JP4983613B2 - 半導体発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体発光素子を有する発光装置に関し、特に光源からの光を効率よく外部へ取り出すことのできる発光装置に関するものである。
従来、半導体発光装置は、半導体発光素子からの出射光を効率よく外部へ取り出すことや、耐環境性に優れていること等が求められている。このため様々な開発がなされてきた。
例えば、特許文献1(図11)には、耐環境性に優れた半導体発光装置が開示されている。具体的には、ステム底部130の上面に連結されたステム柱体120の側面に、半導体レーザ素子110が載置されている。半導体レーザ素子110は、ステム底部130の下面より延伸されたリード電極140と電気的に接続されている。これにより半導体レーザ素子110は、リード電極140を介して外部電極と接続可能となる。さらに、ステム底部130の周縁から上方に向かって、円筒状のキャップ150が設けられており、キャップ150内には、ステム柱体120及び半導体レーザ素子110が在する構造となる。キャップ150の上方には、環状のキャップ上面151が備えられ、その上面の中央部には開口部153が形成されている。キャップ150に形成された開口部153は、キャップ上面151を上下に貫通している。キャップ150は鉄−ニッケル合金で構成されており、キャップ150の表面にはニッケル−燐めっきが施されている。キャップ上面151と対向する底面側には、ガラス160が低融点ガラスにより固着されている。これにより、キャップ150の開口部153が封鎖される。
以上の構成により、従来の半導体発光装置は、キャップ150が腐食することを防止可能な耐環境性に優れた半導体発光装置とすることができる。
特開平07−176825号公報(特に図11)
しかしながら、上記の半導体発光装置では、各波長領域における光反射率が低いニッケル−燐めっきをキャップ150の表面に施しているため、半導体発光素子110からの光が吸収および散乱されていた。特に、上記の半導体発光装置では、キャップ150とガラス160との固着部に光が照射される場合があり、半導体発光素子110からの光が固着部にて吸収および散乱されていた。このため、この半導体発光装置は、半導体発光素子110からの光の取り出し効率が低下してしまう等の問題を有していた。
そこで、本発明は、半導体発光素子からの光を効率良く外部に放出することが可能な発光装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、前記課題は次の手段により解決される。
本発明の発光装置は、半導体発光素子と、前記半導体発光素子を覆うキャップと、前記半導体発光素子からの光が外部に放出されるように前記キャップに設けられる透光性部材と、を有する発光装置であって、少なくとも前記透光性部材と前記キャップとの間に、前記半導体発光素子からの光を反射する反射部材が設けられており、前記反射部材は、銀を含む第1層と、前記第1層の少なくとも一部を被覆し、銀と異なる金属を含む第2層と、前記第1層および前記第2層を被覆し、前記半導体発光素子からの光が透過可能な透過部材を含む第3層と、を前記キャップ側から順に有していることを特徴とする。これにより、透光性部材に入射された光を、少なくとも透光性部材とキャップとの間に設けられた光反射部材によって効率良く反射させることができるため、光の取り出し効率を低下させることなく外部に放出することが可能となる。特に、反射率の高い銀を含む第1層の反射率を、第2層及び第3層で低下させることなく、かつ、第1層の劣化を抑制することができるため、高い光取り出し効率を維持することができる。
さらに、前記透光性部材は、前記反射部材の第3層により固着されているのが好ましい。これにより、透光性部材とキャップとの密着性を向上することができ、耐環境性を高めることができる。
また、前記キャップの上面には、前記反射部材をさらに設けることができる。これにより、透光性部材からキャップの外部に放出された光やその戻り光を、キャップの上面で吸収および散乱されること無く反射することができる。
また、前記透光性部材は、前記キャップの上面よりも突出するように設けることができる。これにより、特に透光性部材から外部に放出された光を、キャップの上面で吸収および散乱されること無く反射することができる。
また、前記透光性部材は、半導体発光素子からの光を異なる波長に変換する波長変換部材、または、半導体発光素子からの光を拡散させる拡散部材、を少なくとも含有することができる。これにより、さらに光取り出し効率を向上させることができる。
また、本発明の発光装置は、半導体発光素子と、前記半導体発光素子を覆うキャップと、前記半導体発光素子からの光が外部に放出されるように前記キャップに設けられる透光性部材と、を有する発光装置であって、少なくとも前記透光性部材と前記キャップとの間に、前記半導体発光素子からの光を反射する反射部材が設けられており、前記反射部材は、銀及び銀と異なる金属から構成される合金層と、前記合金層を被覆し、前記半導体発光素子からの光が透過可能な光透過層と、を前記キャップ側から順に有していることを特徴とする。これにより、透光性部材に入射された光を、少なくとも透光性部材とキャップとの間に設けられた反射部材によって効率良く反射させることができるため、光の取り出し効率を低下させることなく外部に放出することが可能となる。特に、銀が合金化されていることによって、銀の劣化を抑制することができる(高い光取り出し効率を維持することができる)と共に、光透過層との密着性をも向上させることができる。
本発明によれば、半導体発光素子からの光を効率良く外部に放出することができる。
