JP2004291852A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】操舵装置用電源に電圧降下や断線といった異常が生じた際、バックアップ用電源への切り換え時に電圧低下を招来するおそれのない車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】車両(車両用操舵装置1)には複数の電源を有する電源部40が備えられている。転舵軸駆動モータ6にモータ駆動用電力を常時供給する操舵装置用電源41と、転舵軸駆動モータ6を除く車両用電装品(例えばランプ、メータ類等)に電力を常時供給する車両用電源42とを有している。操舵装置用電源41と車両用電源42とは、転舵軸6を回転駆動するモータ駆動回路Pに対して択一的にモータ駆動用電力を供給できるように並列配置されている。切換手段5は、モータ駆動回路Pに常時接続された操舵装置用電源41が所定値(閾値)以下に電圧降下したとき、操舵装置用電源41をモータ駆動回路Pと切断し,モータ駆動回路Pの電源を操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換える。
【選択図】 図2
【解決手段】車両(車両用操舵装置1)には複数の電源を有する電源部40が備えられている。転舵軸駆動モータ6にモータ駆動用電力を常時供給する操舵装置用電源41と、転舵軸駆動モータ6を除く車両用電装品(例えばランプ、メータ類等)に電力を常時供給する車両用電源42とを有している。操舵装置用電源41と車両用電源42とは、転舵軸6を回転駆動するモータ駆動回路Pに対して択一的にモータ駆動用電力を供給できるように並列配置されている。切換手段5は、モータ駆動回路Pに常時接続された操舵装置用電源41が所定値(閾値)以下に電圧降下したとき、操舵装置用電源41をモータ駆動回路Pと切断し,モータ駆動回路Pの電源を操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等の車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用操舵装置、特に自動車の操舵装置において、パワーステアリング装置が広く一般に普及している(特許文献1,2参照)。また、車両用操舵装置の他の例として、ハンドル軸と車輪転舵軸とが機械的に連結されず操舵制御部を介して電気的に接続されたステアバイワイヤ(Steer By Wire)方式が知られている(特許文献3参照)。これら車両用操舵装置の操舵制御部においては、操舵用のハンドル軸に与えられる操舵トルクや操舵角といった操舵入力に応じて車輪転舵軸に与えるべきアシストトルクや転舵角といった転舵出力を決定し、その転舵出力が車輪転舵軸に与えられるように転舵軸駆動モータの回転を制御する方式が採用されている。
【0003】
ところで、上記したような車両用操舵装置において、従来では、転舵軸駆動モータへのモータ駆動用電力の供給と、転舵軸駆動モータを除く車両用電装品等への電力の供給とは共通の電源から行われ、その共通の電源の電圧降下に備えて共通の予備電源(バックアップ用電源)が設けられていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−168597号公報
【特許文献2】
特開2001−341656号公報
【特許文献3】
特開2001−88727号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、主電源が電圧降下し、主電源から予備電源(バックアップ用電源)へ電源切換を行う際に、予備電源が地絡した状態で主電源と予備電源とが短絡してしまうと両電源ともに電圧低下し、主電源及び予備電源の両者ともに使用不能にしてしまうおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、操舵装置用電源に電圧降下や断線といった異常が生じた際、バックアップ用電源への切り換え時に電圧低下を招来するおそれのない車両用操舵装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記の課題を解決するために、本発明の車両用操舵装置は、
操舵用のハンドル軸に与えられる操舵入力に応じて車輪転舵軸に与えるべき転舵出力を決定し、その転舵出力が得られるように転舵軸駆動モータの回転を制御して前記車輪転舵軸を移動させる操舵制御部を有する車両用操舵装置において、
前記車両には複数の電源が装備され、
それら複数の電源には、前記転舵軸駆動モータにモータ駆動用電力を供給する操舵装置用電源と、バックアップ用電源とを少なくとも含み、
前記操舵装置用電源と前記バックアップ用電源とは、前記転舵軸駆動モータを回転駆動するモータ駆動回路に対して択一的にモータ駆動用電力を供給できるように並列配置され、
前記モータ駆動回路に接続された前記操舵装置用電源に異常が生じた際当該モータ駆動回路と切断され、前記バックアップ用電源が地絡及び電圧降下していないことを確認した後に、前記モータ駆動回路の電源が前記操舵装置用電源から前記バックアップ用電源に切り換えられることを特徴とする。
【0008】
