JP4976813B2 - 孔版印刷用インキ - Google Patents

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Description

本発明は、経時におけるインキの安定性(保存安定性)、及び画像上の定着性に優れ、かつ環境安定性の高い孔版印刷用インキに関する。
従来の孔版印刷用インキとしては、孔版印刷機との相性、画像品質、などの点から、油相中に水相を乳化し、主に油相中に水相が占める体積分率によってインキ保形性を付与する油中水型(W/O型)エマルションインキが主に使用されている。
一方、孔版印刷用のインキにも環境安全性を求められており、現在は油相中の鉱物油に代えて又は一部代替するかたちで植物油・植物油誘導体を含有するインキが販売されてきている。
しかし、市場からは更なる環境安全性の高い水性インキ及び水中油型(O/W型)エマルションインキが強く求められており、これらのインキにおける、W/Oエマルション型インキと比較した、保存安定性、孔版印刷機との相性、画像上の定着性が問題となる。また、微生物抑制の観点から添加が必須である抗菌剤の安全性が重要な課題となる。
ここで、インキは、降伏値を有する、すなわち、孔版印刷のインキローラ上で保形性を維持する必要があり、インキに保形性がないと、前記インキはインキローラ脇側に漏出してしまい、ローラ脇の回転機構部分を汚濁したり、ドラム版胴脇から染み出て画像の非画像部分の汚れの原因となることがある。
更には、ある程度の降伏値を維持していないと、インキ保存状態においてパック口から垂れて床や手に付着して汚してしまう。
孔版印刷において使用されている水性インキに関しては、不飽和カルボン酸系樹脂などの添加によって水性インキを増粘化することが知られている(特許文献1〜6参照)。しかし、これら文献に記載の発明においては、経時におけるインキの安定性、及び画像上の定着性に関する検討はなされていない。
特許第3639287号公報 特許第3639288号公報 特許第3639289号公報 特許第3639290号公報 特許第3673822号公報 特開2001−302955号公報
本発明は、従来における諸問題を解消し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、経時におけるインキの安定性(保存安定性)、及び画像上の定着性に優れ、かつ環境安定性の高い孔版印刷用インキを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 水系成分中に、不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーと、塩基と、チオスルファト銀イオン及びその誘導体の少なくともいずれかとを含んでなることを特徴とする孔版印刷用インキである。
前記<1>に記載の孔版印刷用インキによれば、不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーと塩基とにより増粘された水溶液の系において、抗菌剤としてチオスルファト銀イオン及びその誘導体少なくともいずれかを含むことにより、インキの経時による安定性を大幅に改善できる。
前記不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーと前記塩基とにより増粘された水性インキ及び水中油型(O/W型)エマルションインキは、インキローラ上での放置、あるいはパック内における保存における経時で低粘度となり易い。要因としては以下が考えられる。
すなわち、前記不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーと前記塩基とによる水溶液の増粘は、前記塩基の中和により不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーがイオン化し、ポリマー主鎖に沿って負電荷を生じ、コイル状に緩んだ状態の分子が負電荷同士の反発により真っ直ぐに伸びた状態となり増粘状態が得られている。
該増粘状態のインキは、放置や保存によって、インキ中に抗菌剤他の原材料、あるいは不純物としてカチオン成分があると、樹脂が架橋乃至沈殿することにより低粘度化することが考えられる。
また、経時により繁殖した微生物が水溶性高分子、あるいは界面活性剤へ作用し、水溶性高分子の増粘や界面活性剤のエマルション安定能を劣化させることもインキ低粘度化の一因として考えられる。
しかし、チオスルファト銀イオン及びその誘導体はアニオン型であり、更に優れた抗菌及び殺菌作用により、前記不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーと前記塩基とによる増粘機構を維持できると思われる。更に、このように銀系の抗菌剤を使用するため、人体への安全性にも配慮できる。
