以下、本発明に係る遊技機の実施の形態を図面に基づき詳しく説明する。本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、雀球機、パロット(登録商標)機等の遊技機に適用できるが、この内、本発明はパチンコ機とパロット機とに適用される場合についてそれぞれ説明する。そこで、第1実施の形態としてパチンコ機、第2実施の形態としてパロット機を示す。
図1は第1実施の形態に係るパチンコ機の正面図、図2は同透明板保持枠を開いたパチンコ機の斜視図である。パチンコ機Pは縦長長方形枠状の外枠1を有し、該外枠1の前側に一側を軸着して本体枠2が開閉自在に装着される。該本体枠2は中央に窓口3が開設されて額縁状に成形され、該窓口3に臨むようにして遊技盤4が着脱自在に配設される。また、本体枠2の前面一側に、前記遊技盤4の前面を覆う開閉扉枠としての透明板保持枠5が開閉自在に軸着される。該透明板保持枠5には前記遊技盤4の前面が臨む開口6が開設され、該開口6にガラスまたは合成樹脂製の一対の透明板からなる透明板ユニット7が装着されている。また、該透明板保持枠5の下部前面に、後記する打球発射部47へ供給される遊技球を貯留する上部の球受皿8が装着される。なお、前記外枠1及び遊技盤4が配置された本体枠2を併せて遊技機本体P1という。
前記本体枠2の下部前面には、前記上部の球受皿8から溢れる遊技球を貯留する下部の球受皿9が装着される。また、その一側に灰皿10が設けられ、他側に打球発射部47から発射される遊技球の打球力を調整するための打球力調整ハンドル11が装着される。
前記遊技盤4の前面には内側のガイドレール12aと外側のガイドレール12bとが渦巻状に敷設され、これら内・外側のガイドレール12a,12bに囲まれて遊技部4aが成形される。該遊技部4aには、例えばその中央に各種の情報を変動表示する表示部13aを備えた可変表示装置13が装着され、その下方に遊技球としての打球が入賞することにより前記可変表示装置13の表示部13aの情報を変動させる始動入賞口14が装着される。更に、その下方に前記表示部13aの表示が特定の情報(例えば、「7,7,7」)に揃ったとき開閉扉15aを開き、一定の条件の下で一度に多くの賞球が得られる大型の入賞装置15が装着されている。
前記透明板保持枠5はその裏面に金属板16が重合され、図3に示すように該金属板16と保持枠本体5aとの間であって該保持枠本体5aの後側に、該保持枠本体5aから所定の間隔離して透明なカバー板18が固着される。保持枠本体5aとカバー板18との間に球抜き装置19が設けられる。
前記球抜き装置19は、上部の球受皿8の一側上面に開設された横孔20から上方へ突出する操作部材21及び該操作部材21により保持枠本体5aに沿って往復回動する第1可動部材22aと直線的に往復摺動する第2可動部材22bからなる。
更に詳しく説明すると、図4、図5に示すように前記操作部材21は、一側で横軸23により軸支され該横軸23を中心として上下に回動するようになっている。また、該操作部材21の下面に作用片24が突設される。操作部材21の下方に第1可動部材22aが配置され、その下方に第2可動部材22bが配置される。第1可動部材22aは、上部一側角部で横軸25により軸支され、上部他側に前方へ突出し前記操作部材21の作用片24が上から乗り支持される支持ピン26が突設される。また、第1可動部材22aにおける中間部の一側に、一端を前記カバー板18に取着した弾発手段としての引っ張りコイルばね27が取着され、常に一側(図4では左側)へ付勢されている。
