JP4976591B2 - 高周波加熱装置および高周波加熱方法 - Google Patents

高周波加熱装置および高周波加熱方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体素子で構成された高周波電力発生部を有する高周波電力発生ユニットを複数備える高周波加熱装置および高周波加熱方法に関する。
従来の高周波加熱装置は、高周波電力発生部がマグネトロンという真空管で構成されているものが一般的である。
近年、このマグネトロンに代えて、窒化ガリウム(GaN)などの半導体素子を用いた高周波加熱装置の開発が進められている。このような高周波加熱装置の場合、小型で安価な構成で、かつ、容易に周波数を制御することができる。特許文献1では、複数の放射部から放射する高周波電力の位相差及び周波数を、逆流電力が最小となるように制御し、好ましい状態で被加熱物を加熱する技術を開示している。
特開2008−269793号公報
しかし、前記従来の構成では、最適化したい高周波電力の条件を、設定した範囲で個別に変化させ、全ての条件の組み合わせにおいて逆流電力を検出しなければならず、ユーザが被加熱物を加熱室内に置き使用開始ボタンを押してから最適加熱条件が決定されるまでに時間がかかってしまう。
本発明の目的は、上記従来の課題を解決するもので、高周波電力の照射効率を向上させるとともに最適加熱条件の決定にかかる時間を短縮できる高周波加熱装置を提供することを目的とする。また、高周波電力の照射効率を向上させるとともに、最適加熱条件の決定に係る時間を短縮できる高周波加熱方法を提供することも、本発明の目的である。
上記従来の課題を解決するため、本発明に係る高周波加熱装置は、被加熱物が収納される加熱室と、前記加熱室内に高周波電力を放射する複数の高周波電力発生ユニットと、前記複数の高周波電力発生ユニットを制御する制御部と、を備え、各々の前記複数の高周波電力発生ユニットは、前記制御部により設定された周波数の高周波電力を発生する高周波電力発生部と、前記高周波電力発生部により発生された高周波電力を前記加熱室内に放射する放射部と、前記加熱室内から前記放射部へ入射する逆流電力を検出する逆流電力検出部とを備え、前記逆流電力検出部は、前記制御部により各々の前記高周波電力発生部に設定された各周波数に基づいて、一の前記高周波電力発生ユニットの放射部から放射される高周波電力の一部が反射して当該一の前記高周波電力発生ユニットの放射部へ入力される反射による逆流電力と、他の前記高周波電力発生ユニットの放射部から放射される高周波電力の一部が前記一の前記高周波電力発生ユニットの放射部へ入力される通り抜けによる逆流電力とをそれぞれ個別に検出し、前記制御部は、各々の前記高周波電力発生部に複数の組み合わせの各周波数を順次設定し、設定した各周波数の組み合わせごとに検出された、前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とに基づいて、前記被加熱物を加熱する際の各々の前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記高周波電力発生部に設定する各周波数の組み合わせを決定し、各々の前記複数の高周波電力発生ユニットは、決定された各周波数の高周波電力を前記加熱室内に放射することにより前記被加熱物を加熱する。
これにより、照射効率が良好となるための各高周波電力発生部に発生させる周波数の組み合わせを非常に短時間で決定できる。
好適な実施形態においては、さらに、前記制御部は、前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記高周波電力発生部に設定可能な各周波数の全ての組み合わせのうち一部の組み合わせを順次設定し、設定した前記一部の組み合わせごとに前記逆流電力検出部で検出された前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを計算し、計算結果を用いて、前記設定可能な各周波数の全ての組み合わせのうち他の組み合わせを順次設定した場合に、当該他の組み合わせごとに前記逆流電力検出部で検出される前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを推定し、前記一部の組み合わせごとの算出結果と、前記他の組み合わせごとの推定結果とから、前記被加熱物を加熱する際の、複数の前記高周波電力発生部に設定する各周波数の組み合わせを前記全ての組み合わせのうちのいずれか1つに決定してもよい。
これにより、各高周波電力発生部に発生させる周波数の設定可能な組み合わせ全てについて実測することなく、当該設定可能な組み合わせ全てを設定した場合の照射効率を計算により求めることができる。つまり、最低限の実測値から、設定可能な周波数の組み合わせの残りの照射効率を推定できるので、最適な照射効率を得ることのできる周波数の組み合わせを短時間で決定できる。例えば、制御部は、設定可能な周波数の全ての組み合わせのうち、複数の高周波電力発生ユニットのそれぞれで検出された反射による逆流電力および通り抜けによる逆流電力の合計が最小となる周波数の組み合わせを、被加熱物を加熱する際の周波数の組み合わせとして、短時間で決定できる。
好適な実施形態においては、さらに、前記逆流電力検出部は、直交検波部を有し、当該直交検波部は、前記放射部へ入射した前記逆流電力を前記高周波電力発生部で発生された高周波電力を用いて直交検波することにより得られる同相検波信号と直交検波信号とを制御部へ出力し、前記制御部は、前記同相検波信号と前記直交検波信号とを用いて、前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを計算してもよい。
これにより、制御部は、各高周波電力発生ユニットへ入射する、反射による逆流電力の振幅および位相と、通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを、正確に計算できる。
好適な実施形態においては、さらに、各々の前記複数の高周波電力発生ユニットは、前記高周波電力発生部で発生された高周波電力を増幅し、かつ当該増幅の利得が可変である高周波電力増幅部をさらに備え、前記制御部は、さらに、前記高周波電力増幅部における増幅利得を設定してもよい。
好適な実施形態においては、さらに、前記制御部は、一の前記高周波電力発生ユニットにおける逆流電力検出部が、他の前記高周波電力発生ユニットからの前記通り抜けによる逆流電力を検出する際に、当該一の前記高周波電力発生ユニットの高周波電力発生部の周波数を、当該他の前記高周波電力発生ユニットの高周波電力発生部の周波数と同一の周波数に設定し、かつ、当該他の前記高周波電力発生ユニットからの前記通り抜けによる逆流電力の振幅に比べて、当該一の前記高周波電力発生ユニットにおける前記反射による逆流電力の振幅が小さくなるように、前記高周波電力増幅部の各増幅利得を設定してもよい。
好適な実施形態においては、さらに、前記制御部は、一の前記高周波電力発生ユニットにおける逆流電力検出部が、前記反射による逆流電力を検出する際に、当該一の前記高周波電力発生ユニットにおける前記反射による逆流電力の振幅に比べて、他の前記高周波電力発生ユニットからの前記通り抜けによる逆流電力の振幅が小さくなるように、前記高周波電力増幅部の各増幅利得を設定してもよい。
好適な実施形態においては、さらに、前記制御部は、前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記高周波電力発生部に設定する各周波数の組み合わせの決定を、前記被加熱物に対する加熱処理前にプレ・サーチ処理として実行する、および、前記被加熱物に対する加熱処理中に再サーチ処理として実行する、うちの少なくとも一方を実行し、前記プレ・サーチ処理または前記再サーチ処理の実行時に、各々の前記複数の高周波電力発生ユニットの前記放射部から放射される高周波電力が、加熱処理時に当該放射部から放射される高周波電力よりも小さい値となるように、各々の前記複数の高周波電力発生ユニットの前記高周波電力増幅部の各増幅利得を設定してもよい。
これにより、逆流電力が入射した場合の高周波加熱装置の破壊、特に半導体素子を含む高周波電力増幅部の破壊を防止できる。
好適な実施形態においては、さらに、前記制御部は、前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記高周波電力発生部に設定する各周波数の組み合わせの決定を、前記被加熱物に対する加熱処理前に、プレ・サーチ処理として実行してもよい。
これにより、被加熱物を最適な加熱条件で加熱できる。
好適な実施形態においては、さらに、前記制御部は、前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記高周波電力発生部に設定する各周波数の組み合わせの決定を、前記被加熱物に対する加熱処理中に、再サーチ処理として実行し、前記再サーチ処理で決定された新たな各周波数の組み合わせを前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記高周波電力発生部に設定してもよい。
これにより、加熱処理中に、被加熱物の温度や形状が変化した場合であっても、常に最適な加熱条件の下で加熱できる。
好適な実施形態においては、さらに、前記逆流電力検出部は、前記被加熱物に対する加熱処理中に前記逆流電力を検出し、前記制御部は、前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記逆流電力検出部の少なくとも1つで検出された前記逆流電力が所定の閾値を超えた場合に、前記再サーチ処理を実行してもよい。
好適な実施形態においては、さらに、設定された周波数の検波用の高周波電力を発生する少なくとも1つの検波電力発生部を備え、前記制御部は、さらに、前記少なくとも1つの検波電力発生部のそれぞれに、前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記高周波電力発生部に設定する各周波数とは異なる周波数である検波用の周波数を設定し、前記逆流電力検出部は、直交検波部を有し、当該直交検波部は、前記放射部へ入射した前記逆流電力を前記少なくとも1つの検波電力発生部で発生された前記検波用の高周波電力を用いて直交検波することにより得られる同相検波信号と直交検波信号とを制御部へ出力し、前記制御部は、前記同相検波信号と前記直交検波信号とを用いて、前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを計算してもよい。
これにより、反射による逆流電力および通り抜けによる逆流電力の検出の精度を向上できる、よって、より一層、最適な加熱条件で被加熱物を加熱できる。
好適な実施形態においては、さらに、前記少なくとも1つの検波電力発生部のそれぞれは、前記複数の高周波電力発生ユニットのそれぞれと1対1に対応してもよい。
本発明の高周波加熱方法は、加熱室に収納された被加熱物を複数の高周波電力発生ユニットから放射される高周波電力によって加熱する高周波加熱方法であって、各々の前記複数の高周波電力発生ユニットから放射される高周波電力の各周波数を設定する設定ステップと、各々の前記複数の高周波電力発生ユニットに設定された各周波数に基づいて、一の前記高周波電力発生ユニットから放射される高周波電力の一部が反射して当該一の前記高周波電力発生ユニットへ入力される反射による逆流電力の振幅および位相と、他の前記高周波電力発生ユニットから放射される高周波電力の一部が前記一の前記高周波電力発生ユニットへ入力される通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを検出する第1検出ステップと、各々の前記複数の高周波電力発生ユニットから放射される高周波電力の周波数を変更して設定する変更ステップと、前記変更ステップで設定された周波数に基づいて、前記反射による逆流電力の振幅および位相と、前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを検出する第2検出ステップと、前記第1検出ステップおよび前記第2検出ステップで検出された前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とに基づいて、前記被加熱物を加熱する際の、各々の前記複数の高周波ユニットから放射される高周波電力の各周波数の組み合わせを決定する決定ステップと、決定された各周波数の組み合わせの高周波電力を各々の前記複数の高周波電力発生ユニットから放射することにより、前記被加熱物を加熱する加熱ステップとを含む。
好適な実施形態において、さらに、前記決定ステップは、前記第1検出ステップおよび前記第2検出ステップで検出された前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを用いて、各々の前記複数の高周波電力発生ユニットから放射される高周波電力の各周波数として設定可能な各周波数の全ての組み合わせごとに前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを計算することで推測する推測ステップと、前記第1検出ステップおよび前記第2検出ステップで検出された前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相と、前記推測ステップで推測された前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とから、前記被加熱物を加熱する際の、各々の前記複数の高周波ユニットから放射される複数の高周波電力の各周波数の組み合わせを決定する組み合わせ決定ステップとを含んでもよい。
本発明は、高周波電力の照射効率を向上させるとともに最適加熱条件の決定にかかる時間を短縮できる高周波加熱装置および高周波加熱方法を提供できる。
