JP4983091B2 - 電解質膜の形成方法、成膜装置及び固体燃料電池 - Google Patents

電解質膜の形成方法、成膜装置及び固体燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、固体燃料電池に使用される電解質膜の形成方法、成膜装置及び固体燃料電池に関する。
一般に、温暖化対策及び化石燃料の消費節約等の見地より、自家発電や電気自動車等に適用が可能な固体燃料電池が注目されている。この固体燃料電池には、内部に電解質膜として高分子膜を用いた固体高分子形の燃料電池と、電解質膜として固体酸化物を用いた固体酸化物形の燃料電池とが知られており、特に、動作温度が1000℃以下の高温ではあるが、比較的低価格で、且つ長寿命化が見込めることから、固体酸化物を用いた固体燃料電池の開発が注目されている。
この固体燃料電池の原理を図7に基づいて説明する。図7に示すように、この固体燃料電池2は、固体の電解質膜4を真中に挟んでその両側に、空気電極6と燃料電極8とをそれぞれ形成して、いわばサンドイッチ状態になっている。上記空気電極6は例えばLa(Sr)MnO 等よりなる多孔質状の薄膜として形成されており、これに供給される酸素をイオン化して上記電解質膜4側へ供給する機能を有している。上記電解質膜4は、例えばYSZ(yttria−stabilized zirconia)等の薄膜よりなり、気体は通さないで上記酸素イオンを燃料電極8側へ運ぶ機能を有している。
上記燃料電極8は例えばNi−YSZサーメット等よりなる多孔質状の薄膜として形成されており、これに供給される水素と上記電解質膜4側より運ばれてくる酸素イオンとを反応させて水(H O) を形成して、電子を放出するようになっている。従って、上記燃料電極8と空気電極6との間に負荷10を接続することにより、発電が行われてこの負荷10に電流を流すことができるようになっている。この時の動作温度は比較的高く、例えば950〜1000℃程度である。また、上記電解質膜4の厚さは例えば数10μm程度であり、また空気電極6と燃料電極8は共に例えば数100μm程度である。
ところで、上述したような固体燃料装置にあっては、特にこの発電性能を向上させるためには電解質膜4の特性を高くする必要があり、そのため、この電解質膜4の緻密性及び密着性を、共にできるだけ向上させることが望まれている。そして、上記電解質膜4は、一般的にはCVD(Chemical Vapor Deposition)法か、焼結法のいずれかの製造方法を用いて形成されている。
しかしながら、電解質膜4を形成するに際して、CVD法を用いる場合には膜質は良好になるが、真空処理装置を用いることから成膜コストが高くなるのみならず、成膜レートが小さいのでスループットが低い、といった問題があった。また焼結法を用いる場合には、上記とは逆に、成膜コストは低く抑制することができるが、焼結用ペーストを塗布する際にこの膜厚を均一に塗布するのが困難なので、膜厚均一性が低く、しかも緻密化のために長時間の高温焼結が必要となり、この点からも生産性が悪化してスループットを低下させてしまう、といった問題があった。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、CVD成膜法と溶射成膜法とを組み合わせることにより、緻密性及び密着性が高い電解質膜を得ることができ、しかも生産性が高い電解質膜の成膜方法、成膜装置及び固体燃料電池を提供することにある。
請求項1に係る発明は、支持体の表面に少なくとも2種類の金属を含む電解質膜を形成する成膜方法において、前記金属を含む溶射用粉体を用いてプラズマ溶射を行いつつ前記金属を含む有機金属材料を用いてCVDにより成膜を行うことにより前記電解質膜を形成するようにしたことを特徴とする電解質膜の形成方法である。
このように、金属を含む溶射用粉体を用いてプラズマ溶射を行いつつ金属を含む有機金属材料を用いてCVDにより成膜を行って、CVD成膜法と溶射成膜法とを組み合わせることにより、緻密性及び密着性が高い電解質膜を得ることができ、しかも生産性を高めることができる。
この場合、例えば請求項2に規定するように、前記プラズマ溶射はマイクロ波を用いて行われる。
また例えば請求項3に規定するように、前記CVDによる成膜は常圧の雰囲気中で行われる。
