JP4143801B2 - パチンコ式スロットマシンにおける球取込装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ式スロットマシンにおける球取込装置に関し、更に詳細には、ゲームを開始するに際して所定数のパチンコ球を機内に取り込むパチンコ式スロットマシンにおいて、ゲーム終了時等に通路内に残留するパチンコ球を全て抜き取り得るようにした球取込装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ式スロットマシンは、パチンコ遊技機の遊技媒体として用いられているパチンコ球を、コインの代わりに用いたスロットマシンであって、図16に示すように、スロットマシンの本体をなす筐体の正面側における略中央部に図柄表示装置140が配設されると共に、その下方にパチンコ遊技機と同様の上球皿142および下球皿144が夫々配設されている。図柄表示装置140は、図柄組合わせ条件を成立表示することのできる遊技装置であり、ドラム式図柄表示装置、ベルト式図柄表示装置、液晶式図柄表示装置等の各種形態の図柄表示装置が好適に採用される。例えば、ベルト式図柄表示装置を搭載した場合で述べれば、1つの本体ケース内に複数基(一般的には左列、中列、右列の3基)の図柄表示ユニット146を並列に収容セットして構成されている。
【0003】
各図柄表示ユニット146は、駆動基板を兼用するセット板に設けた回転駆動手段と、該回転駆動手段を構成する各プーリに展張掛装され、その外面に色彩区分された数字、アルファベット文字、その他の図形やマーク等の各種多様な図柄を配設した無端状の図柄ベルトと、位置決め検出手段および照明手段等を含めて単一にユニット化されたものである。そして、これら3基の図柄表示ユニット146が並列に収容セットされた本体ケースは、その前面側に開口した図柄表示部に、夫々の図柄表示ユニット146における図柄ベルトが横並び状態で臨んでいる。また図柄表示装置140では、各図柄ベルト毎に3コマ分の図柄が筐体の正面側に臨むように設定されており、これにより該正面側に合計9個(3列×3段)の図柄が停止表示されることになる。
【0004】
この図柄表示装置140が配設されたパチンコ式スロットマシンは、遊技ホール内の設置枠台(通称「島」)に縦向きの姿勢で設置されて遊技に供され、その機内で展開される前記図柄表示ユニット146による図柄組合わせ遊技が成立した場合(すなわち図柄組合わせによる得点があった場合)に、筐体内部に配設された球容器や整流路および球送出路等からなる球貯留排出経路部内に貯留されているパチンコ球(貯留球とも云う)を、該球送出路における球送出口の下方に配設した球払出装置の作動制御のもとで、所定数の賞球として筐体前面側の上球皿側または下球皿側へ適宜給出するようになっている。
【0005】
前記球払出装置によって上球皿側に供給された所定数のパチンコ球は、該上球皿の下流側に配設された球取込装置によってパチンコ式スロットマシンの機内に取り込まれる。この球取込装置は、パチンコ式スロットマシンにおける上球皿の裏側の所定位置に配設され、パチンコ球を通出案内するための球送出路部と連通する球通路が形成されたものであって、その内部には、球送り体と規制部材およびパチンコ球の検出手段等が配設されている。このうち球送り体は、外周に形成した複数の球受部を前記球通路に臨ませて1球ずつの球送り回転によりパチンコ球を球取込装置外に排出するよう構成される。また規制部材は、球取込み信号に基づいて作動制御される電磁ソレノイドの励磁・消磁条件に従って切替え作動されて、球送り体を回転停止と回転可能な解放との状態に規制するものであり、更に前記検出手段は、機内に取り込まれるパチンコ球が該球取込装置の球通路を通過したことを検出するものである。
【0006】
前述したパチンコ式スロットマシンのゲームを開始するに際しては、前記球取込装置を介して所定数のパチンコ球(例えば5球)が機内に取り込まれた後、遊技者がスタートレバーを操作することにより、前記図柄表示装置140に配設された各図柄表示ユニット146が夫々同一方向に回転する。筐体の正面側には、左列、中列、右列の3基の各図柄表示ユニット146に対応してストップボタンが夫々配設されており、図柄表示ユニット146が回転した後に、遊技者が対応するストップボタンを順次押して停止させることで、図柄を組合わせ得るようになっている。また、遊技者がゲームを終了する際に上球皿に残留しているパチンコ球は、筐体正面の適宜位置に設けられた球抜き手段を操作することにより下球皿側に抜き取り得るよう構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記パチンコ式スロットマシンにおいて、球取込装置内の球抜きを行なう場合は、該装置の下流側に設けた通路切替装置を切替え操作して前記球通路を下球皿側に連通する状態とした後、球取込装置を作動させることで球抜きが行なわれるようになっている。この場合において、遊技者が、例えばセルロイド板あるいは針金等により通路切替装置を不正に下球皿側に連通する状態に固定し、この状態でゲームを行なうと、機内に取り込まれるべきパチンコ球が球皿側に戻されることになる。すなわち、規定数のパチンコ球が機内に取り込まれていないにも拘わらず、ゲームが開始されてしまうと云った不正行為が行なわれる畏れがある。
【0008】
また球取込装置には、前記規制部材の作動手段としてのソレノイドやモータ等が配設されているため、これらが故障した場合には、球抜き作業が不可能となってしまう難点がある。更に、前記通路切替装置を別途配設しなければならず、限られたスペース内で該装置を配設する空間を確保することが難しい状況にある。なお、これらの課題に対しては、球取込装置におけるパチンコ球の通入口よりも上流側に通路切替装置を配設することが考えられるが、この場合は球取込装置内に残留しているパチンコ球の抜き取りができない難点がある。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、球取込装置内に残留しているパチンコ球を、ゲーム終了時等において全て抜き取ることができ、また遊技者による不正行為を防止し得るパチンコ式スロットマシンにおける球取込装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係るパチンコ式スロットマシンにおける球取込装置は、
