JP4982248B2 - 飲食物の加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ジュースやマヨネーズなどのように流動性を有する飲食物を被加熱物としてジュール熱により加熱する飲食物の加熱装置に関する。
ジュースやマヨネーズなどのように流動性を有する飲食物は、その中に含まれる細菌などの微生物を殺菌つまり死滅させるために加熱処理されている。この加熱処理方法としては煮沸が一般的であり、煮沸処理は、飲食物をたとえば120℃程度の温度に数分間保持することにより行われている。
流動性を有する飲食物を被加熱物としてこれを加熱する方法には、特許文献1に記載されるように、被加熱物に電流を流して被加熱物にジュール熱を発生させて加熱する方法があり、この加熱方法によると被加熱物を流路内で流しながら連続的に加熱することができる。被加熱物に電流を流すための電極のタイプには、特許文献1に記載されるように環状の電極があり、環状の電極は絶縁性の筒体の両端部に配置されることになるので、このタイプの電極を用いた加熱装置においては被加熱物の流れる方向に電流が流れることになる。一方、電極のタイプとしては板状のものがあり、この場合には、流路は相互に対をなして対向する板状の電極の間に形成されるので、このタイプの電極を用いた加熱装置においては被加熱物が板状の電極間に沿って流れ、その流れを横切る方向に電流が流れることになる。いずれのタイプにおいても、流路内に被加熱物を流すことによって連続的に被加熱物を加熱処理することができるが、被加熱物を上述した温度で保持する必要があり、加熱装置から流出した被加熱物を温度保持器つまりホールドユニットによって所定時間保持するようにしている。
このような加熱処理に対して、近年、特許文献2に記載のように電極対に高電界を印加するようにした加熱技術が開発されている。この技術は、被加熱物中に浮遊する微生物の細胞に外部から電界を印加すると、微生物の細胞にクーロン力が作用し、印加電界を高くするとクーロン力によって細胞膜が損傷を受け、表面に微細な穴が開く現象つまり電気穿孔現象が発生することを利用した技術であり、電気穿孔が修復されない程度にまで微生物に高電界を印加しながら被加熱物をジュール加熱すると、細胞は破壊されて細菌などの微生物を短時間で死滅することができる。
特許第2821087号公報 特開2000−107261号公報
このように被加熱物をジュール熱により加熱する方式には、被加熱物を所定の殺菌温度にまで加熱して所定時間保持する方式と、被加熱物を加熱するとともに被加熱物に高電界を印加して被加熱物中の微生物の細胞を破壊するようにした方式とがあり、後者の加熱方式は電極に高い電圧を印加するので、流路内を短時間で被加熱物を通過させることになる。いずれの方式においても、従来は加熱後の被加熱物の温度を検出し、電極対に供給される電圧を被加熱物の温度に応じて調整することによって被加熱物の加熱温度が所定の温度となるように制御している。
流路内を流れる被加熱物は下流側に向かうに従って温度が高くなり、温度が高くなると被加熱物の電気抵抗は小さくなる傾向にある。このため、上述のように板状の電極を用いた加熱装置においては、板状電極間の流路を電極に沿って流れるに従って下流側の被加熱物の電気抵抗が低下すると、下流側の被加熱物は上流側の被加熱物よりも電流が高くなるので、温度上昇率は下流側の方が高くなる。この温度変化は、直線的な変化ではなく、下流側の端部で急速に温度が高まるように幾何級数的に変化する。このため、電極対に一定の電圧を印加しても被加熱物を流れる電流値は流路の上流側と下流側とで相違するとともに下流側の端部に流れる電流により加熱される割合が極めて高いことになる。
したがって、従来のように加熱後の被加熱物の温度に応じて電極対に印加される電圧を調整しても、流路の流れ方向の各部位において電流値が相違することになり、部分的に過加熱される被加熱物が含まれることになる。過加熱の被加熱物が含まれると、殺菌という目的は達成されても、風味が損なわれた被加熱物が部分的に含まれることになり、加熱後の被加熱物自体の品質を低下させることになる。
一方、被加熱物を流路内に高速で流すと被加熱物は乱流となるので、その流速分布は流路の径方向各部分でほぼ均一となる。これに対し、比較的低速で流すと被加熱物は層流となって流路内を流れることになり、流速分布は放物線を描くようになるので、流路の中心部の流速よりも周辺部の流速の方が遅くなる。特に、流路の内壁面に付着して流れる被加熱物は粘性によって流速が最も遅くなり、流路内周面に被加熱物がスケールとなって付着することがある。したがって、流速が遅くなったり、流路内周面にスケールとなって付着した被加熱物は他の部分よりも長く通電されることになり、過度に加熱されて温度が高くなることがある。