また例えば請求項4に規定するように、前記電解質膜は、YSZ、或いはLSGMよりなる。
また例えば請求項5に規定するように、前記電解質膜は、固体燃料電池に用いられる。
請求項6に係る発明は、支持体の表面に少なくとも2種類の金属を含む電解質膜を形成する成膜装置において、排気可能になされた処理容器と、前記支持体を載置する載置台と、前記支持体を加熱する加熱手段と、前記金属を含む溶射用粉体をプラズマにより溶射粒子にすると共に、該溶射粒子とCVD用の原料として前記金属を含む有機金属材料とを前記処理容器内へ導入する溶射粒子導入手段と、を備えたことを特徴とする成膜装置である。
この場合、例えば請求項7に規定するように、前記溶射粒子導入手段は、前記溶射用粉体の搬送途中で前記有機金属材料が混入されるように構成する。
また例えば請求項8に規定するように、前記溶射粒子導入手段は、前記溶射用粉体を前記溶射粒子とする際に前記有機金属材料が混入されるように構成する。
請求項9に係る発明は、支持体の表面に少なくとも2種類の金属を含む電解質膜を形成する成膜装置において、排気可能になされた処理容器と、前記支持体を載置する載置台と、前記支持体を加熱する加熱手段と、前記金属を含む溶射用粉体をプラズマにより溶射粒子にして前記処理容器内へ導入する溶射粒子導入手段と、CVD用の原料として前記金属を含む有機金属材料を前記処理容器内へ導入する有機金属材料導入手段と、を備えたことを特徴とする成膜装置である。
この場合、例えば請求項10に規定するように、前記溶射粒子導入手段は、前記溶射粒子を形成するためのマイクロ波を発生するマイクロ波発生器を有している。
また例えば請求項11に規定するように、前記電解質膜は、YSZ、或いはLSGMよりなる。
また例えば請求項12に規定するように、前記電解質膜は、固体燃料電池に用いられる。
請求項13に係る発明は、前記成膜方法により形成された電解質膜を用いたことを特徴とする固体燃料電池である。
本発明に係る電解質膜の形成方法、成膜装置及び固体燃料電池によれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
金属を含む溶射用粉体を用いてプラズマ溶射を行いつつ金属を含む有機金属材料を用いてCVDにより成膜を行って、CVD成膜法と溶射成膜法とを組み合わせることにより、緻密性及び密着性が高い電解質膜を得ることができ、しかも生産性を高めることができる。
以下に、本発明に係る電解質膜の成膜方法、成膜装置及び固体燃料電池を添付図面に基づいて詳述する。
図1は電解質膜を形成する本発明の成膜装置の第1実施例を示す構成図である。
図示するように、この成膜装置12は、例えばアルミニウム合金やステンレススチール等により形成された処理容器14を有している。この処理容器14内には、底部より支柱16により起立して支持された載置台18が設けられており、この載置台18上に、板状の支持体Wを載置し得るようになっている。この支持体Wの表面に、後述するように電解質膜を形成することになる。
この載置台18は例えばセラミックスやアルミニウム合金により形成されており、この内部には、例えば抵抗加熱ヒータ等よりなる加熱手段20が設けられ、上記支持体Wを必要に応じて所定の温度に加熱できるようになっている。
上記処理容器14の側壁には、搬入口22が設けられており、この搬入口22にはゲートバルブのような開閉ドア24が設けられ、この開閉ドア24を開いた状態で上記支持体Wを容器内に対して搬出入できるようになっている。
また処理容器14の底部には、排気口26が設けられており、この排気口26には排気系28が接続されている。この排気系28は、上記排気口26に接続された排気路30を有しており、この排気路30には圧力制御弁32及び排気ポンプ34が順次介設されて、上記処理容器14内の雰囲気を排気しつつ所定のプロセス圧力を維持できるようになっている。
そして、上記処理容器14の天井部14Aには、この処理容器14内へプラズマにより発生した溶射粒子を導入するための溶射粒子導入手段36が設けられている。具体的には、上記溶射粒子導入手段36は、上記天井部14Aを貫通させるようにして設けた大口径の溶射管38を有している。この溶射管38は、例えば石英ガラスやセラミックス等の絶縁材により形成されている。この溶射管38の上端部には、例えば方形状に成形されたマイクロ波キャビティ40が設けられており、このマイクロ波キャビティ40には、例えば矩形導波管42を介してマイクロ波発生器44が接続され、例えば2.45GHzのマイクロ波を上記マイクロ波キャビティ40へ導入できるようになっている。また、上記矩形導波管42の途中には、インピーダンス整合を図るためのマッチング回路46が介設されている。
