まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域の下部の左側には、保留記憶表示エリア5Dが設定されている。保留記憶表示エリア5Dでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる尚、演出表示装置5の表示領域の下部の右側には、後述する保留関連演出において用いる演出用保留表示が表示される演出用保留表示エリア5Uが設定されている。この演出用保留表示エリア5Uでは、保留記憶数に対応した個数の演出用保留表示が表示される(例えば、図36(A)参照)。
本実施例では、保留記憶に関連する当該演出用保留表示を用いてターゲット保留が大当りになるか否かを示唆する保留関連演出を実行する(図36〜図39参照)。また、演出用保留表示エリア5Uには、各演出用保留表示が配置されるマス目が表示されており、保留記憶表示エリア5Dに表示される保留記憶表示と演出用保留表示エリア5Uに表示される演出用保留表示とを遊技者が識別できるようになっている。そのため、遊技者が保留記憶数を誤認してしまうことを防止している。
尚、本実施例では、演出用保留表示エリア5Uに表示される演出用保留表示やマス目は、保留記憶表示エリア5Dに表示される保留記憶表示を消去するタイミングと同じタイミングで消去するようにしても良い。例えば、演出表示装置5の表示領域全体を用いてスーパーリーチの演出画像を表示ししたり、大当り演出の画像を表示したりするときに、保留記憶表示や演出用保留表示やマス目を演出表示装置5の表示領域から消去するようにしても良い。また、同様タイミングで後述する作用対象表示を消去するようにしても良い。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
尚、以下の説明において、保留記憶表示エリア5Dを保留表示エリアと称することがあり、合計保留記憶数は、保留記憶表示エリア5Dに表示される保留記憶表示の数により認識できるようになっている。更に、この保留記憶表示が集まった表示を保留表示と称することがある。
保留記憶表示エリア5Dにおける保留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせても良い。尚、本実施例においては、『実行』と『実施』とは同義である。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、このように演出表示装置5を用いた演出を行う場合において、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、近年においては演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示領域を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。よって、これら現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくいことを解消することを目的として、演出表示装置5に、演出図柄と特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリアを設けても良い。これら第4図柄は、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるようにすれば良い。尚、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りAに対応する大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りBに対応する大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」または「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。尚、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
尚、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りに対応する大当り図柄となり、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが、確変大当りAと同じく第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における所定期間と同じであるが、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)よりも少ない第2回数(例えば、5回)繰返し実行される。尚、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。尚、これら短期開放大当り状態では、ラウンド回数を第2回数である5回とした形態を例示しているが、ラウンド回数は通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)と同一とするが、所定数(例えば6)以降の各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)を、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)とすることで、実質的なラウンド回数を通常開放大当り状態よりも少なくするようにしても良い。
このような短期開放大当り状態では、ラウンド数が通常開放大当り状態よりも少ないことにより、通常開放大当り状態よりも獲得できる出玉(賞球)の期待値が少ない大当り状態であれば良い。尚、これら短期開放大当り状態では、全てのラウンドについて、大入賞口の開放期間を第2期間(0.1秒間など)とすることで、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態としても良い。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となることで、通常開放大当り状態よりも獲得可能な出玉(賞球)が少ないものであればよい。
尚、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出玉(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、本実施例では、図5に示すように、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。更に、本実施例では、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチβが出現した場合には、スーパーリーチαが出現した場合よりも変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高い(大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。
尚、本実施例では、後述するように、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており(図5参照)、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。これら「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。尚、「滑り」の変動表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、保留表示予告演出となるものが含まれていてもよい。保留表示予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが、予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留表示などの表示態様の変化に基づいて示唆される予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。尚、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」以外の奇数「1」、「3」、「5」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「1」、「3」、「5」である演出図柄は、上記した「7」である演出図柄と同様に確変図柄と称される。尚、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。一方、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行しても良い。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われば良い。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。尚、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置5の表示領域にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。尚、小当りを発生させる場合には、小当りに対応する変動表示結果指定コマンド(例えば、コマンド8CX4H(Xは1〜3の任意の値))を設定して、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知すれば良い。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB5XXHは、時短回数の残り回数(変動回数)を通知するための演出制御コマンドであり、時短回数の残り回数(変動回数)に応じたEXTデータが設定されることにより、時短回数の残り回数(変動回数)が通知される。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。また、コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。尚、これらのコマンドに基づいて保留記憶表示エリア5Dや演出用保留表示エリア5Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示される。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別(確変や非確変や突確)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR3が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図10に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図5に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、小当りを発生させる場合において、小当りの当選確率を第1特図と第2特図とで異なるようにする場合には、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。すなわち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別決定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変大当りA」、「確変大当りB」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図7(B)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAや確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態と「非確変大当り」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。一方、「確変大当りB」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される短期開放大当りである。よって、「確変大当りA」を16ラウンド(16R)確変大当りと呼称し、「確変大当りB」を5ラウンド(5R)確変大当りと呼称する場合がある。
確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAや確変大当りBである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
一方、「非確変大当り」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図7に示す大当り種別決定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「81」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「確変大当りB」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」としてラウンド数の少ない短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、得られる賞球が少ない短期開放大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
尚、図7に示す大当り種別決定テーブルの設定例では、「非確変」の大当り種別に対する判定値の割当ては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに係わらず同一とされているので、非確変の大当りとなる確率と確変の大当りとなる確率は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず同一とされている。
よって、上記したように、「確変大当りB」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、図8及び図9に示すように、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
図8(A)及び図8(B)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブルとしては、大当り種別が「確変大当りA」及び「確変大当りB」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)と、大当り種別が「非確変大当り」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)が予め用意されており、これら大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)と大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)には、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、本実施例では、大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)が使用される場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)が使用される場合にはスーパーリーチαが決定され易いようにこれら大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)と大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)とに判定値が割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「確変大当りA」または「確変大当りB」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、ハズレ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
ハズレ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図5に示すように、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチハズレの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図10に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図10に示す遊技制御用データ保持エリア150は、特図保留記憶部151Aと、普図保留記憶部151Bと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データと、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データとを記憶する。一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したかを示す始動入賞種別、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして記憶する。こうして特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
また、一例として、特図保留記憶部151Aは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したかを示す始動入賞種別、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして記憶する。こうして特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。尚、特図保留記憶部151Aは、保留データの記憶数が所定の上限値(例えば「8」)に達するまで記憶する。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、それぞれ別個の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。
普図保留記憶部151Bは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Bは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図11(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図11(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、図11(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンドという3つのコマンドが1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンドを対応付けて、格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
尚、主基板11から演出制御基板12へ通知される保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を格納領域(エントリ)に格納しても良い。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1」)の変動表示が開始されるときに、最上位の保留記憶がクリアされ、1つずつ上位にシフトされていく。
尚、該開始条件が成立した保留記憶の内容を格納するバッファ番号「0」の格納領域を設けるようにして、その記憶内容は、当該変動表示を終了するときに実行される演出図柄変動停止処理においてクリアされるようにしても良い。
更に、本実施例の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、後述する保留表示予告演出決定処理(図29)において保留表示予告演出の実行の有無の決定に伴う表示パターンの決定が未決定であるか否か、つまり、新たな始動入賞の発生によって、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンドが新たに格納されたことにより表示パターンの決定が未決定である旨を示す表示未決定フラグと、保留記憶表示の表示パターン(表示態様)に応じたフラグ値がセットされる保留表示フラグと、後述する保留関連演出の実行対象の保留、つまりターゲット保留であることを示す保留関連演出実行対象フラグと、演出用保留表示エリア5Uに表示される演出用保留表示の表示パターン(表示態様)に応じたフラグ値がセットされる演出用保留表示フラグと、を特図保留記憶に対応する各バッファ番号に対応付けて格納できるように記憶領域が、各格納領域(エントリ)毎に確保されている。
