JP5689379B2 - 触媒担持用担体、触媒担持体、電極及び電池 - Google Patents

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Description

本発明は、触媒担持用担体、触媒担持体、電極及び電池に関し、特に、炭素化材料からなる触媒担持用担体に関する。
固体高分子形燃料電池(PEFC)は、低温領域での運転が可能であり、エネルギー変換効率が高く、起動に要する時間が短く、そのシステムは小型で軽量とすることができる。このため、PEFCは、電気自動車の動力源、携帯用電源、家庭用コージェネレーション・システムへの応用が期待されている。
このPEFCでは、起動と停止の繰り返し運転中にカソード触媒層が一時的に高電位(例えば、0.8V以上)に曝される。この際にカソード触媒である白金(Pt)等の貴金属の作用により水の分解が起こり、酸素が発生すると、この酸素によって貴金属を担持している炭素材料が酸化腐食されて触媒担体が分解及び劣化する。触媒担体が劣化すれば、PEFCの発電性能は低下し、Pt等の貴金属の溶出やシンタリングが促進され、触媒活性は更に低下する。
そこで、高電位条件下においても耐久性が高く、Pt等の貴金属触媒が数nmオーダーの高分散状態で高効率に担持され、貴金属触媒の凝集等が起こらないような触媒担持用炭素材料の開発が進められている。
黒鉛等の高結晶性炭素材料は、耐久性の点では優れているが、触媒担持量の点では好ましくない。これは黒鉛等の高結晶性炭素材料の比表面積が小さいためである。したがって、一般に、触媒担持用炭素材料の耐久性と触媒担持量とはトレードオフの関係にある。
従来、例えば、特許文献1において、カーボンブラック又は活性炭を1800〜2500℃にて加熱処理することにより、その黒鉛化度を高め、結晶化度の高い高結晶性炭素材料を得ることが記載されている。
また、特許文献2においては、カーボンブラック及び黒鉛化促進物質(B、Si、Al、Fe又はこれらを含む化合物)を含む混合物を2000〜2500℃で加熱処理する方法や、さらに当該加熱処理の前又は後に賦活処理を行う方法により、耐食性に優れた黒鉛化カーボンブラックを得ることが記載されている。
また、特許文献3においては、カーボン系の触媒担体をあらかじめ電気化学的に酸化させることにより、その耐久性を向上させることが記載されている。また、特許文献4においては、貴金属触媒を担持した炭素材料(カーボンブラックやカーボンナノチューブ)を不活性ガス雰囲気下、300〜1200℃で熱処理することにより、当該炭素材料の腐食を抑制することが記載されている。
また、特許文献5,6においては、燃料電池用電極触媒の基材として、窒素化合物を含有する熱硬化性樹脂を400〜1500℃で熱処理することにより、窒素原子及び/又はホウ素原子がドープされたカーボンアロイ微粒子を得ることが記載されている。
また、特許文献7においては、難黒鉛化性炭素を生成する原材料(ポリフルフリルアルコール、フラン樹脂又はフェノール樹脂を含む熱硬化性樹脂、褐炭、セルロース、ポリ塩化ビニリデン及びリグニンからなる群より選択される)に金属化合物(鉄、コバルト、ニッケル、クロム、マンガンのうち少なくとも一つ)を添加混合後、熱処理による炭素化により、貴金属粒子を担持する炭素材料を得ることが記載されている。
特開2000−268828号公報 特開2000−273251号公報 特開2008−108495号公報 国際公開第2006/088194号 特開2004−362802号公報 特開2007−311026号公報 特開2005−019332号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、高結晶性炭素材料を製造する際に、1800℃以上の非常に高い温度で加熱処理を行う必要があるため、エネルギーコストが高い。また、高結晶性炭素材料は黒鉛化が進行しているため比表面積が小さくなってしまい、Pt等の貴金属触媒が担持され難く、必ずしも優れた担体であるとは言えない。
また、特許文献2に記載の技術においては、黒鉛化カーボンブラックを製造する際に、2000℃以上の非常に高い温度での加熱処理や賦活処理が必要となるため、エネルギーコストが高く、操作が煩雑となり、実用化が容易でない。
また、特許文献3に記載の技術においては、いったん製造された炭素材料を、さらに電気化学的に酸化する処理が必要であるため、操作が煩雑となる。また、特許文献4に記載の技術においては、炭素材料に貴金属触媒を担持した後にさらに熱処理を行う必要があるため、操作が煩雑となる。また、熱処理によって、担持されている貴金属触媒の凝集やシンタリングが起こることも懸念される。
また、特許文献5〜7には、白金等の貴金属触媒の使用量を低減できることは記載されているが、触媒担持体の耐久性と触媒の担持し易さ(以下、「触媒担持性能」という。)とを両立させることについては、何らの記載も示唆もない。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、耐久性と触媒担持性能との両立を高いレベルで達成できる触媒担持用担体、触媒担持体、電極及び電池を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る触媒担持用担体は、窒素含有有機物と金属とを含む原料を炭素化して得られたことを特徴とする。本発明によれば、耐久性と触媒担持性能との両立を高いレベルで達成できる触媒担持用担体を提供することができる。
また、前記触媒担持用担体は、X線回折図形における回折角26°付近のピークが、20〜45%の黒鉛類似構造成分と、55〜80%のアモルファス成分と、を含むこととしてもよい。また、前記触媒担持用担体は、ラマンスペクトルにおける1360cm−1バンドの1580cm−1バンドに対する強度比(I1360/I1580)が0.3以上、1.0以下であることとしてもよい。
また、前記触媒担持用担体は、前記原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属除去処理を施し、さらに熱処理を施して得られたこととしてもよい。この場合、前記金属は、遷移金属であることとしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る触媒担持体は、前記いずれかの触媒担持用担体と、前記触媒担持用担体に担持された貴金属触媒と、を有することを特徴とする。本発明によれば、耐久性と触媒担持性能との両立を高いレベルで達成できる触媒担持体を提供することができる。
また、前記触媒担持体は、サイクリックボルタンメトリーにおいて、0〜1.6Vの範囲で電位を50サイクル連続的に掃引した場合に、5サイクル目の1.5V印加時の電流値に対する50サイクル目の1.5V印加時の電流値の割合が90%以上であることとしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る電極は、前記触媒担持体を含むことを特徴とする。本発明によれば、耐久性と触媒担持性能との両立を高いレベルで達成できる電極を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る電池は、前記電極を含むことを特徴とする。本発明によれば、耐久性と触媒担持性能との両立を高いレベルで達成できる電池を提供することができる。
