JP4986476B2 - 非水電解液二次電池用非水電解液およびこれを含む非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用非水電解液およびこれを含む非水電解液二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、信頼性に優れた非水電解液およびこれを含む非水電解液二次電池に関する。詳しくは、サイクル寿命特性に優れ、過充電時の安全性にも優れた非水電解液二次電池を与える非水電解液に関する。
非水電解液二次電池の過充電が進行すると、正極から過剰のリチウムが放出され、正極の熱安定性が低下する。負極は、正極から放出されたリチウムを吸蔵する。しかし、正極からリチウムが過剰に放出されると、負極表面にリチウムが析出する。この場合、負極の熱安定性は、正極と同様に著しく低下する。最終的には、電池が発熱を起こし、安全性が低下することになる。
上記問題に対し、電池中の非水電解液に、芳香族化合物の1種であるビフェニルを少量添加する提案(特許文献1参照)、並びにテルフェニルおよびアルキル基を有するテルフェニルを添加する提案(特許文献2参照)がなされている。これらの化合物は、過充電状態の電池内で重合する。その結果、セパレータの目詰まりが起こり、電池の内部抵抗が上昇し、電池の安全性が向上する。
しかし、ビフェニルやテルフェニルは固体であり、非水溶媒に対する溶解性が低い。したがって、低温時には、ビフェニルやテルフェニルは、その一部が析出することにより電池特性が低下したり、酸化電位が低いため、高温保存時や充放電サイクル時にも反応することによって電池特性が低下したりするという問題があった。
また、低温特性や保存特性等の電池特性への悪影響を与えることなく、過充電状態における電池の安全性を確保するために、非水電解液に水素添加されたテルフェニルを少量添加することも提案されている(特許文献3参照)。
しかし、近年の非水電解液二次電池に対する高性能化の要求はますます高くなっており、水素添加されたテルフェニルを含有する電解液を用いても、より厳しい条件での高温保存や充放電サイクル時にテルフェニルは反応してしまい、電池特性が低下するという問題を有していた。
特開平9−106835号公報 特開2000−058116号公報 特開2003−115325号公報
本発明は、充放電サイクル特性および高温保存特性に優れ、かつ、過充電時の安全性に優れた、信頼性の高い非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、非水溶媒、前記非水溶媒に溶解した溶質、水素添加されたテルフェニル、および、フッ素化アニソールを含み、前記溶質が、ホウ素を含むアルカリ塩およびホウ素を含まないアルカリ塩を含む非水電解液二次電池用非水電解液に関する。
ここで、水素添加されたテルフェニルは、非水電解液中に、0.5質量%〜3.5質量%含有される。水素添加されたテルフェニルは、非水電解液中に、1.0質量%〜1.5質量%含有されていることが更に望ましい。
フッ素化アニソールは、非水電解液中に、0.01質量%〜3質量%含有されている。フッ素化アニソールは、非水電解液中に、0.01質量%〜0.5質量%含有されていることが更に望ましい。
ホウ素を含むアルカリ塩には、LiBF4、NaBF4、および、KBF4よりなる群から選ばれた少なくとも1種用いられる。ホウ素を含むアルカリ塩は、非水電解液中に、0.1質量%〜0.5質量%含有されていることが望ましく、0.15質量%〜0.35質量%含有されていることが更に望ましい。
ホウ素を含まないアルカリ塩には、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、および、LiC(SO2CF33よりなる群から選ばれた少なくとも1種用いられる。ホウ素を含まないアルカリ塩は、非水電解液中に、0.5M〜3Mの濃度で含有されていることが望ましい。
本発明の非水電解液は、さらに、ジフェニルエーテル(DPE)を0.1質量%〜1質量%含有することが望ましい。
非水溶媒は、C=C不飽和結合(炭素原子間不飽和結合)を有さない環状カーボネートおよびC=C不飽和結合を有さない鎖状カーボネートを含むことが望ましい。
C=C不飽和結合を有さない環状カーボネートには、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、および、ブチレンカーボネートよりなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが望ましい。
C=C不飽和結合を有さない鎖状カーボネートには、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、および、エチルメチルカーボネートよりなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが望ましい。
本発明の非水電解液は、C=C不飽和結合を有する環状カーボネートおよびジカルボン酸無水物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を、添加剤として、0.001質量%〜10質量%含有することが好ましく、0.1質量%〜5質量%含有することが更に好ましく、0.5質量%〜3質量%含有することが特に好ましい。
本発明は、また、リチウム含有酸化物からなる活物質を含む正極、リチウムを吸蔵および放出可能な活物質を含む負極、正極と負極との間に介在するセパレータ、および、上記のいずれかの非水電解液からなる非水電解液二次電池に関する。
本発明の電解液を用いることにより、非水電解液二次電池が、充放電サイクル特性および高温保存特性に優れ、かつ、過充電時の安全性に優れる理由は明らかではないが、次のように推察される。
非水電解液に含まれる水素添加されたテルフェニルは、電池の過充電時に酸化重合する。その結果、電池の内部抵抗が上昇し、電池が保護される。しかし、水素添加されたテルフェニルは、他の電解液成分に比べて酸化電位が低く、充電状態の正極材料と反応しやすく、高温保存時もしくは充放電サイクル時にも一部反応してしまい、電池特性が低下してしまっていた。
これに対し、ホウ素を含むアルカリ塩を含有させることによって、この塩が正極表面に安定な保護膜を形成して、水素添加されたテルフェニルの酸化副反応を抑制する。