この車両用操舵装置によれば、通常時、転舵軸駆動モータは操舵装置用電源を専用電源としてモータ駆動用電力を供給される。したがって、操舵装置用電源の容量を転舵軸駆動モータに合わせて選定でき、モータ駆動用電力を安定して供給できる。また、操舵装置用電源に電圧降下等の異常が生じた際、バックアップ用電源が地絡及び電圧降下していないことの確認後に操舵装置用電源からバックアップ用電源に切り換えられるので、電源ショートにより両電源ともに電圧低下を起こす事態が避けられる。なお、地絡及び電圧降下していないことの確認方法として、操舵装置用電源からバックアップ用電源への切り換えまでにタイムラグを設ける方法や、車両用電源の電圧値(及び/又は電流値)の変化を監視する方法等を採用できる。
【0009】
また、上記の課題を解決するために、本発明の車両用操舵装置は、
操舵用のハンドル軸に与えられる操舵入力に応じて車輪転舵軸に与えるべき転舵出力を決定し、その転舵出力が得られるように転舵軸駆動モータの回転を制御して前記車輪転舵軸を移動させる操舵制御部を有する車両用操舵装置において、
前記車両には複数の電源が装備され、
それら複数の電源には、前記転舵軸駆動モータにモータ駆動用電力を供給する操舵装置用電源と、バックアップ用電源とを少なくとも含み、
前記操舵装置用電源と前記バックアップ用電源とは、前記転舵軸駆動モータを回転駆動するモータ駆動回路に対して択一的にモータ駆動用電力を供給できるように並列配置され、
前記モータ駆動回路に接続された前記操舵装置用電源に異常が生じた際当該モータ駆動回路と切断され、その所定時間経過後に、前記モータ駆動回路の電源が前記操舵装置用電源から前記バックアップ用電源に切り換えられることを特徴とする。
【0010】
このような車両用操舵装置においても、上記したと同様に、操舵装置用電源に電圧降下等の異常が生じた際、バックアップ用電源を切り換え使用できるので、転舵軸駆動モータへの電力供給を途絶えさせることがない。したがって、ステアバイワイヤ方式の車両用操舵装置においても、操舵不能状態を回避することができる。さらに、操舵装置用電源に電圧降下等の異常が生じた際、操舵装置用電源の切断後所定のタイムラグをおいてバックアップ用電源に切り換えられるので、電源ショートにより両電源ともに電圧低下を起こす事態が避けられる。
【0011】
例えば、モータ駆動回路に接続された操舵装置用電源に異常が生じた際、リレーの接点切換により操舵装置用電源をモータ駆動回路と切断し、その所定時間経過後に、限時リレーの接点切換によりモータ駆動回路の電源を操舵装置用電源からバックアップ用電源に切り換えることができる。
あるいは、モータ駆動回路に接続された操舵装置用電源に異常が生じた際、第一のリレーの接点切換により操舵装置用電源をモータ駆動回路と切断し、その所定時間経過後に、第二のリレーの接点切換によりモータ駆動回路の電源を操舵装置用電源からバックアップ用電源に切り換えることができる。
これらの手段をとれば、比較的大電流が流れるモータ駆動回路において、操舵装置用電源からバックアップ用電源への切換がスムーズに行なえ、かつ、電源ショートにより両電源ともに電圧低下を起こす事態が避けられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
(実施例)
図1は、本発明が適用される車両用操舵装置の一例としてのステアバイワイヤ方式操舵装置の全体構成を模式的に示したものである(なお、本実施形態において「車両」は自動車とするが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない)。この車両用操舵装置1は、操舵用ハンドル2に直結されたハンドル軸3と、車輪転舵軸11とが機械的に分離されたステアバイワイヤ方式に構成されている。車輪転舵軸11には、転舵軸駆動モータ(以下、単にモータともいう)6及び減速機構12が同軸状に組み付けられている。これにより、モータ6の回転が減速機構12を介して車輪転舵軸11に伝達され、車輪転舵軸11が軸線方向に往復動し、車輪13,13の転舵角が変化する。
【0013】
ハンドル軸3の角度位置φは、ロータリエンコーダ等の周知の角度検出部からなるハンドル軸角度検出部14により操舵角(操舵入力)として検出される。一方、同じくロータリエンコーダ等からなるモータ角度位置検出部15によりモータ6の回転角度位置θが転舵角(転舵出力)として検出される。そして、操舵制御部20が、検出されたハンドル軸3の角度位置φに基づいて、モータ6の目標回転角度位置θ’を決定し、モータ6の回転角度位置θが目標回転角度位置θ’に近づくように、モータ6の動作を制御する。
【0014】
図2は、車両用操舵装置1のブロック図である。車両(車両用操舵装置1)には複数の電源を有する電源部40が備えられている。この実施例では、電源部40は、モータ6にモータ駆動用電力を常時供給する操舵装置用電源41と、モータ6を除く車両用電装品(例えばランプ、メータ類等)に電力を常時供給する車両用電源42とを有している。操舵制御部20において、操舵装置用電源41とバックアップ用電源としての車両用電源42とは、モータ6を回転駆動するモータ駆動回路Pに対して択一的にモータ駆動用電力を供給できるように並列配置されている。
【0015】
具体的には、操舵装置用電源41と車両用電源42とは操舵制御部20の切換手段5(切換回路)を介してモータ駆動回路Pに択一的に接続されるとともに、モータ駆動回路Pは電源フィルタ22を経てモータ6のドライバ18に接続されている。切換手段5は、モータ駆動回路Pに常時接続された操舵装置用電源41が所定値(閾値)以下に電圧降下したとき、操舵装置用電源41をモータ駆動回路Pと切断し、車両用電源42が地絡していないことを確認した後に、モータ駆動回路Pの電源を操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換えるものである。
