JP4986491B2 - 廃水処理方法 - Google Patents

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本発明は、廃水処理方法に関する。
従来から、アルコール類、カルボン酸類、アルデヒド類等の有機物を含有する廃水は、それぞれの特性に応じた技術により処理されている。
近年、有機物含有廃水を含む液状有機性廃棄物の発生量が増大し、同時に廃棄物に対する規制が強化されつつある現状では、従来技術により各種の廃棄物を処理する方法では、次第に対処し難くなっている。
また、現今の大きな技術的課題である「限りある資源の有効利用」という視点からは、これらの廃棄物を資源として再利用することも必要である。
例えば、従来の方法として、オゾン及び過酸化水素を用いて、有機物含有廃水を処理する方法も提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法は、廃水中の有機物を十分に分解することができない。また、廃水に含まれる有機物の資源としての再利用の観点からも問題がある。
そこで、有機物含有廃水に水素を添加することにより、廃水中の有機物を分解して燃料ガスを製造しつつ、廃水を浄化する技術が注目されている。
例えば、特許文献2には、液状有機物を超臨界条件下または亜臨界条件下で水熱反応させて燃料ガスを製造するに際し、液状有機物に還元性ガスを添加した後、水熱反応を行うことを特徴とする燃料ガスの製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献2の製造方法により長時間連続的に廃水を処理する場合、廃水と水素との反応により副生した炭素化合物や廃水中に元来存在していた有機物(未分解の有機物)が処理設備内部(反応装置、ライン、熱交換器等)に付着する傾向があり、例えばライン等の閉塞の原因となりやすい。その結果、特許文献2の製造方法によれば、長時間連続的に廃水を処理することが困難となるおそれがある。
また、炭素化合物等が触媒に付着する場合には、触媒活性が低下し、廃水中の有機物を十分に分解することが困難となるおそれがある。
特開2003−285084 特開2004−352756
従って、本発明は、廃水と水素との反応により副生した炭素化合物や未分解の有機物が触媒に付着することによる触媒活性の低下を解消し、且つ、処理設備内部(反応装置、ライン、熱交換器等)に付着した前記炭素化合物等を分解することにより、長時間連続的に廃水を処理できる新規な廃水処理方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、廃水処理の際、特定の工程を含むことにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の廃水処理方法に係る。
1. 有機物含有廃水を処理する方法であって、
(1)触媒存在下、前記廃水と水素とを反応させることにより、有機物をガスに変換する工程、
(2)前記廃水及び水素に代えて、(i)全有機炭素濃度の低い水及び(ii)酸素源を供給することにより、系内の残渣を二酸化炭素に分解する工程、
(3)前記水及び酸素源に代えて、前記廃水及び水素を供給することにより、次の工程(1)を行う工程、
を含む廃水処理方法。
2. 工程(2)において、前記水及び酸素源を供給する前に、不活性ガスを供給する前記項1に記載の廃水処理方法。
3. 工程(3)において、前記廃水及び水素を供給する前に、不活性ガスを供給する前記項1又は2に記載の廃水処理方法。
本発明の処理方法によれば、触媒に付着した炭素化合物等を二酸化炭素に分解することにより、触媒を再活性化することができる。また、処理設備内部に付着した炭素化合物等を有効に二酸化炭素に分解することができる。
従って、本発明の処理方法によれば、長時間にわたり、連続的に廃水処理を行うことができる。
本発明の廃水処理方法は、有機物含有廃水を処理する方法であって、(1)触媒存在下、前記廃水と水素とを反応させることにより、有機物をガスに変換する工程、(2)前記廃水及び水素に代えて、(i)全有機炭素濃度(TOC濃度)の低い水及び(ii)酸素源を供給することにより、系内の残渣を二酸化炭素に分解する工程、(3)前記水及び酸素源に代えて、前記廃水及び水素を供給することにより、次の工程(1)を行う工程を含む。
