JP4981824B2 - 圧入施工用不定形耐火物 - Google Patents

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本発明は、工業炉内面の目地となる間隙に配置された気液透過性をもつ筒状の布袋に圧入される圧入施工用不定形耐火物に関する。
図1に、高炉の炉胸部における内面の正面図を示す。水冷手段としての複数のステーブ1が、目地2を介して縦横に配列されている。ステーブ1は、高炉の操業中、大きな熱負荷を受け、また炉内を降下する原料と接触するため、次第に損耗する。そこで、適時に炉体を診断し、必要に応じて、ステーブ1の取替え工事が行われる。
ステーブの取替え工事において、損耗したステーブとそれを取り巻く目地とを除去した後、その損耗したステーブが在った位置に新しいステーブを据え付け、かつその新しいステーブの周囲の目地となる間隙を不定形耐火物で閉塞する工程がある。
図2に、特許文献1に開示された布袋付きステーブを再現する。筒状の布袋3が、正面視において四角形をなすステーブ1の側面に全周にわたって巻き付けられた状態で、ステーブ1に固定されている。布袋3の一端(終端)3aは閉じ、他端(始端)3bは開いている。布袋3は、アラミド繊維を用いて形成されたシームレスな織布よりなり、気体及び液体を透過させる気液透過性をもつ。
この布袋付きステーブを、上述した新しいステーブとして高炉内面に据え付ける。布袋3は、図1の目地2となる間隙に配置される。耐火性粉体を含む配合物に施工水を加えて混練してなる不定形耐火物を、布袋3の始端3bから圧入する。すると、布袋3が膨張することで間隙が閉塞される。布袋3内の不定形耐火物が乾燥し、固化することで目地2と成る。なお、布袋3はそのまま残され、炉熱で消失しうる。
本手法によると、目地2となる間隙を不定形耐火物の吹付け施工で閉塞する場合に比べて、ステーブ1の取替え工事を容易に行え、工期を短縮できる。また、不定形耐火物を布袋3内に納めるため、不定形耐火物が目地2から漏れ出る量を、吹付け施工法を用いる場合に比べて低減できる等の利点もある。
従来、布袋3に圧入する不定形耐火物としては、工業炉の鉄皮と内張り耐火物との間に生じる空隙を埋めるための圧入施工用不定形耐火物(以下、通常の圧入施工用不定形耐火物という。)を流用していた。以下、通常の圧入施工用不定形耐火物について説明する。
特許文献2及び3は、マトリックスとなる相対的に細かい粒度域に、球状化処理された粉体を配合した圧入施工用不定形耐火物を開示している。球状化処理された粉体が、骨材となる相対的に粗い粒子間に入り込んで、その粗い粒子間の摩擦を低減するボールベアリング効果を発揮する。このため、低水分で良好な流動性を得ることができる。流動性の向上は圧入抵抗の低減に寄与し、低水分化は施工体組織の緻密さの向上に寄与する。
なお、特許文献3は、球状化処理された粉体の配合量は35質量%以下が適当であると説明している(特許文献3の段落0020参照)。
特許文献4及び5は、増粘剤を配合した圧入施工用不定形耐火物を開示している。増粘剤は、偏析、即ち耐火性粉体中の相対的に粗い粒子と相対的に細かい粒子とが分離する現象を防止する効果を発揮する。このため、組織の均一な施工体の形成に寄与する。
特許文献6は、有機繊維を配合した圧入施工用不定形耐火物を開示している。有機繊維も、増粘剤と同様、耐火性粉体の偏析を防止する効果をもつことで知られる。従来、圧入施工用不定形耐火物に用いる有機繊維としては、施工水との濡れ性が良好で分散しやすいものが好ましいと考えられている(特許文献6の段落0011等参照)。特許文献6は、有機繊維として、ポリプロピレンやビニロン等の合成繊維を推奨している。
特開2007−314818号公報 特開平3−115176号公報 特開平11−92241号公報 特開平6−48845号公報 特開2001−48660号公報 特開平10−287475号公報
布袋3に気液透過性をもたせた理由は、主として、布袋3内の空気及び圧入施工用不定形耐火物中の施工水を布袋3外に流出させ、圧入施工用不定形耐火物の組織の緻密化を図ることにある。ところが、布袋3に気液透過性をもたせることは、布袋3に詰りを発生させる要因ともなる。
特許文献2〜6に開示される通常の圧入施工用不定形耐火物は、圧送の過程で、施工水の極一部が布袋から流出した場合であっても流動性が大きく低下する特性をもつため、布袋3の途中で詰まりやすい。
