JP4975389B2 - ステアバイワイヤシステム - Google Patents

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Description

本発明は、車両に備えた操舵ハンドルと転舵輪とを機械的に切り離し、前記操舵ハンドルの操作に応じて転舵モータを駆動して前記転舵輪を転舵するステアバイワイヤシステムに関し、特に、転舵モータを駆動制御する転舵モータ制御装置に異常が生じた場合にも、代替的な制御手段と転舵モータによって転舵輪を電気的に駆動制御する緊急避難的な転舵手段を有するステアバイワイヤシステムに関する。
例えば下記の特許文献1などにも記載されているが、上記の様な緊急避難に足る転舵手段を備えるために、モータ駆動制御回路及び位置センサを3重に具備したステアバイワイヤシステムが従来から知られている。
しかし、この特許文献1の従来のステアバイワイヤシステムでは、単に同じ構成の装置(モータ駆動制御回路及び位置センサ)を3重に設けて冗長性をもたせているだけなので、同一の原因により3重の各装置が同時に同様の異常を示したり同時に故障したりする条件が成立し易く、このため、この様な装置構成に従う限りは高い信頼性を得ることは難しい。また、3重化によってそれらの装置(モータ駆動制御回路及び位置センサ)の搭載スペースも約3倍必要となり、搭載性の面でも不利である。
これらの問題を解決するための発明として、本願発明の一出願人は先に「特願2004−198894:ステアバイワイヤシステム」を出願した。この先願発明(特願2004−198894)は、従来技術ではなく現在未公開である。そして、本願発明は、この先願発明に対する更なる改良発明に相当する。
以下、この公知ではない先願発明(特願2004−198894)について、図33を用いて説明する。
図33は、上記の先願発明(特願2004−198894)のステアバイワイヤシステム10のシステム構成図である。ラック16の両端に連結された1対のタイロッド17,17は、各転舵輪50,50に連結されている。ラック16が挿通された筒形ハウジング18には、ブラシレス直流モータ20(転舵モータ)によって駆動されるギヤボックス18Gが取り付けられており、このギヤボックス18Gから突出したピニオンギヤ19は、ラック16と噛合している。ブラシレス直流モータ20の回転位置は位置センサ29によって検出されて、モータ駆動制御回路51を有する転舵モータ制御装置60に入力される。
これらの構成により、モータ駆動制御回路51の出力ラインL2がモータ電源切替装置46によってブラシレス直流モータ20に接続されている場合(即ち、転舵モータ制御装置60の正常時)には、モータ駆動制御回路51によってブラシレス直流モータ20が駆動制御されて、各転舵輪50,50が転舵される。
一方、機械式整流器35の出力ラインL1がモータ電源切替装置46によってブラシレス直流モータ20(転舵モータ)に接続されている場合(即ち、転舵モータ制御装置60の異常時)には、機械式整流器35によってブラシレス直流モータ20が駆動制御されて、各転舵輪50,50が転舵される。この機械式整流器35は、ブラシレス直流モータ20の各相回路に接続された複数のセグメントと、これらの複数のセグメントを外周面に固定して備えたコンミュテータと、このコンミュテータに対して相対回転するブラシホルダと、このブラシホルダに固定され、それぞれバッテリーの各電極に接続され、かつ何れかのセグメントに接触する1対のブラシなどからなり、例えば後述の図5に例示する様に構成することができる。そして、この機械式整流器35によって、ハンドル11に対する操舵操作に応じた位相を有する3相矩形波交流電圧を、バッテリーBTから供給される直流電圧から生成して、ブラシレス直流モータ20に印加することができる。
特開2003−200840号公報
しかしながら、上記の先願発明(特願2004−198894)のステアバイワイヤシステム10(本願図33)においては、バッテリBTの電圧がそのまま常時転舵モータに印加される。即ち、転舵輪50に対して不測の外乱が作用した際にもラックの目標位置を極力維持するために、運転者が積極的には操舵を行っていない時にも、ブラシレス直流モータ20には常に10Aを超える大電流が流れる。このため、上記のステアバイワイヤシステム10においては、バッテリBTの消耗が早い。また、これによって、転舵モータの温度が非常に高くなる恐れも生じる。
これらの問題を幾らか緩和するために転舵モータへの給電電圧を幾らか下げる選択肢も考えられる。しかしながら、その場合には、転舵モータのトルク不足によって、ラック16が操舵操作に追従できないまま停止してしまうことがある。
例えば、操舵速度が大きくなると、転舵モータの大きな角速度に伴って転舵モータの各コイルに発生する逆起電圧も脈動しながら大きくなるが、この様な場合には、その逆起電圧に対して給電電圧が過渡的に不十分となる状態が生じ得る。そしてこの時には、転舵モータに電流が流れなくなってラック16が停止してしまう。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、転舵モータ制御装置に異常が生じた場合においても、転舵モータに対して常時必要かつ十分な電力を供給する手段を提供することにより、ステアバイワイヤシステムにおける過剰な電力消費や発熱を抑制するとともに、操舵操作に対する転舵モータの追従性能を常時確保することである。
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、車両に備えた操舵ハンドルと転舵輪とを機械的に切り離し、操舵ハンドルの操作に応じて転舵モータを駆動して転舵輪を転舵するステアバイワイヤシステムにおいて、操舵ハンドルの回転角に応じて転舵モータへの通電状態を切り換える転舵モータ転流手段と、転舵モータを駆動制御する転舵モータ制御装置の異常時に、転舵モータ制御装置を転舵モータから電気的に切り離し、その代わりに転舵モータ転流手段を転舵モータに電気的に接続する接続切替手段と、実時間で操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、この操舵状態検出手段によって検出された操舵状態に応じて、異常時に転舵モータ転流手段への給電電圧を段階的又は連続的に変更する給電電圧変更手段とを備えることである。
ただし、上記の操舵状態としては、転舵動作に必要となる電力の大きさを左右する条件を考えればよく、この様な物理的条件としては、例えばその時の操舵ハンドルの回転角(操舵角)や操舵ハンドルの回転速度(操舵速度)などを考えることができる。また、その時の車速や転舵角や転舵軸力などを考慮してもよい。これらの物理量は、通常のパワーステアリング装置やステアバイワイヤシステムなどにおいても、しばしば検出されて制御に利用されているものである。
また、これらの物理的条件を適当に組み合わせることによって、当該操舵状態を総合的に識別したり定量化したり区分けしたりすることもできる。言い換えれば、上記の操舵状態は、周知の各種センサや機械部品等を用いて実時間で検出可能な物理量によって、即ち操舵または転舵に係わる上記などの物理的なパラメータによって、表現することが可能なものである。したがって、上記の操舵状態検出手段は、異質の物理量(物理的なパラメータ)を検出する複数種類の状態センサーを組み合わせて構成してもよい。
また、これらのパラメータは、必ずしも連続パラメータである必要はなく、例えば2値パラメータなどの様な離散的(段階的)なパラメータであってもよい。したがって、これらのパラメータを検出するための検出器等についても、それらは段階的な検出値しか出力しない検出手段であってもよい。また、それらの検出値(検出器等の出力結果)は、必ずしもデジタル数値表現したり、周波数表現したりする必要があるものではなく、上記の給電電圧の変更動作に有効に寄与する制御パラメータとなり得るものであれば何でもよい。したがって、それらの検出値(出力結果)は、例えば単に1スイッチのオン/オフ状態によって表される制御パラメータあっても良い。
また、上記の給電電圧は、連続的に単調増加させても段階的に単調増加させても良く、何れの場合にも、後述の本発明の作用・効果を得ることができる。また、上記の給電電圧を段階的に単調増加させる場合のその段数は任意で良い。その段数を少なくすると装置を簡潔に構成し易くなり、また、その段数を多くするときめ細かい適応制御を実現することが可能となる。
また、上記の給電電圧変更手段は、電源を切り換えるスイッチなどを用いて構成してもよいし、電圧可変の昇降圧回路などを用いて構成してもよい。
また、本発明の第2の手段は、上記の第1の手段の操舵状態検出手段において、操舵ハンドルの操舵速度を検出する操舵速度検出手段を設け、上記の給電電圧変更手段によって、操舵速度の大きさに対して上記の給電電圧を単調増加させることである。
この操舵速度検出手段の構成形態は任意でよいが、例えば以下のような構成に従えば、CPUなどの大掛り、高度、または複雑な電子制御装置などを使わずに、上記の操舵速度検出手段を優れて簡潔に構成することができる。
(構成1)操舵ハンドルの回転運動を動力として発電を行う発電手段を備え、この発電手段から出力された電力に基づいて操舵速度を検出する(本発明の第3の手段)。この発電手段としては、例えば、転舵モータ制御装置の正常時に操舵ハンドルに対して反力トルク(:適度な操舵負荷)を付与する反力モータや、ステアリングシャフトなどに取り付けられるタコジェネレータなどを用いることができる。
(構成2)操舵ハンドルの回転動作に連動して所定の回転角毎に回転角変化情報を出力する第1回転角センサを備え、その回転角変化情報の単位時間当りの発生頻度に基づいて操舵速度を検出する(本発明の第4の手段)。
(構成3)操舵ハンドルの回転に伴って回転する物体に作用する遠心力に基づいて操舵速度を検出する(本発明の第5の手段)。ただし、操舵ハンドルの回転に伴って回転するこの物体の回転運動は、操舵ハンドルの回転軸周りの回転運動に限定されるものではなく、操舵操作に基づいて動作する例えば加減速機などが有する任意の回転軸周りの回転運動であっても良い。また、特に、その回転運動の回転軸を略鉛直方向に設定した場合には、重力の向きが上記の遠心力の向きと略垂直になるので、この場合には特に、遠心力などの遠心方向(動径方向)の力が、回転軸から等距離に位置する各部または各部品の間で略均等に作用すると言う利点を得ることもできる。
なお、この遠心力を検出する手段(本発明の第5の手段)は、摺動接点やバネなどを用いて機械的に構成してもよいが、その他にも例えば圧電素子や半導体チップや或いは圧力センサなどを用いて電子的に構成しても良い。
また、本発明の第6の手段は、上記の第1乃至第5の何れか1つの手段の操舵状態検出手段において、操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段を備え、上記の給電電圧変更手段によって、操舵角の大きさに対して上記の給電電圧を単調増加させることである。
ただし、この操舵角検出手段は、例えば、操舵ハンドルの操舵角が中立位置近傍にあるか否かのみを判定するだけの、検出結果が二値化された優れて簡潔な判定手段で構成しても良い。
