JP4982935B2 - ニッケルめっき被膜の接着性劣化防止方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニッケルめっき被膜の表面に別の被膜を積層形成することなく、ニッケルめっき被膜の接着性の劣化を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Nd−Fe−B系永久磁石に代表されるR−Fe−B系永久磁石やSm−Fe−N系永久磁石に代表されるR−Fe−N系永久磁石などの希土類系永久磁石は、資源的に豊富で安価な材料が用いられ、かつ、高い磁気特性を有していることから、特にR−Fe−B系永久磁石は今日様々な分野で使用されている。
しかしながら、希土類系永久磁石は反応性の高い希土類元素:Rを含むため、大気中で酸化腐食されやすく、何の表面処理をも行わずに使用した場合には、わずかな酸やアルカリや水分などの存在によって表面から腐食が進行して錆が発生し、それに伴って、磁石特性の劣化やばらつきを招く。さらに、錆が発生した磁石を磁気回路などの装置に組み込んだ場合、錆が飛散して周辺部品を汚染する恐れがある。
上記の点に鑑み、希土類系永久磁石の表面に優れた耐食性を有する被膜としてニッケルめっき被膜を形成する方法が広く採用されている。
ところで、表面にニッケルめっき被膜を有する希土類系永久磁石を部品に組み込む際には、ニッケルめっき被膜と部品との間には接着剤を介して強い接着性が要求される。しかしながら、これまでのところニッケルめっき被膜はアルミニウム蒸着被膜に比べて接着性に劣る場合があり、事実、ニッケルめっき被膜について接着不良が問題になる事態が発生することもある。そこで、このような問題を解決するためにニッケルめっき被膜の表面に別の被膜、例えば、クロム酸塩被膜(特開平5−198414号公報参照)やリン酸亜鉛被膜(特開平6−318512号公報参照)を積層形成して接着性を向上する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ニッケルめっき被膜の表面に別の被膜を積層形成する方法は接着性の向上を図ることができる点において優れているものの、別の被膜を積層形成する工程が必須となるので、製造工程の煩雑化やコストアップを避けて通ることはできない。また、上記のようなクロム酸塩被膜やリン酸亜鉛被膜を積層形成する場合においては、その被膜表面に残存するクロム酸イオンやリン酸イオンが希土類系永久磁石が組み込まれる部品(ハードディスクドライブなど)に悪影響を与える恐れがあるといった問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の点に鑑みて種々の検討を行う過程においてニッケルめっき被膜の特性を詳細に検討した結果、ニッケルめっき被膜はその本質としてはアルミニウム蒸着被膜に比べて接着性に劣るものではなく、それが置かれた環境下での被膜表面の経時変化に伴う接着性の劣化が顕著であり、その結果としてニッケルめっき被膜は本質的には接着性に劣るものではないにもかかわらず接着性に劣ると認識されていること、特に、光沢剤としてイオウ元素を含有する化合物を使用して形成されたニッケルめっき被膜は接着性の劣化が激しいこと、接着性の劣化はニッケルめっき被膜の表面のごくわずかな深さの変質に起因することなどを知見した。
【0005】
本発明は、上記の知見に基づき、ニッケルめっき被膜の表面に別の被膜を積層形成することなく、ニッケルめっき被膜の接着性の劣化を防止する方法を提供することを目的とするものであり、本発明のニッケルめっき被膜の接着性劣化防止方法は、請求項1記載の通り、最外層としてニッケルめっき被膜を有する被めっき物における前記ニッケルめっき被膜について、その表面のX線光電子分光分析をX線源としてMgKα線を使用して行った際、結合エネルギー851.0eV〜854.0eVにおけるピーク面積(エリア851.0〜854.0)の、結合エネルギー851.0eV〜859.4eVにおけるピーク面積(エリア851.0〜859.4)に対する比率(エリア851.0〜854.0/エリア851.0〜859.4)が0.10以上の値となるように、相対湿度50%の雰囲気下、不活性ガスの雰囲気下、窒素ガスの雰囲気下、真空下のいずれかに前記被めっき物を保持することを特徴とする。