図1は、第1の実施形態の高周波加熱装置の基本構成を示すブロック図である。 図2は、第1の実施形態の高周波加熱装置の基本的な制御手順を示すフローチャートである。 図3は、第1の実施形態の高周波電力発生ユニットの構成を示すブロック図である。 図4は、第1の実施形態の高周波加熱装置における反射電力を検出する制御手順を示すフローチャートである。 図5は、第1の実施形態の高周波加熱装置におけるスルー電力を検出する第1の制御手順を示すフローチャートである。 図6は、第1の実施形態の高周波加熱装置におけるスルー電力検出の第2の制御手順を示すフローチャートである。 図7は、第1の実施形態の高周波加熱装置のプレ・サーチ処理の制御手順を示すフローチャートである。 図8は、各周波数における各高周波電力発生ユニットの反射電力および各高周波電力発生ユニット間におけるスルー電力の振幅および位相を示すマトリクスの一例である。 図9は、ベクトル合成を利用した照射ロスの計算について説明するための図である。 図10は、第1の実施形態の高周波加熱装置の再サーチ処理の制御手順を示すフローチャートである。 図11は、第2の実施形態に係る高周波加熱装置の基本構成を示すブロック図である。 図12は、第2の実施形態の高周波電力発生ユニットの構成を示すブロック図である。 図13は、高周波加熱装置の外観図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の高周波加熱装置の構成を示すブロック図である。
高周波加熱装置100は、第1の高周波電力発生ユニット101aと、第2の高周波電力発生ユニット101bと、第3の高周波電力発生ユニット101cと、制御部150とを備えている。なお、以下、第1の高周波電力発生ユニット101aと、第2の高周波電力発生ユニット101bと、第3の高周波電力発生ユニット101cとを、それぞれ、高周波電力発生ユニット101a、高周波電力発生ユニット101b、高周波電力発生ユニット101cと記載する場合がある。なお、高周波加熱装置100は、さらに、被加熱物が収納される加熱室を備える。
高周波電力発生ユニット101a、101b、101cは、それぞれ、高周波電力発生部102a、102b、102cと、高周波電力増幅部103a、103b、103cと、放射部105a、105b、105cと、逆流電力検出部108a、108b、108c、および分配部107a、107b、107cとを備えている。逆流電力検出部108a、108b、108cは、それぞれ方向性結合部104a、104b、104cと、直交検波部106a、106b、106cとからなる。
高周波電力発生部102a、102b、102cのそれぞれ、分配部107a、107b、107cのそれぞれ、高周波電力増幅部103a、103b、103cのそれぞれ、方向性結合部104a、104b、104cのそれぞれおよび放射部105a、105b、105cのそれぞれは、この順序で直列に接続されている。直交検波部106a、106b、106cのそれぞれは、対応する分配部107a、107b、107cおよび対応する方向性結合部104a、104b、104cに接続されている。
高周波電力発生部102a、102b、102cのそれぞれは、制御部150から出力される周波数制御信号111a、111b、111cにより示される周波数の高周波電力を発生する、周波数可変の電力発生部である。
高周波電力発生部102a、102b、102cのそれぞれで発生された高周波電力は、対応する分配部107a、107b、107cを介して、対応する高周波電力増幅部103a、103b、103cへ入力される。高周波電力増幅部103a、103b、103cのそれぞれに入力された高周波電力は、対象物の加熱処理に適した電力に増幅され、対応する方向性結合部104a、104b、104cを介して、対応する放射部105a、105b、105cより対象物に照射される。
分配部107a、107b、107cのそれぞれは、対応する高周波電力発生部102a、102b、102cから入力された高周波電力を、対応する高周波電力増幅部103a、103b、103cへ入力される高周波電力と、対応する直交検波部106a、106b、106cへ入力される高周波電力とに分配する。
方向性結合部104a、104b、104cのそれぞれは、対応する放射部105a、105b、105cからの逆流電力を分波し、対応する直交検波部106a、106b、106cへ出力する。
直交検波部106a、106b、106cのそれぞれは、対応する方向性結合部104a、104b、104cから入力された対応する放射部105a、105b、105cからの逆流電力の分波電力を、対応する分配部107a、107b、107cで分配された、対応する高周波電力発生部102a、102b、102cで発生された高周波電力の一部を用いて直交検波することにより、対応する同相検波信号113a、113b、113cおよび対応する直交検波信号114a、114b、114cを生成し、生成した対応する同相検波信号113a、113b、113cおよび対応する直交検波信号114a、114b、114cを制御部150へそれぞれ出力する。
制御部150は、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの、直交検波部106a、106b、106cから入力された、同相検波信号113a、113b、113cおよび直交検波信号114a、114b、114cを用いて、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける放射部105a、105b、105cからの逆流電力の振幅と位相とを検出する。振幅は、同相検波信号113a、113b、113cと直交検波信号114a、114b、114cとの2乗平均から算出でき、位相は、直交検波信号114a、114b、114cを同相検波信号113a、113b、113cで割った値のアークタンジェント(tan −1 )から算出できる。
更に制御部150は、高周波電力発生部102a、102b、102cおよび高周波電力増幅部103a、103b、103cにそれぞれ接続されている。制御部150は、それぞれの高周波電力発生部102a、102b、102cに個別の周波数制御信号111a、111b、111cを出力し、それぞれの高周波電力増幅部103a、103b、103cに個別の増幅利得制御信号112a、112b、112cを出力する。
それぞれの高周波電力発生部102a、102b、102cは、制御部150から入力された個別の周波数制御信号111a、111b、111cに応じて周波数を変化させる。それぞれの高周波電力増幅部103a、103b、103cは、制御部150から入力された個別の増幅利得制御信号112a、112b、112cに応じて増幅利得を変化させる。
図2は、図1の高周波加熱装置100の基本的な制御手順を示すフローチャート図である。図1の高周波加熱装置100は、制御部150において、以下の処理を行う。
最初に、制御部150は、各高周波電力発生ユニット101a、101b、101cに於ける周波数ごとの反射電力およびスルー電力を個別に検出する(ステップS201)。具体的には、制御部150は、高周波電力発生部102a、102b、102cの個々の周波数および高周波電力増幅部103a、103b、103cの増幅利得を制御(設定)する。周波数および増幅利得を制御することによって、直交検波部106a、106b、106cからそれぞれ出力される逆流電力の検波出力信号(同相検波信号113a、113b、113cおよび直交検波信号114a、114b、114c)を取込むことにより、高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける反射電力の振幅と位相およびスルー電力の振幅と位相を個別に検出する。言い換えると、制御部150は、周波数制御信号111a、111b、111cを順次更新することにより、高周波電力発生部102a、102b、102cに複数の周波数を順次発生させる。つまり、高周波電力発生部102a、102b、102cは、時間的に周波数を切り替えながら、高周波電力を生成する。また、周波数を変更する毎に、実際に高周波電力を放射させた場合の、各高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける反射電力およびスルー電力の振幅と位相を検出する。なお、反射電力とスルー電力の詳細な検出方法は後述する。
ここで、「反射電力」とは、一の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの放射部105a、105b、105cから放射される高周波電力の一部が反射して、当該一の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの放射部105a、105b、105cへ入力される反射による逆流電力のことをいう。「スルー電力」とは、他の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの放射部105a、105b、105cから放射される高周波電力の一部が、一の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの放射部105a、105b、105cへ入力される通り抜けによる逆流電力のことをいう。
なお、反射電力およびスルー電力は、高周波電力を放射する放射部105a、105b、105cと、受信する放射部105a、105b、105cとの相互関係によってのみ定まり、放射された高周波電力がいかなる経路を通るかは影響しない。つまり、例えば第2の高周波電力発生ユニット101bから第1の高周波電力発生ユニット101aへのスルー電力は、第2の高周波電力発生ユニット101bから放射部105bを介して放射された高周波電力のうち、放射部105aに直接到達した高周波電力、加熱室および被加熱物で反射されて放射部105aに到達した高周波電力、および、被加熱物を透過して放射部105aに到達した高周波電力などが含まれる。
以降、「反射電力」と「反射による逆流電力」、「スルー電力」と「通り抜けによる逆流電力」は同じ電力を示すものとして説明する。
次に、検出された周波数ごとの反射電力及びスルー電力の振幅及び位相に基づき、照射効率が最良となる周波数の組み合わせを決定する(ステップS202)。具体的には、個々の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの反射電力およびスルー電力の実測した振幅情報または位相情報に基づいて、最も照射効率が高くなる各高周波電力発生ユニット101a、101b、101の周波数の値と増幅利得を計算して決定する。
言い換えると、周波数ごとの反射電力およびスルー電力を個別に検出する処理(ステップS201)では、複数の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける複数の高周波電力発生部102a、102b、102cに設定可能な周波数の全ての組み合わせのうち一部の組み合わせを順次設定し、設定した一部の組み合わせごとに検出された反射電力の振幅および位相とスルー電力の振幅および位相とを計算する。そして、照射効率が最良となる周波数の組み合わせを決定する処理(ステップS202)では、ステップS201での計算結果を用いて、設定可能な周波数の全ての組み合わせのうち他の組み合わせを順次設定した場合に、当該他の組み合わせごとに検出される反射電力の振幅および位相とスルー電力の振幅および位相とを推定する。さらに、ステップS202では、ステップS201で計算された一部の組み合わせごとの算出結果と、他の組み合わせごとの推定結果とから、被加熱物を加熱する際の、複数の高周波電力発生部102a、102b、102cに発生させる複数の高周波電力の周波数の組み合わせを全ての組み合わせのうちのいずれか1つに決定する。
また、ステップS202では、複数の高周波電力増幅部103a、103b、103cに設定する増幅利得の組み合わせも決定する。
なお、振幅と位相とに基づいた周波数の決定方法は、後述する。
続いて、決定されたそれぞれの周波数および増幅利得となるように、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの高周波電力発生部102a、102b、102cおよび高周波電力増幅部103a、103b、103cの個々の周波数および増幅利得を設定し、加熱処理を実行する(ステップS203)。
以上のように、本実施形態に係る高周波加熱装置100は、被加熱物が収納される加熱室と、加熱室に複数の高周波電力を放射する複数の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cと、複数の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cに、複数の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cが放射する複数の高周波電力の周波数の組み合わせを設定する制御部150とを備え、複数の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cのそれぞれは、制御部150により設定された周波数の高周波電力を発生する高周波電力発生部と、高周波電力発生部により発生された高周波電力を加熱室に放射する放射部と、放射部から放射された高周波電力の一部であって加熱室から放射部へ入射する逆流電力を検出する逆流電力検出部とを備え、逆流電力検出部は、制御部150により各々の高周波電力発生部に設定された周波数に基づいて、一の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの放射部から放射される高周波電力の一部が反射して当該一の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの放射部へ入力される反射による逆流電力と、他の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの放射部から放射される高周波電力の一部が一の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの放射部へ入力される通り抜けによる逆流電力とを検出し、制御部150は、各々の高周波電力発生部102a、102b、102cに複数の周波数を順次設定し、設定した周波数ごとに各々の逆流電力検出部により検出された、反射による逆流電力の振幅および位相と通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを計算し、計算結果に基づいて、被加熱物を加熱する際の複数の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける複数の高周波電力発生部102a、102b、102cに発生させる複数の高周波電力の周波数の組み合わせを決定し、複数の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cは、決定された周波数の組み合わせの複数の高周波電力を加熱室に放射することにより被加熱物を加熱する。