また、本発明の第7の手段は、上記の第1乃至第6の何れか1つの手段において、操舵ハンドルの回転軸の回転運動を所定のギヤ比で増減速調整するギヤ比調整手段を備え、上記の転舵モータを3相のブラシレス直流モータとし、ブラシレス直流モータの3相の各通電状態を表す通電パターンの1周期を、上記のギヤ比調整手段の回転出力軸の所定の回転角にそれぞれ対応させ、上記の各通電パターンの位相を電気角でそれぞれ互いに120°ずらすことである。
ただし、上記のギヤ比調整手段は、減速器から構成しても増速器から構成してもよい。また、上記のギヤ比は任意でよく、例えば1であってもよい。
また、本発明の第8の手段は、上記の第1乃至第7の何れか1つの手段において、操舵ハンドルの回転に連動して回転するブラシと、このブラシに摺動接触して上記の転舵モータへの各相電圧を発生する分配子とを有する機械的な転流装置から、上記の転舵モータ転流手段を構成することである。
また、本発明の第9の手段は、上記の第1乃至第7の何れか1つの手段において、操舵ハンドルの回転に連動して回転し、転舵モータへの各相電圧を発生する分配子と、その分配子に摺動接触するブラシとを有する機械的な転流装置で上記の転舵モータ転流手段を構成することである。
また、本発明の第10の手段は、上記の第1乃至第7の何れか1つの手段において、操舵ハンドルの回転角に応じて転舵モータへの各相電圧を発生する分配子と、これらの分配子に対して摺動接触し、操舵ハンドルの回転と共に回転し、その回転による遠心力に応じてその動径方向に摺動可能に配設され、かつ直流の給電点に接続された少なくとも1つの摺動子とを上記の転流装置に備え、上記の給電電圧変更手段によって、動径方向におけるこの摺動子の動径長が長い時ほど、この摺動子をより高電位の給電点に接触させることである。
また、本発明の第11の手段は、上記の第1乃至第7の何れか1つの手段において、操舵ハンドルの所定の回転角毎に回転角変化情報を出力する第2回転角センサと、その回転角変化情報に基づいてON/OFF制御される半導体スイッチとを有する電子的な転流装置から、上記の転舵モータ転流手段を構成することである。
ただし、上記の第4の手段において、この第11の手段を適用する場合には、上記の第1回転角センサと第2回転角センサとは、事実上並立に具備しても兼用に具備しても良く、これらの構成は任意で良い。
また、本発明の第12の手段は、上記の第11の手段において、操舵ハンドルの回転に連動して回転するブラシと、このブラシに摺動接触して上記の回転角変化情報を発生する分配子とを有する機械的な転流装置から、上記の第2回転角センサを構成することである。
また、本発明の第13の手段は、上記の第11の手段において、操舵ハンドルの回転に連動して回転し、上記の回転角変化情報を発生する分配子と、この分配子に摺動接触するブラシとを有する機械的な転流装置から、上記の第2回転角センサを構成することである。
また、本発明の第14の手段は、上記の第1乃至第13の何れか1つの手段において、上記の操舵状態検出手段に当該車両の車速を検出する車速センサを備え、上記の給電電圧変更手段によって、その車速が所定の微低速未満の場合には、上記の給電電圧を所定の高電圧に維持し、車速がその微低速以上の場合には、上記の給電電圧をその車速の変動に対して少なくとも一定に維持するか、または、上記の給電電圧を車速に対して単調増加させることである。
ただし、これらの給電電圧制御は車速変動に対するものであって、その他の状態量(物理的なパラメータ)については、同一条件下で考えるものとする。また、上記の単調増加は、段階的な変化であっても連続的な変化であってもよい。
なお、特に操舵操作が検出されていない場合には、たとえその時の車速が所定の微低速未満の場合であっても、必ずしも上記の給電電圧を上記の所定の高電圧に維持しなくてもよいものとする。
また、本発明の第15の手段は、上記の第1乃至第14の何れか1つの手段において、操舵ハンドルの回転運動を動力として発電を行う発電手段と、上記の転舵モータ制御装置の異常時に、この発電手段によって発電された電力を転舵モータに給電する発電電力供給手段とを備えることである。
また、本発明の第16の手段は、上記の第1乃至第15の何れか1つの手段において、操舵ハンドルが操舵された向きとは逆向きで、操舵ハンドルの操舵角の大きさの増大に伴って増大する復帰トルクを操舵ハンドルに対して付与する中立位置復帰手段と、転舵モータ制御装置の正常時に、この復帰トルクを弱める復帰トルク削減手段とを設けることである。
ただし、上記の中立位置復帰手段は、装置の簡潔性とバッテリー故障時における信頼性等の観点から、バネなどの弾性体を用いて機械的に構成することがより望ましい。
また、この復帰トルクは、転舵モータ制御装置の正常時においても、完全にキャンセルすることなく幾らか残るように設定してもよい。それらの設定条件は、平常時に動作する転舵モータ制御装置に係わる設計事項となる。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
以上の本発明の手段によって得られる効果は以下の通りである。
即ち、本発明の第1の手段によれば、転舵モータへの給電電圧をその時の操舵状態に応じて段階的または連続的に単調増加させることができるので、上記の異常時においても上記の転舵モータ転流手段を介して転舵モータに、その時の操舵状態に見合った、即ち、その時の転舵の必要性や必要電力に見合った駆動電圧を印加することができる。
例えば、その時の操舵状態が、当該ステアバイワイヤシステムに対して高い追従性や応答性を要請するものではない場合には、当該状況に応じて転舵モータへの給電電圧を低く設定しておけばよく、この場合には、その給電電圧を低くすることによって、電力消費を効果的に抑えることができる。また、その時の操舵状態が、当該ステアバイワイヤシステムに対して高い追従性や応答性を要請するものと判定される場合には、転舵モータへの給電電圧を高くすることができ、これによって、操舵操作に対する転舵モータの追従性能を確保することもできる。
したがって、本発明の第1の手段によれば、転舵モータ制御装置に異常が生じた場合においても、ステアバイワイヤシステムにおける過剰な電力消費や発熱を抑制するとともに、操舵操作に対する転舵モータの追従性能を常時確保することができる。
また、上記の操舵状態としては、例えば操舵速度を挙げることができる。これは、操舵速度が高い時ほど、運転者は急速な転舵を必要としていると考えられるためである。したがって、本発明の第2の手段によれば、転舵モータに印加する給電電圧を、その時の転舵速度に見合った必要かつ十分な電圧に適応制御することができる。
また、本発明の第3の手段によれば、操舵速度に対して連続的に単調増加する検出値(発電電圧)を出力する操舵速度検出手段を容易かつ簡潔に構成することができる。
また、この様な検出値は、その後、例えば二値化回路や多値化回路などを用いて、離散的(段階的)な制御パラメータに変換してもよい。この様に離散化された制御パラメータは、スイッチ回路などを用いて給電電圧を段階的に制御する際などに有効となる。
また、本発明の第4の手段によれば、上記の回転角変化情報に基づいて操舵速度が検出されるが、その回転角変化情報は、操舵ハンドルの回転運動に関する位相情報としても利用可能であるから、例えば半導体スイッチを有して成る電子的な転流装置の制御信号などとしても使用することができる。即ち、この様な構成に従えば、上記の回転角変化情報を、操舵速度検出手段と転流装置との間で共用することが可能となるため、これによって、システムに搭載すべきセンサ(検出器)の数を少なくすることができ、よって、効果的にシステムを小形化することもできる。
また、本発明の第5の手段によっても、CPUによる微分演算などに頼ることなく、所望の操舵速度を簡単に検出することができる。
ステアリングシャフトの回転に伴って回転する物体に作用する遠心力Fは、次式によって与えられる。
(遠心力F)
F = mrω2 =(m/r)v2
ここで、mは回転するその物体の質量、ωはその回転軸周りの回転角速度、rはその回転軸周りの回転半径、vはその物体の回転速度である。当該物体に作用する遠心力Fは、この様に操舵ハンドルを操舵操作する際の操舵速度の2乗に比例する。したがって、その遠心力Fを検出することによって、操舵速度の大きさを判定することができる。
ただし、この遠心力は、電子的に検出しても良いし機械的に検出しても良い。
例えば、回転するその物体を金属で構成し、その物体に作用する遠心力に対して適度に抗するバネをその物体に取り付け、この物体の動径長が長い時ほどより高電位の給電点にこの物体が接触する様に、この物体を摺動接点とする多段スイッチを構成すれば、これによって、この物体をセンサとする機械式の操舵速度検出手段と上記の給電電圧変更手段とを同時に構成することもできる。
また、当該ステアバイワイヤシステムの緊急避難的な転舵手段においては、転舵角は操舵角に略比例すると考えられるので、本発明の第6の手段によれば、走行中の車両の転舵輪に作用するセルフアライニングトルクに抗するに足る電力を転舵モータに供給することが可能となる。また、車両が直進中の場合には、通常、操舵ハンドルは中立点付近にあると考えられるため、本発明の第6の手段によれば、車両が継続的に直進中の場合に転舵モータの消費電力を効果的に抑えることもできる。
また、本発明の第7の手段によれば、ギヤ比調整手段の設定に基づいてハンドルの操舵角に対する転舵輪の転舵角の比率を任意に設定することができると同時に、上記の通電パターンを最も簡単に構成することができる。この手段は特に、転舵モータに3相のブラシレス直流モータを採用するステアバイワイヤシステムにおいて有効であり、この第8の手段によれば、上記の様に通電パターンを簡単な形に構成することによって、上記の転舵モータ転流手段を簡潔な構成にすることができる。
また、特に、上記の回転出力軸の所定の回転角を360°とすれば、回転出力軸の1回転(:360°)が通電パターンの1周期に対応するので、この場合には、各通電パターンの位相は、回転出力軸の回転角に対してそれぞれ120°ずつずらすだけでよい。このため、上記の回転出力軸の所定の回転角を360°とすれば、所望の緊急避難的な転舵手段を非常に簡潔に構成することもできる。
また、本発明の第8または第9の手段によれば、上記の転舵モータ転流手段が機械的な転流装置から構成されるため、半導体素子などの電子部品が悪影響を受け易い動作環境下においても、高い信頼性を有する緊急避難的な転舵手段を容易かつ確実に構成することができる。その様な動作環境としては、例えば、強電磁場環境や高温環境などのノイズの多い劣悪な動作環境を考えることができる。
また、本発明の第10の手段によれば、上記の摺動子は遠心方向(動径方向)にスライド自在に摺動するため、この摺動子に作用する遠心力が大きな時ほど、その回転軸から遠い所に摺動子を配置することができる。したがって、この摺動子の遠心方向へのスライド作用を用いて、これらの摺動子と上記の分配子との接触状態(即ち通電状態)を可変制御すれば、上記の転舵モータ転流手段においては、直流電源に各相を選択的に接続する転流作用と、当該摺動子に対する給電電位の大小を、操舵ハンドルの回転速度に応じて調節する給電電圧調整作用の双方を同時に得ることができる。
このため、本発明の第10の手段によれば、上記の転舵モータ転流手段が転舵モータに電気的に接続された際に、その転舵モータへの給電電流を操舵速度の大きさに対して単調増加させることができ、その時の操舵速度に見合った適量の電流を、上記の転舵モータ転流手段を介して上記の転舵モータに常時通電させることができる。
