JP4976229B2 - フォトレジスト用樹脂溶液の製造方法、フォトレジスト組成物およびパターン形成方法 - Google Patents

フォトレジスト用樹脂溶液の製造方法、フォトレジスト組成物およびパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、フォトレジスト用樹脂溶液の製造方法、フォトレジスト組成物およびパターン形成方法に関するものである。
半導体の製造において、パターン形成のためのリソグラフ技術は飛躍的な革新により、近年その線幅が極微細化されている。リソグラフのための露光は当初、i線、g線が使用され、その線幅も広いものであった。従って、製造される半導体の容量も低かった。しかし、近年の技術開発により、KrFエキシマレーザの使用が可能となり、その線幅も飛躍的に微細なものとなった。その後も、更に短波長であるArFエキシマレーザの適用を目指して開発が進み、極近年においてその実用化がなされた。KrFエキシマレーザでの露光では、従来の樹脂であるノボラック系又はスチレン系樹脂が使用されていたが、ArFエキシマレーザの波長は193nmと更に短波長となり、ノボラック系やスチレン系樹脂のように芳香族を含むものは、その波長を吸収するために、樹脂の構造は芳香族を含まない、つまり脂環族のものに置き換えられた。フォトレジスト用の樹脂としては、酸により脱離してアルカリ可溶となる性質や、基板への均一密着性などが求められ、そのために、脂環族樹脂へ様々な極性基が導入されている。その複雑な構造のためかフォトレジスト用に使用される有機溶媒に溶解しにくい性質がみられる。
フォトレジスト溶液は半導体に使用される前に、微細なろ過が必要であり、ろ過性能が悪い場合が多く、その対策として、特許文献1や特許文献2のような提案がなされている。しかし、ArFエキシマレーザによるリソグラフも、更に進化を遂げて、現在液浸中での露光により更にパターンの微細化が進められている。それによりフォトレジスト用樹脂のろ過性能も更なる向上が求められている。
特開2001−183837号公報 特開2000−231200号公報
本発明は、均一なパターン形成を可能とするろ過性の良好なフォトレジスト組成物を提供することを目的とし、長期的に安定なフォトレジスト用樹脂溶液、つまり長期間保管してもろ過性能が低下しないフォトレジスト用樹脂溶液を提供する事にある。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、合成された樹脂溶液を特殊な条件化での処理により、飛躍的にろ過性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
つまり、本発明は、
少なくともプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)および/またはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を溶媒として含み、且つ、酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂を含む重合溶液を貧溶媒中へ添加沈殿させ、生成した沈殿をろ過後、有機溶媒に溶解し、貧溶媒を留去後、溶液の固形分濃度が3〜20重量%である状態で、40〜70℃において、4時間以上加熱熟成後、細孔径1μm以下のろ材によりろ過するフォトレジスト用樹脂溶液の製造方法であって、
酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂が重合単位として、少なくとも下記
式(4a)又は(4b)で表されるモノマーに対応する重合単位、及び下記式(2)を含むことを特徴とするフォトレジスト用樹脂溶液の製造方法、を提供する。
Figure 0004976229
(式中、環Z 1 は置換基を有していてもよい炭素数6〜20の脂環式炭化水素環を示す。R a は水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、R 4 〜R 6 は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
Figure 0004976229
(式中、Rは前記に示した基であり、R 2 はラクトン骨格を含む炭素数4〜20の基を示す。)
本発明はまた、酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂が重合単位として、少なくとも下記式(3)
Figure 0004976229
(式中、Rは前記に示した基であり、R3は極性基を有する脂環式骨格を含む炭素数4〜20の基を示す。)
を含むことを特徴とする前記記載のフォトレジスト用樹脂溶液の製造方法を提供する。
本発明は更に、
少なくともプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)および/またはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を溶媒として含み、且つ、酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂を含む重合溶液を貧溶媒中へ添加沈殿させ、生成した沈殿をろ過後、有機溶媒に溶解し、貧溶媒を留去後、溶液の固形分濃度が3〜20重量%である状態で、40〜70℃において、4時間以上加熱熟成後、細孔径1μm以下のろ材によりろ過されたフォトレジスト用樹脂溶液であって、
酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂が重合単位として、少なくとも下記
式(4a)又は(4b)で表されるモノマーに対応する重合単位、及び下記式(2)を含むことを特徴とするフォトレジスト用樹脂溶液を提供する。
Figure 0004976229
(式中、環Z 1 は置換基を有していてもよい炭素数6〜20の脂環式炭化水素環を示す。R a は水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、R 4 〜R 6 は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
Figure 0004976229
(式中、Rは前記に示した基であり、R 2 はラクトン骨格を含む炭素数4〜20の基を示す。)
本発明は更にまた、前記記載のフォトレジスト用樹脂溶液に、更に光酸発生剤を含むフォトレジスト用組成物を提供する。
また本発明は、前記記載のフォトレジスト組成物を基板に塗布し、露光後、アルカリ溶解を少なくとも含む工程によるパターン形成方法を提供する。
なお、本明細書では、上記発明のほか、
酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂を含む溶液を30〜90℃において、30分以上加熱熟成後、細孔径1μm以下のろ材によりろ過することを特徴とするフォトレジスト用樹脂溶液の製造方法、についても説明する。
また、本明細書では、
前記酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂が重合単位として、
少なくとも下記式(1)
Figure 0004976229
(式中、Rは水素原子、フッ素原子又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 1 は酸により脱離可能な保護基を示す。)
を含むことを特徴とする前記記載のフォトレジスト用樹脂溶液の製造方法、についても説明する。
また、本明細書では、更に、
酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂を含む溶液を30〜90℃において、30分以上静置熟成後、細孔径1μm以下のろ材によりろ過されたフォトレジスト用樹脂溶液、についても説明する。
本発明により、ろ過性能の良好なフォトレジスト用樹脂溶液を提供する事で、良好なフォトレジスト組成物を提供する事が可能となり、更に、半導体製造工程でのろ過によるトラブルが激減する事を可能とした。
本発明のフォトレジスト用樹脂はポジ型フォトレジストに使用されることが多く、樹脂の重合単位として、例えば、酸の作用によりアルカリ可溶となる基を有する。なお、便宜上、本書においてアクリルとメタクリルを総称して(メタ)アクリルと記載することがある。
酸によりアルカリ可溶となる基が、アルカリ可溶性を示す酸性基、たとえば、フェノールやカルボン酸を保護していることが多い。
酸によりアルカリ可溶となる樹脂を構成する重合単位として、前記式(1)は酸によりアルカリ可溶となる基を有する重合単位を示すものであるが、この式(1)で示される重合単位に相当するモノマーは以下のようなものが挙げられる。
Figure 0004976229




