以下、図面を参照しながら、本発明に係る弾球遊技機の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明に係る弾球遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
[実施形態:図1〜図23]
図1は、本発明に係る遊技機の一例である弾球遊技機の外観を示す正面側の斜視図、図2はその裏面側の斜視図、そして図3は遊技盤面を示す正面図である。
図1および図2に示すように、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前面枠2の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5(図3参照)で囲まれた領域からなる。この遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
またパチンコ遊技機1は、ガラス扉枠6の下側に配設された前面操作パネル7を有している。
前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。前面操作パネル7には、球貸しボタン11およびプリペイドカード排出釦12(カード返却釦12)が設けられている。また、上受け皿9の上皿表面部分には、所属の押しボタンセンサが有効なときに押すと演出効果が変化する枠演出ボタン13が設けられている。この上受け皿9には、上受け皿9に貯留された遊技球を遊技機の下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
また、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また、前面枠2の上部の両側、発射操作ハンドル15の上側には、効果音を発生するスピーカ58が設けられている。またさらに、ガラス扉枠6の各所には、光の装飾により演出効果を現出する装飾ランプ45が設けられている。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤収納フレームを覆って遊技盤3を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられ、これにより遊技盤3と前面枠2とが一体化されている。この裏機構盤16の上部の一側寄りには、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示せず)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端に接続して、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19を設けてある。さらに、裏機構盤16の上部の他側隅部には、パチンコホール全体の遊技機を統括的に管理する管理用コンピュータ(図示せず)に電気的に接続するための外部端子基板21が端子基板ケース22に収めて設けられている。
また、裏機構板の略中央には、遊技盤3の裏側に装着された裏カバーが嵌合しており、この裏カバーに装着された透明ケース23(副制御基板ケース23)の内部には、演出制御基板24と液晶制御基板25が設けられている。副制御基板ケース23の下方には、裏カバーに装着された透明ケース26(主制御基板ケース26)に収めた状態で主制御基板27が設けてある。さらに主制御基板ケース26の下方には、透明ケース28(払出制御基板ケース28)に収めた状態で払出制御基板29が設けてあると共に、透明ケース30(電源基板ケース30)に収めた状態で電源基板31が配設されている。さらにまた、発射操作ハンドル15に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた発射装置(遊技球発射装置)32(図4参照)の後側に発射制御基板33が設けられている。
次に、遊技盤3の遊技領域3aについて説明する。図3に示すように、遊技領域3aには、遊技に供する遊技部品として、発射された遊技球を誘導するための球誘導レール5、上始動口34(第1の特別図柄始動口34)、下始動口35(第2の特別図柄始動口35)、画像表示装置としての液晶表示装置36、普通図柄始動口37、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置39、普通変動入賞装置41、特別変動入賞装置42、一般入賞口43、センター飾り48、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技くぎ(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LED等:図示せず)が配設されている。
上始動口34(第1特別図柄始動口34)は、通過する遊技球(入賞球)を検出する特別図柄始動口センサ34a(図4参照)を有する。この特別図柄始動口センサ34aにより遊技球が検出されることに基づき特別図柄変動表示ゲームが開始され、一定時間経過後に、その特別図柄変動表示ゲームの結果を、特別図柄表示装置38に表示する。
特別図柄表示装置38は、たとえば7セグを3桁に並べたものから構成される。遊技球が上始動口34または後述する下始動口35に入賞したことに伴い、所定の始動信号が発生される。この始動信号に基づき、主制御基板27(主演算処理装置:図4参照)において乱数抽選による大当り抽選が行なわれる。この抽選結果に応じて特別図柄(たとえば、図柄、数字、記号)を特別図柄表示装置38に変動表示させ、上記特別図柄変動表示ゲームを行うようになっている。特別図柄表示装置38が所定の停止表示態様(たとえば、3個の7セグが全て「7」表示状態)となった場合、すなわち上記抽選結果が「大当り」であった場合、開放扉42bを駆動させるための特別変動入賞装置ソレノイド42a(図4参照)が作動し、開放扉42bが開いて大入賞口40が開放され、通常の遊技状態(以下、「通常遊技」と称する)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、特別変動入賞装置42の開放扉42bが、所定時間(たとえば29秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば10個)の遊技球が特別変動入賞装置42に入賞するまで(大入賞口センサ40a(図4参照)により所定個数の入賞球が検出されるまで)大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば2秒)開放扉42bが閉まり大入賞口40を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば最大15回(15ラウンド))繰り返されるようになっている。
普通図柄始動口37はゲート型形状で構成されており、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図4参照)を有する。普通図柄始動口37に遊技球が通過したことに基づき普通図柄変動表示ゲームが開始され、2個のLED39からなる普通図柄表示装置39が点滅等の変動表示を行い、一定時間経過後に、その普通図柄変動表示ゲームの結果を、LED39の点灯と非点灯の組合せまたは双方点灯の組合せにて停止表示する。
普通変動入賞装置41は左右一対の可動翼片47(可動部材に相当する)を具備するいわゆるチューリップ型の電動役物として構成されている。この左右の可動翼片47の未作動時には、下始動口35への遊技球の入球が困難または不可能となるように閉じた状態を保持している。普通図柄変動表示ゲームの結果、上記した普通図柄表示装置39が所定の停止表示態様(たとえば、2個のLED39が双方共に点灯状態)となった場合、すなわち上記抽選結果が「補助当り」であった場合には、左右の可動翼片47を駆動させるための普通変動入賞装置ソレノイド41a(図4参照)が作動し、上記可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35(第2の特別図柄始動口35)が開放または拡大されて、下始動口35に遊技球が流入しやすい状態となり、遊技者に有利な遊技状態である補助遊技が発生する。すなわち、下始動口35に遊技球が入賞する確率が増加する。この補助遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が、所定時間(たとえば0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば5個)の遊技球が普通変動入賞装置41に入賞するまで(特別図柄始動口センサ35a(図4参照)により所定個数の入賞球が検出されるまで)下始動口35が開放され、その後、所定時間(たとえば0.5秒)可動翼片47が閉まり下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば最大2回)繰り返されるようになっている。
下始動口35は、通過する遊技球を検出する特別図柄始動口センサ35a(図4参照)を有する。この特別図柄始動口センサ35aにより遊技球が検出されることに基づき上記特別図柄変動表示ゲームが開始され、一定時間経過後に、その特別図柄変動表示ゲームの結果を、特別図柄表示装置38に表示する。
画像表示装置は、ここでは遊技盤3の略中央部に配設された液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)36からなるが、これに限らず、電子ペーパを用いた表示装置、回転式ドラムによる表示装置、7セグによる表示装置、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等であっても良く、またはこれらを組合せたものであっても良い。この液晶表示装置36は、後述する液晶制御基板25(図4参照)の制御の下で、種々の演出を画像で表示させる。すなわち、特別図柄変動表示ゲームでの抽選結果を反映させた演出を生じさせ、特別図柄表示装置38における特別図柄の変動表示と連動するように装飾図柄(たとえば、図柄、数字、記号)を3列に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを現出させる。特別図柄表示装置38での特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であった場合、この液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」の演出となり、所定の表示態様(たとえば、3個の「7」の数字が揃って停止表示した状態)が現出される。
なお、特別図柄変動表示ゲームまたは普通図柄変動表示ゲームを行う最中に、さらに特別図柄始動口センサ34a、35aまたは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力がある場合には、この検出信号に基づいて各変動表示ゲームを行わせるための始動権利に関するデータである始動記憶(いわゆる、作動保留球数)を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶され、この始動記憶個数を遊技者に明らかにするため、遊技機の適所にまたは液晶表示装置36による画面中に画像として表示させる。そして、通常は、上記始動記憶の発生順に、各始動記憶に対する変動表示ゲームが実行制御される。本実施形態では、上記上限の所定個数として、特別図柄、普通図柄に関する始動記憶をそれぞれ4個まで主制御基板27に設けられるRAMに記憶され、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留される。
(制御部:図4)
次に、図4に本実施形態に係る弾球遊技機における制御部の構成を示す。図に示すように、パチンコ遊技機1の制御部は、遊技動作全般の制御を司る主制御基板27と、主制御基板27からの制御コマンドを受けて演出処理を行う演出制御基板24と、外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板31とを中心に構成されている。また電源基板31と発射制御基板33とを除く他の制御基板、すなわち主制御基板27、演出制御基板24、液晶制御基板25、および払出制御基板29の各基板には、それぞれが割り当てられた各種制御処理を行うために、ROM、RAM、CPU等から構成された1チップマイクロコンピュータ(図示せず)が搭載されている。
主制御基板27の入力ポートには、上始動口34に設けた特別図柄始動口センサ34a、普通変動入賞装置41(下始動口35)に設けた特別図柄始動口センサ35a、普通図柄始動口37に設けられた普通図柄始動口センサ37a、一般入賞口43に設けられた一般入賞口センサ43aが、遊技中継基板55を介して接続されている。また主制御基板27の出力ポートには、遊技中継基板55を介して、特別変動入賞装置ソレノイド42a、普通変動入賞装置ソレノイド41aが接続されている。
また主制御基板27の出力ポートには、演出I/F(インターフェース)基板56を介して、演出制御基板24が接続されている。また演出制御基板24は、演出I/F基板56および液晶I/F基板57を介して液晶制御基板25が接続され、これに画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。さらにまた演出制御基板24には、演出I/F基板56を介して、装飾ランプ45、スピーカ58が接続されている。
主制御基板27は、遊技機における遊技動作全般の制御を中心的に司る主演算処理装置として機能する。また図示はしていないが、主制御基板27の1チップマイクロコンピュータには、ROM、RAM、CPU(このCPUを「主制御CPU」とも称する)の他、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)、CPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路等が設けられている。主制御基板27は、処理の進行状態に応じて周辺基板に対し、制御信号または制御コマンドを送信する。
演出制御基板24は、演出手段であるスピーカ58や装飾ランプ45やLEDの制御する演出制御手段として機能し、主制御基板27から送信される演出に関する制御コマンド(演出制御コマンド)を受けて、スピーカ58や装飾ランプ45やLEDを制御し、光や音による演出を実現している。また図示はしていないが、演出制御基板24の1チップマイクロコンピュータには、主制御基板27と同様に、ROM、RAM、CPU(このCPUを「演出制御CPU」とも称する)の他、CTC、割り込みコントローラ回路等が設けられて。主制御基板27からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御基板24に送信される。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御基板24を介して主制御基板24に入力されることを防止するためである。
ここで、主制御基板(主制御CPU)27により各遊技動作の実行時に演出制御基板(演出制御CPU)24に対して送信される代表的な演出制御コマンドについて簡単に説明しておく。
この演出制御コマンドとしては、たとえば、特別図柄の変動開始時に送信され、大当りの抽選結果情報を指定する「特別図柄指定」コマンド、同じく特別図柄の変動開始時に送信され、特別図柄の挙動を指定する「特別図柄変動」コマンド、普通図柄の変動開始時に送信され、普通図柄の挙動を指定する「普通図柄変動」コマンド、特別図柄や普通図柄の停止時に送信される「図柄停止コマンド」等がある。
また、現在の遊技状態を指定する演出制御コマンドとして、「遊技状態指定」コマンドがある。この遊技状態指定コマンドは遊技状態の変化時に送信され、大当り確率や補助当り確率を変化させる確率変動機能(いわゆる、確変機能)作動時(確変遊技状態(確変状態)中)・未作動時(非確変状態中)、特別図柄や普通図柄の変動時間を短縮させる変動時間短縮機能(いわゆる、時短機能)作動時(時短遊技状態(時短状態)中)・未作動時(非時短状態中)、普通変動入賞装置41の作動延長機能(いわゆる、開放延長機能)作動時(開放延長遊技状態(開放延長)中)・未作動時(非開放延長中)等、各種遊技状態情報が含まれる(各遊技状態の詳細は追って説明していく)。
また大当り中の演出を行わせる演出制御コマンドとして、特別図柄の停止後に送信される「大当り開始表示」コマンド、大入賞口40の開放時に送信される「開放表示」コマンド、大入賞口40の閉鎖時に送信される「開放インターバル表示」コマンド、最終ラウンドの大入賞口40の閉鎖後に開放インターバル表示コマンドの受信よりインターバル演出時間の経過後に送信される「大当り終了表示」コマンド、大当り終了後、大当り終了表示コマンドの受信より大当り終了演出時間経過後に送信される「遊技状態表示」コマンドがある。
また各入賞口に入賞したことを示す演出制御コマンドとして、入賞コマンドがある。この入賞コマンドには、上始動口34、下始動口35、大入賞口40、普通図柄始動口37、または一般入賞口43等への入賞球を検出した場合に、それぞれの入賞口に対応する入賞コマンドが所定のタイミングで送信される。
またさらに遊技が成されていないと判断された場合の待機演出(デモ演出)を現出させるための演出制御コマンドとして、デモ表示コマンドがある。このデモ表示コマンドは、所定の表示条件を満たした場合に送信される。
主制御基板(主制御CPU)27から演出制御基板24に演出制御コマンドの送信を行う場合、主制御基板27は、割り込み信号を発生し、演出制御基板24にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の演出制御コマンドを送信する。
また、図示はしていないが、演出制御基板24にはスピーカ58を制御するためのサウンドLSI、音声ROM、音処理回路を含む音響制御回路を備えている。音声ROMには演出パターンに対応した各種効果音を発生させるための音響出力用データが記憶されている。サウンドLSIは、演出制御基板24のCPUからのスピーカ制御用の音声コマンドを受けて、所定のタイミングで上記音声ROMからデータを読み出し、所定の処理を施して音処理回路に出力する。上記音処理回路は上記データをD/A変換して音声信号を生成し、音声信号を所定レベルに増幅してスピーカ58に供給する。
演出制御基板24は主制御基板27から送信される演出制御コマンドを受けて、これに関連付けられた液晶制御コマンドを液晶制御基板25に送信する。たとえば、上記「特別図柄指定」コマンドや上記「特別図柄変動」コマンドを受けて、停止させる装飾図柄の抽選、予告演出の抽選、背景変化の抽選等を行い、その結果を、演出を現出させるためのコマンドに変更および追加して、映像の再生が必要なタイミングで液晶制御基板25に液晶制御コマンドを送信し、音や光の再生が必要なタイミングで音声コマンドや発光コマンドをLED基板や音響制御回路に送信する。原則的に、液晶制御CPUへのコマンド送信は、主制御CPUからのコマンドを受信した順序で行なわれる。
液晶制御基板25は、上記液晶制御コマンドを受けて液晶表示装置36を駆動制御し、画像による演出を実現している。また、液晶制御基板25のROM(画像ROM)には、画像を表示するための種々の画像データが記憶されており、また、演出出力全般の制御を担うVDP(Video Display Processor)が搭載されている。この液晶制御基板25は演出手段である液晶表示装置36を制御する演出制御手段として機能し、また液晶制御基板25は、液晶表示装置36に複数の装飾図柄を変動表示させ、その後に停止表示させる図柄表示制御手段としても機能する。なお、本実施形態では、演出制御基板24と液晶制御基板25とを別個の基板で遊技機に設けているが、これらの基板が担う機能を一体的に構成し、1つの基板に搭載しても良い。
ここで、演出制御基板(演出制御CPU)24により各遊技動作の実行時に液晶制御基板(液晶制御CPU)25に対して送信される代表的な液晶制御コマンドについて簡単に説明しておく。
液晶制御コマンドとしては、上記「特別図柄指定」コマンドや上記「特別図柄変動」コマンドの受信時に抽選により決定された演出内容を指定するコマンドとして、液晶表示装置36に停止表示される装飾図柄(左、中、右)の組み合わせを指定する「装飾図柄表示」コマンド、演出パターンの表示を指定する「演出パターン」コマンドがある。また上記「停止コマンド」を受信時に送信され、演出の停止を指定する「演出停止」コマンドがある。この演出停止コマンドには、装飾図柄の変動表示を停止し、上記指定された装飾図柄の組み合わせで装飾図柄を停止表示させる「装飾図柄停止」コマンドが含まれる。
また遊技状態の表示を指定する「遊技状態表示」コマンドがあり、この遊技状態表示コマンドには、確変状態や時短状態や開放延長中等、各種遊技状態情報が含まれる。
