この発明は、電源供給線に接続されて動作する浴室空調装置や、ミスト発生装置、給湯装置、ゴミ処理装置、洗濯機、冷蔵庫、ポンプ、用紙処理装置、電気式床暖房機、自動販売機等の電気機器に設けられた接地用の端子に、大地零電位に維持される接地線が接続されているか否かを監視するアース監視システムに適用して好適な接地線接続監視装置及びこれを応用した電気機器に関するものである。
詳しくは、空調装置、ゴミ処理装置、洗濯機、冷蔵庫、ポンプ、用紙処理装置、電気式床暖房機、自動販売機等の電気機器において、電源供給線に接続された静電容量の接地点と接地用の端子との間の導電線を流れる漏れ電流を検出して得られた漏れ電流検出情報を入力する判別部を備え、大地零電位に維持される接地線が接地用の端子に接続されているか否かを漏れ電流検出情報に基づいて判別できるようにして、漏れ電流が所定の導電線に流れる場合は、接地用の端子に大地零電位に維持される接地線が接続されていると判別できるようにすると共に、漏れ電流がその導電線に流れない場合は、接地用の端子に大地零電位に維持される接地線が接続されていないと判別できるようにしたものである。
従来から、電気機器を使用する場合は、所定の接地用の端子にアース線を接続することが義務付けられている。特に、水やお湯を取り扱う電気機器には、感電を防止するために所定の接地用の端子が設けられる場合が多い。この種のアース線に関する工事は、電気工事士等の有資格施行業者に委ねられている。
従来例に係る電気機器によれば、内部配線の傷等が原因となって筐体に漏電事故が生じた場合でも、アース線が真正に接地用の端子に接続されている場合は、配電盤や分電盤等の漏電遮断器が漏れ電流(零相電流)を検知して不良電路を遮断するようになされる。これにより、不本意な感電を防止して安全性を保つことができる。
この種の漏れ電流を検出する装置に関連して、特許文献1には、零相変流器内蔵型の接地コンデンサが開示されている。この接地コンデンサによれば、送配電系統において、接地補償用の3つのコンデンサを星形(スター)接続し、各コンデンサの一端を各々三相交流電源のU相、V相、W相に接続し、その他端である星形接続点(中性点)を接地用の端子に接続する。この端子を大地に接地する。そして、中性点から接地用の端子に至る導電線に零相変流器を設けて、導電線に流れる零相電流を検出するようになされる。このような接地コンデンサを一体型モールド構成とすることで、外装をコンパクトに抑えつつ、三相交流電圧不平衡時に、中性点に流れる零相電流を検出できるというものである。
また、特許文献2には、分電盤の分岐回路接続チェック装置が開示されている。このチェック装置によれば、接地工事を施した分電盤の分岐回路の接続をチェックする際に、零相変流器を備えた分電盤の分岐ブレーカ毎に零相電流が検出可能となされる親機と、この親機と通信可能な子機を備え、電気使用場所で分岐ブレーカ毎に負荷装置を接続し、当該分岐ブレーカの零相電流の検出情報を子機を介して親機から取得する。親機から取得した零相電流の検出結果は、表示手段に表示するようになされる。このようにチェック装置を構成すると、分電盤の接地極の大地への接続状態を子機で容易にチェックできるというものである。
更に、特許文献3には、漏電検出装置及びそれを具備する浴室空調装置が開示されている。この漏電検出装置によれば、漏電信号発生手段と判別手段とを備え、接地工事を施した浴室空調装置等で漏電が発生した場合に、漏電信号発生手段を構成するZCTコイルは、漏電電流を検出して漏電信号を発生する。判別手段は、ZCTコイルから出力される漏電電流を入力し、漏電電流がノイズであるか否かを判別するようになされる。このように漏電検出装置を構成すると、ノイズを伴う漏電の誤検出を低減できるというものである。
特開平07−235446号公報(第2頁 図1)
特開2003−107121号公報(第2頁 図1)
特開2005−283375号公報(第2頁 図3)
ところで、従来例に係る浴室空調装置や、ミスト発生装置、給湯装置、ゴミ処理装置、洗濯機、冷蔵庫、ポンプ、用紙処理装置、電気式床暖房機、自動販売機等の電気機器には、所定の位置に接地用の端子が設けられ、使用電圧に応じた接地工事が施される。特許文献1〜3に見られるような接地コンデンサ、分電盤及び浴室空調装置においても、アース線の接続は、通常、電気工事士等の有資格施行業者に委ねられている。
接地用の端子が目視点検困難な場所、例えば、筐体裏面の下方に配置され、その場所でアース線が接続される電気機器に関しては、アース線が接続なされていなかった場合であって、何かしら問題が起きた場合に初めて点検が行われる。従って、それまではアース線が接地用の端子から外れていることが発覚を遅らせる原因となる。因みに接地用の端子が設けられている電気機器については、アース線の接続は絶対に必要であり、アース線が接続された以後も、その接続の有無を確認できることが必要である。
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、接地線が接地用の端子に接続されていない旨等を表示できるようにすると共に、接地線が接地用の端子に接続されていない場合は機器本体の動作を制限できるようにした接地線接続監視装置及び電気機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る接地線接続監視装置は、少なくとも、電源供給線と、所定の位置に設けられた接地用の端子と、金属製の筐体又は基板と、金属製の筐体又は基板の所定位置に設けられた接地点と、一方が電源供給線に接続され、他方が接地点に接続された静電容量と、静電容量が接続された接地点と接地用の端子との間に接続された導電線とを備える電気機器で監視対象となる接地用の端子に大地零電位に維持される接地線が接続されているかを監視するための接地線接続監視装置であって、静電容量の接地点から接地用の端子に至る導電線を流れる漏れ電流を検出する検出部と、この検出部から得られる漏れ電流検出情報を入力して、大地零電位に維持される接地線が接地用の端子に接続されているか否かを判別する判別部とを備え、検出部は、接地用の端子の前段に設けられていることを特徴とするものである。
本発明に係る接地線接続監視装置によれば、検出部は接地用の端子の前段に設けられ、電源供給線に接続された静電容量の接地点と接地用の端子とを接続する導電線を流れる漏れ電流を検出する。これを前提にして、判別部は、検出部から得られた漏れ電流検出情報を入力し、大地零電位に維持される接地線が接地用の端子に接続されているか否かを漏れ電流検出情報に基づいて判別するようになる。例えば、判別部は、検出部から得られる漏れ電流検出情報と基準設定情報とを比較して、大地零電位に維持される接地線が接地用の端子に接続されているか否かを判別する。
従って、漏れ電流が所定の導電線に流れる場合は、接地用の端子に大地零電位に維持される接地線が接続されていると判別することができ、また、漏れ電流がその導電線に流れない場合は、接地用の端子に大地零電位に維持される接地線が接続されていないと判別できるようになる。
本発明に係る電気機器は、電源供給線と、所定の位置に設けられた接地用の端子と、金属製の筐体又は基板と、金属製の筐体又は基板の所定位置に設けられた接地点と、一方が電源供給線に接続され、他方が接地点に接続された静電容量と、静電容量が接続された接地点と接地用の端子との間に接続された導電線とを有する機器本体と、この機器本体の接地用の端子に、大地零電位に維持される接地線が接続されているかを監視する接地線接続監視手段とを備え、接地線接続監視手段は、静電容量の接地点から接地用の端子に至る導電線中を流れる漏れ電流を検出する検出部と、検出部から得られる漏れ電流検出情報を入力して、大地零電位に維持される接地線が接地用の端子に接続されているか否かを判別する判別部と、この判別部から出力される判別結果を表示する表示部とを有し、検出部が、接地用の端子の前段に設けられていることを特徴とするものである。
本発明に係る電気機器によれば、本発明に係る接地線接続監視装置が備えられ、接地線接続監視手段では、大地零電位に維持される接地線が接地用の端子に接続されているか否かを所定の導電線に流れる漏れ電流に係る検出情報に基づいて判別し、その判別結果を表示するようになされる。
従って、漏れ電流が所定の導電線に流れる場合は、当該機器本体の接地用の端子に大地零電位に維持される接地線が接続されていると判別することができ、また、漏れ電流が導電線に流れない場合は、その接地用の端子に大地零電位に維持される接地線が接続されていないと判別できるようになる。
本発明に係る接地線接続監視装置によれば、接地用の端子の前段に設けられた検出部から漏れ電流検出情報を入力する判別部を備え、判別部は、電源供給線に接続された静電容量の接地点と接地用の端子との間の導電線を流れる漏れ電流を検出して得られた漏れ電流検出情報を入力し、判別部は大地零電位に維持される接地線が接地用の端子に接続されているか否かを判別するようになされる。
この構成によって、漏れ電流が所定の導電線に流れる場合は、接地用の端子に大地零電位に維持される接地線が接続されていると判別することができ、また、漏れ電流がその導電線に流れない場合は、接地用の端子に大地零電位に維持される接地線が接続されていないと判別できるようになる。これにより、接地線が接地用の端子に接続されていない旨等を表示できるようになると共に、接地線が接地用の端子に接続されていない場合は電気機器の動作を制限できるようになる。
