JP2006296368A - 液体食品材料の連続殺菌装置および連続殺菌方法 - Google Patents

液体食品材料の連続殺菌装置および連続殺菌方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 交流高電界殺菌法による液体食品材料の殺菌を高能率で行ない得るよう完全連続化し、しかも充分な殺菌と成分破壊の防止とを同時に達成し得るようにした殺菌装置と、その殺菌装置を用いた連続殺菌方法を提供する。
【解決手段】 液体食品材料を流路内に連続的に流す圧送手段と、前記流路内に所定間隔を置いて配置された1対の電極間に交流電圧を加えて交流高電界殺菌を行なうための交流高電圧印加部と、その下流の流路内において連続的に冷却する連続冷却部と、電極間を通過する液体食品材料の流量を検出する流量検出手段とを有してなり、圧送手段から連続冷却部の出口側までの間で滞留させることなく液体食品材料を連続的に流すとともに、流量に応じて圧送手段を制御するようにした。また連続殺菌方法として、電極間を液体食品材料が通過する時間が10秒以下となるように液体食品材料の流量を制御する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、果汁や肉汁、野菜スープ、あるいは牛乳、その他の飲料や飲料水等、各種の液体食品材料を連続的に殺菌する装置、およびその装置を用いて液体食品材料を連続的に殺菌する方法に関するものである。
一般に、果汁や肉汁、野菜スープ、飲料水等の液体食品材料を殺菌するための方法としては、液体食品材料を加熱して高温により殺菌する方法が一般的である。この場合、連続的に液体食品材料を殺菌する装置としては、管路内に液体食品材料を連続的に流しながら、その管路を外側から適宜の加熱手段により加熱して、管路内の液体食品材料を間接的に加熱することにより殺菌する方式のものが一般的である。
ところで上述のように外部からの加熱によって液体食品材料を殺菌する場合、その温度に液体食品材料をある程度の時間保持しておく必要がある。特に加熱温度が低ければ、加熱保持時間を長くして確実に殺菌されるようにする必要がある。一方、加熱温度を相対的に高温とすれば、加熱保持時間を相対的に短くすることが可能であるが、加熱温度が高温となれば、液体食品材料中の有用な成分、例えばビタミンC等の栄養成分が破壊されたり、香りをもたらす香気成分や色調をもたらす色調成分が破壊されたり変化したりしてしまって、商品価値を損なってしまうおそれがあるから、加熱温度を高温にするにも限界がある。
したがって外部加熱により液体食品材料を殺菌する場合、液体食品材料中の栄養成分や香り、色が損なわれない程度の温度で、ある程度長い時間保持することが必須である。例えば外部加熱方式により115℃で殺菌する場合、充分に殺菌するためには4分以上保持する必要があるとされている。そしてこのような外部加熱を適用して連続方式により加熱殺菌する場合は、外部から加熱する部分の管路を長くすることにより、その加熱部中に液体食品材料が滞在する時間を充分に確保せざるを得ず、そのため加熱装置全体のライン長が長くならざるを得ないから、設備全体が大型化して、設備コストが大きくならざるを得なかった。
ところで最近に至り、対向する狭い電極間に液体食品材料を通過させるとともに、その電極間に交流の高電圧を印加して、電極間に生じる交流高電界によって殺菌する方法、すなわちいわゆる交流高電界殺菌法が、例えば特許文献1、特許文献2等によって提案されている。
この交流高電界殺菌法によれば、電極間を液体食品材料が通過する際に液体食品材料が高温により加熱殺菌されるばかりでなく、交流高電界による殺菌効果が得られ、そのため液体食品材料を高温に曝す時間を比較的短時間とすることが可能となり、その結果食品材料成分の破壊や変化を最小限に抑えることが可能となる。
特許第2848591号公報 特許第2964037号公報
前述の特許文献1や特許文献2には、交流高電界殺菌技術の基本的な考え方は示されているものの、この交流高電界殺菌技術を、液体食品製造メーカーにおいて実際の量産的規模での液体食品製造過程に導入するには未だ不充分であり、特に完全連続化によって大量の液体食品材料を効率良く連続殺菌を行なうには不都合があった。