球状化処理された粉体を用いるとしても、従来は、ボールベアリング効果を得るためにそれを相対的に細かい粒度域に配合していたので、布袋3への圧入に適用した場合、球状化処理された粉体が、布袋3の繊維組織の開き目から外部に流出しやすい。球状化処理された粉体が外部に流出すると、布袋の内面付近の流動性が著しく低下することとなる。
施工水の添加量を増やせば、詰りの発生を抑えることは可能であるが、圧入施工用不定形耐火物の組織の緻密さが損なわれる。
本発明の目的は、気液透過性をもつ筒状の布袋への圧入に際し、詰りが発生しにくく、かつ得られる耐火物組織の緻密さが損なわれにくい圧入施工用不定形耐火物を提供することである。
本発明の一観点によれば、工業炉内面の目地となる間隙に配置された気液透過性をもつ筒状の布袋に圧入され、前記布袋を膨張させることにより、前記間隙を閉塞する圧入施工用不定形耐火物であって、前記布袋の平均繊維間距離をXμmとしたとき、平均粒径X+50μm以上の球状化処理された粉体が40〜90質量%を占め、残部は前記球状化処理された粉体よりも平均粒径が小さい粉体よりなる耐火性粉体と、前記耐火性粉体に対する外かけ0.01質量%以上の量のパルプと、前記耐火性粉体に対する外かけ0.03質量%以上の量の増粘剤とを含む配合物に、施工水を加えて混練してなる圧入施工用不定形耐火物が提供される。
球状化処理された粉体(以下、球状化粉体という。)であって、平均粒径X+50μm以上のもの(以下、難流出性球状化粉体という。)は、その平均粒径が布袋の平均繊維間距離より大きいため、布袋から流出しにくく、布袋内に留まって流動性向上の効果をいかんなく発揮することができる。
耐火性粉体の残部(以下、残部の粉体という。)は、難流出性球状化粉体よりも平均粒径が小さいため、難流出性球状化粉体を構成する粒子間を埋め、耐火物組織の緻密化に寄与する。残部の粉体の平均粒径を難流出性球状化粉体のそれより小さくすることで、耐火性粉体全体が粗くなりすぎることを防止し、耐火物組織の緻密さを確保することができる。
パルプは、他の有機繊維に比べると施工水に対する濡れ性及び分散性に劣り、凝集してだまになりやすいが、本発明では、パルプのこの凝集しやすい特性を利用し、凝集したパルプが布袋の繊維組織の開き目に詰ってこれを塞ぐ効果を発揮する。
増粘剤は、本発明においては、耐火性粉体の偏析を防止する効果だけでなく、施工水の粘性を高めることにより、布袋の繊維組織の開き目からの施工水や残部の粉体の流出を適度に抑制する効果も発揮する。この効果は、パルプによって布袋の繊維組織の開き目が塞がれている場合に特に顕著となる。
増粘剤とパルプとの組み合わせにより、布袋からの施工水の流出を適度に抑制でき、かつ仮に施工水が多少流出したとしても、耐火性粉体の大部分が難流出性球状化粉体で構成されているため、大きな流動性の低下が起こりにくい。このため、詰りの発生を抑制できる。施工水の添加量を増やさなくても詰りを防止できるため、得られる耐火物組織の緻密さが損なわれにくい。
高炉の炉胸部における内面の正面図である。 布袋付きステーブの斜視図である。 布袋付きステーブを模したモデルの正面図である。
まず、布袋について説明する。
布袋は、筒状をなしており、高炉等の工業炉の内面の目地となる間隙に配置される。例えば、ステーブや耐火ブロック等の周囲を取り巻く目地を形成する場合、好ましくはそのステーブや耐火ブロックの側面に巻き付けられ、接着剤等で固定された状態で、ステーブや耐火ブロック等と共に工業炉内面に据え付けられる。
なお、布袋の長さは、例えば3〜20mであり、布袋の太さは、例えば30〜250mmである。
布袋の始端は開いており、終端は好ましくは閉じた構造をもつ。また、布袋は、終端を始端から終端までの途中部分に折り返し、その途中部分に接続してなるループ構造を有してもよい。また、布袋の終端が開いていて、他の部材で終端を挟み込むこと等により、終端を閉じるようにしてもよい。
布袋の始端から圧入施工用不定形耐火物を圧入する。圧入には、例えば、スクイズポンプやピストンポンプ等のポンプが用いられる。圧入に要する圧力は、例えば、0.05〜1.0MPaである。
布袋は、気液透過性をもつ。このため、圧送の過程で、布袋内の空気が布袋外に流出する。圧入施工用不定形耐火物中の施工水も一部布袋外に流出しうる。布袋が圧入施工用不定形耐火物で満たされることで膨張すると、その膨張した布袋によって目地となる間隙が閉塞される。
なお、布袋の膨張時の横断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、四角形等いずれの形状であってもよい。
