JP4979817B2 - 炭素触媒及びその製造方法、これを用いた電極及び電池 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素触媒及びその製造方法、これを用いた電極及び電池に関し、特に、白金やパラジウム等の貴金属触媒を代替可能な炭素触媒に関する。
固体高分子形燃料電池(PEFC)は、低温領域での運転が可能であり、エネルギー変換効率が高く、起動に要する時間が短く、そのシステムは小型で軽量とすることができる。このため、PEFCは、電気自動車の動力源、携帯用電源、家庭用コージェネレーション・システムへの応用が期待されている。
しかしながら、PEFCには、多量の白金触媒が用いられる。白金触媒の使用は、高コスト化を招いてPEFCの普及を阻害する要因の一つとなっており、また、埋蔵量による制限を受けることが懸念される。
そこで、白金触媒を代替可能な新たな触媒の開発が進められている。すなわち、例えば、炭素材料自体に触媒活性をもたせた炭素触媒が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2007−026746号公報 特開2007−207662号公報 特開2008−282725号公報
しかしながら、PEFCにおいて白金触媒を代替できるほどの高い活性を有する触媒は未だ実用化されていない。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、優れた活性を有する炭素触媒及びその製造方法、これを用いた電極及び電池を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る炭素触媒は、導電性炭素材料と、前記導電性炭素材料の表面を被覆する炭素構造と、を有することを特徴とする。本発明によれば、優れた活性を有する炭素触媒を提供することができる。
また、前記炭素構造を構成する炭素網面の7.2nm以下の結晶子サイズLa分布において、1〜5nmの割合が50%以上であることとしてもよい。また、前記結晶子サイズLa分布において、1nm未満の割合が40%以下であることとしてもよい。また、前記炭素構造は、熱可塑性樹脂と金属と導電性炭素材料とを含有する原料を加熱して炭素化することにより形成された炭素構造であることとしてもよい。こうすれば、優れた活性を有する炭素触媒をより確実に提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る電極は、上記いずれかの炭素触媒が担持されていることを特徴とする。本発明によれば、優れた活性を有する炭素触媒が担持された優れた電極を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る電池は、上記の電極を有することを特徴とする。本発明によれば、優れた活性を有する炭素触媒が担持された電極を有する優れた電池を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る炭素触媒の製造方法は、熱可塑性樹脂と金属と導電性炭素材料とを含有する原料を加熱することにより、溶融した前記熱可塑性樹脂で前記導電性炭素材料の表面を被覆するとともに、前記導電性炭素材料の表面で前記熱可塑性樹脂を炭素化して、炭素触媒を得ることを特徴とする。本発明によれば、優れた活性を有する炭素触媒の製造方法を提供することができる。
また、前記熱可塑性樹脂は、前記金属に配位可能な高分子配位子であり、前記原料は、前記熱可塑性樹脂が前記金属に配位して形成された錯体を含有することとしてもよい。こうすれば、金属を導電性炭素材料の表面に効果的に分散させることができる。また、この場合、前記熱可塑性樹脂は、その分子内に配位原子として1又は複数の窒素原子を含むこととしてもよい。こうすれば、金属及び窒素を導電性炭素材料の表面に効果的に分散させることができる。
また、前記熱可塑性樹脂は、ポリビニルピリジン、サレン重合物、ポリピロール、ポリビニルピロール、3−メチルポリピロール、ポリビニルカルバゾール、ポリアミド、ポリアニリン、ポリビスマレイミド、ポリアミドイミドからなる群より選択される1種又は2種以上を含有することとしてもよい。また、前記導電性炭素材料は、カーボンブラックであることとしてもよい。また、前記金属は遷移金属であることとしてもよい。こうすれば、優れた活性を有する炭素触媒を効果的に製造することができる。
また、前記炭素触媒の製造方法は、炭素化により得られた前記炭素触媒に前記金属を除去する処理を施す工程と、前記処理が施された前記炭素触媒に熱処理を施すことにより前記炭素触媒の活性を向上させる工程と、をさらに含むこととしてもよい。また、この場合、前記熱処理は、前記炭素触媒を300〜1500℃の範囲内の温度で加熱することにより行うこととしてもよい。こうすれば、より活性の高い炭素触媒を製造することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る炭素触媒は、上述のいずれかの方法により製造されたことを特徴とする。本発明によれば、優れた活性を有する炭素触媒を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る炭素触媒の製造方法の一例に含まれる主な工程を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒について測定された電圧と電流との関係を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒について酸素還元活性を評価した結果の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒について酸素還元活性を評価した結果の他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒について酸素還元活性を評価した結果のさらに他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒に係る結晶子サイズLa分布の解析に用いられたベンゼン・コロネンベースモデルについての説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒について結晶子サイズLa分布を解析した結果の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒について結晶子サイズLa分布を解析した結果の他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒について得られた結晶子サイズLa分布における各結晶子サイズLa範囲の割合を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒の走査型電子顕微鏡写真の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る炭素触媒の透過型電子顕微鏡写真の一例を示す説明図である。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態で示す例に限られない。
図1は、本実施形態に係る炭素触媒の製造方法(以下、「本製造方法」という。)の一例に含まれる主な工程を示す説明図である。図1に示すように、本製造方法は、原料準備工程S1と、炭素化工程S2と、を含む。