上述の高周波加熱装置100の構成によれば、高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数を実際に変化させて高周波電力を放射させた場合に、逆流電力検出部108a、108b、108cにおいて検出された同相検波信号113a、113b、113cと直交検波信号114a、114b、114cとから、高周波電力発生部102a、102b、102cのそれぞれにおける、周波数毎の反射による逆流電力の振幅および位相と通り抜けによる逆流電力の振幅および位相を検出する(求める)ことができる。この得られた周波数毎の反射による逆流電力の振幅と位相および通り抜けによる逆流電力の振幅と位相の値を用いて、各高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数を任意の組み合わせに設定し動作させたと仮定したときの照射ロスを計算して、最も高周波加熱装置100全体の照射効率が良い各高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数の組み合わせを決定することができる。すなわち、各高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数のすべての組み合わせにおいて実際に測定することなく、最低限の実測値から最適な照射効率を計算で求めることができるため、時間がかかる実測を少なくすることができる。これにより、ユーザが高周波加熱装置の加熱をスタートしてから実際に加熱が始まる前までの高効率の照射を見つけるための準備時間を短くすることができる。
なお、ここでいう照射効率とは、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの放射部105a、105b、105cから照射された高周波電力のうち、被加熱物に吸収される電力の比率を表すもので、具体的には、照射される電力の総和から照射ロスを差し引いた電力を、照射される電力の総和で割った値から得られる。また、照射ロスは、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの放射部105a、105b、105cから照射された高周波電力のうち、反射により照射した放射部105a、105b、105cへ戻ってくる電力(反射電力)、及び他の放射部105a、105b、105cに吸収されてしまう電力(スルー電力)を示す。すなわち、被加熱物に吸収されずに何れかの放射部105a、105b、105cに吸収されてしまう電力のことを示している。照射ロスの具体的な求め方については後述する。
図3は、第1の高周波電力発生ユニット101aの具体的な構成を示すブロック図である。図3において、図1に示す構成要素と同じ機能を有する構成要素には、同じ参照符号を付し、説明を省略する。
第1の高周波電力発生ユニット101aは、高周波電力発生部102aと、高周波電力増幅部103aと、方向性結合部104aと、放射部105aと、直交検波部106aおよび分配部107aとを備えている。
高周波電力発生部102a、分配部107a、高周波電力増幅部103a、方向性結合部104a及び放射部105aは、この順序で直列に接続されている。直交検波部106aは、分配部107aおよび方向性結合部104aに接続されている。
高周波電力発生部102aは、発振部301と、位相同期ループ302および増幅部303を有している。位相同期ループ302は、制御部150と接続されている。ここで、図3では、増幅部303は1つの電力増幅器で示されているが、高出力かつ大電力の出力電力を得るために、電力増幅器を複数設け、多段直列接続や並列的に合成して構成してもよい。
分配部107aは、高周波電力発生部102aで発生された高周波電力を2分配して、2分配した一方の高周波電力を高周波電力増幅部103aへ出力し、他方の高周波電力を直交検波部106aへ出力する。分配部107aとしては、抵抗分配器を用いてもよいし、方向性結合器、ハイブリッドカプラのいずれを用いてもよい。
高周波電力増幅部103aは、可変減衰器304と、高周波電力増幅器305とを有しており、可変減衰器304は、制御部150と接続されている。ここで、図3では、高周波電力増幅器305は1つだけ示されているが、高出力かつ大電力の出力電力を得るために、高周波電力増幅器305を複数設け、多段直列接続や並列的に合成して構成してもよい。
また、可変減衰器304の構成は周知である。例えば、複数ビットステップ可変型減衰器や、連続可変型減衰器を用いることができる。
複数ビットステップ可変型減衰器(例えば3ビットステップ可変型減衰器)は、デジタル制御に於いて用いられ、FETスイッチのON/OFFや経路切換えの組み合わせで、ステップ的に数段階の減衰量を制御する。減衰量は、外部から入力された減衰量を示す制御信号に基づいて決定される。
一方、連続可変型減衰器は、アナログ電圧制御に用いられ、例えば、PIN接合ダイオードを用いた連続可変型減衰器が知られている。PIN接合ダイオードの逆バイアス電圧を変化させることにより、両極間の高周波抵抗値を変化させて、連続的に減衰量を変化させる。減衰量は、外部から入力された減衰量を示す増幅利得制御信号112aに基づいて決定される。
また、可変減衰器304の代わりに、可変利得型増幅器を用いてもよい。この場合、増幅利得は、外部から入力された増幅利得を示す制御信号に基づいて決定される。
方向性結合部104aは、放射部105aから高周波電力増幅部103aに逆流する、逆方向電力の一部を分波するように構成されている。また、方向性結合部104aは周知である。方向性結合部104aとして、方向性結合器を用いてもよいし、サーキュレーターやハイブリッドカプラのいずれを用いてもよい。
直交検波部106aは、π/2移相器308と、同相検波ミキサー306および直交検波ミキサー307と、同相出力側低域通過フィルター309および直交出力側低域通過フィルター310とを有しており、同相出力側低域通過フィルター309および直交出力側低域通過フィルター310は、それぞれ、制御部150に接続されている。
発振部301および位相同期ループ302により発生された高周波電力は、増幅部303に入力される。増幅部303で増幅された高周波電力は、分配部107a、可変減衰器304を介して、高周波電力増幅器305に入力される。高周波電力増幅器305で増幅された高周波電力は、方向性結合部104aを介して、放射部105aより照射される。
分配部107aで分配された、高周波電力の一部は、直交検波部106aに入力される。直交検波部106aに入力された高周波電力は、π/2移相器308に入力され、入力された高周波電力に対して、同相の同相高周波電力と、π/2だけ位相シフトした直交高周波電力が出力され、同相高周波電力は同相検波ミキサー306へ、直交高周波電力は直交検波ミキサー307へそれぞれ入力される。ここで、図示はしていないが、直交検波部106aの検波特性の最適化のために、分配部107aと直交検波部106aとの間に、高周波電力増幅器や固定減衰器、更には低域通過フィルターを設けてもよい。
一方、方向性結合部104aで分波された逆流分波電力は、直交検波部106aに入力される。直交検波部106aに入力された逆流分波電力は、2分配され、それぞれ、同相検波ミキサー306及び直交検波ミキサー307へ入力される。ここで、図示はしていないが、直交検波部106aの検波特性の最適化のために、方向性結合部104aと直交検波部106aとの間に、高周波電力増幅器や固定減衰器、更には低域通過フィルターを設けてもよい。
同相検波ミキサー306は、逆流分波電力を、π/2移相器308から入力された同相高周波電力と積算することによる検波、即ち、逆流分波電力を同相高周波電力で同期検波し、2つの入力信号の乗算結果として、同相出力側低域通過フィルター309を介して、同相検波信号113aを制御部150へ出力する。同様に、直交検波ミキサー307は、逆流分波電力を、π/2移相器308から入力された直交高周波電力と積算することによる検波、即ち、逆流分波電力を直交高周波電力で同期検波し、2つの入力信号の乗算結果として、直交出力側低域通過フィルター310を介して、直交検波信号114aを制御部150へ出力する。
同相出力側低域通過フィルター309および直交出力側低域通過フィルター310は、隣接波電力の干渉を抑圧するために備えられる。従って、加熱処理に使用される予め定められた全ての周波数において、最小となる任意の2点の周波数差に相当する周波数成分を抑圧するように構成されている。
なお、図1における、第2の高周波電力発生ユニット101b及び第3の高周波電力発生ユニット101cも同様の構成である。つまり、高周波電力発生部102a、102b、102cは同じ構成を有し、分配部107a、107b、107cは同じ構成を有し、高周波電力増幅部103a、103b、103cは同じ構成を有し、方向性結合部104a、104b、104cは同じ構成を有し、直交検波部106a、106b、106cは同じ構成を有する。また、図1の高周波加熱装置100は、3つの高周波電力発生ユニットで構成されているが、高周波加熱装置100は、図1に示す高周波電力発生ユニットの数に限定されるものではない。
<反射電力の検出方法>
次に、高周波加熱装置100の反射電力の検出方法について説明する。
図4は、本実施形態に係る高周波加熱装置100の、反射電力を検出する制御手順を示すフローチャート図である。
高周波加熱装置100の制御部150は、以下の制御手順により、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの反射電力の検出を行う。
図4に示すように、反射電力を検出する制御の手順は、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cが、全て異なる周波数で動作している場合と、2個以上の高周波電力発生ユニットが同一の周波数で動作している場合とで異なる。つまり、制御部150は、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの周波数が異なるか否かを判断する(ステップS401)。
それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cが全て異なる周波数で動作している場合(ステップS401でYes)、制御部150は、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cからの、同相検波信号113a、113b、113cおよび直交検波信号114a、114b、114cを取込み、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける反射電力の振幅と位相とを検出する(ステップS402)。
なお、各直交検波部106a、106b、106cにおいて直交検波を行う場合は、検波する高周波電力の周波数を事前に知っておく必要がある。制御部150は、各高周波電力発生部102a、102b、103cの周波数を設定しているため、各高周波電力発生ユニット101a、101b、101cから放射される高周波電力の周波数の情報を有している。この周波数情報を用いることにより、各高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの反射電力の直交検波だけでなく、他の高周波電力発生ユニットからのスルー電力の直交検波もそれぞれの各直交検波部106a、106b、106cを使って可能となる。このように制御部150が各高周波電力発生ユニット101a、101b、101cから放射される高周波電力の周波数情報を持つことによって、反射電力の同相検波信号および直交検波信号を取り込むことができ、反射電力の振幅と位相とを検出することができる。なお、スルー電力の同相検波信号および直交検波信号を取りむときも同様である。
一方、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの周波数が異なっていない場合(ステップS401でNo)、言い換えると、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cのうち少なくとも2つの周波数が同じ場合、他の高周波電力発生ユニットと周波数が重複しない高周波電力発生ユニットと、他の高周波電力発生ユニットと周波数が重複する少なくとも2の高周波電力発生ユニットとについて、それぞれ手順が異なる。
2個以上の高周波電力発生ユニットが同一の周波数で動作している場合(例えば、第1の高周波電力発生ユニット101aが周波数Aで動作し、第2および第3の高周波電力発生ユニット101b、101cが周波数Bで動作している場合)、制御部150は、他の高周波電力発生ユニットと周波数が重複しない高周波電力発生ユニット(例えば、第1の高周波電力発生ユニット101a)については、その高周波電力発生ユニットの同相検波信号および直交検波信号を取込み、その高周波電力発生ユニットの反射電力の振幅と位相とを検出する(ステップS403)。