<2> 更に、ポリビニルピロリドンを、固形分で0.5〜6.0質量%含む前記<1>に記載の孔版印刷用インキである。前記<2>に記載の孔版印刷用インキによれば、ポリビニルピロリドンを、固形分で0.5〜6.0質量%含むため、画像上の定着性を大幅に向上することができる。これは、前記ポリビニルピロリドンの、着色剤の分散能により、前記着色剤の紙中への浸透性向上と造膜性とによる、前記画像の保護効果が向上したこと等が考えられる。
<3> インキが、O/Wエマルションインキ及び水性インキのいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載の孔版印刷用インキである。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、経時におけるインキの安定性(保存安定性)、及び画像上の定着性に優れ、かつ環境安定性の高い孔版印刷用インキを提供できる。
本発明の孔版印刷用インキは、水性インキ及びO/Wエマルションのいずれの形態をも採り得る。
<孔版印刷用水性インキ>
前記孔版印刷用水性インキとしては、不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーと、塩基と、チオスルファト銀イオン及びその誘導体の少なくともいずれかと、着色剤と、水と、着色剤用分散剤とを含み、必要に応じて、ポリビニルピロリドン、前記不飽和カルボン酸系水溶性ポリマー及び前記ポリビニルピロリドン以外の水溶性高分子(以下、「その他の水溶性高分子」と称する)、O/W樹脂エマルション、凍結防止剤、保湿剤、消泡剤、有機溶剤、キレート剤、などのその他の成分を含んでなる。
−チオスルファト銀イオン及びその誘導体−
前記チオスルファト銀イオン及びその誘導体は、抗菌剤としての機能を有する。
前記チオスルファト銀イオン及びその誘導体としては、例えば、M〔Ag(S)〕、M〔Ag(S〕、M〔Ag(S〕、M10〔Ag(S〕、などのチオスルファト銀錯塩が挙げられる。前記Mとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、その他1価のアルカリ金属、などが挙げられる。
なお、前記チオスルファト銀イオン及びその誘導体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記チオスルファト銀錯塩は、例えば、酢酸銀、硝酸銀、等の塩と、チオ硫酸塩とを用いて調製することができる。
具体的には、(1)酢酸銀、硝酸銀、等の塩の水溶液に亜硫酸及び亜硫酸水素塩の少なくともいずれかを加えて反応させ、次いでチオ硫酸塩を加えてチオスルファト銀錯塩を生成する方法、(2)チオ硫酸塩飽和水溶液に酢酸銀、硝酸銀、等を加えてチオスルファト銀錯塩を生成する方法、などが挙げられる。
ここで、前記(1)の方法において、前記亜硫酸及び亜硫酸水素塩の少なくともいずれかは、得られるチオスルファト銀錯塩を安定化させるために使用される。一方、前記(2)の方法においては、前記(1)の方法のように安定化剤を加えることなくチオスルファト銀錯塩を生成できる。
前記チオ硫酸塩としては、例えば、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、などが挙げられる。前記亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、メタ亜硫酸カリウム、などが挙げられる。前記亜硫酸水素塩としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、などが挙げられる。
前記チオスルファト銀イオン及びその誘導体の添加量は、インキ中に含まれる水の1質量%以下が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。前記添加量が、1質量%を超えても、それ以上の効果はなくコスト高となるだけである。
前記チオスルファト銀イオンは、抗菌効果を持続させるために、例えば、ゼオライト、水酸化アルミニウム、シリカゲル、リン酸カルシウム、酸化チタン、等の担体に担持させてもよい。
−不飽和カルボン酸系水溶性ポリマー−
前記不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーと、次の項で説明する塩基とは、増粘剤としての機能を有し、前記不飽和カルボン酸系水溶性ポリマー及び前記塩基により、前記孔版印刷用水性インキは増粘される。