原料準備工程S1においては、熱可塑性樹脂と金属と導電性炭素材料とを含有する原料を準備する。熱可塑性樹脂は、後述する炭素化工程S2における加熱により溶融して流動性を示すとともに、炭素化できる樹脂であれば特に限られない。すなわち、例えば、ポリメタクリル酸等の汎用プラスチック、ポリアミド等のエンジニアリングプラスチック、ポリスルフォンやポリイミド等のスーパーエンジニアリングプラスチック、又はアイオノマー樹脂等その他の熱可塑性樹脂のうち、分解点(熱分解温度)が融点より高いものを用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、融点と分解点との差が大きいものを好ましく用いることができる。すなわち、例えば、融点よりも分解点が50℃以上高い熱可塑性樹脂を好ましく用いることができる。融点と分解点とが離れるほど、炭素化工程S2において熱可塑性樹脂を確実に溶融させた上で炭素化することができる。
また、熱可塑性樹脂は、原料に含有される金属に配位可能な高分子配位子とすることができる。すなわち、この場合、その分子内に1又は複数個の配位原子を含み、且つ金属に配位した状態で熱可塑性を有する熱可塑性樹脂を用いる。
具体的に、例えば、配位原子として、その分子内に窒素原子、リン原子、酸素原子、硫黄原子からなる群より選択される1種又は2種以上を1又は複数個含む熱可塑性樹脂を用いることができる。すなわち、例えば、配位基として、その分子内にアミノ基、フォスフィノ基、カルボキシル基、チオール基からなる群より選択される1種又は2種以上を1又は複数個含む熱可塑性樹脂を用いることができる。
そして、配位子である熱可塑性樹脂を用いる場合、原料は、当該熱可塑性樹脂が金属に配位して形成された錯体を含有することとなる。したがって、原料中に、熱可塑性樹脂と金属とを一体的に効率よく分散することができる。
また、高分子配位子である熱可塑性樹脂としては、その分子内に配位原子として1又は複数の窒素原子を含むものを好ましく用いることができる。具体的に、例えば、ポリビニルピリジン、サレン重合物、ポリピロール、ポリビニルピロール、3−メチルポリピロール、ポリビニルカルバゾール、ポリアミド、ポリアニリン、ポリビスマレイミド、ポリアミドイミドからなる群より選択される1種又は2種以上を好ましく用いることができる。
この場合、原料中に、熱可塑性樹脂と金属と窒素原子とを一体的に効率よく分散することができる。そして、熱可塑性樹脂に含有される窒素原子は、本製造方法により製造される炭素触媒において、窒素ドープの効果をもたらし、当該炭素触媒の活性を向上させることができる。
また、この他にも、分子内に窒素原子を1又は複数個含む熱可塑性樹脂を好ましく用いることができる。具体的に、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)を用いることができる。この場合、原料中に、熱可塑性樹脂と窒素原子とを一体的に効率よく分散することができる。
また、熱可塑性樹脂としては、分子間が架橋されていないものを好ましく用いることができる。この場合、炭素化工程S2における加熱によって、熱可塑性樹脂を効率よく溶融し流動化させることができる。また、熱可塑性樹脂と金属との混合物や熱可塑性樹脂の金属錯体の形状は、本製造方法により製造される炭素触媒の活性を損なわない限り特に限られず、例えば、シート状、繊維状、ブロック状、粒子状とすることができる。
金属は、本製造方法により製造される炭素触媒の活性を阻害しないものであれば特に限られない。すなわち、金属としては、例えば、遷移金属を好ましく用いることができ、周期表の3族から12族の第4周期に属する金属を特に好ましく用いることができる。
これらの金属は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的に、例えば、コバルト、鉄、ニッケル、マンガン、亜鉛、銅からなる群より選択される1種又は2種以上を好ましく用いることができ、コバルト、鉄を特に好ましく用いることができる。
また、金属としては、当該金属の単体又は当該金属の化合物を用いることができる。金属化合物としては、例えば、金属塩、金属水酸化物、金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物、金属炭素化物、金属錯体を好ましく用いることができ、金属塩化物、金属酸化物、金属錯体を特に好ましく用いることができる。
導電性炭素材料は、導電性を有する炭素材料であれば特に限られない。すなわち、例えば、導電性を有し、それ自身では触媒活性を有しない炭素材料を用いることができる。導電性炭素材料の形状は特に限られず、例えば、粒子状のものや繊維状のものを用いることができる。
導電性炭素材料の微粒子を用いる場合には、当該微粒子の平均粒径は、3〜100nmの範囲内とすることが好ましい。また、この微粒子のBET比表面積は、100〜2000m/gの範囲内とすることが好ましい。
具体的に、導電性炭素材料としては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、黒鉛、活性炭、ガラス状カーボン、炭素繊維、フラーレンからなる群より選択される1種又は2種以上を好ましく用いることができる。カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、バルカン、トーカブラック、デンカブラックを用いることができる。
原料準備工程S1においては、このような熱可塑性樹脂と金属と導電性炭素材料とを混合することにより、原料を調製することができる。すなわち、この原料は、例えば、熱可塑性樹脂金属錯体と導電性炭素材料の微粒子との混合粉体とすることができる。原料を混合する方法は特に限られない。すなわち、例えば、粉体混合、溶媒混合、超臨界流体混合、電解重合被覆といった混合方法を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
原料における熱可塑性樹脂と導電性炭素材料との配合比率は、活性のある炭素触媒を製造できる範囲で適宜設定することができる。すなわち、例えば、原料に含有される導電性炭素材料の割合は、1〜85質量%の範囲内とすることが好ましく、5〜50質量%の範囲内とすることがより好ましい。導電性炭素材料の含有量が1質量%未満である場合には、本製造方法により製造される炭素触媒に十分な導電性を付与できないことがある。また、導電性炭素材料の含有量が85質量%を超える場合には、本製造方法により製造される炭素触媒の活性が却って低下することがある。
また、原料は、熱硬化性樹脂を含有することもできる。この場合、原料は、例えば、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを含有する熱可塑性組成物を含有することとなる。熱硬化性樹脂は、炭素化工程S2における加熱により炭素化できるものであれば特に限られない。
具体的に、熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂からなる群より選択される1種又は2種以上を好ましく用いることができる。
炭素化工程S2においては、上述のようにして準備した原料を加熱することにより、溶融した熱可塑性樹脂で導電性炭素材料の表面を被覆するとともに、当該導電性炭素材料の表面で当該熱可塑性樹脂を炭素化して、炭素触媒を得る。
すなわち、まず、原料に含有されている熱可塑性樹脂が溶融し、且つ当該熱可塑性樹脂が熱分解しない温度(すなわち、熱可塑性樹脂の融点以上であって分解点未満の温度)で当該原料を加熱する。
この加熱により、原料中の熱可塑性樹脂を溶融させ、当該熱可塑性樹脂を導電性炭素材料の表面に沿って流動させることができる。すなわち、溶融した熱可塑性樹脂を、導電性炭素材料の表面を被覆するように広げることができる。
この結果、導電性炭素材料の表面のうち、熱可塑性樹脂により被覆されている部分の割合が増加する。すなわち、熱可塑性樹脂が導電性炭素材料を被覆する面積を増加させることができる。
こうして、導電性炭素材料の表面の一部又は全部を、溶融した熱可塑性樹脂によって被覆することができる。すなわち、熱可塑性樹脂を、導電性炭素材料の表面に広く分散させて保持することができる。
次に、さらなる加熱により、原料に含有される熱可塑性樹脂を炭素化できる所定の温度(炭素化温度)で当該原料を保持する。この加熱により、熱可塑性樹脂を、導電性炭素材料の表面を被覆した状態で炭素化することができる。