フッ素化アニソールは、正極を保護する能力と、過充電時に反応して安全性を高める能力を有しており、特定量の水素添加されたテルフェニルと、ホウ素を含むアルカリ塩と、フッ素化アニソールを含有する非水電解液を用いることにより、電池の充放電サイクル特性および高温保存特性と、過充電時の安全性を、更に高められると考えられる。
以上より、本発明によれば、充放電サイクル特性および高温保存特性に優れ、かつ、過充電時の安全性に優れた非水電解液二次電池を提供することが可能となる。
本発明の非水電解液は、非水溶媒、前記非水溶媒に溶解した溶質、水素添加されたテルフェニル、および、フッ素化アニソールを含み、前記溶質は、ホウ素を含むアルカリ塩およびホウ素を含まないアルカリ塩を含む。
水素添加されたテルフェニルは、単一化合物からなる純粋物質であってもよく、複数の化合物からなる混合物であってもよい。例えば、水素添加されたテルフェニルは、異なる水素化率を有する2種以上の部分水素化物の混合物でもよい。また、水素添加されたテルフェニルは、水素化率は等しいが、水素化された二重結合の位置が異なる2種以上の構造異性体の混合物でもよい。
水素化率とは、テルフェニルの二重結合の全てに水素を付加するのに必要な水素量に対する、実際に付加した水素量の割合である。
水素添加されたテルフェニルには、例えば以下のようなものを用いることができる。
(i)全く水素化されていないテルフェニルと、テルフェニルの完全水素化物との混合物
(ii)全く水素化されていないテルフェニルと、テルフェニルの不完全水素化物との混合物
(iii)テルフェニルの不完全水素化物と、テルフェニルの完全水素化物との混合物
(iv)全く水素化されていないテルフェニルと、テルフェニルの不完全水素化物と、テルフェニルの完全水素化物との混合物。
ここで、テルフェニルの不完全水素化物とは、o−テルフェニル、m−テルフェニルもしくはp−テルフェニルにおいて、ベンゼン環の二重結合の一部に水素が付加した化合物を言う。
テルフェニルの完全水素化物とは、o−テルフェニル、m−テルフェニルもしくはp−テルフェニルにおいて、ベンゼン環の二重結合の全てに水素が付加した化合物を言う。
なかでも水素添加されたo−テルフェニル、水素添加されたm−テルフェニルが、高温サイクルや保存試験時の特性劣化が少ないので好ましく、特に水素添加されたm−テルフェニルが好ましい。
また、水素添加されたo−テルフェニル、水素添加されたm−テルフェニル、水素添加されたp−テルフェニルは、任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。混合して用いる場合、水素添加されたm−テルフェニルと水素添加されたo−テルフェニルとの混合物や、水素添加されたm−テルフェニルと水素添加されたp−テルフェニルとの混合物を用いるのが好ましい。
水素添加されたテルフェニルが、全く水素化されていないテルフェニルを含む場合、全く水素化されていないテルフェニルの割合は、水素添加されたテルフェニル全体の10質量%以下であることが好ましい。
水素添加されたテルフェニルの水素化率は、二重結合の全てに水素が付加したテルフェニルの水素化率を100%とした場合、50%から70%の範囲が望ましい。水素化率は50%より少なくてもよいが、水素化率が低いほど、酸化電位が低下して、電池の高温保存時や充放電サイクル時に反応しやすくなる傾向がある。また、水素化率は70%より多くてもよいが、過充電時の安全性を向上させる効果が徐々に低下する。
水素添加されたテルフェニルは、非水電解液中に、0.5質量%〜3.5質量%含まれていることが好ましく、0.8質量%から2.5質量%含まれていることが更に好ましく、1質量%から1.5質量%含まれていることが特に好ましい。水素添加されたテルフェニルの含有量が0.5質量%未満では、過充電時の安全性を確保する効果が小さくなり、3.5質量%を超えると、充放電サイクル特性が低下することがある。
フッ素化アニソールは、2−フルオロアニソール、3−フルオロアニソール、4−フルオロアニソール、2,3−ジフルオロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,4−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール、2,3,4−トリフルオロアニソール、2,3,5−トリフルオロアニソール、2,3,6−トリフルオロアニソール、3,4,5−トリフルオロアニソール、2,4,5−トリフルオロアニソール、2,3,4,5−テトラフルオロアニソール、2,3,5,6−テトラフルオロアニソール、2,3,4,6−テトラフルオロアニソール、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニソールが挙げられる。なかでも2,3−ジフルオロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,4−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソールが好ましく、3,5−ジフルオロアニソールが特に好ましい。
フッ素化アニソールは、非水電解液中に、0.01質量%〜3質量%含まれていることが好ましく、0.01質量%から1質量%含まれていることが更に好ましく、0.01質量%から0.5質量%含まれていることが特に好ましい。フッ素化アニソールの含有量が0.01質量%未満では、放電サイクル特性および高温保存特性と、過充電時の安全性を高める効果が小さくなり、3.0質量%を超えると、充放電サイクル特性が低下することがある。
本発明の非水電解液は、さらに、ジフェニルエーテルを含有することが望ましい。ジフェニルエーテルを単独で非水電解液に添加しても、過充電時の安全性を向上させる効果は小さい。しかし、ジフェニルエーテルを水素添加されたテルフェニル、フッ素化アニソールおよびホウ素を含むアルカリ塩とともに非水電解液に添加する場合には、大きな効果が得られる。すなわち、過充電時の安全性を向上させる効果が大きくなり、電池のサイクル特性および高温保存特性も改良される。