例えば特許文献1の交流高電界殺菌装置では、交流高電界を液体食品材料に印加して殺菌した後、外側から加圧した貯槽内に液体食品材料を導入して、その貯槽内において液体食品材料を滞留させた状態で冷却させる構成が採用されているが、このような構成では、貯槽に液体食品材料を滞留させる必要があるため、完全に連続化することが困難であり、間欠的に連続処理するいわゆるバッチ−連続方式とならざるを得ず、そのため大量の液体食品材料を処理する量産的規模の工場での実用化には支障があった。
また特許文献2には、液体食品材料に交流高電界を印加して連続的に殺菌する部分の構成は示されているものの、その前後の部分の構成(例えば殺菌後の冷却手段)は開示されておらず、そのため完全連続化するためには如何なる構成とすればよいかは不明であった。
一方、本発明者等が交流高電界殺菌技術の実用化に向けてさらに実験・検討を行なったところ、充分に殺菌すると同時に液体食品材料中の成分の破壊や変化を防止するためには、交流高電圧を印加する際における電極間での液体食品材料の滞在時間を適切に制御する必要があることを見出したが、特許文献1、特許文献2においては、そのような認識は全くなされておらず、したがって特許文献1、特許文献2に示されている技術を実際に適用しても、必ずしも前述の要請(充分な殺菌と同時に、成分の破壊や変化の防止)を満たし得るとは限らなかったのが実情である。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、交流高電界殺菌法を適用して液体食品材料の殺菌を高能率で行ない得るよう、殺菌の全プロセスを完全連続化し、しかも充分かつ確実な殺菌と、成分破壊、変化の防止とを同時に達成し得るようにした殺菌装置を提供し、併せてその殺菌装置を用いた操業方法(殺菌方法)を提供することを課題とするものである。
前述のような課題を解決するため、この発明の連続殺菌装置では、請求項1、請求項2に規定する構成を適用することとし、さらにその請求項1、請求項2で規定される装置を用いた連続殺菌方法として、請求項3の方法を規定した。
具体的には、請求項1の発明の液体食品材料の連続殺菌装置は、液体食品材料を流路内に連続的に流すべく液体食品材料を圧送するための圧送手段と、前記流路内に所定間隔を置いて配置された少なくとも1対の電極を備え、電極間に交流高電圧を加えて電極間を通過する液体食品材料を交流高電界殺菌するための交流高電圧印加部と、前記電極間を通過した液体食品材料を流路内において連続的に冷却するための連続冷却部と、前記電極間を通過する液体食品材料の流量を検出するための流量検出手段とを有してなり、前記流路における圧送手段の出口側から連続冷却部の出口側までの間において滞留させることなく液体食品材料を連続的に流すとともに、前記流量制御手段により検出された流量に応じて圧送手段を制御するようにしたことを特徴とするものである。
また請求項2の発明の液体食品材料の連続殺菌装置は、請求項1に記載の液体食品材料の連続殺菌装置において、前記連続冷却部の下流側に、交流高電圧印加部および連続冷却部を流れる液体食品材料に対して背圧を与えるための背圧手段を設けたことを特徴とするものである。
さらに請求項3の発明の液体食品材料の連続殺菌方法は、請求項1もしくは請求項2に記載の連続殺菌装置を用いて液体食品材料を連続的に殺菌するにあたり、前記電極間に印加する交流高電圧を、電極間距離1mm当り300〜3000Vの範囲内とし、かつ電極間を液体食品材料が通過する時間が10秒以下となるように液体食品材料の流量を制御することを特徴とするものである。
なおここで電極間を液体食品材料が通過する時間とは、交流高電圧印加部が電極を1対だけ有している構成の場合には、流路内を流れる液体食品材料がその1対の電極間の空間部分の一端側から他端側に至るまでの時間を意味するものとする。また交流高電圧印加部が2対以上の電極を有している場合、各対の電極間における液体食品材料の通過時間の合計を意味するものとする。