本発明によれば、耐久性と触媒担持性能との両立を高いレベルで達成できる触媒担持用担体、触媒担持体、電極及び電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る触媒担持用担体について得られたX線回折図形におけるピーク分離の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る触媒担持用担体の炭素構造、触媒担持体の耐久性及び触媒担持性能を評価した結果の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る触媒担持体の透過型電子顕微鏡写真の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る触媒担持体の酸素還元活性を評価した結果の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る触媒担持用担体の耐久性を評価した結果の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る触媒担持体の耐久性を評価した結果の一例を示す説明図である。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態で示す例に限られない。
本実施形態に係る触媒担持用担体(以下、本担体)は、貴金属触媒を担持するための担体であって、窒素含有有機物と金属とを含む原料を炭素化して得られる。
この原料に含まれる窒素含有有機物は、その分子内に窒素原子を含む有機化合物を含有し、炭素化できるもの(炭素源として使用できるもの)であれば特に限られず、任意の1種又は2種以上を使用することができる。
すなわち、窒素含有有機物としては、例えば、高分子量の有機化合物(例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の樹脂)及び低分子量の有機化合物の一方又は両方を使用することができる。また、例えば、植物廃材等のバイオマスを使用することもできる。
窒素含有有機物としては、例えば、金属に配位可能な配位子を好ましく使用することができる。すなわち、この場合、その分子内に1又は複数個の配位原子を含む窒素含有有機化合物を使用する。より具体的に、例えば、配位原子として、その分子内に窒素原子、リン原子、酸素原子、硫黄原子からなる群より選択される1種又は2種以上を含む窒素含有有機化合物を使用することができる。また、例えば、配位基として、その分子内にアミノ基、フォスフィノ基、カルボキシル基、チオール基からなる群より選択される1種又は2種以上を含む窒素含有有機化合物を使用することもできる。
具体的に、窒素含有有機化合物としては、例えば、ピロール、ポリピロール、ポリビニルピロール、3−メチルポリピロール、ビニルピリジン、ポリビニルピリジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾ−ル、アニリン、ポリアニリン、ポリアミノビスマレイミド、ポリイミド、ベンゾイミダゾ−ル、ポリベンゾイミダゾ−ル、ポリアミド、アクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、キチン、キトサン、絹、毛、ポリアミノ酸、核酸、DNA、RNA、ヒドラジン、ヒドラジド、尿素、サレン、ポリカルバゾール、ポリビスマレイミド、トリアジン、メラミン、メラミン樹脂、ポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される1種又は2種以上を使用することができる。
また、廃材等のバイオマスとしては、例えば、コーヒー出し殻、お茶出し殻、ビール絞り粕、米ぬか等の食品産業廃棄物、林地残材、建築廃材等の木質系廃材、下水汚泥等の生活系廃材からなる群より選択される1種又は2種以上を使用することができる。窒素含有有機物は、例えば、ホウ素、リン、酸素、硫黄からなる群より選択される1種又は2種以上をさらに含有することもできる。
原料に含まれる金属は、本担体の耐久性や触媒担持性能を阻害しないものであれば特に限られず、任意の1種又は2種以上を使用することができる。この金属は、例えば、周期表の3族〜16族からなる群より選択される1種又は2種以上とすることができる。すなわち、周期表の3A族(3族)元素、4A族(4族)元素、5A族(5族)元素、6A族(6族)元素、7A族(7族)元素、8族(8族、9族及び10族)元素、1B族(11族)元素、2B族(12族)元素、3B族(13族)元素、4B族(14族)元素、5B族(15族)元素及び6B族(16族)元素からなる群より選択される1種又は2種以上を使用することができる。
金属としては、例えば、遷移金属(周期表の3族から12族)を好ましく使用することができる。さらに、遷移金属としては、周期表の3族から12族の第4周期に属する金属を好ましく用いることができる。
具体的には、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、ランタノイド(セリウム(Ce)等)及びアクチノイドからなる群より選択される1種又は2種以上を好ましく使用することができ、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅からなる群より選択される1種又は2種以上をより好ましく使用することができる。
金属は、当該金属の単体又は当該金属の化合物として使用することができる。金属化合物としては、例えば、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属硫化物、金属炭化物、金属錯体を使用することができ、金属塩、金属酸化物、金属硫化物、金属錯体を好ましく使用することができる。なお、上述の有機化合物として配位子を使用する場合には、原料中において金属錯体が形成されることとなる。
また、本担体の原料は、導電性炭素材料をさらに含有することもできる。導電性炭素材料は、本担体に導電性を付与し、又は本担体の導電性を向上させるものであれば特に限られず、任意の1種又は2種以上を使用することができる。すなわち、導電性炭素材料としては、例えば、導電性を有し、それ自身では触媒活性を有しない炭素材料を使用することができる。
具体的に、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、カーボンフィブリル、活性炭、黒鉛粉末からなる群より選択される1種又は2種以上を使用することができる。