上球皿から供給されるパチンコ球を通出案内するための球送出路部および機内へパチンコ球を取込む取込み通路に連通する球通路が形成されると共に、外周に形成した複数の球受部を前記球通路に臨ませて1球ずつの球送り回転によりパチンコ球を前記取込み通路に排出し得る球送り体と、球取込み信号に基づいて作動制御される電磁ソレノイドの励磁・消磁条件に従って切替え作動されて前記球送り体を回転停止と回転可能な解放との状態に規制する規制部材と、前記球送り体からのパチンコ球排出位置より下流側に配設され、前記球通路から排出されるパチンコ球を検出する検出手段とを備えるパチンコ式スロットマシンにおける球取込装置において、
前記球送り体からのパチンコ球排出位置より上流側に配設され、前記球通路に規定個数のパチンコ球が停留していることを検知する検知センサと、
前記球通路の下面側において前記球送り体の上流側に設けられて球抜き路に連通し、該球送り体で停留されている最先行のパチンコ球および該最先行のパチンコ球に接触する上流側のパチンコ球が球抜き路に落下可能な寸法に設定された開口部と、
この開口部に対する開放状態と閉鎖状態との間で移動し得るよう配設された通路開閉弁と、
この通路開閉弁を開放状態と閉鎖状態とに切替え作動させる駆動手段とを有し、
前記球通路は、前記球送出路部に連通する第1の通路部分と、第1の通路部分より下方に位置して前記取込み通路に連通し、前記開口部が設けられた第2の通路部分と、第1および第2の通路部分に連通し、第2の通路部分に設けられた前記開口部に向けて下方傾斜する第3の通路部分とを備え、
前記球通路を画成する球通路部材の内部上壁面を構成する第1案内面における球通路に沿う両側に、該第1案内面から離間するにつれて下方傾斜する第2案内面が形成され、第1案内面および第2案内面に、前記球送り体を球通路内へ臨ませるための通口が形成されることを特徴とする。
【0011】
【作用】
球取込装置の球通路と球抜き路とを連通する開口部は、通路開閉弁により開閉可能に構成される。また開口部は、球送り体から排出されるパチンコ球を検出する検出手段よりも上流側に設けられているから、通路開閉弁を開放状態に切替えることで、球通路内に停留しているパチンコ球は、検出手段で検出される前に球抜き路に排出される。すなわち、仮に遊技者がセルロイド板あるいは針金等により通路開閉弁を開放状態に不正に切替えても、球通路内のパチンコ球が球抜き路に排出されるのみで、検出手段では検出されないから、規定数のパチンコ球が機内に取り込まれていないにも拘わらずゲームが開始される等の不正行為は防止される。
【0012】
また、前記開口部を球送り体の上流側直前に設けることにより、該球送り体の回転が不能等になった際にも、前記通路開閉弁を開放状態に切替えることで、前記球通路内の全てのパチンコ球の球抜きを行ない得る。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るパチンコ式スロットマシンにおける球取込装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお本願の要旨は、パチンコ球の球通路を球抜き路に連通する開口部を、球通路を通過するパチンコ球を検出する検出手段よりも上流側に設けることであるが、その理解に資するため、球取込装置の全体構成に関して先ず説明する。
【0014】
本実施例においては、前記パチンコ式スロットマシン148における上球皿142が配設された基板12において、図12に示す如く、その裏側に形成された球送出路部14の球送出口と整合して、パチンコ球Tの取り込みに供される球取込装置10が所定角度で傾斜した状態で配設されており、該球取込装置10は図示しない取込制御装置からの出力信号(球取込み信号)により作動制御される。この球取込装置10は、その基本的な構成として図1および図2に示す如く、矩形箱体状に形成された合成樹脂製のケース体16内に、球取込み機構を構成する電磁ソレノイド18や球制御基板20等を収容して構成され、ケース体16単位のユニット体として取扱い得るようになっている。なお球取込装置10に関する以後の説明において、前後、左右および上下とは、該装置10を基板12に配設した図12に示す状態を裏面側から観察した位置関係で指称するものとする。
【0015】
(ケース体について)
前記ケース体16は、図2に示す如く、矩形状の後面壁22aが成形されたベース部材22と、図1に示すように該後面壁22aと略同一寸法の前面壁24aが成形されたカバー部材24とから構成される。このうちベース部材22は、後面壁22aの上縁部から前方に延出する上面壁22b、後面壁22aの下縁部から前方に延出する下面壁22c、後面壁22aの左縁部から前方に延出する左面壁22dおよび後面壁22aの右縁部から前方に延出する右面壁22eの各壁面によって前方に開口する箱状に形成されたものである。またカバー部材24は、前面壁24aの上縁部から後方に延出する上面壁24b、前面壁24aの下縁部から後方に延出する下面壁24c、前面壁24aの左縁部から後方に延出する左面壁24d(図13参照)および前面壁24aの右縁部から後方に延出する右面壁24eの各壁面によって後方に開口する箱状に成形されたものである。そして、このベース部材22およびカバー部材24がビス42により着脱可能に組付けられて、図3に示すように、矩形状の箱体を呈するようになっている。
【0016】
前記ベース部材22の上面壁22b、下面壁22c、左面壁22dおよび右面壁22eの開放端(前端)には、嵌合凸部26が形成されると共に、カバー部材24の上面壁24b、下面壁24c、左面壁24dおよび右面壁24eの開放端(後端)に嵌合凹部28(図13参照)が形成され、両部材22,24は嵌合凸部26に嵌合凹部28を嵌合する印籠構造により位置決めされる。またベース部材22の後面壁22aにおける右側近傍に、位置決め支柱29が前側に向けて突設され、該支柱29の先端に突設したピン29aを、前記球制御基板20の位置決め孔20aを通してカバー部材24における前面壁24aの対応位置に設けたボス(図示せず)の孔に挿通することでも位置決めされるようになっている。