尚、保留表示フラグには、後述する保留表示予告演出決定処理において、保留表示予告演出の実行が決定されなかった場合には、通常の保留記憶表示の表示パターンに対応する「0」が格納されることで、通常の表示態様(例えば、白抜きの「○」の表示態様)の保留記憶表示が保留記憶表示エリア5Dに表示され、保留表示予告演出の実行が決定された場合には、通常の表示態様とは異なる特別態様の保留記憶表示の表示パターンに対応する「1」(例えば、「○」内に「×」が1つ含まれる表示態様)または「2」(例えば、「○」内に「×」が2つ含まれる表示態様)がセットされることで、通常の表示態様とは異なる特別態様の保留記憶表示が保留記憶表示エリア5Dに表示されて、該保留記憶表示に対応する変動表示において、大当りとなる可能性やスーパーリーチとなる可能性が高いことが予告されるようになっている。
尚、演出用保留表示フラグには、先ず、後述する保留表示予告演出決定処理において、通常の演出用保留表示の表示パターンに対応する「0」が格納されることで、通常の表示態様(例えば、小型の丸印の表示態様)の演出用保留表示が演出用保留表示エリア5Uに表示される。次いで、後述する演出図柄変動開始処理において、保留関連演出実行パターンの決定内容に応じて、通常の表示態様とは異なる保留関連演出で用いられる演出用保留表示の表示パターンに対応する「1」(例えば、白の星印の表示態様)または「2」(例えば、黒の星印の表示態様)がセットされることで、通常の表示態様とは異なる保留関連演出で用いられる演出用保留表示が演出用保留表示エリア5Uに表示されて、当該保留関連演出における演出に用いられるようになっている(図36参照)。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンドから変動カテゴリ指定コマンドまでが順次送信される。したがって、コマンド受信が行われれば、特図保留記憶に対応するバッファ番号の末尾「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンドの順に格納されていくことになる。
図11(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、バッファ番号「1」に対応したエントリ(該開始する変動表示の保留記憶に対応したエントリ)に格納されているものが削除されるとともに、バッファ番号「2」以降に対応したエントリ(バッファ番号「2」〜「8」)の記憶内容がシフトされる。例えば、図11(B)に示す格納状態において特図保留記憶の演出図柄の変動表示が終了した場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に格納されている各コマンドがバッファ番号「1」にシフトされるとともに、バッファ番号「3」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「2」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「4」〜「8」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「3」〜「7」に対応した領域にシフトされる。
尚、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除されるとともに、当該削除されたエントリに対応して格納されている表示未決定フラグ、保留表示フラグ、保留関連演出実行対象フラグ、演出用保留表示フラグも削除される。更に、後述するように、保留関連演出実行対象フラグに「1」がセットされている場合において、当該保留関連演出実行対象フラグが削除されることが、作用対象表示フラグがクリアされる条件となっている(図28のS507参照)。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図12のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図13は、特別図柄プロセス処理として、図12に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞判定処理では、図14に示すように、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S101)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S101;Y)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S102)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S102にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S102;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S103)。
S101にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S101;N)、S102にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S102;Y)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S104)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S104;Y)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S105)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S105にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S105;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S106)。
S103,S106の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(S107)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(S108)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S108の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S110)。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、S109の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。
S110の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S111)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S111の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S112)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S113)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S113の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(S114)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S114でY)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S115)、S104の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S114でN)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S116)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図15(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図14のS112にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施例において、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図13のS22、図16)により、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図13のS23、図17)において、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がS112の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると判定されるか否かの判定や、演出図柄の変動表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるより前、つまり、該変動表示の開始時に大当りとするか否かが判定されるよりも前に、特図表示結果が「大当り」となることや、演出図柄の変動表示態様がいずれのカテゴリの変動表示態様となるかを判定し、この判定結果に基づいて、演出制御用CPU120などにより、後述するように、保留表示予告演出が実行されるようになる。
図15(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(S121)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
S121の処理に続いて、図6に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする(S122)。その後、図14のS109にて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(S123)。大当り判定範囲には、S122の処理により選択された表示結果判定用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
S123にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとならないと判定された場合には(S123;N)、変動表示結果が「ハズレ」となることに応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S124)、時短フラグがセットされているか否か、つまり、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(S125)。時短フラグがセットされていない場合は(S125;N)、図9(A)に示すハズレ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットし、時短フラグがセットされている場合は(S125;Y)、図9(D)に示すハズレ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S127)。
尚、ハズレ用変動パターン判定テーブルAは、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルである。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルDは、遊技状態が時短制御の実行されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルである。
尚、本実施例では、これらのハズレ用変動パターン判定テーブルAやハズレ用変動パターン判定テーブルDに加えて、図9(B)及び図9(C)に示すように、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCが予め用意されているが、図11に示すように、これらハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Cのうち、ハズレ用変動パターン判定テーブルAでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち1〜450までの値が割り当てられており、ハズレ用変動パターン判定テーブルB,Cでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち1〜500を超える値が割り当てられている。一方、ハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Cでは、スーパーリーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち701〜997までの値が割り当てられている。
このため、S126においてハズレ用変動パターン判定テーブルAを用いて変動パターンを判定することで、非リーチとスーパーリーチの判定は、該判定後に保留記憶数が変化しても必ず非リーチまたはスーパーリーチの変動パターンとなるので、始動入賞時の判定においては、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを用いて判定するようになっている。
図15(A)に示すように、S123にて大当り判定範囲内であると判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとなると判定された場合には(S123;Y)、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(S128)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別判定テーブルを構成するテーブルデータから大当り種別判定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別判定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに判定されるかを判定する。
また、S128において判定した大当り種別に応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S129)、大当り変動パターンを複数のいずれかに判定するためのテーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S130)。
S126,S127,S130の処理のいずれかを実行した後には、S126,S127,S130の処理にて設定された変動パターン判定テーブルと変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる判定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(S131)。本実施例では、図15(B)に示すように、少なくとも変動表示結果が「ハズレ」となる場合に、合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「スーパーリーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「非リーチ」と「スーパーリーチ」以外の変動表示態様(例えばノーマルリーチ)となる「その他」の変動カテゴリと、を設け、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
その後、S131の処理による判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(S132)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
図16は、特別図柄通常処理として、図13のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、現在の合計保留記憶数の値を確認する(S141)。具体的には、合計保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。現在の合計保留記憶数が0であれば処理を終了する。
現在の合計保留記憶数が0でなければ、CPU103は、特図保留記憶部151A(図10参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S142)。特図保留記憶部151Aに設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S142;N)、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S144)。特図保留記憶部151Aに設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S142;Y)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S143)。
S141〜S144の処理が実行されることによって、本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する特図保留記憶部に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(S145)。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、特図保留記憶部151Aの内容をシフトする(S146)。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、特図保留記憶部151Aにおける各エントリの内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、特図保留記憶部151Aにおける各エントリの内容をシフトする。
ここで、CPU103は、RAM102の特図保留記憶部151Aにおいて保留記憶数=n(n=2〜8)に対応するエントリに格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応するエントリに格納する。
よって、合計保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域(エントリ)に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
なお、CPU103は、S146において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算すると、減算された保留記憶数カウンタのカウント値にもとづいて第1保留表示器25Aまたは第2保留表示器25Bの表示を変更する制御も行う。
そして、CPU103は、合計保留記憶数カウンタのカウント値をRAM102の所定の領域に保存した後(S147)、現在の合計保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S148)。
また、CPU103は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御基板12に送信するための制御(送信設定)を行う(S149)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第1保留記憶数指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第2保留記憶数指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、すなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。
次いで、CPU103は、特図表示結果判定用乱数MR1の数値を読み出し、該読み出したMR1の数値が大当りの範囲内であるか否かを判定する(S150)。具体的には、CPU103は、確変フラグがセットされていない場合、つまり、遊技状態が通常状態または時短状態である場合は、図6に示すように、読み出したMR1の数値が大当り判定値の1〜219の範囲内であるか否かを判定し、確変フラグがセットされている場合、つまり、遊技状態が確変状態である場合は、読み出したMR1の数値が大当り判定値10000〜12180の範囲内であるか否かを判定する。