原料の炭素化は、上述のような窒素含有有機物と金属とを少なくとも含有する原料を加熱して、当該原料を炭素化できる所定温度(炭素化温度)で保持することにより行う。炭素化温度は、原料を炭素化できる温度であれば特に限られず、例えば、300℃以上とすることができる。より具体的に、炭素化温度は、例えば、300℃以上、1500℃以下とすることができ、好ましくは400℃以上、1200℃以下とすることができ、より好ましくは500℃以上、1100℃以下とすることができる。
原料を炭素化温度まで加熱する際の昇温速度は、特に限られず、例えば、0.5℃/分以上、300℃/分以下とすることができる。原料を炭素化温度で保持する時間(炭素化時間)は、原料を炭素化できる時間であれば特に限られず、例えば、5分以上とすることができる。より具体的に、炭素化時間は、例えば、5分以上、240分以下とすることができ、好ましくは20分以上、180分以下とすることができる。また、炭素化は、窒素等の不活性ガス下(例えば、不活性ガスの流通下)で行うことが好ましい。
本担体は、このような原料の炭素化により生成された炭素化材料として得ることができる。また、本担体は、この炭素化材料を粉砕したものとすることもできる。炭素化材料を粉砕する方法は、特に限られず、例えば、ボールミルやビーズミル等の粉砕装置を使用することができる。粉砕後の本担体の平均粒径は、例えば、1000μm以下とすることができ、好ましくは150μm以下とすることができ、より好ましくは45μm以下とすることができる。
本担体は、原料の炭素化により得られた炭素化材料に窒素原子を導入(ドープ)したものとすることもできる。窒素原子を導入する方法としては、例えば、アンモオキシデーション法やCVD法等の気相ドープ法、液相ドープ法又は気相-液相ドープ法を使用することができる。具体的に、例えば、アンモニア、メラミン、アセトニトリル等の窒素源を炭素化材料と混合し、得られた混合物を窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で550℃以上、1200℃以下の温度で、5分以上、180分以下の時間保持することにより、当該炭素化材料の表面に窒素原子を導入することができる。また、得られた炭素化材料に、二酸化炭素賦活、リン酸賦活、アルカリ賦活、水素賦活、アンモニア賦活、酸化窒素による賦活、電解賦活等の賦活処理及び/又は硝酸酸化、混酸酸化、過酸化水素酸化等の液相酸化を施すこともできる。
本担体は、例えば、上述の原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属除去処理を施し、さらに熱処理を施して得られた触媒担持用担体とすることもできる。
金属除去処理は、原料の炭素化により得られた炭素化材料に含まれる金属を除去する処理である。金属除去処理は、炭素化材料に含まれる金属を除去し、又は当該金属の量を低減できる処理であれば特に限られず、例えば、酸による洗浄処理や電解処理を実施することができる。
酸処理に使用する酸は、金属除去処理の効果が得られるものであれば特に限られず、任意の1種又は2種以上を使用することができる。すなわち、例えば、塩酸(例えば、濃塩酸)、硝酸(例えば、濃硝酸)及び硫酸(例えば、濃硫酸)からなる群より選択される1種又は2種以上を使用することができる。2種以上の酸を使用する場合には、例えば、濃塩酸と濃硝酸とを所定の体積比で混合して調製された混酸(例えば、王水)や、濃硝酸と濃硫酸とを所定の体積比で混合して調製された混酸を使用することができる。
酸処理の方法は、例えば、酸を含有する溶液中に炭素化材料を浸漬して保持する方法を使用することができる。
熱処理は、上述のように金属除去処理が施された炭素化材料を所定の温度(熱処理温度)で保持することにより行う。熱処理温度は、例えば、300℃以上とすることができ、400℃以上とすることもできる。より具体的に、熱処理温度は、例えば、300℃以上、1500℃以下とすることができ、好ましくは400℃以上、1400℃以下とすることができ、より好ましくは500℃以上、1300℃以下とすることができる。
熱処理温度は、上述の炭素化温度と同一の温度とすることができ、異なる温度とすることもできる。すなわち、熱処理温度は、炭素化温度より低い温度とすることもできる。また、熱処理温度は、炭素化温度より高い温度とすることもできる。
具体的に、例えば、炭素化温度が400℃以上、1100℃以下であった場合には、熱処理温度は300℃以上、1000℃以下であって且つ当該炭素化温度以下とすることができる。
炭素化材料を熱処理温度まで加熱する際の昇温速度や、炭素化材料を熱処理温度で保持する時間(熱処理時間)は、上述の炭素化の場合と同様とすることができる。熱処理は、窒素等の不活性ガス下(例えば、不活性ガスの流通下)で行うことが好ましい。金属除去処理及び熱処理は、2回以上繰り返すこともできる。本担体は、金属除去処理及び熱処理が施された炭素化材料を粉砕したものとすることもできる。
本担体は、例えば、上述の原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属含浸処理を施し、さらに熱処理を施して得られた触媒担持用担体とすることもできる。
金属含浸処理は、上述のように原料の炭素化により得られた炭素化材料に金属を含浸させる処理である。炭素化材料に含浸させる金属は、本担体の耐久性や触媒担持能を阻害しないものであれば特に限られず、任意の1種又は2種以上を使用することができる。
この金属は、例えば、周期表の3族〜16族からなる群より選択される1種又は2種以上とすることができる。また、金属としては、例えば、遷移金属(周期表の3族から12族)を好ましく使用することができる。さらに、遷移金属としては、周期表の3族から12族の第4周期、第5周期又は第6周期に属する金属を好ましく用いることができる。
具体的に、例えば、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ランタン、セリウム、タンタルからなる群より選択される1種又は2種以上を好ましく使用することができ、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ルテニウム、パラジウム、セリウムからなる群より選択される1種又は2種以上をより好ましく使用することができる。
また、金属含浸処理においては、上述の炭素化で使用した原料に含まれる金属とは異なる種類の金属を炭素化材料に含浸させることもできる。すなわち、例えば、アルミニウム、ケイ素、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、インジウム、スズ、ランタン、セリウム、タンタル、鉛からなる群又はチタン、鉄、ジルコニウム、ルテニウム、セリウムからなる群より選択され、且つ上記原料に含まれる金属とは異なる1種又は2種以上を炭素化材料に含浸させることができる。
金属は、当該金属の単体又は当該金属の化合物として使用することができる。金属化合物としては、例えば、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属硫化物、金属炭化物、金属錯体を使用することができ、金属塩、金属酸化物、金属硫化物、金属錯体を好ましく使用することができる。
