JP3803740B2 - ガス吹き込み用耐火物の製造方法 - Google Patents

ガス吹き込み用耐火物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガス吹き込み用耐火物の製造方法に関し、さらに言えば、例えば、溶鋼の撹拌や溶鋼の清浄化等のために使用されるポーラスプラグに好適に使用されるガス吹き込み用耐火物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、取鍋の底部に配置された通気性耐火物を通してアルゴンガス等を溶鋼の中に吹き込んで、溶鋼の撹拌、溶鋼温度の均一化、合金成分の均一分散化、非金属介在物の浮上除去等を行ういわゆる取鍋精錬が多く行われるようなってきた。取鍋底部に配置されるこのガス吹き込み用通気性耐火物は、「ポーラスプラグ」と呼ばれる。一般的には、球状に造粒されたアルミナ原料や塊状のアルミナ原料を主な骨材として用い、それにアルミナ、シリカ、粘士等の微粉を添加・混練して所定形状に成形した後、大気中で焼成して製造されている。
【0003】
このガス吹き込み用耐火物に要求される性能は、使用条件が変化してもガス吹き特性が安定していること、耐用期間が長いことなどである。このうち最も重要な性能は、ガス吹き特性の安定性である。それは、使用中にガス吹き特性が劣化すると、いわゆるバブリング不良となり、その結果、鋼の品質低下を招いたり、溶鋼の入れ替え等により操業に重大な支障をきたしたりするからである。
【0004】
このバブリング不良は、特定のガス吹き込み用耐火物を使用した場合に必ず発生するというものではなく、不定期に種々の条件下で発生する。ガス吹き込み用耐火物を用いる取鍋精錬の方法としては、CAS処理、LF処理等があるが、それらの中では、例えばCAS処理のようにガス吹き回数、滞湯時間、添加合金種、溶鋼温度等の操業条件の変動が大きい処理方法でバブリング不良の発生確率が高い。
【0005】
一般に、バブリング不良には二つの形態がある。
【0006】
第一の形態は、溶鋼およびスラグがガス吹き込み用耐火物に浸潤するために起こるものである。この場合には、ガスの流出(吹き込み)自体が停止したり、吹き込まれるガスの流量が基準値よりも少なくなったりする。
【0007】
第二の形態は、ガス吹き込み用耐火物の外周面に装着された補強用耐火物(アウターリング)に発生した亀裂を介してガスがリークするために発生するものである。この場合には、吹き込まれるガスの流量は基準値に達しているが、ガス吹き込み用耐火物を通してガスが放出されるのではないため、溶鋼の撹拌などの所望の機能が果たせなくなる。その結果、スラグの除かれた溶鋼部分(「ボウズ」と呼ばれる)に対して所望の処理が行えなくなる。
【0008】
これら二つの形態のうち、第一の形態の方が発生確率が高いため、その形態のバブリング不良を防止する方策がより強く求められている。
【0009】
第一の形態のバブリング不良は、ガス吹き込み用耐火物の先端部に溶鋼およびスラグが浸潤して浸潤層が形成され、その浸潤層がガスの吹き出しの障害となることによって発生することが判明している。よって、第一の形態のバブリング不良を防止するには溶鋼およびスラグの浸潤を防止すればよく、そのためには、気孔径を小さくして鋼およびスラグの浸潤自体を抑制することが考えられる。しかし、そうするとガスの所要流量を確保できなくなる。
【0010】
このような理由から、気孔径を制御することによって溶鋼・スラグの浸潤を防止することは困難であり、他の方法でバブリング不良を防止することが必要となる。
【0011】
実公平6−38107号公報には、「プラグ本体とスリーブとの間に多孔質の目地層を設け、その通気性をプラグ本体のそれよりは低くしたことを特徴とするポーラスプラグ」が開示されている。
【0012】
この従来のポーラスプラグでは、プラグ本体(すなわち、ガス吹き込み用耐火物)が目地層を介してスリーブ(すなわち、アウターリング)に支持されている。使用中にプラグ本体の先端部に溶鋼・スラグの浸潤層が形成されると、ガスはプラグ本体から放出されなくなり、代わりにプラグ本体より通気性の低い目地層から放出されるようになる。
【0013】