布袋内の圧入施工用不定形耐火物が乾燥し、固化することで目地と成る。布袋は、そのまま残されて圧入施工用不定形耐火物と共に目地を構成し、いずれ工業炉の稼動時の熱で消失しうる。
布袋の素材としては、例えば、パラ型又はメタ型のアラミド繊維、ナイロン繊維等の脂肪族ポリアミド繊維、その他の芳香族ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、その他のポリエステル繊維、超高分子ポリエチレン、PPS繊維、ポリエーテルケトン繊維、スチール繊維、ガラス繊維、及びカーボン繊維等から選択される一種以上が挙げられる。中でも、強度及び耐アルカリ性等に優れる等の理由からアラミド繊維が好ましい。
布袋は、繊維を織った織布であってもよいし、繊維を織らずに融着、接着、又は絡ませる等の手法で布にした不織布であってもよい。また、織布と不織布とを組み合わせたものであってもよい。中でも、強度等の観点から、織布であることが好ましい。いずれにしても、布袋は、圧入施工用不定形耐火物の圧送抵抗を軽減し、かつ長距離の圧送を可能とするために、シームレスな構造をもつことが好ましい。
布袋の繊維組織の目開きの大きさは、平均繊維間距離によって表される。
平均繊維間距離Xは、布袋の目付量をA[g/m]、厚みをB[m]、真密度をC[g/m]、単繊維直径をD[μm]としたとき、X=(πBCD/4A)0.5−D[μm]と定義される。本定義式によると、Xが負にもなりえるが、本定義式はX>0の場合にのみ有効であり、X≦0となる場合は、本発明から除かれるものとする。
布袋の目付量及び厚みは、布袋を気温20℃、湿度65%の大気圧中に24時間放置した後に測定する。厚みは、ピーコック型厚み計を用い、130g/cmの一定荷重を付与した状態で測定する。
布袋の真密度は、見掛け密度と異なり、布袋の繊維組織における空隙部を除く部分の密度に相当する概念であり、JISR7601に記載の密度勾配管法によって測定する。
布袋の単繊維直径は、次の手順で求める。布袋の任意の10箇所につき、電子顕微鏡で例えば倍率2000で10枚の写真撮影を行う。1枚の写真につき、任意の10本の単繊維の直径を測定し、写真の倍率から実寸を求める。これを10枚の写真につき行う。合計100本の単繊維直径を測定し、平均値を計算する。これを布袋の単繊維直径とする。
図2に、布袋の好ましい一具体例を既に示した。この布袋3の太さは100mm、全長は7mである。布袋3の目付量は20〜900[g/m]、厚みは1〜20[mm]、真密度は0.1〜1.5[g/cm]、単繊維直径は5〜15[μm]、平均繊維間隔は40〜90[μm]である。
次に、圧入施工用不定形耐火物について説明する。
圧入施工用不定形耐火物は、難流出性球状化粉体及びそれよりも平均粒径が小さい残部の粉体よりなる耐火性粉体と、パルプ及び増粘剤を含む添加物とよりなる配合物に、施工水を加えて混練してなる。
難流出性球状化粉体とは、既述のように、球状化粉体であって、平均粒径X+50μm以上のものをいう。ここで、難流出性球状化粉体の平均粒径がX+50μm以上とは、難流出性球状化粉体を素材や粒度分布の異なる複数種の粉体で構成する場合、各粉体の平均粒径がX+50μm以上であることを意味する。
本明細書において、平均粒径とは、レーザ回折散乱式粒度分布計で測定された累積曲線の中央累積値にあたる体積平均粒径をいう。
本明細書において、球状化粉体とは、例えば、転動法、加圧成形法、高速気流衝撃法、加熱法、乾式反応法、又は湿式反応法等の処理が施された粉体であって、球形度が0.7以上のものをいう。球状化粉体の球形度は、0.8以上が好ましく、0.95以上がより好ましい。
転動法とは、粉砕粒や成形粒等の対象物を転動させることで、形状を球に近づける処理をいう。転動に伴って、粒径が大きくなる成長方式であってもよいし、次第に粒子が研磨されて粒径が小さくなる研磨方式であってもよい。本手法は、ロータリーキルン、回転ドラム、回転パン、回転水平円盤等を用いて行うことができる。
加圧成形法とは、対象物を加圧成形することで、形状を球に近づける処理をいう。本手法は、例えば、ペレタイザやブリケッタを用いて行うことができる。
高速気流衝撃法とは、高速気流中で対象粒子に衝撃を付与することで、形状を球に近づける処理をいう。本手法には、例えば、奈良機械製作所社製の衝撃処理装置(型式NHSシリーズ)等を用いることができる。