このように、流路の内周面に付着している被加熱物が他の部分よりも過度に加熱されると、過加熱された被加熱物は殺菌処理が達成されても、風味が損なわることになる。風味が損なわれた被加熱物が部分的に含まれると、被加熱物全体では加熱品質が低下するおそれがある。さらに、スケールとなって付着した部分が過度に加熱されると、その部分の被加熱物が突沸現象を起こすことが考えられ、その部分の電極がスパークして電極を劣化させることもある。
本発明の目的は、飲食物を被加熱物としてこれを高品質で加熱処理し得るようにすることにある。
本発明の飲食物の加熱装置は、被加熱物の流入口と流出口とが設けられ、前記流入口から前記流出口に連なる流路が形成されるとともに前記流路に露出する板材からなる電極対が設けられる加熱機本体を有し、前記電極対に電極間距離1mm当たり0.2kV/mm以上の電圧を印加し、ジュール熱と電界効果により微生物の細胞膜を破壊して飲食物を殺菌加熱する飲食物の加熱装置であって交流電源からの電流を直流に変換する整流器、当該整流器からの直流を高周波に変換するインバータ、当該インバータからの高周波電流を前記電極対に昇圧して供給するトランスを有する電源ユニットと、前記加熱機本体に設けられ、前記流路内を流れながら前記トランスから前記電極対に供給される電流により通電加熱された被加熱物の温度を検出する製品温度検出器と、前記電極対に供給される電流値を検出する電流検出器と、前記電極対の温度を検出する電極温度検出器と、前記加熱機本体を冷却する冷媒流路が設けられ、前記加熱機本体を冷却して前記加熱機本体の流路内周面を熱伝導により冷却する冷却ユニットと、前記製品温度検出器からの信号と前記電流検出器からの信号に基づいて前記電源ユニットから前記電極対に供給される電流を制御する電流制御手段と、前記電極温度検出器の信号に基づいて前記冷却ユニットによる前記加熱機本体の冷却量を制御する冷却制御手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、被加熱物に電流を流してジュール熱により被加熱物を加熱して殺菌処理を行う際に、加熱後の被加熱物の温度を検出して被加熱物が設定温度となるように電極間の被加熱物に流れる電流値を制御するようにしたので、被加熱物が流れる流路の端部側においても過度の電流が流れることが防止される。被加熱物の過加熱が防止されるので、被加熱物である飲食物の風味が損なわれることなく、被加熱物の加熱品質を向上させることができる。
本発明によれば、冷却ユニットにより加熱機本体を冷却することによって加熱機本体に形成される流路の内周面を冷却することができ、被加熱物のうち内周面に接触する部分が過度に加熱されることを防止することができる。これにより、被加熱物である飲食物の風味が損なわれることなく、被加熱物の加熱品質を向上させることができる。
本発明によれば、電極対に供給される電圧を電極間距離1mm当たり0.2kV/mm以上に設定することにより、被加熱物をジュール熱により加熱しつつ被加熱物に含まれる微生物の細胞を電界効果により破壊することができるので、耐熱性の細菌をも瞬時に殺菌することができる。しかも、瞬間的に加熱温度に加熱するだけで殺菌処理を行うことができるので、被処理物に含まれるビタミンなどの有効成分を破壊することなく、殺菌処理することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である飲食物の加熱装置を示す概略構成図であり、図2は図1に示された加熱機本体を示す拡大断面図であり、図3は図2におけるA−A線断面図であり、図4は図1に示された電源ユニットと電流制御部を示すブロック図である。
図1および図2に示すように、加熱機本体10は長方形のチタン製の板材からなる2枚の電極11,12を有し、これらの電極11,12の間には絶縁性材料である樹脂製のスペーサ13が挟み込まれており、対をなす2枚の電極11,12とこれらの間のスペーサ13は複数本のボルト14によって締結されている。一方の電極11にはその長手方向一方側に寄せて流入側ジョイント15が流入口として取り付けられ、他方の電極12にはその長手方向他方側に寄せて流出側ジョイント16が流出口として取り付けられている。