本発明に係る電気機器によれば、本発明に係る接地線接続監視装置が備えられ、接地線接続監視手段では、接地用の端子の前段に設けられた検出部から漏れ電流検出情報を入力し、電源供給線に接続された静電容量の接地点と接地用の端子との間の導電線を流れる漏れ電流を検出して得られた漏れ電流検出情報を入力し、判別部は大地零電位に維持される接地線が接地用の端子に接続されているか否かを判別し、その判別結果を表示するようになされる。
この構成によって、漏れ電流が所定の導電線に流れる場合は、当該機器本体の接地用の端子に大地零電位に維持される接地線が接続されていると判別することができ、また、漏れ電流がその導電線に流れない場合は、その接地用の端子に大地零電位に維持される接地線が接続されていないと判別できるようになる。これにより、接地線が接地用の端子に接続されていない旨等を表示できるようになるので、接地線が接地用の端子に接続されていない場合は機器本体の動作を制限できるようになる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る接地線接続監視装置及び電気機器について説明をする。
図1は、本発明に係る実施形態としてのアース接続監視装置100の構成例を示す概念図である。
図1に示すアース接続監視装置100は、本発明に係る接地線接続監視装置の機能を有するものであり、監視対象となる電気機器700の接地用の端子(以下GND端子74という)に大地零電位(0V)に維持される接地線(以下アース線Leという)が接続されているかを監視するための装置である。
この例で、監視対象となる電気機器700は、少なくとも、筐体70及びAC電源ラインLa,Lb(電源供給線)を有している。筐体70は金属製の箱型に限られることはなく、金属製の基板と、当該基板を覆う樹脂製の箱状体であってもよい。筐体70の所定の位置にはGND端子74が設けられ、大地零電位に維持されるアース線Leを接続するようになされる。
アース線Leには、電気機器700にもよるが、例えば、定格電流20A以下で直径1.6mm以上及び断面積1.25mm2以上の軟銅線が使用される。アルミニウム線の場合は2.6mm以上である。電気機器700の定格電流が多くなるほど太い軟銅線やアルミニウム線等を使用するようになされる。アース線Leの一端は、GND端子74に接続され、その他端は、大地80に埋設された接地棒等の接地電極に接続される。接地棒は電気機器700の使用電圧に応じたA種〜D種接地工事が施される。
GND端子74は例えば、金属製及び樹脂製の箱状体の筐体70の所定の位置に設けられ、通常、アース線Leを接続し易くなされている。AC電源ラインLa,Lbとアース線Leとを並べて接続可能な電源端子ボックス内に設けられる。もちろん、これに限られることはなく、単独で外箱にGND端子74を設けている機器であってもよい。
この例で、金属製の筐体70又は基板の所定位置には接地点Pが設けられ、筐体(内部)アースとなされている。電気機器700は、一方が電源供給線La,Lbに接続され、他方が接地点Pに接続されたY接続型のコンデンサ71(静電容量)を有している。コンデンサ71は静電容量Ca及びCbから構成されている。静電容量Caの一端は、電源供給線Laに接続され、静電容量Cbの一端は、電源供給線Lbに接続され、静電容量Ca及びCbの他端は共に接地点Pに接続されている。低圧用の静電容量Ca及びCbには、耐圧250V、2200pF程度のものが使用される。
この例でコンデンサ71が接続された接地点P(筐体内部アース点)と、GND端子74との間には導電線Lcが接続されている。導電線Lcには、1.6mm以上及び1.25mm2以上の銅線が使用され、GND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されることで漏れ電流icが流れる。
アース接続監視装置100は、ZCTコイル72及び検知処理ユニット73を有して構成される。ZCTコイル72は、検出部の機能を有しており、コンデンサ71の接地点PからGND端子74に至る導電線Lcを流れる漏れ電流icを検出するものである。ZCTコイル72はコイルを所定の回数だけ環状に巻いた変流器を構成している。ZCTコイル72は環状本体部及び出力端子を有している。導電線Lcは、ZCTコイル72の環状本体部に所定の回数だけ環状に巻くようになされる。
検知処理ユニット73は判別部の機能を有しており、ZCTコイル72から得られる漏れ電流icに係る検出情報を入力して、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されているか否かを判別するようになされる。検知処理ユニット73にはIV変換回路や、アンプ、CPU等が使用される。例えば、検知処理ユニット73は、ZCTコイル72から得られる漏れ電流icに係る検出情報と基準設定情報とを比較して、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されているか否かを判別する。
この例で、検知処理ユニット73は、上述の導電線Lcに漏れ電流icが流れる場合は、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されていると判別し、導電線Lcに漏れ電流icが流れない場合は、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されていないと判別する。
この例で、検知処理ユニット73には表示部6iが接続され、当該ユニット73から出力される判別結果に基づく表示処理をする。例えば、表示部6iには液晶表示装置が使用され、検知処理ユニット73から出力される判別結果信号に基づいて警告表示をする。表示部6iは、検知処理ユニット73によってGND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されていないと判別された場合に、例えば、判別結果に基づく表示データにより「GND端子74にアース線Leが接続されていない」旨の文字情報を表示する。
表示部6iは、文字情報を表示する液晶表示装置の他に単に発光表示するような表示器であってもよい。例えば、検知処理ユニット73から出力される判別結果信号に基づいて警告点灯処理をする点灯部を備え、この点灯部で、検知処理ユニット73によってGND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されていないと判別された場合に、判別結果信号に基づいて点灯又は点滅するようにしてもよい。
このように、アース接続監視装置100を構成すると、監視対象となる電気機器700のGND端子74に、大地零電位(0V)に維持されるアース線Leが接続されているかを監視できるようになる。
続いて、電気機器700におけるアース接続監視装置100の動作例について説明する。図2〜図5は、アース接続監視装置100の動作例(その1〜4)を示す回路図である。
図2は、アース接続監視装置100による漏れ電流検出時の動作例(静電容量Ca)を示す回路図である。この例では、アース線LeがGND端子74に真に正しく接続されている場合である。
図2に示す電気機器700には、例えば、屋外の柱上変圧器81から電源を供給するようになされる。柱上変圧器81はその一次側にU相及びV相用の電源入力端子U、Vが設けられる。U相及びV相用の電源入力端子U,Vには、例えば、6600Vの高圧線が接続される。柱上変圧器81の二次側には、低圧用の電源出力端子u,Nが設けられている。電源出力端子NにはB種接地工事が施される。B種接地工事では、線路の一線地絡電流をIとしたとき、接地抵抗Rbは150/I[Ω]以下になされる。
電源出力端子uには、例えば、105V電源供給ラインLaが接続され、電源出力端子Nには、その帰路となる電源供給ラインLbが接続される。この例では、便宜上、電源の極性に関して電源出力端子uを高電位側(105V)とし、電源出力端子Nを低電位側(0V)とする。
電源供給ラインLa,Lbは電気機器700の電源端子78、79に接続される。アース線Leの一端はD種接地工事が施された接地抵抗Rd=100[Ω]以下の接地電極に接続され、他端はGND端子74に接続される。この場合、柱上変圧器81の電源出力端子u→電源供給ラインLa→電源端子78→静電容量Ca→接地点P→導電線Lc→GND端子74→アース線Le→D種接地抵抗Rd→大地80→B種接地抵抗Rb→柱上変圧器81の電源出力端子Nに至る閉回路を漏れ電流icが流れる。漏れ電流icはZCTコイル72によって検出され、検知処理ユニット73に出力される。
この場合、検知処理ユニット73は、GND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されていると判別する。例えば、検知処理ユニット73では、ZCTコイル72から得られる漏れ電流icに関する検出情報と基準設定情報とを比較して、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されているか否かを判別する。基準設定情報には例えば、基準電圧Vref=0Vが設定される。ZCTコイル72で漏れ電流icが検出される場合、基準電圧Vref=0Vよりも大きな電圧検出情報(Vc)が得られるので、検知処理ユニット73で、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されている旨を判別できるようになる。
