JP2012145228A - ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ライニング組立体13がディスクロータへ押圧されるディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、ライニング組立体13は摩擦材21と摩擦材の裏面に固着された裏板部22とから構成され、裏板部22に、ガイドプレート11のガイド孔部11aに嵌合するプレート嵌合部22aを備え、ディスクロータと摩擦材との接触時の制動トルクをプレート嵌合部22aからガイドプレート11に伝達し、ガイドプレートに固着されたトルク受けプレート3と裏板部22との間には、トルク受けプレート3からの押圧力をこれらのライニング組立体に作用させる複数のリンクプレート5が設けられ、リンクプレート5は単一のプレート当接曲面部35と複数個の裏板当接曲面部37とを備え、制動時の押圧力の反力が過大な場合、リンクプレート5が変形するようにした。
【選択図】 図6
Description
また、第1リンクプレート上での第2リンクプレートの位置規制も、ライニング組立体の表面と平行な方向、及びライニング組立体の表面と直交する方向のいずれも、球面接触部により第1リンクプレートを旋回自在に第2リンクプレートに連結している第2のユニバーサルジョイントで行っている。
(1):本発明に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体は、制動トルクを受けるガイドプレートに複数のライニング組立体が旋回自在に支持されて、前記ライニング組立体がディスクロータへ押圧されるディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、
前記ライニング組立体は、
制動時に前記ディスクロータと接触する摩擦材と、前記摩擦材の裏面に固着された裏板部とから構成され、かつ前記裏板部に、前記ガイドプレートに設けられたガイド孔部に旋回自在に嵌合するプレート嵌合部を備え、
前記プレート嵌合部が前記ガイドプレートの裏面側から前記ガイド孔部に挿入装着されて、前記ディスクロータと摩擦材との接触時に作用する制動トルクを前記プレート嵌合部から前記ガイドプレートに伝達し、
前記裏板部との間に間隙を開けて前記ガイドプレートに固着されたトルク受けプレートと前記裏板部との間には、複数のライニング組立体に跨って配備されて前記トルク受けプレートからの押圧力をこれらのライニング組立体に作用させる複数のリンクプレートが設けられ、
前記リンクプレートは、前記トルク受けプレートのリンク支持部に当接して旋回可能に支持される単一のプレート当接曲面部と、各ライニング組立体の裏板部の中心のリンク当接部に当接してライニング組立体を旋回可能に支持する複数個の裏板当接曲面部とを備え、
前記摩擦材が前記ディスクロータに押圧された時の押圧力の反力が通常範囲の大きさの場合は、前記ライニング組立体から、前記リンクプレートの前記裏面当接曲面部および前記プレート当接曲面部を経て伝達され、前記トルク受けプレートで受け止められ、
前記反力が前記通常範囲の大きさを超えた過大な反力の場合は、前記リンクプレートが変形してトルク受けプレートに強く当接して、前記リンクプレートの前記裏面当接曲面部の近傍および前記プレート当接曲面部のそれぞれを前記トルク受けプレートに接触させて、過大な反力を前記トルク受けプレートに伝達するものである。
また、ディスクロータへライニング組立体を押圧する押圧力は、トルク受けプレートから、トルク受けプレートのリンク支持部とリンクプレートのプレート当接曲面部との接触部を介してリンクプレートに伝達され、リンクプレートの裏板当接曲面部とライニング組立体のリンク当接部との接触部を介してライニング組立体に作用する。即ち、ライニング組立体から制動トルクを受ける部材と、ライニング組立体へ押圧力を作用させる部材とが別個に設定されており、ライニング組立体へ押圧力を作用させる、ライニング組立体とリンクプレートとの接触部や、リンクプレートとトルク受けプレートとの接触部には、大きい負荷となる制動トルクが作用しない。
そのため、押圧力を伝達する各接触部は、制動トルクを受け止める玉継手等の堅牢な係合にする必要がなく、加工精度の緩和によるコストの節減、生産性の向上を実現することができる。
図1〜図8は本発明に係る摩擦パッド組立て体の一実施の形態を示したもので、図1はディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の正面図、図2は図1のA矢視図、図3は図2のB矢視図、図4は図1のC矢視図、図5は図1のD−D断面図、図6は図5に示した摩擦パッド組立て体の分解斜視図、図7は図3に示したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体のリンクプレートを露出させた状態の説明図、図8は図7のE矢視図である。
各摩擦パッド組立て体1A,1Bは、同様の構成をしており、車軸上のディスクロータに対峙して配置されて車体フレームに固定されたブレーキキャリパに内蔵のアクチュエータによってディスクロータに向かって進退駆動される。
プレート嵌合部22aには、環状の板ばね24が嵌着される。板ばね24の外径は、ガイド孔部11aよりも大きく設定されている。
スペーサ8は、ガイドプレート11の周縁部に当接する枠体で、ガイドプレート11とトルク受けプレート3とに挟まれることにより、トルク受けプレート3と裏板部22との間に、各リンクプレート5,6を配置するリンク収容空間26を画成する。
トルク受けプレート3のリンクプレート5,6側の面には、各リンクプレート5,6を旋回自在に支持するための曲面形状の凹面構造であるリンク支持部3aが、各リンクプレート5,6の略重心位置に対応するように、形成されている。
一方、各リンクプレート5,6の略重心位置には、トルク受けプレート3に形成されたリンク支持部3aに当接して旋回可能に支持される単一のプレート当接曲面部35が形成されている。本実施の形態の場合、プレート当接曲面部35は、リンク支持部3aの凹湾曲面に旋回自在に当接する凸湾曲面に形成されている。