第2可動部材22bは正面略横長の長方形状に成形され、前面に前記第1可動部材22aの下端部に開設された連結孔28に遊嵌する連結ピン29が突設されている。そして、第2可動部材22bは、第1可動部材22aの往復回動動作により直線的にかつほぼ水平方向に摺動するようになっている。第2可動部材22bにおける連結ピン29の位置とは反対側であってその上部角部に、後記する閉鎖部材34の先端部に当接する衝止部30が設けられる。第2可動部材22bの摺動方向における衝止部30の内側は、斜めに下傾した傾斜縁部30aが成形され、その上方であって衝止部30の先端(上端)よりも低い部位に逃し空間部17が成形される。この逃し空間部17は、閉鎖部材34の先端部の受止片36を介入させるためのものである。また、第2可動部材22bにあって連結ピン29の位置とは反対側の下部角部に、その摺動方向へほぼ水平に突出する押動片31が設けられ、その先端に後記する球抜き板62に設けられた作動ピン67が嵌る凹欠部32が設けられている。
前記第1・第2可動部材22a,22bの近くでありかつほぼ同一平面上に位置するようにして、前記保持枠本体5aに開設される通口33を遊技球が通過できまたはできないように開閉する操作制御部材としての閉鎖部材34が配置される。詳しくは、操作制御部材は閉鎖部材34と兼用させてある。すなわち、閉鎖部材34が前記第2可動部材22bの摺動方向に沿って対向位置する。前記通口33は、前記上部の球受皿8の球皿部8aに貯留される遊技球を後記する打球供給装置41へ供給するためのものである。閉鎖部材34は、保持枠本体5aに沿って略水平に配置され、第1・第2可動部材22a,22bとは反対側になる基端部を横軸35により軸着され、該横軸35を中心として上下に往復回動し得るようになっている。また、閉鎖部材34の先端部に、前記第2可動部材22bの衝止部30と対向位置する下向きの受止片36と、透明板保持枠5を閉めるとき打球供給装置41から前方へ突出する突状部としての後記する突起69が摺接する横向きの引上片37とがそれぞれほぼ直交状に設けられている。また、閉鎖部材34の中央下縁には、前記通口33の上方に臨む停止片38が設けられる。
また、前記閉鎖部材34は、その先端側に一端を前記カバー板18に取着した弾発手段としての引っ張りコイルばね39が取着され、常に下方へ付勢されている。そして、透明板保持枠5を閉じたときは、図4に示すように前記突起69が引上片37に摺接して下方から押し上げ閉鎖部材34を引っ張りコイルばね39の付勢に抗して上方へ回動させ、通口33を遊技球が通過し得るように開放する。一方、透明板保持枠5を開けたときは、図6に示すように引上片37から突起69が外れて閉鎖部材34が引っ張りコイルばね39の付勢により下方へ回動し、前記通口33の周囲の縁枠33aに当接しその下方位置でほぼ水平状態を保持して停止する。このとき、第2可動部材22bの衝止部30と閉鎖部材34の先端部の受止片36とが向かい合って対峙し、また、前記停止片38が通口33内に遊技球が通過し得ないように介入する。これにより、透明板保持枠5を開けたときに上部の球受皿8に貯留される遊技球が通口33から無用に零れ落ちるのを防止するようにしている。なお、詳しい説明は省略するが、前記金属板16、カバー板18には前記通口33など所要な位置に開口が開設される。
図2に示すように遊技機本体P1を構成する本体枠2の下部前面に発射レールユニット40が取着され、その前側に前記上部の球受皿8から供給される遊技球を通口33を介して1個ずつ発射レールユニット40へ送り出す打球供給装置41が設けられる。図7乃至図10に示すように発射レールユニット40は、本体枠2前面の所定位置にビス着される金属製の支持板42を有し、その前面上縁に軸着部43が設けられる。また、打球供給装置41の後側上縁に軸ピン44が設けられ、該軸ピン44を前記軸着部43に挿通して取着することにより、該軸ピン44を中心として打球供給装置41が、発射レールユニット40の前面に開閉自在に取着される。