目地層からガスが溶鋼中に放出されると、目地層の近傍の溶鋼が撹拌されて溶鋼の流動が激しくなり、目地層の溶損が進行する。その結果、プラグ本体と目地層との間に隙間が形成される。その隙間には溶鋼が入り込み、プラグ本体と浸潤層の接合部の近傍を浸食する。浸潤層は、この浸食によりプラグ本体から剥離しやすくなるので、吹き込み用ガスの圧力によってプラグ本体から容易に剥離し、プラグ本体の通気が回復する。こうしてバブリング不良を防止できる。
【0014】
実開昭62−70158号公報には、「プラグ本体の内部中央部に、平面積が同一若しくは使用面から非使用面に行くに従って漸次小さくなるような薄層状の空隙部の複数個を、使用面と平行に且つ多段的に設けたことを特徴とするガス吹込み用ポーラスプラグ」が開示されている。
【0015】
この従来のポーラスプラグでは、プラグ本体(すなわち、ガス吹き込み用耐火物)に設けられた薄層状の空隙部により、プラグ本体に形成された浸潤層を容易に剥離させることができる。そのため、使用中にプラグ本体の通気が回復して、バブリング不良が防止される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のポーラスプラグでは、次のような問題がある。
【0017】
実公平6−38107号公報に開示されたポーラスプラグでは、目地層からガスを放出するために、目地層内部に存在する気孔が開気孔で且つそれぞれの気孔が連通している必要がある。ところが、当該公報にはこの目地層が耐火性モルタルからなると開示されているだけで、その気孔の具体的な形成方法は示されていない。
【0018】
また、実際に使用する際には、取鍋内に充填された高さ数メートルの溶鋼からの圧力がプラグ本体(ガス吹き込み用耐火物)の先端のガス放出面に印加されるが、この状況下でどの程度の通気率であれば目地層からガスが放出可能であるかについても、当該公報には示されていない。
【0019】
したがって、実公平6−38107号公報に開示されたポーラスプラグの実用化は極めて困難であると言わざるを得ない。
【0020】
仮に何らかの方法で目地層からガスが放出されたとしても、目地層に生じた溶損がプラグ本体(ガス吹き込み耐火物)内部にまで到達するには多大の時間が必要であるから、通気の回復が図れるまでには相当の時間を要すると推測される。このように、実公平6−38107号公報に開示されたポーラスプラグでは、十分なバブリング不良の防止機能が得られないという問題がある。
【0021】
実開昭62−70158公報に開示されたポーラスプラグでは、プラグ本体(ガス吹き込み用耐火物)内部に薄層状の空隙部を設けるために、成形時に複数の可燃性物質を等間隔に入れながら充填し、且つ焼成工程でその可燃性物質を焼失させる必要がある。しかしながら、このような作業自体、生産性が非常に悪いものであるだけでなく、焼成時に空隙部から発生する亀裂により歩留りが低下するため、製造コストが高くなるという問題が生じる。
【0022】
そこで、この発明の目的は、バブリング不良を防止する機能に優れたガス吹き込み用耐火物を低コストで製造できるガス吹き込み用耐火物の製造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
(1) この発明のガス吹き込み用耐火物の製造方法は、アルミナ粒子65〜80wt%と粒径0.3〜2mmの未安定化ジルコニア粒子15〜30wt%とを骨材原料として用い、残部をシリカ微粉、アルミナ微粉、粘土微粉および酸化クロム微粉からなる群から選ばれる少なくとも一種の微粉原料とした耐火物原料を生成する工程と、前記耐火物原料に結合剤を添加・混練して成形体原料を生成する工程と、前記成形体原料を所定形状に成形して成形体を得る工程と、前記成形体を大気中で焼成して前記ジルコニア粒子の周囲に微細なクラックが形成された焼結体を得る工程とを備えてなることを特徴とする。
【0024】
(2) この発明のガス吹き込み用耐火物の製造方法では、骨材原料として、アルミナ粒子65〜80wt%に加えて粒径0.3〜2mmの未安定化ジルコニア粒子15〜30wt%を使用する。未安定化ジルコニアには、1000℃付近の温度で異常膨張・収縮する性質があるため、アルミナ粒子との熱膨張率の差により、焼成工程において焼結体内部のジルコニア粒子の周囲に微細なクラック(以下、マイクロクラックと称する)が生成される。このマイクロクラックは、この発明のガス吹き込み用耐火物の表面に溶鋼・スラグの浸潤層が形成された場合にこれを容易に剥離させる作用を持つ。