また上記マイクロ波キャビティ40の天井部には、これを貫通させてその先端部が上記溶射管38内まで延びる小口径の粉体放射管48が設けられている。この粉体放射管48は、例えば石英ガラス管やセラミックス管よりなっている。
そして、上記粉体放射管48と溶射用粉体Mを収容する粉体貯留槽50との間には、途中に開閉弁54を介設した粉体流路52が接続されている。そして、上記粉体貯留槽50には、途中にマスフローコントローラのような流量制御器56を介設した不活性ガス供給ノズル58が挿入され、このノズル58の先端は上記溶射用粉体M中に挿入されている。従って、不活性ガスを流量制御しつつ供給することにより、この不活性ガスにより上記溶射用粉体Mを巻き上げて、これを不活性ガスと共に粉体流路52を通って粉体放射管48へ搬送できるようになっている。ここでは不活性ガスとしてはArガスを用いている。
また上記溶射用粉体Mとしては、少なくとも2種類の金属を含む電解質膜形成用の材料が用いられ、具体的には、ここでは2種類の金属としてY(イットリア)とZr(ジルコニア)を含むYSZ(yttria−stabilized zirconia:4.5mol%Y )の粉体を用いている。この粉体の平均粒径は例えば25μm程度である。そして、この粉体流路52には、途中に有機金属材料供給流路60が接続されている。また有機金属材料供給流路60は、途中で複数、ここでは3つの分岐路60A、60B、60Cに分岐されており、各分岐路60A〜60Cには、開閉弁54A〜54Cがそれぞれ介設されている。
そして、上記3つの分岐路60A〜60Cの内、1つ目の分岐路60Aは、上記2種類の金属の内の1つである例えばYを含む有機金属材料62を貯留する貯留槽64に接続されている。そして、この貯留槽64は、例えば200℃程度に加熱された恒温槽66中に収容されており、常温で固体のY含有有機金属材料62を昇華し得るようになっている。また、この貯留槽62には、途中にマスフローコントローラのような流量制御器56Aを介設した不活性ガス供給ノズル68が挿入されている。従って、流量制御しつつ供給される不活性ガスに随伴させて上記昇華により気化されたY含有有機金属材料を搬送できるようになっている。ここでは上記不活性ガスとしてArガスが用いられている。また上記Y含有有機金属材料としてY(DPM) を用いることができる。
そして、上記3つの分岐路60A〜60Cの内、2つ目の分岐路60Bは、上記2種類の金属の内の他の1つである例えばZrを含む有機金属材料70を貯留する貯留槽72に接続されている。そして、この貯留槽72は、例えば200℃程度に加熱された恒温槽74中に収容されており、常温で固体のZr含有有機金属材料70を昇華し得るようになっている。また、この貯留槽72には、途中にマスフローコントローラのような流量制御器56Bを介設した不活性ガス供給ノズル76が挿入されている。従って、流量制御しつつ供給される不活性ガスに随伴させて上記昇華により気化されたZr含有有機金属材料を搬送できるようになっている。ここでは上記不活性ガスとしてArガスが用いられている。また上記Zr含有有機金属材料としてZr(DPM) を用いることができる。
また最後の分岐路60Cにはマスフローコントローラのような流量制御器56Cが介設されており、酸化ガスを流量制御しつつ供給できるようになっている。ここでは酸化ガスとして酸素(O )を用いている。
これにより上記Y含有有機金属材料ガスとZr含有有機金属材料ガスとO ガスとが、上記溶射用粉体Mに混合された状態で上記粉体放射管48へ供給されるようになっている。
次に、以上のように構成された成膜装置を用いて電解質膜を形成する成膜方法について説明する。
まず、搬入口22を介して支持体Wを処理容器14内へ搬入し、処理容器14内の載置台18上に上記支持体Wを載置する。この支持体Wの表面には、図7に示す空気電極6と燃料電極8の内のいずれか一方の電極が前工程において予め形成されている。そして、溶射粒子導入手段36を駆動して、粉体放射管48から溶射用粉体MとY含有有機金属材料62のガスとZr含有有機金属材料70のガスと酸素との混合ガスを放射する。