前記支持板42の前面一側に発射レール45が固着される。該発射レール45の基端部の上方に所定の距離離して球止め部材46が配置され、該発射レール45の基端部上に打球発射部47が設けられる。また、支持板42の前面他側上部に、左右に所定の距離を離して第1当てゴム48aと第2当てゴム48bとが配置される。そして、前記球止め部材46と第1・第2当てゴム48a,48bとの間に位置して、球止め部材46により停止され打球発射部47に位置する遊技球を打球するための打球杆49が配置される。該打球杆49は支持板42に上下逆にして軸着され、その支軸49aが支持板42の後面に配置されたステッピングモータ50の駆動軸に連結される。そして、第1当てゴム48aと第2当てゴム48bとの間で打球杆49が往復回動して遊技球を打球するようになっている。
前記打球供給装置41は合成樹脂製のケース体51からなり、図7乃至図10に示すように該ケース体51の前面ほぼ中央に前記通口33と連通する導入口52が開設され、ケース体51内には該導入口52と連通する供給樋53が成形される。そして、該供給樋53の流下端に、両側へ突出する支軸54,54により軸着され前後方向へ自在に往復傾動し得る球送り部材55が設けられる。該球送り部材55の後面には、図11に示すように上端部を残して窪む球受面55aが成形される。球送り部材55と対応位置したケース体51の後面には、球送り部材55により遊技球を打球発射部47へ送り出すための供給口55bが開設される。また、球送り部材55の一側方に、該球送り部材55を作動させる電磁ソレノイド56が配置される。該電磁ソレノイド56は上下方向に配置され、その下方に該電磁ソレノイド56の囲い枠56aにおける外側下端部に一側を枢着された金属製の作動板57が配置される。該作動板57の他側は前記枢着部を中心として上下動できるようになっており、その他側に縦長状の連係部材58が支着される。該連係部材58の下端部に前記球送り部材55の一側から突出する作用ピン59が固着される。
前記作動板57の枢着部より外側に、上端を囲い枠56aの外側に支着した弾発手段としての引っ張りコイルばね60が取着され、前記電磁ソレノイド56が消磁しているとき作動板57をその他側が常に下側へ傾動するように付勢している。また、このとき前記球送り部材55は真直ぐに起立し、その上端面で遊技球を支持して待機させる。一方、電磁ソレノイド56が励磁すると、前記作動板57が該電磁ソレノイド56に吸引されてその他側が上昇し、これに伴い連係部材58が上動して球送り部材55を前側へ傾動させる。これにより、前記球送り部材55の上端面に乗っていた遊技球は後側の球受面55aへ落下して発射レール45の打球発射部47に供給される。このようにして、電磁ソレノイド56が励・消磁を繰り返すことにより、打球供給装置41内の遊技球が一個ずつ打球発射部47へ送り出される。
前記球送り部材55の他側方であって供給樋53の底面に球抜き口61が開設され、該球抜き口61にほぼ水平方向に摺動する球抜き板62が配置される。該球抜き板62は正面L字型に成形され、底板部62aが球抜き口61を塞ぎ、立板部62bの後面にその後方へ突出する突子63が設けられ、この突子63に挿通され該突子63と対向して位置する仕切壁64及び立板部62bの間に弾発手段としての圧縮スプリング65が介装される。これにより、球抜き板62が常に球抜き口61を塞ぐように付勢される。また、球抜き板62の前面には、ケース体51の前面に開設された横長孔66を介して前方ヘ突出する作動ピン67が設けられる。該作動ピン67は前記球抜き装置19における第2可動部材22b先端の凹欠部32に嵌ることになる。前記球抜き口61の下方には、該球抜き口61から落下する遊技球を下部の球受皿9に導く球排出通路68が成形される。
