JP4979328B2 - イリジウム・コバルト合金めっき液 - Google Patents

イリジウム・コバルト合金めっき液 Download PDF

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この発明は、イリジウム・コバルト合金めっき液に関し、特にクラックが少ないめっき皮膜を形成可能なイリジウム・コバルト合金めっき液に関する。
今日、防錆膜形成、金属光沢付与、電導性付与等のために、金属等の多くの物品にめっきが施されている。その中でも、耐熱性、耐食性、及び高硬度等の特徴を有するイリジウムのめっきについて多くの研究開発がなされている。
多くの研究開発の一つとして特許文献1に記載の発明がある。この特許文献1に記載の発明は、「アニオン成分がハロゲンであるイリジウム(III )錯塩に、飽和モノカルボン酸、飽和モノカルボン酸塩、飽和ジカルボン酸、飽和ジカルボン酸塩、飽和ヒドロキシカルボン酸、飽和ヒドロキシカルボン酸塩、第1アミド、尿素からなる群より選ばれた一種以上の化合物を加えて撹拌したものを、イリジウム化合物として用いる水溶性イリジウムめっき浴」である(特許文献1の特許請求の範囲参照)。
この特許文献1に記載の発明は、「安定で分解しにくく、高い電流効率と速いめっき速度を有する実用的な水溶性イリジウムめっき浴を提供する」ことができるとされている(特許文献1の段落番号0005参照)。
一方、めっきについての要求事項として、めっき表面がひび割れ、クラック等の発生のないことが挙げられる。
特開平6−316786
この発明が解決しようとする課題は、めっき皮膜上のクラック等の発生が実用上問題のない程度に少ないイリジウム・コバルト合金めっき液を提供することである。
上記課題を解決するための手段として、
請求項1は、塩化イリジウム(III)酸塩、塩化イリジウム(IV)酸塩、臭化イリジウム(III)酸塩、臭化イリジウム(IV)酸塩からなる群より選択される可溶性イリジウム塩及び可溶性コバルト塩を含有することを特徴とするイリジウム・コバルト合金めっき液であり、
請求項2は、前記可溶性コバルト塩は、塩化コバルト(II)、ヨウ化コバルト(II)、硫酸コバルト(II)、硫酸アンモニウムコバルト(II)、硝酸コバルト(II)、スルファミンサンコバルト(II)、酢酸コバルト(II)又はクエン酸コバルト(II)である請求項1に記載のイリジウム・コバルト合金めっき液であり、
請求項3は、前記可溶性イリジウム塩は、金属イリジウムの濃度として0.5〜30g/Lであり、前記可溶性コバルト塩は、金属コバルトの濃度として0.1〜150g/Lである請求項1又は2に記載のイリジウム・コバルト合金めっき液であり、
請求項4は、水溶性で、1価又は多価の、炭素数が1〜6のアルキルアルコールを0.0005〜0.5mol/L含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のイリジウム・コバルト合金めっき液であり、
請求項5は、飽和モノカルボン酸、飽和モノカルボン酸塩、飽和ジカルボン酸、飽和ジカルボン酸塩、飽和ヒドロキシカルボン酸、飽和ヒドロキシカルボン酸塩、第1アミド、尿素からなる群より選ばれた一種以上の化合物を無含有である請求項1〜4のいずれか1項に記載のイリジウム・コバルト合金めっき液である。
この発明は、めっき皮膜上のクラックの発生を実用上問題のない程度に抑えることができるイリジウム・コバルト合金めっき液を提供することができる。
この発明に係るイリジウム・コバルト合金めっき液は、可溶性イリジウム塩及び可溶性コバルト塩を含有する。
前記可溶性イリジウム塩としては、水に可溶であるイリジウム塩である限り特に制限がなく、例えば塩化イリジウム(III)酸塩、塩化イリジウム(IV)酸塩、臭化イリジウム(III)酸塩、臭化イリジウム(IV)酸塩等を挙げることができる。上記可溶性イリジウム塩の中でも臭化イリジウム(III)酸塩が特に好ましい。