加熱法とは、対象物を火炎やプラズマ中を通過させ、溶融又は軟化させることで、形状を球に近づける処理をいう。
乾式反応法とは、粒子の原料となるガスを酸化又は凝固させることで、空気中に球状の粒子を生成させる製造法をいう。
湿式反応法とは、複数種の化合物を溶液中で反応させることで、溶液中に球状の粒子を析出させる粒子の製造法をいう。
球形度は、実体顕微鏡(例えば、ニコン社製SMZ−10)や走査型電子顕微鏡(例えば、日本電子社製JXA−8600M)で撮影した試料粒子の像を、画像解析装置(例えば、日本アビオニクス社製)に取り込み、次の要領で求める。試料粒子の像から試料粒子の投影面積Sと、周囲長Lとを測定する。円周Lの真円の面積をSとすると、試料粒子の球形度はS/Sと定義される。対象粉体中の任意の100個の粒子につき球形度を測定し、その平均値を対象粉体の球形度とする。
難流出性球状化粉体は、残部の粉体よりも平均粒径が大きい。このため、難流出性球状化粉体は、残部の粉体の粒子間の摩擦を低減するボールベアリング効果は殆ど奏さない。従来、このように球状化粉体を敢えてボールベアリング効果を奏しにくい粒度域に配合することは、通常試みられることではない。
但し、難流出性球状化粉体は、形状が球状化されているため、それ自身流動性が良好である。難流出性球状化粉体は、その平均粒径がX+50μmと布袋の平均繊維間距離より大きいため、その大部分は布袋から流出することなく、布袋内に留まって流動性向上の効果をいかんなく発揮することができる。
なお、平均粒径がXμm以上であれば布袋から流出しにくいが、難流出性を確実に得るために平均粒径をX+50μmとする。難流出性をいっそう確実なものとするには、平均粒径X+80μm以上が好ましく、X+100μm以上がより好ましい。このように難流出性球状化粉体の平均粒径を大きくしても、残部の粉体との組み合わせにより、耐火性粉体に密充填構造をもたせることができる。
但し、難流出性球状化粉体の最大粒径は、X+1000μm以下に抑えることが好ましい。これにより、難流出性球状化粉体が粗くなりすぎることを防止し、例えば、布袋が湾曲した部分においても、詰りの発生率をより確実に低減できる。また、耐火物組織の緻密化にも寄与する。
一具体例として、布袋の平均繊維間距離が40〜90μmである場合、難流出性球状化粉体の平均粒径を180μm以上、さらには210μm以上とし、最大粒径を1000μmとすることが好ましい。
難流出性球状化粉体の配合量は、耐火性粉体100質量%に占める割合で40〜90質量%とする。ボールベアリング効果によらずに流動性向上の効果を得るには、耐火性粉体の大部分を難流出性球状化粉体で構成することが必要である。40質量%未満であると、流動性向上の効果が不充分となって詰りが発生しやすい。90質量%を超えると、残部の粉体が少なすぎ、適切な粒度構成が得られず、耐火物組織の緻密化が損なわれる。
残部の粉体は、難流出性球状化粉体より平均粒径が小さいものとする。このため、残部の粉体は、主に難流出性球状化粉体の粒子間を埋めるマトリックスとして、耐火物組織の緻密化に寄与する。
仮に、残部の粉体の平均粒径を難流出性球状化粉体より大きくした場合、ボールベアリング効果は得られるが、難流出性球状化粉体の平均粒径に下限値を定めた関係上、耐火性粉体全体が粗くなりすぎて耐火物組織の緻密さが損なわれやすくなる。
本明細書おいて、残部の粉体の平均粒径が難流出性球状化粉体より小さいとは、残部の粉体を素材や粒度分布の異なる複数種の粉体で構成する場合、各粉体の平均粒径が難流出性球状化粉体の平均粒径より小さいことを意味する。ここでいう難流出性球状化粉体の平均粒径とは、難流出性球状化粉体を複数種の粉体で構成する場合、最も平均粒径が小さい粉体の平均粒径を指す。
残部の粉体は、球状化粉体で構成してもよいし、球状化処理されていない粉体(以下、非球状化粉体という。)で構成してもよいし、両者の組み合わせで構成してもよい。
本明細書において、非球状化粉体とは、球形度が0.7未満の粒子をいう。
残部の粉体は、平均粒径が難流出性球状化粉体より小さいため、難流出性球状化粉体に優先して布袋の繊維組織の開き目に入り込む。非球状化粉体である残部の粉体は、その粒子形状から、球状化粉体に比べると布袋の繊維組織に引っ掛かりやすく、パルプと共に布袋の繊維組織の開き目を塞ぐ効果を発揮しうる。この理由から、残部の粉体に使用する非球状化粉体の球形度は、0.5未満であることが好ましい。
残部の粉体の、布袋からの流出を防止するためには、残部の粉体100質量%中、50質量%以上、好ましくは70質量%以上が非球状化粉体であることが好ましい。
