本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
尚、以下の説明において、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uを保留表示エリアと称することがあり、保留記憶数は、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示される保留記憶表示の数により認識できるようになっている。更に、この保留記憶表示が集まった表示を保留表示と称することがある。
第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせても良い。尚、本実施例においては、『実行』と『実施』とは同義である。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、このように演出表示装置5を用いた演出を行う場合において、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、近年においては演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示領域を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。よって、これら現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくいことを解消することを目的として、演出表示装置5に、演出図柄と特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリアを設けても良い。これら第4図柄は、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるようにすれば良い。尚、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。尚、本実施例においては、このように大入賞口に遊技球が入賞することにより所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される大当り遊技状態を本発明における有利状態とする。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
尚、本実施例では、図7(B)に後述するように、大当り遊技として、1ラウンド中に1回特別可変入賞球装置7を29秒に亘って開放する(通常開放ラウンド)大当り遊技(確変大当りA及び非確変大当りCの大当り遊技)と、1ラウンドに1回特別可変入賞球装置7を0.1秒に亘って開放する(短期開放ラウンド)大当り遊技(確変大当りB及び非確変大当りDの大当り遊技)の2種類を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、1ラウンド中に特別可変入賞球装置7を複数回0.1秒間開放する大当り遊技を設けるようにしても良い。
大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りAに対応する大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りBに対応する大当り図柄となる。また、「3」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りCに対応する大当り図柄となり、「1」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りDに対応する大当り図柄となる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第1回数(例えば、15回)繰返し実行される。
また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第2回数(例えば、10回)繰返し実行される。
また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、「1」または「5」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」または「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)よりも短い所定の上限時間(例えば0.1秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第3回数(例えば、5回)繰返し実行される。尚、これら短期開放大当り状態では、ラウンド回数を第3回数である5回とした形態を例示しているが、ラウンド回数は通常開放大当り状態における第1回数(例えば、15回)や第2回数(例えば、10回)と同一とするが、所定数(例えば6回)以降の各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)を、通常開放大当り状態における期間である29秒間よりも短い期間(例えば0.1秒間)とすることで、実質的なラウンド回数を通常開放大当り状態よりも少なくするようにしても良い。
尚、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出玉(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、本実施例では、図5に示すように、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。更に、本実施例では、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチβが出現した場合には、スーパーリーチαが出現した場合よりも変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高い(大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。
尚、本実施例では、後述するように、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており(図5参照)、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。これら「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。尚、「滑り」の変動表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、保留表示予告演出となるものが含まれていてもよい。保留表示予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが、予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留表示などの表示態様の変化に基づいて示唆される予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。尚、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変C」または「非確変D」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「1」または「5」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄または確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」以外の奇数「1」、「3」、「5」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。尚、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
尚、本実施例において、特別図柄のうち、「1」の通常大当り図柄が停止表示された場合と、「5」の確変大当り図柄が停止表示された場合とで演出表示装置5において同一の演出図柄を停止表示するのは、大当り遊技終了後に確変制御が実行されているか否かを遊技者から判別困難とするためである。
確定演出図柄が通常開放大当りであるか短期開放大当りであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御される。一方、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御される。尚、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となった場合は、大当り遊技(通常開放大当り状態)の終了後に、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われ、確定特別図柄として「5」の変動表示結果にて「大当り」となった場合は、大当り遊技(短期開放大当り状態)の終了後に、確率変動制御(確変制御)のみが行われる。
また、確定演出図柄が通常開放大当りであるか短期開放大当りであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として通常大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「非確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「3」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御される。一方、「非確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「1」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御される。尚、確定特別図柄として「3」の変動表示結果にて「大当り」となった場合は、大当り遊技(通常開放大当り状態)の終了後に、時短制御のみが行われ、確定特別図柄として「1」の変動表示結果にて「大当り」となった場合は、大当り遊技(通常開放大当り状態)の終了後に、時短制御と確変制御のどちらも実行されないようになっている。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行しても良い。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変(非確変Cまたは非確変D)」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われば良い。これに対して、大当り種別が「確変(確変Aまたは確変B)」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。尚、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置5の表示領域にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が出玉(賞球)を得ることができない(0玉)ことを示す「ハズレ1」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が、仮に大当りとなれば1500玉の出玉(賞球)を得ることができることを示唆する「ハズレ2」となる旨の事前決定結果を示す第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が、仮に大当りとなれば1000玉の出玉(賞球)を得ることができることを示唆する「ハズレ3」となる旨の事前決定結果を示す第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が、仮に大当りとなれば0玉の出玉(賞球)を得ることができることを示唆する「ハズレ4」となる旨の事前決定結果を示す第4変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」であり、1500玉の出玉(賞球)を得ることができる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C05Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」であり、0玉の出玉(賞球)を得ることができる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第6変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C06Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当りC」であり、1000玉の出玉(賞球)を得ることができる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第7変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C07Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当りD」であり、0玉の出玉(賞球)を得ることができる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第8変動表示結果指定コマンドである。尚、小当りを発生させる場合には、小当りに対応する変動表示結果指定コマンド(例えば、コマンド8C08H)を設定して、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知すれば良い。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。コマンドA400Hは、大入賞口への遊技球の入賞が発生したこと通知する大入賞口入賞指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB5XXHは、時短回数の残り回数(変動回数)を通知するための演出制御コマンドであり、時短回数の残り回数(変動回数)に応じたEXTデータが設定されることにより、時短回数の残り回数(変動回数)が通知される。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア5Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア5Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別(確変や非確変や突確)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR3が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
また、RAM102は、その一部または全部が電源基板(図示略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM102に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力されるようになっている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力されるようになっている。
尚、本実施例では、主基板11とともに、演出制御基板12にもバックアップ電源が供給されていて、演出制御基板12についても主基板11と同様に後述するRAM122がバックアップされている。このように本実施例では、RAM122がバックアップ電源によりバックアップされるようになっているが、バックアップ電源を必要としないフラッシュメモリ等の不揮発性メモリによりRAM122を構成してもよい。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、ハズレ種別判定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図11に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変大当りC」、「非確変大当りD」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
ハズレ種別判定用の乱数値MR5は、変動表示結果を「ハズレ」とする場合におけるハズレ種別を「ハズレ1」、「ハズレ2」、「ハズレ3」、「ハズレ4」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
図5は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図5に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、小当りを発生させる場合において、小当りの当選確率を第1特図と第2特図とで異なるようにする場合には、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/397)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/40)。すなわち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図7(A)は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲーム)であるかに拘らず共通のテーブルデータが用いられており、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変大当りC」、「非確変大当りD」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図7(B)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAと、大当り遊技状態の終了後において高確制御が実行されて高確低ベース状態に移行する確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りCと、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とのいずれも実行されずに低確低ベース状態に移行する非確変大当りDとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが15回(いわゆる15ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。尚、確変大当りAにおける大当り遊技では、大入賞口に遊技球が1玉入賞する毎に出玉(賞球)として遊技球が10玉払い出されるようになっているとともに、各ラウンドは遊技球が10球入賞することで終了するようになっている。つまり、確変大当りAは1500玉の出玉を獲得できる大当りである。
「確変大当りB」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される短期開放大当りである。尚、確変大当りBにおける大当り遊技では、大入賞口に遊技球が1玉入賞する毎に出玉(賞球)として遊技球が10玉払い出されるようになっているとともに、各ラウンドは遊技球が10球入賞することで終了するようになっているが、大入賞口の開放時間が各ラウンドで0.1秒間に設定されているため、事実上出玉の獲得がほぼ不可能な大当りとなっている。つまり、確変大当りBは0玉の出玉を獲得できる大当りである。
「非確変大当りC」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが10回(いわゆる10ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。尚、非確変大当りCにおける大当り遊技では、大入賞口に遊技球が1玉入賞する毎に出玉(賞球)として遊技球が10玉払い出されるようになっているとともに、各ラウンドは遊技球が10球入賞することで終了するようになっている。つまり、非確変大当りCは1000玉の出玉を獲得できる大当りである。
「非確変大当りD」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される短期開放大当りである。尚、非確変大当りDにおける大当り遊技では、大入賞口に遊技球が1玉入賞する毎に出玉(賞球)として遊技球が10玉払い出されるようになっているとともに、各ラウンドは遊技球が10球入賞することで終了するようになっているが、大入賞口の開放時間が各ラウンドで0.1秒間に設定されているため、事実上出玉の獲得がほぼ不可能な大当りとなっている。つまり、非確変大当りDは0玉の出玉を獲得できる大当りである。
尚、詳細は後述するが、本実施例では、入賞時に変動表示結果が確変大当りAとなると判定された場合、及び変動開始時に変動表示結果が確変大当りAとなると決定された場合は1500玉、入賞時に変動表示結果が確変大当りBとなると判定された場合、及び変動開始時に変動表示結果が確変大当りBとなると決定された場合は0玉、入賞時に変動表示結果が非確変大当りCとなると判定された場合、及び変動開始時に変動表示結果が非確変大当りCとなると決定された場合は1000玉、入賞時に変動表示結果が非確変大当りDとなると判定された場合、及び変動開始時に変動表示結果が非確変大当りDとなると決定された場合は0玉がそれぞれ予告玉数として主基板11から演出制御基板12に通知されるようになっている。
