JP4985901B2 - 回転積層装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は順送プレスで、打ち抜き加工と、打ち抜いた複数の部材の積層とを行い、モータコアやステータ等を製造するための、回転積層装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、モータコアやステータ等、所定の形状に打ち抜かれた複数の板材を積層して、一つの部品を製造するための装置として、回転積層装置が用いられている。図3には、従来の回転積層装置を概略的に断面図示している。回転積層装置1は、打ち抜きダイス2、ポンチ3、板押え4を有している。また、打ち抜きダイス2は、ベアリング5によって回転可能に支持され、図示しない駆動手段によって、中心軸C回りに回転することができる。
【0003】
打ち抜きダイス2とポンチ3によって圧延鋼鈑6から打ち抜かれた部材8は、打ち抜きダイス2内を落下して積層体7を形成する。この際に、打ち抜かれた部材8を1枚積層する毎に、打ち抜きダイス2を所定角度だけ回転させ、1段毎に積層される部材8の位相をずらして行く。よって、圧延鋼鈑6に不可避の板厚の不均一により、積層体7の積層高さに偏りが生ずることを防ぐことができる。なお、打ち抜かれた部材8は、各々ポンチ3によって積層体7に対しダボかしめすることで、一体に固定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の回転積層装置は、以下のような問題点を有していた。まず、回転積層装置1は、積層体7を形成する際に、打ち抜かれた部材8を1枚積層する毎に、打ち抜きダイス2を所定角度だけ回転させる必要がある。この回転のための時間を確保するために、単位時間当りのプレススピードの増加が制限され、生産性を向上させることが困難となっていた。また、製品径を拡大する等、打ち抜き荷重が増大する場合に、その打ち抜き荷重に耐えるだけのベアリングや駆動手段に、現状では適当なものが無く、打ち抜きダイス2の回転精度を長時間にわたり維持することが困難であった。
【0005】
また、積層体7の形成を打ち抜きダイス2内で行うため、圧延鋼鈑6から打ち抜かれた部材が円滑に落下するよう、図4に示すように、打ち抜きダイス2の壁面2aに、微小なテーパを付ける必要がある。したがって、打ち抜きダイス2の再研削等を実施すると、図4に符号2bで示す部分が除去され、ダイス内径(製品外径)が、当初のφ1からφ2へと拡大してしまい、製品精度を悪化させてしまうことにもなった。よって、高精度の積層体7を大量生産しようとすると、メンテナンスなどに要するコストが増大し、製品コストの低減を図ることが困難となっていた。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回転積層装置において、単位時間当りのプレススピードの増加を可能とし、かつ、長時間の使用の後にも製品精度の悪化を招くことを防ぎ、高精度の積層体を低コストで提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明の請求項1に係る回転積層装置は、圧延鋼鈑から打ち抜いた複数の部材を、各々所定角度回転させて積層し一体に固定する装置であって、打ち抜きダイスと回転積層ダイスとを備え、前記打ち抜きダイスは、内部にプッシュバック用逆押えを備え、回転積層ダイスは、前記打ち抜きダイスに対し、圧延鋼鈑の送り方向下流に、圧延鋼鈑の送り方向と交差する方向に、移動自在に複数設けられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、圧延鋼鈑から打ち抜かれた部材を、前記プッシュバック用逆押えによって圧延鋼鈑の穴に戻し、圧延鋼鈑の送りによって、打ち抜かれた部材を前記回転積層ダイスへと送ることが可能となる。そして、打ち抜きダイスを圧延鋼鈑から所定形状の部材を打ち抜く工程にのみ用い、積層体の形成工程を回転積層ダイスで行うため、打ち抜きダイスを回転駆動する必要性を無くし、打ち抜きダイスを回転駆動するための機械要素を省略することができる。また、打ち抜きダイス内に打ち抜かれた部材を落下させる必要が無くなるので、打ち抜きダイスの壁面に、微小なテーパを付ける必要性も無くなる。したがって、打ち抜きダイスの再研削等を実施しても、ダイス内径(製品外径)の拡大を生ずるおそれを無くすことができる。