この結果、導電性炭素材料の表面には、当該表面に沿った薄膜状の炭素構造を形成することができる。すなわち、導電性炭素材料の表面を、炭素構造によって効果的に被覆することができる。
炭素化温度は特に限られず、熱可塑性樹脂の融点や分解点等の条件に応じて適宜設定することができる。すなわち、炭素化温度は、例えば、300〜1500℃の範囲内とすることができ、好ましくは500〜1200℃の範囲内とすることができ、より好ましくは600〜1200℃の範囲内とすることができ、特に好ましくは700〜1200℃の範囲内とすることができる。
また、昇温速度は0.5〜300℃/分の範囲内とすることができる。また、上述の炭素化温度で原料を保持する時間は、例えば、5〜180分の範囲内とすることができ、好ましくは20〜120分の範囲内とすることができる。保持時間が5分未満では、樹脂を均一に炭素化することができないことがある。また、保持時間が180分を超えると、炭素網面のエッジ面の消失により触媒活性が著しく低下することがある。また、炭素化処理は、窒素等の不活性ガスの流通下で行うことが好ましい。
なお、原料が金属と錯体を形成した熱可塑性樹脂を含有している場合には、当該錯体が溶融し且つ分解しない温度で当該原料を加熱して、当該錯体で導電性炭素材料の表面を被覆し、さらに当該錯体を炭素化温度で所定時間保持することにより当該表面で当該錯体を炭素化する。
また、原料が熱硬化性樹脂を含有している場合には、当該熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含有する熱可塑性組成物が溶融し且つ分解しない温度で当該原料を加熱して、当該熱可塑性組成物で導電性炭素材料の表面を被覆し、さらに当該熱可塑性組成物を炭素化温度で所定時間保持することにより当該表面で当該熱可塑性組成物を炭素化する。
炭素化工程S2においては、導電性炭素材料と、当該導電性炭素材料の表面を被覆する炭素構造と、を有する炭素触媒を得ることができる。なお、この炭素構造は、炭素の六角網面が二次元状に連なり広がることで構成される炭素網面を含む。この炭素網面のエッジ部分や屈曲部分等の欠陥部分が、炭素触媒の活性点になっていると考えられる。炭素構造は、複数の炭素網面が積層された構造とすることができる。
ここで、本製造方法において特徴的なことの一つとして、炭素触媒の導電性を高めるために導電性炭素材料を用いるとともに、炭素構造を形成するための炭素原料として熱可塑性樹脂を用いる点が挙げられる。
すなわち、これまでに本発明の発明者らは、金属の存在下で熱硬化性樹脂を炭素化することにより、当該金属の微粒子の周りに玉ねぎ状に積層発達した、グラファイト構造に類似の乱層構造(ナノシェル構造)を有する炭素触媒を製造できることを見出している。この炭素触媒においては、乱層構造に含まれる炭素網面のエッジ部分や、当該炭素網面の折れ曲がり部分が活性点となって、炭素材料自身の触媒活性が引き出されていると考えられる。
しかしながら一方で、炭素網面のエッジ部分や折れ曲がり部分が増加するにつれて、当該炭素網面の広がりが抑制され、炭素触媒の導電性が低下することとなる。そこで、本発明者らは、炭素触媒の導電性を向上させるために、導電性炭素材料を用いることを考えた。
しかしながら、炭素原料として熱硬化性樹脂を用いる場合には、当該熱硬化性樹脂の炭素化により形成される炭素構造と導電性炭素材料とを十分に接触させることができない。すなわち、例えば、熱硬化性樹脂と、カーボンブラック等の導電性炭素材料の微粒子と、を混合してなる原料を炭素化する場合には、当該熱硬化性樹脂は当該微粒子と分離された状態でそのまま炭素化される。
このため、例えば、導電性炭素材料の微粒子と、熱硬化性樹脂に由来する炭素化物からなる粒子と、が混合された組成物が得られるに過ぎない。したがって、炭素構造の活性点と導電性炭素材料との十分な接触を達成することはできない。
これに対し、本製造方法においては、炭素原料として熱可塑性樹脂を用いる。このため、上述のとおり、炭素化の過程で熱可塑性樹脂を溶融させて、導電性炭素材料の表面を被覆する当該熱可塑性樹脂の層を形成することができる。そして、導電性炭素材料の表面を被覆する熱可塑性樹脂層をそのまま炭素化することにより、当該導電性炭素材料の表面に沿った炭素構造を形成することができる。
こうして、本製造方法により製造される炭素触媒においては、導電性炭素材料の表面の広い範囲にわたって、当該導電性炭素材料と炭素構造の活性点とを十分に接触させることができる。したがって、この炭素触媒は、炭素構造の活性と導電性炭素材料の導電性との相乗効果に基づく高い触媒活性を発揮することができる。
また、炭素化の過程で、熱可塑性樹脂が導電性炭素材料を被覆する面積が増大するということは、当該導電性炭素材料の表面に当該熱可塑性樹脂を広く分散させることを意味する。そして、導電性炭素材料の表面に広く分散した熱可塑性樹脂を、当該表面上で炭素化することにより、当該表面に広く分散した炭素構造を形成することができる。したがって、導電性炭素材料の表面を有効に利用して、炭素構造の活性点が広く均一に分散された炭素触媒を製造することができる。
また、熱可塑性樹脂が金属と錯体を形成している場合には、炭素化の過程で、導電性炭素材料の表面に金属を広く分散させることができる。したがって、炭素構造の形成に有効な金属の作用を、導電性炭素材料の表面で広範囲に且つ均一に発揮させることができる。
さらに、熱可塑性樹脂がその分子内に配位原子として窒素原子を含む場合には、当該窒素原子を炭素構造に広く分散させて導入することができる。したがって、窒素ドープの効果を、導電性炭素材料の表面で広範囲に且つ均一に発揮させることができる。
また、導電性炭素材料の表面において熱可塑性樹脂を炭素化する過程で、当該熱可塑性樹脂は、炭素化の進行に伴って、その体積が収縮する。このため、導電性炭素材料の表面には、当該表面に沿った薄膜状の炭素構造が形成され、当該導電性炭素材料の構造は維持される。したがって、本製造方法によれば、導電性炭素材料の本来の特性を活かした炭素触媒とすることができる。
このように、本製造方法によれば、導電性に優れ、且つ酸素還元活性等の触媒活性に優れた炭素触媒を製造することができる。
また、本製造方法は、上述の炭素化工程S2で得られた炭素触媒に金属を除去する処理を施す金属除去工程をさらに含むことができる。この金属除去処理によって、炭素触媒に含有されている金属を除去し、又は当該金属の含有量を低減することができる。
金属を除去する方法は特に限られない。すなわち、例えば、酸による洗浄処理や電解処理を用いることができる。酸を用いた洗浄を行う場合には、煮沸した酸を用いることもできる。酸としては、例えば、塩酸を好ましく用いることができる。
また、本製造方法は、金属除去処理が施された炭素触媒に熱処理を施すことにより当該炭素触媒の活性を向上させる熱処理工程をさらに含むこともできる。この熱処理工程においては、金属除去処理後の炭素触媒を加熱する熱処理を行う。
熱処理は、炭素触媒を所定の温度(熱処理温度)で保持することにより行う。熱処理温度は、例えば、300〜1500℃の範囲内の温度とすることができ、400℃以上とすることが好ましく、600℃以上とすることがより好ましく、700℃以上とすることが特に好ましい。600℃以上又は700℃以上で熱処理を行うことにより、炭素触媒の活性を効果的に向上させることができる。また、熱処理温度は、1200℃以下とすることが好ましく、1000℃以下とすることがより好ましい。
熱処理温度の範囲は、これらの下限値及び上限値を任意に組み合わせた範囲とすることができる。すなわち、この熱処理温度は、例えば、400℃〜1200℃の範囲内とすることができ、好ましくは600℃〜1200℃の範囲内とすることができ、より好ましくは700〜1200℃の範囲内とすることができ、特に好ましくは700〜1000℃の範囲内とすることができる。また、これらの熱処理温度で炭素触媒を保持する時間は、例えば、10分〜5時間の範囲内とすることができ、好ましくは30分〜2時間の範囲内とすることができる。熱処理における昇温速度は、例えば、0.5〜1000℃/分の範囲内とすることができる。