炭素化材料に金属を含浸させる方法は、当該炭素化材料の少なくとも表面に当該金属を含浸させることのできるものであれば特に限られず、例えば、当該炭素化材料を、当該金属を含有する溶液に接触させる方法を使用することができる。
すなわち、例えば、金属含有溶液中に炭素化材料を浸漬して保持することにより、当該炭素化材料に金属を含浸させることができる。また、金属含有溶液としては、酸性の溶液を使用することもできる。この場合、金属含有溶液のpHは、例えば、1以上、6以下とすることができる。
続く熱処理は、上述のように金属が含浸された炭素化材料を所定の温度で保持することにより行う。この金属含浸処理後の熱処理は、上述の金属除去処理後の熱処理と同様に行うことができる。金属含浸処理及び熱処理は2回以上繰り返すこともできる。本担体は、金属含浸処理及び熱処理が施された炭素化材料を粉砕したものとすることもできる。また、本担体は、金属含浸処理、及びその後の熱処理が施され、さらに、上述の金属除去処理、及びその後の熱処理が施されたものとすることができる。この場合も、最後の熱処理後の炭素化材料を粉砕したものを本担体とすることもできる。
また、本担体は、X線回折図形における回折角26°付近のピークが、20〜45%の黒鉛類似構造成分と、55〜80%のアモルファス成分と、を含む触媒担持用担体とすることができる。
すなわち、後述する図1に示すように、本担体を構成する炭素化材料のX線回折(例えば、入射X線としてCuKαを使用)を行い、得られたX線回折図形において回折角(2θ)が26°付近(例えば、25°〜27°)のピ−クを分離すると、炭素構造の(002)面反射に対応する黒鉛類似構造成分に係るピークと、アモルファス成分に係るピークと、の面積比が、20〜45:55〜80となる。各成分の割合については、好ましくは、黒鉛類似構造成分の割合が30〜40%、アモルファス成分の割合が60〜70%とすることもできる。
ここで、本担体の黒鉛類似構造は、窒素含有有機物と金属とを含む原料を炭素化することにより得られるナノシェル構造を含む。このナノシェル構造は、後述する図3(A)及び(B)に示すように、原料に含まれていた金属の微粒子の周りに玉ねぎ状に積層発達した、グラファイト構造に類似の乱層構造である。
そして、本担体は、その炭素構造が、上記のような適切な比率で、ナノシェル構造を含む黒鉛類似構造と、非晶質のアモルファス構造と、を含むことにより、高い耐久性と高い触媒担持性能とを兼ね備えることができる。
さらに、本担体が金属除去処理及び熱処理を施して得られた炭素化材料である場合には、耐久性と触媒担持性能とをより高いレベルで兼ね備えることができる。これは、金属除去処理と、これに続く熱処理とによって、本担体において新たな炭素構造が形成されることによるものと考えられる。
また、本担体は、ラマンスペクトルにおける1360cm−1バンドの1580cm−1バンドに対する強度比(I1360/I1580)が0.3以上、1.0以下である触媒担持用担体とすることができる。
すなわち、本担体を構成する炭素化材料のラマン分光測定を行うと、得られたラマンスペクトルにおいては、ラマンシフトが1580cm−1付近のピーク(Gバンド)に加え、ラマンシフトが1360cm−1付近のピーク(Dバンド)が現れ、当該Gバンドの強度(I1580)に対するDバンドの強度(I1360)の比(I1360/I1580)が、0.3以上、1.0以下となる。このD/G強度比(I1360/I1580)は、好ましくは0.3以上、0.8以下とすることができる。
ここで、1360cm−1バンド(Dバンド)は、炭素材料における結晶構造の乱れを反映しているため、D/G強度比(I1360/I1580)は、炭素材料の構造の乱れや欠陥を示す指標となる。すなわち、炭素材料の構造の乱れや欠陥が多くなるほど、当該炭素材料のD/G強度比(I1360/I1580)が大きくなる。
そして、本担体は、その炭素構造が、構造の乱れや欠陥を、上記のようなD/G強度比(I1360/I1580)の範囲で示される適度なバランスで含むことにより、高い耐久性と高い触媒担持性能とを兼ね備えることができる。
本実施形態に係る触媒担持体(以下、「本触媒体」という。)は、上述の触媒担持用担体と、当該触媒担持用担体に担持された貴金属触媒と、を有する触媒担持体である。
本触媒体に担持される貴金属触媒は、触媒活性を有する貴金属であれば特に限られず、任意の1種又は2種以上を使用することができる。具体的に、貴金属触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウムからなる群より選択される1種又は2種以上を使用することができる。
貴金属触媒を担持する方法は、特に限られない。すなわち、例えば、貴金属触媒を含有する溶液中に本担体を浸漬し、所定温度で所定時間保持することにより、本担体に当該貴金属触媒を担持することができる。
本触媒体における貴金属触媒の担持量は、所望の触媒活性が得られる範囲であれば特に限られない。すなわち、本触媒体は、例えば、本担体に対して0.1〜80重量%(本担体100重量部に対して0.1〜80重量部)、好ましくは0.1〜60重量%の貴金属触媒を担持することができる。
また、本触媒体は、サイクリックボルタンメトリーにおいて、0〜1.6Vの範囲で電位を50サイクル連続的に掃引した場合に、5サイクル目の1.5V印加時の電流値に対する50サイクル目の1.5V印加時の電流値の割合が90%以上である触媒担持体とすることができる。
すなわち、本触媒体を作用電極に使用したサイクリックボルタンメトリーにおいて、電位を0〜1.6Vの範囲で掃引するサイクルを50回連続的に行った場合には、5回目のサイクルで電圧1.5Vを印加した時点の当該作用電極に流れる電流値を100%とすると、50回目のサイクルで電圧1.5Vを印加した時点の当該作用電極に流れる電流値は90%以上に維持される。換言すれば、5サイクル目の1.5V印加時の電流値に対する50サイクル目の1.5V印加時の電流値は、10%以上減少しない。
本実施形態に係る電極(以下、「本電極」という。)は、上述の触媒担持体を含む電極である。すなわち、本電極は、上述の本触媒体が担持された電極である。具体的に、本電極は、例えば、所定の電極基材と、当該電極基材に担持された本触媒体と、を有する電極である。
本電極は、例えば、燃料電池用電極とすることができ、好ましくは固体高分子形燃料電池(PEFC)用電極とすることができる。本電極が燃料電池用電極である場合には、当該本電極は、カソード電極とすることが好ましい。
すなわち、上述の本触媒体は、例えば、燃料電池用電極触媒とすることができ、好ましくはPEFC用電極触媒とすることができる。そして、本触媒体が燃料電池用電極触媒である場合には、当該本触媒体は、カソード電極触媒とすることが好ましい。
本実施形態に係る電池(以下、「本電池」という。)は、上述の電極を含む電池である。すなわち、本電池は、カソード電極及びアノード電極の一方又は両方として上述の本電極を備えた電池である。