また大当り動作中の演出を指定する液晶制御コマンドとして、特別図柄の停止後に送信される「大当り開始表示」コマンド、大入賞口40の開放時に送信される「開放表示」コマンド、大入賞口40の閉鎖時に送信される「開放インターバル表示」コマンド、最終ラウンドの大入賞口40の閉鎖後に開放インターバル表示コマンドの受信よりインターバル演出時間の経過後に送信される「大当り終了表示」コマンド、大当り終了後、大当り終了表示コマンドの受信より大当り終了演出時間経過後に送信される「遊技状態表示」コマンド等がある。
また液晶表示装置36にデモ画面を表示させる液晶制御コマンドとして、デモ画面表示コマンド、液晶表示画面に獲得球数を表示させるための獲得球数表示用液晶制御コマンドがある。
またさらに特別変動表示ゲームの抽選結果に応じた期待演出や予告演出、これに伴う背景表示演出等を指定する「演出表示」コマンドがある。
演出制御基板24から液晶制御基板25に液晶制御コマンドの送信を行う場合、演出制御基板24は、割り込み信号を発生し、液晶制御基板25にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを送信する。
本実施形態では、液晶制御基板(液晶制御CPU)25は演出制御基板(演出制御CPU)25と接続されているが、主制御基板(主制御CPU)27とは接続されていない。したがって、遊技状態に関する情報は、まず、演出制御コマンドとして主制御基板27から演出制御基板24へと送信され、次に液晶制御コマンドとして演出制御基板24から液晶制御基板25へと送信される。
払出制御基板29は、主制御基板27から送信される賞球の払い出しに関する賞球制御コマンド(払出制御コマンド)を受けて、遊技球払出装置19を制御する。また、払出制御基板29は、賞球の払い出しに関する状態信号(払い出し完了信号、払い出しに関するエラー信号等)を主制御基板27に送信している。
発射制御基板33は、発射操作ハンドル15が操作された際、その発射操作に関する信号を受信して、発射装置(発射モータ)32を駆動制御する。
電源基板31は、外部電源に接続され、変圧トランスから供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。
外部端子基板21からは特別図柄の変動回数情報、遊技状態情報、賞球数に関する情報等が、管理用コンピュータ(図示せず)に送信される。
次に、図5および図6を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1において主制御基板27側における処理内容について説明する。先ず、図5を参照して、主制御基板27の主制御CPUが遊技動作制御プログラムに従い実行する主制御側メイン処理について説明する。なお、図5および図6にて説明する処理内容は主制御CPUにより実行されるものであるが、説明の便宜上、処理を実行する主体を主制御基板27として説明する。
(主制御側メイン処理:図5)
まず、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送信される。そして、主制御基板27は、図5に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、主制御基板27は、遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。
次に、入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号の状態(オン、オフ)を確認し、RAMクリアスイッチがオンである場合(ステップS102:YES)にはステップS105の処理に進み、RAMを初期化する。RAMクリアスイッチがオンでない場合(ステップS102:NO)、次に電源断が発生した際にバックアップRAMに記憶されたバックアップ用データが有効であるか否かを判断する(ステップS103)。バックアップデータが有効か否かは、電断時の際に設定されるバックアップフラグの状態による。主制御基板27は、電源が遮断された場合、電源遮断発生直前における処理状態の内容をバックアップ処理すると共に、チェックサムを算出して保存している。電源復旧の際には、上記チェックサムの比較を行うことにより、バックアップデータが有効であるか否かを確認している。
バックアップデータが有効であると判断した場合には(ステップS103:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を実行し(ステップS104)、バックアップデータが有効でない場合には(ステップS103:NO)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定し、RAMを初期化する(ステップS105)。そして、このRAMの初期化に伴い、RAMクリアした旨の情報を初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS106)。
次に、CPUに設けられているCTCの設定を行う(ステップS107)。本処理では、4msごとに定期的にタイマ割り込みがかかるように、初期値として4msに相当する値をCTCの時間定数レジスタに設定する。
次に、割り込み禁止状態に設定し(ステップS108)、各種乱数の更新処理を実行する(ステップS109〜S111)。
まず、変動パターン用乱数値更新処理を実行する(ステップS109)。変動パターン用乱数値更新処理は、特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の変動パターンを指定する変動パターン用乱数値の更新を実行する処理である。この変動パターン用乱数は、大当り抽選の処理結果や遊技状態(非確変状態、確変状態、時短状態、開放延長中、作動保留球数等)に応じて、どのような演出を現出させるかを決定する際に用いられるための乱数値である。
普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)は、前記普通図柄変動表示ゲームの当否抽選に係る普通図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数の更新(たとえば、カウンタのカウント値を更新する処理)を実行する処理である。また、特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)は、前記特別図柄表示ゲームの当否抽選に係る特別図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数の更新を実行する処理である。
次に、割り込み許可状態に設定し(ステップS112)、ステップS108〜ステップS112の処理をループ処理にて実行する。
(主制御側タイマ割込処理:図6)
次に、図6を参照して、主制御側メイン処理において、4ms程度ごとに実行される主制御側タイマ割込処理について説明する。図6は、一定時間ごとの割り込みで起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
主制御基板27における1チップマイクロコンピュータのCTCの時間定数レジスタには、4msに相当する値が設定されている。このため、前述した主制御側のメイン処理(図5参照)において、4msごとにタイマ割り込みが発生するようになっている。なお、このタイマ割込処理は、上記CTC内部からのマスク可能な割り込み(maskable interrupt)信号に基づいて実行される。
主制御側タイマ割込処理において、まず、主制御基板27は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS151)を実行する。
次に、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新する定期乱数更新処理を実行する(ステップS152)。定期乱数更新処理は、図5に示したステップS110およびステップS111の処理と基本的に同じ処理を含み、普通図柄表示ゲームや特別図柄表示ゲームの当否抽選に係る乱数の更新を行う処理であり、各種乱数(普通図柄当り判定用初期値乱数、普通図柄当り判定用乱数、特別図柄当り判定用初期値乱数、特別図柄当り判定用乱数、特別図柄用停止図柄乱数等)を定期的に更新する処理である。
次に、タイマ管理処理を実行する(ステップS153)。このタイマ管理処理は、遊技動作に用いられるタイマを管理制御するための処理である。
次に、入力管理処理を実行する(ステップS154)。この入力管理処理は、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を記憶したり、その情報を定期的に更新したりする処理である。上記各種センサによる検出情報としては、たとえば、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ40a、特別図柄始動口センサ34a、35a、一般入賞口センサ43a等による遊技球の検出情報が挙げられる。
ところで本実施形態では、賞球が払い出される入賞口として、上始動口34、下始動口35、大入賞口40、一般入賞口43を定めてある。これらに設けられたセンサにより遊技球が検出されその入力があった場合には、対応する入賞コマンドが演出制御基板24に送信される。具体的には、一般入賞口センサ43aによる検出情報があった場合には、後述する賞球管理処理(ステップS156)にて演出制御基板24にその旨を示す一般入賞口入賞コマンドが送信される。また、特別図柄始動口センサ34a、35aによる検出信号入力があった場合には、その旨を示す特別図柄始動口入賞コマンド(特別図柄始動口34に対応する上始動口入賞コマンド、または特別図柄始動口35に対応する下始動口入賞コマンド)が後述する特別図柄管理処理(ステップS159:図6参照)にて演出制御基板24に送信される。また大入賞口センサ40aによる検出信号入力があった場合には、その旨を示す大入賞口入賞コマンドが後述する特別変動入賞装置管理処理(ステップS160:図6参照)にて演出制御基板24に送信される。これらの入賞コマンドは、後述する獲得球数計数処理(ステップS602:図18参照)で利用される。また、上記各入賞コマンドには、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの所定の賞球数情報(たとえば、一般入賞口コマンドは賞球数15個、上始動口入賞コマンドは賞球数3個、下始動口入賞コマンドは賞球数3個、大入賞口入賞コマンドは13個等)が含まれる。
次に、エラー管理処理を実行する(ステップS155)。このエラー管理処理は、遊技機に設けられた各センサからの検出情報に基づき、不正入賞を監視したり、遊技動作状態を監視したりして、遊技機の異常を監視するための処理である。
次に、賞球管理処理を実行する(ステップS156)。この賞球管理処理は、賞球の払い出しに係る処理である。主制御基板27は、遊技球の入賞を検出した場合、賞球数を指定する賞球払出制御コマンドを払出制御基板29に送信する共に、一般入賞口43への入賞球を一般入賞口センサ43aが検出した信号の入力があった場合には一般入賞口入賞コマンドを演出制御基板24に送信する。払出制御基板29は、上記賞球払出制御コマンドを受けて、遊技球払出装置19を駆動する。これにより、遊技球払出装置19から所定個数の遊技球が上受け皿19に排出される。
次に、普通図柄管理処理を実行する(ステップS157)。この普通図柄管理処理は、普通図柄表示ゲームによる抽選を実行したり、当該抽選結果に基づいて普通図柄表示装置39における普通図柄の変動表示パターンや停止表示態様を決定したりする処理である。この普通図柄管理処理は、普通図柄始動口に遊技球が入賞したことを条件として、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技に移行する補助当りとするか否かの抽選をする補助遊技抽選手段として機能する。
(普通図柄管理処理:図7、図8)
図7および図8は、普通図柄管理処理(ステップS157)を示すフローチャートである。
この普通図柄管理処理が開始されると、図7において、主制御基板(主制御CPU)27は、普通図柄始動口37を通過した遊技球の検出(普通図柄始動口センサ37aの検出信号入力)があったか否かを判断する(ステップS201)。遊技球を検出したときには(ステップS201:YES)、ステップS202の処理に移行し、普通図柄の作動保留球数(以下、「普通図柄作動保留球数」と称する)が4以上であるか否かを判定する(ステップS202)。普通図柄作動保留球数は、普通図柄始動口37を通過した遊技球を普通図柄始動口センサ37aが検出した場合に、ミニマム値0からマックス値4まで変動し、電源投入時には初期化されてミニマム値の0がセットされようになっている。
そして、普通図柄作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS202:NO)、ステップS203の処理へ移行して、普通図柄作動保留球数をインクリメント(1加算)し、次にステップS204の処理へ移行して、普通図柄抽選用乱数値を記憶する処理(乱数取得処理)を実行する。すなわち普通図柄当り判定用乱数のカウンタの現在値を取得してRAMの取得数値記憶エリアに格納する。
上記ステップS201で遊技球を検出していない場合(ステップS201:NO)や上記ステップS202で普通図柄作動保留球数が4以上である場合(ステップS202:YES)には、これらステップS202〜S204の処理を行わずに、ステップS205の処理に進む。
次いで、ステップS205に進むと「当り中(補助当り)」であるか否かを判断して、「当り中」であれば(ステップS205:YES)、普通図柄を管理する必要がないので、この普通図柄管理処理を終了してステップS158の普通変動入賞装置管理処理(図6)に移行する。
一方、ステップS205の処理で「当り中」でないと判断された場合(ステップS205:NO)、普通図柄の挙動を示す処理状態が「普通図柄待機中」「普通図柄変動中」「普通図柄停止中」のいずれであるかを順に判断し(ステップS206、ステップS208、ステップS217)、該当する場合はそれぞれの処理状態に属する処理を行う。なお、「普通図柄待機中」とは普通図柄の変動が行なわれておらず次回の変動のための待機状態であることを示し、「普通図柄変動中」とは普通図柄が現在変動中であることを示し、「普通図柄停止中」とは普通図柄の変動が終了して停止中であることを示している。
以下、普通図柄の挙動を示す処理状態が「普通図柄待機中」「普通図柄変動中」「普通図柄停止中」の場合の処理内容について順に説明していく。
「普通図柄待機中」である場合(ステップS206:YES)、普通図柄作動保留球数がゼロであるか否かを判断する(ステップS207)。普通図柄作動保留球数がゼロの場合は(ステップS207:YES)、この普通図柄管理処理を終了してステップS158の普通変動入賞装置管理処理(図6)に移行する。
一方、普通図柄作動保留球数がゼロでない場合は(ステップS207:NO)、図8のステップS211に進み、普通図柄作動保留球数を1減算し(ステップS211)、上記ステップS204で取得した乱数値が当り判定値に属するか否かの判定処理(当り判定処理)を実行する(ステップS212)。この判定処理では、補助当りの抽選を遊技状態(非確変状態、確変状態)に応じた抽選確率で行なう。次いで、ステップS212の判定結果に基づいて、抽選結果を示す停止図柄の設定(普通図柄停止図柄設定)を行い(ステップS213)、次に変動パターンの設定を行なう(ステップS214)。この変動パターンの設定の処理では、ステップS212の判定結果に基づいて普通図柄の変動パターンが決定され、さらにこの変動パターンに対応する変動時間(たとえば、非時短状態中では10秒、時短状態中は1秒)が決定される。
そして、処理状態を「普通図柄変動中」に切り替え、普通図柄が変動中である旨の情報および変動時間情報を含む普通図柄変動コマンドを演出制御基板24に送信する(ステップS215〜S216)。これにより普通図柄管理処理を終了してステップS158の普通変動入賞装置管理処理(図6)に移行する。上記普通図柄変動コマンドは、後述するコマンド解析処理(ステップS534:図17参照)の獲得球数計数処理(ステップS602:図18参照)で利用される。
「普通図柄変動中」である場合は(ステップS208:YES)、普通図柄変動時間が経過するのを待つ(ステップS209:NO)。そして普通図柄変動時間が経過したならば(ステップS209:YES)、処理状態を「普通図柄停止中」に切り替え、普通図柄の変動が終了し停止したことを示す普通図柄停止コマンドを演出制御基板24に送信する(ステップS210)。この普通図柄停止コマンドは、後述するコマンド解析処理(ステップS534:図17参照)の獲得球数計数処理(ステップS602:図18参照)で利用される。これにより普通図柄管理処理を終了してステップS158の普通変動入賞装置管理処理(図6)に移行する。
「普通図柄停止中」である場合は(ステップS217:YES)、停止図柄を普通図柄表示装置39に表示させるための一定時間が経過するのを待ち(ステップS218:NO)、上記一定時間が経過したならば(ステップS218:YES)、その停止図柄が当り図柄であるか否かを判断する(ステップS219)。停止図柄が当り図柄である場合は(ステップS219:YES)、処理状態を「当り(補助当り)中」に設定し(ステップS220)、「普通図柄待機中」に切り替える(ステップS221)。また停止図柄が当り図柄でない場合は(ステップS219:NO)、ステップS220の処理を行わずにステップS221に進み、「普通図柄待機中」に切り替える(ステップS221)。これにより普通図柄管理処理を終了してステップS158の普通変動入賞装置管理処理(図6)に移行する。
図6に戻り、上記普通図柄管理処理(ステップS157)に次いで、普通変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS158)。この普通変動入賞装置管理処理は可動翼片47の開閉動作を制御するための処理であり、具体的には、普通図柄管理処理(ステップS157)における当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を普通変動入賞装置ソレノイド41aに送信し、可動翼片47の一連の動作を制御するための処理である。この普通変動入賞装置管理処理は、普通図柄表示装置に補助当りを示す普通図柄が停止表示されたことを条件として、上記普通変動入賞装置の可動部材を所定のパターンに従い駆動して前記補助当り遊技を実行制御するための補助当り制御手段として機能する。
(普通変動入賞装置管理処理:図9、図10)
図9および図10は、普通変動入賞装置管理処理を示すフローチャートである。
この普通変動入賞装置管理処理が開始されると、図9において、主制御基板(主制御CPU)27は、まず上記の普通図柄管理処理のステップS220(図8)の処理により、普通図柄が停止したときの停止図柄が当り図柄であって「当り中」になっているか否かを判断する(ステップS251)。「当り中」でなければ(ステップS251:NO)何もしないで、この普通変動入賞装置管理処理を終了してステップS159の特別図柄管理処理(図6)に移行する。
一方、「当り中」である場合は(ステップS251:YES)、普通変動入賞装置41が作動中か否か、つまり可動翼片47の開閉動作が実行中であるか否かを判断し(ステップS252)、普通変動入賞装置41が作動中ならば(ステップS252:YES)、その下始動口35への遊技球が入賞して、特別図柄始動口センサ35aにより遊技球の入賞が検出されたか否かを判断する(ステップS253)。下始動口35への入賞が検出された場合(ステップS253:YES)、「下始動口入賞数」に1加算し(ステップS254)、加算後の下始動口入賞数が最大入賞数(たとえば10個)以上となったか否かを判断する(ステップS255)。
下始動口入賞数が最大入賞数以上となった場合(ステップS255:YES)、普通変動入賞装置41の作動時間幅(可動翼片47の開閉動作の時間幅)を設定している動作切り替え用タイマをクリアする(ステップS256)。そしてステップS257の処理に進む。
上記ステップS252〜S253における判断がNOの場合、すなわち「普通変動入賞装置作動中」でない場合、下始動口35への入賞検出がない場合は(S252〜S253:NO)、ステップ254〜S256の処理を行わずにステップS257に進む。またステップS255で下始動口入賞数が最大入賞数未満となっている場合(ステップS255:NO)には、上記動作切り替え用タイマをクリアせずにステップS257の処理に進む。
ステップS257に進むと、動作切り替え用タイマのタイマ値がゼロであるか否かを判断し(ステップS257)、当該タイマ値がゼロでない間(ステップS257:NO)は、何もしないで、この普通変動入賞装置管理処理を終了してステップS159の特別図柄管理処理(図6)に移行する。