上記式中、環Z1は置換基を有していてもよい炭素数6〜20の脂環式炭化水素環を示す。Raは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、R〜Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。Rは環Z1に結合している置換基であって、同一又は異なって、オキソ基、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。但し、p個のRのうち少なくとも1つは、−COORc基を示す。前記Rcは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、又はオキセパニル基を示す。pは1〜3の整数を示す。R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R10は水素原子又は有機基を示す。R、R、R10のうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する原子とともに環を形成していてもよい。
式(4a)〜(4c)中、環Z1における炭素数6〜20の脂環式炭化水素環は単環であっても、縮合環や橋かけ環等の多環であってもよい。代表的な脂環式炭化水素環として、例えば、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環、パーヒドロインデン環、デカリン環、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環などが挙げられる。脂環式炭化水素環には、メチル基等のアルキル基(例えば、C1-4アルキル基など)、塩素原子等のハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、オキソ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基などの置換基を有していてもよい。環Z1は例えばアダマンタン環等の多環の脂環式炭化水素環(橋かけ環式炭化水素環)であるのが好ましい。
式(4a)、(4b)、(4d)中のR〜R、R、Rにおける置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素1〜6のアルキル基;トリフルオロメチル基等の炭素1〜6のハロアルキル基などが挙げられる。式(4c)中、Rにおけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素1〜20程度のアルキル基が挙げられる。Rにおける保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基としては、例えば、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ基等のC1-4アルコキシ基など)などが挙げられる。保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基としては、前記保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基が炭素数1〜6のアルキレン基を介して結合している基などが挙げられる。保護基で保護されていてもよいカルボキシル基としては、−COORd基などが挙げられる。前記Rdは水素原子又はアルキル基を示し、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。Rにおいて、−COORc基のRcにおける第3級炭化水素基としては、例えば、t−ブチル、t−アミル、2−メチル−2−アダマンチル、(1−メチル−1−アダマンチル)エチル基などが挙げられる。テトラヒドロフラニル基には2−テトラヒドロフラニル基が、テトラヒドロピラニル基には2−テトラヒドロピラニル基が、オキセパニル基には2−オキセパニル基が含まれる。
10における有機基としては、炭化水素基及び/又は複素環式基を含有する基が挙げられる。炭化水素基には脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらが2以上結合した基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル基等の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基(C1-8アルキル基等);アリル基等の直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基(C2-8アルケニル基等);プロピニル基等の直鎖状または分岐鎖状のアルキニル基(C2-8アルキニル基等)などが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基(3〜8員シクロアルキル基等);シクロペンテニル、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基(3〜8員シクロアルケニル基等);アダマンチル、ノルボルニル基等の橋架け炭素環式基(C4-20橋架け炭素環式基等)などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル、ナフチル基等のC6-14芳香族炭化水素基などが挙げられる。脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した基としては、ベンジル、2−フェニルエチル基などが挙げられる。これらの炭化水素基は、アルキル基(C1-4アルキル基等)、ハロアルキル基(C1-4ハロアルキル基等)、ハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、オキソ基などの置換基を有していてもよい。保護基としては有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
前記複素環式基としては、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を含む複素環式基が挙げられる。
好ましい有機基として、C1-8アルキル基、環式骨格を含む有機基等が挙げられる。前記環式骨格を構成する「環」には、単環又は多環の非芳香族性又は芳香族性の炭素環又は複素環が含まれる。なかでも、単環又は多環の非芳香族性炭素環、ラクトン環(非芳香族性炭素環が縮合していてもよい)が特に好ましい。単環の非芳香族性炭素環として、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環などの3〜15員程度のシクロアルカン環などが挙げられる。
多環の非芳香族性炭素環(橋架け炭素環)として、例えば、アダマンタン環;ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環等のノルボルナン環又はノルボルネン環を含む環;パーヒドロインデン環、デカリン環(パーヒドロナフタレン環)、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環などの多環の芳香族縮合環が水素添加された環(好ましくは完全水素添加された環);トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環などの2環系、3環系、4環系などの橋架け炭素環(例えば、炭素数6〜20程度の橋架け炭素環)などが挙げられる。前記ラクトン環として、例えば、γ−ブチロラクトン環、4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン環、4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン環、4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−5−オン環などが挙げられる。
前記環式骨格を構成する環は、メチル基等のアルキル基(例えば、C1-4アルキル基など)、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基(例えば、C1-4ハロアルキル基など)、塩素原子やフッ素原子等のハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいメルカプト基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいスルホン酸基などの置換基を有していてもよい。保護基としては有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
前記環式骨格を構成する環は、式(4d)中に示される酸素原子(R10の隣接位の酸素原子)と直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基;カルボニル基;酸素原子(エーテル結合;−O−);オキシカルボニル基(エステル結合;−COO−);アミノカルボニル基(アミド結合;−CONH−);及びこれらが複数個結合した基などが挙げられる。
、R、R10のうち少なくとも2つは、互いに結合して隣接する原子とともに環を形成していてもよい。該環としては、例えば、シクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環などのシクロアルカン環;テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、オキセパン環などの含酸素環;橋架け環などが挙げられる。
式(4a)〜(4d)で表される化合物には、それぞれ立体異性体が存在しうるが、それらは単独で又は2種以上の混合物として使用できる。
式(4a)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、1−ヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、5−ヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン。
式(4b)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン、1−ヒドロキシ−3−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン、1−(1−エチル−1−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アダマンタン、1−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルプロピル)アダマンタン。
式(4c)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1−t−ブトキシカルボニル−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン。
式(4d)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1−アダマンチルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルメチルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、2−(1−アダマンチルエチル)オキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、1−ボルニルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、2−ノルボルニルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロフラニル(メタ)アクリレート。
上記式(4d)で表される化合物は、例えば、対応するビニルエーテル化合物と(メタ)アクリル酸とを酸触媒を用いた慣用の方法で反応させることにより得ることができる。例えば、1−アダマンチルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレートは、1−アダマンチル−ビニル−エーテルと(メタ)アクリル酸とを酸触媒の存在下で反応させることにより製造できる。
上記他のモノマー単位に対応する重合性不飽和単量体の別の例として、親水性や水溶性を付与又は向上しうる単量体が挙げられる。このような単量体として、例えば、ヒドロキシル基含有単量体(ヒドロキシル基が保護されている化合物を含む)、メルカプト基含有単量体(メルカプト基が保護されている化合物を含む)、カルボキシル基含有単量体(カルボキシル基が保護されている化合物を含む)、アミノ基含有単量体(アミノ基が保護されている化合物を含む)、スルホン酸基含有単量体(スルホン酸基が保護されている化合物を含む)、ラクトン骨格含有単量体、環状ケトン骨格含有単量体、酸無水物基含有単量体、イミド基含有単量体などの単量体などの極性基含有単量体が挙げられる。
酸によりアルカリ可溶となる樹脂を構成する重合単位として、前記式(2)はラクトン骨格を含む重合単位を示すものであるが、この式(2)で示される重合単位に相当するモノマーは以下のようなものが挙げられる。式(5a)〜(5c)で表される化合物には、それぞれ立体異性体が存在しうるが、それらは単独で又は2種以上の混合物として使用できる。
Figure 0004976229