MR1の値が大当り判定値の範囲内でない場合は(S150;N)、CPU103はS155に移行し、MR1の値が大当り判定値の範囲内である場合は(S150;Y)、CPU103はS151に移行する。
S151では、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図7(A)に示す種別判定テーブルを選択する(S152)。
次いで、CPU103は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、大当り種別判定用の乱数MR2の値と一致する値に対応した種別(「非確変大当り」、「確変大当りA」または「確変大当りB」)を大当りの種別に決定する(S153)。
また、CPU103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM102における大当り種別バッファに設定する(S154)。例えば、大当り種別が「確変大当りA」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当りB」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「非確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU103は、特別図柄の停止図柄を決定する(S155)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「確変大当りB」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「非確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当りA」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S23)に対応した値に更新する(S156)。
図17は、変動パターン設定処理として、図13のS23にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S161)。そして、大当りフラグがオンであれば(S161;Y)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S162)。
S161にて大当りフラグがオフであるときには(S161;N)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否か(セットされているか否か)を判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(S163)。そして、時短フラグがオンであれば(S163;Y)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S164)。
一方、時短制御中ではないとき、つまり、時短フラグがオフであるとき(セットされていないとき)には(S163;N)、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定し、該特定した合計保留記憶数が2以上であるか否かを判定する(S165)。
特定した合計保留記憶数が2以上でない場合(S165;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットする(S166)。
また、特定した合計保留記憶数が2以上である場合(S165;Y)には、S167に進んで、合計保留記憶数が5以上であるか否かをさらに判定する(S167)。
合計保留記憶数が5以上でない場合(S167;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルBを選択してセットする(S168)。
また、合計保留記憶数が5以上である場合(S167;Y)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルCを選択してセットする(S169)。
S162,S164,S166,S168,S169の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、選択された大当り用変動パターン判定テーブルまたはハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Dのいずれかを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(S170)。
尚、大当りフラグがオフであるときには、S170の処理にて変動パターンを決定することにより、演出図柄の変動表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、S170の処理には、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
S170にて変動パターンを決定した後には、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(S171)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
S171の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(S172)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
S172の処理を実行した後、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間を設定する(S173)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(S174)、変動パターン設定処理を終了する。
S172でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図12に示すS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。尚、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば変動表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図18は、特別図柄停止処理として、図13のS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S181)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示器4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示器4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S183)、大当りフラグがセットされていない場合(S183;N)には、S190に移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S183;Y)には、CPU103は、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、確変フラグおよび時短フラグをクリアし(S184)、演出制御基板12に、記憶されている大当りの種別に応じて大当り開始1指定コマンド(確変A)、大当り開始2指定コマンド(確変B)、大当り開始3指定コマンド(非確変)を送信するための設定を行う(S185)。
さらにCPU103は、演出制御基板12に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、非確変大当りや確変大当りAの場合には16回。確変大当りBの場合には5回。)をセットする(S188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S26)に対応した値である“4”に更新する(S189)。
一方、S190においてCPU103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S190;Y)には、S196に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S193)、「0」でない場合(S193;N)にはS196に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S194)、確変フラグまたは時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低確低ベース)に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S195)、S196に進む。
S196では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図19は、大当り終了処理として、図13のS29にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(S201)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(S201;N)には、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S204)、処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(S201;Y)には、大当り終了表示タイマの値を1減算する(S205)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S206)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S206;Y)、CPU103は、記憶されている大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBであるかを判定する(S207)。
大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBである場合(S207;Y)には、確変フラグをセットし(S208)、時短フラグをセットし(S209)、時短回数カウンタに「0」をセットした後(S210)、S213に進む。
一方、大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBでない場合(S207;N)には、S211とS212を実行することで、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタに「100」をセットした後、S213に進む。
S213では、大当りフラグをリセットし、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S214)。そして、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板12に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S215)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(S216)。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図20は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)。その後、S52に移行する。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのかを、図21に示すように解析する。
図21は、コマンド解析処理として、図20のS54にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S221)。このとき、受信コマンドがなければ(S221;N)、当該コマンド解析処理を終了する。
S221にて受信コマンドがある場合には(S221;Y)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S222)。そして、第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドであるときには(S222;Y)、変動カテゴリ待ち時間を設定し(S223)、S229に移行する。例えば、S223の処理では、変動カテゴリコマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
S222にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(S222;N)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(S224)。ここで、S224にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合には(S224;Y)、S229に移行し、S224にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(S224;N)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(S225)。
尚、S229にて演出制御用CPU120は、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ(図11(B)参照)における空き領域の先頭に格納し、S221に戻る。
S225にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドでない場合には(S225;N)、S230に移行する。S230にて演出制御用CPU120は、その他の受信コマンドに応じた設定を行い、S221に戻る。
S225にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合には(S225;Y)、演出制御用CPU120は、該受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ(図11(B)参照)における空き領域の先頭に格納し(S225+)、S226に移行する。
S226にて演出制御用CPU120は、変動カテゴリ待ち時間をクリアし、S227に移行する。
S227にて演出制御用CPU120は、格納したエントリの表示未決定フラグに、保留表示態様が未決定である旨を示す「1」をセットし、S228に移行する。
S228にて演出制御用CPU120は、後述する保留関連演出実行決定処理(図22)を実行し、S221に戻る。尚、保留関連演出実行決定処理では、始動入賞時受信コマンドバッファに格納された受信コマンドに基づいて保留関連演出を実行するか否かが決定される。
図22は、保留関連演出実行決定処理を示すフローチャートである。保留関連演出実行決定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、既に保留関連演出の実行が決定されている場合において他の保留関連演出の新たな実行決定を禁止するためにセットされる演出実行決定禁止フラグがセットされているか否かを判定する(S401)。ここで、演出実行決定禁止フラグがセットされている場合は(S401;Y)、当該保留関連演出実行決定処理を終了し、演出実行決定禁止フラグがセットされていない場合は(S401;N)、S402に移行する。
S402において演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ(図11(B))をチェックし、現在の保留記憶数の値が2以上であるか否かを判定する(S402+)。ここで、保留記憶数の値が2未満(1以下)である場合は(S402+;N)、当該保留関連演出実行決定処理を終了し、保留記憶数の値が2以上である場合は(S402+;Y)、S403に移行する。つまり、本実施例では、保留記憶数の値が1以下である場合には、保留関連演出を実行する期間を確保できないので、保留関連演出の実行を決定しないようになっている。
尚、本実施例では、保留記憶数の値が1以下である場合には、保留関連演出の実行を決定しないようになっているが、保留記憶数の値が1以下である場合であっても、保留関連演出の実行を決定しても良く、例えば、ターゲット保留が発生したときに、当該ターゲット保留に基づく変動表示が開始されると同時に、保留関連演出の実行を開始するものであっても良い。
S403において演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ(図11(B)参照)において表示未決定フラグの値が「1」となっているエントリを参照し、当該エントリの図柄指定コマンドが大当りであるか否かを特定し、S404に移行する。
S404において演出制御用CPU120は、保留表示予告演出が実行中であるか否かを判定する。具体的には、後述する保留表示予告演出決定処理(図29)において、保留表示予告演出の実行が決定された場合に、始動入賞時受信コマンドバッファ(図11(B))における保留表示フラグの値に「1」または「2」がセットされるため、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファの各エントリの保留表示フラグの項目を参照し、と該保留表示フラグの値が「1」または「2」となっているエントリがある場合には、保留表示予告演出が実行中であると判定する。ここで、保留表示予告演出が実行中である場合は(S404;Y)、S405に移行し、保留表示予告演出が実行中ではない場合は(S404;N)、S406に移行する。
S405において演出制御用CPU120は、図24(A)に示す保留関連演出実行決定テーブルAを用いて保留関連演出を実行するか否かを決定する。具体的には、演出制御用CPU120は、乱数回路124等から判定値として保留関連演出実行決定用乱数を抽出し、該判定値、S403にて特定した図柄指定コマンド及び保留関連演出実行決定テーブルAを用いて保留関連演出を実行するか否かを決定し、S407に移行する。
尚、図24(A)に示す保留関連演出実行決定テーブルAにおいては、S403において特定した図柄指定コマンド(入賞時判定結果)がはずれであることに対応して、保留関連演出実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、保留関連演出の実行に20個判定値が設定されており、保留関連演出の非実行に80個の判定値が設定されている。また、S403において特定した図柄指定コマンド(入賞時判定結果)が大当りであることに対応して、保留関連演出実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、保留関連演出の実行に80個判定値が設定されており、保留関連演出の非実行に20個の判定値が設定されている。
S406において演出制御用CPU120は、図24(B)に示す保留関連演出実行決定テーブルBを用いて保留関連演出を実行するか否かを決定する。具体的には、演出制御用CPU120は、乱数回路124等から判定値として保留関連演出実行決定用乱数を抽出し、該判定値、S403にて特定した図柄指定コマンド及び保留関連演出実行決定テーブルBを用いて保留関連演出を実行するか否かを決定し、S407に移行する。
尚、図24(B)に示す保留関連演出実行決定テーブルBにおいては、S403において特定した図柄指定コマンド(入賞時判定結果)がはずれであることに対応して、保留関連演出実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、保留関連演出の実行に5個判定値が設定されており、保留関連演出の非実行に95個の判定値が設定されている。また、S403において特定した図柄指定コマンド(入賞時判定結果)が大当りであることに対応して、保留関連演出実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、保留関連演出の実行に60個判定値が設定されており、保留関連演出の非実行に40個の判定値が設定されている。
このように本実施例では、保留表示予告演出が実行中であるか否かによって、保留関連演出の実行の有無の決定に用いる保留関連演出実行決定テーブルを異ならせており(図24(A)及び図24(B)参照)、保留表示予告演出が実行中であるときの方が、保留表示予告演出が非実行中であるときと比べて、保留関連演出の実行が決定される割合が高くなっている。尚、保留表示予告演出が非実行中であるときの方が、保留表示予告演出が実行中であるときと比べて、保留関連演出の実行が決定される割合が高くなるようにしても良い。