一方、動作切り替え用タイマのタイマ値がゼロである場合(ステップS257:YES)、次に普通変動入賞装置41が作動待機中であるのか(ステップS258)、作動開始中であるのか(ステップS260)、作動中であるのか(ステップS263)、終了中であるのか(ステップS266)を順次確認して、該当する場合はそれぞれの処理状態に属する処理を行う。なお、「普通変動入賞装置作動待機中」とは普通変動入賞装置41の動作が停止しており次回の動作のための待機状態であることを示し、「普通変動入賞装置作動開始中」とは普通変動入賞装置41が作動開始前待機状態であることを示し、「普通変動入賞装置作動中」とは普通変動入賞装置41が現在作動中であることを示し、「普通変動入賞装置終了中」とは普通変動入賞装置41の動作が終了して終了処理前の待機状態であることを示している。
以下、「普通変動入賞装置作動待機中」「普通変動入賞装置作動開始中」「普通変動入賞装置作動中」「普通変動入賞装置終了中」である場合の処理内容について順に説明していく。
「普通変動入賞装置作動待機中」である場合は(ステップS258:YES)、作動開始時間、すなわち普通図柄の停止表示時間が経過して当りが確定した後、普通変動入賞装置41の動作開始までに必要な待ち時間を設定し、「普通変動入賞装置作動開始中」に切り替える(ステップS259)。これにより、この普通変動入賞装置管理処理を終了してステップS159の特別図柄管理処理(図6)に移行する。
「普通変動入賞装置作動開始中」である場合は(ステップS260:YES)、上記待ち時間の経過を待って、動作切り替え用タイマに遊技状態(開放延長中、非開放延長中等)に応じた作動時間を設定し、「普通変動入賞装置作動中」に切り替えた後(ステップS261)、普通変動入賞装置41が作動中であることを示す普通変動入賞装置作動中コマンドを演出制御基板24に送信し、また上記タイマ値に基づいてソレノイド制御用の励磁制御信号を普通変動入賞装置ソレノイド41aに送信し、可動翼片47を作動させて下始動口35を開放する(ステップS262)。この普通変動入賞装置作動中コマンドは、後述するコマンド解析処理(ステップS534:図17参照)の獲得球数計数処理(ステップS602:図18参照)で利用される。これにより、この普通変動入賞装置管理処理を終了してステップS159の特別図柄管理処理(図6)に移行する。
「普通変動入賞装置作動中」である場合は(ステップS263:YES)、下始動口35を閉鎖し(ステップS264)、普通変動入賞装置41の作動が終了したことを示す普通変動入賞装置作動終了コマンドを演出制御基板24に送信し、作動終了後の待ち時間を設定し「普通変動入賞装置終了中」に切り替える(ステップS265)。この普通変動入賞装置作動中コマンドは、後述するコマンド解析処理(ステップS534:図17参照)の獲得球数計数処理(ステップS602:図18参照)で利用される。これにより、この普通変動入賞装置管理処理を終了してステップS159の特別図柄管理処理(図6)に移行する。
「普通変動入賞装置終了中」である場合は(ステップS266:YES)、「当り中」を終了し、「普通変動入賞装置待機中」に切り替える(ステップS267)。これにより、この普通変動入賞装置管理処理を終了してステップS159の特別図柄管理処理(図6)に移行する。
図6に戻り、上記普通変動入賞装置管理処理(ステップS158)に次いで、特別図柄管理処理を実行する(ステップS159)。この特別図柄管理処理は、特別図柄表示ゲームによる抽選を実行したり、当該抽選結果に基づいて特別図柄表示装置38における特別図柄の変動パターンや停止表示態様を決定したりするための処理である。この特別図柄管理処理は、特別図柄始動口に遊技球が入賞したことを条件として通常遊技状態よりも遊技者に有利な大当り遊技に移行する大当りとするか否かを抽選するものであって、大当り後に通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態の発生契機となる特別大当りを含む複数種類の大当りのうちからいずれかの大当りを抽選する大当り抽選手段に相当する。
(特別図柄管理処理:図11、図12)
図11、図12は、特別図柄管理処理を示すフローチャートである。
この特別図柄管理処理が開始されると、図11において、主制御基板(主制御CPU)27は、まず上始動口34または下始動口35において入賞球の検出(特別図柄始動口センサ34a、35aの検出信号入力)があったか否かを判断する(ステップS301)。上始動口34または下始動口35への入賞を検出した場合(ステップS301:YES)、上始動口34または下始動口35への入賞を示す特別図柄始動口入賞コマンド(上始動口入賞コマンドまたは下始動口入賞コマンド)を演出制御基板24に送信し(ステップS302)、ステップS303の処理に進み、特別図柄作動保留球数が4以上であるか否か判断する(ステップS303)。特別図柄作動保留球数は、前記普通図柄作動保留球数と同様に、ミニマム値0からマックス値4まで変動する。
特別図柄作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS303:NO)、特別図柄作動保留球数を1加算し(ステップS304)、特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄用停止図柄乱数、および変動パターン用乱数値のカウンタの現在値を取得して、それぞれRAMの取得数値記憶エリアに格納する(ステップS305)。そしてステップS306の処理に進む。
上始動口34または下始動口35への入賞が検出されなかった場合(ステップS301:NO)や特別図柄作動保留球数が4以上の場合(ステップS303:YES)、上記のステップS302〜ステップS305の処理を行わずに、ステップS306の処理に進む。
ステップS306の処理に進むと「大当り中」であるか否かを判断して、「大当り中」であれば(ステップS306:YES)、特別図柄を管理する必要がないので、この特別図柄管理処理を終了して、ステップS160の特別変動入賞装置管理処理(図6)に移行する。
一方、ステップS306の処理で「大当り中」でないと判断された場合(ステップS306:NO)、特別図柄の挙動を示す処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」のいずれであるかを順に判断し(ステップS307、ステップS311、ステップS320)、該当する場合はそれぞれの処理状態に属する処理を行う。なお、「特別図柄待機中」とは特別図柄の変動が行なわれておらず次回の変動のための待機状態であることを示し、「特別図柄変動中」とは特別図柄が現在変動中であることを示し、「特別図柄停止中」とは特別図柄の変動が終了して停止中であることを示している。
以下、上記処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」である場合の処理内容について順に説明していく。
特別図柄待機中の場合は(ステップS307:YES)、特別図柄の作動保留球数がゼロかどうかを判断する(ステップS308)。
特別図柄作動保留球数がゼロの場合(ステップS308:YES)、遊技が全く行われていない可能性がある。そこでデモ演出を行なうべきデモ表示条件が成立しているか否かを判断する(ステップS309)。本実施形態では、上始動口34または下始動口35の検出信号入力が所定時間(たとえば60秒)経過しても、その入力がなかった場合に、上記デモ表示条件を満たしたと判断するようにしている。上記デモ表示条件が成立している場合は(ステップS309:YES)、デモ表示コマンドを演出制御基板24に送信する(ステップS310)。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、ステップS160の特別変動入賞装置管理処理(図6)に移行する。
一方、特別図柄作動保留球数がゼロでない場合(ステップS308:NO)、図12のフローに進み、特別図柄作動保留球数を1減算し(ステップS314)、ステップS305で取得した乱数値が大当り判定値に属するか否かの判定処理(大当り判定処理)を実行する(ステップS315)。この判定処理では、大当りの抽選を遊技状態(非確変状態、確変状態)に応じた抽選確率で行なう。
次に、ステップS315の判定結果とステップS305で取得した特別図柄用停止図柄乱数値とに基づいて、停止図柄(特別図柄停止図柄)を抽選により選択する(ステップS316)。この処理で抽選される特別図柄停止図柄により、大当り態様および大当り終了後に移行する遊技状態が最終的に決定される。
本実施形態では、複数種類の大当り遊技と、大当りが終了した後の遊技状態として通常遊技とは異なる複数種類の特殊遊技状態(以下、「特殊遊技」と称する)とが設定され、大当り毎に、どの大当り遊技および特殊遊技を実行するかが定められている。
ここで本発明の理解を容易なものとするために、図33を参照しながら本実施形態で設けられている大当りの種類について説明する。本実施形態の大当りには、「15R(ラウンド数を意味する)確変確定図柄」での大当りである「15ラウンド確変確定図柄大当り」、「15ラウンド非確変確定図柄」での大当りである「15ラウンド非確変確定図柄大当り」、「2ラウンド突然確変確定図柄」での大当りである「2ラウンド突然確変確定図柄大当り」、「2ラウンド突然時短確定図柄」での大当りである「2ラウンド突然時短確定図柄大当り」、「2ラウンド潜伏確変確定図柄」での大当りである「2ラウンド潜伏確定図柄大当り」が設けられている。
これらの大当りにおいて、付随する特殊遊技の種類に着目すると、特別図柄に関する時短機能(特別図柄時短機能)、特別図柄に関する確変機能(特別図柄確変機能)、普通図柄に関する時短機能(普通図柄時短機能)、普通図柄に関する確変機能(普通図柄確変機能)、開放延長機能のうち、いずれの機能が作動するかで、特殊遊技の種類が定まる。図33に示す「付随する特殊遊技機能」白丸印(○印)がその大当り後に作動することとなる特殊遊技機能を示している。なお、図33に示す「特殊遊技の種類」の欄における「確変時短状態」や「時短状態」や「潜伏確変状態」は、特別図柄に着目した遊技状態として示してある。
上記特殊遊技の概略を説明すれば、(1)次回の大当りまで大当り確率が高確率となる確変状態で、かつ特別図柄と普通図柄の双方が時短状態となり、さらに次回の大当りまで開放延長中となる特殊遊技(確変時短状態)や、(2)大当り確率が低確率であるが所定の終了条件が成立するまで特別図柄と普通図柄の双方が時短状態となり、さらに開放延長中となる特殊遊技(時短状態)や、(3)次回の大当りまで大当り確率が確変状態となる特殊遊技(潜伏確変状態)がある。なお上記特殊遊技のうち(1)確変時短状態および(2)時短状態では、普通図柄による補助当り確率が高確率(補助当り確変状態:普通図柄確変機能作動中)となり、特殊遊技のなかでも、特別な特殊遊技状態となる(上記確変時短状態または上記時短状態は、「特別遊技状態」に相当する)。これら特殊遊技は、確変状態や時短状態や開放延長中となる点で、遊技者に有利な遊技状態と言える。
また上記各大当りは、付随する特殊遊技により「特別大当り」と「潜伏大当り」とに区分される(図33の「大当り属性」の欄参照)。この特別大当りは、確変時短状態または時短状態の発生契機となる大当りであり、大当り後に通常遊技状態よりも遊技者に有利な上記特別遊技状態の発生契機となる特別大当りに相当する。さらに特別大当りは、ラウンド数に応じて「第1群特別大当り」と「第2群特別大当り」とに区分される。詳細は後述するが、上述した大当りの区分は、獲得球数の計数開始タイミングとなる条件として用いられる。
このため、ステップS315の判定結果により大当りが選択された場合、本処理にてどの大当りに属するかを抽選により選択し、その抽選結果を示す特別図柄の停止図柄を設定する。なお、本実施形態では、潜伏確変状態、確変時短状態、または時短状態中は、「2ラウンド潜伏確変確定図柄」を抽選対象とはしない。したがって、潜伏確変状態中で抽選された大当りは、「15ラウンド確変確定図柄大当り」、「15ラウンド非確変確定図柄大当り」、「2ラウンド突然確変確定図柄大当り」、「2ラウンド突然時短確定図柄大当り」のいずれかになり、その大当り後には上記特別遊技状態が発生することになる。
次に、変動パターンの設定処理を実行する(ステップS317)。この変動パターン設定処理では、ステップS316の停止図柄の抽選結果とステップS305で取得した変動パターン用乱数値とに基づいて、特別図柄の当選情報や変動時間情報を含む変動パターンを決定する。そして、処理状態を「特別図柄変動中」に切り替え(ステップS318)、特別図柄指定コマンドとともに、特別図柄が変動中である旨の情報および変動パターン情報を含む特別図柄変動コマンドを演出制御基板24に送信する(ステップS319)。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図13)に移行する。
特別図柄変動中の場合は(ステップS311:YES)、特別図柄変動時間が経過するのを待つ(ステップS312:NO)。特別図柄変動時間が経過した場合(ステップS312:YES)、処理状態を「特別図柄停止中」に切り替え、特別図柄の変動が終了し停止したことを示す図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)を演出制御基板24に送信する(ステップS313)。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図13)に移行する。
特別図柄停止中の場合は(ステップS320:YES)、停止図柄を特別図柄表示装置41に表示させるための一定時間が経過するのを待ち(ステップS321:NO)、一定時間が経過したならば(ステップS321:YES)、その停止図柄が大当り図柄であるか否かを判断する(ステップS322)。大当り図柄である場合は(ステップS322:YES)、処理状態を「大当り中」に設定し(ステップS323)、「特別図柄待機中」に切り替える(ステップS324)。また停止図柄が大当り図柄でない場合は(ステップS322:NO)、ステップS323の処理を行わずにステップS324に進み、「特別図柄待機中」に切り替える(ステップS324)。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図13)に移行する。
図6に戻り、上記特別図柄管理処理(ステップS159)に次いで、特別変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS160)。この特別変動入賞装置管理処理は、特別図柄管理処理(ステップS159)における大当りの当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、開放扉42bの一連の動作を制御するための処理である。この特別変動入賞装置管理処理は、前記大当り抽選手段により大当りが抽選されたことを条件として、大当りを発生させて大当り遊技を実行制御する大当り遊技制御手段に対応する。
(特別変動入賞装置管理処理:図13、図14)
図13および図14は、特別変動入賞装置管理処理を示すフローチャートである。
この特別変動入賞装置管理処理が開始されると、図13において、主制御基板(主制御CPU)27は、まず上記の特別図柄管理処理のステップS320(図12)の処理により、特別図柄が停止したときの停止図柄が大当り図柄であって「大当り中」になっているか否かを判断する(ステップS401)。「大当り中」でなければ(ステップS401:NO)何もしないで、この特別変動入賞装置管理処理を終了してステップS161のLED管理処理(図6)に移行する。
一方、「大当り中」である場合は(ステップS401:YES)、特別図柄管理処理(ステップS159)における大当りの当否抽選の結果の大当り遊技に応じた特別変動入賞装置42の一連の動作を制御するために以下の処理を実行していく。
「大当り中」である場合(ステップS401:YES)、特別変動入賞装置42の大入賞口40への入賞球が検出されたか否かを判断する(ステップS402)。大入賞口40への入賞球が検出された場合は(ステップS402:YES)、大入賞口入賞コマンドを演出制御基板24に送信する(ステップS403)。この処理段階にて大入賞口40への入賞球が検出された場合に大入賞口入賞コマンドを演出制御基板24に送信するのは以下の理由からである。
たとえば、S407の処理で大入賞口40の入賞球を検知した場合にステップS408の処理の後に上記大入賞口入賞コマンドを送信する処理形態としてしまうと、後処理のS423で加算後の大入賞口入賞数が最大入賞数となったと判断された場合、処理状態が「特別変動入賞装置作動開始中」に切り替わってしまうため(ステップS425参照)、大入賞口40が閉鎖される直前に連続して遊技球が流入して、大入賞口入賞数が最大入賞数(たとえば10個)を超えるオーバーフロー現象(たとえば11個入賞)が発生した場合に、このオーバーフロー分(1個分)の大入賞口入賞コマンドが送信されなくなる。このオーバーフロー分の入賞は、原則、正規の入賞として扱われるので、大当り中の獲得球数を計数する際には、これを含めて計数する必要があるからである(後述する図18のステップS602の獲得球数計数処理参照)。したがって、本実施形態では、上記S401の処理後に、大入賞口40への入賞球が検出されたか否かを判断して(ステップS402)、大入賞口40への入賞球が検出された場合は(ステップS402:YES)、大入賞口入賞コマンドを演出制御基板24に送信する(ステップS403)、という処理形態を採用している。
再び特別変動入賞装置管理処理の説明に戻る。次いで役物連続作動装置が「作動停止中」であるかを判断し(ステップS404)、作動停止中ならば(ステップS404:YES)、「役物連続作動装置作動中」に切り替える(ステップS409)。ここで、役物連続作動装置とは、特別変動入賞装置42の1ラウンド分の動作を所定回数連続して動作させるための機能部をいう。
役物連続作動装置がまだ「作動停止中」でない場合(ステップS404:NO)、すなわち役物連続作動装置が作動中である場合は、特別変動入賞装置が作動開始前なのか(ステップS405)、作動中なのか(ステップS406)、作動停止中なのか(ステップS412)、役物連続作動装置が作動終了中なのか(ステップS418)を順次確認し、該当する場合はそれぞれの処理状態に属する処理を行う。なお、「特別変動入賞装置作動開始前」とは大当りして特別変動入賞装置42の動作が開始前状態であることを示し、「特別変動入賞装置作動中」とは特別変動入賞装置42が現在作動中であることを示し、「特別変動入賞装置作動停止中」とは特別変動入賞装置42が現在停止中であることを示している。
以下、「特別変動入賞装置作動開始前」「特別変動入賞装置作動中」「特別変動入賞装置作動停止中」の処理内容について順に説明していく。
「特別変動入賞装置作動開始前」である場合は(ステップS405:YES)、特別変動入賞装置42の大入賞口40が開放される前の一定時間(開始前一定時間)が経過したか否か判断する(ステップS410)。なお、上記開始前一定時間は、ステップS321の特別図柄の停止表示時間が経過して当りが確定した後、特別変動入賞装置42の動作開始までのインターバル区間である大当り開始演出区間Ta(図19参照)を定めた時間幅となる。
上記開始前一定時間が経過した場合は(ステップS410:YES)、「特別変動入賞装置作動中」に切り替え、特別変動入賞装置42の動作パターンを開閉扉42bの動作パターン)設定し、これに基づいてソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、開放扉42bを作動させて大入賞口40を開放させる(ステップS411)。そして、この特別変動入賞装置管理処理を終了してステップS161のLED管理処理(図6)に移行する。上記「特別変動入賞装置作動開始前」でない場合は(ステップS405:NO)、特別変動入賞装置42が作動中か否かを判断する(ステップS406)。
「特別変動入賞装置作動中」である場合は(ステップS406:YES)、特別変動入賞装置42の大入賞口40への入賞球が検出されたか否かを判断する(ステップS407)。
大入賞口40への入賞球が検出された場合(ステップS407:YES)、「大入賞口入賞数」に1加算する(ステップS408)。そして、図14のステップS423に進む。なお、大入賞口40への入賞球が検出されなかった場合は(ステップS407:NO)、上記の1加算処理(ステップS408)を行わずにステップS423に進む。
ステップS423に進むと、加算後の大入賞口入賞数が最大入賞数となったか否かを判断する(ステップS423)。大入賞口入賞数が最大入賞数に至っていなければ(ステップS423:NO)、あらかじめ設定した大入賞口40が開いている時間(大入賞開放時間)が経過したか否かを判断する(ステップS424)。そして、大入賞口入賞数が最大入賞数に至っておらず(ステップS423:NO)、かつ大入賞開放時間が経過していなければ(ステップS424:NO)、何もしないで、この特別変動入賞装置管理処理を終了してステップS161のLED管理処理(図6)に移行する。