前記不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アクリル酸樹脂等が挙げられ、該アクリル樹脂は塩であってもよい。なお、アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸との双方を意味する。
前記アクリル樹脂の塩としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン、などが挙げられる。
前記不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーの分子量としては、例えば、450,000〜5,000,000が好ましく、750,000〜4,500,000がより好ましい。
ここで、前記アクリル樹脂の分子量は450,000〜4,000,000、前記ポリアクリル酸ナトリウムの分子量は450,000〜4,000,000、前記ポリアクリル酸トリエタノールアミンの分子量は450,000〜4,000,000である。
前記不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーは、その種類や分子量に応じ、インキ粘度を孔版印刷機との相性が最適になるように適宜選択することができるが、その添加量としては、インキ全質量に対し、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜2.0質量%がより好ましい。前記添加量が、0.05質量%未満では所望のインキ粘度を得られず、10質量%を越えた量を添加してもインキにそれ以上の増粘は見られず、コスト高になるだけである。
−塩基−
前記塩基としては、アクリル金属の水酸化物等の無機塩基や低分子量アミン(分子量2,000以下)、アルカノールアミン、トリエタノールアミン、低濃度アンモニア、などが挙げられる。
前記アクリル金属の水酸化物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、などが挙げられる。
水性インキの増粘には前記塩基により中和を行い、pH5〜10に調整するのが好ましい。
前記塩基の添加量も、インキ粘度を孔版印刷機との相性が最適になるように適宜選択することができるが、前記添加量は、インキ全質量に対して0.01〜3.0質量%が好ましく、0.1〜1.5質量%が好ましい。前記添加量が、0.01質量%未満では所望のインキ粘度が得られず、3.0質量%を超えて投与してもインキにそれ以上の増粘は見られない。
−着色剤−
前記着色剤としては、各種色調の公知の顔料、分散染料等を適宜添加することができ、例えば、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、等のカーボンブラック類;アルミニウム粉、ブロンズ粉、等の金属粉;弁柄、黄鉛、群青、酸化クロム、酸化チタン、等の無機顔料;不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、等のアゾ系顔料;無金属フタロシアニン顔料、銅フタロシアニン顔料、等のフタロシアニン系顔料;アントラキノン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、スレン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、キノフタロン系、金属錯体、等の縮合多環系顔料;酸性又は塩基性染料のレーキ、等の有機顔料;ジアゾ染料、アントラキノン系染料、等の油溶性染料;などが挙げられる。これらの染顔料類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
前記着色剤の添加量は、インキ全質量に対し、2.0〜20質量%が好ましく、3.0〜15質量%がより好ましい。前記添加量が、2.0質量%未満では印刷物の濃度が不足し、20質量%を超えて添加しても、印刷濃度は上がらずコスト高となる。分散された不溶性着色剤の平均粒径は、10〜0.1μmが好ましく、1〜0.1μmがより好ましい。
−水−
前記水としては清浄であれば特に制限はなく、例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水、などが挙げられる。
−着色剤用分散剤−