以上説明した難流出性球状化粉体及び残部の粉体の素材としては、例えば、電融アルミナ、焼結アルミナ、ボーキサイト、ダイアスポア、ばん土頁岩、及び仮焼アルミナ等のアルミナ質原料、珪石、珪砂、無定形シリカ(例えば、マイクロシリカ、シリカフラワー、ヒュームドシリカ、ホワイトカーボン)等のシリカ質原料、蝋石、シャモット、粘土、焦宝石、アンダリュサイト、シリマナイト、カイヤナイト、ムライト等のアルミナシリカ質原料、石炭、コークス、ピッチ、人造黒鉛、天然黒鉛(例えば、鱗状黒鉛、土状黒鉛)、カーボンブラック等の炭素質原料、電融スピネル、焼結スピネル等のスピネル質原料、マグネシアクリンカー等のマグネシア質原料、ドロマイトクリンカー等のドロマイト質原料、電融ジルコニア等のジルコニア質原料、ジルコンサンド等のジルコン質原料、窒化珪素質原料、窒化アルミニウム質原料、炭化珪素質原料、炭化硼素質原料、硼化チタン質原料、及び硼化ジルコニウム質原料等から選択される一種以上を用いることができる。
パルプは、木材その他の植物体を機械的又は化学的な処理でほぐして得られる繊維である。パルプは、他の有機繊維に比べると施工水に対する濡れ性及び分散性に劣り、凝集してだまになりやすいため、耐火性粉体の偏析を防止する効果は小さいという欠点をもつ。しかし、本発明では、パルプのこの凝集しやすい特性を利用し、凝集したパルプが布袋の繊維組織の開き目に詰ってこれを塞ぐ効果を発揮する。
パルプとしては、JISP8121に規定するろ水度が、500ml以上のものが好ましく、600ml以上のものがより好ましい。ろ水度とは、保水性の指標であり、その値が小さい程、保水性が高いことを示す。ろ水度500ml以上のパルプは疎水性が高いため、だまとなって布袋の繊維組織の開き目を閉塞する効果が大きい。
パルプの添加量は、耐火性粉体100質量%に対する外かけで0.01質量%以上とする。0.01質量%未満であると、パルプによる上記効果が殆ど得られない。パルプの添加量の上限は、例えば外かけで0.5質量%である。
パルプの単繊維の長さは0.3〜20mmであることが好ましく、直径は1〜30μmであることが好ましい。
増粘剤としては、水溶性高分子、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、リグニンスルホン酸、無水マレイン酸−イソブチレンコポリマー、アルギン酸、山芋澱粉やタロ芋澱粉等の澱粉、デキストリン、サンザンガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ウェラガム、及びアラビヤゴム等から選択される一種以上の粉末を用いることができる。
増粘剤は、混練時に施工水を取り込んで膨潤し、圧入施工用不定形耐火物の粘性を高めることにより、耐火性粉体の偏析を防止する効果だけでなく、布袋の繊維組織の開き目からの施工水や残部の粉体の流出を適度に抑制する効果ももつ。この後者の効果は、パルプによって布袋の繊維組織の開き目が塞がれている場合に特に顕著となる。
増粘剤とパルプとの組み合わせにより、布袋からの施工水及び残部の粉体の流出を適度に抑制でき、かつ仮に施工水が多少流出したとしても、耐火性粉体の大部分が難流出性球状化粉体で構成されているため、大きな流動性の低下が起こりにくい。このため、詰りの発生を抑制できる。施工水の添加量を増量しなくても、詰りを防止できるため、得られる耐火物組織の緻密さが損なわれにくい。
増粘剤の添加量は、耐火性粉体100質量%に対する外かけで0.03質量%以上とする。0.03質量%未満であると、増粘剤による上記効果が殆ど得られない。増粘剤の添加量の上限は、例えば外かけで1質量%である。
添加物としては、上述したパルプ及び増粘剤以外にも、例えば、結合剤、分散剤、硬化時間調整剤、及びパルプ以外の繊維等から選択される一種以上を用いることができる。但し、本明細書において、添加物の概念からは、耐火性粉体は除かれる。
結合剤としては、例えば、アルミナセメント、水硬性遷移アルミナ、ケイ酸塩、及びリン酸塩等から選択される1種以上を用いることができる。中でも、アルミナセメントが好ましい。結合剤を使用する場合、その添加量は、耐火性粉体100質量%に対する外かけで、例えば、1〜25質量%が好ましい。
但し、本圧入施工用不定形耐火物において結合剤は必須ではない。圧入施工用不定形耐火物は、布袋内に納められるため、布袋が圧入施工用不定形耐火物に目地形状に対応した保形性を付与するからである。