このように、熱処理は、いわゆる黒鉛化処理で一般に採用される加熱温度よりも低い温度で行うことが好ましい。すなわち、熱処理は、例えば、炭素化工程S2で原料を加熱した温度以下の熱処理温度又は当該温度より低い熱処理温度で炭素触媒を加熱することにより行うことができる。
具体的に、例えば、炭素化処理における加熱温度が600℃〜1200℃の範囲内であった場合又は700℃〜1200℃の範囲内であった場合には、当該範囲内であって当該加熱温度以下の熱処理温度又は当該加熱温度より低い熱処理温度で熱処理を行うことができる。
このような熱処理により、例えば、炭素触媒表面の活性点となる構造欠陥を効果的に形成することができる。また、この熱処理により、例えば、金属除去処理後の炭素触媒中に僅かに残存する不活性な金属成分を除去することもできる。したがって、活性点が効果的に露出された、より活性の高い炭素触媒を得ることができる。
また、本製造方法は、炭素触媒に窒素原子やホウ素原子を導入(ドープ)する工程を含むこともできる。炭素触媒に窒素原子やホウ素原子を導入する方法は特に限られない。すなわち、窒素原子をドープする場合には、例えば、アンモオキシデーション法やCVD法等の気相ドープ法、液相ドープ法又は気相−液相ドープ法を用いることができる。
具体的に、例えば、気相ドープ法においては、炭素触媒と、アンモニア、メラミン、アセトニトリル等の窒素源と、を混合し、当該混合物を、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス及び空気雰囲気下、550〜1200℃の範囲内の温度で、5〜180分の範囲内の時間保持することによって、又はNOxガス中で熱処理することによって、当該炭素触媒の表面に窒素原子を導入することができる。窒素原子の導入により、当該窒素原子は、例えば、炭素構造の六角網面構造に導入されピロール型、グラフェン置換型、ピリジン型、ピリドン型、酸化型の構造を形成することができる。
本実施形態に係る炭素触媒(以下、「本触媒」という。)は、炭素材料自体に触媒活性をもたせることにより製造される炭素触媒であり、上述したような本製造方法によって効率よく製造することができる。
本触媒は、導電性炭素材料と、当該導電性炭素材料の表面を被覆する炭素構造と、を有する炭素触媒である。この炭素構造は、例えば、上述のように熱可塑性樹脂と金属と導電性炭素材料とを含有する原料を加熱して炭素化することにより形成された炭素構造である。そして、この炭素構造は、活性点としてエッジ部分や屈曲部分等の欠陥部分が形成された炭素網面を含んで構成される。
本触媒において、炭素構造は、導電性炭素材料の表面に沿った膜状に形成することができる。具体的に、例えば、導電性炭素材料がカーボンブラック等の微粒子である場合には、本触媒において、炭素構造は当該微粒子の表面を被覆するよう形成される。このような被膜状の炭素構造は、上述のように、本製造方法により効率よく且つ確実に形成することができる。このように、本触媒は、いわば担体(基材)としての導電性炭素材料部分と、当該導電性炭素材料の表面に形成された、活性点を含む炭素構造部分(炭素化層)と、を有している。
また、本触媒は、本来の炭素構造を維持した導電性炭素材料を含んで構成することができる。すなわち、上述のとおり、本製造方法の炭素化の過程では、導電性炭素材料の表面を被覆した熱可塑性樹脂が、その体積を減少させながら炭素化される。
この結果、導電性炭素材料の表面には、当該表面を被覆していた熱可塑性樹脂の層よりも薄い炭素構造が形成され、当該導電性炭素材料の構造はほとんど変化しない。したがって、本触媒は導電性炭素材料の本来の特性を活かした炭素触媒とすることができる。
また、本触媒の炭素構造は、例えば、導電性炭素材料の表面に積層された1〜5層の炭素網面から構成することができる。この炭素構造は、1〜4層の炭素網面から構成することもでき、1〜3層の炭素網面から構成することもでき、1〜2層の炭素網面から構成することもできる。炭素構造において積層されている炭素網面の数は、例えば、X線回折の測定結果に基づいて得られる、当該炭素網面が積層される方向(c軸方向)における結晶子サイズLcから算出することができる。炭素構造がこのような薄膜状に形成されている場合、本触媒の外観は、当該炭素構造が形成されていない導電性炭素材料自体の外観と類似したものとなる。
なお、例えば、互いに別個独立に調製された導電性炭素材料の粉末と炭素触媒の粉末とを混合して複合材料を製造した場合には、当該炭素触媒のナノレベルの活性点と当該導電性炭素材料とが良好に接触した界面を形成することは困難である。したがって、このような複合材料は高性能の触媒材料とはなり得ない。
これに対し、本触媒においては、炭素構造が導電性炭素材料を被覆しているため、当該炭素構造のナノレベルの活性点と当該導電性炭素材料とが良好に接触した界面を形成することができる。したがって、本触媒は、導電性炭素材料自体が本来触媒活性を有していない場合であっても、炭素構造と導電性炭素材料との相乗効果により、当該導電性炭素材料を含まない場合に比べて高い活性を有することができる。
本触媒は、触媒活性として、例えば、酸素還元活性を有する。すなわち、本触媒は、例えば、燃料電池用電極における酸素還元反応を効果的に触媒することができる。
酸素還元活性は、例えば、酸素還元開始電位により評価することができる。すなわち、本触媒の酸素還元開始電位は、−10μA/cmの還元電流が流れた電圧として評価した場合には、例えば、0.7V vs. NHE(対標準水素電極)以上、1.2V vs. NHE以下の範囲内とすることができる。また、この酸素還元開始電位は、例えば、0.75V以上とすることができ、好ましくは0.76V以上とすることができ、より好ましくは0.77V以上とすることもできる。
なお、この酸素還元開始電位は、例えば、本触媒を塗布した作用電極を有する回転リングディスク電極装置を用いて電位を掃引印加することにより得られる当該電圧と電流との関係を示すデータに基づき決定することができる。
また、本触媒の触媒活性は、例えば、酸素還元反応における反応関与電子数により評価することができる。この反応関与電子数は、本触媒により触媒される酸素還元反応において、酸素1分子あたりの還元反応に関与する電子の数として算出される。
すなわち、例えば、燃料電池のカソード電極(空気極)においてプロトンと酸素とから水が生成される反応においては、理論的には、酸素1分子の還元反応に4つの電子が関与する。しかしながら、実際には、酸素1分子の還元反応に2つの電子が関与して過酸化水素が生成される反応も並行して起こる。
したがって、カソード電極の酸素還元反応において、酸素1分子の還元反応に関与する電子の数が4に近いほど、より多くの電流を取り出すことができ、また、過酸化水素の発生を抑制でき環境負荷も低減できるため好ましいといえる。
この点、本触媒によれば、酸素還元反応における反応関与電子数を3.5〜4の範囲内とすることができ、好ましくは3.6以上とすることができ、より好ましくは3.8以上とすることができる。
また、本触媒は、その炭素構造を構成する炭素網面の結晶子サイズLaについて、特徴的な分布を有することができる。なお、この結晶子サイズLaは、炭素網面のa軸方向の広がりを示す。
すなわち、本触媒の炭素構造を構成する炭素網面の7.2nm以下の結晶子サイズLa分布において、1〜5nmの割合は、50%以上とすることができる。また、この場合、1nm未満の割合は、40%以下とすることができる。さらに、1〜5nmの割合は、好ましくは60%以上とすることができる。また、1nm未満の割合は、好ましくは30%以下とすることができ、より好ましくは20%以下とすることもできる。結晶子サイズLa分布における1〜5nmの割合及び1nm未満の割合は、上述の範囲を任意に組み合わせたものとすることができる。
