以下、この発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の封入球式遊技機は、本発明をパチンコ遊技機に応用したものであり、例えば、遊技内容等は、従来のパチンコ遊技機と同様とすることが可能となっているとともに、外形等のサイズも同様となっており、パチンコ遊技店の現状の島設備に設置可能となっているが、島設備の球供給機構や球排出機構を用いることがないものとなっている。すなわち、封入球式遊技機として、予め封入された遊技球を用い、貸球機等を介してカード等の記憶媒体から入力されたデータ(貸球数のデータ)等に基づく遊技球数、すなわち、持球数のデータに対応して遊技球を遊技領域に発射可能とされ、遊技球を発射すると発射された遊技球数に対応して持球数のデータが減算されるようになっている。また、発射された遊技球が各種入賞口や変動入賞装置等の入賞具に入賞して賞球(遊技球)が発生した場合は、実際の遊技球を払い出すことなく、前記持球数のデータに賞球数が加算されるようになっている。また、持球数のデータが0となると、遊技球の発射ができない状態となる。この状態でカード等の記憶媒体に記憶された金額のデータや貯球のデータ等に基づいて、持球数のデータに数値(すなわち、貸球数もしくは再プレイ球数)が加算されると再び遊技球の発射が可能となる。
また、発射された遊技球は、遊技領域に至って一部は、入賞して遊技盤の裏面側に導かれてセーフ球として回収されるとともに、残りの入賞しなかった遊技球はアウト球として回収され、これら回収された遊技球が循環経路を通って再び発射可能な状態となるようになっており、遊技球は封入球式遊技機内で循環するようになっている。また、ファールとなった遊技球も循環経路に回収される。
従って、この例の封入球式遊技機は、遊技機本体内に所定数封入した遊技球を、発射位置から遊技領域に発射して遊技を行う一方、遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導いて遊技球を循環使用する循環経路を備えたものとなる。
図1から図3に示すように、本実施形態の封入球式遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、この機枠110の一側方には、該機枠110に対し回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸支されている。また、前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140(開閉枠)と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150とを有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110内にちょうど収まるように、概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に後述する遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部に渡る部分を覆って前記クリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面と前記クリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板141,141との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が遊技球Bが発射されて流下する遊技領域1aとされている。
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(左側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。
クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球Bが流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板141が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、封入球式遊技機100の前側からガラス板141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。
また、クリア部材保持枠140の前面側には、遊技領域1aの視認を妨げない位置に、図2に示すように、外部アピール装飾ランプ11,…、サイドランプ12,12、スピーカ13,13、エラー表示器14,14等が設けられている。外部アピール装飾ランプ11,…は、クリア部材保持枠140の上部に、主に獲得遊技球数が大量となった場合に、これを周囲に報知するためのものである。例えば、入球数(遊技者が遊技機に打ち込んだ球数)と出球数(遊技球Bが入賞口等に入って出てきた賞球数)との差である差球数(差球数に遊技店が遊技者に貸した貸球数を加算した数値は、遊技者が持っている持球数であり、持球数は、ここでは、上述の遊技球Bの発射を可能とする遊技球数のデータとなる)に基づいて、差球数が高くなった場合に、外部アピール装飾ランプ11,…が点灯するようになっている。なお、上述のように封入球式遊技機100では、賞球の払い出しは行われず、上述の出球数、入球数、差球数、持球数(遊技球数)等は、実際の遊技球Bの個数ではなく、データ上の数値となる。すなわち、実際に使用される遊技球Bは、循環使用される限られた所定数(例えば、25個)しかなく、持球数は、例えば、遊技領域1aに発射される遊技球Bを検知してカウントした発射球数、発射されたが戻ってしまった遊技球Bを検知してカウントしたファール球数、遊技領域に発射されて回収された遊技球Bを検知してカウントした回収球数、入賞した場合の賞球数、遊技店から借りた貸球数等の数値から上述の入球数、出球数、差球数、持球数が得られる。
なお、クリア部材保持枠140を開放して遊技球Bが外に出てしまう等のトラブルがない限り、発射球数=ファール球数+回収球数(回収球数がファール球数を含まない場合)となる。そして、入球数=回収球数=発射球数−ファール球数となり、出球数=賞球数(積算値)=入球数−貸球数(再プレイ球数)+持球数となり、持球数=貸球数(もしくは再プレイ球数)+出球数−入球数、出球数−入球数=差球数、持球数=貸球数(もしくは再プレイ球数)+差球数となる。以上のように封入球式遊技機100による遊技は、完全にデータ上の数値として行われることになり、遊技球Bをこぼしたり、遊技球Bを下皿や上皿に残したりすることによる誤差が生じることがなく、整数単位で確実に管理可能となる。しかし、多数の遊技球Bを得て、これを遊技球箱に溜めることにより遊技者が得られる満足感や優越感といったものが、持球数という数値の増加では得難い。そこで、外部アピール装飾ランプ11,…は、遊技者が満足感や優越感を得られるように用いられる。
外部アピール装飾ランプ11,…の動作をより具体的に説明すると、例えば、持球数もしくは差球数が1000個以上になると、外部アピール装飾ランプ11,…のうちの1つが所定の発光色(例えば緑)で点灯し、持球数もしくは差球数が2000個以上となると外部アピール装飾ランプ11,…のうちの2つが点灯するとともに、発光色を変更するというように、持球数もしくは差球数が所定数ずつ増えるたびに外部アピール装飾ランプ11,…の点灯数を増加し、かつ、発光色を変更し、遊技店内の遊技者等に差球数が多い台を知らせるとともに、その台で遊技する遊技者が多くの遊技球数を獲得していることをアピールするようになっている。
また、サイドランプ12,12は、遊技状態に対応して点灯、点滅、発光色の変更等の演出を行う。また、サイドランプ12,12とともに、外部アピール装飾ランプ11,…、エラー表示器14,14も演出としての発光を行うようにしても良い。また、エラー表示器14,14は、演出用の発光とは異なる色や点滅等の点灯方法で点灯することで、係員等に各種エラーを報知する機能を有する。
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150には、タッチパネル表示ユニット151、ハンドルタッチ検出部152、発射スライドボリューム153、見せ球装飾部154、スピーカ155、及びこれらの部材を保持するとともに後述する発射装置61の操作用のポケット状の凹部158(空間)を形成する発射操作空間形成枠159が設けられている。
タッチパネル表示ユニット151は、表示装置としての液晶ディスプレイを有するもので、基本的な機能として、持球数の情報、金額情報(カード等の記憶媒体に記憶された残額等)、貯球情報(景品と交換せずに遊技店側に貯蓄した遊技球数等)等の遊技情報を表示し、実際の遊技球Bの払い出しがなくても、いつでも、持球数を確認できるようにするとともに、遊技者や遊技店の店員等に対してエラーの発生を含む各種情報を表示可能となっている。また、タッチパネル表示ユニット151は、タッチパネルとして、表示切替や、その他の表示内容に対応した入力操作を可能とするものである。なお、タッチパネル表示ユニット151は、封入球式遊技機100の左右方向に設定された回転軸回りに回転して傾きを調整できるようになっており、遊技者の体格等に対応して遊技者が見やすい角度に変更可能となっている。
また、本発明の封入球式遊技機100においては、従来のパチンコ遊技機に設けられた遊技球Bの発射を操作するための回転操作式の操作ハンドルに代えて、前記ハンドルタッチ検出部152,152及び発射スライドボリューム153を有する。
前記ハンドルタッチ検出部152,152は、従来の操作ハンドルに設けられていたタッチセンサを有するものであり、遊技者の手を接触させることにより、信号を発射制御装置に出力し、発射制御装置の制御の元に発射装置61を作動させて遊技球Bを発射させるものである。
また、ハンドルタッチ検出部152,152は、クリア部材保持枠140の下側で前側に膨出した状態の発射操作空間形成枠159の左右側部で、膨出した部分にポケット状の凹部158を形成し、この凹部158の内面のうち、主に遊技機の前方側で後方を向いた部分にタッチセンサを形成したものがハンドルタッチ検出部152,152となっている。また、ポケット状の凹部158の底面部分は、遊技者の手をおけるように凹部内より外側に延出した状態となっており、凹部に手を入れてタッチセンサに触れた状態で楽に手を凹部の底面におけるようになっている。すなわち、凹部の底面は、アームレスト158a(ハンドレスト)として機能する。また、ハンドルタッチ検出部152,152は、封入球式遊技機100の下部の発射操作ユニット150の左右にそれぞれ設けられているので、右手でも左手でも遊技球Bの発射の操作が可能となっている。
また、従来、発射勢の調整は、操作ハンドルを回転することにより行われていたが、この例の封入球式遊技機100では、上下にスライド移動可能な操作レバー156を備えた発射スライドボリューム153により発射勢を調整できるようになっており、上下に移動可能な発射スライドボリューム153の操作レバー156を上もしくは下に移動すると発射勢が強くなり、逆に移動すると発射勢が弱くなるようになっている。なお、操作レバー156は、任意の位置で止められるようになっており、手を離してもバネ等により発射勢を最低とする位置に戻ることがないので、一度、遊技者が発射勢を決めたら、操作レバー156から手を離して、ハンドルタッチ検出部152,152に手を触れるだけで遊技球Bが発射可能となる。
見せ球装飾部154は、遊技球Bを払い出すパチンコ遊技機における上皿に溜まった遊技球Bの減少や増加による流動等を仮想的に表現するものである。
すなわち、遊技球Bを順次発射した際や、遊技球Bが入賞した際に、タッチパネル表示ユニット151に表示される持球数の増減だけで、パチンコ遊技機の上皿に溜まった遊技球Bの発射による減少や、賞球の払い出しによる増加を実感しずらいので、見せ球装飾部154で、遊技球Bの移動を仮想的に再現することで、遊技者に対して遊技球Bの増減を実感しやすい状態とする。
なお、見せ球装飾部154は、例えば、遊技球Bの増減を遊技球Bの移動で表現するものであり、実際の遊技球Bを循環移動させることにより表示しても良いし、ディスプレイとして画像により遊技球Bの移動を表示するものとしても良いし、擬似的にランプ(LED)の点滅等で遊技球Bの移動を表現するものとしても良い。この例では、見せ球装飾部154は、擬似的に内部にLEDを備えた球状の発光部材により遊技球Bの増減の変化を示すようになっている。
スピーカ155は、そのエンクロージャー157となる部分が、図3に示すように後から向かって左側(前から向かって右側)に延出した状態となっており、エンクロージャー157が、右のハンドルタッチ検出部152と前後に重なるようになっている。これにより、スピーカ155により発生する振動を右のハンドルタッチ検出部152に触れている遊技者の手に伝えて、遊技者が手で音に基づく振動を体感可能となっており、ボディソニックの一種となっている。
そして、以上のような封入球式遊技機において、前面枠本体130の開口部に嵌め込まれた遊技盤1の前面側の遊技領域1aにおいて遊技が行われることになる。
すなわち、封入球式遊技機100は、図1に示す、遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に遊技球B(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うものであり、該遊技領域1aには、図1に示すように、普図始動ゲート6,6、この普図始動ゲート6,6を遊技球Bが通過して普図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を表示する普図始動記憶表示器(図示略)、普通図柄(普図)の変動表示ゲームを表示する普図変動表示器(図示略)、普通変動入賞装置9、この普通変動入賞装置9に遊技球Bが入賞して特図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を点灯表示する特図始動記憶表示器(図示略)、特別図柄(特図、識別情報)の変動表示ゲームの表示等を行う変動表示装置4、特別変動入賞装置5、一般入賞口8,…、風車と呼ばれる打球方向変換部材(図示略)、多数の障害釘(図示省略)などが設けられている。
なお、本発明の封入球式遊技機100の遊技盤1においては、遊技領域1aをその下端部まで流下しても入賞しなかった遊技球Bとしてのアウト球を遊技領域1aの下端部において遊技盤1の裏面側に導くアウト穴が設けられておらず、その代わりに遊技盤1の前面で遊技領域1aを囲むガイドレール2が、遊技領域1aの下端部で設けられていない構成、すなわち、ガイドレール2の遊技領域1aの下側を囲む部分に、切欠部が設けられる構成となっており、入賞しなかった遊技球Bは、遊技盤1の下端部の中央部分で、遊技盤1の前面側の遊技領域1aからそのまま遊技領域1aの外側(下側)に流下する構成となっている。
前記普通変動入賞装置9は左右一対の開閉部材を具備し、この開閉部材は、常時は遊技球Bが1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示器の普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置9に遊技球Bが流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化されるようになっている。
この普通変動入賞装置9は、特図の始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置9の内部(入賞領域)に備えられた始動口センサ(図示略)により遊技球Bを検出することに基づき始動条件が成立し、特図の変動表示ゲームが開始されるようになっている。
また、普図始動ゲート6,6内には、該普図始動ゲート6,6を通過した遊技球Bを検出するためのゲートセンサ(図示略)が設けられている。
そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球Bが、普図始動ゲート6,6内を通過すると、普図変動表示器において普図の変動表示ゲームが行われる。
ここで、普図変動表示器は、例えば、LEDなどによって構成され、普通図柄(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)の変動表示ゲームは、普図変動表示器の点灯状態を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようになっている。
この普図の変動表示ゲームの結果、普図変動表示器における停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置9の開閉部材が所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放される。これにより、普通変動入賞装置9に遊技球Bが入賞しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
また、特図の変動表示装置4(特別図柄表示装置)は、例えば、液晶ディスプレイ41を備え、表示内容が変化可能な表示画面42を有している。この表示画面42における表示内容は、表示制御手段としての機能を有する演出制御装置となる演出制御基板50(サブ基板、盤用演出基板)により制御されるようになっている。
そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球Bが特図の始動口を兼ねる普通変動入賞装置9へ進入して始動条件が成立することに基づき、表示画面42にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特別図柄の変動表示ゲームを実行可能となっている。なお、特図の変動表示ゲームは、表示画面42において、複数種類の識別情報を所定時間変動表示させることにより行う。
そして、この特図の変動表示ゲームの結果として、表示画面42の表示態様が特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。
ここで、特別変動入賞装置5は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカー形式の開閉扉によって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球Bの流入を容易にさせるサイクル遊技が、所定回数(所定ラウンド数)を限度に行われる。
また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球Bを検出するためのカウントセンサと、大入賞口に入った遊技球Bのうち継続入賞領域(V入賞領域)に流入した遊技球Bを検出するためのV入賞センサが配設されている。
なお、各一般入賞口8,…の内部(入賞領域)には、該入賞口8,…に入った遊技球Bを検出するための入賞口センサが配設されている。
ここで、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球Bが、一般入賞口8、普通変動入賞装置9、特別変動入賞装置5の大入賞口等の入賞口(入賞具)の何れかに流入して入賞が発生すると、該入賞した遊技球Bが各入賞口のセンサにより検出され、該検出に基づき、各入賞口に対応して設定された所定の賞球数が、上述の遊技球数(持球数)のデータに加算される。
従って、特別遊技状態中に上記のサイクル遊技を行うことにより、遊技者は高い遊技球数(特定の遊技価値)の獲得機会を得る。
すなわち、封入球式遊技機100はパチンコ遊技機として、特図変動表示ゲームの結果、予め定められた特別結果態様となった場合に(大当りとなった場合に)、遊技者に特定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生可能に構成されている。
また、前記遊技盤1の裏面側には、図3に示すように、前記液晶ディスプレイ41の後側にボックス51に納められた状態で前記演出制御基板50が配置され、その下側にボックス21に収納された状態で遊技を制御する遊技制御装置となる遊技制御基板20が配置されている。遊技制御装置は、遊技球Bの入賞をセンサで検知した場合に、後述する枠制御装置へ入賞(賞球数)を示す信号を出力するとともに、普図始動ゲート6,6を遊技球Bが通過したのをゲートセンサが検知した場合に、普図の変動表示ゲームの開始の制御を行うとともに、普図の変動表示ゲームの当り外れの判定の制御を行う。そして、遊技制御装置は、普図の変動表示ゲームが当たりとなった場合に、普通変動入賞装置9を作動させる制御を行う。また、遊技制御装置は、普通変動入賞装置9に遊技球Bが入賞した場合に特図の変動表示ゲームの制御を前記演出制御装置を介して行う。すなわち、遊技制御装置は、演出制御装置に変動表示装置4の表示制御を行わせるとともに、大当りと外れの判定の制御を行う。
なお、遊技盤1に、遊技に係わるセンサやソレノイドや表示装置等が設けられるとともに、これらを制御する遊技制御装置や演出制御装置が設けられているので、遊技盤1を変更することにより、封入球式遊技機100の遊技内容を変更することが可能である。
また、前面枠本体130の遊技盤1が取り付けられる開口部の下側となる前面枠本体130の下部は、その前面側に上述の発射操作空間形成枠159を有する発射操作ユニット150が取り付けられるとともに、図3に示すように、その裏面側に遊技球Bを発射するための発射装置61及び発射レール62等を備えた発射ユニット60が取り付けられる取付盤131となっている。なお、取付盤131を備える前面枠本体130は、樹脂により一体成型されるとともに、各種部材の取付部材やリブ等が形成されたものである。
なお、取付盤131と前面枠本体130は、必ずしも一体成型されていなくても良く、取付盤131が前面枠本体130から取り外せるように別体品としても良い。
前面枠本体130下部の取付盤131の裏面側には、上述の発射ユニット60が備えられるとともに、発射装置61を制御する発射制御装置となる発射制御基板63(ボックス63a内に配置)、発射装置61により遊技領域1aに発射された遊技球Bを回収して再び発射装置61に供給する封入球循環ユニット200(封入球循環装置)、封入球式遊技機100内の各装置に電力を供給する電源供給装置となる電源基板71(ボックス71a内に配置)、遊技盤1以外の前面枠120に備えられた装置の制御を行う第1枠制御基板81(ボックス81a内に配置)及び第2枠制御基板82(ボックス82a内に配置)が取り付けられている。これら第1枠制御基板81及び第2枠制御基板82が枠制御装置として機能し、遊技盤1に取り付けられた装置を除く、前面枠120の例えば、外部アピール装飾ランプ11,…、タッチパネル表示ユニット151、見せ球装飾部154、封入球循環ユニット200、外部とのデータの通信装置等を制御する枠制御装置となる。なお、第1枠制御基板81は、遊技制御基板20及び演出制御基板50からの制御に基づいて第2枠制御基板82及び発射制御基板63を制御するようになっている。
なお、取付盤131を有する前面枠本体130は、各部材の取付位置に各部材を取り付けるための構造が設けられており、例えば、取り付けられた部材を囲むように補強用のリブが形成されていたり、ビス等による部材の取り付けのためのボス等が形成されている。
従って、封入球式遊技機100の裏面側下方部には、回収した遊技球Bを再び発射位置に導出するための封入球循環装置としての封入球循環ユニット200が備えられている。
発射ユニット60は、取付盤131に取り付けられる取付プレート64と、取付プレート64にレール取付ベースを介して取り付けられる発射レール62と、発射レール62上の遊技球Bを打撃して遊技球Bを発射させる発射杵66等を備えた発射装置61とを備える。
そして、発射レール62は、遊技球Bを発射レール62に沿って案内するように断面V字状に形成され、遊技盤1より下で、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの真下となる位置に配置されるとともに、遊技領域1aの下部の例えば左側で発射された遊技球Bをガイドするようにガイドレール2が外側と内側とに二重に配置された部分の下端部に発射装置61に打撃された遊技球Bを導くように、封入球式遊技機100の左右方向に沿って左右に延在するとともに、封入球式遊技機100の前から見て右端部より左端部が高くなるように斜めに配置されている。
発射装置61は、取付盤131とこの取付盤131に取り付けられた取付プレート64との間に形成された収納空間に収納されるように、取付プレート64の前面側に取り付けられた図示しないモータ(ステッピングモータ)と、このモータに接続されて回転駆動されることにより、遊技球Bを打撃して遊技球Bを発射する発射杵66と、発射杵66の回転角度を規制するストッパ部材67と、発射レール62上に後述するように封入球循環ユニット200から供給された遊技球Bを、発射レール62の下端部上の発射杵66により打撃可能な所定位置に停止させる球位置決め部材(図示略)とを備える。
そして、発射レール62の後端部(傾斜下端部)上の球位置決め部材により遊技球Bが保持される位置が遊技球Bを発射する発射位置となる。
発射ユニット60においては、発射装置61及び発射レール62の前側が取付プレート64により閉塞され、取付プレート64が取り付けられた取付盤131の取付プレート64の周囲に形成されたリブにより、発射レール62を通って発射される発射球(遊技球B)の経路を除いた上下左右が略閉塞されているが、発射ユニット60の裏面側(後方側)は、開放された状態となっている。しかし、取付盤131の発射ユニット60の裏面側には、後述するように発射ユニット60と前後に略重なって封入球循環ユニット200が取り付けられ、封入球循環ユニット200の前面により発射ユニット60の発射レール62及び発射装置61の部分の後方側がほぼ覆われてほぼ閉塞された状態となっている。
また、遊技領域1aには、上述の外側と内側との二つのガイドレール2,2からなる発射球の誘導路となる部分の下端部に発射球の導入口であり、かつ、発射球が遊技領域1aを流下せずにファール球として戻った場合の戻り口となる発射球導入部がある。一方、図4に示すように、前面枠本体130の遊技盤1が取り付けられる部分の下枠となる部分、すなわち、前面枠本体130の取付盤131の上側縁部には、クリア部材保持枠140の後方側のガラス板141の裏面と、遊技盤1の前面との間の遊技領域1aの下部を閉塞する底壁部134が形成されている。そして、前面枠本体130の底壁部134の上述の遊技領域1aの発射球導入部に対向する部分に、発射球通過口135が設けられている。
そして、発射装置61により発射されて発射レール62上を斜め上方に向かって移動した後に遊技領域1aの発射球導入部から遊技領域1a内に向かう遊技球Bが発射球通過口135を通過するようになっているとともに、上述のファール球が取付盤131側に戻る際に発射球通過口135を通過するようになっている。なお、発射レール62の先端面は、発射球通過口135の直下より手前に配置され、発射球通過口135に戻るファール球は、発射レール62上に戻らずに、発射レール62の前に流下し、後述する封入球循環ユニット200のファール球回収部257上に至るようになっている。
封入球循環ユニット200は、図3から図9に示すように、遊技領域1aに発射された遊技球B(アウト球、セーフ球を含み、ファール球を除く)を回収する回収口211を有する回収部材210と、回収口211から発射装置61の遊技球Bの発射位置まで遊技球Bを導いて遊技球Bを循環使用する循環経路220と、この循環経路220の上流側の一部として、回収口211から後述の待機流路221まで遊技球Bを流下させる回収球流路280と、この回収球流路280を流下する遊技球Bを検出する回収球検出手段としての回収球センサ212と、循環経路220の下流側の一部分であり、発射位置に送られる前の遊技球Bを待機させる待機流路221と、待機流路221に待機する遊技球Bの不足状態を検出する球不足状態検出手段としての球不足検出センサ264と、待機流路221の下流側の端部に設けられ、発射装置61の発射レール62の下端部(遊技球Bの発射位置)に球供給口247を介して遊技球Bの発射のタイミングに応じて順次遊技球Bを一個宛送球する球送り装置240とを備える。
なお、待機流路221は、球送り装置240により発射位置に送られる前の遊技球Bを待機させる部分であり、循環経路220のうちの後述する補充用の遊技球Bを除いた循環使用される遊技球Bが溜まる範囲である。なお、この範囲は、遊技球Bの発射を停止して、全ての循環使用される遊技球Bが封入球循環ユニット200内にある場合に最大となる。この例では、循環経路220において循環使用される遊技球Bが溜まる最大の範囲となる部分を待機流路221とする。
なお、図7に示す状態においては、後述する球保持装置290に4個の遊技球Bが保持されているが、この遊技球Bは、遊技領域1aを流下して回収されたアウト球の一部を保持しているものである。
また、この遊技球Bは、例えばサービスとして係員が手で拾得し、普通変動入賞装置9に入れるためのものであり、このように使用された遊技球Bはセーフ球の排出経路を通って遊技盤1の下側に流下し、回収部材210で回収されて循環経路220に流入する。
よって、球保持装置290で保持されている遊技球Bも循環使用される遊技球であり、この遊技球を含め循環使用される遊技球が溜まる最大の範囲を待機流路221とすると、待機流路221は回収球センサ212の下の球貯留板261の高さ位置から球送り装置240までとなり、回収口211から回収球センサ212を越えた下側の後述する球貯留部262の球貯留板261の高さ位置の近傍までが回収球流路280となる。
なお、循環経路220には、後述の球送り装置240の下流側の供給流路245が含まれるとともに、後述のファール球流路252を含むものとしても良い。
また、封入球循環ユニット200は、ファール球回収手段250として、発射装置61により上述の内側のガイドレール2及び外側のガイドレール2との間に発射されたにも係わらず、再び発射装置61側に向かって戻ってしまったファール球(ガイドレール2同士の間に至らなかった発射球Bも含む)を回収するファール球回収口251と、回収されたファール球を検知するファール球センサ253と、ファール球回収口251から回収されたファール球(遊技球B)を待機流路221(循環経路220)に流下させるファール球流路252とを備える。すなわち、ファール球回収手段250は、発射された遊技球Bが遊技領域1aに到達せずにファールとなった遊技球Bを待機流路に案内するファール球流路252と、ファール球流路252を流下する遊技球Bを検出するファール球検出手段としてのファール球センサ253とを備える。
また、封入球循環ユニット200は、待機流路221を遊技球Bの発射毎に移動する遊技球Bの付着物を除去する付着物除去手段400と、循環経路220内の球を抜く球抜き装置230とを備える。
また、封入球循環ユニット200は、封入球循環ユニット200内に通常循環使用される遊技球B以外に補給用の遊技球Bを貯留し、遊技中に循環する遊技球Bが減少した場合に補給する球補充装置260と、遊技球Bの入れ替え用の所定数の遊技球B(例えば、30球で上述の補給用の遊技球Bを含む)が収納された球交換カセット275を取り付けるとともに、球交換カセット275内の遊技球Bを封入球循環ユニット200内に供給するための球交換カセット取付部270とを備える。
また、封入球循環ユニット200の主要部は、主要部の前面側を構成する前壁部材310と、主要部の裏面側を構成する後壁部材320とから概略箱状に形成され、主要部の内部に上述の循環経路220(回収球流路280、待機流路221を含む)、ファール球流路252とが形成されている。なお、基本的に前壁部材310側に上述の遊技球Bの経路を構成する部材が形成されるとともに、センサ、ソレノイド等を取り付ける部材が形成され、後壁部材320には、各部材の取付を補助する部材や、封入球循環ユニット200の外周を囲う外周壁326を有する。また、前壁部材310及び後壁部材320は、それぞれ透明な合成樹脂により一体成型されており、封入球循環ユニット200内の遊技球Bや、封入球循環ユニット200の前側の遊技球Bや発射ユニット60等を透視可能となっており、封入球式遊技機100の裏面側から遊技球Bの詰まり等を目視で確認可能となっている。また、前壁部材310と後壁部材320とは、着脱自在に接合されている。
また、封入球循環ユニット200は、その下端部に前面枠本体130の取付盤131の発射レールの取付位置より下方となる所定部位に設けられた左右の取付部132,132(図3に図示)に、着脱可能かつ回動可能に接続する左右の接続部材201,201を備えており、封入球式遊技機100の左右方向に設定された回転軸回りに回転可能となっている。そして、封入球循環ユニット200は、封入球式遊技機100の裏面(取付盤131の裏面)に沿った垂直な状態(使用状態)から前記接続部材201,201を中心に上端が後方側に倒れるように回動して略水平な状態(メンテナンス状態)に回動可能となっている。
また、封入球循環ユニット200の接続部材201,201は、取付盤131の取付部132,132の軸となる突起が回動可能に挿入される筒状の形状を有するとともに、筒状部分にはスリットが形成され、スリット201a,201aから軸を出入可能とされることにより、接続部材201,201が取付部132,132から着脱自在とされ、封入球循環ユニット200を前面枠本体130の取付盤131から取り外し可能(着脱自在)となっている。
後壁部材320の左右両端部には、後壁部材320の前側に前壁部材310を取り付けた状態で、後壁部材320を着脱自在に取付盤131に取り付ける取付部材203,203が設けられている。この取付部材203,203を取付盤131から取り外すことで封入球循環ユニット200を後側に倒すように回動自在となる。
また、封入球循環ユニット200は、封入球式遊技機100の裏面側となる前面枠本体130の裏面側に取り付けられる。なお、前面枠本体130の下部となる取付盤131は、その主要部となるほぼ垂直な平板部分が、前面枠本体130に固定された遊技盤1より前となるように構成されており、取付盤131の裏面に取り付けられる上述の発射装置61等を有する発射ユニット60が遊技盤1より前面側の遊技領域1aの略真下に配置されるようになっている。
そして、封入球循環ユニット200は、取付盤131に取り付けられた発射ユニット60と前後に重なるように、発射ユニット60の後側に配置されて取付盤131に取り付けられる。そして、封入球循環ユニット200は、取付盤131に取り付けられた状態で前面枠本体130に取り付けられた遊技盤1の略真下に配置されるようになっている。