本発明の処理方法では、長時間連続的に廃水処理を行う際、(i)TOC濃度の低い水及び(ii)酸素源を定期的に供給することにより、系内の残渣を二酸化炭素に分解する。これにより、触媒活性の低下を解消し、且つ、処理設備内部の汚れを除去することができる。結果、長時間にわたり連続的に廃水処理を行うことができる。
なお、本明細書において、系内とは、処理設備内部を意味する。具体的には、ライン、反応装置、熱交換器等が挙げられる。また、残渣とは、有機物含有廃水と水素との反応により副生した炭素化合物及び廃水中に元来存在していた有機物(未分解の有機物)を意味する。
本発明において、「有機物含有廃水」とは、水に有機物が溶解しているかあるいは水と液状有機物とが混在して存在する廃水を意味する。
有機物含有廃水(以下、単に「廃水」ということがある)としては、特に限定されず、有機化合物(アルコール類、カルボン酸類、アルデヒド類など)を含む化学工場廃水、食品工場廃水、製紙工場廃水、製薬工場廃水、写真廃水、印刷廃水、農薬関連廃水、染色廃水、半導体製造工場廃水、石炭の液化或いはガス化に伴い発生する廃水、都市ゴミの熱分解に伴い発生する廃水などの溶解有機物を含有する廃水等が例示される。本発明の処理方法は、TOC濃度の高い廃水に対しても適用できる。
廃水の浮遊物質濃度(以下、「SS濃度」と略記する)は、特に限定されないが、1000mg/l以下が好ましく、100mg/lがより好ましい。本発明の処理方法は、特に、SS濃度が100mg/l以下の廃水に対して特に効果的である。
前記廃水は、無機物を含有していてもよい。無機物としては、例えばMg、Al、Si、P、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Cd等の金属及びこれら金属化合物が挙げられる。
前記廃水中の無機物の濃度は、特に限定されないが、50mg/l以下が好ましい。廃水中の無機物の濃度が50mg/lを超えれば、使用する触媒が劣化しやすくなる。
工程(1)
工程(1)では、触媒存在下、前記廃水と水素とを反応させることにより、有機物をガスに変換する。
触媒としては、担体に触媒活性成分が担持された触媒が好適に用いられる。触媒活性成分としては、Ru、Pd、Rh、Pt、Au、Ir、Os、Fe、Cu、Zn、Ni、Co、Mn及びCe並びにその水不溶性乃至水難溶性化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種が挙げられ、担体としては、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、アルミナ、シリカ、アルミナ-シリカおよび活性炭からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物が挙げられる。好ましい金属活性成分としては、Ru、Pt及びNiが挙げられ、特にRuが好適である。また、好ましい担体としては、チタニア及び活性炭が挙げられ、特にチタニアが好適である。
担体に対する触媒活性成分の担持量は、通常0.01〜10重量%程度であり、より好ましくは0.1〜3重量%程度である。
担体上に触媒活性成分である金属を担持する方法は、公知の方法が採用され、例えば、含浸、アルカリ処理、還元などを組み合わせて実施できる。
有機物含有廃水と水素とを反応させる際の水素の添加量は、特に限定されないが、廃水中の全有機炭素1molに対し、45Nl以上が好ましく、55〜120Nlがより好ましい。水素添加量が、廃水中の全有機炭素1molに対し、45Nl以上の場合、好適に廃水中の有機物をガスに分解できる。また、得られるガスを例えば燃料ガスとして好適に利用できる。なお、水素添加量を廃水中の全有機炭素1molに対し、120Nl未満とすることにより、無駄な水素添加を避けることができる。
有機物含有廃水と水素とを反応させる際の水素分圧は、特に限定されないが、2.5MPa以上が好ましく、3MPa以上がより好ましく、4〜22MPaがさらに好ましい。水素分圧が2.5MPa以上の場合、好適に廃水中の有機物ガスに分解できる。なお、水素分圧が22MPaの場合、廃水処理を低コストで行うことができる。
