以下、この発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の遊技機は、本発明をパチンコ遊技機としての封入球式遊技機に応用したものであり、例えば、遊技内容等は、従来のパチンコ遊技機と同様とすることが可能となっていると共に、外形等のサイズも同様となっており、パチンコ遊技店の現状の島設備に設置可能となっているが、島設備の球供給機構や球排出機構を用いることがないものとなっている。すなわち、封入球式遊技機は、予め封入された遊技球を用いる。また、封入球式遊技機は、例えば、台間機(球貸機)等への現金の投入等により発生する遊技価値情報(例えば、金額情報)を入力され、遊技価値情報を遊技に使用可能な遊技球数(遊技媒体数)である持球数のデータに変換し、このデータに対応して封入された遊技球を遊技領域に発射可能とし、遊技球を発射すると発射された遊技球数に対応して持球数のデータを減算するようになっている。また、発射された遊技球が各種入賞口や変動入賞装置等の入賞具に入賞して賞球(遊技球)が発生した場合は、実際の遊技球を払い出すことなく、前記持球数のデータに賞球数が加算されるようになっている。また、持球数のデータが0となると、遊技球の発射ができない状態となる。この状態で遊技価値情報としての金額情報や貯球された遊技媒体数の情報等を遊技媒体数のデータに変換すると、持球数のデータに変換された遊技媒体数のデータが加算され、再び遊技球の発射が可能となる。
すなわち、封入球式遊技機は、遊技者の保有する持球数により遊技可能になり、前記発射により持球数から減算処理し、遊技球の入賞により持球数に加算処理するものである。また、発射された遊技球は、遊技領域に至って一部は、入賞領域に入賞して遊技盤の裏面側に導かれてセーフ球として回収されると共に、残りの入賞しなかった遊技球はアウト球として回収され、これら回収された遊技球が循環流路を通って再び発射可能な状態となるようになっており、遊技球は封入球式遊技機内で循環するようになっている。また、ファールとなった遊技球も循環流路に回収されると共に、ファールとなった遊技球は遊技に係わることなく(入賞の機会を得ることなく)、回収されて再び発射可能とされるので、ファール球の発生に基づき、遊技価値情報の持球数のデータにファール球数が加算される。
図1,2に示すように、本実施形態の封入球式遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110と、該機枠110内に嵌め込まれると共に、該機枠110に対し回動可能に矩形状の前面枠120が軸支されている。すなわち、前面枠120は、機枠110に対して扉状に開閉可能とされている。また、遊技盤1等の各種部材が取り付けられた前面枠120の本体である前面枠本体130には、その中央部から上端部に至る略方形の開口部132が設けられ、該開口部132に前面側が遊技領域とされた遊技盤1が嵌め込まれている。また、前面枠本体130の開口部132に遊技盤1が嵌め込まれた状態で、遊技盤1の前面は、前面枠本体130の開口部132から露出された状態となっている。
また、前面枠本体130には、該前面枠本体130に取り付けられた遊技盤1の遊技領域を視認可能な開口窓部144を有し、この開口窓部144を覆うクリア部材としての二重のガラス板141を保持するクリア部材保持枠140が設けられている。
前面枠本体130は、前面枠120の各部材の取付ベースとなるものであって、上述のように、矩形枠状の機枠110内にちょうど収まるように、概略矩形板状に構成されると共に、その中央から上端部に渡る部分に遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部132が形成されている。また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部132、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部に渡る部分を覆って前記クリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面と前記クリア部材保持枠140に嵌め込まれた後側のガラス板141裏面との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレールに囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域とされている。
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(左側部)は、前面枠本体130の一方の側部(左側部)に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域の前側を開放可能となっている。また、前面枠本体130及びクリア部材保持枠140はそれぞれ周知のパチンコ遊技機等の弾球遊技機と同様に鍵穴159にキーを差して回転させることで閉じた状態にロック可能となっている。
また、クリア部材保持枠140の前面側には、遊技領域の視認を妨げない位置に、複数の外部アピール装飾ランプ11,…、サイドランプ12,12、スピーカ13,13が設けられている。外部アピール装飾ランプ11,…は、クリア部材保持枠140の上部にあって、主に獲得遊技球数が大量となった場合に、これを周囲に報知するためのものである。例えば、入球数(遊技者が遊技機に打ち込んだ球数)と出球数(遊技球の入賞により出てきた賞球数)との差である差球数や差球数に対応する持球数に基づき、例えば、持球数(差球数)が高くなった場合に、持球数に対応する数の外部アピール装飾ランプ11,…が点灯するようになっている。なお、上述のように封入球式遊技機100では、賞球の払い出しは行われず、上述の出球数、入球数、差球数、持球数等は、実際の遊技球の個数ではなく、データ上の数値となる。すなわち、実際に使用される遊技球は、循環使用される限られた所定数(例えば、35個)しかなく、例えば、遊技領域に発射される遊技球を検知してカウントした発射球数、発射されたが戻ってしまった遊技球を検知してカウントしたファール球数、遊技領域に発射されて回収された遊技球を検知してカウントした回収球数、入賞した場合の賞球数、遊技店から借りた球貸数等の数値から上述の入球数、出球数、差球数、持球数が得られる。
なお、クリア部材保持枠140を開放して遊技球が外に出てしまう等のトラブルがない限り、発射球数=ファール球数+回収球数(回収球数がファール球数を含まない場合)となる。そして、入球数=回収球数=発射球数−ファール球数となり、出球数=賞球数=入球数−球貸数(再プレイ球数)+持球数となり、持球数=球貸数(もしくは再プレイ球数)+出球数−入球数、入球数−出球数=差球数、持球数=球貸数(もしくは再プレイ球数)−差球数となる。以上のように封入球式遊技機100による遊技は、完全にデータ上の数値として行われることになり、遊技球をこぼしたり、遊技球を下皿や上皿に残したりすることによる誤差が生じることがなく、整数単位で確実に管理可能となる。しかし、多数の遊技球を得て、これを遊技球箱に溜めることとそれを周囲の人に見られることとにより遊技者が得られる満足感や優越感といったものが、持球数という数値の増加では得難い。そこで、外部アピール装飾ランプ11,…は、点灯や発光色の変更により、遊技機の周囲に対して持球数が多いことをアピールすることで遊技者が満足感や優越感を得られるように用いられる。
なお、封入球式遊技機100においては、持球数が数値として後述するタッチパネル表示ユニット151にデジタル表示されるが、持球数が多くなった場合に持球数のデジタル表示に加えて外部アピール装飾ランプ11が上述のように持球数に対応して点灯したり、発光色を変更したりすることで、持球数が多いことを遊技者やその周囲の人に報知することができる。また、サイドランプ12,12は、遊技状態に対応して点灯、点滅、発光色の変更等の演出を行う。また、エラー発生時に通常と異なる発光を行うことによりエラー発生を報知する。
前面枠本体130の遊技盤1が取り付けられる開口部132の下側となる前面枠本体130の下部は、その前面側に後述の前面操作ユニット150が取り付けられると共に、その裏面側に後述の発射装置60等が取り付けられる取付盤131となっている。また、取付盤131の前面側に取り付けられる前面操作ユニット150には、タッチパネル表示ユニット151、遊技領域に向けての遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル152や灰皿153が設けられている。
タッチパネル表示ユニット151は、表示装置としてのLCDパネルとタッチパネルとを有するもので、基本的な機能として、持球数の情報、金額情報(カード等の記憶媒体に記憶された残額等)、貯球情報(景品と交換せずに遊技店側に貯蓄した遊技球数等)等の遊技情報を表示し、実際の遊技球の払い出しがなくても、いつでも、持球数を確認できるようにすると共に、遊技者や遊技店の店員等に対してエラーの発生を含む各種情報を表示可能となっている。また、タッチパネル表示ユニット151は、タッチパネルとして、表示切替や、その他の表示内容に対応した入力操作を可能とするものである。なお、タッチパネル表示ユニット151は、封入球式遊技機100の左右方向に設定された回転軸回りに回転して傾きを調整できるようになっており、遊技者の体格等に対応して遊技者が見やすい角度に変更可能となっている。