なお、本実施の形態の場合、各リンクプレート5,6は略重心位置のプレート当接曲面部35がトルク受けプレート3に当接して旋回自在に支持されているから、このプレート当接曲面部35を除いて、リンクプレート5,6のトルク受けプレート3側の面とトルク受けプレート3との間には旋回を許容する隙間が形成されている。
これに対応して、各リンクプレート5,6には、図5に示すように、裏板部22のリンク当接部22cに当接してそのライニング組立体13を旋回可能に支持する複数個の裏板当接曲面部37と、裏板部22の係合孔22dに遊嵌して各ライニング組立体13の旋回挙動を規制する回転規制部38とが備えられている。
従って、制動時にライニング組立体13に作用する制動トルクは、ガイドプレート11に伝達され、当該ガイドプレート11が固定されているトルク受けプレート3にダイレクトに伝達される。
また、ディスクロータへライニング組立体13を押圧する押圧力は、トルク受けプレート3から、トルク受けプレート3のリンク支持部3aとリンクプレート5,6のプレート当接曲面部35との接触部を介してリンクプレート5,6に伝達され、リンクプレート5,6の裏板当接曲面部37とライニング組立体13のリンク当接部22cとの接触部を介してライニング組立体13に作用する。
そのため、押圧力を伝達する各接触部は、制動トルクを受け止める玉継手等の堅牢な係合にする必要がなく、加工精度の緩和によるコストの節減、生産性の向上を実現することができる。
そのため、各リンクプレート5,6は、裏板当接曲面部37の近傍、プレート当接曲面部35のそれぞれをトルク受けプレート3に接触させて、過大な反力をトルク受けプレート3に伝達すると同時に、リンクプレート5,6自体の破損が防止される。
また、ライニング組立体13のガイドプレート11からの脱落防止のために、独立した専用部品を追加していないため、部品の増加に起因したコストアップや組み立て工程数の増加による生産性の低下といった不都合の発生を回避できる。
従って、ライニング組立体13の厚さ方向の寸法公差の影響を受けずに、安定した制動特性を維持することができる。
図9は他の実施の形態におけるディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の分解斜視図、図10は先の実施の形態で示した図5に対応する本実施の形態での断面図である。なお、この実施の形態は、トルク受けプレート3の形状が相異するのみで、その他は先の実施の形態と同じ構成なので、同一箇所には同一符号を付して説明を省略する。
このように、トルク受けプレート3Aとスペーサを一体化させたことにより、部品点数が削減できてコスト低減が図れると同時に、組み立て性も改善できて量産化に好適となる。
なお、上記実施の形態では、スペーサをトルク受けプレートに一体に形成するとしたが、外にガイドプレートに一体に形成することや、トルク受けプレートとガイドプレートの双方に一体に突出形成したものでも良い。
3,3A トルク受けプレート
3a リンク支持部
5,6 リンクプレート
8 スペーサ
11 ガイドプレート
11a ガイド孔部
13 ライニング組立体
21 摩擦材
22 裏板部
22a プレート嵌合部
22b 抜け止めフランジ部
22c リンク当接部
22d 係合孔
28 リベット
31 アンカープレート
32 リベット
35 プレート当接曲面部
37 裏板当接曲面部
38 回転規制部
Claims (3)
- 制動トルクを受けるガイドプレートに複数のライニング組立体が旋回自在に支持されて、前記ライニング組立体がディスクロータへ押圧されるディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、
前記ライニング組立体は、
制動時に前記ディスクロータと接触する摩擦材と、前記摩擦材の裏面に固着された裏板部とから構成され、かつ前記裏板部に、前記ガイドプレートに設けられたガイド孔部に旋回自在に嵌合するプレート嵌合部を備え、
前記プレート嵌合部が前記ガイドプレートの裏面側から前記ガイド孔部に挿入装着されて、前記ディスクロータと摩擦材との接触時に作用する制動トルクを前記プレート嵌合部から前記ガイドプレートに伝達し、
前記裏板部との間に間隙を開けて前記ガイドプレートに固着されたトルク受けプレートと前記裏板部との間には、複数のライニング組立体に跨って配備されて前記トルク受けプレートからの押圧力をこれらのライニング組立体に作用させる複数のリンクプレートが設けられ、
前記リンクプレートは、前記トルク受けプレートのリンク支持部に当接して旋回可能に支持される単一のプレート当接曲面部と、各ライニング組立体の裏板部の中心のリンク当接部に当接してライニング組立体を旋回可能に支持する複数個の裏板当接曲面部とを備え、
前記摩擦材が前記ディスクロータに押圧された時の押圧力の反力が通常範囲の大きさの場合は、前記ライニング組立体から、前記リンクプレートの前記裏面当接曲面部および前記プレート当接曲面部を経て伝達され、前記トルク受けプレートで受け止められ、
前記反力が前記通常範囲の大きさを超えた過大な反力の場合は、前記リンクプレートが変形してトルク受けプレートに強く当接して、前記リンクプレートの前記裏面当接曲面部の近傍および前記プレート当接曲面部のそれぞれを前記トルク受けプレートに接触させて、過大な反力を前記トルク受けプレートに伝達することを特徴とするディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。 - 前記ガイドプレートとトルク受けプレートはスペーサを挟んで当接し、これらのガイドプレートとトルク受けプレートとがリベットによる締結によって、一体の筐体構造を形成していることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
- 前記スペーサが前記トルク受けプレートまたは前記ガイドプレートの少なくともいずれか一方と一体に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
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