反応温度は、特に限定されないが、効率的に水熱反応を実行できる温度、すなわち150〜370℃が好ましい。
後述する工程(2)は、炭素化合物の生成量等を考慮して、通常3日〜6ヶ月、工程(1)における反応を行った後、行うことが好ましい。これにより、効率よく廃水処理を行うことができる。
工程(1)において得られるガスの組成は、通常、メタンを30〜99体積%、水素を1〜70体積%、一酸化炭素を1体積%以下、及び二酸化炭素を40体積%以下である。すなわち、工程(1)において得られるガスは、例えば燃料ガスとして好適に利用できる。
また、後述する工程(2)を開始する時点での工程(1)において得られる処理水のTOC濃度は、1000mg/l以下が好ましく、100mg/l以下がより好ましい。TOC濃度が100mg/l以下の時点で後述する工程(2)を行う場合、精度よく、且つ、効率的に廃水を浄化できる。
工程(2)
工程(2)では、前記廃水及び水素に代えて、(i)TOC濃度の低い水(以下、単に水と略記する場合がある)及び(ii)酸素源を供給することにより、系内の残渣を二酸化炭素に分解する。
廃水処理を連続的に行う場合、前記廃水と水素との反応により炭素化合物が副生し、その炭素化合物が触媒に付着する傾向がある。また、廃水中の有機物が分解されずに、触媒に付着する場合がある。本発明の処理方法では、工程(2)において、水及び酸素源を供給することにより、触媒に付着した炭素化合物等を二酸化炭素に分解する。これにより、触媒を再活性化することができる。
また、水及び酸素源を供給することにより、処理設備内部に付着した炭素化合物及び未分解の有機物を二酸化炭素に分解することもできる。これにより、効率的に長時間連続的に廃水処理を行うことができる。
すなわち、工程(2)は、触媒を再活性化すること及び処理設備内部を洗浄することを目的とする工程である。
工程(2)としては、例えば、前記廃水及び水素の供給を一旦停止した後、(i)TOC濃度の低い水及び(ii)酸素源を供給することにより、触媒や処理設備内部に付着した炭素化合物等を二酸化炭素に分解する方法が挙げられる。
前記廃水と水素との反応により副生する炭素化合物としては、例えばオレフィン化合物、芳香族化合物(ベンゼン)、パラフィン化合物、シクロパラフィン化合物(シクロヘキサン)等が挙げられる。
前記水のTOC濃度は、特に限定されないが、2000mg/l以下が好ましい。特に、前記水としては、イオン交換水が好ましい。
また、本発明の処理方法においては、前記水として、本発明の処理方法により得られた処理水を用いることができる。これにより、より効率的に本発明の廃水処理を行うことができる。
前記水の供給量は、処理設備の規模等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
酸素源としては、例えば空気、酸素富化空気(選択性酸素透過膜を使用して得られた酸素富化空気、空気−酸素混合物、空気を圧力スイング吸着(PSA)装置で処理することにより得られた酸素富化空気など)、純酸素、液化酸素等が挙げられる。酸素源としては、不純物としてシアン化水素、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、有機硫黄化合物、窒素酸化物、炭化水素などの1種または2種以上を含有する酸素含有廃ガスを使用しても良い。前記廃ガス中の不純物の含有量は、本発明の効果を妨げない範囲であればよく、特に限定されるものではない。
酸素源の供給量は、特に限定されず、処理設備の規模等応じて、適宜設定すればよい。
本発明の処理方法では、工程(2)において、前記水及び酸素源を供給する前に、不活性ガスを供給することが好ましい。前記水及び酸素源を供給する前に、処理設備内部の水素を不活性ガスに置換しておくことにより、より安全に酸素源を系内に供給できる。ここで、系内とは、本発明の処理方法を実行するための処理設備内を意味する。
不活性ガスとしては、特に限定されず、例えば窒素、アルゴン、二酸化炭素、水蒸気等を例示できる。これらは、一種又は二種以上で用いることができる。この中でも特に、窒素が好ましい。
不活性ガスの供給量は、処理設備の規模等に応じて適宜設定すればよい。
不活性ガスは、前記水と共に供給することが好ましい。これにより、より確実に系内の水素を不活性ガスに置換することができる。