また、前面枠本体130下部の取付盤131の裏面側には、発射装置60が設けられている。この発射装置60は、取付盤131に取り付けられる取付プレート64と、取付プレート64に取り付けられる発射レール(図示略)と、発射レール上の遊技球を打撃して遊技球を発射させる発射杵66等を備える。そして、発射杵66を発射モータ(ステッピングモータ)により回転駆動することにより、発射レール上の遊技球を打撃して遊技領域へ発射するようになっている。また、前面枠本体130下部の取付盤131の裏面側には、発射装置60を制御する発射制御装置63、発射装置60により遊技領域に発射された遊技球を回収して再び発射装置60に供給する封入球循環装置200が取り付けられている。この封入球循環装置200の詳細な構成については後述する。
さらに、前面枠本体130下部の取付盤131の裏面側には、遊技盤1に取り付けられた装置を除く、前面枠120の例えば、外部アピール装飾ランプ11,…、タッチパネル表示ユニット151、封入球循環装置200、外部とのデータの通信装置等を制御する枠制御装置80が設けられている。また、枠制御装置80の裏面側には、封入球式遊技機100内の各装置に電力を供給する電源供給装置70が取り付けられている。
また、遊技盤1の裏面側には、遊技内容に係わる制御を統括的に行う遊技制御装置20及びその制御下で遊技の演出に係わる制御を行う演出制御装置50が設けられている。従って、遊技内容の制御に関する制御装置は遊技盤1に設けられており、遊技盤1を交換することにより、遊技内容にかかわらない装置をそのまま流用して遊技内容だけを変更することが可能となっている。
遊技制御装置20は、CPU、RAM、ROM等を有するアミューズチップ(図示略)を備え、特図や普図の変動表示ゲームに関連する各種乱数値などを生成している。各種乱数値には、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数値などが含まれ、この乱数値に基づいて遊技制御装置20は、特図や普図の変動表示ゲームの当たり、外れ等のゲームの結果を決定している。
また、遊技制御装置20には、I/Oを介して各入賞口のセンサが接続され、これらセンサからの遊技球の検出信号が入力されるようになっている。そして、入賞口のセンサからの入力に基づき賞球が発生することになるが、封入球式遊技機100においては、封入球式以外のパチンコ遊技機において、賞球としての遊技球の払い出しを制御する排出制御装置に代えて、賞球に関する情報が遊技制御装置20から枠制御装置80に出力されるようになっており、枠制御装置80においては、賞球に関する情報に基づいて、持球数に賞球数を加算する演算処理が行われるようになっている。また、遊技制御装置20においては、各センサから入力される信号に基づいて、特図及び普図の変動表示ゲームの進行の制御が行われる。また、遊技制御装置20は、I/Oを介してソレノイドなどの駆動源を制御し、特図や普図の変動表示ゲームの結果に基づいて、特別変動入賞装置や普通変動入賞装置の開閉を行う。また、遊技制御装置20は、I/Oを介して枠制御装置80及び演出制御装置50などに遊技に関する各種データを遊技機情報として送信している。
演出制御装置50は、CPU、ROM、RAM等を備えるとともに、ビデオ制御用の各種ICを備え、パチンコ遊技機において周知のものであり、遊技制御装置20における特図の変動表示ゲームの進行の制御に基づいて、変動表示装置(表示ユニット)における特図の変動表示ゲームの表示制御や、それに伴う遊技盤1等に設けられたランプ、LED等の発光による演出制御等を行う。
枠制御装置80は、CPU、RAM、ROM等と、音データを記憶したROMや、音信号を生成する音LSI、音信号を増幅してスピーカに出力するアンプ、I/O等により構成されている。この枠制御装置80においては、封入球循環装置200の制御や、外部アピール装飾ランプ11などにおけるLED等の電気的発光源の点灯・消灯・発光色の変更等の制御、演出用の音楽、効果音等の制御などを行う。
また、枠制御装置80は、I/Oを介して、封入球循環装置200に設けられた各センサ(例えば、供給球検出センサ246、待機球検出センサ213、回収球センサ214)からの信号が入力されるようになっている。そして、枠制御装置80は、これら各センサからの入力信号や、遊技制御装置20から入力された賞球に関する情報、貸球操作に関する情報に基づき、持球数を算出する演算処理を行うようになっている。これにより、枠制御装置80においては、入球数、出球数(賞球数)、差球数、持球数を算出することが可能となる。また、枠制御装置80は、持球数が1以上の場合に発射球の発射を許可し、持球数が0の場合に発射を禁止する制御信号を発射制御装置63に出力し、持球数に基づく発射制御装置63の制御を行うようになっている。
また、枠制御装置80は、タッチパネル表示ユニット151のタッチパネルからの入力信号を処理すると共に、タッチパネル表示ユニット151のLCDパネルへの画像表示を制御する。すなわち、LCDパネルには、予め設定された複数の画面のうちの1つの画面が表示されると共に、該表示画面にタッチパネル用のボタンが表示され、タッチパネルから前記ボタンの範囲内の座標位置が入力されると、予めボタンに対応して設定された処理を行うようになっている。なお、LCDパネルには、上述のボタン以外に、持球数、金額情報、変動表示ゲームの実行回数、非確変大当り回数、確変大当り回数等のデータ表示も行われる。
発射制御装置63は、CPU、発射モータのドライバ回路、I/Oを備えており、I/Oには、操作ハンドル152、球送り電磁石244が接続され、ドライバ回路には発射モータが接続されている。そして、発射制御装置63は、枠制御装置80からの発射許可の制御信号を受信した状態で、操作ハンドル152の操作(回動角度)に基づく信号レベルにより、発射装置60における遊技球の発射勢を制御する。また、操作ハンドル152に設けられたタッチセンサにおいて遊技者の手が検出された場合に、発射モータを制御して所定の時間間隔毎に遊技球を順次発射する制御を行う。また、発射制御装置63は、発射装置60による遊技球の発射のタイミングに合わせて、球送り電磁石244を作動させて、封入球循環装置200から発射装置60に遊技球を供給する制御を行う。
また、封入球式遊技機100に隣接して、台間機300(カードユニット)が設けられている。この台間機300には、カードを挿入するカード挿入口301、現金(紙幣)を投入する現金投入口302が設けられている。そして、遊技者がカード挿入口301にカードを挿入すると、そのカードに記憶されている遊技者の持球数に対応する数値データに関する情報が枠制御装置80に入力される。枠制御装置80ではこの情報に基づき、タッチパネル表示ユニット151に持球数を表示するとともに遊技球の発射が可能となる。
一方、遊技者が現金投入口302から現金を投入した場合、例えば、1000円を投入すると、金額に応じた遊技媒体(遊技球)数が持球数に加算されるとともに遊技球の発射が可能となる。なお、5000円、10000円を投入した場合は、最初の1000円分のみが遊技媒体に変換され、残金はタッチパネル表示ユニット151に表示される(例えば、4000円、9000円と表示)。また、残金がある状態でタッチパネル表示ユニット151上の貸出ボタンを操作すると、1000円分の遊技媒体が貸し出されるようになっている。
封入球循環装置200は、所定数の遊技球が封入されており、発射装置60によって遊技領域に発射された遊技球を回収、循環し、再び発射装置60に供給するものである。この封入球循環装置200は、図2に示すように、封入球式遊技機100の裏面側となる前面枠本体130の裏面側に取付部材209,209によって取り付けられて、上述の発射装置60の背面側を覆うように配されている。なお、前面枠本体130の下部となる取付盤131は、その主要部となるほぼ垂直な平板部分が、前面枠本体130に固定された遊技盤1より前となるように構成されており、取付盤131の裏面に取り付けられる上述の発射装置60が遊技盤1より前面側の遊技領域の略真下に配置されるようになっている。
図2から4に示すように、この封入球循環装置200の主要部は前側を形成する前壁部材201と、後側を形成する後壁部材202とから概略箱状に形成されており、上端部に各種の入賞口(特別変動入賞装置、一般入賞口、普通変動入賞装置)に入賞することなく流下したアウト球および各種の入賞口に入賞し、セーフ球排出経路を流下したセーフ球としての遊技球を回収する球回収部203が接続されている。また、この球回収部203に連通するように、封入球循環装置200の内部には回収された遊技球が流下する循環経路210が形成されている。さらに、封入球循環装置200には、ファール球としての遊技球を回収する図示しないファール球回収部が形成され、ここで回収されたファール球も循環経路210に流入するようになっている。
循環経路210は、封入球循環装置200の前壁部材201、後壁部材202と、前壁部材201の後面に垂直に形成された板状の流路構成部材204によって形成された筒状の流路で、遊技球の直径よりも若干大きい内径を有し、遊技球が一列に循環経路210の延在方向に沿って重なり流下するようになっている。この循環経路210は、遊技球を上方へ揚送するための揚送路261を備えた後述の球磨き装置260を挟んで、裏面側から見て右側(発射装置60と反対側)が球回収部203で回収された遊技球を流下案内する案内流路212とされ、左側が発射位置に送られる前の遊技球を所定数待機させる待機流路211とされている。