前記ケース体51前面上部に、前方へ突出しかつその前端縁が楔状に前方へ向かって下傾する突状部としての突起69が設けられる。該突起69は、前記透明板保持枠5を閉じるとき前記閉鎖部材34の引上片37に下側から摺接して押し上げ該引上片37すなわち閉鎖部材34を上方へ回動させ、通口33を遊技球が通過できるようにするためのものである。
第1実施の形態に係るパチンコ機Pは上記構成からなり、次に作用について説明する。図11に示すように透明板保持枠5が閉じた状態では、図4に示すように突起69により閉鎖部材34がその付勢に抗して上方へ回動して通口33が開放している。すなわち、操作制御部材である閉鎖部材34は、前記第2可動部材22bの作動を可能にする解除位置に有る。そして、上部の球受皿8の球皿部8aに貯留される遊技球は、整流されつつ図9に示すように前記通口33、導入口52を介して打球供給装置41内の供給樋53に導かれ、その最先端の遊技球が球送り部材55の上端面に乗って待機する。
そこで、打球力調整ハンドル11を回動すると、ステッピングモータ50が駆動すると共に電磁ソレノイド56が前記ステッピングモータ50と同期して励・消磁を繰り返す。これにより、前記球送り部材55が前後方向へ往復傾動動作を行い、球送り部材55の上端面に乗る遊技球を一個ずつ打球発射部47に供給する。打球発射部47に供給された遊技球は、打球杆49により打球されて遊技部4aに打ち込まれる。
また、前記上部の球受皿8の球皿部8aに貯留される遊技球を球抜きするときは、図4鎖線に示すように操作部材21を押し下げ、第1可動部材22aを図4矢視方向へ回動させると共に第2可動部材22bを水平方向へ摺動させる。同様に、第2可動部材22bにおける押動片31先端の凹欠部32に作動ピン67が嵌まり該作動ピン67を同方向へ移動させる。これにより、図10に示すように打球供給装置41内の球抜き板62が摺動して球抜き口61を開放させる。そこで、供給樋53内の遊技球は、球抜き口61を介してその下方の球排出通路68へ落下し下部の球受皿9に貯留される。
ところで、例えば遊技中に打球発射部47で球詰まりなどのトラブルが発生し、そのトラブルを解消すべく図12に示すように透明板保持枠5を開けると、図5に示すように突起69と引上片37との接触が解かれ、閉鎖部材34がその付勢により下方へ回動し、停止片38が通口33内に介入して遊技球の通過を阻止する。これにより、上部の球受皿8に貯留される遊技球が通口33から無用に零れることが防止される。
しかも、この際、図5に示すように前記閉鎖部材34先端部の受止片36が、第2可動部材22bの一側縁上部に設けられた衝止部30に接近して対峙する。これにより、例えば透明板保持枠5を開けた状態で、誤って球抜き装置19の操作部材21に触っても、前記衝止部30が前記受止片36に衝突して第2可動部材22bが作動し得ないようになっている。すなわち、閉鎖部材34が第2可動部材22bの作動を不可能にするロック位置に移動したことになる。換言すれば、第2可動部材22bの押動片31の先端が作動ピン67を押した位置まで進んでないことになり、この状態では第2可動部材22bと球抜き板62すなわち作動ピン67とが互いに重なって衝突するようなことはない。よって、透明板保持枠5の不具合による面倒な二度閉めが不要になり作業性の改善が図られる。また、第2可動部材22bまたは球抜き板62が衝突の衝撃により破損するといった危険性も防ぐことができる。
また、操作制御部材を前記閉鎖部材34と兼用せずに別個に成形して保持枠本体5aに取着するようにしても良いが、このように操作制御部材を閉鎖部材34と兼用すれば、部材が一つで済み構成が簡単になるばかりか製作も簡単になり経済的である。また、この際、操作部材21を作動させてから透明板保持枠5を開けても、図6に示すように受止片36が第2可動部材22bの衝止部30の内側に成形される逃し空間部17に入り、閉鎖部材34が第2可動部材22bの邪魔になることなく通口33を塞ぐ位置に移動する。よって、該通口33から遊技球が無用に零れ落ちることがなく安全である。なお、前記操作部材21を開放すると、前記第2可動部材22bはその付勢により元の位置に復帰するが、この際、前記閉鎖部材34の受止片36は第2可動部材22bの傾斜縁部30aに摺接しながら容易に衝止部30を乗り越えることができ、これら部材の作動に支障の来たすおそれはない。