尚、保留表示予告演出が実行中であるか否かを判定する対象は、ターゲット保留以前の保留記憶表示のみならず、ターゲット保留自体も保留表示予告演出が実行中であるか否かを判定する対象に含まれるようにしても良い。例えば、本実施例では、ターゲット保留の始動入賞があったときに、ターゲット保留以前の保留記憶表示が保留表示予告演出の対象となっていない場合には、保留関連演出実行決定処理(図22)のS404にて保留表示予告演出が非実行中であると判定され、図24(B)に示す保留関連演出実行決定テーブルBを用いて保留関連演出を実行するか否かが決定され、その後の保留表示予告演出決定処理(図29)において、ターゲット保留自体が保留表示予告演出の対象となって保留表示予告演出の実行が決定されても、既に判定されたS404の判定結果に影響がない。しかしながら本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ターゲット保留以前の保留記憶表示が保留表示予告演出の対象となっていないときであっても、ターゲット保留自体が保留表示予告演出の対象となって保留表示予告演出の実行が決定された場合には、保留関連演出実行決定処理(図22)のS404にて保留表示予告演出が実行中であると判定し、図24(A)に示す保留関連演出実行決定テーブルAを用いて保留関連演出を実行するか否かを決定しても良い。
尚、本実施例では、保留表示予告演出が実行中であるか否かによって、保留関連演出の実行の有無の決定に用いる保留関連演出実行決定テーブルを異ならせているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示予告演出が実行中であるか否かに関わらず、常に同じ保留関連演出実行決定テーブル、例えば、保留関連演出実行決定テーブルAを用いて保留関連演出の実行の有無の決定を行うようにしても良い。
S407において演出制御用CPU120は、S405またはS406において保留関連演出を実行すると決定したか否かを判定する。ここで、保留関連演出を実行すると決定していない場合、つまり保留関連演出が非実行の場合は(S407;N)、後述するS419に移行する。一方、保留関連演出を実行すると決定した場合は(S407;Y)、S408に移行する。
S408において演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ(図11(B))のエントリであって、前述したコマンド解析処理(図21)において受信コマンドを格納したエントリに対応する保留関連演出実行対象フラグに「1」をセットし、S409に移行する。
S409において演出制御用CPU120は、演出実行決定禁止フラグをセットし、S410に移行する。尚、演出実行決定禁止フラグは、後述する保留関連演出表示更新処理(図28)において、当該保留関連演出に関する作用対象表示が消去されたとき、つまり当該保留関連演出の実行が終了したときにクリアされる。
S419において演出制御用CPU120は、図26に示す保留促進表示決定テーブルにもとづいて、保留促進表示の実行の有無を決定する。具体的には、演出制御用CPU120は、乱数回路124等から判定値として保留促進表示実行決定用乱数を抽出し、該判定値と図26に示す保留促進表示決定テーブルを用いて保留促進表示を実行するか否かを決定し、S420に移行する。
尚、図26に示す保留促進表示決定テーブルにおいては、保留促進表示実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、保留促進表示実行あり(保留促進表示の実行)に1個の判定値が設定されており、保留促進表示実行なし(保留促進表示の非実行)に99個の判定値が設定されている。つまり、本実施例では、始動入賞が発生する度に、100分の1の確率で保留促進表示の実行の決定がなされるようになっており、当該保留表示は、保留関連演出の実行の有無と全く関係のない、いわゆるガセ(偽物)の保留促進表示となっている。そのため、保留促進表示がなされたからといって必ずしも保留関連演出が実行されるとは限らず、遊技者は、保留促進表示がなされてからしばらくの期間は、保留関連演出が実行されるかもしれないという期待感を得ることになり、遊技興趣が向上する。
S420において演出制御用CPU120は、S419において保留促進表示の実行を決定したか否かを判定する。ここで、S419において保留促進表示の実行を決定している場合は(S420;Y)、S410に移行する。一方、S419において保留促進表示の実行を決定していない場合は(S420;N)、当該保留関連演出実行決定処理を終了する。
S410において演出制御用CPU120は、保留記憶数が上限値(本実施例では8)であるか否かを判定する。ここで、保留記憶数が上限値である場合は(S410;Y)、保留関連演出実行決定処理を終了し、保留記憶数が上限値でない場合は(S410;N)、S411に移行する。
S411において演出制御用CPU120は、後述する保留促進表示(図36(A))を行うための保留促進表示フラグをセットし、S412に移行する。本実施例では、保留記憶数が上限値でない場合に、保留関連演出で用いる演出用保留表示の個数を増大させるために、保留記憶数を増大させることを遊技者に対して推奨する保留促進表示がなされる。
尚、本実施例では、保留関連演出の実行を決定した場合に必ず保留促進表示を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留関連演出の実行を決定した場合であっても、S419のように所定の保留促進表示決定テーブルを用いて保留促進表示の実行の有無を決定するようにしても良い。この場合において、入賞時判定結果が大当りであるときには、ハズレであるときよりも保留促進表示が実行されやすいようにしたり、保留関連演出が行われているときには、保留関連演出が行われていないときよりも保留促進表示が実行されやすいようにしたりすることが望ましい。
S412において演出制御用CPU120は、図25に示す保留関連演出態様決定テーブルを用いて演出パターンを決定する。本実施例では、後述するように、ターゲット保留に基づく変動が開始されるまでの間の1の変動期間のみで、演出用保留表示が作用対象表示に作用する保留関連演出(作用演出)が実行される単変動パターンと、ターゲット保留に基づく変動が開始されるまでの間の各変動期間に、演出用保留表示が作用対象表示に作用する保留関連演出(作用演出)が実行される複数変動パターンの2つの演出パターンがある。当該S412では、この単変動パターンまたは複数変動パターンのいずれか一方の演出パターンによる実行を決定する。具体的には、演出制御用CPU120は、乱数回路124等から判定値として保留関連演出態様決定用乱数を抽出し、該判定値、S403にて特定した図柄指定コマンド及び保留関連演出態様決定テーブルを用いて演出パターンを決定し、S413に移行する。
尚、図25に示す保留関連演出態様決定テーブルにおいては、S403において特定した図柄指定コマンド(入賞時判定結果)がはずれであることに対応して、保留関連演出態様決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、65個が単変動パターンに設定されており、35個が複数変動パターンに設定されている。つまり入賞時判定結果がはずれであるときには、単変動パターンが決定され易くなっている。また、S403において特定した図柄指定コマンド(入賞時判定結果)が大当りであることに対応して、保留関連演出態様決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、35個が単変動パターンに設定されており、65個が複数変動パターンに設定されている。つまり入賞時判定結果が大当りであるときには、複数変動パターンが決定され易くなっている。また、本実施例では、入賞時判定結果がはずれであるときには、単変動パターンが決定され易く、入賞時判定結果が大当りであるときには、複数変動パターンが決定され易くなっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、入賞時判定結果がはずれであるときには、複数変動パターンが決定され易く、入賞時判定結果が大当りであるときには、単変動パターンが決定され易くなっていても良い。
S413において演出制御用CPU120は、S412において演出パターンとして単変動パターンを決定したか否かを判定する。単変動パターンを決定した場合は(S413;Y)、単変動パターン実行決定フラグをセットし(S414)、S416に移行する。一方、複数変動パターンを決定した場合は(S413;N)、複数変動パターン実行決定フラグをセットし(S415)、当該保留関連演出実行決定処理を終了する。
S416において演出制御用CPU120は、当該エントリの図柄指定コマンドが大当りであるか否かを判定する。当該エントリの図柄指定コマンドが大当りである場合は(S416;Y)、S417に移行し、当該エントリの図柄指定コマンドがはずれである場合は(S416;N)、S418に移行する。
本実施例において保留関連演出が単変動パターンであるときには、ターゲット保留に基づく変動表示が開始されるまでの間に、ターゲット保留以前の保留に基づく変動表示が開始される回数、つまりシフト回数がある場合に、いずれのシフト時に保留関連演出を実行するか(実行タイミング)を決定する。尚、本実施例では、保留記憶数の値が1のとき、つまりターゲット保留のみであるときに保留関連演出を実行しないようになっている。また、保留記憶数の値が2のとき、つまりターゲット保留とその直前の保留のみであるときには、その直前の保留に基づく変動表示が開始されるときに保留関連演出が実行されるようになっている。
S417において演出制御用CPU120は、現在(当該決定時)の保留記憶数と図23(A)に示す大当り時単変動パターン実行タイミング決定テーブルとにもとづいて保留関連演出実行タイミング(シフト回数)を1〜7のいずれかに決定し、当該決定値をシフト回数カウンタにセットし、当該保留関連演出実行決定処理を終了する。
尚、シフト回数カウンタとは、ターゲット保留が発生した時点から、変動表示が開始される度に保留記憶表示及び演出用保留表示がシフトされたときの回数をカウントするカウンタ値である。
例えば、図23(A)に示す大当り時単変動パターン実行タイミング決定テーブルにおいては、演出制御用CPU120は、現在(当該決定時)の保留記憶数が2である場合は、100%の割合で保留関連演出実行タイミング(シフト回数)を1と決定する。また、現在(当該決定時)の保留記憶数が3である場合は、70%の割合で保留関連演出実行タイミング(シフト回数)を1と決定し、30%の割合で保留関連演出実行タイミング(シフト回数)を2と決定する。また、現在(当該決定時)の保留記憶数が4である場合は、45%の割合で保留関連演出実行タイミング(シフト回数)を1と決定し、35%の割合で保留関連演出実行タイミング(シフト回数)を2と決定し、20%の割合で保留関連演出実行タイミング(シフト回数)を3と決定する。同様に保留記憶数が5〜8の場合も各決定割合が設定されている。尚、保留記憶数が1の場合は、保留関連演出実行が決定されないのでブランクとなっている。
S418において演出制御用CPU120は、現在(当該決定時)の保留記憶数と図23(B)に示すはずれ時単変動パターン実行タイミング決定テーブルとにもとづいて保留関連演出実行タイミング(シフト回数)を1〜7のいずれかに決定し、当該決定値をシフト回数カウンタにセットし、当該保留関連演出実行決定処理を終了する。
例えば、図23(B)に示すはずれ時単変動パターン実行タイミング決定テーブルにおいては、演出制御用CPU120は、現在(当該決定時)の保留記憶数が2である場合は、100%の割合で保留関連演出実行タイミング(シフト回数)を1と決定する。また、現在(当該決定時)の保留記憶数が3である場合は、30%の割合で保留関連演出実行タイミング(シフト回数)を1と決定し、70%の割合で保留関連演出実行タイミング(シフト回数)を2と決定する。また、現在(当該決定時)の保留記憶数が4である場合は、25%の割合で保留関連演出実行タイミング(シフト回数)を1と決定し、30%の割合で保留関連演出実行タイミング(シフト回数)を2と決定し、45%の割合で保留関連演出実行タイミング(シフト回数)を3と決定する。同様に保留記憶数が5〜8の場合も各決定割合が設定されている。尚、保留記憶数が1の場合は、保留関連演出実行が決定されないのでブランクとなっている。
本実施例では、大当りであるときとハズレであるときとで、異なるテーブル(図23(A)及び図23(B))を用いて保留関連演出実行タイミングが決定される。そして、図23(A)及び図23(B)のテーブルに示すように、図柄指定コマンドが大当りであるときには、はずれであるときと比較してシフト回数が少ない値に決定される。つまり、保留記憶数が多数存在し、シフト回数が多数ある状況では、ターゲット保留が発生した時点から比較的早い時点で保留関連演出が実行され、ターゲット保留に基づく変動表示が開始されるまでの期間を長く確保するようにしている。このようにシフト回数が多数ある状況で比較的早い時点で保留関連演出が実行されることで、例えば、保留関連演出の演出内容が良い場合(後述する作用対象表示の段数が高い場合)に、ターゲット保留に基づく変動表示では、大当りが発生するのではないかという遊技者の期待感を長期間確保できるようになっている。
図27は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の演出用保留表示エリア5Uにおける演出用保留表示を、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの記憶内容に応じた表示に更新するとともに、演出表示装置5に表示される作用対象表示を、作用対象表示フラグに応じた表示に更新する保留関連演出表示処理を実行する(S70)。次いで、保留表示予告演出の有無とともに保留記憶表示の表示パターンを決定する保留表示予告演出決定処理を実行し(S71)、演出表示装置5の保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示を、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図28(A)は、S70において実行される保留関連演出表示更新処理の処理内容を示すフローチャートである。本実施例の保留関連演出表示更新処理においては、まず、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶されている保留記憶数(合計保留記憶数)を特定し(S501)、S502に移行する。
S502において演出制御用CPU120は、S501において特定した保留記憶数(合計保留記憶数)が現在の演出用保留表示エリア5Uに表示されている演出用保留表示数と一致するか否かを判定する。ここで、現在の演出用保留表示エリア5Uに表示されている演出用保留表示の表示数と一致する場合は(S502;Y)、S504に移行し、現在の演出用保留表示エリア5Uに表示されている演出用保留表示の表示数と一致しない場合は(S502;N)、S503に移行する。
S503において演出制御用CPU120は、S501において特定した保留記憶数の演出用保留表示を始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの各エントリに格納されている演出用保留表示フラグから特定される表示態様で演出用保留表示エリア5Uに表示し、S504に移行する。
S504において演出制御用CPU120は、演出用保留表示が作用する態様となる作用対象表示(図36(C)参照)が表示中であることを示す作用対象表示フラグがセットされているか否かを判定する。尚、作用対象表示フラグは、保留関連演出の実行時に、後述する演出図柄変動開始処理(図32参照)においてセットされる。ここで、作用対象表示フラグがセットされていない場合は(S504;N)、当該保留関連演出表示更新処理を終了し、作用対象表示フラグがセットされている場合は(S504;Y)、S505に移行する。
S505において演出制御用CPU120は、後述するように、作用対象表示フラグの値に応じた作用対象表示の表示を実行し、S506に移行する。
S506において演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、保留関連演出実行対象フラグに「1」がセットされているエントリが有るか否かを判定する。尚、ターゲット保留に基づく変動表示が開始されると、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの内容がシフトされ、バッファ番号「1」に対応付けて格納されていた保留関連演出実行対象フラグに「1」がセットされているエントリが削除される。ここで、保留関連演出実行対象フラグに「1」がセットされているエントリが有る場合は(S506;Y)、保留関連演出表示更新処理を終了し、保留関連演出実行対象フラグに「1」がセットされているエントリが無い場合は(S506;N)、S507に移行する。
S507において演出制御用CPU120は、作用対象表示フラグをクリアし、S508に移行する。S508において演出制御用CPU120は、表示中の作用対象表示を消去し、S509に移行する。S509において演出制御用CPU120は、演出実行決定禁止フラグをクリアし、当該保留関連演出表示更新処理を終了する。
尚、本実施例では、ターゲット保留に基づく変動表示が開始されると、作用対象表示フラグをクリアするようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ターゲット保留に基づく変動表示が開始されても作用対象表示フラグをクリアせずに、ターゲット保留に基づく変動表示中に、演出用保留表示や作用対象表示の表示を継続するようにしても良い。そして、ターゲット保留に基づく変動表示が停止したときに、作用対象表示フラグをクリアするようにしても良い。
このような処理を行うことにより、変動表示の開始時に実行される演出図柄変動開始処理において保留記憶が消費されて、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの保留記憶がシフトされた場合には、シフト後の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの保留記憶に基づいて、図28(B)に示すように、演出用保留表示エリア5Uにおける演出用保留表示もシフトされて表示されるとともに、始動入賞により、新たな保留記憶があった場合には、新たな演出用保留表示が演出用保留表示エリア5Uに表示されるようになる。
例えば、図28(B)に示すように、特図保留記憶数が3つであれば演出用保留表示エリア5Uにおいて3つの演出用保留表示を表示する。このとき、演出用保留表示フラグの値が「0」である場合には、演出用保留表示が小型の丸印の表示態様にて表示され、演出用保留表示フラグの値が「1」である場合には、演出用保留表示が第1表示態様(白の星印の表示態様)にて表示され、演出用保留表示フラグの値が「2」である場合には、演出用保留表示が第2表示態様(黒の星印の表示態様)にて表示される。
尚、特図保留記憶数が1つであれば、1つの演出用保留表示が演出用保留表示フラグの値に対応する表示態様にて演出用保留表示エリア5Uに表示される。そして、特図保留記憶数が2〜8つである場合も同様に、2〜8つの演出用保留表示が演出用保留表示フラグの値に対応する表示態様にて演出用保留表示エリア5Uに表示される。
そして、変動表示が実行される毎に、保留記憶が減少(消費)されることに応じて、図28(B)に示すように、演出用保留表示も、所定のシフト方向(本実施例では画面の左方向)にシフトされる。
本実施例では、始動入賞により発生しときには、演出用保留表示フラグの値が「0」となっており、演出用保留表示は初期の表示態様である小型の丸印の表示態様で演出用保留表示エリア5Uに表示される。そして、後述するように、保留関連演出が開始されると、この開始されたときに既に存在している演出用保留表示が、その演出内容に応じて演出用保留表示フラグの値が「1」または「2」に変更され、演出用保留表示が、第1表示態様(白の星印の表示態様)または第2表示態様(黒の星印の表示態様)の表示態様で演出用保留表示エリア5Uに表示される。
尚、保留関連演出が開始された後に、始動入賞があって新たに演出用保留表示がなされた場合には、初期の表示態様である小型の丸印の表示態様で演出用保留表示エリア5Uに表示され、当該新たな演出用保留表示は、実行中の保留関連演出に用いられることは無い。また、当該新たな演出用保留表示は、次回以降の保留関連演出にても用いられるようにしても良い。更に、本実施例では、保留関連演出が開始された後に、新たな演出用保留表示が発生しても、当該新たな演出用保留表示は実行中の保留関連演出に用いられることは無いようにしているが、当該新たな演出用保留表示を実行中の保留関連演出に用いる態様であっても良い。
