JP4980472B2 - ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体 - Google Patents
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また、第1リンクプレート上での第2リンクプレートの位置規制も、ライニング組立体の表面と平行な方向、及びライニング組立体の表面と直交する方向のいずれも、球面接触部により第1リンクプレートを旋回自在に第2リンクプレートに連結している第2のユニバーサルジョイントで行っている。
(1)本発明に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体は、制動トルクを受けるガイドプレートに複数のライニング組立体が旋回自在に支持されて、前記ライニング組立体がディスクロータへ押圧されるディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、前記ライニング組立体は、制動時に前記ディスクロータと接触する摩擦材と、前記摩擦材の裏面に固着された裏板部とから構成され、かつ、前記裏板部に、その外周面が前記ガイドプレートに設けられたガイド孔部に嵌合するプレート嵌合部と、前記ガイド孔部よりも大きな外径の抜け止めフランジ部とを備え、前記ガイドプレートの裏面側から前記ガイド孔部に挿入装着されて、前記ディスクロータと摩擦材との接触時に作用する制動トルクを前記プレート嵌合部から前記ガイドプレートに伝達し、前記裏板部との間に間隙を開けて前記ガイドプレートに固着されたトルク受けプレートと前記裏板部との間には、複数のライニング組立体に跨って配備されてトルク受けプレートからの押圧力をこれらのライニング組立体に作用させる複数のリンクプレートが設けられ、前記リンクプレートは、前記トルク受けプレートのリンク支持部に当接して旋回可能に支持される単一のプレート当接部と、各ライニング組立体の裏板部の中心のリンク当接部に当接してライニング組立体を旋回可能に支持する複数個の裏板当接部と、を備えて成るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体において、
前記ガイドプレートと前記トルク受けプレートは、前記ガイドプレートの全周と前記トルク受けプレートの全周だけを囲うスペーサを挟んで当接し、一体の筐体構造を形成する構成とする。
(3)上記(2)に記載の構成で、更に、前記スペーサが前記トルク受けプレートまたは前記ガイドプレートの少なくともいずれか一方と一体に形成される構成とする。
(4)上記(2)または(3)に記載の構成で、更に、前記ライニング組立体の摩擦材がディスクロータに押圧された時の反力が所定の押圧範囲を超えて入力されると、前記リンクプレートは、前記プレート当接部及び、前記裏板当接部近傍のトルク受けプレート側の面が前記トルク受けプレートに当接する構成とする。
(5)上記(2)〜(4)のいずれかに記載の構成で、さらに、前記プレート嵌合部に嵌着された板ばねが前記ガイドプレートと前記抜け止めフランジ部との間に挟まれるように、前記ガイドプレートの裏面側から前記ガイド孔部に挿入装着されている構成とする。
(6)上記(2)〜(5)のいずれかに記載の構成で、さらに、前記裏板部が、その中心から離れた位置に係合孔が形成され、かつ、前記リンクプレートは前記裏板部に形成された係合孔に遊嵌して各ライニング組立体の旋回挙動を規制する回転規制部とを備えた構成とする。
また、ディスクロータへライニング組立体を押圧する押圧力は、トルク受けプレートから、トルク受けプレートのリンク支持部とリンクプレートのプレート当接曲面部との接触部を介してリンクプレートに伝達され、リンクプレートの裏板当接曲面部とライニング組立体のリンク当接部との接触部を介してライニング組立体に作用する。
即ち、ライニング組立体から制動トルクを受ける部材と、ライニング組立体へ押圧力を作用させる部材とが別個に設定されており、ライニング組立体へ押圧力を作用させる、ライニング組立体とリンクプレートとの接触部や、リンクプレートとトルク受けプレートとの接触部には、大きい負荷となる制動トルクが作用しない。
そのため、押圧力を伝達する各接触部は、制動トルクを受け止める玉継手等の堅牢な係合にする必要がなく、加工精度の緩和によるコストの節減、生産性の向上を実現することができる。