第1実施の形態に係るパチンコ機にあっては、操作制御部材も同じであるが閉鎖部材34を前記したように回動する構成ではなく、直線的に往復摺動する構成としても良い。また、突状部として打球供給装置41の前面に突起69を突設するようにしたが、例えば閉鎖部材34に後方へ突出する突起を設けるようにしても良い。この場合は、遊技機本体P1である打球供給装置41の前面に透明板保持枠5を閉じるとき前記突起が摺接する段部を前方へ突出するように設ける。
更に、開閉扉枠として本体枠2前面の発射レール45の前面まで覆う大きさの透明板保持枠5について説明したが、他に例えば透明板保持枠とその下方に位置し前記発射レール45の前面を覆いかつ上部の球受皿8が装着される前板とを分離している場合の該前板にも第1実施の形態に係る発明は適用できる。また、打球力調整ハンドル11までも一体に設けるようにした大型の透明板保持枠にも第1実施の形態に係る発明が適用できること勿論である。
次に、第2実施の形態に係るパロット機について説明する。なお、このパロット機Rの構成は第1実施の形態に係るパチンコ機Pと全体的に共通する部分が多く、このため第1実施の形態に係るパチンコ機Pと同一部位は、同一番号を附すことにより構成・作用について詳しい説明は省略する。このパロット機は、遊技機本体を構成する本体枠の前面に球受皿の球皿部と連通する球計数排出装置が設けられ、球受皿から供給される所定数の遊技球を1単位とする遊技球が球計数排出装置に取り込まれて計数されることにより、ゲームがスタートできるように構成されている。
以下に、第2実施の形態に係るパロット機Rについて詳しく説明する。図13は第2実施の形態に係るパロット機の正面図である。このパロット機Rは縦長長方形枠状の外枠1を有し、該外枠1の前側に一側を軸着して本体枠2が開閉自在に装着され、該本体枠2に遊技盤4が着脱自在に配設される。また、本体枠2の前面一側に前記遊技盤4の前面を覆う透明板保持枠5が開閉自在に軸着され、その下方に開閉扉枠としての前板70が同じく開閉自在に軸着されている。そして、該前板70の前面に上部の球受皿8が装着される。前記本体枠2の下部前面には、前記上部の球受皿8から溢れ出る遊技球を貯留する下部の球受皿9が装着される。これら上部・下部の球受皿8,9は連続した一体感のあるデザインに成形されている。この場合、外枠1及び遊技盤4が配設された本体枠2を併せて遊技機本体R1という。
前記遊技盤4には、所定条件により変動する大型の可変表示装置71が装着され、その一側に賭け数(有効ライン)をLED72aの点灯により表示する賭け表示器72が設けられている。この賭け数は後述する回収球によって任意に設定される。また、その周辺にはサイドランプ73、コーナーレンズ74などの装飾部材が設けられ、該コーナーレンズ74には表示部75a,75bが設けられている。この内、一方の表示部75aに球払出装置(図示せず。)から払出される賞球としての遊技球の払出個数が表示され、他方の表示部75bには残りゲーム数が表示される。更に、前記可変表示装置71の上下にリーチ目及び当り図柄等の説明図が描かれている。
前記可変表示装置71は、周面に「7」「BAR」等の複数種類の図柄が描かれる3つの回転ドラム76a〜76cと該回転ドラム76a〜76cを駆動及び停止する電気的駆動源としてのステッピングモータ77と、前記各回転ドラム76a〜76cの図柄の所定個数(図上3個)が臨む窓枠部材78とを備えている。なお、前記回転ドラム76a〜76cに替えてベルト式としてもよく、ベルト式とすることで後方への突出量を小さくすることができる。なお、可変表示装置71を各ドラム76a〜76cが回転変動するものとしたが、図柄を液晶表示またはデジタル表示により変動させる可変表示装置としてもよい。