また、耐火性粉体(特に残部の粉体)に、例えば、マグネシア質原料とシリカ質原料とを組み合わせると、結合剤を使用しなくても、両者の反応による水硬性が得られる。この場合のマグネシア質原料としては、電融若しくは焼結マグネシア、又は水酸化マグネシウムや炭酸マグネシウムを焼成した活性マグであって粒径75μm以下のものが好ましい。シリカ質原料としては、無定形シリカであって粒径は10μm以下のものが好ましい。
分散剤としては、例えば、トリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ウルトラポリリン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ等のアルカリ金属リン酸塩、ポリカルボン酸ソーダ等のポリカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、芳香族スルホン酸塩、ポリアクリル酸ソーダ、及びスルホン酸ソーダ等から選択される一種以上を用いることができる。その添加量は、耐火性粉体100質量%に対する外かけで0.01〜1質量%が好ましい。
硬化時間調整剤には、硬化促進剤と硬化遅延剤とがある。硬化促進剤としては、例えば、消石灰、塩化カルシウム、アルミン酸ソーダ、及び炭酸リチウム等から選択される一種以上を用いることができる。硬化遅延剤としては、例えば、ホウ酸、クエン酸、炭酸ソーダ、及び砂糖等から選択される一種以上を用いることができる。
パルプ以外の繊維としては、例えば、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、SML繊維等が挙げられる。上述のように、パルプはだまになりやすいため、偏析防止効果が小さい。そこで、パルプ以外の繊維を併用することで、偏析防止効果を補うことができる。
施工水の添加量は、耐火性粉体100質量%に対する外かけで4〜20質量%が好ましい。布袋からの施工水の染み出しを見越して、耐火物組織の緻密さが損なわれない程度に若干多めに施工水を添加しても、増粘剤の増粘効果により、圧入施工用不定形耐火物の腰が弱くなりすぎて圧送が困難化することを防止できる。
表1及び2に、実施例及び比較例の構成と試験結果とを示す。以下、表1及び2の項目について説明する。
まず、試験結果の項目について説明する。
圧送前フロー値とは、耐火性粉体と添加物とよりなる配合物を約20℃の工業用水で混練した直後のフロー値である。フロー値とは、JISR5201に規定するコーンに圧入施工用不定形耐火物を充填し、コーンを上方に抜き取って30秒間静置したときの、圧入施工用不定形耐火物の拡がり直径をいう。
圧送によるフロー値の低下量とは、圧送前フロー値から圧送後フロー値を引いた値である。圧送後フロー値とは、圧入施工用不定形耐火物を、内径100mm、長さ20mの両端が開いた直管状布袋内を0.3〜0.5MPaで圧送した直後のフロー値である。
直管状布袋には、パラ型のアラミド繊維を用いて構成されたシームレスな織布(帝人株式会社製「テクノーラ」(登録商標))を用いた。かかる布袋の目付量は80[g/m]、厚みは3[mm]、真密度は1.39[g/cm]、単繊維直径は12[μm]、平均繊維間距離は65μmである。
施工体組織の緻密さは、見掛け気孔率で評価した。見掛け気孔率は、上述した直管状布袋内を圧送した直後の圧入施工用不定形耐火物を、内寸40mm×40mm×80mmの型に流し込み、20℃で24時間放置後に脱型し、次に110℃で24時間乾燥した試験片につき、JISR2205の規定に従って測定した。
◎は見掛け気孔率が15%未満、○は見掛け気孔率が15%以上20%未満、△は見掛け気孔率が20%以上25%未満、×は見掛け気孔率が25%以上である。目地用の耐火物として、◎、○、及び△は許容範囲であり、×は好ましいとはいえない。
圧入テストは、以下の要領で行った。
図3に、図2の布袋付きステーブを模したモデルの正面図を示す。正面視で1×2.5mの四角形状の枠体4の側面に沿って、布袋5が巻き付けられてなる。スクイズポンプを用い、圧入施工用不定形耐火物を始端5aから0.3〜0.5MPaで圧入する。布袋5は、上記直管状布袋と同一の素材、目付量、厚み、真密度、単繊維直径、平均繊維間距離X、及び内径をもつ。
圧入施工用不定形耐火物が、第1〜第4コーナ5b〜5eを通過して、終端5fに到達した場合を○、始端5aから終端5fまでの間で詰りが発生した場合を×とした。