図3は、アース接続監視装置100による漏れ電流検出時の動作例(静電容量Cb)を示す回路図である。この例では、図2に示した電源供給ラインLa,Lbの極性が反転して接続された場合であって、アース線LeがGND端子74に真に正しく接続されている場合である。
この場合も、柱上変圧器81の電源出力端子u→電源供給ラインLa→電源端子79→静電容量Cb→接地点P→導電線Lc→GND端子74→アース線Le→D種接地抵抗Rd→大地80→B種接地抵抗Rb→柱上変圧器81の電源出力端子Nに至る閉回路を漏れ電流icが流れる。漏れ電流icはZCTコイル72によって検出され、検知処理ユニット73に出力される。
この場合も、基準電圧Vref=0Vよりも大きな電圧検出情報(Vc)が得られるので、検知処理ユニット73で、GND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されている旨を判別できるようになる。
図4は、アース接続監視装置100による漏れ電流非検出時の状態例(無接地)を示す回路図である。この例では、図2に示した電源供給ラインLa,Lbが接続されている場合であって、アース線LeがGND端子74に全く接続されていない場合である。
この場合は、図2及び図3に示した閉回路が形成されていないので漏れ電流icが流れない。検知処理ユニット73では、ZCTコイル72から”漏れ電流icが流れた”とする検出情報が得られず、”漏れ電流icは0である”とする検出情報が得られる。
検知処理ユニット73では、”漏れ電流icは0である”とする検出情報と基準設定情報とを比較しても、基準電圧Vref=0Vよりも大きな電圧検出情報(Vc)が得られないので、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されていない旨を判別できるようになる。
図5は、アース接続監視装置100による漏れ電流非検出時の状態例(筐体仮性接地)を示す回路図である。
この例では、図2に示した電源供給ラインLa,Lbが接続されている場合であって、アース線Leの一端は、大地80に接地されているが、その他端がGND端子74から離れている場合で、かつ、筐体70の金属部分が大地80に接触し仮性接地状態になされている場合である。
この場合も、図2及び図3に示した閉回路が形成されていないので漏れ電流icが流れない。検知処理ユニット73では、ZCTコイル72から”漏れ電流icが流れた”とする検出情報が得られず、”漏れ電流icは0である”とする検出情報が得られる。
仮性接地状態では、柱上変圧器81の電源出力端子u→電源供給ラインLa→電源端子78→静電容量Ca→接地点P→筐体70(仮性接地点P’)→大地80→B種接地抵抗Rb→柱上変圧器81の電源出力端子Nに至る閉回路が構成されるものの、導電線Lc及びその先端であるGND端子74が電気的に浮遊(開放)している状態である。従って、漏れ電流ic’が仮性接地点P’を流れるものの、図2及び3に示したような漏れ電流icが流れない。この場合も、検知処理ユニット73では、GND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されていないと判別できるようになる。
ZCTコイル72は、接地点Pから延在する導電線Lcからのみ漏れ電流icを検出する必要があり、このような漏れ電流icを検出する場合に、GND端子74の前段にZCTコイル72が設けられる。しかも、GND端子74は、接地点Pから延在する導電線Lcの他端のみに接続するようになされる。これは、GND端子74の近くで筐体アースを採ってはならないことを意味している。
つまり、ZCTコイル72の設置箇所と、GND端子74との間で筐体アースが採られると、筐体が鋼板で覆われた設置箇所など、上述の仮性接地状態に陥った場合に、真正のアース線Leを接続しなくても、ZCTコイル72が誤検知してしまい、アース線があたかも接続されたと、検知処理ユニット73が判断してしまうことを防止するためである。
このように、実施形態としてのアース接続監視装置100によれば、検知処理ユニット73は、ZCTコイル72から得られた漏れ電流icに関する検出情報を入力し、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されているか否かを漏れ電流icに関する検出情報に基づいて判別するようになる。上述した例では、検知処理ユニット73は、ZCTコイル72から得られる漏れ電流icに関する検出情報と基準設定情報とを比較して、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されているか否かを判別する。
従って、漏れ電流icが導電線Lcに流れる場合は、GND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されていると判別することができ、また、漏れ電流icが導電線Lcに流れない場合は、GND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されていないと判別できるようになる。
これにより、アース線LeがGND端子74に接続されていない旨等を表示できるようになるので、アース線LeがGND端子74に接続されていない場合は機器本体の動作を制限できるようになる。
図6は、各実施例としてのアース接続監視装置100が応用される浴室空調システム1の構成例を示す概念図である。
<浴室空調システムの全体>
図6に示す浴室空調システム1には、電気機器の一例を構成し、浴室101内の空調を整えるようになされる。この浴室空調システム1は、ミスト発生装置2、浴室空調装置(空調装置)3及びヒートポンプ式の給湯装置4を備えて構成されている。
ミスト発生装置2は、浴室101の天井に配設され、霧状にした温水(ミスト)又は水を浴室101内に噴出するようになされる。例えば、ミスト発生装置2は、ヒートポンプ式の給湯装置4に接続され、これより排出される水又は温水を利用してミスト又は霧状水を発生する。
ミスト発生装置2は、電磁弁ユニット2A、電源部ユニット2B及びノズルユニット2Cから構成されている。電磁弁ユニット2Aの内部には複数の電磁弁が設けられ、給湯装置4より排出される温水又は給水管からの水の供給先を切換えるようになされる。電磁弁ユニット2Aには、電源部ユニット2Bが実装されている。電源部ユニット2Bの内部にはアース接続監視装置100が実装される(図6には図示せず;図14参照)。
電源部ユニット2Bにはミスト操作部7が接続される。電源部ユニット2Bは、電磁弁ユニット本体と共に浴室101の天井裏に配置され、当該ユニット内に設けられた複数の電磁弁をミスト操作部7からの操作指令に基づいて開閉制御を実行する。電磁弁ユニット2Aは浴室101の天井裏に置かれるが、浴室101の天井に有する点検口の近傍に配設される。
電磁弁ユニット2Aには、給湯装置4から排出される水又は温水の供給を受けるための給水(給湯)配管2aと、ノズルユニット2Cに温水を供給するためのノズル配管2bと、温水を排水するためのドレン配管2cとが接続されている。ドレン配管2cは浴室外へ配管される。もちろん、浴室101に配管してもよい。
電磁弁ユニット2Aにはノズルユニット2Cが接続され、浴室内に向けて配置されるノズルを備え、水又は温水によるミストを噴出するようになされる。ノズルユニット2Cは例えば、天井表面に取り付けられる。
この例で、浴室空調装置3も電磁弁ユニット2Aと同様にして浴室101の天井に配設され、浴室101の暖房や換気等が行われる。浴室空調装置3の内部にはアース接続監視装置100が実装される(図6には図示せず;図9参照)。浴室空調装置3の熱源として、当該浴室空調装置3に内蔵した電気ヒータ(PTCヒータ)が利用される。浴室空調装置3には図示しない換気ダクトが接続され、この換気ダクトには換気グリルが接続される。換気グリルは、排気口を有しており、浴室外部に排気口を向けて取り付けられる。
上述の電磁弁ユニット2Aには、給湯装置4が接続され、冷媒ガス又は空気を圧縮して得られる熱源を利用して水を温めるようになされる。給湯装置4の内部にはアース接続監視装置100が実装される(図6には図示せず;図13参照)。給湯装置4は、屋外に配置され、ミスト発生装置2及び浴室101等に温水を給湯し、又は水を供給するようになされる。給湯装置4からの温水は、洗面脱衣所102の図示しない洗面器の給湯栓にも給湯される。
なお、ミスト発生装置2及び浴室空調装置3には、主操作部6及びミスト操作部7が接続され、これらの操作に基づいてミスト発生及び浴室環境調整動作を実行する。主操作部6は、浴室空調装置3に内蔵された制御部(図6には図示せず)に通信ケーブル6aで接続されたリモートコントロール(遠隔制御)装置である。
この主操作部6(以下、「空調リモコン6」という)は、洗面脱衣所102の壁に取り付けられている。ミスト操作部7は、電源部ユニット2Bに内蔵された制御部(図示せず)に通信ケーブル7aで接続されたリモートコントロール装置である。このミスト操作部7(以下、「ミストリモコン7」という)は、浴室101の壁に取り付けられている。
また、浴室101内、例えば、浴室空調装置3のフロントパネル26には、人体検出センサ69Aが取り付けられ、浴室利用者が浴室内に入室すると、それを検知して入室検知信号を出力するようになされる。この人体検出センサ69Aは、例えば赤外線センサを用いて構成されたものである(特開平10−142351号公報参照)。このように、ミスト発生装置2、浴室空調装置3及び給湯装置4を備えた浴室空調システム1が構成される。