【0008】
また、前記打ち抜きダイスによって圧延鋼鈑から打ち抜かれた部材を、圧延鋼鈑の送り方向下流に送り、前記回転積層ダイスで、積層体を形成することができる。
【0009】
また、前記打ち抜きダイスで打ち抜かれた部材を一つの回転積層ダイスへと送った後、回転積層ダイスを圧延鋼鈑の送り方向と交差する方向に移動させ、次に打ち抜かれた部材を、別の回転積層ダイスへと送ることができる。すると、一つの回転積層ダイスに対し、打ち抜かれた部材が送られる時間的間隔を延ばすことができるので、一つの回転積層ダイスにおいて所定角度回転するための時間的余裕をもたらし、回転積層ダイスを回転駆動するための機械要素への負担を軽減することができる。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る回転積層装置は、請求項1記載の回転積層装置において、前記複数の回転積層ダイスを、圧延鋼鈑の送路と直交する方向に直列に配置したものである。
この構成によれば、前記複数の回転積層ダイスを、圧延鋼鈑の送路と直交する方向に反復移動させることで、前記打ち抜きダイスで打ち抜かれた部材を一つの回転積層ダイスへと送った後、次に打ち抜かれた部材を別の回転積層ダイスへと送ることができる。よって、一つの回転積層ダイスに対し、打ち抜かれた部材が送られる時間的間隔を延ばすことができるので、一つの回転積層ダイスにおいて所定角度回転するための時間的余裕をもたらし、回転積層ダイスを回転駆動するための機械要素への負担を軽減することができる。
【0011】
また、本発明の請求項3に係る回転積層装置は、請求項1記載の回転積層装置において、前記複数の回転積層ダイスを、圧延鋼鈑の送路と交差しまたは接する円周上に配置したものである。
この構成によれば、前記複数の回転積層ダイスを一方向に回転させることで、前記打ち抜きダイスで打ち抜かれた部材を一つの回転積層ダイスへと送った後、次に打ち抜かれた部材を別の回転積層ダイスへと送ることができる。よって、一つの回転積層ダイスに対し、打ち抜かれた部材が送られる時間的間隔を延ばすことができるので、一つの回転積層ダイスにおいて所定角度回転するための時間的余裕をもたらし、回転積層ダイスを回転駆動するための機械要素への負担を軽減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明は省略する。
【0013】
図1には、本発明の実施の形態に係る回転積層装置11を示している。なお、図中(a)、(c)は回転積層装置11の上面図を、(b)は回転積層装置11の縦断面図を、模式的に示している。この回転積層装置11は、打ち抜きダイス12、打ち抜きポンチ13、板押え14を有している。また、打ち抜きダイス12の内部には、プッシュバック用逆押え15が設けられている。プッシュバック用逆押え15は、圧延鋼鈑6から打ち抜かれた部材8を下方から支え、打ち抜かれた部材8を再び押し上げて、圧延鋼鈑6の穴に嵌め戻すためのものである。
【0014】
なお、回転積層装置11は、積層体7の形成を後述の回転積層ダイス16で行うため、打ち抜きダイス12を回転駆動するための機械要素を持たない。また、打ち抜きダイス12の壁面は一定径に形成され、テーパは付されていない。
【0015】