本発明によれば、透光性部材に入射された光を、少なくとも透光性部材とキャップとの間に設けられた光反射部材によって効率良く反射させることができるため、光の取り出し効率を低下させることなく外部に放出することが可能となる。特に、反射率の高い銀を含む第1層の反射率を、第2層及び第3層で低下させることなく、かつ、第1層の劣化を抑制することができるため、高い光取り出し効率を維持することができる。
以下、本発明に係る半導体発光装置における最良の実施形態(以下「実施形態」という)について詳細に説明する。
また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものでは決してない。実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
<第一の実施形態>
図1は、本発明に係る第一の実施形態の発光装置を模式的に示す概略図である。図2は、図1の発光装置に用いられるキャップ50を拡大して模式的に示す概略図である。
第一の実施形態に係る発光装置は、リード電極40を有するステム底部30と、ステム底部30に設けられるステム柱体20と、ステム柱体20に載置される半導体発光素子10と、半導体発光素子10を覆うようにステム底部30に設けられるキャップ50と、半導体発光素子10からの光が外部に放出されるようにキャップ50に設けられる透光性部材60と、少なくとも透光性部材60とキャップ50との間に設けられ、半導体発光素子10からの光を反射する反射部材70と、を備えて構成される。
本実施形態において、円盤形状のステム底部30には、ステム底部30の下面からリード電極40が突出するように延伸して設けられている。このリード電極40は外部電極と電気的に接続可能である。さらに、ステム底部30の縁周近傍であって、ステム底部30の上面から垂直方向に、円筒形状のキャップ50が接着されてなる。キャップ50は、キャップ側部52の上端を、環状のキャップ上部51が覆うようにして構成されている。キャップ上部51には、キャップ上部51の厚さ方向に開口する貫通孔53が形成されている。この貫通孔53は、その内壁に反射部材70を有し、さらに反射部材70には透光性部材60が固着して設けられている。反射部材70は、キャップ側から順に、銀を含む第1層71と、第1層71の少なくとも一部を被覆し、銀と異なる金属を含む第2層72と、第1層71および第2層72を被覆し、半導体発光素子10からの光が透過可能な透過部材を含む第3層73と、を有している。
また、キャップ50の内部において、ステム底部30の上面から直立して柱状のステム柱体20が設けられる。ステム柱体20の側面には、半導体発光素子10がAu−Sn等の接着部材を介して載置される。キャップ50に覆われる半導体発光素子10は、ワイヤ等を介して電気的にリード電極40と接続されており、外部電極と接続可能となる(図示しない)。
ここで、ステム底部30及びステム柱体20とは、便宜上、場所に応じて個々に命名したものであって異部材とは限らない。両者は同一部材とすることも可能であり、これにより製品の部品点数を削減することができる。本明細書では、ステム底部30とステム柱体20とから構成される部材を台座と称す。
半導体発光素子10は、キャップ50内の幅方向(図1における左右方向)におけるほぼ中央部に位置される。従って、必然的に、半導体発光素子10が載置されるステム柱体20は、ステム底部30の中央部より円周方向へ偏心した位置に載置されることになる。さらに、半導体発光素子10は、光出射面を上面(図1における上側)に備えており、光出射面がキャップ上部51と対向するよう離間して載置される。
また、半導体発光素子10の出射光軸は、キャップ上部51に形成された貫通孔53の中心軸とほぼ重なる。つまり、半導体発光素子10から出射される光が、貫通孔53内に設けられた透光性部材60を介して外部に放出される。
尚、本発明における半導体発光素子10の光出射面とは、その面全てから光が出射されるものだけを意味するのではなく、面の一部から光が出射されるものも含む。
以上説明したように、第一の実施形態に係る半導体発光装置は、透光性部材60に入射された光を、少なくとも透光性部材60とキャップ50との間に設けられた光反射部材70によって効率良く反射させることができるため、光の取り出し効率を低下させることなく外部に放出することが可能となる。特に、反射率の高い銀を含む第1層71の反射率を、第2層72及び第3層73で低下させることなく、かつ、第1層71の劣化を抑制することができるため、高い光取り出し効率を維持することができる。
以下、本発明に係る実施形態の各構成について詳述する。
(反射部材)
反射部材は、透光性部材に入射された光を効率良く反射し、光の取り出し効率を低下させることなく外部に放出させるものである。このため、反射部材は、少なくとも透光性部材と、透光性部材が設けられるキャップと、の間に設けられている。
具体的には、本実施形態に示すように、キャップに形成された貫通孔の内壁に反射部材が設けられ、さらに反射部材の上に透光性部材を固着して設けられる。これにより、反射部材は、半導体発光素子からの光を、効率良く反射して透光性部材から外部に放出させることが可能となる。ただし、反射部材は、必ずしも貫通孔の内壁に設ける必要は無く、透光性部材が設けられる位置を適宜選択して設ければ良い。
さらに、図3に示すように、透光性部材とキャップとの間だけに限らず、キャップの上面にも反射部材を設けても良い。これにより、透光性部材からキャップの外部に放出された光やその戻り光が、キャップの上面で吸収および散乱されること無く反射することができる。また、透光性部材とキャップとの間に設けられた反射部材と、さらにキャップの上面に設けられた反射部材とは、連続して形成されていても良い。これにより、反射部材の機械的強度を向上することができるため、反射部材の剥離を防止することができる。ここで、本明細書において、キャップ上部を構成する面のうち、半導体発光素子側の面をキャップの下面とし、キャップの下面と対向する面をキャップの上面とする。