本電池は、例えば、燃料電池とすることができ、好ましくはPEFCとすることができる。すなわち、本電池は、例えば、本電極を含む膜/電極接合体を備えたPEFCとすることができる。
具体的に、本電池は、例えば、高分子電解質膜と、当該高分子電解質膜の一方側及び他方側にそれぞれ形成されたカソード電極(正極、空気極)及びアノード電極(負極、燃料極)と、が一体化された膜/電極接合体を備え、当該カソード電極及びアノード電極の一方又は両方に本電極を備えたPEFCとすることができる。この場合、本電池は、少なくともカソード電極に本電極を備えることが好ましい。
このように、本実施形態によれば、耐久性と触媒担持性能との両立を高いレベルで達成できる触媒担持用担体、触媒担持体、電極及び電池を提供することができる。すなわち、窒素含有有機物と金属とを含む原料を炭素化することにより、ナノシェル構造を含む特殊な黒鉛類似構造が適度に発達した本担体を製造することができる。
この特殊な炭素構造は、例えば、上述のようにX線回折において、黒鉛類似構造成分とアモルファス成分とを適度な比率で含む回折線が得られ、及び/又は上述のようにラマン分光測定において、適度な範囲のD/G強度比(I1360/I1580)が得られる炭素構造である。
そして、この特殊な炭素構造を有する本担体は、酸化されにくく、腐食しにくい。また、本担体においては、多くの貴金属触媒の担持サイトが形成されていると考えられる。また、従来の高結晶性炭素材料のように高温での加熱処理が不要であるため、エネルギーコストを低く抑えることができる。
さらに、本担体が金属除去処理及び熱処理を経て得られた炭素化材料である場合には、当該本担体は、当該処理により形成された、より特殊な炭素構造を有し、その結果、耐久性及び触媒担持性能をより高いレベルで兼ね備えた触媒担持用担体となる。
また、このような本担体に白金等の貴金属触媒を担持してなる本触媒体は、高電位下での耐久性に優れ、当該貴金属触媒の溶出や凝集の発生が効果的に抑制される。すなわち、本触媒体においては、白金等の貴金属触媒を、粒子径が数nmオーダーの微粒子として、分散された状態で安定して保持することができ、当該貴金属触媒自体の劣化を効果的に抑制することができる。
また、本担体自身が、ナノシェル構造を含む黒鉛類似構造に基づく酸素還元活性を有することにより、本触媒体は、高レベルの酸素還元活性を示す。したがって、本触媒体に担持する白金等の貴金属触媒の量を低減しても、実用上十分な活性を有する触媒担持体を提供することができる。
また、このような本触媒体を備えた電極及び電池においては、高電位等の負荷がかかった場合でも、本担体の劣化が起こりにくく、その結果、高い性能を安定して維持することができる。
すなわち、例えば、燃料電池において白金が劣化するとカソード電極において2電子反応が増えて過酸化水素が多く発生するという問題が生じるが、本電池を、本電極を備えた燃料電池として実現した場合には、当該本電極に含まれる本担体自体に酸素還元活性があるため、4電子反応の比率を高率で維持することができる。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[原料の調製]
30.93gのアクリロニトリルと4.07gのメタクリル酸とを、蒸留水中、窒素雰囲気下において70℃で4時間重合した。得られた反応溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し真空乾燥機で乾燥し、ポリアクリロニトリル−ポリメタクリル酸共重合体を得た。
次いで、1.5gの共重合体に30gのジメチルホルムアミド、1.5gの2−メチルイミダゾール、1.5gの塩化コバルト六水和物(CoCl・6HO)を加えて乾燥した。
さらに、この混合物を大気中で加熱して、30分間で室温から150℃まで昇温し、続いて2時間かけて150℃から220℃まで昇温した。その後、混合物を220℃で3時間保持し、当該混合物の不融化を行った。こうして、炭素化材料の原料を調製した。
[炭素化]
次に、原料の炭素化を行った。すなわち、上述のように不融化処理した1.5gの原料を石英ボートに載せ、イメージ炉にて、20分間窒素パージし(窒素流量:0.7L/分)、加熱により50℃/分の昇温速度で室温から1000℃まで昇温した。その後、この原料を1000℃で1時間保持し、炭素化材料を得た。
さらに、炭素化材料を粉砕した。すなわち、炭素化材料を遊星ボールミル(P−7、フリッチュジャパン株式会社製)に入れ、直径が10mmのジルコニアボールをセットし、回転速度650rpmで50分間粉砕した。その後、粉砕した炭素化材料を取り出し、目開き106μmの篩いを通過した炭素化材料を回収した。
[金属除去処理]
次に、金属除去処理(酸処理)を行った。すなわち、上述のように粉砕した1gの炭素化材料に100mLの濃塩酸を加え、1時間攪拌した。次いで、炭素化材料を沈殿させ、溶液を除去した後、濃塩酸と蒸留水とを1:1(体積比)で混合した溶液を100mL加え、1時間攪拌した。炭素化材料を沈殿させ、溶液を除去した後、蒸留水を100mL加え、1時間攪拌した。こうして、炭素化材料から金属(Co)を除去した。その後、この炭素化材料を蒸留水で洗浄し、吸引ろ過し、真空乾燥機で乾燥した。
[熱処理]
次に、熱処理を行った。すなわち、上述のように酸処理を施した炭素化材料を石英ボートに載せ、イメージ炉にて、20分間窒素パージし(窒素流量:0.7L/分)、加熱により50℃/分の昇温速度で室温から700℃まで昇温した。その後、この炭素化材料を700℃で1時間保持した。
さらに、炭素化材料を粉砕した。すなわち、炭素化材料を遊星ボールミル(P−7、フリッチュジャパン株式会社製)に入れ、直径が10mmのジルコニアボールをセットし、回転速度450rpmで20分間粉砕した。その後、粉砕した炭素化材料を取り出し、目開き106μmの篩いを通過した炭素化材料を、触媒担持用担体(IK(Co)1000℃AW)として得た。
[触媒担持処理]
次に、担体に対して10重量%の白金(Pt)を使用して触媒担持処理を行った。すなわち、0.265gの塩化白金酸(白金を0.1g含有)を100gの蒸留水中に溶解し、白金含有溶液を調製した。次いで、この白金含有溶液に、上述のようにして得られた1gの炭素化材料からなる担体(IK(Co)1000℃AW)を加え、100℃で3時間還流した。その後、炭素化材料を蒸留水で洗浄し、吸引ろ過で回収した。さらに、真空乾燥後、水素雰囲気中で650℃にて還元処理した炭素化材料を、白金を担持した炭素化材料からなる触媒担持体(Pt/IK(Co)1000℃AW)として得た。
原料の調製時に、塩化コバルト六水和物(CoCl・6HO)に代えて、1.70gの塩化マンガン(II)四水和物(MnCl・4HO)を使用し、炭素化を800℃で行った以外は上述の実施例1と同様にして、触媒担持用担体(IK(Mn)800℃AW)及び触媒担持体(Pt/IK(Mn)800℃AW)を得た。