上記式中、Rは前記に同じ。R11〜R13は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示し、V1〜V3は、同一又は異なって、−CH2−、−CO−又は−COO−を示す。但し、(i)V1〜V3のうち少なくとも1つは−CO−若しくは−COO−であるか、又は(ii)R11〜R13のうち少なくとも1つは、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基である。X1は炭素原子、酸素原子又は硫黄原子を示し、炭素原子のときにのみ置換基R17、R18が存在する。R14〜R18は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子などのハロゲン原子、フッ素原子により置換されている炭素数1〜6のアルキル基を示す。qは1又は2を示し、rは0又は1を示す。
式(5a)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4,7−ジオキサトリシクロ[4.4.1.13,9]ドデカン−5,8−ジオン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4,8−ジオキサトリシクロ[4.4.1.13,9]ドデカン−5,7−ジオン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−5,7−ジオキサトリシクロ[4.4.1.13,9]ドデカン−4,8−ジオン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3,5−ジヒドロキシアダマンタン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3,5,7−トリヒドロキシアダマンタン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマンタン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−カルボキシアダマンタン。
式(5b)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、Xが炭素原子の時には、5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−5−メチル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−メチル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−カルボキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−メトキシカルボニル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−エトキシカルボニル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−t−ブトキシカルボニル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オンなどが挙げられる。
また、1−シアノ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、1−フルオロ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、1−クロロ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、1−クロロ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、1−トリフルオロメチル−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、9−シアノ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、9−フルオロ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、9−クロロ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、9−クロロ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、9−トリフルオロメチル−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン等が挙げられる。
また、X1が酸素原子の時は、1−シアノ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3、7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、1−フルオロ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3、7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、1−クロロ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3、7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、1−クロロ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3、7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、1−トリフルオロメチル−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3、7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、9−シアノ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3、7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、9−フルオロ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3、7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、9−クロロ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3、7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、9−クロロ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3、7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、9−トリフルオロメチル−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3、7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン等が挙げられる。
式(5c)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、8−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−5−オン、9−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−5−オン等が挙げられる。
極性基含有単量体の代表的な例として、下記式(6)で表される単量体が挙げられる。
Figure 0004976229