また、請求項2記載の接着性劣化防止方法は、請求項1記載の接着性劣化防止方法において、前記ニッケルめっき被膜の膜厚が0.05μm〜50μmであることを特徴とする。
また、請求項3記載の接着性劣化防止方法は、請求項1または2記載の接着性劣化防止方法において、前記ニッケルめっき被膜がイオウ、リン、ホウ素から選ばれる少なくとも一つの元素を含むことを特徴とする。
また、請求項4記載の接着性劣化防止方法は、請求項3記載の接着性劣化防止方法において、前記ニッケルめっき被膜がイオウ元素を200ppm〜1000ppm含むことを特徴とする。
また、請求項5記載の接着性劣化防止方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の接着性劣化防止方法において、前記ニッケルめっき被膜がニッケルめっき被膜形成工程の後、導電率が2μS/cm以下でpHが6.3〜7.5の純水で洗浄されてから加熱乾燥されたものであることを特徴とする。
また、請求項6記載の接着性劣化防止方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の接着性劣化防止方法において、前記被めっき物が希土類系永久磁石であることを特徴とする。
また、本発明のニッケルめっき被膜の接着性劣化の評価方法は、請求項7記載の通り、最外層としてニッケルめっき被膜を有する被めっき物における前記ニッケルめっき被膜について、その表面のX線光電子分光分析をX線源としてMgKα線を使用して行った際、結合エネルギー851.0eV〜854.0eVにおけるピーク面積(エリア 851.0〜854.0 )の、結合エネルギー851.0eV〜859.4eVにおけるピーク面積(エリア 851.0〜859.4 )に対する比率(エリア 851.0〜854.0 /エリア 851.0〜859.4 )が0.10以上の値の場合、ニッケルめっき被膜の接着性劣化が防止されていると評価することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のニッケルめっき被膜の接着性劣化防止方法は、最外層としてニッケルめっき被膜を有する被めっき物における前記ニッケルめっき被膜について、その表面のX線光電子分光分析をX線源としてMgKα線を使用して行った際、結合エネルギー851.0eV〜854.0eVにおけるピーク面積(エリア851.0〜854.0)の、結合エネルギー851.0eV〜859.4eVにおけるピーク面積(エリア851.0〜859.4)に対する比率(エリア851.0〜854.0/エリア851.0〜859.4)が0.10以上の値となるように前記被めっき物を保持することを特徴とするものである。
【0007】
本発明者らは、X線光電子分光分析(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)によるニッケルめっき被膜の表面性状の評価を行ったところ、Ni2p3/2軌道に帰属する結合エネルギー851.0eV〜859.4eVのエリアにおいて、853eV付近と857eV付近に2つのピークを観測し、前者が金属状態ニッケルに基づくもの、後者が酸化状態ニッケルに基づくものであることを見出した。また、経時的に金属状態ニッケルのピークが減少する一方、酸化状態ニッケルのピークが増大し、これに伴ってニッケルめっき被膜の接着性が劣化する傾向にあることを見出した。この酸化状態ニッケルのピークはニッケルめっき被膜の表面の吸着水分などによるニッケル酸化物やニッケル水酸化物の生成などに起因するものと推測され、これがニッケルめっき被膜の接着性の劣化を促進させるものと考えられた。