前記着色剤用分散剤としては、カチオン性以外の界面活性剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、アルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート系化合物、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、脂肪族多価カルボン酸、ポリエーテル、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリアミド、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、なども挙げられる。これらの着色剤用分散剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤用分散剤の添加量は、着色剤質量の40質量%以下が好ましく、2〜35質量%がより好ましい。
−その他成分−
前記孔版印刷用水性インキには、必要に応じて、ポリビニルピロリドン、その他の水溶性高分子、O/W樹脂エマルション、凍結防止剤、保湿剤、消泡剤、有機溶剤、キレート剤、などが添加される。
−−ポリビニルピロリドン−−
本発明の孔版印刷用水性インキには、画像上の定着性を更に向上させる観点から、ポリビニルピロリドンを添加することが好ましい。
前記ポリビニルピロリドンのK値は、特に制限はないが、0超30以下が好ましい。ここで、前記K値とは、ポリビニルピロリドンの分子量の目安となる数値であり、粘度測定値からFikentscherの式により求めることができる。前記ポリビニルピロリドンのK値が30より高くなると、ポリビニルピロリドンを添加するインキ粘度が高くなりすぎ、インキパックからのインキの吸引や印刷時の紙への浸透を阻害することがある。
前記ポリビニルピロリドンの添加量は、特に制限はないが、固形分で孔版印刷用水性インキ全量に対して0.5〜6.0質量%であることが好ましい。前記添加量が、0.5質量%未満であると、画像における耐水性に対して効果がないことがあり、6.0質量%を超えても、それ以上の効果はなく、コスト高になり、ポリビニルピロリドンの造膜性によりスクリーン目詰まり等が発生することもある。
−−その他の水溶性高分子−−
前記その他の水溶性高分子は、保湿、増粘補助、並びに不溶性着色剤及び体質顔料の分散及び固着のために添加される。
前記その他の水溶性高分子としては、例えば、でん粉、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、ブルラン、デキストラン、キサンタンガム、にかわ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、等の天然高分子;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルでん粉、カルボキシメチルでん粉、ジアルデヒドでん粉、等の半合成高分子;ポリビニルイミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリN−アクリロイルピロリジンやポリN−イソプロピルアクリルアミド等のポリN−アルキル置換アクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体が挙げられる。また、ポリエチレンとポリプロピレン又はポリブチレンとのブロックコポリマーも挙げられる。
前記その他の水溶性高分子を分散剤として使用する場合は、1g/dLの水溶液の表面張力が、65mN/m以下を示すような界面活性能を有する水溶性の合成高分子等を用いるのが好ましい。前記その他の水溶性高分子は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の水溶性高分子の添加量は、インキに含まれる水の25質量%以下が好ましく、0.2〜15質量%が好ましい。
−−O/W樹脂エマルション−−
前記O/W樹脂エマルションとしては、合成高分子でも天然高分子でもよい。前記合成高分子としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、等が挙げられる。
前記O/W樹脂エマルションの最低造膜温度は、40℃以下であることが好ましい。前記O/W樹脂エマルションの添加量は、インキに含まれる水の30質量%以下が好ましく、0.2〜15質量%がより好ましい。
−−凍結防止剤−−
前記凍結防止剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、等のグリコール;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、等の低級飽和一価アルコール;などが挙げられる。前記凍結防止剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記凍結防止剤の添加量は、インキ中の水の30質量%以下が好ましく、6〜25質量%がより好ましい。
−−保湿剤−−