【0025】
すなわち、使用中に、この発明のガス吹き込み用耐火物の表面に溶鋼・スラグの浸潤層が形成されると、その耐火物の通気性が損なわれ、その結果、耐火物内部のガス圧力が上昇する。このガス圧力によってマイクロクラックが成長する。特に、通気性を妨げている浸潤層の近傍ではガスが溜まり易くなっているので、マイクロクラックの成長が著しくなる。このため、浸潤層の近傍では、耐火物の機械強度が極端に劣化し、機械強度がガスの圧力に抗しきれなくなった時点で浸潤層が剥離する。
【0026】
このようにして浸潤層が剥離することで通気が回復する。再び浸潤層が形成されても、マイクロクラックの成長から浸潤層の剥離までの過程が繰り返されるので、常に安定した通気性が確保され、バブリング不良を防ぐことができる。
【0027】
この発明のガス吹き込み用耐火物では、マイクロクラックの成長が浸潤層の形成による通気性の劣化と直接的に関わっており、通気性の劣化の進行に追随してマイクロクラックの成長が進行する。よって、浸潤層の形成から剥離に至るまでの時間が短くて済む。このため、通気の回復が迅速になされることとなり、優れたバブリング不良の防止機能が得られる。
【0028】
また、例えば実開昭62−70158号公報に開示された技術のような複雑な構造を必要としないので、製造コストを低く抑えることができる。
【0029】
(3) 前記ジルコニア粒子の配合量は、前記耐火物原料の15〜30wt%の範囲であることが好ましい。ジルコニア粒子の添加量を15wt%未満とすると、ジルコニア粒子はアルミナ粒子に比べて比重が大きく分散性が低いので、前記焼結体の組織内に良好に分散されず、そのためにマイクロクラックの進展による浸潤層の剥離が十分に行われない。
【0030】
他方、前記ジルコニア粒子の添加量が30wt%を超えると、マイクロクラックが前記焼結体の組織内に過剰に発生して機械的強度の低下を招くので、溶鋼流と接触して生じる摩耗による損傷が大きくなる。また、ジルコニア原料は比重が大きいためハンドリング性が悪化したり、原料価格が高いために製造コストが高くなる。30wt%以下とすることで、それらを実用上問題ない程度にすることができる。
【0031】
前記ジルコニア粒子の粒径の好ましい範囲は、0.3〜2mmである。ジルコニア原料の粒度が0.3mm未満であると、焼結体(耐火物)の気孔径が小さくなり過ぎるので、要求されるガス流量を確保することが困難になる。他方、2mmを超えると、前記骨材の構成粒子同士によって形成される空隙が過大となるため、溶鋼およびスラグの浸潤が容易となり、その結果、浸潤層が厚くなり過きて吹き込まれるガスの圧力によって剥離し難くなる。
【0032】
前記ジルコニア粒子としては、未安定化ジルコニア粒子が使用される。一般に、ジルコニア原料にはその結晶形の違いから、未安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア、および安定化ジルコニアがある。ジルコニア粒子とアルミナ粒子との熱膨張差によってマイクロクラックを効果的に生じさせるには、それらの熱膨張量の差が十分大きいことが必要である。このため、結晶の相変態による異常膨張・収縮が起こる単斜晶系の結晶構造を持つ未安定化ジルコニアの粒子が用いられる。
【0033】
(4) 前記骨材原料として、未安定化ジルコニア粒子の他にアルミナ粒子を使用するのは、アルミナ粒子が耐食性と耐スポール性のバランスに優れているからである。
【0034】
使用されるアルミナ粒子の種類に特に限定はなく、電融アルミナ原料、焼結アルミナ原料、球状に造粒された球状アルミナ原料等、何れを使用しても良い。
使用されるアルミナ粒子は、粒径0.3〜1mmの球状粒子であるのが好ましい。粒径が0.3mm未満であると、気孔径分布が小さくなって必要なガス流量が確保できなくなるからである。また、粒径が1mmを越えると、気孔径分布が大きくなって浸潤層が厚くなり、その結果、浸潤層が剥離しなくなるからである。