【0016】
同様に、操舵装置用電源41と車両用電源42とは車両用供給部30の切換手段5’を介して車両駆動回路P’に択一的に接続されるとともに、車両駆動回路P’は電源フィルタ32を経てランプ、メータ類等の車両用電装品(図示せず)に接続されている。切換手段5’は、車両駆動回路P’に常時接続された車両用電源42が所定値(閾値)以下に電圧降下したとき、車両用電源42を、車両駆動回路P’と切断し、操舵装置用電源41が地絡していないことを確認した後に、車両駆動回路P’の電源を車両用電源42から操舵装置用電源41に切り換えるものである。
【0017】
この他、操舵制御部20には、CPU23、RAM24、ROM25、入出力インターフェース26等を有し、これらをバス27により送受信可能に接続したマイクロコンピュータを備えている。また、操舵装置用電源41と車両用電源42とは各々常閉スイッチ29,29及び逆流防止用ダイオード21,21を介して点Aで接続されて電圧調整手段28に入力される。その後、電圧調整手段28によって電圧コントロール(例えば、DC+12V→DC+5Vに変換)された電圧がモータ制御回路Cを通り、入出力インターフェース26等に入力される。そして、操舵装置用電源41と車両用電源42とは、操舵軸駆動モータ6の回転を制御するモータ制御回路Cに対して常時モータ制御用電力を供給できるように並列接続されている。
【0018】
なお、入出力インターフェース26には、ハンドル軸角度検出部14の角度位置φ、モータ角度位置検出部15の回転角度位置θ、切換手段5(モータ駆動回路P)の電圧値V(後述)等が入力される。一方、入出力インターフェース26からは、ドライバ18に対するモータ6の回転制御指令、切換手段5に対する切換制御指令(後述)等が出力される。
【0019】
図3により、切換手段5によるモータ駆動回路Pに接続する電源回路の切換方法について詳述する。モータ駆動回路Pに接続された操舵装置用電源41が所定値(閾値;図3(c)参照)以下に電圧降下したとき、切換手段5は、操舵装置用電源41をモータ駆動回路Pと切断し、その所定時間(遅延時間;図3(c)参照)経過後に、モータ駆動回路Pの電源を操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換える。
【0020】
具体的には、切換手段5(切換回路)は、モータ駆動回路Pの電圧を監視する電圧モニタ5aと、電磁リレー5b(R;リレー)とリレードライバ5xとの直列回路及びタイマリレー5c(TLR;限時リレー;オンディレイタイマ)とタイマリレードライバ5yとの直列回路とを有している。電磁リレー5b(R)及びタイマリレー5c(TLR)には、モータ制御回路Cの電圧調整前の電位(例えばDC+12V)が上記した接続点A(図2参照)より与えられている。電磁リレー5b(R)に連動する常閉接点5d(R−b)が操舵装置用電源41に接続された回路に設けられる。一方、タイマリレー5c(TLR)に連動する常開接点5e(TLR−a)が車両用電源42に接続された回路に設けられる。これによって、モータ駆動回路Pに接続された操舵装置用電源41が所定値以下に電圧降下したとき、電磁リレー5b(R)の常閉接点5d(R−b)が開状態に切り換えられて、操舵装置用電源41はモータ駆動回路Pと切断される。その所定時間(タイマリレー5cで設定された遅延時間)経過後に、タイマリレー5c(TLR)の常開接点5e(TLR−a)が閉状態に切り換えられて、モータ駆動回路Pの電源が操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換えられる。
【0021】
なお、図2に示す車両用供給部30の切換手段5’では、図3(a)の常閉接点5d(R−b)と常開接点5e(TLR−a)との接続位置を入れ換えて使用される。
【0022】
次に、図4のフローチャートに沿って、CPU23が主体となって実施される電源切換プログラムの内容を説明する。電圧モニタ5a(図3(a)参照)により、モータ駆動回路P(操舵装置用電源41)の電圧値を監視し(S1)、電圧が設定された閾値以下に低下していないかをチェックする(S2)。電圧が閾値以下に低下している場合には(S2でYES)、リレードライバ5xとタイマリレードライバ5yとを介して電磁リレー5b(R)とタイマリレー5c(TLR)とが作動される(S3)。電磁リレー5b(R)の励磁により、常閉接点5d(R−b)が開き、操舵装置用電源41がモータ駆動回路Pから切断される(S4;図3(b)(c)参照)。遅延時間経過後にタイマリレー5c(TLR)の励磁により、常開接点5e(TLR−a)が閉じられて、車両用電源42がモータ駆動回路Pに接続される(S5;図3(b)(c)参照)。
【0023】
再び、電圧モニタ5a(図3(a)参照)により、モータ駆動回路P(車両用電源42)の電圧値を監視し(S6)、電圧が設定された閾値以下に低下していないかをチェックする(S7)。電圧が閾値以下に低下している場合には(S7でYES)、操舵装置用電源41・車両用電源42ともにモータ6を回転駆動させる充分な駆動用電力をモータ駆動回路Pに供給できない旨を警報出力するとともに、リレードライバ5xとタイマリレードライバ5yとを介して電磁リレー5b(R)とタイマリレー5c(TLR)とを非作動とする(S8)。これによって、瞬時に常閉接点5d(R−b)が閉じ、常開接点5e(TLR−a)が開くので、再び操舵装置用電源41がモータ駆動回路Pに接続される(図3(a)参照)。操舵装置用電源41は電圧モニタ5aにより電圧低下していることを検知されているが、その電圧の余力で操舵が行なわれ操舵不能になるのを回避する。