原料の調製時に、塩化コバルト六水和物(CoCl・6HO)に代えて、1.25gの塩化鉄(III)六水和物(FeCl・6HO)を使用し、炭素化を800℃で行った以外は上述の実施例1と同様にして、触媒担持用担体(IK(Fe)800℃AW)及び触媒担持体(Pt/IK(Fe)800℃AW)を得た。
金属除去処理(酸処理)及び熱処理を行わなかった以外は上述の実施例1と同様にして、炭素化により得られた炭素化材料を触媒担持用担体(IK(Co)1000℃(−))として得た。また、この炭素化材料に上述の実施例1と同様の触媒担持処理を施すことにより、白金を担持した当該炭素化材料からなる触媒担持体(Pt/IK(Co)1000℃(−))を得た。
比較例1
ケッチェンブラック(ECP600JD、ライオン株式会社製)を触媒担持用担体(KB)として準備した。また、炭素化材料(IK(Co)1000℃AW)に代えて、触媒担持用担体(KB)を使用した以外は上述の実施例1と同様の触媒担持処理を行い、白金を担持したケッチェンブラックからなる触媒担持体(Pt/KB)を得た。
比較例2
高黒鉛化カーボンブラック(SCB−GF、SECカーボン株式会社製)を触媒担持用炭素材料(GCB)として準備した。また、炭素化材料(IK(Co)1000℃AW)に代えて、触媒担持用担体(GCB)を使用した以外は上述の実施例1と同様の触媒担持処理を行い、白金を担持した高黒鉛化カーボンブラックからなる触媒担持体(Pt/GCB)を得た。
比較例3
黒鉛(RC−VERS、ティムカル・グラファイト・アンド・カーボン社製)を触媒担持用炭素材料(Gr)として準備した。また、炭素化材料(IK(Co)1000℃AW)に代えて、触媒担持用担体(Gr)を使用した以外は上述の実施例1と同様の触媒担持処理を行い、白金を担持した黒鉛からなる触媒担持体(Pt/Gr)を得た。
比較例4
原料の調製時に、塩化コバルト六水和物(CoCl・6HO)を使用しなかった以外は上述の実施例1と同様にして、触媒担持用担体(IK(−)1000℃AW)及び触媒担持体(Pt/IK(−)1000℃AW)を得た。
比較例5
原料の調製時に、塩化コバルト六水和物(CoCl・6HO)を使用せず、また、金属除去処理(酸処理)及び熱処理を行わなかった以外は上述の実施例1と同様にして、触媒担持用担体(IK(−)1000℃(−))及び触媒担持体(Pt/IK(−)1000℃(−))を得た。
[X線回折]
上述の実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた触媒担持用担体の各々について、粉末X線回折法による解析を行い、当該担体の炭素構造に含まれる黒鉛類似構造成分及びアモルファス成分の割合を評価した。
すなわち、X線回折装置(Rigaku RINT2100/PC、株式会社リガク)を用いてX線回折測定を行った。X線管球への印加電圧及び電流はそれぞれ50kV及び300mAとした。サンプリング間隔は0.01°、走査速度は0.5°/分、測定角度範囲(2θ)は5〜40°とした。入射X線としてはCuKαを用いた。
そして、回折角2θが26°付近のピークを、炭素構造の(002)面反射に対応する黒鉛類似構造成分(構造発達成分)に起因するピ−クと、アモルファス成分(構造未発達成分)に起因するピ−クと、に分離し、それぞれのピーク面積より、各成分の割合を算出した。
ピーク分離は、市販の解析ソフト(IGOR、Wave Metrics社製)を用いて行った。ピーク分離では、構造を評価するために、2θ=26°付近のメインピークを、黒鉛類似構造成分によるシャープなピーク(2θ=26.4°)とアモルファス成分によるブロードなピークとの二成分に分離した。ピークの分離方法としては、重なり合ったピークをローレンツ型の基本波形の重ね合わせにより近似し、偏光因子及び炭素の原子散乱因子の補正を行った回折図形に対して、ピーク強度、ピーク半値幅、ピーク位置を最適化し、各ピークをGaussianと仮定してカーブフィッティングすることによって行った。
図1には、上述の実施例1で得られた触媒担持用担体(IK(Co)1000℃AW)の、回折角2θが26°付近のメインピークをピーク分離した結果の一例を示す。図1に示すように、ピーク分離によって、黒鉛類似構造成分のピークと、アモルファス成分のピークと、の2つのピークが得られた。
[ラマン分光]
上述の実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた触媒担持用担体の各々について、ラマン分光法による解析を行い、炭素材料の構造の乱れや欠陥を評価した。すなわち、ラマンシフトが1580cm−1付近に現れるピーク(Gバンド)の強度に対する、1360cm−1付近に現れるピーク(Dバンド)の強度の比(I1360/I1580)を評価した。ラマンスペクトルは、HORIBA顕微レーザーラマン分光測定装置(LabRAM、HORIBA Jobin Yvon)を用いて、532nmの励起波長で、露光5秒×積算5回の条件で測定することにより得た。
このD/G強度比(I1360/I1580)が小さいほど、構造の乱れや欠陥が少ないことを示す。なお、一般に、炭素材料の構造の乱れや欠陥が少なく黒鉛化度が高いほど、白金等の触媒を担持した当該炭素材料からなる触媒担持体の耐久性(耐食性)は高くなる。
[触媒担持量]
上述の実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた触媒担持体の各々について、触媒の担持量を評価した。すなわち、上述のとおり1gの担体に対して0.1gの白金(Pt)を使用して触媒担持処理を行うことにより、当該担体に対して実際に担持された白金の量(重量%)を触媒担持量とした。具体的には、10mgの触媒担持体をるつぼに入れ、マッフル炉を用いて、700℃で3時間空気中にて灰化した後、王水4mLを加えて加熱して白金を溶出し、蒸留水で希釈後ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析により白金を定量した。
[耐久性試験]
上述の実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた触媒担持体の各々について、電圧を繰り返し印加する条件下における耐久性を評価した。まず、触媒担持体を含む触媒スラリーを調製した。具体的に、触媒担持体5mgに、5重量%Nafion(登録商標)溶液(Aldrich製)50μL、エタノール150μL、蒸留水150μLを加え、ガラスビーズを加え、10分間超音波処理し、均一な触媒スラリーを得た。
次いで、この触媒スラリーをピペットにより4μL吸い取り、回転リングディスク電極装置(RRDE−1 SC−5、有限会社 日厚計測製)のディスク電極(直径6mm)に塗布し、乾燥させることにより、作用電極を作製した。電解質溶液としては、0.5M硫酸水溶液に窒素を常温で飽和させたものを用いた。また、参照電極としては銀−塩化銀電極(Ag/AgCl/飽和KCl)を用いた。そして、回転電極を電解質溶液中に浸漬し、触媒担持体を作用電極に使用したサイクリックボルタンメトリーにおいて、掃引速度0.5mV/秒で0〜1.6Vの範囲で電位を50サイクル連続的に掃引し、当該作用電極に流れる電流値を測定した。