確変大当りAの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行される(高確高ベース状態)ので、大当り遊技状態が通常状態(低確定ベース状態)を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御(高確低ベース状態)は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。非確変大当りCの大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御(低確高ベース状態)は、該大当り遊技状態の終了後において所定回数(本実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となるまで継続して実行される。また「非確変大当りD」による大当り遊技状態の終了後は、時短制御と確変制御とのいずれも実行されないようになっている(低確低ベース状態)。
尚、連荘状態とは、前述のように確変大当りAの大当り遊技終了後、遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)を介することなく連続的に大当りが発生する状態を指すが、本実施例における連荘状態とは、確変大当りB、非確変大当りC、非確変大当りDの各大当り遊技終了後にそれぞれ所定回数の特図ゲームが実行されるまでの期間を含む。具体的には、確変大当りBの大当り遊技終了後の50回の特図ゲーム(高確低ベース状態において50回の特図ゲーム)が実行されるまで、非確変大当りCの大当り終了後に130回の特図ゲーム(低確高ベース状態において100回+低確低ベース状態において30回の特図ゲーム)が実行されるまで、非確変大当りDの大当り終了後に30回の特図ゲーム(低確低ベース状態において30回の特図ゲーム)が実行されるまでのそれぞれにおいて、本実施例では連荘状態として扱う。
尚、本実施例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに拘らず、共通のテーブルデータを用いることで大当り種別の決定を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変動特図が第1特図である場合と第2特図である場合とで、それぞれの大当り種別に割り当てられている判定値数を異ならせるようにすることで、各大当り種別の決定割合を変動特図に応じて異ならせても良い。
図8(A)は、ROM101に記憶されるハズレ種別判定テーブルの構成例を示している。本実施例のハズレ種別判定テーブルは、特図表示結果を「ハズレ」とすると決定されたときに、ハズレ種別判定用の乱数値MR5に基づき、ハズレ種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ハズレ種別判定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲーム)であるかに拘らず共通のテーブルデータが用いられており、ハズレ種別判定用の乱数値MR5と比較される数値(判定値)が、「ハズレ1」、「ハズレ2」、「ハズレ3」、「ハズレ4」といった複数種類のハズレ種別に割り当てられている。
図8(B)に示すように、これらハズレ種別のうち「ハズレ1」は、出玉(賞球)を得ることができない(0玉)ことを通知するハズレ種別であり、「ハズレ2」は、仮に大当りとなれば1500玉の出玉(賞球)を得ることができることを示唆するハズレ種別であり、「ハズレ3」は、仮に大当りとなれば1000玉の出玉(賞球)を得ることができることを示唆するハズレ種別であり、「ハズレ4」は、仮に大当りとなれば0玉の出玉(賞球)を得ることができることを示唆するハズレ種別である。
尚、本実施例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに拘らず、共通のテーブルデータを用いることでハズレ種別の決定を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変動特図が第1特図である場合と第2特図である場合とで、それぞれのハズレ種別に割り当てられている判定値数を異ならせるようにすることで、各ハズレ種別の決定割合を変動特図に応じて異ならせても良い。
また、ROM101には、図9及び図10に示すように、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、図9及び図10に示すように、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
図9(A)〜図9(D)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブルとしては、大当り種別が「確変大当りA」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(確変A用)と、大当り種別が「確変大当りB」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(確変B用)と、大当り種別が「非確変大当りC」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(非確変C用)と、大当り種別が「非確変大当りD」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(非確変D用)と、が予め用意されている。
このうち大当り用変動パターン判定テーブル(確変A用)及び大当り用変動パターン判定テーブル(非確変C用)には、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、大当り用変動パターン判定テーブル(確変B用)及び大当り用変動パターン判定テーブル(非確変D用)には、ノーマルリーチの変動パターン(PB1−4)、「擬似連」を1回実行した後のノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−5)、「擬似連」を2回実行した後のノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−6)、の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、本実施例では、図9(A)及び図9(B)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブル(確変A用)が使用される場合にはスーパーリーチβが実行される変動パターン(PB1−3)が決定され易く、大当り用変動パターン判定テーブル(非確変C用)が使用される場合にはスーパーリーチαが実行される変動パターン(PB1−2)が決定され易いようにこれら大当り用変動パターン判定テーブル(確変A用)と大当り用変動パターン判定テーブル(非確変C用)とに判定値が割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「確変大当りA」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、本実施例では、図9(C)及び図9(D)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブル(確変B用)が使用される場合には擬似連2回及びノーマルリーチが実行される変動パターン(PB1−6)が決定され易く、大当り用変動パターン判定テーブル(非確変D用)が使用される場合には擬似連1回及びノーマルリーチが実行される変動パターン(PB1−5)が決定され易いようにこれら大当り用変動パターン判定テーブル(確変B用)と大当り用変動パターン判定テーブル(非確変D用)とに判定値が割り当てられていることで、擬似連2回及びノーマルリーチが実行される変動パターンが実行されたときには、「確変大当りB」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、図10に示すように、ハズレ用変動パターン判定テーブルには、ハズレ種別が「ハズレ1」であり保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルAと、ハズレ種別が「ハズレ1」であり合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、ハズレ種別が「ハズレ1」であり合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCと、ハズレ種別が「ハズレ1」であり遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルDと、ハズレ種別が「ハズレ2」である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルEと、ハズレ種別が「ハズレ3」である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルFと、ハズレ種別が「ハズレ4」である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルGと、が予め用意されている。
ハズレ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち全ての乱数値が判定値として割り当てられている。ハズレ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち全ての乱数値が判定値として割り当てられている。ハズレ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち全ての乱数値が判定値として割り当てられている。ハズレ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−4)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち全ての乱数値が判定値として割り当てられている。
また、ハズレ用変動パターン判定テーブルE及びハズレ用変動パターン判定テーブルFにおいては、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
また、ハズレ用変動パターン判定テーブルGにおいては、ノーマルリーチの変動パターン(PA3−1)、「擬似連」を1回実行した後のノーマルリーチ大当りの変動パターン(PA3−2)、「擬似連」を2回実行した後のノーマルリーチ大当りの変動パターン(PA3−3)、の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図5に示すように、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチハズレの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図11に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図11に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、ハズレ種別判定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、ハズレ種別判定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図12(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図12(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、図12(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)が設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンドという2つのコマンドが1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶に対応した格納領域と第2特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンドを対応付けて、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1−1」またはバッファ番号「2−1」)の変動表示が開始されるときに、後述するように1つずつ上位にシフトされていくとともに、該開始条件が成立した保留記憶の内容を格納するバッファ番号「1−1」またはバッファ番号「2−1」の記憶内容は、当該変動表示を開始するときにクリアされるようになっている。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第1特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していき、第2始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第2特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンドから図柄指定コマンドまでが順次送信される。したがって、コマンド受信が行われれば、第1特図保留記憶または第2特図保留記憶に対応するバッファ番号の末尾「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンドの順に格納されていくことになる。
図12(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、実行する変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−1」または「2−1」のエントリ)に格納されているものが削除されるとともに、次の変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−2」または「2−2」に対応したエントリ)に格納されているものと、該開始する変動表示の保留記憶以降のエントリの記憶内容がシフトされる。
例えば図12(B)に示す格納状態において第1特図保留記憶の演出図柄の変動表示を開始した場合には、バッファ番号「1−1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「1−2」に格納されている各コマンドがバッファ番号「1−1」にシフトされるとともに、バッファ番号「1−3」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1−2」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「1−4」に対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「1−3」に対応した領域にシフトされる。
また、演出制御バッファ設定部194の所定領域には、図12(C)及び図12(D)に示すように、連荘状態のときの出玉数を判定するための連荘時出玉数データテーブル(初期設定用)及び連荘時出玉数データテーブル(更新用)が記憶されている。
図12(C)に示す連荘時出玉数データテーブル(初期設定用)には、大当り遊技が連続して発生している所謂連荘時の出玉(賞球)数の更新判定値として出玉数(例えば、10000玉)のデータと、連荘時の出玉数が該更新判定値に到達容易な玉数となったことを判定する判定値として到達容易出玉数のデータと、が設定されている。これら連荘時出玉数データテーブル(初期設定用)における出玉数及び到達容易出玉数のデータは、パチンコ遊技機1の製造時に予め設定されるデータであり、遊技結果に応じて更新されることなく保持されるようになっている。
また、図12(D)に示す連荘時出玉数データテーブル(更新用)には、大当り遊技が連続して発生している所謂連荘時の出玉(賞球)数の更新判定値として出玉数(例えば、10000玉)のデータと、連荘時の出玉数が該更新判定値に到達容易な玉数となったことを判定する判定値として到達容易出玉数のデータと、が設定されている。これら連荘時出玉数データテーブル(更新用)における出玉数及び到達容易出玉数のデータは、連荘時出玉数データテーブル(初期設定用)とは異なり遊技結果に応じて更新されるようになっている。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S10)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、パチンコ遊技機1に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU103は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。
次いで、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、アウト玉スイッチ24といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11a)。また、所定の入賞報知処理を実行することにより、特別可変入賞球装置7に不正な入賞が発生したか否かを判定する(S11b)具体的には、先ず、前記スイッチ処理においてカウントスイッチ23がONとなっているか否かを判定する。カウントスイッチがONである場合、すなわち特別可変入賞球装置7にて入賞が発生した場合は、後述する特図プロセスフラグが大当り遊技中であることを示す4〜7のいずれかであるか否かを判定する。特図プロセスフラグが大当り遊技中であることを示す4〜7のいずれかである場合は、大入賞口入賞指定コマンドの演出制御基板12への送信設定を実行し、特図プロセスフラグが大当り遊技中であることを示す4〜7のいずれでもない場合は、不正な入賞であるとして、不正入賞エラー報知を実行する。
尚、不正入賞エラー報知としては、例えば、パチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータ等に不正入賞が発生したことを示すコマンドを出力する他、演出制御基板12へ不正入賞が発生したことを示すコマンドの送信設定を実行するようにし、該不正入賞が発生したことを示すコマンドが演出制御基板12にて受信されたことに応じて、演出制御用CPU120がスピーカ8L,8Rからの音出力、演出表示装置5での画像表示等により、不正入賞が発生したことを報知するようにすれば良い。
続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図14は、特別図柄プロセス処理として、図13に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞判定処理では、図15に示すように、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S101)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S101;Y)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S102)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S102にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S102;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S103)。
S101にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S101;N)、S102にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S102;Y)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S104)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S104;Y)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S105)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S105にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S105;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S106)。