前記保湿剤としては、例えば、グリセロール/グリセリン、キシリトール/キシリット、d-ソルビトール/ソルビット、乳酸、等が挙げられる。
前記保湿剤の添加量は、インキ全質量に対し、3.0〜30質量%が好ましく、5.0〜20質量%がより好ましい。前記添加量が、3.0質量%未満では保湿剤としての機能を得られないことがあり、30質量%を超えて投与しても、それ以上の効果はなくコスト的に不利となることがある。
−−消泡剤−−
前記消泡剤は、前記水溶性高分子等を水中に攪拌するときの起泡防止のために添加される。
前記消泡剤としては、例えば、高級脂肪酸アミド、ポリエチレングリコール、脂肪酸低級アルコールエステル、ジメチルポリシロキサン、等が挙げられる。
前記消泡剤の添加量は、インキ全質量に対して0.1〜1.5質量%が好ましく、0.4〜1.0質量%がより好ましい。前記消泡剤には、エチレングリコール、低級アルコール、等のキャリアを適宜使用できる。
−−有機溶剤−−
前記有機溶剤は、着色剤、着色剤用分散剤、水溶性高分子、等の水への溶解、分散を容易にするために添加される。
前記有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ブチルセロソルブ、等のアルコール類やエステル類などが挙げられる。
−−キレート剤−−
前記キレート剤は、インキ中のカチオン成分を取り込み、前記不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーの増粘を維持させる目的で添加される。
前記キレート剤としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、等が挙げられる。
前記キレート剤の添加量は、インキ全質量に対し、0.001〜0.01質量%が好ましい。前記添加量が、0.001質量%未満であるとインキ粘度保持に対して効果がないことがあり、0.01質量%より多く添加してもそれ以上の効果はなくコスト的に不利となることがある。
本発明の水性インキは、例えば、着色剤の分散、分散体の希釈、増粘の工程から調製される。前記分散は少なくとも着色剤、着色剤分散剤、及び水からなる分散体をボールミルやビーズミル等の密閉式分散機により分散することにより得られる。前記希釈は、予め不飽和カルボン酸系水溶性ポリマー、水、O/W樹脂エマルション、凍結防止剤、消泡剤、有機溶剤、等で調整しておく。その後、希釈液を上記分散体に撹拌しながら徐々に加える。均一に混合されるまで撹拌を行ない、その後、塩基あるいはその水溶液を加えて増粘を行うことで所望の水性インキが得られる。
<孔版印刷用O/W型エマルションインキ>
O/W型エマルションインキとしては、油相及び水相からなり、これらの割合は油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%が好ましい。また、このO/W型エマルションインキは、水相中に、増粘剤として不飽和カルボン酸系水溶性ポリマー及び塩基を含有して、増粘させているのが好ましい。
[油相]
前記油相は、着色剤、着色剤分散剤、オイル成分、その他の成分を含有する。
−着色剤−
前記着色剤としては、前記水性インキについて説明したのと同様の着色剤が挙げられ、またその添加量も同様である。
−着色剤分散剤−
前記着色剤分散剤としては、前記水性インキについて説明したのと同様の着色剤分散剤が挙げられ、またその添加量も同様である。
−オイル成分−
前記オイル成分としては、公知の鉱物油等が使用可能であり、例えば、石油系溶剤、スピンドル油、流動パラフィン、軽油、灯油、マシン油、ギヤー油、潤滑油、モーター油、等の鉱物油が挙げられる。また、ポリイソブチレン類、水素化ポリデセン類、トリメチロールプロパンエステル類、ネオペンチルエステル類、ペンタエリスリトールエステル類、シロキサン類、シリコーン類、フロロカーボン類、アルキル置換ジフェニルエーテル類、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、等の合成油も挙げられる。なお、前記石油系溶剤としては、エクソン社のアイソパー、日本石油社の日石ソルベント、等の混合溶剤が挙げられる。これらのオイル成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記オイル成分としては、インキの安全性を配慮すると、植物油が好ましい。該植物油のヨウ素価は、脂肪酸酸化による粘度上昇に起因したスクリーン又は版胴目詰まり防止の観点から、110〜150が好ましい。
前記植物油としては、エステル化植物油が、酸化防止剤の併用が不要なため、安全性、コストの面から更に好ましい。前記エステル化植物油のエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、複数組み合わせて使用してもよい。