この際、マイクロ波発生器44からはマイクロ波キャビティ40に対して例えば2.45GHzのマイクロ波が供給されており、従って、上記混合ガスが上記粉体放射管48内を流下する際に、粉体放射管48内ではマイクロ波でArガスが励起されることによって高温プラズマが発生しており、この高温プラズマによって上記溶射用粉体Mが溶融されて溶射粒子になると共に、高温による急激な膨張が生ずる。この結果、溶射管38からはプラズマジェット78が下方向に向けて処理空間Sに放射され、これにより支持体Wの表面上に薄膜が堆積されることになる。
従って、支持体Wの表面には、上記溶射粒子が付着堆積すると同時に、プラズマにより上記Y含有有機金属材料とZr含有有機金属材料とが分解されて、プラズマCVD反応によって生じたCVD粒子も上記支持体Wの表面に堆積することになる。換言すれば、プラズマ溶射によって発生した溶射粒子とプラズマCVDにより発生したCVD粒子が同時に支持体Wの表面に堆積することになり、従って、緻密性が高く、しかも密着性が良好なYSZ膜よりなる電解質膜を生産性よく、すなわち高いスループットで形成することができる。
この時のプロセス条件は、支持体Wの温度が、400〜800℃の範囲であり、例えば400℃程度に設定される。また処理容器14内の圧力(プロセス圧力)は、常圧でよく、例えば500Torr〜大気圧程度、或いは大気圧よりも少し高い陽圧状態でもよい。このように、プロセス圧力としては、上記常圧で行うことができることから、成膜装置としては高真空装置で行われるような高いシール性や高い耐久性は不要となり、装置コストを大幅に削減することができる。
このように、本発明によれば、金属、例えばYとZrを含む溶射用粉体Mを用いてプラズマ溶射を行いつつ上記金属を含む有機金属材料62、70を用いてCVDにより成膜を行って、CVD成膜法と溶射成膜法とを組み合わせることにより、緻密性及び密着性が高い電解質膜を得ることができ、しかも生産性を高めることができる。
また、溶射による成膜時間も少なくて済むので、従来の焼結方法と比較して、その生産性を上げてスループットを向上させることができる。そして、このように形成された電解質膜を図7に示すように、その両側を空気電極6と燃料電極8とで挟み込むことで、高効率の固体燃料電池を形成することができる。
ここで図2を参照して上記電解薄膜が堆積する状態を説明する。図2は電解薄膜が堆積する状態を説明する模式図である。図示するように、支持体Wの表面に粒径が大きな溶射粒子80と粒径が小さなCVD粒子82とが混在状態で付着堆積し、この結果、粒径の大きな溶射粒子80間の隙間を埋め込むように粒径の小さなCVD粒子82が堆積するので、緻密で、しかも密着性の高い電解質膜4を生産性良く、すなわち高い成膜レートで形成することができる。
<YSZの評価結果>
ここで、上述した本発明方法を用いて実際にYSZ膜よりなる電解質膜を形成して固体燃料電池を製造して評価を行ったので、その評価結果について説明する。
図3は本発明方法を用いて形成した電解質膜を含む固体燃料電池の断面を示す電子顕微鏡であり、理解を容易にするために模式図を併記してある。
ここではCSZ(ジルコニウム添加 cermet supporter:Ni/ZrO −50wt% Al )よりなる支持体(Support Tube)上に、燃料電極(Fuel Electrode:Ni−50wt% YSZ(4.5mol%Y )、電解質膜(Electrolyte:YSZ)及び空気電極(Air Electrode:LaCoO )を順次積層して固体燃料電池を構成している。
実験条件は以下の通りである。
マイクロ波パワー:2kW
Zr(DPM) :200sccm(200℃)
Y(DPM) :70sccm(200℃)
:20sccm
溶射用粉体[YSZ]:8g/min、平均粒径:25μm
プロセス圧力:500Torr(66.7kPa)
成膜レート:30μm/min
上記固体燃料電池の発電評価を行ったところ、最大電流密度は210mA/cm 、OCV(Open Circuit Voltage:理論値は燃料が水素として1.23V)は1.04V(ボルト)[動作温度:930℃)であり、良好な結果を得ることができた。