S103,S106の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(S107)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(S108)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S108の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、ハズレ種別判定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する(S109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S110)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3、MR5を示す数値データが格納される一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3、MR5を示す数値データが格納される。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、ハズレ種別判定用の乱数値MR5を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するため、変動表示結果を「ハズレ」とする場合のハズレ種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、S109の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。
S110の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S111)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図13に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S111の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S112)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S113)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図13に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S113の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(S114)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S114でY)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S115)、S104の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S114でN)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S116)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図16(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図15のS112にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施例において、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図14のS22、図17)により、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図14のS23、図18、図19)において、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がS112の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると判定されるか否かの判定や、特図表示結果が「大当り」となる場合に獲得可能な出玉(賞球)数の判定を行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるより前、つまり、該変動表示の開始時に大当りとするか否かが判定されるよりも前に、特図表示結果が「大当り」となることや、特図表示結果が「大当り」となる場合に獲得可能な出玉を判定し、この判定結果に基づいて、演出制御用CPU120などにより、後述するように、保留表示予告演出が実行されるようになる。
図16(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(S121)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
S121の処理に続いて、図6に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする(S122)。その後、図15のS109にて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(S123)。大当り判定範囲には、S122の処理により選択された表示結果判定用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
S123にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとならないと判定された場合には(S123;N)、ハズレ種別判定用の乱数値MR5に基づいて、ハズレ種別を判定する(S123a)。このとき、CPU103は、図8(A)に示すハズレ種別判定用テーブルを選択する。そして、選択したハズレ種別判定用テーブルを参照することにより、ハズレ種別が複数種別のいずれに判定されるかを判定する。また、S123aにおいて判定したハズレ種別に応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S124)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
尚、図16(B)に示すように、S124においては、S123aにて判定したハズレ種別がハズレ1である場合は、第1図柄指定コマンドの送信設定を実行し、S123aにて判定したハズレ種別がハズレ2である場合は、第2図柄指定コマンドの送信設定を実行し、S123aにて判定したハズレ種別がハズレ3である場合は、第3図柄指定コマンドの送信設定を実行し、S123aにて判定したハズレ種別がハズレ4である場合は、第4図柄指定コマンドの送信設定を実行すれば良い。
一方、S123にて大当り判定範囲内であると判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとなると判定された場合には(S123;Y)、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(S128)。このとき、CPU103は、図7(A)に示す大当り種別判定用テーブルを選択する。そして、選択した大当り種別判定用テーブルを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに判定されるかを判定する。また、S128において判定した大当り種別に応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S129)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
尚、図16(B)に示すように、S129においては、S128にて判定した大当り種別が確変大当りAである場合は、第5図柄指定コマンドの送信設定を実行し、S128にて判定した大当り種別が確変大当りBである場合は、第6図柄指定コマンドの送信設定を実行し、S128にて判定した大当り種別が非確変大当りCである場合は、第7図柄指定コマンドの送信設定を実行し、S128にて判定した大当り種別が非確変大当りDである場合は、第8図柄指定コマンドの送信設定を実行すれば良い。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、ハズレ種別判定用の乱数値MR5を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が、「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変大当りC」、「非確変大当りD」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「確変大当りA」である場合には、「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「確変大当りB」または「非確変大当りD」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。また、大当り種別が「非確変大当りC」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「10回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変大当りC」、「非確変大当りD」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「確変大当りA」または「確変大当りB」であると判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当りC」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。尚、特定した大当り種別が「非確変大当りD」である場合には、時短制御を開始するための設定と確変制御を開始するための設定のいずれも実行しない。
図17は、特別図柄通常処理として、図14のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S141の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S141;N)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、ハズレ種別判定用の乱数値MR5を示す数値データをそれぞれ読み出す(S142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3、MR5を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S144)、S149に移行する。
一方、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S145の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S145の処理は、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S145;N)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、ハズレ種別判定用の乱数値MR5を示す数値データをそれぞれ読み出す(S146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3、MR5を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S148)、S149に移行する。
S149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図6に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(S150)。尚、このS150においては、その時点の遊技状態が、確変フラグがセットされている高確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が10000〜11638の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。また、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が1〜165の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。
このように、S149で選択される特図表示結果判定テーブルにおいては、その時点の遊技状態(高確、低確)に対応して異なる判定値が「大当り」に割り当てられていることから、S150の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が高確状態であるか否かに応じて、異なる判定用データ(判定値)を用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定されることで、遊技状態が高確状態である場合には、低確状態である場合よりも高確率で「大当り」と判定される。
S150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S151;Y)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図7(A)に示す大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S153)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別判定テーブルにおいて「確変A」、「確変B」、「非確変C」、「非確変D」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
S154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態、または時短制御と確変制御のどちらも実行されず最も有利度が低い通常状態(低確定ベース状態)とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S155)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が確変大当りAに対応する「確変A」であれば「1」とし、確変大当りBに対応する「確変B」であれば「2」とし、非確変大当りCに対応する「非確変C」であれば大当り種別バッファ値を「3」とし、非確変大当りDに対応する「非確変D」であれば大当り種別バッファ値を「4」とすれば良い。
一方、S151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S151;N)、図8(A)に示すハズレ種別判定テーブルを選択してセットする(S15a)。こうしてセットされたハズレ種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納されたハズレ種別判定用の乱数値MR5を示す数値データと、ハズレ種別判定テーブルにおいて「ハズレ1」、「ハズレ2」、「ハズレ3」、「ハズレ4」の各ハズレ種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、ハズレ種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
こうして決定されたハズレ種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられたハズレ種別バッファの格納値であるハズレ種別バッファ値を設定することなどにより(S151c)、決定されたハズレ種別を記憶する。一例として、ハズレ種別が「ハズレ1」であればハズレ種別バッファ値を「1」とし、ハズレ種別が「ハズレ2」であればハズレ種別バッファ値を「2」とし、ハズレ種別が「ハズレ3」であればハズレ種別バッファ値を「3」とし、ハズレ種別が「ハズレ4」であればハズレ種別バッファ値を「4」とすれば良い。
S156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「確変A」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「確変B」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「非確変C」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「非確変D」とする決定結果に応じて「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S157)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、S145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図18及び図19は、変動パターン設定処理として、図14のS23にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18及び図19に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S161)。そして、大当りフラグがオンであれば(S161;Y)、大当り種別バッファ値を参照し、大当り種別が確変大当りAであるか否かを判定する(S162a)。大当り種別が確変大当りAである場合は(S162;Y)、図9(A)に示す大当り用変動パターン判定テーブルA選択してセットする(S162b)。大当り種別が確変大当りAでない場合は(S162a;N)、大当り種別が非確変大当りCであるか否かを判定する(S162c)。大当り種別が非確変大当りCである場合は(S162c;Y)、図9(B)に示す大当り用変動パターン判定テーブルBを選択してセットする(S162d)。大当り種別が非確変大当りCでない場合は(S162c;N)、大当り種別が確変大当りBであるか否かを判定する(S162e)。大当り種別が確変大当りBである場合は(S162e;Y)、図9(C)に示す大当り用変動パターン判定テーブルCを選択してセットする(S162f)。また、大当り種別が確変大当りBでない場合は(S162e;N)、大当り種別が非確変大当りDであるとして、図9(D)に示す大当り用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S162g)。
また、大当りフラグがセットされていない場合は(S161;N)、CPU103は、ハズレ種別バッファ値を参照し、ハズレ種別がハズレ1であるか否かを判定する(S161a)。ハズレ種別がハズレ1である場合は(S161a;Y)、時短フラグがセットされているか否かを判定し(S163)、時短フラグがセットされている場合は(S163;Y)、図10(D)に示すハズレ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S164)。
時短フラグがセットされていない場合は(S163;N)、合算保留記憶数カウント値を参照し、合算保留記憶数が2以上であるか否かを判定する(S165)。合算保留記憶数が1以下である場合は(S165;N)、図10(A)に示すハズレ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットし(S166)、合算保留記憶数が2以上である場合は(S165;Y)、更に合算保留記憶数が5以上であるか否かを判定する(S167)。合算保留記憶数が4以下である場合は(S167;N)、図10(B)に示すハズレ用変動パターン判定テーブルBを選択してセットし(S168)、合算保留記憶数が5以上である場合は(S167;Y)、図10(C)に示すハズレ用変動パターン判定テーブルCを選択してセットする(S169)。
また、ハズレ種別がハズレ1でない場合は(S161a;N)、ハズレ種別がハズレ2であるか否かを判定する(S169a)。ハズレ種別がハズレ2である場合は(S169a;Y)、図10(E)に示すハズレ用変動パターン判定テーブルEを選択してセットし(S169b)、ハズレ種別がハズレ2でない場合は(S169a;N)、ハズレ種別がハズレ3であるか否かを判定する(S169c)。ハズレ種別がハズレ3である場合は(S169c;Y)、図10(F)に示すハズレ用変動パターン判定テーブルFを選択してセットし(S169d)、ハズレ種別がハズレ3でない場合は(S169c;N)、ハズレ種別がハズレ4であるとして、図10(G)に示すハズレ用変動パターン判定テーブルGを選択してセットする(S169e)。
次いで、大当り用変動パターン判定テーブルまたはハズレ用変動パターン判定テーブルを選択してセットした後、CPU103は、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、選択された大当り用変動パターン判定テーブルA〜Dまたはハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Gのいずれかを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(S170)。