なお、前記エステル化植物油は、エステル価が80〜260、融点が20℃未満、ヨウ素価が130以下程度が適当である。前記融点が20℃未満であれば、低温でのインキ保存後に、印刷に供しても、良好な印刷物が得られる。また、前記ヨウ素価が130を超えると、インキは乾燥しやすくなってしまう傾向がある。
これらエステル化植物油のインキヘの添加量は、インキ全質量の5〜35質量%とするのが好ましい。特に植物油が大豆油由来のものであって、インキ全体の6質量%以上が大豆油であるとすると、米国大豆協会の大豆油インキとしての認定を満たすので好ましい。
−その他成分−
油相には、必要に応じて、樹脂、ゲル化剤、酸化防止剤等が添加される。
−−樹脂−−
前記樹脂は、着色剤と被印刷物との固着、着色剤の分散及びインクの経時安定性向上等のために従来から添加されているバインダー樹脂である。
前記樹脂としては、例えば、ロジン;重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、水素化ロジンエステル、等のロジン系樹脂;ロジン変性フェノール樹脂等のロジン変性樹脂;フェノール樹脂;石油樹脂;アルキッド樹脂;ゴム誘導体;重合ひまし油;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂の添加量は、インク全質量の10質量%以下が好ましく、1〜7質量%がより好ましい。
−−ゲル化剤−−
前記ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化してインクの保存安定性、定着性、流動性等を向上させる機能を有する。
前記ゲル化剤としては、油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。このような化合物としては、Li、Na、K、Al、Ca、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr、等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマー、などが挙げられ、具体的には、オクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレート化合物、などが挙げられる。これらのゲル化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゲル化剤の添加量は、油相中の樹脂の15質量%以下が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。
−−酸化防止剤−−
前記酸化防止剤は、油相中のバインダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインク粘度の上昇等を防止する機能を有する。
前記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤の添加量は、インク中のオイル成分の2質量%以下が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。
[水相]
前記水相は、不飽和カルボン酸系水溶性ポリマー、塩基、チオスルファト銀イオン及びその誘導体の少なくともいずれか、水、その他成分を含有する。
ここでの不飽和カルボン酸系水溶性ポリマー、塩基、チオスルファト銀イオン及びその誘導体の少なくともいずれか、並びに水としては、前記水性インキについて説明したのと同様のものが挙げられ、またその添加量も同様である。
−その他成分−
前記水相には必要に応じて、ポリビニルピロリドン、着色剤、着色剤用分散剤、その他の水溶性高分子、O/W樹脂エマルション、凍結防止剤、保湿剤、キレート剤、界面活性剤、などが添加される。
ここで、着色剤及び着色剤用分散剤としては、これらが油相中に添加されていれば、前記水相中には添加されていてもいなくてもよい。また、その他の水溶性高分子、O/W樹脂エマルション、凍結防止剤、保湿剤、キレート剤としては、前記水性インキについて説明したのと同様のものが挙げられ、また、その添加量も同様である。
−−界面活性剤−−
前記界面活性剤は、乳化剤としての機能を有する。この乳化剤として機能させる観点からは、前記界面活性剤としては、非イオン界面活性剤を使用するのが好ましい。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、等が挙げられる。これらの中でも、安全性の面から植物油由来のものが特に好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤の添加量は、インク全質量の0.5〜10質量%が好ましく、1.0〜6質量%がより好ましい。