前記可溶性イリジウム塩が含有する塩基イオンとしては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のイオン、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属のイオン、又はアンモニウムイオン等を挙げることができる。これらの中でも塩基イオンとしてアルカリ金属のイオンが特に好ましい。
前記可溶性イリジウム塩としては、例えばヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム、ヘキサクロロイリジウム(III)酸ナトリウム、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸ナトリウム、ヘキサクロロイリジウム(III)酸アンモニウム、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸アンモニウム、ヘキサブロモイリジウム(III)酸カリウム、ヘキサブロモイリジウム(IV)酸カリウム、ヘキサブロモイリジウム(III)酸ナトリウム、ヘキサブロモイリジウム(IV)酸ナトリウム、ヘキサブロモイリジウム(III)酸アンモニウム、ヘキサブロモイリジウム(IV)酸アンモニウム等を挙げることができる。
イリジウム・コバルト合金めっき液に含まれる可溶性イリジウム塩の濃度は、金属イリジウムの濃度として、通常の場合0.5g/L以上、30g/L以下であるのが好ましく、特に1g/L以上20g/L以下であるのが好ましい。金属イリジウムの含有量が0.5g/L未満だとめっき速度が遅くなり、30g/Lを超えるとイリジウムイオンが飽和に達してそれ以上添加する意味が無くなる。金属イリジウムの含有量は、特に1g/L以上、20g/L以下の範囲で好適である。
イリジウム・コバルト合金めっき液中のイリジウムはめっきが進むと消費されて減少するので、消費量に応じて可溶性イリジウム塩を添加して、イリジウム・コバルト合金めっき液中の金属イリジウムの含有量を保つことにより、めっき速度を一定に保つことができる。
前記可溶性コバルト塩として、水に可溶である限りコバルト塩である限り特に制限がなく、例えば塩化コバルト(II)、ヨウ化コバルト(II)、硫酸コバルト(II)、硫酸アンモニウムコバルト(II)、硝酸コバルト(II)、スルファミンサンコバルト(II)、酢酸コバルト(II)、クエン酸コバルト(II)等を挙げることができる。
イリジウム・コバルト合金めっき液に含まれる可溶性コバルト塩の濃度は、金属コバルトの濃度として、通常の場合0.1g/L以上、150g/L以下であるのが好ましく、特に1g/L以上100g/L以下であるのが好ましい。金属コバルトの含有量が0.1g/L未満だとめっき速度が遅くなり、150g/Lを超えるとコバルトイオンが飽和に達してそれ以上添加する意味が無くなる。金属コバルトの含有量は、特に1g/L以上、100g/L以下の範囲で好適である。
イリジウム・コバルト合金めっき液中のコバルトはめっきが進むと消費されて減少するので、消費量に応じて可溶性コバルト塩を添加して、イリジウム・コバルト合金めっき液中の金属コバルトの含有量を保つことにより、めっき速度を一定に保つことができる。
この発明のイリジウム・コバルト合金めっき液は、水溶性でかつ還元作用を有するアルコールを含有するのが好ましい。
イリジウム・コバルト合金めっき液に水溶性で還元作用を有するアルコールが含有されていると、高い陰極電流効率を持続することができるという利点がある。
イリジウム・コバルト合金めっき液中のアルコールは、水溶性でかつ還元作用を有するようなアルコール、例えば1価アルコールとしてエタノール、ブタノール、2価アルコールとしてエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、3価アルコールとしてグリセリン、6価アルコールとしてイノシット、その他の多価アルコールである糖類としてグルコース等を採用することができる。低沸点のエタノール、プロパノール、特にメタノールはめっき条件によっては蒸発し易いので大量の補充が必要となり、イリジウム・コバルト合金めっき液を作成するときに無用の煩雑さが増す。しかし、アルコール分子に占めるヒドロキシ基の比率が低すぎるものは好ましくなく、例えばポリエチレングリコール等のように高分子量の化合物でヒドロキシル基の含有比率が糖類等より比較的少ない化合物は実用的ではない。したがって、この発明に好適なアルコールは、水溶性であり、水酸基以外の官能基を有さず、1価又は多価の、炭素数が1〜6のアルキルアルコールが好ましい。