打ち抜きダイス12に対し、圧延鋼鈑6の送り方向下流には、回転積層ダイス16を設けている。回転積層ダイス16は積層ポンチ17を備えており、圧延鋼鈑6の送路と直交する方向に、複数(図1の例では2つ)を直列に配置している。また、これらの回転積層ダイス16(16a、16b)を、圧延鋼鈑6の送路と直交する方向に反復移動させるための駆動機構(図示省略)を有している。また、圧延鋼鈑6の送路の直下から外れた回転積層ダイス16を、所定角度だけ回転駆動するための駆動機構(図示省略)を有している。なお、回転積層ダイス16についても、その壁面は一定径に形成され、テーパは付されていない。
【0016】
ここで、回転積層装置11の作業手順について説明する。まず、図1(b)に示す打ち抜きダイス12と打ち抜きポンチ13で、圧延鋼鈑6から所定の形状の部材8を打ち抜く。このとき、プッシュバック用逆押え15により、圧延鋼鈑6から抜かれた部材8を下方から支える。続いて、打ち抜かれた部材8を再び押し上げて、圧延鋼鈑6の穴に嵌め込む。
【0017】
次の打ち抜き作業を行うために、圧延鋼鈑6を送る。そして、プッシュバック用逆押え15によって圧延鋼鈑6の穴に戻された部材8は、圧延鋼鈑6の送り方向下流に位置する回転積層ダイス16の上方へと送られる。このとき、図1(a)に示すように、2つの回転積層ダイス16の一方16aが、圧延鋼鈑6の送路の直下で待機している。
【0018】
ここで、打ち抜きダイス12と打ち抜きポンチ13で、圧延鋼鈑6から所定の形状の部材8を打ち抜くと同時に、図1(b)に示す積層ポンチ17で、圧延鋼鈑6の穴に戻された部材8を、回転積層ダイス16aへと落し込み、回転積層ダイス16a内で、積層体7を形成する。この際に打ち抜かれた部材8は、積層ポンチ17によって積層体7に対しダボかしめされ、積層体7と一体に固定される。なお、この時点で打ち抜きダイス12と打ち抜きポンチ13で打ち抜かれた部材8は、前回と同様に、プッシュバック用逆押え15によって圧延鋼鈑6の穴に戻される。
【0019】
さらに、次の打ち抜き作業を行うために、圧延鋼鈑6を送る。このとき、図1(c)に示すように、2つの回転積層ダイス16は圧延鋼鈑6の送路と直交する方向に移動し、それまで圧延鋼鈑6の送路の直下にあった一方の回転積層ダイス16aは、圧延鋼鈑6の送路から外れ、もう一方の回転積層ダイス16bが、圧延鋼鈑6の送路の直下で待機する。圧延鋼鈑6の送路から外れた一方の回転積層ダイス16aは、再び圧延鋼鈑6の送路の直下へと移動するまでの間、図示しない駆動機構によって、所定角度だけ回転駆動される。
【0020】
もう一方の回転積層ダイス16bに打ち抜かれた部材8を落し込み、積層体7を形成すると、今度は、回転積層ダイス16bが圧延鋼鈑6の送路から外れ、再び回転積層ダイス16aが圧延鋼鈑6の送路の直下で待機する。圧延鋼鈑6の送路から外れた回転積層ダイス16bは、再び圧延鋼鈑6の送路の直下へと移動するまでの間、図示しない駆動機構によって、所定角度だけ回転駆動される。回転積層装置11は、上記の動作を繰返すことで、2つの回転積層ダイス16a、16bに対し交互に打ち抜かれた部材8を送り、それらの内部に所定の高さの積層体7を形成する。
【0021】
上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。まず、回転積層装置11は、打ち抜きダイス12と回転積層ダイス16とを別個に備えることから、打ち抜きダイス12を、圧延鋼鈑6から所定形状の部材を打ち抜く工程にのみ用い、積層体7の形成工程を回転積層ダイス16で行うものである。よって、打ち抜きダイス12を回転駆動する必要を無くし、打ち抜きダイスを回転駆動するための機械要素を省略することができる。従来(図3)は、打ち抜き荷重に耐えるだけのベアリングや駆動手段に適当なものが無いことから、打ち抜きダイス2の回転精度を長時間にわたり維持することが困難であったが、本実施の形態に係る回転積層装置11は、かかる課題は存在しない。