本発明のエマルションインクは、油相液及び水相液を調製し、この両者を公知の乳化機内で乳化させてインキとすればよい。具体的には、例えば、着色剤、着色剤用分散剤、水、不飽和カルボン酸系水溶性ポリマー、塩基、ポリビニルピロリドン、保湿剤、キレート剤、界面活性剤の他、その他の水溶性高分子等が必要に応じて添加されている水相を常法で調製し、着色剤、着色剤用分散剤、及び必要に応じて添加される樹脂等の添加物をよく分散させた油相を徐々に添加して乳化させればよい。なお、塩基による水相の増粘は水相液調製後、あるいは乳化後に行われる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(調製例1)
−チオスルファト銀ナトリウム塩の調製−
酢酸銀50質量部、亜硫酸ナトリウムと亜硫酸水素ナトリウムとの混合物220質量部、及びチオ硫酸ナトリウム・5水和物150質量部をイオン交換水に加えて40〜50℃で攪拌して溶解させ、チオスルファト銀ナトリウム水溶液を得た。
(調製例2)
−チオスルファト銀ナトリウムシリカゲル担持体の調製−
調製例1で得られたチオスルファト銀ナトリウム水溶液に乾燥させたシリカゲル粉末を混合した。その後、速やかに溶媒及び担体中に吸収された水分を除去し、所望の粒径に粉砕してシリカゲルに担持されたチオスルファト銀ナトリウムシリカゲル担持体を得た。
参考例1)
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
−−油相の調製−−
大豆油ブチルエステルに、カ−ボンブラックとアルミニウムキレートとを混合し、高速ディゾルバーにて周速10m/秒で30分攪拌した。
その後、ビ−ズミルLMZ2(アシザワ社製)にて、下記条件で分散処理を行い、以下の組成からなる油相を得た。
ジルコニア製ビーズ径;1.5mm
周速;10m/秒
流速;0.5L/分
〔油相液組成〕
着色剤;カーボンブラック(キャボット社製:商品名モーガルL)・・・5.0質量部
着色剤用分散剤;アルミニウムキレート(味の素ファインテクノ社製:商品名プレーンアクトALM)・・・0.5質量部
オイル成分;大豆油ブチルエステル・・・24.5質量部
−−水相液の調製−−
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン、不飽和カルボン酸系水溶性ポリマー、及びチオスルファト銀錯体をイオン交換水によく溶解させて、以下の組成からなる水相液を調製した。
そして、乳化機として日光ケミカルズ社製の乳化試験機ET−3A型を使用し、この中に水相液を仕込んで400r.p.mの速度で前記水相液を撹拌しながら、徐々に油相液を添加してエマルションを得た。乳化終了後に、トリエタノールアミンを、エマルションを攪拌しながら加え、増粘させて参考例1のO/Wエマルションインキとした。
〔水相液組成〕
水;イオン交換水・・・58.7質量部
界面活性剤;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(花王社製:商品名レオドールTW−O120)・・・5.0質量部
保湿剤;グリセリン・・・5.0質量部
不飽和カルボン酸系水溶性ポリマー(BFグッドリッチ社製:商品名カーボポール940)・・・0.5質量部
抗菌剤;チオスルファト銀ナトリウム塩・・・0.1質量部
塩基;トリエタノールアミン・・・0.7質量部
(実施例2、参考例3及び比較例1〜2)
参考例1と同様にして、下記表1に示される成分及び量(質量部)を用いて各例の孔版印刷用O/Wエマルションインキを作製した。
Figure 0004976813
表1中、チオスルファト銀ナトリウム塩は調製例1で、チオスルファト銀ナトリウムシリカゲル担持体は調製例2で、それぞれ得たものである。
<評価>
実施例2、参考例1、3及び比較例1〜2の孔版印刷用O/Wエマルションインキについて、以下の評価を行なった。結果を表3に示す。
1.インキパック口からの垂れ、及びインキローラ脇への垂れの評価
実施例2、参考例1、3及び比較例1〜2の孔版印刷用O/Wエマルションインキをインキパックに充填し、それぞれ以下のようにして、インキパック口からの垂れ、及びインキローラ脇への垂れの評価を行った。
(1)インキパック口からの垂れの評価
前記インキパックのキャップを開封し、30℃条件下で、インキ口を横にして静置し、インキがパック口から垂れるまでの時間を計測した。この時間に基づき、下記基準にて4段階評価を行なった。
−基準−
◎;24時間で垂れず
○;30分〜12時間
△;5〜30分