案内流路212は、左右に蛇行して上下に折り重なるように形成されており、図4から7に示すように、下流側部分となる最下段の流路は、封入球循環装置200の裏面側から見て、右端で折り返して左側へ下るように傾斜した流路となっている。この案内流路212の上端部は、封入球循環装置200の上端部に開口し、球回収部203と連通している。また、この案内流路212の下流側端部は、球磨き装置260の揚送路261の下端部に接続するようになっている。後述するようにこの揚送路261は、案内流路212よりも後方に位置するように形成されていることから、案内流路212の下流側端部は後壁部材202に形成された斜め後方流下部272aによって後方へ突出するように形成されている。また、前壁部材201の後面には、案内流路212の下流側端部となる部分に、下流側へ向かって後方へ突出する誘導リブ215が形成され、これによって、流下する遊技球は斜め後方流下部272aへ誘導されて揚送路261へ流入する。
球磨き装置260は、揚送路261と、遊技球を上方へ揚送するための揚送部材280、該揚送部材280を駆動する駆動源としてのモータ285、球を磨く球磨き部材263a、を備えている。この球磨き装置260の詳細については後述するが、案内流路212から揚送路261に流入した遊技球は揚送路261の上端部に揚送され、揚送路261の上端部に接続した待機流路211に流入するようになっている。
待機流路211も案内流路212と同様に左右に蛇行して上下に折り重なるように形成されている。この待機流路211の上流側端部は、待機流路211よりも後方に位置する揚送路261に接続するように、後壁部材202に形成された斜め前方流下部273aによって後方へ突出するように形成されている。また、前壁部材201の後面には、待機流路211の上流側端部となる部分に、下流側へ向かって後方への突出幅が小さくなる誘導リブ216が形成され、これによって遊技球は、斜め前方流下部273aを通って揚送路261よりも前側に位置する待機流路211へ誘導されるようになっている。
また、待機流路211の下流側部分となる最下段の流路は、封入球循環装置200の裏面側から見て左側へ下るように傾斜した流路となっており、下流側端部は、封入球循環装置200の下端部に近接した位置にあって、発射装置60に遊技球を供給するための球送り装置240に接続している。また、待機流路211の下流側部分には、循環経路210内の遊技球を抜き取るための球抜き装置230が設けられている。なお、待機流路211の下流側部分には、封入球式遊技機100の遊技中(遊技球を順次発射し、遊技領域に数個以上の遊技球が流下している状態)及び非遊技中(遊技球を発射していない状態)に係わらず遊技球が待機した状態とされ、遊技球の発射毎に待機していた遊技球が順次遊技球の直径となる距離だけ下方に移動するようになっている。
以上のことから、案内流路212を左右方向に蛇行させて形成するとともに、待機流路211を左右方向に蛇行させて形成したこととなる。
また、封入球循環装置200には、遊技球を検知する種々のセンサとして、発射球を検出する供給球検出センサ246、球回収部203で回収された遊技球を検出する回収球センサ214、待機流路211内に待機する遊技球の不足を検出する待機球検出センサ213等が備えられている。
また、循環経路210の長さは、封入球式遊技機100内で循環する遊技球の全てを貯留可能な長さとされており、遊技球の発射を止めた状態で、循環経路210内に循環使用される遊技球をすべて収容した状態となる。また、循環使用される遊技球の個数は、遊技球を順次発射した際に、遊技球の回収が間に合わずに、遊技の発射ができない状態となることがない個数(例えば、35個)とされている。
図6,7に示すように、球送り装置240は、循環経路210(待機流路211)の下流側端部に設けられ、傾斜により待機流路211上に一列に並んで待機する遊技球の荷重による遊技球の傾斜下側への移動を規制する規制壁241を備える。また、上述のように並んだ遊技球の最も傾斜下側の遊技球を一個だけ受ける球受け部242と、球受け部242で保持された遊技球を規制壁241を乗り越える高さまで上昇させる球送り部材243と、球送り部材243を昇降駆動する球送り電磁石244とを備える。さらに、規制壁241の球受け部242の反対側に形成され、規制壁241を乗り越えた遊技球を発射装置60(発射レール上)に導出するための供給流路245と、供給流路245を通過する遊技球を検知する供給球検出センサ246と、供給流路245(封入球循環装置200)の遊技球の発射装置60への導出口となる球供給口247とを備える。
規制壁241は、傾斜した待機流路211上に並んだ遊技球の最も傾斜下側の遊技球を止め、規制壁241を乗り越えた遊技球だけを発射装置60に流下させる供給流路245に移動可能とするものである。この規制壁241は、遊技球の半径程度の高さ(最も下に位置する球送り部材243の後述の球保持部243aの上面からの高さ)を有し、上端部が待機流路211側に屈曲したL字形板状に形成されていて、待機流路211側に突出する先端部241aが遊技球に当接することで、遊技球を球受け部242内(球送り部材243の球保持部243a上)に係止するようになっている。また、球受け部242は、規制壁241と直角に接合された状態の保持部底壁248を備え、規制壁241と保持部底壁248とがL字状となっている。
球送り部材243は、球受け部242の保持部底壁248上に配置されて、球受け部242に流入した遊技球を保持する球保持部243aを備え、かつ、左右と後方側が開放したコ字状(チャネル状)に形成され、遊技球を遊技機100の後方から見て右から左に通過させられるようになっている球保持部形成部243bを有する。なお、球保持部243aは、コ字状の球保持部形成部243bの底部となる部分である。
また、球送り部材243は、球保持部形成部243bの上端部に、左右方向に沿って左方向(待機流路211が形成された側と反対側)に延出するアーム部243cを有する。アーム部243cの球保持部形成部243bが接続していない一端部は、球送り電磁石244の下部に延出する係合部244aに回動可能に係合するようになっている。さらに、アーム部243cの上面であって、球送り電磁石244と対向する部分には、磁石が吸着可能な材質(例えば、鉄)からなる吸着片243dが設けられている。また、アーム部243cが球送り電磁石244の一部分に係合した部分の近傍には、アーム部243cの下方向への移動を規制する規制片243eが形成されている。
そして、アーム部243cは、球送り電磁石244が吸着片243dの吸着、解放を繰り返すことで、球送り電磁石244の係合部244aに係合した部分を中心として、図7に示すように、吸着片243dが球送り電磁石244に吸着された位置と、図6に示すように、球保持部243aの下面が保持部底壁248に接する位置との間の範囲で上下方向に回動することとなる。また、アーム部243cが回動するのに伴い、アーム部243cの一端にある球保持部形成部243b(球保持部243a)は、上下に移動することとなる。アーム部243cがその回動範囲における上限となる位置にあるとき、すなわち、吸着片243dが球送り電磁石244に吸着された位置では、球保持部243aの上面が、規制壁241の上端と略同じ高さになるようにされている。また、アーム部243cがその回動範囲における下限となる位置にあるとき、すなわち、球保持部243aの下面が保持部底壁248に接する位置では、球保持部243aの遊技球が載る上面が、待機流路211の下流側端部に連続して遊技球を受け入れ可能な位置となるようにされている。
すなわち、球送り部材243は、球保持部形成部243bの球保持部243aの遊技球が載る上面が待機流路211の下流側端部に連続して遊技球を受け入れ可能な位置と、球保持部243aの上面が規制壁241の上端と略同じ高さとなる位置との間を昇降自在とされていることとなる。なお、球送り装置240が作動していない状態においては、球送り部材243のアーム部243cが、回動範囲における下限となる球保持部243aの下面が保持部底壁248に接した状態となるようにされており、遊技球を球保持部243aに受け入れた状態で停止するようになっている。
また、球保持部243aの上面は、裏面側から見て右から左に下るように傾斜し、待機流路211から球受け部242に配置された球送り部材243の球保持部243a上に流入した遊技球は、球保持部243a上でその傾斜により規制壁241側によって規制壁241に接触した状態となるようになっている。そして、図7に示すように、球送り部材243が球送り電磁石244により上昇させられ、球保持部243aの上面が、規制壁241の上端と略同じ高さとなる位置に達した際に、球保持部243a上の遊技球が球保持部243aの傾斜によって規制壁241を越えて供給流路245側に流下するようになっている。なお、球保持部243aの一側端(待機流路211に臨む端部)は、上昇した場合に、待機流路211上で次に球送り部材243に送られる遊技球が球送り部材243の下に入り込むことがないように、待機流路211の最も下流側で待機する遊技球の直径より高く上がらないようになっている。そして、球保持部243aが上昇した状態では、この次に球送り部材243に送られる遊技球が球保持部243aの一側端に当接した状態となる。
