JP2015220189A - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Toshiyuki Okajima
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Abstract

【課題】被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる、高周波加熱装置を提供することを目的とする。
【解決手段】高周波加熱装置であって、少なくとも一つの高周波電力発生部120と、少なくとも一つの高周波電力ユニット110と、温度情報取得手段130と、制御部140と、記憶部150とを備え、制御部140は、加熱動作開始直後に、予め定めた複数のそれぞれの周波数に対する温度上昇率分布情報を記憶部150に記憶し、加熱動作中に、温度情報取得手段から取得した被加熱物の温度分布情報に基づいて、記憶部150に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数を決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱室に収納された被加熱物を加熱する高周波加熱装置に関する。
従来から、高周波電力により食品等の被加熱物に加熱処理を施す高周波加熱装置に於いて、加熱効率の向上や、加熱ムラを無くした均一加熱を目的として、被加熱物の状態や形状に応じた局所加熱や、加熱室内への高周波電力の放射を攪拌するための技術が種々開示されている。
例えば、特許文献1には、放射アンテナの外周に輻射アンテナを備えた電子レンジが開示されている。この電子レンジでは、放射アンテナを回転させることで、放射アンテナと輻射アンテナが高周波的に結合した状態と、高周波的に結合していない状態を制御し、見かけ上のアンテナの大きさを変化させることにより、狭い範囲に集中的にマイクロ波を供給する状態と、加熱室にまんべんなくマイクロ波を供給する状態を制御している。
また、特許文献2には、被加熱物の温度分布を検出する手段と、複数の回転アンテナを備えた電子レンジが開示されている。この電子レンジでは、被加熱物の温度分布を検出し、検出した温度分布情報に基づいて、加熱したい部分を決め、回転アンテナを回転させて、アンテナの指向性を制御している。
また、特許文献3には、複数の平面アンテナを設け、平面アンテナへ供給するマイクロ波の位相を時間と共に変化させて、平面アンテナから放射されるマイクロ波の指向性を変化させることにより、スターラを使用することなく、マイクロ波を攪拌している。
特開2004−340513号公報 特開2008−282691号公報 特開平7−130463号公報
しかしながら、前記従来の構成では、特に特許文献1および2では、物理的にアンテナの形状や方向を変化させているので、機械的にアンテナを駆動させる装置が必要となる。これは、装置が大型になり、コストの増大を招く要因となる。更には、機械的に駆動させるので、アンテナの位置が不安定になったり、故障の確率も高くなってしまう。
また、特許文献3では、電気的にマイクロ波の指向性を制御しているので、前述したような、機械的構成による不安定要素や、装置の増大化の要因とはなり難いが、単に、マイクロ波を攪拌しても、均一加熱や加熱効率の向上することには、直接的にはつながらない。
また、電子レンジのような狭い閉空間に於いては、アンテナから放射されたマイクロ波は、加熱室内で複雑に反射を起こすので、アンテナの指向性を制御しても、アンテナから放射されたマイクロ波の挙動は、自由空間に於ける遠方解での指向性とは大きくかけ離れたものとなり、アンテナの指向性を制御することで、加熱分布を制御することは困難である。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、加熱室に収納された被加熱物を加熱する高周波加熱装置において、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる、高周波加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するため、本発明の高周波加熱装置は、加熱室に収納された被加熱物を加熱する高周波加熱装置であって、設定された周波数の高周波電力を発生する少なくとも一つの高周波電力発生部と、前記高周波電力発生部で発生された高周波電力を加熱に適した大きさの電力に増幅する高周波電力増幅部と、前記高周波電力増幅部から出力された高周波電力を前記被加熱物に放射する放射部と、を備えた少なくとも一つの高周波電力ユニットと、被加熱物の温度分布情報を取得する温度情報取得手段と、前記高周波電力発生部を制御する制御部と、前記高周波電力発生部に設定された周波数に対応する、前記温度情報取得手段で取得した被加熱物の温度分布情報を記憶する記憶部とを備え、前記制御部は、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の周波数を予め定めた時間間隔で順次前記高周波電力発生部に設定するとともに、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布情報を取得することにより、予め定めた複数のそれぞれの周波数に於ける、被加熱物の温度上昇率分布を算出して、それぞれの周波数に対する温度上昇率分布情報を前記記憶部に記憶し、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から取得した被加熱物の温度分布情報に基づいて、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数を決定する。
この構成により、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の周波数に対する温度上昇率分布情報を取得して記憶部に記憶し、加熱動作中に、記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数を決定するので、被加熱物に対する正確な加熱分布となる条件で加熱することができ、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
また、本発明の高周波加熱装置は、加熱室に収納された被加熱物を加熱する高周波加熱装置であって、高周波電力を発生する高周波電力発生部と、前記高周波電力発生部で発生された高周波電力を加熱に適した大きさの電力に増幅する高周波電力増幅部と、前記高周波電力増幅部から出力された高周波電力を前記被加熱物に放射する放射部と、を各々備えた複数の高周波電力ユニットと、前記複数の高周波電力ユニットのうちの少なくとも一つは、前記高周波電力発生部で発生された高周波電力の位相を変化させる可変移相部を更に備え、被加熱物の温度分布情報を取得する温度情報取得手段と、前記高周波電力発生部を制御する制御部と、前記高周波電力発生部に設定された周波数と、前記高周波電力ユニットに設定された移相量の組合せに対応する、前記温度情報取得手段で取得した被加熱物の温度分布情報を記憶する記憶部とを備え、前記制御部は、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の移相量を、予め定めた時間間隔で順次前記高周波電力ユニットに設定するとともに、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布情報を取得することにより、予め定めた複数の移相量に於ける、被加熱物の温度上昇率分布を算出して、それぞれの移相量に対する温度上昇率分布情報を前記記憶部に記憶し、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から取得した被加熱物の温度分布情報に基づいて、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する移相量を決定する。
この構成により、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の移相量に対する温度上昇率分布情報を取得して記憶部に記憶し、加熱動作中に、記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する移相量を決定するので、被加熱物に対する正確な加熱分布となる条件で加熱することができ、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
また、本発明の高周波加熱装置は、加熱室に収納された被加熱物を加熱する高周波加熱装置であって、設定された周波数の高周波電力を発生する少なくとも一つの高周波電力発生部と、前記高周波電力発生部で発生された高周波電力を加熱に適した大きさの電力に増幅する高周波電力増幅部と、前記高周波電力増幅部から出力された高周波電力を前記被加熱物に放射する放射部とを各々備えた複数の高周波電力ユニットと、前記複数の高周波電力ユニットのうちの少なくとも一つは、前記高周波電力発生部で発生された高周波電力の位相を変化させる可変移相部を更に備え、被加熱物の温度分布情報を取得する温度情報取得手段と、前記高周波電力発生部に周波数を設定するとともに、前記高周波電力ユニットに移相量を設定する制御部と、前記高周波電力発生部に設定された周波数と、前記高周波電力ユニットに設定された移相量の組合せに対応する、前記温度情報取得手段で取得した被加熱物の温度分布情報を記憶する記憶部とを備え、前記制御部は、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の周波数と移相量の組合せを、予め定めた時間間隔で順次前記高周波電力発生部および前記高周波電力ユニットに設定するとともに、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布情報を取得することにより、予め定めた複数のそれぞれの周波数と移相量の組合せに於ける、被加熱物の温度上昇率分布を算出して、それぞれの周波数と移相量の組合せに対する温度上昇率分布情報を前記記憶部に記憶し、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から取得した被加熱物の温度分布情報に基づいて、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数と移相量を決定する。
この構成により、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の周波数と移相量の組合せに対する温度上昇率分布情報を取得して記憶部に記憶し、加熱動作中に、記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数と移相量の組合せを決定するので、被加熱物に対する正確な加熱分布となる条件で加熱することができ、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