また、本触媒の炭素構造を構成する炭素網面の7.2nm以下の結晶子サイズLa分布において、2〜5nmの割合は、20%以上とすることができ、好ましくは30%以上とすることができる。さらに、この場合、2nm未満の割合は、60%以下とすることができる。結晶子サイズLa分布における2〜5nmの割合及び2nm未満の割合は、上述の範囲を任意に組み合わせたものとすることができる。
また、熱処理を施すことにより、2〜5nmの割合は80%以上とすることができる。さらに、この場合、2nm未満の割合は、15%以下とすることができ、好ましくは10%以下とすることができ、より好ましくは5%以下とすることができる。結晶子サイズLa分布における2〜5nmの割合及び2nm未満の割合は、上述の範囲を任意に組み合わせたものとすることができる。
また、熱処理を施すことにより、3〜5nmの割合は、50%以上とすることができ、好ましくは60%以上とすることができ、より好ましくは70%以上とすることができる。さらに、この場合、3nm未満の割合は、50%以下とすることができ、好ましくは40%以下とすることができ、より好ましくは30%以下とすることができ、特に好ましくは20%以下とすることができる。結晶子サイズLa分布における3〜5nmの割合及び3nm未満の割合は、上述の範囲を任意に組み合わせたものとすることができる。
また、5nmを超える割合は、60%以下とすることができ、好ましくは40%以下とすることができ、より好ましくは20%以下とすることができる。結晶子サイズLa分布における5nm以下の割合及び5nmを超える割合は、上述の範囲を任意に組み合わせたものとすることができる。
このような結晶子サイズLaの分布は、例えば、X線回折による測定結果に基づいて、Diamondの方法により求めることができる。このDiamondの方法は、石炭やピッチのような比較的網面サイズの小さな試料中の炭素網面の平均サイズおよびその分布を評価するために、Diamondによって1956年に提案された方法である(例えば、R.Diamond, Ph.D.Dissertation, University of Cambridge, England, 1956、R.Diamond, Acta. Cryst. 10(1957)359-363.、R.Diamond, Acta. Cryst. 11(1958)129-138.、R.Diamond, Phil. Trans. Roy. Soc. London A252(1960)193-223.参照)。具体的には、構造が未知の炭素試料は、構造が既知の数種類のモデル炭素網面の集合体であるとの仮定の下で、当該試料について得られたX線回折プロファイルにおける11バンドの実測強度を、所定のモデル網面の理論X線散乱強度に重量分率を乗じたものの和で表現し、最小二乗法によって各々の重量分率を求め、網面サイズの分布を評価する方法である(例えば、藤本宏之、炭素、228(2007)185-194.参照)。
本実施形態に係る電極(以下、「本電極」という。)は、上述したような本触媒が担持された電極である。すなわち、本電極は、所定の電極基材と、当該電極基材上に担持された本触媒と、を有して構成することができる。
本電極は、例えば、燃料電池用電極とすることができ、より具体的には、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC)用電極とすることができる。すなわち、この場合、本触媒は、燃料電池用電極触媒とすることができ、好ましくはPEFC用電極触媒とすることができ、特に好ましくはPEFCのカソード電極触媒とすることができる。
本実施形態に係る電池(以下、「本電池」という。)は、上述の本電極を有する電池である。すなわち、本電池は、上述のとおり、例えば、燃料電池とすることができ、好ましくはPEFCとすることができる。
より具体的に、例えば、本電池がPEFCである場合、本電池は、高分子電解質膜と、当該高分子電解質膜の一方側及び他方側にそれぞれ形成されたカソード電極(正極、空気極)及びアノード電極(負極、燃料極)と、が一体化された膜/電極複合体(MEA)を有し、当該カソード電極には本触媒を担持することができる。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[実施例1]
1.5gのビニルピリジンを20mLのジメチルホルムアミドに溶解させた後、70℃で5日間かけて高分子化を行い、ポリビニルピリジンを得た。このポリビニルピリジンに0.65gの塩化鉄六水和物を加え、室温で24時間攪拌することによりポリビニルピリジン鉄錯体を得た。
この錯体にケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社)を加え、乳鉢を用いて混合することにより、ポリビニルピリジン鉄錯体とケッチェンブラックとを含有し、当該ケッチェンブラックを50重量%含有する原料を得た。
また、上述の塩化鉄六水和物に代えて、塩化コバルト六水和物を用いることにより、ポリビニルピリジンのコバルト錯体とケッチェンブラックとを含有し、当該ケッチェンブラックを50重量%含有する原料を得た。
次に、これらの原料の炭素化処理を行った。すなわち、まず上述のようにして調製した原料のそれぞれを石英管に入れ、当該石英管を楕円面反射型赤外線ゴールドイメージ炉に入れ、20分間窒素パージした。
そして、加熱を開始し、ゴールドイメージ炉の温度を、窒素雰囲気下で、1.5時間かけて室温から800℃まで昇温させた。その後、この石英管を800℃で1時間保持した。このような炭素化処理によって、炭素触媒を含有する組成物を得た。
さらに、こうして得られた組成物を遊星ボールミル(P−7、フリッチュジャパン株式会社)内に1.5mm径の窒化ケイ素ボールをセットし、当該組成物を回転速度800rpmで60分間粉砕した。粉砕した組成物を取り出し、目開き105μmの篩を通過した炭素触媒の微粒子を回収した。
さらに、上述のようにして得られた炭素触媒に、金属を除去するための酸洗い処理を施した。すなわち炭素触媒に37%のHClを加えて2時間撹拌した後静置して上澄み液をデカンテーションした。この操作を3回行った。さらに、吸引ろ過を行った後、さらに蒸留水による洗浄を行い、次いで煮沸を行った。こうして、金属除去処理が施された2種類の炭素触媒(PVP/Fe/KB触媒、PVP/Co/KB触媒)を得た。
また、上述のようにして得られたPVP/Fe/KB触媒の一部について、熱処理を施した。すなわち、PVP/Fe/KB触媒を石英管に入れ、当該石英管を楕円面反射型赤外線ゴールドイメージ炉に入れた。
そして、赤外線ゴールドイメージ炉において、石英管を、窒素雰囲気下、400℃、700℃又は1000℃で1時間保持した。こうして、3種類の異なる温度で熱処理が施された3種類の炭素触媒(PVP/Fe/KB(H400)触媒、PVP/Fe/KB(H700)触媒、PVP/Fe/KB(H1000)触媒)を得た。
[実施例2]
10gの8−キノリノール(オキシン)と、10gのホルムアルデヒドと、1gのシュウ酸二水和物を容積100mLのナスフラスコに入れ、100℃で一晩還流させた。次いで、1MのHClを5.5mL加え、同様に一晩還流させた。得られた固体を吸引ろ過し、蒸留水で3回洗浄し、一晩真空乾燥させて、高分子(Q高分子)を得た。
一方、8−キノリノールとフェノールとを、得られる高分子中のフェノールのモル分率が70%となる比率で混合した。得られた混合物を、8−キノリノールとフェノールとの合計量が0.1molとなる量だけ100mLのナスフラスコに入れた。さらに、0.1molのホルムアルデヒドを加え、ナスフラスコを100℃の湯浴で温め、均一に混ぜた。そこに1gのシュウ酸二水和物を入れ、100℃で一晩還流させた。さらに1MのHClを5.5mL加え、同様に一晩還流させた。得られた組成物を吸引ろ過し、蒸留水で3回洗浄し、一晩真空乾燥させて、高分子(Q−Ph高分子)を得た。