請求項1の発明の連続殺菌装置によれば、交流高電界殺菌を適用して、液体食品材料を流路の中途で滞留させることなく、その供給から冷却まで完全連続の状態で殺菌することができ、そのため効率良く大量の液体食品材料を処理することができ、また流路内における液体食品材料の流量を適切に制御することにより、交流高電圧印加の際において液体食品材料が電極間を通過する時間(したがって電極間の空間に滞在する時間)を適切にコントロールすることができ、これにより充分かつ確実な殺菌と、液体食品材料中の成分の破壊、変化の防止とを同時に図ることが可能となる。
また請求項2の発明の液体食品材料の連続殺菌装置によれば、流路に背圧を加えることによって、より安定して確実に殺菌を行なうことが可能となる。
さらに請求項3の発明の液体食品材料の連続殺菌方法によれば、交流高電界殺菌時において液体食品材料に印加する電圧を、電極間距離に応じて適切に制御すると同時に、連続的に供給される液体食品材料の電極間の通過時間、すなわち液体食品材料に対して交流高電圧を印加しておく時間を適切に規定しているため、液体食品材料を充分かつ確実に殺菌することができると同時に、液体食品材料に含まれている栄養成分や香気成分、色調成分等の破壊や変化を招くことがなく、したがって高品質の殺菌済み液体食品製品を高能率で得ることができる。
図1にこの発明の連続殺菌装置の全体構成の一例を示し、図2〜図4にその要部(交流高電圧印加部および連続冷却部)を示す。
図1において、果汁や野菜スープ、飲料水等の殺菌対象となる液体食品材料を予め収容しておくためのタンク1の下部には、そのタンク1内の液体食品材料を流路(管路)3に向けて圧送供給するための圧送手段としてポンプ5が設けられている。管路3は、ポンプ5の出口側から交流高電圧印加部7の入口側に導かれており、さらにその交流高電圧印加部7の出口側から連続冷却部9に導かれ、その連続冷却部9から背圧手段としての背圧調整弁11の入口側に導かれ、その背圧調整弁11の出口側から、大気圧に開放された受槽13に導かれている。またポンプ5と交流高電圧印加部7との間の管路3には、管路3内の液体食品材料の供給圧力(入口側圧力)を検出するための第1の圧力計15および管路3内を流れる液体食品材料の流量を検出するための流量検出手段として流量計17が設けられており、一方、連続冷却部9と背圧調整弁11との間の管路3には、出口側圧力を検出するための第2の圧力計19が設けられている。また前記ポンプ5の駆動状態(圧力、回転数等)を制御するための制御部5Aには、前記流量計17によって検出された流量の値の信号が入力されて、管路3内の液体食品材料の流量が後述するような適切な範囲内となるように制御する構成とされている。
図2、図3は前記交流高電圧印加部7の具体的構成を示すものである。図2、図3において、管体71は、その内部を殺菌対象の液体食品材料が流れる部分、すなわち前述の管路3に連続して流路を構成する部分であって、例えば断面矩形状をなすように電気絶縁材料によって作られている。そして管体71の中途には、管体71内を流れる液体食品材料の流れを横切る方向に、狭い間隔G(例えば0.1〜3mm程度)の間隙75をもって対向する1対の電極72、73が配置されている。これらの電極72、73は、例えばチタンやチタン合金、あるいは白金の如く、耐食性が良好でかつ導電性の高い金属によって作られたものであり、図示の例ではそれぞれ直方体形状に作られており、それぞれ一つの側面72A、73Aが相互に平行となって、液体食品材料の流れ方向に対して直交する方向に対向するように配置されている。したがってその側面72A、73Aが電極面として機能することになる。ここで以下の説明では、相互に対向する側面72A、73Aを電極面と称することとする。そしてこれらの電極72、73は交流高電圧電源74に電気的に接続されており、これらの交流高電圧電源74によって、電極面72A、73A間に交流高電圧が加えられるようになっている。
一方図4は図1に示される装置における連続冷却部9の具体的構成の一例を示すものである。図4において、内管91は前述の管路3に連続して、内部を液体食品材料が流れる流路を構成する部分であり、その内管91の外側は、所定の間隔をおいて外管92によって取囲まれて、全体として2重管をなすように作られており、その内管91と外管92との間が水等の冷却媒体を流すための冷却媒体通路93とされている。