使用されるアルミナ粒子を球状粒子とするのは、塊状粒子に比べて充填性に優れると共に気孔径分布がシャープになるため、ガス流量の確保と溶鋼の浸潤の抑制についてのバランスを良好にすることができるからである。
【0035】
(5) 前記骨材原料以外の部分すなわち残部は、シリカ微粉、アルミナ微粉、粘土微粉および酸化クロム微粉からなる群から選ばれる少なくとも一種の微粉原料とされる。
【0036】
シリカ微粉、アルミナ微粉、および粘土微粉は、焼結を促進する作用を持つ。粘土微粉は、耐火物に可塑性を与える作用をも持つ。酸化クロム微粉は、溶鋼に濡れ難くして耐浸潤性を高める作用を持つので、浸潤層が形成されるのを防ぐことができ、バブリング不良を防止する上で効果的である。
【0039】
(6) 前記結合剤としては、任意のものを使用できる。例えば、リグニン、燐酸アルミニウム水溶液などが好適である。
【0040】
(7) 前記成形工程は、特に制限されない。例えば、油圧プレスやフリクションプレスといった一軸加圧式の成形工程などが好適である。
【0041】
(8) 前記焼成工程を大気中で行うのは、焼成雰囲気を制御すると設備費やランニングコストが相当に高くなることと、使用する主原料がいずれも酸化物であるために特に雰囲気を制御する必要がないことによる。
【0042】
前記焼成工程では、前記ジルコニア粒子の周囲に適当な微細なクラックが形成された焼結体が得られるように焼成温度が設定される。好ましい温度範囲は、1500〜1850℃である。1500℃未満であれば、粒子の焼結が十分に進まず、必要な強度が得られないからである。また、1850℃を越えると、過焼結となり、強度が上がりすぎて耐スポール性が低下するからである。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を具体的実施例に基づいて説明する。
【0044】
(実施例1)
骨材原料として、粒径0.5〜2mmの安定化剤を含まない単成分からなるジルコニア(未安定化ジルコニア)粒子16wt%および粒径0.3〜1mmのアルミナ球状粒子75wt%を配合し、さらにアルミナ微粉3wt%、シリカ微粉2wt%、粘士微粉2wt%、および酸化クロム微粉2wt%を添加して耐火物原料を生成した。次に、その耐火物原料に適量の有機バインダー(結合剤)(例えばリグニン)を加え、ウェットパンを用いて混練して成形体原料を生成した。その後、この成形体原料を所定形状に成形し、乾燥して成形体を作製した。最後に、この成形体を大気中で1700℃で焼成し、この発明のガス吹き込み用耐火物を得た。
【0045】
このようにして得られたガス吹き込み用耐火物から直径50mm×高さ50mmの円柱形テストピースを作製し、見掛気孔率、圧縮強度および通気率を測定した。その結果、見掛け気孔率は25.8%、圧縮強度は65.2MPa、通気率は1.69cm3・cm/cm2・sec・cmH2Oであった。
【0046】
また、実機試験として、こうして得られたガス吹き込み用耐火物を250tonの取鍋に取り付けてからCAS処理法を実行し、ガス吹き不良の有無、使用可能な回数を確認した。その結果、バブリング不良は発生せず、摩耗も少ないため10回の使用に耐えた。
【0047】
(実施例2)
配合割合を未安定化ジルコニア粒子20wt%、アルミナ球状粒子72wt%、アルミナ微粉3wt%、シリカ微粉2wt%、粘士微粉1wt%、および酸化クロム微粉2wt%とした以外は、実施例1と同じ条件でガス吹き込み用耐火物を作製した。
【0048】
この耐火物から実施例1と同様に直径50mm×高さ50mmの円柱形テストピースを作製し、見掛気孔率、圧縮強度および通気率を測定したところ、見掛け気孔率は25.2%、圧縮強度は67.5MPa、通気率は1.61cm3・cm/cm2・sec・cmH2Oであり、実施例1と同等であった。
【0049】
作製したガス吹き込み用耐火物を用いて実施例1と同様の実機試験を行ったところ、バブリング不良は発生せず、11回の使用に耐えた。
【0050】
(実施例3)
粘土微粉を添加せずに、配合割合を未安定化ジルコニア粒子28wt%、アルミナ球状粒子66wt%、アルミナ微粉3wt%、シリカ微粉1wt%、および酸化クロム微粉2wt%とした以外は、実施例1と同じ条件でガス吹き込み用耐火物を作製した。