【0024】
このように、操舵装置用電源41の電圧降下時に車両用電源42がバックアップ用電源として機能するので、本実施例のようなステアバイワイヤ方式の車両用操舵装置1においても、操舵不能状態を回避することができる。また、本実施例では、モータ駆動回路Pに接続された操舵装置用電源41が所定値(閾値)以下に電圧降下したときモータ駆動回路Pと切断され、その所定時間(遅延時間)経過後に、モータ駆動回路Pの電源を操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換える。これによって、操舵装置用電源41の電圧降下の際に、バックアップ用電源としての車両用電源42が地絡していた場合でも、切り換えまでにタイムラグを設けてあるので、電源ショートにより両電源41,42ともに電圧低下を起こすことが避けられる。
【0025】
さらに、操舵装置用電源41と車両用電源42とは、モータ6の回転を制御するモータ制御回路Cに対して常時モータ制御用電力を供給するように並列接続されているので、モータ制御用電力を常時供給でき、操舵制御が不安定となったり、地絡を確認できなくなるといった事態を防止できる。
【0026】
(変形例)
図5に図3(a)の切換回路の変形例を示す。この切換回路50(切換手段)では、モータ駆動回路Pの電圧を監視する電圧モニタ5aと、第一電磁リレー50b(R1;リレー)と第一電磁リレードライバ50xとの直列回路及び第二電磁リレー50c(R2;リレー)と第二電磁リレードライバ50yとの直列回路とを有している。第一電磁リレー50b(R1)及び第二電磁リレー50c(R2)には、モータ制御回路Cの電圧調整前の電位(例えばDC+12V)が上記した接続点A(図2参照)より与えられている。第一電磁リレー50b(R1)に連動する常閉接点50d(R1−b)が操舵装置用電源41に接続された回路に設けられる。一方、第二電磁リレー50c(R2)に連動する常開接点50e(R2−a)が車両用電源42に接続された回路に設けられる。これによって、モータ駆動回路Pに接続された操舵装置用電源41が所定値以下に電圧降下したとき、第一電磁リレー50b(R1)の常閉接点50d(R1−b)が開状態に切り換えられて、操舵装置用電源41はモータ駆動回路Pと切断される。その所定時間(予め設定され、CPU23からのクロック信号に基づく遅延時間)経過後に、第二電磁リレー50c(R2)の常開接点50e(R2−a)が閉状態に切り換えられて、モータ駆動回路Pの電源が操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換えられる。
【0027】
以上の説明は、ステアバイワイヤ方式操舵装置についてのみ行なったが、パワーステアリング装置にも適用できる。また、バックアップ用電源として車両用電源を使用する例を示したが、バックアップ用電源は車両用電源に接続されない純粋な(専用の)バックアップ用電源でも構わない。なお、これらの車両用操舵装置には、電動式、電動油圧式、速度感応型・回転数感応型等の転舵出力可変式等、種々のタイプが含まれる。なお、電源部40に設ける電源は複数であればよく、操舵制御部及びモータの数は、1又は複数のいずれでもよい。また、これらの数は適宜組合せることができる。例えば、2基の操舵制御部と1個のモータ、1基の操舵制御部と2個のモータ等の組合せを選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される車両用操舵装置の一例としてのステアバイワイヤ方式操舵装置の全体構成を示す模式図。
【図2】図1の車両用操舵装置のブロック図。
【図3】切換手段の回路構成図、そのタイミングチャート及びモータ駆動回路の電圧変化を表わすグラフ。
【図4】電源切換プログラムの内容を示すフローチャート。
【図5】図3(a)の切換手段の変形例を示す回路構成図。
【符号の説明】
1 車両用操舵装置(ステアバイワイヤ方式操舵装置)
3 ハンドル軸
5 切換手段(切換回路)
6 モータ(転舵軸駆動モータ)
11 車輪転舵軸
20 操舵制御部
40 電源部
41 操舵装置用電源
42 車両用電源(バックアップ用電源)
C モータ制御回路
P モータ駆動回路
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等の車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用操舵装置、特に自動車の操舵装置において、パワーステアリング装置が広く一般に普及している(特許文献1,2参照)。また、車両用操舵装置の他の例として、ハンドル軸と車輪転舵軸とが機械的に連結されず操舵制御部を介して電気的に接続されたステアバイワイヤ(Steer By Wire)方式が知られている(特許文献3参照)。これら車両用操舵装置の操舵制御部においては、操舵用のハンドル軸に与えられる操舵トルクや操舵角といった操舵入力に応じて車輪転舵軸に与えるべきアシストトルクや転舵角といった転舵出力を決定し、その転舵出力が車輪転舵軸に与えられるように転舵軸駆動モータの回転を制御する方式が採用されている。
【0003】