前記回収部材210は、封入球循環ユニット200の上の部分となる上端部(上部)に形成される。そして、図4に示すように、回収部材210は、その前部が、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの下から入賞することなく流下した遊技球Bであるアウト球を回収可能となるように、遊技盤1の下から遊技盤1の前面側の遊技領域1aの下側のガイドレール2の上述の切欠部の下側に延設されている。また、回収部材210は、その後部が、遊技盤1の裏面側を流下して遊技盤1の下側に排出される入賞した遊技球Bであるセーフ球を回収可能となるように、遊技盤1の下から遊技盤1の裏面側のセーフ球の排出経路(図示略)の下まで延設されている。すなわち、回収部材210は、その前後幅が、遊技盤1の厚みより少なくとも遊技球Bの直径の2倍以上長く、回収部材210は、遊技盤1の前方のクリア部材保持枠140の後側のガラス板141の裏面から遊技盤1の後方の入賞したセーフ球の排出経路の後端までの範囲で配置される。また、回収部材210の左右幅は、遊技盤1の下側のガイドレール2の切欠部の幅となっており、回収部材210は、ガイドレール2の切欠部の右端から左端までの範囲で配置される。なお、ガイドレール2の切欠部の左右範囲内に、遊技盤1の裏面側のセーフ球の図示しない排出経路の出口が配置される。
ここで、遊技盤1の下部におけるガイドレール2は、例えば、従来のアウト穴の左右幅に比較して2倍以上、例えば、4倍、5倍等のように特別変動入賞装置5(アタッカー)より広く広範囲に切り抜かれているので、効率よく(迅速に)アウト球を流下させることができる。また、それに対応してガイドレール2の切欠部とほぼ同じ左右幅を有する回収部材210の後述のアウト球回収口215も左右方向に大きい寸法(少なくとも、特別変動入賞装置5よりも大きい寸法)で設定されているので、落下するアウト球を効率よく回収できる。
同様に後述のセーフ球回収口216も左右方向に大きい寸法(アウト球回収口215と同等の寸法)に設定されているので、落下するセーフ球を効率よく回収できる。
また、図7に示すように、回収部材210から封入球循環ユニット200の本体内部に遊技球Bを導入する後述の遊技球導入口219の導入傾斜部213は、セーフ球回収口216およびアウト球回収口215に対応して左右方向に大きい寸法(セーフ球回収口216及びアウト球回収口215よりは少し狭い)となっているので、左右から遊技球Bが一度に流下しても球詰まりしにくい構造となり、遊技球Bをスムーズに回収球センサ212に導入させることができる。すなわち、遊技球導入口219において、球詰まり等のように、複数の遊技球Bが接触することによりスムーズな遊技球Bの流下が抑制されるのを防止できる。
なお、封入球循環ユニット200の回収部材210より下の本体部分の前後幅は、遊技球Bの直径より少し広いものとされているが、遊技盤1の厚み(前後幅)よりは、狭いものとされており、遊技盤1の下にある封入球循環ユニット200の本体部に対して、回収部材210は、前と後にそれぞれ延出した状態となっている。
また、封入球循環ユニット200は、取付盤131の裏面側で発射ユニット60より後に配置されているが、取付盤131の遊技盤1の下側の回収部材210が配置される部分には、回収部材210の形状に対応した間隙部(図示略)が形成されており、上述のように下端部を中心に回転自在な封入球循環ユニット200を立てた状態で取付盤131に取り付けた際に、封入球循環ユニット200の回収部材210の前部が間隙部に挿入されて、回収部材210の前部が遊技盤1より前に延出するようになっている。
また、回収部材210は、平面視して封入球式遊技機100の左右方向に沿って長尺な矩形状であり、その周囲が略垂直な囲い壁214となっている。また、回収部材210の(囲い壁214内部の)前後の中央部には、右端部を除いて左右に延在し、回収部材210内に回収された遊技球Bを封入球循環ユニット200内の回収球センサ212(封入球循環ユニット200内部)に導く導入傾斜部213を有する回収球流路280となっている。なお、導入傾斜部213は、回収部材210で回収された遊技球Bを回収球センサ212に導く回収球流路280の底部となる部材である。
そして、回収部材210の囲い壁214に囲まれて上方に開放された状態となった部分がアウト球とセーフ球を回収する回収口211となっている。また、回収口211の遊技盤1前面側の下となる前部がアウト球を回収するアウト球回収口215とされ、遊技盤1の裏面側の下となる後部がセーフ球を回収するセーフ球回収口216となっている。
アウト球回収口215下方の回収部材210前部の底部となる部分は、アウト球回収口215に流下して回収されたアウト球を回収部材210の前後の中央部となる導入傾斜部213に導くように後に向かって下り傾斜する後方傾斜部217とされている。また、セーフ球回収口216下方の回収部材210後部の底部となる部分は、セーフ球回収口216に流下して回収されたセーフ球を回収部材210の前後の中央部となる導入傾斜部213に導くように前に向かって下り傾斜する前方傾斜部218とされている。
なお、回収部材210の後方から向かって右の端部は、前後方向に傾斜することなく、後から向かって右(端)から左(中央側)にいくにつれて低くなるように傾斜するとともに、後述するように導入傾斜部213の傾斜下側端部の先に配置された回収球センサ212の遊技球Bが通過する孔212a上を覆うように配置されており、回収球センサ212の孔212aに遊技盤1側から直接的(導入傾斜部213を流下せず)に遊技球Bが流入するのを防止している。なお、回収球センサ212の孔212aに直接的に流入する遊技球Bがあると、導入傾斜部213を流下してから孔212aに流入する他の遊技球Bとの関係(衝突、接触等)により、球詰まりが発生しやすくなるので、遊技球Bを回収球センサ212より上流側の導入傾斜部213上に導くようになっている。また、上述のような構成により回収部材210の底部の後から向かって右端部が高くなることにより、後方から向かって右上がりに形成されて右の端部が高くなった発射ユニット60の上端部と回収部材210の底部の右端部とが干渉しないようになっている。
また、回収部材210において、後方傾斜部217と前方傾斜部218との間に、導入傾斜部213が形成されている。そして、導入傾斜部213は、後方傾斜部217及び前方傾斜部218より一段低くなっており、回収部材210の下側の封入球循環ユニット200の本体部分内に配置されている。従って、回収部材210の後方傾斜部217と前方傾斜部218との間は開口した状態となっており、この開口部分が回収部材210で回収されたアウト球及びセーフ球を合流(集合)させて封入球循環ユニット200の内部(本体部分内部)に流下させる遊技球導入口219となる。なお、遊技球導入口219は、導入傾斜部213上に有り、回収部材210の前後方向の中央部に形成されていることになる。
アウト球回収口215の左右方向の略中央部には、アウト球としてアウト球回収口215内を流下する遊技球Bの一部を、後方傾斜部217上で保持するための球保持装置290が設けられている。また、後方傾斜部217の前側の左右には、この球保持装置290に向かって下るように傾斜し、遊技球Bを球保持装置290に誘導する誘導部材298が設けられている。これら球保持装置290、誘導部材298については、後に詳細に説明する。
回収球センサ212は、例えば、周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、遊技球Bが通過する孔212aを備え、この孔212aをパチンコ球が通過した際にHIGHもしくはLOWの信号を出力するものである。また、前壁部材310において、導入傾斜部213の下流側の末端から下方に遊技球Bが流下可能な間隔を開けて形成されたセンサ取付部330に、後部が固定され、前記孔212aが形成された前部をセンサ取付部330から上述の導入傾斜部213の末端まで延出している。
そして、回収球センサ212は、その孔212aが導入傾斜部213の傾斜下側の端部から遊技球Bが流下する位置に配置されており、導入傾斜部213の傾斜下側の端部から、待機流路221の上流側端部であるとともに、ファール球流路252の底部となるファール球傾斜部255の下流側端部である後述の合流部254上に向かって、回収球流路280を流下する遊技球Bを検出するようになっている。
待機流路221は、その底部として、上下三段に前壁部材310から後方側に壁面状(板状)に延出された以下の部材を有する。すなわち、循環経路220は、その底部となる部材として、上述のファール球流路252の下流側端部となり、ファール球流路252を流下するファール球、球補充装置260から循環経路220に補充される遊技球Bである補充球、上述のように回収球流路280から回収球センサ212を通過して流下する回収球の三種類の遊技球Bが合流する合流部254と、封入球式遊技機100の裏面側から見て右から左に下り傾斜する合流部254(ファール球流路252)の下側で、裏面側から見て左から右に下り傾斜する流下傾斜部222と、流下傾斜部222の下側で、裏面側から見て右から左に下り傾斜して球送り装置240に至る待機傾斜部223とを有する。
なお、待機流路221のうちの待機傾斜部223上には、封入球式遊技機100の遊技中(遊技球Bを順次発射し、遊技領域1aに数個以上の遊技球Bが流下している状態)及び非遊技中(遊技球Bを発射していない状態)に係わらず遊技球Bが溜まった状態とされ、遊技球Bの発射毎に溜まった遊技球Bが順次遊技球Bの直径となる距離だけ下方に移動するようになっている。
なお、待機流路221を含む循環経路220は、上下複数段に渡って形成されるが、各段においては、封入球式遊技機100の左右方向に沿って延在し、遊技球Bを左右方向に沿って流下させながら、下の段に遊技球Bを導出するようになっている。
また、待機流路221の流下傾斜部222の下流側部分の上、すなわち、前壁部材310のファール球傾斜部255の上流部分の下には、球補充装置260の作動を制御する際に用いられる球不足検出センサ264を取り付けるための近接センサ取付部319が設けられて、これに球不足検出センサ264が取り付けられている。なお、球不足検出センサ264は、周知の近接センサスイッチで、金属である遊技球Bが近接している状態で、遊技球Bが存在していることを示す信号を出力している。すなわち、待機流路221に正常な状態で遊技球Bが滞留していれば、球不足検出センサ264は、遊技球Bが待機流路221の球不足検出センサ264の直下となる部分に存在し、球不足になっていないことを示すHIGHもしくはLOWの信号を出力する。
なお、遊技球Bを順次発射している場合において、球不足検出センサ264の直下まで遊技球Bが滞留している場合には、遊技球Bの発射毎に遊技球Bがその直径分だけ移動することになり、遊技球の移動に対応して球不足検出センサ264の出力信号が定期的に変動する。また、遊技球Bが直下より下流側に滞留した状態の場合には、遊技領域1aから遊技球Bが回収される毎に、遊技球Bが球不足検出センサ264の直下を通過することになり、球不足検出センサ264の出力信号が回収球が戻る毎に検出状態と非検出状態とで変動することになる。また、遊技球Bの発射が停止している状態では、基本的に、球不足検出センサ264の近傍で遊技球Bが停止した状態となり、球不足検出センサ264の出力信号は遊技球Bを検出した状態で変動しない。
そして、遊技球Bが例えば遊技領域1a内で球止まりした場合には、遊技球の回収に遅れが生じ、球不足検出センサ264において、遊技球Bの検出に遅れが生じ、遊技球の発射間隔よりかなり長い期間に渡って遊技球が検出されない状態となり、これにより遊技球の不足が発生したこと、すなわち遊技球Bの不足状態を検出することができる。
また、合流部254を有するファール球傾斜部255及び流下傾斜部222は、ほぼ同じ長さで左右に僅かにずれた状態で上下に重なって配置されるが、前記待機傾斜部223は、これらファール球傾斜部255及び流下傾斜部222より長く、例えば、これらの約2倍の長さとされている。そして、待機傾斜部223の上流側の半分(部分)が上下にファール球傾斜部255及び流下傾斜部222に重なった状態とされ、待機傾斜部223の下流側の半分(部分)がファール球傾斜部255及び流下傾斜部222と上下に重ならず、待機傾斜部223の下流側部分の上には、循環経路220が無い状態とされている。そして、待機傾斜部223の下流側部分の上には、球補充装置260の後述の補充ソレノイド263と、球送り装置240の後述の球送りソレノイド244が配置されている。
このような循環経路220の配置により、封入球循環ユニット200のスペース効率が高められ、封入球循環ユニット200の小型化が図られている。
なお、待機流路221の長さは、例えば、球補充装置260に貯留される補充球を含めずに、封入球式遊技機100内で循環する遊技球Bの全てを貯留できるだけの長さとされており、遊技球Bの発射を止めた状態で、待機流路221内に循環使用される遊技球Bが丁度収まった状態となる。なお、後述する球保持装置290によって遊技球Bが保持されている場合は、その分だけ待機流路221内に収容される遊技球Bが少ない状態となる。また、循環使用される遊技球Bの個数は、遊技球Bを順次発射した際に、遊技球Bの回収が間に合わずに、遊技球の発射ができない状態となることがない個数(例えば、25個)とされている。従って、待機流路221の長さは必要十分な長さとされている。なお、遊技領域1aでの球止まり等により遊技球Bが不足した場合には、球補充装置260により遊技球Bが補充される。
また、循環経路220となる回収球流路280や待機流路221やファール球流路252は、その前側が前壁部材310に閉塞され、その後側が後壁部材320により閉塞された状態となっており、それらの前後幅が遊技球Bの直径より僅かに長いものとされ、遊技球Bを一列にして収納可能とされるとともに、前後に遊技球Bが重なることなく、遊技球Bを流下させるようになっている。また、回収球流路280の導入傾斜部213上は、遊技球導入口219として開放された状態となっているが、ファール球流路252のファール球傾斜部255上は、ファール球が導入される上流端部を除く傾斜上側の部分の上に遊技球Bの直径より僅かに広い間隔をあけてセンサ取付部330が配置され、ファール球流路252の傾斜下側の部分である合流部254においては、補給用の遊技球B及び回収球が合流する部分より下側の部分の上に、遊技球Bの直径より僅かに広い間隔を開けて、球補充装置260の傾斜方向(傾斜角)を変換自在な球貯留板261が配置されている。なお、球貯留板261の下側の合流部254上には、球貯留板261が傾斜角を変更可能な所定の角度範囲内で傾斜角を変更しても、球貯留板261との間に遊技球Bが流下可能な間隔が保持されるようになっている。
また、待機流路221の流下傾斜部222上には、上端部がファール球傾斜部255の合流部254と一体に接合され、下端部が待機傾斜部223と一体に接合された流下天井部224が形成されている。流下天井部224は、流下傾斜部222との間に遊技球Bの直径より僅かに広い間隔をあけて、流下傾斜部222と同じ傾斜となるように形成されている。なお、流下天井部224の下端部(傾斜下側の端部)となり、流下傾斜部222から待機傾斜部223に遊技球Bがほぼ真下に流下する部分では、遊技球Bの流下経路に対応して湾曲した形状となっており、その部分で待機傾斜部223と一体に接合された状態となっている。
また、循環経路220の待機傾斜部223上には、上端部が流下傾斜部222に一体に接合された待機天井部225が形成されている。待機天井部225は、待機天井部225との間に遊技球Bの直径より僅かに広い間隔を開けて、待機傾斜部223と同じ傾斜となるように形成されている。
以上のことからファール球流路252及び循環経路220においては、多くの部分で遊技球Bの流下方向に対して左右や上下に遊技球Bの直径より僅かに広い間隔が開けられた状態となっており、遊技球Bが左右や上下に重なって通過することがなく、遊技球Bが一個ずつに流下するか一列に並んで流下するようになっている。
前記ファール球回収手段250においては、前記ファール球流路252の上端部の上に前記ファール球回収口251が備えられ、ファール球回収口251の下側でかつ、ファール球流路252の上端部の上側にファール球センサ253が配置されている。
ファール球回収口251は、封入球循環ユニット200の前面を構成する前壁部材310の裏面側から見て右上端部に形成された開口で、回収されたファール球を封入球循環ユニット200外部から内部に導入するようになっている。また、前壁部材310の前面側のファール球回収口251の下側縁に対応する位置には、前壁部材310前面から前方に延出するファール球回収部257が備えられている。ファール球回収部257は、上面が後方のファール球回収口251に向かって下り傾斜した板状に形成されるとともに、ファール球回収口251につながる後側縁を除く周囲を囲んで上に突出した突条258を備えたもので、封入球循環ユニット200を取付盤131にほぼ垂直な状態に取り付けた際に、ファール球回収部257は、発射レール62の上端部(発射方向端部)の隣で、発射球通過口135の真下に配置され、発射球通過口135を通過して流下するファール球を受けるようになっている。