一方、他の高周波電力発生ユニットと周波数が重複する高周波電力発生ユニット(例えば、第2および第3の高周波電力発生ユニット101b、101c)については、制御部150は、反射電力を検出しようとする高周波電力発生ユニット(例えば、第2の高周波電力発生ユニット101b)以外の高周波電力発生ユニット(例えば、第3の高周波電力発生ユニット101c)の出力電力が、反射電力を検出しようとする高周波電力発生ユニットの反射電力の検出に影響を与えないレベルになるよう制御する(ステップS404)。具体的には、反射電力を検出しようとする高周波電力発生ユニット(例えば、第2の高周波電力発生ユニット101b)以外の高周波電力発生ユニット(例えば、第3の高周波電力発生ユニット101c)の高周波電力増幅部(例えば、高周波電力増幅部103c)の増幅利得を低く設定する。言い換えると、反射電力を検出しようとする高周波電力発生ユニット(例えば、第2の高周波電力発生ユニット101b)の反射電力の振幅に比べて、当該高周波電力発生ユニット以外から当該高周波電力発生ユニットへのスルー電力の振幅が小さくなるように、当該高周波電力発生ユニットの高周波電力増幅部の増幅利得を設定する。
反射電力を検出しようとする高周波電力発生ユニット以外の高周波電力発生ユニットの、高周波電力増幅部の増幅利得を設定した後、制御部150は、反射電力を検出しようとする高周波電力発生ユニットの同相検波信号および直交検波信号を取込み、その高周波電力発生ユニットの反射電力の振幅と位相とを検出する(ステップS405)。
制御部150は、以上の動作を、他の高周波電力発生ユニットと周波数が重複する高周波電力発生ユニット全てについて実行する。言い換えると、他の高周波電力発生ユニットと周波数が重複する全ての高周波電力発生ユニット(例えば、第2および第3の高周波電力発生ユニット101b、101c)を反射電力の検出対象として、上記の反射電力の検出が完了したか否かを判定する(ステップS406)。他の高周波電力発生ユニットと周波数が重複する高周波電力発生ユニット全てについて反射電力の検出が完了した場合(ステップS406でYes)、この反射電力の検出処理を終了する。一方、他の高周波電力発生ユニットと周波数が重複する高周波電力発生ユニットのいずれか1つでも反射電力の検出が完了していない場合(ステップS406でNo)、他の高周波電力発生ユニットと周波数が重複する別の高周波電力発生ユニット(例えば、第3の高周波電力発生ユニット101c)を検出対象として(ステップS407)、上記のステップS404に戻り、引き続き処理を行う。
このように、制御部150は、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける反射電力の振幅と位相とを検出する。
以上のように、本実施形態に係る高周波加熱装置100の反射電力検出方法では、制御部150は、一の高周波電力発生ユニット(例えば、第2の高周波電力発生ユニット101b)における逆流電力検出部が、反射電力を検出する際に、当該一の高周波電力発生ユニットにおける反射電力の振幅に比べて、他の高周波電力発生ユニット(例えば、第3の高周波電力発生ユニット101c)からのスルー電力の振幅が小さくなるように、高周波電力増幅部103a、103b、103cの増幅利得を設定する。
<スルー電力の検出方法>
次に、高周波加熱装置100のスルー電力の検出方法の一例について説明する。
図5は、本実施形態に係る高周波加熱装置100の、スルー電力検出の第1の制御手順を示すフローチャート図である。
高周波加熱装置100の制御部150は、以下の制御手順により、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101c間相互のスルー電力の検出を行う。
図5に示すように、制御部150は、まず、任意の1つの高周波電力発生ユニット(例えば、周波数Aで動作している、第1の高周波電力発生ユニット101a)のみ高周波電力を出力し、他の高周波電力発生ユニット(例えば、任意の周波数で動作している、第2および第3の高周波電力発生ユニット101b、101c)の出力電力を、各高周波電力発生ユニットにおける反射電力の検出レベルが充分に小さくなるように、それぞれの高周波電力発生ユニットの高周波電力増幅部の増幅利得を設定する(ステップS501)。
具体的には、制御部150は、当該1つの高周波電力発生ユニット(例えば、第1の高周波電力発生ユニット101a)以外の高周波電力発生ユニット(例えば、第2および第3の高周波電力発生ユニット101b、101c)の高周波電力増幅部103b、103cに、例えば、−30dBを指示することにより、可変減衰器304における減衰量を−30dBに設定する。これにより、当該1つの高周波電力発生ユニット以外の高周波電力発生ユニット(例えば、第2および第3の高周波電力発生ユニット101b、101c)における反射電力を、当該1つの高周波電力発生ユニットから当該1つの高周波電力発生ユニット以外の高周波電力発生ユニットへのスルー電力(例えば、第1の高周波電力発生ユニット101aから第2の高周波電力発生ユニット101bへのスルー電力および第1の高周波電力発生ユニット101aから第3の高周波電力発生ユニット101cへのスルー電力)の検出に影響を与えないレベルまで低減する。例えば、第2の高周波電力発生ユニット101bの減衰器151bの減衰量を−30dBと設定することにより、第2の高周波電力発生ユニット101bにおける反射電力を、第1の高周波電力発生ユニット101aから第2の高周波電力発生ユニット101bへのスルー電力の検出に影響を与えないレベルまで低減させる。
次に、制御部150は、高周波電力の出力レベルを小さくするように制御した、他の高周波電力発生ユニット(例えば、第2および第3の高周波電力発生ユニット101b、101c)の周波数を、高周波電力が出力されている1つの高周波電力発生ユニット(例えば、第1の高周波電力発生ユニット101a)と同じ周波数(例えば、周波数A)にするように、それぞれの高周波電力発生ユニット(例えば、第2および第3の高周波電力発生ユニット101b、101c)の高周波電力発生部の周波数を設定する(ステップS502)。
次に、制御部150は、他のそれぞれの高周波電力発生ユニット(例えば、第2および第3の高周波電力発生ユニット101b、101c)の同相検波信号および直交検波信号を取込み、高周波電力が出力されている1つの高周波電力発生ユニット(例えば、第1の高周波電力発生ユニット101a)から、他のそれぞれの高周波電力発生ユニット(例えば、第2および第3の高周波電力発生ユニット101b、101c)へのスルー電力(例えば、第1の高周波電力発生ユニット101aから第2の高周波電力発生ユニット101bへのスルー電力、および第1の高周波電力発生ユニット101aから第3の高周波電力発生ユニット101cへのスルー電力)の振幅と位相とを検出する(ステップS503)。
制御部150は、以上の動作を全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cについて完了したか否かを判定する(ステップS504)。言い換えると、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cからのスルー電力を検出したか否かを判定する。完了した場合(ステップS504でYes)、このスルー電力の検出処理を終了する。
一方、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cからのスルー電力の検出を完了していない場合(ステップS504でNo)、別の高周波電力発生ユニットからのスルー電力を検出対象として(ステップS505)、上記のステップS501に戻り、引き続き処理を行う。
これを繰り返すことにより、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101c間における相互のスルー電力の振幅と位相とを検出する。
以上のように、本実施形態に係る高周波加熱装置100のスルー電力検出方法では、制御部150は、一の高周波電力発生ユニット(例えば、第2の高周波電力発生ユニット101b)における逆流電力検出部が、他の高周波電力発生ユニット(例えば、第1の高周波電力発生ユニット101a)からのスルー電力を検出する際に、当該一の高周波電力発生ユニットの高周波電力発生部の周波数を、当該他の高周波電力発生ユニットの高周波電力発生部の周波数と同一の周波数に設定し、かつ、当該他の高周波電力発生ユニットからのスルー電力の振幅に比べて、当該一の高周波電力発生ユニットにおける反射電力の振幅が小さくなるように、高周波電力増幅部103a、103b、103cの増幅利得を設定する。
なお、スルー電力の検出方法は上記手順に限らない。以下、高周波加熱装置100のスルー電力の検出方法の他の一例について説明する。
図6は、本実施形態に係る高周波加熱装置100の、スルー電力検出の第2の制御手順を示すフローチャート図である。
図6に示すように、制御部150は、まず、任意の1つの高周波電力発生ユニット(例えば、周波数Aで動作している、第1の高周波電力発生ユニット101a)のみ出力電力を、その高周波電力発生ユニットにおける反射電力の検出レベルが充分に小さくなるように、高周波電力増幅部の増幅利得を設定する(ステップS601)。
次に制御部150は、1つの高周波電力発生ユニット(例えば、第1の高周波電力発生ユニット101a)の周波数を、他の高周波電力発生ユニット(例えば、周波数Bで動作している第2の高周波電力発生ユニット101bおよび周波数Cで動作している第3の高周波電力発生ユニット101c)の内のいずれか1つの高周波電力発生ユニット(例えば、第2の高周波電力発生ユニット101b)が動作している周波数(例えば、周波数B)と同じ周波数になるように、1つの高周波電力発生ユニット(例えば、第1の高周波電力発生ユニット101a)の高周波電力発生部の周波数を制御(設定)する(ステップS602)。
次に制御部150は、出力電力が小さくなるように制御した、1つの高周波電力発生ユニット(例えば、第1の高周波電力発生ユニット101a)の同相検波信号および直交検波信号を取込み、同じ周波数で動作している、他の1つの高周波電力発生ユニット(例えば、第2の高周波電力発生ユニット101b)から、出力電力が小さくなるように制御した、1つの高周波電力発生ユニット(例えば、第1の高周波電力発生ユニット301a)へのスルー電力の振幅と位相とを検出する(S603)。
制御部150は、以上の動作を1つの高周波電力発生ユニット(例えば、第1の高周波電力発生ユニット101a)以外の全ての高周波電力発生ユニット(例えば、第2の高周波電力発生ユニット101bおよび第3の高周波電力発生ユニット101c)について完了したか否かを判定する(ステップS604)。言い換えると、1つの高周波電力発生ユニット以外の全ての高周波電力発生ユニットから当該1つの高周波電力発生ユニットへのスルー電力を検出したか否かを判定する。検出していないと判定した場合(ステップS604でNo)、当該1つの高周波電力発生ユニットの周波数を、当該1つの高周波電力発生ユニット以外の全ての高周波電力発生ユニットのうち、別の1つの高周波電力発生ユニットの周波数と同一に設定し(ステップS605)、上記のステップS602に戻り、引き続き処理を行う。
これを繰り返すことにより、全ての他の高周波電力発生ユニット(例えば、第2の高周波電力発生ユニット101bおよび第3の高周波電力発生ユニット101c)から出力電力が小さくなるように制御した、1つの高周波電力発生ユニット(例えば、第1の高周波電力発生ユニット101a)へのスルー電力の振幅と位相とを検出する。
他の高周波電力発生ユニット全てから当該1つの高周波電力発生ユニットへのスルー電力を検出した場合(ステップS604でYes)、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cに対するスルー電力の検出が完了したか否かを判定する(ステップS606)。
完了していないと判定した場合(ステップS606でNo)、別の高周波電力発生ユニットへのスルー電力を検出対象として(ステップS607)、上記のステップS601に戻り、引き続き処理を行う。具体的には、次の任意の1つの高周波電力発生ユニット(例えば、周波数Bで動作している、第2の高周波電力発生ユニット101b)のみ出力電力を、その高周波電力発生ユニットにおける反射電力の検出レベルが充分に小さくなるように、高周波電力増幅部の増幅利得を制御する(ステップS601)して、同様に、全ての高周波電力発生ユニット間の相互スルー電力の振幅と位相とを検出する(ステップS603)。
一方、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cに対するスルー電力の検出が完了したと判定した場合(ステップS606でYes)、このスルー電力の検出処理を終了する。これにより、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101c間における相互のスルー電力の振幅と位相とが検出される。
以上のように、第2の制御手順によるスルー電力の振幅と位相との検出方法は、第1の制御手順によるスルー電力の振幅と位相との検出方法と比較して、スルー電力を検出する高周波電力発生ユニットの周波数を順次更新していく点が異なる。
<プレ・サーチ処理>
次に、上述した反射電力の検出方法およびスルー電力の検出方法を用いて、被加熱物を加熱する際の高周波電力発生部102a、102b、102cに発生させる高周波電力の周波数の組み合わせを決定する処理について、詳細に説明する。この処理は、図2に示した各ステップのうち、ステップS201およびS202に相当する。
図7は、本実施形態に係る高周波加熱装置100の、加熱処理前における最適加熱条件の決定処理(プレ・サーチ処理)の制御手順を示すフローチャートである。
高周波加熱装置100の制御部150は、加熱処理前に、以下の制御手順により、プレ・サーチ処理を行う。
図7に示すように、まず、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの周波数を、予め定められたプレ・サーチ用初期周波数(例えば、第1の高周波電力発生ユニットは周波数A0、第2の高周波電力発生ユニットは周波数B0、第3の高周波電力発生ユニットは周波数C0)にするように、それぞれの高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数を設定する(ステップS701)。