ところで、上記したような車両用操舵装置において、従来では、転舵軸駆動モータへのモータ駆動用電力の供給と、転舵軸駆動モータを除く車両用電装品等への電力の供給とは共通の電源から行われ、その共通の電源の電圧降下に備えて共通の予備電源(バックアップ用電源)が設けられていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−168597号公報
【特許文献2】
特開2001−341656号公報
【特許文献3】
特開2001−88727号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、主電源が電圧降下し、主電源から予備電源(バックアップ用電源)へ電源切換を行う際に、予備電源が地絡した状態で主電源と予備電源とが短絡してしまうと両電源ともに電圧低下し、主電源及び予備電源の両者ともに使用不能にしてしまうおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、操舵装置用電源に電圧降下や断線といった異常が生じた際、バックアップ用電源への切り換え時に電圧低下を招来するおそれのない車両用操舵装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記の課題を解決するために、本発明の車両用操舵装置は、
操舵用のハンドル軸に与えられる操舵入力に応じて車輪転舵軸に与えるべき転舵出力を決定し、その転舵出力が得られるように転舵軸駆動モータの回転を制御して前記車輪転舵軸を移動させる操舵制御部を有する車両用操舵装置において、
前記車両には複数の電源が装備され、
それら複数の電源には、前記転舵軸駆動モータにモータ駆動用電力を供給する操舵装置用電源と、バックアップ用電源とを少なくとも含み、
前記操舵装置用電源と前記バックアップ用電源とは、前記転舵軸駆動モータを回転駆動するモータ駆動回路に対して択一的にモータ駆動用電力を供給できるように並列配置され、
前記モータ駆動回路に接続された前記操舵装置用電源に異常が生じた際当該モータ駆動回路と切断され、前記バックアップ用電源が地絡及び電圧降下していないことを確認した後に、前記モータ駆動回路の電源が前記操舵装置用電源から前記バックアップ用電源に切り換えられることを特徴とする。
【0008】
この車両用操舵装置によれば、通常時、転舵軸駆動モータは操舵装置用電源を専用電源としてモータ駆動用電力を供給される。したがって、操舵装置用電源の容量を転舵軸駆動モータに合わせて選定でき、モータ駆動用電力を安定して供給できる。また、操舵装置用電源に電圧降下等の異常が生じた際、バックアップ用電源が地絡及び電圧降下していないことの確認後に操舵装置用電源からバックアップ用電源に切り換えられるので、電源ショートにより両電源ともに電圧低下を起こす事態が避けられる。なお、地絡及び電圧降下していないことの確認方法として、操舵装置用電源からバックアップ用電源への切り換えまでにタイムラグを設ける方法や、車両用電源の電圧値(及び/又は電流値)の変化を監視する方法等を採用できる。
【0009】
また、上記の課題を解決するために、本発明の車両用操舵装置は、
操舵用のハンドル軸に与えられる操舵入力に応じて車輪転舵軸に与えるべき転舵出力を決定し、その転舵出力が得られるように転舵軸駆動モータの回転を制御して前記車輪転舵軸を移動させる操舵制御部を有する車両用操舵装置において、
前記車両には複数の電源が装備され、
それら複数の電源には、前記転舵軸駆動モータにモータ駆動用電力を供給する操舵装置用電源と、バックアップ用電源とを少なくとも含み、
前記操舵装置用電源と前記バックアップ用電源とは、前記転舵軸駆動モータを回転駆動するモータ駆動回路に対して択一的にモータ駆動用電力を供給できるように並列配置され、
前記モータ駆動回路に接続された前記操舵装置用電源に異常が生じた際当該モータ駆動回路と切断され、その所定時間経過後に、前記モータ駆動回路の電源が前記操舵装置用電源から前記バックアップ用電源に切り換えられることを特徴とする。
【0010】
このような車両用操舵装置においても、上記したと同様に、操舵装置用電源に電圧降下等の異常が生じた際、バックアップ用電源を切り換え使用できるので、転舵軸駆動モータへの電力供給を途絶えさせることがない。したがって、ステアバイワイヤ方式の車両用操舵装置においても、操舵不能状態を回避することができる。さらに、操舵装置用電源に電圧降下等の異常が生じた際、操舵装置用電源の切断後所定のタイムラグをおいてバックアップ用電源に切り換えられるので、電源ショートにより両電源ともに電圧低下を起こす事態が避けられる。
【0011】
例えば、モータ駆動回路に接続された操舵装置用電源に異常が生じた際、リレーの接点切換により操舵装置用電源をモータ駆動回路と切断し、その所定時間経過後に、限時リレーの接点切換によりモータ駆動回路の電源を操舵装置用電源からバックアップ用電源に切り換えることができる。
あるいは、モータ駆動回路に接続された操舵装置用電源に異常が生じた際、第一のリレーの接点切換により操舵装置用電源をモータ駆動回路と切断し、その所定時間経過後に、第二のリレーの接点切換によりモータ駆動回路の電源を操舵装置用電源からバックアップ用電源に切り換えることができる。
これらの手段をとれば、比較的大電流が流れるモータ駆動回路において、操舵装置用電源からバックアップ用電源への切換がスムーズに行なえ、かつ、電源ショートにより両電源ともに電圧低下を起こす事態が避けられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