ジフェニルエーテルは、非水電解液中に、0.1質量%〜1質量%含まれていることが好ましく、0.2質量%〜0.8質量%含まれていることが特に好ましい。換言すれば、非水電解液全体の0.1質量%〜1質量%がジフェニルエーテルであることが好ましく、0.2質量%〜0.8質量%がジフェニルエーテルであることが特に好ましい。ジフェニルエーテルの含有量が0.1質量%未満では、電池の安全性等を更に向上させる効果がほとんど得られない。ジフェニルエーテルの含有量が1質量%を超えると、電池の高温保存時の容量回復率が低下することがある。
非水溶媒は、特に限定されないが、例えばC=C不飽和結合を有さない環状カーボネート、C=C不飽和結合を有さない鎖状カーボネート、環状カルボン酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、エーテル類(フッ素化アニソールおよびDPEを除く)、ニトリル類、アミド類等を用いることができる。
C=C不飽和結合を有さない環状カーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどが挙げられる。C=C不飽和結合を有さない環状カーボネートには、溶質の解離性の観点から、エチレンカーボネート、および、プロピレンカーボネートよりなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが望ましい。
C=C不飽和結合を有さない鎖状カーボネートとしては、非水電解液の粘性を低下させる観点から、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどが挙げられる。C=C不飽和結合を有さない鎖状カーボネートには、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、および、エチルメチルカーボネートよりなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが望ましい。
環状カルボン酸エステルとしては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトン類が挙げられる。
鎖状カルボン酸エステルとしては、例えば、プロピオン酸メチル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸オクチルなどが挙げられる。
エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンなどが挙げられる。
ニトリル類としては、アセトニトリルなどが挙げられ、アミド類としては、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
非水溶媒は、1種を単独で用いてもよく、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。ただし、非水溶媒は、C=C不飽和結合を有さない環状カーボネートおよびC=C不飽和結合を有さない鎖状カーボネートを両方含むことが望ましい。
C=C不飽和結合を有さない環状カーボネートおよびC=C不飽和結合を有さない鎖状カーボネートの好ましい組み合わせの具体例としては、エチレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート等が挙げられる。
これらのエチレンカーボネートとC=C不飽和結合を有さない鎖状カーボネートとの組み合わせに、更にプロピレンカーボネートを加えた組み合わせも、好ましい組み合わせとして挙げられる。
C=C不飽和結合を有さない環状カーボネートとC=C不飽和結合を有さない鎖状カーボネートとの合計に占める、C=C不飽和結合を有さない環状カーボネートの含有量は、10〜35質量%が好ましく、15〜30質量%が更に好ましい。また、C=C不飽和結合を有さない環状カーボネートおよびC=C不飽和結合を有さない鎖状カーボネートの合計は、非水溶媒全体の80質量%以上を占めることが好ましく、90質量%以上を占めることが更に好ましい。
本発明の非水電解液は、ジフェニルエーテルに加え、更に、様々な添加剤を含むことができる。例えば、非水電解液は、C=C不飽和結合を有する環状カーボネートおよびジカルボン酸無水物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を添加剤として含有することが望ましい。C=C不飽和結合を有する環状カーボネートおよびジカルボン酸無水物は、サイクル特性および充放電効率を高める効果を有する。中でもC=C不飽和結合を有する環状カーボネートが適している。
C=C不飽和結合を有する環状カーボネートには、例えば、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネートなどを用いることができる。ジカルボン酸無水物には、コハク酸無水物、マレイン酸無水物などを用いることができる。特に、本発明の非水電解液に、ジフェニルエーテルとともにビニレンカーボネートを含ませることにより、サイクル特性や高温保存特性は顕著に向上する。これは、本発明の非水電解液が、ホウ素を含むアルカリ塩を含むことと関連していると考えられる。
添加剤としては、上記の他に、保存特性を高める観点から、亜硫酸エチレン、亜硫酸ジエチル、亜硫酸プロピレン、亜硫酸ジプロピル、亜硫酸ジメチルなどの亜硫酸エステル、プロパンスルトン、ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、トルエンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル、硫酸ジメチル、硫酸エチレン、硫酸ジエチルなどの硫酸エステル、スルホラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホンなどのスルホン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシドなどのスルホキシド、ジフェニルスルフィド、チオアニソールなどのスルフィド、ジフェニルジスルフィド、ジピリジニウムジスルフィドなどのジスルフィドなどを用いることもできる。また、低温特性を改善する観点から、フルオロベンゼンなどのフッ素含有アリール化合物を添加剤として用いることもできる。
添加剤は、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。特に、ビニレンカーボネートとビニルエチレンカーボネート、ビニレンカーボネートとジカルボン酸無水物を併用すると、サイクル特性が向上するので好ましい。