ここで、前記制御部は、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布情報を取得し、温度が低い部分の温度上昇率を大きくする、もしくは温度が高い部分の温度上昇率を小さくする、もしくは温度が低い部分の温度上昇率を大きくすると同時に温度が高い部分の温度上昇率を小さくする、周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量を、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量を決定してもよい。
これにより、被加熱物の温度分布状態に応じた、適切な条件を選択して加熱できるので、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
ここで、前記制御部は、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、温度上昇率分布の大小の領域を補完し合う周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量を複数選出し、選出した周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量を順次切替えて加熱動作を実行してもよい。
これにより、被加熱物の全ての領域において、温度上昇率分布が平均化されるので、簡単な制御で、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
ここで、前記制御部は、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布情報を取得し、前記高周波電力発生部もしくは前記高周波電力ユニットもしくは前記高周波電力発生部と前記高周波電力ユニットにそれぞれ設定された周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量に対する前記温度上昇率分布情報を前記記憶部に随時更新してもよい
これにより、加熱に使用する条件に対する温度上昇率分布情報の精度が向上し、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
本発明の高周波加熱装置は、加熱動作開始直後に予め定めた複数の加熱に使用する設定条件に対する、被加熱物の温度上昇率分布情報を取得して記憶し、記憶した温度上昇率分布情報を参照して、適切な加熱に使用する条件を選択して加熱を実行する。この構成により、被加熱物に応じて適切な条件で加熱を実行できるので、小型、低コストで、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
本発明の実施の形態1における高周波加熱装置の基本構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1における高周波加熱装置の高周波電力発生部の具体的な構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1における高周波加熱装置の基本的な制御手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態1における高周波加熱装置の温度上昇率分布情報取得の制御手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態1における高周波加熱装置の温度分布情報に基づいて周波数設定を更新する制御手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態1における高周波加熱装置の周波数に対する被加熱物の温度上昇率分布を示す模式図 本発明の実施の形態1における高周波加熱装置の周波数の更新による被加熱物の均一加熱を示す模式図 本発明の実施の形態2における高周波加熱装置の基本構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2における高周波加熱装置の基本的な制御手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態2における高周波加熱装置の温度上昇率分布情報取得の制御手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態2における高周波加熱装置の温度分布情報に基づいて移相量(位相差)設定を更新する制御手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態3における高周波加熱装置の基本構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3における高周波加熱装置の基本的な制御手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態3における高周波加熱装置の温度上昇率分布情報取得の制御手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態3における高周波加熱装置の温度分布情報に基づいて周波数と移相量(位相差)の組合せ設定を更新する制御手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態3における高周波加熱装置の複数の温度上昇率分布情報を順次切替えて加熱処理を施す様子を示す模式図 本発明の実施の形態3における高周波加熱装置の複数の温度上昇率分布情報を順次切替えて加熱処理を施す様子を示す模式図
第1の発明は、加熱室に収納された被加熱物を加熱する高周波加熱装置であって、設定された周波数の高周波電力を発生する少なくとも一つの高周波電力発生部と、前記高周波電力発生部で発生された高周波電力を加熱に適した大きさの電力に増幅する高周波電力増
幅部と、前記高周波電力増幅部から出力された高周波電力を前記被加熱物に放射する放射部と、を備えた少なくとも一つの高周波電力ユニットと、被加熱物の温度分布情報を取得する温度情報取得手段と、前記高周波電力発生部を制御する制御部と、前記高周波電力発生部に設定された周波数に対応する、前記温度情報取得手段で取得した被加熱物の温度分布情報を記憶する記憶部とを備え、前記制御部は、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の周波数を予め定めた時間間隔で順次前記高周波電力発生部に設定するとともに、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布情報を取得することにより、予め定めた複数のそれぞれの周波数に於ける、被加熱物の温度上昇率分布を算出して、それぞれの周波数に対する温度上昇率分布情報を前記記憶部に記憶し、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から取得した被加熱物の温度分布情報に基づいて、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数を決定することにより、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の周波数に対する温度上昇率分布情報を取得して記憶部に記憶し、加熱動作中に、記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数を決定するので、被加熱物に対する正確な加熱分布となる条件で加熱することができ、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
第2の発明は、加熱室に収納された被加熱物を加熱する高周波加熱装置であって、高周波電力を発生する高周波電力発生部と、前記高周波電力発生部で発生された高周波電力を加熱に適した大きさの電力に増幅する高周波電力増幅部と、前記高周波電力増幅部から出力された高周波電力を前記被加熱物に放射する放射部と、を各々備えた複数の高周波電力ユニットと、前記複数の高周波電力ユニットのうちの少なくとも一つは、前記高周波電力発生部で発生された高周波電力の位相を変化させる可変移相部を更に備え、被加熱物の温度分布情報を取得する温度情報取得手段と、前記高周波電力発生部を制御する制御部と、前記高周波電力発生部に設定された周波数と、前記高周波電力ユニットに設定された移相量の組合せに対応する、前記温度情報取得手段で取得した被加熱物の温度分布情報を記憶する記憶部とを備え、前記制御部は、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の移相量を、予め定めた時間間隔で順次前記高周波電力ユニットに設定するとともに、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布情報を取得することにより、予め定めた複数の移相量に於ける、被加熱物の温度上昇率分布を算出して、それぞれの移相量に対する温度上昇率分布情報を前記記憶部に記憶し、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から取得した被加熱物の温度分布情報に基づいて、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する移相量を決定することにより、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の移相量に対する温度上昇率分布情報を取得して記憶部に記憶し、加熱動作中に、記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する移相量を決定するので、被加熱物に対する正確な加熱分布となる条件で加熱することができ、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
第3の発明は、加熱室に収納された被加熱物を加熱する高周波加熱装置であって、設定された周波数の高周波電力を発生する少なくとも一つの高周波電力発生部と、前記高周波電力発生部で発生された高周波電力を加熱に適した大きさの電力に増幅する高周波電力増幅部と、前記高周波電力増幅部から出力された高周波電力を前記被加熱物に放射する放射部とを各々備えた複数の高周波電力ユニットと、前記複数の高周波電力ユニットのうちの少なくとも一つは、前記高周波電力発生部で発生された高周波電力の位相を変化させる可変移相部を更に備え、被加熱物の温度分布情報を取得する温度情報取得手段と、前記高周波電力発生部に周波数を設定するとともに、前記高周波電力ユニットに移相量を設定する制御部と、前記高周波電力発生部に設定された周波数と、前記高周波電力ユニットに設定された移相量の組合せに対応する、前記温度情報取得手段で取得した被加熱物の温度分布情報を記憶する記憶部とを備え、前記制御部は、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の周波数と移相量の組合せを、予め定めた時間間隔で順次前記高周波電力発生部および前記高周波電力ユニットに設定するとともに、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布