前記前板70は横長の長方形状に形成され、図14に示すように前記球払出装置から払出された賞球としての遊技球を上部の球受皿8の球皿部8aに導く接続樋79が軸着部側に設けられる。また、開閉側に前板70を本体枠2の前面に閉止状態にロックし得る係止機構80が設けられている。一方、前記上部の球受皿8には、球払出操作部81と、パロット機Rとして必要な操作部及び表示器等の機能部として所定数の遊技球を単位賭数として回収する球回収機構と、球回収されたことを条件として前記可変表示装置71の図柄表示を変動させる始動操作部83と、前記可変表示装置71の変動図柄を停止させる停止操作部84とが設けられている。前記球回収機構は、単位賭数(有効ライン)を設定する賭数設定操作部85と、前記賭数設定操作部85で設定された所定数の遊技球を排出する制御装置としての後記する球計数排出装置93とで構成される。
前記球払出操作部81は球払出スイッチ87、カード返却スイッチ88および残数表示器89を備えている。また、球受皿8の前面には前記始動操作部としてのスタートスイッチ83と、前記可変表示装置71の列単位で変動する変動図柄を任意で停止させる停止操作部84としての複数のストップスイッチ84a〜84cとが設けられている。そして、上面側には前記賭数設定操作部85としての最高の賭け数(3単位)を設定するマックスベットスイッチ85aと、賭け数を1単位ずつ行うベットスイッチ85bとが設けられている。さらに、賭け数となる遊技球を記憶させるか記憶させないかを設定する記憶操作部としてのクレジットスイッチ90と記憶された賭け数を球数として表示する記憶表示器91と、記憶した球数を下部の球受皿9に払い戻す払戻操作部としてのペイオフスイッチ92が設けられている。なお、上記各操作部の配置は限定されるものではなく、任意に変更可能であり例えばスタートスイッチ83a及びストップスイッチ84a〜84cは球受皿8の上面側に設けるようにしてもよい。
前記賭数設定操作部85は、マックスベットスイッチ85aを操作すると横3列と斜め2列の5本の有効ラインが設定され、ベットスイッチ85bを操作するごとに最高3単位を限度として賭数と共に有効ラインが1,3,5と増えて設定され、賭け表示器72に表示される。なお、説明上賭数及び有効ライン数を設定したがこの実施の形態に限定されるものではなく、賭数の上限及び有効ライン数を増やしてもよいことはいうまでもない。
前記前板70の裏面に金属板16aが重合され、図15に示すように該金属板16aと前板本体70aとの間であって該前板本体70aの後側に、該前板本体70aから所定の間隔離して透明なカバー板18が固着され、前記前板本体70aとカバー板18との間に球抜き装置19が設けられる。また、第1・第2可動部材22a,22bの近くでありかつほぼ同一平面上に位置するようにして、前記前板本体70aに開設される通口33を遊技球が通過できまたはできないように開閉する操作制御部材としての閉鎖部材34が配置される。
遊技機本体R1を構成する本体枠2の下部前面に、前記前板本体70aに開設された通口33と対応位置して球計数排出装置93がビス止めにより取着される。該球計数排出装置93は、図16、図17に示すように合成樹脂製の箱枠体94と該箱枠体94が一体に固着される金属製の取付板95とからなり、箱枠体94の前面ほぼ中央に前記通口33と連通する導入口52が開設され、箱枠体94内には該導入口52と連通する供給樋53が成形される。そして、該供給樋53の流下端に、該供給樋53と連通しスプロケット97が鉛直面内で自在に回転し得る大きさのスプロケット収納室96が形成される。
