JPS626887B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、帯状磁性板から順送りプレスによつ
て打ち抜かれる積層鉄板にかしめ用突起を形成さ
せ、最終打抜工程でブランク抜きをするととも
に、ダイ内部で打ち抜かれた積層鉄板のかしめ用
突起を相互に嵌合させて積層連結させるようにし
た、順送りプレスの最終段の金型装置に関するも
のである。

（従来技術と問題点） 一般に圧延鋼板は板厚が均一でなく、とくに帯
状鋼板から積層鉄板を打ち抜く場合は、積層鉄板
相互の厚さの傾向が等しく、最終打抜工程で打抜
圧力を利用して自動的に積層させると、積層鉄心
の片側に誤差が累積される欠点があり、このた
め、最終打抜工程から排出される積層鉄板を適当
枚数づつ、積層位置を回動させて積層させる必要
があり、製作が面倒であつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、この点にかんがみ、、最終打抜工程
における金型を改善し、少なくとも２つの対称軸
をもつ形状の積層鉄板を打ち抜く場合に、ダイを
回転可能に支持させ、所定の打抜枚数ごとに上型
の打抜動作に関連してダイを積層鉄板形状の対称
軸の数に応じた所定の角度で回動させ、回動の前
後に打ち抜かれた積層鉄板相互が圧延方向を異に
して積層されるようにしたものである。

（実施例） 以下、本発明を図に示す一実施例によつて詳細
に説明する。

第１図ないし第３図は第４図の積層鉄板１を打
ち抜き積層する順送りプレスで、２は図示しない
ラムにボルトなどでとりつけられたポンチホルダ
ー、３は前記ポンチホルダーにとりつけられブラ
ンク抜きを行なうためのポンチ、４は先端にテー
パ状の案内部５を有するパイロツトピン、６は前
記ブランク抜きの前の工程で内径を打ち抜くポン
チ、７はラム２にとりつけられプレス上型のスト
ロークを後述するダイの回転駆動力に変換するた
めのカムで、先端にテーパー部８を設けている。
９は順送りプレスの下型、１０はダイホルダー、
１１は前記ダイホルダー１０に固着されたダイプ
レート、１２は前記ダイプレート上に回転可能に
支持されたダイで後述する機構によつてポンチ３
の打抜動作に関連して一方向に回動され、他方向
にはフリーに回転するようにしてある。１３はダ
イ１２の抜孔で帯状鋼板から打ち抜かれた積層鉄
板１がこの抜孔内で順次積層されて保持され、下
方から積層鉄心としてとり出される。１４は前記
ダイ１２の各回動位置でそれぞれパイロツトピン
４を嵌挿させるようダイ１２に複数個設けられた
パイロツト孔、１５はガイドローラで、たとえば
前記ダイプレート１１に固着した軸１６にとりつ
けたころがり軸受、１７は一端に前記カム７のテ
ーパ部８に対向して設けたローラ１８と移動用の
ローラ１９とを設け、他端にストツパー２０を設
けたラツク、２１はラツク１７のもどしばね、２
２はダイホルダー１０に軸受２３を介してとりつ
けられた回転軸、２４は前記回転軸２２にとりつ
けられ前記ラツク１７とかみ合う増速用の歯車、
２５は前記回転軸２２に一方向クラツチ２６を介
してとりつけられたダイ駆動用の歯車、２７はダ
イ１２にとりつけられ前記歯車２５とかみ合う歯
車、２８はダイプレート１１上にとりつけられた
ブレーキ装置で、第３図に示すようにダイ１２の
側面に回動間隔に応じて複数個設けた凹部２９に
係合する球３０を、押さえばね３１で押圧するよ
うにしている。３２は前記ブレーキ２８の枠体
で、３３は調整ねじである。