上記式中、環Z2は炭素数6〜20の脂環式炭化水素環を示す。Raは前記に同じ。R19は環Z2に結合している置換基であって、同一又は異なって、オキソ基、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、又は保護基で保護されていてもよいスルホン酸基を示す。但し、s個のR19のうち少なくとも1つは、オキソ基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、又は保護基で保護されていてもよいスルホン酸基を示す。sは1〜3の整数を示す。
環Z2における炭素数6〜20の脂環式炭化水素環は単環であっても、縮合環や橋かけ環等の多環であってもよい。代表的な脂環式炭化水素環として、例えば、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環、パーヒドロインデン環、デカリン環、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環などが挙げられる。脂環式炭化水素環には、メチル基等のアルキル基(例えば、C1-4アルキル基など)、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基、フッ素原子や塩素原子等のハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいメルカプト基、オキソ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいスルホン酸基などの置換基を有していてもよい。
式(6)中、R19におけるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜20程度のアルキル基が挙げられる。保護基で保護されていてもよいアミノ基としては、アミノ基、置換アミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ基等のC1-4アルキルアミノ基など)などが挙げられる。保護基で保護されていてもよいスルホン酸基としては、−SO3e基などが挙げられる。前記Reは水素原子又はアルキル基を示し、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。R19における保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいメルカプト基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基は前記と同様である。
式(6)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1,3−ジヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−カルボキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1,3−ジカルボキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−カルボキシ−3−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−t−ブトキシカルボニル−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1,3−ビス(t−ブトキシカルボニル)−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−t−ブトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1,3−ビス(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−ヒドロキシ−3−(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキソアダマンタン。
前記極性基含有単量体のさらに他の例として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイミドなどが挙げられる。
酸によりアルカリ可溶となる樹脂を構成する重合単位として、前記式(1)〜(3)以外にも必要に応じて追加することができる。具体的には、以下のようなビニル系単量体が挙げられる。メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の置換基を有してもよい直鎖状又は分岐鎖上の炭素数1〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート等の置換基を有してもよい炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物、スチレン、α−スチレン、p−メチルスチレン等の置換基を有してもよい芳香族アルケニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物等が挙げられる。
本発明の酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂を構成する重合単位(モノマー単位と同意)として、前記式(1)で示される割合は特に限定されないが、ポリマーを構成する全モノマー単位に対して、一般には1〜100モル%、好ましくは5〜80モル%、さらに好ましくは10〜60モル%程度である。また、前記式(2)で示されるラクトン骨格を有する重合単位は、例えば0〜95モル%、好ましくは10〜90モル%、さらに好ましくは20〜60モル%程度である。更に、前記式(3)で示される重合単位の割合は例えば0〜70モル%、好ましくは5〜60モル%、さらに好ましくは10〜50モル%程度である。なを、酸によりアルカリ可溶となるということは、更に詳細に説明すると、光酸発生剤などから生成した酸の作用により、必要に応じて加熱を加えることで保護基が脱離して樹脂がアルカリ現像液などに溶解する性質が発現するというものである。
本発明は、酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂を含む溶液を30〜90℃において、30分以上加熱熟成後、細孔径1μm以下のろ材によりろ過することにより非常に安定で均質なフォトレジスト用樹脂溶液の製造方法を見出したものであるが、加熱熟成する温度は通常は30〜90℃であるが、好ましくは35〜80℃、特に好ましくは40〜70℃程度である。加熱温度が30℃より低いと熟成に要する時間が非常に長くなり経済的ではない。また、加熱温度が90℃を超えるとフォトレジスト用樹脂が分解するために好ましくはない。
本発明おいて、酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂を含む溶液の加熱熟成する時間は、通常は30分以上であるが、好ましくは2時間以上、特に好ましくは4時間以上である。加熱熟成時間が30分に満たないと長期保存安定性が悪くなる。また、加熱熟成時間の上限であるが、特に限定されないものである。長期間それなりの温度で保存後にろ過することでも、本発明の効果を実現することは可能である。
本発明において、ろ過に使用されるろ材の細孔径は通常1μm以下であるが、好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.1μm以下である。細孔径が1μmを超えると、樹脂溶液中に存在する粒子が充分に除去できなくなる。なお、ろ材については細孔径が重要であり、その材質は特に限定されるものではない。ろ材の材質として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンなどが挙げられる。
本発明において、加熱熟成される時の樹脂濃度は、通常は3〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%、特に好ましくは3〜20重量%程度である。樹脂濃度が3重量%未満では、取り扱う溶液の量が多くなり経済的ではない。また、40重量%を超えるとろ過するときにろ過抵抗が大きくなり好適なろ過が出来なくなる。
本発明のフォトレジスト樹脂溶液を加熱熟成する時に使用される溶媒としては、樹脂を溶解する溶媒であれば特に限定はされないが、レジスト組成物に使用される溶媒を使用することが好ましい。例えば、グリコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、これらの混合溶媒などが挙げられる。これらのなかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、これらの混合液が好ましく、特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとプロピレングリコールモノメチルエーテルとの混合溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと乳酸エチルとの混合溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとシクロヘキサノンとの混合溶媒などの、少なくともプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む溶媒が好適に用いられる。
本発明の高分子化合物を得るに際し、使用される重合方法としては、特に限定はされないが、ラジカル重合が好ましい。モノマー混合物の重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合、乳化重合など、アクリル系ポリマー等を製造する際に用いる慣用の方法により行うことができるが、特に、溶液重合が好適である。さらに、溶液重合のなかでも滴下重合が好ましい。滴下重合は、具体的には、例えば、(i)予め有機溶媒に溶解した単量体溶液と、有機溶媒に溶解した重合開始剤溶液とをそれぞれ調製し、一定温度に保持した有機溶媒中に前記単量体溶液と重合開始剤溶液とを各々滴下する方法、(ii)単量体と重合開始剤とを有機溶媒に溶解した混合溶液を、一定温度に保持した有機溶媒中に滴下する方法、(iii)予め有機溶媒に溶解した単量体溶液と、有機溶媒に溶解した重合開始剤溶液とをそれぞれ調製し、一定温度に保持した前記単量体溶液中に重合開始剤溶液を滴下する方法などの方法により行われる。