従って、ファール球回収手段250においては、遊技盤1の前面側から発射球通過口135を通過して遊技盤1の下側に流下したファール球がファール球回収部257で受けられる。そして、ファール球回収部257の上面に至ったファール球は、上面の傾斜に沿って後方のファール球回収口251から封入球循環ユニット200内のファール球流路252に入り、ファール球回収口251の下側のファール球センサ253を通過し、ファール球流路252の底部となるファール球傾斜部255上に至る。そして、ファール球傾斜部255上の遊技球Bは、傾斜に沿って合流部254に至り、回収球流路280を流下した遊技球Bと合流するように上述の待機流路221に至り、この待機流路221を流下することになる。
なお、ファール球センサ253は、回収球センサ212と同様に周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、センサ取付部330の回収球センサ212の下側に、回収球センサ212と逆向きに取り付けられ、ファール球センサ253の遊技球Bが通過する孔253aがファール球流路252の上端部に配置されるようになっている。そして、回収球センサ212と同様にファール球を検出して信号を出力する。
また、以上のことから、回収球流路280を流下した遊技球Bと、ファール球流路252を流下した遊技球Bとが合流するように流路が形成されている。なお、この例においては、回収球流路280がほぼ球貯留板261の高さ位置で待機流路221となり、この待機流路221に、球貯留板261より僅かに下側の合流部254上でファール球流路252が合流している。すなわち、この例において、回収球流路280は、ファール球流路252が合流する部分より僅かに上流側で待機流路221となっており、待機流路221とファール球流路252とが合流するようになっているが、回収球流路280を合流部254上(球貯留板261より下)で待機流路221となるものと見なして、回収球流路280とファール球流路252とが直接合流し、流路が合流した部分からを待機流路221となるものと見なしても良い。
ここで、回収球流路280及び待機流路221の回収球流路280の末端に連通する部分は、導入傾斜部213の下端部側から合流部254上に落下するように遊技球を誘導するようになっており、遊技球の流下方向(流路の方向)がほぼ垂直となる。
一方、ファール球流路252及び待機流路221のファール球流路252の末端に連通する部分は、傾斜下側端部が合流部254となるファール球傾斜部255の上面に沿って、封入球式遊技機100の左右方向に沿うとともに、下り傾斜するように斜めの状態(水平より僅かに斜めになった状態)で直線状に形成されている。
従って、回収球流路280を流下した遊技球Bと、ファール球流路252を流下した遊技球Bとがそれぞれ異なる方向から合流することになる。そして、待機流路221は、ファール球流路252が合流する部分の上流側がほぼ垂直な状態で、かつ、下流側が僅かに傾斜した水平に近い状態となり、待機流路221は、ファール球流路252と合流した部分で屈曲した状態となる。
また、回収球流路280を流下した遊技球と、ファール球流路252を流下した遊技球との合流地点から合流地点の下流側近傍となる合流部254における流路(待機流路221)を構成する流路内面のうちの天井となる面は、上述のように合流部254の上方に配置された球貯留部262の変換手段の一部となる球貯留板261の下面で構成される。また、球貯留板261の後述の連通口266側端面が、合流地点で屈曲する流路の屈曲部の内面となる。従って、変換手段としての球貯留板261の連通口266側の端面及び合流部254と上下に重なる下面が流路形成面となり、該流路形成面は、変換手段の作動、すなわち、球貯留板261の補充状態と貯留状態との変更に伴う傾斜角の変化により動くことになる。
そこで、ファール球流路252を流下した遊技球と回収球流路280を流下した遊技球とが合流する部分で球詰まりが発生した状態で、この合流する部分及びその近傍の流路形成面となる球貯留板261が補充状態と貯留状態とに交互に変換するように補充ソレノイド263を作動させ、流路形成面を動かすことにより球詰まり状態となった遊技球Bに流路形成面となる球貯留板261を接触させるとともに、球貯留板261の移動により遊技球Bを揺り動かすことで、球詰まりを解消することが可能である。
ここで、合流部254、すなわち、待機流路221にファール球流路252が合流した部分で、待機流路221が屈曲していることにより、ここで球詰まりが生じた場合に、球貯留部262に遊技球Bが貯留された状態では、回収された複数の遊技球Bが球詰まりした合流部254から回収球流路280で連なり、回収球センサ212の部分でも遊技球Bが止まった状態となる。従って、回収球センサ212では、遊技球Bを検出した状態が連続することになり、遊技球Bの検出を示す信号が連続的に出力された状態が維持される。
また、上述のように合流部254で球詰まりが発生した際に、多くのファール球が発生すると、ファール球流路252においても、遊技球Bが連なり、ファール球センサ253から遊技球Bを検出していることを示す信号が連続的に出力された状態となる。
従って、回収球センサ212及びファール球センサ253のうちの少なくとも一つが連続的に遊技球Bを検出したことを示す信号を出力した場合には、ファール球流路252を流下した遊技球と回収球流路280を流下した遊技球とが合流する部分において、球詰まりが発生している可能性が極めて高い。そこで、回収球センサ212、ファール球センサ253のうちの少なくとも一つから遊技球Bの検出を示す信号が所定時間以上連続して出力された場合に、変換手段である補充ソレノイド263及び球貯留板261を作動させることにより、上述のように球詰まりを解消することができる。
球抜き装置230は、待機流路221の下流側端部の球送り装置240の手前に設けられている。待機流路221の底部となる待機傾斜部223の下流側端部は、球送り装置240との間に遊技球Bの直径より広い間隔をあけた状態で配置されている。すなわち、球抜き装置230と、待機傾斜部223との間には、遊技球Bが流下可能な間隔として、球抜き開口部231が設けられている。
そして、球抜き装置230は、前記球抜き開口部231と、該球抜き開口部231を閉鎖する状態と開放する状態とに変換する板状の開閉部材232と、該開閉部材232に接続されるとともに、開閉部材232を開閉操作するための抜き取り操作部材233および連動装置340の連動部材341に当接する当接部351を備えたスライド部材234と、待機傾斜部223の下流側端部の下側でスライド部材234を、板状の待機傾斜部223に沿ってスライド自在に保持する四角筒状のガイド部235と、スライド部材234と筒状のガイド部235の底との間に配置され、スライド部材234を球抜き装置230側に付勢するコイルスプリング236と、球抜き開口部231の下側に下方向かって形成されるとともに下方が開放された球抜き流路237とを有する。
開閉部材232は、通常時、球抜き開口部231まで延出することにより球抜き開口部231を閉じた状態となっている。閉じた状態で開閉部材232は、その待機傾斜部223側の端部の上面が、待機傾斜部223の下面に当接した状態で、待機傾斜部223と同様に傾斜している。この状態で、球抜き開口部231の位置において、開閉部材232が循環経路220の待機流路221の下端部の底部として機能し、待機傾斜部223上を流下する遊技球Bが一段下の開閉部材232上に至り、遊技球Bは開閉部材232上を通過して球送り装置240に至るようになっている。
また、開閉部材232を待機傾斜部223に沿って待機傾斜部223の傾斜の上側に移動すると、球抜き開口部231が開放した状態となり、開閉部材232の傾斜下側の端部と、球抜き装置230との間に遊技球Bの直径より広い間隔を開けて、遊技球Bを球抜き開口部231から流下可能な状態となる。
ガイド部235は、前壁部材310の裏面側(内面側)に形成され、後方に向かって延出する板状の待機傾斜部223の下端部と、その待機傾斜部223の下端部の下側で、後述するスライド部材234を待機傾斜部223との間に挟んだ状態とするとともに、待機傾斜部223と平行に形成されたガイド下壁235aと、待機傾斜部223の下端部とガイド下壁235aとの間となる前壁部材310の部分と、前壁部材310に接続される後壁部材320の待機傾斜部223の下端部とガイド下壁235aとの間となる部分とから内部が長手方向を待機傾斜部223に沿わせた状態の直方体空間とする四角筒状の形状としている。また、ガイド部235には、待機傾斜部223と平行なガイド下壁235aの傾斜上側の端部で、ガイド下壁235a及び待機傾斜部223と直角に、筒状のガイド部235の底となる底壁235bが前壁部材310から後方に延出して形成されている。
また、ガイド部235の傾斜下側には、球抜き流路237を構成するように前壁部材310から後方に延出するとともに、ほぼ垂直な状態とされた左右の球抜き側壁237a、237bが互いに遊技球Bの直径以上の間隔を開けて形成されおり、後から向かって右の一方の球抜き側壁237bが筒状のガイド部235の蓋側を閉塞した状態となっている。なお、一方の球抜き側壁237bの上端部は、待機傾斜部223の傾斜下側端部に一体に接続されているが、球抜き側壁237bの上端部に前記開閉部材232を挿通するスリットが形成されており、開閉部材232がスリットを貫通した状態で待機傾斜部223に沿って移動自在となっている。
図7,10に示すように、スライド部材234は、周面に上述の開閉部材232、当接部材350および抜き取り操作部材233、コイルスプリング保持部352、嵌合部353を有する略直方体形状の部材であって、上述の四角筒状のガイド部235に、待機傾斜部223に沿ってスライド自在に収容されている。
封入球循環ユニット200の後方から見て、スライド部材234の左側面の上部には、上述の開閉部材232が、スライド部材234の上面と開閉部材232の上面をなす板面が同一平面となるように形成されている。
また、スライド部材234の後面の左下部には、後方から見て略直角三角形状の当接部材350が、その直交する2辺がそれぞれスライド部材後面の左辺と下辺に沿うように形成されている。
この当接部材350は、後壁部材320に形成されたスリット326aから後壁部材320の後面よりも後方に突出しており、その上面の当接部351に後壁部材320の後面に設けられる連動装置340の連動部材341を当接させ、スライド部材234の動作を連動部材341に伝達するものである。
当接部材350の左側面は、スライド部材234の左側面に連続する面となっており、スライド部材234の上下幅と同じ上下幅となっている。また、当接部材350の下面も、スライド部材234の下面に連続する面となっており、スライド部材234の左右幅と同じ左右幅となっている。当接部材350の上面は連動装置340の連動部材341の下端部(被当接部)が当接する当接部351をなす面であって、左側面の上端から右側に向かって下る斜面351aとなっているが、右端部側がスライド部材234の右端から所定の幅だけ水平面351bとなっており、その分だけ斜面351aの下端はスライド部材234の右端より左側に位置している。なお、当接部材350の上面の右端部側に形成された水平面351bの左右幅は、連動部材341の下端部の左右幅より広いものとなっている。また、当接部材350の右側面は、スライド部材234の右側面に連続する面となっており、当接部材350の上面(水平面351b)と下面に連続している。これら上下面、左右側面の前後幅、すなわち当接部材350の前後幅は、後述する連動部材341の下端部の前後幅よりも広くなっている。そして、当接部材350の上面は、連動部材341が当接する当接部351をなすものであり、常態においては水平面351bに連動部材341の下端が当接しており、スライド部材234を右側(待機傾斜部223の傾斜上側)にスライドさせる(球抜き開口部231を開放する)と、斜面351aに沿って連動部材341が上方向に案内される。さらに、このように当接部351で連動部材341を案内するため、当接部351の斜面351aの左右幅は、スライド部材234の左右方向のスライド幅と等しいかそれ以上の幅として、連動部材341が当接部351から外れないようになっている。
また、当接部材350の後面には、円柱状の抜き取り操作部材233が後方に向かって突設されている。上述したように当接部材350は後壁部材320に形成されたスリット326aから後壁部材320の後面よりも後方に突出しているので、その後面に形成された抜き取り操作部材233は、封入球循環ユニット200の後方から手で操作することができる。よって、球抜き装置230は、封入球循環ユニット200の後方から、抜き取り操作部材233の操作によりスライド部材234を左右方向にスライドさせることで開閉部材232の状態を変換させることができる。
スライド部材234の右側面には、円柱状の凹部であるコイルスプリング保持部352が形成されており、ここにコイルスプリング236の一端が挿入されている。コイルスプリング236の他端は、ガイド部235の底壁235bの内側に固定されており、常時スライド部材234を球抜き装置230側に付勢している。これによって、常態において開閉部材232が球抜き開口部231を閉じた状態に保たれる。
スライド部材234の前部の右端部は、右側面よりも右側に突出しており、ここに嵌合部353が形成されている。この嵌合部353は、断面T字型の部材であって、スライド部材234の左右方向(スライド方向)に沿って上下に溝状の部分が形成されるように、スライド部材234の前面より前側に突出するように形成されている。この嵌合部353の溝状の部分を、スライド部材234のスライド方向に沿ってガイド部235の前側の壁となる前壁部材310に形成されたスリット354に嵌合することで、スライド部材234が前壁部材310によって支持されるとともに、左右方向にスライド自在となる。
以上のことから、球抜き装置230は、抜き取り操作部材233、および待機流路221に開設された球抜き開口部231を閉鎖する状態と開放する状態とに変換可能な開閉部材232を有するとともに、該抜き取り操作部材233の操作により左右方向にスライドさせることで該開閉部材232の状態を変換させるスライド部材234を備えることとなる。
また、スライド部材234は、連動部材341に当接し、当該スライド部材234を開閉部材232が開放状態となるようにスライドさせた際に、該連動部材341を上方にスライドさせるための傾斜した当接部351を有することとなる。
以上のような球抜き装置230は、封入球式遊技機100内に封入された遊技球Bを係員等の外部操作により取り出すためのもので、封入球式遊技機100のメンテナンス、遊技球Bの交換等のために、封入球式遊技機100から遊技球Bを取り出すために用いられる。図9に示すように、コイルスプリング236の付勢力に抗して抜き取り操作部材233を待機傾斜部223の傾斜上側に移動させることにより、開閉部材232を開放方向に移動させて球抜き開口部231を開放して、封入球循環ユニット200内の遊技球Bを球抜き開口部231に連通する球抜き流路237を通して、封入球式遊技機100(封入球循環ユニット200)から外部に取り出すようになっている。また、この球抜き装置230の操作に伴って、スライド部材234の当接部351が連動部材341を上方向にスライドさせることにより連動装置340が動作し、後述するように球補充装置260等が連動して動作するようになっている。
球送り装置240は、図7等に示すように、待機流路221の下流側に設けられ、待機流路221の傾斜により待機流路221上に一列に並んで待機する遊技球Bの荷重による遊技球Bの傾斜下側への移動を規制する規制壁241を備え、上述のように並んだ遊技球Bの最も傾斜下側の遊技球Bを一個だけ受ける球受け部242と、球受け部242で保持された遊技球Bを、規制壁241を乗り越える高さまで上昇させる球送り部材243と、球送り部材243を昇降駆動する球送りソレノイド244と、規制壁241の球受け部242の反対側に形成され、規制壁241を乗り越えた遊技球Bを発射装置61(発射レール62上の発射位置)に導出するための供給流路245と、供給流路245を通過する遊技球Bを検知する供給球センサ246と、供給流路245(封入球循環ユニット200)の遊技球Bの発射装置61への導出口となる球供給口247とを備える。
規制壁241は、傾斜した待機流路221上に並んだ遊技球Bの最も傾斜下側の遊技球Bを止め、規制壁241を乗り越えた遊技球Bだけを発射装置61に流下させる供給流路245に移動可能とするもので、例えば、遊技球Bの直径より低い高さ(最も下に位置する球送り部材243の後述の供給球保持部243aの上面からの高さ)を有する板状に形成されている。また、球受け部242は、規制壁241と直角に接合された状態の保持部底壁248を備え、規制壁241と保持部底壁248とがL字状となっている。
球送り部材243は、球受け部242の保持部底壁248上に配置されて、球受け部242に流入した遊技球Bを保持する供給球保持部243aを備え、かつ、左右と前方側が開放したコ字状(チャネル状)に形成され、遊技球Bを右から左に通過させられるようになっている。なお、供給球保持部243aは、コ字状の球送り部材243の底部となる部分である。そして、球送り部材243は、その上端部に球送りソレノイド244のプランジャが接続されている。そして、球送りソレノイド244により、供給球保持部243aの遊技球Bが載る上面が上述の循環経路220の下端部の底部となる開閉部材232の上面より下となる位置と、供給球保持部243aの上面が規制壁241の上端より上となる位置との間を昇降自在とされている。