×;5分以内
(2)インキローラ脇への垂れの評価
インキを、評価1日前に30℃環境室に入れ、慣らした後、リコー社製印刷機JP5500を使用し、30℃条件下にて、印刷速度5速で10,000枚印刷し、インキローラ脇への垂れを観察した。該観察時のラインマーカ筆跡下の滲み状況に基づき、下記表2に示す基準にて4段階評価を行なった。
Figure 0004976813
2.保存安定性の評価
実施例2、参考例1、3及び比較例1〜2の孔版印刷用O/Wエマルションインキを、インキパックに充填した状態で、60℃恒温槽に1ヶ月保存し、その後、上記インキパック口からの垂れ、及びインキローラ脇への垂れの評価を行った。
3.画像上の定着性の評価
実施例2、参考例1、3及び比較例1〜2の孔版印刷用O/Wエマルションインキを用い、リコー社製印刷機JP5500にて、べた面積100cmを有する原稿で製版し、上質紙55K、30枚に印刷し、印刷画像の30枚目のべた部において、反射式光学濃度計(マクベス社製RD914)で、ベタ部9点のIDを測定し、その平均を擦り前の画像濃度とした。また、前記擦り前の画像濃度計測後、ID測定した画像面を、消しゴムを取り付けたクロックメータで10往復擦り、擦った後に同様にベタ部9点のIDを測定し、その平均を擦り後の画像濃度とした。前記擦り前の画像濃度及び前記擦り後の画像濃度より、下記式にて定着率(%)を算出し、この値を画像上の定着性の評価指標とした。なお、前記定着率の値は、数値が大きい程、前記画像上の定着性が優れることを意味する。
〔式〕
定着率(%)=(擦り後の画像濃度/擦り前の画像濃度)×100
Figure 0004976813
表3の結果から、実施例2、参考例1、3の孔版印刷用O/Wエマルションインキは、60℃で1ヶ月保存した後においても、インキパック口からの垂れ、及びインキローラ脇への垂れが少なく、保存安定性に優れ、かつ定着率が比較例1〜2の孔版印刷用O/Wエマルションインキよりも高く、画像上の定着性にも優れることが判った。特に、ポリビニルピロリドンを、固形分で0.5〜6.0質量%含む実施例2の孔版印刷用O/Wエマルションインキでは、画像上の定着性が極めて優れることが判った。
参考例4)
−孔版印刷用水性インキの調製−
−−分散体の形成−−
下記成分を混合し、参考例1の油相と同様に高速ディゾルパーとビーズミルとを用いて分散を行い、分散体を形成した。
着色剤;カーボンブラック(キャボット社製:商品名モーガルL)・・・5.0質量部
着色剤用分散剤;アニオン型ポリマー(日本油脂社製:商品名ポリスターOM)・・・3.0質量部
水;水道水・・・85.4質量部
保湿剤;グリセリン・・・5.0質量部
不飽和カルボン酸系水溶性ポリマー(BFグッドリッチ社製:商品名カーボポール940)・・・0.7質量部
抗菌剤;調製例1で得られたチオスルファト銀ナトリウム塩・・・0.1質量部
−−増粘工程−−
前記分散体を攪拌しながら、塩基としてのトリエタノールアミン0.8質量部を加え、参考例4の孔版印刷用水性インキを調製した。
(比較例3)
参考例3において、チオスルファト銀ナトリウム塩0.1質量部の代わりに、塩化銀0.1質量部を用いた以外は同様にして、比較例3の孔版印刷用水性インキを調製した。
<評価>
参考例4及び比較例3の孔版印刷用水性インキについて、前記孔版印刷用O/Wエマルションインキと同様の評価を行なった。結果を表4に示す。
Figure 0004976813
表4の結果から、参考例4の孔版印刷用水性インキは、60℃で1ヶ月保存した後においても、インキパック口からの垂れ、及びインキローラ脇への垂れが少なく、保存安定性に優れ、かつ定着率が比較例3の孔版印刷用水性インキよりも高く、画像上の定着性にも優れることが判った。
本発明の孔版印刷用インキは、経時におけるインキの安定性(保存安定性)、及び画像上の定着性に優れ、かつ環境安定性が高いので、例えば、輪転孔版印刷機による孔版印刷に好適に用いられる。

Claims (3)

  1. 水系成分中に、不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーと、塩基と、チオスルファト銀イオン及びその誘導体の少なくともいずれかと、ポリビニルピロリドンとを含んでなることを特徴とする孔版印刷用O/Wエマルションインキ。
  2. リビニルピロリドンを、固形分で0.5〜6.0質量%含む請求項1に記載の孔版印刷用O/Wエマルションインキ。
  3. チオスルファト銀イオンを、インキ中に含まれる水の1質量%以下含む請求項1から2のいずれかに記載の孔版印刷用O/Wエマルションインキ。
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