重合開始剤として、ラジカル重合を使用するのであれば、ラジカル重合開始剤としては特に限定されるものではないが、例としてアゾ系化合物、過酸化物系化合物、レドックス系化合物が挙げられ、特にジメチル2,2′−アゾビスイソブチレート、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−t−ブチルパーオキシド、イソ−ブチリルパーオキシド、ラウロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキシド、ジシンナミルパーオキシド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、過硫酸アンモニウム等が好ましい。
重合溶媒としては公知の溶媒を使用でき、例えば、エーテル(ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等グリコールエーテル類などの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテルなど)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類など)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、アミド(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド(ジメチルスルホキシドなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールなど)、炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素など)、これらの混合溶媒などが挙げられる。重合温度は、例えば30〜150℃程度の範囲で適宜選択できる。
重合により得られたポリマーは、沈殿又は再沈殿により精製できる。沈殿又は再沈殿溶媒は有機溶媒及び水の何れであってもよく、また混合溶媒であってもよい。沈殿又は再沈殿溶媒として用いる有機溶媒として、例えば、炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素)、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素など)、ニトロ化合物(ニトロメタン、ニトロエタンなど)、ニトリル(アセトニトリル、ベンゾニトリルなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、カーボネート(ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなど)、カルボン酸(酢酸など)、これらの溶媒を含む混合溶媒等が挙げられる。
中でも、前記沈殿又は再沈殿溶媒として用いる有機溶媒として、少なくとも炭化水素(特に、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素)を含む溶媒が好ましい。このような少なくとも炭化水素を含む溶媒において、炭化水素(例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素)と他の溶媒との比率は、例えば前者/後者(体積比;25℃)=10/90〜99/1、好ましくは前者/後者(体積比;25℃)=30/70〜98/2、さらに好ましくは前者/後者(体積比;25℃)=50/50〜97/3程度である。
高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は、例えば1000〜500000程度、好ましくは3000〜50000程度であり、分子量分布(Mw/Mn)は、例えば1.2〜2.5程度である。なお、前記Mnは数平均分子量を示し、Mn、Mwともにポリスチレン換算の値である。
本発明の高分子化合物は、耐薬品性等の安定性が高く、有機溶剤に対する溶解性に優れ、しかも加水分解性及び加水分解後の水に対する溶解性に優れるため、種々の分野における高機能性ポリマーとして使用できる。
本発明のフォトレジスト組成物は、上記本発明により製造されたフォトレジスト用高分子化合物と光酸発生剤とレジスト用溶剤とを含む。フォトレジスト用樹脂組成物は、例えば、上記のようにして得られるフォトレジスト用ポリマー溶液に光酸発生剤を添加することにより調製できる。
光酸発生剤としては、露光により効率よく酸を生成する慣用乃至公知の化合物、例えば、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩(例えば、ジフェニルヨードヘキサフルオロホスフェートなど)、スルホニウム塩(例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネートなど)、スルホン酸エステル[例えば、1−フェニル−1−(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ−1−ベンゾイルメタン、1,2,3−トリスルホニルオキシメチルベンゼン、1,3−ジニトロ−2−(4−フェニルスルホニルオキシメチル)ベンゼン、1−フェニル−1−(4−メチルフェニルスルホニルオキシメチル)−1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルメタンなど]、オキサチアゾール誘導体、s−トリアジン誘導体、ジスルホン誘導体(ジフェニルジスルホンなど)、イミド化合物、オキシムスルホネート、ジアゾナフトキノン、ベンゾイントシレートなどを使用できる。これらの光酸発生剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
光酸発生剤の使用量は、光照射により生成する酸の強度やポリマー(フォトレジスト用樹脂)における各繰り返し単位の比率などに応じて適宜選択でき、例えば、ポリマー100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは2〜20重量部程度の範囲から選択できる。
レジスト用溶剤としては、前記重合溶媒として例示したグリコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、これらの混合溶媒などが挙げられる。これらのなかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、これらの混合液が好ましく、特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとプロピレングリコールモノメチルエーテルとの混合溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと乳酸エチルとの混合溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとシクロヘキサノンとの混合溶媒などの、少なくともプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む溶媒が好適に用いられる。
フォトレジスト組成物中のポリマー濃度は、例えば、3〜40重量%程度である。フォトレジスト組成物は、アルカリ可溶性樹脂(例えば、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、カルボキシル基含有樹脂など)などのアルカリ可溶成分、着色剤(例えば、染料など)などを含んでいてもよい。
こうして得られるフォトレジスト組成物を基材又は基板上に塗布し、乾燥した後、所定のマスクを介して、塗膜(レジスト膜)に光線を露光して(又は、さらに露光後ベークを行い)潜像パターンを形成し、次いで現像することにより、微細なパターンを高い精度で形成できる。
基材又は基板としては、シリコンウエハ、金属、プラスチック、ガラス、セラミックなどが挙げられる。フォトレジスト組成物の塗布は、スピンコータ、ディップコータ、ローラコータなどの慣用の塗布手段を用いて行うことができる。塗膜の厚みは、例えば0.05〜20μm、好ましくは0.1〜2μm程度である。
露光には、種々の波長の光線、例えば、紫外線、X線などが利用でき、半導体レジスト用では、通常、g線、i線、エキシマレーザー(例えば、XeCl、KrF、KrCl、ArF、ArClなど)などが使用される。露光エネルギーは、例えば1〜1000mJ/cm2、好ましくは10〜500mJ/cm2程度である。
光照射により光酸発生剤から酸が生成し、この酸により、例えばフォトレジスト用高分子化合物の酸の作用によりアルカリ可溶となる繰り返し単位(酸脱離性基を有する繰り返し単位)のカルボキシル基等の保護基(脱離性基)が速やかに脱離して、可溶化に寄与するカルボキシル基等が生成する。そのため、水又はアルカリ現像液による現像により、所定のパターンを精度よく形成できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、化学式中のEtはエチル基を示す。ポリマーの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、屈折率系(RI)を用い、テトラヒドロフラン溶媒を用いたGPC測定により求めた標準ポリスチレン換算値を示す。GPCは、昭和電工株式会社製カラム「KF−806L」を3本直列につないだものを使用し、カラム温度40℃、RI温度40℃、テトラヒドロフラン流速0.8ml/分の条件で行った。
実施例1
下記高分子化合物の合成
Figure 0004976229