図1乃至図8は本発明に係る摩擦パッド組立て体の一実施の形態を示したもので、図1はディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の正面図、図2は図1のA矢視図、図3は図2のB矢視図、図4は図1のC矢視図、図5は図1のD−D断面図、図6は図5に示した摩擦パッド組立て体の分解斜視図、図7は図3に示したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体のリンクプレートを露出させた状態の説明図、図8は図7のE矢視図である。
各摩擦パッド組立て体1A,1Bは、同様の構成をしており、車軸上のディスクロータに対峙して配置されて車体フレームに固定されたブレーキキャリパに内蔵のアクチュエータによってディスクロータに向かって進退駆動される。
プレート嵌合部22aには、環状の板ばね24が嵌着される。板ばね24の外径は、ガイド孔部11aよりも大きく設定されている。
スペーサ8は、ガイドプレート11の周縁部に当接する枠体で、ガイドプレート11とトルク受けプレート3とに挟まれることにより、トルク受けプレート3と裏板部22との間に、2種のリンクプレート5,6を配置するリンク収容空間26を画成する。
トルク受けプレート3の各リンクプレート5,6側の面には、各リンクプレート5,6を旋回自在に支持するための曲面形状の凹面構造であるリンク支持部3aが、各リンクプレート5,6の略重心位置に対応するように、形成されている。
一方、各リンクプレート5,6の略重心位置には、トルク受けプレート3に形成されたリンク支持部3aに当接して旋回可能に支持される単一のプレート当接曲面部35が形成されている。本実施の形態の場合、プレート当接曲面部35は、リンク支持部3aの凹湾曲面に旋回自在に当接する凸湾曲面に形成されている。
なお、本実施の形態の場合、各リンクプレート5,6は略重心位置のプレート当接曲面部35がトルク受けプレート3に当接して旋回自在に支持されているから、このプレート当接曲面部35を除いて、各リンクプレート5,6のトルク受けプレート3側の面とトルク受けプレート3との間には旋回を許容する隙間が形成されている。
これに対応して、各リンクプレート5,6には、図5に示すように、裏板部22のリンク当接部22cに当接してそのライニング組立体13を旋回可能に支持する複数個の裏板当接曲面部37と、裏板部22の係合孔22dに遊嵌して各ライニング組立体13の旋回挙動を規制する回転規制部38とが備えられている。
従って、制動時にライニング組立体13に作用する制動トルクは、ガイドプレート11に伝達され、当該ガイドプレート11が固定されているトルク受けプレート3にダイレクトに伝達される。
また、ディスクロータへライニング組立体13を押圧する押圧力は、トルク受けプレート3から、トルク受けプレート3のリンク支持部3aと各リンクプレート5,6のプレート当接曲面部35との接触部を介して各リンクプレート5,6に伝達され、各リンクプレート5,6の裏板当接曲面部37とライニング組立体13のリンク当接部22cとの接触部を介してライニング組立体13に作用する。
そのため、押圧力を伝達する各接触部は、制動トルクを受け止める玉継手等の堅牢な係合にする必要がなく、加工精度の緩和によるコストの節減、生産性の向上を実現することができる。
そのため、各リンクプレート5,6は、裏面当接曲面部37の近傍、プレート当接曲面部35のそれぞれをトルク受けプレート3に接触させて、過大な反力をトルク受けプレート3に伝達すると同時に、各リンクプレート5,6自体の破損が防止される。
また、ライニング組立体13のガイドプレート11からの脱落防止のために、独立した専用部品を追加していないため、部品の増加に起因したコストアップや組み立て工程数の増加による生産性の低下といった不都合の発生を回避できる。
従って、ライニング組立体13の厚さ方向の寸法公差の影響を受けずに、安定した制動特性を維持することができる。
図9は他の実施の形態におけるディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の分解斜視図、図10は先の実施の形態で示した図5に対応する本実施の形態での断面図である。なお、この実施の形態は、トルク受けプレート3の形状が相異するのみで、その他は先の実施の形態と同じ構成なので、同一箇所には同一符号を付して説明を省略する。