【0022】
また、打ち抜きダイス12を、圧延鋼鈑6から所定形状の部材を打ち抜く工程にのみ用い、積層体7の形成工程を回転積層ダイス16で行うので、打ち抜きダイス12内に打ち抜かれた部材8を落下させる必要が無くなり、打ち抜きダイス12の壁面に、微小なテーパを付ける必要性も無くなる。したがって、打ち抜きダイス12の再研削等を実施しても、従来(図4参照)のようにダイス内径(製品外径)の拡大を招くといった課題は存在しない。
【0023】
さらに、打ち抜きダイス12における単位時間当りのプレススピードを増大させても、2つの回転積層ダイス16a、16bに対し交互に打ち抜かれた部材8を送ることによって、各回転積層ダイス内で積層体の形成を円滑に行うことが可能となる。
【0024】
しかも、2つの回転積層ダイス16a、16bを、圧延鋼鈑6の送路と直交する方向に直列に配置したことにより、2つの回転積層ダイスを、圧延鋼鈑6の送路と直交する方向に反復移動させることで、打ち抜きダイス12で打ち抜かれた部材8を一つの回転積層ダイス16aへと送った後、次に打ち抜かれた部材8をもう一方の回転積層ダイス16bへと送ることができる。すなわち、打ち抜きダイス12における2回の打ち抜き作業の間に、回転積層ダイス16aには1枚の打ち抜かれた部材8が送られるので、一つの回転積層ダイスに対し、打ち抜かれた部材8が送られる時間的間隔を延ばすことができる。よって、一つの回転積層ダイスにおいて所定角度回転するための時間的余裕をもたらし、回転積層ダイス16を回転駆動するための機械要素への負担を軽減することができる。その結果として、現状のベアリングや駆動手段を用いて、回転積層ダイス16の回転精度を、長時間にわたり維持することが可能となる。
【0025】
また、回転積層ダイス16は、打ち抜きダイス12に対し、圧延鋼鈑6の送り方向下流に設けられているので、打ち抜かれた部材8を圧延鋼鈑6の送り方向下流に送ることで、打ち抜きダイス12とは別個の回転積層ダイス16に打ち抜かれた部材8を送り、積層体7を形成することができる。しかも、打ち抜きダイス12は、その内部にプッシュバック用逆押え15を備えるので、圧延鋼鈑6から打ち抜かれた部材8を、プッシュバック用逆押え15によって圧延鋼鈑6の穴に戻し、圧延鋼鈑6の送りによって、打ち抜かれた部材8を回転積層ダイス16へと送ることが可能となる。よって、部材8の搬送手段を独立して設ける必要性を無くし、回転積層装置の複雑化を防ぐことが出きる。
【0026】
以上の理由から、回転積層装置11は、打ち抜きダイス12における単位時間当りのプレススピードの増加を可能とし、かつ、長時間の使用の後にも製品精度の悪化を招くことを防ぎ、高精度の積層体を低コストで提供することが可能となる。
【0027】
なお、本発明の実施の形態にかかる回転積層装置11の応用例として、図示は省略するが、更に多数の回転積層ダイス16を圧延鋼鈑の送路と直交する方向に直列に配置することも可能である。この場合には、打ち抜きダイス12における単位時間当りのプレススピードの更なる増加にも対応することが可能となる。また、複数の回転積層ダイスを、圧延鋼鈑の送路と交差しまたは接する円周上に配置することも可能である。この構成によれば、複数の回転積層ダイスを一方向に回転させることで、打ち抜きダイス12で打ち抜かれた部材を一つの回転積層ダイスへと送った後、次に打ち抜かれた部材を別の回転積層ダイスへと送ることが可能となり、回転積層ダイスの動作を単純化しつつ、同様の作用効果を得ることができる。
【0028】
次に、本発明の参考例について、図2を参照しながら説明する。ここで、本発明の実施の形態と同一部分若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。また、図2(a)は、本発明の参考例に係る回転積層装置18の上面図を、(b)は回転積層装置18の縦断面図を、模式的に示している。