ここで、球保持部243a上にある遊技球は、図6に示すように、規制壁241の待機流路211側に突出した先端部241aに当接しているので、その一部が球保持部243aの一側端(待機流路211に臨む端部)よりも待機流路211側に突出した状態となっている。よって、図7に示すように、球保持部243aが上昇して、次に球送り部材243に送られる遊技球が球保持部243aの一側端に当接した状態になると、球保持部243a上にある遊技球が上方に押し上げられ、より容易に規制壁241を越えられるようになっている。
球送り電磁石244は、アーム部243cの上面に設けられた吸着片243dを吸着可能な電磁石を備えるとともに、その一部分にアーム部243cの一端を回動可能に係合する下方に延出した係合部244aを有する。この球送り電磁石244は、発射制御装置63により発射装置60と同期して制御され、発射装置60が遊技球を発射した直後に、吸着片243dの吸着、解放を行うことで球送り部材243を昇降させ、遊技球を発射装置60に送るようになっている。なお、球送り部材243は係合部244aを中心に回動するように上下動するので、球送り電磁石244の吸着片243dを吸着する吸着面は、係合部244aを中心とした円の半径に沿うように斜めに配されている。
供給流路245は、規制壁241を挟んで球保持部形成部243bが配される側の反対側に形成され、規制壁241に沿って遊技球をほぼ真下に流下させた後に、前方に案内して、前方の球供給口247から遊技球を封入球循環装置200の前側の発射装置60側に導出するようになっている。また、供給流路245には、供給流路245を流下する遊技球を検出する供給球検出センサ246が設けられている。なお、供給球検出センサ246に検出された遊技球は、検出直後に発射装置60に供給されて発射されるので、供給球検出センサ246は、発射装置60の手前側であるが、遊技球の発射を検出する発射球センサも兼ねるものとなっている。
以上のような球送り装置240は、遊技球が規制壁241を乗り越えるように僅かに上昇させることにより、遊技球を一個ずつ発射装置60に供給するようになっており、遊技球を傾斜に沿って流下させた状態で下側に一個ずつ排出する構造とした場合に比較して、球送り装置240の多くの部分が待機流路211に対して下側に配置されることがなく、球送り装置240が待機流路211より下側となることで、封入球循環装置200の上下長さが長くなるの防止し、封入球循環装置200を小型化することができる。特に、封入球循環装置200の上下幅を短くすることができる。
また、球送り装置240は、遊技球を規制壁241を乗り越えさせるために、その直径程度の長さだけ上昇させるものであり、遊技球を長い距離に渡って揚送するものではなく、封入球循環装置200の循環経路210に最低限必要とされる上下幅の範囲内で十分に収容でき、確実に封入球循環装置200の上下幅を短くすることができる。また、球送り装置240は、球送り電磁石244が球送り部材243を吸着するだけの簡単な構造であり、トラブルが発生する可能性が極めて低い。
図2から4に示すように、循環経路210(待機流路211)の下流側端部に隣接する球送り装置240の後面側には、遊技球を封入球循環装置200から抜き出す球抜き装置230が設けられている。この球抜き装置230は、後壁部材202に形成された球抜き開口部231と、これを開閉する板状の蓋部材232とを有する。球抜き開口部231は、後壁部材202における球送り部材243の球保持部形成部243bと対向する位置に設けられており、その大きさは、遊技球1個が通過できる程度の大きさである。
また、球抜き開口部231を開閉するための蓋部材232が、球抜き開口部231を外側から覆うように設けられている。この蓋部材232は、球抜き開口部231を覆うことのできる大きさを有する蓋部材232aと、該蓋部材232aの下端部に形成された把持部232bと、把持部232bの一側端に形成された嵌合部232cとを有している。そして、嵌合部232cを後壁部材202の後面に球抜き開口部231と隣接して形成された後方へ突出する円柱状の軸部231aに嵌合し、軸部231aの後端にねじ233を螺合して嵌合部232cが抜けないようにすることで後壁部材202対して回動可能に取り付けられている。この蓋部材232aが球抜き開口部231を閉じた状態では、蓋部材232aの下端部が球抜き開口部231の下端に形成された後方へ突出する段部231b上に載って係止された状態となり、この状態から軸部231aを中心に上方へ回動させることで球抜き開口部231を開放することができる。
また、上述の球保持部243aの上面は裏面側から向かって右から左に下るように傾斜しているが、後方へ向かって下る傾斜ともなっている。すなわち、球保持部243aの上面は、封入球循環装置200の裏面側から見て、右前方から左後方に下るように傾斜している。よって、蓋部材232を開放すれば、球保持部243a上の遊技球はその傾斜に沿って自然に球抜き開口部231から外部に流出する。さらに、待機流路211内の遊技球も続いて外部に流出し、封入球循環装置200内の遊技球を抜き取れるようになっている。なお、循環経路210の途中に球磨き装置260が設けられていることから、封入球循環装置200内のすべての遊技球を抜き取るには、揚送部材280を動作させて揚送路261および案内流路212内の遊技球を待機流路211に送る必要がある。以上のような球抜き装置230は、封入球式遊技機100内に封入された遊技球を係員等の外部操作により取り出すためのもので、封入球式遊技機100のメンテナンス、遊技球の交換などのために、封入球式遊技機100から遊技球を取り出すために用いられる。
図2から8に示すように、案内流路212と待機流路211との間に設けられた球磨き装置260は、揚送路261と、遊技球を上方へ揚送するための揚送部材280、該揚送部材280を駆動する駆動源としてのモータ285、球を磨く球磨き部材263aを備えている。球磨き装置260は、封入球循環装置200の前壁部材201および前壁部材201に形成された流路構成部材204、後壁部材202および後壁部材202に取り付けられた押圧部材268から構成された、上下方向に延在する空間である揚送路形成部264に配されるようになっており、この揚送路形成部264の前側部分に揚送部材280が収容され、後側部分が揚送路261とされている。
前壁部材201および流路構成部材204によって形成される揚送路形成部264の前側部分は、後方へ開口する矩形箱状の空間とされている。この揚送路形成部264の後方から見た右側の側面における下端部は、案内流路212の下流側端部と連通するように形成され、左側の側面における上端部は、待機流路211の上流側端部と連通するように形成されている。また、この揚送路形成部264には後述する揚送部材280が収容されるようになっており、上端部には揚送部材280の回転軸284を軸支する軸受部265が形成され、下端部には下部に設けられたモータ285の図示しない駆動軸を揚送部材280と接続可能に貫通させる貫通部266が形成されている。
揚送部材280は、円柱状の揚送部材本体281の周面にらせん状に溝282が形成されたスクリュー部材(スパイラル歯車状の部材)である。この揚送部材280は、円柱状の揚送部材本体281の中心軸が揚送路形成部264の延在方向(上下方向)に沿うように配され、ちょうど揚送路形成部264の前側部分に収容されるようになっている。また、らせん状に溝282が形成された周面における中心軸に沿った方向の長さは、揚送路261と等しい長さとなっている。すなわち、揚送路261の前側の側面全体にわたって揚送部材280が配されるようになっている。
また、揚送部材280の上端面からは、円柱状の揚送部材本体281の中心軸に沿った回転軸284が突出している。この回転軸284は、揚送路形成部264の上部に形成された軸受部265に回動可能に軸支されるようになっている。また、揚送部材の下端部は、貫通部を通して下部に設けられたモータ285の図示しない駆動軸と接続可能とされ、これにより、モータ285を駆動することで揚送部材280が回転駆動されるようになる。
揚送部材280の周面に形成されたらせん状の溝282は、右ねじと同じ向きに形成されており、下側から見て反時計回り方向に回転することで、揚送路261の側面において溝282が上方へ移動するようになる。これによって、溝282に嵌った遊技球が上方へ揚送される。なお、揚送部材280に形成されたらせん状の溝282における断面の曲率は、遊技球の曲率と略等しくされて確実に遊技球を保持できるようになっており、後述するように球磨き部材263aが遊技球に押し付けられた状態でも遊技球を移送できるようになっている。また、ピッチは遊技球の直径よりも広くされており、遊技球を所定の間隔をおいて揚送できるようになっている。
揚送部材280を駆動する駆動源としてのモータ285は、封入球循環装置200の前壁部材201における揚送路形成部264の下側に形成された駆動源配設部206に配されている。この駆動源配設部206は下方に開口した切欠き状に形成されていて、ここに保持部材286に保持された状態でモータ285が収容されるようになっている。このモータ285を保持する保持部材286には、ねじ止め部287が形成されており、ねじによって前壁部材201の所定位置に固定できるようになっている。また、前壁部材201に取り付けられた状態のモータ285は、前壁部材201よりも後方へ突出した状態となるが、この突出した部分は後壁部材202に形成された駆動源取付部267に収容されるようになっている。