したがって、本発明の第10の手段によれば、転舵モータ制御装置に異常が生じた場合においても、ステアバイワイヤシステムにおける過剰な電力消費や発熱を抑制するとともに、操舵操作に対する転舵モータの追従性能を常時確保することができる。
また、本発明の第11の手段によれば、上記の回転角変化情報(例:位相情報など)に基づいて制御される半導体スイッチを有する電子的な転流装置(即ち、上記の転舵モータ転流手段)を、例えば矩形波3相交流や2相交流等を生成する周知のインバータなどに用いられる半導体回路と略同様の半導体回路を用いて簡単に構成することができる。
また、本発明の第12または第13の手段によれば、上記の第11の手段の回転角センサが機械的な転流装置から構成されるため、半導体素子などの電子部品が悪影響を受け易い動作環境下においても高い信頼性を有する回転角センサを確実かつ容易に構成することができる。
また、この回転角センサを構成する機械的な転流装置においては、モータ駆動用の大電流を通電させる必要がないので、この機械的な転流装置は小形に製造することも容易となる。
また、本発明の第14の手段によれば、極低速走行時やハンドルの据え切りの際に、通常の走行中の時よりも、より大きな転舵力を得ることが可能となるため、転舵動作に大きな力を必要とする極低速走行時や据え切りの場合のハンドルの操作性を効果的に向上させることができる。更に、本発明の第14の手段によれば、それらの微低速帯域を超える中速走行や高速走行などの際の操舵時には、転舵輪が路面から受ける大きなセルフアライニングトルクに見合った転舵力を生成することが容易となる。
また、本発明の第15の手段によれば、例えば反力モータなどから構成可能な上記の発電手段が生成する発電電圧を転舵モータに印加することによって、転舵モータへの給電電圧をその分上昇させることができる。そして、この給電電圧の昇圧作用により、転舵動作の追従性を改善することができる。また、これにより、転舵モータ制御装置が緊急停止されている場合においても、運転者の操舵操作に対して適度な操舵抵抗(反力)を与えることも同時に可能となるので、操舵に伴う操舵速度の過剰な上昇を抑制する効果(即ち、適度な操舵負荷)も同時に得ることができる。
また、本発明の第16の手段によれば、上記の中立位置復帰手段によって生成される上記の復帰トルクにより、操舵ハンドルの中立位置からの変位に応じた適度な操舵反力を操舵ハンドルに付与することが可能となる。即ち、ステアリングシャフトが機械的に転舵系に連結されている通常の車両においては、走行中にセルフアライニングトルク(ハンドル戻しトルク)が発生するが、本発明の第16の手段によれば、その様なハンドル戻しトルクを、転舵系から機械的に分離された操舵ハンドル上において模擬的に生成することができる。
したがって、本発明の第16の手段によれば、転舵モータ制御装置が緊急停止されたバックアップ動作時においても、運転者はハンドルの位置感覚をつかみ易くなるとともに、運転者が操舵ハンドルから手を離せば、この復帰トルクによって操舵ハンドルが中立位置に戻るため、復帰トルク(操舵反力)の大きさや上記の中立位置などによってドライバに転舵位置の情報を的確に知らせることができる。このため、本発明の第16の手段によれば、バックアップ動作時のハンドル操作に伴う違和感を大幅に削減することができる。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
図1に本実施例1のステアバイワイヤシステム100のシステム構成図を示す。
ラック16の両端に連結された1対のタイロッド17,17は、各転舵輪50,50に連結されている。ラック16が挿通された筒形ハウジング18には、ブラシレス直流モータ20(転舵モータ)によって駆動されるギヤボックス18Gが取り付けられており、このギヤボックス18Gから突出したピニオンギヤ19は、ラック16と噛合している。ブラシレス直流モータ20の回転位置は位置センサ29によって検出されて、モータ駆動制御回路51を有する転舵モータ制御装置60に入力される。
ハンドル11を回転自在に支持するステアリングシャフト12には、トルクセンサ33が取り付けられており、このステアリングシャフト12は、ギヤボックス30を介して反力モータ31に接続されている。この反力モータ31は、運転者の操舵操作に対して操舵反力を与えるためのトルクを発生するブラシ付き直流モータであり、転舵モータ制御装置60によって駆動制御される。位置センサ32は反力モータ31のロータの回転角を検出する。また、転舵モータ制御装置60は、反力モータ31に対する制御機能をも有しており、位置センサ32によって検出された反力モータ31のロータの回転角や、トルクセンサ33が検出した操舵トルクなどの各種の制御パラメータに基づいて、反力モータ31の駆動制御を実行する。
これらの構成により、モータ駆動制御回路51の出力ラインL2がモータ電源切替装置46(接続切替手段)によってブラシレス直流モータ20に接続されている場合、即ち、転舵モータ制御装置60の正常時には、モータ駆動制御回路51によってブラシレス直流モータ20が駆動制御されて、各転舵輪50,50が転舵される。
一方、機械式整流器35(転舵モータ転流手段)の出力ラインL1がモータ電源切替装置46によってブラシレス直流モータ20(転舵モータ)に接続されている場合、即ち、転舵モータ制御装置60の異常時には、転舵モータ制御装置60がモータ20、31の駆動制御系統から切り離され、機械式整流器35によってブラシレス直流モータ20が駆動制御されて各転舵輪50,50が転舵される。この機械式整流器35は、例えば後述の図5に例示する様に構成することができる。そして、この機械式整流器35によって、ハンドル11に対する操舵操作に応じた位相を有する3相矩形波交流電圧を、バッテリーBT0またはバッテリーBT1から供給される適当な直流電圧から生成して、ブラシレス直流モータ20に印加することができる。
この際の直流電圧としては、スイッチSW2(本願発明の給電電圧変更手段)の作用に基づいて、バッテリーBT0から供給される直流電圧V0か、バッテリーBT1から供給される直流電圧V1(>V0)かの何れか一方の適当な直流電圧が択一的に選択される。この時、スイッチSW2は、反力モータ31が発電し出力する電力の大小に基づいて上記の選択を実行する。
なお、図1のバッテリーBTとバッテリーBT1とを同一のバッテリーで構成してもよい。これらの併用的構成は、その他にも多数考えることができるが、任意で良い。
図2に、このステアバイワイヤシステム100の操舵系の機械的な構成を示す。ステアリングシャフト12の先端には、ギヤボックス30の内部に位置するウォームホイール12Wが固定されており、このウォームホイール12Wは、反力モータ31のロータ31Rの先端に固定されたウォームギヤ31Wと噛合している。これによって、ロータ31Rとハンドル11とが互いに機械的に回転自在に連動され、例えば転舵モータ制御装置60の正常時は、転舵モータ制御装置60の反力モータ31に対する駆動制御に基づいて、ハンドル11に適度な反力が与えられる。
なお、上記の出力ラインL1(図1)は、本図2に記載されている様に機械式整流器35から出ている3本(3相)の出力配線40U,40V,40Wから構成されている。
図1のステアバイワイヤシステム100のスイッチSW2の詳細な回路図を図3に例示する。ここでは、ブラシ付き直流モータから成る反力モータ31が、本願発明の操舵速度検出手段として用いられている点に特徴がある。そして、先に述べた様にスイッチSW2によって本願発明の給電電圧変更手段が構成されている。
点p0 は所定のシャーシにアースされており、スイッチSW2の正電位出力点p+ と同電位の点p2 と、点p0 と同電位の点p1 との間には、バッテリーBT0とバッテリーBT1とが互いに並列に接続されている。ただし、バッテリーBT0の負電極とバッテリーBT1の負電極は何れも点p1 (即ち、アース側)に接続されており、バッテリーBT0の正電極と点p2 との間には、逆流防止用のダイオードD1が挿入されている。
一方、バッテリーBT1の正電極と点p2 との間には、MOSFETからなる半導体スイッチFET1と逆流防止用のダイオードD2とが直列に挿入されている。そして、このダイオードD2のカソード端が点p2 と接続されており、半導体スイッチFET1のドレイン端がバッテリーBT1の正電極と接続されている。また、半導体スイッチFET1のゲート端とソース端の間にはシャント抵抗RSHが接続されている。即ち、図示する様に、シャント抵抗RSHは半導体スイッチFET1のゲート端と同電位の点p6 と、半導体スイッチFET1のソース端と同電位の点p5 との間に接続されている。
また、光スイッチFVC1は市販のフォトボルカプラから構成されており、その受光側の受光ダイオードDbは、上記の点p5 と点p6 との間に接続配置されている。調整用の抵抗Radj1は、光スイッチFVC1を構成する発光側の発光ダイオードDaのカソード側に発光ダイオードDaに対して直列に接続されており、抵抗Radj1の他端は点p7 に、発光ダイオードDaのアノード端は点p8 にそれぞれ接続されている。この2点p7 ,p8 間には、負荷抵抗Rloadが接続されており、この2点p7 ,p8 間には、更に、この負荷抵抗Rloadに対して並列にブリッジBR1の2つの出力端子が接続されている。このブリッジBR1は、図示する様に4辺にそれぞれ1つずつ配置された4つのダイオードから構成されており、このブリッジBR1の2つの入力端子には、反力モータ31が接続されている。
以上の様にスイッチSW2を構成すれば、転舵モータ制御装置60がシステムから切り離されて、機械式整流器35の出力ラインL1がモータ電源切替装置46によってブラシレス直流モータ20(転舵モータ)に接続されている場合(即ち、転舵モータ制御装置60の異常時)には、反力モータ31が、本願発明の操舵速度検出手段として作用する。即ち、この場合、ハンドル11の回転速度が、調整用の抵抗Radj1によって設定された所定の閾値よりも大きい時に、反力モータ31が生成する電力に基づいて、発光ダイオードDaが発光し、受光ダイオードDbがその光を受けて、半導体スイッチFET1がON状態となる。これにより、バッテリーBT1の出力電位V1が、上記の正電位出力点p+ に出力される。ダイオードD1は、この時にバッテリーBT0の正電極側に電流が流れ込むことを防止するための素子である。
また、ハンドル11の回転速度が、上記の閾値以下の場合には、発光ダイオードDaが十分には発光しないため、半導体スイッチFET1がOFF状態となる。したがって、この場合には、バッテリーBT0の出力電位V0(<V1)が、上記の正電位出力点p+ に出力される。
以上の構成によれば、転舵モータ制御装置60の異常時においても、操舵速度に見合った給電電圧を常時、機械式整流器35(転舵モータ転流手段)を経由して転舵モータ(ブラシレス直流モータ20)に印加することができる。したがって、本実施例1のステアバイワイヤシステム100を用いれば、転舵モータ制御装置に異常が生じた場合においても、該システムにおける過剰な電力消費や発熱を抑制するとともに、操舵操作に対する転舵モータの追従性能を常時確保することができる。
また、負荷抵抗Rloadの抵抗値を適当に設定することにより、操舵抵抗を適度に生成することが可能となる。