不活性ガスと共に供給される水の供給量は、特に限定されず、処理設備の規模、不活性ガスの種類等に応じて適宜設定すればよい。
工程(3)
工程(3)では、前記水及び酸素源に代えて、前記廃水及び水素を供給することにより、次の工程(1)を行う。
すなわち、前記工程(2)により触媒に付着した炭素化合物等を十分分解することにより、触媒の活性をスタートアップ時と同等の性能に回復させ、その結果、工程(1)を好適に実行できる。また、前記工程(2)により処理設備内部に付着した炭素化合物等を有効に分解することにより、工程(1)を連続的に行うことができる。
本発明の処理方法では、工程(3)において、前記廃水及び水素を供給する前に、不活性ガスを供給することが好ましい。前記廃水及び水素を供給する前に、工程(2)において供給した酸素源を不活性ガスに置換しておくことにより、より安全に水素を系内に供給できる。
不活性ガスとしては、前記工程(2)と同様のものを用いることができる。特に、窒素が好ましい。
不活性ガスの供給量は、処理設備の規模等に応じて適宜設定すればよい。
不活性ガスは、前記水と共に供給することが好ましい。これにより、より確実に系内の水素を不活性ガスに置換することができる。
不活性ガスと共に供給される水の供給量は、特に限定されず、処理設備の規模、不活性ガスの種類等に応じて適宜設定すればよい。
以下、図1を参照しつつ、上記各工程について詳細に説明する。
図1は、本発明方法の一例の概要を示すフローシートである。
工程(1)
図1に示す通り、貯留タンク1に貯えられた廃水は、ライン2、ポンプ3、ライン4及びライン8を経て反応装置10へ送られる。
水素は、ライン5を経て圧縮機6により圧縮昇圧された後、ライン7を経て廃水に供給される。これにより廃水と水素を含む混合流体が得られる。前記水素添加量及び水素分圧は、ポンプ3及び圧縮機6を用いて調整される。また、圧縮機6により圧縮昇圧した後、廃水と混合する前に、流量計(図示せず)を用いることにより水素添加量を調整することもできる。
得られた混合流体は、ライン8を経て熱交換器9に導入される。
熱交換器9の熱源としては、特に限定されず、公知の加熱手段を用いればよい。例えば、反応装置10からの高温の気液混合相を循環させて使用してもよく、或いは加熱器(図示せず)を使用してもよい。特に、廃水処理コストを削減できる点で、反応装置10からの高温の気液混合相を熱源とすることが好ましい。
熱交換器9に導入された混合流体は、反応装置10へと送られる。反応装置10では、前記触媒存在下、送られた混合流体中の有機物含有廃水と水素とを反応させる。特に、前記廃水は、少なくとも半分が液相を維持していることが好ましい。これにより、廃水処理を安定して行うことができる。ここで、「少なくとも半分が液相を維持している」とは、蒸発する水蒸気量が廃水量の半分以下となることと同義であり、具体的には、反応温度における装置内圧力、当該温度における水の蒸気圧、混合する水素の量の関係により決定される水蒸気の重量が廃水の重量の半分を上らないことを意味する。水が蒸発すると廃水中に溶解している成分の濃度が高まり、溶解度を超えた成分が析出することにより、閉塞や触媒の被毒といった問題を生じるため、水の蒸発量は少ない方が好ましく、蒸発する水の割合が50重量%を越えないことが好ましい。
反応温度の調整は、加熱ヒーター(図1の反応装置の右側)を使用することにより、調整する。
反応装置10内での液線速度は、特に限定されないが、0.05〜10cm/secが好ましい。前記液線速度は、ポンプ3により調整される液体の流速と反応装置10の塔径から決定される。
反応装置10にて有機物含有廃水と水素とを反応させることにより得られた気液混合相を、ライン11、熱交換器9、ライン12及び冷却器13を経て、気液分離器14へ送り、気相(ガス)と液相(処理水)とに分離する。なお、冷却器13は、必要に応じて設ければよい。
分離後は、圧力コントロールバルブ15を経てガスを回収する。また、液面コントロールバルブ16を経て処理液を回収する。なお、処理液の全部又は一部をライン17を経て貯留タンク18に送り、貯留しておいてもよい。
工程(2)