大入賞口入賞数が最大入賞数に至った場合(ステップS423:YES)、大入賞口40を閉鎖し、「特別変動入賞装置作動開始中」に切り替える(ステップS425)。また大入賞口入賞数が最大入賞数に至る前であっても、大入賞開放時間が経過した場合は(ステップS424:YES)、その時点で大入賞口40を閉鎖し、「特別変動入賞装置作動開始中」に切り替える(ステップS425)。これにより、この特別変動入賞装置管理処理を終了してステップS161のLED管理処理(図6)に移行する。
一方、上記ステップS406(図13)において特別変動入賞装置41が作動中でないと判断された場合(ステップS406:NO)、処理状態が「特別変動入賞装置作動停止中」か否かを判断する(ステップS412)。
「特別変動入賞装置作動停止中」の場合は(ステップS412:YES)、大入賞口40が閉鎖されて一定時間(ラウンド間隔時間)が経過したか否かを判断する(ステップS413)。
ラウンド間隔時間が経過した場合(ステップS413:YES)、「特別変動入賞装置作動開始前」に切り替える(ステップS414)。そして、特別変動入賞装置の作動回数(ラウンド数)があらかじめ定めた最大回数(たとえば15ラウンド)に至ったか否かを判断する(ステップS415)。最大ラウンド数である15ラウンドに至るまでの間は(ステップS415:NO)、「特別変動入賞装置作動回数」に1加算して(ステップS416)、ラウンド数の現在値を更新して行く。最大ラウンド数に至ったときは(ステップS415:YES)、「役物連続作動装置作動終了中」に切り替える(ステップS417)。そして、この特別変動入賞装置管理処理を終了する。
一方、上記ステップS412において「特別変動入賞装置作動停止中」でないと判断された場合(ステップS413:NO)、役物連続作動装置が作動終了中か否かを判断する(ステップS418)。
そして「役物連続作動装置作動終了中」である場合は(ステップS418:YES)、上記最終ラウンドの特別変動入賞装置42の大入賞口40が閉鎖された後のインターバル区間である大当り終了演出区間Tb(図19参照)を定める一定時間が経過したか否かを判断する(ステップS419)。そして、この大当り終了演出区間Tbを定める一定時間が経過した場合は(ステップS419:YES)、「役物連続作動装置作動停止中」に切り替え(ステップS420)、大当り終了処理を行う(ステップS421)。この大当り終了処理は、大当り終了後の上記特殊遊技への遊技状態移行準備のための移行準備設定処理に相当し、時短状態中(特別図柄時短機能や普通図柄時短機能の設定)、確変状態中(特別図柄確変機能や普通図柄確変機能の設定)、開放延長中(開放延長機能の設定)等、特殊遊技を発生させるための処理である。どの特殊遊技機能を設定するかは、大当りの種類毎に関連付けて定められている。
具体的には、上記大当り終了処理は、大当り遊技中の期間とは別個の期間として、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である特殊遊技状態に置く特殊遊技機能(特別図柄変動時間短縮機能、普通図柄変動時間短縮機能、確率変動機能、開放延長機能等が特殊遊技機能に該当する)を有効とした特殊遊技中の期間を出現させるための処理である。すなわち、上記大当り終了処理は、前記特別大当り後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技発生手段として相当し、本実施形態では、複数種類の特殊遊技状態のうちからいずれかの特殊遊技状態を発生させるかを、抽選された大当りの種類に基づいて決定している。
その後、演出制御基板27に、これらの遊技状態情報を含む「遊技状態指定」コマンドを送信し(ステップS422)、この特別変動入賞装置管理処理を終了する。なお、図示はしていないが、主制御基板(主制御CPU)27は、上記各特殊遊技機能を有効とした特殊遊技中の期間を終了させる特殊遊技終了設定手段としての機能部を有しており、各特殊遊技機能はそれぞれ所定の終了条件を満たした場合に無効とされ、これにより上記特殊遊技中の期間が終了する(上記終了条件についての詳細は後述する)。したがって、上記所定の終了条件を満たしたかどうかは、上記特殊遊技終了設定手段により遊技の進行に応じて監視されている。
図6に戻り、主制御基板(主制御CPU)27は、上記の特別変動入賞装置管理処理に次いで「LED管理処理」を実行する(ステップS161)。このLED管理処理は、処理の進行状態に応じて、普通図柄表示装置38や特別図柄表示装置39への出力データを作成したり、当該データに基づく制御信号を出力したりする処理である。
そして、上記のようにステップS152〜ステップS161の処理を実行した後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS162)、タイマ割込処理を終了する。
次に、図15〜図23を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1の演出制御基板24側における処理内容について説明する。先ず、図15を参照して、演出制御基板27の演出制御CPUが遊技動作制御プログラムに従い実行する演出制御側メイン処理について説明する。なお、図15〜図23にて説明する処理内容は、演出制御CPUにより実行されるものであるが、説明の便宜上、処理を実行する主体を演出制御基板24として説明する。また、上述した主制御側メイン処理と実質的に同様の処理内容については重複記載を避けるため、適宜省略して説明する。
(演出制御側メイン処理:図15)
まず、遊技機本体に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送信される。電源投入信号を受信した演出制御基板24は、図15に示す演出制御側メイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、まず、演出制御基板24は、バックアップが正常であれば遊技動作開始前における必要な初期設定を実行し(ステップS501)、電源遮断前の処理状態に復帰させる復帰処理を実行する(ステップS502)。なお、電源遮断前の処理データ(バックアップデータ)は、瞬停やノイズによる電断等に対応する全てのRAM情報のバックアップデータではなく、必要最低限の遊技動作情報(たとえば、停止図柄、変動時間情報、遊技状態)のバックアップデータである。
次に、電源遮断が発生したか否かを確認し(ステップS503)、電断の発生を確認した場合には(ステップS503:YES)、電源遮断時におけるデータを所定のバックアップ領域に保存し(ステップS508)、電断の発生を確認しない場合には(ステップS503:NO)、演出用乱数更新処理を実行する(ステップS504)。この演出用乱数更新処理では、主として、演出内容を選択するために利用される演出抽選用の乱数値を定期的に更新している。
次に、コマンド受信割り込み、タイマ割り込み、外部INT等を許可する割り込み許可状態に設定し(ステップS505)、その後、割り込み禁止状態に設定する(ステップS506)。そして、ウォッチドッグタイマをクリアして(ステップS507)、電断が発生しない限り、ステップS503からステップS507の処理をループ処理にて実行する。
(コマンド受信割込処理:図16)
図16は、コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。ここではレジスタを所定のスタック領域に退避させた後(ステップS521)、演出制御コマンドをRAMの所定領域に格納する処理を行い(ステップS522)、レジスタを復帰(ステップS523)する。主制御基板27から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、INT割り込みが発生し、この受信割込処理にて、演出制御コマンドを受信した時点で、これをコマンド受信バッファに格納する。このコマンド受信割込処理は、次に述べる演出制御側タイマ割込処理(図17)よりも優先して処理される。
(演出制御側タイマ割込処理:図17)
次に、図17を参照して、演出制御基板24における演出制御側メイン処理において、2ms程度ごとに実行されるタイマ割込処理について説明する。図17は、一定時間ごとの割り込みで起動される演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。なお、このタイマ割込処理は、上記CTC内部からのマスク可能な割り込み信号に基づいて実行される。
まず、演出制御基板24は、レジスタを所定のスタック領域に退避させるレジスタ退避処理を実行する(ステップS531)。次いでプログラム異常を監視しているウォッチドッグタイマをクリアして、タイマのカウントを再スタートさせる(ステップS532)。すなわち、演出制御基板24の1チップマイクロコンピュータに内蔵されているウォッチドッグタイマを定期的にクリアするものであり、この定期更新処理が実行されない場合、たとえば、遊技動作制御に異常が発生してプログラムが暴走状態となった場合、ウォッチドッグタイマがタイムアップすると、演出用CPUが自動的にリセットされて前記暴走状態から復帰する。
次に、演出用乱数値の更新や、各種タイマの更新をする定期更新処理を行う(ステップS533)。この定期更新処理では、ステップS535の演出シナリオ更新処理において作成される演出現出コマンドや液晶制御コマンドに応じた演出パターンを選択するために利用される演出用乱数の初期値を、割り込みごとに更新する。また、ステップS535の演出シナリオ更新処理において作成される演出現出コマンドや液晶制御コマンドにより定まる演出パターンの実行に必要な各種タイマの内容を割り込みごとに更新する。
上記各種タイマの代表的なものは、演出制御基板24や液晶制御基板25による特定の演出の発生に関するタイムスケジュールを管理するタイマである。すなわち、特別図柄表示装置38に特別図柄が変動されている変動期間内、すなわち特別図柄の変動期間と実質的に同一期間内である、液晶表示装置36の画面に装飾図柄が変動表示されている変動期間内(装飾図柄変動期間内)において、その時間軸上でどのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、演出手段(LED、液晶表示装置36、装飾ランプ45、スピーカ58等)による演出を現出させるかについての時間的なスケジュールが、このタイマにより時間管理される。また、後述するコマンド解析処理(ステップS534)における獲得球数計数処理(ステップS602:図18参照)で必要となる普通図柄作動中タイマや大当り遊技中タイマも管理されている。
(コマンド解析処理(S534):図17、図18)
次いで、演出決定管理処理として、コマンド解析処理(ステップS534)と演出シナリオ更新処理(ステップS535)を実行する。
図18にコマンド解析処理(ステップS534)の詳細を示す。このコマンド解析処理(図18)では、上記コマンド受信バッファ(図16のステップS522参照)に演出制御コマンドが格納されているか否かを割り込みごとに監視し、演出制御コマンドが格納されている場合、このコマンドを読み出して、演出パターン(演出シナリオ)を決定する(S534)。このコマンド解析処理では、上記コマンド受信割込処理で優先的に常に新しいものに更新された演出制御コマンドが処理されることになる。
詳述するに、このコマンド解析処理では、図18に示すように、演出制御基板24は、主制御基板400から演出制御コマンドを受信したか否か、すなわちコマンド受信割込処理(図16参照)のステップS522の処理において、上記演出制御コマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを判断する(ステップS601)。
演出制御コマンドを受信していなければ(ステップS601:NO)、何もしないでコマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御コマンドを受信していた場合(ステップS601:YES)、詳細は図20にて後述する獲得球数計数処理を行った後(ステップS602)、コマンド受信処理を実行する(ステップS603)。このコマンド受信処理では、各種演出制御コマンドに基づく演出パターン(演出シナリオ)を抽選により決定し、決定した演出パターンに沿った演出を現出させるための演出パターンデータを作成し設定する。
図17に戻り、上記のコマンド解析処理を実行した後、次に、演出シナリオ更新処理(ステップS535)を実行する。
この演出シナリオ更新処理では、コマンド解析処理(ステップS534)のコマンド受信処理(図18のステップS603)において決定された演出パターンデータに基づき、装飾ランプ45やLEDやスピーカ58等の作動を制御する演出現出コマンド(発光コマンドや音声コマンド)の作成と、液晶表示装置36に演出表示させるための液晶制御コマンドの作成を行う。そして、作成した演出現出コマンドおよび液晶制御コマンドを、所定のコマンド格納領域(演出制御基板のRAMの領域)に格納して、コマンド受信割込処理を終了する。
次に、演出制御基板24は、上記所定のコマンド格納領域における液晶制御コマンドの有無を判断する(ステップS536)。液晶制御コマンドが有る場合(ステップS536:YES)、演出制御基板24は、液晶制御コマンドを、映像の再生が必要なタイミングで液晶制御基板25に送信する(ステップS537)。これにより、液晶表示装置36において演出シナリオに沿って画像が変化するようになっている。
上記ステップS534〜S537の演出を決定する管理処理に続いて、演出制御基板24は、上記所定のコマンド格納領域において再生する音データの音声コマンドが有るか否かを判断する(ステップS538)。再生する音データの音声コマンドが有る場合(ステップS538:YES)、演出制御基板24は、音の再生が必要なタイミングで、サウンドLSIの音声コマンドを入力し、音源ICを通じてスピーカ58から音を出力させる(ステップS539)。これにより、演出シナリオに沿った効果音がスピーカ58から発生される。
続いて、LED出力処理がなされる(ステップS540)。このLED出力処理は、上記音声コマンドがサウンドLSIに送信された場合、この情報を受け、対応する演出に伴い発光コマンドを装飾ランプ45やLEDに送信し点灯もしくは点滅させて光による演出を実現する。
そして、ステップS531〜ステップS540の処理を実行した後、退避したレジスタの内容を復帰させ(ステップS541)、演出制御側タイマ割込処理を終了する。
[遊技状態遷移図]
次に、大当りが発生した遊技中における獲得球数を計数する方法を図19を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技進行の代表例として、まず、潜伏確変モード確定となる図柄(潜伏確変確定図柄)で大当りし、次いで確変モード確定となる図柄(確変確定図柄)で大当りし、最後に非確変モード確定となる図柄(非確変確定図柄)で大当りして、通常遊技に戻る場合を説明する。なお、図に示すt0〜t13における各時間幅は、説明の便宜上誇張して示している。したがって、図面上、同じ長さの時間幅で記載されていても異なる時間幅の場合がある。
(1−1)大当り中
図19において、時刻t0〜t3はSラウンド潜伏確変確定図柄(大当り遊技として特別変動入賞装置の作動回数(ラウンド数)が2回、大当り終了後に移行する特殊遊技として潜伏確変状態となる特別図柄:2ラウンド潜伏確変確定図柄)で大当り中の区間を示し、時刻t4〜t7はRラウンド確変確定図柄(大当り遊技として特別変動入賞装置の作動回数が15回、大当り終了後に移行する特殊遊技として確変時短遊技状態となる特別図柄:15ラウンド確変確定図柄)で大当り中の区間を示し、時刻t8〜t12はRラウンド非確変確定図柄(大当り遊技として特別変動入賞装置の作動回数が15回、大当り終了後に移行する特殊遊技として時短状態となる特別図柄:15ラウンド非確変確定図柄)で大当り中の区間を示す。これらの「大当り中」の区間は、それぞれ、大当りが発生した直後のインターバル区間である「大当り開始演出中」(15ラウンド確変確定図柄および15ラウンド非確変確定図柄で大当りの場合には「大当り開始演出中Ta(たとえば10秒)」、2ラウンド潜伏確変確定図柄で大当りの場合には「大当り開始演出中Ta’(たとえば5.9秒)」)と、特別変動入賞装置42の開放扉42bが所定回数(R回、S回)開閉動作する区間である「大当り遊技中」と、大当り遊技が終了した直後のインターバル区間である「大当り終了演出中」(15ラウンド確変確定図柄および15ラウンド非確変確定図柄で大当りの場合には「大当り終了演出中Tb(たとえば16.7秒)」、2ラウンド潜伏確変確定図柄で大当りの場合には「大当り終了演出中Tb’(たとえば3秒)」)との3つの区間からなる。各大当り中の基本的な動作は同じなので、代表的に時刻t4〜t7の区間について説明する。
時刻t4は、遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞して、特別図柄変動表示ゲーム(図12の特別図柄管理処理)により、特別図柄表示装置38の特別図柄が停止して所定の停止表示態様が表示された場合、すなわち上記ゲームの抽選結果として「大当り」が発生した時点である。
特別図柄表示装置38に特別図柄が大当りの図柄で停止すると、主制御基板27から送信される「大当り開始表示」コマンドを演出制御基板24が受信し、同演出制御基板24から同じ名称の「大当り開始表示」コマンドが液晶制御基板25に送信されて、大当り開始演出が開始される(図19のt4)。
この大当りが発生した時点から大当り開始演出がなされ、所定の一定時間Ta(大当り開始演出時間)が経過すると、第1ラウンド目が開始し特別変動入賞装置42の開放扉42bが開放され、大入賞口40が開放される(図19のt5、図13のS409〜S411参照)。この特別変動入賞装置42の大入賞口40は、所定秒数(本例では29秒)だけ開放されるか、または所定個数n個(本例では10個)の遊技球が大入賞口40に入賞するまで開放される(図14のS423〜S425)。そして、遊技球が大入賞口40に入賞すると、入賞球1個あたりm個(本例では13個)の賞球数が払い出される。大入賞口40が開放されたことは、「開放表示」コマンドが演出制御基板で受信され、同演出制御基板から同じ「開放表示」コマンドが液晶制御基板25に送信されて、開放表示演出が現出される(図19のt5)。なお、特別変動入賞装置42の大入賞口40の開放時間は本例(15ラウンドでの大当りの場合)では29秒間開放となるが、2ラウンドでの大当りの場合にはこれよりも短い0.5秒間開放となっている。
この特別変動入賞装置42の開放扉42bは所定のパターンに従って開閉される。ここでは所定のラウンド間インターバルを置いて、ラウンド数であるR回(本例では15回)だけ継続して開閉される。このラウンド間インターバルは、図示してないが、各1回の大入賞口40の開閉動作がなされると、大入賞口40が閉鎖したときから次回のラウンド開始まで所定時間(たとえば2秒)だけ、開放扉42bを閉鎖状態に維持するために置かれる時間間隔(以下「開放インターバル」という)である。なお、各開放インターバルの到来時には、主制御基板27から「開放インターバル表示」コマンドが送信され、これを演出制御基板24が受信し、これと同じコマンドを液晶制御基板に送信して、同コマンドに対応する開放インターバル演出が表示される。
この大入賞口40の開放と開放インターバルの繰り返しからなる大当り遊技中、開放された大入賞口40に遊技球が入賞して行く。なお、大当り遊技中以外の区間では、大入賞口40の開放は行なわれない。したがって大当り遊技中以外の区間での大入賞口40への入賞は正規の入賞ではなくゴト行為による不正入賞として扱われ、エラー管理処理(図6のステップS155参照)にて所定のエラー処理が実行される。
大当り遊技中は、最終ラウンドである第15回目の大入賞口40を閉鎖し(図19のt6)、一定時間が経過することで終了となる(図19のt7)。このとき、主制御基板27から「大当り終了表示」コマンドが送信され、これを演出制御基板24が受信し、これと同じコマンドを液晶制御基板25に送信して、同コマンドに対応する大当り終了演出が表示される。この大当り終了演出は所定の一定時間Tbだけなされ、所定時間Tbが経過すると大当り区間は終了となる(図19のt7、図14のS419〜S422参照)。この大当り終了演出としては、たとえばロゴマークを液晶表示装置に表示させる、獲得球数情報(詳細は後述する)を表示させる、等がある。なお2ラウンドの大当り遊技が実行される大当り(以下、必要に応じて「2ラウンドの大当り」と称する)中での大当り遊技の動作は、特別変動入賞装置42の大入賞口40の開閉動作、大当り開始演出中期間、大当り終了演出中期間等が15ラウンドとなる大当り中での遊技の動作と異なる点を除き、その他はt5〜t6の区間の同じ遊技の動作である。また本実施形態では、上記「大当り中」の区間は、「大当り開始演出中」と、「大当り遊技中」と、「大当り終了演出中」との3つの区間からなると説明したが、上記「大当り中」の区間は「大当り遊技中」の区間を含んでいれば良く、「大当り開始演出中」や「大当り終了演出中」の区間を含まなくても良い。
(1−2)潜伏確変状態中