図4,8に示すように、後壁部材202および押圧部材268によって形成される揚送路形成部264の後側部分は、後壁部材202に形成された貫通孔270と、この貫通孔270の後方を塞ぐように取り付けられた押圧部材268によって前側に開口する矩形箱状の空間とされている。そして、この矩形箱状の空間が揚送路261をなす。
貫通孔270は、後壁部材202を前後に貫通するように形成されているとともに、後壁部材202の後面側に周縁に沿って後方へ突出する周囲壁を備えている。この周囲壁のうち、下部に形成された下部周囲壁272は、案内流路212の下流側端部を案内流路212よりも後方に位置する揚送路261と接続するための後方へ突出する斜め後方流下部272aを有している。さらに、斜め後方流下部272aに形成された案内流路212の流出口と揚送路261を挟んで対向するように、斜め後方流下部272aを通って揚送路261に流入した遊技球を上方へ誘導するように湾曲した湾曲部272bを有している。また、上部に形成された上部周囲壁273は、待機流路211の上流側端部を、待機流路211よりも後方に位置する揚送路261と接続するための後方へ突出する斜め前方流下部273aを有している。さらに、斜め前方流下部273aに形成された待機流路211の流入口と揚送路261を挟んで対向するように、揚送路261から待機流路211へ遊技球を誘導するように湾曲した湾曲部273bを備える。
また、下部周囲壁272における湾曲部272bの外側の周面および上部周囲壁273における湾曲部273bの外側の周面には、押圧部材268を取り付けるボス状の第1ガイド部材272c、第2ガイド部材273cが形成されている。すなわち、第1ガイド部材272cは、案内流路212の下流端部と揚送路261を挟んで反対側に設けられ、第2ガイド部材273cは、待機流路211の上流端部と揚送路261を挟んで反対側に設けられている。この第1ガイド部材272c、第2ガイド部材273cによって、後述する押圧部材268が前後動可能に取り付けられるようになっている。
また、周囲壁における上部周囲壁273、下部周囲壁272以外の部分である、貫通孔270の左右側部に沿って形成された側壁をなす側部周囲壁274,274は、上部周囲壁273、下部周囲壁272よりも後方への突出幅が小さくなっており、後述するようにこの後端部と押圧部材268との間に球磨き部材263aを配設可能とされている。また、後壁部材202の後面には、側部周囲壁274,274の外側の面に対して垂直に連続するように後方へ突出する案内リブ275,275,…が形成されている。この案内リブ275,275,…は、側部周囲壁274,274と接続した部分では略側部周囲壁274,274の突出幅と同じ突出幅を有し、側部周囲壁274,274から離れるにしたがって後方への突出幅が小さくなるように形成されている。これにより後壁部材202の後面に沿うように配される球磨き部材263aを、後壁部材202の後面より後方に位置する押圧部268aの前面に滑らかに沿わせることができる。
押圧部材268は、貫通孔270の貫通部分の形状に合わせて形成された押圧部268aを有し、押圧部268aの側部には、周囲壁に形成された第1ガイド部材272c、第2ガイド部材273cと対応する位置に、側方へ突出する第1被ガイド部268b、第2被ガイド部268cが形成されている。
第1被ガイド部268bには第1ガイド部材272cを挿通可能な第1ガイド孔268dが形成されており、第2被ガイド部268cには第2ガイド部材273cを挿通可能な第2ガイド孔268eが形成されている。そして、この第1ガイド孔268d、第2ガイド孔268eにそれぞれボス状の第1ガイド部材272c、第2ガイド部材273cを挿通することで、押圧部材268が後壁部材202に対して前後方向に沿って案内されて移動可能な状態となる。さらに、付勢部材、押圧部材としての圧縮コイルばね269,269を、第1被ガイド部268b、第2被ガイド部268cの後方側から、第1ガイド孔268d、第2ガイド孔268eに挿通されて後方に貫通した第1ガイド部材272c、第2ガイド部材273cの後端部を挿通する状態で取り付け、その後方から第1ガイド部材272c、第2ガイド部材273cの後端部にねじ271,271を螺合する。
これにより、第1被ガイド部268b、第2被ガイド部268cと、第1ガイド部材272c、第2ガイド部材273cの後端部に螺合したねじ271との間に圧縮コイルばね269が配され、押圧部材268が後壁部材202に対して前後動可能で、かつ、前方向へ押圧された状態で取り付けられる。なお、第1被ガイド部268b、第2被ガイド部268cが、上部周囲壁273の湾曲部273bの後端、下部周囲壁272の湾曲部272bの後端に接することで、押圧部材268のこれ以上の前方向への移動が規制されるようになっている。この状態では揚送路261の前後幅、すなわち、揚送部材280の周面に形成された遊技球が載るらせん状の溝282から球磨き部材263aまでの間隔が、遊技球の直径より狭くなるようにされている。これにより、揚送路261に導入された遊技球が確実に球磨き部材263aに当接するようになっている。
また、上述したように、第1ガイド部材272cは、案内流路212の下流端部と揚送路261を挟んで反対側に設けられ、第2ガイド部材273cは、待機流路211の上流端部と揚送路261を挟んで反対側に設けられている。よって、押圧部材268が付勢される部分は、揚送路261における遊技球の流入、流出個所の反対側となる。これにより、案内流路212からの遊技球をスムーズに揚送路261へ迎え入れることができるとともに、揚送路261から遊技球をスムーズに待機流路211へ送り出すことができるようになっている。
以上のことから、揚送路261の後方には、球磨き部材263aを押圧する押圧部材268が設けられ、押圧部材268は、前後方向に移動可能で付勢部材(圧縮コイルばね269)により前方に付勢されるとともに、案内流路212の下流端部と揚送路261を挟んで反対側に設けられ後方に延出する第1ガイド部材272cがガイドする第1被ガイド部268bと、待機流路211の上流端部と揚送路261を挟んで反対側に設けられ後方に延出する第2ガイド部材272cがガイドする第2被ガイド部268cと、を備え、第1被ガイド部268bと第2被ガイド部268cとが付勢部材により付勢されていることとなる。
押圧部268aは、その前面が揚送路261の後壁をなし、上述のように前方向に付勢されて配されることで、揚送路261内の遊技球を前側に配された揚送部材280に押し付け、上方への揚送を可能としている。なお、圧縮コイルばね269,269の付勢力は、遊技球や揚送部材280に過度の押圧力がかからない程度の付勢力とされている。また、押圧部268aの前面は、図8(a)、(c)に示すように、案内流路212、待機流路211との接続部分は平面とされて遊技球の受け入れが容易になるようにされ、その間の中央部分は、図8(b)に示すように、遊技球を揚送路261の中央に保持するように、左右側部が前側に突出するような湾曲した形状とされている。
また、この押圧部268aの前面の前後位置は、第1被ガイド部268b、第2被ガイド部268cが上部周囲壁273、下部周囲壁272の後端に接して前方向への移動が規制された状態において、左右の側部周囲壁274,274の後端と略同じ位置にあって、この位置から後方へ移動可能とされている。さらに、この押圧部268aの左右幅は、貫通部分の左右幅よりも若干狭く、側部周囲壁274,274と左右方向に隙間があくようにされており、この隙間が球磨き部材263aを挿通する開口部277,277とされている。
このように後壁部材202および押圧部材268によって形成される揚送路形成部264の後側部分における前側の開口には、前壁部材201と後壁部材202を接合することで揚送路形成部264の前側部分に配された揚送部材280が面するようになっており、筒状の揚送路261が形成されることとなる。なお、この揚送路261の上下幅は、封入球循環装置200の上下幅内に十分収まる幅とされ、封入球循環装置200の上端部に位置する案内流路212の上流側端部と、封入球循環装置200の下端部近傍に位置する待機流路211の下流側端部との上下方向の間隔に収まるように配されている。また、揚送路261は、案内流路212と待機流路211の間に配されていることから、案内流路212と待機流路211の左右方向の間隔内に配されていることとなる。
図2から4に示すように、球磨き部材263aは、薄い紙状に形成されたもの(例えば、紙、布)であって、側部周囲壁274,274の上下幅内に収まる上下幅を有する。この球磨き部材263aは、芯263bにロール状に巻かれたロール部材263として後壁部材202の後面に配されている。また、後壁部材202の後面であって貫通孔270の右側には、このロール部材263を回転可能に保持する上下に並んだ一対の保持部276,276が形成されている。この保持部276にはロール部材263の芯263bを挿入可能な挿入孔276aが形成されている。また、上側の保持部276に形成された挿入孔276aには、保持部276の前端部に開口する誘導孔276bが連続している。これにより、ロール部材263の装着時には、下側の挿入孔276aに芯263bを挿入した状態で前側に倒すように押し込むことで、誘導孔276bを通って上側の保持部276の挿入孔276aに芯263bを挿入できるようになっている。なお、誘導孔276bは、芯263bの径よりも若干狭く形成されており、挿入孔276aまで芯263bを押し込めば容易に抜けないようになっている。