貯留タンク1からの廃水及びライン5からの水素の供給を停止した後、貯留タンク18中のTOC濃度の低い水をライン2、ポンプ3、ライン4及びライン8を経て反応装置10へ送る。さらに、不活性ガスをライン20及びライン7を経て前記水に供給する。
前記水及び不活性ガスによる混合流体をライン8、熱交換器9、反応装置10、ライン11、熱交換器9、ライン12、冷却器13、気液分離器14、圧力コントロールバルブ15及び液面コントロールバルブ16に供給する。なお、必要に応じて、ライン17にも前記混合流体を供給してもよい。これにより、処理設備内部の水素を不活性ガスに置換する。
次に、ライン20からの不活性ガスの供給を停止した後、酸素源(ガス)をライン19及びライン7を経て前記水に供給する。
前記水及び酸素源ガスによる混合流体をライン8、熱交換器9、反応装置10、ライン11、熱交換器9、ライン12、冷却器13、気液分離器14、圧力コントロールバルブ15及び液面コントロールバルブ16に供給する。また、必要に応じて、ライン17にも前記混合流体を供給してもよい。これにより、反応装置10内の触媒に付着した炭素化合物を分解し、且つ、熱交換器9、ライン11等に付着した炭素化合物及び未分解の有機物を二酸化炭素に分解する。
なお、反応装置10内での反応温度は、特に限定されないが、150〜370℃が好ましい。また、反応装置10内の圧力は、混合流体の半分以上の水が液層を保つ圧力であればよく、特に限定されるものではない。
工程(2)を行う頻度は、特に限定されず、触媒等への炭化化合物等の付着量等により決定される。例えば3日〜6ヶ月に一回の頻度で工程(2)を行えばよい。
工程(3)
貯留タンク18からの水及びライン19からの酸素源の供給を停止した後、上記工程(2)と同様の方法により、前記水及び不活性ガスによる混合流体をライン8、熱交換器9、反応装置10、ライン11、熱交換器9、ライン12、冷却器13、気液分離器14、圧力コントロールバルブ15及び液面コントロールバルブ16に供給する。また、必要に応じて、ライン17にも前記混合流体を供給する。これにより、処理設備内の酸素源を不活性ガスに置換する。
次に、貯留タンク18からの水及びライン20からの不活性ガスの供給を停止した後、上記工程(1)の操作を行う。
以上の工程を繰り返し行うことにより、長時間連続的に廃水を処理することができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
図1に示すフローに従って、TOC濃度11500mg/lの廃水(表1に主成分を示す)を処理した。なお、系内の圧力を8.83MPaに設定した。
また、反応装置10には、チタニア担体に、担体重量の2%のルテニウムを担持させてなる球形触媒(直径4〜6mm)を充填した。
Figure 0004986491
実施例1
工程(1)
貯留タンク1中の廃水をライン2、ポンプ3、ライン4及びライン8を経て反応装置10へ送った。また、水素をライン5を経て圧縮機6に送り、圧縮昇圧した後、ライン7を通じて廃水に供給した。
廃水及び水素による混合流体を熱交換器9の内管側に導入し、内管の出口から排出した。この際、反応装置10から熱交換器9の外殻側に、後述する水熱反応により得られた気液混合相を送ることにより、熱交換器9の内管の出口から排出される混合流体の温度が150℃となるよう調整した。
排出された混合流体を反応装置10に導入しながら、反応装置10を加熱ヒータを用いて加熱することにより、215℃で廃水と水素とを水熱反応させた。
なお、反応装置10内での廃水と水素との反応は、廃水中の全有機炭素1molに対する水素添加量58.7Nl、水素分圧6.5MPa、空塔速度3.5hr−1(空塔容積基準)、液線速度0.11cm/sec、反応時間17分間(=触媒充填量(m)÷廃水処理量(m/hr)×60)の条件下に行った。
水熱反応後の気液混合相を、熱交換器9及び冷却器13を経て気液分離器14に送り、気相(ガス)と液相(処理水)とに分離した。
以上の処理を155時間連続的に行った。その際、液面コントロールバルブ16を経て得られた処理水をサンプリングし、TOC濃度を測定した。
TOC濃度の測定結果を図2に示す。図2より、連続的に廃水処理を行う場合、得られる処理水のTOC濃度が次第に増加することがわかる。すなわち、反応装置10に充填された触媒の活性が低下していることがわかる。