【0051】
この耐火物から実施例1と同様に直径50mm×高さ50mmの円柱形テストピースを作製し、見掛気孔率、圧縮強度および通気率を測定したところ、見掛け気孔率は24.6%、圧縮強度は71.1MPa、通気率は1.50cm3・cm/cm2・sec・cmH2Oであり、実施例1と同等であった。
【0052】
作製したガス吹き込み用耐火物を用いて実施例1と同様の実機試験を行ったところ、バブリング不良は発生せず、10回の使用に耐えた。
【0053】
(実施例4)
粘土微粉を添加せずに、配合割合をジルコニア粒子25wt%、アルミナ球状粒子68wt%、アルミナ微粉3wt%、シリカ微粉2wt%、および酸化クロム微粉2wt%とした以外は、実施例1と同じ条件でガス吹き込み用耐火物を作製した。
【0054】
この耐火物から実施例1と同様に直径50mm×高さ50mmの円柱形テストピースを作製し、見掛気孔率、圧縮強度および通気率を測定したところ、見掛け気孔率は24.9%、圧縮強度は69.4MPa、通気率は1.56cm3・cm/cm2・sec・cmH2Oであり、実施例1と同等であった。
【0055】
作製したガス吹き込み用耐火物を用いて実施例1と同様の実機試験を行ったところ、バブリング不良は発生せず、11回の使用に耐えた。
【0056】
(比較例1)
未安定化ジルコニア粒子の配合割合を10wt%に下げ、アルミナ球状粒子79wt%、アルミナ微粉4wt%、シリカ微粉3wt%、粘士微粉2wt%、および酸化クロム微粉2wt%とした以外は、実施例1と同じ条件でガス吹き込み用耐火物を作製した。
【0057】
この耐火物から実施例1と同様に直径50mm×高さ50mmの円柱形テストピースを作製し、見掛気孔率、圧縮強度および通気率を測定したところ、見掛け気孔率は26.1%、圧縮強度は61.5MPa、通気率は1.73cm3・cm/cm2・sec・cmH2Oであった。
【0058】
作製したガス吹き込み用耐火物を用いて実施例1と同様の実機試験を行ったところ、バブリング不良が発生して、3回で使用中止となった。これは、ジルコニア粒子の配合割合が15wt%未満であるため、マイクロクラックが十分進展せず、浸潤層を剥離する効果が十分得られなかったためと推察される。
【0059】
(比較例2)
未安定化ジルコニア粒子の配合割合を35wt%に上げ、アルミナ球状粒子59wt%、アルミナ微粉3wt%、シリカ微粉1wt%、および酸化クロム微粉2wt%とした以外は、実施例4と同じ条件でガス吹き込み用耐火物を作製した。
【0060】
この耐火物から実施例1と同様に直径50mm×高さ50mmの円柱形テストピースを作製し、見掛気孔率、圧縮強度および通気率を測定したところ、見掛け気孔率は24.5%、圧縮強度は57.3MPa、通気率は1.51cm3・cm/cm2・sec・cmH2Oであった。
【0061】
実施例4と比べると圧縮強度が低下している。これは、未安定化ジルコニア粒子の配合割合が30wt%を超えたことで、マイクロクラックが過剰に発生したためと推察される。
【0062】
作製したガス吹き込み用耐火物を用いて実施例1と同様の実機試験を行ったところ、バブリング不良は発生しなかったものの、強度が低いため摩耗による損傷が大きく、7回しか使用できなかった。
【0063】
(比較例3)
未安定化ジルコニア粒子の粒径を2mm超え〜3mm以下と大きくし、配合割合を未安定化ジルコニア粒子20wt%、アルミナ球状粒子74wt%、アルミナ微粉3wt%、粘土微粉1wt%、および酸化クロム微粉2wt%とし、シリカ微粉を添加しなかった以外は、実施例2と同じ条件でガス吹き込み用耐火物を作製した。
【0064】
この耐火物から実施例1と同様に直径50mm×高さ50mmの円柱形テストピースを作製し、見掛気孔率、圧縮強度および通気率を測定したところ、見掛け気孔率は28.6%、圧縮強度は53.8MPa、通気率は2.03cm3・cm/cm2・sec・cmH2Oであった。
【0065】
実施例2と比べると見掛け気孔率および通気率が高く、圧縮強度が低下している。これは、ジルコニア粒子の粒径が2mmを超えたことで、骨材構成粒子間の空隙が拡大したためと推察される。