以上のような図1〜図4に示される構成の連続殺菌装置を用いて液体食品材料の殺菌を行なうにあたっては、予め液体食品材料をタンク1内に収容しておく。また交流高電圧印加部7においては、交流高電圧電源74によって電極72、73間に、例えば5kHz〜20kHz程度の周波数の交流電圧を、電極72、73の間隔1mm当り300〜3000Vの電圧で加えておく。そしてポンプ5を作動させて、タンク1内の液体食品材料を管路3に向けて所定の圧力で連続的に送り出す。送り出された液体食品材料は交流高電圧印加部7に導かれ、電極72、73間の間隙75を連続的に通過する間に、5〜20kHzの周波数の300〜3000V/mmの高電圧が加えられる。このとき、液体食品材料が電極72、73間で急激に温度上昇すると同時に、交流高電界に曝されて、液体食品材料中に存在する大腸菌等の菌が殺菌される。
このようにして交流高電圧印加部7の電極72、73間の間隙75を通過して交流高電界殺菌が連続的になされた液体食品材料は、交流高電圧印加部7から送り出された後、直ちに連続冷却部9に導入され、その内管91内を通過する間に、冷却媒体通路93を流れる水等の冷却媒体によって間接的かつ連続的に冷却され、その後背圧調整弁11を経て受槽13に導かれる。
以上のところにおいて、高流高電圧印加部7の電極72、73の電極面72A、73A間に交流高電圧を印加しながらその間隙75を液体食品材料が通過する際には、その間隙75内の液体食品材料通過時間Tが10秒以下、好ましくは5秒以下となるように間隙75の断面積および長さに応じて液体食品材料の流量を制御する。すなわち液体食品材料が、間隙75における上流側の端部位置75Aから下流側の端部位置75Bに至るまでの時間(通過時間)Tが10秒以下、好ましくは5秒以下となるように制御する。
なお交流高電圧印加部7は、図2、図3の例では電極として1対のもの(72、73)のみを有している構成としているが、2対以上の複数の対の電極を有する構成とすることもでき、例えば後述する図5の例では3対の電極72、73;76、77;78、79によって構成しているが、このように複数対の電極で構成した場合、それぞれの電極間の通過時間の合計の時間Tを10秒以下、好ましくは5秒以下となるように制御する。すなわち、図5のように3対の電極72、73;76、77;78、79を用いている場合には、電極72、73の間の通過時間T1と、電極76、77の間の通過時間T2と、電極78、79の間の通過時間T3との合計時間T(=T1+T2+T3)を10秒以下、好ましくは5秒以下となるように制御する。
ここで、上記の通過時間Tが10秒を越えれば、液体食品材料中の有効成分(栄養成分、香気性分、色調成分等)が破壊もしくは変化してしまうおそれがある。なお通過時間Tの下限は特に定めないが、0.001秒未満とすることは流量制御等に困難を伴なうおそれがあるから、実操業上は0.001秒以上とすることが好ましく、通常は0.005秒以上とする。なおまた、通過時間Tのより最適な範囲は0.01秒以上、1秒以下である。
上述のように電極間通過時間Tを制御するためには、管路3に供給される液体食品材料の流量を電極間間隙75の断面積および長さに応じて適切に制御すれば良い。すなわち図2、図3において、間隙75における液体食品材料が流れる方向Fの長さLと、流れ方向Fに対して直交する面の面積S(=W×G)に応じて、その間隙75における通過時間Tが前記範囲内となるように流量を制御すれば良い。具体的には、管路3内を流れる液体食品材料の流量を流量計17によって検出し、その流量計17の検出値信号をポンプ5の制御部5Aにフィードバックさせ、ポンプ5の作動状態を制御して、電極間通過時間Tが前記条件を満たすように管路3内の液体食品材料の流量を制御する。
なお場合によっては、上述のような電気的フィードバック制御によらずに、流量計17に表示される流量値を目視等により監視して、その値に応じてポンプ5の制御部5Aを手動操作により制御しても良い。