(実施例)
図1は、本発明が適用される車両用操舵装置の一例としてのステアバイワイヤ方式操舵装置の全体構成を模式的に示したものである(なお、本実施形態において「車両」は自動車とするが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない)。この車両用操舵装置1は、操舵用ハンドル2に直結されたハンドル軸3と、車輪転舵軸11とが機械的に分離されたステアバイワイヤ方式に構成されている。車輪転舵軸11には、転舵軸駆動モータ(以下、単にモータともいう)6及び減速機構12が同軸状に組み付けられている。これにより、モータ6の回転が減速機構12を介して車輪転舵軸11に伝達され、車輪転舵軸11が軸線方向に往復動し、車輪13,13の転舵角が変化する。
【0013】
ハンドル軸3の角度位置φは、ロータリエンコーダ等の周知の角度検出部からなるハンドル軸角度検出部14により操舵角(操舵入力)として検出される。一方、同じくロータリエンコーダ等からなるモータ角度位置検出部15によりモータ6の回転角度位置θが転舵角(転舵出力)として検出される。そして、操舵制御部20が、検出されたハンドル軸3の角度位置φに基づいて、モータ6の目標回転角度位置θ’を決定し、モータ6の回転角度位置θが目標回転角度位置θ’に近づくように、モータ6の動作を制御する。
【0014】
図2は、車両用操舵装置1のブロック図である。車両(車両用操舵装置1)には複数の電源を有する電源部40が備えられている。この実施例では、電源部40は、モータ6にモータ駆動用電力を常時供給する操舵装置用電源41と、モータ6を除く車両用電装品(例えばランプ、メータ類等)に電力を常時供給する車両用電源42とを有している。操舵制御部20において、操舵装置用電源41とバックアップ用電源としての車両用電源42とは、モータ6を回転駆動するモータ駆動回路Pに対して択一的にモータ駆動用電力を供給できるように並列配置されている。
【0015】
具体的には、操舵装置用電源41と車両用電源42とは操舵制御部20の切換手段5(切換回路)を介してモータ駆動回路Pに択一的に接続されるとともに、モータ駆動回路Pは電源フィルタ22を経てモータ6のドライバ18に接続されている。切換手段5は、モータ駆動回路Pに常時接続された操舵装置用電源41が所定値(閾値)以下に電圧降下したとき、操舵装置用電源41をモータ駆動回路Pと切断し、車両用電源42が地絡していないことを確認した後に、モータ駆動回路Pの電源を操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換えるものである。
【0016】
同様に、操舵装置用電源41と車両用電源42とは車両用供給部30の切換手段5’を介して車両駆動回路P’に択一的に接続されるとともに、車両駆動回路P’は電源フィルタ32を経てランプ、メータ類等の車両用電装品(図示せず)に接続されている。切換手段5’は、車両駆動回路P’に常時接続された車両用電源42が所定値(閾値)以下に電圧降下したとき、車両用電源42を、車両駆動回路P’と切断し、操舵装置用電源41が地絡していないことを確認した後に、車両駆動回路P’の電源を車両用電源42から操舵装置用電源41に切り換えるものである。
【0017】
この他、操舵制御部20には、CPU23、RAM24、ROM25、入出力インターフェース26等を有し、これらをバス27により送受信可能に接続したマイクロコンピュータを備えている。また、操舵装置用電源41と車両用電源42とは各々常閉スイッチ29,29及び逆流防止用ダイオード21,21を介して点Aで接続されて電圧調整手段28に入力される。その後、電圧調整手段28によって電圧コントロール(例えば、DC+12V→DC+5Vに変換)された電圧がモータ制御回路Cを通り、入出力インターフェース26等に入力される。そして、操舵装置用電源41と車両用電源42とは、操舵軸駆動モータ6の回転を制御するモータ制御回路Cに対して常時モータ制御用電力を供給できるように並列接続されている。
【0018】
なお、入出力インターフェース26には、ハンドル軸角度検出部14の角度位置φ、モータ角度位置検出部15の回転角度位置θ、切換手段5(モータ駆動回路P)の電圧値V(後述)等が入力される。一方、入出力インターフェース26からは、ドライバ18に対するモータ6の回転制御指令、切換手段5に対する切換制御指令(後述)等が出力される。
【0019】
図3により、切換手段5によるモータ駆動回路Pに接続する電源回路の切換方法について詳述する。モータ駆動回路Pに接続された操舵装置用電源41が所定値(閾値;図3(c)参照)以下に電圧降下したとき、切換手段5は、操舵装置用電源41をモータ駆動回路Pと切断し、その所定時間(遅延時間;図3(c)参照)経過後に、モータ駆動回路Pの電源を操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換える。
【0020】