こうして得られた2種類の高分子のそれぞれを3.3gとり、100mLのDMFに溶解させた。そこに2.7gの塩化コバルト(II)を50mLのDMFに溶解させた溶液を加えて一晩静置した。この混合溶液をエバポレーター(90℃)を用いて、一晩真空乾燥させた。得られた組成物をソックスレー抽出器でエタノールを用いて一日洗浄し、さらに一晩真空乾燥させて、2種類の高分子コバルト錯体(Q/Co錯体、Q−Ph/Co錯体)を得た。
こうして得られた2種類の高分子コバルト錯体のそれぞれに、ケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社)を加え、乳鉢を用いて混合することにより、Q/Co錯体又はQ−Ph/Co錯体と、ケッチェンブラックとを含有し、当該ケッチェンブラックを50重量%含有する2種類の原料を得た。
こうして調製した2種類の原料のそれぞれを、赤外線イメージ炉を用いて、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で1000℃まで加熱し、1000℃で1時間保持して炭素化を行った。得られた組成物を乳鉢ですり潰して、目開き106μmの篩を通過した、粒径が106μm以下の微粒子を炭素触媒として回収した。
さらに、上述のようにして得られた炭素触媒に、コバルトを除去するための酸洗い処理を施した。すなわち炭素触媒に37%のHClを加えて2時間撹拌した後静置して上澄み液をデカンテーションした。この操作を3回行った。さらに、炭素触媒を吸引ろ過後、さらに蒸留水で洗浄し、次いで煮沸を行った。こうして、金属除去処理が施された2種類の炭素触媒(Q/Co/KB触媒、Q−Ph/Co/KB触媒)を得た。
[実施例3]
300mLのアセトンに3.275gのフェノ−ル樹脂(群栄化学工業株式会社)を加え、超音波を照射して溶解させた。さらに、1.0gのコバルトフタロシアニン錯体(東京化成工業株式会社)を加え、超音波を照射しながらロ−タリ−エバポレ−タ−を用いて40℃で溶媒を除去した。その後、残された組成物を温度80℃で24時間真空乾燥することにより、フェノ−ル樹脂を含有するコバルトフタロシアニン錯体を合成した。
こうして調製したコバルトフタロシアニン錯体を石英管に入れ、当該石英管を楕円面反射型赤外線ゴールドイメージ炉にて、20分間窒素ガスをパージした。そして、加熱を開始し、ゴールドイメージ炉の温度を、10℃/分の昇温速度で、室温から800℃まで昇温した。その後、この石英管を800℃で1時間保持した。このような炭素化処理によって、炭素触媒を得た。
さらに、こうして炭素触媒に、コバルトを除去するための酸洗い処理を施した。すなわち炭素触媒に37%のHClを加えて2時間撹拌した後静置して上澄み液をデカンテーションした。この操作を3回行った。さらに、炭素触媒を吸引ろ過後、さらに蒸留水で洗浄し、次いで煮沸を行った。こうして、金属除去処理が施された炭素触媒(Pc/Co触媒)を得た。
また、こうして得られたPc/Co触媒の一部について、熱処理を施した。すなわち、Pc/Co触媒を石英管に入れ、当該石英管を楕円面反射型赤外線ゴールドイメージ炉に入れた。そして、赤外線ゴールドイメージ炉において、石英管を、窒素雰囲気下、400℃、700℃又は1000℃で1時間保持した。こうして、3種類の異なる温度で熱処理が施された3種類の炭素触媒(Pc/Co(H400)触媒、Pc/Co(H700)触媒、Pc/Co(H1000)触媒)を得た。
[実施例4]
実施例1で得られた5種類の炭素触媒、実施例2で得られた2種類の炭素触媒、実施例3で得られた4種類の炭素触媒のそれぞれについて、酸素還元活性を評価した。すなわち、まず、粉末状の炭素触媒を5mg量り取り、これに50μLのバインダー溶液(ナフィオン(登録商標)、デュポン株式会社)、150μLの水、150μLのエタノールを適量加え、この混合溶液を触媒スラリーとして調製した。
次いで、微量の触媒スラリーをピペットにより吸い取り、回転リングディスク電極装置(RRDE−1 SC−5、有限会社 日厚計測)のディスク電極(直径5mm)に塗布し、乾燥させることにより、作用電極を作製した。リング電極としては、白金電極を用いた。電解質溶液としては、1M硫酸水溶液に酸素を常温で溶解したものを用いた。
回転速度1500rpmで電極を回転させ、掃引速度0.5mV/秒で電位を掃引したときの電流を電位の関数として記録した。また、得られた分極曲線から、−10μA/cmの還元電流が流れた電圧を、酸素還元開始電位として記録した。また、0.7Vの電圧を印加したときの電流密度も記録した。さらに、下記の式(I)により、反応関与電子数nを算出した。この式(I)において、I及びIは、それぞれ電位0Vにおけるディスク電流及びリング電流である。また、Nは捕捉率であり、0.372256とした。
Figure 0004979817
図2には、回転リングディスク電極法により得られた、電圧と電流密度との関係の一例を示す。図2Aには、4種類のPc/Co触媒についての結果を示し、図2Bには、4種類のPVP/Fe/KB触媒、Q/Co/KB触媒及びQ−Ph/Co/KB触媒についての結果を示す。図2において、横軸は電圧(V vs. NHE)であり、縦軸は各電圧における電流密度(mA/cm)である。なお、図2において、より電圧の高いところで大きな電流が流れる炭素触媒ほど触媒としての性能が高いことを意味する。また、図3には、各炭素触媒について、0.7Vが印加された場合の電流密度(mA/cm)、酸素還元開始電位(V)及び反応関与電子数を評価した結果の一例を示す。
図2及び図3に示すように、ポリビニルピリジンの鉄錯体又はコバルト錯体とケッチェンブラックとを含有する原料を用いて製造された5種類の炭素触媒は、他の炭素触媒に比べて高い酸素還元活性を有することが示された。
さらに、この5種類の炭素触媒のうち、熱処理が施された3種類の炭素触媒(PVP/Fe/KB(H400)、PVP/Fe/KB(H700)、PVP/Fe/KB(H1000))は、熱処理が施されていない2種類の炭素触媒(PVP/Fe/KB(N)、PVP/Co/KB)に比べて高い酸素還元活性を有することが示された。
すなわち、例えば、700℃又は1000℃で熱処理が施された炭素触媒(PVP/Fe/KB(H700)、PVP/Fe/KB(H1000))については、熱処理が施されていない炭素触媒(PVP/Fe/KB(N))に比べて2.5倍前後の電流密度の増加が確認された。
700℃以上で熱処理を行うことによって、例えば、炭素触媒表面の官能基を効果的に焼失させることができ、その結果、炭素網面のエッジ部分に、酸素還元反応を引き起こす反応場が効率的に形成されたものと考えられた。
[実施例5]
上述の実施例1と同様にして、ポリビニルピリジン鉄錯体とケッチェンブラックとを含有し、当該ケッチェンブラックを50重量%含有する原料を得た。そして、上述の実施例1と同様に、この原料を加熱して昇温し、窒素雰囲気下、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃又は1000℃で1時間保持した。
さらに、上述の実施例1と同様に、こうして得られた組成物を粉砕し、篩にかけた後、金属除去処理を行い、炭素化処理温度が異なる6種類の炭素触媒(PVP/Fe/KB(C500)、PVP/Fe/KB(C600)、PVP/Fe/KB(C700)、PVP/Fe/KB(C800)、PVP/Fe/KB(C900)、PVP/Fe/KB(C1000))を得た。
また、上述の実施例1と同様に、700℃〜1000℃の炭素化温度で製造された4種類の炭素触媒の一部に熱処理を施した。熱処理における加熱温度は700℃とした。そして、上述の実施例4と同様に、各炭素触媒の酸素還元活性を評価した。