また、供給球保持部243aの上面は、裏面側から向かって右から左に下るように傾斜し、待機流路221の待機傾斜部223上から球受け部242に配置された球送り部材243の供給球保持部243a上に流入した遊技球Bは、供給球保持部243a上でその傾斜により規制壁241側に寄って規制壁241に接触した状態となる。そして、球送り部材243が球送りソレノイド244により上昇させられ、供給球保持部243aの上面が規制壁241の上端より高くなった際に、供給球保持部243a上の遊技球Bが供給球保持部243aの傾斜によって規制壁241を越えて供給流路245側に流下するようになっている。なお、球送り部材243の下端は、上昇した場合に、開閉部材232上で次に球送り部材243に送られる遊技球Bが球送り部材243の下に入り込むことがないように、開閉部材232上(待機流路221の最も下)で待機する遊技球Bの直径より高く上がらないようになっている。
また、球送り部材243の後方側を覆う状態となる後壁部材320の球送り部材243の後方となる球送りカバー部326bに、開口部が形成され、供給球保持部243a上の遊技球Bを外部から操作して供給流路245側から流出させられるようになっている。これは、球抜き装置230を用いて遊技球Bを封入球式遊技機100から排出する際に、球送り部材243上に遊技球Bが残ってしまうのを防止するためのものである。なお、供給球保持部243aは、球抜き装置230の反対側に向かって下り傾斜しているので、球抜き装置230の開閉部材232を開放しただけでは、外部に排出できない状態となっている。
球送りソレノイド244は、そのプランジャを略垂直に下方に向けた状態で、前壁部材310に設けられた球送りソレノイド取付部311に取り付けられており、プランジャの先端に球送り部材243を接続した状態で、プランジャを上下に駆動するようになっている。また、球送りソレノイド244は、発射制御基板63により発射装置61と同期して制御され、発射装置61が遊技球Bを発射した直後に、昇降して、遊技球Bを発射装置61に送るようになっている。
供給流路245は、規制壁241の球送り部材243の反対側に形成され、規制壁241に沿って遊技球Bをほぼ真下に流下させた後に、前方に案内して、前方の球供給口247から遊技球Bを封入球循環ユニット200の前側の発射装置61側に導出するようになっている。なお、供給流路245は、前壁部材310から後方に延出する供給流路壁部245aにより形成されている。また、供給流路245の底部となる位置には、封入球式遊技機100の前後方向に沿って垂直に立設された流路リブ245bが形成され、流路リブ245b上が後から前に向かって下るように傾斜した状態となっており、流路リブ245b上に流下した遊技球Bが流路リブ245b上を後から前に転動して球供給口247から導出されるようになっている。
供給球センサ246は、回収球センサ212と同様に周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、供給流路245の球送り装置240の反対側となる前壁部材310の位置に設けられた供給センサ取付部312に後端部が取り付けられ、前端部が規制壁241に当接もしくは近接して配置され、規制壁241を乗り越えて供給流路245を真下に流下する遊技球Bが通過する孔246aが形成され、供給流路245を流下して孔246aを通過する遊技球Bを検出するようになっている。なお、供給球センサ246も回収球センサ212と同様に遊技球Bを検出して信号を出力する。供給球センサ246に検出された遊技球Bは、検出直後に発射装置61に供給されて発射されるので、供給球センサ246は、発射装置61の前側であるが、遊技球Bの発射を検出する発射球センサも兼ねるものとなっている。
球送り装置240は、遊技球Bが規制壁241を乗り越えるように僅かに上昇させることにより、遊技球Bを一個ずつ発射装置61に供給するようになっており、遊技球Bを傾斜に沿って流下させた状態で下側に一個ずつ排出する構造とした場合に比較して、球送り装置240の多くの部分が待機流路221に対して下側に配置されることがなく、球送り装置240が循環経路220の下部となる待機流路221より下側となることで、封入球循環ユニット200の上下長さが長くなるの防止し、封入球循環ユニット200を小型化することができる。特に、封入球循環ユニット200の上下幅を短くすることができる。
また、球送り装置240は、遊技球Bを規制壁241を乗り越えさせるために、その半径程度の長さだけ上昇させるものであり、遊技球Bを長い距離に渡って揚送するものではなく、封入球循環ユニット200の循環経路220やファール球流路252に最低限必要とされる上下幅の範囲内で十分に収容することができ、確実に封入球循環ユニット200の上下幅を短くすることができる。また、球送り装置240は、球送りソレノイド244のプランジャに直接球送り部材243を取り付けただけの簡単な構造であり、トラブルが発生する可能性が極めて低い。
球補充装置260は、循環経路220の上側に設けられた左右に長尺で、傾斜角を変更可能に回転移動自在とされた球貯留板261を備えた球貯留部262と、球貯留板261の傾斜角を変更して球貯留部262に遊技球Bを貯留する状態(貯留状態)と、遊技球Bを補充する状態(非貯留状態)とに切り替える補充ソレノイド263と、球貯留板261の裏面側から見て左側(ファール球流路252の反対)に設けられ、球貯留板261上の遊技球Bの落下を規制するとともに、球交換カセット取付部270から流入する遊技球Bを球貯留板261上に導く、球抑え部材265とを備える。
球貯留板261は、その中央部より前側の位置を前壁部材310に設けられた回転ピン313に回動自在に軸支されて後壁部材320に支持されるとともに、前後を前壁部材310と後壁部材320とに囲まれた状態となっている。そして、球貯留板261は、通常時は、球を貯留する貯留状態となっており、球貯留板261の一方の端部である球抑え部材265側の後端部が下になるように僅かに傾斜した状態で、球貯留板261上に遊技球Bを一列に複数個(例えば5個)載せるようになっている。この際に、球貯留板261上の遊技球Bのうちの最も一方の端部側に載った遊技球Bが球抑え部材265に抑えられた状態となり、球貯留板261の傾斜に沿って遊技球Bが流下しないようになっている。
また、球貯留板261の他方の端部である前端部は、ファール球傾斜部255(ファール球流路252)の傾斜下側の合流部254上に位置しており、球貯留板261がファール球流路252側の他方の端部が下になるように傾斜した場合に、球貯留板261上の遊技球Bを合流部254上に流下させるようになっている。すなわち、補充球となる遊技球Bを補充する補充状態では、球貯留板261は、ファール球流路252側の他方の端部を下にするように傾斜する。
そして、球貯留板261の他方の端部上が、循環経路220の途中に連通する球貯留部262の連通口266となる。すなわち、球貯留板261の他方の端部に隣設した状態で、上下に循環経路220の回収球流路280とその下側の待機流路221とが設けられており、球貯留板261を補充状態とした場合に、球貯留板261上の遊技球Bが、球貯留板261から循環経路220の回収球流路280の途中に落下する球貯留板261の他方の端部上が連通口266となる。従って、遊技球Bを貯留可能な球貯留部262は、循環経路220の回収球流路280の途中に連通する連通口266を有する。また、連通口266は、回収球センサ212の直下となる位置で循環経路220の回収球流路280に連通している。そして、ほぼ連通口266の高さ位置(ほぼ球貯留板261の他方の端部の高さ位置)で、回収球流路280と待機流路221とが連通状態となるように繋がっており、連通口266は、回収球流路280に臨む位置に設けられていることになる。
また、球貯留板261の一方の端部には、その下側に補充ソレノイド263のプランジャ263bに接続された掛止板263aに係止される係止部261aが設けられ、補充ソレノイド263のプランジャ263bの上下動により、球貯留板261の傾斜角を変更できるようになっており、プランジャ263bを下げた状態では、球貯留板261の一方の端部が下となるように傾斜して球貯留状態となり、プランジャ263bを上げた状態では、球貯留板261の他方の端部が下となるように傾斜して球補充状態となる。従って、球補充装置260の球貯留部262に設けられた球貯留板261と補充ソレノイド263等が、球貯留部262に遊技球Bを貯留する貯留状態と、球貯留部262から循環経路220に遊技球を補充する補充状態とに変換可能な変換手段となる。また、変換手段の球貯留板261は、球貯留部262の底面を形成しており、底面の傾斜方向を前記連通口266側に上り傾斜した(球貯留板261の一方の端部を他方の端部より高くした)状態と、前記連通口266側に下り傾斜した(球貯留板261の他方の端部を一方の端部より高くした)状態とに変換可能に構成したことになる。
また、球貯留板261の一方の端部には、係止部261aから球貯留板261の延長線に沿って延出して球交換カセット取付部270に至る係合部材261bが形成されている。係合部材261bは、球交換カセット取付部270の後述する作動リンク部材273のリンク片273b(伝達部材)の上に重ね合わせるように配され、例えば、球交換カセット取付部270に球交換カセット275をセットし、リンク片273bが上方向に動作した場合に上に持ち上げられ、球貯留板261の一方の端部が他方の端部に対して高くなるように傾斜させ、球貯留板261を球補充状態にするようになっている。
なお、この他に、作動リンク部材273のリンク片273bが上方向に動作することによって球補充装置260の変換手段が球補充状態(非貯留状態)に変換される場合には、連動装置340の動作による場合がある。この連動装置340は、球抜き装置230が操作されたことに伴って動作するものであって、これによって、球抜き操作に連動して球補充装置260に貯留されている遊技球Bも抜き取ることができる。
補充ソレノイド263は、前壁部材310に形成された補充ソレノイド取付部314にプランジャ263bを上に向けて取り付けられ、第1枠制御基板81の制御により、球不足検出センサ264により後述するように所定時間連続して遊技球Bが検出されない状態(遊技球Bの不足状態)となった場合に、補充制御手段としての枠制御装置が発射されるのを待機する遊技球Bが不足していると判断し、プランジャ263bを上げるように制御されている。これにより、循環経路220において、遊技球Bが不足した場合に、補充ソレノイド263により球貯留板261が球補充状態となるように傾斜角が変更され、球貯留板261上の遊技球Bを循環経路220の上流側端部となる合流部254に供給するようになっている。
以上のことから、遊技機本体内に所定数封入した遊技球Bを、発射位置から遊技領域1aに発射して遊技を行う一方、該遊技領域1aを経た遊技球Bを回収して発射位置に導いて遊技球Bを循環使用し、該遊技領域1aを経て回収された遊技球Bを流下案内する回収球流路280と、該回収球流路280の下流側に位置し該発射位置に送られる前の遊技球Bを所定数宛待機させる待機流路221とを連通状態にして構成した循環経路220を備えた封入球式遊技機100において、待機流路221の所要部位に設けられ、遊技機本体内に封入された遊技球Bを当該封入球式遊技機100の外部に抜き取るための球抜き装置230と、回収球流路280の途中に開設された連通口266に連通し所定数の遊技球Bを貯留可能な球貯留部262と、該球貯留部262に遊技球Bを貯留する貯留状態と該球貯留部262から循環経路220に遊技球Bを流出する非貯留状態とに変換可能な変換手段(補充ソレノイド263、球貯留板261、回転ピン313)と、を有するとともに、該循環経路220内の遊技球Bが不足した場合に、該変換手段を該非貯留状態に変換して球貯留部262の遊技球Bを該循環経路220に補充可能な球補充装置260と、を備え、球抜き装置230は、遊技機本体内に封入された遊技球Bを当該封入球式遊技機100の外部に抜き取る際の抜き取り操作を行う抜き取り操作部材233を備えたこととなる。
なお、球不足は、例えば、遊技領域1aにおいて、遊技球Bの球止まり等が発生し、遊技領域1a内に通常より多くの遊技球Bが存在することにより、封入球循環ユニット200に回収される遊技球Bの数が減った場合や、クリア部材保持枠140を開放した際に、遊技球Bが外部に流出した場合等に発生する。また、上述の所定時間は、遊技球の発射タイミングとなった際に、待機流路221に遊技球がなくなった状態となる時間よりは短く設定されており、遊技球を順次発射している状態で、所定時間経過後に球不足と判定されて、遊技球が補充された際に待機流路221の遊技球Bが0とならないようになっている。従って、所定時間経過後に遊技球が補充されれば、遊技球Bの発射タイミングに遊技球が発射されない事態を防止することができる。
また、球貯留部262から循環経路220に遊技球を補充した後に、例えば、遊技領域1aで球止まりしていた遊技球Bが流下し、循環する遊技球Bが増加した状態で、遊技球Bの発射を停止すると、遊技領域1aを流下する遊技球Bが全て回収され、待機流路221に遊技球Bが全て溜まることになるが、循環する遊技球Bが補充により増えていることから、補充により増加した個数の遊技球Bが待機流路221内に収まりきらずに待機流路221の上端部となる高さ位置の連通口266から溢れる状態となる。そして、溢れた遊技球Bは、連通口266を通って球貯留部262の球貯留板261上に溜まった状態となる。この際に球貯留板261は貯留状態となっており、球貯留板261上に溢れた遊技球は、球貯留部262に貯留された状態となる。
従って、遊技球Bの不足状態が解消されると、球不足中に補充されて増えた分の遊技球Bが再び球貯留部262に貯留されることになる。すなわち、待機流路221に待機する遊技球Bが連なり、前記球貯留部262の連通口266に達すると、その後に回収球流路280から流下してきた遊技球Bは、前記連通口266に達した遊技球Bに当接して球貯留部262方向に案内されて球貯留部262に貯留されることになる。
なお、上述のように連通口266から溢れた遊技球Bは、球貯留部262に流入するので、待機流路221から連通口266に溢れた遊技球が、そのまま待機流路221から回収球流路280に連なってしまうことがなく、遊技球Bが補充されることにより、循環経路220内の遊技球が増加しても、待機流路221から回収球流路280もしくはファール球流路252側に遊技球Bが連なり、連なった遊技球が、回収球センサ212や、ファール球センサ253に至り、これらセンサが遊技球Bの発射停止時に遊技球Bを検出した状態が続いてしまうのを防止できる。
球交換カセット取付部270は、図5に示すように、後壁部材320に形成されたカセット挿入部271と、前壁部材310に形成されたカセット受け部272と、球交換カセット取付部270に挿入された球交換カセット275(図6に図示)を掛止するカセット掛止部279と、球交換カセット275の取付時に上述の球貯留板261の傾斜角を変更する作動リンク部材273と、カセット蓋開放係止部材274とを有する。
カセット挿入部271は、後壁部材320に形成され、球交換カセット275を挿入する挿入開口部276と、後壁部材320の挿入開口部276の周囲に後方に延出するように設けられ、挿入される球交換カセット275を案内するとともに、挿入された球交換カセット275を支持するカセットガイド部材277とを有する。なお、球交換カセット取付部270においては、球交換カセット275をセットした際に、球交換カセット275の球出口がある側(球補充装置260側)の一方の端部が他方の端部より低くなるように傾斜し、球交換カセット取付部270にセットされた際に、球交換カセット275内の遊技球Bが球交換カセット275の傾斜により球出口に向かって流下するようになっている。
前壁部材310に形成されたカセット受け部272は、球交換カセット275の挿入方向の前端部に対応する形状を有した凹部であり、挿入された球交換カセット275の前端部が凹部であるカセット受け部272に挿入されることで、球交換カセット275の前端部を位置決めした状態に支持するようになっている。また、カセット受け部272の球補充装置260側となる左右の一方の端部(裏面から見て右側端部)に、後述するように回動移動する作動リンク部材273の移動を妨げないように作動リンク部材開口部(図示略)が形成されている。
カセット掛止部279は、前壁部材310に形成されるとともに、前壁部材310から後方に延出して後壁部材320の挿入開口部276の周縁部の下部からカセットガイド部材277に沿って配置され、その後端部に上面に係合突起278を有する。また、係合突起278は、球交換カセット275を球交換カセット取付部270に挿入される際の球交換カセット275の通過経路内に突出しているが、球交換カセット275を挿入する際に、球交換カセット275に係合突起278が接触すると、カセット掛止部279が弾性変形して係合突起278が球交換カセット275の通過経路外に出て、球交換カセット275を挿入開口部276に挿入可能となる。