この例では、ミスト発生装置2、浴室空調装置3及び給湯装置4毎に接地線接続監視装置100が設けられ、その判別結果は、空調リモコン6の表示部6iに表示される場合を例に挙げる。
図7は、浴室空調装置3の構成例を示す断面図である。図7に示す浴室空調装置3は、図6に示した浴室101の天井裏に取り付け可能であって、循環ファン部32と換気ファン部30を収容する本体ケース17を備えている。本体ケース17は、鉄等の金属部材で構成される。この本体ケース17には、循環ファン部32の上側に換気ファン部30が重なる形態で、これら循環ファン部32および換気ファン部30が取り付けられる。
循環ファン部32は空気を循環させるために、回転軸の向きを鉛直方向とした多翼の羽根車34と、この羽根車34を回転駆動する循環ファンモータ35と、風路を形成する循環ファンケース36とを備えて構成される。循環ファンケース36には、羽根車34の軸方向に沿った下面に、循環ファン吸込口37としての開口が形成される。循環ファンケース36には、羽根車34の接線方向に沿って吹出風路8が形成されると共に、この吹出風路8と連通した下面に循環ファン吹出口9としての開口が形成される。
換気ファン部30は空気を排気するために、回転軸の向きを鉛直方向とした多翼の羽根車11と、この羽根車11を回転駆動する換気ファンモータ12と、風路を形成する換気ファンケース13とを備えて構成される。換気ファンケース13には、羽根車11の軸方向に沿った下面に、換気ファン吸込口14としての開口が形成される。また、換気ファンケース13には、羽根車11の接線方向に沿って排気風路15が形成されると共に、この排気風路15と連通した一の側面に排気口16としての開口が形成される。
この例で、上述の循環ファン部32にはヒータ10が備えられる。ヒータ10は、循環ファン吹出口9の近傍の吹出風路8に配設される。ヒータ10として、例えば、棒状のヒータ部材に長手方向に沿って多数のフィンが取り付けられた構成の、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを用いることができる。このヒータ10は、吹出風路8を通る空気が放熱フィンの間を通過するように、吹出風路8中に取り付けられる。
また、浴室空調装置3は、排気ダクトジョイント18aを備えている。排気ダクトジョイント18aは、本体ケース17の一の側面に、上述の換気ファン部30の排気口16と連通するように、当該排気口16に取り付けられる。
本体ケース17には、副吸込口17aと、副吸込ダクトジョイント18bとが備えられる。副吸込口17aは、排気口16の形成面以外の本体ケース17の他の側面に形成される。この副吸込口17aに、副吸込ダクトジョイント18bが取り付けられる。
また、浴室空調装置3は、副吸込風路19を備えている。副吸込風路19は、循環ファン部32の上側に、この循環ファン部32の吹出風路8とは独立して形成される。この副吸込風路19は、副吸込口17aと換気ファン吸込口14とを連通するように構成されている。
浴室空調装置3は、換気吸込風路形成部材20を備えており、換気吸込風路形成部材20は、換気ファン部30の下側に取り付けられる。換気吸込風路形成部材20は、本体ケース17の下面側に換気吸込口20aとしての開口を有すると共に、換気吸込口20aと換気ファン吸込口14を連通させる換気吸込風路20bを有している。
また、上述の循環ファン吸込口37には温度センサ21が備えられ、循環ファン吸込口37から循環ファン部32に吸い込まれる空気の温度、つまり浴室内の温度を検出するようになされる。
本体ケース17の下面にはフロントパネル22が備えられ、本体ケース17に対して着脱可能に構成されている。フロントパネル22には、循環ファン部32の循環ファン吸込口37および換気ファン部30と連通した換気吸込口20aと対向して吸込口グリル22aが形成される。また、フロントパネル22には、循環ファン部32の循環ファン吹出口9と対向して吹出口グリル22bが形成される。
このように浴室空調装置3が構成され、浴室101内に空気を循環させたり、浴室101内を乾燥させたり、浴室101から外部へ排気して換気するようになされる。
図8は、浴室空調装置3におけるアース接続監視装置100及びその周辺回路の構成例を示すブロック図である。
図8に示す浴室空調装置3は、ヒータ10、本体ケース17(機器本体)、モータ35,ZCTコイル72及びGND端子74の他に、電源基板3A及び電源端子台3Bを有している。電源端子台3Bには電源端子78,79が設けられる。GND端子74は、本体ケース17の電源端子台3Bの所定位置に設けられている。本体ケース17は金属板を所定の形状に加工したものであり、その筐体アース位置には接地点Pが設けられる。
本体ケース17には電源基板3Aが設けられ、電源基板3Aには、コイル用の端子3C、コンデンサ71、検知処理ユニット73の他にモータ駆動回路81、ヒータ駆動回路82、変圧器83及び整流平滑回路84が設けられる。ZCTコイル72及び検知処理ユニット73は、本発明に係るアース接続監視装置100を構成し、本体ケース17のGND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されているかを監視する。
この例で、AC電源ラインLa,Lbは、電源端子78,79を介してコンデンサ71、モータ駆動回路81、ヒータ駆動回路82及び変圧器83に接続されている。コンデンサ71は、一方がAC電源ラインLa,Lbに接続され、他方が接地点Pに接続されている。コンデンサ71が接続された接地点PとGND端子74との間に導電線Lcが接続されている。GND端子74には大地零電位に維持されるアース線Leが接続される。
また、検知処理ユニット73は検出回路75及びマイクロコンピュータ(以下マイコン76という)から構成される。上述のZCTコイル72は、コイル用の端子3Cを介して検出回路75に接続されている。ZCTコイル72は、コンデンサ71の接地点PからGND端子74に至る導電線Lc中を流れる漏れ電流icを検出して漏れ電流検出信号(電流ic’)を検出回路75に出力する。
検出回路75は、ZCTコイル72から出力される漏れ電流検出信号(電流ic’)を電流電圧変換した漏れ電流検出電圧Vcをマイコン76に出力する。マイコン76は、検出回路75から得られる漏れ電流検出電圧Vcを入力して、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されているか否かを判別するようになされる。例えば、マイコン76は、漏れ電流検出電圧Vcと0Vとが比較され、Vc=0Vであるか、Vc>0Vであるかが判別される。この判別結果から得られる判別結果信号は、モータ駆動回路81やヒータ駆動回路82等に出力される。
上述のAC電源ラインLa,Lbに接続された変圧器83は、AC電源電圧を低圧用の電源に変換する。例えば、AC100Vの電圧を5Vの電圧に降下する。整流平滑回路84はAC5Vの電圧を整流平滑して直流(DC)電源を供給する。例えば、リモコン基板67、検出回路75、マイコン76、モータ駆動回路81、ヒータ駆動回路82に直流(DC)電源を供給するようになされる。DC電源は直流電圧VCC及び接地電位GNDを供給する。
整流平滑回路84からDC電源の供給を受けたマイコン76は、判別結果信号となるモータ駆動信号S81及びヒータ駆動信号S82を出力する。例えば、マイコン76は、GND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されていないと判別した場合に、モータ35への通電動作を停止させるためのモータ駆動信号S81をモータ駆動回路81に出力する。同様にして、ヒータ10への通電動作を停止させるためのヒータ駆動信号S82をヒータ駆動回路82に出力する。
この例で、マイコン76にはモータ駆動回路81が接続され、マイコン76から出力されるモータ駆動信号S81に基づいてモータ35を駆動制御するようになされる。モータ駆動回路81は、マイコン76でGND端子74にアース線Leが接続されていないと判別された場合に、モータ駆動信号S81がモータ35への通電を不許可する内容となるので通電をせずにモータ制御を保留する。
この例で、マイコン76にはヒータ駆動回路82が接続され、マイコン76から出力されるヒータ駆動信号S82に基づいてヒータ10を駆動制御するようになされる。ヒータ駆動回路82は、マイコン76でGND端子74にアース線Leが接続されていないと判別された場合に、ヒータ駆動信号S82がヒータ10への通電を不許可する内容となるので通電をせずにヒータ制御を保留する。
この例で、上述した電源基板3Aには空調リモコン6が接続される。空調リモコン6は、リモコン基板67を有している。リモコン基板67には、表示器6i、キー・マトリクス68及びマイコン69が設けられている。電源基板3Aとマイコン69とは通信ケーブル6aにより接続されており、整流平滑回路84からDC電源の供給を受けたマイコン69は、ミスト発生装置2、浴室空調装置3及び給湯装置4をリモートコントロール(遠隔制御)するようになされる。