図4には、700℃〜1000℃の炭素化温度で製造され熱処理が施されていない4種類の炭素触媒及び700℃〜1000℃の炭素化温度で製造され熱処理が施された4種類の触媒の各々について、酸素還元開始電位(V)及び反応関与電子数を評価した結果の一例を示す。図4に示すように、熱処理が施されることによって、炭素触媒の酸素還元活性が向上することが示された。
[実施例6]
上述の実施例3と同様にして、800℃又は1000℃で炭素化された2種類の炭素触媒(Pc/Co(C800)触媒、Pc/Co(C1000)触媒)を得た。また、同様に、コバルトフタロシアニン錯体に代えて、鉄フタロシアニン錯体を用いることにより、800℃で炭素化された炭素触媒(Pc/Fe(C800)触媒)を得た。そして、上述の実施例4と同様に、各炭素触媒の酸素還元活性を評価した。
図5には、各炭素触媒について、0.7Vが印加された場合の電流密度(mA/cm)及び酸素還元開始電位(V)を評価した結果の一例を示す。図5に示すように、各炭素触媒は、酸素還元活性を有することが確認された。
[実施例7]
上述の実施例5で得られた炭素触媒のうち8種類の炭素触媒、当該炭素触媒の製造に用いられたケッチェンブラック、及び実施例6で得られた3種類の炭素触媒の各々について、結晶子サイズLaの分布を評価した。
炭素触媒の試料を、ガラス試料板の凹部に入れるとともにスライドガラスで押さえ、当該試料をその表面と基準面とが一致するように当該凹部に均一に充填した。次いで、この充填された炭素触媒試料の形態が崩れないように、ガラス試料板を広角X線回折試料台に固定した。
そして、X線回折装置(Rigaku RINT2100/PC、株式会社リガク)を用いてX線回折測定を行った。X線管球への印加電圧及び電流はそれぞれ32kV及び20mAとした。サンプリング間隔は0.1°、走査速度は0.1°/分、測定角度範囲(2θ)は5〜100°とした。入射X線としてはCuKαを用いた。
まず、各試料の粉末X線回折図形を測定し、回折ピークを測定し、積算を4回行うことで解析対象となるデータを得た。次に、炭素の平均網面サイズおよびその分布を、Diamond法を用いて解析した。この解析には、コンピュータにインストールされた解析用ソフトウエア(Carbon Analyzer D series、藤本宏之、http://www.asahi-net.or.jp/~qn6h-fjmt/)を用いた。解析対象データは、CuKa線をX線源としてカウンターグラファイトモノクロメータを用いて測定された炭素質材料の11バンド強度に限定した。また、解析可能な最大網面サイズは約7nmであった。
ここで、Diamondの提案した解析方法の手順は、基本的に、(1)試料の11バンドの強度測定、(2)実測強度の補正、(3)試料中に存在すると予想されるモデル網面の想定、(4)想定したモデル網面からの理論散乱強度の計算、(5)求めた実測強度の理論散乱強度による最小二乗フィッティング、(6)各理論散乱強度の重みからのモデル網面の重量分率および平均網面サイズの算出の6つのステップからなる。そこで、はじめに解析するデータを読み込み平滑化処理、吸収補正を行った。平滑化処理は7回行い、吸収補正は理論吸収係数4.219を用いて実行した。
次に、理論散乱強度計算を行った。計算式として、下記の式(II)を用いた。この式(II)において、Iは実測強度、wは質量分率、Bは理論X線散乱強度、Pは偏向因子、v、sは網面モデル因子である。
Figure 0004979817
ここで、すべてのパラメータがnの関数として表現できる(藤本宏之、炭素、192(2000)125−129参照)。理論散乱強度の計算には、初期条件の設定として二次元格子定数a及びRuland係数の決定、モデル網面の選定が必要になる。二次元格子定数は、一般にベンゼンおよび理想黒鉛の格子定数の間の値、約0.240〜0.24612nmを設定する。Rulandの係数は、使用したモノクロメータのエネルギーのパスバンドを表す関数の積分幅を示しており、一般に0〜1の値を取る。
本解析では格子定数aの初期設定値として、一般的な炭素質材料の格子定数に近い値として0.24412nmを選択した。Rulandの係数の初期設定値としては0.05を選択した。
次に、モデル網面の選定を行った。上記ソフトウェアでは、ベンゼン・コロネンベースモデル、ピレンベースモデル、混合モデルの3種類のモデル網面を用いて理論強度を計算実行できる。これに対し、本解析では、図6に示すようなベンゼン・コロネンベースモデルを用いた。このモデルの場合には、二次元格子定数aの奇数倍サイズ(1、3、5・・・25、27、29倍)のモデル網面(およそ0.25nm〜7nm)の散乱強度を計算することが可能である。
こうしてすべての選択条件を決定し、理論散乱強度計算を行った。計算が終了すると、下記の式(III)に基づく最小二乗法による反復計算を1000回行い、フィッティング角度範囲2θを60〜100°として、実測プロファイルと理論プロファイルのフィッティングを行った。フィッティングが終了すると、コンピュータのディスプレイに、フィッティング結果、網面サイズ分布、及び平均網面サイズが表示された。こうして、7.2nm以下の結晶子サイズLa分布として、0.245nm、0.736nm、1.223nm、1.719nm、2.210nm、2.700nm、3.200nm、3.683nm、4.174nm、4.665nm、5.156nm、5.647nm、6.138nm、6.630nm及び7.110nmの結晶子サイズの割合(%)が得られた。
Figure 0004979817
図7には、上述の実施例5で700〜1000℃の炭素化温度で製造された8種類の炭素触媒、及び当該炭素触媒の製造に用いられたケッチェンブラックの各々について得られた結晶子サイズLa分布の一例を示す。図7A、C、E及びGはそれぞれ、700℃、800℃、900℃及び1000℃の炭素化温度で製造され熱処理が施されていない炭素触媒の結果を示し、図7B、D、F及びHはそれぞれ、700℃、800℃、900℃及び1000℃の炭素化温度で製造され700℃で熱処理が施された炭素触媒の結果を示し、図7Iはケッチェンブラックの結果を示している。
また、図8には、上述の実施例6で得られた3種類の炭素触媒について得られた結晶子サイズLaの分布の一例を示す。図8A、B及びCはそれぞれ、熱処理が施されていないPc/Co(C800)触媒、Pc/Co(C1000)触媒及びPc/Fe(C800)触媒の結果を示している。また、図9には、解析の対象となった13種類の炭素触媒及びケッチェンブラックについて得られた結晶子サイズLa分布における、各範囲の結晶子サイズLaの割合(%)を示す。
図7〜図9に示すように、ポリビニルピリジン、鉄及びケッチェンブラックを含有する原料を用いて製造された10種類の炭素触媒(PVP/Fe/KB)は、他の炭素触媒とは異なる傾向の結晶子サイズLa分布を有していた。
すなわち、例えば、1〜5nmの範囲内の結晶子サイズLaの割合が60〜100%と高く、2〜5nmの範囲内の割合も30〜100%と高かった。特に、熱処理が施された場合には、1〜5nmの範囲内の結晶子サイズLaの割合が80〜100%と高く、2〜5nmの範囲内の割合も80〜100%と高かった。一方、1nm未満の割合及び5nmを超える割合は、それぞれ20%以下と低かった。
このような熱可塑性樹脂(ポリビニルピリジン)と導電性炭素材料(ケッチェンブラック)との組み合わせによって得られる特有の結晶子サイズLa分布は、上述の実施例4の図3に示されるような酸素還元活性と関連するものと考えられた。
また、熱処理が施されたPVP/Fe/KB触媒は、熱処理が施されていないPVP/Fe/KB触媒とは異なる結晶子サイズLa分布を有していた。すなわち、例えば、熱処理が施されたPVP/Fe/KB触媒は、2〜5nmの範囲内の結晶子サイズLaの割合が80〜100%と高く、且つ2nm未満の割合が10%以下と低いという特有の結晶子サイズLa分布を有していた。さらに、熱処理が施されたPVP/Fe/KB触媒は、3〜5nmの範囲内の結晶子サイズLaの割合が70%以上と高く、且つ3nm未満の割合が20%以下と低いという特有の結晶子サイズLa分布を有していた。