そして、これらの知見からニッケルめっき被膜の表面のごくわずかな深さにおける金属状態ニッケルと酸化状態ニッケルの存在比率と接着性との関係を詳細に分析することにより、Ni2p3/2軌道に帰属する結合エネルギー851.0eV〜859.4eVにおけるピーク面積に対する金属状態ニッケルに基づく結合エネルギー851.0eV〜854.0eVにおけるピーク面積の比率(エリア851.0〜854.0/エリア851.0〜859.4)を0.10以上の値となるように被めっき物を保持することでニッケルめっき被膜の接着性の劣化を防止することができることを明らかにした。
【0008】
X線光電子分光分析は表面から数nm深さの表面分析を行うために有用な方法であるが、ニッケルめっき被膜の表面の性状を分析した後、2nm〜2.5nmのエッチングを行ってから再度分析すると、被膜表面の性状分析で観察された酸化状態ニッケルのピークがほとんど観察されなくなってしまう。従って、酸化状態ニッケルは被膜表面から最大でも2nm程度の深さまでしか存在せず、その深さ範囲の性状の変化によってニッケルめっき被膜の接着性が変化するという知見は驚きに値する。
【0009】
X線光電子分光分析によるニッケルめっき被膜の表面性状の評価は、通常のX線光電子分光分析手法に則って行えばよいが、以下の点には留意すべきである。即ち、ニッケルめっき被膜の表面に汚染層が形成されている場合、この汚染層の表面をX線光電子分光分析によって評価しても汚染層の厚みが厚い場合はNi2p3/2軌道に帰属するピークは観察されない(通常、汚染層は有機化合物由来であるので有機化合物を構成する炭素や酸素などの元素に基づくピークのみが観察される)。この場合、1回のエッチング量を2nm〜2.5nmとしてエッチングを行いながら深さ方向分析を行い、Ni2p3/2軌道に帰属するピークがはじめて観察されたところをもってニッケルめっき被膜の表面とすることである。
【0010】
上記の比率(エリア851.0〜854.0/エリア851.0〜859.4)を0.10以上の値となるように被めっき物を保持すれば、少なくとも実用上問題が発生しない程度のニッケルめっき被膜の接着性を確保することができる。しかしながら、被めっき物が希土類系永久磁石のようなものである場合、より確実な接着性が要求されることから、この観点からは上記の比率を0.15以上の値となるように被めっき物を保持することが望ましい。
【0011】
本発明においては、ニッケルめっき被膜の接着性の劣化を防止するためには上記の比率を0.10以上の値となるように被めっき物を保持すればよいということを見出したこと自体に創作性がある。従って、被めっき物の保持方法は上記の比率を常に0.10以上の値に維持できる方法であれば、相対湿度50%以下の雰囲気下に保持する方法、アルゴンガスなどの不活性ガスや窒素ガスなどの雰囲気下に保持する方法、真空下に保持する方法など、どのような方法であってもよい。
【0012】
接着性劣化の防止対象となるニッケルめっき被膜は、実用上において一般に形成されるべき膜厚、具体的には、0.05μm〜50μmの膜厚を有するものであればよく、電解めっき法、無電解めっき法、気相めっき法などどのような方法で形成されたものであってもよい。被めっき物の最表層としてニッケルめっき被膜を電解めっき法で形成する場合、通常、表面の平滑性や清浄性や犠牲防食などの観点からニッケルめっき被膜は光沢めっきとされる。光沢めっきにおいては、スルフォンアミド系化合物やスルフォンイミド系化合物などのイオウ元素を含有する化合物を光沢剤として使用する場合があるが、このような光沢剤を使用した場合、ニッケルめっき被膜にイオウ元素が取り込まれ、被膜に取り込まれたイオウ元素は被膜の酸化を促進させる。従って、以上のような光沢めっきの他、イオウ元素を含有する化合物を光沢剤として使用する半光沢めっきとすることにより、ニッケルめっき被膜にイオウ元素が200ppm〜1000ppm含まれるようになるような場合に本発明は非常に有益性の高いものとなる。また、リン元素やホウ素元素もニッケルと合金を形成したりすることによりニッケルめっき被膜に取り込まれて被膜の酸化を促進させる作用がある。従って、これらの元素がニッケルめっき被膜に取り込まれる無電解めっき法、例えば、ニッケル−リン(Ni−P)めっきやニッケル−ホウ素(Ni−B)めっきを行う場合にも本発明は非常に有益性の高いものとなる。