リモコン基板67には、例えば、通信ケーブル用の端子67a〜67cが設けられる。端子67aには通信ケーブル6aが接続され、浴室空調装置3からの大地零電位に維持されるアース線Leが接続されているか否かの判別結果信号S6aが入力される。端子67bには通信ケーブル7aが接続され、ミスト発生装置2からの大地零電位に維持されるアース線Leが接続されているか否かの判別結果信号S7aが入力される。端子67cには通信ケーブル6cが接続され、給湯装置4からの大地零電位に維持されるアース線Leが接続されているか否かの判別結果信号S6cが入力される。
マイコン69は、例えば、表示器6iに表示データD73を出力する。表示データD73には、少なくとも、ミスト発生装置2、浴室空調装置3及び給湯装置4で大地零電位に維持されるアース線Leが接続されているか否かの判別結果に基づき、これらのアース線Leが接続されていない場合に、ミスト発生装置2のGND端子74に該当のアース線Leが接続されていない旨や、浴室空調装置3のGND端子74に同様にアース線Leが接続されていない旨、給湯装置4のGND端子74に該当のアース線Leが接続されていない旨等を表示する内容となる。
図9は、浴室空調装置3の空調リモコン(主操作部)6の操作面の構成例を示す正面図である。図9に示す空調リモコン6は、入浴ミストモードの運転及び運転停止を選択するための入浴ミストボタン6bを有している。入浴ミストボタン6bは、上記したミストリモコン7の図示しない入浴ミストボタンに対応したボタンである。このボタン6bに対応して、当該モードの選択時に発光制御されるLED等の発光素子6b′が設けられている。
また、空調リモコン6は、衣類乾燥モードの運転及び運転停止を選択する衣類乾燥ボタン6dと、涼風モードの運転及び運転停止を選択する涼風ボタン6eと、暖房モードの運転及び運転停止を選択する暖房ボタン6fと、標準換気モードの運転、浴室乾燥モードの運転及びそれらの運転停止を選択する換気ボタン6gとを備えている。これらのボタン6d〜6gに対応して、例えば運転時に発光制御されるLED等の発光素子6d′,6e′,6f′,6g1′,6g2′が設けられている。上述の各種ボタン6b,6d,6e,6f,6gは、キー・マトリクス68を構成する。
また、空調リモコン6は、時刻、浴室温度、運転モード等を表示する、LCD(液晶表示素子)や7セグメントLED等で構成される表示部6iと、タイマーの時間設定等を行うためのアップダウンキー6jとを備えている。主操作部6で操作され指示される情報は、操作信号S6となってマイコン69に出力される。
この例で、表示部6iは、表示データD73に基づいてミスト発生装置2のGND端子74に該当のアース線Leが接続されていない旨や、浴室空調装置3のGND端子74に同様にアース線Leが接続されていない旨、給湯装置4のGND端子74に該当のアース線Leが接続されていない旨等を、例えば、文字情報にて表示する。「GND端子にアース線を接続して下さい。」等のメッセージを表示するようになされる。メッセージは、アース線Leの接続がなされるミスト発生装置2、浴室空調装置3及び給湯装置4毎に表示部6iに表示するとよい。
図10は、第1の実施例としての浴室空調装置3のマイコン76におけるアース線Leの接続監視例を示すフローチャートである。
この実施例では、筐体内の接地点PとGND端子74とを接続する導電線Lcに流れる漏れ電流icを検知して、アース線LeがGND端子74に接続されているか否か(有無)を判別し、アース線LeがGND端子74に接続されていない場合、アース線Leが未接続であることを表示部6iに表示し、ヒータ10やモータ35への通電動作を保留して動作させないようにする場合を挙げる。
これらを監視条件にして、浴室空調装置3への電源がオンされると、図10に示すフローチャートのステップST11でマイコン76が導電線Lcを流れる漏れ電流icに関する情報を取得する。このとき、ZCTコイル72は、筐体内の接地点PとGND端子74とを接続する導電線Lcに流れる漏れ電流icを検知する。検出回路75は、ZCTコイル72から出力される漏れ電流検出信号(電流ic’)を電流電圧変換した漏れ電流検出電圧Vcをマイコン76に出力する。
ステップST12で、浴室空調装置3で大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されているか否かを判別する。このとき、マイコン76は、検出回路75から得られる漏れ電流検出電圧Vcを入力し、漏れ電流検出電圧Vcと0Vとが比較され、Vc=0Vであるか、Vc>0Vであるかが判別される。判別結果がVc>0Vである場合、すなわち、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されている場合は、ステップST13に移行する。
ステップST13でマイコン76は、ヒータ10やモータ35への通電動作を許可する旨の判別結果信号を出力する。このとき、マイコン76は、モータ35への通電動作を許可する旨のモータ駆動信号S81をモータ駆動回路81に出力する。モータ駆動回路81は、モータ駆動信号S81に基づいてモータ35を駆動する。同様にして、マイコン76は、ヒータ10への通電動作を許可する旨のヒータ駆動信号S82をヒータ駆動回路82に出力する。ヒータ駆動回路82は、ヒータ駆動信号S82に基づいてヒータ10に通電する。これにより、浴室空調装置3での通常動作に移行される。
また、ステップST12で判別結果がVc=0Vである場合、すなわち、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されていない場合は、ステップST14に移行する。ステップST14でマイコン76は、”アースを接続して下さい”のメッセージを表示部6iに表示するような判別結果信号を空調リモコン6のマイコン69へ通知する。
マイコン69は、表示部6iに表示データD73を出力する。表示部6iは、表示データD73に基づいて「浴室空調装置3のGND端子74に該当のアース線Leが接続されていない」旨を文字情報にて表示し、更に「GND端子にアース線を接続して下さい。」等のメッセージを表示する。表示内容は、後者のみの表示に止めてもよい。
そして、ステップST15でマイコン76は、ヒータ10やモータ35等の通電不許可処理を実行する。このとき、マイコン76は、モータ35への通電動作不許可をする旨のモータ駆動信号S81をモータ駆動回路81に出力する。モータ駆動回路81は、モータ駆動信号S81がモータ35への通電を不許可する内容となるので通電をせずにモータ制御を保留する。
また、マイコン76は、ヒータ10への通電動作不許可をする旨のヒータ駆動信号S82をヒータ駆動回路82に出力する。ヒータ駆動回路82は、ヒータ駆動信号S82がヒータ10への通電を不許可する内容となるので通電をせずにヒータ制御を保留する。これにより、浴室空調装置3では通常動作に移行することなく停止したままとなされる。
その後、浴室空調装置3でアース線LeがGND端子74に接続された場合は、マイコン76をリセットし、又は、自動で導電線Lcを流れる漏れ電流icを検知することにより通電動作が可能な状態となされる。
このように、第1の実施例としての浴室空調システム1によれば、本発明に係るアース接続監視装置100が備えられ、マイコン76では、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されているか否かを漏れ電流検出電圧Vcに基づいて判別するようになされる。
従って、漏れ電流icが導電線Lcに流れる場合は、当該浴室空調装置3のGND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されていると判別することができ、また、漏れ電流icが導電線Lcに流れない場合は、そのGND端子74に該当のアース線Leが接続されていないと判別できるようになる。
これにより、「アース線LeがGND端子74に接続されていない旨」等を表示できるようになるので、AC電源ラインLa,Lbに接続されたコンデンサ71の接地点Pと、GND端子74との間が導電線Lcにより接続された浴室空調装置3における感電を防止できるようになる。アース線LeをGND端子74に接続することによって、安全性が保たれる。
なお、マイコン76により常時又は定期的にアース線Leの接続状況を監視するようにすることにより、アース線Leが外された、アース線Leが断線した等のトラブルも検知できるようになる。
図11は、第2の実施例に係るヒートポンプ式の給湯装置4の構成例を示すブロック図である。図11に示す給湯装置4にも、アース接続監視装置100が備えられ、図6に示したミスト発生装置2、浴室101、洗面脱衣所102、台所103等に温水を供給するものである。
給湯装置4は、ヒートポンプユニット53及び貯湯タンクユニット54を有して構成される。ヒートポンプユニット53は、大気と冷媒ガスとの間の熱交換及び冷媒ガスと水との間の熱交換で温水を生成する。貯湯タンクユニット54には、ヒートポンプユニット53で生成された温水を貯水するようになされる。例えば、貯湯タンクユニット54は、300乃至500リットルの蓄湯容量を有している。
ヒートポンプユニット53は、空気熱交換器55及び水熱交換器56を有して構成される。空気熱交換器55は、大気と冷媒ガスとの間で熱交換を行って、冷媒ガスの温度を上昇させるものである。水熱交換器56は、冷媒ガスと水との間で熱交換を行って、水の温度を上昇させるものである。