スペーサ13には、図3において破線で示すように、流入口から流出口に連なるように長孔17が貫通して設けられており、図2に示すように、スペーサ13の両側に重ねられた電極11,12により長孔17は覆われ、長孔17と電極11,12とにより流路18が形成されている。電極11には流路18の流入端に連通する連通孔21が形成され、この連通孔21に連通する貫通孔を有する連結ブロック22が締結ホルダー23内に組み込まれており、流入側ジョイント15は締結ホルダー23を貫通するボルト24により電極11に締結されている。一方、電極12には流路18の流出端に連通する連通孔25が形成され、この連通孔25に連通する貫通孔が形成された連結ブロック26が締結ホルダー27内に組み込まれ、流出側ジョイント16は締結ホルダー27を貫通するボルト28により電極12に締結されている。
流入側ジョイント15には図示しない供給管が接続されるようになっており、ホッパー内に収容された被加熱物は、図示しないポンプにより供給管を介して流入側ジョイント15に供給されるようになっている。流入側ジョイント15に供給される被加熱物を予熱する場合には、ホッパーと流入側ジョイント15の間には予熱ユニットが配置される。流出側ジョイント16には図示しない排出管が接続されるようになっており、加熱後の被加熱物は排出管を介して図示しない回収タンクに案内される。加熱後の被加熱物を冷却する場合には、図示しない冷却ユニットが流出側ジョイント16と回収タンクとの間に配置される。さらに、加熱された後の被加熱物を所定の温度に保持する場合には、図示しないホールドユニットが冷却ユニットと流出側ジョイント16との間に配置される。
流入側ジョイント15からジュースやマヨネーズなどの流動性の被加熱物を被加熱物として流路18内に供給すると、被加熱物は相互に対向して対をなす電極11,12の間の流路18を流出側ジョイント16に向けて矢印で示すように流れることになる。被加熱物には、電極11,12に印加される電力により電流が流れ、被加熱物は流路18内を流れながらジュール熱により加熱されることになる。被加熱物は電極11,12の間を流れるので、被加熱物には電極11,12から流れ方向を横切る方向に電流が流れることになる。
図4に示すように、電極11,12は電源ユニット31に接続されている。電源ユニット31は交流電源端子32に接続されるサイリスタスタック33を有しており、交流電源端子32から供給される交流電流はサイリスタスタック33により直流電流に整流されるとともに電圧が調整される。図示する場合には、交流電源端子32からサイリスタスタック33には三相200Vの電流が供給される。サイリスタスタック33の出力端子はインバータ34に接続されており、直流電流はインバータ34によって、例えば20kHzの高周波電流に変換される。インバータ34は出力トランス35に接続され、出力トランス35の二次側の出力端子は電極11,12に接続されており、出力トランス35により昇圧された電力が電極11,12に供給されるようになっている。
電極11,12に供給される電流値を制御するために電源ユニット31には電流制御部41が電流制御手段として接続されている。電流制御部41はプログラマブルコントローラ42を有し、プログラマブルコントローラ42には入力キー等を有する操作盤43が接続されるとともに、図1に示すように流出側ジョイント16に設けられた製品温度検出器44が接続されており、製品温度検出器44の検出信号がプログラマブルコントローラ42に送られるようになっている。電流制御部41はプログラマブルコントローラ42から信号によって電極11,12間を流れる電流を設定するための電流設定部45と、この電流設定部45からの信号に基づいてサイリスタスタック33に制御信号を送るサイリスタ制御部46とを有している。操作盤43には電極11,12に供給される電流値を設定するためのキーやダイヤル等からなる入力部が設けられており、入力部の操作により設定された最大電流値となるように電流設定部45にはプログラマブルコントローラ42から制御信号が送られる。最大電流値は電極11,12間の電圧値によって設定されることになり、インバータ34にサイリスタスタック33から供給される電圧値をサイリスタ制御部46からの信号によって調整することにより電極11,12間の電流値が制御される。電流設定部45にはサイリスタスタック33からインバータ34に流れる電流値がフィードバック信号として送られるとともに、サイリスタ制御部46には電圧値がフィードバック信号として送られるようになっている。
電極11,12は出力トランス35の二次側に接続されているが、出力トランス35の一次側に供給される電流値をフィードバック信号として出力トランス35の一次側の電流値を制御することによって、巻線比に対応した所定の電流が電極11,12に供給されることになり、一次側の電流値を制御することにより、二次側の電流値を高精度で設定することができる。