また、保留関連演出が実行されるときには、演出表示装置5の演出用保留表示エリア5Uの近傍に、演出用保留表示が作用する対象となる作用対象表示がなされるようになっている(図36(C)参照)。本実施例では、円柱形状の物体の画像が作用対象表示となっており、演出用保留表示が作用する度に、作用対象表示の表示態様(色彩)が変更されるようになっている。そして、この作用対象表示は、演出図柄変動開始処理において作用対象表示フラグがセットされることで、その表示が開始されるとともに、作用対象表示フラグにセットされる値によって作用対象表示の表示態様が設定される。
図28(C)に示すように、作用対象表示フラグの値が「0」である場合には、作用対象表示が白色の表示態様にて表示される。尚、作用対象表示フラグの初期の値として「0」がセットされ、後述する保留関連演出実行処理(図35参照)にて保留関連出の演出内容に応じて作用対象表示フラグの値が変更される。ここで、作用対象表示フラグの値が「1」である場合には、作用対象表示が青色の表示態様にて表示され、作用対象表示フラグの値が「2」である場合には、作用対象表示が黄色の表示態様にて表示され、作用対象表示フラグの値が「3」である場合には、作用対象表示が緑色の表示態様にて表示され、作用対象表示フラグの値が「4」である場合には、作用対象表示が赤色の表示態様にて表示される。
図29は、保留表示予告演出決定処理として、図27のS71にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す保留表示予告演出決定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aをチェックし(S241)、始動入賞時のコマンドの新たな格納が有るか否かを、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが存在するか否かにより判定する(S242)。
表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが無い場合は(S242;N)、保留表示予告演出決定処理を終了し、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが有る場合は(S242;Y)、該エントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドであるか否か、つまり、図柄指定コマンドがハズレを示すコマンドであるか否かを判定する(S243)。該エントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドでない場合、つまり、大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当りのいずれか)を示すコマンドである場合は(S243;N)、当該エントリの図柄指定コマンドから大当り種別を特定する(S244)。具体的には、当該エントリに対応付けて格納されている図柄指定コマンドが8C01Hであれば大当り種別を確変大当りAであると特定し、8C02Hであれば大当り種別を確変大当りBであると特定し、8C03Hであれば大当り種別を非確変大当りであると特定すれば良い。
そして、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した保留表示予告演出用の乱数値を示す数値データとS244において特定した大当り種別に基づいて、図示しない大当り時保留表示予告演出決定テーブルを参照することにより、保留表示予告演出を実行するか否かと、保留表示予告演出を実行する場合における表示パターンと、を決定する(S245)。
S245においては、例えば、図30(A)に示すような決定割合で保留表示予告演出の実行の有無と表示パターン(予告種別)とを決定する。図30(A)に示す決定割合の設定例では、S244の処理において特定した大当り種別に応じて、保留表示予告演出の有無や表示パターン(予告種別)の決定割合を異ならせている。
具体的には、保留表示予告演出の表示パターン(予告種別)として、表示パターンα及び表示パターンβの2種類が設けられている。このうち、保留表示予告演出の表示パターンが表示パターンαに決定された場合には、保留記憶表示が「○」内に「×」が1つ含まれる表示態様で保留記憶表示エリア5Dに表示され、保留表示予告演出の表示パターン(予告種別)が表示パターンβに決定された場合には、保留記憶表示が「○」内に「×」が2つ含まれる表示態様で保留記憶表示エリア5Dに表示される。
尚、変動表示結果が大当りとなる場合は、保留表示予告演出が非実行に決定される場合が無く、必ず保留表示予告演出の実行が決定されて表示パターン(予告種別)として表示パターンαまたは表示パターンβのどちらかの表示パターン(予告種別)が決定される。
また、図30(A)に示すように、大当り種別が「確変大当りA」である場合には、表示パターン(予告種別)として表示パターンβが決定される割合は、表示パターンαが決定される割合よりも高く設定されている。一方で、大当り種別が「確変大当りB」または「非確変大当り」である場合には、表示パターン(予告種別)として表示パターンβが決定される割合は、表示パターンαが決定される割合よりも低く設定されている。
このような設定により、変動表示結果が「大当り」であり、かつ表示パターン(予告種別)として表示パターンβの表示が実行された場合は、表示パターンαの表示が実行された場合よりも大当り種別が確変大当りAである割合が高くなり、遊技者の確変大当りAとなることに対する期待度を高めることができる。
尚、本実施例では、変動表示結果が「大当り」である場合は、必ず保留表示予告演出の実行を決定することで保留記憶表示を表示パターンαまたは表示パターンβのいずれか一方の表示パターンを実行しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果が「大当り」である場合であっても、変動表示結果が「ハズレ」である場合と同様に保留表示予告演出の非実行を決定する場合を設けても良い。
また、S243において、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドである場合、つまり、ハズレを示すコマンドである場合は(S243;Y)、新たな格納のあったエントリの変動カテゴリ指定コマンドが示す変動カテゴリを特定する(S247)。具体的には、該エントリの変動カテゴリ指定コマンドがC600Hであれば、「非リーチ」の変動パターンのカテゴリであると特定し、C601Hであれば、「スーパーリーチ」の変動パターンのカテゴリであると特定し、C602Hであれば、ノーマルリーチを含む「その他」の変動パターンのカテゴリであると特定すれば良い。
そして、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した保留表示予告演出用の乱数値を示す数値データと、S247において特定した変動パターンのカテゴリとに基づいて、図示しないハズレ時保留表示予告演出決定テーブルを参照することにより、保留表示予告演出を実行するか否かと、保留表示予告演出を実行する場合における表示パターン(予告種別)と、を決定する(S248)。
S248においては、例えば、図30(B)に示すような決定割合で保留表示予告演出の実行の有無と表示パターン(予告種別)とを決定する。図30(B)に示す決定割合の設定例では、S247の処理において特定した変動パターンのカテゴリに応じて、保留表示予告演出の実行の有無や表示パターン(予告種別)の決定割合を異ならせている。
具体的には、表示パターン(予告種別)として、表示パターンα及び表示パターンβの2種類が設けられている。このうち、表示パターン(予告種別)が表示パターンαに決定された場合には、保留記憶表示が「○」内に「×」が1つ含まれる表示態様で保留記憶表示エリア5Dに表示され、表示パターン(予告種別)が表示パターンβに決定された場合には、保留記憶表示が「○」内に「×」が2つ含まれる表示態様で保留記憶表示エリア5Dに表示される。尚、保留表示予告演出が非実行に決定される場合は、保留記憶表示が白抜きの「○」の通常の表示態様で保留記憶表示エリア5Dに表示される。
図30(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であり、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合には、変動表示結果が「ハズレ」であり、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」である場合よりも保留表示予告演出が実行される割合(「予告演出なし」以外に決定される割合)が高く設定されている。また、変動表示結果が「ハズレ」であり、変動パターンのカテゴリが「スーパーリーチ」である場合には、変動表示結果が「ハズレ」であり、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合よりも保留表示予告演出が実行される割合(「予告演出なし」以外に決定される割合)が高く設定されている。
変動表示結果が「ハズレ」である場合において保留表示予告演出の実行が決定される際には、変動カテゴリが「その他」である場合には、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」である場合よりも表示パターンαが決定される割合が高く設定されている。また、変動パターンのカテゴリが「スーパーリーチ」である場合には、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合よりも表示パターンαが決定される割合が高く設定されている。更に、変動表示結果が「ハズレ」である場合において保留表示予告演出の実行が決定される際には、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合には、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」である場合よりも表示パターンβが決定される割合が高く設定されており、変動パターンのカテゴリが「スーパーリーチ」である場合には、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合よりも表示パターンβが決定される割合が高く設定されている。
尚、変動表示結果が「ハズレ」である場合においては、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」、「その他」、「スーパーリーチ」のいずれにおいても、保留表示予告演出が非実行に決定される割合が最も高く設定されており、保留表示予告演出が実行に決定され、かつ表示パターンβが決定される割合が最も低く設定されている。
更に、図30(A)に示すように、変動表示結果が「大当り」である場合においては、保留表示予告演出が非実行(予告演出なし)に決定されることがないとともに、保留表示予告演出が実行に決定され、かつ表示パターンαまたは表示パターンβが決定される割合は、変動表示結果が「ハズレ」である場合の何れの変動パターンのカテゴリにおける表示パターンαまたは表示パターンβが決定される割合よりも高く設定されている。
尚、本実施例では、変動表示結果が「大当り」である場合においては、100%の確率で保留表示予告演出が実行されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果が「大当り」である場合において、100%の確率で保留表示予告演出が実行される必要はなく、変動表示結果が「大当り」である場合においても、非実行(予告演出なし)に決定されるようにしても良い。
更に、変動表示結果が「ハズレ(非リーチ)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」、「ハズレ(その他)」である場合において、保留表示予告演出の実行が決定される際には、表示パターンαが決定される割合が、表示パターンβが決定される割合よりも高く設定されている。一方、変動表示結果が「大当り(確変A)」である場合において、保留表示予告演出の実行が決定される際には、表示パターンβが決定される割合が、表示パターンαが決定される割合よりも高く設定されている。
このような設定により、保留表示予告演出の表示パターン(予告種別)として表示パターンαまたは表示パターンβが実行(表示)された場合には、表示パターンαまたは表示パターンβが実行(表示)されない場合よりも変動表示結果が「大当り」となる可能性が高く、特に表示パターンβが実行(表示)された場合には、変動表示結果が「大当り」であり、かつ大当り種別が「確変大当りA」となる割合が高まるため、遊技者の期待度を高めることができる。
S248の実行後、演出制御用CPU120は、S247において保留表示予告演出の実行が決定されたか否か、つまり、表示パターン(予告種別)を表示パターンαと表示パターンβのいずれかに決定したか否かを判定する(S249)。
S245の実行後または保留表示予告演出の実行が決定された場合は(S249;Y)、決定した表示パターン(予告種別)に対応するフラグ値を当該エントリの保留表示フラグにセットする(S246)。具体的には、S245またはS248において決定した表示パターン(予告種別)が表示パターンαであれば当該エントリの保留表示フラグに「1」をセットし、S245またはS248において決定した表示パターン(予告種別)が表示パターンβであれば当該エントリの保留表示フラグに「2」をセットした後、S251に進む。
また、S249において、保留表示予告演出の実行が決定されていない場合は(S249;N)、当該エントリの保留表示フラグに、通常の表示態様を示す「0」をセットした後(S250)、S251に進む。
尚、S246またはS250実行後、演出制御用CPU120は、当該エントリの表示未決定フラグの値を「0」に変更し(S251)、当該エントリの演出用保留表示フラグの値に「0」をセットして(S252)、当該保留表示予告演出決定処理を終了する。
また、当該エントリの演出用保留表示フラグの値に「0」がセットされることで、通常の表示態様(例えば、小型の丸印の表示態様)の演出用保留表示が演出用保留表示エリア5Uに表示される。
図31(A)は、S72において実行される保留表示更新処理の処理内容を示すフローチャートである。本実施例の保留表示更新処理においては、まず、図11(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶されている保留記憶数(現在の合計保留記憶数)を特定し(S261)、その時点において保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶の表示数と一致しているか否か、つまり、保留記憶数に変化(増加または減少)があったか否かを判定する(S262)。該判定において一致している場合(保留記憶数に変化がない場合)には、保留表示更新処理を終了し、一致していない場合(保留記憶数に変化がある場合)には、S264に進んで、保留記憶表示エリア5Dの表示を行うための表示バッファデータを、その時点で始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける特図保留記憶のそれぞれのエントリに格納されている保留表示フラグから特定される表示態様の表示データに上書き更新することにより、保留記憶表示エリア5Dの表示を更新し、その後、保留表示更新処理を終了する。
尚、本実施例では、前述したように、保留記憶数に変化がある場合には、保留記憶表示エリア5Dの表示を更新し、保留記憶数に変化がない場合には、保留記憶表示エリア5Dの表示を更新しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶数の増減に関係なく、保留記憶表示エリア5Dの表示を更新するようにしても良いし、或いは、保留記憶数が減少する場合、つまり、保留記憶表示が左にスライドする場合には、保留記憶表示エリア5Dの表示が大きく変化するので、これら保留記憶表示エリア5Dの表示を全て一旦消去(表示バッファデータを消去)してから、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶または第2特図保留記憶のそれぞれのエントリに格納されている保留表示フラグから特定される表示態様の表示データを表示バッファデータに描画することにより、保留記憶表示エリア5Dの表示を変更するようにしても良い。
このような処理を行うことにより、変動表示の開始時に実行される、後述する演出図柄変動開始処理において保留記憶が消費されて、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの保留記憶がシフトされた場合には、シフト後の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの保留記憶に基づいて、図31(B)に示すように、保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示もシフトされて表示されるとともに、始動入賞により、新たな保留記憶があった場合には、該保留表示更新処理の前に実行される前述した保留表示予告演出決定処理にて、当該保留記憶の表示パターンが決定されて保留表示フラグにセットされ、該保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた表示態様にて、保留記憶表示エリア5Dに表示されるようになる。
具体的には、図31(B)に示すように、特図保留記憶数が1つであれば1つの保留記憶表示を表示する。この保留記憶表示の表示態様としては、該保留記憶に対応する保留表示フラグのフラグ値が「0」である場合には、図31(B)に示すように白抜きの「○」の表示態様にて表示され、保留表示フラグのフラグ値が「1」である場合には、「○」内に「×」が1つ含まれる表示態様にて表示され、保留表示フラグのフラグ値が「2」である場合には、「○」内に「×」が2つ含まれる表示態様にて表示される。尚、特図保留記憶数が2つであれば、2つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様にて保留記憶表示エリア5Dに表示される。また、特図保留記憶数が3つであれば、3つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様にて保留記憶表示エリア5Dに表示される。また、特図保留記憶数が4つであれば、4つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様にて保留記憶表示エリア5Dに表示される。そして、特図保留記憶数が5〜8つである場合も同様に、5〜8の保留記憶表示が、それぞれの保留記憶表示が対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様にて保留記憶表示エリア5Dに表示される。
そして、変動表示が実行される毎に、保留記憶が減少(消費)されることに応じて、図31(B)に示すように、保留記憶表示も、所定のシフト方向(本実施例では画面の左方向)にシフトする。
図32は、図27に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。本実施例の演出図柄変動開始処理においては、まず、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの内容をシフトし(S271)、S272に移行する。
尚、ターゲット保留に基づく変動表示が開始される場合においては、始動入賞時受信コマンドバッファの内容がシフトされることにより、ターゲット保留に対応するエントリ、つまり保留関連演出実行対象フラグに「1」がセットされているエントリが無くなるので、前述した保留関連演出表示更新処理(図28(A)参照)において、当該保留関連演出実行対象フラグに「1」が無くなるタイミングを、作用対象表示フラグ及び演出実行決定禁止フラグをクリアするタイミングとすることができる。
S272において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出し、S273に移行する。
S273において演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
S274において演出制御用CPU120は、単変動パターン実行決定フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、単変動パターン実行決定フラグがセットされている場合は(S274;Y)、S275に移行し、単変動パターン実行決定フラグがセットされていない場合は(S274;N)、S281に移行する。