上述のように後壁部材202の後面に配されたロール部材263から引き出された球磨き部材263aは、押圧部材268と右側の側部周囲壁274との隙間である開口部277から揚送路261側へ挿入され、押圧部材268と左側の側部周囲壁274との隙間である開口部277から外側へ抜けるように配される。これにより揚送路261に面する押圧部268aの前面側が球磨き部材263aで覆われ、上方へ揚送される遊技球が磨かれるようになっている。
また、この球磨き部材263aは側部周囲壁274,274の上下幅内に収まる上下幅を有しており、斜め後方流下部272aと斜め前方流下部273aとの間に配される。側部周囲壁274,274は、これら斜め後方流下部272aと斜め前方流下部273aよりも後方への突出幅が小さいので、斜め後方流下部272aと斜め前方流下部273aとが球磨き部材263aの上下のカバーになり、作業中など球磨き部材263aが引っかかってとれてしまうことがない。
以上のことから、案内流路212の下流部には、斜め後方に向けて遊技球を流下させ、下流端部が揚送路261の下部に連通する斜め後方流下部272aを形成するとともに、待機流路211の上流部には、上流端部が揚送路261の上部に連通し、斜め前方に向けて遊技球を流下させる斜め前方流下部273aを形成し、斜め後方流下部272aと斜め前方流下部273aとの間に球磨き部材263aを配設したこととなる。
また、所定期間使用して球磨き部材263aが汚れた場合は、押圧部材268と左側の側部周囲壁274との間の開口部277から外側へ抜けた球磨き部材263aの端部を引いてロール部材263から新しい球磨き部材263aを引き出すことで、押圧部268aの前面側を覆う球磨き部材263aを新しくすることができる。さらに、球磨き部材263aには所定の間隔でミシン目263c,263c,…が入っており、ミシン目263c,263c,…が入った部分が押圧部材268と左側の側部周囲壁274との間の開口部277から外側へ抜けるまで引き出して切り取ることで容易に使用済みの部分を処分できる。
以上のことから、揚送路261の後方に、球磨き部材263aを前方に押圧する押圧部材268が設けられ、揚送路261は、前方を揚送部材280、後方を押圧部材268、両側方を左右の側壁(側部周囲壁274,274)により構成され、該押圧部材268は、前後方向に移動可能で弾性部材(圧縮コイルばね269,269)により前方に付勢されるとともに、押圧部材268の左右の側辺と揚送路261の左右の側壁との間には、球磨き部材263aが貫通する左右の開口部277,277が形成され、押圧部材268の一側方で案内流路212または待機流路211の後方に、薄い紙状に形成された球磨き部材263aをロール状に巻いたロール部材263を回転可能に保持する保持部276,276が形成され、ロール部材263から引き出された球磨き部材263aは、一側方の開口部277から押圧部材268の前方を通り他側方の開口部277から他側方に抜けて設置されるとともに、球磨き部材263aには、所定間隔にミシン目263c,263c,…が入っていることとなる。
以上のように構成される球磨き装置260によって、循環して使用される遊技球が発射装置60へ移送される途中で磨かれることとなる。遊技球は、発射装置60から遊技領域へ向かって発射された後、封入球循環装置200に回収され、左右に蛇行した案内流路212を流下する。そして、下流側部分に形成された斜め後方流下部272aおよび誘導リブ215によって斜め後方へ誘導され、揚送路261の下端部に流入する。
斜め後方流下部272aを通って揚送路261の下端部に至った遊技球は、ここで揚送部材280の溝282に嵌るとともに、後方から押圧部材268によって押圧されて揚送部材280に押し付けられる。そして、揚送部材280の回転に伴って溝282が上方へ移動することに伴い、遊技球は上方へ揚送される。このとき、揚送路261の下端部に流入した遊技球は、斜め後方流下部272aに形成された案内流路212の流出口と対向するように形成された湾曲部272bによって上方向に誘導されることにより、確実に揚送路261へ導入されるようになっている。
揚送路261内の遊技球は、球磨き部材263aに摺接して磨かれながら上方へ揚送される。上述したように揚送路261においては、溝282から球磨き部材263aまでの間隔が遊技球の直径よりも狭くなるように付勢されており、揚送路261の内部に誘導された遊技球には、押圧部268aの前面側を覆うように配された球磨き部材263aが後側から押し付けられるようになる。この状態で揚送部材280によって上方へ移送されることで、遊技球の表面が磨かれる。
このように球磨き装置260によって磨かれて揚送路261の上端部に至った遊技球は、湾曲部273bに沿って後方から見て左側へ誘導されて待機流路211に流入する。待機流路211と揚送路261との接続部分は斜め前方流下部273aによって形成され、この斜め前方流下部273aと誘導リブ216によって遊技球は斜め前方へ誘導される。そして、左右に蛇行する待機流路211を流下した遊技球は、球送り装置240に至り、再び発射装置60に送られる。
また、図5,7に示すように、案内流路212の下流側部分近傍の底面には、静電気除去部材292が設けられている。この静電気除去部材292はL字形に形成された金属板であって、一方の先端部には案内流路212を形成する流路構成部材204に係合できるように、コ字状に折り返した係合部293が形成されている。
この静電気除去部材292は、前壁部材201に形成された前後に貫通する開口207の後方から係合部293が形成された一端を挿入し、該係合部293を流路構成部材204の前端に係合させることで取り付けられている。さらに、前壁部材201の前面側に配される一端には、図示しないアース線が接続されるようになっている。また、静電気除去部材292が配される案内流路212の底面には、静電気除去部材292の厚みに等しい凹部208が形成され、静電気除去部材292を配設しても段差ができないようにして遊技球の流下を妨げないようになっている。そして、この静電気除去部材292上を遊技球が流下することで、遊技球に帯電していた静電気が除去されるようになっている。このように、遊技球が球磨き装置260に導入される前に静電気を除去することで、静電気により遊技球に付着していたごみなどを効率よく除去できるようになり、より球磨きの効果が高まる。すなわち、球磨き装置260の上流側の循環経路210内に、遊技球に接触して当該遊技球に帯電した静電気を除去する静電気除去部材292を設けたこととなる。
また、揚送部材280による遊技球の揚送速度は、球送り装置240で待機流路211内の遊技球が供給流路245に送られる供給速度よりも若干速くされ、待機流路211で待機する遊技球が不足することがないようにされている。さらに、常に待機流路211に所定量の遊技球が待機した状態とするために、待機流路211の上流側部分には、その位置における遊技球の有無を検出する待機球検出センサ213が設けられている。このような待機球検出センサ213を設けることで、待機流路211に遊技球が十分に供給されて待機球検出センサ213が設けられた位置まで遊技球で満たされ、待機球検出センサ213で遊技球の存在を検出した場合は、モータ285の駆動を停止する処理がなされて案内流路212からの遊技球の揚送が停止される。また、待機流路211の遊技球が発射装置60に供給されて減少し、待機球検出センサ213で遊技球の存在を検出しなくなった場合は、モータ285を駆動する処理がなされて遊技球が案内流路212から揚送されるようになっている。
以上のことから、遊技機本体内に所定数封入した遊技球を、発射位置から遊技領域に発射して遊技を行う一方、遊技を終えた遊技球を回収して発射位置に導いて遊技球を循環使用する循環経路210に、遊技球を揚送しながら球を磨く球磨き装置260を備えた封入球式遊技機100において、循環経路210に、遊技を終えた遊技球を回収する球回収部203と、球回収部203で回収された遊技球を球磨き装置260に流下案内する案内流路212と、球磨き装置260により磨かれながら揚送された遊技球を流下させるとともに、発射位置に送られる前の遊技球を所定数宛待機させる待機流路211と、待機流路211に待機している遊技球を発射位置へ一個宛送球する球送り装置240と、を備え、球磨き装置260は、案内流路212に下部が連通するとともに、待機流路211に上部が連通する揚送路261と、揚送路261に一部を臨ませ、回転することにより遊技球を揚送する揚送部材280と、揚送部材280を駆動する駆動源(モータ285)と、揚送部材280により揚送される遊技球が摺接し、球を磨く球磨き部材263aと、を備え、案内流路212と待機流路211との左右方向間隔内に揚送路261を配設するとともに、案内流路212の上端部と待機流路211の下端部との上下方向間隔内に揚送路261を配設したこととなる。
また、待機流路211の上流部に、所定数の遊技球が待機流路211に待機しているか否か検出する待機球検出器(待機球検出センサ213)を備え、球送り装置240が一個の遊技球を発射位置へ送球する時間よりも、球磨き装置260が一個の遊技球を待機流路211に送り出す時間を短く設定し、球磨き装置260は、待機球検出器が所定数の遊技球が待機していることを検出した場合には、駆動源(モータ285)の駆動を停止するようにしたこととなる。