以下、上記の機械式整流器35の論理的な構成と、電気的な接続形態を図4に例示する。機械式整流器35の出力ラインL1(図1)を構成する3相の出力配線40U,40V,40Wは、モータ電源切替装置46に備えた接点44を介して、ブラシレス直流モータ20の各相回路24U,24V,24Wに接続されており、一方、モータ駆動制御回路51の出力ラインL2を構成する出力配線55U,55V,55Wは、モータ電源切替装置46に備えた接点45を介して、ブラシレス直流モータ20の各相回路24U,24V,24Wに接続されている。
そして、通常時には、モータ電源切替装置46に所定の作動用電力が付与されていて、接点44がOFF状態に、接点45がON状態になっている。
一方、転舵モータ制御装置60に異常が生じた場合には、上記の作動用電力の付与が解除されて、接点44がON状態に、接点45がOFF状態になる。
転舵モータ制御装置60が有するモータ駆動制御回路51の3本の給電ライン52はそれぞれ、1対のFET53,FET54のプッシュプル接続によって構成されており、転舵モータ制御装置60の正常時には、転舵モータ制御装置60によって、これら6つのFETに対する周知のON/OFF制御が実行されて、ブラシレス直流モータ20(転舵モータ)が駆動制御される。
一方、転舵モータ制御装置60の異常時には、直流電圧から3相矩形波交流電圧を生成する機械式整流器35は、ブラシレス直流モータ20とスイッチSW2との間に接続され、かつ、ハンドル11の操作に連動して機械的に動作する。これによって、各ブラシ41,42に接触するセグメント39U,39V,39Wが随時切り替わり、ブラシレス直流モータ20の各相回路24U,24V,24Wに流される相電流が適正に変化するので、その結果、転舵輪50,50は、ハンドル11に追従して転舵される。
図5は、機械式整流器35の機械的な構造を示す断面図である。本図5に示す様に、機械式整流器35は、互いに相対回転するブラシホルダ36とコンミュテータ37とを備えている。コンミュテータ37は、車両に固定されており、このコンミュテータ37には、一端有底の円筒形のカバー43と、円柱形のベース部38とがそれぞれ固定されている。ベース部38はコンミュテータ37と一体に成形しても良い。そして、このベース部38の外周面には、金属片からなるセグメント39U,セグメント39V,セグメント39Wが円周方向にこの順で3周期、合計9つのセグメントが等間隔に配設されている。合計3つのセグメント39Uは、何れも出力配線40Uに接続されている。勿論、他のセグメントも同様である。
一方、一端有底の円筒形のブラシホルダ36の底面には、同心の回転入力軸36Jが固定されている。即ち、ブラシホルダ36の軸と回転入力軸36Jの軸とは一致しており、これらは、一体となって前述のロータ31R(図2)の回転動作に伴って回転する。ベアリング37Jは、コンミュテータ37やそのベース部38の周りをブラシホルダ36が、滑らかに回転するのを回転自在に支持する。カバー43の内側面には、1対の給電ブラシ41T,42Tが配設されており、これらはそれぞれ、ブラシホルダ36の外側面に固定された薄板リング状の金属リング41S,42Sに当接している。したがって、回転入力軸36Jが回転すると、金属リング41Sは給電ブラシ41Tに対して擦れながらその接触を維持しつつ回転する。
一方、ブラシホルダ36の内部では、ブラシホルダ36の回転により、ブラシホルダ36内に固定された各ブラシ41,42が、コンミュテータ37のベース部38の外側面上に固定された各セグメント(39U,39V,39W)の周りを、これらの各セグメントに対して擦れながらその接触を維持しつつ回転する。この時、ブラシ41を構成する金属製の弾性部材41Bは、ブラシ41を構成する金属導体41Cを各セグメント(39U,39V,39W)に対して適度に押しつける働きを奏する。また、ブラシ42を構成する弾性部材42Bや金属導体42Cについても同様に作用する。
以上の機械式整流器35の機械的な構成により、1対の給電ブラシ41T,42Tの間に供給される直流電圧を、回転入力軸36Jの回転に同期した位相を有する3相矩形波交流電圧に変換して、出力配線40U,40V,40W(図1、図2の出力ラインL1)から出力することができる。
なお、上記の機械式整流器35ではブラシの側が回転する方式が採用されているが、これとは逆に、ブラシを固定してコンミュテータ(分配子)を回転させる構造を採用することもできる。
図6に本実施例2のスイッチSW2′の回路図を示す。本図6に示す様に、本実施例2の最も大きな特徴は、前述の異常時に上記の機械式整流器35に対して給電するための給電部の構成にあり、この給電部では、電圧の異なる直流電源が3つ並列に接続されている。
即ち、この給電部(図6)は、異常時に使用される実施例1の給電部(図3)を、2段の並列構成から3段の並列構成に拡張したものであり、図3や図6において、光スイッチFVC1と調整用の抵抗Radj1との直列接続部が、点p7 と点p8 との間に、負荷抵抗RloadやブリッジBR1に対して並列に接続されているのと同様に、本実施例2の光スイッチFVC2と調整用の抵抗Radj2との直列接続部も、点p7 と点p8 との間に、負荷抵抗RloadやブリッジBR1に対して並列に接続されている。
また、勿論、ダイオードD2、半導体スイッチFET2、光スイッチFVC2なども、前述の実施例1のダイオードD1、半導体スイッチFET1、光スイッチFVC1などと同様の作用を奏するものである。
この実施例2の給電部(図6)では、バッテリーBT0,BT1,BT2の各直流電圧V0,V1,V2は、以下の式(1)を満たしている。
(各バッテリーの給電電圧の関係)
V0<V1<V2 …(1)
また、半導体スイッチFET1をON/OFF制御するための調整用の抵抗Radj1の抵抗値r1と、半導体スイッチFET1をON/OFF制御するための調整用の抵抗Radj2の抵抗値r2との間には、以下の式(2)の関係がある。
(調整用抵抗の抵抗値の関係)
r1<r2 …(2)
この様な並列構成に従えば、ブラシ付き直流モータからなる反力モータ31が生成する電圧に応じて、即ち、ハンドル11の操舵速度に応じて、前述の機械式整流器35に対する給電電圧をV0,V1,V2の3段階に随時切り替えることができる。即ち、転舵モータへの給電電圧を操舵速度の大きさに対して段階的に単調増加させることができる。したがって、本実施例2のスイッチSW2′(本願発明の給電電圧変更手段に相当(図6))を用いれば、操舵速度に見合った給電電圧を更にきめ細かく切り替える給電電圧変更処理を実現することができる。
また、この様な並列構成は、上記の式(1),(2)の各条件を適当に設定することによって、更に任意の適当な段数に拡張することができる。
図7は、本実施例3の操舵系の機械的な構成を示すハードウェア構成図である。先の実施例1では、機械式整流器35は、図2に示した様にハンドル11からの操舵の回転入力に対して、ギヤボックス30を介して最終段に設けられているが、本図7に例示する様に、機械式整流器35′は、ステアリングシャフト12の途中にギヤボックスGBを介して取り付けても良い。このギヤボックスGBは本願発明のギヤ比調整手段に相当するものであり、その増減速比は任意で良い。
また、反力モータ31の位置を検出する位置センサ32の後段に、本実施例3の操舵系においては、反力モータ31の角速度を検出するタコジェネレータからなる操舵角速度センサTGが配設されている。
図8に、本実施例3の発電手段(:反力モータ31)と発電電力供給手段(:ブリッジBR2)の配線図を示す。スイッチSW2″は、実施例1のスイッチSW2から負荷抵抗Rloadを取り除いたものであり、その他の構成は、図3のスイッチSW2と同じ構成になっている。
この給電部の構成における最も大きな特徴は、バッテリーBT0,BT1の各負電極が接続される点p1 と、アースされる点p0 との間に、反力モータ31(発電手段)とブリッジBR2(発電電力供給手段)が、図示する様に直列に挿入されている点にある。
この様な構成によれば、反力モータ31が生成する発電電圧を、上記の機械式整流器35′を介して転舵モータ(ブラシレス直流モータ20)に印加することによって得られる給電電圧の昇圧作用により、転舵動作の追従性を改善することができる。また、これにより、転舵モータ制御装置60が緊急停止されている場合においても、運転者の操舵操作に対して適度な操舵抵抗(反力)を与えることも同時に可能となるので、操舵に伴う操舵速度の過剰な上昇を抑制する効果も同時に得られる。
図9に、半導体スイッチAとインクリメンタル・エンコーダIEとを有する本実施例4の電子的な転流装置の制御ブロック図を示す。本実施例4の操舵系の構成は、図7に示した実施例3の操舵系の構成を変更したものであり、上記の機械式整流器35′が配設されていた位置には、その代わりにインクリメンタル・エンコーダIEが配設されている。
即ち、本実施例4においては、上記の実施例3の機械式整流器35′(本願発明の転舵モータ転流手段)の動作が、本図9のインクリメンタル・エンコーダIEと半導体スイッチAによって、代替的に実現されている。
インクリメンタル・エンコーダIEは、ギヤボックスGBの回転出力軸の基準位置からの回転角(機械角)が60°進む毎に+1を出力し、逆に60°逆周りする毎に−1を出力する。即ち、インクリメンタル・エンコーダIEは、ギヤボックスGBの回転出力軸の機械角を1/6回転単位に計測し、1単位以上の角度変化が見られない間は、0を出力する。インクリメンタル・エンコーダIEの出力信号Sは、これらの検出結果(−1,0,+1)の出力列から構成される。
ただし、上記の1単位は60°である必要はなく、この角度はその他の任意の角度でも良い。
6進カウンタ回路CCは、インクリメンタル・エンコーダIEから得られる値(−1,0,+1)を随時6進カウンタ上に足し込む。この結果、6進カウンタ回路CCには、ギヤボックスGBの回転出力軸の1/6回転を1単位とする回転角(機械角)がカウントされる。以下、この6進カウンタ回路CC上でカウントされる6進数の下一桁をフェーズFと言う。
図9の通電パターンテーブルTB1には、このフェーズFと図9の各トランジスタの制御パターンとの関係が以下の表1の様に規定されている。この制御パターンは、請求項7における通電パターンに相当するものである。
Figure 0004975389
即ち、図9の6つのトランジスタは、図4のモータ駆動制御回路51と略同様の構成を有しており、これらの各トランジスタのベース電圧を、上記の表1にしたがってON/OFF制御することによって、3相矩形波交流電圧を生成することができる。
以上の様な構成にしたがって、このインクリメンタル・エンコーダIEの出力パルスに基づいてON/OFF制御される6つのトランジスタ(半導体スイッチ)を有する半導体スイッチAから本発明の転舵モータ転流手段を構成することができる。
そして、この様な構成に従えば、3相交流を生成する周知の最も簡単な構造のインバータに用いられる半導体回路と略同様の半導体回路を用いて、上記の出力信号Sに基づいて制御される半導体スイッチを有する電子的な転流装置(即ち、上記の転舵モータ転流手段)を簡単かつより小形に構成することができる。