【0017】
更に、ベース部材22の後面壁22aにおける略中央部に固定用支柱30が前方に向けて突設されると共に、該支柱30の先端にはビス孔32aが形成された小径のボス32が突設されている。また該後面壁22aの左下方には、別の固定用支柱34が前方に向けて突設され、その先端部に別のビス孔36aが形成された小径ボス36を突設している。これに対してカバー部材24の前面壁24aには、ボス32と対応する位置に通孔38が穿設され、また別のビス孔36aと対応する位置に別の通孔40が穿設されており、該通孔38および別の通孔40を介してカバー部材24の外側(前側)からビス42をビス孔32aおよび別のビス孔36aに螺挿することで、図3に示す如く、ベース部材22とカバー部材24とが位置決め固定される。
【0018】
なお、前記ベース部材22の後面壁22aには、図2に示すように、その下面壁22cから上方に向けて僅かに離間する位置に内部側壁44が形成されている。この内部側壁44は、下面壁22cが前方に突出した幅と整列した状態でこれと平行に形成された部位であって、その延在途次には、パチンコ球Tを後述する球通路52から機外に抜き取るための開口部46(後述)を構成する凹部48が形成されている。またケース体16には、凹部48(開口部46)と対応する下面壁22c,24cに、前記基板12に設けられて前記下球皿144に連通する球抜き路(図示せず)に連通する排出口25が開設され、開口部46から落下したパチンコ球Tは排出口25を介して球抜き路に通出するよう構成される。
【0019】
(球通路部材について)
前記ベース部材22には、球通路52を画成するための球通路部材50が着脱可能に収容設置されている。この球通路部材50は、図4に示す如く、下側面が開放することで縦断面が門型を呈する合成樹脂製の部材であって、その長さが、ベース部材22の左面壁22dおよび右面壁22eが相互に離間する内径寸法と略同一になるよう寸法設定されている。そして当該球通路部材50を内部側壁44の上面に対してベース部材22の前面方向から着脱可能に収容設置することで、左右方向に延在する球通路52が画成されると共に、前記凹部48と対応する位置に、下側に開放した前記開口部46が形成されるようになっている。またベース部材22の左面壁22dおよび右面壁22eには、図2に示すように、前側に開放する矩形状の切欠部53,53が形成されており、球通路部材50の球通路52と対応する左右両端に形成された突部54,54を夫々対応する切欠部53,53に嵌挿することで、ベース部材22に対して球通路部材50が適正位置に位置決め設置されるよう構成してある。なお球通路部材50の第1設置部として機能する前壁50aには、位置決め片56が球通路52から離間する上方に所定長さで延出し、該位置決め片56に形成された通孔56aに、前記固定用支柱30のボス32が嵌挿されて位置決めがなされるよう構成される。
【0020】
また球通路部材50の前壁50aには、図4および図5に示す如く、その右側端部に近接した位置に左右一対の第1前当接部58a,58bが隣接状態で突設されると共に、該前壁50aの中央部および左側端部近傍に、第2前当接部60,60が第1前当接部58a,58bと同一高さで突設されている。この対をなす左右の第1前当接部58a,58bは、後述する球送り体86によるパチンコ球排出位置を挟む両側に位置すると共に、右第1前当接部58bが、球通路部材50と内部側壁44とで形成される前記開口部46よりも下流側に位置するよう設定されている。更に、一対の第1前当接部58a,58bが隣接する中間部位および各第2前当接部60には、その前端から所定高さで第1位置決め部としての前位置決めピン62が夫々突設されると共に、前記位置決め片56には通孔56aの外周囲に同じく第1位置決め部としてのボス部56bが突設されている。
【0021】
そしてこの第1前当接部58a,58b、第2前当接部60および前記位置決め片56に、前記電磁ソレノイド18(以下 第1ソレノイドと云う)等を制御する各種の電子部品を実装した前記球制御基板20の後面が当接すると共に、各前位置決めピン62,62および前記ボス部56bが、該球制御基板20に対応的に設けた被第1位置決め部としての前位置決め孔20a(図1参照)に嵌挿されることで、球通路部材50に対する球制御基板20の位置決めがなされるようになっている。また球通路部材50の前壁50aには、左右に離間して一対の第1係合部としての前フック64,64が突設され、両フック64,64を球制御基板20の左右端縁部に係脱可能に係合することで、球通路部材50に対して球制御基板20を位置決め状態で係合保持するよう構成してある。
【0022】
更に、前記球通路部材50の第2設置部として機能する後壁50bには、図6に示す如く、前記前壁50aの第1前当接部58a,58bと対応する位置に後当接部66a,66bが突設されると共に、その間には前端から所定長さで第2位置決め部としての後位置決めピン68が突設成形されている。そして一対の後当接部66a,66bに、後述する左右のセンサ70,71が配設された球センサ基板72の前面が当接すると共に、後位置決めピン68が、該球センサ基板72に対応的に設けた被第2位置決め部としての後位置決め孔72aに嵌挿されることで、球通路部材50に対する球センサ基板72の位置決めがなされるようになっている。
【0023】
また、前記球通路部材50の後壁50bには、後当接部66a,66bを挟んで左右に離間する位置に一対の第2係合部としての後フック74,74が突設され、両フック74,74を球センサ基板72の左右両端縁部に係脱可能に係合することで、球通路部材50に対して球センサ基板72を位置決め状態で係合保持するよう構成してある。更に、図4および図6に示す如く、当該後壁50bの外縁部には、位置決め固定された球センサ基板72の後面より後方に延出する立上がり部75が設けられ、当該球通路部材50を前記ベース部材22に位置決め設置した際に、該立上がり部75の後端がベース部材22の後面壁22aに当接することで、球センサ基板72を保護するよう構成される。