【0029】
本発明の参考例に係る回転積層装置18と、本発明の実施の形態に係る回転積層装置11との相違部分は、回転積層ダイス16を、打ち抜きダイス12に対し圧延鋼鈑6の送り方向下流に、圧延鋼鈑6の送路に沿って複数(図2の例では2つ)設けた点にある。また、打ち抜きポンチ13を駆動するピストン(図示省略)と、積層ポンチ17(17a、17b)を駆動するピストン19(19a、19b)とを、独立して駆動することが可能な駆動手段(図示省略)を備える。なお、打ち抜きダイス12および各回転積層ダイス16a、16bの、圧延鋼鈑6の送り方向の設置間隔は、全て同一となっている。
【0030】
ここで、回転積層装置18の作業手順について説明する。まず、打ち抜きダイス12と打ち抜きポンチ13で、圧延鋼鈑6から所定の形状の部材8を打ち抜く。このとき、圧延鋼鈑6から抜かれた部材8を、プッシュバック用逆押え15により下方から支える。続いて、打ち抜かれた部材8を再び押し上げて、圧延鋼鈑6の穴に嵌め込む。この間、積層ポンチ17a、17bは何れも停止している。
【0031】
次の打ち抜き作業を行うために、圧延鋼鈑6を送る。前述のごとく、打ち抜きダイス12および各回転積層ダイス16a、16bの設置間隔は、全て同一となっているので、圧延鋼鈑6の送り量は、以後の送り工程においても、常に一定である。そして、プッシュバック用逆押え15によって圧延鋼鈑6の穴に戻された部材8は、圧延鋼鈑6の送り方向下流に位置する回転積層ダイス16aの上方へと送られる。
【0032】
ここで、打ち抜きダイス12と打ち抜きポンチ13で、圧延鋼鈑6から所定の形状の部材8を打ち抜くと同時に、図2(b)に示す積層ポンチ17aで、圧延鋼鈑6の穴に戻された部材8を、回転積層ダイス16aへと落し込む。なお、この時に打ち抜きダイス12と打ち抜きポンチ13で打ち抜かれた部材8は、前回と同様に、プッシュバック用逆押え15によって圧延鋼鈑6の穴に戻される。また、この間、積層ポンチ17bは停止している。
【0033】
続いて、次の打ち抜き作業を行うために、圧延鋼鈑6を送る。そして、打ち抜きダイス12と打ち抜きポンチ13で、圧延鋼鈑6から所定の形状の部材8を打ち抜く。打ち抜かれた部材8は、前回と同様に、プッシュバック用逆押え15によって圧延鋼鈑6の穴に戻される。この間、積層ポンチ17a、17bは何れも停止している。そして、さらに圧延鋼鈑6を送ると、2つの回転積層ダイス16a、16bの上方に、打ち抜かれた部材8が夫々送られる。また、この間に、一方の回転積層ダイス16aは、図示しない駆動機構によって、所定角度だけ回転駆動される。
【0034】
ここで、打ち抜きダイス12と打ち抜きポンチ13で、圧延鋼鈑6から所定の形状の部材8を打ち抜くと同時に、積層ポンチ17a、17bの何れも作動させて、圧延鋼鈑6の穴に戻された2枚の部材8を、回転積層ダイス16a、16bへと落し込む。よって、回転積層ダイス16a内にはn+1枚(nは自然数)の部材8が積層され、回転積層ダイス16b内には、n枚の部材8が落し込まれる。
【0035】
以後は、打ち抜きダイス12と打ち抜きポンチ13で、圧延鋼鈑6から連続して2枚の部材8を打ち抜き、この間に、回転積層ダイス16a、16bのいずれも、図示しない駆動機構によって、所定角度だけ回転駆動する。そして、回転積層ダイス16a、16bへと同時に打ち抜かれた部材8を落し込む作業を繰返す。よって、回転積層ダイス16a内の積層体7は、回転積層ダイス16b内の積層体7に対し、常に1枚分だけ積層が進んだ状態となるので、最後に、回転積層ダイス16b内の積層体7にのみ、打ち抜かれた部材8を1枚落し込み、所定の高さの積層体7を得る。
【0036】
なお、当初より、圧延鋼鈑6から2枚の部材8を連続して打ち抜き、回転積層ダイス16a、16bへと同時に1枚づつ打ち抜かれた部材8を落し込むこととすれば、回転積層ダイス16a内の積層体7と、回転積層ダイス16b内の積層体7の積層を同時に進行させることができる。