還流管、撹拌子、3方コック、温度計を備えた丸底フラスコに、窒素雰囲気下、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)35.7g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)23.8gを入れて温度を80℃に保ち、撹拌しながら、2−メチル−2−メタクリロイルオキシアダマンタン12.23g、5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン11.60g、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン6.17g、ジメチル2,2′−アゾビスイソブチレート[和光純薬工業(株)製、商品名「V−601」]1.80g、PGMEA66.3g及びPGME44.2gを混合したモノマー溶液を6時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後、さらに2時間撹拌を続けた。重合反応終了後、得られた反応溶液を孔径0.1μmのフィルターでろ過した後、該反応溶液の7倍量のヘキサンと酢酸エチルの9:1(体積比;25℃)混合液中に撹拌しながら滴下した。生じた沈殿物を濾別し、得られた湿結晶を固形分15重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を添加し、撹拌して溶解した。得られた溶液を20torr(=2.67Pa)の圧力で濃縮した。固形分が約40重量%となった時点で濃縮を停止し、PGMEA及びPGMEを添加して、ポリマー濃度10重量%のPGMEA/PGME(重量比6/4)溶液を調製した。この溶液を60℃で8時間加熱し25℃まで空冷した後に、孔径0.1μmのフィルターでろ過することによりポリマー溶液を得た。得られたポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が8900、分子量分布(Mw/Mn)が1.90であった。
実施例2
下記高分子化合物の合成
Figure 0004976229