図10は、本実施例5の電子的な転流装置の制御ブロック図である。図中の半導体スイッチA′は、上記の半導体スイッチAを改良したものであり、各トランジスタのベース端に接続される3つの保護回路CU ,CV ,CW は、各相U,V,Wを制御する図中の上下1対のプッシュプル接続された2つのトランジスタがそれぞれ同時にON状態になる様な不具合を、即ち、上下1対の2つのON状態のトランジスタ上における短絡が発生することを、防止するためのものである。この保護回路CU ,CV ,CW は、それぞれ何れも、NOT回路とAND回路の組み合わせで構成されており、これらの回路はそれぞれ、上下1対のプッシュプル接続された2つのトランジスタに同時にON指令が伝達されない様に構成されている。
通電パターンテーブルTB2には、この半導体スイッチA′をON/OFF制御するための下記の表2が格納されており、この様な短絡防止用の保護回路CU ,CV ,CW を制御信号が入力される各ベース端の前段に挿入することによって、この表2に示す様に、通電パターンの半分をON状態が占める様に構成しても、この半導体スイッチA′では、上下1対のトランジスタにおいて短絡が発生しない。
Figure 0004975389
このため、本実施例5の半導体スイッチA′を用いれば、前述の実施例4の半導体スイッチAよりも更に大きな電力を転舵モータ(ブラシレス直流モータ20)に与えることができる。ただし、上記の表2では、対応する各トランジスタに対するON指令を値1で示しており、OFF指令を値0で示している。
図11は、本実施例6の給電電圧変更手段70の制御ブロック図である。本実施例6は、上記の実施例5の半導体スイッチA′(図10)に対して、給電電圧Vout を出力する給電部に関するものであり、よって、操舵系のハードウェア構成については、本図11に図示する様に、タコジェネレータTGを除いては実施例5と同様の構成になっている。
本実施例6の給電電圧変更手段70は、F−Vコンバータ71と特性マップ72とPWM回路73から構成されている。F−Vコンバータ71は、インクリメンタル・エンコーダIEから出力されるパルス列における単位時間当たりのパルス数(周波数)に比例した電圧Vを出力する。特性マップ72は、F−Vコンバータ71から出力された上記の電圧Vと、PWM回路73の出力電圧Vout ′との間の関係を規定するものである。この関係は、必ずしも線形である必要はなく、例えば本図11に図示する様に非線形であっても良い。PWM回路73は、直流電源を持っており、周知のデューティー比制御によって、その目標値である上記の直流電圧Vout ′を出力する。
また、反力モータ31とブリッジBR2は、先の実施例3(図8)と全く同様に作用し、ブリッジBR2から出力される電圧が上記の直流電圧Vout ′に加算されて、出力電圧Vout (:半導体スイッチA′への給電電圧)が生成される。
例えばこの様な構成に従えば、転舵モータへの給電電圧を操舵速度の大きさに対して連続的に単調増加させることができる。
図12に本実施例7の電力増幅回路80(給電電圧変更手段)の制御ブロック図を示す。この給電回路(図12)は、例えば前述の実施例3(図7)の操舵系のハードウェア構成を採用する場合などに、図8の給電部の回路の代わりに用いることができる。
電力増幅回路80は、直流電源を持っており、トランジスタなどを用いて作成される周知の電力増幅回路で構成されている。そして、この回路(図12)においても、ブリッジBR1,BR2や反力モータ31やタコジェネレータからなる操舵角速度センサTGは、実施例3(図8)と全く同様に作用する。即ち、電力増幅回路80は、ブリッジBR1を介して操舵角速度センサTGから出力される電力に応じて単調増加する、増幅された電力を出力する。ただし、その応答の関係は、線形である必要はなく、また原点を通る必要もない。
例えばこの様な構成によっても、転舵モータへの給電電圧を操舵速度の大きさに対して連続的に単調増加させることができる。
上記の実施例4や実施例5の電子的な転流装置では、インクリメンタルエンコーダIEにより回転角変化情報(位相情報)を得ているが、これらの回転角変化情報は、その他にも、例えば周知のアブソリュートエンコーダ等によって得てもよい。その場合の電子的な転流装置の実施例を以下に例示する。
図13は、本実施例8の半導体スイッチA′′の制御ブロック図である。本実施例8の操舵系の構成は、図9に示した操舵系の構成を変更したものであり、実施例4(図9)におけるインクリメンタルエンコーダIEと、6進カウンタ回路CCと、通電パターンテーブルTB1とによって実現されていた導通パターン決定手段が、本実施例8では、アブソリュートエンコーダAEを用いて代替的に実現されている。
即ち、図13のアブソリュートエンコーダAEが出力する6種類の出力パターン(通電パターン)は、ギヤボックスGBの回転出力軸の所定の回転角毎に周期的に順次切り替わり、その値(通電パターン)は、下記の表3に例示する様に、ビット5〜ビット0までの6ビットで与えられる。
Figure 0004975389
したがって、例えば、上記の所定の回転角を360°とすると、この時、図13のアブソリュートエンコーダAEの出力パターンは、ギヤボックスGBの回転出力軸が60°回転する度毎に、表3に従って順に切り替わる。このため、本図13の半導体スイッチA′′によっても、図9の半導体スイッチAと同様にして所望の出力(3相矩形波交流電圧)を得ることができる。
また、実施例5(図10)において得られていた実施例4(図9)に対する前述の改善効果は、上記の実施例8(図13)に対しても同様にして得ることができる。
図14に、本実施例9の半導体スイッチA′′′の制御ブロック図を示す。また、この時の通電パターンを表4に示す。
Figure 0004975389
例えばこの様にして、実施例5に倣って上記の実施例8(図13)の構成に対して、保護回路CU ,CV ,CW を導入したり、同時に通電パターンを表4に示す様に変更したりすることによっても、大きな電力を転舵モータに与えることができる。
また、図7に示した実施例3における機械式整流器35′は、その他にも例えば回転角センサなどとしても利用することができる。そこで、以下の実施例では、実施例3(図7)と同様の機械式整流器35′に対して、モータ駆動用の大電流を通電せずに、これを例えば回転角センサなどの弱電系のセンサ(検出器)として用いる実施例を示す。
図15に、本実施例10の半導体スイッチA′′′′の制御ブロック図を示す。本実施例10の操舵系の構成は、実施例9(図14)に示した操舵系の構成を変更したものであり、本実施例10では、実施例9(図14)のアブソリュートエンコーダAEの機能が、上記の機械式整流器35′を用いて代替的に実現されている。ただし、本実施例10においては、転舵モータを駆動するための電流は、実施例9(図14)の半導体スイッチA′′′と略同様の半導体スイッチA′′′′を介して供給される。
即ち、転舵モータを駆動するための電流は、上記の機械式整流器35′を経由しないので、機械式整流器35′に対する給電電圧は可変である必要はなく、例えば単一電池から成る図中のバッテリーBTからの低い電圧(一定電圧Vsig)などで良い。さらに、機械式整流器35′の出力配線40U′,40V′,40W′には、ノイズの影響を抑えるためのシュミットトリガSTが配設(挿入)されており、機械式整流器35′からの出力信号は、このシュミットトリガSTを経由した後に、半導体スイッチA′′′′のトランジスタ保護回路CU ,CV ,CW に入力される。
ただし、記号UU ′,VU ′,WU ′はそれぞれ、出力配線40U′,40V′,40W′に生じる電位(即ち、アース電位又は一定電圧Vsig)に略一致しており、記号UL ′,VL ′,WL ′はそれぞれ、電位UU ′,VU ′,WU ′の各反転電位(即ち、一定電圧Vsig又はアース電位)である。
機械式整流器35′のブラシ位置(位相a〜f)と半導体スイッチA′′′′の入力信号との関係を図16及び表5に示す。ただし、表5においては、上記の一定電圧Vsigに対応する信号の値を1で示してある。
Figure 0004975389
上記の電位UU ′,VU ′,WU ′及び電位UL ′,VL ′,WL ′は、操舵ハンドル11の回転運動に連動して、上記の表5に示す様に各位相a〜fに応じて変動するので、この様な構成によっても、図14の半導体スイッチA′′′の出力電圧と同様の3相矩形波交流電圧を生成することができる。
また、この様な構成に従えば、機械式整流器35′には転舵モータを駆動するための大電流を流さないので、そのブラシや分配子を小型にすることが可能となり、これによっても、ステアバイワイヤシステムの搭載性を向上させることができる。
なお、この半導体スイッチA′′′′へ給電する給電部の構造は、上記の実施例3(図8)の給電部の構造と同様で良い。或いは、上記のタコジェネレータTGを排除して、実施例1(図3)または実施例2(図6)に例示した給電部と同様の構造を有する給電部から、上記の半導体スイッチA′′′′へ給電する様にしても良い。
また、実施例10(図15)の機械式整流器35′(機械的な転流装置)は、操舵速度を検出する操舵速度検出手段としても用いることができる。図17に本実施例11の給電電圧変更手段70′の制御ブロック図を示す。この図17の構成は、実施例10(図15)の構成からタコジェネレータTGを排除しつつ、それと略同等の機能を確保するために考え出されたものである。したがって、本実施例11(図17)における給電電圧変更手段70′よりも上流部分のハードウェア構成に関しては、タコジェネレータTGが省略されている点以外、実施例10(図15)と同じになっている。
また、本実施例11(図17)の給電電圧変更手段70′の特徴は、前述の給電電圧変更手段70(図11)に対して、パルス列発生回路74が追加された構造が採用されている点にある。以下、図18を用いて、本実施例11のパルス列発生回路74の作用について説明する。
このパルス列発生回路74は、前述のF−Vコンバータ71の前段に配設(挿入)されるものであり、シュミットトリガSTから出力される前述の電位UU ′,VU ′,WU ′(図15、図17)を入力信号としている。そして、このパルス列発生回路74は、これらの電位UU ′,VU ′,WU ′の立ち上がり及び立ち下がりの各エッジをそれぞれ全て検出して、その検出と同時に図示する様なパルスを出力する。即ち、図18のパルス列は、その様な検出動作の断続的な発生によって生成されるものであり、よって、このパルス列の周波数は、操舵ハンドル11の回転の角速度に比例する。
また、次段のF−Vコンバータ71は、例えばこの様なパルス列の周波数に応じて、前述の様に動作するものであるから、以上の様な構成によっても、転舵モータへの給電電圧を操舵速度の大きさに対して連続的に単調増加させることができる。
また、本実施例11の構成に従えば、タコジェネレータTGを省略することができるため、この様な構成によっても、ステアバイワイヤシステムの搭載性を向上させることができる。
図19は、図1、図3のスイッチSW2に対する代替手段の概念図である。この代替手段は、実施例1のスイッチSW2の代わりに、操舵ハンドル11の回転角(操舵位置)に応じて切り替わるスイッチ30aを用いて構成されたものである。
即ち、この図19のスイッチ30aは、図2のギヤボックス30の中に内蔵したもので、以下の2通りの状態をとり得る。
(状態1)端子t1が端子t2に接続された状態。
この時、操舵ハンドル11の操舵位置は中立位置付近にある。
(状態2)端子t1が端子t3に接続された状態。
この時、操舵ハンドル11の操舵位置は中立位置付近にない。