添加剤は、非水電解液中に、0.001質量%〜10質量%含まれていることが好ましく、0.1質量%〜5質量%含まれていることが更に好ましく、0.5質量%〜3質量%含まれていることが特に好ましい。換言すれば、非水電解液全体の0.001質量%〜10質量%が添加剤であることが好ましく、0.1質量%〜5質量%が添加剤であることが更に好ましく、0.5質量%〜3質量%が添加剤であることが特に好ましい。
非水溶媒には、ホウ素を含むアルカリ塩とホウ素を含まないアルカリ塩を溶質として溶解させる。ホウ素を含むアルカリ塩は、水素添加されたテルフェニルが、高温保存や充放電サイクル時に酸化重合するのを抑制する。一方、ホウ素を含まないアルカリ塩は、非水電解液のイオン伝導性を十分に確保する役割を果たす。
ホウ素を含むアルカリ塩としては、LiBF4、NaBF4、KBF4などが挙げられ、LiBF4が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ホウ素を含むアルカリ塩は、非水電解液中に、0.1質量%〜0.5質量%含まれていることが好ましく、0.15質量%〜0.35質量%含まれていることが更に好ましい。
ホウ素を含むアルカリ塩の含有量が0.1質量%未満では、保存特性等を向上させる効果が十分に得られないことがあり、0.5質量%を超えると、サイクル特性が低下することがある。
ホウ素を含まないアルカリ塩には、電子吸引性の強いアニオンを有するリチウム塩を用いることが望ましい。例えば、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3 、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiC(SO2CF33などを用いることができ、LiPF6が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非水電解液におけるホウ素を含まないアルカリ塩の濃度は、0.5M〜3M(モル/リットル)が好ましく、0.5M〜1.5Mが更に好ましい。
次に、本発明の非水電解液二次電池の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、角形のリチウム二次電池の一例の要部を切り欠いた斜視図である。
正極板と負極板は、セパレータを介して捲回され、電極群1を構成している。電極群1は、有底で角型筒状の電池ケース4に収納されている。負極板には、負極リード3の一端が接続されている。負極リード3の他端は、上部絶縁板(図示せず)を介して、封口板5の中心にあるリベット6と接続されている。リベット6は、絶縁ガスケット7により、封口板5から絶縁されている。正極板には、正極リード2の一端が接続されている。正極リード2の他端は、上部絶縁板を介して、封口板5の裏面に接続されている。電極群1の下端部と電池ケース4とは、下部絶縁板(図示せず)で絶縁されている。上部絶縁板は、負極リード3と電池ケース4との間、および、電極群1と封口板5との間を絶縁している。
封口板5の周縁は、電池ケース4の開口端部に嵌合しており、嵌合部はレーザ溶接で封止されている。封口板5に設けられている非水電解液の注入孔は、栓8により塞がれており、レーザ溶接で封止されている。
正極板は、例えば、正極集電体の片面または両面に、正極合剤ペーストを塗着し、乾燥し、圧延して、正極合剤層を形成することにより作製される。正極集電体には、正極合剤層を担持しない無地部が設けられ、無地部に正極リードが溶接される。
正極集電体には、金属箔、ラス加工もしくはエッチング処理された金属シートなどが用いられる。正極集電体の材質には、アルミニウムもしくはアルミニウム合金が好ましく用いられる。正極集電体の厚みは、例えば5μm〜60μmである。
正極合剤ペーストは、正極合剤を、液状の分散媒と混合して、調製される。正極合剤は、正極活物質を必須成分として含み、結着剤、導電剤、増粘剤などを任意成分として含む。
正極活物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、リチウムイオンをゲストとして受け入れ得るリチウム含有酸化物が使用される。例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムから選ばれる少なくとも1種の遷移金属と、リチウムとの複合金属酸化物が使用される。
複合金属酸化物のなかでも、LixCoO2、LixMnO2、LixNiO2、LixCr O2、αLixFeO2、LixVO2、LixCoyNi1-y2、LixCoy1-yz、LixNi1-yyz、LixMn24、LixMn2-yy4 (ここで、MはNa、Mg、Sc 、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、SbおよびBよりなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0〜1.2、y=0〜0.9、z=2.0〜2.3)、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物のリチウム化物、ニオブ酸化物のリチウム化物等が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記のx値は、充放電により増減する。正極活物質の平均粒径は、1μm〜30μmであることが好ましい。
負極板は、例えば、負極集電体の片面または両面に、負極合剤ペーストを塗着し、乾燥し、圧延して、負極合剤層を形成することにより作製される。負極集電体には、負極合剤層を担持しない無地部が設けられ、無地部に負極リードが溶接される。
負極集電体には、金属箔、ラス加工もしくはエッチング処理された金属シートなどが用いられる。負極集電体の材質には、銅もしくは銅合金が好ましく用いられる。負極集電体の厚みは、例えば5μm〜50μmである。
負極合剤ペーストは、負極合剤を、液状の分散媒と混合して、調製される。負極合剤は、負極活物質を必須成分として含み、結着剤、導電剤、増粘剤などを任意成分として含む。
