JP4983121B2 - エスカレータの地震時自動復旧装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エスカレータの地震時自動復旧装置に関するものである。
地震が発生した時、地震感知器動作又はリアルタイム地震情報により、エスカレータを停止させるエスカレータの地震時制御装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、エスカレータに乗降する乗客の進行状況を乗客の人影を検知する画像センサーで自動的に監視し、エスカレータの駆動を制御し、乗客の安全を確保すると共に合理的にエスカレータの運行を図るエスカレータ監視自動制御装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−286584号公報 特開2005−145698号公報 特開平11−106172号公報
従来のエスカレータの地震時制御装置では、地震が発生した時、地震感知器動作又はリアルタイム地震情報により、エスカレータを事前に停止させることが可能であるが、その後の自動復旧は専門の技術者である保守員が出動する必要があった。
また、エスカレータ監視自動制御装置では、画像センサーによりエスカレータの運転・停止は可能であるが、地震後の復旧時には、機械的なトラブルも考えられるため、画像センサーの映像だけでは不十分であり、地震規模に応じたエスカレータの動作が必要となる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、地震復旧運転を開始する前に、エスカレータの乗場上下部等に設置した監視カメラにより、乗客の有無や障害物の有無を判定し、安全且つ短時間で地震復旧運転を可能としたエスカレータの地震時自動復旧装置を提供するものである。
この発明に係るエスカレータの地震時自動復旧装置においては、地震発生時に地震感知器が動作すると、エスカレータを停止させ、安全装置が動作せずかつ地震感知器の動作が高感度検出で無かった場合、地震復旧運転を行うようにしたものにおいて、エスカレータ上の乗客の有無及び障害物の有無を確認するために設けられた監視カメラを備え、停止したエスカレータを自動的に復旧させるための地震復旧運転を開始する前に、監視カメラにより乗客の有無及び障害物の有無を確認し、エスカレータ上に乗客がいるか障害物があれば地震復旧運転には移行せず、エスカレータ上に乗客及び障害物が無いことを確認したとき、地震感知器の動作が低感度検出であった場合は、微速運転による診断運転を実施し、診断結果が良好でなければエスカレータを停止し、診断結果が良好であれば、通常運転に復帰する地震復旧運転に移行するものである。
また、エスカレータ上に乗客を確認したときは、該乗客に対しエスカレータから降りるように注意喚起のアナウンスを行うものである。
また、エスカレータ上に障害物を確認したときは、地震によるエスカレータの停止をアナウンスするものである。
また、エスカレータの乗場に開閉自在に設けられ、閉鎖状態で乗客の進入を禁止する進入防止柵と、エスカレータ上の乗客の有無及び障害物の有無を確認するとともに、進入防止柵の開閉状態を確認するために設けられた監視カメラを備え、停止したエスカレータを自動的に復旧させるための地震復旧運転を開始する前に、監視カメラにより進入防止柵の開閉状態を確認し、侵入防止柵が閉まっていれば地震復旧運転には移行せず、進入防止柵が開いていることと、エスカレータ上に乗客及び障害物が無いことを確認したとき、地震感知器の動作が低感度検出であった場合は、微速運転による診断運転を実施し、診断結果が良好でなければエスカレータを停止し、診断結果が良好であれば、通常運転に復帰する地震復旧運転に移行するものである。
この発明によれば、地震復旧運転を開始する前に、エスカレータの乗場上下部等に設置した監視カメラにより、乗客の有無や障害物の有無を判定し、安全且つ短時間で地震復旧運転に移行することができ、機器の損傷を最小限に抑えることができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるエスカレータの地震時自動復旧装置を示すシステム構成図、図2はこの発明の実施の形態1におけるエスカレータの地震時自動復旧装置の動作例を説明するためのフローチャート、図3はこの発明の実施の形態1におけるエスカレータの地震時自動復旧装置の動作例を説明するためのフローチャート、図4はこの発明の実施の形態1における地震時自動復旧装置の動作例を説明するためのフローチャート、図5はこの発明の実施の形態1におけるエスカレータの地震時自動復旧装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