情報を取得することにより、予め定めた複数のそれぞれの周波数と移相量の組合せに於ける、被加熱物の温度上昇率分布を算出して、それぞれの周波数と移相量の組合せに対する温度上昇率分布情報を前記記憶部に記憶し、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から取得した被加熱物の温度分布情報に基づいて、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数と移相量を決定することにより、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の周波数と移相量の組合せに対する温度上昇率分布情報を取得して記憶部に記憶し、加熱動作中に、記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数と移相量の組合せを決定するので、被加熱物に対する正確な加熱分布となる条件で加熱することができ、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
第4の発明は、特に第1ないし第3のいずれか1つの発明の前記制御部は、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布情報を取得し、温度が低い部分の温度上昇率を大きくする、もしくは温度が高い部分の温度上昇率を小さくする、もしくは温度が低い部分の温度上昇率を大きくすると同時に温度が高い部分の温度上昇率を小さくする、周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量を、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量を決定するので、被加熱物の温度分布状態に応じた、適切な条件を選択して加熱でき、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
第5の発明は、特に第1ないし第3のいずれか1つの発明の前記制御部は、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、温度上昇率分布の大小の領域を補完し合う周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量を複数選出し、選出した周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量を順次切替えて加熱動作を実行するので、被加熱物の全ての領域において、温度上昇率分布が平均化され、簡単な制御で、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
第6の発明は、特に第4または第5の発明の前記制御部は、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布情報を取得し、前記高周波電力発生部もしくは前記高周波電力ユニットもしくは前記高周波電力発生部と前記高周波電力ユニットにそれぞれ設定された周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量に対する前記温度上昇率分布情報を前記記憶部に随時更新するので、加熱に使用する条件に対する温度上昇率分布情報の精度が向上し、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における、高周波加熱装置100の基本構成を示すブロック図である。
同図に示す高周波加熱装置100は、加熱室101に収納された被加熱物160を加熱する高周波加熱装置であって、高周波電力ユニット110と、高周波電力発生部120と、温度情報取得手段130と、制御部140と、記憶部150を備えている。高周波電力ユニット110は、高周波電力増幅部111と、放射部112を備えている。なお、図1において、高周波加熱装置100は、1つの高周波電力ユニットと、1つの高周波電力発生部を有しているが、高周波電力ユニットおよび高周波電力発生部の数はこれに限定されるものではない。
高周波電力発生部120で発生された高周波電力は、高周波電力ユニット110へ入力される。高周波電力ユニット110へ入力された高周波電力は、高周波電力増幅部111へ入力される。高周波電力増幅部111に入力された高周波電力は、対象物の加熱処理に適した電力に増幅され、放射部112より加熱室101に放射される。
温度情報取得手段130は、加熱室101に収納された被加熱物160の温度分布情報を取得し、取得した被加熱物160の温度分布情報を示す温度分布情報信号102を制御部140へ出力する。
制御部140は、高周波電力発生部120に接続されており、放射部112から放射される高周波電力の周波数を制御する。
また、制御部140は、記憶部150に接続されており、高周波電力発生部120に設定した放射部112から放射される高周波電力の周波数に対応する、温度情報取得手段130より取得した被加熱物の温度分布情報を格納する。
記憶部150は、半導体メモリなどを用いて、容易に実現することができる。
高周波電力発生部120は、制御部140により設定された周波数を有する高周波電力を発生する周波数可変の電力発生部である。具体的には、制御部140から入力される周波数制御信号103に応じた周波数を有する高周波電力を発生する、例えばPLL(Phase Locked Loop)発振器である。
図2は、本発明の実施の形態1における高周波電力発生部120の具体的な構成を示すブロック図である。なお、同図には、高周波電力ユニット110と、制御部140も示されている。
同図に示す高周波電力発生部120は、高周波発振部121と、バッファアンプ122と、基準信号発振器123とを有している。
高周波発振部121は、高周波発振器124と、位相比較器125とを有している。この高周波発振器124は、位相比較器125から出力される電圧に応じた周波数を有する高周波信号を生成する、例えばVCO(Voltage Controlled Oscillator)である。
位相比較器125は、高周波発振器124から発生される高周波電力の周波数が、制御部140から入力された周波数制御信号103で設定された周波数になるように、出力電圧を調整する。具体的には、位相比較器125は、高周波発振器124から発生される高周波電力をN分周した信号と、基準信号発振器123から入力される基準信号をR分周した信号との位相を比較し、双方の信号の位相が同一になるように高周波発振器124へ出力する電圧を調整する。これにより、高周波発振器124から発生される高周波電力の周波数は、基準信号発振器123から入力される基準信号の周波数をN/R逓倍した周波数にロックされる。制御部140からこれらのNおよびRの値を示す周波数制御信号103を位相比較器125に設定することにより、高周波発振器124から発生される高周波電力の周波数を制御することができる。
バッファアンプ122は、高周波発振部121で生成された高周波電力を増幅する、例えばトランジスタである。
基準信号発振器123は、周波数が固定の発振器であり、例えば、TCXO(Temp
erature Conpensated Crystal Oscillator)である。
このように、高周波電力発生部120は、制御部140により周波数制御信号103で設定された周波数を有する高周波電力を発生する。なお、図2では、バッファアンプ122は1つの電力増幅器で示されているが、高出力かつ大電力の出力電力を得るために、電力増幅器を複数設け、多段直列接続や並列的に合成して構成してもよい。
また、高周波電力発生部120の簡略的な構成として、高周波発振部121とバッファアンプ122のみで高周波電力発生部120を構成してもよい。
この場合、高周波発振部121は、高周波発振器124のみだけで構成される。制御部140から高周波発振器124の発振周波数に対応する電圧を周波数制御信号103として高周波発振器124に設定することにより、高周波発振器124から発生される高周波電力の周波数を制御することができる。
高周波電力発生部120で発生された高周波電力は、高周波電力ユニット110に入力される。
高周波電力ユニット110は、高周波電力発生部120より入力された高周波電力を、被加熱物160の加熱処理に適した電力に増幅し、放射部112を介して加熱室101へ放射する。
高周波電力ユニット110は、高周波電力増幅部111と放射部112を有する。
高周波電力増幅部111は、高周波電力ユニット110より入力された高周波電力を所定の増幅率で増幅する、例えば、トランジスタを多段直列接続や並列的に合成して構成されている。
放射部112は、高周波電力増幅部111で増幅された高周波電力を加熱室101へ放射するアンテナである。空洞共振構造のスロットアンテナや、パッチアンテナなどの平面アンテナを用いてもよい。
このように、高周波電力ユニット110は、高周波電力発生部120で発生された高周波電力を増幅して、放射部112より加熱室101へ放射する。なお、図1において、放射部112は、高周波電力ユニット110に含まれるように描かれているが、これはあくまで一例であり、高周波電力ユニット110と放射部112は別体でもよい。
温度情報取得手段130は、加熱室101の内部または壁面に、1つもしくは複数個設けられ、被加熱物160の温度分布を検出する、例えば、赤外線センサーである。赤外線センサーは、被加熱物から放射される赤外線を受光することにより、対象物の温度情報を取得することができる。赤外線センサーの技術は公知であり、点センサや線センサを始めとして、最近ではマトリクス型の2次元センサも多く出回ってきている。
温度情報取得手段130で取得された被加熱物160の温度分布情報は、温度分布情報信号102として、制御部140に出力される。
以上のような構成により、本実施の形態に係る高周波加熱装置100は、放射部112から加熱室101に放射される高周波電力の周波数に対する、被加熱物160の温度分布の情報を取得して、記憶部150に記憶させることができる。
次に、上述の高周波加熱装置100の動作について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1における高周波加熱装置100の基本的な制御手順を示すフローチャートである。本実施の形態1の高周波加熱装置100は、制御部140において、以下の処理を行う。
図3に示すように、被加熱物160が加熱室101に収納され、ユーザーにより加熱処理開始の指示がなされると(ステップS100)、最初に、制御部140は、高周波電力発生部120と温度情報取得手段130を操作して、予め定められた複数の周波数に対する、被加熱物160の温度上昇分布情報を取得して、記憶部150に格納する(ステップS110)。なお、温度上昇分布情報取得の詳細な制御手順は後述する。
次に、高周波電力発生部120の周波数を、予め定められた加熱用初期周波数にするように、高周波電力発生部120の周波数を制御して、本加熱を開始する(ステップS120)。