また大気に対する気密性は4.0×10−7cm−1−1であり、基準値(<1.0×10−6cm−1−1)よりも1桁程度小さく、気密性についても良好な結果を得ることができた。また密着性についても、膜が緻密であるので、その分、密着性を向上させることができた。
尚、上記第1実施例においては、溶射用粉体MとY有機金属材料ガス、Zr有機金属材料ガス及びO とは搬送途中で互いに混合して、この混合ガスを粉体放射管48から放射するようにしたが、これに限定されず、溶射用粉体と有機金属材料ガスとを別々に放射するようにしてもよい。例えば図4は粉体放射管48の変形例を示す部分断面図であるが、図4に示すように、上記粉体放射管48の外周に、同心円状に例えば石英ガラス製の補助ノズル84を設けて全体として2重管構造とし、この補助ノズル84側に、上記有機金属材料供給流路60を直接的に接続するようにしてもよい。
これによれば、粉体放射管48から溶射用粉体Mを放射し、外側の補助ノズル84からY有機金属材料ガスとZr有機金属材料ガスとO ガスとを放射し、これらは溶射管38内にて混合されることになる。
この場合にも、図1を参照して説明した装置例と同様な作用効果を発揮することができる。
<成膜装置の第2実施例>
次に、本発明に係る成膜装置の第2実施例について説明する。
上記第1実施例では、溶射用粉体Mと有機金属材料ガスとを搬送途中で混合したり、或いは図4に示す2重管構造の補助ノズル84を用いて放射直後に両者を混合させるようにしたが、これに限定されず、有機金属材料ガスを処理容器内へ直接的に噴射させるようにしてもよい。
図5はこのようにした本発明の成膜装置の第2実施例を示す構成図である。ここで図1に示す成膜装置と同一構成部分については同一参照符号を付して、その説明を省略する。
図5に示すように、ここでは処理容器14内の処理空間Sに、有機金属材料を直接的に導入する有機金属材料導入手段90が設けられている。具体的には、この有機金属材料導入手段90は、上記処理容器14の天井部14Aに支持させた例えば石英ガラス管製の円形リング状の噴射管92を有しており、この噴射管92に、上記有機金属材料供給流路60を直接接続している。そして、この噴射管92の下面には、その周方向に沿って多数の噴射孔92Aが設けられており、この各噴射孔92Aから処理空間Sに向けて各有機金属材料ガスを放射できるようになっている。
この場合には、溶射管38からプラズマと共に放射されてくる溶射粒子と上記噴射管92の各噴射孔92Aより放射される各有機金属材料ガスとが処理空間Sで混合され、溶射による堆積とプラズマCVDによる堆積とが同時に生ずることになる。従って、この場合にも、先の第1実施例と同様な作用効果を発揮することができる。ここで、上記噴射管92に替えて、処理容器14の側壁に噴射ノズルを貫通させて設けるようにしてもよい。
尚、上記各実施例では、電解質膜4としてYSZ膜を用いる場合を例にとって説明したが、これに限定されず、他の薄膜、例えばLSGM(Sr and Mg doped LaGaO :[(La0.8 Sr0.2 )(Ga0.8 Mg0.2 )O ]膜を用いるようにしてもよい。このLSGM膜を形成するには、LSGM粉体の他に、有機金属材料としては、La(DPM) 、Sr(DPM) 、Ga(DPM) 、Mg(DPM) を用いる。
また溶射による成膜時には、溶射温度の調整や酸素ラジカルの調整のために、H ガスを添加するのがよい。
上記したような材料を用いて形成したLSGM膜の電子顕微鏡写真を図6に示す。図6(A)はLSGM膜の電子顕微鏡写真を示し、図6(B)はX線分析装置による分析結果を示し、図6(B)の縦軸は光強度を表している。図6(A)に示すように、LSGM膜は粒径の大きな溶射粒子と、粒径の小さなCVD粒子とが混在した状態で成膜されていることを確認することができた。
また図6(B)中において、(a)はLSGMの基準X線回折波形を示し、(b)はLSGM膜の形成直後のX線回折波形を示しており、両者は略同じ波形を示しているので、LSGM膜を確実に成膜できることを確認することができた。
ここで、上記LSGM膜は、例えば700℃以上で高温アニール処理することにより、その結晶性を回復させることができる。
尚、上記各実施例では、電解質膜としてYSZ膜とLSGM膜とを例にとって説明したが、これらに限定されないのは勿論である。また各実施例では不活性ガスとしてArガスを用いたが、これに限定されず、N ガス、Heガス、Neガス等の他の不活性ガスを用いてもよい。