図1において、エスカレータは、エスカレータを安全確保のため停止させる安全装置1、エスカレータを駆動するモーター2、ステップや手摺を駆動する駆動ベルト(チェーン)3、エスカレータの異常音を検出する異常音検出部4、手摺速度を検出する手摺速度検出部5、エスカレータの乗客に案内放送をアナウンスするスピーカー6、エスカレータの乗客に案内表示するディスプレイ7、エスカレータ乗場に開閉自在に設けられ、閉鎖状態で乗客の進入を禁止する進入防止柵8、エスカレータステップ上の乗客の有無やエスカレータステップ上の障害物の有無を確認するために設けられた監視カメラ9、特低感度検出、低感度検出、高感度検出でそれぞれ動作する地震感知器10等を備えている。また、エスカレータの運転を制御するエスカレータ制御盤11は、異常音検出部4からの走行音により診断結果の良否を演算する診断結果演算装置12、微速診断運転を実施する診断運転制御装置13及び通信装置14等を備えている。なお、エスカレータ制御盤11、診断装置12、13及び通信装置14の構成は、一体型であっても分離型であっても良い。15は電話回線又はブロードバンド回線、16は情報センター又は管理室である。
次に、エスカレータの地震時自動復旧装置の動作例について、図2のフローチャートにより説明する。
地震が発生すると、地震感知器10が動作してエスカレータが停止する(S1)。先ず、ステップS2でエスカレータの安全装置1が動作しているか否かを判定し、安全装置1が動作していれば、ステップS3に進み、エスカレータは診断運転に移行しない。同時に地震による停止を乗客へアナウンスする。また、情報センター又は管理室16へ「自動復旧不可」を通報する。次に、ステップS4で地震感知器10の動作が高感度検出したか否かを判定する。地震感知器10の動作が高感度検出であった場合は、エスカレータ機器に大きな損傷が発生している可能性が高い。したがって、地震感知器10の動作が高感度検出していれば、ステップS5に進み、エスカレータは診断運転に移行しないで、そのまま運転を停止する。同時に地震による停止を乗客へアナウンスする。また、情報センター又は管理室16へ「自動復旧不可」を通報する。
次に、他の動作例について、図3のフローチャートにより説明する。
地震感知器10の動作が高感度検出で無かった場合、診断運転に移行する前の安全確認として、図3のフローチャートでエスカレータステップ上の乗客の有無、障害物の有無等を監視カメラ9のカメラ画像で確認する。先ず、ステップS6でカメラ画像を情報センター又は管理室16で確認する。進入防止柵8がある場合は、ステップS7で進入防止柵8が閉まっているか否かを確認し、進入防止柵8が閉まっていれば、ステップS8に進み、エスカレータは診断運転に移行しない。同時に地震による停止を乗客へアナウンスする。また、情報センター又は管理室16へ「自動復旧不可」を通報する。次に、ステップS9でエスカレータのステップ上に乗客がいるか否かを確認し、乗客がいれば、ステップS10に進み、エスカレータは診断運転に移行しない。同時に地震による停止を乗客へアナウンスする。そして、乗客へエスカレータから降りるようにアナウンスする。また、ディスプレイ7に注意表示を行う。次に、ステップS11でエスカレータのステップ上にガレキ(瓦礫)等の障害物があるか否かを確認する。障害物が確認された場合は、ステップS12に進み、エスカレータは診断運転に移行しないで、そのまま運転を停止する。同時に地震による停止を乗客へアナウンスする。また、情報センター又は管理室16へ「自動復旧不可」を通報する。
次に、他の動作例について、図4のフローチャートにより説明する。
エスカレータのステップ上の安全を確認した後は、図4のフローチャートで地震感知器10の動作が低感度検出であるか否かを確認する。先ず、ステップS13で地震感知器10の動作が低感度検出であったか否か確認し、低感度検出であった場合は、ステップS14に進み、エスカレータ機器の損傷個所の破損を最小限に抑えるため、微速運転による診断運転を実施する。そして、ステップS15で診断運転による診断結果の良否を判定し、判定結果が良好であれば、ステップS16に進み、エスカレータは通常運転に復帰する。同時に情報センター又は管理室16へ「正常復帰完了」を通報する。また、進入防止柵8がある場合は、進入防止柵8を開放する。上記ステップ15で判定結果が悪ければ、ステップS17に進み、エスカレータの運転を停止する。同時に地震による停止を乗客へアナウンスする。また、情報センター又は管理室16へ「自動復旧不可」を通報する。
次に、他の動作例について、図5のフローチャートにより説明する。