そして、予め定められた時間だけ加熱を継続(ステップS130)した後、加熱処理を終了するか、加熱処理を終了する条件を満たしているかどうかを判断して(ステップS140)、加熱処理を終了する条件を満たしている場合には、加熱処理を終了する(ステップS160)。
ここで、加熱処理を終了する条件としては、例えば、ユーザーが加熱処理開始の指示をする前に指定した加熱処理時間に達した場合としてもよいし、または、温度情報取得手段130で被加熱物160の温度分布情報を取得し、被加熱物160の温度分布の状態が、予め定めた条件を満たした場合としてもよい。なお、これらの加熱処理を終了する条件は、一例であり、これに限るものではない。
一方、加熱処理を終了する条件を満たしていない場合は、温度情報取得手段130で被加熱物160の温度分布情報を取得し、取得した被加熱物160の温度分布情報に基づいて、周波数設定を更新する(ステップS150)。なお、取得した温度分布情報に基づいて周波数設定を更新する詳細な制御手順は後述する。
そして、予め定められた時間だけ加熱を継続し(ステップS130)、加熱処理を終了する条件を満たすまで、これらの処理を繰り返して、被加熱物160の加熱処理を実行する。
次に、温度上昇分布情報取得の詳細な制御手順について説明する。
図4は、本実施の形態1による高周波加熱装置100の、温度上昇分布情報取得の制御手順を示すフローチャートである。
高周波加熱装置100の制御部140は、ユーザーによる加熱処理開始の指示の後に、以下の制御手順により、温度上昇分布情報を取得して、記憶部150に格納する。
図4に示すように、まず、予め定められた複数の周波数の第1番目の周波数に、高周波電力発生部120の周波数を設定する(ステップS111)。
次に、温度情報取得手段130より、測定開始時の被加熱物160の温度分布情報(T1)を取得する(ステップS112)。
次に、予め定められた時間だけ、被加熱物160をプリ加熱する(ステップS113)。ここで、温度上昇分布情報を取得する際の加熱と、前述の被加熱物を加熱処理する際の本加熱とを区別するために、温度上昇分布情報を取得する際の加熱をプリ加熱と称する。
次に、温度情報取得手段130より、測定終了時の被加熱物160の温度分布情報(T2)を取得する(ステップS114)。
次に、取得した測定開始時の被加熱物160の温度分布情報(T1)と測定終了時の被加熱物160の温度分布情報(T2)より、温度上昇率(ΔT)を算出する(ステップS115)。具体的には、測定開始時の温度分布情報(T1)および測定終了時の温度分布情報(T2)は、それぞれ、被加熱物160の温度分布、すなわち、どの部分が何度(℃)になっているかを示す。従って、それぞれ対応する測定開始時の温度分布情報(T1)と測定終了時の温度分布情報(T2)との差分を計算することにより、被加熱物160のどの部分が何度(℃)上昇したかが算出できる。このようにして算出した被加熱物160のどの部分が何度(℃)上昇したかの情報を温度上昇率分布情報として、高周波電力発生部120に設定した周波数と共に、記憶部150に格納する(ステップS116)。
次に、予め定められた複数の周波数全ての周波数について、温度上昇率分布情報を記憶部150に格納を終えたかどうかを判定して(ステップS117)、予め定められた複数の周波数全ての周波数について、温度上昇率分布情報を記憶部150に格納を終えた場合は、温度上昇率分布情報の取得処理を終了とし、予め定められた複数の周波数全ての周波数について、温度上昇率分布情報の記憶部150への格納を終えていない場合は、次の周波数に高周波電力発生部120の周波数を設定して(ステップS118)、温度上昇率分布情報の取得処理を実行する。
次に、取得した温度分布情報に基づいて周波数設定を更新する制御手順ついて説明する。
図5は、本実施の形態1による高周波加熱装置100の、取得した温度分布情報に基づいて周波数設定を更新する制御手順を示すフローチャートである。
高周波加熱装置100の制御部140は、本加熱処理動作中に、以下の制御手順により、温度情報取得手段130より取得した被加熱物160の温度分布情報に基づいて、高周波電力発生部120に設定する周波数を更新する。
図5に示すように、まず、温度情報取得手段130より被加熱物160の温度分布情報を取得する(ステップS151)。具体的には、温度情報取得手段130より取得した被加熱物160の温度分布情報は、被加熱物160のどの部分が何度(℃)であるかを示す。
次に、温度情報取得手段130より取得した被加熱物160の温度分布情報に基づいて、高周波電力発生部120に設定する周波数を変更する必要があるかどうか、すなわち、温度上昇率分布のパターンを変更する必要があるかどうかを判定する(ステップS152)。ここで、温度情報取得手段130より取得した被加熱物160の温度分布情報に基づいて、高周波電力発生部120に設定する周波数を変更して、温度上昇率分布のパターンを変更する必要があるかどうかを判定する基準として、例えば、温度情報取得手段130より取得した被加熱物160の温度分布に於いて、最も温度が高い部分と最も温度が低い部分の温度差が、予め定めた温度差の値に対して大きい場合は、高周波電力発生部120に設定する周波数を変更して、温度上昇率分布のパターンを変更する必要があると判定し
、予め定めた温度差の値に対して小さい場合は、高周波電力発生部120に設定する周波数を変更して、温度上昇率分布のパターンを変更する必要がないと判定するようにしてもよい。
次に、高周波電力発生部120に設定する周波数を変更して、温度上昇率分布のパターンを変更する必要があると判定した場合は、記憶部150に格納された、温度上昇率分布情報を参照して、適切な温度上昇率分布情報を検索して、加熱に使用する温度上昇率分布のパターンを決定する(ステップS153)。例えば、適切な温度上昇率分布情報を検索して、加熱に使用する温度上昇率分布のパターンを決定する方法の一例として、温度情報取得手段130より取得した被加熱物160の温度分布に対して、温度の低い部分の温度上昇率が大きく、温度の高い部分の温度上昇率が小さい温度上昇率分布となるパターンを検索し、該当する温度上昇率分布のパターンを、加熱に使用する温度上昇率分布のパターンに決定してもよい。
次に、適切な温度上昇率分布情報を検索して決定した、加熱に使用する温度上昇率分布のパターンに対応する周波数を高周波電力発生部120の周波数に設定して(ステップS154)、本加熱処理の動作に戻る。
一方、高周波電力発生部120に設定する周波数を変更して、温度上昇率分布のパターンを変更する必要がないと判定した場合は、本加熱処理の動作に戻る。
上述の高周波加熱装置100の構成によれば、加熱動作開始直後に、高周波電力発生部120と温度情報取得手段130を操作して、予め定めた複数の周波数に対する温度上昇率分布情報を取得して記憶部150に記憶し、加熱動作中に、記憶部150に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数を決定するので、被加熱物160に対する正確な加熱分布となる条件で加熱することができ、被加熱物160の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
以下、本実施の形態1に於ける、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の周波数に対する温度上昇率分布情報を取得して記憶部に記憶し、加熱動作中に、記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数を決定する動作の一例を説明する。
加熱室101に被加熱物160を収納し、放射部112から高周波電力を放射したときの、被加熱物160の温度上昇分布は、放射部112から放射される高周波電力の周波数によって異なる分布特性となる。
図6は、直方体形状の加熱室101に被加熱物160を収納し、加熱室101の壁面に配置された1個のパッチアンテナで放射部112を構成したときの、前述の温度上昇分布情報取得の制御手順により、4点の周波数(fA,fB,fC,fD)に対する温度上昇率分布情報を取得した結果を示す。
図6(a)は、温度情報取得手段130で取得する、被加熱物160の温度分布情報取得区画171を示す。図6(a)では6区画の温度情報が取得できるように描かれているが、区画の数、および区画の切り方はこの限りではなく、区画数が多いほど、精度は向上する。
図6(b)〜(e)は、4点の周波数(fA,fB,fC,fD)について、それぞれの周波数の高周波電力を放射部112から加熱室101に放射した時の被加熱物160の温度上昇率分布の様子を模式的に示している。図6(b)は放射部112から放射する高周波電力の周波数がfAの時に加熱室101に収納された被加熱物160の温度上昇率分
布172を、図6(c)は放射部112から放射する高周波電力の周波数がfBの時に加熱室101に収納された被加熱物160の温度上昇率分布173を、図6(d)は放射部112から放射する高周波電力の周波数がfCの時に加熱室101に収納された被加熱物160の温度上昇率分布174を、図6(e)は放射部112から放射する高周波電力の周波数がfDの時に加熱室101に収納された被加熱物160の温度上昇率分布175を、それぞれ示している。なお、本実施の形態1においては、説明を簡素化するため、温度上昇率のスケールは、大,中,小で示しており、それぞれ、温度上昇率の大きさに対応している。
図6に示すように、放射部112から放射する高周波電力の周波数がfAの時、fBの時、fCの時、およびfDの時で、それぞれ異なる温度上昇率分布となっており、被加熱物160に対して、それぞれ異なる部分の領域が強く加熱されたり、弱く加熱されることがわかる。
制御部140は、それぞれの周波数(fA,fB,fC,fD)の高周波電力を放射部112から加熱室101に放射した時の被加熱物160の温度上昇率分布の情報を、周波数と対応付けて記憶部150に格納する。
図7は、直方体形状の加熱室101に被加熱物160を収納し、加熱室101の壁面に配置された1個のパッチアンテナで放射部112を構成したとき、前述の、取得した温度分布情報に基づいて周波数設定を更新する制御手順に従って、被加熱物160を均一に加熱処理を施す様子を模式的に示した図である。
図7(a)は、本加熱の初期周波数(fs)を放射部112より加熱室101に放射して、暫く被加熱物160を加熱処理した後に、温度情報取得手段130より取得した、被加熱物160の温度分布情報181を示している。説明を簡素化するため、温度の高さを高、中、低で示している。例えば、40℃〜60℃を低温、60℃〜80℃を中温、80℃以上を高温とする。
図7(b)は、前述の温度上昇分布情報取得の制御手順により取得した、4点の周波数(fA,fB,fC,fD)に対するそれぞれの温度上昇率分布172,173,174,175の中から選んだ、温度分布情報181に対して均一に加熱処理するために適切な、周波数=fCの時の温度上昇率分布174を示す。図7(a)および図7(b)に示すように、温度分布情報181に対して温度上昇率分布174は、温度が低の領域に対しては温度上昇率が大、温度が中の領域に対しては温度上昇率が中、温度が高の領域に対しては温度上昇率が小が対応している。