尚、大当りフラグがオフであるときには、S170の処理にて変動パターンを決定することにより、演出図柄の変動表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、S170の処理には、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
S170にて変動パターンを決定した後には、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(S171)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
S171の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(S172)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
S172の処理を実行した後、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間を設定する(S173)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(S174)、変動パターン設定処理を終了する。
S172でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図13に示すS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。尚、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば変動表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図20は、特別図柄停止処理として、図14のS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S181)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示器4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示器4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S183)、大当りフラグがセットされていない場合(S183;N)には、S190に移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S183;Y)には、CPU103は、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、確変フラグおよび時短フラグをクリアし(S184)、演出制御基板12に、記憶されている大当りの種別に応じて大当り開始1指定コマンド(確変A)、大当り開始2指定コマンド(確変B)、大当り開始3指定コマンド(非確変C)、大当り開始4指定コマンド(非確変D)を送信するための設定を行う(S185)。
さらにCPU103は、演出制御基板12に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、確変大当りAの場合には15回、非確変大当りCの場合には10回、確変大当りB及び非確変大当りDの場合には5回)をセットする(S188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S26)に対応した値である“4”に更新する(S189)。
一方、S190においてCPU103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S190;Y)には、S196に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S193)、「0」でない場合(S193;N)にはS196に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S194)、確変フラグまたは時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低確低ベース)に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S195)、S196に進む。
S196では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図21は、大当り終了処理として、図14のS29にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(S201)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(S201;N)には、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S204)、処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(S201;Y)には、大当り終了表示タイマの値を1減算する(S205)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S206)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S206;Y)、CPU103は、記憶されている大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBであるかを判定する(S207)。
大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBである場合(S207;Y)には、確変フラグをセットし(S208)、更に大当り種別が確変大当りAであるか否かを判定する(S208a)。大当り種別が確変大当りAである場合は(S208a;Y)、時短フラグをセットし(S209)、時短回数カウンタに「0」をセットした後(S210)、S213に進み、大当り種別が確変大当りBである場合は(S208a;N)、S209及びS210を経由せずにS213に進む。
一方、大当り種別が非確変大当りCまたは非確変大当りDである場合(S207;N)には、大当り種別が非確変大当りCであるか否かを判定する(S207a)。大当り種別が非確変大当りCである場合には(S207a;Y)、S211とS212を実行することで、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタに「100」をセットした後、S213に進む。また、大当り種別が非確変大当りDである場合には(S207a;N)、S211及びS212を経由せずにS213に進む。
S213では、大当りフラグをリセットし、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S214)。そして、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板12に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S215)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(S216)。
次に、演出制御手段である演出制御基板12の動作を説明する。図22は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行するサブCPUメイン処理を示すフローチャートである。
サブCPUメイン処理において、演出制御用CPU120は、まず、割込禁止に設定する(Ss1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(Ss2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(Ss3)。なお、Ss2では、演出制御用CPU120の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(Ss4)。Ss4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施例で用いられる演出制御基板12は、タイマ/カウンタ回路(CTC)(図示せず)を内蔵している。
次いで、演出制御用CPU120は、RAM122をアクセス可能状態に設定し(Ss5)、バックアップ処理として、後述する電源断検出処理(図18参照)におけるステップSd2及びステップSd3の処理が実行されているか否かを、所定のバックアップ領域にチェックデータが格納されているか否かに基づいて判定する(Ss7)。
バックアップ処理が実行されていない場合(チェックデータが格納されていない場合)は(Ss7;No)、Ss11に進み、バックアップ処理が実行されている場合(チェックデータが格納されている場合)は(Ss7;Yes)、RAM122の所定領域に設けられたバックアップデータ記憶領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(Ss8−)。この実施例では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、演出制御用CPU120は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
後述する電源断検出処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはチェックデータとしてバックアップデータ記憶領域に保存される。Ss8では、算出したチェックサムとチェックデータとして保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップデータ記憶領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップデータ記憶領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、バックアップデータ記憶領域に誤ったバックアップデータが記憶されていることになるので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される後述する初期化処理(Ss11〜Ss12の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば(Ss8;Yes)、演出制御用CPU120は、演出制御基板12を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理を行う。具体的には、RAM122のバックアップデータ記憶領域に格納されているバックアップデータにより、データを復旧し(Ss9)、RAM122のバックアップデータ記憶領域に格納されているバックアップデータをクリアする(Ss10)。そして、Ss14の処理に移行する。
尚、本実施例では、演出制御基板12の復旧処理においてデータを復旧した後、バックアップデータをクリアしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、データを復旧した後もバックアップデータは保持したままであっても良いし、これらバックアップデータは、SRAMに記憶されることで消えないものであっても良い。また、本実施例におけるバックアップデータとは、出玉数データの他、電源断検出処理が実行された時点での所定個数(例えば50個)の演出制御コマンドの受信履歴、保留記憶数、パチンコ遊技機1の電源が投入されている累計時間、遊技球の総発射数、パチンコ遊技機1におけるベースや大当り当選確率等の遊技データ、総出玉数等を含んでいる。
初期化処理では、演出制御用CPU120は、RAMクリア処理を行う(Ss11)。そして、電源断検出処理が実行された時点での所定個数(例えば50個)の演出制御コマンドの受信履歴、保留記憶数、パチンコ遊技機1の電源が投入されている累計時間、遊技球の総発射数、パチンコ遊技機1におけるベースや大当り当選確率等の遊技データ、総出玉数等のデータを初期化する(Ss12)。Ss10またはステップS12の処理の実行後、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示中に実行される演出の決定等に使用するために演出制御基板12に搭載されている乱数回路124を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(Ss14)。
そして、演出制御用CPU120は、初期化後または復旧後のデータ内に出玉数データの記憶が有るか否かを判定し(Ss18)、出玉数データが有る場合は(Ss18;Y)、連荘時出玉数データテーブル(更新用)に該出玉数データと、該出玉数データから算出した到達容易出玉数データの値をセットする(Ss19a)。また、出玉数データが無い場合は(Ss18;N)、連荘時出玉数データテーブル(更新用)に連荘時出玉数データテーブル(初期設定用)の該出玉数データ及び到達容易出玉数データの値をセットする(Ss19b)。
次いで、演出制御用CPU120は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるようにCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(Ss20)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、演出制御用CPU120は、まず、割込禁止状態にして(Ss21)、表示用乱数更新処理(Ss22)初期値用乱数更新処理(Ss23)とを実行して、再び割込許可状態にする(Ss24)。すなわち、演出制御用CPU120は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
尚、表示用乱数更新処理とは、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行するであり、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、例えば、演出図柄の変動中における演出の態様を決定するための判定用乱数を発生するためのカウンタ等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。
タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、図23に示すSs51〜Ss56のサブCPUタイマ割込処理を実行する。サブCPUタイマ割込処理において、まず、RAM122の所定領域に記憶されているタイマ割込フラグをクリアし(Ss51)、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(Ss52)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、演出制御用CPU120は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップデータ記憶領域に保存する。次いで、コマンド解析処理を実行する(Ss53)。Ss53にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
Ss53にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(Ss54)。Ss54の演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9といった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(Ss55)。その後、割込許可状態に設定し(Ss56)、処理を終了する。
図24は、図23に示されたサブCPUタイマ割込処理における電源断検出処理(Ss52)を示すフローチャートである。電源断検出処理では、演出制御用CPU120は、先ず、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号の入力が有るか否かを判定する(Sd1)。電源断信号の入力が無い場合は(Sd1;N)、処理を終了し、電源断信号の入力が有る場合は(Sd1;Y)、図12(C)に示す連荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数データを含むバックアップデータを特定し(Sd2)、該特定したバックアップデータをRAM122に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する(Sd3)。そして、バックアップデータを復旧させるときに用いるチェックデータを前述したように作成し、バックアップデータ記憶領域に格納した後(Sd4)、パチンコ遊技機1が電断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。
図25は、コマンド解析処理として、図23のSs53にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S221)。このとき、受信コマンドがなければ(S221;N)、コマンド解析処理を終了する。
S221にて受信コマンドがある場合には(S221;Y)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S222)。受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドである場合は(S222;Y)、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファに格納し(S233)、S221に移行する。受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドでなければ(S222;N)、受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S224)。受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドである場合は(S224;Y)、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファに格納し(S233)、S221に移行する。また、受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドでない場合は(S224;N)、受信コマンドが図柄指定コマンドであるか否かを判定する(S226)。受信コマンドが図柄指定コマンドである場合は(S226;Y)、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファに格納し(S233)、S221に移行する。
図26は、サブCPUタイマ割込処理における演出制御プロセス処理(Ss54)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示を、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図27は、図26に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S271;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S272)。尚、バッファ番号「1−1」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータをバッファ番号「1−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータをバッファ番号「1−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータをバッファ番号「1−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
また、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S273;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S273;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S274)。尚、バッファ番号「2−1」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータをバッファ番号「2−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータをバッファ番号「2−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータをバッファ番号「2−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