具体的には、切換手段5(切換回路)は、モータ駆動回路Pの電圧を監視する電圧モニタ5aと、電磁リレー5b(R;リレー)とリレードライバ5xとの直列回路及びタイマリレー5c(TLR;限時リレー;オンディレイタイマ)とタイマリレードライバ5yとの直列回路とを有している。電磁リレー5b(R)及びタイマリレー5c(TLR)には、モータ制御回路Cの電圧調整前の電位(例えばDC+12V)が上記した接続点A(図2参照)より与えられている。電磁リレー5b(R)に連動する常閉接点5d(R−b)が操舵装置用電源41に接続された回路に設けられる。一方、タイマリレー5c(TLR)に連動する常開接点5e(TLR−a)が車両用電源42に接続された回路に設けられる。これによって、モータ駆動回路Pに接続された操舵装置用電源41が所定値以下に電圧降下したとき、電磁リレー5b(R)の常閉接点5d(R−b)が開状態に切り換えられて、操舵装置用電源41はモータ駆動回路Pと切断される。その所定時間(タイマリレー5cで設定された遅延時間)経過後に、タイマリレー5c(TLR)の常開接点5e(TLR−a)が閉状態に切り換えられて、モータ駆動回路Pの電源が操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換えられる。
【0021】
なお、図2に示す車両用供給部30の切換手段5’では、図3(a)の常閉接点5d(R−b)と常開接点5e(TLR−a)との接続位置を入れ換えて使用される。
【0022】
次に、図4のフローチャートに沿って、CPU23が主体となって実施される電源切換プログラムの内容を説明する。電圧モニタ5a(図3(a)参照)により、モータ駆動回路P(操舵装置用電源41)の電圧値を監視し(S1)、電圧が設定された閾値以下に低下していないかをチェックする(S2)。電圧が閾値以下に低下している場合には(S2でYES)、リレードライバ5xとタイマリレードライバ5yとを介して電磁リレー5b(R)とタイマリレー5c(TLR)とが作動される(S3)。電磁リレー5b(R)の励磁により、常閉接点5d(R−b)が開き、操舵装置用電源41がモータ駆動回路Pから切断される(S4;図3(b)(c)参照)。遅延時間経過後にタイマリレー5c(TLR)の励磁により、常開接点5e(TLR−a)が閉じられて、車両用電源42がモータ駆動回路Pに接続される(S5;図3(b)(c)参照)。
【0023】
再び、電圧モニタ5a(図3(a)参照)により、モータ駆動回路P(車両用電源42)の電圧値を監視し(S6)、電圧が設定された閾値以下に低下していないかをチェックする(S7)。電圧が閾値以下に低下している場合には(S7でYES)、操舵装置用電源41・車両用電源42ともにモータ6を回転駆動させる充分な駆動用電力をモータ駆動回路Pに供給できない旨を警報出力するとともに、リレードライバ5xとタイマリレードライバ5yとを介して電磁リレー5b(R)とタイマリレー5c(TLR)とを非作動とする(S8)。これによって、瞬時に常閉接点5d(R−b)が閉じ、常開接点5e(TLR−a)が開くので、再び操舵装置用電源41がモータ駆動回路Pに接続される(図3(a)参照)。操舵装置用電源41は電圧モニタ5aにより電圧低下していることを検知されているが、その電圧の余力で操舵が行なわれ操舵不能になるのを回避する。
【0024】
このように、操舵装置用電源41の電圧降下時に車両用電源42がバックアップ用電源として機能するので、本実施例のようなステアバイワイヤ方式の車両用操舵装置1においても、操舵不能状態を回避することができる。また、本実施例では、モータ駆動回路Pに接続された操舵装置用電源41が所定値(閾値)以下に電圧降下したときモータ駆動回路Pと切断され、その所定時間(遅延時間)経過後に、モータ駆動回路Pの電源を操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換える。これによって、操舵装置用電源41の電圧降下の際に、バックアップ用電源としての車両用電源42が地絡していた場合でも、切り換えまでにタイムラグを設けてあるので、電源ショートにより両電源41,42ともに電圧低下を起こすことが避けられる。
【0025】
さらに、操舵装置用電源41と車両用電源42とは、モータ6の回転を制御するモータ制御回路Cに対して常時モータ制御用電力を供給するように並列接続されているので、モータ制御用電力を常時供給でき、操舵制御が不安定となったり、地絡を確認できなくなるといった事態を防止できる。
【0026】
(変形例)
図5に図3(a)の切換回路の変形例を示す。この切換回路50(切換手段)では、モータ駆動回路Pの電圧を監視する電圧モニタ5aと、第一電磁リレー50b(R1;リレー)と第一電磁リレードライバ50xとの直列回路及び第二電磁リレー50c(R2;リレー)と第二電磁リレードライバ50yとの直列回路とを有している。第一電磁リレー50b(R1)及び第二電磁リレー50c(R2)には、モータ制御回路Cの電圧調整前の電位(例えばDC+12V)が上記した接続点A(図2参照)より与えられている。第一電磁リレー50b(R1)に連動する常閉接点50d(R1−b)が操舵装置用電源41に接続された回路に設けられる。一方、第二電磁リレー50c(R2)に連動する常開接点50e(R2−a)が車両用電源42に接続された回路に設けられる。これによって、モータ駆動回路Pに接続された操舵装置用電源41が所定値以下に電圧降下したとき、第一電磁リレー50b(R1)の常閉接点50d(R1−b)が開状態に切り換えられて、操舵装置用電源41はモータ駆動回路Pと切断される。その所定時間(予め設定され、CPU23からのクロック信号に基づく遅延時間)経過後に、第二電磁リレー50c(R2)の常開接点50e(R2−a)が閉状態に切り換えられて、モータ駆動回路Pの電源が操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換えられる。
【0027】