図7(c)は、周波数をfsからfCに更新して加熱処理を実行した後に、温度情報取得手段130で取得した被加熱物160の温度分布情報182が、全ての領域の温度が高となっており、被加熱物160が均一に加熱処理された様子を示す。
以上のように、本実施の形態1に係る高周波加熱装置100は、加熱室101に収納された被加熱物160を加熱する高周波加熱装置であって、設定された周波数の高周波電力を発生する少なくとも一つの高周波電力発生部120と、高周波電力発生部120で発生された高周波電力を加熱に適した大きさの電力に増幅する高周波電力増幅部111と、高周波電力増幅部111から出力された高周波電力を被加熱物160に放射する放射部112とを備えた少なくとも一つの高周波電力ユニット110と、被加熱物160の温度分布情報を取得する温度情報取得手段130と、高周波電力発生部120を制御する制御部140と、高周波電力発生部120に設定された周波数に対応する、温度情報取得手段130で取得した被加熱物160の温度分布情報を記憶する記憶部150とを備え、制御部1
40は、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の周波数を予め定めた時間間隔で順次、高周波電力発生部120に設定するとともに、温度情報取得手段130から被加熱物160の温度分布情報を取得することにより、予め定めた複数のそれぞれの周波数に於ける、被加熱物160の温度上昇率分布を算出して、それぞれの周波数に対する温度上昇率分布情報を記憶部150に記憶し、加熱動作中に、温度情報取得手段130から取得した被加熱物160の温度分布情報に基づいて、記憶部150に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数を決定することにより、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の周波数に対する温度上昇率分布情報を取得して記憶部150に記憶し、加熱動作中に、記憶部150に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数を決定するので、被加熱物160に対する正確な加熱分布となる条件で加熱することができ、被加熱物160の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2を、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る高周波加熱装置は、実施の形態1に係る高周波加熱装置100が、制御部140から設定された周波数の高周波電力を発生する少なくとも一つの高周波電力発生部120と、高周波電力増幅部111と放射部112とを備えた少なくとも一つの高周波電力ユニット110とを有しているのに対し、高周波電力を発生する高周波電力発生部と、高周波電力増幅部と放射部を備える複数の高周波電力ユニットを有し、複数の高周波電力ユニットの内、少なくとも一つの高周波電力ユニットは、可変移相器を更に有する点が異なる。この構成により、複数の高周波電力ユニットから加熱室に放射される高周波電力の位相差を変化させることができる。
以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。なお、本実施の形態2の説明において、前述の実施の形態1と同じ機能を有する構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する。また、前述の実施の形態1と同じ作用を有する内容についても、説明を省略する。
図8は、本発明の実施の形態2に係る、高周波加熱装置200の構成を示すブロック図である。
同図に示す高周波加熱装置200は、図1に示した実施の形態1に係る高周波加熱装置100と比較して、高周波電力ユニット110に代わり第1の高周波電力ユニット210aと第2の高周波電力ユニット210bとを備え、高周波電力増幅部111に代わり第1の高周波電力増幅部211aと第2の高周波電力増幅部211bとを備え、放射部112に代わり第1の放射部212aと第2の放射部212bとを備え、高周波電力発生部120に代わり高周波電力発生部220を備え、制御部140に代わり制御部240を備え、記憶部150に代わり記憶部250を備えるのに加えて、可変移相器213および分配部270をさらに備える。
高周波電力発生部220は特定の周波数の高周波電力を発生する。発生された高周波電力は、分配部270で分配され、第1の高周波電力ユニット210aおよび第2の高周波電力ユニット210bへ入力される。つまり、高周波電力発生部220は、第1および第2の高周波電力ユニット210aおよび210bへ高周波電力を供給する。
第1の高周波電力ユニット210aへ入力された高周波電力は、第1の高周波電力増幅部211aへ入力される。第1の高周波電力増幅部211aに入力された高周波電力は、対象物の加熱処理に適した電力に増幅され、第1の放射部212aより加熱室101に放射される。また、第2の高周波電力ユニット210bへ入力された高周波電力は、可変移
相器213で移相処理され、第2の高周波電力増幅部211bへ入力される。第2の高周波電力増幅部211bに入力された高周波電力は、対象物の加熱処理に適した電力に増幅され、第2の放射部212bより加熱室101に放射される。
制御部240は、可変移相器213に接続されており、第2の放射部212bから放射される高周波電力の移相量を制御する。
また、制御部240は、記憶部250に接続されており、可変移相器213に設定した第2の放射部212bから放射される高周波電力の移相量に対応する、温度情報取得手段130より取得した被加熱物160の温度分布情報を格納する。
高周波電力発生部220は、特定の周波数を有する高周波電力を発生する電力発生部である。具体的には、トランジスタ発振器や真空管発振器などを用いる事ができる。
分配部270は、高周波電力発生部220から入力された高周波電力を高周波電力ユニットの数に分配(本実施の形態に於いては2分配)して、分配されたそれぞれの高周波電力を、それぞれの高周波電力ユニット(本実施の形態に於いては、第1の高周波電力ユニット210aおよび第2の高周波電力ユニット210b)へ入力する。この分配部270としては、抵抗分配器を用いてもよいし、方向性結合器、ハイブリッドカプラのいずれを用いてもよい。
第1の高周波電力ユニット210aは、第1の高周波電力増幅部211aと第1の放射部212aを有する。なお、第1の高周波電力増幅部211aと第1の放射部212aの具体的な構成は、前述した実施の形態1で説明した、高周波電力増幅部111と放射部112の具体的な構成と同一であるので、説明は省略する。
第2の高周波電力ユニット210bは、可変移相器213と第2の高周波電力増幅部211bと第2の放射部212bを有する。なお、第2の高周波電力増幅部211bと第2の放射部212bの具体的な構成は、前述した実施の形態1で説明した、高周波電力増幅部111と放射部112の具体的な構成と同一であるので、説明は省略する。
可変移相器213は、制御部240により設定された移相量に応じて高周波電力に移相処理を施す移相量可変の移相器である。具体的には、制御部240から入力される移相量制御信号204に応じた移相量を高周波電力に施す、例えば、複数ビットステップ可変型移相器や、連続可変型移相器を用いることができる。
複数ビットステップ可変型移相器(例えば3ビットステップ可変型移相器)は、デジタル制御において用いられ、経路切換えの組合せで、ステップ的に数段階の移相量を制御する。移相量は、外部から入力された移相量を示す制御信号に基づいて決定される。
一方、連続可変型移相器はアナログ電圧制御に用いられ、例えば伝送線を用いたローデッドライン型移相器と、90°ハイブリッドカプラを用いたハイブリッド結合型移相器として知られている。いずれも、バラクタダイオードの逆バイアス電圧を変化させることにより、2つの共振回路での反射位相を変化させ、入力−出力間の挿入移相を変化させる。挿入移相の変化量は外部から入力された移相量を示す制御信号に基づいて決定される。
このように、第1の高周波電力ユニット210aは、分配部270から入力された高周波電力を増幅して、第1の放射部212aより加熱室101へ放射する。また、第2の高周波電力ユニット210bは、分配部270から入力された高周波電力に移相処理を施し、増幅して、第2の放射部212bより加熱室101へ放射する。これにより、第2の高
周波電力ユニット210bの可変移相器213の移相量を制御することにより、第1の放射部212aおよび第2の放射部212bから放射される高周波電力の位相差を制御することができる。なお、図8において、第1の放射部212aおよび第2の放射部212bは、それぞれ、第1の高周波電力ユニット210aおよび第2の高周波電力ユニット210bに含まれるように描かれているが、これはあくまで一例であり、第1の高周波電力ユニット210aおよび第2の高周波電力ユニット210bと第1の放射部212aおよび第2の放射部212bは、それぞれ別体でもよい。
温度情報取得手段130で取得された被加熱物160の温度分布情報は、温度分布情報信号102として、制御部240に出力される。
以上のような構成により、本実施の形態に係る高周波加熱装置200は、第2の放射部212bから加熱室101に放射される高周波電力の移相量、すなわち、第1の放射部212aおよび第2の放射部212bからそれぞれ加熱室101に放射される高周波電力の位相差に対する、被加熱物160の温度分布の情報を取得して、記憶部250に記憶させることができる。
次に、上述の高周波加熱装置200の動作について説明する。
本実施の形態に係る高周波加熱装置200の制御手順は、前述の実施の形態1で説明した高周波加熱装置100の制御手順と基本的に同様である。ただし、前述の図1で説明した高周波加熱装置100は、制御部140は高周波電力発生部120の周波数を制御して、放射部112から加熱室101に放射される高周波電力の周波数を制御するのに対して、本実施の形態の図8に示す高周波加熱装置200においては、制御部240は第2の高周波電力ユニット210bの可変移相器213の移相量を制御して、第1の放射部212aおよび第2の放射部212bから放射される高周波電力の位相差を制御している点が異なる。
図9は、図8の高周波加熱装置200の基本的な制御手順を示すフローチャートである。
図8の高周波加熱装置200は、制御部240において、以下の処理を行う。
図9に示すように、被加熱物160が加熱室101に収納され、ユーザーにより加熱処理開始の指示がなされると(ステップS100)、最初に、制御部240は、可変移相器213と温度情報取得手段130を操作して、予め定められた複数の移相量(または位相差)に対する、被加熱物160の温度上昇分布情報を取得して、記憶部250に格納する(ステップS210)。なお、温度上昇分布情報取得の詳細な制御手順は後述する。
次に、可変移相器213の移相量を、予め定められた加熱用初期移相量(または位相差)にするように、可変移相器213の移相量を制御して、本加熱を開始する(ステップS220)。