このような反射部材の構成としては、銀を有する第1層と、第1層の表面の少なくとも一部を覆い銀と異なる金属を含む第2層と、第1層と第2層とを覆い半導体発光素子からの光を透過可能な透過部材を含む第3層と、を有することを特徴とする。このような構成を有することにより、第1層の、特に銀を変質しにくくすることができるため、高い光取り出し効率を維持することができる。これにより、光源からの光の損失の少ない発光装置とすることができる。
また、反射部材は、スパッタ、真空蒸着、PVD、イオンプレーティング、CVDなどの成膜方法や、電解鍍金、無電解鍍金、カップリング剤処理、電着塗装、上記金属元素の微粒子を含む樹脂ペーストを付着させるなどの方法により形成させることができる。
(反射部材:第1層)
反射部材の第1層は、銀を有するものである。銀単体で用いてもよく、あるいは、アルミニウム、銅、チタンなどとの合金としてもよい。この第1層は、キャップのうち、少なくとも透光性部材を有する領域のほぼ全体に設けるのが好ましい。これにより、効率良く光を反射することができる。第1層の膜厚としては、光を透過しない程度の厚さがあればよく、具体的には0.3μm〜10μmが好ましく、より好ましくは1μm〜5μmが好ましい。第1層は、ほぼ均一な膜厚で形成するのが好ましい。
(反射部材:第2層)
反射部材の第2層は、第1層の表面の少なくとも一部を覆い銀と異なる金属を含むものである。第1層は銀を含む層であるため、水分や大気中の不純物などによって変質し易く、それによって反射率が低下する。そのために外部から銀を含む層を保護するための層を設けることが好ましいが、銀はそれらの保護層との密着性が高くないため、結局、隙間が生じてそこから変質するなどの問題がある。そこで、本発明のように第1層の上に、銀と異なる金属を含む第2層を設け、かつ、この第2層によって第1層の表面の物理的特性(または化学的特性)を変化させることで、第3層を密着性よく設けることができる。
第2層は、第1層の高い反射率を損なわないようにするために、第1層の一部を覆うように設けるのが好ましい。この場合の一部とは、第1層の表面を、密度の低い層で被覆するものを指す。すなわち、スパッタなどで金属層を薄く設けると、第1層の表面にまばらに金属が付着し、第2層の隙間から第1層が露出するようになる。このように、第1層の表面が完全に覆われるのではなく疎な第2層で覆うことで、第1層の反射率を低下させることなく、第1層の表面の物性を変化させることができる。あるいは、第1層の一部ではなく、全体を覆うように設けてもよい。その場合は、第1層の反射率を低下させない程度に、薄膜で設けるのが好ましい。これにより、上記と同様の効果を得ることができる。このように、第2層を設ける領域(一部又は全面)は、第1層や第3層の組成を考慮して適宜選択することができる。
また、膜厚についても、第1層の反射率を低下しにくいようにする必要があり、極薄くするのが好ましい。これらは、用いる部材によって、さらには、光源などの波長によっても異なるものであるが、おおよそ1Å〜20Åが好ましく、より好ましくは2Å〜10Å程度である。
第2層の部材としては、銀と異なる部材を有することが好ましく、さらに、第1層の反射率を低下させない部材が好ましい。第2層は、第1層の反射率を大きく低下させないように形成領域や膜厚を制御しているが、光学特性以外の特性、例えば、第1層や第3層との密着性などを考慮すると、あまり薄くすることができない場合などがある。その様な場合においても、光源からの光や、後述する波長変換部材からの光に対する反射率が、第1層と同程度か、低下させた場合でも約60%程度となるようにするのが好ましい。あるいは、波長にもよるが、第1層よりも反射率が高くなるようにしてもよい。
このように、本発明において第2層は反射率などの光学特性を考慮して適宜材料を選択
するのが好ましく、導電性などについては特に限定されるものではない。すなわち、反射部材は、導電性のものであっても絶縁性のものであっても、反射部材としての機能さえ充足していればよい。ただし、1層目との密着性を考慮すると金属を含む材料が好ましい。具体的には、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、バナジウム、プラチナ、ロジウム、パラジウム、タンタル、金、ニオブ、モリブデン、イリジウム、コバルト、クロム、銅、ハフニウム、亜鉛、ジルコニウムなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合させて用いてもよい。2種以上を用いる場合は、同時に設けてもよく、あるいは別工程で設けてもよい。
(反射部材:第3層)
反射部材の第3層は、第1層と第2層を覆い、半導体発光素子からの光を透過可能な透過部材を含むものである。特に、半導体発光素子からの光の透過率が70%以上であるものが好ましい。これによって第1層によって反射された光を効率良く透過させることができる。
また、類似の物性を有する透光性部材を第3層に固着することにより、透光性部材とキャップとの密着性を向上することができ、耐環境性を高めることができる。
第3層は、主として第1層の変質を抑制する保護層として機能するものである。したがって、第1層の露出領域のほぼ全面を覆うような領域に設けるのが好ましい。具体的な、保護効果としては、第1層に含まれる銀を水分などから保護する他、銀が硫化等することにより劣化し、高い反射率が損なわれないようにすることができる。さらに、透光性部材を融着等して設ける際に発生する熱により、第1層が化学反応や拡散反応を起こし変色してしまうことを防止することができる。