【0066】
作製したガス吹き込み用耐火物を用いて実施例1と同様の実機試験を行ったところ、バブリング不良が発生して、4回しか使用できなかった。骨材構成粒子間の空隙が拡大したことにより、浸潤層が厚くなって剥離しなかったためと推察される。
【0067】
(比較例4)
未安定化ジルコニア粒子の粒径を0.25mm以下と小さくし、配合割合を未安定化ジルコニア粒子20wt%、アルミナ球状粒子69wt%、アルミナ微粉4wt%、シリカ微粉3wt%、粘土微粉2wt%、および酸化クロム微粉2wt%とした以外は、実施例2とほぼ同じ条件でガス吹き込み用耐火物を作製した。
【0068】
この耐火物について、実施例1と同様に直径50mm×高さ50mmの円柱形テストピースを作製し、見掛気孔率、圧縮強度および通気率を測定したところ、見掛け気孔率は21.2%、圧縮強度は80.6MPa、通気率は1.06cm3・cm/cm2・sec・cmH2Oであった。
【0069】
実施例2と比べると圧縮強度が高く、見掛け気孔率および通気率が低下している。これは、ジルコニア粒子の粒径が0.25mm未満となったことで、耐火物の組織が緻密になったためと推察される。
【0070】
また、通気率が低すぎて、実機試験には至らなかった。
【0071】
(比較例5)
未安定化ジルコニア粒子に代えて粒径0.5〜2mmの部分安定化ジルコニア粒子を使用した以外は、実施例2と同じ条件でガス吹き込み用耐火物を作製した。この耐火物から実施例1と同様に直径50mm×高さ50mmの円柱形テストピースを作製し、見掛気孔率、圧縮強度および通気率を測定したところ、見掛け気孔率は24.9%、圧縮強度は69.6MPa、通気率は1.59cm3・cm/cm
2・sec・cmH2Oであった。
【0072】
作製したガス吹き込み用耐火物を用いて実施例1と同様の実機試験を行ったところ、バブリング不良が発生して、5回しか使用できなかった。部分安定化ジルコニア粒子を使用したことにより、マイクロクラックが十分に発生せず、浸潤層が剥離しなかったものと推察される。
【0073】
(比較例6)
未安定化ジルコニア粒子に代えて粒径0.5〜2mmの安定化ジルコニア粒子を使用した以外は、実施例2と同じ条件でガス吹き込み用耐火物を作製した。
【0074】
この耐火物から実施例1と同様に直径50mm×高さ50mmの円柱形テストピースを作製し、見掛気孔率、圧縮強度および通気率を測定したところ、見掛け気孔率は24.7%、圧縮強度は70.9MPa、通気率は1.58cm3・cm/cm2・sec・cmH2Oであった。
【0075】
作製したガス吹き込み用耐火物を用いて実施例1と同様の実機試験を行ったところ、バブリング不良が発生して、4回しか使用できなかった。安定化ジルコニア粒子を使用したことにより、マイクロクラックが発生せず、そのために使用中に浸潤層が剥離しなかったものと推察される。
【0076】
上記実施例1〜4および比較例1〜6をまとめて示すと、次の表1のようになる。
【0077】
【表1】
Figure 0003803740
【0078】
【発明の効果】
以上説明した通り、この発明のガス吹き込み用耐火物の製造方法によれば、バブリング不良を防止する機能に優れたガス吹き込み用耐火物を低コストで製造できる。

Claims (2)

  1. アルミナ粒子65〜80wt%と粒径0.3〜2mmの未安定化ジルコニア粒子15〜30wt%とを骨材原料として用い、残部をシリカ微粉、アルミナ微粉、粘土微粉および酸化クロム微粉からなる群から選ばれる少なくとも一種の微粉原料とした耐火物原料を生成する工程と、
    前記耐火物原料に結合剤を添加・混練して成形体原料を生成する工程と、
    前記成形体原料を所定形状に成形して成形体を得る工程と、
    前記成形体を大気中で焼成して前記ジルコニア粒子の周囲に微細なクラックが形成された焼結体を得る工程と
    を備えてなることを特徴とするガス吹き込み用耐火物の製造方法。
  2. 前記アルミナ粒子が粒径0.3〜1mmの球状粒子である請求項1に記載のガス吹き込み用耐火物の製造方法。
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