そして、予め定められた時間だけ加熱を継続(ステップS130)した後、加熱処理を終了するか、加熱処理を終了する条件を満たしているかどうかを判断して(ステップS140)、加熱処理を終了する条件を満たしている場合には、加熱処理を終了する(ステップS160)。
加熱処理を終了する条件については、前述の実施の形態1で説明した高周波加熱装置100の加熱処理を終了する条件と同様であるので説明は省略する。
一方、加熱処理を終了する条件を満たしていない場合は、温度情報取得手段130で被加熱物160の温度分布情報を取得し、取得した被加熱物160の温度分布情報に基づいて、移相量(または位相差)設定を更新する(ステップS250)。なお、取得した温度分布情報に基づいて移相量(または位相差)設定を更新する詳細な制御手順は後述する。
そして、予め定められた時間だけ加熱を継続し(ステップS130)、加熱処理を終了する条件を満たすまで、これらの処理を繰り返して、被加熱物160の加熱処理を実行する。
次に、温度上昇分布情報取得の詳細な制御手順について説明する。
図10は、本実施の形態2による高周波加熱装置200の、温度上昇分布情報取得の制御手順を示すフローチャートである。
高周波加熱装置200の制御部240は、ユーザーによる加熱処理開始の指示の後に、以下の制御手順により、温度上昇分布情報を取得して、記憶部250に格納する。
図10に示すように、まず、予め定められた複数の移相量(または位相差)の第1番目の移相量(または位相差)に、可変移相器213の移相量を設定する(ステップS211)。
次に、温度情報取得手段130より、測定開始時の被加熱物160の温度分布情報(T1)を取得する(ステップS112)。
次に、予め定められた時間だけ、被加熱物160をプリ加熱する(ステップS113)。
次に、温度情報取得手段130より、測定終了時の被加熱物160の温度分布情報(T2)を取得する(ステップS114)。
次に、取得した測定開始時の被加熱物160の温度分布情報(T1)と測定終了時の被加熱物160の温度分布情報(T2)より、温度上昇率(ΔT)を算出して(ステップS115)、温度上昇率分布情報として、設定した移相量(または位相差)と共に、記憶部250に格納する(ステップS216)。
次に、予め定められた複数の移相量(または位相差)全ての移相量(または位相差)について、温度上昇率分布情報を記憶部250に格納を終えたかどうかを判定して(ステップS217)、予め定められた複数の移相量(または位相差)全ての移相量(または位相差)について、温度上昇率分布情報を記憶部250に格納を終えた場合は、温度上昇率分布情報の取得処理を終了とし、予め定められた複数の移相量(または位相差)全ての移相量(または位相差)について、温度上昇率分布情報の記憶部250への格納を終えていない場合は、次の移相量(または位相差)に可変移相器213の移相量を設定して(ステップS218)、温度上昇率分布情報の取得処理を実行する。
次に、取得した温度分布情報に基づいて移相量(または位相差)設定を更新する制御手順ついて説明する。
図11は、本実施の形態2による高周波加熱装置200の、取得した温度分布情報に基づいて移相量(または位相差)設定を更新する制御手順を示すフローチャートである。
高周波加熱装置200の制御部240は、本加熱処理動作中に、以下の制御手順により、温度情報取得手段130より取得した被加熱物160の温度分布情報に基づいて、可変移相器213に設定する移相量を更新する。
図11に示すように、まず、温度情報取得手段130より被加熱物160の温度分布情報を取得する(ステップS151)。
次に、温度情報取得手段130より取得した被加熱物160の温度分布情報に基づいて、可変移相器213に設定する移相量を変更する必要があるかどうか、すなわち、温度上昇率分布のパターンを変更する必要があるかどうかを判定する(ステップS152)。温度上昇率分布のパターンを変更する必要があるかどうかを判定する基準については、前述の実施の形態1で説明した高周波加熱装置100の温度上昇率分布のパターンを変更する必要があるかどうかを判定する基準と同様であるので説明は省略する。
次に、可変移相器213に設定する移相量を変更して、温度上昇率分布のパターンを変更する必要があると判定した場合は、記憶部250に格納された、温度上昇率分布情報を参照して、適切な温度上昇率分布情報を検索して、加熱に使用する温度上昇率分布のパターンを決定する(ステップS253)。
次に、適切な温度上昇率分布情報を検索して決定した、加熱に使用する温度上昇率分布のパターンに対応する移相量(または位相差)を可変移相器213の移相量に設定して(ステップS254)、本加熱処理の動作に戻る。
一方、可変移相器213に設定する移相量を変更して、温度上昇率分布のパターンを変更する必要がないと判定した場合は、本加熱処理の動作に戻る。
上述の高周波加熱装置200の構成によれば、加熱動作開始直後に、可変移相器213と温度情報取得手段130を操作して、予め定めた複数の移相量(または位相差)に対する温度上昇率分布情報を取得して記憶部250に記憶し、加熱動作中に、記憶部250に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する移相量(または位相差)を決定するので、被加熱物160に対する正確な加熱分布となる条件で加熱することができ、被加熱物160の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3を、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る高周波加熱装置は、実施の形態1に係る高周波加熱装置100が、制御部140から設定された周波数の高周波電力を発生する少なくとも一つの高周波電力発生部120と、高周波電力増幅部111と放射部112とを備えた少なくとも一つの高周波電力ユニット110とを有し、実施の形態2に係る高周波加熱装置200が、高周波電力を発生する高周波電力発生部220と、第1の高周波電力増幅部211aと第1の放射部212aを備える第1の高周波電力ユニット210aと、制御部240から設定された移相量に高周波電力を移相処理する可変移相器213と第2の高周波電力増幅部211bと第2の放射部212bを備える第2の高周波電力ユニット210bとを有しているのに対し、制御部から設定された周波数の高周波電力を発生する少なくとも一つの高周波電力発生部と、高周波電力増幅部と放射部を備える複数の高周波電力ユニットを有し、複数の高周波電力ユニットの内、少なくとも一つの高周波電力ユニットは、可変移相器を更に有する点が異なる。この構成により、複数の高周波電力ユニットから加熱室に放射される高周波電力の周波数と位相差を変化させることができる。
以下、実施の形態1ならびに実施の形態2との相違点を中心に説明する。なお、本実施の形態3の説明において、前述の実施の形態1ならびに実施の形態2と同じ機能を有する構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する。また、前述の実施の形態1ならびに実施の形態2と同じ作用を有する内容についても、説明を省略する。
図12は、本発明の実施の形態3に係る、高周波加熱装置300の構成を示すブロック図である。
同図に示す高周波加熱装置300は、加熱室101に収納された被加熱物160を加熱する高周波加熱装置であって、第1の高周波電力ユニット210aおよび第2の高周波電力ユニット210bと、分配部270と、高周波電力発生部120と、温度情報取得手段130と、制御部340と、記憶部350を備えている。高周波電力発生部120と、温度情報取得手段130は、前述の実施の形態1と同じ機能を有する構成要素であり、第1の高周波電力ユニット210aおよび第2の高周波電力ユニット210bと、分配部270は、前述の実施の形態2と同じ機能を有する構成要素である。
高周波電力発生部120で発生された高周波電力は、分配部270で分配され、第1の高周波電力ユニット210aおよび第2の高周波電力ユニット210bへ入力される。つまり、高周波電力発生部120は、第1および第2の高周波電力ユニット210aおよび210bへ高周波電力を供給する。
第1の高周波電力ユニット210aへ入力された高周波電力は、第1の高周波電力増幅部211aへ入力される。第1の高周波電力増幅部211aに入力された高周波電力は、対象物の加熱処理に適した電力に増幅され、第1の放射部212aより加熱室101に放射される。また、第2の高周波電力ユニット210bへ入力された高周波電力は、可変移相器213で移相処理され、第2の高周波電力増幅部211bへ入力される。第2の高周波電力増幅部211bに入力された高周波電力は、対象物の加熱処理に適した電力に増幅され、第2の放射部212bより加熱室101に放射される。
制御部340は、高周波電力発生部120に接続されており、第1の放射部212aおよび第2の放射部212bから放射される高周波電力の周波数を制御するとともに、可変移相器213に接続されており、第2の放射部212bから放射される高周波電力の移相量を制御する。
また、制御部340は、記憶部350に接続されており、高周波電力発生部120に設定した第1の放射部212aおよび第2の放射部212bから放射される高周波電力の周波数と、可変移相器213に設定した第2の放射部212bから放射される高周波電力の移相量との組合せに対応する、温度情報取得手段130より取得した被加熱物の温度分布情報を格納する。
高周波電力発生部120は、制御部340により設定された周波数を有する高周波電力を発生する周波数可変の電力発生部である。なお、高周波電力発生部120の具体的な構成は、前述した実施の形態1で説明した、高周波電力発生部120と同一であるので、説明は省略する。
分配部270は、高周波電力発生部120から入力された高周波電力を高周波電力ユニットの数に分配(本実施の形態に於いては2分配)して、分配されたそれぞれの高周波電力を、それぞれの高周波電力ユニット(本実施の形態に於いては、第1の高周波電力ユニット210aおよび第2の高周波電力ユニット210b)へ入力する。なお、分配部27
0と第1の高周波電力ユニット210aおよび第2の高周波電力ユニット210bの具体的な構成は、前述した実施の形態2で説明した、分配部270と第1の高周波電力ユニット210aおよび第2の高周波電力ユニット210bと同一であるので、説明は省略する。
温度情報取得手段130で取得された被加熱物160の温度分布情報は、温度分布情報信号102として、制御部340に出力される。
以上のような構成により、本実施の形態に係る高周波加熱装置300は、第1の放射部212aおよび第2の放射部212bから放射される高周波電力の周波数と、第2の放射部212bから加熱室101に放射される高周波電力の移相量、すなわち、第1の放射部212aおよび第2の放射部212bからそれぞれ加熱室101に放射される高周波電力の位相差に対する、被加熱物160の温度分布の情報を取得して、記憶部350に記憶させることができる。
次に、上述の高周波加熱装置300の動作について説明する。
