き部を形成しておき、これらの切欠き部が平面視で重なるように積層することで形成することができる。また、切り欠き部の奥行き方向の深さは、搭載される電子部品9の厚みよりも大きく形成しておくと、搭載される電子部品9の外面9aは、積層基板の側面よりも内側に位置することとなり、電子部品9をこの凹部内に確実に収容することができるようになる。なお、ここでいう電子部品9の外面9aとは、積層基板の側面に搭載された電子部品9の側面(図3では右側面)のことを示すものである。
以上のような積層基板としては、電子部品9が凹部内に収容されるように、電子部品9の形状に合わせて切欠き部の形状を設定しておけば良く、例えば、電子部品9を0.6mm(長さ)×0.3mm(幅)×0.3mm(厚み)の矩形状のコンデンサ(片側端部に0.2mm(長さ)×0.3mm(幅)の一対の電極)とし、第1の絶縁層1の厚みを0.3mm、第2の絶縁層2の厚みを0.2mm、第3の絶縁層3の厚みを0.2mm、導体層4a,4bの厚みを0.02mmとしておき、第1の絶縁層1の切欠き部の形状を0.5mm(奥行き方向の長さ)×0.5mm(側面における開口幅)、第2および第3の絶縁層2,3の切欠き部の形状をそれぞれ0.6mm(奥行き方向の長さ)×0.6mm(側面における開口幅)として凹部を形成しておけば良い。そして、電子部品9が凹部に収容されるように積層基板の側面に搭載すれば良い。なお、上述において、電子部品9は、積層基板の側面に横向きにして搭載されるので、第1乃至第3の絶縁層1,2,3および導体層4a,4bの厚み方向は、電子部品9の長さ方向と同一方向とし、切欠き部の奥行き方向の長さ方向は、電子部品9の厚み方向と同一方向とし、切欠き部の開口幅は、電子部品9の幅方向と同一方向として考えればよい。
また、図1において、積層基板は、それぞれ1層からなる第1乃至第3の絶縁層1,2,3を積層することにより形成されているが、第1乃至第3の絶縁層1,2,3は、それぞれ複数層からなるものであっても良く、搭載される電子部品9の形状や配線導体5の配列等に合わせて適宜選択すればよい。なお、第1の絶縁層1が複数層からなる場合、電子部品9を良好に第1の絶縁層9の側面に搭載させるため、複数枚のセラミックグリーンシートを積層して第1の絶縁層1用のセラミックグリーンシートを形成した後、切断加工等の手段により複数枚からなる第1の絶縁層1の側面の位置を平面視で同一となるように揃えておき、第1の絶縁層1の側面の位置精度を良好なものとすることが好ましい。
また、図4に示すように、第2の絶縁層2は、第1の絶縁層1が積層される主面とは反対の主面に、第4の絶縁層7が積層されており、第3の絶縁層3は、第1の絶縁層1が積層される主面とは反対の主面に、第5の絶縁層8が積層されていても構わない。なお、第4の絶縁層7および第5の絶縁層8には、上述と同様の手段により配線導体5が形成される。そして、第4の絶縁層7及び第5の絶縁層8は、一対の導体層4a,4bに接続される電子部品9の外面9aよりも突出していることが好ましい。この構成により、積層基板の側面に、厚み方向に沿った凹部が形成されるので、電子部品9を凹部内に収容させることができるようになり、信頼性に優れた電子装置とすることができる。
また、第4または第5の絶縁層7,8の突出した領域に配線導体5を形成することができるので、積層基板の一方主面または他方主面により多くの電子部品9や第2の電子部品を搭載することができるようになる。
以上のような積層基板としては、電子部品9が凹部内に収容されるように、電子部品9の形状に合わせて第4および第5の絶縁層7,8の突出長さを設定しておけば良く、例えば、電子部品9を1.0mm(長さ)×0.5mm(幅)×0.5mm(厚み)の矩形状のコンデンサ(片側端部に0.3mm(長さ)×0.5mm(幅)の一対の電極)とし、第1の絶縁層1の厚みを0.3mm、第2の絶縁層2の厚みを0.4mm、第3の絶縁層3の厚みを0.4mm、第4の絶縁層7の厚みを0.3mm、第5の絶縁層8の厚みを0.3mm、導体層4a,4bの厚みを0.02mmとしておき、第4および第5の絶縁層7,8の端部が第1の絶縁層1の端部1aよりも平面視で0.7mm突出するようにして凹部を形成しておけば良い。そして、電子部品9が凹部に収容されるように積層基板の側面に搭載すれば良い。なお、上述において、電子部品9は、積層基板の側面に横向きにして搭載されるので、第1乃至第5の絶縁層1,2,3,7,8および導体層4a,4bの厚み方向は電子部品9の長さ方向と同一方向とし、第4および第5の絶縁層7,8の突出長さ方向を電子部品9の厚み方向と同一方向として考えればよい。