更に詳しくは、スプロケット97が、前記スプロケット収納室96内でありかつ供給樋53の下方に位置して横軸98を中心とし鉛直面内で回転するように配置される。すなわち、前記供給樋53の下方を向く流下端面の真下に前記横軸98が配置される。そして、スプロケット97の外周縁には遊技球が入り込める大きさの半円弧状の球受凹部99が複数個(この場合、6個)等間隔に列設されている。スプロケット収納室96の一側下部には球排出口100が開設されている。前記供給樋53内には、丁度賭数の1単位である数の遊技球(例えば、5個)が並ぶようになっており、供給樋53における導入口52側と流下端側にその最先端の遊技球と5個目の遊技球をそれぞれ検出する2組の球検出センサー101a,101bが設けられ、これら各球検出センサー101a,101bが共に遊技球を検出していることを条件に前記マックスベットスイッチ85a及びベットスイッチ85bが働くようになっている。
前記取付板95の裏面にはステッピングモータ102が取着され、前記スプロケット97の横軸98とステッピングモータ102の駆動軸103とが連結されている。一方、前記供給樋53の流下端の手前の底面に球抜き口61が開設され、該球抜き口61にほぼ水平方向に摺動する球抜き板62が配置される。該球抜き板62は正面L字型に成形され、底板部62aが球抜き口61を塞ぎ、立板部62bの後面にその後方へ突出する突子63が設けられ、この突子63に挿通され該突子63と対向して位置する仕切壁64及び立板部62bの間に弾発手段としての圧縮スプリング65が介装される。これにより、球抜き板62が常に球抜き口61を塞ぐように付勢される。
また、球抜き板62の前面には、箱枠体94の前面に開設された横長孔66を介して前方ヘ突出する作動ピン67が設けられる。該作動ピン67は前記球抜き装置19における第2可動部材22b先端の凹欠部32に嵌ることになる。前記球抜き口61の下方には球排出通路68が成形され、該球抜き口61から落下する遊技球は該球排出通路68の流下端に設けられた球通口68aを介して下部の球受皿9に導かれる。前記箱枠体94前面上部に、前方へ突出しかつその前端縁が楔状に前方へ向かって下傾する突状部としての突起69が設けられる。該突起69は、前記透明板保持枠5を閉じるとき前記閉鎖部材34の引上片37に下側から摺接して押し上げ該引上片37すなわち閉鎖部材34を上方へ回動させ、通口33を遊技球が通過できるようにするためのものである。
第2実施の形態に係るパロット機Rは上記構成からなり、次に作用を説明する。図20に示すように透明板保持枠5と共に前板70が閉じた状態では、図4と同様に突起69により閉鎖部材34がその付勢に抗して上方へ回動して通口33が開放している。すなわち、操作制御部材である閉鎖部材34は、前記第2可動部材22bの作動を可能にする解除位置に有る。そして、上部の球受皿8の球皿部8aに貯留される遊技球は、整流されつつ図18に示すように前記通口33、導入口52を介して球計数排出装置93内の供給樋53内に導かれ、その最先端の遊技球がスプロケット収納室96内のスプロケット97の外周縁に乗って待機する。
そこで、賭け数に応じてマックスベットスイッチ85aまたはベットスイッチ85bを押圧すると、その賭け数に応じて前記スプロケット97が作動して賭け数に応じた遊技球を球受皿8の球皿部8aから回収し、賭け表示器72に賭け数を表示する。そして、賭け数に応じてマックスベットスイッチ85aまたはベットスイッチ85bを押圧すると、その賭け数に応じて前記記憶表示器91からその賭け数分の球数を減算表示すると共に賭け表示器72のLED72aが点灯して有効ラインを示して遊技可能な状態となる。