工程(2)
廃水及び水素の供給を停止した後、貯留タンク18中のイオン交換水をライン2、ポンプ3、ライン4及びライン8を経て反応装置10へ供給した。さらに、窒素をライン20及びライン7を経て前記イオン交換水に供給した。
イオン交換水及び窒素による混合流体をライン8、熱交換器9の内管側、反応装置10、ライン11、熱交換器9の外殻側、ライン12、冷却器13、気液分離器14、圧力コントロールバルブ15及び液面コントロールバルブ16に供給した。
系内がイオン交換水及び窒素の混合流体に入れ替わった後、ライン20からの窒素の供給を停止し、200Nl/hの空気をライン19及びライン7を経てイオン交換水に供給した。
イオン交換水及び空気による混合流体をライン8、熱交換器9の内管側、反応装置10、ライン11、熱交換器9の外殻側、ライン12、冷却器13、気液分離器14、圧力コントロールバルブ15、液面コントロールバルブ16及びライン17に供給した。圧力コントロールバルブ15を経て回収されるガス中の二酸化炭素濃度を測定したところ、図3に示す結果となった。図3から、イオン交換水及び空気を系内に供給することにより、触媒、熱交換器9、ライン11等に付着する炭素化合物及び未分解の有機物が二酸化炭素に分解されることがわかる。
次に、ライン19からの空気の供給を停止した後、窒素をライン20及びライン7を経てイオン交換水に供給した。
イオン交換水及び窒素による混合流体をライン8、熱交換器9の内管側、反応装置10、ライン11、熱交換器9の外殻側、ライン12、冷却器13、気液分離器14、圧力コントロールバルブ15、液面コントロールバルブ16及びライン17に供給した。
工程(3)
系内がイオン交換水及び窒素の混合流体に入れ替わった後、イオン交換水及び窒素の供給を停止し、上記工程(1)と同様の方法により廃水処理を55時間(廃水処理開始から210時間経過)連続的に行った。この間に得られる処理水のTOC濃度を図2に示す。図2から、工程(2)により、少なくとも触媒に付着した炭素化合物及び未分解の有機物が除去され、触媒が再活性化されたことがわかる。
しかし、図2から、廃水処理を続けるに従い、得られる処理液のTOC濃度が次第に上昇することがわかる。
そこで、再度、上記工程(2)を行った後、上記工程(1)と同様の方法により廃水処理を行った。この間に得られる処理水のTOC濃度を図2に示す。図2から、再度工程(2)を行うことにより、触媒が再活性化され、結果、得られる処理水のTOC濃度が低下することがわかる。
以上の結果から、定期的に上記工程(2)を導入することにより、長時間連続的な廃水処理が可能になることがわかる。
試験例1(TOC濃度)
TOC濃度は、TOC−V CPN(「株式会社島津製作所」製)を用いて測定した。
本発明の概要を示すフローシートである。 実施例1において得られた処理水のTOC濃度と廃水処理時間との関係を示す図である。 実施例1の工程(2)において測定した二酸化炭素濃度と処理時間とのとの関係を示す図である。
符号の説明
1…貯留タンク
2…ライン
3…ポンプ
4…ライン
5…ライン
6…圧縮機
7…ライン
8…ライン
9…熱交換器
10…反応装置
11…ライン
12…ライン
13…冷却器
14…気液分離器
15…圧力コントロールバルブ
16…液面コントロールバルブ
17…ライン
18…貯留タンク
19…ライン
20…ライン

Claims (3)

  1. 有機物含有廃水を処理する方法であって、
    (1)触媒存在下、前記廃水と水素とを反応させることにより、有機物をガスに変換する工程、
    (2)前記廃水及び水素に代えて、(i)全有機炭素濃度の低い水及び(ii)酸素源を供給することにより、系内の残渣を二酸化炭素に分解する工程、
    (3)前記水及び酸素源に代えて、前記廃水及び水素を供給することにより、次の工程(1)を行う工程、
    を含む廃水処理方法。
  2. 工程(2)において、前記水及び酸素源を供給する前に、不活性ガスを供給する請求項1に記載の廃水処理方法。
  3. 工程(3)において、前記廃水及び水素を供給する前に、不活性ガスを供給する請求項1又は2に記載の廃水処理方法。
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