電流制御部41は、インバータ34に制御信号を送るインバータ制御部47を有している。操作盤43には電極11,12に供給される電流の周波数を設定するための入力部が設けられており、入力部により設定された周波数の高周波電流が電極11,12に供給されるようにインバータ制御部47からインバータ34に制御信号が送られる。
図5は対をなす電極11,12間の流路18内における電流分布を示す特性線図である。流路18内の被加熱物に流れる電流は、被加熱物の抵抗と電極11,12の電位差つまり電圧とに基づいて定まることになるが、図5に示すように、被加熱物の流れ方向における電流分布を観察すると、被加熱物は入口側から出口側に向かうに従ってジュール熱により温度が高められ、温度が高くなると被加熱物の抵抗値が小さくなるので、被加熱物は出口側の端部において急激に温度が高くなって抵抗値が低下し、被加熱物の流れを横切る方向に流れる電流は、出口側端部において集中的に急激に高くなる。つまり、被加熱物に対する最終的な加熱温度は、出口側端部における電流値によって大きく依存することになる。
したがって、電極11,12間を流れる電流値つまり平均電流値が所定の値となるように設定すると、出口側端部において高くなる最高電流値が過度の電流値となることを抑制することができるので、被加熱物が流路18の流出端部において過加熱されることを抑制でき、被加熱物の風味が低下することを防止でき、高品質で被加熱物の加熱処理を行うことができる。
流路18内における被加熱物の流速を高めると、被加熱物は乱流状態となって流れるので、被加熱物の流速分布は流路18の中心部と周辺部とで大きく相違することない。これに対して流速を低下させると、被加熱物は層流状態となって流れるので、被加熱物の流速分布は、流路18の中心部よりも周辺部が遅くなり、流路18に露出して流路18を形成するための電極11,12に接触した被加熱物は粘性により流速が最も遅くなる。このため周辺部を流れる被加熱物は中心部を流れる被加熱物よりも長時間に渡って通電されて過加熱される可能性がある。被加熱物のうち過加熱された部分は突沸現象を起こし、電極11,12がスパークするおそれがあり、スパークすると電極11,12が劣化することになる。
図2に示すように、加熱機本体10は電極11に固定されるケース体51と電極12に固定されるケース体52とにより覆われており、それぞれのケース体51,52にはカバー53,54が取り付けられている。電極11とケース体51とカバー53とにより冷却室55を有する冷却ユニット56が形成され、冷却室55内に流入側ジョイント15が組み込まれている。また、電極12とケース体52とカバー54とにより冷却室57を有する冷却ユニット58が形成され、冷却室57内に流出側ジョイント16が組み込まれている。電極11の外面には通風ダクト61が取り付けられ、冷却ユニット56に取り付けられた空気供給管62の吹き出し口63から吹き出された空気が通風ダクト61内の冷媒流路64に供給されるようになっている。電極12の外面には通風ダクト65が取り付けられ、冷却ユニット58に取り付けられた空気供給管66の吹き出し口67から吹き出された空気が通風ダクト65内の冷媒流路68に供給されるようになっている。
冷媒流路64,68に冷却空気を流すと、冷却空気は電極11,12の外面に沿って流れて、電極11,12は外面から放熱される。電極11,12が外面から放熱されると、流路18を形成する電極11,12の内面の温度も電極11,12の熱伝導により冷却されて電極11,12の内面の過加熱が防止される。
図1に示すように、空気供給管62,66は流量調整弁69を介して空気供給源70に接続されており、流量調整弁69により冷媒流路64,68に供給される空気の流量が調整されるようになっている。流量調整弁69には冷却制御手段としての冷却制御部71から制御信号が送られるようになっており、冷却制御部71には電極温度検出器72からの検出信号が送られるようになっている。これにより、電極温度検出器72により検出された電極温度に基づいて冷媒流路64,68に供給される冷却媒体としての冷却空気の流量が調整され、電極11,12の内面温度が調整される。