【0024】
(球制御基板および球センサ基板に配設されるセンサについて)
前記球制御基板20および球センサ基板72には、前記球通路52内を通過するパチンコ球Tを検出可能な検出手段としての左センサ70および右センサ71が配設されている。両センサ70,71は、ともに光学センサタイプが使用される例において、球制御基板20に配置された発光ダイオード70a,71aと、球センサ基板72に対応的に配置されたホトトランジスタ70b,71bとが組とされている。そして発光ダイオード70a,71aは、前記第1前当接部58a,58bに穿設されて球通路52に連通する通孔59,59に前側から挿通されると共に、ホトトランジスタ70b,71bは、前記後当接部66a,66bに穿設されて球通路52に連通する通孔67,67に後側から挿通されて、各発光ダイオード70a,71aと対応するホトトランジスタ70b,71bの光軸が球通路52を挟んで一致するよう設定され、該球通路52を通過するパチンコ球Tを検出し得るよう構成される。なお、センサ70,71は、後述する球送り体86によるパチンコ球排出位置を挟む両側に位置すると共に、右センサ71が前記開口部46よりも下流側に配設されている。また、左センサ70および右センサ71は、互いに1球分の検出間隔で配置されており、左センサ70は、前記球通路52内に停留されている排出前(機内への取り込み前)のパチンコ球Tの存在を検出し、右センサ71は、球送り体86の回転により球取込装置10から排出されて機内に取り込まれるパチンコ球Tを検出するよう構成される。
【0025】
(球流通部材の球通路について)
前記球通路52を画成する球通路部材50の内部上壁面は、図1および図4に示す如く、ベース部材22の内部に成形された前記内部側壁44と平行な第1案内面76aと、該第1案内面76aの前後両側に位置して前後両内壁面に向けて所定角度で傾斜する第2案内面76b,76bとから形成されており、球通路52は縦断面において6角形状を呈するようになっている。また内部上壁面には、前記センサ用の前記通孔59,67と対応する位置に、球送り体86(後述)を球通路52内へ臨ませるための通口78が形成されている(図6および図9参照)。なお第1案内面76aおよび第2案内面76b,76bは、球通路52を通過するパチンコ球Tが通口78から上方(センサ用の通孔59,67から離間する方向)に浮き上がることがないように案内するよう、その寸法や角度等が設定されている。
【0026】
ここで、前記球通路52にパチンコ球Tが連続して停留している状態では、各パチンコ球Tが左右方向において相互に接触しているため、前記センサ用の通孔59,67を球通路52の上下幅方向の略中央に設けると、前記センサ70,71によるパチンコ球Tの通過を検出できなくなるおそれがある(発光ダイオードの検出光を遮った状態が続くため)。そこで、前記センサ用の通孔59,67は、図5および図6に示す如く、球通路52の上下幅方向中央より下方に偏位して設けられ、球通路52内に連続して臨む左右のパチンコ球Tの切目をセンサ70,71により確実に検出し得るよう設定される(図9参照)。
【0027】
(球流通部材に配設される規定個数検知センサについて)
前記球通路部材50の左側端部(上流端側)に近接した位置には、図4に示すように、前壁50aと後壁50bおよび内部上壁面に亘って凹部79が門型に形成されている。そして、この凹部79に、予め設定された規定個数(1ゲームを行なうのに必要な個数)のパチンコ球Tが前記球通路52に停留していることを検知する規定個数検知センサ(検知センサ)80が、球通路部材50の開放する下方から装着されている。すなわちこの規定個数検知センサ80は縦長の長方形に成形され、装着時において前記球通路52と対応する位置に到来する部分に、パチンコ球Tの通過を許容する直径の通過孔80aが開設されている。なお、規定個数検知センサ80が配設される位置は、図9に示す如く、球送り体86で通過規制される先頭(最下流側)のパチンコ球Tから上流側(球送り体86からのパチンコ球排出位置より上流側)に向けて、実施例では5個目のパチンコ球Tを検知し得る位置に設定されている。そして、当該パチンコ式スロットマシン148のゲーム開始に際しては、後述する如く、球通路52に規定の5個のパチンコ球Tが確実に存在することを、規定個数検知センサ80で検知していることに基づいて、該パチンコ球Tが機内に取り込まれるよう構成されている。
【0028】
(ベース部材に配設される球送り体について)
前記ベース部材22における後面壁22aには、図7および図8に示す如く、前記球通路部材50を該ベース部材22に配設した際に、その通口78と対応する位置に大径の取付けボス82が所要高さに立設されており、このボス82の軸心と整列して挿通配置される支軸84を介してスプロケット状の球送り体86が回動可能に支持されている。この球送り体86は、ポリアセタール等の比較的硬質の合成樹脂からなり、外周に形成した複数(実施例では6箇所)の区画爪部86aにより区画された各球受部86bを前記球通路部材50の通口78から球通路52内へ臨ませ、この球受部86bにより球通路52内を流下するパチンコ球Tを1個ずつ球圧を受けながら回転して排出し得るようになっている。そして、この球送り体86の上流側直前に、図9に示す如く、前記開口部46が位置するよう設定してある。
【0029】
(ベース部材に配設される規制部材等について)
前記球通路部材50の上方には、球送り体86の回転・停止規制をなす規制部材88の切替え作動源である前記第1ソレノイド18が収容配置されている。この第1ソレノイド18は、図1および図2に示す如く、例えばフラッパータイプのものであって、厚肉の金属板をコ字状に折曲形成したフレーム枠90と、該フレーム枠90の上面部90aの内部に配設される磁力発生部(ボビンとも云う)92とから基本的に構成されている。そして当該第1ソレノイド18は、図7に示すように、フレーム枠90が折曲された開放側を球送り体86に指向する姿勢でベース部材22内に配置されており、通電時に発生された励磁力が球送り体86を指向する磁着部18aに集中的に作用し得るようになっている。