次に、単位賭数の遊技球が両球検出センサ101a,101bで確認されて、所定個数が回収されたことを条件としてスタートスイッチ83を操作すると、前記可変表示装置71の各ドラム76a〜76cが回転して図柄が変動し、遊技者がストップスイッチ84a〜84cを任意で押圧して各ドラム76a〜76cを停止させる。このときの賭け数に応じた有効ラインの停止図柄が所定の組合せ図柄の場合に、球払出装置から所定の賞球としての遊技球が払出されると共に表示部75aに払出個数が表示される。さらに、「7,7,7」等の特定の組合せ図柄の場合には所定ゲーム数連続して賞球が払出される大当りとなり、表示部75bに残ゲーム数が表示される。そして、クレジットスイッチ90の押圧状態で、多量の賞球が払出されると最高250個(賭け数50単位分)が自動的に回収され、記憶部に記憶されて記憶表示器91に表示され、残りの賞球は上部の球受皿8及び下部の球受皿9に貯留される。以後同様の操作でゲームが続けられる。
ところで、例えば前記球計数排出装置93内で球詰まりなどのトラブルが発生し、そのトラブルを解消すべく図21に示すように前板70を開けると、図5と同様に突起69と引上片37との接触が解かれ、閉鎖部材34がその付勢により下方へ回動し、停止片38が通口33内に介入して遊技球の通過を阻止する。これにより、上部の球受皿8に貯留される遊技球の通口33から無用に零れることが防止される。
しかも、この際、図5と同様に前記閉鎖部材34先端の受止片36が、第2可動部材22bの一側縁上部に設けられた衝止部30に接近して対峙している。これにより、例えば前板70を開いた状態で、誤って球抜き装置19の操作部材21に触っても、前記衝止部30が前記受止片36に衝突して第2可動部材22bが作動し得ないようになっている。すなわち、閉鎖部材34が第2可動部材22bの作動を不可能にするロック位置に移動したことになる。換言すれば、第2可動部材22bの押動片31が作動ピン67を押した位置まで進んでないことになり、この状態では第2可動部材22bと球抜き板62すなわち作動ピン67とが互いに重なって衝突するようなことはない。よって、透明板保持枠5の不具合による面倒な二度閉めが不要になり作業性の改善が図られる。また、第2可動部材22bまたは球抜き板62が衝突の衝撃により破損するといった危険性も防ぐことができる。
第2実施の形態に係るパロット機にあっても、操作制御部材を前記閉鎖部材34と兼用せずに別個に成形して前板本体70aに取着するようにしても良いが、このように操作制御部材を閉鎖部材34と兼用すれば、部材が一つで済み構成が簡単になるばかりか製作も簡単になり経済的である。また、この際、操作部材21を作動させてから開閉扉枠である前板70を開けても、図6と同様に受止片36が第2可動部材22bの衝止部30の内側に成形される逃し空間部17に入り、閉鎖部材34が第2可動部材22bの邪魔になることなく通口33を塞ぐ位置に移動する。よって、該通口33から遊技球が無用に零れ落ちることがなく安全である。
また、操作制御部材も同じであるが閉鎖部材34を回動する構成ではなく、直線的に往復摺動する構成としても良い。また、突状部として打球供給装置41の前面に突起69を突設するようにしたが、例えば閉鎖部材34に後方へ突出する突起を設けるようにしても良い。この場合は、遊技機本体P1である打球供給装置41の前面に透明板保持枠5を閉じるとき前記突起が摺接する段部を前方へ突出するように設ける。
更に、第2実施の形態に係るパロット機においては、開閉扉枠として前板70について説明したが、他に例えば前記前板70が一体に成形された透明板保持枠にも第2実施の形態に係る発明が適用でき、下部の球受皿も一体に設けられるような大型の透明板保持枠にも第2実施の形態に係る発明が適用できる。また、前板70の前面に球受皿8を装着する構成を説明したが、球受皿8が前板70の前面にその前面全体を覆うようにして装着される構成についても第2実施の形態に係る発明は適用できることは勿論である。