電極11,12に供給される電圧はサイリスタスタック33により任意の値に設定され、流路18内を流れる被加熱物の流速は上述した供給管に設けられたポンプにより設定される。上述のように、被加熱物にジュール熱を発生させて被加熱物を加熱して殺菌する場合には、殺菌温度までジュール熱により加熱することになる。これに対し、被加熱物に供給される電圧を高くし、被加熱物である被加熱物中に浮遊する微生物の細胞に外部から高い電界を印加すると、微生物の細胞にクーロン力が作用し、クーロン力によって細胞膜が損傷を受け、表面に微細な穴が開く現象つまり電気穿孔現象が発生することになる。電気穿孔が修復されない程度にまで微生物に高電界を印加しながら被加熱物をジュール加熱すると、細胞は破壊されて細菌などの微生物を短時間で死滅することができる。
細胞に電気穿孔現象を発生させるために必要な電界は、電極11,12間の寸法をWとすると、単位寸法1mm当たり0.2kV以上の電界を印加すれば、被加熱物に含まれた耐熱菌は完全に死滅することが判明した。例えば、寸法Wが10mmとすると、両方の電極11,12に出力トランス35から2kV以上の電圧を供給すると、耐熱菌を完全に死滅させることができる。そのときには被加熱物の温度が過度に上昇するのを防止するために、流路18内を0.0014秒程度で被加熱物が通過するように、流路18内の流速はジュール熱のみにより殺菌させる場合よりも高速に設定することになる。
このように、被加熱物をジュール熱により加熱するとともに電気穿孔現象によって殺菌する場合には、流路18内を短時間で被加熱物が通過することになるので、電極間を流れる電流値を高精度で調整する必要があり、電極間の電流値を設定することにより、被加熱物の部分的な過加熱を防止して、高品質の加熱処理を行うことができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図示する加熱機本体10は板状の電極11,12により電極対を形成しているが、特許文献1に示すように、環状電極を用いて加熱機本体を形成するようにしても良い。環状電極を用いた場合には加熱機本体は円筒形状となるので、円筒形状の加熱機本体を囲むように冷却ユニットを加熱機本体に取り付けることになる。また、図示する場合には、冷却媒体を空気としており、冷却空気によって加熱機本体10を冷却するようにしているが、冷却液を冷却媒体としても良い。
本発明の一実施の形態である飲食物の加熱装置を示す概略構成図である。 図1に示された加熱機本体を示す拡大断面図である。 図2におけるA−A線断面図である。 図1に示された電源ユニットと電流制御部を示すブロック図である。 電極間の流路内における電流分布を示す特性線図である。
符号の説明
10 加熱機本体
11,12 電極
13 スペーサ
15 流入側ジョイント(流入口)
16 流出側ジョイント(流出口)
18 流路
31 電源ユニット
32 交流電源端子
33 サイリスタスタック(整流器)
34 インバータ
35 出力トランス
41 電流制御部
42 プログラマブルコントローラ
43 操作盤
44 製品温度検出器
45 電流設定部
46 サイリスタ制御部
47 インバータ制御部
56,58 冷却ユニット
62,66 空気供給管
64,68 冷媒流路
69 流量制御弁
71 冷却制御部
72 電極温度検出器

Claims (1)

  1. 被加熱物の流入口と流出口とが設けられ、前記流入口から前記流出口に連なる流路が形成されるとともに前記流路に露出する板材からなる電極対が設けられる加熱機本体を有し、前記電極対に電極間距離1mm当たり0.2kV/mm以上の電圧を印加し、ジュール熱と電界効果により微生物の細胞膜を破壊して飲食物を殺菌加熱する飲食物の加熱装置であって
    交流電源からの電流を直流に変換する整流器、当該整流器からの直流を高周波に変換するインバータ、当該インバータからの高周波電流を前記電極対に昇圧して供給するトランスを有する電源ユニットと、
    前記加熱機本体に設けられ、前記流路内を流れながら前記トランスから前記電極対に供給される電流により通電加熱された被加熱物の温度を検出する製品温度検出器と、
    前記電極対に供給される電流値を検出する電流検出器と、
    前記電極対の温度を検出する電極温度検出器と、
    前記加熱機本体を冷却する冷媒流路が設けられ、前記加熱機本体を冷却して前記加熱機本体の流路内周面を熱伝導により冷却する冷却ユニットと、
    前記製品温度検出器からの信号と前記電流検出器からの信号に基づいて前記電源ユニットから前記電極対に供給される電流を制御する電流制御手段と、
    前記電極温度検出器の信号に基づいて前記冷却ユニットによる前記加熱機本体の冷却量を制御する冷却制御手段とを有することを特徴とする飲食物の加熱装置。
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