この様なスイッチをギヤボックス30に内蔵すれば、上記の2通りの状態に応じて、前述の機械的な転流装置(機械式整流器35)に対する給電電位を適当に変更することができる。即ち、操舵位置が中立位置付近にある場合には、当該車両は直進中であって転舵の必要性が低いと考えられるので、機械式整流器35に対する給電電位を低電位に設定する。また、操舵位置が中立位置付近にない場合には、運転者は操舵操作中であって転舵の必要性が高いと考えられるので、機械式整流器35に対する給電電位を高電位に設定する。例えばこの様な給電電圧変更手段によっても、転舵モータ20に対する給電状態を効果的に変更することができる。
なお、特にステアリングギヤ比を小さく設定する場合を除き、通常は、ステアリングシャフト12とスイッチ30aとの間には減速機構を介在させる。これは、操舵ハンドル11を中立位置から1回転させた時に、端子t1が端子t2と再び接触することを防ぐためであり、これらの構成によって、スイッチ30aが上記の2通りの状態(状態1,2)しかとらないことが保証される。
図20には、図19の代替手段のより具体的な構成例(給電回路VEA)を例示する。このスイッチ30a′は、上記の2通りの状態に応じて、図中の2つのバッテリーBTa,BTbの接続状態を並列接続にしたり直列接続にしたりするものである。即ち、上記の状態1の場合には、2つのバッテリーBTa,BTbは並列接続され、上記の状態2の場合には、2つのバッテリーBTa,BTbは直列接続される。
この様な給電電圧変更手段を用いれば、操舵ハンドル11の操舵角に応じて転舵モータ20に適度に給電することができる。このため、操舵操作中には、直進走行中よりも大きな転舵力を得ることが可能となり、よって、上記の構成によれば、転舵動作時におけるハンドルの操作性を効果的に向上させることができる。
また、直進走行中には、給電電力が小さく設定されるため、転舵モータによる過剰な電力消費や発熱を効果的に抑制することができる。
図21に、その他の給電回路VEBの構成例を例示する。この給電回路VEBは、図3のスイッチSW2と図19のスイッチ30aとを組み合わせて構成したものである。即ち、スイッチ30aの端子t2は、バッテリーBT0の正電極に接続されており、スイッチ30aの端子t3は、バッテリーBT1の正電極に接続されている。また、スイッチ30aの端子t1は、逆流防止用のダイオードD3を介して正電位出力点p+ に接続されている。勿論、この正電位出力点p+ は、図4、図5の摺動子(ブラシ41)に常時電気的に接続する。
この様な構成に従えば、以下の何れの条件が成立した場合にも、転舵モータ20の駆動力を十分かつ確実に得ることができるため、操舵操作の操作性や追従性を確実に向上させることができる。
(条件1)操舵ハンドル11が中立位置付近にない。
(条件2)操舵速度(操舵ハンドル11の回転速度)が所定値以上ある。
図22に、その他の給電回路VECの構成例を例示する。この給電回路VECは、車速によってオン/オフ動作するスイッチと、図19のスイッチ30aとを組み合わせて構成したものである。即ち、比較器(オペアンプ81)のマイナス側の入力端子(−)には、車速表示装置80に入力される入力信号(車速計用電圧)が並列に入力される。一方、オペアンプ81のプラス側の入力端子(+)には、車速の高低を判定するための閾値電圧(切替基準電圧)が入力される。
このため、車速が所定の閾値以下の場合には、フォトカプラFVCがオン状態となり、つづいてFETがオン状態となるので、この場合には、操舵ハンドル11の操舵位置に係わらず、出力側の端子t1を所定の高電位に維持することができる。この閾値としては、例えば0.1〜3km/h程度の速さの中から適当な数値を採用することができ、車速がその閾値以下の場合には、該車両が停止しているか該車両が極低速領域(以下、微低速帯域と言うことがある)で移動しているものと判定することができる。
したがって、この給電回路VECを用いれば、極低速時や据え切り時の場合に、操舵ハンドル11の操舵位置に係わらず、転舵モータ20の駆動力を確実に高く維持することができる。また、車速が上記の閾値以上の場合には、FETがオフ状態となるので、この場合には、例えば消費電力の節約などの、先の実施例12と同等の作用・効果を得ることができる。
なお、上記の閾値は、想定され得る転舵輪の半径、材質、構造、形状、空気圧などや、車両重量や、想定され得る路面状態などの各種の設計パラメータに基づいて、最適化することが可能である。
図23に、本実施例15の給電回路VEDの構成例を例示する。スイッチSの指針電極τ0は例えば銅などの導電体から形成されており、この指針電極τ0はアナログ式の車速表示装置が有する車速指針と同期して同様に回動する。或いは、このスイッチS自身をアナログ式の車速表示装置として、兼用にデザインしても良い。
指針電極τ0は、微低速帯域用の電極τ1または高速帯域用の電極τ2と、適度の接触を維持しながら車速の変動に伴って摺動し、特に車速が速さVthに達すると、電極τ1と電極τ2の双方に接触する。
給電部VEDaには、図3と同等の回路が用いられており、電極τ2に給電電圧を出力する回路Σ2は、給電部VEDaの一部を構成する回路Σ1と全く同様に構成されている。ただし、回路Σ2に内蔵されている可変抵抗の抵抗値は、回路Σ1に内蔵されている可変抵抗Radj1の抵抗値よりも大きく設定されている。また、指針電極τ0は、図4、図5の摺動子(ブラシ41)に常時電気的に接続されている。
この様な構成に従えば、操舵速度と車速の双方に対して同時に適応的に給電電圧を可変制御することができる。このため、極低速走行時やハンドルの据え切りの際には、通常の走行中の時よりもより大きな転舵力を得ることが可能となり、よって、上記の構成によれば、転舵動作に大きな力を必要とする極低速走行時や据え切りの場合におけるハンドルの操作性を効果的に向上させることができる。
図24には、転舵モータへのその他の給電電圧の設定例を例示する。このグラフは、車速を車速域1(:微低速帯域)、車速域2(:中速帯域)、車速域3(:高速帯域)の3帯域に区分して各車速帯域毎に、各操舵速度に応じた給電電圧を定義したものである。この様な適応制御は、上記の給電回路VED(図23)を、例えば次の様に拡張変形することによって、実現することができる。
(1)図24の境界速度Vth2 に対応する位置で電極τ2を略半分に分割し、その内の図24の車速域3に対応する部分を新たに高速帯域用の電極τ3とする。
(2)回路Σ1,Σ2に対して更に並列に同様の回路Σ3を設け、その出力端子を上記の電極τ3に接続する。
(3)回路Σ2,回路Σ3については、図6に習って同様に構成する。ただし、反力モータ31やブリッジBR1や抵抗Rloadについては、図23と同様に各回路(Σ1,Σ2,Σ3)の間で互いに共有する。
(4)回路Σ1,Σ2,Σ3の各バッテリーの出力電圧や各可変抵抗の抵抗値は、図24に合わせてそれぞれ適当に設定する。なお、バッテリー(BT0,BT1)は、回路Σ1,Σ2,Σ3間で互いに共有する様に並列構成にしても良い。
例えばこの様な構成によって、給電電圧の定義領域を図24の様に細分化することによって、転舵モータ20への給電電圧に関して、よりきめ細かい適応制御を実現することができる。
なお、図24のグラフの少なくとも原点付近や横軸近傍で、給電電圧を低電圧に設定しているのは、それらの領域では操舵操作がないものと判定できるためである。
また、これらの給電電圧や車速帯域等のレベル設定の細分化は、任意に行うことができる。また、車速や操舵速度に対して給電電圧を連続的に変化させるようにしてもよい。
図25は、本実施例16の論理的な構成を示す回路図である。この回路は図4に示した回路の変形例に相当しており、本実施例では、当該回路にスイッチ機構Λを備えている点に大きな特徴がある。このスイッチ機構Λは、摺動子41に作用する遠心力を利用して摺動子41の動径長を変化させることによって、摺動子41に対する接点p2,p3の接触状態(オン/オフ状態)を可変制御するもので、これによって、転舵モータ20への給電電圧が、操舵速度に応じて可変制御される。
以下、このスイッチ機構Λを具現するための当該回路に関する機械的な構造について、具体的に説明する。
図26は、図25の機械式整流器35″の機械的な構造を示す断面図である。この図26に示す様に、本実施例の機械式整流器35″は、回転入力軸36Jの回転軸であるz軸の周りを回転する摺動子ホルダ36と、回転しない非回転部43とを備えている。非回転部43は、カバー43aとベース43bとからなる。ベース43bは、車両に固定されており、このベース43bには、一端有底の円筒形のカバー43aが固定されている。また、図26中の断面βの一部を描いた図27によって示される様に、このベース43bの円形底面には、金属片からなる分配子39U,分配子39V,分配子39Wがサイクリックに3周期配設されている。即ち、これら計9つの分配子は、40°の回転操作に対して同一形状を示す回転対称形に配置されている。また、電気的には、合計3つの分配子39Uは、何れも出力配線40Uに接続されている。勿論、他の分配子も同様である。
一端有底の円筒形の摺動子ホルダ36の底面には、回転入力軸36Jが固定されており、これらは一体となって上記のz軸の周りを回転する。したがって、これらは前述のロータ31R(図2)の回転動作に伴って回転する。ベアリングBRは、ベース43bの周りを摺動子ホルダ36が、滑らかに回転するのを回転自在に支持する。
カバー43aの内側面には、各給電ブラシ(42T,41T1,41T2,41T3)が配設されており、これらはそれぞれ、摺動子ホルダ36の外側面に固定された薄板リング状の各金属リング(42S,41S1,41S2,41S3)に接触している。したがって、回転入力軸36Jが回転すると、例えば金属リング42Sは、給電ブラシ42Tに対して接触を維持しつつ摺れながら回転する。このため、摺動子42は、配線LL2を介して、バッテリBTの負電極側(接地電極側)に電気的に接続された状態を常時維持することができる。
また、給電ブラシ41T1,41T2,41T3は何れも、摺動子41に給電するためのものであり、それぞれ対応する各金属リング(41S1,41S2,41S3)や各配線(LL11,LL12,LL13)を介して、後述の図28の各給電セグメント(SG1,SG2,SG3)にそれぞれ接続されている。また、後から詳しく説明する様に、この給電セグメントSG2が図25の接点p2を具現するものであり、かつ、給電セグメントSG3が図25の接点p3に相当するものである。
摺動子ホルダ36の内部には、これと同軸の円筒形の内部空間36Rが形成されており、バネSPZ1は摺動子41をこの内部空間36Rの円形底面36b上に接続している。また、バネSPR1は摺動子41を内部空間36Rの側壁面36a上に接続している。摺動子41は、これらの接続によって、動径方向(遠心方向)に揺動可能に支持されている。また、摺動子42についても同様に、バネSPR2,SPZ2によって動径方向に揺動可能に支持されている。バネSPR1とバネSPR2は、z軸に対して垂直な遠心方向(動径方向)を向いており、摺動子ホルダ36の回転速度に応じてこの方向に適度に伸縮する。
また、バネSPZ1は、摺動子41を各分配子(39U,39V,39W)に対して適度に押しつける働きを奏する。同様に、バネSPZ2は、摺動子42を各分配子(39U,39V,39W)に対して適度に押しつける働きを奏する。したがって、各摺動子41,42は、摺動子ホルダ36の回転により、ベース43bに固定された各分配子(39U,39V,39W)に対して擦れながらその接触を維持しつつ回転する。