イリジウム・コバルト合金めっき液中のアルコールの濃度は、この発明の目的が達成できる限り特に制限がないのであるが、通常の場合、0.0005mol/L以上0.5mol/L以下であり、好ましくは0.001mol/L以上、0.05mol/L以下である。アルコールの濃度が0.0005mol/L未満だとアルコール添加効果がほとんど現れないので高陰極電流効率を維持できず、0.5mol/Lを超えると陰極電流効率が低下するのでイリジウムの析出が妨げられることがある。
この発明のイリジウム・コバルト合金めっき液は、硫酸塩、硝酸塩、及びハロゲン化水素酸塩よりなる群から選択される少なくとも一種を含有してもよい。
イリジウム・コバルト合金めっき液中の硫酸塩としては、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等を採用することができる。イリジウム・コバルト合金めっき液中の硝酸塩としては、例えば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等を採用することができる。イリジウム・コバルト合金めっき液中のハロゲン化水素酸塩としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム等を採用することができる。
イリジウム・コバルト合金めっき液中の硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン化水素酸塩の濃度は、この発明の目的が達成できる限り特に制限がないが、通常の場合、0.01mol/L以上、6mol/L以下であるのが好ましく、特に0.1mol/L以上、2mol/L以下であるのが好ましい。硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン化水素酸塩の濃度が0.01mol/L未満だとイリジウム・コバルト合金めっき液の導電性が低下し、6mol/Lを超えるとそれ以上の濃度にすることによる技術的効果を期待することができない。
イリジウム・コバルト合金めっき液は、可溶性イリジウム塩、可溶性コバルト塩、必要に応じて添加される前記アルコール及び必要に応じて添加される硫酸塩、硝酸塩、及びハロゲン化水素酸塩のうち少なくとも一種を水に溶解することにより得ることができる。また、この発明に係るイリジウム・コバルト合金めっき液は、可溶性イリジウム塩を使用する代わりに、水中で可溶性イリジウム塩を形成することのできる二種以上の化合物を使用することもできる。水中で可溶性イリジウム塩を形成することのできる二種以上の化合物の組合せとして、臭化イリジウム及び塩化イリジウム等のハロゲン化イリジウムと、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物との組合せ等を挙げることができる。
この発明のイリジウム・コバルト合金めっき液は、イリジウムとコバルトとの合金からなるめっきを形成するための電解めっき液として用いることができる。この発明のイリジウム・コバルト合金めっき液を用いてめっきを施すとき、めっき槽中にアノード側とカソード側を隔てる隔膜を用いることができる。隔膜は、イオン透過性の膜が好ましく、さらにこの発明のイリジウム・コバルト合金めっき液が前記アルコールを含有して成るときは、より可撓性に富んだ隔膜を用いるのが好ましい。隔膜にはこの発明の目的を達成できる限り種々の材質を採用することができ、例えば、ガラスフィルター、素焼き板、合成繊維(ポリプロピレン等)等、あるいは通常の電気分解に使用されるイオン交換膜等の隔膜を挙げることができる。隔膜を用いることにより、アノード側で発生した気体及び/又は固体がカソード側に移動し、生成しためっき皮膜中に混入して、被膜の緻密性を阻害したり、ボイドを発生させたりすることがなくなる。