第3層の材料としては、酸化物、窒化物、フッ化物、有機物(樹脂)などの透過部材を用いるのが好ましく、具体的にはSiO、Al、SiN、ITO、Si、SiON,AlN、AlON、In、SnO、TiO、ZnO、ZrO、MgF、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などを用いるのが好ましい。また、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
第3層の膜厚としては、半導体発光素子からの光を透過可能な程度で、かつ、外部から水分などが浸入しにくい程度に設ける必要がある。具体的には0.005μm〜0.5μmが好ましく、より好ましくは0.01μm〜0.3μmである。
(半導体発光素子)
半導体発光素子としては発光ダイオード、半導体レーザ素子など種々のものが利用できる。半導体レーザ光は指向性が高いため、光を一方向へ導波しやすい。したがって、半導体レーザ素子からの出射光を高効率で半導体発光装置の外部へ取り出すことが可能となる。半導体レーザ素子としては特に限定せずn型半導体層とp型半導体層との間に活性層を形成し、この活性層が多重量子井戸構造、又は単一量子井戸構造をなすものである。また、青色系半導体レーザ素子であれば、III族窒化物半導体より形成されるのが好ましい。
この他、半導体発光素子に発光ダイオードを使用する場合、端面発光型のものが好適
である。端面発光型ダイオードとは、発光ダイオードを構造面から分類した場合の一種で
、半導体レーザと同じように活性層の端面から光を取り出すものをいう。これは、活性層
の屈折率を高くして光導波作用を起こさせることで、端面から光を出力させることを可能
にしている。このように出力面積を絞ることで、半導体発光素子からの出力光を、後述
する貫通孔内へ導波させやすくすることができる。ひいては、半導体発光素子からの
光取り出し効率を高められる。
さらに、半導体発光素子は、使用の際に発生した熱が素子内に蓄熱されると、その特性が悪化し、またライフ寿命が低減する。これを防止するため、半導体発光素子から生じた熱は、機械的及び電気的に接続されるリード電極、ステム柱体及びステム底部に伝導され、外気へと放出される構造をとる。特に、ステム底部及びステム柱体はヒートシンクの役割を担っており、放熱効果を奏す。
したがって、ステム底部及びステム柱体から構成される台座は、熱媒体となりうるよう、その材質は熱伝導率の良いものが好ましい。具体的には銅、真鍮、タングステン、アルミニウム、銅・タングステン合金などが挙げられる。また、ステム底部は、後述するキャップと接着されるため、キャップの材質及びこれとの密着性を考慮して決定すればよい。
(キャップ)
キャップは、台座に設けられ、少なくとも半導体発光素子を外部から保護するためのものである。このため、台座およびキャップの形状は、半導体発光素子を保護できる形状であれば特に限定されない。例えば、ステム底部を、内部に空洞を有する略筒状とし、その上部を閉塞するキャップを略円盤状とすることもできる。
本実施形態に係る発光装置では、半導体発光素子の光出射方向側からみて、キャップ上部51の上面(キャップ50の上面)のほぼ中央に、キャップの内外と開通した貫通孔が形成されている。貫通孔の開口幅における中心軸は、半導体発光素子からの光出射軸とほぼ同一である。これにより、半導体発光素子からの出射光は、貫通孔内を進行する。進行した光は、直進または、貫通孔の内壁に1回或いは複数回反射されながら導波され、キャップの外部へと出射される。
さらに、キャップには、キャップに形成された貫通孔を塞ぐように透光性部材を有しており、貫通孔内を進行した光が透光性部材を介して外部に放出される。また、キャップは、少なくとも透光性部材との間に、半導体発光素子からの光を反射する反射部材を有している。これにより、透光性部材に入射された光を効率良く反射し、光の取り出し効率を低下させることなくキャップ外部に放出することができる。
また、キャップに形成された貫通孔は、半導体発光素子からの光が透過可能であればその大きさや形状については特に限定されるものではない。好ましくは、貫通孔の開口幅をテーパー状に一方向に変化させることが好ましい。
本実施形態において、貫通孔の内壁は、逆円錐台形状をなしており、光進行方向にしたがって内径が大きくなっている。貫通孔の開口形状は、円形に限定されず、楕円形或いは多角形でも良い。さらに、貫通孔の開口形状は、入光側と出光側で異なる開口形状を有していてもよい。例えば、半導体発光素子の出射面の形状に適合させて、入光側を矩形とし、出光側を円形とすれば、半導体発光素子の出射面の形状に依存せず、出光側からは円形状の出射光を得ることができる。
このような形状の貫通孔を形成することで、一旦貫通孔内に進入した光が、再び発光素子側に逆戻りすることを抑制することができる。これにより、本実施形態に係る発光装置は、光取り出し効率を向上することができる。
また、貫通孔の数については、本実施形態では1つの貫通孔を形成したものを例示しているが、これに限らず、2以上の複数個設けてもよい。例えば、複数の光源を用いる場合などは、貫通孔を複数形成してそれぞれの光を独立して放出させるようにすることもできる。
このようなキャップの材料としては、特に限定されるものではないが、熱伝導率の高いものが好ましい。これは、透光性部材や、その中に含有させる蛍光部材などに、光源からの光や反射部材によって反射された光などが照射されるときに発熱を伴う場合がある。そのような場合、色度が変化したり光度が低下したりするなどの変質の原因となりやすいため、キャップの材料を少なくとも透光性部材や蛍光部材よりも熱伝導率の高い部材とするのが好ましい。このような材料として、具体的には金属(ステンレス、銅、真鍮、コバール、アルミニウム、銀等)、アルミナ(Al)、炭化珪素(SiC)、CuW、Cuダイヤモンド、ダイヤモンドなどが挙げられる。