実施例1の3つのモノマーを1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン12.89g、5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン10.92g、1,3−ジヒドロキシ−5−メタクリロイルオキシアダマンタン6.20gへ変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が8500、分子量分布(Mw/Mn)が1.87であった。
実施例3
下記高分子化合物の合成
Figure 0004976229


実施例1の3つのモノマーを1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)シクロヘキサン11.29g、5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン11.94g、1,3−ジヒドロキシ−5−メタクリロイルオキシアダマンタン6.77gへ変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が9100、分子量分布(Mw/Mn)が1.95であった。
実施例4
下記高分子化合物の合成
Figure 0004976229


実施例1の3つのモノマーを1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)シクロヘキサン11.45g、5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン12.11g、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン6.44gへ変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が9400、分子量分布(Mw/Mn)が1.98であった。
実施例5
下記高分子化合物の合成
Figure 0004976229


実施例1の3つのモノマーを1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン12.52g、1−フロロ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン11.46g、1,3−ジヒドロキシ−5−メタクリロイルオキシアダマンタン6.02gへ変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が8300、分子量分布(Mw/Mn)が1.83であった。
実施例6
下記高分子化合物の合成
Figure 0004976229


実施例1の3つのモノマーを1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)シクロヘキサン10.94g、1−フロロ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン12.50g、1,3−ジヒドロキシ−5−メタクリロイルオキシアダマンタン6.56gへ変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が8800、分子量分布(Mw/Mn)が1.85であった。
実施例7
下記高分子化合物の合成
Figure 0004976229


実施例1の3つのモノマーを1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン11.59g、1−トリフロロメチル−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン12.83g、1,3−ジヒドロキシ−5−メタクリロイルオキシアダマンタン5.58gへ変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が7800、分子量分布(Mw/Mn)が1.79であった。
実施例8
下記高分子化合物の合成
Figure 0004976229


実施例1の3つのモノマーを1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3−メチルシクロヘキサン10.50g、1−トリフロロメチル−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン13.59g、1,3−ジヒドロキシ−5−メタクリロイルオキシアダマンタン5.91gへ変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が8000、分子量分布(Mw/Mn)が1.81であった。
実施例9
下記高分子化合物の合成
Figure 0004976229


実施例1の3つのモノマーを2−メチル−2−メタクリロイルオキシアダマンタン11.72g、1−シアノ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン12.37g、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン5.91gへ変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が8700、分子量分布(Mw/Mn)が1.82であった。
実施例10
下記高分子化合物の合成
Figure 0004976229