なお、カセット掛止部279の係合突起278は、球交換カセット275の挿入方向と対向する面がテーパーとされて断面三角形状となっている。また、カセット掛止部279の係合突起278は、球交換カセット275が挿入開口部276に完全に挿入された際に、カセット掛止部279の後端部の直ぐ後の位置となるように配置されており、球交換カセット275が完全に挿入された状態で、カセット掛止部279が弾性変形した状態から元の状態に復帰し、係合突起278が球交換カセット275の下面に係合するようになっている。また、球交換カセット275を挿入開口部276から引き出すように操作すると、カセット掛止部279が弾性変形して、再び、係合突起278が球交換カセット275の通過経路から出た状態となり、球交換カセット取付部270から球交換カセット275を取り外せるようになっている。
図5に示すように、カセット蓋開放係止部材274は、後壁部材320のカセット挿入部271の近傍で、かつ、球補充装置260側となる部分で、後方に延出して形成されるとともに、カセット挿入部271に向かって突出する蓋係合突起274aを備える。蓋係合突起274aは、球交換カセット取付部270に球交換カセット275をセットする際に、球交換カセット275の球出口を覆うとともに、前後方向にスライド移動して球出口を開閉自在とするカセット蓋275bと係合し、球交換カセット275を前方に移動して球交換カセット取付部270に挿入する際に、前方に移動する球交換カセット275に対してカセット蓋275bを固定し、カセット蓋275bを球交換カセット本体275aに対して相対的に後方に移動させて、カセット蓋275bが球交換カセット275の球出口を開放した状態とするものである。
これにより、球交換カセット275を球交換カセット取付部270にセットすることで、球交換カセット275の球出口が開放状態となり、球交換カセット275をセットした時点で、球交換カセット275の球出口から遊技球Bが球補充装置260を経て循環経路220側に流下を開始することになる。
なお、図6に示されている球交換カセット275は球交換カセット取付部270に完全には嵌っていない状態となっている。この状態からさらに前側に球交換カセット275を押し込むことで、球交換カセット取付部270に完全に球交換カセット275が嵌るとともに、カセット蓋275bが開放され遊技球Bを補充可能な状態となる。
作動リンク部材273は、前壁部材310の球交換カセット取付部270の球補充装置260側端部に配置されるものである。また、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間は、球交換時等における球交換カセット取付部270から球補充装置260への遊技球Bの導入口となっており、作動リンク部材273は、交換用遊技球の導入口を開閉する開閉部材として機能する。
また、遊技球Bの交換時等の外部からの遊技球Bの補給に際し、球交換カセット取付部270から循環経路220に遊技球Bを送る際に、遊技球Bが球補充装置260を通過するようになっている。そして、作動リンク部材273は、外部からの遊技球Bの補給時に、球補充装置260の球貯留板261を上述の貯留状態の傾斜角から補充状態の傾斜角に変換するようになっている。
作動リンク部材273は、その下端部を除く主要部が前記導入口を開閉する開閉扉部273aとされ、導入口を遊技球Bの通過が不可となるように閉塞する前後幅及び上下幅を有するとともに、後述するようにセットされる球交換カセット275に押圧される際に確実に押圧可能な厚み(左右幅)を有する。また、作動リンク部材273は、その主要部となる開閉扉部273aの下となる下端部に、下端部の前部から後方に延出した板状のリンク片273bを有する。また、リンク片273bは、上述の球交換カセット取付部270側に延出する球貯留板261の係合部材261bの下側の近傍(接しても良い)に配置され、さらに後壁部材320に形成された開口部344から後側に突出している。また、図10に示すように、作動リンク部材273には、後述する球保持装置290の球保持部材本体297が形成されている。なお、この球保持部材本体297の形状および機能については後に詳しく説明する。
また、作動リンク部材273は、開閉扉部273aとリンク片273bとの接合部分が前壁部材310に形成されたリンク部材支持部317に形成された軸(図示略)に回転自在に軸支されている。
そして、作動リンク部材273は、外部から力のかかっていない通常時は、開閉扉部273aが上述の遊技球Bの導入口を閉じる状態となっている。この場合に、開閉扉部273a球交換カセット取付部270への球交換カセット275の挿入時に、球交換カセット275の通過経路となる部分の左右の端部のうちの一方の球補充装置260側端部に配置され、球交換カセット取付部270の挿入開口部276に球交換カセット275を挿入した場合に、開閉扉部273aが後方に押されることで、開閉扉部273aが前側に移動して前記導入口が開放状態となるとともに、リンク片273bが斜め上前方に移動するように作動リンク部材273が回転移動する。
また、リンク片273bは、上述のように球貯留板261の係合部材261bの下側の近傍に配置されており、上述のように球交換カセット275を挿入することや、後述するように連動装置340が動作することによって、リンク片273bが斜め上に上がると、係合部材261bを押し上げ、球貯留板261が、球交換カセット取付部270側に向かって下り傾斜して遊技球Bを貯留する貯留状態から、ファール球回収手段250に向かって下り傾斜して遊技球Bを合流部254に流下させて遊技球Bを補充する補充状態となる。そして、球交換カセット275の球出口から球補充装置260側に流下した遊技球Bは、球貯留板261上を流下して循環経路220に流入する。なお、リンク片273bは、球貯留板261の係合部材261bの下側に配置されているので、補充ソレノイド263が、球貯留板261の係合部材261b側の端部を上昇させて、補充球を補充する状態となっても、リンク片273bは動かず、開閉扉部273aは、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間を閉塞した状態を維持するとともに、球保持部材本体297に形成された球保持部294による遊技球Bの保持状態を維持するようになっている。
以上のように球交換カセット275を球交換カセット取付部270にセットすると、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間で、作動リンク部材273の開閉扉部273aが遊技球Bの導入口を開放することで、上述のように球交換カセット275の球出口から流出した遊技球Bは、球補充装置260の球交換カセット取付部270側に端部に形成された球抑え部材265上を通過して、球貯留板261上に流下するが、この際に、球貯留板261は、作動リンク部材273により補充状態とされ、ファール球回収手段250側に向かって下り傾斜しているので、補給される遊技球Bは、球貯留板261上をファール球回収手段250側に流下して、球貯留板261の連通口266側端部から落下し、循環経路220の上流側端部となる合流部254上に流下して、循環経路220内に流入することになる。また、この際には、球交換カセット275に、球貯留部262に貯留される遊技球も含まれており、待機流路221内の循環使用される遊技球が溜まって連通口266まで連なった状態となり、連通口266が遊技球で塞がれると、さらに補充された遊技球は、球貯留板261上に連なった状態となる。ここで、球交換カセット275を取り外すと、球貯留板261は、貯留状態となり、球貯留板261上で連なった状態の遊技球は、球貯留部262に貯留された状態となる。
なお、図6に示されている球交換カセット275は、球交換カセット取付部270に完全には嵌っていない状態となっているので、この常態では未だ作動リンク部材273の開閉扉部273aは前側に押されていない。
また、作動リンク部材273は、開閉扉部273aを手で押すことで作動させることも可能であり、作動リンク部材273を押し込んで、開閉扉部273aを開の状態として、不足した遊技球を球貯留部262を介して循環経路220に補給することも可能である。この場合も、作動リンク部材273を手で前側に押した際に、球貯留部262が補充状態となり、外部から手動で補充された遊技球は、球交換カセット275で遊技球Bを補給した場合と同様に、球貯留板261上を流下して連通口266から待機流路221に流入し、待機流路221がいっぱいになると、球貯留板261上に溜まって、球貯留部262に遊技球が貯留された状態となる。なお、連動装置340による作動リンク部材273の作動については後に説明する。
以上のことから、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間の球補充装置260への導入口が、遊技機本体外部から循環経路220の途中に遊技球Bを補給する補給口267となり、球貯留部262に補給口267が設けられていることになる。そして、補給口267から球貯留部262を介して循環経路220に遊技球Bを補給する場合には、球交換カセット275を用いる場合も用いない場合も、作動リンク部材273の開閉扉部273aを開放状態とする。この場合には、作動リンク部材273のリンク片273bにより、上述のように球貯留板261を補充状態とさせる。従って、作動リンク部材273は、変換手段となる球貯留板261を補充状態に変換させる補充変換操作手段となる。
図4から図11に示すように、球保持装置290は、回収部材210に形成されたアウト球回収口215の左右方向の略中央部に設けられ、アウト球としてアウト球回収口215内を流下する遊技球Bを、後方傾斜部217上で所定数保持するものである。この球保持装置290は、封入球循環ユニット200の前後方向に沿って延在する球保持凹部291と、球保持凹部291内で遊技球Bを保持する球保持部材本体297を備えている。
図6に示すように、球保持凹部291は、後方傾斜部217の前端から後端まで、後方傾斜部217の前後方向に沿って形成された矩形状の凹部で、後方傾斜部217の左右方向の略中央部に2条形成されている。この球保持凹部291の前後幅は、遊技球Bの直径の2倍よりも若干広い幅であり、2条の球保持凹部291で最大4個の遊技球Bを収容できる。
なお、球保持凹部291の数は2条でなくても良く、1条であっても良いし、3条以上形成しても良い。また、1条の球保持凹部291に収容できる遊技球Bの数も、2個でなくても良く、1個としても良いし、後方傾斜部217の前後幅が広ければ3個以上収容できるようにしても良い。例えば、本実施の形態においては、球保持装置290の左右にスペースがあるので、球保持凹部291をさらにもう1条形成して、球詰まりなどの問題を生じさせずに6個の遊技球Bを保持できるようにもできる。
この球保持凹部291の前端部は前側の囲い壁214の内面に接している。また、後端部は回収球流路280の側壁となる部分であって、この部分には球保持凹部291によって切欠きが形成される。また、球保持凹部291は、後方傾斜部217に対して垂直かつ前後方向に沿った左右の内側面と、後方傾斜部217の上面に平行な底面を有している。
球保持凹部291の底部の両側部には、前後方向に沿ったスリット293が球保持凹部291の前端から後端まで形成されている。このスリット293は、後述する球保持部材本体297の球保持部294を後方傾斜部217の下側から上側に露出させるとともに、前後方向に移動可能とするためのものである。なお、このように底面にスリット293が形成されているため、底面と側面は直接接続していない。
また、2条の球保持凹部291の間には、後方傾斜部217に対して垂直に、球保持凹部291に沿って立設された仕切壁295が形成されている。この仕切壁295の上端は前後方向にわたって一定の高さとなっている。すなわち、後方傾斜部217が後側に向かって下るように傾斜しているので、後方傾斜部217の上面から仕切壁295の上端までの高さは後側の方が高くなっている。仕切壁295の側面は、後方傾斜部217に対して垂直な平面となっているが、後方傾斜部217の前端と囲い壁214が接する部分の高さより上の部分は、仕切壁295の左右方向の中央に前後方向に沿った稜線を有し、この稜線から左右方向に向かって下る斜面となっている。また、前側の囲い壁214の内面であって、球保持凹部291が形成されている部分には、矩形状の凹部296が形成されている。
図10に示すように、球保持部材本体297は、上述の作動リンク部材273の前面側となる側面273cを含む一部分であって、その上部に球保持部294が形成されている。
球保持部材本体297は、作動リンク部材273の前面側となる側面273cの上部に連続して延在する板状の延在部299を有し、この延在部299は先端部が後面側から見て左方向に屈折して横方向に延在するL字型に形成されている。この延在部299の先端部であって横方向に延在する部分の上端面は水平面になっており、ここに球保持部294,…が左右方向に4つ並ぶように形成されている。
球保持部294は略直角三角形状の板状の部材であって、延在部299の上端面に対して垂直かつ前後方向に沿って板面を有するように形成されている。この略直角三角形状である球保持部294は、その端面(周面)のうち、斜辺に対応する端面が前面294dとなるように、そして、直交する2辺に対応する端面のうち、一方が延在部299の上面に接続する水平な底面294a、他方が垂直な後端面294cとなるように延在部299上に形成されている。また、球保持部294の前後幅は、延在部299の前後幅よりも広く、球保持部294の前後の端部が、それぞれ延在部299の前後面よりも突出するように形成されている。
なお、底面294aの前端部は延在部299の前面よりも前面側に突出しているが、後端部は延在部299の後面と接する位置までとなっている。また、延在部299の後面よりも後方に配される垂直面である後端面294cの下端は、底面294aの高さよりも上方に位置しており、底面294aと後端面294cは、直接ではなく段部294bを介して接続している。つまり、直角三角形の直角部分は、切欠きとなっている。また、前面294dは曲面となっている。
球保持部294の幅はスリット293の横幅より狭くなっているとともに、それぞれの球保持部294,…の左右方向の間隔は、スリット293の左右方向の間隔と同じ間隔となっている。さらに、球保持部294は所定の高さを有しているので、作動リンク部材273を封入球循環ユニット200に取り付けた際に、球保持部294がスリット293から後方傾斜部217の上方に露出できるようになっている。そして、球保持部294は、作動リンク部材273に外部から力がかかっていない通常時には、球保持凹部291の後端部側に位置するようになっており、球保持凹部291内の遊技球Bが傾斜に沿って流下するのを規制し、球保持凹部291内に遊技球Bを保持するようになっている。また、球保持部294の前面294dが曲面となっているので、遊技球Bを球保持凹部291内に確実に保持できるとともに、後述するように遊技球Bの保持状態の解除が容易になる。
また、図6に示すように、後方傾斜部217の前側の左右には、球保持装置290に向かって下るように傾斜し、遊技球Bを球保持装置290に誘導する誘導部材298が設けられている。
回収部材210の後方傾斜部217は、後方に向かって下る傾斜を有しており、アウト球としての遊技球Bはこの傾斜に沿って下り、回収球流路280に流下するようになっている。球保持装置290は後方傾斜部217に設けられており、このように後方傾斜部217を流下する遊技球Bを受け入れて保持するものであるが、図5に示すように、遊技球Bを前後に並べて保持する際、特に、遊技球Bが1つ保持された状態で2個目の遊技球Bを保持する際には、保持されている1個目の遊技球Bより上流側から流入させる必要がある。このため、後方傾斜部217に誘導部材298を設け、遊技球Bを球保持装置290の上流側から流入させるようにしている。
封入球循環ユニット200の後面側から見て左側の誘導部材298は、左側の囲い壁214の内面と前側の囲い壁214の内面に接し、その上面が右側に向かって下るように、球保持装置290の手前まで形成されている。また、封入球循環ユニット200の後面側から見て右側の誘導部材298は、回収部材210の右端の傾斜部分に連続するとともに前側の囲い壁214の内面に接し、その上面が左側に向かって下るように、球保持装置290の手前まで形成されている。なお、これら2つの誘導部材298の上面は、前後方向には傾斜していない。
また、図6に示すように、左右の誘導部材298の後縁部には、誘導部材298に対して垂直にリブ298aが形成されている。このリブ298aは、後面が誘導部材298の後面と連続する面となっており、前面は前側に向かって下る斜面となっていて断面が三角形状であり、誘導部材298の後縁部に沿って左右方向に延在するように形成されている。なお、封入球循環ユニット200の後面側から見て右側の誘導部材298においては、回収部材210の右側に形成されている傾斜部分の略中央部までリブ298aが延設されている。
このリブ298aは、誘導部材298上を流下する遊技球Bが、誘導部材298の後縁部から直接後方に落下してしまうことを防止するものであって、遊技球Bを球保持装置290の上流側に誘導する効果を高めるものである。
このような誘導部材298上を流下する遊技球Bは、前後方向には流下せず左右方向に沿って流下するので、球保持装置290の上流側(球保持凹部291における傾斜方向とは逆側)に誘導され、球保持装置290に上流側から流入することができる。