【0013】
被めっき物の最外層としてのニッケルめっき被膜の形成工程を行った後は、ニッケルめっき被膜を導電率が2μS/cm以下でpHが6.3〜7.5の純水で洗浄してから加熱乾燥することが望ましい。このような工程を経ることにより、長期間にわたって上記の比率(エリア851.0〜854.0/エリア851.0〜859.4)を0.10以上の値に維持できるからである。水道水のようにマグネシウムイオンやカルシウムイオンなどの金属イオンを含む水を使用して洗浄した場合、ニッケルめっき被膜が酸化しやすくなる。従って、このような水の使用は望ましくないが、上記のような金属イオンを含まない純水を使用することでニッケルめっき被膜の酸化を効果的に抑制することができる。加熱乾燥はどのようにして行ってもよいが、ニッケルめっき被膜の表面に付着した水分の早期除去のためには加熱しながらのブロアー乾燥や遠心乾燥が望ましい。
【0014】
なお、最外層としてのニッケルめっき被膜とは、複数の被膜を積層形成した場合は最外層に位置するニッケルめっき被膜を意味することは言うまでもなく(この場合、下層となる被膜はどのような被膜であってもよい)、単層ニッケルめっき被膜の場合は形成されたニッケルめっき被膜を意味する。
【0015】
被めっき物の接着に使用される接着剤は、シアノアクリレート系接着剤、嫌気性接着剤、2液混合型接着剤などの室温硬化型接着剤の他、どのような接着剤であってもよい。
【0016】
被めっき物としては、希土類系永久磁石の他、希土類系永久磁石が接着される部品、たとえばボイスコイルモータ(VCM)におけるヨーク材などが挙げられる。
【0017】
希土類系永久磁石としては、例えば、R−Co系永久磁石、R−Fe−B系永久磁石、R−Fe−N系永久磁石などで、最大磁気エネルギー積が80kJ/m3以上の磁気特性を有する公知の希土類系永久磁石が挙げられる。中でも、R−Fe−B系永久磁石は、前述のように、特に磁気特性が高く、量産性や経済性に優れている上に、被膜との優れた密着性を有する点において望ましいものである。これらの希土類系永久磁石における希土類元素(R)は、Nd、Pr、Dy、Ho、Tb、Smのうち少なくとも1種、あるいはさらに、La、Ce、Gd、Er、Eu、Tm、Yb、Lu、Yのうち少なくとも1種を含むものが望ましい。
また、通常はRのうち1種をもって足りるが、実用上は2種以上の混合物(ミッシュメタルやジジムなど)を入手上の便宜などの理由によって使用することもできる。
さらに、Al、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、Mo、W、Sb、Ge、Sn、Zr、Ni、Si、Zn、Hf、Gaのうち少なくとも1種を添加することで、保磁力や減磁曲線の角型性の改善、製造性の改善、低価格化を図ることが可能となる。また、Feの一部をCoで置換することによって、得られる磁石の磁気特性を損なうことなしに温度特性を改善することができる。
【0018】
【実施例】
本発明を以下の実施例と比較例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、以下の実施例と比較例は、例えば、米国特許4770723号公報や米国特許4792368号公報に記載されているようにして、公知の鋳造インゴットを粉砕し、微粉砕後に成形、焼結、熱処理、表面加工を行うことによって得られた14Nd−79Fe−6B−1Co組成(at%)の外径9mm×高さ3mm寸法(その稜部(角部)は電解めっきにおける電流集中を抑制するための除去処理が予め施されている)の円盤状焼結磁石(以下、磁石体試験片と称する)を用いて行った。