負極活物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素材料、金属、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物などを用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
炭素材料としては、充電および放電によりリチウムイオンを放出および吸蔵できるものを用いる。例えば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等の有機高分子化合物の焼成体、コークスやピッチの焼成体、人造黒鉛、天然黒鉛、易黒鉛化炭素材料、難黒鉛化炭素材料、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維等が好ましく用いられる。炭素材料の形状は、特に限定されず、例えば、繊維状、球状、鱗片状、塊状のものを用いることができる。
金属および合金には、例えば、ケイ素単体、ケイ素合金、スズ単体、スズ合金、ゲルマニウム単体、ゲルマニウム合金などを用いることができる。これらのうちでは、特に、ケイ素単体やケイ素合金が好ましい。ケイ素合金に含まれる、ケイ素以外の金属元素は、リチウムと合金を形成しない金属元素であることが望ましい。リチウムと合金を形成しない金属元素は、化学的に安定な電子伝導体であればよいが、例えば、チタン、銅、ニッケルなどが望ましい。これらは、1種が単独でケイ素合金に含まれていてもよく、複数種が同時にケイ素合金に含まれていてもよい。
ケイ素合金がTiを含む場合、Ti/Siのモル比は、0<Ti/Si<2が好ましく、0.1≦Ti/Si≦1.0が特に好ましい。ケイ素合金がCuを含む場合、Cu/Siのモル比は、0<Cu/Si<4が好ましく、0.1≦Cu/Si≦2.0が特に好ましい。ケイ素合金がNiを含む場合、Ni/Siのモル比は、0<Ni/Si<2が好ましく、0.1≦Ni/Si≦1.0が特に好ましい。
金属酸化物には、例えば、ケイ素酸化物、スズ酸化物、ゲルマニウム酸化物などを用いることができる。これらのうちでは、特に、ケイ素酸化物が好ましい。ケイ素酸化物は、一般式SiOx(ただし、0<x<2)で表される組成を有することが望ましい。ここで、酸素元素の含有量を示すx値は、0.01≦x≦1であることが更に好ましい。
金属窒化物には、例えば、ケイ素窒化物、スズ窒化物、ゲルマニウム窒化物などを用いることができる。これらのうちでは、特に、ケイ素窒化物が好ましい。ケイ素窒化物は、一般式SiNy(ただし、0<y<4/3)で表される組成を有することが望ましい。ここで、窒素元素の含有量を示すy値は、0.01≦≦1であることが更に好ましい。
正極合剤もしくは負極合剤に含めることのできる結着剤、導電剤、増粘剤などには、従来と同様のものを用いることができる。
結着剤は、ペーストの分散媒に溶解または分散できるものであれば、特に限定されない。例えば、フッ素樹脂、アクリルゴム、変性アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリル系重合体、ビニル系重合体等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、フッ素樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等が好ましい。これらは、例えばディスパージョンとして用いることができる。
導電剤としては、アセチレンブラック、グラファイト、炭素繊維等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
増粘剤としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどが好ましい。
正極合剤もしくは負極合剤と混合する分散媒には、結着剤が溶解もしくは分散可能なものを用いることが好ましい。有機溶媒に溶解もしくは分散する結着剤を用いる場合には、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルスルホルアミド、テトラメチル尿素、アセトン、メチルエチルケトン等を単独または混合して用いることが好ましい。また、水に溶解もしくは分散する結着剤を用いる場合には、水や温水が好ましい。
正極合剤もしくは負極合剤を分散媒と混合して正極合剤ペーストもしくは負極合剤ペーストを調製する方法は、特に限定されない。例えば、プラネタリーミキサー、ホモミキサー、ピンミキサー、ニーダー、ホモジナイザー等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ペーストの混練時に、各種分散剤、界面活性剤、安定剤等を、必要に応じて添加することも可能である。
正極合剤ペーストもしくは負極合剤ペーストは、例えば、スリットダイコーター、リバースロールコーター、リップコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ディップコーター等を用いて、集電体へ容易に塗着することができる。集電体に塗着されたペーストは、自然乾燥に近い乾燥を行うことが好ましい。ただし、生産性を考慮すると、70℃〜200℃の温度で、10分間〜5時間乾燥させることが好ましい。
圧延は、ロールプレス機によって、極板が、例えば130μm〜200μmの所定の厚みになるまで、線圧1000〜2000kg/cmで数回を行う。線圧を変えて複数回圧延することが好ましい。
セパレータには、高分子からなる微多孔フィルムが好ましく用いられる。高分子には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル(ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド)、セルロース(カルボキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース)、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等が用いられる。
微多孔フィルムは、複数層からなる多層フィルムでもよい。なかでもポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等からなる微多孔フィルムが好適である。セパレータの厚みは、例えば10μm〜30μmが好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例を用いて詳細に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