この発明のイリジウム・コバルト合金めっき液を用いてめっきを施すとき、通常の電解めっきと同様の操作によりめっきを施すことができる。本発明のイリジウム・コバルト合金めっき液は、pH1以上、pH8以下での使用が可能である。pHがpH1未満で低すぎると陰極電流効率が低下し、pHがpH8を超えて高すぎるとイリジウム・コバルト合金めっき液が分解しやすくなる。この発明の目的を達成することができる限り特に限定されないが、イリジウム・コバルト合金めっき液のpHがpH2〜7の範囲でめっきを施すのが好適である。
前記可溶性イリジウム塩及び前記可溶性コバルト塩を予め用意して、イリジウム・コバルト合金めっき液に投入することにより、この発明のイリジウム・コバルト合金めっき液を作成してもよいし、例えば臭化イリジウム及び塩化コバルト等と共に水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム等をイリジウム・コバルト合金めっき液に投入することにより、この発明のイリジウム・コバルト合金めっき液を作成すると同時にpHを調整してもよい。
この発明のイリジウム・コバルト合金めっき液は、常圧では液温50℃以上、99℃以下の範囲で使用が可能である。めっき温度が50℃未満で低いときはイリジウム被膜がほとんど析出せず、99℃以上だと水の蒸発が激しくなり実用的ではない。この発明のイリジウム・コバルト合金めっき液が前記アルコールを含有するときは、比較的低沸点のアルコールは蒸発し易く高温条件では使用しにくい。この発明の目的を達成することができる限り特に限定されないが、イリジウム・コバルト合金めっき液の使用温度は70℃以上、95℃以下の範囲で用いるのが好適である。
この発明のイリジウム・コバルト合金めっき液を用いてめっきを施すとき、陰極電流密度を0.01A/dm以上、5A/dm以下の範囲でめっきを施すことが可能である。陰極電流密度が0.01A/dm未満のときは析出速度が極端に遅く、上記範囲5A/dmを超えると水素の発生により陰極電流効率が低下したり、めっき被膜が緻密でなくなることがある。この発明の目的を達成することができる限り特に限定されないが、0.1A/dm以上、3A/dm以下の範囲でめっきを施すのが好適である。また、ピット防止用に従来の電気めっきに用いられる例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル等の陰イオン界面活性剤等を用いることも好ましい。
(実施例1)
蒸留水中に、臭化イリジウムを金属イリジウムとして5g/l、硫酸コバルトを金属コバルトとして5g/l、硫酸ナトリウムを0.5mol/l、臭化ナトリウムを0.62mol/l含有するイリジウムめっき液を調整した。このイリジウムめっき液に水酸化ナトリウムを加えてpH5に調整した。液温は85℃とした。めっき槽にはアノード側とカソード側を隔てる隔膜としてイオン交換膜を設置した。ニッケル板に金ストライクめっきをしたものを試料として浸漬し、陰極電流密度1.0A/dmで55分間めっきをした。結果は表1に示す。また、皮膜写真を図1に示す。
(実施例2)
蒸留水中に、臭化イリジウムを金属イリジウムとして7g/l、硫酸コバルトを金属コバルトとして3g/l、硫酸ナトリウムを0.5mol/l、臭化ナトリウムを0.5mol/l、グリセリンを0.005mol/l含有するイリジウムめっき液を調整した。このイリジウムめっき液に水酸化ナトリウムを加えてpH5に調整した。液温は85℃とした。めっき槽にはアノード側とカソード側を隔てる隔膜としてポリプロピレン製袋を設置した。ニッケル板に金ストライクめっきをしたものを試料として浸漬し、陰極電流密度1.0A/dmで10分間めっきをした。結果は表1に示す。めっき表面は図1に示されるのと同様であり、また後述する比較例1における図2に示されるようなクラックが発生していなかった。