また、キャップには、反射部材が設けられる領域に、反射部材との密着性を向上させる密着層を配置することができる。このような密着層としては、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、バナジウム、プラチナ、ロジウム、パラジウム、タンタル、金、ニオブ、モリブデン、イリジウム、コバルト、クロム、銅、ハフニウム、亜鉛、ジルコニウムなどを用いることができる。また、これらは単独(又は単層)で用いてもよいし、2種以上(又は2層以上)を用いてもよい。
(透光性部材)
透光性部材は、半導体発光素子からの光を透過して、キャップ外部に光を放出させるためのものである。透光性部材の形状は、特に限定されず、ボールレンズや非球面レンズなど適宜用いることができる。
本実施形態において、透光性部材は、キャップに形成された貫通孔を塞ぐように、液状の材料を流し込み固化して形成されたものである。つまり、透光性部材の形状は、貫通孔の形状を適宜変更することにより、容易に選択することができる。本実施形態では、貫通孔の形状を逆円錐台形状としている。これにより、透光性部材は、半導体発光素子の光出射方向にしたがって内径が大きくなるように形成することができる。よって、本実施形態に係る発光装置は、光取り出し効率を高めることができる。
一方、透光性部材を、半導体発光素子の光出射方向にしたがって内径が小さくなるように形成する場合は、以下の方法を用いることが好ましい。まず、透光性部材を円錐台形状に形成し、そのサイズよりも一回り小さく円錐台形状の貫通孔をキャップに形成する。次に、形成された透光性部材を、半導体発光素子側から貫通孔内に圧入することにより固定する。これにより、透光性部材は、貫通孔の内壁に係り止めすることができ、透光性部材がキャップから脱落することを防止することができる。
さらに、図4に示すように、透光性部材には、後述する波長変換部材や拡散部材などを含有させることができる。これにより、透光性部材に入射された光が、波長変換部材や拡散部材により乱反射されるため、光が反射部材に照射され易くなる。このため、光取り出し効率を向上させる本願発明の効果をさらに有効に得ることができる。
このような透光性部材の材料としては、光源や波長変換部材および拡散部材からの光を吸収しにくい部材を用いるのが好ましい。具体的には、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、低融点ガラス、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などとしてもよいし、アルミナ等のセラミック材を用いることができる。
(波長変換部材)
波長変換部材は、半導体発光素子からの光の少なくとも一部を吸収し、吸収した光を異なる波長に変換することができるものである。つまり、波長変換部材により波長変換された光と、半導体発光素子からの光との混色光を外部に取り出すことが可能となる。
さらに、波長変換部材は、透光性部材に含有させる他、半導体発光素子からの光が照射されるように半導体発光素子の近傍に設けることもできる。
波長変換部材としては、半導体発光素子からの光を、より長波長に変換させるものの方が効率がよい。波長変換部材は、1種の蛍光物質等を単層で形成してもよいし、2種以上の蛍光物質等が混合された単層を形成してもよいし、1種の蛍光物質等を含有する単層を2層以上積層させてもよいし、2種以上の蛍光物質等がそれぞれ混合された単層を2層以上積層させてもよい。
このような波長変換部材の材料としては、例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩、アルカリ土類硫化物、アルカリ土類チオガレート、アルカリ土類窒化ケイ素、ゲルマン酸塩、又は、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。
(拡散部材)
拡散部材は、半導体発光素子および波長変換部材からの光を拡散することができれば良く、半導体発光素子の発光波長や透光性部材の屈折率などにより適宜選択することができる。
このような拡散部材の材料としては、SiO、Al、SiN、MgO、Si、SiC、AlN、ダイヤモンド、Ag、Al、Au、Cu、W、Mg等が挙げられる。
拡散部材は、蛍光体等の波長変換部材と併用することで、半導体発光素子及び蛍光体からの光を良好に乱反射させ、大きな粒径の蛍光体を用いることによって生じやすい色ムラを抑制することができるので、好適に使用できる。また、発光スペクトルの半値幅を狭めることができ、色純度の高い発光装置が得られる。一方、1nm以上1μm未満の拡散物質は、半導体発光素子からの光波長に対する干渉効果が低い反面、透明度が高く、光度を低下させることなく透光性部材の粘度を高めることができる。
<第二の実施形態>
図5は、本発明に係る第二の実施形態の発光装置を模式的に示す概略図である。
また、第二の実施形態に係る発光装置は、透光性部材60がキャップ50の上面よりも突出するように設けられている点、および、キャップ50の上面にも反射部材70を有している点以外は、第一の実施形態と実質的に同様の構造を有している。なお、同じ構造については説明を省略する部分もある(以下の実施形態、実施例でも同様とする)。
第二の実施形態に係る発光装置は、リード電極40と、ステム底部30およびステム柱体20により構成される台座と、半導体発光素子10と、キャップ50と、透光性部材60と、反射部材70と、を備えて構成される。