【0030】
また規制部材88は金属製レバー状のものが例とされ、フレーム枠90における左側面部90bの開放端部近傍に傾動可能に支持されて磁着部18aの対向位置に規制部88aを水平方向に延在させており、電源投入時の作動状態(第1ソレノイド18の消磁状態)において、常には付勢手段としての引張バネ94により球送り体86の区画爪部86aを係止する方向へ付勢保持されて、該球送り体86を回転停止の状態に保持するよう構成されている(図14(b)参照)。その一方で、前記第1ソレノイド18の通電による励磁作動に伴い前記磁力発生部92に磁力が発生したときには、その磁力により前記引張バネ94の付勢力に抗して規制部材88が区画爪部86aから離間して磁着部18aに磁力吸着されて、球送り体86を回転可能な解放状態とし得るようになっている(図14(a)参照)。
【0031】
ここで前記左右のセンサ70,71では、前記規制部材88により球送り体86が拘束され、前記球通路52内に停留されている最先行(最右端)のパチンコ球Tを球受部86bに受入れた状態で停止されている状態において、図9に示す如く、前記左センサ70がこのパチンコ球Tを直接有検出するよう設定される。また第1ソレノイド18の励磁により磁着部18aに磁力吸着された規制部材88が傾動変化して球送り体86を解放すると、該球送り体86が受けた1球の重みで回転して同球を放出することにおいて、上流側に位置する前記左センサ70が放出球を検出しなくなったときに、第1ソレノイド18が消磁復帰されるようになっている。そして、この放出球を前記右センサ71がカウント検出するよう設定される。
【0032】
(規制部材等が収容される部分のベース部材について)
前記ケース体16のベース部材22における後面壁22aの内面(ケース体16の内面)には、図8に示す如く、前記第1ソレノイド18のフレーム枠90における左側面部90bの一方(後側)の側端縁部が当接する左位置決め突部96および右側面部90cの一方(後側)の側端縁部が当接する右位置決め突部97が、所定高さで突設されて夫々上下方向に延在すると共に、フレーム枠90の上面部90aにおける一方(後側)の側端縁部が当接する水平突部98が、所定高さで突設されて左右方向に延在している。なお、左右の位置決め突部96,97および水平突部98は、何れもフレーム枠90における折曲部から離間する側端縁部に当接するよう設定されている。すなわち、フレーム枠90の対応する側端縁部を各突部96,97,98に当接して位置決めした状態で、該フレーム枠90の膨出部を生ずる折曲部が、前記後面壁22aの内面に当接しないよう設定され、第1ソレノイド18の組付け状態でのガタ付き発生を防止するよう構成される。
【0033】
またベース部材22の前記後面壁22aの内面には、図8に示すように、フレーム枠90の左側面部90bにおける開放端を保持して左右および下方(球通路側)への移動規制を行なうコ字状の左保持部99と、フレーム枠90の右側面部90cにおける開放端を保持して右および下方への移動規制を行なうL字状の右保持部100とが所定高さで突設されている。更に左位置決め突部96に近接して、フレーム枠90の左側面部90bに形成された切欠部(図示せず)に係脱可能に係合する固定フック101が後面壁22aに突設されており、フレーム枠90が前記各突部96,97,98および両保持部99,100で位置決め保持された状態で、該固定フック101により開口部側への抜け止めがなされるよう構成される。
【0034】
(ベース部材に配設される通路開閉弁と駆動手段について)
前記球通路部材50を挟んで前記球送り体86と略対向する位置には、図9に示すように、前記内部側壁44に形成された凹部48と対応する位置に、通路開閉弁102が所定範囲で回動可能に軸支されている。すなわちこの通路開閉弁102は、該凹部48の横幅よりも僅かに小さい外径寸法に設定された長方形状の板状部材であって、図10に示す如く、横長方向に配置した状態においてその左右側面部の下端部近傍に、短尺な第1軸体104と第2軸体110とが軸心を整列して一体成形されている。この第1軸体104と第2軸体110は、ベース部材22の後面壁22aにおいて、その左右方向に離間する支持板部材112,112(後述)に対して前方から装着されて回動可能に軸支される。すなわち通路開閉弁102は、当該第1軸体104および第2軸体110を回動支軸として所定範囲で回動するよう構成されている。また、前記第1軸体104の開放端にクランクロッド106の一端部が連設され、該ロッド106に設けられる係合部108は、第1軸体104と反対方向に延出するようになっている。
【0035】
前記係合部108は、連繋部材114と第2ソレノイド116で構成される駆動手段118に連繋接続される。すなわち連繋部材114は、図9および図10に示すように、正面から観察した形状が逆L字状を呈するよう成形された部材であって、そのうちの長尺な第1片部114aが垂直方向に配置されると共に、短尺な第2片部114bが前記球通路部材50の延在方向(ベース部材22の左右方向)に沿って配置される。また第1片部114aの下端部には、ベース部材22の前方に指向して係合片114cが一体成形されている。係合片114cには、その上下方向の略中間位置から後方に向けて係合部108の通過を許容する第1溝114dが形成されており、この第1溝114dに対して、係合片114cの板面方向から該係合部108が略直交方向に挿通されて係合するよう構成される。また第2片部114bには、逆T字状の第2溝114eが、前方から後方に沿って形成されており、この第2溝114eに対して、前記第2ソレノイド116の係合板126が係脱可能に挿通配置されるようになっている。
【0036】