【0019】
実施例A:
(積層ニッケル被膜の形成方法)
断面形状が一辺が45mmの正六角形で長さが16cmの耐熱プラスチック製バレル治具に磁石体試験片200個と見かけ容量0.4Lの直径2mmのスチールボールを収容した。このバレル治具を硝酸ナトリウム0.2mol/Lと硫酸1.5vol%を含んだ液温30℃の酸洗液に浸漬し、5rpmの回転速度で回転させながら4分間酸洗した。その後、直ちに導電率が1μS/cm以下のイオン交換水で30秒間超音波洗浄してから速やかにニッケルめっき被膜形成工程に移った。
硫酸ニッケル・6水和物150g/L、クエン酸アンモニウム50g/L、ホウ酸15g/L、塩化アンモニウム8g/L、サッカリン3g/Lを含み、アンモニア水でpHを6.5に調整した液温50℃のめっき浴を使用し、バレルを5rpmの回転速度で回転させながら電流密度0.2A/dm2で15分間処理をして磁石体試験片の表面に第一層ニッケルめっき被膜を形成した。
次に、硫酸ニッケル・6水和物240g/L、塩化ニッケル・6水和物45g/L、ホウ酸30g/L、2−ブチン−1,4−ジオール0.2g/L、サッカリン1g/Lを含み、炭酸ニッケルでpHを4.2に調整した液温50℃のめっき浴を使用し、バレルを5rpmの回転速度で回転させながら電流密度0.2A/dm2で140分間処理をして第一層ニッケルめっき被膜の表面に第二層(最外層)ニッケルめっき被膜を形成した。
以上の積層ニッケルめっき被膜形成工程を行った後、導電率が1μS/cmでpHが7.1の純水にバレルを浸漬して表面に積層ニッケルめっき被膜が形成された磁石体試験片を十分に水洗した。その後、これをバレル治具から取り出し、さらに導電率が1μS/cmでpHが7.1の純水で90秒間超音波洗浄してから遠心乾燥機に収容し、温度80℃で回転数600rpmという条件下で遠心乾燥を6分間行って完成品とした。
【0020】
(積層ニッケル被膜の特性)
以上のようにして形成された積層ニッケル被膜における第一層ニッケル被膜の膜厚平均値(n=5)は1.2μm、第二層ニッケルめっき被膜の膜厚平均値(n=5)は15.1μmであった(蛍光X線膜厚計SFT−7000:セイコー電子社製を用いて測定)。また、第二層ニッケルめっき被膜に含まれるイオウ元素含量を電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)(EPM−810:島津製作所社製)を用いて測定したところ、その平均値(n=3)は800ppmであった。なお、上記のイオウ元素含量の測定は、加速電圧15kVで、試料電流をファラデーカップを用いて0.2μAに調整し、ビーム径100μmφの条件下でサンプルから検出されるSKα線の検出強度に基づいて行った。
【0021】
(表面性状と接着性との関係)
以上のようにして製造された表面に積層ニッケルめっき被膜を有する磁石体試験片(以下、サンプルと略称する)を種々の環境下に置き、第二層ニッケルめっき被膜のX線光電子分光分析によって評価される表面性状と接着性との関係を調べた。評価方法は以下の通りである。
【0022】
(1)表面性状
X線光電子分光分析はX線光電子分光分析装置(ESCA850:島津製作所社製)を使用して行った。X線光電子分光分析における光電子スペクトル測定は真空度1×10−6Pa以下の環境下、X線源としてMgKα線を使用し、管電圧8kV、管電流30mAで行った。走査速度は通常Ag標準試料を使用し、368eV近傍に観測されるAg3d5/2軌道スペクトルの半値幅が1.3eV以下となるように調整し、本実施例においては30eV/分とした。深さ方向分析を行う場合はアルゴンガスをその分圧が3×10−4Pa〜5×10−4Paになるように導入し、試料回転を行いながら加速電圧2kVでイオン電流20mAに調整し、1分間アルゴンイオンエッチング(ビームスキャン)を行ってから(1回のエッチング量は2nm〜2.5nm)光電子スペクトル測定を行うようにした。