【0037】
上記構成をなす本発明の参考例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。本実施の形態は、回転積層ダイス16を、圧延鋼鈑の送路に沿って2つ設けたことにより、打ち抜きダイス12で、回転積層ダイス16a、16bの数と同数の打ち抜き作業を連続して行い、打ち抜かれた部材8を各回転積層ダイス16a、16bへと送り、各回転積層ダイス16a、16bで同時に積層体7の形成を行うものである。よって、各回転積層ダイス16a、16bに、打ち抜かれた部材8が送られる時間的間隔を延ばすことができ、各回転積層ダイス16a、16bにおいて所定角度回転するための時間的余裕をもたらし、回転積層ダイスを回転駆動するための機械要素への負担を軽減することができる。
【0038】
また、打ち抜きダイス12の打ち抜きポンチ13と、2つの回転積層ダイス16a、16bの積層ポンチ17a、17bとを、独立して駆動する駆動手段を備えることから、各回転積層ダイス16a、16bの配置に適したタイミングで積層プレスを行うことができる。さらに、本実施の形態によれば、実施の形態に係る回転積層装置11の、回転積層ダイス16a、16bを、圧延鋼鈑6の送路と直交する方向に反復移動させるための駆動機構が不用となる。
【0039】
そして、回転積層装置18は、本発明の実施の形態に係る回転積層装置11と同様に、打ち抜きダイ12における単位時間当りのプレススピードの増加を可能とし、かつ、長時間の使用の後にも製品精度の悪化を招くことを防ぎ、高精度の積層体を低コストで提供することが可能となる。その他、本発明の実施の形態と同様の作用効果については、詳しい説明を省略する。
【0040】
【発明の効果】
本発明はこのように構成したので、回転積層装置において、単位時間当りのプレススピードの増加を可能とし、かつ、長時間の使用の後にも製品精度の悪化を招くことを防ぎ、高精度の積層体を低コストで提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る回転積層装置を模式的に示したものであり、(a)、(c)は回転積層装置の上面図を、(b)は回転積層装置の縦断面図を示している。
【図2】 本発明の参考例に係る回転積層装置を模式的に示したものであり、(a)は回転積層装置の上面図を、(b)は回転積層装置の縦断面図を示している。
【図3】 従来の回転積層装置を概略的に示す断面図である。
【図4】 従来の打ち抜きダイスの壁面に形成された、微小なテーパを示す拡大断面図である。
【符号の説明】
6 圧延鋼鈑
7 積層体
8 打ち抜かれた部材
11,18 回転積層装置
12 打ち抜きダイス
13 打ち抜きポンチ
14 板押え
15 プッシュバック用逆押え
16、16a、16b 回転積層ダイス
17、17a、17b 積層ポンチ
19、19a、19b ピストン
Claims (3)
- 圧延鋼鈑から打ち抜いた複数の部材を、各々所定角度回転させて積層し一体に固定する装置であって、打ち抜きダイスと回転積層ダイスとを備え、
前記打ち抜きダイスは、内部にプッシュバック用逆押えを備え、
回転積層ダイスは、前記打ち抜きダイスに対し、圧延鋼鈑の送り方向下流に、圧延鋼鈑の送り方向と交差する方向に、移動自在に複数設けられていることを特徴とする回転積層装置。 - 前記複数の回転積層ダイスは、圧延鋼鈑の送路と直交する方向に直列に配置されていることを特徴とする請求項1記載の回転積層装置。
- 前記複数の回転積層ダイスは、圧延鋼鈑の送路と交差しまたは接する円周上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の回転積層装置。
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