第2ソレノイド116は、図10に示すように、厚肉の金属板を門型に折曲成形することで下方に開放端部が指向してなるフレーム120と、一端部にフランジ122aが配設された磁力発生部122とから基本的に構成されており、該フランジ122aを下方に位置させた状態で、磁力発生部122の上方から当該フレーム120の下端部を対応する位置に固着してある。また磁力発生部122には、この内部に所要径のロッド124が上下動可能に配設されており、該ロッド124のフランジ122aから下方に延出する下端部に円形状の係合板126が配設されている。そしてこの係合板126を、連繋部材114の第2片部114bに形成した前記第2溝114eに対して前方から挿通することで、当該第2片部114bに係合するよう構成される。なお、係合板126とフランジ122aとの間には、ロッド124に対してバネ等の弾性部材128が巻装されており、第2ソレノイド116に通電されていない状態において、係合板126は常には弾性部材128を介して下方(フランジ122aから離間する方向)に付勢されている。
【0037】
(通路開閉弁および駆動手段が収容される部分のベース部材について)
前記ケース体16のベース部材22における後面壁22aの内面には、図2および図8に示す如く、前記内部側壁44の凹部48が形成された位置において、前記通路開閉弁102を収容し得る離間幅で2枚の支持板部材112,112が並列状態で一体形成されている。各支持板部材112には、通路開閉弁102に設けた前記第1軸体104または第2軸体110の挿通を許容する係合溝112aが、ベース部材22の前方から後方に向けて夫々凹設されており、この係合溝112a,112aに第1軸体104および第2軸体110が対応して係合されるようになっている。またベース部材22における後面壁22aの内面には、前記左位置決め突部96の左側に位置する部位に、垂直方向に成形された2枚の支持用板130,130が、前記フレーム120の左右幅と略同一の離間幅でもって並列に配置されると共に、各支持用板130の上下方向における略中間部位に、前記フレーム120を掛止するための掛止爪132が夫々対向方向に突出成形されている。そして支持用板130,130の間にフレーム120を前方から挿通し、その前端部を掛止爪132,132に掛止させることにより、第2ソレノイド116がベース部材22に位置決めされるよう構成される。
【0038】
更に、ベース部材22に形成した前記左保持部99の下方からは、図8に示す如く、前記内部側壁44と交差して後面壁22aの下方に延在する2枚の支持板134,134が僅かの間隙を設けた状態で一体成形されている。この間隙幅は、前記連繋部材114における第1片部114aの厚みよりも僅かに大きい寸法に設定されており、該間隙に対して前記球通路部材50の後方を上下に延在する第1片部114aが緩やかに係合したもとで上下動可能に臨んでいる(図11参照)。そして、この球通路部材50の下方に位置する前記係合片114cの第1溝114dに、前記クランクロッド106の係合部108が係合するようになっている。すなわち、前記第2ソレノイド116の励磁・消磁の条件によって連繋部材114が所定範囲で上下動することにより、前記通路開閉弁102が前記開口部46に対する閉鎖状態(図13(a))と開放状態(図13(b))との間を傾動するよう構成される。なお、第2ソレノイド116は、図示しない球抜きスイッチ等の球抜き手段を操作することで通電励磁されて、通路開閉弁102を開放状態に切替え作動させるようになっている。またこの場合に、球抜き手段を操作している間は第2ソレノイド116が励磁されるようにしたり、あるいは1回の操作に対して予め設定された時間だけ励磁するよう設定することが可能である。
【0039】
ここで、前記通路開閉弁102の上端部は、図11に示す如く、前記球通路部材50と凹部48とで形成される前記開口部46の内径に対して略半分以上の領域をカバーし得る幅寸法に設定されており、前記連繋部材114が下死点位置にある状態では、図13(a)に示すように、通路開閉弁102が起立し、その上端部が開口部46に対してその下方に臨んで、前記球通路52に通入したパチンコ球Tが開口部46から下方に脱落することなく該球通路52を通過し得るようになっている。これに対して連繋部材114が上死点位置にある状態では、図13(b)に示す如く、通路開閉弁102がケース体16の後方に傾斜して、その上端部が開口部46の下方から退避することで開口部46の下端部が完全に開放状態となり、球通路52に通入したパチンコ球Tが開口部46から落下して前記排出口25からケース体16の外方に排出されるよう構成してある。
【0040】
前記通路開閉弁102における閉鎖状態で前記球通路52のパチンコ球Tが接触する上端面102aは、図11に示すように前後方向に沿って所要曲率で湾曲するよう形成されており、前記球通路52に停留されているパチンコ球Tが該通路開閉弁102に載っている状態であっても、通路開閉弁102をスムーズに傾動し得るようになっている。
【0041】
【実施例の作用】
次に、前述のように構成された本実施例に係るパチンコ式スロットマシンにおける球取込装置の作用につき説明する。
【0042】
(パチンコ球の取り込みについて)
前記ケース体16単位で取扱われる前記球取込装置10は、図12に示す如く、パチンコ式スロットマシン148における上球皿142が配設された基板12おいて、上球皿142に連通する球送出路部14の球送出口に、前記球通路52の通入口が整合すると共に、該球通路52の通出口が機内への取込み通路55に整合した状態で、通入口側から通出口側に向けて下方傾斜するよう配設される。またケース体16の下面壁22c,24cに開設された排出口25が、下球皿144への球抜き路に連通する。なお、このとき、前記第1ソレノイド18に対して通電はなされておらず、図9に示すように、前記規制部材88が前記引張バネ94の付勢力により拘束状態に保持されることで、前記球送り体86は回転停止状態となっている。更に、前記駆動手段118の第2ソレノイド116に対しても通電はなされておらず、図13(a)に示すように、前記連繋部材114が前記弾性部材128の付勢力により下死点位置に保持されることで、前記通路開閉弁102は前記開口部46を閉成する閉鎖状態に保持される。
【0043】