なお、ダイ１２の回動はポンチ３の中心と同一
軸で行なわれ、かつＫ×360゜／ｎ（ただしｎは
積層鉄板形状の対称軸の数、Ｋは０より大きくｎ
より小さい正の整数）で示される角度で回転させ
通常は45゜〜180゜の範囲が適当である。したが
つてダイ１２に設けられるパイロツト孔１４およ
び凹部２９は、前記回転角度ごとに設けられる。
たとえば実施例における積層鉄板１の場合は、対
称軸の数ｎは４であるので、回動角度は360゜／
４＝90゜（Ｋ＝１）または180゜（Ｋ＝２）とす
るのがよく、以下の説明では90゜とする。

なお、上型のプレスストロークごとのラツク１
７によるダイ１２の回転を、後述するようにパイ
ロツトピン４によつてダイの正確な位置決めをさ
せるために、前述のＫ×360゜／ｎよりも若干多
めに回転させるようにすることができる。

（作 用） つぎに動作を説明する。

まず、上昇位置にあるポンチホルダー２が図示
しない帯状鋼板から積層鉄板１を打ち抜くため矢
印Ａの方向に下降すると、このポンチホルダー２
とともにカム７も下降する。カム７の下降により
テーパー部８がラツク１７の一端に設けたローラ
１８に当接して、ラツク１７をもどしばね２１に
抗して矢印Ｂ方向に移動させる。このため、ラツ
ク１７とかみ合う歯車２４および歯車２５が矢印
Ｃ方向に回転され、一方向クラツチ２６を介して
歯車２７および歯車２７と一体のダイ１２を矢印
Ｄ方向に回動させる。なお、ストツパー２０によ
つてラツク１７の軸方向位置を調整し、ローラー
１８がテーパー部８に接触する位置を変えてラツ
ク１７の移動量を調整することにより、歯車２４
の回転量がダイ１２をほぼ90゜回動させるように
してある。ダイ１２が回動すると、回動位置に保
持するため、ブレーキ装置２８の球３０を押さえ
ばね３１でダイ１２の側面に設けた凹部２９に係
合させる。

ダイ１２の回動が終わつたのちに、パイロツト
ピン４がダイ１２のパイロツト孔１４に挿入され
る。このとき、ダイの回動位置が90゜の位置から
ずれていても、パイロツトピン４の案内部５によ
つてパイロツト孔１４をパイロツトピン４の軸心
に移動させ、ダイの位置がポンチ３の位置に合致
するよう修正される。しかるにダイ１２は一方向
クラツチ２６により矢印Ｄ方向と反対方向にのみ
フリーとなつているので、パイロツトピンによる
修正方向がダイのフリー方向となるようにあらか
じめダイ１２の回動量を90゜よりも若干多くなる
ようにしておくとよい。

ポンチ３とダイ１２とが正確に位置決めされた
状態で、ポンチ３が帯状鋼板から積層鉄板１を打
ち抜く。打ち抜かれた積層鉄板１は、その外径が
ダイ１２の内径と同一寸法であるため落下するこ
となく、摩擦によつてダイ１２内にとどまるとと
もに、前に打ち抜かれた積層鉄板の上に90゜ずれ
た位置で積層される。帯状鋼板から積層鉄板を打
ち抜いた後、上型が上昇するとカム７も上昇し、
ラツク１７はもどしばね２１によつてストツパー
２０によつて調整された位置に復帰する。この復
帰により歯車２４が回転軸２２とともに矢印Ｃと
は反対方向に回転するが、一方向クラツチ２６の
から回りによつて歯車２５は回転せず、したがつ
てダイ１２は回動しない。

このように上型の打抜動作に関連して、帯状鋼
板から積層鉄板が打ち抜かれる前にダイを回動さ
せ、ダイとともにすでに打ち抜かれ積層されてい
る積層鉄板が90゜ずつ回動されるため、新たに打
ち抜かれた積層鉄板は前に打ち抜かれた積層鉄板
と圧延方向が90゜異なる方向でダイ内に積層され
る。積層された鉄板は、前の工程で設けられたか
しめ用突起３４が打抜圧力によつて、前に打ち抜
かれた積層鉄板のかしめ孔に押しこまれて結合さ
れ、ダイ１２内で鉄板相互の圧延方向が90゜ずつ
変位した積層鉄心がつくられる。