また、2条の球保持凹部291の間に設けられた仕切壁295によって、球保持装置290に左右方向から流入する遊技球Bが、流入方向とは反対側の球保持凹部291に流入することを防止するとともに、隣接する球保持凹部291に保持されている遊技球Bが、互いに接触することがないようになっている。これによって、例えば、誘導部材298を流下した遊技球Bが、すでに球保持装置290に保持されている遊技球B(保持球)に衝突してその保持球を弾き出してしまうことや、衝突された保持球が反対側の球保持凹部291の保持球を弾き出してしまうことを防止でき、球保持装置290に効率よく遊技球Bを保持させることができるようになる。
なお、遊技球Bが球保持装置290に流入するために、必ずしも誘導部材298を経由する必要はなく、球保持装置290の上方の遊技領域1aから直接落下して流入したり、後方傾斜部217上を流下して流入したりしても良いことは勿論である。
以上のように構成される球保持装置290においては、係員が遊技盤1の前面側を覆うクリア部材保持枠140を開放することで、保持された遊技球Bを容易に拾得できるようになっている。
上述したように回収部材210の前部のアウト球回収口215を形成するアウト球回収部材210aは、取付盤131に形成された間隙部に挿入され、図4に示すように、遊技盤1よりも前に延出するようになっているので、このアウト球回収口215内に設けられた球保持装置290は、遊技盤1よりも前側に位置することとなる。また、発射操作ユニット150は、回収部材210よりも前側かつ低い位置に配されており、発射操作ユニット150の上端と遊技盤1の下端との間隔は、クリア部材保持枠140を開放したときに、手を挿入できる程度に設定されている。これによって、クリア部材保持枠140を開放すれば、手で球保持装置290に保持された遊技球Bを拾得することができ、例えば、遊技盤1上で球詰まりなどが発生した場合、係員がこれを解消した後に、普通変動入賞装置9に拾得した遊技球Bを入れてサービスをすることができる。
また、この球保持装置290においては、球保持装置290による遊技球Bの保持状態を容易に解除することができる。
上述のように、作動リンク部材273は、リンク部材支持部317に形成された軸によって回転自在に軸支されており、開閉扉部273aが遊技球Bの導入口を閉じる状態と、この状態から封入球循環ユニット200の前側に回転して導入口を開放した状態との間を揺動可能となっている。そして、作動リンク部材273の球保持部材本体の297の上部に形成された球保持部294は、この回転に伴ってスリット293内を前後方向に沿って移動する。作動リンク部材273に外部から力がかかっていない通常時(常態)は、作動リンク部材273の開閉扉部273aが遊技球Bの導入口を閉じる状態となっており、この状態においては、図10に示すように、作動リンク部材273の前面側の側面273c、すなわち球保持部材本体297は略垂直になった状態となっている。このとき、図8に示すように、後方傾斜部217の上方に露出した球保持部294は、球保持凹部291の後端(常態位置)に位置しており、球保持凹部291内で下流側に流下しようとする遊技球Bを係止して保持可能な保持状態となっている。なお、球保持凹部291の後端とは、球保持凹部291の傾斜方向に沿って下った側の端部であって、下流側の傾斜方向端部である。
この状態から、作動リンク部材273を前側に回転させると、図11に示すように作動リンク部材273の前面側の側面273cが略垂直になった状態から、前側に倒れた状態となるため、球保持部294がスリット293内を前側(他端部側)に移動する。また、図9に示すように、球保持部294の上端の高さは、前側に倒れた状態となるので当初の状態よりも低くなる。さらに、後方傾斜部217は前側が高くなる傾斜を有することから、球保持部294が後方傾斜部217の上方に露出する部分は、球保持部294が前側に移動するに従って徐々に少なくなり、遊技球Bを保持できなくなる。よって遊技球Bの保持状態が解除される非保持状態となる。すなわち、作動リンク部材273は、球保持装置290に遊技球Bを保持可能な保持状態と、保持した遊技球Bを解放可能な非保持状態とに変換可能な球保持部材をなす。
例えば、1条の球保持凹部291に2個の遊技球Bが保持されている場合、作動リンク部材273を前側に回転させると、回転当初は球保持部294が2個の遊技球Bを、上流側にある遊技球Bが前側の囲い壁214に形成された凹部296に当接するまで上流側に押し上げることとなる。さらに、作動リンク部材273を前側に回転すると、2個の遊技球Bのうち、どちらかの遊技球Bが球保持凹部291の側方に押し出されることで保持されなくなり、後方傾斜部217を流下して回収球流路280に流入する。
もしくは、球保持部294の遊技球Bに当接する前面294dが曲面となっていることから、下流側にある遊技球Bがこの曲面に沿って上方に押し上げられ、球保持部294の上側を超えることで保持されなくなり、球保持凹部291を下流側に流下して遊技球導入口219に流入する。なお、球保持凹部291の後端部(下流側)は、回収球流路280の側壁に切欠きが形成された開放端となっているので、遊技球Bが回収球流路280に流下することを妨げることがない。
球保持凹部291に残った遊技球Bは、さらに上流側に押し上げられるが、球保持部294の後方傾斜部217の上方に露出する部分が徐々に低くなるため、球保持部294が遊技球Bを保持できなくなり、遊技球Bが球保持部294を乗り越えて球保持凹部291を流下し、回収球流路280に流入する。以上の動作によって球保持装置290に保持されていた遊技球Bの保持が解除され、遊技球Bが回収球流路280を介して循環経路220に流下する。
また、作動リンク部材273が前側に回転することで、リンク片273bによって球貯留板261の係合部材261bが押上げられて球貯留板261が回動し、球補充装置260に貯留されていた遊技球Bが循環経路220に流下する。すなわち、作動リンク部材273(球保持部材)の回動動作に応じて、球貯留板261(変換手段)が回動動作し、非貯留状態に変換される。これによって、封入球循環ユニット200内の遊技球Bを抜き取る場合、作動リンク部材273が前側に回転することで、球保持装置290に保持されていた遊技球Bと、球補充装置260に貯留されていた遊技球Bを1回の操作で循環経路220に流下させることができる。
図5に示すように、連動装置340は、後壁部材320の後面側であって、球送りソレノイド244の取付位置と補充ソレノイド263の取付位置との間に設けられている。
この連動装置340は、球抜き装置230のスライド部材234の動作と、作動リンク部材273の動作を連動させるものであって、棒状の連動部材341と、この連動部材341の後部を覆うカバー部材342とを有する。
連動部材341は、長さ方向の略中央部にクランク状に屈折した屈折部341aを有する棒状の部材である。連動部材341の下端は、スライド部材234の当接部材350の当接部351に接するように配されている。また、連動部材341の上端は、作動リンク部材273の球保持部材本体297の下方部に形成されたリンク片273b(伝達部材)の下面であって、後壁部材320に形成された開口部344から後方に突出した部分に接するように配されている。
この連動部材341の上端と屈折部341aとの間の略中央部と、下端と屈折部341aとの間の略中央部には、それぞれ、連動部材341の長さ方向に沿ってガイド用スリット341b,341bとしての長孔が形成されている。このガイド用スリット341b,341bには、後壁部材320の後面に突設された突起が嵌合するようになっている。また、後述するカバー部材342の内側には、連動部材341が後壁部材320の後面から離れないように押さえるための図示しない押さえ部材が突設されており、これらによって、連動部材341が後壁部材320の後面に沿って上下方向に案内される。
カバー部材342は、クランク状に屈折した形状の連動部材341に合わせて屈折した箱状の部材であり、後壁部材320の後面に配される連動部材341、開口部344、開口部344から突出するリンク片273bを覆うものである。なお、球抜き装置230の当接部材350は、球抜き作業の際に手で操作する必要があるので、カバー部材342は当接部材350の上方までを覆うようになっている。このため、カバー部材342の下部側面には、連動部材341を挿通するための図示しない切欠きが形成されている。
また、カバー部材342の後面の側端部には、凹状の係合部345が形成されている。この係合部345は、カバー部材342を後壁部材320に取り付けた際に、後壁部材320に形成された係合爪346に対応する位置に形成されており、係合爪346がこの凹状の係合部345に係合することで、カバー部材342を後壁部材320に固定できるようになっている。
以上のような連動装置340は、スライド部材234の動作と作動リンク部材273の動作を連動させるものであって、封入球循環ユニット200から遊技球Bを抜き取る際に球抜き開口部231を開放するのに伴って、球補充装置260に貯留されている遊技球Bおよび球保持装置290に保持されている遊技球Bを解放するようにするものである。
図7に示すように、常態においては、球抜き装置230のスライド部材がコイルスプリング236に付勢されて封入球循環ユニット200の後方から見てその左右の可動範囲の左端(待機傾斜部223の傾斜下側)に位置し、開閉部材232が球抜き開口部231を閉じた状態となっている。また、球保持装置290は、作動リンク部材273の球保持部材本体297の上部に形成された球保持部294が、球保持凹部291の後端に位置し、遊技球Bを保持可能な保持状態となっている。なお、この状態において、リンク片273bはその上下の可動範囲の下端に位置する。また、球補充装置260は、変換手段をなす球貯留板261が、連通口266側が高くなるような傾斜とされ、球貯留部262に遊技球Bを貯留可能な貯留状態となっている。そして、図10に示すように、常態において連動装置340の連動部材341は、下端部が当接部材350の当接部351の右端部に形成された水平面351b上にあるとともに、上端部がリンク片273bの下面に当接した状態となっている。
図9に示すように、抜き取り操作において、球抜き操作部材233によりスライド部材234をコイルスプリング236の付勢力に抗して右側(待機傾斜部223の傾斜上側)に移動させると、開閉部材232が球抜き開口部231から退避し、球抜き開口部231が開放されて待機流路221で待機していた遊技球Bが外部に流出する。同時に、図11に示すように、スライド部材234に形成された当接部材350が右方向に移動するのに伴い、連動部材341の下端部が当接部351の斜面351a沿って上方向に案内されて連動部材341が上方向に動作し、連動部材341の上端部がリンク片273bを上方向に押し上げる。これによって、リンク片273bの上に重ね合わせるように配された変換手段の一端部をなす球貯留板261の係合部材261bが押し上げられて、球補充装置260の球貯留板261が回転ピン313を中心に回動することで遊技球Bを補充する状態(非貯留状態)に変換され、貯留されていた遊技球Bが連通口266から循環経路220に流入する。
以上のことから、抜き取り操作部材233の抜き取り操作に連動して、球補充装置260の変換手段(補充ソレノイド263、球貯留板261、回転ピン313)を非貯留状態に変換させる連動装置340を備えたこととなる。
また、連動装置340は、変換手段に作用して上下方向にスライドすることで該変換手段の状態を変換可能な連動部材341を備えたこととなる。
さらに、リンク片273bが上方向に押し上げられることで、作動リンク部材273に形成された球保持部材本体297が前側に回動して、作動リンク部材273(球保持部材)が遊技球Bの保持状態を解除する非保持状態に変換される。これにより、球保持装置290で保持されていた遊技球Bが、回収球流路280を介して循環経路220に流入する。
そして、球補充装置260および球保持装置290から循環経路220に流入した遊技球Bは、循環経路220を流下し、球抜き開口部231から外部へ流出する。つまり、球抜き操作部材233を操作するだけで、待機流路221で待機していた遊技球Bだけでなく、球補充装置260に貯留されていた遊技球B、球保持装置290に保持されていた遊技球Bも球抜き開口部231から抜き取ることができる。
以上のことから、回収球流路280の上流側に、遊技領域1aを経た遊技球Bを回収するために受け入れる回収部材210を備え、回収部材210は、回収する遊技球Bを当該回収部材210の所定部位において所定数保持可能な球保持装置290を備えるとともに、当該封入球式遊技機100の前面側に設けられる開閉枠(クリア部材保持枠140)を開放して該球保持装置290で保持されている遊技球Bを前方側から拾得可能に構成され、球保持装置290は、遊技球Bを保持可能な保持状態と、保持した遊技球Bを解放可能な非保持状態とに変換可能な球保持部材(作動リンク部材273)を備え、連動装置340の連動動作に基づき、該球保持部材を非保持状態に変換するように構成したこととなる。
また、球保持部材(作動リンク部材273)は、下方に左右方向の回動中心が設定された回動可能な球保持部材本体297と、球保持部材本体297の上方部であって回収部材210に臨むように備えられ、当該球保持部材本体297の回動動作により保持状態と非保持状態とに変換可能な球保持部294と、球保持部材本体297の下方部であって当該封入球式遊技機100の裏面側に突出して備えられ、連動装置340の連動動作を伝達するための伝達部材(リンク片273b)と、を備え、変換手段は、当該封入球式遊技機100の前後方向に設定された回動軸(回転ピン313)を中心に回動することで貯留状態と非貯留状態とに変換可能に構成され、変換手段の一端部(係合部材261b)を伝達部材(リンク片273b)の上方に重合させることで、球保持部材の回動動作に応じて該変換手段が回動動作可能に構成したこととなる。
付着物除去手段400は、封入球循環ユニット200内の遊技球Bを発射する発射装置61の遊技球Bの発射位置の上流側の待機流路221内の遊技球Bに対して付着物を除去可能に設けられている。
そして、付着物除去手段400は、図8に示すように、循環経路220の待機流路221内に遊技球Bと接触可能に設けられてアースされた金属プレート410と、流下経路となる循環経路220の待機流路221内に対して吹き出しもしくは吸い込みにより人口風を形成する風形成手段となる送風ファン420とを備えている。
前記金属プレート410は、待機流路221の底部を構成するとともに、前壁部材310の裏面から後方に延出する板状の待機傾斜部223に取り付けられている。金属プレート410の遊技球Bの流下方向すなわち、待機傾斜部223の長手方向に沿った長さは、遊技球Bの全周(π×遊技球Bの直径)の長さ以上とされ、金属プレート410上を遊技球Bが転動した場合に、少なくとも遊技球Bが一周する間は、金属プレート410上を転動することが可能でとなっていることが好ましい。これにより、金属プレート410上を遊技球Bが転動した場合に、遊技球Bの全周に渡って金属プレート410に接触することが可能となり、より確実に遊技球Bの静電気を除去することができるとともに、遊技球Bが流下した場合に遊技球Bの表面全体に風を当てられることから、付着物を十分に除去する時間を確保することができる。
また、金属プレート410の下方に形成されたアース取付部414には、アース配線取付端子となるネジ孔と、ネジ孔に螺合されたネジ415とを有し、アース配線430の端子431がネジにより固定されている。なお、アース配線430は、前壁部材310の待機傾斜部223下側の金属プレート410近傍に設けられたアース配線孔316を通って、金属製の発射レール62に固定され、発射レール62を含む発射ユニット60に対してアースされた状態となっている。なお、金属プレート410のアースは、発射ユニット60への接続に限定されるものではなく、発射ユニット60と封入球式遊技機100の他の金属部分、或いは島設備にアースすることで、金属プレート410のアース効果を高めるようにしても良い。
前記送風ファン420は、電気製品の電源、基板等の排熱(冷却)用の周知の送風ファンであって、例えば、正面視して略正方形のケーシング内のファンとファンを回転するモータとを備えたものであり、前壁部材310の前面側で、待機流路221の金属プレート410が取り付けられた位置の前に設けられた送風ファン取付部に取り付けられている。また、送風ファン420の送風方向は、この例において、封入球式遊技機100の前後方向の前から後となっている。
また、前壁部材310の送風ファン420の取付位置で、かつ、待機流路221の金属プレート410が配置された位置の上部と下部とには、通気口318,…が形成されている。後壁部材320の裏面の送風ファン420の取付位置に対応する部分には、フィルタ(図示略)を取り付けるためのフィルタ取付部321が設けられている。フィルタ取付部321には、送風ファン420による送風、送風により吹き飛ばされた遊技球Bへの付着物を含む塵芥等を通過させるフィルタ開口部322が形成されている。
また、フィルタ開口部322の上縁は、待機傾斜部223より少し上に配置されるとともに、待機傾斜部223の上面、すなわち、金属プレート410の上面に沿って斜めに配置されており、待機流路221の後部側で、待機傾斜部223(金属プレート410)の上面近傍に該上面に沿ってスリット状の通気口328(図3に図示)が形成された状態となっている。