この状態で、遊技者が上球皿142にパチンコ球Tを供給すると、該パチンコ球Tは球送出路部14を介して球取込装置10の球通路52に流入し、前記規制部材88によって回転が停止されている球送り体86の前記球受部86bに最初のパチンコ球Tが当接し、それ以後のパチンコ球Tが上流側に順次停留されることになる。この最下流の位置にあるパチンコ球Tは、図9に示す如く、球通路部材50に配置された左センサ70を構成する発光ダイオード70aとホトトランジスタ70bとの間の光軸を遮断するため、該センサ70と電気的に接続された制御回路(図示せず)がパチンコ球Tの存在を検出する。この状態からパチンコ球Tが順次供給されて最下流側にあるパチンコ球Tから5個目のパチンコ球Tが、前記規定個数検知センサ80の通過孔80aに到来してこれを検知すると、パチンコ式スロットマシン148のゲーム開始に必要な規定個数(5個)のパチンコ球Tが球通路52に停留されたものと判断し、ゲームの開始が可能となる。
【0044】
前記左センサ70が球有検出条件(ON)にあることを前提として、球取込み信号が発信されると、前記第1ソレノイド18に通電されて前記磁力発生部92に磁力が発生し、図14(a)に示すように、前記磁着部18aに規制部材88が磁力吸着されることで球送り体86は回転停止状態から解放される。この結果として該球送り体86は、前記球通路52内のパチンコ球Tを球受部86bに受入れながら回転されて該パチンコ球Tが下流側に流れる。そして前記左センサ70がパチンコ球Tを検出しなくなった条件で、前記第1ソレノイド18が消磁復帰された際に、図14(b)に示す如く、前記規制部材88が引張バネ94の付勢力によって球送り体86の回転停止を図ると共に、該球送り体86から下流側に排出されたパチンコ球Tが前記右センサ71でカウント検出される。この動作が繰返されて規定個数分(5個)のパチンコ球Tが右センサ71でカウント検出されると、前記第1ソレノイド18が消磁復帰された状態に保持され、1回のゲームに必要なパチンコ球Tの取り込み作動が終了する。なお、球送り体86の下流側に流れるパチンコ球Tは、球通路52の通出口から取込み通路55に通入して機内へ取り込まれる。
【0045】
(パチンコ球の球抜きについて)
ゲームを終了してパチンコ球Tを上球皿142から球抜きする場合は、前記球抜き手段の操作に基づいて前記駆動手段118が作動される。すなわち、前記第2ソレノイド116が通電励磁され、該ソレノイド116に挿通配置されたロッド124が弾性部材128の弾性力に抗して磁力発生部122の内方に移動される。これにより前記係合板126を介して接続された前記連繋部材114が上死点位置に向けて移動されると共に、前記第1片部114aに形成された係合片114cの第1溝114dに摺動可能に係合している係合部108が上方に移動される。これにより、図13(b)に示す如く、前記通路開閉弁102が、第1軸体104および第2軸体110を回動支点としてケース体16の後方に傾斜し、前記開口部46の下端部が完全に開放状態となる。従って、前記球送出路部14から球通路52に通入するパチンコ球Tは開口部46から落下し、前記排出口25および球抜き路を介して前記下球皿144に抜き出される。
【0046】
前記開口部46は、右センサ71の配設位置より上流側に設けられているから、該センサ71でカウント検出されたパチンコ球Tが下球皿144に抜き出されることはない。すなわち、遊技者が、例えばセルロイド板あるいは針金等により前記通路開閉弁102を不正に開放状態に切替えたもとでゲームを行なおうとしても、前記球通路52に通入するパチンコ球Tはセンサ71で検出される前に下球皿144に戻されてしまうため、規定個数のパチンコ球Tが機内に取り込まれていないにも拘わらず、ゲームが開始されてしまうと云った不正行為を防止し得る。言い替えれば、遊技者が不正を行なおうとすることを抑制し得ると共に、遊技店に不利益が生じるのを防ぐことができる。また開口部を、機外に通じる球抜き路に直結することができるので、通路切替え装置等を別途設ける必要はなく、スペースの有効利用およびコストダウンを図り得る。
【0047】
更に、開口部46は、球通路52にパチンコ球Tを停留するための前記球送り体86の上流側直前に設けられているから、球通路52に停留される全てのパチンコ球Tを抜き出すことができ、遊技者に不利益が生じることもない。更にまた、通路開閉弁102は球送り体86やその作動手段(電磁ソレノイド18)とは独立して作動するよう構成されているから、球送り体86や電磁ソレノイド18が故障したとしても、球抜きができなくなる事態が発生することはない。
【0048】
前記球抜き手段の操作をやめるか、または所定時間が経過することで、前記第2ソレノイド116に通電されなくなって消磁されると、前記弾性部材128の弾性力によりロッド124が下降し、これに伴って前記連繋部材114が下死点位置に向けて移動する。これにより、図13(a)に示す如く、前記通路開閉弁102が、第1軸体104および第2軸体110を回動支点としてケース体16の前方に傾斜し、前記開口部46の下端部を閉成する閉鎖状態となる。従って、前記球送出路部14から球通路52に通入するパチンコ球Tは開口部46から落下することなく、前記球送り体86で順次停留される。
【0049】
実施例では、規定個数検知センサを球取込装置の内部に配設した場合で説明したが、該装置の球通路に連通する球送出路部に配設してもよい。また該検知センサで検知する規定個数は、実施例の5個に限らずその他の任意の数であってもよい。更に、開口部を開閉する通路開閉弁は、傾動方式に限らず前後または左右方向にスライドすることで開口部を開閉する構成を採用し得る。更にまた、通路開閉弁を切替え作動させる駆動手段の駆動源としては、実施例のノレノイドに限定されるものでなく、モータ等その他のものであってもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るパチンコ式スロットマシンにおける球取込装置によれば、球通路からの球抜きを行なう開口部を、球通路を通過するパチンコ球を検出する検出手段よりも上流側に設けたことで、検出手段で通過検出されたパチンコ球が機外に抜き出されることはなくなる。すなわち、遊技者が、例えばセルロイド板あるいは針金等により通路開閉弁を不正に開放状態に切替えたもとでゲームを行なおうとしても、前記球通路に通入するパチンコ球は検出手段で検出される前に機外に戻されるから、規定個数のパチンコ球が機内に取り込まれていないにも拘わらず、ゲームが開始されてしまうと云った不正行為を防止し、遊技店に不利益が生じるのを防ぐことができる。また開口部を、機外に通じる球抜き路に直結することができるので、通路切替え装置等を別途設ける必要はなく、スペースの有効利用およびコストダウンを図り得る。