得られたスペクトルについて、結合エネルギー848.0eV〜852.0eVと862.0eV〜866.0eVのそれぞれのエリアで光電子強度が最小値となる点を結んだ直線がベースラインとなるようにバックグランドを除去した。その後、観測されたC1s軌道に帰属するスペクトルのピーク位置における結合エネルギーが285.0eVとなるようにNi2p3/2軌道に帰属する結合エネルギーの値を補正した。これらの処理によって得られたスペクトルについて、結合エネルギー851.0eV〜854.0eVと851.0eV〜859.4eVのエリアにおけるスペクトルの面積をピーク面積として求め、それぞれをエリア851.0〜854.0とエリア851.0〜859.4とした。
【0023】
(2)接着性
接着面をJIS R6001規定の♯100の砥粒を有するダイヤモンド砥石を用いて研磨した鋳鉄(S45C)製の40mm×50mm×60mm寸法の治具にサンプルを次のようにして接着した。即ち、サンプルと治具の両方の接着面にプライマー(プライマー7649:ヘンケルジャパン社製)を塗布した。プライマー中の溶媒を乾燥除去した後、接着面に嫌気性紫外線硬化型接着剤(ロックタイト366:ヘンケルジャパン社製)を塗布したサンプルを治具の接着面の上に載置し、サンプルの上から4kgf(39.2N)の加重を10秒間かけて両者を圧着した。なお、サンプルの接着面への接着剤の塗布は圧着時に圧着部分周囲から接着剤がはみ出る程度にまで行った。圧着部分周囲からはみ出た接着剤を紫外線照射機(HLR100T−1:セン特殊光源社製)を使用し、365nmにおける紫外線強度が100mW/cm2の条件下で2分間処理して硬化させた後、室温(25℃)にて60時間放置することにより圧着部分の接着剤を硬化させた。
以上のようにして治具に接着させたサンプルを万能試験機(AUTO GRAPH AG−10TB:島津製作所社製)にセットし、せん断強度2mm/分の条件下にてサンプルが治具から脱離する時の加重を測定し、サンプルの接着面の表面積(0.64cm2)で除するせん断接着強度を求め、この値を接着性の評価基準とした。
【0024】
(3)評価対象
評価対象1:
製造後に温度20℃〜25℃で相対湿度50%〜60%の環境下で24時間放置した後のサンプル。
評価対象2:
製造後に温度20℃〜25℃で露点5℃以下(相対湿度換算で30%以下)の除湿機能を有するデシケータ(30cm×30cm×30cm寸法)に収容し、30日間放置したサンプル(20個)。
評価対象3:
製造後に上記デシケータと同じ除湿機能を有するデシケータに収容し、露点−70℃以下の乾燥空気を導入して30日間放置したサンプル(20個)。
評価対象4:
製造後に厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレート製フィルムからなる袋(大きさ250mm×230mm)に(100個/袋)収容し、袋内の空気を極力吸引除去した後、露点−70℃以下の窒素ガスを導入し、密封して30日間放置したサンプル。
評価対象5:
製造後に温度18℃〜28℃×相対湿度30%〜90%の環境下に30日間放置した後のサンプル。
評価対象6:
製造後に温度60℃×相対湿度90%の高温高湿下に2時間放置したサンプル。
評価対象7:
製造後に温度60℃×相対湿度90%の高温高湿下に60時間放置したサンプル。
【0025】
(結果)