また、遊技機本体内に所定数封入した遊技球を、発射位置から遊技領域に発射して遊技を行う一方、遊技を終えた遊技球を回収して発射位置に導いて遊技球を循環使用する循環経路210に、遊技球を揚送しながら球を磨く球磨き装置260を備えた封入球式遊技機100において、循環経路210に、遊技を終えた遊技球を回収する球回収部203と、球回収部203で回収された遊技球を球磨き装置260に流下案内する案内流路212と、球磨き装置260により磨かれながら揚送された遊技球を流下させるとともに、発射位置に送られる前の遊技球を所定数宛待機させる待機流路211と、を備え、球磨き装置260は、案内流路212に下部が連通するとともに、待機流路211に上部が連通する揚送路261と、揚送路261に一部を臨ませ、回転することにより遊技球を揚送する揚送部材280と、揚送部材280を回転駆動する駆動源(モータ285)と、揚送部材280により揚送される遊技球が摺接し、球を磨く球磨き部材263aと、揚送部材280と揚送路261を挟んで反対側に設けられ、球磨き部材263aを揚送路261側に押圧する押圧部材268と、を備え、揚送路261は、揚送部材280と、押圧部材268と、左右の側壁(側部周囲壁274,274)と、から構成され、押圧部材268は、前後方向に移動可能で付勢部材(圧縮コイルばね269,269)により前方に付勢されるとともに、押圧部材268の左右の側辺と揚送路261の左右の側壁との間には、球磨き部材263aが貫通する左右の開口部277,277が形成され、球磨き部材263aは、左右の開口部277,277を貫通して、押圧部材268の前方を左右方向に移動可能に設けられ、左右の側壁を、案内流路212および待機流路211よりも後方に突出させて形成して、揚送路261を案内流路212及び待機流路211より後方側にずらした位置に形成するとともに、押圧部材268の前面を左右の側壁の後端よりも後方へ移動可能としたこととなる。
なお、以上の実施形態の封入球式遊技機100においては、揚送部材280は、スパイラル歯車状の部材としたが、ベルトやスプロケット等を備えるものとしても良い。
また、球磨き部材263aは、紙状に形成され、遊技球の汚れを拭き取って磨くものであれば、布、紙に限られずなんでもよい。
また、弾性部材、付勢部材として圧縮コイルばね269を用いたがこれに限られるものではなく、他の種類のばねやゴムなどの弾性を有するものであれば良い。
次に図9を参照して、封入球循環装置の第1変形例について説明する。なお、以下主に上述の実施形態の封入球循環装置200と異なる部分について説明し、同様の部分については同じ符号を付して説明を省略する。なお、本変形例の封入球循環装置400においては、球回収部401が封入球循環装置400の上部に一体的に形成されている構成を示したが、基本的な機能は上述の球回収部203と同じである。
遊技球を磨く球磨き部材263aは、所定期間使用して汚れた場合は交換する必要があるが、この交換作業を容易にするために、本変形例の封入球循環装置400は、使用済みの球磨き部材263aを巻き取るための巻き取り装置410を備えている。
巻き取り装置410は、後壁部材202の後面であって、ロール部材263を保持する保持部276,276と揚送路261を挟んで対向するように配されている。この巻き取り装置410は、使用済みの球磨き部材263aを巻きつける芯411と、この芯411の上端部を回動可能に保持する保持部412と、芯411の下端部に接続し、芯411を回転駆動するモータ413とを備えている。そして、芯411が球磨き部材263aの延在方向に対して垂直、かつ、後壁部材202の後面と平行に配されるようになっていて、押圧部材268と左側の側部周囲壁274との間の開口部277から外側へ抜けた球磨き部材263aを巻き取り可能となっている。
また、巻き取り装置410のモータ413は、揚送路261を通る球数に応じて球磨き部材263aを巻き取って、未使用の球磨き部材263aが揚送路261に臨むように更新するようになっている。この揚送路261を通る球数の計測は、例えば、回収球センサ214や待機球検出センサ213、供給球検出センサ246での遊技球の検出数に基づいて行われるようになっており、所定数の遊技球が通過した場合に球磨き部材263aを更新するように制御されている。その他、所定時間ごとに更新するようにしても良いし、係員の操作に基づき更新するようにしても良い。
以上のことから、揚送路261の後方に、球磨き部材263aを前方に押圧する押圧部材268が設けられ、揚送路261は、前方を揚送部材280、後方を押圧部材268、両側方を左右の側壁(側部周囲壁274,274)により構成され、押圧部材268は、前後方向に移動可能で弾性部材(圧縮コイルばね269,269)により前方に付勢されるとともに、押圧部材268の左右の側辺と揚送路261の左右の側壁との間には、球磨き部材263aが貫通する左右の開口部277,277が形成され、押圧部材268の一側方で案内流路212または待機流路211の後方に、薄い紙状に形成された球磨き部材263aをロール状に巻いたロール部材263を回転可能に保持する保持部276,276が形成され、押圧部材268の他側方には、ロール部材263から引き出され、一側方の開口部277から押圧部材268の前方を通り他側方の開口部277から他側方に抜けた球磨き部材263aを巻き取る巻き取り装置410が設けられ、巻き取り装置410は、揚送路261を通る球数に基づいて、球磨き部材263aを巻き取るようにしたこととなる。
次に図10,11を参照して、封入球循環装置の第2変形例について説明する。なお、以下主に上述の実施形態の封入球循環装置200と異なる部分について説明し、同様の部分については同じ符号を付して説明を省略する。
上述の実施形態における封入球循環装置200内の遊技球を抜き取る際には、球抜き装置230を操作すればよいが、球磨き装置260が備えられているため、単に球抜き装置230を操作しただけでは、全ての遊技球を抜き取ることができない。すなわち、上述したように、揚送路261内においては、遊技球を確実に磨くことができるように、揚送部材280と球磨き部材263aとの間隔が遊技球の直径より狭くされ、球磨き部材263aが遊技球に押し付けられた状態となっている。さらに遊技球は、図6に示すように揚送部材280の溝282に載って保持され、球磨き部材263aが押し付けられた状態で揚送できるようにされている。よって、この状態で、球磨き装置260よりも下流側に位置する球抜き装置230を操作しても、待機流路211内の遊技球は流出するが、揚送路261、案内流路212内の遊技球は流下せず、揚送部材280を動作させて待機流路211に揚送しなければ抜き取ることができない。
本変形例の封入球循環装置500は、揚送路261、案内流路212内の遊技球を抜き取るための第2球抜き装置501を備え、このような球抜き作業をより容易にしている。第2球抜き装置501は、案内流路212の下流側端部を形成する斜め後方流下部272aに形成されており、斜め後方流下部272aの後面全体に形成された遊技球を外部に流出させるための球抜き開口部502と、該球抜き開口部502を塞ぐ蓋部材503を備える。蓋部材503は、球抜き開口部502をちょうど塞ぐことのできる大きさの板状の部材であって、後面側から見て右側の一側部が、後壁部材202の後面に軸支されて扉状に回動可能とされ、図10(a)、図11(b)に示すように、球抜き開口部502を塞いだ状態と、図10(b)、図11(c)に示すように、開放した状態とに変換可能とされている。また、斜め後方流下部272aの後方左端部およびその下部の駆動源取付部267には、蓋部材503の開放端側を係止する係止部504,504が形成されており、これによって、蓋部材503が球抜き開口部502を閉鎖した状態で保持されるようになっている。
また、図10(b)に示すように、案内流路212の底面をなす斜め後方流下部272aの下側の面は、球抜き開口部502に向かって後方に下る下り傾斜部505とされ、この下り傾斜部505に沿って遊技球が流下して球抜き開口部502から流出するようになっている。さらに、斜め後方流下部272aに対応して案内流路212の下流側へ向かって後方へ突出するように形成された誘導リブ215aによって、案内流路212を流下した遊技球は球抜き開口部502の方向(後方向)へ誘導される。この誘導リブ215aは、遊技球が接する後端面の形状が、下流側へ向かって後方への傾斜がきつくなるように湾曲した形状とされ、かつ、その湾曲した部分の下流側端部が球抜き開口部502と前後に対応するように位置している。これによって、湾曲した部分に沿って誘導された遊技球が確実に球抜き開口部502へ向かって流下するようにされている。なお、蓋部材503を閉じた状態では、遊技球が誘導リブ215aの湾曲部分によって球抜き開口部502へ誘導されても蓋部材503に当接して揚送路261へ誘導されるようになっている。また、球抜き開口部502の下方に位置する駆動源取付部267の上面には、球抜き開口部502から流出した遊技球を流下案内する溝状の球抜き流下案内路506が形成されている。
以上のような第2球抜き装置501を備える封入球循環装置500においては、待機流路211内の遊技球は、球抜き装置230を操作することで抜き取ることができ、揚送路261、案内流路212内の遊技球は第2球抜き装置501を操作することで抜き取ることができる。第2球抜き装置501においては、係止部504,504による係止を解除して蓋部材503を後方へ回動させると、案内流路212内の遊技球が誘導リブ215aの後端面、下り傾斜部505の傾斜に沿って誘導され、球抜き開口部502から流出する。このとき、駆動源取付部267の上面に形成された球抜き流下案内路506に流下するので、流出した遊技球を容易に回収することができる。