本実施形態において、台座には、半導体発光素子10が載置されており、さらに半導体発光素子10を覆うようにキャップ50が設けられている。キャップ50にはキャップの上面から下面にかけて連続した貫通孔53が形成されており、その貫通孔内には透光性部材60を有している。このとき透光性部材60は、キャップ50の上面よりも突出するように配置されている。透光性部材60とキャップ50との間には、少なくとも半導体発光素子10からの光を反射する反射部材70を有している。さらに反射部材70は、キャップ50の上面にも延在して設けられている。
さらに、本実施形態に係る発光装置を半導体発光素子10の光出射方向からみて、キャップ50の上面には、透光性部材60により覆われた部分と、透光性部材60から露出して反射部材70により覆われた部分を有している。
また、本実施形態では、貫通孔内にも透光性部材60を有しているが、図6に示すように、透光性部材60を貫通孔内に配置することなく、キャップ50の上面に固着しても良い。
以上により、第二の実施形態に係る発光装置は、第一の実施形態と同様の効果を有する。さらに、第二の実施形態に係る発光装置では、透光性部材60から外部に放出された光を、キャップ上面に有する反射部材70にて反射させることができる。このため、キャップ上面においても吸収および散乱の発生を抑制することができ、光の取り出し効率を向上させることができる。また、透光性部材60の形状を適宜変更することにより、第二の実施形態に係る発光装置から放出される光の配光を広げることができる。
<第三の実施形態>
図7は、本発明に係る第三の実施形態の発光装置を模式的に示す概略図である。
また、第三の実施形態に係る発光装置は、キャップ50の上面に第2の透光性部材65が設けられている点、および、キャップ50の上面にも反射部材70を有している点以外は、第一の実施形態と実質的に同様の構造を有している。
第三の実施形態に係る発光装置は、リード電極40と、ステム底部30およびステム柱体20により構成される台座と、半導体発光素子10と、キャップ50と、第1の透光性部材60と、第2の透光性部材65と、反射部材70と、を備えて構成される。
本実施形態において、台座には、半導体発光素子10が載置されており、さらに半導体発光素子10を覆うようにキャップ50が設けられている。キャップ50にはキャップの上面から下面にかけて連続した貫通孔53が形成されている。貫通孔53の内壁には反射部材70を有しており、その反射部材70には第1の透光性部材60が固着して設けられている。また、反射部材70は、キャップ50の上面にも延在して設けられている。キャップ50の上面に設けられた反射部材70には、第2の透光性部材65が固着して設けられている。このとき、第2の透光性部材65は、第1の透光性部材60との間に界面を有すること無く固着されるのが好ましい。これにより、界面で発生する屈折率差により、半導体発光素子10からの光の取り出し効率が低下することを抑制することができる。さらに、第2の透光性部材65の形状は、半球形状を有している。これにより、半導体発光素子10からの光を効率よく外部に取り出すことができる。ただし、透光性部材65の形状は、半球形状に限定されず、本実施形態に係る発光装置の用途により適宜変更することができる。また、第2の透光性部材65は、第1の透光性部材60よりも光の屈折率が大きいことが好ましい。これにより、本実施形態に係る発光装置の光取り出し効率を向上することができる。
以上により、第三の実施形態に係る発光装置は、第一の実施形態と同様の効果を有する。また、第三の実施形態に係る発光装置は、光取り出し効率をさらに向上させることができる。
<第四の実施形態>
図8は、本発明に係る第四の実施形態の発光装置を模式的に示す概略図である。
また、第四の実施形態に係る発光装置は、第2の透光性部材65および反射部材70をキャップ50の下面に有している点以外は、第三の実施形態と実質的に同様の構造を有している。
第四の実施形態に係る発光装置は、リード電極40と、ステム底部30およびステム柱体20により構成される台座と、半導体発光素子10と、キャップ50と、第1の透光性部材60と、第2の透光性部材65と、反射部材70と、を備えて構成される。
本実施形態において、台座には、半導体発光素子10が載置されており、さらに半導体発光素子10を覆うようにキャップ50が設けられている。キャップ50にはキャップの上面から下面にかけて連続した貫通孔が形成されている。貫通孔53の内壁には反射部材70を有しており、その反射部材70には第1の透光性部材60が固着して設けられている。また、反射部材70は、キャップ50の下面にも延在して設けられている。キャップ50の下面に設けられた反射部材70には、第2の透光性部材65が固着されてキャップ内壁部に設けられている。これにより、第2の透光性部材は強固にキャップと接合される。さらに、第1の透光性部材60と第2の透光性部材65とが接合されることにより、接合部面積が増加し、第1の透光性部材60とキャップ50をより強固に接合させることができる。また、第2の透光性部材65は、第1の透光性部材60との間に界面を有すること無く固着されるのが好ましい。これにより、界面で発生する屈折率差により、半導体発光素子10からの光の取り出し効率が低下することを抑制することができる。また、第2の透光性部材65の形状は、平板形状を有している。ただし、第2の透光性部材65の形状は、特に限定されず、本実施形態に係る発光装置の用途により適宜変更することができる。また、第2の透光性部材65は、第1の透光性部材60よりも光の屈折率が小さいことが好ましい。これにより、本実施形態に係る発光装置の光取り出し効率を向上することができる。
以上により、第四の実施形態に係る発光装置は、第三の実施形態と同様の効果を有する。