S275において演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値が0より大きい値であるか否か、つまり、1以上の値であるか否かを判定する。ここで、シフト回数カウンタの値が0より大である場合は(S275;Y)、S276に移行し、シフト回数カウンタの値が0である場合は(S275;N)、S294に移行する。
S276において演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値を1減算更新し、S277に移行する。
S277において演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値が0であるか否か、つまり単変動パターンの保留関連演出の実行タイミングであるか否かを判定する。ここで、シフト回数カウンタの値が0である場合は(S277;Y)、S278に移行し、シフト回数カウンタの値が0でない場合は(S277;N)、S294に移行する。
S278において演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの保留関連演出実行対象フラグに「1」がセットされたエントリの図柄指定コマンドが大当りを示しているか否かを特定し、S279に移行する。
S279において演出制御用CPU120は、S278において特定した内容(図柄指定コマンドが大当りを示しているか否か)と、現在の保留記憶数に応じて、保留関連演出実行パターンの最終態様(最終段数)を決定し、S280に移行する。
具体的には、演出制御用CPU120は、乱数回路124等から判定値として最終態様決定用乱数を抽出し、該乱数値、現在(当該決定時)の保留記憶数(合計保留記憶数)、S278において特定した内容(図柄指定コマンドが大当りを示しているか否か)及び、図33(A)に示す大当り時最終態様決定テーブルまたは図33(B)に示すはずれ時最終態様決定テーブルを用いて保留関連演出実行パターンの最終態様を決定する。尚、最終態様とは、保留関連演出において、作用対象表示が最終的にいかなる表示態様(色彩)になるかを決定するものである。
尚、図柄指定コマンドが大当りである場合に用いる図33(A)に示す大当り時最終態様決定テーブルにおいては、現在の保留記憶数が1である場合に対応して、保留関連演出実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、最終態様として、段階変化しない白色に20個の判定値が設定されており、1段階変化する青色に30個の判定値が設定されており、2段階変化する黄色に50個の判定値が設定されている。
また、現在の保留記憶数が2である場合に対応して、保留関連演出実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、最終態様として、段階変化しない白色に10個の判定値が設定されており、1段階変化する青色に20個の判定値が設定されており、2段階変化する黄色に25個の判定値が設定されており、3段階変化する緑色に45個の判定値が設定されている。
また、現在の保留記憶数が3以上(3〜8)である場合に対応して、保留関連演出実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、最終態様として、段階変化しない白色に5個の判定値が設定されており、1段階変化する青色に10個の判定値が設定されており、2段階変化する黄色に20個の判定値が設定されており、3段階変化する緑色に25個の判定値が設定されており、4段階変化する赤色に40個の判定値が設定されている。
一方、図柄指定コマンドがはずれである場合に用いる図33(B)に示すはずれ時最終態様決定テーブルにおいては、現在の保留記憶数が1である場合に対応して、保留関連演出実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、最終態様として、段階変化しない白色に50個の判定値が設定されており、1段階変化する青色に30個の判定値が設定されており、2段階変化する黄色に20個の判定値が設定されている。
また、現在の保留記憶数が2である場合に対応して、保留関連演出実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、最終態様として、段階変化しない白色に45個の判定値が設定されており、1段階変化する青色に25個の判定値が設定されており、2段階変化する黄色に20個の判定値が設定されており、3段階変化する緑色に10個の判定値が設定されている。
また、現在の保留記憶数が3以上(3〜8)である場合に対応して、保留関連演出実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、最終態様として、段階変化しない白色に40個の判定値が設定されており、1段階変化する青色に25個の判定値が設定されており、2段階変化する黄色に20個の判定値が設定されており、3段階変化する緑色に10個の判定値が設定されており、4段階変化する赤色に5個の判定値が設定されている。
S280において演出制御用CPU120は、S279において決定した保留関連演出実行パターンの最終態様を記憶し、演出内容に応じて演出用保留表示フラグに「1」または「2」をセットし、後述するS288に移行する。
本実施例では、現在(当該決定時)の保留記憶数に基づいて保留関連演出にて用いる演出用保留表示の表示態様を決定するようにしており、原則、1つの第1表示態様(白の星印の表示態様)の演出用保留表示を使用して作用対象表示を1段階アップさせる作用演出を行う。つまり保留記憶数が4個であるときには、4つの第1表示態様(白の星印の表示態様)の演出用保留表示を用いて作用対象表示を4段階アップさせる(図39(B)参照)。
また、決定した最終態様である作用対象表示の最終段数が保留記憶数の値よりも大きい場合、例えば、最終段数が「4」であるにも関わらず、保留記憶数が3個しかない場合は、ターゲット保留に対応する演出用保留表示を第2表示態様(黒の星印の表示態様)にして、当該第2表示態様の演出用保留表示を用いて作用対象表示を段階アップさせるときは、2段階アップする演出態様としておき、保留記憶数が3個であっても、2つの第1表示態様(白の星印の表示態様)の演出用保留表示と、1つの第2表示態様(黒の星印の表示態様)の演出用保留表示を用いて、作用対象表示の最終段数を4段階目まで変化できるようにする。
尚、本実施例では、決定した最終態様である作用対象表示の最終段数が保留記憶数の値よりも大きい場合に、作用対象表示を2段階アップさせる第2表示態様(黒の星印の表示態様)の演出用保留表示が出現するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ターゲット保留の大当り期待度が高い場合に、作用対象表示を2段階アップさせる第2表示態様(黒の星印の表示態様)の演出用保留表示が出現しやすいようにしても良い。また、本実施例では、保留記憶数が1個のときには、最終態様が最大で2段階までしか変化しないが、本発明はこれに限定されるものではなく、それよりも大きい段階(3段階以上)に変化させるようにしても良い。
また、決定した最終態様である作用対象表示の最終段数が保留記憶数の値よりも小さい場合、例えば、最終段数が「3」であるにも関わらず、保留記憶数が7個ある場合は、7つの第1表示態様(白の星印の表示態様)の演出用保留表示を全て用いても、作用対象表示が3段階目までしかアップしないようにする。つまり、7つの第1表示態様(白の星印の表示態様)の演出用保留表示のうち、3つの演出用保留表示は、作用対象表示に作用する演出用保留表示であるが、他の4つの演出用保留表示は、作用対象表示に作用しない演出用保留表示として演出態様を構成する。
S281において演出制御用CPU120は、実行パターン決定済フラグがセットされているか否かを判定する。尚、実行パターン決定済フラグは、複数変動パターンの保留関連演出において、既に各シフト時における演出内容が決定済みであるか否かを示すフラグである。ここで、実行パターン決定済フラグがセットされていない場合は(S281;N)、S282に移行し、実行パターン決定済フラグがセットされている場合は(S281;Y)、後述するS294に移行する。
S282において演出制御用CPU120は、複数変動パターン実行決定フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、複数変動パターン実行決定フラグがセットされている場合は(S282;Y)、S283に移行し、複数変動パターン実行決定フラグがセットされていない場合は(S282;N)、後述するS294に移行する。
S283において演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの保留関連演出実行対象フラグに「1」がセットされたエントリの図柄指定コマンドが大当りであるか否かを特定し、S284に移行する。
S284において演出制御用CPU120は、S283において特定した内容(図柄指定コマンドが大当りを示しているか否か)と、現在(当該決定時)の保留記憶数に応じて、保留関連演出実行パターンの最終態様(最終段数)を決定し、S285に移行する。
S285において演出制御用CPU120は、以後の各変動期間、つまり各シフト時における作用対象表示のUP段数(演出内容)を決定し、S286に移行する。
S286において演出制御用CPU120は、S284において決定した保留関連演出実行パターンの最終態様と、S285において決定した各シフト時における作用対象表示のUP段数とを記憶し、演出内容に応じて演出用保留表示フラグに「1」または「2」をセットする。そして、演出制御用CPU120は、実行パターン決定済フラグをセットし(S287)、S288に移行する。
尚、複数変動パターンの保留関連演出においても、単変動パターンの保留関連演出と同様に、原則、1つの第1表示態様(白の星印の表示態様)の演出用保留表示を使用して作用対象表示を1段階アップさせる作用演出を行い、第2表示態様(黒の星印の表示態様)の演出用保留表示を使用して作用対象表示を2段階アップさせる作用演出を行い、作用対象表示に作用しない演出用保留表示を構成するようにしている。
更に、複数変動パターンの保留関連演出においては、作用対象表示に演出用保留表示が作用する作用演出の実行タイミングが各変動期間、つまり各シフト時毎に分けられているため、各シフト時毎の作用対象表示のUP段数をS285にて決定するようにしている。例えば、作用対象表示の最終段数が4段階目であり、シフト回数が3回あり、演出用保留表示が3つである場合は、1回目のシフト時に作用対象表示を1段階目にアップさせ、2回目のシフト時に作用対象表示を2段階目にアップさせ、3回目のシフト時に作用対象表示を4段階目までアップさせるために、3つの演出用保留表示を、2つの第1表示態様(白の星印の表示態様)の演出用保留表示と1つの第2表示態様(黒の星印の表示態様)の演出用保留表示とに変更する。そして、各シフト時毎に1つずつ演出用保留表示を用いて作用対象表示に作用させる作用演出を行う。
尚、本実施例では、原則、1つの第1表示態様(白の星印の表示態様)の演出用保留表示を使用して作用対象表示を1段階アップさせる作用演出を行い、保留記憶数の値よりも作用対象表示の最終段数の値が大きい場合に、第2表示態様(黒の星印の表示態様)の演出用保留表示が出現するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変形例において、保留関連演出実行対象フラグに「1」がセットされたエントリの図柄指定コマンドが大当りを示しているか否かを特定し、当該大当りを示している場合には、第2表示態様(黒の星印の表示態様)の演出用保留表示が出現し易いようにしても良い。また、作用対象表示の最終態様(最終段数)を決定した後に、各シフト時毎の演出内容を決定するものでなくても良く、例えば、各シフト時毎の演出内容のみを決定するようにし、当該決定内容に応じて作用対象表示の最終態様(最終段数)が決まるものであっても良い。また、各シフト時毎の演出内容は、前述のように、所定の法則性に基づいて決定されるものでなくても良く、ランダムに決定されるものであっても良い。
S288において演出制御用CPU120は、作用対象表示フラグに「0」をセットし、S289に移行する。S289において演出制御用CPU120は、保留関連演出開始待ちタイマに演出開始時までの期間に応じた値をセットし、S294に移行する。
S294において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S295)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのランプ制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等))の制御を実行する(S296)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S297)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S298)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(S299)。
図34は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S301,S302,S303)。
また、演出制御用CPU120は、保留関連演出開始待ちタイマがセットされている(保留関連演出を行うことに決定されている)か否か、または保留関連演出実行中フラグがセットされている(保留関連演出の実行中である)か否か、を判定する(S304)。ここで、保留関連演出開始待ちタイマまたは保留関連演出実行中フラグがセットされている場合は(S304;Y)、S305aに移行し、保留関連演出開始待ちタイマと保留関連演出実行中フラグのどちらもセットされていない場合は(S304;N)、S306に移行する。
S305aにおいて演出制御用CPU120は、後述する保留関連演出実行処理を実行し、S305bに移行する。
S305bにおいて演出制御用CPU120は、保留促進表示フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、保留促進表示フラグがセットされている場合は(S305b;Y)、S305cに移行し、保留促進表示フラグがセットされていない場合は(S305b;N)、S306に移行する。
S305cにおいて演出制御用CPU120は、演出表示装置5における保留促進表示を実行し(図36(A)参照)、S306に移行する。
S306において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S307)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S308)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S309)。
次に、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S310)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S310;Y)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S311)。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S312)。
また、前述のプロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S306;N)、前述の変動制御タイマがタイマアウトしていない場合(S310;N)、または、変動制御タイマを再セット後(S312)、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S313)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S314;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやランプ制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
尚、S315の実行後、S316において演出制御用CPU120は、保留促進表示フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、保留促進表示フラグがセットされていない場合は(S316;N)、当該演出図柄変動中処理を終了する。一方、保留促進表示フラグがセットされている場合は(S316;Y)、保留促進表示フラグをクリアし(S317)、当該演出図柄変動中処理を終了する。つまり、保留促進表示は、ターゲット保留が始動入賞したときの変動表示が終了した時点で、終了するようになっている。
図35は、保留関連演出実行処理の一例を示すフローチャートである。保留関連演出実行処理において、演出制御用CPU120は、保留関連演出実行中フラグがセットされているか否か、つまり、保留関連演出が開始されている場合であるか否かを判定する(S321)。
保留関連演出実行中フラグがセットされていない場合には(S321;N)、S322において、演出制御用CPU120は、保留関連演出開始待ちタイマの値を−1する。尚、保留関連演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理のS289においてセットされる。保留関連演出開始待ちタイマがタイマアウトしていなければ(S323;N)、保留関連演出実行処理を終了する。保留関連演出開始待ちタイマがタイマアウトしている場合、つまり、保留関連演出の開始タイミングである場合には(S323;Y)、S324に移行する。
S324では、演出制御用CPU120は、保留関連演出の実行中であることを示す保留関連演出実行中フラグをセットする。また、保留関連演出の演出期間に相当する値を保留関連演出期間タイマにセットする(S325)。
次いで、S326において演出制御用CPU120は、単変動パターン実行決定フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、単変動パターン実行決定フラグがセットされている場合は(S326;Y)、S327に移行し、単変動パターン実行決定フラグがセットされていない場合は(S326;N)、S330に移行する。
S327において演出制御用CPU120は、単変動パターン実行決定フラグをクリアし、現在の保留記憶数(合計保留記憶数)と保留関連演出実行パターンの最終態様に応じた保留関連演出のプロセステーブルを選択し(S329)、S334に移行する。
S330において演出制御用CPU120は、当該変動時(シフト時)に対応した保留関連演出実行パターンの最終態様に応じた保留関連演出のプロセステーブルを選択し、S331に移行する。
S331において演出制御用CPU120は、当該保留関連演出のプロセステーブルが最終態様(最終段数)に対応したものであるか否かを判定する。ここで、当該保留関連演出のプロセステーブルが最終態様(最終段数)に対応したものでない場合は(S331;N)、S334に移行する。一方、当該保留関連演出のプロセステーブルが最終態様(最終段数)に対応したものである場合は(S331;Y)、複数変動パターン実行決定フラグをクリアし(S332)、実行パターン決定済フラグをクリアし(S333)、S334に移行する。
S334において演出制御用CPU120は、S329またはS330において選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における保留関連演出プロセスタイマをスタートさせ、S335に移行する。
S335において演出制御用CPU120は、セットした保留関連演出プロセステーブルの最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての遊技効果ランプ9および演出用部品としてのスピーカ8L,8R、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B)の制御を実施し、保留関連演出実行処理を終了する。
また、前述したS321において保留関連演出実行中フラグがセットされている場合に進むS336において、演出制御用CPU120は、保留関連演出のプロセスを変更するための保留関連演出プロセスタイマの値を−1する(S336)。そして、保留関連演出期間の終了を計時するための保留関連演出期間タイマの値を−1し(S337)、S338に移行する。