図28に、摺動子41の周辺の斜視図を模式的に示す。本実施例における給電電圧変更手段の中心部分は、以下に詳しく説明する本図28の様に構成される。
本図28における摺動子41の配置及び配向は、図26における摺動子41の配置及び配向に一致する様に記載されており、これらの各図中には同一の方向を示すxyz座標軸が描かれている。摺動子41,42の摺動面41aは常時、図26中の平面β上に配置されている。即ち、この摺動面41aと摺れ合う面を描いたのが図27である。以下、この平面βをxy平面に選び、かつ、このxy平面をrθ極座標で表した円筒座標系を用いて説明する場合がある。
図28に示す様に摺動子41は、サブホルダSHLの中に配置されており、このサブホルダSHLの上面SHLaは、図26の摺動子ホルダ36の内部空間36Rを構成する側壁面36a上に接着固定されている。このサブホルダSHLは、下記の各バネと共に、摺動子41を動径方向に摺動案内するガイドを構成するものである。
このサブホルダSHLの4方の側壁はそれぞれ略平板状であり、これらは互いに接合されて角張った筒状に形成されている。x軸方向に張られたバネSPR1の一端は、このサブホルダSHLの上側の内壁面上に接続されている。また、z軸方向に張られたバネSPZ1の一端Qは、図26と図28に示す様に、内部空間36Rの円形底面36b上に接続されている。また、回転方向、即ちθ方向に張られたバネSPΘの一端は、このサブホルダSHLの左側の内壁面上に接続されている。このバネSPΘは、摺動子41の接触面41bを各給電セグメント(SG1,SG2,SG3)に対して適度に押しつける働きを奏する。摺動子41の接触面41aは、各分配子(39U,39V,39W)に接触する面である。これらの接続によって、摺動子41はr軸方向(動径方向)に揺動可能に支持されている。
サブホルダSHLの右側の側壁の一部を構成する各給電セグメントSG1,SG2,SG3は、それぞれ1片の金属板から形成されており、r軸方向の正の向きに、給電セグメントSG1,SG2,SG3の順に並べられている。これらは、摺動子41の径方向の位置に応じて摺動子41と接触するもの(接点)であり、互いに隣り合う各給電セグメントの間には、絶縁用のスリットが設けられている。そして、給電セグメントSG1は配線LL11に、給電セグメントSG2は配線LL12に、給電セグメントSG3は配線LL13にそれぞれ電気的に接続されている。即ち、配線LL11は金属リング41S1と給電セグメントSG1とを電気的に接続し、配線LL12は金属リング41S2と給電セグメントSG2とを電気的に接続し、配線LL13は金属リング41S3と給電セグメントSG3とを電気的に接続している。
(作用と効果)
これらの構成に従えば、摺動子41の動径長が大きい時ほど、摺動子41をより高電位の給電点(給電セグメントSG1,SG2,SG3)に接触させることができる。即ち、本実施例の機械式整流器35″においては、摺動子41に対する各給電ブラシ(41S1,41S2,41S3)の各給電電位が昇順に設定された構造に基づいて、転舵モータ20への給電電圧が、摺動子41に作用する遠心力の増大に応じて増大する様に構成されている。
以下、図29−A,−B,−Cを用いて、本実施例の作用と効果について、更に詳しく説明する。
例えば、操舵速度が低い時には、摺動子41に作用する遠心力が小さいため、r軸方向(動径方向)に作用するバネSPR1の弾性反力とこの遠心力との均衡点はz軸寄りの内側に位置し、よって摺動子41は、最も内側の給電セグメントSG1にだけ接触する。このため、バッテリBTと摺動子41とは、ダイオードD1のみを介して電気的に接続される。したがって、摺動子41の電位は低くなり、バッテリBTから摺動子41に流れる電流は小さくなる。その結果、過剰な電力消費や過熱が抑制される。
一方、操舵速度が高い時には、摺動子41に作用する遠心力が大きくなるため、上記の均衡点に置かれる摺動子41が外側に移動し、その結果、摺動子41は複数の給電用セグメント(SG1とSG2、或いは、SG1とSG2とSG3)と接触する。
この様な給電部の回路構成に従えば、摺動子に作用する遠心力が大きな場合ほど、転舵モータに対する給電電圧を大きくすることができるため、遠心力の大きさに対して段階的に、転舵モータに対する給電電圧を可変制御することが可能となる。
したがって、摺動子41に流れる電流も、操舵速度の増大に伴って大きくなる。このため、配線L1(40U,40V,40W)からは、遠心力の大きさに応じてより高い電力を得ることができる。また、バネSPR1のバネ係数や各セグメントSG1,SG2,SG3の位置(動径長)は、常時必要な大きさの電力がえられる様に、それぞれ最適化しておくと良い。この様な最適化によって、転舵モータ制御装置60の異常時にも、操舵速度に見合った電流を常時、機械式整流器35″(転舵モータ転流手段)を経由して転舵モータ(ブラシレス直流モータ20)に給電することができる。
したがって、本実施例の機械式整流器35″を備えたステアバイワイヤシステムにおいては、転舵モータ制御装置に異常が生じた場合であっても、該システムにおける過剰な電力消費や発熱を抑制するとともに、操舵操作に対する転舵モータの追従性能を常時確保することができる。
なお、本実施例では、転舵モータへの給電電流を可変制御するために、給電セグメントSG1,SG2,SG3をサブホルダSHLに配設したが、これらの給電セグメントは任意数設けることができる。
図30−Aに、本実施例17の中立位置復帰手段の構成例を例示する。この中立位置復帰手段は、図1の操舵系に配設するものであり、本図30−Aにおいても、前述の図1や図19に対応する各部位には同一の符号を付した。この操舵系においては、ステアリングシャフト12の延長軸12′がギヤボックス30から突き出ており、この延長軸12′にゼンマイ状に巻かれた板バネ90(図30−B)が取り付けられている点に特徴がある。この図30−A,−Bにおいては何れも、ステアリングシャフト12及び延長軸12′の軸方向で運転者に向う向きをz軸の正の向きとしている。
板バネ90のストライプ幅は、z軸方向に取られており、この板バネ90の中心部(端部)は延長軸12′に確実に固定されている。また、他端の端部90aは、当該車両の車体に固定されている。また、その端部90aの固定位置は、操舵ハンドル11が中立位置にある時に、延長軸12′に回動トルクが付与されない位置に設定されている。このため、操舵ハンドル11には板バネ90から、その操舵角の大きさに比例し操舵角とは逆向きの復帰トルクが常時付与される。
また、転舵モータ制御装置の正常時には、この復帰トルクを打ち消すようなキャンセルトルクをも含めた適度の反力トルクが、反力モータ31によって生成される。(ただし、操舵ハンドル11には、結果として総合的に適量の反力トルクが付与されていれば良いので、転舵モータ制御装置の正常時に反力モータ31から出力すべきトルクの内訳や分類解釈等については任意で良い。)
これらの構成に従えば、転舵モータ制御装置60が緊急停止されたバックアップ動作時においても、運転者は操舵ハンドル11の位置感覚をつかみ易くなる。また、運転者が操舵ハンドル11から手を離せば、板バネ90が起こす復帰トルクによって操舵ハンドル11が中立位置に戻る。このため、復帰トルク(操舵反力)の大きさや上記の中立位置などによってドライバに転舵位置の情報を的確に知らせることができる。
なお、例えば上記の実施例17などの様にして弾性体等を用いて実現し得る、これらの操舵ハンドルの中立位置への復帰動作は、その回動動作の中立位置に対するオーバーシュートやその繰り返し(即ち、低い周波数の振動)が生じない様に、中立位置に向って概ね漸近的に収斂させることがより望ましい。また、上記の弾性体などに加えて、例えば粘性のある油などの流体や或いは発電機などを用いて適度な操舵抵抗(操舵負荷)を生成することによって、その様な収斂性を適当に調整する様にしても良い。
〔その他の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
(変形例1)
例えば、実施例4の図9の操舵系のハードウェア構成においては、図7の様なタコジェネレータTGからなる操舵角速度センサが配設されているが、このタコジェネレータTGを省略して、実施例1(図3)の様に反力モータ31を操舵角速度センサとして用いても良い。この構成に従えば、上記の半導体スイッチAに対して給電電圧Vout を出力する給電部を図3の様にして、前述の実施例1と同様に構成することもできる。
(変形例2)
また、実施例10のハードウェア構成(図15)においては、機械式整流器35′は、ステアリングシャフト12の途中に、ギヤボックスGBを介して取り付けられているが、タコジェネレータTGの位置に、このタコジェネレータTGの代わりに機械式整流器35''' を配設して、機械式整流器35′が有ったギヤボックスGBの所には、その機械式整流器35′の代わりにインクリメンタルエンコーダを配設する様にしても良い。この構成に従えば、そのインクリメンタルエンコーダを操舵速度検出手段として用いることができるので、これにより実施例6(図11)と同様の給電部を使用することも可能となる。
また、この構成に対して、更に、図10、図11に例示した様に、そのインクリメンタルエンコーダIEの出力信号Sを同時に半導体スイッチA′の入力信号としても利用する構成を採れば、例えば図31に例示する様に、上記の実施例10の半導体スイッチA′′′′と、その半導体スイッチA′とを並列に接続して、それらを同時に用いることも可能となる。即ち、図31は、この時の半導体スイッチの多重化形態を示している。
そして、この様な多重化構成に従えば、機械式整流器35''' 、シュミットトリガST、半導体スイッチA′′′′の少なくとも何れか1つが故障した場合にも所望の3相矩形波交流電圧を転舵モータに給電することができ、また、半導体スイッチA′だけが故障した場合にも所望の3相矩形波交流電圧を転舵モータに給電することができる。このため、図31の多重化構成に従えば、システムの信頼性を更に向上させることができる。
(変形例3)
また、実施例6の給電部のハードウェア構成(図11)においては、特性マップ72とPWM回路73から直流電圧Vout を生成しているが、特性マップ72とPWM回路73の代わりに、実施例7(図12)における電力増幅回路80と同様の電力増幅回路を代用して、給電部を構成してもよい。
このような構成によっても、転舵モータへの給電電圧を操舵速度の大きさに対して連続的に単調増加させることができる。
(変形例4)
また、図24のグラフでは、バッテリーからの給電電圧の値の区分けを各車速帯域毎に定義(設定)しているが、これらの区分けは、車速に対して略連続的に設定することもできる。図32にその1設定例を例示する。このグラフでは、境界線σ1とσ2との間が、中くらいの給電電圧V2を出力すべき領域として定義されており、この中間領域よりも操舵速度が高い場合には、より高い給電電圧V3を出力し、この中間領域よりも操舵速度が低い場合には、より低い給電電圧V1を出力する。