フィルタは、送風ファン420の送風により吹き飛ばされた上述の塵芥等の所謂ゴミを回収するゴミ回収手段となるものであり、送風により吹き飛ばされたゴミが、例えば、封入球式遊技機100の後方となる島設備内に排出されるのを防止するものである。
また、封入球循環ユニット200が取り付けられるベース枠体となる前面枠本体130の取付盤131の送風ファン420と前後に重なる位置には、送風ファンに連通するファン開口部が形成されている。また、前面枠本体130の取付盤131の前面側には、タッチパネル表示ユニット151を備えた発射操作ユニット150が設けられている。
そして、取付盤131のファン開口部は、発射操作ユニット150内部のタッチパネル表示ユニット151の裏面側となる空間に連通しており、表示装置としてのタッチパネル表示ユニット151(バックライト、ドライバ回路基板等の発熱する構成を有する)から発射操作ユニット150内部に放出される熱を送風ファン420が吸い込む構成となっている。
なお、封入球循環ユニット200は、取付盤131の裏面側で、発射ユニット60の後側に取り付けられているが、封入球循環ユニット200の前壁部材310の前側に取り付けられる送風ファン420は、斜めに配置される発射ユニット60の高くなった部分の下側に配置され、送風ファン420と発射ユニット60は、前後ではなく、上下に重なるようになっており、スペース効率が高められている。
以上のような封入球式遊技機100においては、以下のように遊技領域1aに発射された遊技球Bが回収されて遊技球Bが循環使用されることになる。
発射ユニット60の発射装置61に供給された遊技球Bは、発射装置61により遊技盤1前面側の遊技領域1aの下側から内外二本のガイドレール2の間を通って、遊技領域1a内に発射される。そして、遊技領域1a内に発射された遊技球Bは、遊技領域1a内を流下し、発射された遊技球Bの一部が普通変動入賞装置9、特別変動入賞装置5、一般入賞口8等の入賞口に流入して入賞し、遊技盤1の裏面側に導かれてセーフ球となり、遊技盤1の裏面側のセーフ球の排出経路を通って遊技盤1の下側に流下し、封入球循環ユニット200の回収部材210の後部のセーフ球回収口216に至る。
セーフ球回収口216で回収されたセーフ球は、回収部材210後部の前方傾斜部218の傾斜にそって前方に流下して回収部材210の前後の中央の遊技球導入口219に至る。
一方、遊技領域1a内を流下しても入賞することなく、遊技領域1aの下端部に至った遊技球Bは、アウト球として、遊技盤1の前面側下端部のガイドレール2が設けられていない中央部分から遊技盤1の下側に流下する。すなわち、アウト球は、遊技盤1の前面側から遊技盤1の下側に流下し、封入球循環ユニット200の回収部材210の前部のアウト球回収口215に至る。
アウト球回収口215に至った遊技球Bは、後方傾斜部217の傾斜に沿って前後方向に、遊技球導入口219に向かって流下するが、後方傾斜部217に設けられた誘導部材298上を流下する遊技球Bの多くは、封入球循環ユニット200の左右方向に沿って、球保持装置290に向かって流下する。そして、球保持装置290の球保持凹部291に遊技球Bが保持されていないときに、球保持凹部291に流入した場合は、球保持凹部291内の傾斜に沿って流下し、球保持部294に当接して球保持凹部291内に係止される。さらに、この後に、球保持凹部291内に保持されている1個目の遊技球Bよりも上流側から流入した遊技球Bは、1個目の遊技球Bに当接して球保持凹部291内の上流側に保持される。球保持装置290によってこのように遊技球Bが保持されることで、2条の球保持凹部291で最大4個の遊技球Bが保持される。なお、球保持装置290に至らなかった遊技球Bや、球保持装置290に至ったが、保持されている遊技球Bに衝突して球保持凹部291に流入できなかった遊技球Bは、後方傾斜部217の傾斜に沿って流下して遊技球導入口219に至る。
そして、遊技球B(アウト球、セーフ球)は、遊技球導入口219から回収球流路280を通って封入球循環ユニット200内に流入し、回収球センサ212を通過することにより回収球センサ212に検出される。回収球センサ212を通過した遊技球Bは、球貯留部262の連通口266の隣を通過して、ファール球流路252の下端部となるとともに、待機流路221の上端部となる合流部254上に流下する。
一方、発射装置61で発射されたのにもかかわらず、遊技領域1aを流下せずに戻ったファール球としての遊技球Bは、ファール球回収手段250のファール球回収部257で回収されてファール球回収口251を通った後にファール球センサ253を通過して、ファール球センサ253に検出されるとともにファール球流路252を流下する。そして、ファール球流路252を流下するファール球としての遊技球Bは、ファール球流路252の下端部となる合流部254まで流下し、上述の回収球としての遊技球Bと合流する。
そして、合流部254で遊技球Bは、待機流路221を流下することになる。待機流路221上を流下する遊技球Bは、待機流路221に設けられた付着物除去手段400のアースされた金属プレート410上に至り、静電気を除去される。また、金属プレート410と前後に重なって、金属プレート410の前側に配設された送風ファン420からの前から後に向かう人工風が金属プレート410上で静電気を除去されている状態の遊技球Bに吹き付けることになる。そして、静電気を除去されることによりゴミ、特に乾いたゴミの付着性が低下した遊技球Bに人工風が吹き付けられることにより、遊技球Bに付着した付着物が効率的に除去される。
待機流路221を流下した遊技球Bは一個ずつ球送り装置240に至り、球送り装置240により、供給流路245に送られる。そして、供給流路245を流下する遊技球Bは、供給球センサ246(球送りセンサ)を通過して、供給球センサ246に検出された後に、球供給口247から封入球循環ユニット200の外部となる発射ユニット60の発射装置61の遊技球発射位置に導出される。そして、遊技領域1aを流下して封入球循環ユニット200に回収された遊技球Bは、再び、発射装置61から遊技領域1aに発射されて循環使用される。
また、上述のように遊技球Bを循環させる過程で、例えば、球詰まりが発生した場合、遊技者は係員を呼んでこれを解消してもらう。そして、球詰まりが解消した後、係員はクリア部材保持枠140を開け、球保持装置290に保持されている遊技球Bを手で拾得し、これを普通変動入賞装置9に入れることで遊技客へのサービスを行う。
また、以上のような封入球式遊技機100においては、以下のように封入球循環ユニット200に封入された遊技球Bを交換する。
まず、球抜き装置230の抜き取り操作部材233によりスライド部材を、コイルスプリング236の付勢力に抗して待機傾斜部223の傾斜上側に移動させることにより開閉部材232を開放方向に移動させて球抜き開口部231を開放し、待機流路221内の遊技球Bを球抜き流路237から抜き取る。同時に、このスライド部材234の動作に伴って、連動装置340の連動部材341が上方向に動作して作動リンク部材273のリンク片273bを上方向に押上げ、球補充装置260の変換手段をなす球貯留板261を非貯留状態に変換するとともに、球保持装置290の球保持部材をなす作動リンク部材273が非保持状態に変換される。これにより、球補充装置260に貯留されていた遊技球Bと、球保持装置290に保持されていた遊技球Bが循環経路220に流入し、球抜き開口部231を通って球抜き流路237から流出される。そして、球送り部材243の後方側を覆う後壁部材320の球送りカバー部326bから、供給球保持部243a上の遊技球Bを操作して供給流路245側から流出させることで、封入球循環ユニット200に封入されていたすべての遊技球Bが外部に排出される。
さらに、この後に行われる新しい遊技球Bの補充作業は、遊技球Bを充填した球交換カセット275を球交換カセット取付部270に取り付け、球交換カセット275内の遊技球Bがすべて封入球循環ユニット200内に流出した後、球交換カセット275を球交換カセット取付部270から取り外せば良い。
以上の遊技球Bの交換作業は、すべて封入球式遊技機100の裏面側から行うことができ、特に、連動装置340を有することで、球抜き装置230を操作すれば、球補充装置260、球保持装置290の遊技球Bも同時に抜き取ることができ遊技球Bの交換作業の効率を向上させることができる。
以上のような遊技機は、遊技機本体内に所定数封入した遊技球Bを、発射位置から遊技領域1aに発射して遊技を行う一方、該遊技領域1aを経た遊技球Bを回収して発射位置に導いて遊技球Bを循環使用し、該遊技領域1aを経て回収された遊技球Bを流下案内する回収球流路280と、該回収球流路280の下流側に位置し該発射位置に送られる前の遊技球Bを所定数宛待機させる待機流路221とを連通状態にして構成した循環経路220を備えた封入球式遊技機100であって、待機流路221の所要部位に設けられ、遊技機本体内に封入された遊技球Bを当該封入球式遊技機100の外部に抜き取るための球抜き装置230と、回収球流路280の途中に開設された連通口266に連通し所定数の遊技球Bを貯留可能な球貯留部262と、該球貯留部262に遊技球Bを貯留する貯留状態と該球貯留部262から循環経路220に遊技球Bを流出する非貯留状態とに変換可能な変換手段(補充ソレノイド263、球貯留板261、回転ピン313)と、を有するとともに、該循環経路220内の遊技球Bが不足した場合に、該変換手段を該非貯留状態に変換して球貯留部262の遊技球Bを該循環経路220に補充可能な球補充装置260と、を備え、球抜き装置230は、遊技機本体内に封入された遊技球Bを当該封入球式遊技機100の外部に抜き取る際の抜き取り操作を行う抜き取り操作部材233を備え、抜き取り操作部材233の抜き取り操作に連動して、球補充装置260の変換手段を非貯留状態に変換させる連動装置340を備えている。
従って、封入球式遊技機100は、回収球流路280の途中に開設された連通口266に連通し所定数の遊技球Bを貯留可能な球貯留部262と、該球貯留部262に遊技球Bを貯留する貯留状態と該球貯留部262から循環経路220に遊技球Bを流出する非貯留状態とに変換可能な変換手段とを有し、該循環経路220内の遊技球Bが不足した場合に、該変換手段を該非貯留状態に変換して球貯留部262の遊技球Bを該循環経路220に補充可能な球補充装置260を有することで、簡便な装置で遊技球Bを自動的に補充することができるとともに、遊技球Bの補充にかかわる装置のコストを低減することができる。
すなわち、発射を待機する遊技球Bに不足が生じても、遊技球Bが自動補充されるので、遊技球Bの発射に問題が生じることがなくなるとともに、遊技球Bの補充は、封入球式遊技機100に設けられた球補充装置260により行われるので、島設備に補給システムを設置することもなく、封入球式遊技機100の設置において、余計なコストがかかるのを防止してコストの低減を図ることができる。また、球貯留部262は、回収球流路280に連通する連通口266を有しており、循環経路220の外部に設けられることとなり、循環経路220に球不足時に使用する遊技球Bを余分に封入する場合のように循環経路220が長くなることがなく、コストの低減、遊技球Bを循環する機構の小型化を図ることができる。
また、待機流路221の所要部位に遊技機本体内に封入された遊技球Bを外部に抜き取るための球抜き装置230を備え、球抜き装置230は、遊技球Bの抜き取り操作を行う抜き取り操作部材233を有することで、遊技球Bの抜き取り作業が簡単になるとともに、遊技球Bの抜き取りにかかわる装置のコストを低減できる。
すなわち、封入球の交換等の際には、抜き取り操作部材233を操作すればよく、使用頻度の少ない抜き取り作業に対してコストのかかる装置を備えることなく、簡単且つ確実に封入球を抜き取ることができる。さらに、封入球式遊技機100に電源を投入することなく封入球の交換作業を行うことができるので、例えば、遊技店の閉店後に遊技機の電源を切った後でも交換作業を何ら問題なく行うことができる。
また、抜き取り操作部材233の抜き取り操作に連動して、球補充装置260の変換手段を非貯留状態に変換させる連動装置340を備えたことで、抜き取り操作を行えば、球補充装置260に貯留されていた遊技球Bも抜き取ることができるので、球補充装置260に遊技球Bが残ってしまうことがなく、封入球を全て抜き取って交換することが可能となる。
また、球抜き装置230は、抜き取り操作部材233、および待機流路221に開設された球抜き開口部231を閉鎖する状態と開放する状態とに変換可能な開閉部材232を有するとともに、該抜き取り操作部材233の操作により左右方向にスライドさせることで該開閉部材232の状態を変換させるスライド部材234を備え、連動装置340は、変換手段に作用して上下方向にスライドすることで該変換手段の状態を変換可能な連動部材341を備え、スライド部材234は、連動部材341に当接し、当該スライド部材234を開閉部材232が開放状態となるようにスライドさせた際に、該連動部材341を上方にスライドさせるための傾斜した当接部351を有する。
従って、球抜き装置230は、抜き取り操作部材233、および球抜き開口部231を閉鎖する状態と開放する状態とに変換可能な開閉部材232を有するとともに、該抜き取り操作部材233の操作により左右方向にスライドさせることで該開閉部材232の状態を変換させるスライド部材234を備えることで、球抜き機構を簡単に構成できるとともにスライド部材234のスライドにより簡単な抜き取り操作が可能となる。
また、連動装置340は、上下方向にスライドすることで変換手段の状態を変換可能な連動部材341を備え、スライド部材234は、連動部材341に当接し、当該スライド部材234を開閉部材232が開放状態となるようにスライドさせた際に、該連動部材341を上方にスライドさせるための傾斜した当接部351を有することで、スライド部材234のスライド動作を効率よく連動装置340の動作に変換できる。
また、回収球流路280の上流側に、遊技領域1aを経た遊技球Bを回収するために受け入れる回収部材210を備え、回収部材210は、回収する遊技球Bを当該回収部材210の所定部位において所定数保持可能な球保持装置290を備えるとともに、当該封入球式遊技機100の前面側に設けられる開閉枠(クリア部材保持枠140)を開放して該球保持装置290で保持されている遊技球Bを前方側から拾得可能に構成され、球保持装置290は、遊技球Bを保持可能な保持状態と、保持した遊技球Bを解放可能な非保持状態とに変換可能な球保持部材(作動リンク部材273)を備え、連動装置340の連動動作に基づき、該球保持部材を非保持状態に変換するように構成されている。
従って、遊技領域1aを経た遊技球Bを回収する回収部材210は、所定数の遊技球Bを保持可能な球保持装置290を備えるとともに、開閉枠を開放して該球保持装置290で保持されている遊技球Bを前方側から拾得可能に構成されていることで、遊技者が保有している遊技球Bがない封入球式遊技機100においても、遊技店における入賞サービスを確実に実行することが可能となる。なお、「入賞サービス」とは、例えば、遊技領域1a内での球止まりのようなトラブルが発生した場合、係員がこのトラブルを解消した後に、遊技者に対するサービスとして始動入賞口(普通変動入賞装置9)に遊技球Bを手で入れることである。
また、球保持装置290は、遊技球Bの保持状態と非保持状態とに変換可能な球保持部材を備え、連動装置340の連動動作に基づき、該球保持部材を非保持状態に変換するので、抜き取り操作を行うことにより球保持装置290に保持されているサービス球も非保持状態にして下方に流下することとなり、球抜きを行ったのに、サービス球が保持されてその分の遊技球Bが交換できないといった問題点や、或いは、サービス球の保持を解除するための別の作業等が必要であるといった問題点を解消することができる。
また、球保持部材(作動リンク部材273)は、下方に左右方向の回動中心が設定された回動可能な球保持部材本体297と、球保持部材本体297の上方部であって回収部材210に臨むように備えられ、当該球保持部材本体297の回動動作により保持状態と非保持状態とに変換可能な球保持部294と、球保持部材本体297の下方部であって当該封入球式遊技機100の裏面側に突出して備えられ、連動装置340の連動動作を伝達するための伝達部材(リンク片273b)と、を備え、変換手段は、当該封入球式遊技機100の前後方向に設定された回動軸(回転ピン313)を中心に回動することで貯留状態と非貯留状態とに変換可能に構成され、変換手段の一端部(係合部材261b)を伝達部材(リンク片273b)の上方に重合させることで、球保持部材の回動動作に応じて該変換手段が回動動作可能に構成されている。
従って、球保持部材は、回動可能な球保持部材本体297と、回収部材210に臨み、当該球保持部材本体297の回動動作により前記保持状態と非保持状態とに変換可能な球保持部294と、連動装置340の連動動作を伝達するための伝達部材とを備え、変換手段は、回動軸を中心に回動することで前記貯留状態と非貯留状態とに変換可能に構成され、変換手段の一端部を伝達部材の上方に重合させることで、球保持部材の回動動作に応じて該変換手段が回動動作可能となるように構成されていることで、連動装置340の連動動作により、球保持部材および変換手段の両方を確実に変換することができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。