S338において演出制御用CPU120は、保留関連演出期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する。ここで、保留関連演出期間タイマがタイマアウトしていない場合は(S338;N)、S339に移行し、保留関連演出期間タイマがタイマアウトしている場合は(S338;Y)、S343に移行する。
S339において演出制御用CPU120は、保留関連演出プロセスタイマがタイマアウトしているか否かを判定する。ここで、保留関連演出プロセスタイマがタイマアウトしている場合は(S339;Y)、S340に移行し、保留関連演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は(S339;N)、S342に移行する。
S340において演出制御用CPU120は、保留関連演出プロセスデータの切り替えを行う。すなわち、保留関連演出プロセステーブルにおける次に設定されている保留関連演出プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせ(S341)、S342に移行する。
S342において演出制御用CPU120は、S341においてスタートさせたその次に設定されている保留関連演出プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、入力制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を実行し、S342+に移行する。
S342+において演出制御用CPU120は、演出内容に応じて演出用保留表示フラグ及び作用対象表示フラグを更新し、当該保留関連演出実行処理を終了する。例えば、1つの第1表示態様(白の星印)の演出用保留表示に基づいて作用対象表示が白色から青色に段階アップするときには、始動入賞時受信コマンドバッファにおける当該演出用保留表示に対応するエントリの演出用保留表示フラグの値を「1」から「0」に変更し、作用対象フラグの値を「0」から「1」に変更する更新処理を行う。
また、S343において演出制御用CPU120は、保留関連演出実行中フラグをクリアし、保留関連演出実行処理を終了する。
次に、保留関連演出の演出態様について図36から図39を参照して説明する。図36及び図37では、複数変動パターン実行時の保留関連演出を例示している。尚、本実施例では、演出用保留表示が作用対象表示に作用する演出が複数の変動に亘って実行される複数変動パターンと、演出用保留表示が作用対象表示に作用する演出が1回の変動(単変動)にて実行される単変動パターンとを例示している。図36から図39は、複数変動パターンの実行が決定された場合の演出態様を例示し、図39は、単変動パターンの実行が決定された場合の演出態様を例示している。
保留関連演出が実行される前において、演出表示装置5の表示領域の下部の左側の保留記憶表示エリア5Dには、保留記憶数と同数の保留記憶表示が表示されるとともに、演出表示装置5の表示領域の下部の右側の演出用保留表示エリア5Uには、保留記憶表示に対応する個数の演出用保留表示が表示される。ここで、各演出用保留表示は、通常表示態様(小型の丸印の表示態様)で表示されている。
図36(A)に示すように、変動中において始動入賞があった場合には、前述した保留関連演出実行決定処理において、保留関連演出を実行するか否かを決定する。ここで、保留関連演出を実行すると決定した場合には、当該始動入賞がターゲット保留となる。また、このとき保留記憶数が上限値になっていない場合には、保留促進表示がなされる。本実施例では、「保留をためろ!」等の保留記憶数を増大させることを遊技者に対して推奨する保留促進表示がなされる。
尚、保留促進表示は、複数変動パターンの保留関連演出のみならず、単変動パターンの保留関連演出でも表示されるようになっている。更に、保留関連演出の実行の有無にかかわらず、所定の確率で保留促進表示の有無が決定されるようになっており、いわゆるガセ(偽物)の保留促進表示も表示されるようになっている。
図36(B)に示すように、変動が終了して演出図柄が停止されて結果表示がなされると、保留促進表示が終了する。そして、この結果表示された後に、保留記憶表示及び演出用保留表示がシフトされ、次の変動が開始される。
図36(C)に示すように、次の変動が開始されると同時に保留関連演出が開始される。ここで、演出表示装置5の演出用保留表示エリア5Uの近傍に、演出用保留表示が作用する対象となる作用対象表示が表示される。尚、作用対象表示の初期表示では、白色の表示態様となっている。この作用対象表示は、演出用保留表示が作用される度に表示態様が変化される。本実施例では、この表示態様の変化を段階アップと称することがある。更に、作用対象表示は、1段階目の段階アップでは青色の表示態様となり、2段階目の段階アップでは黄色の表示態様となり、3段階目の段階アップでは緑色の表示態様となり、4段階目の段階アップでは赤色の表示態様となる。保留関連演出では、その最終態様が必ずしも赤色の表示態様となるもののみならず、その前段階の色彩(青色、黄色、緑色)が最終態様となることもある。尚、図36及び図37では、保留記憶表示エリア5Dにおいて保留表示予告演出が実行中の画面を例示している。
また、保留関連演出が開始されると、演出パターンに応じて演出用保留表示が通常表示態様(小型の丸印の表示態様)から第1表示態様(白の星印の表示態様)または第2表示態様(黒の星印の表示態様)に変化する。図36(C)では、保留記憶数が3であって、3個の演出用保留表示のうち、2個が第1表示態様に変化され、ターゲット保留に対応する1個の演出用保留表示が第2表示態様に変化している。
図36(D)に示すように、当該変動中において、3個の演出用保留表示のうち、1個の第1表示態様の演出用保留表示が作用対象表示に向かって飛んで(移動して)いき、作用対象表示の色彩が1段階目の青色に変化(1段階アップ)するようになっており、あたかも演出用保留表示が作用対象表示の表示態様に作用するような演出(作用演出)がなされる。尚、演出用保留表示エリア5Uにおいて、作用対象表示に向かって飛んでいく作用演出に使用された演出用保留表示は、第1表示態様から通常表示態様に戻るようになっている。
図36(E)に示すように、変動が終了して演出図柄が停止されて結果表示がなされた後に、保留記憶表示及び演出用保留表示がシフトされ、次の変動が開始される。
図36(F)に示すように、次の変動が開始されてその変動中において、未だ作用演出に使用されていない残りの2個の演出用保留表示のうち、1個の第1表示態様の演出用保留表示が作用対象表示に向かって飛んでいき、作用対象表示の色彩が2段階目の黄色に変化(1段階アップ)する。
図37(G)に示すように、変動が終了して演出図柄が停止されて結果表示がなされた後に、保留記憶表示及び演出用保留表示がシフトされ、次の変動が開始される。
図37(H)に示すように、次の変動が開始されてその変動中において、1個の第2表示態様の演出用保留表示が残されている。この第2表示態様の演出用保留表示を用いた作用演出は、作用対象表示を2段階アップさせる演出となっており、作用対象表示の色彩が4段階目の赤色に変化する。尚、演出用保留表示エリア5Uにおいて、作用対象表示に向かって飛んでいく作用演出に使用された演出用保留表示は、第2表示態様から通常表示態様に戻るようになっている。
図37(I)に示すように、変動が終了して演出図柄が停止されて結果表示がなされた後に、保留記憶表示及び演出用保留表示がシフトされると、ターゲット保留に対応する保留記憶表示及び演出用保留表示が消去されるとともに、作用対象表示が消去される。
図37(J)に示すように、ターゲット保留に対応する変動表示が行われた後に、図37(K)に示すように、結果表示がなされる。
次に、複数変動パターンの保留演出の他の演出例を説明する。図38(A)に示すように、保留関連演出が開始されると、演出パターンに応じて演出用保留表示が通常表示態様(小型の丸印の表示態様)から第1表示態様(白の星印の表示態様)または第2表示態様(黒の星印の表示態様)に変化する。図38(A)では、8個の演出用保留表示のうち、全てが第1表示態様に変化される。
図38(B)に示すように、当該変動中において、8個の演出用保留表示のうち、4個の第1表示態様の演出用保留表示が作用対象表示に向かって飛んでいき、作用対象表示の色彩が2段階目の黄色に変化(2段階アップ)する。前述した例では、1個の第1表示態様の演出用保留表示が作用対象表示の1段階アップに対応するようになっているが、本例では、4個の第1表示態様の演出用保留表示を用いても、4段階アップすることなく、2段階アップまでに留まる。つまり、4個中の2個の第1表示態様の演出用保留表示は、作用対象表示に作用しない非作用の演出用保留表示となっている。尚、演出用保留表示エリア5Uにおいて、作用対象表示に向かって飛んでいく作用演出に使用された演出用保留表示は、第1表示態様から通常表示態様に戻るようになっている。
図38(C)に示すように、変動が終了して演出図柄が停止されて結果表示がなされた後に、保留記憶表示及び演出用保留表示がシフトされ、次の変動が開始される。
図38(D)に示すように、次の変動が開始されてその変動中において、未だ作用演出に使用されていない残りの4個の演出用保留表示の全ての第1表示態様の演出用保留表示が作用対象表示に向かって飛んでいき、作用対象表示の色彩が4段階目の赤色に変化(2段階アップ)する。
図38(E)に示すように、変動が終了して演出図柄が停止されて結果表示がなされた後に、保留記憶表示及び演出用保留表示がシフトされると、ターゲット保留に対応する保留記憶表示及び演出用保留表示が消去されるとともに、作用対象表示が消去される。
図38(F)に示すように、ターゲット保留に対応する変動表示が行われた後に、結果表示がなされる。
尚、本実施例では、保留関連演出が開始されると、8個の演出用保留表示のうち、全てが第1表示態様(白の星印の表示態様)に変化されるが(図38(A))、本発明はこれに限定されるものではなく、一部または全部の演出用保留表示が第2表示態様(黒の星印の表示態様)に変化するものであっても良い。また、最初のシフト時に保留関連演出に用いる演出用表示の全てが第1表示態様(白の星印の表示態様)または第2表示態様(黒の星印の表示態様)に変化するものでなくても良く、各シフト時毎に、当該シフト時に用いる演出用保留表示のみを第1表示態様(白の星印の表示態様)または第2表示態様(黒の星印の表示態様)に変化させ、ターゲット保留に基づく変動表示が開始されるまでに、全ての演出用保留表示が使用されるものであっても良い。更に、一度使用した演出用保留表示を再び使用して保留関連演出を続行できるようにしても良い。
次に、単変動パターンの保留演出の他の演出例を説明する。図39(A)に示すように、保留関連演出が開始されると、演出パターンに応じて演出用保留表示が通常表示態様(小型の丸印の表示態様)から第1表示態様(白の星印の表示態様)または第2表示態様(黒の星印の表示態様)に変化する。図39(A)では、4個の演出用保留表示のうち、全てが第1表示態様に変化される。
図39(B)に示すように、当該変動中において、4個の演出用保留表示のうち、全ての第1表示態様の演出用保留表示が作用対象表示に向かって飛んでいき、作用対象表示の色彩が4段階目の赤色に変化(4段階アップ)する。尚、演出用保留表示エリア5Uにおいて、作用対象表示に向かって飛んでいく作用演出に使用された演出用保留表示は、第1表示態様から通常表示態様に戻るようになっている。このように、単変動パターンの保留関連演出では、1変動期間中において、作用対象表示が最終態様まで変化するようになっている。
図39(C)に示すように、変動が終了して演出図柄が停止されて結果表示がなされた後に、保留記憶表示及び演出用保留表示がシフトされ、次の変動が開始される。尚、図39(C)では、新たな始動入賞があり、保留記憶数が増加した場合の画面を例示している。また、新たな始動入賞があっても、当該始動入賞に対応する演出用保留表示は、通常表示態様(小型の丸印の表示態様)で表示され、保留関連演出に用いられることはない。
図39(D)に示すように、次の変動が開始されてその変動が終了するまで、作用対象表示は表示され続ける。
図39(E)に示すように、変動が終了して演出図柄が停止されて結果表示がなされた後に、保留記憶表示及び演出用保留表示がシフトされると、ターゲット保留に対応する保留記憶表示及び演出用保留表示が消去されるとともに、作用対象表示が消去される。
図39(F)に示すように、ターゲット保留に対応する変動表示が行われた後に、結果表示がなされる。
尚、単変動パターンであっても、1変動期間中において、複数の演出用保留表示がそれぞれ作用対象表示に作用する作用演出を複数回実行できるようにしても良い。例えば、1変動期間中において、変動開始時に、1個の演出用保留表示が飛んでいき、その後、リーチ状態になったときに、残りの演出用保留表示が飛んでいく演出態様であっても良い。
次に、図40に示すタイムチャートを用いて、単変動パターン実行時の演出態様と、複数変動パターン実行時の演出態様とを説明する。
図40(A)は、保留記憶数が3個であるときの変動期間中に、ターゲット保留が入賞して保留記憶数が4個となったときに、単変動パターンの実行が決定された場合のタイムチャートを示している。ここで、保留記憶数が4個である場合に、ターゲット保留の変動開始までのシフト回数が4回分ある。そして、ターゲット保留が入賞したときに、単変動パターンの実行タイミングを決定する。本実施例では、シフト3回目、つまり3回目の変動期間中に、演出用保留表示が作用対象表示に作用する作用演出を実行すると決定する。
尚、保留促進表示は、ターゲット保留が入賞した時点から次の変動開始時まで表示される。遊技者は、保留促進表示がなされてから、単変動パターンの保留関連演出が実行されるまでの期間、当該保留関連演出に用いられる演出用保留表示をためることができる。
そして、シフト1回目とシフト2回目の変動期間が経過し、3回目の変動期間の変動が開始されたときに、当該変動開始時の保留記憶数に応じて作用対象表示の最終態様(最終段数)を決定する。このとき、ターゲット保留の変動表示結果が「大当り」である場合は、高い段数が決定され易く(図33(A)参照)、ターゲット保留の変動表示結果が「はずれ」である場合は、高い段数が決定され易く(図33(B)参照)なっている。また、作用対象表示の最終態様に応じて演出用保留表示の表示態様が変化するとともに、作用対象表示が初期の表示態様で表示される。そして、演出用保留表示が作用対象表示に作用される作用演出が実行され、作用対象表示が最終態様に変化する。尚、単変動パターン実行時の作用演出は、1変動期間中に終了する。
また、次のシフト4回目の変動期間が経過し、さらにターゲット保留に基づく変動が開始されるまで、最終態様に変化した作用対象表示が継続し、ターゲット保留に基づく変動の開始とともに、作用対象表示が消去される。
図40(B)は、保留記憶数が3個であるときの変動期間中に、ターゲット保留が入賞して保留記憶数が4個となったときに、複数変動パターンの実行が決定された場合のタイムチャートを示している。ここで、保留記憶数が4個である場合に、ターゲット保留の変動開始までのシフト回数が4回分ある。複数変動パターンの保留関連演出では、ターゲット保留に基づく変動が開始されるまでの残り4回の各変動期間中において、演出用保留表示が作用対象表示に作用する作用演出がそれぞれ実行される。
尚、保留促進表示は、ターゲット保留が入賞した時点から次の変動開始時まで表示される。遊技者は、保留促進表示がなされてから、次の(シフト1回目の)変動が開始されるまでの期間、当該保留関連演出に用いられる演出用保留表示をためることができる。
そして、シフト1回目の変動が開始されると、当該変動開始時の保留記憶数に応じて作用対象表示の最終態様(最終段数)を決定する。このとき、ターゲット保留の変動表示結果が「大当り」である場合は、高い段数が決定され易く(図33(A)参照)、ターゲット保留の変動表示結果が「はずれ」である場合は、高い段数が決定され易く(図33(B)参照)なっている。また、作用対象表示の最終態様に応じて演出用保留表示の表示態様が変化するとともに、ターゲット保留に基づく変動が開始されるまでの残りの各変動期間中において作用対象表示の表示態様が変化する段数を決定し、作用対象表示が初期の表示態様で表示される。そして、演出用保留表示が作用対象表示に作用される1回目の作用演出が実行され、決定された段数に作用対象表示の表示態様が変化する。
同様に、2回目、3回目、4回目の各変動期間中においても、作用演出が実行され、決定された段数に作用対象表示の表示態様が変化し、4回目の変動期間においては、作用対象表示の表示態様が決定された最終段数まで変化する。そして、ターゲット保留に基づく変動が開始されるまで、最終態様に変化した作用対象表示が継続し、ターゲット保留に基づく変動の開始とともに、作用対象表示が消去される。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、演出用保留表示が作用対象表示に複数回作用することで作用対象表示が複数段階変化するので、演出用保留表示と作用対象表示のそれぞれに遊技者を注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施例によれば、保留表示予告演出が実行中であるか否かによって、保留関連演出の実行の有無の決定に用いる保留関連演出実行決定テーブル(図24(A)及び図24(B))を異ならせていることで、保留記憶表示の表示態様に注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施例によれば、大当りであるときとハズレであるときとで、異なるテーブル(図23(A)及び図23(B))を用いて保留関連演出実行タイミングが決定されることで、演出用保留表示が作用対象表示に作用する作用演出が実行されるタイミングに注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施例によれば、1つの第1表示態様(白の星印の表示態様)の演出用保留表示を使用して作用対象表示を1段階アップさせる作用演出と、1つの第2表示態様(黒の星印の表示態様)の演出用保留表示を使用して作用対象表示を2段階アップさせる作用演出とが実行可能であることで、1つの演出用保留表示が作用したときに作用対象表示が1段階アップする場合もあれば2段階アップする場合もあり、作用対象表示の変化態様を多様化できるので、遊技興趣を向上させることができる。
また、例えば、変形例のように、保留表示予告演出を実行中の場合に、演出用保留表示が作用対象表示を2段階アップさせる第2表示態様に変化し易くすることでも、保留記憶表示が変化しているか否かに注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
次に、変形例における保留表示予告演出について図41を参照して説明する。この変形例における保留表示予告演出として、保留記憶表示エリア5Dにおいて、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が、通常の表示態様(以下、通常態様)とは異なる表示態様(後述する特殊態様または第1特別態様もしくは第2特別態様)で表示される演出が行われる。
この変形例では、保留表示予告演出パターンとして、第1保留表示予告演出パターンと第2保留表示予告演出パターンとが設けられている。第1保留表示予告演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、第1特別態様または第2特別態様で表示される。なお、第1保留表示予告演出パターンは、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるものと、予告対象の変動表示(保留情報)が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるものとを含む。一方、第2保留表示予告演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、その予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。
図41(A)に示されるように、演出表示装置5において、演出図柄の変動表示中であって、保留記憶表示エリア5Dに2つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに始動入賞が行われると、保留表示予告演出の態様(保留表示予告演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および前兆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図41に示す例では、保留表示予告演出パターンを第1保留表示予告演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様または第2特別態様と決定し、変化タイミングを始動入賞時(シフト回数0)またはシフト回数1と決定する。また、前兆演出(成功パターン)の演出態様を、第1演出態様または第2演出態様と決定する。