そして、5サイクル目で測定された電圧1.5V印加時の電流値に対する、50サイクル目で測定された電圧1.5V印加時の電流値の割合を耐久率(%)として求めた。この耐久率が低いほど、触媒担持体の耐久性が劣り、腐食が起こり易いことを意味する。
[評価結果]
図2には、実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた触媒担持用担体及び触媒担持体を上述のように評価した結果を示す。すなわち、図2には、各実施例及び比較例で使用した触媒担持用担体の種類、当該触媒担持用担体のX線回折(XRD)により得られた黒鉛類似構造成分の割合(%)及びアモルファス成分の割合(%)、当該触媒担持用担体のラマン分光測定により得られたD/G強度比(I1360/I1580)、当該触媒担持体に触媒(Pt)を担持してなる触媒担持体の耐久率(%)、当該触媒担持体における触媒(Pt)担持量(重量%)を示す。
図2に示すように、実施例1〜4に係る担体は、XRDにより得られた黒鉛類似構造成分の割合が30〜40%、アモルファス成分の割合が60〜70%であり、ラマン分光により得られたD/G強度比(I1360/I1580)は0.6〜0.75であった。
これに対し、金属を含有しない原料を炭素化して得られた比較例4,5に係る担体は、黒鉛類似構造成分の割合が30%未満、アモルファス成分の割合が70%超であり、D/G強度比は0.8超であった。
また、黒鉛化度を高めたカーボンブラック又は黒鉛からなる比較例2,3に係る担体は、黒鉛類似構造成分の割合が50%超、アモルファス成分の割合が50%未満であり、D/G強度比は0.2未満であった。また、ケッチェンブラックからなる比較例1に係る担体は、黒鉛類似構造成分の割合が1%、アモルファス成分の割合が99%であり、D/G強度比は1.27であった。
これらの結果より、実施例1〜4に係る担体は、比較例1,4,5に係る担体に比べて結晶性(黒鉛化度)が高く、比較例2,3に係る担体に比べて結晶性が低いことがわかった。
そして、図2に示すように、実施例1〜4に係る触媒担持体の耐久率は、いずれも比較例1〜5に係る触媒担持体に比べて高かった。すなわち、実施例1〜4に係る触媒担持体を使用したサイクリックボルタンメトリーにおいては、50サイクルの電圧印加を繰り返しても、電流値は90%以上に維持された。中でも金属除去処理(酸処理)及び熱処理が施された担体を使用した実施例1〜3に係る触媒担持体の電流値は、95%以上に維持された。
これに対し、比較例1〜5に係る触媒担持体を使用した場合には、50サイクルの電圧印加によって、電流値は90%未満に低下した。特に、比較例1に係る触媒担持体については、電流値が45%まで低下した。
さらに、実施例1〜4に係る触媒担持体の触媒担持量は、5.9〜8.4重量%(担体100重量%に対して担持された触媒量が5.9〜8.4重量%)といずれも高かった。これに対し、比較例1に係る触媒担持体の触媒担持量は6.3重量%であったものの、比較例2〜5に係る触媒担持体の触媒担持量は4.0重量%以下と低かった。
このように、実施例1〜4に係る触媒担持体は、電圧印加条件下での高い耐久性と、高い触媒担持性能と、を兼ね備えており、その高い有用性が示された。
これら実施例1〜4に係る触媒担持体における耐久性と触媒担持性能との両立は、当該実施例1〜4に係る担体の炭素構造が、黒鉛類似構造とアモルファス構造とを適切なバランスで含んでおり、且つ当該黒鉛類似構造がナノシェル構造を含んでいることによるものと考えられた。
すなわち、比較例1〜5の結果にも示されるように、一般に、炭素材料に含まれる黒鉛構造又は黒鉛類似構造の割合が高くなる(黒鉛化度が高くなる)ほど、耐久性は高くなるが触媒は担持され難くなる(比較例2,3)。また逆に、炭素材料に含まれるアモルファス成分の割合が高くなるほど、触媒は担持され易くなるが耐久性は低くなる(比較例1)。
また、同様の製法で製造されながら、金属を含有しない原料の炭素化により得られた担体を使用した比較例4,5においては、黒鉛類似構造(特にナノシェル構造を含む黒鉛類似構造)の発達が不十分であるために、耐久性及び触媒担持量も不十分であった。
これに対し、実施例1〜4に係る担体においては、ナノシェル構造を含む黒鉛類似構造が十分に発達し、且つ適度な割合でアモルファス構造も含まれることにより、当該担体を使用した触媒担持体においては、高い耐久性と高い触媒担持性能とを両立させることができたと考えられる。
また、金属除去処理(酸処理)及び熱処理が施された担体を使用した実施例1〜3に係る触媒担持体は、耐久性及び触媒担持性能が特に優れていた。すなわち、実施例1〜3に係る触媒担持体は、金属除去処理(酸処理)及び熱処理が施されていない担体を使用した実施例4に係る触媒担持体に比べても、耐久率がさらに高かった。
また、実施例1〜3に係る触媒担持体は、アモルファス成分の割合が99%と非常に高い比較例1に係る触媒担持体に比べても触媒担持量が多かった。すなわち、実施例1〜3に係る触媒担持体は、比較例1に係る触媒担持体よりアモルファス成分の割合が低いにも関わらず、触媒担持性能に優れていた。
この触媒担持性能の高さには、実施例1〜3に係る担体において、金属除去処理(酸処理)により触媒の担持サイトが増加したことに加え、さらなる熱処理により新たに形成された特殊な炭素構造が寄与しているものと考えられた。
触媒担持体に担持された白金粒子の安定性を評価した。すなわち、触媒担持体を所定の条件で焼成し、当該焼成後の触媒担持体における白金粒子の凝集等を透過型電子顕微鏡(TEM)により評価した。
具体的に、実施例1で得られた触媒担持体及び比較例1で得られた触媒担持体を石英ボートに乗せ、イメージ炉にて、20分間窒素パージし(窒素流量:0.7L/分)、加熱により50℃/分の昇温速度で室温から700℃まで昇温した。その後、これらの触媒担持体を700℃で1時間保持した。そして、焼成後の各触媒担持体をTEMにより観察した。なお、実施例1に係る触媒担持体については、焼成前にもTEMにより観察した。
図3には、TEMによる観察結果を示す。図3(A)及び(B)は焼成前の実施例1に係る触媒担持体、図3(C)は焼成後の実施例1に係る触媒担持体、図3(D)は焼成後の比較例1に係る触媒担持体のTEM写真をそれぞれ示す。
図3(A)及び(B)に示すように、焼成前の実施例1に係る触媒担持体においては、白金(Pt)粒子が、粒子径約5〜10nmオーダーで高密度に分散されて担持されていた。また、ナノシェル構造、すなわち、玉ねぎ状に積層発達した、グラファイト構造に類似の乱層構造が発達していることも確認された。
また、図3(C)に示すように、実施例1に係る触媒担持体においては、焼成後も白金の粒子径は10nm以下に維持されており、白金の凝集等の不具合は生じないことが確認された。
一方、図3(D)に示すように、ケッチェンブラックに白金を担持した比較例1に係る触媒担持体においては、焼成後に白金の凝集が確認された。白金の凝集は、触媒活性の発現に必要な表面積の減少等の不具合を引き起こすこととなるため、好ましくない。