また、各実施例で説明した各プロセス条件は、単に一例を示したに過ぎず、ここで記載した数値例に限定されないのは勿論である。
電解質膜を形成する本発明の成膜装置の第1実施例を示す構成図である。 電解薄膜が堆積する状態を説明する模式図である。 本発明方法を用いて形成した電解質膜を含む固体燃料電池の断面を示す電子顕微鏡である。 粉体放射管の変形例を示す部分断面図である。 本発明の成膜装置の第2実施例を示す構成図である。 本発明方法を用いて形成したLSGM膜を示す電子顕微鏡写真である。 固体燃料電池の原理を説明する説明図である。
符号の説明
2 固体燃料電池
4 電解質膜
6 空気電極
8 燃料電極
12 成膜装置
14 処理容器
18 載置台
20 加熱手段
28 排気系
36 溶射粒子導入手段
38 溶射管
44 マイクロ波発生器
48 粉体放射管
50 粉体貯留槽
62 Y含有有機金属材料
70 Zr含有有機金属材料
M 溶射用粉体
W 支持体


Claims (13)

  1. 支持体の表面に少なくとも2種類の金属を含む電解質膜を形成する成膜方法において、
    前記金属を含む溶射用粉体を用いてプラズマ溶射を行いつつ前記金属を含む有機金属材料を用いてCVDにより成膜を行うことにより前記電解質膜を形成するようにしたことを特徴とする電解質膜の形成方法。
  2. 前記プラズマ溶射はマイクロ波を用いて行われることを特徴とする請求項1記載の電解質膜の形成方法。
  3. 前記CVDによる成膜は常圧の雰囲気中で行われることを特徴とする請求項1又は2記載の電解質膜の形成方法。
  4. 前記電解質膜は、YSZ、或いはLSGMよりなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電解質膜の形成方法。
  5. 前記電解質膜は、固体燃料電池に用いられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電解質膜の形成方法。
  6. 支持体の表面に少なくとも2種類の金属を含む電解質膜を形成する成膜装置において、
    排気可能になされた処理容器と、
    前記支持体を載置する載置台と、
    前記支持体を加熱する加熱手段と、
    前記金属を含む溶射用粉体をプラズマにより溶射粒子にすると共に、該溶射粒子とCVD用の原料として前記金属を含む有機金属材料とを前記処理容器内へ導入する溶射粒子導入手段と、
    を備えたことを特徴とする成膜装置。
  7. 前記溶射粒子導入手段は、前記溶射用粉体の搬送途中で前記有機金属材料が混入されるように構成したことを特徴とする請求項6記載の成膜装置。
  8. 前記溶射粒子導入手段は、前記溶射用粉体を前記溶射粒子とする際に前記有機金属材料が混入されるように構成したことを特徴とする請求項6記載の成膜装置。
  9. 支持体の表面に少なくとも2種類の金属を含む電解質膜を形成する成膜装置において、
    排気可能になされた処理容器と、
    前記支持体を載置する載置台と、
    前記支持体を加熱する加熱手段と、
    前記金属を含む溶射用粉体をプラズマにより溶射粒子にして前記処理容器内へ導入する溶射粒子導入手段と、
    CVD用の原料として前記金属を含む有機金属材料を前記処理容器内へ導入する有機金属材料導入手段と、
    を備えたことを特徴とする成膜装置。
  10. 前記溶射粒子導入手段は、前記溶射粒子を形成するためのマイクロ波を発生するマイクロ波発生器を有していることを特徴とする請求項6乃至9のいずかれに記載の成膜装置。
  11. 前記電解質膜は、YSZ、或いはLSGMよりなることを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の成膜装置。
  12. 前記電解質膜は、固体燃料電池に用いられることを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに記載の成膜装置。
  13. 請求項1乃至5に記載する成膜方法により形成された電解質膜を用いたことを特徴とする固体燃料電池。
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