S272またはS274の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S275)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第5変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第6変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りCに該当する第7変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「2」、「4」等の奇数図柄の組合せ(例えば、「222」、「444」などの演出図柄の組み合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りDに該当する第8変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「2」、「4」以外の奇数図柄の組合せ(例えば、「666」、「888」などの演出図柄の組み合せ)の中から決定する。
また、受信した変動表示結果指定コマンドが非リーチハズレに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄とし3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドがノーマルリーチハズレまたはスーパーリーチハズレであり、且つ予告玉数が確変大当りAの出玉数である1500玉に該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として右図柄及び左図柄が「7」であり、中図柄が「7」以外の組合せ(例えば、「787」、「767」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドがノーマルリーチハズレまたはスーパーリーチハズレであり、且つ予告玉数が非確変大当りCの出玉数である1000玉に該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として右図柄及び左図柄が「2」または「4」であり、中図柄が右図柄及び左図柄に揃う図柄以外の組合せ(例えば、「212」、「232」、「434」、「454」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドがノーマルリーチハズレまたはスーパーリーチハズレであり、且つ予告玉数が確変大当りB及び非確変大当りDの出玉数である0玉に該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として右図柄及び左図柄が「1」、「3」、「5」、「6」、「8」、「9」のいずれかであり、中図柄が右図柄及び左図柄に揃う図柄以外の組合せ(例えば、「121」、「343」、「565」、「676」、「898」、「919」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。
尚、本実施例では、確変大当りBと非確変大当りDとで異なる演出図柄の停止図柄の組合せを決定しているため、遊技者は、これら確変大当りB及び非確変大当りDの停止図柄を確認することで大当り遊技終了後に確変制御が実行されるか否かを判別することが可能となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、確変大当りBと非確変大当りDとで同一の演出図柄の停止図柄組合せを決定することで、遊技者が確変大当りB及び非確変大当りDにおける停止図柄から大当り遊技終了後に確変制御が実行されるか否かを判別し難くするようにしても良い。また、確変大当りB及び非確変大当りDの停止図柄として、左図柄、中図柄、右図柄の少なくとも1つの図柄(例えば、左図柄のみ、中図柄のみ、右図柄のみや、左図柄と中図柄、左図柄と右図柄、中図柄と右図柄、左図柄と中図柄と右図柄)において、演出図柄の配列上には存在しない(1〜9以外)特殊図柄を停止させることで、大当り遊技終了後に確変制御が実行されるか否かを判別し難くするようにしても良い。この場合は、「7」以外の奇数図柄のリーチ及び2・4以外の偶数図柄でのリーチが大当りに対応しなくなるので、これら「7」以外の奇数図柄及び2・4以外の偶数図柄を確変大当りAや非確変大当りCの大当り図柄として使用するようにしても良い。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU120は、図28に示す予告演出決定処理を実施して、当該変動表示において予告演出を実行するか否かを決定する(S277)。尚、本実施例では、予告演出決定処理において、後述するようにキャラクタが登場するキャラクタ予告演出のみを決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの予告演出として、キャラクタ予告演出以外のその他の態様の予告演出、例えば、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告等の実行を決定するようにしても良く、これら異なる態様の予告演出を決定する場合には、予告演出を開始するタイミングが予告演出の態様に応じて異なるので、後述する予告演出開始待ちタイマに、予告演出の態様に応じた異なる期間を設定すれば良い。
本実施例の予告演出決定処理において演出制御用CPU120は、まず、変動表示結果と変動パターンとを特定する(S291)。変動表示結果は、変動開始時において主基板11から送信される変動表示結果(ハズレ1、ハズレ2、ハズレ3、ハズレ4、確変大当りA、確変大当りB、非確変大当りC、非確変大当りD)を指定するための変動表示結果指定コマンドを格納するための変動表示結果指定コマンド格納領域に記憶されている変動表示結果指定コマンドにより特定することができる。また、変動パターンは、前述したように、変動パターン指定コマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにて特定できる。尚、本実施例では、予告演出の対象が、大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当りC、非確変大当りD)、スーパーリーチ、ノーマルリーチであるので、具体的には、変動表示結果が大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当りC、非確変大当りD)であるのか否かを変動表示結果指定コマンドにより特定し、変動パターンがスーパーリーチであるのか否か、ノーマルリーチであるのか否かを変動パターン指定コマンドにて特定すれば良い。
そして、演出制御用CPU120は、変動表示結果指定コマンドが第2、第3、第5、第7のいずれであるか、つまり、変動表示結果指定コマンドが予告出玉数が1500玉であるハズレ2を示す第2変動表示結果指定コマンド、予告出玉数が1000玉であるハズレ3を示す第3変動表示結果指定コマンド、出玉数が1500玉である確変大当りAを示す第5変動表示結果指定コマンド、出玉数が1000玉である非確変大当りCを示す第7変動表示結果指定コマンドのいずれかであるか否かを判定する(S291a)。
変動表示結果指定コマンドが第2、第3、第5、第7のいずれかである場合は(S291a;Y)、S296に移行し、変動表示結果指定コマンドが第2、第3、第5、第7のいずれでもない場合は(S291a;N)、予告演出決定用乱数を抽出するとともに、図29に示す予告演出種別決定用テーブルを用いて予告演出の実行の有無と、実行する場合の予告演出の種別とを決定する(S292)。
尚、本実施例では、予告演出決定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、予告演出決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら予告演出決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。また、これら予告演出決定用乱数を生成するための予告演出決定用乱数カウンタがRAM122に設定されており、該予告演出決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
本実施例の予告演出種別決定用テーブルは、図29に示すように、予告演出に対応する予告演出種別決定用テーブルから構成されている。尚、本実施例では、予告演出として、キャラクタAが登場する予告演出と、キャラクタBが登場する予告演出Bが実行可能とされている。
予告演出種別決定用テーブルにおいては、図29に示すように、「予告演出A」、「予告演出B」、「予告演出なし」のそれぞれに対して、変動表示結果が大当りとなる場合、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合、のそれぞれに異なる判定値が、図29に示す判定値数となるように、割り当てられている。
具体的には、変動表示結果が大当りとなる場合については、「予告演出A」に対して25個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して65個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して10個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合については、「予告演出A」に対して40個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して40個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して20個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合については、「予告演出A」に対して60個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して10個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して30個の判定値が割り当てられている。
このように判定値が割り当てられていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやノーマルリーチはずれとなる場合よりも予告演出が実行され易くなるとともに、「予告演出B」が実行され易くなっている。また、スーパーリーチはずれである場合については、「予告演出A」が実行され易くなっている。ノーマルリーチはずれである場合については、「予告演出なし」が、大当りとなる場合やスーパーリーチはずれの場合よりも決定されやすくなっている。
図29に示すように予告演出種別決定用テーブルが設定されていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれ及びノーマルリーチはずれとなる場合に比較して、「予告演出B」が決定され易くなるように設定されているとともに、スーパーリーチはずれである場合については、その他のノーマルリーチはずれである場合よりも、「予告演出A」が決定され易くなるように設定されている。一方、当該変動表示においてノーマルリーチはずれとなる場合には、当該変動表示において大当りとなる場合やスーパーリーチはずれとなる場合よりも「予告演出なし」が決定され易くなるように設定されている。
このように設定されていることにより、予告演出が実行されないときよりも、予告演出が実行されるときの方が、大当り期待度が高くなっている。更に、予告演出においては、予告演出Aが実行されるときよりも、予告演出Bが実行されるときの方が、大当り期待度が高くなっている。
尚、各予告演出の大当り期待度(信頼度)とは、各予告演出が実行されて大当りとなる確率を、各予告演出が実行されて大当りとなる確率と各予告演出が実行されてハズレとなる確率の和で除算した数値である。
図28に戻り、S293においては、S292において、いずれかの予告演出の実行を決定したか否か、つまり「予告演出A」、「予告演出B」のいずれかを決定したか否かを判定する。ここで、「予告演出A」、「予告演出B」のいずれの予告演出も決定していない場合、つまり、「予告演出なし」を決定した場合には、当該予告演出決定処理を終了する。一方、「予告演出A」、「予告演出B」のいずれかを決定した場合には、S294に進んで、決定した予告演出の種別をRAM122の所定領域に記憶する。そして、S295に進んで、予告演出実行決定フラグをセットした後、当該予告演出決定処理を終了する。
一方、S296においては、変動表示結果指定コマンドが第2変動表示結果指定コマンドまたは第5変動表示結果指定コマンドであるか否かを判定する(S296)。変動表示結果指定コマンドが第2変動表示結果指定コマンドまたは第5変動表示結果指定コマンドである場合は(S296;Y)、連荘状態中の大当り遊技において獲得した出玉数を集計するための出玉数カウンタの値に確変大当りAまたはハズレ2の予告玉数である1500を加算した値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となるか否かを判定する(S297)。
出玉数カウンタの値に確変大当りAまたはハズレ2の予告玉数である1500を加算した値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数以下である場合は(S297;N)、S292に移行し、出玉数カウンタの値に確変大当りAまたはハズレ2の予告玉数である1500を加算した値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大である場合は(S297;Y)、S299aに移行する。
また、変動表示結果指定コマンドが第3変動表示結果指定コマンドまたは第7変動表示結果指定コマンドである場合は(S296;N)、連荘状態中の大当り遊技において獲得した出玉数を集計するための出玉数カウンタの値に非確変大当りCまたはハズレ3の予告玉数である1000を加算した値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となるか否かを判定する(S298)。出玉数カウンタの値に非確変大当りCまたはハズレ3の予告玉数である1000を加算した値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数以下となる場合は(S298;N)、S292に移行し、出玉数カウンタの値に非確変大当りCまたはハズレ3の予告玉数である1000を加算した値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となる場合は(S298;Y)、S299aに移行する。
S299aにおいて、演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124等から予告演出決定用乱数を判定値として抽出し、該判定値と、図30に示す記録更新示唆演出決定用テーブルを用いて、保留記憶内の変動表示において大当りとなり出玉数の記録が更新されることを示唆する記録更新示唆演出の実行の有無を決定する(S299a)。
尚、本実施例では、予告演出決定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、予告演出決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら予告演出決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。
記録更新示唆演出決定用テーブルにおいては、図30に示すように、記録更新示唆演出の「実行」と「非実行」のそれぞれに対して変動表示結果指定コマンドがハズレを示す第2変動表示結果指定コマンド及び第3変動表示結果指定コマンドである場合、大当りを示す第5変動表示結果指定コマンド及び第7変動表示結果指定コマンドである場合、のそれぞれに異なる判定値が、図30に示す判定値数となるように、割り当てられている。
具体的には、変動表示結果指定コマンドが第2変動表示結果指定コマンドまたは第3変動表示結果指定コマンドである場合については、記録更新示唆演出の「実行」に対して10個の判定値が割り当てられ、記録更新示唆演出の「非実行」に90個の判定値が割り当てられている。また、変動表示結果指定コマンドが第5変動表示結果指定コマンドまたは第7変動表示結果指定コマンドである場合については、記録更新示唆演出の「実行」に30個の判定値が割り当てられ、記録更新示唆演出の「非実行」に70個の判定値が割り当てられている。
このように判定値が割り当てられていることにより、判定対象に設定された変動表示結果指定コマンドが大当りであることを示す第5変動表示結果指定コマンドまたは第7変動表示結果指定コマンドである場合は、判定対象に設定された変動表示結果指定コマンドがハズレであることを示す第2変動表示結果指定コマンドまたは第3変動表示結果指定コマンドである場合よりも記録更新示唆演出が実行され易くなっている。つまり、記録更新示唆演出が実行される場合は、記録更新示唆演出が実行されない場合よりも出玉の有る大当り(確変大当りA、非確変大当りC)となる期待度が高くなっている。
S299aの実行後、演出制御用CPU120は、S299aにおいて記録更新示唆演出の実行を決定したか否かを判定する(S299b)。記録更新示唆演出の実行を決定していない場合は(S299b;N)、S291に移行し、記録更新示唆演出の実行を決定した場合は(S299b;Y)、S294に移行し、S294及びS295を実行して予告演出決定処理を終了する。
図27に戻り、S277の予告演出決定処理の後に、S278において演出制御用CPU120は、予告演出実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、S277の予告演出決定処理において「予告演出A」、「予告演出B」、「記録更新示唆演出」のいずれかの予告演出が決定されたか否かを判定する。
予告演出実行決定フラグがセットされている場合には、S279に進んで、予告演出開始待ちタイマに、予告演出開始までの期間として本実施例の予告演出であるキャラクタ予告演出に対応する期間を設定し(S279)、予告演出実行決定フラグをクリアして(S280)、S281に進み。一方、予告演出実行決定フラグがセットされていない場合には、S279経由することなくS281に進む。
これら予告演出開始までの期間としては、本実施例では、キャラクタが登場する予告演出または記録更新示唆演出が開始されるタイミングの前に、キャラクタが登場することの前兆や記録更新示唆演出を実行することの前兆を示す演出(図示略)が実施され、該前兆を開始するタイミングが予告演出の開始タイミングとされているので、予告演出を開始するまでの期間よりも短い期間が設定され、これら予告演出の開始タイミングは、予告演出の開始から実行される予告演出のプロセステーブルに基づいて特定されて予告演出が開始されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら前兆の演出を予告演出において実施しない場合にあっては、予告演出の開始タイミングが予告演出の開始タイミングとなるので、予告演出の開始タイミングまでの期間を予告演出開始待ちタイマに設定すれば良い。
S281において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S282)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのランプ制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等))の制御を実行する(S283)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S285)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(S286)。
図31は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S301,S302,S303)。また、演出制御用CPU120は、予告演出開始待ちタイマがセットされている(予告演出を行うことに決定されている)か、または予告演出実行中フラグがセットされている(予告演出の実行中である)場合には(S304;Y)、図32に示す予告演出処理を実行する(S305)。予告演出開始待ちタイマも予告演出実行中フラグもセットされていない場合には、S305の予告演出処理を実施することなく、S306に進む。
S306において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S307)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S308)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S309)。
次に、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S310)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S310;Y)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S311)。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S312)。