(実施例3)
蒸留水中に、臭化イリジウムを金属イリジウムとして9g/l、硫酸コバルトを金属コバルトとして20g/l、硫酸ナトリウムを0.5mol/l、臭化ナトリウムを0.67mol/l、グリセリンを0.005mol/l含有するイリジウムめっき液を調整した。このイリジウムめっき液に水酸化ナトリウムを加えてpH5に調整した。液温は85℃とした。めっき槽にはアノード側とカソード側を隔てる隔膜としてポリプロピレン製袋を設置した。ニッケル板に金ストライクめっきをしたものを試料として浸漬し、陰極電流密度1.0A/dmで30分間めっきをした。結果は表1に示す。めっき表面は図1に示されるのと同様であり、また後述する比較例1における図2に示されるようなクラックが発生していなかった。
(実施例4)
蒸留水中に、臭化イリジウムを金属イリジウムとして3g/l、硫酸コバルトを金属コバルトとして5g/l、硫酸ナトリウムを0.5mol/l、臭化ナトリウムを0.59mol/l、グリセリンを0.005mol/l含有するイリジウムめっき液を調整した。このイリジウムめっき液に水酸化ナトリウムを加えてpH5に調整した。液温は85℃とした。めっき槽にはアノード側とカソード側を隔てる隔膜としてポリプロピレン製袋を設置した。ニッケル板に金ストライクめっきをしたものを試料として浸漬し、陰極電流密度1.0A/dmで22分間めっきをした。結果は表1に示す。めっき表面は図1に示されるのと同様であり、また後述する比較例1における図2に示されるようなクラックが発生していなかった。
(実施例5)
蒸留水中に、臭化イリジウムを金属イリジウムとして1g/l、硫酸コバルトを金属コバルトとして40g/l、臭化ナトリウムを0.5mol/l含有するイリジウムめっき液を調整した。このイリジウムめっき液に水酸化ナトリウムを加えてpH5に調整した。液温は85℃とした。めっき槽にはアノード側とカソード側を隔てる隔膜としてイオン交換膜を設置した。ニッケル板に金ストライクめっきをしたものを試料として浸漬し、陰極電流密度1.0A/dmで10分間めっきをした。結果は表1に示す。めっき表面は図1に示されるのと同様であり、また後述する比較例1における図2に示されるようなクラックが発生していなかった。
(実施例6)
蒸留水中に、臭化イリジウムを金属イリジウムとして20g/l、硫酸コバルトを金属コバルトとして20g/l、硫酸ナトリウムを0.2mol/l、臭化ナトリウムを0.5mol/l含有するイリジウムめっき液を調整した。このイリジウムめっき液に水酸化ナトリウムを加えてpH5に調整した。液温は85℃とした。めっき槽にはアノード側とカソード側を隔てる隔膜としてイオン交換膜を設置した。ニッケル板に金ストライクめっきをしたものを試料として浸漬し、陰極電流密度1.0A/dmで18分間めっきをした。結果は表1に示す。めっき表面は図1に示されるのと同様であり、また後述する比較例1における図2に示されるようなクラックが発生していなかった。
(実施例7)
蒸留水中に、塩化イリジウムを金属イリジウムとして10g/l、塩化コバルトを金属コバルトとして10g/l、硫酸ナトリウムを0.5mol/l、臭化ナトリウムを1.0mol/l含有するイリジウムめっき液を調整した。このイリジウムめっき液に水酸化ナトリウムを加えてpH5に調整した。液温は85℃とした。めっき槽にはアノード側とカソード側を隔てる隔膜としてイオン交換膜を設置した。ニッケル板に金ストライクめっきをしたものを試料として浸漬し、陰極電流密度0.5A/dmで20分間めっきをした。結果は表1に示す。めっき表面は図1に示されるのと同様であり、また後述する比較例1における図2に示されるようなクラックが発生していなかった。
(実施例8)
蒸留水中に、臭化イリジウムを金属イリジウムとして3g/l、酢酸コバルトを金属コバルトとして0.2g/l、硫酸ナトリウムを0.5mol/l、臭化ナトリウムを0.5mol/l含有するイリジウムめっき液を調整した。このイリジウムめっき液に水酸化ナトリウムを加えてpH5に調整した。液温は85℃とした。ニッケル板に金ストライクめっきをしたものを試料として浸漬し、陰極電流密度0.3A/dmで20分間めっきをした。結果は表1に示す。めっき表面は図1に示されるのと同様であり、また後述する比較例1における図2に示されるようなクラックが発生していなかった。