この実施の形態では、第1保留表示予告演出パターンにもとづく保留表示予告演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。また、保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングまたは任意のシフトタイミングである。そこで、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定された場合には、図41(B1)に示すように、始動入賞のタイミングで、保留記憶表示エリア5Dに3つ目の保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)で表示される。また、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定された場合には、図41(B2)に示すように、始動入賞のタイミングで、保留記憶表示エリア5Dに3つ目の保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)で表示される。
また、最終表示態様が第1特別態様または第2特別態様であっても、変化タイミングが始動入賞のタイミング(シフト回数0)ではなく、任意のシフトタイミング(ここでは、シフト回数1)に決定された場合には、図41(B3)に示すように、始動入賞のタイミングでは、保留記憶表示エリア5Dに3つ目の保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示される。そして、演出図柄の変動表示が停止し(図41(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。
このとき、変化タイミングがシフト回数1に決定され、前兆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する前兆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる表示制御がおこなわれる(図41(D1))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図41(E1)に示すように、シフトのタイミングで、保留記憶表示エリア5Dの2つ目の保留表示(図41(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の前兆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図41(E2)に示すように、シフトのタイミングで、保留記憶表示エリア5Dの2つ目の保留表示(図41(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の前兆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、前兆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する前兆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる表示制御がおこなわれる(図41(D2))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図41(E3)に示すように、シフトのタイミングで、保留記憶表示エリア5Dの2つ目の保留表示(図41(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の前兆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図41(E4)に示すように、シフトのタイミングで、保留記憶表示エリア5Dの2つ目の保留表示(図41(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の前兆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
この実施の形態では、前兆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるときには、第1演出態様であるときに比べて、保留表示の表示態様が第1特別態様よりも大当りとなる期待度が高い第2特別態様になる割合が高くなるように構成されている。したがって、前兆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様であるとき、すなわち黒い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の低い第1特別態様に変化する割合が高い。つまり図41(D1)から図41(E1)に移行する割合が高い。一方、前兆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるとき、すなわち白い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の高い第2特別態様に変化する割合が高い。つまり図41(D2)から図41(E4)に移行する割合が高い。このように構成されることによって、矢が飛んできて保留表示に刺さる前兆演出(成功パターン)であっても、第2演出態様で行われて欲しいと感じさせるとともに、前兆演出が第1演出態様で行われたとき、すなわち黒い矢が飛んできたときには、保留表示に刺さらずに通過して欲しい(前兆演出(通過パターン)であってほしい)と感じさせることができる。
尚、第2保留表示予告演出パターンにもとづく保留表示予告演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。そして、演出図柄の変動表示が停止し、次の変動表示が開始されると、保留表示が変化することを示唆する前兆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第2演出態様)表示制御がおこなわれる。そして、飛んできた矢が保留表示に刺さらずに通過してしまう演出や、飛んできた矢が保留表示に刺さって保留表示の表示態様が変化する演出が決定されたシフトタイミングにおいて実行され、任意のシフトタイミングで最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様に変化される。
図41に示すように、この実施の形態では、第1保留表示予告演出パターンにもとづく保留表示予告演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。このとき、最終表示態様に表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングの他に、任意のシフトタイミングを含む。また、図41に示すように、第2保留表示予告演出パターンにもとづく保留表示予告演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。このように、この実施の形態では、複数のタイミングで保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であるため、保留表示の表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができるとともに、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示に対応する保留記憶にもとづく可変表示が開始されるまでに、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するため、遊技興趣を向上させることができる。
尚、変形例において保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されているときには、保留表示が通常態様で表示されているときよりも高い割合で前兆演出を実行するようになっている。
また、変形例では、矢が飛んできて保留表示に刺さる前兆演出が実行されるようになっているが、前記実施例の演出用保留表示のように、星印の演出用保留表示が飛んできて保留表示に刺さる前兆演出、つまり保留関連演出を利用して前兆演出が実行される態様であっても良い。また、星印の演出用保留表示が飛んできても、保留表示に刺さらずに通過するパターンを加えても良い。
以上、本変形例のパチンコ遊技機1にあっては、複数のタイミングで保留対応表示を特別表示態様に変化させることが可能であるため、保留対応表示の表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができるとともに、保留対応表示が特殊表示態様で表示されたときには、高い頻度で前兆演出が実行されるため、期待感を高めることでき、遊技興趣を向上させることができる。
前記実施例では、ターゲット保留が始動入賞したときに、他の保留記憶数が無く、保留記憶数が1の場合は、保留関連演出実行が決定されないようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶数が1の場合であっても、当該ターゲット保留の変動開始時に保留関連演出を実行するようにしても良い。例えば、保留関連演出の実行の有無をコマンド解析処理内の保留関連演出実行決定処理にて決定するのではなく、図42の変形例に示すように、演出図柄変動開始処理にて保留関連演出の実行の有無を決定するようにしても良い。
図42は、変形例としてS74において実行される演出図柄変動開始処理の処理内容を示すフローチャートである。本変形例の演出図柄変動開始処理においては、まず、演出制御用CPU120は、前記実施例と同様にS271〜S273の処理を実行し、本変形例におけるS274+に移行する。
S274+において演出制御用CPU120は、当該変動の表示結果を、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(変動表示結果指定コマンド)にもとづいて特定し、S275+に移行する。
S275+において演出制御用CPU120は、S274+において特定した当該変動の表示結果が大当りである場合は、大当り用の保留関連演出実行決定テーブルを用いて保留関連演出を実行するか否かを決定し、S274+において特定した当該変動の表示結果がはずれである場合は、はずれ用の保留関連演出実行決定テーブルを用いて保留関連演出を実行するか否かを決定し、S276+に移行する。
S276+において演出制御用CPU120は、S275+において保留関連演出を実行すると決定したか否かを決定する。ここで、保留関連演出を実行すると決定した場合は(S276+;Y)、S279+に移行し、保留関連演出を実行しないと決定した場合は(S276+;N)、S294に移行する。
S279+において演出制御用CPU120は、S274+において特定した当該変動の表示結果と現在の保留記憶数(合計保留記憶数)に応じて保留関連演出実行パターンの最終態様(最終段数)を決定し、S280に移行する。
そして、演出制御用CPU120は、前記実施例と同様にS280、S288、S289の処理と、S294〜S299の処理を実行し、演出図柄変動開始処理を終了する。
尚、本変形例において、保留関連演出の実行が決定された場合には、ターゲット保留に基づく変動期間のみで、演出用保留表示が作用対象表示に作用する単変動パターンの保留関連演出が実行されるようになっている。
また、本変形例では、ターゲット保留に基づく変動開始時に保留関連演出の実行の有無を決定しているが、ターゲット保留の始動入賞時に保留表示予告演出の実行の有無を判定しておき、ターゲット保留に基づく変動開始時に、始動入賞時の判定結果に基づいて保留関連演出の実行の有無を決定するようにしても良い。
以上、本変形例のパチンコ遊技機1にあっては、演出用保留表示が作用対象表示に複数回作用することで作用対象表示が複数段階変化するので、演出用保留表示と作用対象表示のそれぞれに遊技者を注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、本実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBを、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短くして、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。尚、これら確変大当りBを突確大当りとする場合には、該確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
また、前記実施例では、演出表示装置5の表示領域に、保留記憶表示エリア5Dと演出用保留表示エリア5Uとがそれぞれ個別に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶表示エリア5Dを無くして演出用保留表示エリア5Uに表示される演出用保留表示のみで保留記憶数を遊技者に認識させるものであっても良い。また、演出表示装置5を複数個設けるようにし、保留記憶表示エリア5Dと演出用保留表示エリア5Uとがそれぞれ個別の演出表示装置5に表示されるものであっても良い。
また、前記実施例では、保留関連演出において、演出用保留表示が作用対象表示に作用する作用演出を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶表示が作用対象表示に作用する作用演出を行うようにしても良い。この場合には、保留記憶表示を前述した演出用保留表示と同様で星印の表示態様等に変更し、当該保留記憶表示が作用対象表示に向かって飛んでいく作用演出を行うようにしても良いし、保留記憶表示エリア5Dの保留記憶表示と演出用保留表示エリア5Uの演出用保留表示の双方を用いて作用演出を行うようにしても良い。
また、前記実施例では、原則、1つの第1表示態様(白の星印の表示態様)の演出用保留表示を使用して作用対象表示を1段階アップさせる作用演出を行うようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つの第1表示態様(白の星印の表示態様)の演出用保留表示が作用対象表示に複数回作用して、作用対象表示を複数段階アップさせる作用演出を行うようにしても良い。
また、前記実施例では、変動開始時の保留記憶数に応じて作用対象表示の最終態様(最終段数)を決定するようになっており、このとき、ターゲット保留の変動表示結果が「大当り」である場合は、高い段数が決定され易く(図33(A)参照)、ターゲット保留の変動表示結果が「はずれ」である場合は、高い段数が決定され易く(図33(B)参照)なっているが、ターゲット保留の大当り種別が「確変」であるときに、高い段数が決定され易くしたり、遊技状態が高確高ベース状態のときには、高い段数が決定され易くしたりしても良い。
また、前記実施例では、変動開始時の保留記憶数に応じて作用対象表示の最終態様(最終段数)を決定は、保留表示予告演出の実行の有無と関係なく行われているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示予告演出の実行の有無に応じて作用対象表示の最終態様(最終段数)を決定しても良く、例えば、変形例において、保留表示予告演出を実行中の場合は、作用対象表示の最終態様(最終段数)が高い段数に決定され易い決定テーブルを用いても良い。また、保留表示予告演出を実行中の場合は、演出用保留表示が作用対象表示を2段階アップさせる第2表示態様に変化し易い態様としても良い。
また、前記実施例では、保留関連演出の実行の有無をコマンド解析処理内の保留関連演出実行決定処理、つまりターゲット保留の始動入賞時に決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ターゲット保留の始動入賞後の変動開始時に保留関連演出の実行の有無を決定するようにしても良い。
また、前記実施例では、保留関連演出で用いる演出用保留表示の個数を増大させるために、保留記憶数を増大させることを遊技者に対して推奨する保留促進表示がなされるが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留促進表示を行わない実施態様であっても良い。
また、前記実施例では、保留関連演出の実行タイミングになったときに、演出用保留表示エリア5Uにおける演出用保留表示の表示態様が変化し、保留関連演出が実行されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者がプッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を行うことに基づいて演出用保留表示エリア5Uにおける演出用保留表示の表示態様が変化し、保留関連演出が実行される態様であっても良い。
また、前記実施例では、演出用保留表示は初期の表示態様である小型の丸印の表示態様で表示され、保留関連演出が実行されるときに、第1表示態様(白の星印の表示態様)または第2表示態様(黒の星印の表示態様)の表示態様で表示されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出用保留表示がその始動入賞時から第1表示態様(白の星印の表示態様)または第2表示態様(黒の星印の表示態様)の表示態様で表示されるようにしても良い。そして、この表示態様に基づいて、保留関連演出が実行されるときに、作用対象表示の最終態様(最終段数)が決定されるものであっても良い。
また、前記実施例では、1の保留関連演出の実行が決定された場合において他の保留関連演出の実行決定を禁止するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1の保留関連演出の実行が決定された場合においても、他の保留関連演出の実行決定を行うようにしても良い。また、複数の保留関連演出を重畳して実施できるようにしても良い。
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1において単変動パターン及び複数変動パターンの双方の保留関連演出の実行が可能となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、単変動パターンまたは複数変動パターンのいずれか一方の保留関連演出の実行がなされるパチンコ遊技機1であっても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
尚、本発明における「複数回作用することで該作用対象画像が複数段階変化する演出」とは、演出用保留表示が作用対象表示に作用すると同時に作用対象表示が変化する演出であっても良いし、演出用保留表示が作用対象表示に作用した後に作用対象表示が変化する演出であっても良い。また、本発明における「作用」とは、演出用保留表示を作用対象表示の近くの位置に移動させたり、演出用保留表示を作用対象表示に接触(重複)させたりするような表示態様を含む。また、演出表示装置を複数設けるようにし、演出用保留表示と作用対象表示とがそれぞれ異なる演出表示装置に表示されていても良い。
また、前記実施例では、作用対象表示を演出表示装置5に表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出表示装置5に加えて、該演出表示装置5よりも表示面積が小さい副演出表示装置を設ける場合には、該副演出表示装置に作用対象表示を表示するようにして、演出表示装置5に表示された保留記憶表示や演出用保留表示が、副演出表示装置に表示された作用対象表示に作用する保留関連演出を実行するようにしても良い。また、演出表示装置5に作用対象表示を表示するようにして、副演出表示装置に表示された保留記憶表示や演出用保留表示が、演出表示装置5に表示された作用対象表示に作用する保留関連演出を実行するようにしても良い。
また、保留記憶表示や演出用保留表示を、副演出表示装置に表示するようにしても良く、この場合にあっては、副演出表示装置の保留記憶表示や演出用保留表示が、演出表示装置5に表示された作用対象表示に作用する保留関連演出を実行しても良いし、副演出表示装置の保留記憶表示や演出用保留表示が、副演出表示装置に表示された作用対象表示に作用する保留関連演出を実行しても良い。
また、前記実施例では、変動開始時に作用対象表示が表示され、演出用保留表示が第1表示態様(白の星印の表示態様)または第2表示態様(黒の星印の表示態様)に変化するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動開始時以外のタイミングで作用対象表示が表示され、演出用保留表示が変化するようにしても良い。