また、第4および第5の絶縁層7,8を形成するとともに、図3に示したような切欠き部を形成しておくと、積層基板の側面に全周方向を囲む凹部を形成することができるので、電子部品9を凹部内に確実に収容することができ、信頼性に優れた電子装置とすることができる。なお、第4の絶縁層7および第5の絶縁層8は、上述の第1乃至第3の絶縁層1,2,3と同様の手段により製作することができる。また、第4および第5の絶縁層7,8は、第4および第5の絶縁層7,8用のセラミックグリーンシートを第1乃至第3の絶縁層1,2,3用のセラミックグリーンシートに積層した後に焼成しておくことにより焼結一体化した積層基板として形成することができる。
本発明の電子装置は、上述の積層基板の第1の絶縁層の側面に電子部品9が搭載され、電子部品9の一対の電極が一対の導体層4a,4bにそれぞれ電気的に接続されている。これにより、一対の導体層4a,4bと電子部品9とを強固に接合することができるので、信頼性に優れた電子装置となる。
電子部品9は、コンデンサ、抵抗素子、インダクタ等のチップ素子である。電子部品9の搭載は、半田等の導電性接着剤を介して、チップ素子の電極と一対の導体層4a,4bとを電気的に接続することにより行われる。また、電子部品9は必要に応じて封止される。封止はエポキシ樹脂等の封止樹脂により電子部品9を覆うことにより行ったり、電子部品9を覆うようにして載置した樹脂や金属、セラミックス等からなる蓋体をガラス、樹脂、ロウ材等の接着剤により積層基板に取着することにより行ったりすれば良い。
また、積層基板の一方主面または他方主面には、第2の電子部品が搭載される。第2の電子部品は、ICチップやLSIチップ等の半導体素子、水晶振動子や圧電振動子等の圧電素子、各種センサ等である。第2の電子部品の搭載は、第2の電子部品がフリップチップ型の半導体素子である場合には、はんだバンプや金バンプ、または導電性樹脂(異方性導電樹脂等)を介して、半導体素子の電極と配線導体とを電気的に接続することにより行なわれ、また、第2の電子部品がワイヤボンディング型の半導体素子である場合には、ガラス、樹脂、ろう材等の接合材により固定した後、ボンディングワイヤを介して半導体素子の電極と配線導体5とを電気的に接続することにより行なわれる。また、第2の電子部品が水晶振動子等の圧電素子である場合には、導電性樹脂により圧電素子の固定と圧電素子の電極と配線導体5との電気的な接続を行なう。そして、第2の電子部品は、必要に応じて上述の電子部品と同様の手段により封止される。
なお、電子部品9は、積層基板の側面とともに、積層基板の一方主面または他方主面にも搭載していても構わない。
なお、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、図5に示すように、積層基板の一方主面または他方主面に、第1の電子部品9または第2の電子部品を収容するための凹部を設けても構わない。また、図6に示すように、複数の一対の導体層4a,4bを積層基板の側面の厚み方向に配設したり、積層基板の側面方向(長さ方向または幅方向)に複数の一対の導体層4a,4bを配設しても良く、また、積層基板の1側面のみならず、積層基板の複数の側面に一対の導体層4a,4bを配設しても構わない。この構成により、複数の導体層4a,4bのそれぞれに電子部品を搭載することができるので、積層基板の側面を有効に利用して複数の電子部品を搭載することができ、小型でかつ信頼性の高い電子装置を形成することができる。