ヒートポンプユニット53には、ファン55a及び冷媒配管57が設けられる。ファン55aは、空気熱交換器55に大気を供給するように使用される。冷媒配管57は、空気熱交換器55と水熱交換器56との間に接続され、空気熱交換器55と水熱交換器56との間で冷媒ガスを循環するように使用される。
また、ヒートポンプユニット53には、ファン55a及び冷媒配管57の他に圧縮機58が備えられる。圧縮機58は、空気熱交換器55と水熱交換器56の間であって、空気熱交換器55の下流側に配置され、空気熱交換器55で熱交換されて冷媒配管57を流れる冷媒ガスを圧縮して温度をさらに上昇させるように使用される。
また、ヒートポンプユニット53には、空気熱交換器55と水熱交換器56の間であって、水熱交換器56の下流側には膨張弁59が備えられる。膨張弁59は、水熱交換器56で熱交換されて冷媒配管57を流れる冷媒ガスを膨張させて温度を低下させるように使用される。
ヒートポンプユニット53には貯湯タンクユニット54が接続され、当該ヒートポンプユニット53で生成された温水を貯水するタンク60を備える。タンク60は、下部側に水が供給されると共に、上部側に温水が供給されて、下部側に比べて上部側の温度が高くなる段層化した状態で温水を貯水する。
ヒートポンプユニット53と貯湯タンクユニット54とは、水熱交換器56とタンク60の間が温水配管61a及び冷水配管61bで接続されている。例えば、温水配管61aは、水熱交換器56の流出側と、タンク60の上部側に設けられる流入口60aとの間を接続する。また、冷水配管61bは、水熱交換器56の流入側と、タンク60の下部側に設けられる流出口60bの間を接続する。
この冷水配管61bにはポンプ61cが取り付けられている。ポンプ61cは、冷水配管61bを介してタンク60の流出口60bから水を吸い込んで水熱交換器56に供給し、水熱交換器56を通過して生成された温水を、温水配管61aを介して流入口60aからタンク60に供給する。
また、タンク60には取水配管62と給水配管63とがそれぞれ接続されている。取水配管62は、タンク60に貯水された温水を取水するために使用される。取水配管62は、高温部取水配管62aと中温部取水配管62bを備えている。高温部取水配管62aは、流入口60aと独立してタンク60の上部に設けられる高温部取水口60cと接続される。中温部取水配管62bは、高温部取水口60cより下側に設けられる中温部取水口60dに接続される。
取水配管62は、高温部取水配管62aと中温部取水配管62bの合流箇所に切換弁62cを備え、タンク60における取水元が、高温部取水口60cか中温部取水口60dに切換えられる。
給水配管63は、タンク60に給水を行うために使用される。給水配管63は、例えば、流出口60bと独立してタンク60の下部に設けられる給水口60eと接続されると共に、タンク60の手前で分岐した分岐給水配管63aを備える。
さらに、貯湯タンクユニット54は、取水配管62から供給される温水と、分岐給水配管63aから供給される水を混合させる給湯混合弁64を備える。給湯混合弁64は、取水配管62と分岐給水配管63aの合流箇所に備えられ、取水配管62から供給される温水と、分岐給水配管63aから供給される水の混合比を切換えて、給湯配管65から供給される温水の温度を調整する。常温の水を排出することもできる。
給湯配管65は、図6に示した浴室101のシャワー101aや浴槽101b、洗面脱衣所102の蛇口102a及び図示しない台所103の蛇口等と接続され、温水又は水を供給する。また、浴室101に接続される給湯配管65には、ミスト給湯配管65aが接続される。ここに分岐されたミスト給湯配管65aには、ミスト発生装置2が接続される。
次に、ヒートポンプ式の給湯装置4の動作例について説明する。給湯装置4では、まず、貯湯タンクユニット54のタンク60に、給水配管63から水が供給される。タンク60に供給された水は、冷水配管61bによりヒートポンプユニット53の水熱交換器56に供給される。
ヒートポンプユニット53では、ファン55aにより空気熱交換器55に大気が供給され、冷媒配管57を流れる冷媒ガスとの間で熱交換が行われ、冷媒ガスの温度が上昇する。空気熱交換器55で熱交換が行われた冷媒ガスは、圧縮機58で圧縮されることで、温度がさらに上昇する。
そして、圧縮機58で圧縮されて温度を上昇させた冷媒ガスは、水熱交換器56に供給される。これにより、水熱交換器56においては、大気との熱交換及び圧縮により温度が上昇した冷媒ガスと、貯湯タンクユニット54から供給された水との間で熱交換が行われ、温水が生成される。この水熱交換器56で熱交換された冷媒ガスは、膨張弁59で膨張されて温度が低下し、再度空気熱交換器55に供給される。
また、水熱交換器56で熱交換されて生成された温水は、温水配管61aによりタンク60に戻される。これにより、タンク60は、上部側が温度が高く、下部側が温度の低い二層化した状態で温水と水が貯水される。タンク60に貯水された温水は、取水配管62により取水される。ここで、切換弁62cにより、供給水の温度が高い場合は高温部取水配管62aから温水が取られ、供給水の温度が低い場合は中温部取水配管62bから温水を取られる。
取水配管62により取水された温水は、分岐給水配管63bから供給される水と給湯混合弁64で混合される。給湯混合弁64で温水と水の混合比を切換えることで、給湯配管65から供給される温水の温度が調整される。もちろん、常温の水を給湯配管65に送出することもできる。給湯配管65から供給される温水又は水は、浴室101、洗面脱衣所102及び台所103に分配される。これにより、給湯配管65から分岐されたミスト給湯配管65aにより温水又は水をミスト発生装置2に供給するようになされる。給湯装置4は自然冷媒を利用したヒートポンプ式でなくても、ヒートポンプ式でない通常の電気温水器であってもよく、ガスを熱源にした給湯装置でも他の熱源のものであってもよい。
アース接続監視装置100は、例えば、ヒートポンプユニット53及びポンプ61cに隣接した給湯装置4内に配置される。アース接続監視装置100には、AC電源ラインLa,Lb及びアース線Leが接続される。
図12は、給湯装置4におけるアース接続監視装置100及びその周辺回路の構成例を示すブロック図である。
図12に示す給湯装置4は、電源基板3A’(機器本体)、圧縮機58、ポンプ61c,ZCTコイル72及びGND端子74及び電源端子台3Bを有している。電源端子台3Bには電源端子78,79が設けられる。GND端子74は、電源端子台3Bの所定位置に設けられている。電源基板3A’は、金属板を所定の形状に加工した、図示しない筐体に実装されるものであり、当該電源基板3A’の筐体アース位置には接地点Pが設けられる。
電源基板3A’には、コイル用の端子3C、コンデンサ71、検知処理ユニット73の他に変圧器83、整流平滑回路84、ポンプ駆動回路85及び圧縮機駆動回路86が設けられる。ZCTコイル72及び検知処理ユニット73は、本発明に係るアース接続監視装置100を構成し、電子端子台3BのGND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されているかを監視する。
この例で、AC電源ラインLa,Lbは、電源端子78,79を介してコンデンサ71、変圧器83、ポンプ駆動回路85及び圧縮機駆動回路86に接続されている。なお、コンデンサ71、接地点P、ZCTコイル72、GND端子74、導電線Lcの接続方法、検知処理ユニット73の内部構成例、及び、マイコン76における判別機能例については第1の実施例と同様であるので、その説明を省略する。
この例で、マイコン76の判別結果から得られるポンプ駆動信号S85は、ポンプ駆動回路85に出力され、圧縮機駆動信号S86は、圧縮機駆動回路86に各々出力される。判別結果信号S6cは、給湯装置4のマイコン76から空調リモコン6へ出力される。
上述のAC電源ラインLa,Lbに接続された変圧器83は、AC電源電圧を低圧用の電源に変換する。整流平滑回路84はAC5Vの電圧を整流平滑して直流(DC)電源を検出回路75、マイコン76、ポンプ駆動回路85、圧縮機駆動回路86に供給するようになされる。
整流平滑回路84からDC電源の供給を受けたマイコン76は、判別結果となるポンプ駆動信号S85及び圧縮機駆動信号S86を出力する。例えば、マイコン76は、GND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されていないと判別した場合に、ポンプ61cへの通電動作を停止させるためのポンプ駆動信号S85をポンプ駆動回路85に出力する。同様にして、圧縮機58への通電動作を停止させるための圧縮機駆動信号S86を圧縮機駆動回路86に出力する。
この例で、マイコン76にはポンプ駆動回路85が接続され、マイコン76から出力されるポンプ駆動信号S85に基づいてポンプ61cを駆動制御するようになされる。ポンプ駆動回路85は、マイコン76でGND端子74にアース線Leが接続されていないと判別された場合に、ポンプ駆動信号S85がポンプ61cへの通電を不許可する内容となるので通電をせずにポンプ制御を保留する。
この例で、マイコン76には圧縮機駆動回路86が接続され、マイコン76から出力される圧縮機駆動信号S86に基づいて圧縮機58を駆動制御するようになされる。圧縮機駆動回路86は、マイコン76でGND端子74にアース線Leが接続されていないと判別された場合に、圧縮機駆動信号S86が圧縮機58への通電を不許可する内容となるので通電をせずに圧縮機制御を保留する。