また、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S306;N)、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合(S310;N)、S312の実行後、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S313)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S314;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやランプ制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
図32は、予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU120は、予告演出実行中フラグがセットされているか否か、つまり、予告演出が開始されている場合であるか否かを判定する(S321)。
予告演出実行中フラグがセットされていない場合には(S321;N)、S322において、演出制御用CPU120は、予告演出開始待ちタイマの値を−1する。尚、予告演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、予告演出を行うことに決定されたときに、プロセステーブルの選択においてセットされる。予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしていなければ(S323;N)、処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしている場合、つまり、予告演出の開始タイミングである場合には(S323;Y)、S324に移行する。
S324では、演出制御用CPU120は、予告演出の実行中であることを示す予告演出実行中フラグをセットする。また、予告演出に該当する予告演出期間に相当する値を予告演出期間タイマにセットする(S325)。
次いで、演出制御用CPU120は、実行する予告演出(予告演出A、予告演出B)に対応した予告演出プロセステーブルを読み出してセットした後(S326)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における予告演出プロセスタイマをスタートさせる(S327)。尚、本実施例では、各予告演出(予告演出A、予告演出B)の全ての組み合わせに対応する予告演出プロセステーブルが、予めROM121に記憶されている。
そして演出制御用CPU120は、セットした予告演出プロセステーブルの最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての遊技効果ランプ9および演出用部品としてのスピーカ8L,8R、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B)の制御を開始する(S328)。
また、S321において予告演出実行中フラグがセットされている場合には、S329に進んで、演出制御用CPU120は、予告演出のプロセスを変更するための予告演出プロセスタイマの値を−1する。そして、予告演出期間の終了を計時するための予告演出期間タイマの値を−1する(S330)。予告演出期間タイマがタイマアウト(値が0になる)した場合には(S331;Y)、予告演出実行中フラグをクリアして予告演出処理を終了する(S336)。
予告演出期間タイマがタイマアウトしていない場合(S331;N)に演出制御用CPU120は、予告演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する(S332)。予告演出プロセスタイマがタイマアウトしていたら、予告演出の予告演出プロセスデータの切り替えを行う(S333)。すなわち、予告演出プロセステーブルにおける次に設定されている予告演出プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S334)。また、その次に設定されている予告演出プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、入力制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S335)。
また、記録更新示唆演出の記憶が有るか否かを判定する(S335a)。記録更新示唆演出の記憶が無い場合は(S335a;No)、予告演出処理を終了し、記録更新示唆演出の記憶が有る場合は(S335a;Yes)、実行中のプロセスデータを参照し、記録更新示唆演出として演出表示装置5における記録更新示唆画像の表示実行期間中であるか否かを判定する(S335b)。記録更新示唆画像の表示実行期間中でない場合は(S335b;N)、予告演出処理を終了し、記録更新示唆画像の表示実行期間中である場合は(S335b;Y)、演出表示装置5において記録更新示唆画像を表示するための記録更新示唆画像表示処理を実行し(S335c)、予告演出処理を終了する。
図33は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S76)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU120は、図柄確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S341)。図柄確定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、演出図柄変動停止処理を終了し、図柄確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、図柄確定コマンド受信フラグをリセットし(S342)、演出図柄変動開始処理のS276において決定した停止図柄を導出表示する制御を行う(S343)。次いで、演出制御用CPU120は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(S344)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、変動表示結果指定コマンド格納領域に格納されている変動表示結果指定コマンドによって確認できる。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されていない場合は(S344;N)、後述する連荘フラグがクリアされてからの残り変動表示回数を示す連荘変動カウンタの値が0であるか否かを判定する(S346)。連荘変動カウンタの値が0である場合は(S346;Y)、演出図柄変動停止処理を終了し、連荘変動カウンタの値が0でない場合は(S346;N)、連荘変動カウンタの値を1減算し(S347)、連荘変動カウンタの値が0となったか否かを判定する(S348)。
連荘変動カウンタの値が0となっていない場合は(S348;N)、演出図柄変動停止処理を終了し、連荘変動カウンタの値が0となっている場合は(S348;Y)、出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大であるか否かを判定する(S350)。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1が工場等から出荷されて初めて電源が投入された場合は、連荘時出玉数データテーブル(初期設定用)の出玉数データが連荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数データとして記憶されるようになっているため(図22に示すサブCPUメイン処理のSs19b参照)、初めてS350の処理を実行する場合は、出玉数カウンタの値が図12(C)に示す連荘時出玉数データテーブル(初期設定用)に記憶されている出玉数よりも大であるか否かを判定することになる。
出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大である場合は(S350;Y)、出玉数カウンタの値を連荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数としてセットするとともに、該連荘時出玉数データテーブル(更新用)の到達容易出玉数の値を出玉数カウンタの値にもとづいて更新し、S352に移行する(S351)。
尚、本実施例では、到達容易出玉数としては、出玉数カウンタの値から出玉の有る大当り(確変大当りA及び非確変大当りC)における最低獲得玉数である1000(非確変大当りCにおける出玉数)を減算した値に更新しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、連荘時出玉数データテーブル(更新用)における到達容易出玉数としては、本実施例のように出玉数カウンタの値から決まった所定数を減算した値に更新する他、出玉数カウンタの値から決まった所定割合を減算した値(例えば、出玉数カウンタの値に拘らず一律10%減算した値)に更新するようにしても良い。
また、出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数以下である場合は(S350;N)、S351を経由せずにS352に移行する。
S352において、演出制御用CPU120は、出玉数カウンタをクリアする(S352)。そして、演出表示装置5において表示中の画像が記録更新付近画像、記録更新達成画像、記録更新継続中画像のいずれかであることを示す表示画像フラグの値を0にセットし、記録更新付近画像、記録更新達成画像、記録更新継続中画像のうち、表示中の画像の表示を終了して演出図柄変動停止処理を終了する(S353)。
尚、記録更新付近画像とは、連荘状態中の大当り遊技における出玉数(出玉数カウンタの値)が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている到達容易出玉数よりも大となったときに演出表示装置5に表示される画像であり、記録更新達成画像とは、連荘状態中の大当り遊技における出玉数(出玉数カウンタの値)が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となったときに演出表示装置5に表示される画像であり、記録更新継続中画像とは、出玉数(出玉数カウンタの値)が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となった大当り遊技終了後、連荘状態を維持したまま大当りとなった場合に該大当りの大当り遊技開始時から演出表示装置5に表示される画像である。
一方、S344において大当りとすることに決定されている場合は(S344;Y)、演出制御用CPU120は、連荘フラグがセットされているか否かを判定する(S354)。連荘フラグがセットされていない場合は(S354;N)連荘フラグをセットしてS355aに移行し(S355)、連荘フラグがセットされている場合は(S354;Y)、S355を経由せずにS355aに移行する。そして、大当り演出設定として、大当り表示処理において実行するプロセステーブルを設定し(S355a)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)に応じた値に更新し(S356)、演出図柄停止処理を終了する。
図34は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS77)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中指定フラグがセットされているか否か(すなわち、ラウンド1開始時の大入賞口開放中指定コマンドを受信したか否か)を確認する(ステップS361)。大入賞口開放中指定フラグがセットされていない場合は(ステップS361;N)、演出制御用CPU120は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS362)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9等)の制御を実行する(ステップS363)。例えば、演出表示装置5において停止図柄として大当り図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示するファンファーレ演出が、演出図柄変動停止処理にて設定されたプロセステーブルに基づいて実行される。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS364)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS365)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切替る。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS366)。
大入賞口開放中指定フラグがセットされている場合は(ステップS361;Y、すなわち、ラウンド1の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU120は、その大入賞口開放中指定フラグをクリアする(ステップS367)。
次いで、演出制御用CPU120は、出玉数カウンタの値を特定し、該特定した値を出玉数表示として演出表示装置5における表示を開始し(S368)、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS78)に対応した値に設定する(ステップS369)。
また、演出制御用CPU120は、表示画像フラグの値が演出表示装置5において記録更新達成画像が表示中であることを示す2であるか否かを判定する(S370)。
表示画像フラグの値が2である場合は(S370;Y)、表示画像フラグの値を演出表示装置5において記録更新継続中画像が表示中であること示す3にセットする(S371)。そして、演出表示装置5における記録更新達成画像の表示を終了するとともに記録更新継続中画像の表示を開始し(S372)、大当り表示処理を終了する。また、表示画像フラグの値が2でない場合は(S370)、S371及びS372を経由せずに大当り表示処理を終了する。
図35は、図26のステップS78にて実行される大当り遊技中処理の一例を示すフローチャートである。大当り遊技中処理において、演出制御用CPU120は、先ず、大入賞口開放後指定フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS381)。大入賞口開放後指定フラグがセットされていない場合は(ステップS381;No)、大当り種別に応じたプロセスデータの内容に従って演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9等)を制御し、大入賞口入賞指定フラグがセットされているか否かを判定する(S383)。大入賞口入賞指定フラグがセットされていない場合は(S383;N)、大当り遊技中処理を終了し、大入賞口入賞指定フラグがセットされている場合は(S383;Y)、大入賞口入賞指定フラグをクリアし(S384)、出玉数カウンタの値に遊技球が大入賞口に入賞したことにより払い出される賞球数(本実施例では10)を加算する(S385)。
そして、演出表示装置5にて表示されている出玉数表示を出玉数カウンタの値に更新し(S385a)、出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)の到達容易出玉数の値よりも大であるか否かを判定する(S386)。出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)の到達容易出玉数の値よりも大である場合は(S386;Y)、表示画像フラグの値が記録更新付近画像、記録更新達成画像、記録更新継続中画像のいずれも演出表示装置5において表示していないことを示す0であるか否かを判定する(S387)。表示画像フラグの値が0である場合は(S387;Y)、表示画像フラグの値を演出表示装置5において記録更新付近画像を表示していることを示す1にセットし(S388)、演出表示装置5において記録更新付近画像の表示を開始する(S389)。そして、S390に移行する。
また、出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)の到達容易出玉数の値以下である場合は(S386;N)、S387〜389の処理を経由せずにS390に移行し、表示画像フラグの値が0でない場合は(S387;N)、S388及びS389を経由せずにS390に移行する。
また、S390において、演出制御用CPU120は、出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数の値よりも大であるか否かを判定する(S390)。出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数の値以下である場合は(S390;N)、大当り遊技中処理を終了し、出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数の値よりも大である場合は(S390;Y)、表示画像フラグの値が演出表示装置5において記録更新付近画像を表示していることを示す1にセットされているか否かを判定する(S391)。
表示画像フラグの値が1にセットされていない場合は(S391;N)、大当り遊技中処理を終了し、表示画像フラグの値が1にセットされている場合は(S391;Y)、表示画像フラグの値を演出表示装置5において記録更新達成画像を表示していることを示す2にセットし(S392)、演出表示装置5において記録更新達成画像の表示を開始する(S393)。そして、大当り遊技中処理を終了する。
また、S381において、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後指定フラグがセットされている場合は(S381;Y)、実行中の大当り遊技において最終ラウンドが終了したか否かを判定する(S394)。実行中の大当り遊技において最終ラウンドが終了していない場合は(S394;N)、大入賞口開放後指定フラグをクリアし(S395)、大当り遊技中処理を終了する。実行中の大当り遊技において最終ラウンドが終了している場合は(S394;Y)、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値に変更し(S397)、大当り遊技中処理を終了する。
図36は、図26のステップS176にて実行される大当り終了演出処理の一例を示すフローチャートである。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、大当り終了演出タイマが動作中であるか否かを判定する(ステップS401)。大当り終了演出タイマが動作中ではない場合は(ステップS401;N)、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS402)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は(ステップS402;N)、大当り終了演出処理を終了し、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合は(ステップS402;Y)、大当りの種別に応じた大当り終了演出タイマを設定する(ステップS403)
ステップS403の処理の実行後、演出制御用CPU120は、演出表示装置5に大当りの種別に応じた大当り終了画面を表示する(ステップS404)。次いで、大当り種別が確変大当りAであるか否かを判定する(S405)。大当り種別が確変大当りAである場合は(S405;Y)、連荘変動カウンタの値に0をセットし(S406)、S413に移行する。また、大当り種別が確変大当りAでない場合は(S405;N)、連荘フラグをクリア(S405a)してから大当り種別が確変大当りBであるか否かを判定する(S407)。大当り種別が確変大当りBである場合は(S407;Y)、連荘変動カウンタの値に50をセットしてS413に移行する(S408)。
大当り種別が確変大当りBでない場合は(S407;N)、大当り種別が非確変大当りCであるか否かを判定する(S409)。大当り種別が非確変大当りCである場合は(S409;Y)、連荘変動カウンタの値を130にセットしてS413に移行する(S410)。
また、大当り種別が非確変大当りCでない場合は(S409;N)大当り種別は非確変大当りDであるとして、連荘変動カウンタの値に30をセットしてS413に移行する(S411)。つまり、本実施例においては、大当り種別が確変大当りAである場合は、次の大当りまで連荘状態が確実に継続するようになっている一方で、大当り種別が確変大当りBである場合は、大当り遊技終了後から変動表示(特図ゲーム)が50回実行されるまでに大当りとなることで連荘状態が継続するようになっている。更に、大当り種別が非確変大当りCである場合は、大当り遊技が終了してから変動表示(特図ゲーム)が130回実行されるまで、つまり、時短制御が終了してから変動表示が30回実行されるまでに大当りとなることで連荘状態が継続するようになっている。また、大当り種別が非確変大当りDである場合は、大当り遊技が終了してから変動表示(特図ゲーム)が30回実行されるまでに大当りとなることで連荘状態が継続するようになっている。そして、S413において、演出制御用CPU120は、演出表示装置5における出玉表示を終了する(S413)。また、大当り終了指定コマンド受信フラグをクリアし、大当り終了演出処理を終了する(S414)。