地震感知器10の動作が低感度検出で無い場合は、図5の特低感度のフローチャートに移行する。地震感知器10の動作が特低感度検出である場合は、エスカレータ機器の損傷に至らないケースが殆どである。したがって、先ず、ステップS18にて通常運行速度で一定時間の試運転を実施する。次に、ステップS19で一定時間の試運転後に安全装置1が動作したか否かを判定する。安全装置1が動作しなければ、ステップS20に進み、エスカレータは通常運転に復帰する。同時に情報センター又は管理室16へ「正常復帰完了」を通報する。また、進入防止柵8がある場合は、進入防止柵8を開放する。上記ステップ19で安全装置1が動作すれば、ステップS21に進み、エスカレータの運転を停止する。同時に地震による停止を乗客へアナウンスする。また、情報センター又は管理室16へ「自動復旧不可」を通報する。
この発明の実施の形態1におけるエスカレータの地震時自動復旧装置を示すシステム構成図である。 この発明の実施の形態1におけるエスカレータの地震時自動復旧装置の動作例を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1におけるエスカレータの地震時自動復旧装置の動作例を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1における地震時自動復旧装置の動作例を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1におけるエスカレータの地震時自動復旧装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 安全装置
2 モーター
3 駆動ベルト(チェーン)
4 異常音検出部
5 手摺速度検出部
6 スピーカー
7 ディスプレイ
8 進入防止柵
9 監視カメラ
10 地震感知器
11 エスカレータ制御盤
12 診断結果演算装置
13 診断運転制御装置
14 通信装置
15 電話回線(ブロードバンド回線)
16 情報センター又は管理室

Claims (4)

  1. 地震発生時に地震感知器が動作すると、エスカレータを停止させ、安全装置が動作せずかつ前記地震感知器の動作が高感度検出で無かった場合、地震復旧運転を行うようにしたエスカレータの地震時自動復旧装置において、
    前記エスカレータ上の乗客の有無及び障害物の有無を確認するために設けられた監視カメラを備え、
    前記停止したエスカレータを自動的に復旧させるための地震復旧運転を開始する前に、前記監視カメラにより乗客の有無及び障害物の有無を確認し、エスカレータ上に乗客がいるか障害物があれば地震復旧運転には移行せず、エスカレータ上に乗客及び障害物が無いことを確認したとき、前記地震感知器の動作が低感度検出であった場合は、微速運転による診断運転を実施し、診断結果が良好でなければエスカレータを停止し、診断結果が良好であれば、通常運転に復帰する地震復旧運転に移行することを特徴とするエスカレータの地震時自動復旧装置。
  2. エスカレータ上に乗客がいることを確認したときは、該乗客に対しエスカレータから降りるように注意喚起のアナウンスを行うことを特徴とする請求項1記載のエスカレータの地震時自動復旧装置。
  3. エスカレータ上に障害物を確認したときは、地震によるエスカレータの停止をアナウンスすることを特徴とする請求項記載のエスカレータの地震時自動復旧装置。
  4. 地震発生時に地震感知器が動作すると、エスカレータを停止させ、安全装置が動作せずかつ前記地震感知器の動作が高感度検出で無かった場合、地震復旧運転を行うようにしたエスカレータの地震時自動復旧装置において、
    前記エスカレータの乗場に開閉自在に設けられ、閉鎖状態で乗客の進入を禁止する進入防止柵と、
    前記エスカレータ上の乗客の有無及び障害物の有無を確認するとともに、前記進入防止柵の開閉状態を確認するために設けられた監視カメラを備え、
    前記停止したエスカレータを自動的に復旧させるための地震復旧運転を開始する前に、前記監視カメラにより進入防止柵の開閉状態を確認し、前記侵入防止柵が閉まっていれば地震復旧運転には移行せず、前記進入防止柵が開いていることと、エスカレータ上に乗客及び障害物が無いことを確認したとき、前記地震感知器の動作が低感度検出であった場合は、微速運転による診断運転を実施し、診断結果が良好でなければエスカレータを停止し、診断結果が良好であれば、通常運転に復帰する地震復旧運転に移行することを特徴とするエスカレータの地震時自動復旧装置。
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