第1回目の大当りである2ラウンド潜伏確変確定図柄での大当りに続いて、遊技状態は「潜伏確変状態中」(図19のt3〜t4)に入る。図19における「潜伏確変状態中」とは、本実施形態では、大当りの抽選確率を上昇させて高確率とした遊技状態のみが生起している状態である。すなわち、大当り確率を高確率(確変状態)とするため、主制御基板(主制御CPU)27は、特別図柄に関する確変機能を作動させ、特別図柄に関して大当り判定値の内容を変更する。たとえば、大当りとなる抽選確率は低確率時では1/310.6であるが、この大当りとなる抽選確率を10/310.6に上昇させる。なお、普通図柄に関しては、時短状態でもなく確変状態にもなっていない(図33参照)。この潜伏確変状態中では、特別図柄に関する確変機能のみが作動する点で通常遊技とは異なる。
(1−3)第2回目の大当り
上記潜伏確変状態中(t3〜t4)に、15ラウンド確変確定図柄で大当りすると、遊技状態は続いて第2回目の大当りである「15ラウンド大当り(15ラウンド確変確定図柄大当り)中」(図19のt4〜t7)に入る。この15ラウンド大当り中での大当り遊技の動作は、既に説明した通りである。
(1−4)確変・時短状態中
続いて遊技状態は「確変・時短状態中」(図19のt7〜t8)に入る。これは確変状態と時短状態が同時に生起している遊技状態である。
図19における「確変時短状態中」における確変状態とは、本実施形態では、大当りの抽選確率を上昇させて高確率とした遊技状態と、補助当り(補助遊技)の抽選確率を上昇させて高確率とした遊技状態とが、同時に生起している状態であり、この点で大当りの抽選確率のみを上昇させた上記(1−2)の潜伏確変状態とは異なる。すなわち、大当りの抽選確率を高確率(確変状態)とするため、主制御基板(主制御CPU)27は、特別図柄に関する確変機能を作動させ、特別図柄に関して大当り判定値の内容を変更する。たとえば、大当りとなる抽選確率は1/310.6であるが、この大当りとなる抽選確率を10/310.6に上昇させる。さらに普通図柄に関しても、主制御基板(主制御CPU)27は、普通図柄に関する確変機能を作動させ、補助当り判定値の内容を変更する。たとえば、普通図柄が当りとなる抽選確率は5/256であるが、この当りとなる抽選確率を255/256に上昇させる。
また、時短状態とするため、特別図柄に関し、主制御基板27は時短機能(特別図柄時短機能)を作動させ、通常遊技よりも相対的に特別図柄変動時間を短縮する。たとえば通常遊技中の特別図柄変動時間は、11〜60秒(大当りやリーチになる場合は13〜60秒、それ以外は11秒)であるが、この特別図柄変動時間を2〜37秒(大当りやリーチになる場合は8〜37秒、それ以外は2秒)に短縮する。さらに普通図柄に関しても同様に、時短機能(普通図柄時短機能)を作動させ、通常遊技よりも相対的に普通図柄変動時間を短縮する。たとえば通常遊技中の普通図柄変動時間は10秒であるが、この普通図柄変動時間を1秒に短縮する。すなわち、図19における「確変・時短状態中」における「時短状態」とは、この特別図柄変動時間を短縮した時短状態と普通図柄変動時間を短縮した時短状態とが、同時に生起している遊技状態となる。
混同してはならないのは、図19の「時短状態中」と記した区間(t12〜t13)との違いである。図19の「時短状態中」と記した区間(t12〜t13)は、特別図柄に着目して「時短状態中」と表記したものである。すなわち特別図柄に着目すると、上記区間(t12〜t13)は時短状態のみであり、確変状態ではなくなっている。しかし、普通図柄に関しては、上記区間(t12〜t13)は時短状態であるだけでなく確変状態にもなっている点である。
また、主制御基板27は上記確変・時短状態に、所定の終了条件を満たすまで(ここでは、大当りが発生するまで)開放延長機能を作動させて開放延長中の期間を出現させる。この開放延長中では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動時間を延長して下始動口35の開放時間および開放回数を通常遊技よりも延長する。たとえば通常遊技中(開放延長機能未作動時)では下始動口35の開放時間は0.2秒で開放回数は1回であるが、開放延長中では上記開放時間を1.7秒に延長し、開放回数も2回に延長する(1.7秒間開放し、その後1秒のインターバル時間を経て、1.7秒間開放する)。図19において「開放延長中」と記している区間が、上記「確変・時短状態中」(t3〜t4、t7〜t8)のみでなく「時短状態中」(t12〜t13)の区間にも及んでいるのは、時短状態においても同様に所定の終了条件を満たすまで開放延長機能を作動させて開放延長中の期間を出現させているからである。
したがって図19に示す確変時短状態および時短状態中では、補助当りとなる抽選確率が上昇すると共に、普通変動入賞装置41の作動時間が延長され、可動翼片47による下始動口35の開放時間および開放回数が通常遊技よりも延長される。このため下始動口35への入賞確率が高くなり、出玉に影響を及ぼすことが想定される。一方、普通変動入賞装置41は、大当り中の区間においても作動する可能性がある。しかし、大当り中は、開放延長中ではない区間であり、普通変動入賞装置41が作動する確率も開放延長中に比べて低く(通常遊技と同じ)設定されているため、大当り中の比較的短い時間で下始動口35が開放されたとしても、下始動口35への入賞は稀であり出玉にはほとんど影響を及ぼさないと推測される。
(1−5)第3回目の大当り
上記確変・時短状態中(t7〜t8)に15ラウンド非確変図柄で大当りすると、遊技状態は第3回目の大当りである「15ラウンド大当り中」(図19のt8〜t12)に入る。この15ラウンド大当り中での遊技の動作は、上記のt4〜t7の区間と同じである。
次に、上記の「15ラウンド大当り中」が終了すると(図19のt12)、「時短状態中」(図19のt12〜t13)に入る。この「時短状態中」での遊技では、特別図柄に関して、上記確変・時短状態中(t7〜t8)から確変状態の動作をなくし、時短状態と下始動口35についての開放延長機能が働いているだけの動作となる。なお、普通図柄に関しては確変状態および時短状態の両方が続いている。
そして、この時短状態中(図19のt12〜t13)は、上始動口34または下始動口35に遊技球が入賞して、特別図柄変動表示ゲームが所定回数(本例では100回)なされる、つまり特別図柄の変動が100回なされるか、または大当りが発生することを条件として終了となる(図19のt13)。そして、通常遊技中(図19のt13以降)、すなわち時短状態でもなく確変状態でもなく開放延長でもない遊技状態へと戻る。
(2−1)大当り中の獲得球数
ここで遊技者が大当り1回につき獲得できると推定される獲得球数を考えて見る。獲得球数の算出方法としては、大当り中(または大当り遊技中)に賞球を伴う入賞口(本実施形態では、上始動口34、下始動口35、大入賞口40、一般入賞口43が該当する)への入賞を条件に、単にその賞球数を累積的に加算していく方法でも良いが、この方法では、賞球数を得るために遊技者の損失となる球数(減少分)、つまり大当り中(または大当り遊技中)に発射装置32から発射された打出球数が考慮されておらず、正確な獲得球数であるとは言い難い。したがって、より正確な獲得球数を算出するためには、以下の2通りの計数手法が考えられる。
(2−1−1)大当り中の獲得球数(形態1)
遊技者の利得となる球数(増加分)は、賞球を伴う各入賞口に入賞した遊技球数に基づく賞球数の総払出数であり、また遊技者の損失となる球数(減少分)は、大当り中に発射装置32から発射された総打出球数であると考えられる。したがって、前者の増加分から後者の減少分を差し引くことにより、大当り中に遊技者が獲得した獲得球数を求めることができる。
また特別変動入賞装置42の大入賞口40には、1回(1ラウンド)の開放時間内に常に一定数の入賞球があるとは限らない。1ラウンドの終了条件(図14のステップS423参照)となる最大入賞数(ここでは10個とする)の遊技球が入賞したときや大入賞口開放時間が経過してしまい最大入賞個数未満の場合(たとえば9個)、偶然にも大入賞口40が閉鎖される直前に連続して遊技球が大入賞口40内に流入し、最大入賞数を超えて入賞する(たとえば11個)もある。このように、1回の開放時間内の入賞球数にはバラツキがある。また大入賞口40は、開放インターバル時間を挟んで所定回数回開放されるので、そのようなバラツキのある遊技球の入賞が規定のラウンド間にわたって発生する。したがって、1回の大当り遊技中に獲得される獲得球数もまた常に一定とはなる訳ではなく、バラツキがある。
しかし、上記のように大当り中の賞球数の総払出数から大当り中の総打出球数を差し引き、その結果の球数を獲得球数として推定する、という方法によれば、上記のバラツキをも考慮した正確さの増した推定獲得球数を得ることができる。
具体的には、大当り中に上記賞球を伴う各入賞口へ遊技球が入賞する毎に、前記各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの所定の賞球数を獲得球数用のカウンタ(獲得球数を記憶する記憶手段が該当する。以下、「獲得球数カウンタ」と称する)を用いて、加算して行く。すなわち、大当り中の期間の経過時間に基づいて算出される賞球数の小計払出数と、上記大当り中の期間の経過時間に基づいて算出される発射装置32の小計打出球数とを求め、上記小計払出数と上記小計打出球数の差に相当する球数を直前の獲得球数カウンタの記憶保持値である獲得球数Vに加算して現在の獲得球数Vとする。このようにすると、獲得球数の報知が必要になった場合、その時点で、その獲得球数カウンタの積算値を読み出して表示させることができる。
(2−1−2)大当り中の獲得球数(形態2)
上記形態1では、賞球を伴う各入賞口(本実施形態では、上始動口34、下始動口35、大入賞口40、一般入賞口43が該当する)に入賞した遊技球数に基づく賞球数の総払出数から遊技者の損失となる球数(減少分)として大当り中に発射装置32から発射された総打出球数を減算することにより、大当り中に遊技者が獲得した獲得球数を求める方法について説明した。
ここでは、大当り中(大当り遊技中)に遊技者の獲得球数が増加する支配的な要因である大入賞口40への入賞に着目して獲得球数を算出する方法を示す。
大当り遊技中では大入賞口40が開放されるため、打ち出した遊技球の多くは、この大入賞口40へ入賞することになる。遊技者が大当り1回につき獲得できると推定される獲得球数を考えてみる。まず、大入賞口40に1個の遊技球が入賞することで、m個(本例では13個)の賞球数の払い出しがなされる。すなわち、純増個数は12個となる。
しかし特別変動入賞装置42の大入賞口40が開放された場合でも、打ち出した遊技球の全てが入賞するわけではない。1個の遊技球が入賞するためには、遊技くぎの配列構成やその調整具合、さらには風車44や各入賞口等の遊技部品により遊技球の落下方向に変化が付与されるため、2〜5個程度は遊技球を無駄にしなければならないのが一般的である。すなわち遊技機の個性や遊技球流下特性により異なる値ではあるが、ここでは遊技球を3個打ち出すと、そのうちの1個が入賞し、他の2個は入賞しない無駄球となるパチンコ遊技機を例にとって説明する。この大入賞口に1個の遊技球を入賞させるために要する無駄球の数を、ここでは「大入賞口開放時に1入賞させるための必要無駄球数」と称し、Y個が発生するものとする。
上記のことから、大入賞口40に遊技球を1個入賞させた場合の推定純増個数Uは次の数式で表現することができる。
賞球数(m=13個)−1個(入賞球)−Y(開放時に1入賞させるための必要無駄球数)=1入賞当りの推定純増個数U
ここで、上記の開放時に1入賞させるための必要無駄球数Yは、あらかじめ試射試験や経験則等から算出して知ることができ、遊技機の個性に応じた既知の規定数値として導入される。すなわち1または同種類の2以上の弾球遊技機において実測され評価された前記必要無駄球数Yの評価値として導入することができる。この必要無駄球数Yは、一般的には、遊技機の機種ごとに異なる値である。本実施形態の場合、上記の例と同じく、3個打ち出すと、そのうちの1個が入賞し、他の2個は入賞しない無駄球(Y=2)となるものとする。この特性のパチンコ遊技機の場合、上記式から、「1入賞当りの推定純増個数U」は次式のように10個となると推定される。
13個(賞球数m)−1個(入賞球)−2個(1入賞させるための必要無駄球数Y)=10個/1入賞(1入賞当りの推定純増個数U)・・・(1)
特別変動入賞装置42の大入賞口40には、1回(1ラウンド)の開放時間内に常に一定数の入賞球があるとは限らない。1ラウンドの終了条件(図14のステップS423参照)となる最大入賞数(ここでは10個とする)の遊技球が入賞するときや、大入賞口開放時間が経過してしまい最大入賞個数未満の場合(たとえば9個)や、大入賞口40が閉鎖される直前に連続して遊技球が大入賞口40内に流入し、最大入賞数を超える場合(たとえば11個)もある。このように、1回の開放時間内の入賞球数にはバラツキがある。また大入賞口40は、開放インターバル時間を挟んで所定回数開放されるので、そのようなバラツキのある遊技球の入賞が規定のラウンド間にわたって発生する。したがって、1回の大当り中に獲得される獲得球数もまた常に一定とはなる訳ではなく、バラツキがある。
そこで、このようなバラツキをも考慮に入れて、できるだけ正確に大当り遊技中の獲得球数を知得する必要がある。ここで1回のラウンドで獲得できる球数を推定し、この推定球数にラウンド数を単に乗算することで、大当り遊技中の獲得球数を算出し大当り中の獲得球数とする、という方法が考えられる。
しかし、大当り遊技中に遊技者が獲得できる獲得球数を考える場合、大入賞口40の1回の開放時間内に入賞する遊技球数のバラツキを考慮して推定することや、大当り遊技中に継続されるラウンド数、つまり大当り遊技中に大入賞口40が何回開放されたか、により獲得球数を知る、という方向からアプローチすることは、比較的煩雑で不正確な計数方法となる。
そこで、上記1入賞当りの推定純増個数Uがあらかじめ既知量とし、大入賞口40への入賞球が1個発生する度に上記1入賞当りの推定純増個数Uを積算して行くだけで、大当り遊技中に獲得した獲得球数を計数する。すなわち、上記1入賞当りの推定純増個数Uが10個の場合、大入賞口40への入賞球が1個検出される度に10個を獲得球数カウンタに加算して行き、必要になった時点で、そのカウンタの積算値を読み出して表示させれば良い。
大当り遊技中に実際に大入賞口40に入賞する遊技球の入賞球数にはバラツキがあるが、たまたまn個の入賞があったとすると、そのn個分の賞球、つまり1入賞当りの推定純増個数Uをn倍とした値が、大当り遊技中に遊技者が獲得した獲得球数Vとして算出される。
上記1入賞当りの推定純増個数Uが10個で、大入賞口40の1回の開放で平均10個が入賞し、それが15ラウンドあるとすると、獲得球数Vは、10個(推定純増個数U)×150個(大当り遊技中の総入賞球数n:ここでは、1ラウンド中の平均入賞球数が10個で、ラウンド数Rが15ラウンドあるとしているため、nを150個として試算)=1500個(獲得球数V)となるので、概算として、遊技者が1回の大当り遊技において遊技者が獲得できる純増個数は1500個前後であると推測される。
上述した「大当り遊技」は、確変・時短状態中または時短状態中に大当りを引き続けることにより連荘する。本実施形態では、この連荘が続く限り、上記獲得球数カウンタは、上記1入賞当りの推定純増個数Uを積算して行く。すなわち、この連荘中も、大入賞口40への入賞球が1個発生する度に上記1入賞当りの推定純増個数Uを積算して行くだけで、連荘中における獲得球数を知ることができる。
以上では、大当り中の獲得球数の概要について説明した。なお、確変時短状態中および時短状態中に生起される開放延長中の獲得球数については、図20のステップS708(開放延長中獲得球数計数処理)でその詳細を説明する。
(3−1)連荘中の獲得球数
上述した「大当り(大当り遊技)」は、確変・時短状態中または時短状態中に大当りを引き続けることにより連荘する。この連荘が続く限り、上記獲得球数カウンタは、上記獲得球数を積算して行く。すなわち、この連荘中も、前回までの大当りの獲得球数に今回の大当りの獲得球数を積算して行くだけで、連荘中における獲得球数を知ることができる。
ここで、本発明では上記「連荘」中の獲得球数に着目し、大当りの種類に応じて獲得球数計数の開始となるタイミングを定めている。具体的には、どのような特殊遊技を発生させる契機となる大当りであるかどうかに応じて獲得球数の計数を開始するか、しないかを定めている。
詳述するに、一般的に、複数回に亘る大当りを引いた場合に「連荘」として扱われるのは、遊技者が手持ちの遊技球数(持ち玉)を減らす可能性が低い遊技状態下で、再び大当りを引いた場合である。本実施形態では、確変時短状態中(図19のt7〜t8)または時短状態中(図19のt12〜t13)に大当りを引いた場合、大当りが「連荘」したものとして扱い、この連荘中の獲得球数を計数する。
本実施形態の確変時短状態中または時短状態中は、遊技者が持ち玉を減らすことなく(持ち玉が減る可能性が極めて低い)大当り抽選を受けることができる遊技状態、つまり連荘チャンス状態である。この状態で大当りを引ければ、持ち玉を短時間で増加させることができる。遊技者の最大の関心事は、上記連荘チャンス状態下で再び大当りを引いて連荘を継続させ、この連荘中にどの程度の遊技球数を獲得できたかにあると言え、連荘中の獲得球数を知得することは遊技意欲の向上にも繋がる。
したがって、連荘開始となる大当りではない大当りの発生を契機に獲得球数を計数する必要性は乏しい。このため本発明では、連荘チャンス状態となり得る大当りの発生を、計数開始タイミングの条件として定めている。
本実施形態における各大当りを付随する特殊遊技の種類に着目して区分すると、上記連荘チャンスとなり得る大当り、つまり時短状態または確変時短状態の発生契機となる大当りである「15ラウンド確変確定図柄大当り」、「15ラウンド非確変確定図柄大当り」、「2ラウンド突然確変確定図柄大当り」、および「2ラウンド突然時短確定図柄大当り」(これらの大当りは、特別遊技状態(確変時短状態または時短状態)の発生契機となる「特別大当り」に相当する)と、これ以外の大当りである「2ラウンド潜伏確変確定図柄大当り」と、に区分される(図33参照)。
本発明では、通常遊技中に抽選された大当りである「初当り」が上記特別大当りである場合、その特別大当りの発生を条件として大当り中の獲得球数の計数を開始するようにしている。
しかし上記特別大当りが「初当り」であっても、上記2ラウンドの大当りの場合には、これを計数対象とする必要性に乏しい場合ある。上記2ラウンドの大当りは、その性質上、遊技者に利益を与えるという目的よりも、大当り中に現出される特別な演出を利用して遊技者の遊技興趣を誘う目的として利用され、特にその大当り後に移行する特殊遊技への移行期待演出としての目的が強く、それ故、大入賞口40の開放時間が短く、また開放回数も少なく設定しているものがある。このような大当り中に遊技者が遊技球を打ち出したとしても、大入賞口40や他の入賞口に入賞する確率は低く、その結果、微量の球数を獲得できるか、または全く獲得できない可能性が高い。
そこで、本実施形態では、特別大当りを区分し、「15ラウンド確変確定図柄大当り」と「15ラウンド非確変確定図柄大当り」とを第1群に属する大当り(第1群特別大当り)とし、「2ラウンド突然時短確定図柄大当り」と「2ラウンド突然確変確定図柄大当り」とを第2群に属する大当り(第2群特別大当り)として区分し、初当りが計数対象として有意義である上記第1群に属する大当りの発生を、獲得球数の計数開始タイミングの条件として定めている(後述する図20参照)。
連荘中に獲得することができる獲得球数は、おおまかな計算であるが、遊技者が大当りk回(15ラウンド大当りk’回、2ラウンド大当りk−k’回)の連荘で獲得できる獲得球数は、1回の15ラウンド大当りで獲得できる獲得球数を約1500個、1回の2ラウンド大当りで獲得できる獲得球数を約10個とすると、それぞれの大当りによる獲得球数をその大当り回数で乗算した値の合計かまたはその前後の値になると推測される。図19の具体例の場合、大当りは3回であるが、初当りが「2ラウンド潜伏確変確定図柄大当り」であるので、この大当り中の獲得球数は計数しない。したがって、連荘中の大当りは、15ラウンド大当りが2回(k’=2回)、2ラウンド大当りが0回(k−k’=0回)となり、大当り2回の連荘で上記獲得球数カウンタは、約3000個の獲得球数を積算値として保持しているものと推測される。
[獲得球数計数処理:図20]
次に、獲得球数計数処理(図18のS602)の詳細について説明する。図20に獲得球数計数処理のフローチャートを示す。
この獲得球数計数処理においては、まず、「大当り中」であるか(ステップS701)、「確変時短状態中」であるか(ステップS702)、「時短状態中」であるか(ステップS703)、を順に見て行く。すなわち、現在の遊技状態がどの遊技状態であるか否かを判断する。どの遊技状態であるかは、主制御基板27から送信される遊技状態指定コマンドから知ることができる。