次に、耐火性粉体及び添加物の項目について説明する。
焼結アルミナAは、ロータリーキルンを用いた転動法で球状化処理した球形度0.95の球状化粉体である。その平均粒径は210μm、即ちX+145μmであるため、難流出性球状化粉体に該当する。
焼結アルミナBは、ロータリーキルンを用いた転動法で球状化処理した球形度0.9の球状化粉体である。その平均粒径は95μm、即ちX+30μmである。
ボーキサイトAは、粉砕品であり、非球状化粉体に該当する。その平均粒径は95μm、即ちX+30μmである。
ボーキサイトBは、粉砕品であり、非球状化粉体に該当する。その平均粒径は200μm、即ちX+135μmである。
シリカフラワーは、乾式反応法で得た球形度0.96の球状化粉体である。その平均粒径0.7μmである。
結合剤にはアルミナセメントを用い、増粘剤にはメチルセルロースを用い、分散剤にはトリポリリン酸ソーダを用いた。パルプには、ろ水度740ml以上のものを用いた。
Figure 0004981824
Figure 0004981824
実施例1〜9は、いずれも施工体組織の緻密さの点で、優れるか又は許容範囲である。また、比較例1〜11に比べて、圧送によるフロー値の低下量が小さい。これは、圧送の過程で、布袋からの施工水の染み出しが適度に抑えられたことを意味する。実際、どの実施例も圧入テストに成功した。
難流出性球状化粉体(焼結アルミナA)の割合が高くなるに従い、圧送前フロー値が大きくなることから、難流出性球状化粉体による流動性向上の効果が認められる。また、難流出性球状化粉体の割合が高くなるに従い、圧送によるフロー値の低下量が小さくなることから、耐火性粉体の大部分が難流出性球状化粉体で構成されている程、流動性の低下が抑えられることが分かる。
一方、難流出性球状化粉体の割合が高くなると、耐火物組織の緻密さが損なわれる傾向が認められる。耐火物組織の緻密さと流動性との兼ね合いを考慮すると、難流出性球状化粉体の割合は40〜70質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
比較例1は、難流出性球状化粉体(焼結アルミナA)の配合量が35質量%と本発明規定の下限値(40質量%)を下回る。このため、圧送前フロー値が小さく、圧送によるフロー値の低下量が大きい。圧入テストでは、図3の第1コーナ5bで詰りが発生した。
比較例2は、難流出性球状化粉体に代えて、平均粒径がX+30=95μmと本発明規定の下限値(X+50μm)より小さい球状化粉体(焼結アルミナB)を用い、これに平均粒径の大きい非球状化粉体(ボーキサイトB)を組み合わせたものである。焼結アルミナB及びシリカフラワーがボールベアリング効果を発揮するため、圧送前フロー値は必ずしも不充分でない。しかし、非球状化粉体を主体としており、かつ球状化粉体である焼結アルミナB及びシリカフラワーが布袋から流出しやすいため、圧送によるフロー値の低下量が大きい。圧入テストでは、図3の第2コーナ5cで詰りが発生した。
比較例3は、平均粒径の大きな非球状化粉体(ボーキサイトB)を主体とし、これに平均粒径の小さな非球状化粉体(ボーキサイトA)を組み合わせたものである。圧送前フロー値が小さく、圧送によるフロー値の低下量が大きい。圧入テストでは、図3の第1コーナ5bで詰りが発生した。
比較例4は、施工水の添加量を15質量%とした以外は比較例1と条件を等しくしたものである。圧送前フロー値は充分だが、圧送によるフロー値の低下量が大きい。圧入テストでは、図3の第2コーナ5cで詰りが発生した。難流出性球状化粉体の配合量が少ないと、単に施工水を増やしても、良好な圧送特性は得られにくいことが分かった。
なお、比較例4と1とで圧送前フロー値の差は45mmと大きい。一方、実施例7と3とで圧送前フロー値の差は27mmと小さい。即ち、同じ量(ここでは5質量%)の施工水が流出した場合であっても、難流出性球状化粉体の配合量が本発明規定を満たしていれば、流動性の低下が小さい。
比較例5は、施工水の添加量を23質量%とした以外は比較例1と条件を等しくしたものである。圧送前フロー値が大きく、圧入テストには成功したが、施工水が多いため、施工体組織の緻密さに劣る。
比較例6は、増粘剤を添加していない点以外は、実施例3と条件を等しくしたものである。圧送前フロー値は良好だが、圧送によるフロー値の低下量が大きい。圧送の過程で袋体からの施工水の流出が比較的多いことが認められた。圧入テストでは図3の第3コーナ5dで詰りが発生した。