評価対象1〜評価対象7のそれぞれの第二層ニッケルめっき被膜についての表面性状と接着性との関係を表1に示す。また、評価対象1、評価対象3、評価対象6、評価対象7のそれぞれの第二層ニッケルめっき被膜についての表面性状の光電子スペクトルを図1に示す。表1と図1から明らかなように、Ni2p3/2軌道に帰属する結合エネルギー851.0eV〜859.4eVにおけるピーク面積に対する金属状態ニッケルに基づく結合エネルギー851.0eV〜854.0eVにおけるピーク面積の比率(エリア851.0〜854.0/エリア851.0〜859.4)の値と接着強度とは相関性を有しており、この比率の値が低下するにつれて接着強度も低下することが明らかになった。一般に、上記の接着性評価条件においては、実用上問題が発生しない接着性を確保するためには接着強度が10MPa以上必要とされるので、上記の比率(エリア851.0〜854.0/エリア851.0〜859.4)を0.10以上の値に維持すれば実用上問題が発生しない接着性を確保することができることがわかった。なお、いずれの評価対象も、その第二層ニッケルめっき被膜についての表面性状を深さ方向分析を行うことなく評価することができたことから、その表面の汚染層の厚みは極わずかであった。
【0026】
【表1】
【0027】
実施例B:
(積層ニッケル被膜の形成方法)
断面形状が一辺が45mmの正六角形で長さが16cmの耐熱プラスチック製バレル治具に磁石体試験片200個と見かけ容量0.4Lの直径2mmのスチールボールを収容し、実施例Aと同様の条件で磁石体試験片を酸洗してからその表面に第一層ニッケルめっき被膜を形成した。
以上の第一層ニッケルめっき被膜形成工程を行った後、導電率が1μS/cmでpHが7.1の純水にバレルを浸漬して表面にニッケルめっき被膜が形成された磁石体試験片を十分に水洗した。その後、バレル中のスチールボールを全て取り出し、代わりに見かけ容量0.4Lの直径2mmのガラスボールを収容した。
次に無電解ニッケル−リン(Ni−P)めっき浴としてステンレスの浴槽に水1LあたりNEL−1−M(上村工業社製)を0.12L、NEL−1−A(上村工業社製)を0.055L入れ、pHを4.6に調整した液温90℃のめっき浴を使用し、バレルを5rpmの回転速度で回転させながら30分間処理することにより第一層ニッケルめっき被膜の表面に第二層(最外層)ニッケルめっき被膜を形成した。
以上の積層ニッケルめっき被膜形成工程を行った後、導電率が1μS/cmでpHが7.1の純水にバレルを浸漬して表面に積層ニッケルめっき被膜が形成された磁石体試験片を十分に水洗した。その後、これをバレル治具から取り出し、さらに導電率が1μS/cmでpHが7.1の純水で3分間超音波洗浄してから遠心乾燥機に収容し、温度70℃で回転数500rpmという条件下で遠心乾燥を6分間行って完成品とした。
【0028】
(積層ニッケル被膜の特性)
以上のようにして形成された積層ニッケル被膜における第一層ニッケル被膜の膜厚平均値(n=5)は1.2μm、第二層ニッケルめっき被膜の膜厚平均値(n=5)は7.6μmであった(蛍光X線膜厚計SFT−7000:セイコー電子社製を用いて測定)。また、第二層ニッケルめっき被膜に含まれるリン元素含量を電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)(EPM−810:島津製作所社製)を用いて測定したところ、その平均値(n=3)は10wt%であった。なお、上記のリン元素含量の測定は、加速電圧15kVで、試料電流をファラデーカップを用いて0.2μAに調整し、ビーム径100μmφの条件下でサンプルから検出されるPKα線の検出強度に基づいて行った。
【0029】
(表面性状と接着性との関係)
以上のようにして製造された表面に積層ニッケルめっき被膜を有する磁石体試験片(以下、サンプルと略称する)を種々の環境下に置き、第二層ニッケルめっき被膜のX線光電子分光分析によって評価される表面性状と接着性との関係を調べた。評価方法は実施例Aと同様であり、評価対象は以下の通りである。
【0030】
評価対象8:
製造後に温度20℃〜25℃で相対湿度50%〜60%の環境下で24時間放置した後のサンプル。
評価対象9:
製造後に温度20℃〜25℃で露点5℃以下(相対湿度換算で30%以下)の除湿機能を有するデシケータ(30cm×30cm×30cm寸法)に収容し、30日間放置したサンプル(20個)。
評価対象10:
製造後に温度18℃〜28℃×相対湿度30%〜90%の環境下に30日間放置した後のサンプル。
【0031】
(結果)
評価対象8〜評価対象10のそれぞれの第二層ニッケルめっき被膜についての表面性状と接着性との関係を表2に示す。表2から明らかなように、実施例Bにおいても実施例Aと同様にNi2p3/2軌道に帰属する結合エネルギー851.0eV〜859.4eVにおけるピーク面積に対する金属状態ニッケルに基づく結合エネルギー851.0eV〜854.0eVにおけるピーク面積の比率(エリア851.0〜854.0/エリア851.0〜859.4)の値と接着強度とは相関性を有しており、この比率の値が低下するにつれて接着強度も低下し、上記の比率(エリア851.0〜854.0/エリア851.0〜859.4)を0.10以上の値に維持することで実用上問題が発生しない接着性を確保することができることがわかった。なお、いずれの評価対象も、その第二層ニッケルめっき被膜についての表面性状を深さ方向分析を行うことなく評価することができたことから、その表面の汚染層の厚みは極わずかであった。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、ニッケルめっき被膜の表面に別の被膜を積層形成することなく、ニッケルめっき被膜の接着性の劣化を防止する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ニッケルめっき被膜の経時的変化を示す光電子スペクトル。
Claims (7)
- 最外層としてニッケルめっき被膜を有する被めっき物における前記ニッケルめっき被膜について、その表面のX線光電子分光分析をX線源としてMgKα線を使用して行った際、結合エネルギー851.0eV〜854.0eVにおけるピーク面積(エリア851.0〜854.0)の、結合エネルギー851.0eV〜859.4eVにおけるピーク面積(エリア851.0〜859.4)に対する比率(エリア851.0〜854.0/エリア851.0〜859.4)が0.10以上の値となるように、相対湿度50%の雰囲気下、不活性ガスの雰囲気下、窒素ガスの雰囲気下、真空下のいずれかに前記被めっき物を保持することを特徴とするニッケルめっき被膜の接着性劣化防止方法。
- 前記ニッケルめっき被膜の膜厚が0.05μm〜50μmであることを特徴とする請求項1記載の接着性劣化防止方法。
- 前記ニッケルめっき被膜がイオウ、リン、ホウ素から選ばれる少なくとも一つの元素を含むことを特徴とする請求項1または2記載の接着性劣化防止方法。
- 前記ニッケルめっき被膜がイオウ元素を200ppm〜1000ppm含むことを特徴とする請求項3記載の接着性劣化防止方法。
- 前記ニッケルめっき被膜がニッケルめっき被膜形成工程の後、導電率が2μS/cm以下でpHが6.3〜7.5の純水で洗浄されてから加熱乾燥されたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の接着性劣化防止方法。
- 前記被めっき物が希土類系永久磁石であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の接着性劣化防止方法。
- 最外層としてニッケルめっき被膜を有する被めっき物における前記ニッケルめっき被膜について、その表面のX線光電子分光分析をX線源としてMgKα線を使用して行った際、結合エネルギー851.0eV〜854.0eVにおけるピーク面積(エリア 851.0〜854.0 )の、結合エネルギー851.0eV〜859.4eVにおけるピーク面積(エリア 851.0〜859.4 )に対する比率(エリア 851.0〜854.0 /エリア 851.0〜859.4 )が0.10以上の値の場合、ニッケルめっき被膜の接着性劣化が防止されていると評価することを特徴とするニッケルめっき被膜の接着性劣化の評価方法。
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