「大当り中」である場合(ステップS701:YES)、次に、現在の大当りが「初当り」であるか否かを判断する(ステップS705)。初当りであるか否かは、直前の遊技状態が通常遊技であるか否かにより判断される。初当りでなければ(ステップS705:NO)、ステップS707の「大当り遊技中獲得球数計数処理」に移行し、初当りであれば(ステップS705:YES)、次に特別大当りであるか否かを判断する(ステップS706)。
ここで、ステップS706の判断処理では、本実施形態では、「15ラウンド確変確定図柄大当り」か、または「15ラウンド非確変確定図柄大当り」あるか否か、つまり第1群特別大当りであるか否かを判断する。上記第1群特別大当りである場合には(ステップS706:YES)、ステップS707の「大当り遊技中獲得球数計数処理」に移行し、上記第1群特別大当りでない場合(ステップS706:NO)、そのまま何もせずに獲得球数計数処理を終了する。
図19の具体例の場合、初当りが2ラウンド潜伏確変図柄で大当り(t0〜t3)であるので、その大当り中においてはステップS701の判断がYESとなり、続くステップS705の判断処理では、今回の大当りが初当りであるのでその判断がYESとなり、続くステップS706の判断処理では、今回の大当りが特別大当りではないのでその判断はNOとなり、これにより獲得球数計数処理を終了する。
図19の具体例に従い、遊技状態は、上記大当り遊技中(t1〜t2)から大当り終了演出中Tbのインターバル期間を経て、潜伏確変状態中(t3〜t4)に移行する。
潜伏確変状態中(t3〜t4)に移行すると、これにより図20のステップS701〜S703における判断がすべてNOとなるので、ステップS707に進み、後述する獲得球数クリア処理を経て、これにより獲得球数計数処理を終了する。つまり潜伏確変状態中では、通常遊技中と同じ処理手順を辿ることになる。
次いで図19の具体例に従い、潜伏確変状態中に15ラウンド確変確定図柄で大当りを引くと、遊技状態は、15ラウンド大当り中(確変図柄)に移行する。この大当り中においてはステップS701の判断がYESとなり、続くステップS705の判断処理では、今回の大当りが初当りでないのでその判断はNOとなり、ステップS707の「大当り遊技中獲得球数計数処理」に移行する。
(大当り遊技中獲得球数計数処理:図21A、図21B)
図21Aおよび図21Bに大当り遊技中獲得球数計数処理の詳細を示す。先ず、図21Aを参照し、上記(2−1−1)大当り中の獲得球数(形態1)における計数処理の内容を詳細に説明する。
(形態1の大当り遊技中獲得球数計数処理:図21A)
図21Aに大当り遊技中獲得球数計数処理の詳細を示す。ここでは、大当り中に獲得球数が増加する支配的な遊技状態である「大当り遊技中」に着目した計数形態を説明する。この大当り遊技中獲得球数計数処理では、演出制御基板(演出制御CPU)24は、大当り開始演出時間(Ta、Ta’)が経過すると、まず大当り遊技中タイマを作動させ、大当り遊技中の期間の計時動作を開始させる(ステップS721)。この大当り遊技中タイマは、大当り遊技中の期間のみ計時動作を行うタイマである。
次に、演出制御基板(演出制御CPU)24は、6秒を単位時間として、大当り遊技中の区間、つまり大当り遊技中タイマが作動(計時動作:ON)している区間を監視する。
そして、大当り遊技中の上記単位時間(6秒)の経過時点が到来する度に、その直前の単位時間(6秒)内に発射されると推定される打出球数(打出損失球数)を、小計打出球数(小計打出損失球数)として直前の記憶保持値である獲得球数Vから減算する減算処理(大当り遊技中減算処理:ステップS722〜S723)と、大当り遊技中に各入賞口へ入賞したことによる賞球がある度に(入賞コマンドを受信する度に)、その賞球数を直前の記憶保持値である獲得球数Vに加算する加算処理(大当り遊技中加算処理:ステップS724〜S725)とを行う。具体的には上始動口34および下始動口35では入賞球1個毎に3個の賞球が払い出され、一般入賞口43では入賞球1個毎に15個の賞球が払い出されるので、それらの賞球数を獲得球数Vに加算する。なお、普通図柄始動口37は、賞球が払い出される入賞口ではないので、賞球数「0」とするかもしくは除外して扱う。このステップS721〜S725の処理は、大当り中に遊技者が前記入賞により獲得した獲得球数を計数する大当り中獲得球数計数手段に対応する。
詳述するに、通常、発射装置32は、発射制御基板28の制御の下で、単位時間(1分)当り100発程度の遊技球を発射する能力を有する。いま取り扱っている「大当り遊技中」という状態は、大入賞口40が開閉を繰り返している。発射装置32から発射された遊技球は、各入賞口(大入賞口40や、特別図柄始動口である上始動口34および下始動口35や、一般入賞口43等)に入賞する有効球となるか、または、遊技領域を通過してアウト口49へ抜けて入賞する無効球となるか、のいずれかである。
ここで上記打出球数(打出損失球数)については、発射装置32が遊技球を発射する能力から推測することができる。通常、1分当り100発程度の遊技球を発射する能力を有することからすると、打出損失球数を減算項目として考慮する際には、発射装置32の能力の通常の評価方法に従い、1分を経過する毎に100発を減算するという獲得球数の修正を行えば良いことになる。
すなわち、大当り遊技中の総払出数から、大当り遊技中の総打ち出し球数(大当り遊技中の継続時間(分)×100)を減算することで、大当り遊技中における獲得球数を求めることができる。
しかし、1分を経過する毎に100発を減算するという修正では、修正間隔が長すぎて、修正量が獲得球数の値に即時には反映されない。このため、正確な打出損失球数を常にリアルタイムに把握しておくことが困難となる。打出損失球数を即時に獲得球数に反映させておくためには、打出損失球の発生率から考えて、少なくとも秒単位の短期間の繰り返し周期で、獲得球数の修正を繰り返す必要がある。
そこで本実施形態では、「1分を経過する毎に100発を打出損失球数として減算すること」に対応させ、その等価的な処理として、6秒間隔程度の短期間の繰り返し周期で、獲得球数の修正を繰り返し、「6秒間隔毎に10個を打出損失球数として獲得球数から減算する」という修正処理を行う。この6秒程度の時間間隔ならば、リアルタイムに発射装置の能力にしたがった獲得球数の修正を行うことができることになる。
ここでは、発明の理解を容易なものとするために、15ラウンド確変確定図柄大当り(図19のt4〜t7)を例にとって説明する。本実施形態の弾球遊技機では、入賞球1個毎に、大入賞口40では13個、上始動口34と下始動口35ではそれぞれ3個の賞球が払い出され、一般入賞口43では15個の賞球が払い出される。また1回の大当り遊技中において、大入賞口40が1回開放されると平均9個が入賞し、それが15ラウンド繰り返される。この弾球遊技機において、大当り遊技中に、各大入賞口40に135個(9個×15ラウンド)、上始動口34および下始動口35に計10個、一般入賞口43に1個の入賞球が発生したとすると、獲得球数の概算は次のようになる。
大入賞口40への入賞分による払出数が1755個(入賞135×賞球数13)、上始動口34および下始動口35への入賞分による払出数が30個(入賞10×賞球数3)、一般入賞口43への入賞分による払出数が15個(入賞1×賞球15)であり、合計1800個(内訳:1755個+30個+15個=1800個)が払い出される。また、この大当り遊技中の消化に3分を要したとすると、計300個(3分×100個)の打出球数(打出損失球数)がある。大当り遊技中の期間を終了した時点においては、次式から分かるように1500個を獲得することになる。
1800個(大当り遊技中の総払出数:1755個+30個+15個)−300個(打出損失球数:大当り中の時間3分×1分当りの発射装置の発射能力100個)=1500個
本例の場合、獲得球数Vは1500個として獲得球数カウンタに記憶保持される。
以上では大当り開始演出時間が経過すると、大当り遊技中タイマを作動させて、大当り遊技中の期間を計数対象区間とする計数形態を例に挙げて説明した。
ここで、上記15ラウンド大当り中となるのは実際には「t4」の時点である。したがって、本来ならば、大当り中の獲得球数を計数するには、このt4の時点から上記大当り遊技中タイマの計時動作を開始させることが好ましいが、本実施形態では以下の事項を考慮して、大当り遊技中となる「t5」の時点から「t6」の時点までを計時動作区間としている。
本実施形態の弾球遊技機では、大当りが発生した時点から大当り開始演出がなされ、所定の一定時間Ta(大当り開始演出時間)が経過すると、第1ラウンド目が開始し特別変動入賞装置42の開放扉42bが開放され、大入賞口40が開放される(図19のt5、図13のS409〜S411参照)。
多くの遊技者は、大当りが発生したことを認識すると、上記大当り開始演出が終了するまで(またはその直前まで)発射装置32から手を離し、遊技球の打ち出しを止める。遊技上級者ほどこの傾向が強く、これは大入賞口40が開放されるのを目前にして遊技球を打ち出しても、その多くは他の入賞口へは入賞せずに無駄玉(アウト球)となるからであり、大入賞口40の開放を待って打ち出す方がアウト球を抑えることができるからである。
したがって、大当り中となる「t4」の時点から上記大当り遊技中タイマを開始させてしまうと、上記大当り開始演出時間Ta分が計時されてしまい、特に大当り開始演出時間Taが上記単位時間(6秒)を超えるような期間である場合には、打ち出しがないのに減算処理(ステップS722〜S723)が行われて不具合が生じる。
一方、上記大当り遊技中の終了時点に着目すると、最終ラウンドが終了した「t6」の時点から大当り終了演出がなされ、所定の一定時間Tb(大当り終了演出時間)が経過すると大当り区間は終了となる(図19のt7、図14のS419〜S422参照)。
ここでも多くの遊技者は、大当り遊技中が終了したことを認識すると、上記大当り終了演出が終了するまでは、無駄玉を防止するべく発射装置32から手を離し、遊技球の打ち出しを止める。したがって、上述した上記大当り開始演出時間Taにおける獲得球数への影響に関する理由と同様に、「t6」が到来した時点で大当り遊技中タイマの計時動作を終了させて、これに伴い獲得球数の計数を終了させることにしている。このような事由から大当り中に獲得球数が増加する支配的な遊技状態である「大当り遊技中」に着目した計数形態を例示した。
勿論、「t4」の時点から大当り遊技中タイマを作動させてこれに基づく上記減算処理(ステップS722〜S723)を行なっても良い。
この場合、ステップS721の処理では、演出制御基板(演出制御CPU)24は、大当りが発生した時点(t4)から大当り遊技中タイマを作動させ、大当り中の期間の計時動作を開始させる(ステップS721)。ここでの大当り遊技中タイマは、大当り中の計時動作を行うタイマとなる。
そして、大当り中の単位時間(6秒)の経過時点が到来する度に、その直前の単位時間(6秒)内に発射されると推定される打出球数(打出損失球数)を、小計打出球数(小計打出損失球数)として直前の記憶保持値である獲得球数Vから減算する減算処理(ステップS722〜S723)と、入賞コマンドを受信する度に、その賞球数を直前の記憶保持値である獲得球数Vに加算する加算処理(ステップS724〜S725)とを行う。なお上記加算処理では、「大当り遊技中」に入賞コマンドを受信する度に、または「大当り中」に入賞コマンドを受信する度に、その賞球数を直前の記憶保持値である獲得球数Vに加算しても良い。
大当り遊技中タイマの計時動作期間を「大当り中」とする場合、打ち出しの如何を問わず、「大当り開始演出中Ta」や「大当り終了演出中Tb」の期間を含めた上記減算処理が行われることになる。このため、遊技者がこれら期間内に上述した無駄玉防止行為を行なった場合や、当該期間内での入賞が殆ど期待できない場合(たとえば「大当り開始演出中Ta」や「大当り終了演出中Tb」が比較的短時間で終了し、この間での入賞が期待できない場合)等には、「大当り遊技中タイマ」の計時動作期間を「大当り遊技中」とする場合よりも少ない計数値となることが予想される。
しかし大当り遊技中タイマの計時動作期間を「大当り中」の期間にする場合には、次のような利点がある。
獲得球数を遊技者に報知する場合に着目する。たとえば後述する所定個数を超える毎に獲得球数を報知する場合、獲得球数カウンタの値が実際の獲得球数よりも少ない値となっていれば、その報知が時間的に遅れてなされることになる。つまり、遊技者が実際に獲得した球数が上記所定個数(ここでは4000発とする)を超えるタイミングよりも、獲得球数カウンタの値が4000発を超えた値となるタイミングの方が時間的に遅れることになる。したがって4000発を超えた旨の報知がなされるタイミングよりも前で、遊技者が実際に獲得した球数が4000発に達していることになる。
遊技者は遊技を終えると、通常、パチンコ店に設置されている球計数機(いわゆる、ジェットカウンター)を介して実際に獲得した球数を計数する。本例において仮に遊技者が4000発を超えた旨の報知を確認した時点やその直後で遊技を終えて上記球計数機で獲得球数を計数したとすれば、その結果は4000発を超えた値かまたその近傍の値が示されることになる。もし球計数機で計数した結果が4000発よりも大幅に少ない値が示されれば、遊技者に不信感を与えるばかりか、パチンコ店とのトラブルの原因ともなり兼ねない。したがって、獲得球数カウンタの値が4000発を超えた値となるタイミングを時間的に遅れることによりこのような問題が発生することを防ぐことができる、という利点がある。
したがって、大当り遊技中タイマの計時動作期間を「大当り中」とするか、「大当り遊技中」とするかは、本発明を適用する弾球遊技機の遊技態様に依り、いずれの計時態様を選択することができる。
(形態2の大当り遊技中獲得球数計数処理:図21B)
次に、図21Bを参照し、上記(2−1−2)大当り中の獲得球数(形態2)における計数処理の内容を詳細に説明する。
図21Bに上記形態2の大当り遊技中獲得球数計数処理の詳細を示す。ここでは、まず図21Bの(A−1)の構成を説明する。この大当り遊技中獲得球数計数処理では、大入賞口入賞コマンドを受信したか否か、つまり大入賞口40に遊技球が入賞したかどうかを確認している(ステップS731)。この「大入賞口入賞コマンド」は、大入賞口40に遊技球が1個入賞する度に発生され、図13の特別変動入賞装置管理処理のステップS407において、主制御基板27から演出制御基板24に送られて来るコマンドである。
この大入賞口入賞コマンドを受信した場合(ステップS731:YES)、演出制御基板24は、推定純増個数Uを算出する(ステップS732)。この推定純増個数Uは、既に説明したように、遊技球が1個入賞したときに払い出される賞球数mから、大入賞口40に入賞した入賞球1個分と、その1個の入賞球を発生させるために発射させることが必要であった必要無駄球数Yとを減算することにより得られる数値である。
次に、上記推定純増個数Uを、獲得球数カウンタが記憶保持している獲得球数に加算し、その加算結果を遊技者が獲得した現在の獲得球数Vとする(ステップS733)。すなわち、上記推定純増個数Uを加算単位として、大入賞口40への入賞球が発生する度に、上記加算単位の球数を、獲得球数カウンタの直前の記憶保持値である獲得球数に加算し、その加算結果で上記獲得球数カウンタの記憶保持値の獲得球数を更新して遊技者が獲得した現在の獲得球数Vとする。なお所定期間(たとえば大当り遊技中の期間)「大入賞口入賞コマンド」の受信回数を計数して、その回数に加算単位の球数を乗算した結果(所定期間内の大入賞口入賞コマンド総受信回数×推定純増個数U)を上記獲得球数カウンタの記憶保持値の獲得球数を所定のタイミング(たとえば大当り遊技中終了後)で更新して現在の獲得球数Vとしても良い。このステップS731〜S733の処理は、大当り中に遊技者が前記入賞により獲得した獲得球数を計数する大当り中獲得球数計数手段に対応する。
ここで、図21Bの(A−1)は、推定純増個数Uの算出式(上記式(1)参照)をあらかじめ導入し、定数として設定している賞球数mと必要無駄球数Yとを用いて推定純増個数Uを演算機能を用いて算出する構成を示した(ステップS732、S733)。上記の必要無駄球数Yは遊技機の個性や遊技くぎの調整により変動する値であるが、同一機種については規定値として、上記推定獲得球数Uを導出する計算式に導入することができる。
しかしながら、図21Bの(A−1)のように推定純増個数Uの算出式を用いず、図21Bの(A−2)のように推定純増個数U自体を既知の規定数値として導入することもできる。この場合には、図13のステップS403の処理で送信される大入賞口入賞コマンドに、加算単位である推定純増個数Uが「h個(たとえばh=10個)」であるという情報を含ませ、この大入賞口入賞コマンドを受ける度に、上記規定値である「h個」を獲得球数カウンタの値に加算していくだけで(ステップS734)、容易に獲得球数Vを算出することができる。このステップS731およびS734の処理は、大当り中に遊技者が前記入賞により獲得した獲得球数を計数する大当り中獲得球数計数手段に対応する。
上記図21Bの(A−1)の構成を採用した場合には、遊技機の開発段階で大入賞口40の賞球数に変更があった場合、上記推定純増個数Uの算出式(1)の賞球数mの値または必要無駄玉数Yの値を変更するだけで推定純増個数Uが規定される。また上記図21Bの(A−2)の構成を採用した場合には、大入賞口入賞コマンドに含ませる上記「h個」の情報を変更するだけで推定純増個数Uが規定される。
したがって、大当り遊技中(t5〜t6)に大入賞口40にn個の遊技球が入賞したとすると、上記推定純増個数Uの入賞球数n倍の値(U×n)が、大当り遊技中に遊技者が獲得した獲得球数V(V=U×n)として、獲得球数カウンタに記憶保持される。たとえば、上記1入賞当りの推定純増個数Uが10個で、大入賞口40の1回の開放で平均10個が入賞し、それが15ラウンドあるとすると、獲得球数Vは、既に説明したように、1500個として獲得球数カウンタに記憶保持される。
図20では、現在の大当りが「2ラウンド潜伏確変確定図柄大当り中」、「2ラウンド突然時短確定図柄大当り中」、および「2ラウンド突然確変確定図柄大当り中」のいずれかであり、かつ初当りでない場合か、または「15ラウンド確変確定図柄大当り」および「15ラウンド非確変確定図柄大当り」のいずれかである場合には、ステップS707の「大当り遊技中獲得球数計数処理」を実行するとして説明した。
ここで、上記2ラウンドの大当りのように、大入賞口40の開放時間が短く開放回数も少ない大当りの場合には、微量の球数を獲得できるか、または全く獲得できない可能性が高く、これを計数対象とする必要性に乏しい場合がある。そこでこのような事情に鑑み、遊技球数が多く獲得できる15ラウンドに属する大当りのみを計数対象とし、これより獲得できる遊技球数が相対的に少ない2ラウンドに属する大当りは計数対象から除外しても良い。つまり、大当り遊技の態様に応じて、獲得球数を計数するか、しないかを定めても良い。ここで、混同してはならないのは、本発明では、初当りに関し、付随する特殊遊技の種類に基づいて獲得球数の計数開始タイミングを定めている点で、本発明において「特定の大当りを計数対象から除外」することと、付随する特殊遊技を考慮せずに、単に「特定の大当りを計数対象から除外する」こととは異なる。
図20では、特別大当りを区分し、「15ラウンド確変確定図柄大当り」と「15ラウンド非確変確定図柄大当り」とを第1群に属する大当りとし、「2ラウンド突然時短確定図柄大当り」と「2ラウンド突然確変確定図柄大当り」とを第2群に属する大当りとして区分し、初当りが計数対象として有意義かつ、付随する特殊遊技が特別遊技状態(時短状態または確変時短状態)となる上記第1群に属する大当りの発生を条件に獲得球数の計数を開始するとして説明した。本例において、「遊技球数が多く獲得できる15ラウンドに属する大当りのみを計数対象とし、これより獲得できる遊技球数が相対的に少ない2ラウンドに属する大当りは計数対象から除外」とした場合、一見して、単に2ラウンドの大当りを計数対象から除外する技術と同一のように思える。しかし、同じ2ラウンドの大当りであっても、初当りが上記特別大当りであれば獲得球数の計数を開始すると規定する一方、初当りが上記特別大当り以外の大当りであれば獲得球数の計数を開始しない(本実施形態では、大当り後の開放延長中における獲得球数の計数自体も行なわれないことになる)、という点で異なり、計数開始タイミングそのものを排除する訳ではない。
図20に戻り、演出制御基板(演出制御CPU)24は、上記大当り遊技中獲得球数計数処理(ステップS706)を終了すると、後述する獲得表示条件判定処理(ステップS708)を実行し、これにより獲得球数計数処理を終了する。
図19の具体例に従い、遊技状態は、15ラウンド大当り遊技中(t5〜t6)から大当り終了演出Tbのインターバル期間を経て、続いて確変・時短状態中(t7〜t8)に移行する。これにより図20のステップS702における判断がYESとなるので、ステップS708に進み、「開放延長中獲得球数計数処理」が実行される。
(開放延長中獲得球数計数処理:図22)