(実施例9)
蒸留水中に、臭化イリジウムを金属イリジウムとして5g/l、硫酸コバルトを金属コバルトとして5g/lとなるように調整し、グリセリンを0.005mol/L、硫酸ナトリウムを0.5mol/L、及び臭化ナトリウムを0.5mol/Lを含有するめっき液を調整した。このイリジウムめっき液に水酸化ナトリウムを加えてpH5に調整した。液温は85℃とした。アノード側とカソード側とを隔てるための隔膜としてポリプロピレン製袋を設置しためっき層に、調整しためっき液を投入し、金ストライクめっきを施したニッケル板をめっき液に浸漬して、陰極電流密度1.0A/dmで27分間めっきを施した。結果は表1に示す。めっき表面は図1に示されるのと同様であり、また後述する比較例1における図2に示されるようなクラックが発生していなかった。
(実施例10)
実施例9のめっきを施すときの陰極電流密度及び時間を変更した以外は実施例9と同様にめっきを施した。
結果は表1に示す。めっき表面は図1に示されるのと同様であり、また後述する比較例1における図2に示されるようなクラックが発生していなかった。
(比較例1)
蒸留水中に、臭化イリジウムを金属イリジウムとして10g/l、グリセリンを0.005mol/l、硫酸ナトリウムを0.5mol/l、臭化ナトリウムを0.5mol/l含有するイリジウムめっき液を調整した。このイリジウムめっき液に水酸化ナトリウムを加えてpH5に調整した。液温は85℃とした。めっき槽にはアノード側とカソード側を隔てる隔膜としてポリプロピレン製袋を設置した。ニッケル板に金ストライクめっきをしたものを試料として浸漬し、陰極電流密度0.5A/dmで100分間めっきをした。結果は表1に示す。また、皮膜写真を図2に示す。
実施例及び比較例の結果
Figure 0004979328
図1に示すように実施例1におけるめっき被膜にクラックが発生していないが、比較例1で作成しためっき皮膜ではクラックが発生しており、実用に耐えないことが明らかであった。
図1は実施例1で得られためっき被膜の表面写真である。 図2は比較例1で得られためっき被膜の表面写真である。

Claims (5)

  1. 塩化イリジウム(III)酸塩、塩化イリジウム(IV)酸塩、臭化イリジウム(III)酸塩、臭化イリジウム(IV)酸塩からなる群より選択される可溶性イリジウム塩及び可溶性コバルト塩を含有することを特徴とするイリジウム・コバルト合金めっき液。
  2. 前記可溶性コバルト塩は、塩化コバルト(II)、ヨウ化コバルト(II)、硫酸コバルト(II)、硫酸アンモニウムコバルト(II)、硝酸コバルト(II)、スルファミンサンコバルト(II)、酢酸コバルト(II)又はクエン酸コバルト(II)である請求項1に記載のイリジウム・コバルト合金めっき液。
  3. 前記可溶性イリジウム塩は、金属イリジウムの濃度として0.5〜30g/Lであり、
    前記可溶性コバルト塩は、金属コバルトの濃度として0.1〜150g/Lである請求項1又は2に記載のイリジウム・コバルト合金めっき液。
  4. 水溶性で、1価又は多価の、炭素数が1〜6のアルキルアルコールを0.0005〜0.5mol/L含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のイリジウム・コバルト合金めっき液。
  5. 飽和モノカルボン酸、飽和モノカルボン酸塩、飽和ジカルボン酸、飽和ジカルボン酸塩、飽和ヒドロキシカルボン酸、飽和ヒドロキシカルボン酸塩、第1アミド、尿素からなる群より選ばれた一種以上の化合物を無含有である請求項1〜4のいずれか1項に記載のイリジウム・コバルト合金めっき液。
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