<第五の実施形態>
図9は、本発明に係る第五の実施形態の発光装置を模式的に示す概略図である。
また、第五の実施形態に係る発光装置は、第2の反射部材76、第2のキャップ56を有している点以外は、第四の実施形態と実質的に同様の構造を有している。
第五の実施形態に係る発光装置は、リード電極40と、ステム底部30およびステム柱体20により構成される台座と、半導体発光素子10と、第1のキャップ50と、第2のキャップ56と、第1の透光性部材60と、第2の透光性部材66と、第1の反射部材70と、第2の反射部材76と、を備えて構成される。
本実施形態において、台座には半導体発光素子10が載置されており、さらに台座に第2のキャップ56が接合されている。第2のキャップ56には、上面から下面にかけて連続した第2の貫通孔が形成されている。第2の貫通孔は、その内壁に第2の反射部材76を有している。第2の反射部材76には、第2の透光性部材66が固着して設けられている。このとき、半導体発光素子10と第2の透光性部材66とは、界面を有することなく固着されていることが好ましい。
さらに、本実施形態は、第2のキャップ56を囲うように第1のキャップ50が台座に設けられている。第1のキャップ50には、第2の貫通孔の開口径と同じか、それ以上の径を有する第1の貫通孔が形成されている。第1の貫通孔の内壁には、第1の反射部材70を有している。第1の反射部材70は、第1のキャップ50の内壁部にも延在して設けられている。さらに、第1の反射部材70には、第1の透光性部材60が固着して設けられている。このとき、第1の透光性部材60は、第1のキャップ50の内壁部に配置されている。また、第1および2の透光性部材60、66の形状は、特に限定されず、本実施形態に係る発光装置の用途により適宜変更することができる。また、第2の透光性部材66は、第1の透光性部材60よりも光の屈折率が小さいことが好ましい。これにより、本実施形態に係る発光装置の光取り出し効率を向上させることができる。
以上により、第五の実施形態に係る発光装置は、第四の実施形態と同様の効果を有する。また、第五の実施形態に係る発光装置は、第2のキャップ56と台座とが接合されている。これにより、第2のキャップ56から台座に直接熱を逃がすことができる。さらに、第1のキャップ50が、第2のキャップ56を保護することにより、耐環境性をより向上させることができる。
<第六の実施形態>
図10は、本発明に係る第六の実施形態の発光装置を模式的に示す概略図である。
また、第六の実施形態に係る発光装置は、反射部材の構造以外は、第一の実施形態と実質的に同様の構造を有している。
第六の実施形態に係る発光装置は、リード電極40を有するステム底部30と、ステム底部30に設けられるステム柱体20と、ステム柱体20に載置される半導体発光素子10と、半導体発光素子10を覆うようにステム底部30に設けられるキャップ50と、半導体発光素子10からの光が外部に放出されるようにキャップ50に設けられる透光性部材60と、少なくとも透光性部材60とキャップ50との間に設けられ、半導体発光素子10からの光を反射する反射部材100と、を備えて構成される。
さらに具体的には、本実施形態に係る反射部材100は、銀及び銀と異なる金属から構成される合金層110と、その合金層110を被覆し、かつ半導体発光素子10からの光が透過可能な光透過層120と、をキャップ側から順に有している。
本実施の形態において、合金層110は、銀の高い反射率を維持することができると共に、光透過層120との密着性にも優れているものが好ましい。
このような合金層110を構成する銀と異なる金属(異種金属)としては、耐環境性に優れ、光透過層120との密着性にも優れているものが好ましく、例えばAl、Au、In、Si、Cu、W、Pd、Zn、Pt、Rh、Sn、Nd、Biなどが挙げられる。これにより、合金層110と光透過層120との密着性を向上させるための層を新たに設ける必要がなく、製造工程を簡略化することができる。
また、光透過層120は、合金層110を覆い、半導体発光素子10からの光を透過可能な部材から構成されるものである。特に、半導体発光素子10からの光の透過率が70%以上であるものが好ましい。さらに、光透過層120は、主として合金層110の変質を抑制する保護層として機能するものであり、酸化物、窒化物、フッ化物、有機物(樹脂)などを用いることができる。具体的には、SiO、Al、SiN、ITO、Si、SiON,AlN、AlON、In、SnO、TiO、ZnO、ZrO、MgF、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。また、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
以上の構成により、本実施形態に係る発光装置は、透光性部材に入射された光を、少なくとも透光性部材とキャップとの間に設けられた反射部材によって効率良く反射させることができるため、光の取り出し効率を低下させることなく外部に放出することが可能となる。特に、銀が異種金属と合金化されていることによって、銀の劣化を抑制することができる(高い光取り出し効率を維持することができる)と共に、光透過層との密着性をも向上させることができる。
<実施例1>
実施例1として、第一の実施形態に係る発光装置を用いて説明する。
実施例1は、リード電極40と、ステム底部30およびステム柱体20により構成される台座と、半導体発光素子10と、キャップ50と、透光性部材60と、反射部材70と、波長変換部材80と、を備えて構成される。