さらに、図11(a)に示すように、押圧部材268を付勢部材としての圧縮コイルばね269,269の付勢力に抗して後方に引くことによって、押圧部268aと揚送部材280との間隔が遊技球の直径以上に広がり、遊技球が揚送路261内を落下する。この揚送路261の下部には湾曲部272bが形成されており、遊技球はこの湾曲部272bに沿って斜め後方流下部272aへ誘導され、下り傾斜部505の傾斜に沿って球抜き開口部502から流出するようになっている。なお、第2球抜き装置501の蓋部材503を開放することに伴い、自動的に押圧部材268が後方へ移動するようにしても良い。
以上のことから、待機流路211の下流端部には、待機流路211内の遊技球を外部に流出させる第1球抜き装置(球抜き装置230)と、案内流路212の下流端部には、案内流路212内の遊技球及び揚送路261内の遊技球を外部に流出させる第2球抜き装置501と、を設け、第2球抜き装置501は、斜め後方流下部272aの後方に遊技球を外部に流出させるための球抜き開口部502と、球抜き開口部502を塞いだ状態と開口した状態とに変換可能な蓋部材503と、斜め後方流下部272aの底壁を球抜き開口部502へ向けて下り傾斜させた下り傾斜部505と、を備え、揚送路261内の遊技球を外部に流出させる場合には、押圧部材268を付勢部材(圧縮コイルばね269,269)の付勢に反して後方へ移動させることにより、揚送路261内の遊技球を球抜き開口部502に流下させるようにしたこととなる。
以上のような封入球式遊技機は、遊技機本体内に所定数封入した遊技球を、発射位置から遊技領域に発射して遊技を行う一方、遊技を終えた遊技球を回収して発射位置に導いて遊技球を循環使用する循環経路210に、遊技球を揚送しながら球を磨く球磨き装置260を備えた封入球式遊技機100において、循環経路210に、遊技を終えた遊技球を回収する球回収部203と、球回収部203で回収された遊技球を球磨き装置260に流下案内する案内流路212と、球磨き装置260により磨かれながら揚送された遊技球を流下させるとともに、発射位置に送られる前の遊技球を所定数宛待機させる待機流路211と、を備え、球磨き装置260は、案内流路212に下部が連通するとともに、待機流路211に上部が連通する揚送路261と、揚送路261に一部を臨ませ、回転することにより遊技球を揚送する揚送部材280と、揚送部材280を回転駆動する駆動源(モータ285)と、揚送部材280により揚送される遊技球が摺接し、球を磨く球磨き部材263aと、揚送部材280と揚送路261を挟んで反対側に設けられ、球磨き部材263aを揚送路261側に押圧する押圧部材268と、を備え、揚送路261は、揚送部材280と、押圧部材268と、左右の側壁(側部周囲壁274,274)と、から構成され、押圧部材268は、前後方向に移動可能で付勢部材(圧縮コイルばね269,269)により前方に付勢されるとともに、押圧部材268の左右の側辺と揚送路261の左右の側壁との間には、球磨き部材263aが貫通する左右の開口部277,277が形成され、球磨き部材263aは、左右の開口部277,277を貫通して、押圧部材268の前方を左右方向に移動可能に設けられ、左右の側壁を、案内流路212および待機流路211よりも後方に突出させて形成して、揚送路261を案内流路212及び待機流路211より後方側にずらした位置に形成するとともに、押圧部材268の前面を左右の側壁の後端よりも後方へ移動可能としている。
したがって、循環経路210に、遊技球を球磨き装置260に流下案内する案内流路212と、球磨き装置260により磨かれながら揚送された遊技球を流下させる待機流路211と、を備え、球磨き装置260は、案内流路212に下部が連通するとともに待機流路211に上部が連通し、遊技球を揚送する揚送部材280を備えた揚送路261を備えるので、循環経路210の上下幅を小さくできる。すなわち、球磨き装置260を少ないスペースに効率よく配設でき、遊技盤1の遊技領域を拡大することが可能となり、より興趣の高い遊技機とすることができる。
また、球磨き装置260を配設しても、封入される遊技球の貯留量を減らすことなく循環経路210の上下幅を小さくでき、遊技中に遊技球が不足してしまうことを防止できる。
また、揚送路261の左右の側壁を、案内流路212および待機流路211よりも後方に突出して形成して、揚送路261を案内流路212及び待機流路211より後方側にずらした位置に形成するとともに、球磨き部材263aが配される押圧部材268の前面を左右の側壁の後端よりも後方へ移動可能としたので、球磨き部材263aの取り付け、取り外しが容易にできる。すなわち、このような構成とすることで、球磨き部材263aを左右の側壁の後端を通して押圧部材268の前面に配する際に、側方から挿入するように取り付けることができる。さらに、球磨き部材263aが汚れた場合には、左右方向に移動させればよく、作業の効率が向上する。
また、押圧部材268は、案内流路212の下流端部と揚送路261を挟んで反対側に設けられ後方に延出する第1ガイド部材272cがガイドする第1被ガイド部268bと、待機流路211の上流端部と揚送路261を挟んで反対側に設けられ後方に延出する第2ガイド部材273cがガイドする第2被ガイド部268cと、を備え、第1被ガイド部268bと第2被ガイド部268cとが付勢部材(圧縮コイルばね269)により付勢されている。
したがって、押圧部材268は、案内流路212の下流端部と揚送路261を挟んで反対側に設けられた第1被ガイド部268bと、待機流路211の上流端部と揚送路261を挟んで反対側に設けられた第2被ガイド部268cと、が付勢部材により付勢されている。すなわち、押圧部材268が付勢される部分は、揚送路261における遊技球の流入個所の反対側となるようにされているので、案内流路212からの遊技球をスムーズに揚送路261へ迎え入れることができるとともに、揚送路261から遊技球をスムーズに待機流路211へ送り出すことができる。
また、案内流路212の下流部には、斜め後方に向けて遊技球を流下させ、下流端部が揚送路261の下部に連通する斜め後方流下部272aを形成するとともに、待機流路211の上流部には、上流端部が揚送路261の上部に連通し、斜め前方に向けて遊技球を流下させる斜め前方流下部273aを形成し、斜め後方流下部272aと斜め前方流下部273aとの間に球磨き部材263aを配設している。
したがって、案内流路212の下流部に揚送路261の下部に連通する斜め後方流下部272aを形成するとともに、待機流路211の上流部に斜め前方流下部273aを形成し、斜め後方流下部272aと斜め前方流下部273aとの間に球磨き部材263aを配設したので、案内流路212、待機流路211と揚送路261との間の遊技球の流れがスムーズになる。すなわち、案内流路212よりも後方に位置する揚送路261に、案内流路212からの遊技球をスムーズに迎え入れることができるとともに、待機流路211よりも後方に位置する揚走路261から遊技球をスムーズに待機流路211へ送り出すことができる。
また、斜め後方流下部272aと斜め前方流下部273aとの間に球磨き部材263aが配されることとなるので、斜め後方流下部272aと斜め前方流下部273aとが球磨き部材263aの上下のカバーになり、例えば、作業中に球磨き部材263aに引っかかって球磨き装置260からはずれてしまうことがない。
また、待機流路211の下流端部には、待機流路211内の遊技球を外部に流出させる第1球抜き装置(球抜き装置230)と、案内流路212の下流端部には、案内流路212内の遊技球及び揚送路261内の遊技球を外部に流出させる第2球抜き装置501と、を設け、第2球抜き装置501は、斜め後方流下部272aの後方に遊技球を外部に流出させるための球抜き開口部502と、球抜き開口部502を塞いだ状態と開口した状態とに変換可能な蓋部材503と、斜め後方流下部272aの底壁を球抜き開口部502へ向けて下り傾斜させた下り傾斜部505と、を備え、揚送路261内の遊技球を外部に流出させる場合には、押圧部材268を付勢部材(圧縮コイルばね269,269)の付勢に反して後方へ移動させることにより、揚送路261内の遊技球を球抜き開口部502に流下させるようにしている。
したがって、待機流路211内の遊技球を外部に流出させる第1球抜き装置と、案内流路212内の遊技球及び揚送路261内の遊技球を外部に流出させる第2球抜き装置501とを設けたので、遊技機内の遊技球を容易に抜き取ることが可能となる。
また、第2球抜き装置501は、斜め後方流下部272aの後方に遊技球を外部に流出させるための球抜き開口部502を設けたので、案内流路212、揚送路261内の遊技球を容易に外部に流出させることができる。すなわち、斜め後方流下部272aは、案内流路212の下流部にあるとともに揚送路261の下部に位置するので、ここに球抜き開口部502を設けることで容易に外部に流出させることができる。
また、球磨き部材263aを揚送路261側に押圧する押圧部材268を付勢部材の付勢に反して後方へ移動させれば、揚送路261内の遊技球を球抜き開口部502に流下させることができるので、遊技機の電源が入っていなくても遊技球を抜き取ることが可能となる。
なお、本発明の封入球式遊技機100は、封入球式遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての封入球式遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。