実施例1の3つのモノマーを1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン12.38g、1−シアノ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン11.67g、1,3−ジヒドロキシ−5−メタクリロイルオキシアダマンタン5.95gへ変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が8100、分子量分布(Mw/Mn)が1.80であった。
実施例11
下記高分子化合物の合成
Figure 0004976229


実施例1の3つのモノマーを1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)シクロヘキサン10.81g、1−シアノ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン12.71g、1,3−ジヒドロキシ−5−メタクリロイルオキシアダマンタン6.48gへ変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が8900、分子量分布(Mw/Mn)が1.88であった。
実施例12
下記高分子化合物の合成
Figure 0004976229


実施例1の3つのモノマーを1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)シクロヘキサン10.96g、1−シアノ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン12.89g、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン6.16gへ変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が9100、分子量分布(Mw/Mn)が1.91であった。
実施例13
下記高分子化合物の合成
Figure 0004976229


実施例1の3つのモノマーを1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3−メチルシクロヘキサン11.26g、1−シアノ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン12.41g、1,3−ジヒドロキシ−5−メタクリロイルオキシアダマンタン6.33gへ変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が8800、分子量分布(Mw/Mn)が1.88であった。
比較例1−13
実施例の番号に対応した比較例について、実施例における60℃、8時間の加熱処理を行わない以外は実施例と同様の操作を行った。
ろ過性評価試験
実施例および比較例で得られたポリマー溶液を、固形分濃度5重量%、溶媒組成PGMEA/PGME(重量比6/4)になるように調製し、1日間および10日間25℃で放置した。その後、調整したポリマー溶液50gを、孔径0.02μm のフィルターを装着したステンレスホルダー(アドバンテック東洋製、KST−47)に入れ、0.15MPaの圧力でろ過し、その性能を評価した。
ろ過性の結果は表1に示した。ポリマー溶液が詰まりなくろ過できたものは○、途中詰まってろ過できなくなるものは×で示した。
Figure 0004976229

Claims (5)

  1. 少なくともプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)および/またはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を溶媒として含み、且つ、酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂を含む重合溶液を貧溶媒中へ添加沈殿させ、生成した沈殿をろ過後、有機溶媒に溶解し、貧溶媒を留去後、溶液の固形分濃度が3〜20重量%である状態で、40〜70℃において、4時間以上加熱熟成後、細孔径1μm以下のろ材によりろ過するフォトレジスト用樹脂溶液の製造方法であって、
    酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂が重合単位として、少なくとも下記
    式(4a)又は(4b)で表されるモノマーに対応する重合単位、及び下記式(2)を含むことを特徴とするフォトレジスト用樹脂溶液の製造方法。
    Figure 0004976229
    (式中、環Z 1 は置換基を有していてもよい炭素数6〜20の脂環式炭化水素環を示す。R a は水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、R 4 〜R 6 は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
    Figure 0004976229
    (式中、Rは前記に示した基であり、R 2 はラクトン骨格を含む炭素数4〜20の基を示す。)
  2. 酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂が重合単位として、さらに、下記
    式(3)、
    Figure 0004976229
    (式中、Rは前記に示した基であり、R3は極性基を有する脂環式骨格を含む炭素数4〜20の基を示す。)
    を含むことを特徴とする請求項1記載のフォトレジスト用樹脂溶液の製造方法。
  3. 少なくともプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)および/またはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を溶媒として含み、且つ、酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂を含む重合溶液を貧溶媒中へ添加沈殿させ、生成した沈殿をろ過後、有機溶媒に溶解し、貧溶媒を留去後、溶液の固形分濃度が3〜20重量%である状態で、40〜70℃において、4時間以上加熱熟成後、細孔径1μm以下のろ材によりろ過されたフォトレジスト用樹脂溶液であって、
    酸によりアルカリ可溶となるフォトレジスト用樹脂が重合単位として、少なくとも下記
    式(4a)又は(4b)で表されるモノマーに対応する重合単位、及び下記式(2)を含むことを特徴とするフォトレジスト用樹脂溶液
    Figure 0004976229
    (式中、環Z 1 は置換基を有していてもよい炭素数6〜20の脂環式炭化水素環を示す。R a は水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、R 4 〜R 6 は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
    Figure 0004976229
    (式中、Rは前記に示した基であり、R 2 はラクトン骨格を含む炭素数4〜20の基を示す。)
  4. 求項記載のフォトレジスト用樹脂溶液に、更に光酸発生剤を含むフォトレジスト用組成物。
  5. 請求項記載のフォトレジスト組成物を基板に塗布し、露光後、アルカリ溶解を少なくとも含む工程によるパターン形成方法。
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