比較例7は、パルプを添加しない点以外は、実施例3と条件を等しくしたものである。比較例6と同様、圧送前フロー値は良好だが、圧送によるフロー値の低下量が大きい。圧入テストでは図3の第3コーナ5dで詰りが発生した。
比較例8は、増粘剤及びパルプを添加しない点以外は、実施例3と配合条件を等しくしたものである。比較例6及び7と同様、圧送前フロー値は良好だが、圧送によるフロー値の低下量が極めて大きい。圧入テストでは図3の第2コーナ5cで詰りが発生した。
比較例8の圧送によるフロー値の低下量が、比較例6と7での圧送によるフロー値の低下量の和より大きいことは、増粘剤とパルプとの組み合わせによる相乗効果を表す。
比較例9〜11は、パルプに代えて、それぞれビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維を用いた以外は、実施例3と条件を等しくしたものである。いずれも圧送前フロー値は良好だが、圧送によるフロー値の低下量が大きい。また、圧送の過程で、布袋からの施工水の染み出しが比較的多いことが認められた。これは、パルプ以外の有機繊維、特に合成繊維は、施工水への分散性がよい反面、施工水と共に布袋から流出しやすいため、布袋の繊維組織の開き目を適度に閉塞する効果が殆ど得られなかったためと考えられる。いずれも圧入テストでは、図3の第2コーナ5cで詰りが発生した。
以下、他の実施例として、実機使用結果について説明する。
高炉の炉胸部にて、24枚の損耗したステーブを図2の布袋付きステーブに取替え、各布袋付きステーブの布袋に、表2の比較例1の圧入施工用不定形耐火物を圧入した。24枚の布袋付きステーブのうち14枚に対しては圧入に成功し、残余の10枚に対して布袋の詰り又は布袋の破損が発生した。即ち、圧入の成功率は約60%であった。
同様に、32枚の損耗したステーブをそれぞれ図2の布袋付きステーブに取替え、各布袋付きステーブの布袋に、表1の実施例3の圧入施工用不定形耐火物を圧入した。32枚の布袋付きステーブのうち30枚に対して圧入に成功し、残余の2枚について詰りが発生した。即ち、本発明実施例によると、圧入の成功率は約94%であり、従来よりも、圧入の成功率を高めることができた。
以上、本発明の具体例について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、種々の組み合わせ及び改良が可能なことは当業者に自明であろう。
本発明は、例えば、高炉、熱風炉、コークス炉、転炉、平炉、RH式若しくはDH式の脱ガス炉、溶銑鍋や溶鋼鍋等の溶融金属容器、混銑車等の工業炉の新設又は補修において工業炉内面の目地となる間隙の閉塞に利用することができる。特に、本発明は、高炉内面に配列されるステーブ間の目地となる間隙の閉塞に好ましく利用することができる。
1…ステーブ、2…目地、3…布袋、3a…一端(終端)、3b…他端(始端)、4…枠体、5…布袋、5a…始端、5b…第1コーナ、5c…第2コーナ、5d…第3コーナ、5e…第4コーナ、5f…終端。

Claims (4)

  1. 工業炉内面の目地となる間隙に配置された気液透過性をもつ筒状の布袋に圧入され、前記布袋を膨張させることにより、前記間隙を閉塞する圧入施工用不定形耐火物であって、前記布袋の平均繊維間距離をXμmとしたとき、平均粒径X+50μm以上の球状化処理された粉体が40〜90質量%を占め、残部は前記球状化処理された粉体よりも平均粒径が小さい粉体よりなる耐火性粉体と、前記耐火性粉体に対する外かけ0.01質量%以上の量のパルプと、前記耐火性粉体に対する外かけ0.03質量%以上の量の増粘剤とを含む配合物に、施工水を加えて混練してなる圧入施工用不定形耐火物。
    但し、前記平均繊維間距離Xは、前記布袋の目付量をA[g/m]、厚みをB[m]、真密度をC[g/m]、単繊維直径をD[μm]としたとき、(πBCD/4A)0.5−D[μm]と定義される。
  2. 前記布袋の平均繊維間距離が40〜90μmであり、前記球状化処理された粉体の平均粒径が180μm以上である請求項1に記載の圧入施工用不定形耐火物。
  3. 前記球状化処理された粉体の最大粒径がX+1000μm以下である請求項1又は2に記載の圧入施工用不定形耐火物。
  4. 前記布袋が、アラミド繊維を用いて形成されたシームレスな織布よりなる請求項1〜3のいずれかに記載の圧入施工用不定形耐火物。
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