一方、交流高電圧印加部7における電極72、73間に印加する電圧は、前述のように電極間の間隔1mm当り300V以上、3000V以下が適当である。すなわち、印加電圧が300V/mm未満では、交流高電界による殺菌効果が充分ではなく、一方3000V/mmを越える高電圧を印加してもそれ以上殺菌効果は大きくならず、電源設備の無駄なコスト上昇を招くのみならず、スパーク発生等の問題も生じる。なお、より最適な印加電圧は、500V/mm以上、2000V/mm以下である。
さらに、図1に示す連続殺菌装置においては、連続冷却部9の下流側に背圧手段としての背圧調整弁11が設置されており、この背圧調整弁11により管路3内の液体食品材料に適切な背圧を加えることができる。すなわち、管路3内を流れる液体食品材料を、大気圧よりも高い適切な圧力に加圧して、その状態で液体食品材料に交流高電圧を印加することができる。このように加圧状態で交流高電圧を加えることにより、より効果的に殺菌することが可能となる。
図5には、この発明の連続殺菌装置に用いられる交流高電圧印加部7の別の例を示す。この図5の例では、交流高電圧印加部7に、液体食品材料の流れ方向Fに沿って間隔を置いて3対の電極72、73;76、77;78、79が設けられており、各対の電極がそれぞれ対向するように構成されている。この場合、電極間の通過時間Tは、各対の電極間の間隙751、752、753における通過時間T1、T2、T3の合計値とし、その合計値Tを、前述のように10秒以下、好ましくは5秒以下となるように制御する。
なお連続冷却部9については、図4に示す例では2重管構造として液体食品材料が流れる内管91の外側の冷却媒体通路を流れる冷却媒体により液体食品材料を連続的に冷却する構成としているが、要は管路(流路)内の液体食品材料を、その流れを滞留させることなく連続的に流れている状態で冷却する構成とすれば良いのであり、図4に示される構成に限定されないことはもちろんである。
さらに図4に示す例では連続冷却部9を1段のみの2重管構造(内管−外管)のみによって構成しているが、実際の装置では、図4に示される2重管を複数段直列状に連結した構成としても良いことはもちろんである。
そしてまたこの発明の連続殺菌装置においては、図1の仮想線で示すように、液体食品材料がポンプ5から、交流高電圧印加部7に至るまでの間の流路3の中途に予備加熱装置21を設けておき、液体食品材料を予備加熱してある程度温度上昇させてから交流高電圧印加部7に導くように構成しても良い。この場合、予備加熱装置21の構成は特に限定されるものではなく、熱交換方式の加熱装置(外部加熱装置)あるいは連続通電加熱装置(連続ジュール加熱装置)等を用いることができる。
さらに交流高電圧印加部7については、図2、図3に示す例では1対の電極72、73を、管体71内の液体食品材料の流れを横切る方向に所定間隔を置いて対向するように配置した構成としているが、1対の電極72、73を液体食品材料の流れ方向に間隔を置いて配置しても良く、その場合の一例を図6、図7、また他の例を図8、図9に示す。
図6、図7の例は、電極72、73を中空環状(リング状)に構成し、中空円筒状の管体71における液体食品材料の流れる方向に所定間隔を置いて配置したものである。この場合においても、電極72、73間に交流高電圧を印加し、かつ電極72、73間の部分75を液体食品材料が通過する時間Tを前述のように制御すれば良い。
さらに図8、図9の例は、電極72、73を格子状もしくは網状に作り、その格子状もしくは網状の電極72、73をそれぞれ管体71の横断面と平行な平面に沿って設け、かつ電極72、73を管体71内の液体食品材料の流れ方向に間隔を置いて配置したものである。この場合においても電極電極72、73間に交流高電界を印加し、かつ電極72、73間の部分75を液体食品材料が通過する時間Tを前述のように制御すれば良い。
なおまた図6、図7の例、図8、図9の例ではいずれも1対の電極72、73を設けているが、これらの例でも液体食品材料の流れ方向に2対以上の電極を間隔を置いて配置しても良いことはもちろんであり、またその場合の液体食品材料の通過時間Tは、各対の電極間の通過時間の合計とすれば良いことは、図2、図3の例の場合と同様である。