図22に開放延長中獲得球数計数処理(ステップS708)の詳細を示す。この開放延長中獲得球数計数処理では、まず、開放延長中(普通図柄確変時短状態中)に生起される普通図柄作動中の区間に入ったか否かを判断する(ステップS751)。ここで普通図柄作動中の区間とは、普通図柄の変動中の区間だけではなく、補助当りとなった場合に普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動が終了するまで区間も含まれる。普通図柄作動中の区間であるかどうかは、図8の普通図柄管理処理のステップS216の普通図柄変動コマンド、図7の同処理のステップS210の普通図柄停止コマンドにより知ることができる。また普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動が終了するまで区間は、図10の普通変動入賞装置管理処理のステップS262の普通変動入賞装置作動中コマンド、ステップS265の普通変動入賞装置作動終了コマンドにより知ることができる。
そして、開放延長中に普通図柄作動中の区間に入ったと判断された場合(ステップS751:YES)、演出制御基板24は、「普通図柄作動中タイマ」を作動させる(ステップS752)。そして普通図柄作動中の区間を抜けたとき(ステップS751:NO)、「普通図柄作動中タイマ」を停止する(ステップS757)。普通図柄作動中タイマは開放延長中の普通図柄作動中の区間だけ作動(ON)しているタイマであり、たとえば普通図柄が変動している時間が1秒であり補助当りでないとすると、その1秒の間は連続して作動(計時動作ON)し続け、その1秒が終了して普通図柄が変動していない区間に入ると停止(計時動作OFF)する、という動作を繰り返すことにより、開放延長中における普通図柄作動中の区間を表示しているタイマである。なお、ここでは、普通図柄作動中の区間に着目したタイマを作動させているが、これに限らず、普通図柄が変動中の区間のみに着目したタイマを作動させても良いし、普通変動入賞装置の可動部材が駆動している区間のみに着目したタイマを作動させても良い。
一方、開放延長中に複数回生起される普通図柄作動中の区間、つまり普通図柄作動中タイマが作動(ON)している区間を、所定の単位時間(例えば6秒)毎に監視する。普通図柄作動中の区間が、1回、2回、3回・・・と繰り返された場合、それらの区間のタイマ作動時間の各期間を加算的に計時してゆき、合計時間が6秒に達した時点(6回目の普通図柄作動中の区間の途中であっても)で、監視の単位時間(6秒)が到来したと判断する。
そして、上記単位時間(6秒)の経過時点が到来する度に、その直前の単位時間(6秒)内に発射されると推定される打出球数(打出損失球数)を、小計打出球数(小計打出損失球数)として上記獲得球数から減算する減算処理(開放延長中減算処理:ステップS752〜S754)と、開放延長中に各入賞口へ入賞した入賞球数に基づいて払い出される賞球数を、獲得球数Vに加算する加算処理(開放延長中加算処理:ステップS755〜S756)とを行う。このステップS752〜S756の処理は、特別遊技状態中に遊技者が入賞により獲得した獲得球数を計数する特別遊技中獲得球数計数手段に対応する。
詳述するに、通常、発射装置32は、発射制御基板28の制御の下で、単位時間(1分)当り100発程度の遊技球を発射する能力を有する。いま取り扱っている「開放延長中」という状態は、「確変・時短状態中」(t7〜t8)かまたは「時短状態中」(t12〜t13)で生じる。そして、この状態中、大入賞口40は閉鎖されている。
したがって発射装置32から発射された遊技球は、大入賞口40以外の入賞口に入賞する有効球となるか、または、遊技領域を通過してアウト口49へ抜けて入賞する無効球となるか、のいずれかである。アウト口49へ抜けた無効球はすべて遊技者から見て損失球となる。
いま、普通図柄作動中に発射装置32から発射された遊技球のすべてが、遊技領域3aを通過してアウト口49へ抜けて入賞しない無効球となったとすると、普通図柄作動中に1個も入賞口に入賞しなかった場合は打出損失球数が最大の状態である。この打出損失球数は普通図柄作動中に、各入賞口(上始動口34、下始動口35、一般入賞口43等)への入賞があることにより減少する。普通図柄作動中に全ての打球が入賞口に入賞した場合には、打出損失球数が最小の状態となる。そして上記各入賞口に入賞すると入賞球1個につき所定の賞球数が払い出される。
普通図柄が作動中であるということは、多くの場合、発射装置32から遊技球が発射されている状況である。また普通図柄が作動中であるということは、普通図柄の変動中が含まれ、この変動中は普通変動入賞装置41が未作動状態であり下始動口35が開放することはないが、普通図柄停止後に補助当りとなれば普通変動入賞装置41が作動して下始動口35が開放される。このような状況にもかかわらず、1個も入賞口に入賞しないのであれば、打出損失球が払出賞球数を上回るため遊技者の獲得球数は減少を続け、また逆に打出損失球が払出賞球数を下回るのであれば、遊技者の獲得球数は増加を続ける。
そこで、開放延長中に遊技者が獲得する獲得球数を算出する方法として、開放延長中のうち普通図柄の作動中の期間について着目する。普通図柄が変動していなければ発射装置32から遊技球が発射されていない可能性が大であり、普通図柄が変動していれば発射装置32から遊技球が発射されている可能性が大である。また、普通変動入賞装置41が作動している状態であれば下始動口35が開放され、この間、遊技者は下始動口35への入賞を試みるので、この場合も発射装置32から遊技球が発射されている可能性が大である。そして、獲得球数カウンタの内容に対する修正値として、この普通図柄作動期間中における上記打出損失球数を獲得球数から減算し、また各入賞口に入賞した有効球により払い出された賞球数を獲得球数に加算する。すなわち、上記有効球により払い出された賞球数すべてを加算していき、その修正値として上記打出損失球数を獲得球数Vから減算する。これを開放延長中の推定純増個数に着目して式に表わすとは次式のようになる。
開放延長中の総賞球数−普通図柄の作動期間中における打出損失球数X=開放延長中の推定純増個数・・・(2)
ここで上記打出損失球数Xの最大値については、発射装置32が遊技球を発射する能力から推測することができる。すなわち打出損失球数を減算項目として考慮する際には、発射装置32の能力の通常の評価方法に従い、1分を経過する毎に100発を減算するという獲得球数の修正方法も考えられる。
しかし、1分を経過する毎に100発を減算するという修正では、修正間隔が長すぎて、修正量が獲得球数の値に即時には反映されない。このため、正確な打出損失球数を常にリアルタイムに把握しておくことが困難となる。打出損失球数を即時に獲得球数に反映させておくためには、打出損失球の発生率から考えて、少なくとも秒単位の短期間の繰り返し周期で、獲得球数の修正を繰り返す必要がある。
そこで本実施形態では、「1分を経過する毎に100発を打出損失球数として減算すること」に対応させ、その等価的な処理として、6秒間隔程度の短期間の繰り返し周期で、獲得球数の修正を繰り返し、「6秒間隔毎に10個を打出損失球数として獲得球数から減算する」という修正処理を行う。つまり、上記式(2)中「普通図柄の作動期間中における打出損失球数」は、その修正値として「普通図柄の作動期間中(秒)×発射装置の発射性能(発射個数/秒)」(ここでは、1分間に100個の発射性能があるとしているので、6秒毎の発射数は10個となる)と表わすことができる。この6秒程度の時間間隔ならば、リアルタイムに発射装置の能力にしたがった獲得球数の修正を行うことができることになる。
再び図22を参照して、開放延長中獲得球数計数処理について説明する。図22において、演出制御基板(演出制御CPU)24は、まず普通図柄作動中であるか否かを判断する(ステップS751)。普通図柄作動中である場合(ステップS751:YES)、「普通図柄作動中タイマ」を作動させ(ステップS752)、また普通図柄作動中でない場合(ステップS751:NO)、「普通図柄作動中タイマ」を停止する(ステップS757)。
次に、上記普通図柄作動中に普通図柄作動中タイマが作動している時間を加算的に監視し、その加算されたタイマ値が、上記監視の単位時間である修正間隔の6秒を経過するのを待つ(ステップS753)。そして上記普通図柄作動中タイマのタイマ時間が修正間隔の6秒を経過したならば(ステップS753:YES)、その都度、打出損失球数として10個を獲得球数Vから減算する処理(打出損失球数減算処理:開放延長中減算処理)(ステップS754)を行う。なお、6秒が経過する前(ステップS753:NO)の間は、このステップS754を経ずにステップS755へ進む。
次に、上記普通図柄作動中において、遊技領域3a中に設けられている各入賞口(大入賞口40は閉じられているので、上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、一般入賞口43が対象となる)への入賞球があったか否か、つまりそれらの入賞コマンドが有ったか否かを判断する(ステップS755)。各入賞口への入賞に対応する入賞コマンドの受信があった場合(ステップS755:YES)、その入賞コマンドに含まれる賞球数情報に対応する値を、獲得球数Vに加算する処理(延長中加算処理)を行う(ステップS756)。
上記の開放延長中減算処理(ステップS751〜S754)と開放延長中加算処理(S755〜S756)により、開放延長中に発射装置32が打ち出した球数の損失分(打出損失球数)と、入賞により払い出された球数(開放延長中の総払出数)の利得分が、獲得球数Vに加味されることになる。これにより獲得球数の値が減少または増加する。なお、上記開放延長中の区間であるにもかかわらず、普通図柄が作動中でない状態は、たとえば遊技者が化粧室へ行き席を離れていたため、普通図柄の変動が行なわれていない、いわゆる「デモ中」の状態と考えられる。実際の「デモ中」は、デモ表示コマンドを受けた時点からであるが、普通図柄が変動していなければ打ち出しがないものとしてここでは、「デモ中」として扱う意味である。この場合も、上記ステップS751の処理において普通図柄作動中でないと判断され(ステップS751:NO)、普通図柄作動中タイマが停止される(ステップS757)。したがって、この「デモ中」の場合も、上述した普通図柄作動中でない場合の一態様として処理され、上記延長中減算処理(ステップS751〜S754)と延長中加算処理(S755〜S756)は行われないので、獲得球数への影響はない。
なお、上記開放延長中獲得球数計数処理(図20のステップS708)を省略して、獲得球数計数処理(図20)を構成しても良い。この場合、上記大当り遊技中獲得球数計数処理(図20のステップS707)のみとなるので、大当り中のみの獲得球数を計数することになるが、このような構成は、開放延長中が生起する確変時短状態中や時短状態中(図19のt7〜t8、t12〜t13)の獲得球数を考慮する必要がない場合(たとえば獲得球数の増減幅が少ない場合)に有用である。
続いて、図19の具体例に従い、遊技状態は、上記確変・時短状態中(t7〜t8)から大当り開始演出中Taのインターバル期間を経て、15ラウンド非確変確定図柄での大当り遊技中(t9〜t10)に移行する。この連荘中2回目の15ラウンド大当り遊技中の獲得球数計数処理の動作も、上述した1回目(連荘初回大当り)の15ラウンド大当り遊技中(t5〜t6)の場合と同じ動作である。この連荘中2回目の大当り遊技中に続く時短状態中(t12〜t13)では、図20のステップS703の判断がYESとなり、ステップS708の上記開放延長中獲得球数計数処理(図22)が実行される。
図20に戻り、演出制御基板24は、上記大当り遊技中獲得球数計数処理または開放延長中獲得球数計数処理を終了すると、ステップS709の獲得球数表示条件判定処理に移行する。この獲得球数表示条件判定処理では、獲得球数の表示条件(獲得球数表示条件)が成立したか否かを判断している。獲得球数表示条件については特に制限はないが、遊技中を含めた適切な時期に遊技者に報知することが好ましい。したがってここでは、前提となる獲得球数表示条件の例として、2ラウンドの大当り中以外の期間で所定の表示条件が成立した場合に液晶表示装置36に表示する態様を挙げ、その所定の表示条件の例として(イ)15ラウンド大当り遊技終了を条件に表示、(ロ)所定個数を超えた場合に(所定個数を超える毎に)、その所定個数を2ラウンド大当り中以外の期間中で表示、(ハ)所定個数を超えた場合に(所定個数を超える毎に)、その所定個数を15ラウンド大当り遊技が終了したことを条件に表示、(ニ)2ラウンド大当り中以外の期間中にボタン操作で表示、(ホ)15ラウンド大当り遊技が終了したことを条件にボタン操作で表示、(ヘ)時短状態終了後にボタン操作で表示する、のいずれの獲得表示態様が指示されているのか、および、その指示された獲得表示態様において、あらかじめ設定されている個々の表示条件が成立したかを判断する。
詳細は後述するが、(イ)「15ラウンド大当り遊技終了を条件に表示」の場合、15ラウンド大当り遊技が終了したタイミングまたは15ラウンド大当り中が終了したタイミングの到来を条件とする。(ロ)「所定個数を超えた場合に(所定個数を超える毎に)、その所定個数を2ラウンドの大当り中以外の期間中で表示」の場合、たとえば2000個を超え、かつ2ラウンドの大当り中以外の期間の到来を条件とする。(ハ)「所定個数を超えた場合に(所定個数を超える毎に)、その所定個数を15ラウンド大当り遊技終了したことを条件に表示」の場合、たとえば2000個を超え、かつ15ラウンド大当り遊技が終了したタイミングまたは15ラウンド大当り中が終了したタイミングの到来を条件とする(ニ)「2ラウンド大当り中以外の期間にボタン操作で表示」の場合、2ラウンド大当り中以外の期間において遊技者が獲得球数表示用の操作ボタンを操作したタイミングの到来を条件とする。(ホ)「15ラウンド大当り遊技終了を条件にボタン操作で表示する」の場合、上記15ラウンド大当り遊技が終了した後において遊技者が獲得球数表示用の操作ボタンを操作したタイミングの到来を条件とする。(ヘ)「時短状態終了後にボタン操作で表示する」の場合、時短状態が終了した後において遊技者が獲得球数表示用の操作ボタンを操作したタイミングの到来を条件とする。
演出制御基板24は、上記獲得表示条件が成立した場合、獲得球数表示用液晶データを設定し(図25〜図30のステップS765、図32のステップS818およびS819)、獲得球数計数処理を終了する。この獲得球数表示用液晶データは、図17のステップS536において、液晶制御コマンドありと判断され、ステップS537にて液晶制御コマンドの一部として液晶制御基板25に送信される。なお、ここでは液晶表示装置36により獲得球数を報知する場合を示しているがこれに限らず、LEDや装飾ランプ45やスピーカ58等の他の演出手段を用いて獲得球数を報知する構成としても良い。
また図19の具体例に従い、図20において、大当り中(「2ラウンド潜伏確変確定図柄大当中」、「2ラウンド突然時短確定図柄大当中」、「2ラウンド突然確変確定図柄大当中」、「15ラウンド確変確定図柄大当り中」、「15ラウンド非確変確定図柄大当り中」)、「確変時短状態中」、「時短状態中」のいずれの状態でも無い場合(ステップS701〜S703:NO)、すなわち図19の時短状態中(t12〜t13)から通常遊技中に戻った場合は、獲得球数カウンタの保持内容をクリアして(ステップS704)、これにより獲得球数計数処理を終了する。また計数処理に用いた各種タイマも本処理にてクリアされる。このステップS704の処理は、上記大当り中を除く前記特別遊技状態以外の遊技状態に移行したことを条件として、獲得球数をクリア(初期化)する獲得球数クリア手段に対応する。
(獲得球数表示処理:図23)
図23に、上記獲得球数表示用液晶データが液晶制御基板25に送信された場合に、液晶制御基板25において行われる獲得球数表示処理を示す。
液晶制御基板25は、上記獲得球数表示用液晶データを受信したか否かを常時監視している(ステップS901)。獲得球数表示用液晶データを受信した場合(ステップS901:YES)、液晶制御基板25は、液晶表示装置36の画面の所定の領域に、獲得した獲得球数を表示する獲得表示処理を行い、遊技者に獲得球数Vを報知する。これにより遊技者は大当り中(大当り遊技中)および連荘チャンス状態に獲得した総獲得球数を知ることができる。
[獲得球数の表示]
次に、上記の獲得球数を、遊技中を含めた適切な時期に遊技者に報知する方法について説明する。
獲得球数表示時期については特に制限はないが、本発明では、計数した獲得球数(獲得球数情報)を一律に報知するのではなく、現在の大当りが、どの大当りに属するかを考慮した獲得球数の報知タイミングを定めている。本実施形態では以下の理由から、連荘中(初当たりを含む)の獲得球数表示に関し、2ラウンドの大当り中以外の期間で獲得球数を報知するようにしている。
遊技者の関心事の一つには、連荘中にどの程度の遊技球が獲得できたかにあり、連荘中の獲得球数を知得することは遊技意欲の向上にも繋がる。しかし上記のような2ラウンドの大当りの多くは、遊技者に利益を与えるという目的よりも演出の一態様としての目的が強い。このため上記2ラウンド大当りは、その性質上、大入賞口40の開放時間が短く開放回数も少なく設定されており、遊技者が遊技球を打ち出したとしても、大入賞口40や他の入賞口に入賞することは少なく、その結果、微量の球数を獲得できるか、または全く獲得できない可能性が高い。
たとえば15ラウンド確変確定図柄大当りを引いた後、2ラウンド突然確変確定図柄大当りを引き、続いて15ラウンド非確変確定図柄大当りを引いた場合、この連荘中での獲得球数は、おおまかではあるが、15ラウンド大当り2回分の獲得球数と大きな差はないものと推測される。特に、連続する大当りの区間中で、開放延長中が生起する確変時短状態中や時短状態中(図19のt7〜t8、t12〜t13)の獲得球数の増減幅が比較的少ない場合には、その差は殆どないものと推測される。
したがって上記2ラウンドの大当り中に獲得球数を報知しても意味をなさない場合があり、すべての大当り中で獲得球数を報知するとすれば、遊技者にとって煩わしく、遊技意欲を減退させる原因となる。そこで本実施形態では、獲得できる球数が他の大当りと比較して相対的に少ない大当り中では獲得球数を報知することはせず、それ以外の期間で獲得球数情報を報知するようにしている。
以下、遊技中を含めた適切な時期に遊技者に報知する方法について説明する。先ず、2ラウンドの大当り中以外の期間で所定の表示条件が成立した場合に表示する態様について説明しておく。
図25は、上記の獲得球数を2ラウンドの大当り中以外の期間で、ある所定の表示条件が成立した場合に報知する形態を示すフローチャートである。本例では、2ラウンドの大当り中以外の期間、すなわち図19のt4〜t13の区間の任意の時期にて、獲得球数カウンタに記憶保持されている獲得球数を表示することになる。このように2ラウンドの大当り中以外の期間で獲得球数を報知する形態の場合、演出制御基板(演出制御CPU)24は、まず2ラウンドの大当り中か否かを判断することになる(ステップS761〜S763)。すなわち、2ラウンド潜伏確変大当り(2ラウンド潜伏確変確定図柄大当り)中か、2ラウンド突然時短大当り(2ラウンド突然時短確定図柄大当り)中か、2ラウンド突然確変大当り(2ラウンド突然確変確定図柄大当り)中か否かを判断する。2ラウンドの大当り中の場合には(ステップS761〜S763でいずれかでYES)、何もせずに獲得表示条件判定処理を終了する。
一方、2ラウンドの大当り中でない場合には(ステップS761〜S763でいずれもNO)、表示条件が成立したか否かを判断し(ステップS764)、上記表示条件が成立していれば(ステップS764:YES)、獲得球数表示用液晶データを設定して(ステップS765)、これにより獲得球数表示条件判定処理を終了する。この獲得球数表示用液晶データは、図17のステップS536において、液晶制御コマンドありと判断され、ステップS537にて液晶制御コマンドの一部として液晶制御基板25に送信され、獲得球数Vが画像表示される。
たとえば図19のt6〜t7では、獲得球数カウンタに記憶保持されている積算値(獲得球数V)、たとえば約1500個表示する。なお、獲得球数を表示する場合、上記獲得球数カウンタに記憶保持されている積算値をそのまま表示しても良いが、上記積算値は推定値であるので概算値としてまるめて表示することが好ましい。具体的には、獲得球数カウンタに記憶保持されている積算値が1530個の場合、このまま「1530個」を獲得球数として表示するのではなく、上記獲得球数カウンタの積算値の下位の値を切り捨てて「1500個」として表示する。また、獲得球数カウンタの積算値の下位の値を切り捨てて表示することに限らず、これとは無関係に500個単位、または1000個単位等で表示しても良い。以下に説明する獲得球数の表示態様についても同様に、上記表示態様であることが好ましい。
ステップS764の処理で判断する表示条件については特に制限はないが、遊技中を含めた適切な時期に遊技者に報知することが好ましい。以下に、その報知タイミングについての具体例を示す。なお、実質的に同じ処理内容については同じステップ番号を付し、また重複記載を避けるため、その詳細は適宜省略して説明する。