次に、前述した、反射電力検出の制御手順により、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける、反射電力の振幅と位相とを検出する(ステップ702)。
その後、プレ・サーチ処理において予め定められている全ての周波数において、反射電力の振幅および位相が検出されたか否かを判定する(ステップS703)。全ての周波数において反射電力の振幅および位相が検出されていない場合(ステップS703でNo)、言い換えると反射電力の振幅および位相が検出されていない周波数がある場合、それぞれの高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数を設定する(ステップS704)。
具体的には、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける、反射電力の検出が完了したら、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの周波数を、プレ・サーチ用に予め定められた次の周波数(例えば、第1の高周波電力発生ユニットは周波数A1、第2の高周波電力発生ユニットは周波数B1、第3の高周波電力発生ユニットは周波数C1)にするように、それぞれの高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数を設定して(ステップS704)、同様に、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける、反射電力の振幅と位相とを検出する(ステップS702)。
これを繰り返して、プレ・サーチ用に予め定められた全ての周波数での、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける、反射電力の振幅と位相とを検出する。
プレ・サーチ用に予め定められた全ての周波数での、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける、反射電力の振幅と位相との検出が完了した場合(ステップS703でYes)、続いて、前述したスルー電力検出の制御手順により、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101c間における、相互のスルー電力の振幅と位相とを検出する(ステップS705)。
その後、プレ・サーチ処理において予め定められている全ての周波数において、相互のスルー電力の振幅および位相が検出されたか否かを判定する(ステップS706)。全ての周波数においてスルー電力の振幅および位相が検出されていない場合(ステップS706でNo)、言い換えるとスルー電力の振幅および位相が検出されていない周波数がある場合、それぞれの高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数を設定する(ステップS707)。
具体的には、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101c間における、相互のスルー電力の検出が完了したら、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの周波数を、プレ・サーチ用に予め定められた次の周波数にするように、それぞれの高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数を設定して(ステップS707)、同様に、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101c間における、相互のスルー電力の振幅と位相とを検出する(ステップS705)。
これを繰り返して、プレ・サーチ用に予め定められた全ての周波数での、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101c間における、相互のスルー電力の振幅と位相を検出する。言い換えると、プレ・サーチ用に予め定められた全ての周波数での、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける、スルー電力の振幅と位相との検出が完了する。
なお、実際に加熱に使用する周波数が1MHzステップで決定される場合であっても、予めプレ・サーチ用に定める周波数を、たとえば、2MHzステップや5MHzステップなどに設定し、実測する周波数を間引きしてもよい。間引いた分は、実測値を用いて近似補間できる。
プレ・サーチ用に予め定められた全ての周波数において、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける反射電力の振幅と位相、および全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101c間における相互のスルー電力の振幅と位相との検出が完了する(ステップS706でYes)ことによって、各周波数での、各高周波電力発生ユニットの反射電力特性、及び各高周波電力発生ユニット間に於ける相互のスルー電力特性を、振幅と位相を用いて表現するマトリクスが得られる。
なお、プレ・サーチ処理の開始からここまでの処理(ステップS701〜ステップS707)は、図2における各高周波電力発生ユニットにおける周波数ごとの反射電力およびスルー電力を個別に検出する処理(ステップS201)に相当する。
次に、制御部150は、設定可能な全ての周波数の組み合わせを設定した場合の、高周波加熱装置100の照射効率を推定する(ステップS708)。ここで、設定可能な全ての周波数の組み合わせを設定した場合の、高周波加熱装置100の照射効率の推定方法について説明する。
図8は、各周波数における各高周波電力発生ユニットの反射電力および各高周波電力発生ユニット間におけるスルー電力の振幅および位相を示すマトリクスの一例である。
各高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの放射部105a、105b、105cを高周波電力の入出力ポートと考えると、このマトリクスは、増幅器やフィルターなどの高周波伝送素子の各ポートの反射特性及び各ポート間の伝送特性を表わすのに一般的に用いられるSパラメータに相当する。以降、前述したマトリクスを(高周波加熱装置100の)Sパラメータと称して説明する。
ここで、得られたSパラメータを用いて照射ロスを計算する方法の事例を、図8を用いて説明する。図8では、高周波電力発生ユニットを3つ用いた例(例えば、高周波電力発生ユニット101a、101b、101cをそれぞれ第1、2、3高周波電力発生ユニットと定義した場合の事例)である。図8は、プレ・サーチの周波数帯域を2400MHzから2500MHzまでと設定し、この周波数帯域を1MHz間隔でスイープして反射電力とスルー電力の振幅Mと位相θとを検出した結果の例である。Sパラメータの添字が同じ数字の列は、反射電力を示している。例えば、S11は第1高周波電力発生ユニットの反射電力を示す。Sパラメータの添字が異なる数字の列は、最後の数字の高周波電力発生ユニットから最初の数字の高周波電力発生ユニットへのスルー電力を示している。例えば、S12は、第2高周波電力発生ユニットから第1高周波電力発生ユニットへのスルー電力を示す。図8に示すように、各周波数をスイープさせて直交検波することによって、反射電力及びスルー電力の振幅Mと位相θとで表されるSパラメータが得られる。振幅Mと位相θとの添字は周波数とSパラメータを示し、例えば、周波数2402MHzのS31は、振幅がM2402、31、位相がθ2402、31で示される。
各高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの任意の周波数の組み合わせにおける照射ロスは、検出した振幅と位相とで表されるSパラメータを使って計算できる。例えば、高周波電力発生ユニット101aの照射ロスは、各高周波電力発生ユニット101a、101b、101cに設定された周波数におけるS11とS12とS13との和で計算できる。Sパラメータの和を計算するときは、周波数が異なる場合は振幅成分の和として計算でき、周波数が同じである場合は振幅成分と位相成分のベクトル合成によって計算することができる。ここで、Sパラメータの和の大きさが小さいほど、照射ロスが小さいことを意味する。以下、照射ロスは、Sパラメータの和の大きさと同義として説明する。
次に、第1の高周波電力発生ユニット101aの反射電力S11の振幅をM11、位相をθ11、第2の高周波電力発生ユニット101bから第1の高周波電力発生ユニット101aへのスルー電力S12の振幅をM12、位相をθ12とし、第3の高周波電力発生ユニット101cから第1の高周波電力発生ユニット101aへのスルー電力S13の振幅をM13、位相をθ13とした場合の、高周波加熱装置100全体の照射ロスの求め方について説明する。
(i)各高周波電力発生ユニット101a、101b、101cに設定された周波数が全て異なる場合
各高周波電力発生ユニット101a、101b、101cに設定された周波数が全て異なる場合、第1の高周波電力発生ユニット101aにおける照射ロス|S11+S12+S13|は、次の式1−1で表される。
|S11+S12+S13|=M11+M12+M13・・・・・・(式1−1)
第2の高周波電力発生ユニット101bの照射ロス|S21+S22+S23|および第3の高周波電力発生ユニット101cの照射ロス|S31+S32+S33|も、式1−1と同様に、それぞれ次の式1−2および式1−3で表される。
なお、第1の高周波電力発生ユニット101aから第2の高周波電力発生ユニット101bへのスルー電力S21の振幅をM21、位相をθ21、第2の高周波電力発生ユニット101bの反射電力S22の振幅をM22、位相をθ22とし、第3の高周波電力発生ユニット101cから第2の高周波電力発生ユニット101bへのスルー電力S23の振幅をM23、位相をθ23とする。また、第1の高周波電力発生ユニット101aから第3の高周波電力発生ユニット101cへのスルー電力S31の振幅をM31、位相をθ31、第2の高周波電力発生ユニット101bから第3の高周波電力発生ユニット101cへのスルー電力S32の振幅をM32、位相をθ32とし、第3の高周波電力発生ユニット101cの反射電力S33の振幅をM33、位相をθ33とする。
|S21+S22+S23|=M21+M22+M23・・・・・・(式1−2)
|S31+S32+S33|=M31+M32+M33・・・・・・(式1−3)
これら式1−1〜式1−3で示された全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの照射ロスの合計が、その周波数の組み合わせにおける、高周波加熱装置100全体の照射ロスとなる。
(ii)各高周波電力発生ユニット101a、101b、101cに設定された周波数が全て同じ場合
各高周波電力発生ユニット101a、101b、101cに設定された周波数が全て同じ場合、第1の高周波電力発生ユニット101aにおける照射ロス|S11+S12+S13|は、次の式2−1で表される。
Figure 0004976591
第2の高周波電力発生ユニット101bの照射ロス|S21+S22+S23|および第3の高周波電力発生ユニット101cの照射ロス|S31+S32+S33|も、式1−1と同様に次の式2−2および式2−3で表される。
Figure 0004976591
Figure 0004976591
これら式2−1〜式2−3で示された全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの照射ロスの合計が、その周波数における、高周波加熱装置100全体の照射ロスとなる。
なお、これは、図9に示すようなベクトル合成によって説明される。
具体的には、IQ平面(同相−直交平面)に、第1の高周波電力発生ユニット101aへのスルー電力S11、S12、S13をプロットし、それらをベクトル合成することにより第1の高周波電力発生ユニット101aにおける照射ロスSUM1を算出する。同様に、他の高周波電力発生ユニットにおける照射ロス(第2の高周波電力発生ユニット101bにおける照射ロスSUM2および第3の高周波電力発生ユニット101cにおける照射ロスSUM3)についても算出する。そして、これらの照射ロスの絶対値の合計が、高周波加熱装置100全体の照射ロスとなる。
(iii)各高周波電力発生ユニット101a、101b、101cに設定された周波数のうち、いずれか2つの周波数が同じ場合
例えば、第1の高周波電力発生ユニット101aに設定された周波数と、第2の高周波電力発生ユニット101bに設定された周波数とが同じであり、第3の高周波電力発生ユニット101cに設定された周波数が異なる場合、第1の高周波電力発生ユニット101aにおける照射ロス|S11+S12+S13|は、次の式で表される。
Figure 0004976591
第2の高周波電力発生ユニット101bの照射ロス|S21+S22+S23|および第3の高周波電力発生ユニット101cの照射ロス|S31+S32+S33|も、式3−1と同様に次の式3−2〜式3−3で表される。
Figure 0004976591
Figure 0004976591
これら式3−1〜式3−3で示された全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの照射ロスの合計が、その周波数における、高周波加熱装置100全体の照射ロスとなる。つまり、周波数が同じ高周波電力発生ユニット間のスルー電力はベクトル合成で表すことができ、周波数が異なる高周波電力発生ユニット間のスルー電力は振幅の合計で表すことができる。
以上の式1−1〜1−3、式2−1〜式2−3および式3−1〜式3−3で示された照射ロスから、制御部150は、設定可能な全ての周波数の組み合わせを設定した場合の高周波加熱装置100の照射効率を推定する処理(ステップS708)において、高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数を任意の組み合わせに設定し動作させたと仮定したときの照射ロスを計算し、計算した照射ロスから照射効率を求める。