本実施の形態に係る高周波加熱装置300の制御手順は、前述の実施の形態1および実施の形態2で説明した高周波加熱装置100および高周波加熱装置200の制御手順と基本的に同様である。ただし、前述の図1で説明した高周波加熱装置100は、制御部140は高周波電力発生部120の周波数を制御して、放射部112から加熱室101に放射される高周波電力の周波数を制御し、前述の図8で説明した高周波加熱装置200は、制御部240は第2の高周波電力ユニット210bの可変移相器213の移相量を制御して、第1の放射部212aおよび第2の放射部212bから放射される高周波電力の位相差を制御するのに対して、本実施の形態の図12に示す高周波加熱装置300においては、制御部340は高周波電力発生部120の周波数を制御して、第1の放射部212aおよび第2の放射部212bから加熱室101に放射される高周波電力の周波数を制御するとともに、第2の高周波電力ユニット210bの可変移相器213の移相量を制御して、第1の放射部212aおよび第2の放射部212bから放射される高周波電力の位相差を制御している点が異なる。
図13は、図12の高周波加熱装置300の基本的な制御手順を示すフローチャートである。
図12の高周波加熱装置300は、制御部340において、以下の処理を行う。
図13に示すように、被加熱物160が加熱室101に収納され、ユーザーにより加熱処理開始の指示がなされると(ステップS100)、最初に、制御部340は、高周波電力発生部120と可変移相器213と温度情報取得手段130を操作して、予め定められた複数の周波数と移相量(または位相差)の組合せに対する、被加熱物160の温度上昇分布情報を取得して、記憶部350に格納する(ステップS310)。なお、温度上昇分布情報取得の詳細な制御手順は後述する。
次に、高周波電力発生部120の周波数と可変移相器213の移相量の組合せを、予め定められた加熱用初期周波数と移相量(または位相差)の組合せにするように、高周波電力発生部120の周波数と可変移相器213の移相量を制御して、本加熱を開始する(ステップS320)。
そして、予め定められた時間だけ加熱を継続(ステップS130)した後、加熱処理を終了するか、加熱処理を終了する条件を満たしているかどうかを判断して(ステップS1
40)、加熱処理を終了する条件を満たしている場合には、加熱処理を終了する(ステップS160)。
加熱処理を終了する条件については、前述の実施の形態1で説明した高周波加熱装置100の加熱処理を終了する条件と同様であるので説明は省略する。
一方、加熱処理を終了する条件を満たしていない場合は、温度情報取得手段130で被加熱物160の温度分布情報を取得し、取得した被加熱物160の温度分布情報に基づいて、周波数と移相量(または位相差)の組合せ設定を更新する(ステップS350)。なお、取得した温度分布情報に基づいて周波数と移相量(または位相差)の組合せ設定を更新する詳細な制御手順は後述する。
そして、予め定められた時間だけ加熱を継続し(ステップS130)、加熱処理を終了する条件を満たすまで、これらの処理を繰り返して、被加熱物160の加熱処理を実行する。
次に、温度上昇分布情報取得の詳細な制御手順について説明する。
図14は、本実施の形態3による高周波加熱装置300の、温度上昇分布情報取得の制御手順を示すフローチャートである。
高周波加熱装置300の制御部340は、ユーザーによる加熱処理開始の指示の後に、以下の制御手順により、温度上昇分布情報を取得して、記憶部350に格納する。
図14に示すように、まず、予め定められた複数の周波数と移相量(または位相差)の組合せの第1番目の周波数と移相量(または位相差)の組合せに、高周波電力発生部120の周波数と可変移相器213の移相量を設定する(ステップS311)。
次に、温度情報取得手段130より、測定開始時の被加熱物160の温度分布情報(T1)を取得する(ステップS112)。
次に、予め定められた時間だけ、被加熱物160をプリ加熱する(ステップS113)。
次に、温度情報取得手段130より、測定終了時の被加熱物160の温度分布情報(T2)を取得する(ステップS114)。
次に、取得した測定開始時の被加熱物160の温度分布情報(T1)と測定終了時の被加熱物160の温度分布情報(T2)より、温度上昇率(ΔT)を算出して(ステップS115)、温度上昇率分布情報として、設定した周波数と移相量(または位相差)の組合せと共に、記憶部350に格納する(ステップS316)。
次に、予め定められた複数の移相量(または位相差)全ての移相量(または位相差)について、温度上昇率分布情報を記憶部250に格納を終えたかどうかを判定して(ステップS217)、予め定められた複数の周波数と移相量(または位相差)の組合せ全ての周波数と移相量(または位相差)の組合せについて、温度上昇率分布情報を記憶部350に格納を終えた場合は、温度上昇率分布情報の取得処理を終了とし、予め定められた複数の周波数と移相量(または位相差)の組合せ全ての周波数と移相量(または位相差)の組合せについて、温度上昇率分布情報の記憶部350への格納を終えていない場合は、次の周波数と移相量(または位相差)の組合せに高周波電力発生部120の周波数と可変移相器
213の移相量を設定して(ステップS318)、温度上昇率分布情報の取得処理を実行する。
次に、取得した温度分布情報に基づいて周波数と移相量(または位相差)の組合せ設定を更新する制御手順ついて説明する。
図15は、本実施の形態3による高周波加熱装置300の、取得した温度分布情報に基づいて周波数と移相量(または位相差)の組合せ設定を更新する制御手順を示すフローチャートである。
高周波加熱装置300の制御部340は、本加熱処理動作中に、以下の制御手順により、温度情報取得手段130より取得した被加熱物160の温度分布情報に基づいて、高周波電力発生部120に設定する周波数と、可変移相器213に設定する移相量を更新する。
図15に示すように、まず、温度情報取得手段130より被加熱物160の温度分布情報を取得する(ステップS151)。
次に、温度情報取得手段130より取得した被加熱物160の温度分布情報に基づいて、高周波電力発生部120に設定する周波数と可変移相器213に設定する移相量を変更する必要があるかどうか、すなわち、温度上昇率分布のパターンを変更する必要があるかどうかを判定する(ステップS152)。温度上昇率分布のパターンを変更する必要があるかどうかを判定する基準については、前述の実施の形態1で説明した高周波加熱装置100の温度上昇率分布のパターンを変更する必要があるかどうかを判定する基準と同様であるので説明は省略する。
次に、高周波電力発生部120に設定する周波数と可変移相器213に設定する移相量を変更して、温度上昇率分布のパターンを変更する必要があると判定した場合は、記憶部350に格納された、温度上昇率分布情報を参照して、適切な温度上昇率分布情報を検索して、加熱に使用する温度上昇率分布のパターンを決定する(ステップS353)。
次に、適切な温度上昇率分布情報を検索して決定した、加熱に使用する温度上昇率分布のパターンに対応する周波数と移相量(または位相差)の組合せを高周波電力発生部120の周波数と可変移相器213の移相量に設定して(ステップS354)、本加熱処理の動作に戻る。
一方、高周波電力発生部120に設定する周波数と可変移相器213に設定する移相量を変更して、温度上昇率分布のパターンを変更する必要がないと判定した場合は、本加熱処理の動作に戻る。
上述の高周波加熱装置300の構成によれば、加熱動作開始直後に、高周波電力発生部120と可変移相器213と温度情報取得手段130を操作して、予め定めた複数の周波数と移相量(または位相差)の組合せに対する温度上昇率分布情報を取得して記憶部350に記憶し、加熱動作中に、記憶部350に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数と移相量(または位相差)の組合せを決定するので、被加熱物160に対する正確な加熱分布となる条件で加熱することができ、被加熱物160の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
また、前述の高周波加熱装置100ならびに高周波加熱装置200および上述の高周波加熱装置300において、それぞれの制御部140,240,340は、被加熱物160
が加熱室101に収納され、ユーザーにより加熱処理開始の指示がなされた(ステップS100)後、高周波電力発生部120もしくは可変移相器213もしくは高周波電力発生部120と可変移相器213および温度情報取得手段130を操作して、予め定められた複数の周波数もしくは移相量(または位相差)もしくは周波数と移相量(または位相差)の組合せに対する、被加熱物160の温度上昇分布情報を取得して、記憶部150,250,350に格納(ステップS110,S210,S310)した後、記憶部150,250,350に格納した温度上昇分布情報を参照して、温度上昇率分布の大小の領域を補完し合う周波数もしくは移相量(または位相差)もしくは周波数と移相量(または位相差)の組合せを複数選出し、選出した周波数もしくは移相量(または位相差)もしくは周波数と移相量(または位相差)の組合せを順次切替えて本加熱の処理を実行してもよい。
これらの動作の一例を図を用いて説明する。
図16および図17は、複数の温度上昇率分布情報を順次切替えて加熱処理を施す様子を模式的に示した図である。
図16(a)は、温度情報取得手段130で取得する、被加熱物160の温度分布情報取得区画401を示す。図16(a)では6区画の温度情報が取得できるように描かれているが、区画の数、および区画の切り方はこの限りではなく、区画数が多いほど、精度は向上する。
図16(b)〜(d)は、記憶部150,250,350に格納された、複数の温度上昇率分布情報から選んだ3個の温度上昇率分布情報、図16(b)は温度上昇率分布情報(A)402、図16(c)は温度上昇率分布情報(B)403、図16(d)は温度上昇率分布情報(C)404をそれぞれ示している。それぞれの温度分布情報取得区画内に表示された数値は、単位時間に上昇する温度を示す。例えば、図16(b)に示す温度上昇率分布情報(A)402の温度分布情報取得区画R1に該当する部分は、単位時間(例えば1分)で温度が5度上昇することを示している。すなわち、数値が大きいほど単位時間に上昇する温度が大きくなる。
図16(e)は、温度上昇率分布情報(A)402の設定条件と温度上昇率分布情報(B)403の設定条件および温度上昇率分布情報(C)404の設定条件を、温度上昇率分布情報(A)402、温度上昇率分布情報(B)403、温度上昇率分布情報(C)404の順で、均等に1単位時間ずつ順に切替えて加熱を実行したときの、図16(a)に示す被加熱物160の温度分布情報取得区画401の各区画における温度上昇の推移を示している。
また、図17(a)〜(c)は、記憶部150,250,350に格納された、複数の温度上昇率分布情報から選んだ3個の温度上昇率分布情報、図17(a)は温度上昇率分布情報(D)405、図17(b)は温度上昇率分布情報(E)406、図17(c)は温度上昇率分布情報(F)407をそれぞれ示している。それぞれの温度分布情報取得区画内に表示された数値は、単位時間に上昇する温度を示す。