以上の説明は、ステアバイワイヤ方式操舵装置についてのみ行なったが、パワーステアリング装置にも適用できる。また、バックアップ用電源として車両用電源を使用する例を示したが、バックアップ用電源は車両用電源に接続されない純粋な(専用の)バックアップ用電源でも構わない。なお、これらの車両用操舵装置には、電動式、電動油圧式、速度感応型・回転数感応型等の転舵出力可変式等、種々のタイプが含まれる。なお、電源部40に設ける電源は複数であればよく、操舵制御部及びモータの数は、1又は複数のいずれでもよい。また、これらの数は適宜組合せることができる。例えば、2基の操舵制御部と1個のモータ、1基の操舵制御部と2個のモータ等の組合せを選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される車両用操舵装置の一例としてのステアバイワイヤ方式操舵装置の全体構成を示す模式図。
【図2】図1の車両用操舵装置のブロック図。
【図3】切換手段の回路構成図、そのタイミングチャート及びモータ駆動回路の電圧変化を表わすグラフ。
【図4】電源切換プログラムの内容を示すフローチャート。
【図5】図3(a)の切換手段の変形例を示す回路構成図。
【符号の説明】
1 車両用操舵装置(ステアバイワイヤ方式操舵装置)
3 ハンドル軸
5 切換手段(切換回路)
6 モータ(転舵軸駆動モータ)
11 車輪転舵軸
20 操舵制御部
40 電源部
41 操舵装置用電源
42 車両用電源(バックアップ用電源)
C モータ制御回路
P モータ駆動回路
Claims (4)
- 操舵用のハンドル軸に与えられる操舵入力に応じて車輪転舵軸に与えるべき転舵出力を決定し、その転舵出力が得られるように転舵軸駆動モータの回転を制御して前記車輪転舵軸を移動させる操舵制御部を有する車両用操舵装置において、
前記車両には複数の電源が装備され、
それら複数の電源には、前記転舵軸駆動モータにモータ駆動用電力を供給する操舵装置用電源と、バックアップ用電源とを少なくとも含み、
前記操舵装置用電源と前記バックアップ用電源とは、前記転舵軸駆動モータを回転駆動するモータ駆動回路に対して択一的にモータ駆動用電力を供給できるように並列配置され、
前記モータ駆動回路に接続された前記操舵装置用電源に異常が生じた際当該モータ駆動回路と切断され、前記バックアップ用電源が地絡及び電圧降下していないことを確認した後に、前記モータ駆動回路の電源が前記操舵装置用電源から前記バックアップ用電源に切り換えられることを特徴とする車両用操舵装置。 - 操舵用のハンドル軸に与えられる操舵入力に応じて車輪転舵軸に与えるべき転舵出力を決定し、その転舵出力が得られるように転舵軸駆動モータの回転を制御して前記車輪転舵軸を移動させる操舵制御部を有する車両用操舵装置において、
前記車両には複数の電源が装備され、
それら複数の電源には、前記転舵軸駆動モータにモータ駆動用電力を供給する操舵装置用電源と、バックアップ用電源とを少なくとも含み、
前記操舵装置用電源と前記バックアップ用電源とは、前記転舵軸駆動モータを回転駆動するモータ駆動回路に対して択一的にモータ駆動用電力を供給できるように並列配置され、
前記モータ駆動回路に接続された前記操舵装置用電源に異常が生じた際当該モータ駆動回路と切断され、その所定時間経過後に、前記モータ駆動回路の電源が前記操舵装置用電源から前記バックアップ用電源に切り換えられることを特徴とする車両用操舵装置。 - 前記モータ駆動回路に接続された前記操舵装置用電源に異常が生じた際、リレーの接点切換により前記操舵装置用電源は前記モータ駆動回路と切断され、その所定時間経過後に、限時リレーの接点切換により前記モータ駆動回路の電源が前記操舵装置用電源から前記バックアップ用電源に切り換えられる請求項2に記載の車両用操舵装置。
- 前記モータ駆動回路に接続された前記操舵装置用電源に異常が生じた際、第一のリレーの接点切換により前記操舵装置用電源は前記モータ駆動回路と切断され、その所定時間経過後に、第二のリレーの接点切換により前記モータ駆動回路の電源が前記操舵装置用電源から前記バックアップ用電源に切り換えられる請求項2に記載の車両用操舵装置。
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JP2007118930A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-05-17 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | ステアバイワイヤシステム |
US8280589B2 (en) | 2007-08-30 | 2012-10-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Steering apparatus |
US20180304916A1 (en) * | 2015-10-27 | 2018-10-25 | Kyb Corporation | Sensor device and electric power steering device |
JP2021046162A (ja) * | 2019-09-20 | 2021-03-25 | 株式会社ジェイテクト | 電源装置 |
-
2003
- 2003-03-27 JP JP2003088194A patent/JP2004291852A/ja active Pending
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