次に、最も高周波加熱装置100全体の照射効率が良い各高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数の組み合わせを決定する(ステップS709)。
なお、設定可能な全ての周波数の組み合わせを設定した場合の高周波加熱装置100の照射効率を推定する処理(ステップS708)および最も高周波加熱装置100全体の照射効率が良い各高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数の組み合わせを決定する処理(ステップS709)は、図2における照射効率が最良となる周波数の組み合わせを決定する処理(ステップS202)に相当する。
その後、高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの周波数を決定した周波数の組み合わせに設定する(ステップS710)。
なお、制御部150はさらに、高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの出力電力を決定してもよい。出力電力の決定は、たとえば以下のように行う。
上述の方法で周波数の組み合わせを決定する処理(ステップS709)において周波数が決定されると、予め測定・記憶させた増幅器の耐電圧の周波数特性から、その周波数に対する増幅器の耐電圧を読み出す。増幅器を構成するソース・ドレイン間電圧のピークレベルが逆流電力によって上昇した場合でも、読み出した耐電圧を超えないように、出力電力を制御し決定する。
続いて、決定した周波数および出力電力にするように、高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数、および高周波電力増幅部103a、103b、103cの増幅利得をそれぞれ制御する。
以上のように、制御部150は、複数の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける複数の高周波電力発生部102a、102b、102cに発生させる複数の高周波電力の周波数の組み合わせの決定を、被加熱物に対する加熱処理前に、プレ・サーチ処理として実行する。これにより、被加熱物を最適な加熱条件で加熱できる。
また、本処理は、設定周波数において各高周波電力発生ユニットにおける反射電力及びスルー電力を個別に検出した振幅と位相との結果を用いて、各高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数を任意の組み合わせに設定し動作させたと仮定したときの照射ロスを計算して、最もシステム(高周波加熱装置100)全体の照射効率が良い各高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数の値を決定することができる。これにより、各高周波電力発生部102a、102b、102cの全ての周波数の組み合わせを実測した場合と比較すると、上述の例の通りに、大幅な時間短縮が図れる。したがって、ユーザが高周波加熱装置100の使用開始ボタンを押して実際に本加熱処理を行う前に、最適な加熱の周波数条件を決定するプレ・サーチ処理を短時間に行うことができる。
例えば、2.4GHzから2.5GHzまでの周波数帯域を101ポイントに分けて3つの高周波電力発生ユニットで測定した場合を考える。現在、周波数1ポイントを測定するためには約0.1m秒が必要であり、すべての組み合わせである101回の実測を完了するには約100秒が必要となる。すなわち、各高周波電力発生ユニットのすべての周波数の組み合わせを実測した場合、ユーザが加熱を開始する前に約100秒もの時間を要することになる。
これに対し、本実施形態の構成では、2.4GHzから2.5GHzまでの周波数帯域の101ポイントについて、各高周波電力発生ユニットで反射電力とスルー電力との同相検波信号と直交検波信号とを実測して振幅と位相とを計算するのみなので、303ポイントの実測にかかる時間30ms程度で、周波数毎の反射による逆流電力の振幅および位相と通り抜けによる逆流電力の振幅および位相を得ることができる。この303ポイントの振幅と位相とから表されるSパラメータが得られた後は、実測よりも遙かに早い制御部150による計算によって、最適な照射効率が実現できる各高周波電力発生ユニットの周波数を決定すれば良く、ユーザの加熱準備時間として一般的に許容されている1秒以下の加熱までの準備時間を十分に実現できる。
言い換えると、制御部150は、複数の高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける複数の高周波電力発生部102a、102b、102cに設定可能な周波数の全ての組み合わせのうち一部の組み合わせを順次設定し、設定した一部の組み合わせごとに逆流電力検出部108a、108b、108cで検出された反射電力の振幅および位相とスルー電力の振幅および位相とを計算し、計算結果を用いて、設定可能な周波数の全ての組み合わせのうち他の組み合わせを順次設定した場合に、当該他部の組み合わせごとに逆流電力検出部108a、108b、108cで検出される反射電力の振幅および位相とスルー電力の振幅および位相とを推定し、一部の組み合わせごとの算出結果と、他の組み合わせごとの推定結果とから、被加熱物を加熱する際の、複数の高周波電力発生部102a、102b、102cに発生させる複数の高周波電力の周波数の組み合わせを全ての組み合わせのうちのいずれか1つに決定する。
これにより、複数の高周波電力発生部102a、102b、102cに設定可能な周波数の全ての組み合わせ(101通りの組み合わせ)を実測することなく、一部の組み合わせ(最大303通りの組み合わせ)のみを実測することにより、最適な照射効率が実現できる周波数の組み合わせを決定できる。
なお、本実施形態では、全ての反射電力の振幅と位相とを検出した後に、全てのスルー電力の振幅と位相とを検出するように説明しているが、全てのスルー電力の振幅と位相の検出を完了してから、全ての反射電力の振幅と位相とを検出しても良いし、反射電力の振幅と位相とスルー電力の振幅と位相とを交互に検出してもよい。また、スルー電力の振幅と位相とを検出している際に、高周波電力を出力している高周波電力発生ユニットについては、反射電力の振幅と位相とを同時に検出できるので、スルー電力の振幅と位相と反射電力の振幅と位相とを同時に検出してもよい。
<再サーチ処理>
次に、上述した反射電力の検出方法およびスルー電力の検出方法を用いて、被加熱物の加熱処理中の、高周波電力発生部102a、102b、102cに発生させる高周波電力の周波数の組み合わせを再度決定する処理について、詳細に説明する。この処理は、図2に示した各ステップのうち、ステップS201およびS202に相当する。つまり、プレ・サーチ処理では、ステップS201およびS202に相当する処理を、被加熱物の加熱前に実行したが、再サーチ処理では、ステップS201およびS202に相当する処理を、被加熱物の加熱処理中に実行する点が異なる。
図10は、本実施形態に係る高周波加熱装置100の、再サーチ処理の制御手順を示すフローチャートである。
高周波加熱装置100の制御部150は、加熱処理中に、以下の制御手順により、再サーチ処理を行う。
図10に示すように、まず、現在加熱処理に使用されている周波数および出力電力における、各高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける反射電力およびスルー電力の振幅と位相とを、前述した反射電力検出の制御手順およびスルー電力検出の制御手順により検出し、システム全体の現在の照射効率を算出する(ステップS801)。
次に、高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの周波数を、予め定められた再サーチ用周波数になるように、高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数を設定して(ステップS802)、前述した、反射電力検出の制御手順により、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける、反射電力の振幅と位相とを検出する(ステップS803)。
続いて、前述した、スルー電力の制御手順により、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101c間における、スルー電力の振幅と位相とを検出する(ステップS804)。
その後、再サーチ処理において予め定められている全ての周波数において、検出が完了したか否かを判定(ステップS805)する。完了していない場合(ステップS805でNo)、高周波電力発生部102a、102b、102cに発生させる高周波電力の周波数の組み合わせを、再サーチ用に定められた次の周波数の組み合わせに設定して(ステップS806)、上記ステップS803〜S804を繰り返す。
これを繰り返して、予め定められた全ての再サーチ用周波数で、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける、反射電力およびスルー電力の振幅と位相とを検出する。
なお、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cの周波数を、再サーチ周波数に設定してからここまでの処理(ステップS802〜ステップS806)は、図2における各高周波電力発生ユニットにおける周波数ごとの反射電力およびスルー電力を個別に検出する処理(ステップS201)に相当する。
全ての再サーチ用周波数で、全ての高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける、反射電力およびスルー電力の振幅と位相との検出が完了した場合(ステップS805でYes)、プレ・サーチ処理で説明した通りに、反射電力およびスルー電力の振幅と位相との情報基づいて、各高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数を任意の組み合わせに設定し動作させたと仮定したときの照射ロスを計算により推定する。つまり、照射効率を推定する(ステップS807)。なお、この照射効率を推定する処理(ステップS807)での処理内容は、図7に示した照射効率を推定する処理(ステップS708)と同様である。
次に、高周波加熱装置100全体の最良の照射効率の値を算出する(ステップS808)。
なお、設定可能な全ての周波数の組み合わせを設定した場合の高周波加熱装置100の照射効率を推定する処理(ステップS807)および最良の照射効率の値を算出する処理(ステップS808)は、図2における照射効率が最良となる周波数の組み合わせを決定する処理(ステップS202)に相当する。
そして、再サーチにより算出した最良の照射効率の値(ステップS808で算出された値)と、先に算出した現在の照射効率の値(ステップS801で算出された値)とを比較する。つまり、再サーチにより算出した最良の照射効率の値が、先に算出した現在の照射効率もよりも高いか否かを判定する(ステップS809)。
再サーチにより算出した最良の照射効率の値が、先に算出した現在の照射効率の値よりも良好な値となる場合(ステップS809でYes)、再サーチにより算出した最良の照射効率となる周波数の組み合わせになるように、高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数を設定する(ステップS810)。一方、先に算出した現在の照射効率の値が、再サーチにより算出した最良の照射効率の値よりも良好な値となる場合(ステップS809でNo)、再サーチを実行する前の元の周波数の組み合わせになるように、高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数を設定する(ステップS811)。
以上のように、本実施形態に係る高周波加熱装置100は、高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける複数の高周波電力発生部102a、102b、102cに発生させる複数の高周波電力の周波数の組み合わせの決定を、被加熱物に対する加熱処理中に、再サーチ処理として実行し、再サーチ処理で決定された新たな周波数の組み合わせを高周波電力発生ユニット101a、101b、101cにおける複数の高周波電力発生部102a、102b、102cに設定する。
これにより、本実施形態に係る高周波加熱装置100は、加熱処理中に被加熱物の温度や形状が変化することにより最適加熱条件が変化した場合でも、再サーチ処理により常に最適加熱条件の下に加熱できる。また、ステップS807において照射効率を算出する際、設定周波数において各高周波電力発生ユニットにおける反射電力及びスルー電力の振幅と位相とを個別に検出した結果を用いて、各高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数を任意の組み合わせに設定し動作させたと仮定したときの照射ロスを計算し、ステップ808において最も照射効率が良い各高周波電力発生部102a、102b、102cの周波数の組み合わせを決定することができる。これにより、各高周波電力発生部102a、102b、102cの全ての周波数の組み合わせを実測した場合と比較すると、上述の例の通りに、大幅な時間短縮が図れる。したがって、再サーチ処理を短時間に行うことができ、被加熱物の温度変化等によって再設定が必要な時間を含めた温め時間の延長を短くでき、ユーザの加熱の待ち時間を軽減できる。
なお、再サーチ処理の開始のタイミングは、加熱処理中に、常時もしくは定期的に、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cから、同相検波信号113a、113b、113cおよび直交検波信号114a、114b、114cを取込んで検出した反射電力の振幅と位相とから算出した電力値と、予め定められた閾値とを比較し、少なくとも1つ以上の高周波電力発生ユニットにおける反射電力の電力値が、その閾値を越えた場合に実行してもよい。