図1〜図4に示す連続通電加熱装置を用いて、実際に連続殺菌処理を行なった。電極72、73としてはチタン電極を用いた。電極面72A、73Aの形状は方形とし、対向する電極面間の距離(間隔)Gは2mmとした。
そして液体食品材料としてりんご果汁(100%果汁)を用い、交流高電圧印加部において20kHzの交流高電圧を800Vで印加し、連続殺菌を行なった。電極面72A、72Bの長さLおよび流量を変化させることにより電極間通過時間Tを種々変化させて、殺菌効果の評価と、液体食品材料の成分変化評価(栄養成分、香気成分、色調変化)を行なった。殺菌効果の評価は、枯草菌胞子の数によって行ない、成分変化評価は、栄養成分としてのビタミンCの残存量と、香気成分としてのフルフラールの量と、色調としてのb値の値によって評価した。その結果を表1に示す。なお表1において、成分評価項目のビタミンCについての数値は大きいほど破壊が少ないことを意味し、フルフラールについての数値は大きいほど本来の香気が損なわれていることを意味し、さらに色調についてのb値は大きいほど色調変化が大きいことを表わす。
Figure 2006296368
表1の実験番号0は、処理前(無処理)の状態の液体食品材料(りんご100%果汁)について示す。
実験番号1および2は、いずれも電極間通過時間Tをこの発明で規定する範囲内に制御した本発明例であるが、これらの場合は充分な殺菌効果が得られると同時に、成分破壊も少ないことが明らかである。
一方実験番号3は電極間通過時間Tが長過ぎた比較例であるが、この場合には殺菌効果は充分であったが、成分破壊が進行してしまった。
この発明の連続殺菌装置の全体構成の一例を示す略解図である。 図1に示す連続殺菌装置における交流高電圧印加部の一例を示す横断平面図である。 図2のIII−III線における横断面図である。 図1に示す連続殺菌装置における連続冷却部の一例を示す部分切欠平面図である。 図1に示す連続殺菌装置における交流高電圧印加部の他の例を示す横断平面図である。 この発明の連続殺菌装置に使用される交流高電圧印加部の他の例を示す縦断側面図である。 図6のVII−VII線における横断平面図である。 この発明の連続殺菌装置に使用される交流高電圧印加部のさらに別の例を示す縦断側面図である。 図8のIX−IX線における横断平面図である。
符号の説明
3 管路(流路)
5 ポンプ(圧送手段)
5A ポンプ制御部
7 交流高電圧印加部
72、73、76、77、78、79 電極
72A、73A 電極面(対向面)
9 連続冷却部
11 背圧調整弁(背圧手段)
17 流量計(流量検出手段)

Claims (3)

  1. 液体食品材料を流路内に連続的に流すべく液体食品材料を圧送するための圧送手段と;
    前記流路内に所定間隔を置いて配置された少なくとも1対の電極を備え、電極間に交流高電圧を加えて電極間を通過する液体食品材料を交流高電界殺菌するための交流高電圧印加部と;
    前記電極間を通過した液体食品材料を流路内において連続的に冷却するための連続冷却部と;
    前記電極間を通過する液体食品材料の流量を検出するための流量検出手段;
    とを有してなり、
    前記流路における圧送手段の出口側から連続冷却部の出口側までの間において滞留させることなく液体食品材料を連続的に流すとともに、前記流量制御手段により検出された流量に応じて圧送手段を制御するようにしたことを特徴とする、液体食品材料の連続殺菌装置。
  2. 請求項1に記載の液体食品材料の連続殺菌装置において、
    前記連続冷却部の下流側に、交流高電圧印加部および連続冷却部を流れる液体食品材料に対して背圧を与えるための背圧手段を設けたことを特徴とする、液体食品材料の連続殺菌装置。
  3. 請求項1もしくは請求項2に記載の連続殺菌装置を用いて液体食品材料を連続的に殺菌するにあたり;
    前記電極間に印加する交流高電圧を、電極間距離1mm当り300〜3000Vの範囲内とし、かつ電極間を液体食品材料が通過する時間が10秒以下となるように液体食品材料の流量を制御することを特徴とする、液体食品材料の連続殺菌方法。
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