【0051】
更に、前記球通路にパチンコ球を停留するための球送り体の上流側直前に開口部を設けることで、球通路に停留される全てのパチンコ球を抜き出すことができ、遊技者に不利益が生じることはない。更にまた、通路開閉弁は球送り体やその作動手段としての電磁ソレノイドとは独立して作動するよう構成されているから、球送り体や電磁ソレノイドが故障しても、球抜きを行なうことができる。
また、球送り体で停留されている最先行のパチンコ球を検出可能なセンサおよび検出手段を、球通路の上下幅方向中央より下方に偏位して設けることで、球通路内に連続して臨むパチンコ球の切目をセンサおよび検出手段により確実に検出し得る。更に、球通路を画成する内部上壁面における第1案内面の両側に、下方傾斜する第2案内面を設けることで、球通路を通過するパチンコ球が、球送り体を球通路内に臨ませるための通口から上方に浮き上がることがないように案内し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る球取込装置を、ベース部材からカバー部材を取外した状態で示す概略斜視図である。
【図2】実施例に係る球取込装置のベース部材から各構成部材を取外した状態で示す概略斜視図である。
【図3】実施例に係る球取込装置を示す概略斜視図である。
【図4】実施例に係る球取込装置に配設される球通路部材を示す概略斜視図である。
【図5】実施例に係る球取込装置に配設される球通路部材の正面図である。
【図6】実施例に係る球取込装置に配設される球通路部材の背面図である。
【図7】実施例に係る球取込装置のベース部材を示す正面図である。
【図8】実施例に係る球取込装置のベース部材から各構成部材を取外した状態を示す正面図である。
【図9】実施例に係る球取込装置にパチンコ球が供給された状態をカバー部材を取外した状態で示す正面図である。
【図10】実施例に係る通路開閉弁およびその駆動手段を示す分解斜視図である。
【図11】実施例に係る球取込装置のベース部材を示す縦断側面図である。
【図12】実施例に係る球取込装置を基板に配設した状態を示す正面図である。
【図13】実施例に係る球取込装置における球通路とパチンコ球との関係を示す縦断側面図である。
【図14】実施例に係る球取込装置における球通路とパチンコ球との関係を示す正面図である。
【図15】実施例に係る球取込装置における開口部からパチンコ球が抜き出される状態を示す正面図である。
【図16】実施例に係る球取込装置を備えたパチンコ式スロットマシンの正面図である。
【符号の説明】
14 球送出路部
18 第1ソレノイド(電磁ソレノイド)
46 開口部
50 球通路部材
52 球通路
55 取込み通路
70 左センサ ( センサ )
71 右センサ(検出手段)
76a 第1案内面
76b 第2案内面
78 通口
80 規定個数検知センサ(検知センサ)
86 球送り体
86b 球受部
88 規制部材
102 通路開閉弁
118 駆動手段
142 上球皿
Claims (2)
- 上球皿(142)から供給されるパチンコ球(T)を通出案内するための球送出路部(14)および機内へパチンコ球(T)を取込む取込み通路(55)に連通する球通路(52)が形成されると共に、外周に形成した複数の球受部(86b)を前記球通路(52)に臨ませて1球ずつの球送り回転によりパチンコ球(T)を前記取込み通路(55)に排出し得る球送り体(86)と、球取込み信号に基づいて作動制御される電磁ソレノイド(18)の励磁・消磁条件に従って切替え作動されて前記球送り体(86)を回転停止と回転可能な解放との状態に規制する規制部材(88)と、前記球送り体(86)からのパチンコ球排出位置より下流側に配設され、前記球通路(52)から排出されるパチンコ球(T)を検出する検出手段(71)とを備えるパチンコ式スロットマシンにおける球取込装置において、
前記球送り体(86)からのパチンコ球排出位置より上流側に配設され、前記球通路(52)に規定個数のパチンコ球(T)が停留していることを検知する検知センサ(80)と、
前記球通路(52)の下面側において前記球送り体(86)の上流側に設けられて球抜き路に連通し、該球送り体(86)で停留されている最先行のパチンコ球(T)および該最先行のパチンコ球(T)に接触する上流側のパチンコ球(T)が球抜き路に落下可能な寸法に設定された開口部(46)と、
この開口部(46)に対する開放状態と閉鎖状態との間で移動し得るよう配設された通路開閉弁(102)と、
この通路開閉弁(102)を開放状態と閉鎖状態とに切替え作動させる駆動手段(118)とを有し、
前記球通路(52)は、前記球送出路部(14)に連通する第1の通路部分と、第1の通路部分より下方に位置して前記取込み通路(55)に連通し、前記開口部(46)が設けられた第2の通路部分と、第1および第2の通路部分に連通し、第2の通路部分に設けられた前記開口部(46)に向けて下方傾斜する第3の通路部分とを備え、
前記球通路 (52) を画成する球通路部材 (50) の内部上壁面を構成する第1案内面 (76a) における球通路 (52) に沿う両側に、該第1案内面 (76a) から離間するにつれて下方傾斜する第2案内面 (76b,76b) が形成され、第1案内面 (76a) および第2案内面 (76b,76b) に、前記球送り体 (86) を球通路 (52) 内へ臨ませるための通口 (78) が形成される
ことを特徴とするパチンコ式スロットマシンにおける球取込装置。 - 前記球送り体(86)で停留されている最先行のパチンコ球(T)を検出可能なセンサ(70)を備え、該センサ(70)および前記検出手段(71)は、球通路(52)の上下幅方向中央より下方に偏位して設けられている請求項1記載のパチンコ式スロットマシンにおける球取込装置。
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