これにより、加熱処理中に被加熱物の温度や形状が変化することにより、反射電力およびスルー電力の大きさが変化した場合でも、予め閾値を定め、これを超えた場合に再サーチ処理を行うことにより、常に最適加熱条件の下で被加熱物を加熱できる。
なお、前述したプレ・サーチ処理および再サーチ処理を実行する際に、サーチ処理中に過大な反射電力やスルー電力による、高周波加熱装置、特に半導体素子を含んだ増幅器の故障を防ぐ為に、それぞれの高周波電力発生ユニット101a、101b、101cから出力する高周波電力の値を、本加熱の際の高周波電力の値よりも小さい値になるように、それぞれの高周波電力増幅部103a、103b、103cの増幅利得を設定してもよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施形態は、それぞれの高周波電力発生ユニットが、分配部のかわりに2つの高周波電力発生部を有する点で第1の実施形態と異なる。この構成により、2つの高周波電力発生部の周波数を適切に設定することにより、逆流電力検出部により検出する逆流電力の検出精度を向上させることができる。
以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ機能を有する構成要素には同じ参照符号を付し説明を省略する。また、第1の実施形態と同じ作用については説明を省略する。
図11は本発明の第2の実施形態に係る、高周波加熱装置200の基本構成を示すブロック図である。
高周波加熱装置200は、第1の高周波電力発生ユニット201aと、第2の高周波電力発生ユニット201bと、第3の高周波電力発生ユニット201cと、制御部250を備えている。なお、以下、第1の高周波電力発生ユニット201aと、第2の高周波電力発生ユニット201bと、第3の高周波電力発生ユニット201cとを、それぞれ、高周波電力発生ユニット201a、高周波電力発生ユニット201b、高周波電力発生ユニット201cと記載する場合がある。
高周波電力発生ユニット201a、201b、201cは、図1に示した高周波電力発生ユニット101a、101b、101cと比較して、分配部107a、107b、107cを備えず、検波電力発生部109a、109b、109cを備える。つまり、高周波電力発生ユニット201a、201b、201cは、それぞれ、高周波電力発生部102a、102b、102cと、高周波電力増幅部103a、103b、103cと、放射部105a、105b、105cと、逆流電力検出部108a、108b、108cと、検波電力発生部109a、109b、109cとを備えている。逆流電力検出部108a、108b、108cは、それぞれ方向性結合部104a、104b、104cと、直交検波部106a、106b、106cとからなる。
高周波電力発生部102a、102b、102c、高周波電力増幅部103a、103b、103c、方向性結合部104a、104b、104cおよび放射部105a、105b、105cは、この順序で直列に接続されている。直交検波部106a、106b、106cは、検波電力発生部109a、109b、109cおよび方向性結合部104a、104b、104cに接続されている。
高周波電力発生部102a、102b、102cで発生された高周波電力は、高周波電力増幅部103a、103b、103cで対象物の加熱処理に適した電力に増幅され、方向性結合部104a、104b、104cを介して、放射部105a、105b、105cより加熱室に放射される。
方向性結合部104a、104b、104cは、放射部105a、105b、105cからの逆流電力を分波し、直交検波部106a、106b、106cへ出力する。
直交検波部106a、106b、106cは、方向性結合部104a、104b、104cから入力された放射部105a、105b、105cからの逆流電力の分波電力を、検波電力発生部109a、109b、109cで発生された高周波電力を用いて直交検波し、同相検波信号113a、113b、113cおよび直交検波信号114a、114b、114cを制御部150へそれぞれ出力する。つまり、第1の実施形態において、直交検波部106a、106b、106cは、当該直交検波部が属する高周波電力発生ユニットの高周波電力発生部で発生された高周波電力を用いて直交検波していたが、第2の実施形態では、当該直交検波部が属する高周波電力発生ユニットの検波電力発生部で発生された高周波電力を用いて直交検波する。なお、検波電力発生部109a、109b、109cで発生された高周波電力は、本発明の検波用の高周波電力に相当する。
検波電力発生部109a、109b、109cのそれぞれは、制御部250から出力される検波周波数制御信号115a、115b、115cにより設定された周波数の高周波電力を発生する、周波数可変の電力発生部である。
制御部250は、それぞれの高周波電力発生ユニット201a、201b、201cの、直交検波部106a、106b、106cから入力された、同相検波信号113a、113b、113cおよび直交検波信号114a、114b、114cを用いて、それぞれの高周波電力発生ユニット201a、201b、201cにおける放射部105a、105b、105cからの逆流電力の振幅と位相とを検出する。振幅と位相の算出方法は、第1の実施形態と同様である。
この制御部250は、図1に示した制御部150と比較して、さらに、検波電力発生部109a、109b、109cのそれぞれに、当該検波電力発生部109a、109b、109cが発生する高周波電力の周波数を示す検波周波数制御信号115a、115b、115cを出力する。具体的には、制御部250は、高周波電力発生部102a、102b、102c、検波電力発生部109a、109b、109cおよび高周波電力増幅部103a、103b、103cにそれぞれ接続されている。制御部250は、高周波電力発生ユニット201a、201b、201cそれぞれの高周波電力発生部102a、102b、102cに個別の周波数制御信号111a、111b、111cを出力し、高周波電力発生ユニット201a、201b、201cそれぞれの検波電力発生部109a、109b、109cに個別の検波周波数制御信号115a、115b、115cを出力し、高周波電力発生ユニット201a、201b、201cそれぞれの高周波電力増幅部103a、103b、103cに個別の増幅利得制御信号112a、112b、112cを出力する。
その結果、高周波電力発生ユニット201a、201b、201cそれぞれの高周波電力発生部102a、102b、102cは、制御部250から入力された個別の周波数制御信号111a、111b、111cに応じて周波数を変化させ、高周波電力発生ユニット201a、201b、201cそれぞれの検波電力発生部109a、109b、109cは、制御部250から入力された個別の検波周波数制御信号115a、115b、115cに応じて周波数を変化させる。また、高周波電力発生ユニット201a、201b、201cそれぞれの高周波電力増幅部103a、103b、103cは、制御部250から入力された個別の増幅利得制御信号112a、112b、112cに応じて増幅利得を変化させる。
図12は、第1の高周波電力発生ユニット201aの具体的な構成を示すブロック図である。図12において、図3および図11に示す構成要素と同じ機能を有する構成要素には、同じ参照符号を付し、説明を省略する。
第1の高周波電力発生ユニット201aは、高周波電力発生部102aと、高周波電力増幅部103aと、方向性結合部104aと、放射部105aと、直交検波部106aおよび検波電力発生部109aとを備えている。高周波電力発生部102a、高周波電力増幅部103a、方向性結合部104a及び放射部105aは、この順序で直列に接続されている。直交検波部106aは、検波電力発生部109aおよび方向性結合部104aに接続されている。
高周波電力発生部102aの具体的な構成は、第1の実施形態で説明した図3に示す高周波電力発生部102aと同一である。
高周波電力増幅部103a、方向性結合部104aおよび直交検波部106aの具体的な構成は、第1の実施形態で説明した図3に示す高周波電力増幅部103a、方向性結合部104aおよび直交検波部106aと同一である。
発振部301および位相同期ループ302により発生された高周波電力は、増幅部303で増幅され、可変減衰器304を介して、高周波電力増幅器305に入力される。高周波電力増幅器305で増幅された高周波電力は、方向性結合部104aを介して、放射部105aより照射される。
検波電力発生部109aは、具体的には、発振部311、位相同期ループ312および増幅部313を有し、検波周波数制御信号115aにより指示される周波数の高周波電力を発生する。なお、発振部311は発振部301と同じ構成であり、位相同期ループ312は位相同期ループ302と同じ構成であり、増幅部313は増幅部303と同じ構成である。
発振部311および位相同期ループ312により発生された高周波電力は、増幅部313で増幅され、直交検波部106aに入力される。直交検波部106aにおける具体的な構成については、前述した第1の実施形態で説明した、図3における直交検波部106aの構成と同様である。
この構成によれば、直交検波部106aから出力される、同相検波信号113aおよび直交検波信号114aは、高周波電力発生部102aで発生される高周波電力の周波数と、検波電力発生部109aで発生される高周波電力の周波数との差の周波数成分を持つ信号がそれぞれ出力される。例えば、制御部250が、高周波電力発生部102aで発生される高周波電力の周波数と、検波電力発生部109aで発生される高周波電力の周波数との差が100kHzになるように、周波数制御信号111a、111b、111cおよび検波周波数制御信号115a、115b、115cにより高周波電力発生部102aおよび検波電力発生部109aの周波数を設定した場合、直交検波部106aから出力される同相検波信号113aおよび直交検波信号114aは、共に、100kHzの周波数成分を含む信号となる。
これにより、制御部250により検出される逆流電力の振幅および位相は、同相検波ミキサー306および直交検波ミキサー307で発生するDCオフセットの変動の影響を受け難くなる。言い換えると、同相検波信号113aおよび直交検波信号114aに重畳されるDCオフセットの変動の影響を、制御部250での信号処理により低減できる。よって、制御部250は、同相検波信号113aおよび直交検波信号114aを用いて、逆流電力の振幅および位相を算出する際の、算出精度をより向上させることができる。
図11における、第2の高周波電力発生ユニット201b及び第3の高周波電力発生ユニット201cも同様の構成である。また、図11の高周波加熱装置200は、3つの高周波電力発生ユニットで構成しているが、高周波電力発生ユニットの数に限定されるものではない。
以上のように、本実施形態に係る高周波加熱装置200は、第1の実施形態に係る高周波加熱装置100と比較して、それぞれの高周波電力発生ユニットが、分配部のかわりに2つの高周波電力発生部を有する点で異なる。具体的な動作としては、それぞれの高周波電力発生ユニット201a、201b、201cにおいて、高周波電力発生部102a、102b、102cで発生される高周波電力の周波数と、検波電力発生部109a、109b、109cで発生される高周波電力の周波数との差が、常に一定の周波数になるように、制御部250は、周波数制御信号111a、111b、111cおよび検波周波数制御信号115a、115b、115cにより、高周波電力発生部102a、102b、102cおよび検波電力発生部109a、109b、109cの周波数を設定する。これにより、直交検波部106a、106b、106cから出力される、同相検波信号113a、113b、113cおよび直交検波信号114a、114b、114cは、常に、高周波電力発生部102a、102b、102cで発生される高周波電力の周波数と、検波電力発生部109a、109b、109cで発生される高周波電力の周波数との差の周波数成分を持つ信号がそれぞれ出力される。
従って、直交検波部106a、106b、106cから出力される同相検波信号113a、113b、113cおよび直交検波信号114a、114b、114cが、第1の実施形態ではDC(直流)信号が出力されるのに対して、第2の実施形態では、一定の周波数成分を持つ信号が出力される点が異なるだけである。よって、本実施形態に係る高周波加熱装置200は、基本的には第1の実施形態に係る高周波加熱装置100と同じ動作をすることになる。
よって、本実施形態に係る高周波加熱装置200においても、第1の実施形態に係る高周波加熱装置100と同様、図2のフローチャートに示す制御手順により、照射効率が最大となるための各高周波電力発生ユニットの設定周波数を、非常に短時間で決定することができる。
さらに、本実施形態に係る高周波加熱装置200によれば、直交検波部106a、106b、106cから出力される同相検波信号113a、113b、113cおよび直交検波信号114a、114b、114cが、一定の周波数成分を持つ信号で出力される。これにより、発振器での発振周波数の揺らぎや、外部雑音などにより発生するDCオフセット変動の影響を受け難くなり、逆流電力の検出精度を向上することができる。よって、本実施形態に係る高周波加熱装置200は、第1の実施形態に係る高周波加熱装置100と比較して、より一層、最適な加熱条件で被加熱物を加熱できる。
以上、本発明に係る高周波加熱装置について、各実施形態に基づき説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を当該実施形態に施したものや、異なる実施形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲に含まれる。
例えば、第2の実施形態において、各高周波電力発生ユニット201a、201b、201cのそれぞれは、検波電力発生部109a、109b、109cのそれぞれと1対1に対応したが、複数の高周波電力発生ユニットに対応して1つの検波電力発生部を備える構成であってもよい。