また、S401において大当り終了演出タイマが動作中である場合は(S401;Y)、大当り終了演出タイマの値の1減算し(S415)、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する(S416)。大当り終了演出時間が経過していない場合は(S416;N)、大当り終了演出処理を終了し、大当り終了演出時間が経過した場合は、演出表示装置5における大当り終了画面の表示を終了し(S416a)、演出制御プロセスフラグの値を変動表示開始待ち処理に対応した値に更新して大当り終了演出処理を終了する(S420)。
次に、本実施例における大当り遊技及び連荘状態での演出表示装置5の表示態様について説明する。先ず、図37(A)に示すように、演出表示装置5において、演出図柄が例えば確変大当りAを示す組合せで導出表示されると、図37(B)に示すように、大当り遊技が開始される。大当り遊技が開始されることで、演出表示装置5には、大当り種別に応じて大当り遊技中であることを示す画像の表示が開始されるとともに、演出表示装置5の所定箇所(図37(B)における演出表示装置5の左上部)において大当り遊技中に獲得した出玉数表示が開始される。
そして、図37(C)及び図37(D)に示すように、大当り遊技終了後は、演出表示装置5における出玉数表示が終了し、再び演出図柄の変動表示が開始される。このとき、遊技状態は高確高ベース状態に制御されるため連荘状態となる。次いで、複数回の大当り遊技(例えば、出玉が有る確変大当りAの大当り遊技)が実行された後、図37(E)に示すように演出表示装置5において演出図柄が再び確変大当りAを示す組合せで導出表示されると、図37(B)と同様に、演出表示装置5には、大当り種別に応じて大当り遊技中であることを示す画像の表示が開始されるとともに、演出表示装置5の所定箇所(図37(F)における演出表示装置5の左上部)において大当り遊技中に獲得した出玉数の表示(出玉数表示)が開始される。尚、このとき演出表示装置において表示される出玉数表示は、複数回の大当りに亘って払い出された合計出玉数が表示される。
そして、大当り遊技が実行されることで、出玉数表示として表示されている出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている到達容易出玉数(図37(F)では9000玉)よりも大となると、演出表示装置5における所定箇所(図37(F)における演出表示装置の右上部)において「もうすぐ記録更新!」のように間もなく出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となる旨を報知する記録更新付近画像の表示が開始される。尚、出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数(例えば、10000玉)以下のまま大当り遊技が終了した場合(例えば、演出表示装置5に表示されている出玉数が9500玉で終了した場合)は、図37(G)及び図37(H)に示すように、出玉数表示が終了して変動表示が再び実行される一方で、記録更新付近画像の表示は継続される。
そして、図38(A)及び図38(B)に示すように、図37(G)に示す確変大当りAの大当り遊技終了後は、演出表示装置5で演出図柄の変動表示が実行中であり、且つ記録更新付近画像の表示が継続している状態において新たな始動入賞が複数(例えば3つ)発生したとする。このときの始動入賞のうち、2つ目の始動入賞による保留記憶が出玉の有る大当りである確変大当りAまたは非確変大当りCの保留記憶であるとすると、先ず、図38(C)に示すように、演出図柄がハズレの組合せで導出表示される。次いで、図38(D)及び図38(E)に示すように、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示されている保留記憶表示が演出表示装置5の中央に向けてシフトされるとともに、新たな演出図柄の変動表示が開始され、所定時間経過後に演出図柄がハズレの組合せで導出表示される。
そして、図38(F)及び図38(G)に示すように、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示されている保留記憶表示が演出表示装置5の中央に向けてシフトされるとともに、変動表示結果が確変大当りAまたは非確変大当りCとなる変動表示が開始された後、予告演出の実行開始タイミングとなると、演出表示装置5において記録更新示唆画像が表示されることで記録更新示唆演出が実行される。記録更新示唆演出の実行後は、図38(H)に示すように、演出図柄が大当り(本実施例では非確変大当りC)の組合せで導出表示され、大当り遊技が開始された後は、演出表示装置5において再び出玉数表示の表示が開始される。そして、大当り遊技が実行されることで、出玉数表示として表示されている出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数(図39(B)では10000玉)よりも大となると、それまで演出表示装置5において表示されていた記録更新付近画像に替えて、「記録更新達成!」のように出玉数表示として表示されている出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となった旨を示す記録更新達成画像の表示が開始される。
そして、非確変大当りCの大当り遊技終了後は、図39(D)に示すように、演出表示装置5における出玉数表示を終了するとともに、演出表示装置5において記録更新達成画像の表示を継続しつつ、時短制御が実行された状態で再び演出図柄の変動表示を実行する。この時短制御中に複数回の変動表示が実行されて大当り(本実施例では非確変大当りC)となった場合は、図39(E)に示すように、演出表示装置5に演出図柄が大当り(非確変大当りC)の組合せで導出表示されるとともに、録更新達成画像に替えて、「記録更新継続中!」のように出玉数表示として表示されている出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となり、更に連荘状態中に大当りとなることで出玉数表示が加算されていく旨を示す記録更新継続中画像の表示が開始される。
次いで、図39(F)及び図39(G)に示すように非確変大当りCの大当り遊技終了後は、演出表示装置5における出玉数表示を終了するとともに、演出表示装置5において記録更新継続中画像の表示を継続しつつ、時短制御が実行された状態で再び演出図柄の変動表示を実行する。
図40(A)及び図40(B)に示すように、図39(F)に示す非確変大当りCの大当り遊技が終了して時短制御中(低確高ベース状態)における100回の変動表示と通常状態(低確低ベース状態)における30回の変動表示が実行されるまでに大当りとならなかった場合は、通常状態(低確低ベース状態)における30回の変動表示が終了した時点で演出表示装置5における記録更新継続中画像の表示が終了する。つまり、連荘状態が終了する。このとき、演出制御用CPU120は、出玉数カウンタの値、つまり、出玉数表示として演出表示装置5に表示していた出玉数(例えば、図39(C)及び図39(D)に示す「11500」)を出玉数データテーブル(更新用)の出玉数として記憶する。
更に、図40(C)及び図40(D)に示すように、複数回の変動表示が実行されることで演出図柄が大当りを示す組合せで導出表示された後に実行される大当り遊技では、大当り種別に応じて大当り遊技中であることを示す画像の表示が開始される一方で、一旦連荘状態が終了しているため、出玉数表示はクリアされた状態(図40(D)に示す「00000」表示)にて表示が開始される。
更に、図40(E)及び図40(F)に示すように、該大当り終了後は、連荘状態において複数回の大当り遊技を実行することで出玉数表示が出玉数データテーブル(更新用)の出玉数(前回の連荘状態における出玉数)から算出される到達容易出玉数(例えば、図40(F)に示すように、11500から1000を減算した10500)よりも大となると、演出表示装置5において「もうすぐ記録更新!」のように間もなく出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となる旨を報知する記録更新付近画像の表示が開始される。次いで、図40(G)に示すように、大当り遊技中に更に出玉数表示が出玉数データテーブル(更新用)の出玉数(前回の連荘状態における出玉数である11500)よりも大となることで、演出表示装置5において記録更新付近画像の表示に替えて記録更新達成画像の表示が開始される。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、大当り遊技中に記録更新達成画像が表示されることで、出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数に達した旨が迅速に報知されるので、遊技興趣を向上できる。
また、出荷後に遊技場に設置された当初において、出玉数が連荘時出玉数データテーブル(初期設定用)に記憶されている出玉数よりも大であるか否かを判定することにより、容易に連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数が更新されてしまうことによる興趣低下を防ぐことができる。
また、連荘変動カウンタの値が0となったタイミングで連荘時出玉数データテーブル(初期設定用)に記憶されている出玉数を今回の出玉数に更新することで、連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数に達した出玉数への更新が頻繁に行われてしまうことによる無用な処理負荷の増大を抑えることができる。
また、連荘フラグがクリアされた状態からであっても、特定回数の変動表示が実行されるまでに再び大当り遊技状態に制御されることにより、保持されている出玉数を変化させることができるので、出玉数の初期化が実行されることなく、出玉数が更に変化する可能性が生じ、遊技興趣を向上できる。
また、記録更新付近画像を表示することにより、出玉数の連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数への到達が近いことが報知されるので、遊技興趣を向上できる。
また、記録更新示唆画像を表示することにより、連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数に到達する期待感を遊技者に与えることができるので、遊技興趣を向上できる。
また、停電が発生してパチンコ遊技機1への電力供給が停止したとしても、連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている更新された出玉数が、例えば初期値等になってしまうことを防止することができるので、遊技者の遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、特別図柄に大当り示す組合せの図柄が導出表示されることによって大当たりとなり大入賞口が開放されるパチンコ遊技機1(所謂セブン機)において、有利状態を大当り遊技、有利状態変数を出玉数(賞球数)、連続条件を大当り遊技終了後に連荘フラグがセットされていること、つまり、大当り遊技終了後に時短制御及び確変制御が実行されていること、連荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数を更新する更新条件を連荘フラグがクリアされてから大当り種別に応じた回数の変動表示が実行されること、有利状態変数の加算を継続する集計継続条件を、連荘フラグがセットされている状態で大当りとなること、及び連荘フラグがクリアされてから大当り種別に応じた回数の変動表示が実行される迄に大当りとなることとした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例として図41に示すように、異なるタイプのパチンコ遊技機や、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン等であっても適用可能である。
具体的には、例えば、セブン機の中でも全ての大当りの大当り遊技終了後に確変制御が所定回数の変動表示(特図ゲーム)にて実行されるパチンコ遊技機(所謂ST機)においては、有利状態を大当り(確変大当り)の大当り遊技や小当りの小当り遊技、有利状態変数を出玉数(賞球数)としても良く、また、連続条件を大当り遊技終了後に連荘フラグがセットされていること、つまり、大当り遊技終了後に所定変動回数に亘って時短制御及び確変制御が実行されていること、更新条件を連荘フラグがクリアされてから大当り種別に応じた回数の変動表示が実行されること、すなわち、大当り遊技終了後の所定回数の変動表示が終了したことで確変制御及び時短制御が終了した後、更に所定回数(例えば、30回)の変動表示が実行されること、集計継続条件を連続条件成立中(連荘フラグがセットされている時短制御及び確変制御が実施されている状態)で大当りとなること、及び連荘フラグがクリアされてから所定回数の変動表示が実行される迄に大当りとなることとしても良い。
つまり、ST機においては、大当り遊技終了後、時短制御及び確変制御が行われる所定回数(例えば100回)の変動表示内で再び大当りまたは小当りとなることで大当り遊技または小当り遊技において大入賞口に入賞した遊技球に応じて出玉数が加算更新されていく。大当り遊技終了後、時短制御及び確変制御が行われる所定回数の変動表示内で大当りとならなかった場合は、更に所定回数(例えば30回)の変動表示を実行する。該所定回数の変動表示において大当りとなった場合は出玉数を継続して加算更新していき、該所定回数の変動表示において大当りとならなかった場合は、出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大であれば、獲得した出玉数を連荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数として記憶する。
また、例えば、セブン機の中でも、大当りとして大当り遊技における出玉が有り、且つ大当り遊技終了後に確変制御及び時短制御が実行される確変大当りと、大当り遊技における出玉が無し(短期開放大当り)、且つ大当り遊技終了後に確変制御と時短制御のどちらも実行されない非確変大当りと、から構成されるパチンコ遊技機(所謂バトルタイプ)においては、有利状態を出玉有り且つ時短付き大当り遊技、つまり、確変大当りの大当有り遊技とし、有利状態変数を出玉数(賞球数)としても良い。また、連続条件を大当り遊技終了後に連荘フラグがセットされていること、つまり、大当り遊技終了後に時短制御及び確変制御が実行されていること、更新条件を出玉無し当り、つまり、非確変大当りの大当り遊技終了した後に所定回数(例えば、30回)の変動表示が実行されることとしても良く、集計継続条件を連続条件成立中(連荘フラグがセットされている時短制御及び確変制御が実施されている状態)で大当りとなること、及び出玉無し大当り遊技終了後の所定回数の変動表示が実行される迄に大当りとなることとしても良い。
つまり、バトルタイプのパチンコ遊技機においては、確変大当りの大当り遊技終了後、時短制御及び確変制御が次回の大当りまで継続する変動表示において再び確変大当りとなることで、大当り遊技において大入賞口に入賞した遊技球に応じて出玉数が加算更新されていく。確変大当りの大当り遊技終了後、時短制御及び確変制御が次回の大当りまで継続する変動表示において非確変大当り(出玉無し大当り)となった場合は、所定回数(例えば50回)の変動表示を実行する。該所定回数の変動表示において大当りとなった場合は出玉数を継続して加算更新していき、該所定回数の変動表示において大当りとならなかった場合は、出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大であれば、獲得した出玉数を連荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数として記憶する。
また、スロットマシンの中でも、主にボーナスを消化することにより遊技媒体であるメダルを増加させていく所謂ノーマルAタイプにおいては、有利状態をボーナス、有利状態変数をボーナスの連荘数としても良い。また、連続条件をクレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)内で実行可能なゲーム数、更新条件をクレジットがゲームを実行可能なメダル数よりも小となったこと、または、ボーナス後から所定ゲーム数(例えば30ゲーム)が経過することとしても良く、集計継続条件を連続条件成立中またはボーナス後の所定ゲーム数(例えば30ゲーム)内での入賞としても良い。
つまり、ノーマルAタイプのスロットマシンにおいては、図42(A)に示すように、ボーナスが入賞すると、演出表示装置の所定位置(例えば、演出表示装置の左上部においてボーナスの連荘数の表示が開始される)。そして、ボーナスゲーム消化後、クレジット内で実行可能なゲームのいずれかにおいてボーナスが再び入賞(クレジット内当り)した場合は、スロットマシンにおける演出制御用CPUは、ボーナス連荘数に1を加算し、該加算後のボーナス連荘数が到達容易連荘数(実施例における到達容易出玉数に相当)に到達したか否かを判定し、ボーナス連荘数が到達容易連荘数に到達している場合は、演出表示装置の所定位置(例えば、図42(B)に示すように、演出表示装置の右上部)において記録更新付近画像の表示を開始する。
また、演出表示装置において記録更新付近画像が表示されている状態においてボーナスゲーム消化後、クレジット内で実行可能なゲームのいずれかにおいてボーナスが再び入賞(クレジット内当り)した場合は、スロットマシンにおける演出制御用CPUは、ボーナス連荘数がボーナス連荘数データテーブル(更新用)(前記実施例における連荘時出玉数データテーブル(更新用)に相当)に記憶されているボーナス連荘数よりも大となったか否かを判定する。ボーナス連荘数が前記ボーナス連荘数データテーブル(更新用)に記憶されているボーナス連荘数よりも大となっている場合は、記録更新付近画像の表示に替えて、演出表示装置において記録更新達成画像の表示を開始する。
尚、ノーマルAタイプのスロットマシンにおける記録更新達成画像は、図42(D)に示すように、ボーナスゲーム消化後、再びクレジット内で実行可能なゲームのいずれかにおいてボーナスが再び入賞(クレジット内当り)することによって記録更新継続中画像の表示に変化(更新)する。
ボーナスゲーム消化後、クレジット内で実行可能なゲームのいずれでもボーナスが入賞しなかった場合は、今回のボーナス連荘数が前記ボーナス連荘数データテーブル(更新用)に記憶されているボーナス連荘数よりも大であれば、今回のボーナス連荘数を前記ボーナス連荘数データテーブル(更新用)のボーナス連荘数として記憶する。
そして、図42(E)に示すように、今回のボーナス連荘数を前記ボーナス連荘数データテーブル(更新用)のボーナス連荘数として記憶した後、更に所定ゲーム数(例えば、30ゲーム)を消化した後にボーナスが入賞した場合は、演出表示装置においてボーナス連荘数がクリアされた状態(図42(E)に示す「1連荘目」)にて表示が開始される。
また、スロットマシンの中でも、主にリールの停止順が報知され、遊技者が該報知に従ってリールを停止させることにより遊技媒体であるメダルを増加させていく所謂ATまたはART機においては、有利状態をAT・ARTとしても良い。尚、AT・ARTをボーナス(擬似ボーナス)として扱っているスロットマシンでは、該ボーナスを有利状態としても良い。
そして、有利状態変数をAT・ARTの継続ゲーム数としても良い。また、連続条件をAT・ARTのストック数とし、更新条件をAT・ARTの終了及びストックが無くなってから(ストックが0)所定ゲーム数経過とし、集計継続条件を連続条件成立中またはAT・ARTのストックが無くなってから(ストックが0)の所定ゲーム数(例えば、30ゲーム)内のAT・ART当選としてもよい。
つまり、スロットマシンの中でもAT・ART機においては、図43(A)に示すように、AT・ARTが当選すると、演出表示装置の所定位置(例えば、演出表示装置の左上部においてAT・ARTのゲーム数の表示が開始される)。そして、AT・ART中においてゲームが実行される毎に、スロットマシンにおける演出制御用CPUは該ゲーム数の表示に1を加算していく。
また、該AT・ART中においてスロットマシンにおける演出制御用CPUは、該加算後のゲーム数が到達容易ゲーム数に到達したか否かを判定し、ゲーム数が到達容易ゲーム数に到達している場合は、演出表示装置の所定位置(例えば、図43(B)に示すように、演出表示装置の右上部)において記録更新付近画像の表示を開始する。
更に、該AT・ART中においてスロットマシンにおける演出制御用CPUは、記録更新付近画像の表示中は、前記加算後のゲーム数がAT・ART時ゲーム数データテーブル(更新用)(前記実施例における連荘時出玉数データテーブル(更新用)に相当)に記憶されているゲーム数よりも大となったか否かを判定する。ゲーム数が前記AT・ART時ゲーム数データテーブル(更新用)に記憶されているゲーム数よりも大となっている場合は、図43(C)に示すように、記録更新付近画像の表示に替えて、演出表示装置において記録更新達成画像の表示を開始する。