なお、リード電極40、ステム底部30およびステム柱体20として銅(Cu)、半導体発光素子10としてレーザダイオード(LD)、キャップ50としてコバール(Kr)、透光性部材60としてホウケイ酸ガラス、波長変換部材80としてイットリウム・アルミニウム酸化物系の蛍光体(YAG蛍光体)、を用いる。反射部材70としては、第1層71に銀(Ag)、第2層72にアルミニウム(Al)、第3層73にシリカ(SiO)を用いる。
本実施例において、リード電極40を有する台座には、半導体発光素子10が載置されており、さらに半導体発光素子10を覆うようにキャップ50が設けられる。半導体発光素子10は、リード電極40とワイヤ(図示しない)により電気的に接続される。キャップ50には、キャップ50の上面から下面にかけて連続した貫通孔53が形成される。貫通孔53の内壁は、逆円錐台形状をなしており、反射部材70が設けられる。反射部材70は、貫通孔53の内壁を被覆する第1層71と、第1層71が部分的に露出されるように第1層71を被覆する第2層72と、第1層71と第2層72とを被覆する第3層73と、により構成される。反射部材70の第3層73には、波長変換部材80を含有した透光性部材60が固着して設けられる。
以上のようにして作成された発光装置は、透光性部材60に入射された半導体発光素子10および波長変換部材80からの光を、少なくとも透光性部材60とキャップ50との間に設けられた反射部材70によって効率良く反射させることができる。このため、光の取り出し効率を低下させることなく外部に放出することが可能となる。
特に、反射率の高い銀を有する第1層の反射率を、第2層及び第3層で低下させることなく、かつ、第1層の劣化を抑制することができるため、高い光取り出し効率を維持することができる。
また、本実施例では、透光性部材としてホウケイ酸ガラス、反射部材第3層としてシリカを用いており、同ホウケイ酸ガラスは溶融させて同反射部材上に固着させている。これにより、両者を強固に接着することができ、かつキャップ内部に窒素ガスを封入することができるので、非常に優れた環境性を得ることができる。
本発明の発光装置は、照明用光源、各種インジケーター用光源、車載用光源、ディスプレイ用光源、液晶のバックライト用光源等に利用することができる。
本発明に係る第一の実施形態の発光装置を模式的に示す概略図である。 図1の発光装置に用いられるキャップ50を拡大して模式的に示す概略図である。 図2のキャップにおける他の実施形態を模式的に示す概略図である。 図2のキャップにおける他の実施形態を模式的に示す概略図である。 本発明に係る第二の実施形態の発光装置を模式的に示す概略図である。 図5のキャップにおける他の実施形態を模式的に示す概略図である。 本発明に係る第三の実施形態の発光装置を模式的に示す概略図である。 本発明に係る第四の実施形態の発光装置を模式的に示す概略図である。 本発明に係る第五の実施形態の発光装置を模式的に示す概略図である。 本発明に係る第六の実施形態の発光装置を模式的に示す概略図である。 従来の発光装置を模式的に示す概略図である。
符号の説明
10、110・・・半導体発光素子
20、120・・・ステム柱体
30、130・・・ステム底部
40、140・・・リード電極
50、56、150・・・キャップ
51・・・キャップの上部
52・・・キャップの側部
53・・・貫通孔
60、65、66、160・・・透光性部材
70、76・・・反射部材
71・・・反射部材の第1層
72・・・反射部材の第2層
73・・・反射部材の第3層
80・・・波長変換部材
90・・・拡散部材
110・・・合金層
120・・・光透過層

Claims (6)

  1. 半導体発光素子と、前記半導体発光素子を覆うキャップと、前記半導体発光素子からの光が外部に放出されるように前記キャップに設けられる透光性部材と、を有する発光装置であって、
    少なくとも前記透光性部材と前記キャップとの間に、前記半導体発光素子からの光を反射する反射部材が設けられており、
    前記反射部材は、銀を含む第1層と、
    前記第1層の少なくとも一部を被覆し、銀と異なる金属を含む第2層と、
    前記第1層および前記第2層を被覆し、前記半導体発光素子からの光が透過可能な透過部材を含む第3層と、
    を前記キャップ側から順に有していることを特徴とする発光装置。
  2. 前記透光性部材は、前記反射部材の第3層により固着されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記キャップの上面には、前記反射部材がさらに設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記透光性部材は、前記キャップの上面よりも突出するように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記透光性部材は、半導体発光素子からの光を異なる波長に変換する波長変換部材、または、半導体発光素子からの光を拡散させる拡散部材、を少なくとも含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の発光装置。
  6. 半導体発光素子と、前記半導体発光素子を覆うキャップと、前記半導体発光素子からの光が外部に放出されるように前記キャップに設けられる透光性部材と、を有する発光装置であって、
    少なくとも前記透光性部材と前記キャップとの間に、前記半導体発光素子からの光を反射する反射部材が設けられており、
    前記反射部材は、銀及び銀と異なる金属から構成される合金層と、
    前記合金層を被覆し、前記半導体発光素子からの光が透過可能な光透過層と、
    を前記キャップ側から順に有していることを特徴とする発光装置。
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