積層鉄心を必要積層量毎に分離させるために
は、第５図に示すように所要枚数ごとに１枚もし
くは複数板の積層鉄板１ａのかしめ用突起を打ち
抜き、突起片をなくしておけばよい。また、ダイ
１２の下方にダイ１２とともに回動し、かつ上下
動する受け台を設けて打ち抜かれた積層鉄板をこ
の受け台上で打抜圧力により、積層させるように
してもよい。

なお、上述の説明では、上型の下降時にダイ１
２を回転させるようにしているが、上型の上昇時
にダイ１２を回転させるようにしてもよく、数回
の打抜動作ごとに回動させてもよい。

（発明の効果） 本発明はこのように、積層鉄板を最終打抜工程
のダイ内部において積層鉄板に設けたかしめ用突
起で積層連結し、回転電機の積層鉄心をつくる順
送りプレスの金型装置において、最終打抜工程の
ダイをポンチの中心と同一軸で回転可能に支持さ
せるとともに、このダイを上型の打抜動作に関連
してＫ×360゜／ｎ（ただしｎは積層鉄板形状の
対称軸の数、Ｋは０より大きくｎより小さい正の
整数）の角度で回動させ、上型に設けたパイロツ
トピンと、ダイに抜孔を囲み回動位置の数に応じ
て複数個設けられたパイロツト孔とをそなえ、各
回動位置でそのいずれかのパイロツト孔に前記パ
イロツトピンが嵌挿されるようにしてあるから、
帯状鋼板から積層鉄板を打ち抜く前に、ダイを前
記所定の角度で回動させて打抜鉄板とダイ内の積
層鉄板との圧延方向を変えるとともに、各回動位
置でパイロツト孔にパイロツトピンを嵌挿させて
正確な位置決めが行われる。したがつて、人手に
よらず極めて簡単に、かつ別の作業工程を設けず
に積層鉄板相互の圧延方向を変えて積層すること
ができ、板厚の誤差の累積をなくし、積層寸法の
均等な積層鉄心を得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の要部を示す斜視
図、第２図は下型の内部構造を示す側断面図、第
３図はダイとブレーキ装置との関係を示す説明
図、第４図は積層鉄板の平面図、第５図は第４図
における−線に沿う正断面図である。 １は積層鉄板、３はポンチ、４はパイロツトピ
ン、１２はダイ、１４はパイロツト孔、１７はラ
ツク、２４，２５，２７は歯車、２６は一方向ク
ラツチである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 積層鉄板の最終打抜工程のダイ内部で、帯状
   圧延鋼板から打ち抜かれる積層鉄板をかしめ用突
   起により積層連結させ回転電機の積層鉄心をつく
   る順送りプレスの金型装置において、最終打抜工
   程のダイをポンチの中心と同一軸で回転可能に支
   持し、このダイを上型の打抜動作に関連してダイ
   内の積層鉄板とともにＫ×360゜／ｎ（ただしｎ
   は積層鉄板形状の対称軸の数、Ｋは０より大きく
   ｎより小さい正の整数）の角度で回動させ、前記
   上型に設けたパイロツトピンと、前記ダイにダイ
   の回動位置に応じて複数個設けられ、各回動位置
   でそのいずれかに前記パイロツトピンが嵌挿され
   るパイロツト孔とをそなえたことを特徴とする金
   型装置。 ２ 前記パイロツトピンの先端にテーパ状の案内
   部を設け、上型の打抜動作に関連して往復動する
   ラツクと、このラツクとダイを連結する歯車と、
   前記歯車に介挿した一方向クラツチとをそなえた
   特許請求の範囲第１項記載の金型装置。