この例で、上述した電源基板3A’から浴室空調装置3の空調リモコン6には通信ケーブル6cが接続される。この通信ケーブル6cを使用して、給湯装置4から空調リモコン6へ、大地零電位に維持されるアース線Leが接続されているか否かの判別結果信号S6cが出力される。
図13は、第2の実施例としての給湯装置4のマイコン76におけるアース線Leの接続監視例を示すフローチャートである。
この実施例では、電源基板3A’の接地点PとGND端子74とを接続する導電線Lcに流れる漏れ電流icを検知して、アース線Leが電源基板3A’のGND端子74に接続されているか否か(有無)を判別し、アース線LeがGND端子74に接続されていない場合、アース線Leが未接続であることを浴室空調装置3の表示部6iに表示し、圧縮機58やポンプ61cへの通電動作を保留して動作させないようにする場合を挙げる。
これらを監視条件にして、給湯装置4への電源がオンされると、図13に示すフローチャートのステップST21で給湯装置4のマイコン76が導電線Lcを流れる漏れ電流icに関する情報を取得する。このとき、ZCTコイル72は、電源基板3A’の接地点PとGND端子74とを接続する導電線Lcに流れる漏れ電流icを検知する。検出回路75は、ZCTコイル72から出力される漏れ電流検出信号(電流ic’)を電流電圧変換した漏れ電流検出電圧Vcを給湯装置4のマイコン76に出力する。
ステップST22で、給湯装置4で大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されているか否かを判別する。このとき、マイコン76は、検出回路75から得られる漏れ電流検出電圧Vcを入力し、漏れ電流検出電圧Vcと0Vとが比較され、Vc=0Vであるか、Vc>0Vであるかが判別される。判別結果がVc>0Vである場合、すなわち、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されている場合は、ステップST23に移行する。
ステップST23でマイコン76は、圧縮機58やポンプ61cへの通電動作を許可する旨の判別結果信号S6cに基づく信号を出力する。例えば、給湯装置4のマイコン76は、ポンプ61cへの通電動作を許可する旨のポンプ駆動信号S85をポンプ駆動回路85に出力する。ポンプ駆動回路85は、ポンプ駆動信号S85に基づいてポンプ61cを駆動する。同様にして、マイコン76は、圧縮機58への通電動作を許可する旨の圧縮機駆動信号S86を圧縮機駆動回路86に出力する。圧縮機駆動回路86は、圧縮機駆動信号S86に基づいて圧縮機58に通電する。これにより、給湯装置4での通常動作に移行される。
また、ステップST22で判別結果がVc=0Vである場合、すなわち、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されていない場合は、ステップST24に移行する。ステップST24でマイコン76は、”アースを接続して下さい”のメッセージを表示部6iに表示するような判別結果信号S6cを空調リモコン6のマイコン69へ通知する。
マイコン69は、表示部6iに表示データD73を出力する。表示部6iは、表示データD73に基づいて給湯装置4の「GND端子74に該当のアース線Leが接続されていない旨」を文字情報にて表示し、更に「GND端子にアース線を接続して下さい。」等のメッセージを表示する。表示内容は、後者のみの表示に止めてもよい。
そして、ステップST25でマイコン76は、圧縮機58やポンプ61c等の通電不許可処理を実行する。このとき、マイコン76は、ポンプ61cへの通電動作不許可をする旨のポンプ駆動信号S85をポンプ駆動回路85に出力する。ポンプ駆動回路85は、ポンプ駆動信号S85がポンプ61cへの通電を不許可する内容となるので通電をせずにポンプ制御を保留する。
また、マイコン76は、圧縮機58への通電動作不許可をする旨の圧縮機駆動信号S86を圧縮機駆動回路86に出力する。圧縮機駆動回路86は、圧縮機駆動信号S86が圧縮機58への通電を不許可する内容となるので通電をせずに圧縮制御を保留する。これにより、給湯装置4では通常動作に移行することなく停止したままとなされる。
その後、給湯装置4でアース線LeがGND端子74に接続された場合は、マイコン76をリセットし、又は、自動で導電線Lcを流れる漏れ電流icを検知することにより通電動作が可能な状態となされる。
このように、第2の実施例としての浴室空調システム1における給湯装置4によれば、本発明に係るアース接続監視装置100が備えられ、給湯装置4のマイコン76では、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されているか否かを漏れ電流検出電圧Vcに基づいて判別するようになされる。
従って、漏れ電流icが導電線Lcに流れる場合は、当該給湯装置4のGND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されていると判別することができ、また、漏れ電流icが導電線Lcに流れない場合は、そのGND端子74に該当のアース線Leが接続されていないと判別できるようになる。
これにより、「アース線LeがGND端子74に接続されていない旨」等を表示できるようになるので、電源基板3A’でAC電源ラインLa,Lbに接続されたコンデンサ71の接地点Pと、GND端子74との間が導電線Lcにより接続された給湯装置4における感電を防止できるようになる。アース線LeをGND端子74に接続することによって、安全性が保たれる。
なお、給湯装置4のマイコン76により常時又は定期的にアース線Leの接続状況を監視するようにすることにより、当該給湯装置4でアース線Leが外された、そのアース線Leが断線した等のトラブルも検知できるようになる。
図14は、第3の実施例としてのミスト発生装置2におけるアース接続監視装置100及びその周辺回路の構成例を示すブロック図である。
図14に示すミスト発生装置2は、電磁弁ユニット2A、電源部ユニット2B(機器本体)、ノズルユニット2C,ZCTコイル72及びGND端子74及び電源端子台3Bを有している。電源端子台3Bには電源端子78,79が設けられる。GND端子74は、電源端子台3Bの所定位置に設けられている。電源部ユニット2Bは、金属板を所定の形状に加工した、図示しない筐体に実装されるものであり、当該電源部ユニット2Bの筐体アース位置には接地点Pが設けられる。
電源部ユニット2Bには、コイル用の端子3C、コンデンサ71、検知処理ユニット73の他にノズルユニット駆動回路87、電磁弁駆動回路88、変圧器83及び整流平滑回路84が設けられる。ZCTコイル72及び検知処理ユニット73は、本発明に係るアース接続監視装置100を構成し、電子端子台3BのGND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されているかを監視する。
この例で、AC電源ラインLa,Lbは、電源端子78,79を介してコンデンサ71、ノズルユニット駆動回路87、電磁弁駆動回路88及び変圧器83に接続されている。なお、コンデンサ71、接地点P、ZCTコイル72、GND端子74、導電線Lcの接続方法、検知処理ユニット73の内部構成例、及び、マイコン76における判別機能例については第1及び第2の実施例と同様であるので、その説明を省略する。
この例で、マイコン76の判別結果から得られるノズル駆動信号S87は、ノズルユニット駆動回路87に出力され、電磁弁駆動信号S88は、電磁弁駆動回路88に各々出力される。判別結果信号S7aは、マイコン76から空調リモコン6へ出力される。
上述のAC電源ラインLa,Lbに接続された変圧器83は、AC電源電圧を低圧用の電源に変換する。整流平滑回路84はAC5Vの電圧を整流平滑して直流(DC)電源を検出回路75、マイコン76、ノズルユニット駆動回路87、電磁弁駆動回路88に供給するようになされる。
整流平滑回路84からDC電源の供給を受けたマイコン76は、判別結果に基づいてノズル駆動信号S87及び電磁弁駆動信号S88を出力する。例えば、マイコン76は、GND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されていないと判別した場合に、ノズルユニット2Cへの通電動作を停止させるためのノズル駆動信号S87をノズルユニット駆動回路87に出力する。同様にして、電磁弁ユニット2Aへの通電動作を停止させるための電磁弁駆動信号S88を電磁弁駆動回路88に出力する。
この例で、マイコン76にはノズルユニット駆動回路87が接続され、マイコン76から出力されるノズル駆動信号S87に基づいてノズルユニット2Cを駆動制御するようになされる。ノズルユニット駆動回路87は、マイコン76でGND端子74にアース線Leが接続されていないと判別された場合に、ノズル駆動信号S87がノズルユニット2Cへの通電を不許可する内容となるので通電をせずにノズルユニット制御を保留する。
この例で、マイコン76には電磁弁駆動回路88が接続され、マイコン76から出力される電磁弁駆動信号S88に基づいて電磁弁ユニット2Aを駆動制御するようになされる。電磁弁駆動回路88は、マイコン76でGND端子74にアース線Leが接続されていないと判別された場合に、電磁弁駆動信号S88が電磁弁ユニット2Aへの通電を不許可する内容となるので通電をせずに電磁弁制御を保留する。