図17(d)は、温度上昇率分布情報(D)405の設定条件と温度上昇率分布情報(E)406の設定条件および温度上昇率分布情報(F)407の設定条件を、温度上昇率分布情報(D)405、温度上昇率分布情報(E)406、温度上昇率分布情報(F)407の順で、温度上昇率分布情報(D)405を1単位時間、温度上昇率分布情報(E)406を2単位時間、温度上昇率分布情報(F)407を0.5単位時間ずつ順に切替えて加熱を実行したときの、図16(a)に示す被加熱物160の温度分布情報取得区画401の各区画における温度上昇の推移を示している。
図16(e)および図17(d)に示すように、1サイクルの時間経過後の温度上昇は均一になることがわかる。このサイクルを被加熱物160の温度が所望の温度になるまで繰り返すことにより、被加熱物160の全ての領域において、温度上昇率分布が平均化された状態で加熱処理されるので、簡単な制御で、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
また、前述の高周波加熱装置100ならびに高周波加熱装置200および上述の高周波加熱装置300において、それぞれの制御部140,240,340は、本加熱処理の実行中に、温度情報取得手段130から被加熱物160の温度分布情報を取得し、設定された周波数もしくは移相量(位相差)もしくは周波数と移相量(位相差)の組み合わせに対する温度上昇率分布情報を記憶部150,250,350に随時更新してもよい。具体的には、本加熱処理の実行中に、温度情報取得手段130から被加熱物160の温度分布情報を取得し、単位時間経過後に、再度、温度情報取得手段130から被加熱物160の温度分布情報を取得して、単位時間経過前後のそれぞれの区画に対応する温度の差分を計算して温度上昇率分布情報を得る。そして、記憶部150,250,350に記憶されている、現在の周波数もしくは移相量(位相差)もしくは周波数と移相量(位相差)の組み合わせに対する温度上昇率分布情報を新たに取得した温度上昇率分布情報に更新する。
これにより、加熱処理実行中に、被加熱物160の状態が変化した場合でも、加熱に使用する条件に対する温度上昇率分布情報の精度が向上し、被加熱物の種類や形状や量に係らず、効率よく、ムラの無い、均一に加熱することができる。
以上、本発明に係る高周波加熱装置について、各実施の形態に基づき説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を当該実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、少なくとも1つの高周波電力発生部と、少なくとも1つの高周波電力ユニットと温度情報取得手段を備える高周波加熱装置において、加熱動作開始直後に温度上昇率分布情報を取得して記憶し、記憶した温度上昇率分布情報を参照して、適切な加熱に使用する条件を選択して加熱を実行できるため、電子レンジなどの調理家電等として有用である。
100,200,300 高周波加熱装置
101 加熱室
102 温度分布情報信号
103 周波数制御信号
110,210a,210b 高周波電力ユニット
111,211a,211b 高周波電力増幅部
112,212a,212b 放射部
120,220 高周波電力発生部
121 高周波発振部
122 バッファアンプ
123 基準信号発振器
124 高周波発振器
125 位相比較器
130 温度情報取得手段
140,240,340 制御部
150,250,350 記憶部
160 被加熱物
171,401 温度分布情報取得区画
172,173,174,175 温度上昇率分布
181,182 温度分布情報
204 移相量制御信号
213 可変移相器
270 分配部
402,403,404,405,406,407 温度上昇率分布情報

Claims (6)

  1. 加熱室に収納された被加熱物を加熱する高周波加熱装置であって、
    設定された周波数の高周波電力を発生する少なくとも一つの高周波電力発生部と、
    前記高周波電力発生部で発生された高周波電力を加熱に適した大きさの電力に増幅する高周波電力増幅部と、前記高周波電力増幅部から出力された高周波電力を前記被加熱物に放射する放射部と、を備えた少なくとも一つの高周波電力ユニットと、
    被加熱物の温度分布情報を取得する温度情報取得手段と、
    前記高周波電力発生部を制御する制御部と、
    前記高周波電力発生部に設定された周波数に対応する、前記温度情報取得手段で取得した被加熱物の温度分布情報を記憶する記憶部と、を備え、
    前記制御部は、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の周波数を予め定めた時間間隔で順次前記高周波電力発生部に設定するとともに、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布情報を取得することにより、予め定めた複数のそれぞれの周波数に於ける、被加熱物の温度上昇率分布を算出して、それぞれの周波数に対する温度上昇率分布情報を前記記憶部に記憶し、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から取得した被加熱物の温度分布情報に基づいて、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数を決定する、高周波加熱装置。
  2. 加熱室に収納された被加熱物を加熱する高周波加熱装置であって、
    高周波電力を発生する高周波電力発生部と、
    前記高周波電力発生部で発生された高周波電力を加熱に適した大きさの電力に増幅する高周波電力増幅部と、前記高周波電力増幅部から出力された高周波電力を前記被加熱物に放射する放射部と、を各々備えた複数の高周波電力ユニットと、
    前記複数の高周波電力ユニットのうちの少なくとも一つは、前記高周波電力発生部で発生された高周波電力の位相を変化させる可変移相部を更に備え、
    被加熱物の温度分布情報を取得する温度情報取得手段と、
    前記高周波電力発生部を制御する制御部と、
    前記高周波電力発生部に設定された周波数と、前記高周波電力ユニットに設定された移相量の組合せに対応する、前記温度情報取得手段で取得した被加熱物の温度分布情報を記憶する記憶部と、を備え、
    前記制御部は、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の移相量を、予め定めた時間間隔で順次前記高周波電力ユニットに設定するとともに、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布情報を取得することにより、予め定めた複数の移相量に於ける、被加熱物の温度上昇率分布を算出して、それぞれの移相量に対する温度上昇率分布情報を前記記憶部に記憶し、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から取得した被加熱物の温度分布情報に基づいて、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する移相量を決定する、高周波加熱装置。
  3. 加熱室に収納された被加熱物を加熱する高周波加熱装置であって、
    設定された周波数の高周波電力を発生する少なくとも一つの高周波電力発生部と、
    前記高周波電力発生部で発生された高周波電力を加熱に適した大きさの電力に増幅する高周波電力増幅部と、前記高周波電力増幅部から出力された高周波電力を前記被加熱物に放射する放射部と、を各々備えた複数の高周波電力ユニットと、
    前記複数の高周波電力ユニットのうちの少なくとも一つは、前記高周波電力発生部で発生された高周波電力の位相を変化させる可変移相部を更に備え、
    被加熱物の温度分布情報を取得する温度情報取得手段と、
    前記高周波電力発生部に周波数を設定するとともに、前記高周波電力ユニットに移相量を設定する制御部と、
    前記高周波電力発生部に設定された周波数と、前記高周波電力ユニットに設定された移相
    量の組合せに対応する、前記温度情報取得手段で取得した被加熱物の温度分布情報を記憶する記憶部と、を備え、
    前記制御部は、加熱動作開始直後に、予め定めた複数の周波数と移相量の組合せを、予め定めた時間間隔で順次前記高周波電力発生部および前記高周波電力ユニットに設定するとともに、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布情報を取得することにより、予め定めた複数のそれぞれの周波数と移相量の組合せに於ける、被加熱物の温度上昇率分布を算出して、それぞれの周波数と移相量の組合せに対する温度上昇率分布情報を前記記憶部に記憶し、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から取得した被加熱物の温度分布情報に基づいて、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数と移相量を決定する、高周波加熱装置。
  4. 前記制御部は、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布情報を取得し、温度が低い部分の温度上昇率を大きくする、もしくは温度が高い部分の温度上昇率を小さくする、もしくは温度が低い部分の温度上昇率を大きくすると同時に温度が高い部分の温度上昇率を小さくする、周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量を、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、加熱に使用する周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量を決定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  5. 前記制御部は、前記記憶部に記憶した温度上昇率分布情報を参照して、温度上昇率分布の大小の領域を補完し合う周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量を複数選出し、選出した周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量を順次切替えて加熱動作を実行する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  6. 前記制御部は、加熱動作中に、前記温度情報取得手段から被加熱物の温度分布情報を取得し、前記高周波電力発生部もしくは前記高周波電力ユニットもしくは前記高周波電力発生部と前記高周波電力ユニットにそれぞれ設定された周波数もしくは移相量もしくは周波数と移相量に対する前記温度上昇率分布情報を前記記憶部に随時更新する、請求項4または5に記載の高周波加熱装置。
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