このように、トルク受けプレート3Aとスペーサを一体化させたことにより、部品点数が削減できてコスト低減が図れると同時に、組み立て性も改善できて量産化に好適となる。
なお、上記実施の形態では、スペーサをトルク受けプレートに一体に形成するとしたが、外にガイドプレートに一体に形成することや、トルク受けプレートとガイドプレートの双方に一体に突出形成したものでも良い。
3,3A トルク受けプレート
3a リンク支持部
5,6 リンクプレート
8 スペーサ
11 ガイドプレート
11a ガイド孔部
13 ライニング組立体
21 摩擦材
22 裏板部
22a プレート嵌合部
22b 抜け止めフランジ部
22c リンク当接部
22d 係合孔
28 リベット
31 アンカープレート
32 リベット
35 プレート当接曲面部
37 裏板当接曲面部
38 回転規制部
Claims (6)
- 制動トルクを受けるガイドプレートに複数のライニング組立体が旋回自在に支持されて、前記ライニング組立体がディスクロータへ押圧されるディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、
前記ライニング組立体は、
制動時に前記ディスクロータと接触する摩擦材と、前記摩擦材の裏面に固着された裏板部とから構成され、かつ、前記裏板部に、その外周面が前記ガイドプレートに設けられたガイド孔部に嵌合するプレート嵌合部と、前記ガイド孔部よりも大きな外径の抜け止めフランジ部とを備え、
前記ガイドプレートの裏面側から前記ガイド孔部に挿入装着されて、前記ディスクロータと摩擦材との接触時に作用する制動トルクを前記プレート嵌合部から前記ガイドプレートに伝達し、
前記裏板部との間に間隙を開けて前記ガイドプレートに固着されたトルク受けプレートと前記裏板部との間には、複数のライニング組立体に跨って配備されてトルク受けプレートからの押圧力をこれらのライニング組立体に作用させる複数のリンクプレートが設けられ、
前記リンクプレートは、前記トルク受けプレートのリンク支持部に当接して旋回可能に支持される単一のプレート当接部と、各ライニング組立体の裏板部の中心のリンク当接部に当接してライニング組立体を旋回可能に支持する複数個の裏板当接部と、を備えて成るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体において、
前記ガイドプレートと前記トルク受けプレートは、前記ガイドプレートの全周と前記トルク受けプレートの全周だけを囲うスペーサを挟んで当接し、一体の筐体構造を形成したことを特徴とするディスクブレーキ用摩擦パッド組立体。 - 前記ライニング組立体に作動する制動トルクは、前記ガイドプレートに伝達され、前記ガイドプレートが固定されている前記トルク受けプレートにダイレクトに伝達されることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
- 前記スペーサが前記トルク受けプレートまたは前記ガイドプレートの少なくともいずれか一方と一体に形成されていることを特徴とする請求項2記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
- 前記ライニング組立体の摩擦材がディスクロータに押圧された時の反力が所定の押圧範囲を超えて入力されると、前記リンクプレートは、前記プレート当接部及び、前記裏板当接部近傍のトルク受けプレート側の面が前記トルク受けプレートに当接することを特徴とする請求項2または3記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
- 前記プレート嵌合部に嵌着された板ばねが前記ガイドプレートと前記抜け止めフランジ部との間に挟まれるように、前記ガイドプレートの裏面側から前記ガイド孔部に挿入装着されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
- 前記裏板部は、その中心から離れた位置に係合孔が形成され、かつ、前記リンクプレートは前記裏板部に形成された係合孔に遊嵌して各ライニング組立体の旋回挙動を規制する回転規制部とを備えたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
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