この例で、上述した電源部ユニット2Bから浴室空調装置3の空調リモコン6には通信ケーブル7aが接続される。この通信ケーブル7aを使用して、ミスト発生装置2から空調リモコン6へ、大地零電位に維持されるアース線Leが接続されているか否かの判別結果信号S7aが出力される。
図15は、第3の実施例としてのミスト発生装置2のマイコン76におけるアース線Leの接続監視例を示すフローチャートである。
この実施例では、電源部ユニット2Bの接地点PとGND端子74とを接続する導電線Lcに流れる漏れ電流icを検知して、アース線Leが電子端子台3BのGND端子74に接続されているか否か(有無)を判別し、アース線LeがGND端子74に接続されていない場合、アース線Leが未接続であることを浴室空調装置3の表示部6iに表示し、電磁弁ユニット2Aやノズルユニット2Cへの通電動作を保留して動作させないようにする場合を挙げる。
これらを監視条件にして、ミスト発生装置2への電源がオンされると、図15に示すフローチャートのステップST31でマイコン76が導電線Lcを流れる漏れ電流icに関する情報を取得する。このとき、ZCTコイル72は、電源部ユニット2Bの接地点PとGND端子74とを接続する導電線Lcに流れる漏れ電流icを検知する。検出回路75は、ZCTコイル72から出力される漏れ電流検出信号(電流ic’)を電流電圧変換した漏れ電流検出電圧Vcをマイコン76に出力する。
ステップST32で、ミスト発生装置2で大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されているか否かを判別する。このとき、マイコン76は、検出回路75から得られる漏れ電流検出電圧Vcを入力し、漏れ電流検出電圧Vcと0Vとが比較され、Vc=0Vであるか、Vc>0Vであるかが判別される。判別結果がVc>0Vである場合、すなわち、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されている場合は、ステップST33に移行する。
ステップST33でマイコン76は、電磁弁ユニット2Aやノズルユニット2Cへの通電動作を許可する旨の判別結果信号S7aに基づく信号を出力する。例えば、マイコン76は、ノズルユニット2Cへの通電動作を許可する旨のノズル駆動信号S87をノズルユニット駆動回路87に出力する。ノズルユニット駆動回路87は、ノズル駆動信号S87に基づいてノズルユニット2Cを駆動する。同様にして、マイコン76は、電磁弁ユニット2Aへの通電動作を許可する旨の電磁弁駆動信号S88を電磁弁駆動回路88に出力する。電磁弁駆動回路88は、電磁弁駆動信号S88に基づいて電磁弁ユニット2Aに通電する。これにより、ミスト発生装置2での通常動作に移行される。
また、ステップST32で判別結果がVc=0Vである場合、すなわち、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されていない場合は、ステップST34に移行する。ステップST34でマイコン76は、”アースを接続して下さい”のメッセージを表示部6iに表示するような判別結果信号を空調リモコン6のマイコン69へ通知する。
マイコン69は、表示部6iに表示データD73を出力する。表示部6iは、表示データD73に基づいて「ミスト発生装置2のGND端子74に該当のアース線Leが接続されていない旨」を文字情報にて表示し、更に「GND端子にアース線を接続して下さい。」等のメッセージを表示する。表示内容は、後者のみの表示に止めてもよい。
そして、ステップST35でマイコン76は、電磁弁ユニット2Aやノズルユニット2C等の通電不許可処理を実行する。このとき、マイコン76は、ノズルユニット2Cへの通電動作不許可をする旨のノズル駆動信号S87をノズルユニット駆動回路87に出力する。ノズルユニット駆動回路87は、ノズル駆動信号S87がノズルユニット2Cへの通電を不許可する内容となるので通電をせずにノズルユニット制御を保留する。
また、マイコン76は、電磁弁ユニット2Aへの通電動作不許可をする旨の電磁弁駆動信号S88を電磁弁駆動回路88に出力する。電磁弁駆動回路88は、電磁弁駆動信号S88が電磁弁ユニット2Aへの通電を不許可する内容となるので通電をせずに電磁弁制御を保留する。これにより、ミスト発生装置2では通常動作に移行することなく停止したままとなされる。
その後、ミスト発生装置2でアース線LeがGND端子74に接続された場合は、マイコン76をリセットし、又は、自動で導電線Lcを流れる漏れ電流icを検知することにより通電動作が可能な状態となされる。
このように、第3の実施例としての浴室空調システム1におけるミスト発生装置2によれば、本発明に係るアース接続監視装置100が備えられ、そのマイコン76では、大地零電位に維持されるアース線LeがGND端子74に接続されているか否かを漏れ電流検出電圧Vcに基づいて判別するようになされる。
従って、漏れ電流icが導電線Lcに流れる場合は、当該ミスト発生装置2のGND端子74に大地零電位に維持されるアース線Leが接続されていると判別することができ、また、漏れ電流icが導電線Lcに流れない場合は、そのGND端子74に該当のアース線Leが接続されていないと判別できるようになる。
これにより、「アース線LeがGND端子74に接続されていない旨」等を表示できるようになるので、電源部ユニット2BでAC電源ラインLa,Lbに接続されたコンデンサ71の接地点Pと、GND端子74との間が導電線Lcにより接続されたミスト発生装置2における感電を防止できるようになる。アース線LeをGND端子74に接続することによって、安全性が保たれる。
なお、ミスト発生装置2のマイコン76により常時又は定期的にアース線Leの接続状況を監視することにより、当該ミスト発生装置2でアース線Leが外された、そのアース線Leが断線した等のトラブルも検知できるようになる。
上述した各実施例では、AC電源ラインLa、Lbの両方にコンデンサ71を接続して、漏れ電流icを検知する場合について説明したが、これに限られることはなく、高電位(活電)側が最初から明確になっている場合は、その高電位(活電)側にのみ静電容量Ca又はCbを接続して、その静電容量Ca又はCbを流れる漏れ電流icを検知して、アース線がGND端子74に接続されているかを判別するようにしてもよい。また、AC電源ラインLa、Lb−GND間の電位差を検出して、アース線LeがGND端子74に接続されているかを検知するようにしてもよい。
なお、コンデンサ71の筐体内の接地点Pは、ZCTコイル72が取り付けられる位置よりも前段に配置されることが好ましい。また、接地点PとGND端子74とを導電線Lcで接続することが好ましい。これは、アース線LeがGND端子74に接続されているかを確認するため、筐体が接地された場合に、検知回路75が誤反応しないようにするためである。
上述した電気機器に関しては、浴室空調装置や、ミスト発生装置、給湯装置等の場合について説明したが、これに限られることはなく、接地用の端子を備えた、ゴミ処理装置、洗濯機、冷蔵庫、ポンプ、用紙処理装置等の全ての電気機器に応用することができる。
この発明は、電源供給線に接続されて動作する浴室空調装置や、ミスト発生装置、給湯装置、ゴミ処理装置、洗濯機、冷蔵庫、ポンプ、用紙処理装置、電気式床暖房機、自動販売機等の電気機器に設けられた接地用の端子に、大地零電位に維持される接地線が接続されているか否かを監視するアース監視システムに適用して極めて好適である。
本発明に係る実施形態としてのアース接続監視装置100の構成例を示すブロック図である。
アース接続監視装置100の動作例(その1)を示す回路図である。
アース接続監視装置100の動作例(その2)を示す回路図である。
アース接続監視装置100の動作例(その3)を示す回路図である。
アース接続監視装置100の動作例(その4)を示す回路図である。
各実施例としてのアース接続監視装置100が応用される浴室空調システム1の構成例を示す概念図である。
浴室空調装置3の構成例を示す断面図である。
浴室空調装置3におけるアース接続監視装置100及びその周辺回路の構成例を示すブロック図である。
浴室空調装置3の空調リモコン(主操作部)6の操作面の構成例を示す正面図である。
第1の実施例としての浴室空調装置3のマイコン76におけるアース線Leの接続監視例を示すフローチャートである。
第2の実施例に係るヒートポンプ式の給湯装置4の構成例を示すブロック図である。
給湯装置4におけるアース接続監視装置100及びその周辺回路の構成例を示すブロック図である。
給湯装置4のマイコン76におけるアース線Leの接続監視例を示すフローチャートである。
第3の実施例としてのミスト発生装置2におけるアース接続監視装置100及びその周辺回路の構成例を示すブロック図である。
ミスト発生装置2のマイコン76におけるアース線Leの接続監視例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 浴室空調システム
2 ミスト発生装置(電気機器)
2B 電源部ユニット(基板)
3B 電源基板
3 浴室空調装置(電気機器)
4 給湯装置(電気機器)
5,12,35 モータ
6i 表示部
10 ヒータ
17 本体ケース(筐体)
70 筐体
71 コンデンサ(静電容量)
72 ZCTコイル(検出部)
73 検知処理ユニット
74 GND端子(接地用の端子)
75 検知回路
76 マイコン(判定部)
100 アース線接続監視装置
700 電気機器