700℃で1時間焼成する際に白金にかかる負荷は、燃料電池のカソード電極における電位変動負荷を上回ると考えられる。したがって、実施例1に係る触媒担持体は、実際に燃料電池のカソード電極触媒として使用した場合においても、白金の凝集等の不具合は起こり難いと考えられた。
触媒担持体の酸素還元活性を評価した。すなわち、まず、上述の実施例1で得られた触媒担持体又は比較例1で得られた触媒担持体のいずれかを含む触媒スラリーを調製した。具体的に、触媒担持体5mgに、5重量%Nafion(登録商標)溶液(Aldrich製)50μL、エタノール150μL、蒸留水150μL、ガラスビーズを加え、10分間超音波処理し、触媒スラリーを得た。
次いで、酸素還元活性を評価した。すなわち、上述の触媒スラリーをピペットにより4μL吸い取り、回転リングディスク電極装置(RRDE−1 SC−5、有限会社 日厚計測製)のディスク電極(直径6mm)に塗布し、乾燥させることにより、作用電極を作製した。また、対極としては白金電極を、参照電極としては銀−塩化銀電極(Ag/AgCl/飽和KCl)を用いた。電解質溶液としては、0.5M硫酸水溶液に酸素を常温で溶解したものを用いた。
そして、電極を電解質溶液中に浸漬し、回転速度1500rpmで回転させ、掃引速度0.5mV/秒で電位を掃引したときの電流密度を電位の関数として記録した。得られた分極曲線から、−10μA/cmの還元電流が流れた電圧を、酸素還元開始電位(EO2)として記録した。
図4には、酸素還元活性を評価した結果を示す。図4に示すように、実施例1に係る触媒担持体の酸素還元開始電位は0.942Vであり、比較例1に係る触媒担持体の0.919Vを上回っていた。すなわち、実施例1に係る触媒担持体は、高い酸素還元活性能を有することが示された。
これは、実施例1に係る触媒担持体を構成する担体が、白金を担持し易いナノシェル構造を含む炭素構造を有するため、比較例1に係る触媒担持体に比べて白金担持量が大きいことに加え、当該実施例1に係る担体自体が、当該ナノシェル構造に基づく酸素還元活性を有することによるものと考えられた。なお、比較例2,3に係る触媒担持体についても、同様に酸素還元活性の評価を試みたが、酸素還元開始電位が測定されなかった。
白金を担持していない担体自身の耐久性を評価した。すなわち、上述の実施例1に係る触媒担持用担体(IK(Co)1000℃AW)及び比較例1に係る触媒担持用担体(KB)について、上述の実施例5における耐久性試験と同様に、電圧を繰り返し印加する条件下における耐久性を評価した。
そして、5サイクル目で測定された電圧1.5V印加時の電流値を「1」とした場合における、50サイクル目で測定された電圧1.5V印加時の電流値を相対電流値として求めた。
図5には、各担体について測定された相対電流値の経時的な変化を示す。図5において、実線は実施例1に係る担体を使用して得られた結果を示し、破線は比較例1に係る担体を使用して得られた結果を示す。
図5に示すように、実施例1に係る担体を使用した場合には、50サイクル目における相対電流値は約0.7に維持されていた。これに対し、比較例1に係る担体を使用した場合には、50サイクル目における相対電流値は約0.3まで低下した。
実施例1に係る担体は、上述のとおり、その炭素構造がナノシェル構造を含む黒鉛類似構造を約30%含む(図2参照)ことにより、高い耐久性を有し、高電位条件下においても酸化反応による腐食が起こり難くなっていると考えられた。一方、比較例1に係る担体は、黒鉛類似構造成分を1%しか含まないために、耐久性が低く、繰り返しの電圧印加によって急激に劣化したと考えられた。
白金を担持した触媒担持体について、より厳しい条件下で、より長期の耐久性を評価した。すなわち、上述の実施例1に係る触媒担持体(Pt/IK(Co)1000℃AW)及び比較例1に係る触媒担持体(Pt/KB)について、高い電圧のみを、より多く繰り返し印加する条件下における耐久性を評価した。
具体的に、まず、上述の実施例7と同様の方法で酸素還元開始電位(EO2)を測定した。次いで、窒素を飽和させた0.5M硫酸水溶液中で0.9〜1.3Vの範囲で、掃引速度200mV/秒で電位を掃引するサイクルを5000回連続的に行った。さらに、上述の実施例7と同様の方法で再び酸素還元開始電位(EO2)を測定した。
図6には、各触媒担持体について測定された酸素還元開始電位(V)の経時的な変化を示す。図6において、実線は実施例1に係る触媒担持体を使用して得られた結果を示し、破線は比較例1に係る触媒担持体を使用して得られた結果を示す。
図6に示すように、サイクル数の増加に伴う酸素還元開始電位の低下は、実施例1に係る触媒担持体を使用した場合のほうが、比較例1に係る触媒担持体を使用した場合に比べて緩やかであった。すなわち、実施例1に係る触媒担持体の触媒活性は、比較例1に係る触媒担持体のそれに比べて低下し難いことが示された。また、実施例1に係る触媒担持体を使用した場合の酸素還元開始電位は、比較例1に係る触媒担持体を使用した場合に比べて高かった。

Claims (6)

  1. 窒素含有有機物と、マンガン、鉄及びコバルトからなる群より選択される1種又は2種以上の金属とを含む原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属除去処理を施し、さらに300℃以上の熱処理を施して得られた
    ことを特徴とする電極触媒担持用担体。
  2. X線回折図形における回折角26°付近のピークが、20〜45%の黒鉛類似構造成分と、55〜80%のアモルファス成分と、を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載された電極触媒担持用担体。
  3. ラマンスペクトルにおける1360cm−1バンドの1580cm−1バンドに対する強度比(I1360/I1580)が0.3以上、1.0以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載された電極触媒担持用担体。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された電極触媒担持用担体と、
    前記電極触媒担持用担体に担持された貴金属触媒と、
    を有する
    ことを特徴とする電極触媒担持体。
  5. サイクリックボルタンメトリーにおいて、0〜1.6Vの範囲で電位を50サイクル連続的に掃引した場合に、5サイクル目の1.5V印加時の電流値に対する50サイクル目の1.5V印加時の電流値の割合が90%以上である
    ことを特徴とする請求項4に記載された電極触媒担持体。
  6. 窒素含有有機物と、マンガン、鉄及びコバルトからなる群より選択される1種又は2種以上の金属とを含む原料を炭素化して得られた炭素化材料に、金属除去処理を施し、さらに300℃以上の熱処理を施して得られ、酸素還元活性を有する
    ことを特徴とする炭素化材料。
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