尚、AT・ART機における記録更新達成画像は、図43(D)に示すように、次のゲームの開始時(具体的にはスロットマシンのスタートスイッチの操作時)に記録更新継続中画像の表示に変化(更新)する。
そして、図43(E)及び図43(F)に示すように、AT・ARTが終了した後は、ストックが有れば所定ゲーム数の潜伏期間を経て再びAT・ARTが開始される。尚、ストックが有る状態で再びAT・ARTが開始された場合は、演出表示装置におけるゲーム数及び記録更新継続中画像が継続して表示される。
また、図43(G)に示すように、ゲーム数を消化することでストックが無い状態でAT・ARTが終了した後は、更に所定回数(例えば30回)のゲームを実行する。該所定回数のゲーム内においてAT・ARTが当選した場合は、ゲーム数を継続して加算更新していき、該所定回数のゲーム内においてAT・ARTが当選しなかった場合は、ゲーム数が前記AT・ART時ゲーム数データテーブル(更新用)に記憶されているゲーム数よりも大であれば、AT・ART中に実行したゲーム数を前記AT・ART時ゲーム数データテーブル(更新用)のゲーム数として記憶する。
尚、図43(H)に示すように、所定ゲーム数(例えば、30ゲーム)を実行した後にAT・ARTが当選した場合は、演出表示装置においてゲーム数がクリアされた状態(図43(H)に示す「0G」にて表示が開始される。
尚、本変形例においては、スロットマシンにおける有利状態をボーナスやAT・ARTとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ボーナス終了後等に通常状態よりもリプレイの当選確率が変化するRTを搭載しているスロットマシンにおいては、有利状態にRTを含めるようにしても良い。
尚、本変形例においては、AT・ART機の有利状態をAT・ARTとして説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、AT・ARTが通常時よりも当選しやすくなる高確状態を有利状態に含めるようにしても良い。
また、前記実施例では、有利状態中変数として大当り遊技中に獲得した出玉数のみを加算していく形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、有利状態中変数としては、連荘状態中(大当り遊技終了後の連荘変動カウンタの値が0となるまで)に遊技球が始動入賞口に入賞したことにより獲得した出玉数を含むようにしても良い。つまり、確変制御と時短制御の少なくとも一方が実施されている状態(高確高ベース状態、高確低ベース状態、低確高ベース状態)を本発明における有利状態に含むようにしても良い。
また、前記実施例では、有利状態中変数として大当り遊技中に獲得した出玉数のみを加算していく形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、有利状態中変数としては、例えば、確変大当りAの大当り遊技中に獲得した出玉数等、特定の大当り遊技で獲得した出玉数のみに制限するようにしても良い。
また、前記実施例では、予告演出決定処理において、当該変動表示を対象に記録更新示唆演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、未だ変動表示が実行されていない保留記憶を対象とする先読み予告演出として、記録更新示唆演出を実行するようにしても良い。具体的には、演出制御用CPU120が演出制御プロセス処理を実行する毎に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに新たな図柄指定コマンド(図16(B)参照)が格納されたエントリが有るか否かを判定する。そして、新たな図柄指定コマンドが格納されたエントリが有る場合は、該図柄指定コマンドにより指定される入賞時の予告玉数(例えば、図16(B)に示すように、図柄指定コマンドが第2図柄指定コマンドまたは第5図柄指定コマンドであれば1500玉)を特定し、出玉数カウンタの値に該特定した入賞時の予告玉数を加算した値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となる場合は、先読み記録更新示唆演出(例えば、演出表示装置においてキャラクタとともに該キャラクタの「保留内で記録更新かも?」といった記録更新を示唆する画像の表示)を実行するようにしても良い。また、前述のように新たな図柄指定コマンドが格納されたエントリがある場合は、該図柄指定コマンドの大当り種別またはハズレ種別を特定し、該特定した大当り種別やハズレ種別に応じて異なる割合にて図柄指定コマンドが格納されているエントリに対応した保留記憶表示を、通常態様(例えば、図1に示す「○」)や特別態様(例えば、「◇」や「☆」等)にて表示するようにし、いずれの保留記憶の変動表示において出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となり易いかを示唆するようにしても良い。また、前述のように新たな図柄指定コマンドが格納されたエントリが有る場合は、該図柄指定コマンドの大当り種別またはハズレ種別を特定し、該特定した大当り種別やハズレ種別に応じて異なる割合にて演出表示装置5に表示される背景画像を変化(例えば、昼の画像から夕方や夜の画像に変化)させるようにしても良い。
また、前記実施例では、出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となることで、該出玉数カウンタの値を連荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数として記憶する、つまり、連荘時出玉数データテーブル(更新用)には、最も出玉数の多い出玉数データのみが記憶されるようになっている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、連荘時出玉数データテーブル(更新用)には複数の出玉数データを記憶可能としてもよい。このように、連荘時出玉数データテーブル(更新用)に複数の出玉数データを記憶可能とする場合は、パチンコ遊技機1にて遊技が実行されていないとき、連荘状態の終了時等に連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数データを出玉数の多い順に並び替えた状態で表示(ランキング表示)するようにしても良い。
更に、連荘時出玉数データテーブル(更新用)に複数の出玉数データを記憶可能とする場合は、予め連荘時出玉数データテーブル(初期設定用)においても初期のランキング表示用に複数の出玉数データを記憶するようにしても良い。尚、連荘時出玉数データテーブル(初期設定用)においても初期のランキング表示用に複数の出玉数データを記憶する場合は、電源投入毎に連荘時出玉数データテーブル(初期設定用)に記憶されている出玉数データを連荘時出玉数データテーブル(更新用)にセットすることで、ランキング表示の更新機会が著しく減ってしまうことを防ぐようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技中に出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも1000少ない到達容易出玉数よりも大となることで、「もうすぐ記録更新!」のように間もなく出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となる旨を報知する記録更新付近画像の表示を開始する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、記録更新付近画像としては、間もなく出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となる旨を報知することが可能であれば、前記実施例とは異なる記録更新付近画像を表示するようにしても良い。
また、前記実施例では、出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となることで、「記録更新達成!」のように出玉数表示として表示されている出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となった旨を報知する記録更新達成画像の表示を開始する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、記録更新達成画像としては、出玉数表示として表示されている出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となった旨を報知することが可能であれば、前記実施例とは異なる記録更新達成画像を表示するようにしても良い。
また、前記実施例では、該記録更新達成画像の表示を開始した大当り遊技終了後、連荘フラグがセットされている状態(連荘変動カウンタの値が0でない状態)で大当りとなることで、「記録更新継続中!」のように出玉数表示として表示されている出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となり、更に連荘状態中に大当りとなることで出玉数表示が加算されていく旨を報知する記録更新継続中画像の表示を開始する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、記録更新継続中画像としては、出玉数表示として表示されている出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となり、更に連荘状態中に大当りとなることで出玉数表示が加算されていく旨を報知することが可能であれば、前記実施例とは異なる記録更新継続中画像を表示するようにしても良い。
また、前記実施例では、演出表示装置5に表示される記録更新付近画像や記録更新達成画像や記録更新継続中画像を、それぞれ1つの画像のみとした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、記録更新付近画像や記録更新達成画像や記録更新継続中画像のそれぞれの画像として複数の異なる画像を予め用意しておき、該複数の異なる画像の中から1の画像のみを選択して表示したり、或いは、複数の画像を同時に表示するようにしても良い。特に、有利状態として複数の有利状態が設定されている場合や、有利状態が同一であっても複数の有利状態中変数が設定されている場合において、各有利状態或いは各有利状態中変数に対応する複数の記録更新付近画像や記録更新達成画像や記録更新継続中画像が設けられているときにあっては、それぞれの有利状態に対応した記録更新付近画像や記録更新達成画像や記録更新継続中画像を選択して表示するようにすれば良く、このようにすることで、いずれの有利状態或いはいずれの有利状態中変数の記録更新が近いのかや、いずれの有利状態或いはいずれの有利状態中変数の記録更新を達成したのかや、いずれの有利状態或いはいずれの有利状態中変数の記録更新中なのかを、遊技者が把握できるようになる。
また、前記実施例では、演出図柄変動停止処理において連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数データを更新するか否かを判定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら更新するか否かを判定するタイミングを演出図柄が変動停止するタイミング以外のタイミングとしても良いし、これら更新するか否かを判定するタイミングを1つのタイミングだけではなく、異なる複数のタイミングにて判定するようにしても良い。例えば、上記したように、複数の有利状態を設定した場合や、複数の有利状態中変数を設定した場合にあっては、各有利状態或いは各有利状態中変数に対応する異なるタイミングにて、更新するか否かを判定するようにすれば良い。このように、各有利状態或いは各有利状態中変数に対応する異なるタイミングにて有利状態中変数を更新するか否かを判定することによって、適切なタイミングで有利状態中変数を更新することができる。
また、前記実施例では、大当り種別に応じて、連荘変動カウンタにセットする値を異ならせる、つまり、大当り種別に応じて大当り遊技終了後に連荘状態が継続する変動回数を異ならせる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別に拘らず連荘変動カウンタに一定の値(例えば、100)をセットするようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り種別に応じて、連荘変動カウンタにセットする値を異ならせる、つまり、大当り種別に応じて大当り遊技終了後に連荘状態が継続する変動回数を異ならせる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、連荘状態における大当り回数、初当りまでの変動回数、大当りとなったときの遊技状態等に応じて連荘変動カウンタにセットする値を異ならせるようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技中に出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている到達容易出玉数よりも大となったことに応じて演出表示装置5に記録更新付近画像を表示し、出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となるまで記録更新付近画像の表示を維持する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、出玉数カウンタの値と連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数の差が1000であることを示す第1記録更新付近画像、出玉数カウンタの値と連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数の差が900であることを示す第2記録更新付近画像、出玉数カウンタの値と連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数の差が800であることを示す第3記録更新付近画像等、出玉数カウンタの値と連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数との差に応じて異なる記録更新付近画像を用意し、出玉数カウンタの値と連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数の差が1000、900、800と小さくなっていく毎に演出表示装置5に表示する記録更新付近画像を第1記録更新付近画像、第2記録更新付近画像、第3記録更新付近画像の順に順次変化させていき、これら記録更新付近画像の変化によって出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となるまでのカウントダウンを行うようにしても良い。
また、前記実施例では、予告演出決定処理において図柄指定コマンドをチェックすることにより、当該変動表示において大当りとなった場合に出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大となることを演出表示装置5にて記録更新示唆画像を表示することにより示唆する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5において記録更新示唆画像を表示しないようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技中に出玉数カウンタの値が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている到達容易出玉数よりも大となったことに応じて演出表示装置5に記録更新付近画像を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5において記録更新付近画像を表示しないようにしても良い。
また、前記実施例では、確変大当りBの大当り遊技終了後であれば50回、非確変大当りCの大当り遊技終了後であれば130回、非確変大当りDの大当り遊技後であれば30回の変動表示が終了する(連荘変動カウンタの値が0となる)ことにより出玉数カウンタの値をクリアする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、確変大当りB及び非確変大当りDの大当り遊技終了後や、非確変大当りCの大当り遊技終了後に実施される時短制御終了後等の特定のタイミングから所定の時間(例えば、5分)が経過することにより出玉数カウンタの値をクリアするようにしても良い。このように、確変大当りB及び非確変大当りDの大当り遊技終了後や、非確変大当りCの大当り遊技終了後に実施される時短制御終了後等の特定のタイミングから所定の時間(例えば、5分)が経過することにより出玉数カウンタの値をクリアする場合は、確変大当りB及び非確変大当りDの大当り遊技終了後や、非確変大当りCの大当り遊技終了後に実施される時短制御終了後等に遊技者が遊技を止め、該パチンコ遊技機1において新たな遊技者が遊技を開始し、該遊技開始から間もなく大当りとなった場合に、前回の遊技者の出玉数カウンタの値が今回の大当りに不適切に引き継がれてしまうことを防止することができる。
また、前記実施例では、連荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数を更新する更新条件の成立タイミングを、連荘フラグがクリアされてから大当り種別に応じた回数の変動表示が実行されることとした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更新条件が成立するタイミングとしては、連荘フラグがクリアされた時点としてもよい。つまり、連荘フラグがクリアされた時点で獲得した出玉数と連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数とを比較し、該獲得した出玉数が連荘時出玉数データテーブル(更新用)に記憶されている出玉数よりも大であれば、該獲得した出玉数を連荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数として記憶するようにしても良い。
また、前記実施例では、有利状態変数を出玉数(賞球数)とし、連荘状態中の大当り遊技にて獲得した出玉数に応じて演出表示装置5に記録更新付近画像、記録更新達成画像、記録更新継続中画像等を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、連荘数(大当り回数)を有利状態変数とすることで、連荘状態中の大当り回数に応じて演出表示装置5に記録更新付近画像、記録更新達成画像、記録更新継続中画像等を表示するようにしても良い。
また、前記実施例では、連荘フラグがセットされている大当り遊技中に獲得する出玉数(賞球数)をカウントしていき、連荘フラグがクリアされた後の大当り種別に応じた回数の変動表示が終了するまでに再び大当りとなることで、大当り遊技中に獲得した出玉数(賞球数)のカウントを継続する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、連荘フラグがクリアされた後の大当り種別に応じた回数の変動表示が終了するまでに再び大当りとなる場合は、大当り遊技中に獲得した出玉数(賞球数)のカウントを継続するとともに、連荘フラグがセットされた状態の変動表示で大当りとなる場合には付与され難い特典を付与するようにしても良い。尚、付与する特典としては、遊技結果に影響を与えないもの(例えば、大当り遊技中におけるプレミア画像の表示や、表示色が異なる等の通常とは異なる態様での出玉数表示、大当りとなるリーチ演出中における大当り確定演出等)であれば良い。
また、前記実施例では、集計継続条件を満たさなくなったときに更新条件が成立する、つまり、連荘フラグがクリアされてから大当り種別に応じた回数の変動表示が実行(終了)される迄に大当りとならなかった場合に連荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数として出玉数カウンタの値をセットする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例におけるノーマルAタイプのスロットマシンのように(図41参照)、連続条件を満たさなくなったとき(連荘フラグがクリアされたとき)に更新条件が成立するようにしても良い。
また、前記実施例では、集計継続条件を満たさなくなったときに更新条件が成立する、つまり、連荘フラグがクリアされてから大当り種別に応じた回数の変動表示が実行(終了)される迄に大当りとならなかった場合に連荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数として出玉数カウンタの値をセットする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更新条件は集計継続条件に拘らず成立するようにしても良い、つまり、連荘フラグがクリアされてから大当り種別に応じた回数の変動表示の実行中であっても荘時出玉数データテーブル(更新用)の出玉数として出玉数カウンタの値をセットするようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、本実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。