(イ)15ラウンド大当り遊技終了を条件に表示(図26)
図19の(イ)の白丸印(○印)は、上記の獲得球数を15ラウンド大当り遊技中終了毎(最終ラウンド終了後)に報知する形態の報知タイミングを示したものである。図19の(イ)では、15ラウンド大当り遊技中(t5〜t6、t9〜t10)が終了したことを条件として、それぞれ獲得球数カウンタに記憶保持されている獲得球数を表示することになる。具体的には、大当り終了演出区間Tbにおける演出中(t6〜t7、t10〜t12)の区間にて、上記獲得球数を表示することになる。
図26に、この形態における獲得球数表示条件判定処理(図20)の構成例を示す。演出制御基板24は、まず15ラウンド大当り遊技中が終了したか否かを判断することになる(ステップS771)。15ラウンド大当り遊技中が終了したか否かは、最終ラウンドの大入賞口40の閉鎖後に開放インターバル表示コマンドの受信よりインターバル演出時間の経過後に送信される大当り終了表示コマンドにより知ることができる。本例の場合、最終ラウンド終了後、特殊遊技(時短状態等)突入前に表示するようにしているので、大当り終了演出の一環として、獲得球数を表示することができる。
演出制御基板24は、15ラウンド大当り遊技中が終了したと判断した場合(ステップS771:YES)、大当り遊技終了時点の獲得球数カウンタの値を読み出し、これに基づく獲得球数表示用液晶データを設定し(ステップS765)、これにより獲得球数表示条件判定処理を終了する。この獲得球数表示用液晶データは、図17のステップS536において、液晶制御コマンドありと判断され、ステップS537にて液晶制御コマンドの一部として液晶制御基板25に送信され、獲得球数Vが画像表示される。
本例では、図19の時刻t6〜t7では、15ラウンド大当り中(t4〜t6)の獲得球数である、たとえば約1500個を表示する。また図19の時刻t10〜t12では、15ラウンド確変確定図柄大当り中の獲得球数(t4〜t7)と、確変時短状態中(t7〜t8)の獲得球数と、連荘中2回目の大当りである15ラウンド非確変確定図柄大当り中(t8〜t10)の獲得球数の和である、たとえば約3000個を表示する。
なお、この獲得球数カウンタとは別に、上記積算値を各大当りごとに記憶保持しておく「大当り別獲得球数カウンタ」を設け、その獲得球数を同時にまたは別個に表示させることもできる。このようにすれば、連荘中、大当りごとの獲得球数をそれぞれ表示することができるので、たとえば、今回と前回の大当り中の獲得球数を別々に表示することができる。この結果、遊技者は、今回の大当り中の獲得球数が前回よりも少なければ、次回の大当り中の獲得球数を増やそうと努力するので、遊技意欲をさらに向上させることができる。
また、15ラウンド大当り中が終了したことを条件に、つまり大当り終了演出時間Tb経過後に送信される遊技状態表示コマンドを受信したことを条件に、上記獲得球数を画像表示しても良い。この場合、ステップS771の処理を15ラウンド大当り中が終了したか否かを判断する処理に置き換え、15ラウンド大当り中が終了したと判断した場合にステップS765の処理に移行する。図示はしていないが、報知タイミング(図19の(イ)の白丸印(○印))は、15ラウンド大当りが終了した時刻t7、t12に、それぞれ獲得球数カウンタに記憶保持されている獲得球数を表示することになる。
(ロ)所定個数を超えた場合に(所定個数を超える毎に)、その所定個数を2ラウンドの大当り中以外の期間中で表示(図27)
図19の(ロ)の白丸印(○印)は、上記の獲得球数が、あらかじめ所定の報知単位(ここでは2500個単位とする)でランク分けをした獲得球数(2500個、5000個、7500個・・・)を超えた場合に報知する形態の報知タイミング例を示したものである。ここでは、2500個を超えるタイミングが2回目の15ラウンド大当り遊技中(t9〜t10)に起こった場合を示している。
図27に、この形態における獲得球数表示条件判定処理(図20)の構成例を示す。演出制御基板(演出制御CPU)24は、まず2ラウンドの大当り中か否かを判断(ステップS761〜S763)し、2ラウンドの大当り中でない場合には(ステップS761〜S763でいずれもNO)、獲得球数カウンタの値が上記2500個を1報知単位としてランク分けした個数、たとえば最低ランクの2500個を超えたか否かを判断し(ステップS781)、その個数を超えた場合には(ステップS781:YES)、次回表示個数条件設定として1ランク上の報知単位(たとえば5000個)に更新する(ステップS782)。
そして演出制御基板24は、ステップS782の処理の後、獲得球数表示用液晶データを設定し(ステップS765)、これにより獲得球数表示条件判定処理を終了する。この獲得球数表示用液晶データは、図17のステップS536において、液晶制御コマンドありと判断され、ステップS537にて液晶制御コマンドの一部として液晶制御基板25に送信され、獲得球数が画像表示される。
図19では、一例として、15ラウンド非確変図柄での大当り中(t9〜t10)の区間内の2/3程度(10ラウンドが終了した付近)で、獲得球数カウンタの数値が、最初のランク分け個数である2500個に達した場合を示している。そこで、この10ラウンドの終了時、獲得球数の報知情報として「おめでとう2000個獲得!」や「獲得数4000個突破!」等の獲得球数画像を画面に表示する。
図24に上記報知情報として、「おめでとう4000個獲得!」とキャラクタの「藤丸くん」を液晶表示装置の画面に表示させた例を示す。
しかし表示条件である1報知単位の個数を幾つにするかについては制限がなく、1000個単位や5000個単位、また所定個数単位毎ではなく、ランダムに1000個、3000個、10000個等、任意に定めることができる。
図19の(ロ)の白三角印(△印)は、1000個単位で獲得球数報知する形態の報知タイミング例を示したものである。獲得球数の積算値が1000個に達するたびに、「1000個突破!」「2000個突破!」・・・等の獲得球数画像を液晶表示装置の画面に表示する。また、ある上限数を超えた場合、たとえば通常では達成することが困難な獲得球数に達した場合、上記のように獲得球数をダイレクトに表示するのではなく、獲得球数に替えて、または獲得球数と共に「大爆発中!!」「猛爆中!!」のようなプレミア的画像を表示しても良い。
(ハ)所定個数を超えた場合(所定個数を超える毎)、その所定個数を15ラウンド大当り遊技が終了したことを条件に表示(図28)
図19の(ハ)の白丸印(○印)は、15ラウンド大当り遊技が終了する毎に獲得球数カウンタに保持されている獲得球数があらかじめ定めた所定個数(ここでは2000個単位とする)を超えた場合に報知する形態の報知タイミング例を示したものである。ここでは、15ラウンド大当り遊技中が終了するまでにあらかじめ所定の報知単位でランク分けをした獲得球数を超えた場合に、t6〜t7、t10〜t12の区間にて、獲得球数カウンタに記憶保持されている獲得球数を表示することになる。具体的には、大当り終了演出区間Tbにおける演出中にて上記獲得球数を表示することになる。画像表示態様については、上述した(ロ)と同様である。
図28に、この形態における獲得球数表示条件判定処理(図20)の構成例を示す。すなわち、演出制御基板24は、15ラウンド大当り遊技中の終了を監視しており(ステップS771)、15ラウンド大当り遊技中が終了したならば(ステップS771:YES)、ステップS781の処理に進む。そして、獲得球数が上記2000個を1報知単位としてランク分けした個数、たとえば2000個を超えたか否かを判断し(ステップS781)、その個数を超えた場合には(ステップS781:YES)、次回表示個数条件設定として1ランク上の報知単位(たとえば4000個)に更新する(ステップS782)。
そして演出制御基板24は、ステップS782の処理の後、獲得球数表示用液晶データを設定し(ステップS765)、これにより獲得球数表示条件判定処理を終了する。この獲得球数表示用液晶データは、図17のステップS536において、液晶制御コマンドありと判断され、ステップS537にて液晶制御コマンドの一部として液晶制御基板25に送信され、獲得球数Vが画像表示される。
ここで、図19の(ハ)が上記(ロ)と異なる点は、白丸印(○印)の位置が、上記(ロ)の場合のように大当り遊技中のt9〜t10内にあるのではなく、大当り終了演出区間Tbのt10〜t12上に在る点である。このことから分かるように、この例では、上記の獲得球数の積算値があらかじめ報知単位として定めた所定個数(2000個単位)を超えても、その時点で直ちには表示されず、大当り遊技中が終了した時点の到来を待って表示するものである。図19では、15ラウンド非確変確定図柄の大当り遊技中(t9〜t10)の概ね5〜6ラウンドが終了した付近で、獲得球数カウンタの積算値が1報知単位である2000個に達する。そこで、大当り遊技中が終了した時点(t10)の到来を待って、獲得球数の報知情報として「おめでとう2000個獲得!」や「獲得数4000個突破!」等の獲得球数画像を液晶表示装置の画面に表示する。
なお、15ラウンド大当り中が終了したことを条件に、つまり大当り終了演出時間Tb経過後に送信される遊技状態表示コマンドを受信したことを条件に、上記獲得球数を画像表示しても良い。この場合、ステップS771の処理を15ラウンド大当り中が終了したか否かを判断する処理に置き換え、大当り中が終了したと判断した場合にステップS781の処理に移行する。図示はしていないが、報知タイミング(図19の(ロ)の白丸印(○印))は、大当りが終了した時刻t7、t12に、それぞれ獲得球数カウンタに記憶保持されている獲得球数を表示することになる。
(ニ)2ラウンド大当り中以外の期間中にボタン操作で表示(図29)
図19の(ニ)は、獲得球数表示用の操作ボタンが操作されたとき、獲得球数カウンタに保持されている最新の保持内容を、遊技者が獲得した獲得球数Vとして報知する例である。この獲得球数表示用の操作ボタンとして、上記枠演出ボタン13を所定の条件下で押すことにより機能するように兼用させても良いし、獲得球数表示用の専用の操作ボタンを設けても良い。
図29に、この形態における獲得球数表示条件判定処理(図20)の構成例を示す。演出制御基板(演出制御CPU)24は、操作ボタンによるボタン操作入力があったか監視し(ステップS791)、ボタン操作入力があった場合には(ステップS791:YES)、次に2ラウンドの大当り中か否かを判断する(ステップS761〜S763)。2ラウンドの大当り中である場合には(ステップS761〜S763のいずれかがYES)、ボタン操作入力は無効なものとして扱い、何もせずに獲得球数表示条件判定処理を終了する。しかし2ラウンドの大当り中でない場合には(ステップS761〜S763のいずれもNO)、ボタン操作入力を有効なものとして扱い、獲得球数表示用液晶データを設定し(ステップS765)、これにより獲得球数表示条件判定処理を終了する。この獲得球数表示用液晶データは、図17のステップS536において、液晶制御コマンドありと判断され、ステップS537にて液晶制御コマンドの一部として液晶制御基板25に送信され、獲得球数Vが画像表示される。
図19の(ニ)では、15ラウンド大当り遊技中(t5〜t6、t9〜t10)、大当り開始演出中Ta(t4〜t5、t8〜t9)、大当り終了演出中Tb(t6〜t7、t10〜t12)、確変・時短状態中(t7〜t8)、時短状態中(t12〜t13)のうちの任意の区間において、獲得球数表示用の操作ボタンが操作され、これにより獲得球数カウンタに記憶保持されている最新の保持内容が獲得球数Vとして報知されることを示している。この形態では、遊技者が獲得球数を知りたいタイミングで液晶表示装置の画面に表示することができる。表示態様としては、ボタンが操作なされた時点の獲得球数Vを表示しても良いし、獲得球数Vがある所定値を超えたことを暗示するような表示態様であっても良い。たとえば獲得球数Vが0〜499個場合には「獲得球数計測中」という表示にし、500〜999個の場合には「500個突破!」、1000〜1500個の場合には「1000個突破!」等という表示である。
なお、この形態では、2ラウンドの大当り中以外の期間中ボタン操作で表示としたが、2ラウンド大当り中を含めた任意の区間(図19のt4〜t13)において操作ボタンが操作された場合に、獲得球数を報知する構成としても良い。ボタン操作は遊技者の恣意的なものであり、遊技者が獲得球数を知得したいタイミングであれば連荘中の任意の区間で表示しても差し支えはないからである。
(ホ)15ラウンド大当り遊技が終了したことを条件にボタン操作で表示(図30)
図19の(ホ)は、上記(ニ)と同様に、獲得球数表示用の操作ボタンが操作されたとき、獲得球数カウンタに保持されている最新の保持内容を、遊技者が獲得した獲得球数Vとして報知する例である。
図19の(ホ)が上記(ニ)と異なる点は、獲得球数表示用の操作ボタンが操作されたタイミングが15ラウンド大当り遊技終了後であることを条件としている点である。すなわち、15ラウンド大当り遊技中が終了し、15ラウンド大当り終了演出の区間(t6〜t7、t10〜t12)にて、獲得球数カウンタに記憶保持されている獲得球数を表示することになる。
図30に、この形態における獲得球数表示条件判定処理(図20)の構成例を示す。演出制御基板24は、操作ボタンによるボタン操作入力があったか監視し(ステップS791)、ボタン操作入力があった場合には(ステップS791:YES)、15ラウンド大当り終了演出期間中であるか否かを判断し(ステップS793)、当該期間中ならば(ステップS793:YES)、ボタン操作入力を有効なものとして扱い、獲得球数表示用液晶データを設定する(ステップS765)。この獲得球数表示用液晶データは、図17のステップS536において、液晶制御コマンドありと判断され、ステップS537にて液晶制御コマンドの一部として液晶制御基板25に送信され、獲得球数Vが画像表示される。
この形態では、15ラウンド大当り遊技中が終了した時点(t6、t10)の到来を待って、遊技者が獲得球数を知りたいタイミングで液晶表示装置の画面に表示することができる。本例の場合、最終ラウンド終了後、特殊遊技(時短状態等)突入前に表示できるようにしているので、大当り終了演出の一環として、獲得球数を表示することができる。
(ヘ)時短状態終了後にボタン操作で表示(図31)
図19の(へ)は、時短状態が終了した後の任意の時点で獲得球数表示用の操作ボタンが操作されたとき、獲得球数保持手段に保持されている最新の保持内容、つまりその直前の連荘中に獲得された球数の総和を、遊技者が獲得した獲得球数Vとして報知する例である。この形態の場合は、時短終了後、すなわち通常遊技中であっても遊技者が過去の大当りや過去の連荘中における獲得球数を知りたいタイミングで液晶表示装置の画面に表示することができる。
図31に、この形態の場合の獲得球数計数処理の仕方を示す。ここでは時短終了時に獲得球数を記憶しておき、通常遊技中に獲得球数表示用の操作ボタンを操作することで、その記憶していた獲得球数を表示できるようにしている。
演出制御基板(演出制御CPU)24は、大当り中でもなく、確変・時短状態中でもなく、時短状態中でもない場合(ステップS701〜S703のいずれもNO)、潜伏確変状態中または通常遊技中であると判断し、今回の時短終了時までの獲得球数カウンタに記憶保持されている獲得球数、たとえば3200個をRAMに記憶する(ステップS801)。その後、獲得球数カウンタに記憶保持されている獲得球数(3200個)をクリアする(ステップS802)。したがって、本例での獲得球数カウンタには、大当り中および開放延長中(時短状態中、確変時短状態中)における計数中の獲得球数を記憶保持する第1獲得球数カウンタ(第1獲得球数保持手段)と、今回の時短終了時までの獲得球数(本例では上記3200個)を記憶保持する第2獲得球数カウンタ(第2獲得球数保持手段)とが含まれる。また第2獲得球数カウンタの値は、過去の履歴が残るように記憶保持しても良いし、時短状態が終了する度にその保持内容を更新しても良い。
次いで、ステップS803の獲得球数表示判定処理に入る。図32に、この形態における獲得球数表示条件判定処理(図20)の構成例を示す。
ここでは、獲得球数表示用の操作ボタンが操作された時点が、15ラウンドの大当り中(t4〜t7、t8〜t12)や確変・時短状態中(t7〜t8)や時短状態中(t12〜t13)の場合には、第1獲得球数カウンタの保持内容に基づいて獲得球数表示用液晶データを設定し、通常遊技中(t13以降)の場合には、第2獲得球数カウンタの保持内容に基づいて獲得球数表示用液晶データを設定する。
具体的には、ステップS803の獲得球数表示判定処理に入ると、演出制御基板24は、獲得球数表示用のボタン操作入力があったか否かを判断し(ステップS811)、ボタン操作入力があれば(ステップS811:YES)、2ラウンドの大当り中であるか否かを判断する(ステップS812〜S814)。2ラウンドの大当り中であれば(ステップS812〜S814のいずれかがYES)、ボタン操作入力は無効なものとして扱い、そのまま何もせずに獲得球数表示条件判定処理を終了する。
ボタン操作入力があった時点が2ラウンド大当り中でないならば(ステップS812〜S814のいずれもNO)、次に現在の遊技状態が、15ラウンドの大当り中か、確変時短状態中か、時短状態中かを順に判断する(ステップS815〜S817)。15ラウンドの大当り中、確変時短状態中、時短状態中のいずれかである場合(ステップ815〜S817のいずれかでYES)、ステップS819に進み、第1獲得球数カウンタの保持内容に基づいて獲得球数表示用液晶データを設定する(ステップS819)。
2ラウンドの大当り中でもなく、15ラウンドの大当り中でもなく、確変・時短状態中でもなく、時短状態中でもない場合は(ステップS812〜S817でいずれもNO)、潜伏確変状態中または通常遊技中であると判断し、図31のステップS801で記憶した第2獲得球数カウンタの保持内容(上記RAMに記憶した獲得球数である3200個)に基づいて獲得球数表示用液晶データを設定し(ステップS818)、これにより獲得球数表示条件判断処理を終了する。
この獲得球数表示用液晶データは、図17のステップS536において、液晶制御コマンドありと判断され、ステップS537にて液晶制御コマンドの一部として液晶制御基板25に送信され、獲得球数Vが画像表示される。
[変形例]
上記した開放延長中獲得球数計数処理(図22:ステップS751〜S756)では、開放延長中に発射される遊技球の数(打出損失球数)を推測する方法として、普通図柄が作動している期間に着目して監視対象区間を定めた。すなわち、普通図柄作動中に作動して計時動作を行う普通図柄作動中タイマを設け、当該タイマが計時をしている作動時間の累積値を監視し、6秒が経過する毎に、獲得球数から10個を減算する処理(打出損失球数減算処理)を行った。
しかし、この打出損失球数減算処理は、特別図柄が変動していなければ発射装置32から遊技球が発射されていない可能性が大であり、特別図柄が変動していれば発射装置32から遊技球が発射されている可能性が大であるという推測がなされるという点に着目し、上記した普通図柄作動中を監視する代わりに、特別図柄の変動中にのみ作動して計時動作を行う特別図柄変動中タイマを設け、当該タイマが計時をしている作動時間の累積値を監視し、6秒が経過する毎に、獲得球数から10個を減算する処理に替えることもできる。この場合も普通図柄作動中を監視する場合と類似する効果を奏することができる。
また、上記の打出損失球数減算処理は、上記した普通図柄の変動と特別図柄の変動の双方またはいずれか一方が変動している期間に着目し、その普通図柄または特別図柄の双方またはいずれかが変動している期間中にのみ作動して計時動作を行う図柄変動中タイマを設け、当該タイマが計時をしている作動時間の累積値を監視し、発射装置の発射性能を考慮して所定時間(たとえば6秒)が経過する毎に、獲得球数から所定個数(たとえば10個)を減算する処理に替えることもできる。また、普通図柄が変動している期間中にのみ作動して計時動作を行なう普通図柄変動中タイマと特別図柄が変動している期間中にのみ作動して計時動作を行なう特別図柄変動中タイマとを設け、これらタイマが計時している作動時間の累積値を別々に監視し、上記普通図柄変動中タイマの累積値が第1の所定時間が経過する毎に、獲得球数から第1の所定個数を減算し、上記特別図柄変動中タイマの累積値が第2の所定時間が経過する毎に、獲得球数から第2の所定個数を減算する処理を行っても良い。この場合、前記第1の所定個数と前記第2の所定個数、または前記第1の所定時間と前記第2の所定時間とは、同じ値であっても良いし、異なる値であっても良い。
さらにまた、ステップS751においては、普通図柄変動中であるか否かをチェックする代わりに、デモ演出用のデモ表示コマンドを受信しているか否かを判断し、デモ演出が行われていない期間中にのみ作動して計時動作を行うタイマを設け、当該タイマが計時をしている作動時間の累積値を監視し、6秒が経過する毎に、獲得球数から10個を減算する処理に替えることもできる。