このような熱処理の有無による炭素触媒の結晶子サイズLa分布の変化は、上述の実施例4の図3に示されるような、熱処理による酸素還元活性の向上と関連するものと考えられた。
[実施例8]
上述の実施例1で製造され熱処理が施されていないPVP/Fe/KB触媒、実施例2で製造されたQ/Co/KB触媒及びこれらの製造に用いられたケッチェンブラックのそれぞれについて、電子顕微鏡による観察を行った。
図10には、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影された写真の一例を示す。図10Aは、ポリビニルピリジンの鉄錯体とケッチェンブラックの混合物である原料についてのSEM写真であり、図10Bは、300℃まで加熱された原料のSEM写真であり、図10Cは、炭素化後のPVP/Fe/KB触媒のSEM写真である。また、図10Dは、Q/Co/KB触媒のSEM写真である。
図10Aに示すように、PVP/Fe/KB触媒の原料においては、ポリビニルピリジンの鉄錯体(図中の「PVP/Fe」)とケッチェンブラック(図中の「KB」)とが分離した状態で存在していた。
これに対し、図10Bに示すように、この原料をポリビニルピリジンの分解点付近である300℃まで加熱すると、当該原料においてポリビニルピリジンが溶融し、ケッチェンブラックの表面を被覆していた。
そして、図10Cに示すように、この原料を炭素化して得られたPVP/Fe/KB触媒においては、ケッチェンブラックの表面が、ポリビニルピリジン鉄錯体層の炭素化により形成された薄膜状の炭素構造により被覆されていた。
このPVP/Fe/KB触媒においては、ケッチェンブラックの構造が保存されていた。そして、構造を維持したケッチェンブラックと炭素構造の被膜とは当該ケッチェンブラックの表面に沿って広い範囲で接触していた。
すなわち、ポリビニルピリジン鉄錯体がケッチェンブラックの表面を被覆した後、炭素化に伴って収縮した結果、ケッチェンブラックと炭素構造との間にナノレベルの接着界面が良好に形成されたものと考えられた。
また、X線回折の測定結果に基づきHirschの方法により実施した積層分布解析により、このPVP/Fe/KB触媒においては、3層程度の小さな結晶子が形成されていると考えられた。
なお、このHirschの方法は、石炭やピッチのような比較的網面サイズの小さな試料中の炭素網面の平均積層枚数及び積層分布を評価するためにHirschによって1954年に提案された方法である。
ケッチェンブラックは通常2層程度の炭素網面を有しているため、当該ケッチェンブラックの表面に1〜2層程度の炭素網面からなる炭素構造が形成されていると考えられた。そして、このような炭素構造の薄膜が触媒の活性点を形成していると考えられた。
これに対し、図10Dに示すように、Q/Co/KB触媒においては、熱硬化性の8−キノリノール高分子のコバルト錯体が炭素化することにより形成された炭素化物(図中の「Q/Co」)が、ケッチェンブラック(図中の「KB」)と分離して存在していた。
すなわち、Q/Co/KB触媒は、ケッチェンブラックの表面に炭素化物の凝集塊が付着することにより構成されていた。したがって、PVP/Fe/KB触媒においては、このQ/Co/KB触媒に比べて、ケッチェンブラックと炭素構造との間で顕著に良好な接触が達成されていることが確認された。
また、図11には、透過型電子顕微鏡(TEM)により撮影された写真の一例を示す。図11Aは、PVP/Fe/KB触媒のTEM写真であり、図11Bは、Q/Co/KBのTEM写真であり、図11Cは、ケッチェンブラック単体のTEM写真である。
図11A及び図11Cに示すように、PVP/Fe/KB触媒においては、ケッチェンブラックの本来の構造が維持されていることが確認された。すなわち、PVP/Fe/KB触媒は、ケッチェンブラックの表面を被覆する極めて薄い炭素構造を有すると考えられた。
一方、図11B及び図11Cに示すように、Q/Co/KB触媒においては、もはやケッチェンブラック本来の構造は確認することができず、炭素化物の凝集塊とケッチェンブラックとが重なり合うように混在していると考えられた。

Claims (15)

  1. 導電性炭素材料と、
    前記導電性炭素材料の表面を被覆する炭素構造と、
    を有し、
    酸素還元活性を有する
    ことを特徴とする酸素還元用炭素触媒。
  2. 前記炭素構造を構成する炭素網面の7.2nm以下の結晶子サイズLa分布において、1〜5nmの割合が50%以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載された炭素触媒。
  3. 前記結晶子サイズLa分布において、1nm未満の割合が40%以下である
    ことを特徴とする請求項2に記載された炭素触媒。
  4. 前記炭素構造は、熱可塑性樹脂と金属と前記導電性炭素材料とを含有する原料を加熱して炭素化することにより形成された炭素構造である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載された炭素触媒。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された炭素触媒が担持されている
    ことを特徴とする電極。
  6. 請求項5に記載された電極を有する
    ことを特徴とする電池。
  7. 熱可塑性樹脂と金属と導電性炭素材料とを含有する原料を加熱することにより、溶融した前記熱可塑性樹脂で前記導電性炭素材料の表面を被覆するとともに、前記導電性炭素材料の表面で前記熱可塑性樹脂を炭素化して、酸素還元活性を有する炭素触媒を得る
    ことを特徴とする酸素還元用炭素触媒の製造方法。
  8. 前記熱可塑性樹脂は、前記金属に配位可能な高分子配位子であり、
    前記原料は、前記熱可塑性樹脂が前記金属に配位して形成された錯体を含有する
    ことを特徴とする請求項7に記載された炭素触媒の製造方法。
  9. 前記熱可塑性樹脂は、その分子内に配位原子として1又は複数の窒素原子を含む
    ことを特徴とする請求項8に記載された炭素触媒の製造方法。
  10. 前記熱可塑性樹脂は、ポリビニルピリジン、サレン重合物、ポリピロール、ポリビニルピロール、3−メチルポリピロール、ポリビニルカルバゾール、ポリアミド、ポリアニリン、ポリビスマレイミド、ポリアミドイミドからなる群より選択される1種又は2種以上を含有する
    ことを特徴とする請求項9に記載された炭素触媒の製造方法。
  11. 前記導電性炭素材料は、カーボンブラックである
    ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載された炭素触媒の製造方法。
  12. 前記金属は遷移金属である
    ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載された炭素触媒の製造方法。
  13. 炭素化により得られた前記炭素触媒に前記金属を除去する処理を施す工程と、
    前記処理が施された前記炭素触媒に熱処理を施すことにより前記炭素触媒の活性を向上させる工程と、
    をさらに含む
    ことを特徴とする請求項7乃至12のいずれかに記載された炭素触媒の製造方法。
  14. 前記熱処理は、前記炭素触媒を300〜1500℃の範囲内の温度で加熱することにより行う
    ことを特徴とする請求項13に記載された炭素触媒の製造方法。
  15. 請求項7乃至14のいずれかに記載された方法により製造され、
    酸素還元活性を有する
    ことを特徴とする酸素還元用炭素触媒。
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