また、横軸の車速γは、図24のグラフにおける境界速度Vth1 に概ね対応する速度(所定の微低速)である。即ち、上記の境界線σ1とσ2は何れも、車速が微低速γ以上の領域において単調減少しており、このため、車速が微低速γ以上の場合(中速領域や高速領域の場合)には、上記の給電電圧は、車速の変動に対しては少なくとも一定に維持されるか、または車速に対して単調増加する。また、車速が微低速γ未満の場合には、当該微低速帯域内の大半の領域において、上記の給電電圧は所定の高電圧に維持される。また、この当該微低速帯域内においても、横軸近傍においては、給電電圧は低電圧に維持されている。したがって、この様な電圧設定に従えば、先の実施例15(図24)における電圧設定と略同様の作用・効果を得ることができ、よりきめ細い連続的な電圧制御を実現することができる。
この様な給電方式は、例えば図6のスイッチSW2′における可変抵抗Radj1,Radj2を車速に対して適応的に可変制御することなどによって実現することができる。即ち、上記の境界線σ1は、例えば図6の可変抵抗Radj1の車速に対して任意に定めた応答特性に基づいて一意に決定することができ、上記の境界線σ2は、同様に可変抵抗Radj2の車速に対する所定の応答特性に基づいて一意に決定することができる。また、車速に応答するこの様な可変抵抗機構は、例えばLEDドライバICなどを用いて構成し得る周知の可変抵抗回路や、それらの応答特性を定義する特性マップなどを適当に組み合わせることにより、正常時に動作する転舵モータ制御装置60などよりも格段に簡潔に構成することが可能である。
実施例1のステアバイワイヤシステム100のシステム構成図 ステアバイワイヤシステム100の操舵系の機械的な構成を示す斜視図 ステアバイワイヤシステム100のスイッチSW2の回路図 機械式整流器35の電気的な接続形態を例示する回路図 機械式整流器35の機械的な構造を示す断面図 実施例2のスイッチSW2′の回路図 実施例3の操舵系の機械的な構成を示すハードウェア構成図 実施例3の発電手段(31)と発電電力供給手段(BR2)の配線図 実施例4の半導体スイッチAの制御ブロック図 実施例5の半導体スイッチA′の制御ブロック図 実施例6の給電電圧変更手段70の制御ブロック図 実施例7の電力増幅回路80(給電電圧変更手段)の制御ブロック図 実施例8の半導体スイッチA′′の制御ブロック図 実施例9の半導体スイッチA′′′の制御ブロック図 実施例10の半導体スイッチA′′′′の制御ブロック図 機械式整流器35′のブラシ位置と半導体スイッチA′′′′の入力信号との関係を示すグラフ 実施例11の給電電圧変更手段70′の制御ブロック図 実施例11のパルス列発生回路74の作用を説明するグラフ 図1、図3のスイッチSW2に対する代替手段の概念図(実施例12) 給電回路VEAの構成例を例示する回路図 給電回路VEBの構成例を例示する回路図(実施例13) 給電回路VECの構成例を例示する回路図(実施例14) 給電回路VEDの構成例を例示する回路図(実施例15) 転舵モータへの給電電圧の設定例を例示するグラフ 図4の機械式整流器35の変形例(実施例16)を例示する回路図 機械式整流器35″の機械的な構造を示す断面図 分配子39U,39V,39Wが配設されたベース43bの正面図 機械式整流器35″を構成する摺動子41周辺の斜視図 摺動子41の接触状態を例示する断面図 摺動子41の接触状態を例示する断面図 摺動子41の接触状態を例示する断面図 実施例17の中立位置復帰手段の構成例を例示する概念図 ゼンマイ状に巻かれた板バネ90の正面図 変形例2の半導体スイッチの多重化形態を示す制御ブロック図 変形例4における転舵モータへの給電電圧の設定例を例示するグラフ 先願発明のステアバイワイヤシステム10のシステム構成図
符号の説明
100 : ステアバイワイヤシステム
20 : ブラシレス直流モータ(転舵モータ)
31 : 反力モータ(発電手段)
35 : 機械式整流器(転舵モータ転流手段)
46 : モータ電源切替装置(接続切替手段)
51 : モータ駆動制御回路
60 : 転舵モータ制御装置
SW2 : スイッチ(給電電圧変更手段)
BR2 : ブリッジ(発電電力供給手段)

Claims (16)

  1. 車両に備えた操舵ハンドルと転舵輪とを機械的に切り離し、前記操舵ハンドルの操作に応じて転舵モータを駆動して前記転舵輪を転舵するステアバイワイヤシステムにおいて、
    前記操舵ハンドルの回転角に応じて前記転舵モータへの通電状態を切り換える転舵モータ転流手段と、
    前記転舵モータを駆動制御する転舵モータ制御装置の異常時に、前記転舵モータ制御装置を前記転舵モータから電気的に切り離し、その代わりに前記転舵モータ転流手段を前記転舵モータに電気的に接続する接続切替手段と、
    実時間で操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
    前記操舵状態検出手段によって検出された操舵状態に応じて、前記異常時に前記転舵モータ転流手段への給電電圧を段階的又は連続的に変更する給電電圧変更手段と
    を有する
    ことを特徴とするステアバイワイヤシステム。
  2. 前記操舵状態検出手段は、
    前記操舵ハンドルの操舵速度を検出する操舵速度検出手段を有し、
    前記給電電圧変更手段は、
    前記操舵速度の大きさに対して前記給電電圧を単調増加させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のステアバイワイヤシステム。
  3. 前記操舵速度検出手段は、
    前記操舵ハンドルの回転運動を動力として発電を行う発電手段を有し、
    前記発電手段から出力された電力に基づいて前記操舵速度を検出する
    ことを特徴とする請求項2に記載のステアバイワイヤシステム。
  4. 前記操舵速度検出手段は、
    前記操舵ハンドルの回転動作に連動して所定の回転角毎に回転角変化情報を出力する第1回転角センサを有し、
    前記回転角変化情報の単位時間当りの発生頻度に基づいて前記操舵速度を検出する
    ことを特徴とする請求項2に記載のステアバイワイヤシステム。
  5. 前記操舵速度検出手段は、
    前記操舵ハンドルの回転に伴って回転する物体に作用する遠心力に基づいて前記操舵速度を検出する
    ことを特徴とする請求項2に記載のステアバイワイヤシステム。
  6. 前記操舵状態検出手段は、
    前記操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段を有し、
    前記給電電圧変更手段は、
    前記操舵角の大きさに対して前記給電電圧を単調増加させる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のステアバイワイヤシステム。
  7. 前記操舵ハンドルの回転軸の回転運動を所定のギヤ比で増減速調整するギヤ比調整手段を有し、
    前記転舵モータは、
    3相のブラシレス直流モータであり、
    前記ブラシレス直流モータの3相の各通電状態を表す通電パターンの1周期は、
    前記ギヤ比調整手段の回転出力軸の所定の回転角にそれぞれ対応しており、
    各前記通電パターンの位相は、
    それぞれ互いに電気角で120°ずつずれている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のステアバイワイヤシステム。
  8. 前記転舵モータ転流手段は、
    前記操舵ハンドルの回転に連動して回転するブラシと、
    前記ブラシに摺動接触して前記転舵モータへの各相電圧を発生する分配子と
    を有する機械的な転流装置から構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のステアバイワイヤシステム。
  9. 前記転舵モータ転流手段は、
    前記操舵ハンドルの回転に連動して回転し前記転舵モータへの各相電圧を発生する分配子と、
    前記分配子に摺動接触するブラシと
    を有する機械的な転流装置から構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のステアバイワイヤシステム。
  10. 前記転流装置は、
    前記操舵ハンドルの回転角に応じて前記転舵モータへの各相電圧を発生する分配子と、 前記分配子に対して摺動接触し、前記操舵ハンドルの回転と共に回転し、その回転による遠心力に応じてその動径方向に摺動可能に配設され、かつ直流の給電点に接続された少なくとも1つの摺動子と
    を有し、
    前記給電電圧変更手段は、
    前記動径方向における前記摺動子の動径長が長い時ほど、前記摺動子をより高電位の給電点に接触させる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のステアバイワイヤシステム。
  11. 前記転舵モータ転流手段は、
    前記操舵ハンドルの所定の回転角毎に回転角変化情報を出力する第2回転角センサと、 前記回転角変化情報に基づいてON/OFF制御される半導体スイッチと
    を有する電子的な転流装置から構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のステアバイワイヤシステム。
  12. 前記第2回転角センサは、
    前記操舵ハンドルの回転に連動して回転するブラシと、
    前記ブラシに摺動接触して前記回転角変化情報を発生する分配子と
    を有する機械的な転流装置から構成されている
    ことを特徴とする請求項11に記載のステアバイワイヤシステム。
  13. 前記第2回転角センサは、
    前記操舵ハンドルの回転に連動して回転し前記回転角変化情報を発生する分配子と、
    前記分配子に摺動接触するブラシと
    を有する機械的な転流装置から構成されている
    ことを特徴とする請求項11に記載のステアバイワイヤシステム。
  14. 前記操舵状態検出手段は、
    前記車両の車速を検出する車速センサを有し、
    前記給電電圧変更手段は、
    前記車速が所定の微低速未満の場合には、前記給電電圧を所定の高電圧に維持し、
    前記車速が前記微低速以上の場合には、前記給電電圧を前記車速の変動に対して少なくとも一定に維持するか、または、前記給電電圧を前記車速に対して単調増加させる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載のステアバイワイヤシステム。
  15. 前記操舵ハンドルの回転運動を動力として発電を行う発電手段と、
    前記転舵モータ制御装置の異常時に、前記発電手段によって発電された電力を前記転舵モータに給電する発電電力供給手段と
    を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れか1項に記載のステアバイワイヤシステム。
  16. 前記操舵ハンドルが操舵された向きとは逆向きで、前記操舵ハンドルの操舵角の大きさの増大に伴って増大する復帰トルクを前記操舵ハンドルに対して付与する中立位置復帰手段と、
    前記転舵モータ制御装置の正常時に、前記復帰トルクを弱める復帰トルク削減手段と
    を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項15の何れか1項に記載のステアバイワイヤシステム。
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