《実施例1》
(i)正極板の作製
正極活物質であるLiCoO2(平均粒径10μm)と、導電剤であるカーボンブラッ クと、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、質量比で100:3:4の割合で配合し、適量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)とともに混練して、正極合剤ペーストを得た。
正極合剤ペーストは、厚さ30μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に、ドクターブレード方式で、乾燥後の厚さが約230μmになるように塗布した。その後、乾燥塗膜が厚さ180μmになるように圧延し、所定寸法に切断して、正極板を得た。正極板にはアルミニウム製の正極リードを溶接した。
(ii)負極板の作製
活物質である炭素材料(黒鉛)(平均粒径25μm)と、結着剤であるスチレンブタジエンゴムとを、質量比で100:5の割合で配合し、適量の水とともに混練して、負極合剤ペーストを得た。
負極合剤ペーストは、厚さ20μmの銅箔からなる負極集電体の両面に、ドクターブレード方式で、乾燥後の厚さが約230μmになるように塗布した。その後、乾燥塗膜が厚さ180μmになるように圧延し、所定寸法に切断して、負極板を得た。負極板にはニッケル製の負極リードを溶接した。
(iii)電極群の作製
上述のようにして作製した正極板、負極板、および両電極を隔離する厚さ25μmのポリエチレン製の微多孔フィルムからなるセパレータを、横断面が長円状になるように捲回して、電極群を得た。この電極群をその横断面の長辺側から0.4MPaの圧力で1.5秒間プレスして扁平形にした。
(iv)非水電解液の調製
非水溶媒には、C=C不飽和結合を有さない環状カーボネートであるエチレンカーボネートと、C=C不飽和結合を有さない鎖状カーボネートであるエチルメチルカーボネートとジエチルカーボネートとをモル比1:2:2で含む混合溶媒を用いた。
混合溶媒には、ホウ素を含むアルカリ塩としてLiBF4を溶解させ、さらにホウ素を含まないアルカリ塩としてLiPF6を溶解させた。
次に、アルカリ塩を溶解させた混合溶媒に、さらに、水素添加されたテルフェニルおよび3,5−ジフルオロアニソールを添加した。ここでは、下記成分からなる水素添加されたテルフェニルを用いた。なお、水素添加されたテルフェニルの組成分析は、ガスクロマトグラフィーで行った。
完全水素化m−テルフェニル 0.1質量%
1,3−ジシクロヘキシルベンゼン 13.3質量%
3−フェニルビシクロヘキシル 16.2質量%
1,3−ジフェニルシクロヘキサン 23.1質量%
m−シクロヘキシルビフェニル 43.6質量%
m−テルフェニル 3.7質量%
非水電解液中のLiBF4の含有量は0.35質量%とし、LiPF6の濃度は1.0M(mol/L)とし、水素添加されたm−テルフェニルの含有量は1質量%とし、3,5−ジフルオロアニソールの含有量は0.4質量%とした。
(v)電池の作製
得られた電極群を用いて、図1に示すような角形のリチウムイオン二次電池を作製した。
まず、電極群を、下端部に下部絶縁板を配した状態で、合金No.3000系のアルミニウム合金からなる電池ケース内に収容した。アルミニウム合金は、厚み0.4mmであり、マンガンおよび銅を微量含有する。
電極群から引き出されている負極リードは、上部絶縁板を介して、封口板の中心に位置するリベットと接続した。電極群から引き出されている正極リードは、上部絶縁板を介して、封口板の裏面に接続した。
その後、封口板の周縁を、電池ケースの開口端部に嵌合させた。嵌合部はレーザ溶接で封止した。なお、封口板は安全弁および注入孔を有する。
次に、注入孔から、所定の非水電解液を2.14g注液した。その後、注液孔を栓で塞ぎ、レーザ溶接で封止した。
こうして幅34mm、厚さ6mm、総高50mmで、電池容量850mAhの角形リチウムイオン二次電池を完成させた。
得られた電池は、170mAの定電流で、電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、電池電圧が3.0Vになるまで放電する充放電を3回繰り返した。その後、さらに電池を170mAの定電流で、20分間充電した。
《実施例2》
非水電解液中における水素添加されたm−テルフェニルの含有量を3.5質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
《実施例3》
非水電解液中における水素添加されたm−テルフェニルの含有量を0.5質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
《実施例4》
非水電解液中における3,5−ジフルオロアニソールの含有量を3質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
《実施例5》
非水電解液中における3,5−ジフルオロアニソールの含有量を1質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
《実施例6》
非水電解液中に、さらにジフェニルエーテルを0.5質量%含有させたこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
《実施例7》
非水電解液中に、さらにビニレンカーボネートを2質量%含有させたこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
《実施例8》
非水電解液中に、さらにビニレンカーボネート(VC)を2質量%含有させたこと以外は、実施例6と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
《実施例9》
非水電解液中に、さらにビニルエチレンカーボネート(VEC)1質量%含有させたこと以外は、実施例8と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
《比較例1》