また、高周波加熱装置は、照射効率が最良となる周波数の組み合わせを設定するに限らず、所望の状態に被加熱物を加熱できるような周波数の組み合わせを決定し、決定した周波数の組み合わせで被加熱物を加熱してもよい。例えば、被加熱物がお弁当の場合に、ご飯は加熱して、おかずは加熱しないような、周波数の組み合わせを最適な周波数の組み合わせとして決定してもよい。
このような高周波加熱装置は、例えば、図13に示す電子レンジとして適用可能であり、短時間で最適な加熱条件を検出し、被加熱物を加熱できる。よって、ユーザの利便性が向上する。
また、本発明は装置として実現できるだけでなく、この装置の処理手段をステップとする方法として実現することもできる。
本発明は、高周波電力発生ユニットを複数備える高周波加熱装置において、最適加熱条件の決定を短時間に行うことができるため、電子レンジなどの調理家電等として有用である。
100、200 高周波加熱装置
101a、201a 第1の高周波電力発生ユニット(高周波電力発生ユニット)
101b、201b 第2の高周波電力発生ユニット(高周波電力発生ユニット)
101c、201c 第3の高周波電力発生ユニット(高周波電力発生ユニット)
102a、102b、102c 高周波電力発生部
103a、103b、103c 高周波電力増幅部
104a、104b、104c 方向性結合部
105a、105b、105c 放射部
106a、106b、106c 直交検波部
107a、107b、107c 分配部
108a、108b、108c 逆流電力検出部
109a、109b、109c 検波電力発生部
111a、111b、111c 周波数制御信号
112a、112b、112c 増幅利得制御信号
113a、113b、113c 同相検波信号
114a、114b、114c 直交検波信号
115a、115b、115c 検波周波数制御信号
150、250 制御部
301、311 発振部
302、312 位相同期ループ
303、313 増幅部
304 可変減衰器
305 高周波電力増幅器
306 同相検波ミキサー
307 直交検波ミキサー
308 π/2移相器
309 同相出力側低域通過フィルター
310 直交出力側低域通過フィルター

Claims (14)

  1. 被加熱物が収納される加熱室と、
    前記加熱室内に高周波電力を放射する複数の高周波電力発生ユニットと、
    前記複数の高周波電力発生ユニットを制御する制御部と、
    を備えた高周波加熱装置であって
    各々の前記複数の高周波電力発生ユニットは、
    前記制御部により設定された周波数の高周波電力を発生する高周波電力発生部と、前記高周波電力発生部により発生された高周波電力を前記加熱室内に放射する放射部と、前記加熱室内から前記放射部へ入射する逆流電力を検出する逆流電力検出部とを備え、
    前記逆流電力検出部は、
    前記制御部により各々の前記高周波電力発生部に設定された各周波数に基づいて、一の前記高周波電力発生ユニットの放射部から放射される高周波電力の一部が反射して当該一の前記高周波電力発生ユニットの放射部へ入力される反射による逆流電力と、他の前記高周波電力発生ユニットの放射部から放射される高周波電力の一部が前記一の前記高周波電力発生ユニットの放射部へ入力される通り抜けによる逆流電力とをそれぞれ個別に検出し、
    前記制御部は、
    各々の前記高周波電力発生部に複数の組み合わせの各周波数を順次設定し、
    設定した各周波数の組み合わせごとに検出された、前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とに基づいて、当該高周波加熱装置の前記高周波電力の照射効率が向上するように、前記被加熱物を加熱する際の各々の前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記高周波電力発生部に設定する各周波数の組み合わせを決定し、
    各々の前記複数の高周波電力発生ユニットは、決定された各周波数の高周波電力を前記加熱室内に放射することにより前記被加熱物を加熱する、
    高周波加熱装置。
  2. 前記制御部は、
    前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記高周波電力発生部に設定可能な各周波数の全ての組み合わせのうち一部の組み合わせを順次設定し、
    設定した前記一部の組み合わせごとに前記逆流電力検出部で検出された前記反射による逆流電力および前記通り抜けによる逆流電力から、当該反射による逆流電力の振幅および位相と当該通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを計算し、計算結果を用いて、前記設定可能な各周波数の全ての組み合わせのうち他の組み合わせを順次設定した場合に、当該他の組み合わせごとに前記逆流電力検出部で検出される前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを推定し、
    前記一部の組み合わせごとの算出結果と、前記他の組み合わせごとの推定結果とから、前記被加熱物を加熱する際の、複数の前記高周波電力発生部に設定する各周波数の組み合わせを、当該高周波加熱装置の前記高周波電力の照射効率が向上するように前記全ての組み合わせのうちのいずれか1つに決定する、
    請求項1に記載の高周波加熱装置。
  3. 前記逆流電力検出部は、直交検波部を有し、
    当該直交検波部は、前記放射部へ入射した前記逆流電力を前記高周波電力発生部で発生された高周波電力を用いて直交検波することにより得られる同相検波信号と直交検波信号とを制御部へ出力し、
    前記制御部は、前記同相検波信号と前記直交検波信号とを用いて、前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを計算する、
    請求項1又は2に記載の高周波加熱装置。
  4. 各々の前記複数の高周波電力発生ユニットは、
    前記高周波電力発生部で発生された高周波電力を増幅し、かつ当該増幅の利得が可変である高周波電力増幅部をさらに備え、
    前記制御部は、さらに、前記高周波電力増幅部における増幅利得を設定する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  5. 前記制御部は、
    一の前記高周波電力発生ユニットにおける逆流電力検出部が、他の前記高周波電力発生ユニットからの前記通り抜けによる逆流電力を検出する際に、
    当該一の前記高周波電力発生ユニットの高周波電力発生部の周波数を、当該他の前記高周波電力発生ユニットの高周波電力発生部の周波数と同一の周波数に設定し、
    かつ、当該他の前記高周波電力発生ユニットからの前記通り抜けによる逆流電力の振幅に比べて、当該一の前記高周波電力発生ユニットにおける前記反射による逆流電力の振幅が小さくなるように、前記高周波電力増幅部の各増幅利得を設定する、
    請求項4に記載の高周波加熱装置。
  6. 一の前記高周波発生ユニットの周波数と他の前記高周波ユニットの周波数とが重複する場合において、
    前記制御部は、
    一の前記高周波電力発生ユニットにおける逆流電力検出部が、前記反射による逆流電力を検出する際に、
    当該一の前記高周波電力発生ユニットにおける前記反射による逆流電力の振幅に比べて、他の前記高周波電力発生ユニットからの前記通り抜けによる逆流電力の振幅が小さくなるように、前記高周波電力増幅部の各増幅利得を設定する、
    請求項4に記載の高周波加熱装置。
  7. 前記制御部は、
    前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記高周波電力発生部に設定する各周波数の組み合わせの決定を、前記被加熱物に対する加熱処理前にプレ・サーチ処理として実行する、および、前記被加熱物に対する加熱処理中に再サーチ処理として実行する、うちの少なくとも一方を実行し、
    前記プレ・サーチ処理または前記再サーチ処理の実行時に、各々の前記複数の高周波電力発生ユニットの前記放射部から放射される高周波電力が、加熱処理時に当該放射部から放射される高周波電力よりも小さい値となるように、各々の前記複数の高周波電力発生ユニットの前記高周波電力増幅部の各増幅利得を設定する、
    請求項4〜6のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  8. 前記制御部は、前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記高周波電力発生部に設定する各周波数の組み合わせの決定を、前記被加熱物に対する加熱処理前に、プレ・サーチ処理として実行する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  9. 前記制御部は、前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記高周波電力発生部に設定する各周波数の組み合わせの決定を、前記被加熱物に対する加熱処理中に、再サーチ処理として実行し、
    前記再サーチ処理で決定された新たな各周波数の組み合わせを前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記高周波電力発生部に設定する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  10. 前記逆流電力検出部は、前記被加熱物に対する加熱処理中に前記逆流電力を検出し、
    前記制御部は、前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記逆流電力検出部の少なくとも1つで検出された前記逆流電力が所定の閾値を超えた場合に、前記再サーチ処理を実行する、
    請求項9に記載の高周波加熱装置。
  11. 前記高周波加熱装置は、さらに、設定された周波数の検波用の高周波電力を発生する少なくとも1つの検波電力発生部を備え、
    前記制御部は、さらに、前記少なくとも1つの検波電力発生部のそれぞれに、前記複数の高周波電力発生ユニットにおける複数の前記高周波電力発生部に設定する各周波数とは異なる周波数である検波用の周波数を設定し、
    前記逆流電力検出部は、直交検波部を有し、
    当該直交検波部は、前記放射部へ入射した前記逆流電力を前記少なくとも1つの検波電力発生部で発生された前記検波用の高周波電力を用いて直交検波することにより得られる同相検波信号と直交検波信号とを制御部へ出力し、
    前記制御部は、前記同相検波信号と前記直交検波信号とを用いて、前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを計算する、
    請求項1又は2に記載の高周波加熱装置。
  12. 前記少なくとも1つの検波電力発生部のそれぞれは、前記複数の高周波電力発生ユニットのそれぞれと1対1に対応する、
    請求項11に記載の高周波加熱装置。
  13. 加熱室に収納された被加熱物を複数の高周波電力発生ユニットから放射される高周波電力によって加熱する高周波加熱方法であって、
    各々の前記複数の高周波電力発生ユニットから放射される高周波電力の各周波数を設定する設定ステップと、
    各々の前記複数の高周波電力発生ユニットに設定された各周波数に基づいて、一の前記高周波電力発生ユニットから放射される高周波電力の一部が反射して当該一の前記高周波電力発生ユニットへ入力される反射による逆流電力の振幅および位相と、他の前記高周波電力発生ユニットから放射される高周波電力の一部が前記一の前記高周波電力発生ユニットへ入力される通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを検出する第1検出ステップと、
    各々の前記複数の高周波電力発生ユニットから放射される高周波電力の周波数を変更して設定する変更ステップと、
    前記変更ステップで設定された周波数に基づいて、前記反射による逆流電力の振幅および位相と、前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを検出する第2検出ステップと、
    前記第1検出ステップおよび前記第2検出ステップで検出された前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とに基づいて、当該高周波加熱装置の前記高周波電力の照射効率が向上するように、前記被加熱物を加熱する際の、各々の前記複数の高周波ユニットから放射される高周波電力の各周波数の組み合わせを決定する決定ステップと、
    決定された各周波数の組み合わせの高周波電力を各々の前記複数の高周波電力発生ユニットから放射することにより、前記被加熱物を加熱する加熱ステップとを含む、
    高周波加熱方法。
  14. 前記決定ステップは、
    前記第1検出ステップおよび前記第2検出ステップで検出された前記反射による逆流電力および前記通り抜けによる逆流電力から、当該反射による逆流電力の振幅および位相と当該通り抜けによる逆流電力の振幅および位相と計算し、計算結果を用いて、各々の前記複数の高周波電力発生ユニットから放射される高周波電力の各周波数として設定可能な各周波数の全ての組み合わせごとに前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とを計算することで推測する推測ステップと、
    前記第1検出ステップおよび前記第2検出ステップで検出された前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相と、前記推測ステップで推測された前記反射による逆流電力の振幅および位相と前記通り抜けによる逆流電力の振幅および位相とから、前記被加熱物を加熱する際の、各々の前記複数の高周波ユニットから放射される複数の高周波電力の各周波数の組み合わせを、当該高周波加熱装置の前記高周波電力の照射効率が向上するように決定する組み合わせ決定ステップとを含む、
    請求項13に記載の高周波加熱方法。
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