非水電解液中に、3,5−ジフルオロアニソールを含有させなかったこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
《比較例2》
非水電解液中に、ホウ素を含むアルカリ塩であるLiBF4を含有させなかったこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
《比較例3》
非水電解液中に、水素添加されたm−テルフェニルを含有させなかったこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
《比較例4》
非水電解液中に、3,5−ジフルオロアニソールを含有させなかったこと以外は、実施例7と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
[評価]
実施例1〜9、および比較例1〜4の電池を、各々10セルずつ作製し、充放電サイクル特性、高温保存特性および過充電試験を行った。結果を表1に示す。以下に試験条件を記す。
(充放電サイクル特性)
下記〈a〉〜〈d〉からなる充放電サイクルを繰り返した。
〈a〉45℃の環境下で、850mA(1.0ItA、1時間率)の定電流で、電池電圧が4.2Vになるまで電池を充電する。
〈b〉その後、4.2Vの定電圧で42.5mA(0.05ItA、20時間率)の電流値に減衰するまで電池を充電する。
〈c〉その後、電池を10分間休止させる。
〈d〉次に、850mA(1.0ItA、1時間率)の定電流で、電池電圧が3.0Vになるまで電池を放電する。
1サイクル目と300サイクル後の電池容量を測定した。1サイクル目の電池容量に対する300サイクル後の電池容量の割合を百分率で算出した。10個の電池の平均値を求め、これを容量維持率とした。
(高温保存特性)
まず、高温で保存する前の電池について、下記〈e〉〜〈h〉の操作を行い、保存前の電池容量を測定した。
〈e〉20℃の環境下で、850mA(1.0ItA、1時間率)の定電流で、電池電圧が4.2Vになるまで電池を充電する。
〈f〉その後、4.2Vの定電圧で42.5mA(0.05ItA、20時間率)の電流値に減衰するまで電池を充電する。
〈g〉その後、電池を10分間休止させる。
〈h〉次に、850mA(1.0ItA、1時間率)の定電流で、電池電圧が3.0Vになるまで電池を放電する。
次に、850mA(1.0ItA、1時間率)の定電流で、電池電圧が4.2Vになるまで電池を充電した。
その後、4.2Vの定電圧で42.5mA(0.05ItA、20時間率)の電流値に減衰するまで電池を充電し、満充電状態とした。
満充電状態の電池を85℃雰囲気下で3日間保存した。
保存後の電池について、20℃の環境下で、850mA(1.0ItA、1時間率)の定電流で、電池電圧が3.0Vになるまで、残存容量を放電した。
次に、保存後の電池について、上記〈e〉〜〈h〉の操作を行い、保存後の電池容量を測定した。
保存前の電池容量に対する保存後の電池容量の割合を百分率で算出した。10個の電池の平均値を求め、これを容量回復率とした。
(過充電試験)
20℃の環境下で、850mA(1.0ItA、1時間率)の定電流で、電池電圧が3.0Vになるまで電池を放電した後、850mA(1.0ItA、1時間率)の定電流で充電し続けた。電池表面温度が105℃もしくは110℃となった時点で充電を停止した。そして、充電停止後の電池について、熱暴走の有無を確認した。
Figure 0004986476
表1から、本発明の非水電解液を含む電池は、充放電サイクル特性および高温保存特性に優れ、過充電時の安全性にも優れていることが明らかになった。これは、本発明の非水電解液が、ホウ素を含むアルカリ塩およびホウ素を含まないアルカリ塩からなる溶質と、水素添加されたテルフェニルとフッ素化アニソールとを含むためと考えられる。
実施例1〜3と比較例3より、水素添加されたテルフェニルの含有量は、0.5〜3.5質量%が好適であることがわかる。
実施例1、4および5より、フッ素化アニソールである3,5−ジフルオロアニソールの含有量は、3質量%以下が好適であることがわかる。
実施例7〜9ならびに実施例1より、水素添加されたテルフェニルとフッ素化アニソールである3,5−ジフルオロアニソールとホウ素を含むアルカリ塩を含む非水電解液に、さらに、ビニレンカーボネート(VC)やビニルエチレンカーボネート(VEC)を含ませることにより、充放電サイクル特性と高温保存特性が顕著に向上することがわかる。
《実施例10》
金属Ti(粒径100〜150μm)と、金属Si(平均粒径3μm)とを、重量比がTi:Si=9.2:90.8になるように秤量して混合した。この混合粉を3.5kg秤量し、振動ミル装置(中央化工機(株)製、FV−20)に投入した。さらに、ステンレス鋼製ボール(直径2cm)をミル装置内の容積の70%を占めるように投入した。容器内部を真空に引いた後、Ar(純度99.999%、日本酸素(株)製)を導入して、ミル装置内を1気圧にした。ミル装置の作動条件は、振幅8mm、回転数1200rpmとした。これらの条件でメカニカルアロイング操作を80時間行った。
上記操作によって得られたTi−Si合金を回収し、篩いで分級して、平均粒径5μmのTi−Si合金を得た。得られたTi−Si合金をX線回折測定で分析し、ピークの半価幅から結晶粒(結晶子)を算出した。結晶粒の平均粒径は10nmであった。X線回折像より、Ti−Si合金には、Si単体相とTiSi2相とが存在し、重量比Si:TiSi2は80:20と推定された。
上記で得た合金と、黒鉛(平均粒径25μm)とを、重量比50:50で混合した。合金と黒鉛との合計100重量部に対して、結着剤としてポリアクリル酸(分子量15万、和光純薬工業(株)製)を5重量部添加し、純水とともに充分に混練し、負極合剤ペーストを得た。負極合剤ペーストを、厚み10μmの電解銅箔(古河サーキットフォイル(株)製)からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥し、圧延し、所定寸法に裁断して、負極板を得た。
得られた負極板を用いたこと以外、実施例8と同様にして、角形リチウムイオン二次電池を作製した。この電池を上記と同様に評価した。ただし、充放電サイクルの回数は100とした。その結果、100サイクル後の容量維持率は85%、高温保存後の容量回復率は84%、過充電試験による熱暴走率は105℃および110℃で、それぞれ0/10(すなわち0%)であった。
《実施例11》
酸化ケイ素(SiO)(平均粒径10μm、(株)高純度化学研究所製)100重量部と、カーボンブラック20重量部と、ポリフッ化ビニリデンからなる結着剤7重量部と、適量のN−メチル−2−ピロリドンとを混合して、負極合剤ペーストを調製した。負極合剤ペーストを、厚み15μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥し、圧延し、所定寸法に裁断して、負極板を得た。
得られた負極板を用いたこと以外、実施例8と同様にして、角形リチウムイオン二次電池を作製した。この電池を上記と同様に評価した。ただし、充放電サイクルの回数は100とした。その結果、100サイクル後の容量維持率は84%、高温保存後の容量回復率は83%、過充電試験による熱暴走率は105℃および110℃で、それぞれ0/10(すなわち0%)であった。
実施例10および実施例11より、負極の種類に関わらず、本発明が有効であることが確認された。
更に、正極活物質として、LiCoO2の代わりに、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn24)およびこれらの遷移金属の一部を他の金属で置換した様々な変性体を用いて、実施例8と同様に電池を作製し、同様に評価した。その結果、正極活物質の種類に関わらず、本発明が有効であることが確認された。
本発明の非水電解液を適用可能な電池の形状は、特に限定されず、例えばコイン型、ボタン型、シート型、円筒型、偏平型、角型などの何れの形状でもよい。正極、負極およびセパレータからなる極板群の形態も限定されず、本発明は、捲回型および積層型のいずれにも適用できる。電池の大きさも限定されず、本発明は、小型、中型および大型のいずれにも適用できる。
本発明は、充放電サイクル特性、高温保存特性、過充電時の安全性等において高度な信頼性が要求される民生用電子機器、携帯情報端末、携帯電子機器、ポータブル機器、コードレス機器等の駆動用電源において特に有用である。また、本発明は、家庭用小型電力貯蔵装置、自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の電源においても有用である。
本発明の一実施形態に係る角形リチウムイオン二次電池の一部を切り欠いた斜視図である。
符号の説明
1 電極群
2 正極リード
3 負極リード
4 電池ケース
5 封口板
6 リベット
7 絶縁ガスケット
8 封栓

Claims (11)

  1. 非水溶媒、前記非水溶媒に溶解した溶質、水素添加されたテルフェニル、およびフッ素化アニソールを含み、
    前記溶質が、ホウ素を含むアルカリ塩およびホウ素を含まないアルカリ塩を含み、
    前記ホウ素を含むアルカリ塩が、LiBF 4 、NaBF 4 、および、KBF 4 よりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
    前記ホウ素を含まないアルカリ塩が、LiPF 6 、LiClO 4 、LiAsF 6 、LiC F 3 SO 3 、LiN(SO 2 CF 3 2 、LiN(SO 2 2 5 2 、および、LiC(SO 2 CF 3 3 よりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
    前記水素添加されたテルフェニルが、前記非水電解液中に、0.5質量%〜3.5質量%含有され、
    前記フッ素化アニソールが、前記非水電解液中に、0.01質量%〜3質量%含有されている、非水電解液二次電池用非水電解液。
  2. 前記水素添加されたテルフェニルが、前記非水電解液中に、1.0質量%〜1.5質量%含有されている、請求項1記載の非水電解液二次電池用非水電解液。
  3. 前記フッ素化アニソールが、前記非水電解液中に、0.01質量%〜0.5質量%含有されている、請求項1または2記載の非水電解液二次電池用非水電解液。
  4. 前記ホウ素を含むアルカリ塩が、前記非水電解液中に、0.1質量%〜0.5質量%含有されている、請求項1〜のいずれかに記載の非水電解液二次電池用非水電解液。
  5. 前記ホウ素を含むアルカリ塩が、前記非水電解液中に、0.15質量%〜0.35質量%含有されている、請求項1〜のいずれかに記載の非水電解液二次電池用非水電解液。
  6. さらに、ジフェニルエーテルを、0.1質量%〜1質量%含有する、請求項1〜のいずれかに記載の非水電解液二次電池用非水電解液。
  7. 前記非水溶媒が、C=C不飽和結合を有さない環状カーボネートおよびC=C不飽和結合を有さない鎖状カーボネートを含む、請求項1〜のいずれかに記載の非水電解液二次電池用非水電解液。
  8. 前記C=C不飽和結合を有さない環状カーボネートが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、および、ブチレンカーボネートよりなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項記載の非水電解液二次電池用非水電解液。
  9. 前記C=C不飽和結合を有さない鎖状カーボネートが、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、および、エチルメチルカーボネートよりなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項記載の非水電解液二次電池用非水電解液。
  10. さらに、C=C不飽和結合を有する環状カーボネートおよびジカルボン酸無水物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を、0.001質量%〜10質量%含有する、請求項1〜のいずれかに記載の非水電解液二次電池用非水電解液。
  11. リチウム含有酸化物からなる活物質を含む正極、リチウムを吸蔵および放出可能な活物質を含む負極、前記正極と負極との間に介在するセパレータ、並びに、請求項1〜10のいずれかに記載の非水電解液二次電池用非水電解液からなる非水電解液二次電池。
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